以下の発明を実施するための形態は、図を参照しながら説明される。実例の実装形態は、特許請求の範囲によって定義される、開示された技術の範囲を制限するのではなく、例証するように説明される。当業者なら、続く説明を基に様々な同等の変形形態を認識するはずである。
導入部
合成時解読(SBS)は、DNAまたはRNA分子におけるヌクレオチドをシーケンシングするためのいくつかの普及している技術のうちの1つである。シーケンシングを遂行するマシンは、シーケンシング処理のステップ中に特定の温度において動作する高度なサブシステムを備える複合システムである。シーケンシングマシンを得て動作させるためのコストは高い。シーケンシング処理中に、シーケンシングマシンのサブシステムは、内部不安定性および外部不安定性の影響を受ける可能性がある。
SBSの処理サイクルにおいて、シーケンシングされるDNAからヌクレオチド配列断片(分子またはインサートと呼ばれることもある)に対して、相補ヌクレオチドが1つずつ追加される。分子におけるヌクレオチドのシーケンシングは何百ものサイクルで進行する。シーケンシングサイクルが開始する前に、シーケンシングされる分子のライブラリがスライド、すなわちフローセル上に用意されている。分子はフローセル上の複数のレーンの内部に並べて配置されている。サイクルは化学的な画像取り込みおよび画像処理動作を含む。各サイクルにおいて、分子に結合している相補ヌクレオチドを識別するために、光学的サブシステム、機械的サブシステム、および化学的サブシステムを含むサブシステムが動作する。フローセル上には何百万または何十億もの分子のクラスタがあるので、添加ヌクレオチドの識別は大量並列である。シーケンシングランは何百ものシーケンシング処理サイクルを含み、完結するために多くの日数を要する可能性がある。シーケンシングランの結果の全体が、下流分析のための最低限のクオリティ要求を満たさないために棄却されることがある。したがって、シーケンシング結果のクオリティに影響を及ぼす場合には、できるだけ早くサブシステム障害を予測することが望まれる。
開示される技術は、以前には収集されることまたは解析されることのなかった、内部制御ループによって使用されるセンサから選択されたデータを導出するようにシーケンサを変更することを包含している。制御ループにおいて使用されるサブシステムおよびセンサの要求される念入りな解析を導出し、かつ収集するためのセンサデータの選択。
この技術の開発は、不具合を予測するために使用され得る時系列データにおいて新たに収集されたセンサデータの解析および特徴の識別を含んでいた。
種々のクラスのユーザを伴う様々な環境における多くのマシンから選択されたセンサデータを収集することができれば、予測手法の改善を支援することになる。様々なデータを解析することにより、開発チームが、重要なイベントを見逃すことなく、予測の確信度を弱める誤警報を低減することを可能にするべきである。
オペレータは、シーケンシングラン中にセンサデータを収集して解析することにより、失敗する可能性があるシーケンシングランを異常終了させるか、またはシーケンシングランの間に予防保守を予定することができるはずである。
意義深いことに、所定の検知パラメータおよびフィルタは、誤り状態と、外的要因による暫時の過渡変動とを区別するように設計されており、その結果、成功するはずのシーケンシングランをキャンセルしてしまうような誤警報はもたらされない。たとえば、試薬冷却器サブシステムは、シーケンシングランのために試薬の正確な温度を保つ。夏の天候のとき、シーケンシングマシンが動作している部屋のドアが開かれると、外部からの暖かい空気によって室温が上昇する。この空気が試薬冷却器の区画に入ると、センサは通常の温度読取り値よりも高い値を示す。この過渡変動は誤り状態の警報を生成するべきでない。この例では、試薬冷却器システムの不安定な、または期待以下の性能のために、外的要因による温度の過渡変動をフィルタリングした後に警報が生成される。別の例では、開示された技術は、複数のシーケンシングサイクルからの温度データを使用して、オペレータに対してフローセル加熱器の障害の警報を出す。暖まるのが遅すぎるフローセル加熱器は、温度センサデータから、サイクル設定値または導出された閾値を考慮して検知され得る。フローセル加熱器が期待通りに加熱できないと、加熱器の障害が指示され得、かつ/またはシーケンシングランが失敗する可能性が生じる。
シーケンシング中に新たに収集されたセンサデータを解析することにより、障害が起こりそうなサブシステムおよびシーケンシングランの予測された障害に対して警告および警報を発生することが可能になる。これによって使用不能時間が短縮され、顧客満足度が向上するはずである。
環境
拡張された光学的ベースコーリング処理に適用される、シーケンシングシステムにおける試薬冷却器の障害およびフローセル加熱器の障害の早期予測のためのシステムを説明する。DNA分子における4つのタイプのヌクレオチドは、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、およびチミン(T)である。ベースコーリングは、シーケンシングランの1つのサイクルにおいて分子に添加されたクラスタごとにヌクレオチド塩基(A、C、G、T)を判定することを指す。このシステムは、一実装形態によるシステムのアーキテクチャレベルの概略図を示す図1を参照しながら説明される。図1はアーキテクチャレベルの図であるので、説明の明瞭さを改善するために、一定の詳細は故意に省略されている。図1の議論は以下のように構成される。最初に図の要素が説明され、それらの相互接続が続く。次いで、システムの要素の使用法が、より詳細に説明される。
図1はシステム100を含む。この段落は、システム100のラベルを付けられた部品に命名する。図1は、シーケンシングシステム(またはシーケンサ)185、シーケンシングシステムのオペレータ113、技術者119、顧客関係管理(CRM)システム167、サービス警報データベース141、警報状態データベース114およびサービス解決データベース143を示す。システム100は、シーケンシングハードウェアセンサの読取り値およびQスコアのデータベース151、構成エンジン117、および警報サービス121を含む。これらのコンポーネントは、試薬冷却器の不安定性予測システム131およびフローセル加熱器の障害予測システム141に寄与するものである。データベース151、警報サービス121、試薬冷却器の不安定性予測システム131、フローセル加熱器の障害予測システム141は、クラウドベースの先行保全アナライザ111として実施され得る。
開示された技術は、シーケンシング機器、シーケンシングプラットホームとも称される種々のシーケンシングシステム185に適用されるものである。ネットワーク155によって、シーケンシングシステム185、オペレータ113、CRMシステム167、技術者119、構成エンジン117、警報状態のデータベース114、警報サービス121、試薬冷却器の不安定性予測システム131、フローセル加熱器の障害予測システム141、およびデータベース151が結合され、互いに通信する。CRMシステム167は、サービス警報データベース141およびサービス解決データベース143と通信して、オペレータ113および技術者119に警報を送る。技術者によるサービス後の警報の解決は、サービス解決データベース143に記憶される。CRMシステム167は、顧客関係モジュールに実装することもできる。
シーケンシングシステム185はIllumina(商標)の合成時解読(SBS)技術または別のシーケンシング技術を使用することができる。シーケンシングシステム185の製造業者であるIllumina Inc.は、それだけではないが、HISEQX(商標)、HISEQ2500(商標)、HISEQ3000(商標)、HISEQ4000(商標)、NOVASEQ 6000(商標)、およびMISEQDX(商標)を含む様々なシーケンシングシステムを提供する。これらのシーケンシングマシンは、制御コンピュータ、フローセルを含有しているモニタおよびメインサブシステム、フルイディクスおよび試薬、光学系、およびイメージ取り込みおよび処理モジュールを含む。これらのシーケンシングシステムは、シーケンシングランにおけるベースコーリングサイクルに対してSBS技術を適用する。シーケンシングシステム185は、大きな研究機関の実験室から高校の教室まで、様々な物理環境において使用されている。信号ノイズの多くのソースが、種々の環境において動作するシーケンシングマシンに影響を与える。シーケンシングマシンのオペレータの技術レベルは、研究所の訓練された研究者から、貸し出しで機器を使用する高校の教師や学生まで、多種多様である。シーケンシングマシンのモデルによっては高度に断熱されていないものがあり、したがって気象条件およびドアや窓を開くことの影響を受ける可能性がある。
シーケンシングランは、たとえば200〜600サイクルまたは300〜1000サイクルといった何百もの処理サイクルにわたって進行する。プラットホームに依拠して、300サイクルのシーケンシングランが完成するのに3日を要する可能性がある。1つのシーケンシングランが2つの読取りに分割されることがあり、ペアエンドランとも称される。サイクルは、化学的な、イメージを取り込むステップとイメージを処理するステップとを含む。化学処理中に、フローセル上でレーンに配置された分子のクラスタにおける各分子に対して相補ヌクレオチドが添加される。以下の段落ではいくつかのサブシステムを説明する。
フルイディクスサブシステムは、試薬をフローセルへ、次いで廃液容器へと配送するフルイディクスポンプを含有している。試薬は、化学処理においてフローセルに添加される化合物または物質である。試薬サブシステムのラックは、全体のシーケンシングランのために十分な量の試薬を保有する。試薬冷却器は、試薬ラックを収容して、内部温度を4℃の近くの範囲に保つ。他のシーケンシングシステムでは、試薬冷却器が異なる温度領域を保ち得ることが理解される。
フローセルサブシステムは、シーケンシングラン中にフローセルを適所に保有するフローセルステージを含むことができる。いくつかのステージは2つのフローセルを保有する。加熱器は、シーケンシングサイクル中に、フローセルの温度を適切な反応温度まで上昇させる。
光学サブシステムは、蛍光タグ付き相補ヌクレオチドを使用してA、C、G、およびTの塩基を識別するためにフローセルの撮像を可能にする光学部品を含む。励起レーザビームが蛍光タグを励起する。塩基をコールするように処理されるイメージを取り込むためにカメラが使用される。シーケンサの他の実施形態では、ナノウェルによって上に載せられたCMOSセンサがフローセルのベースとして使用されており、オーバーヘッドカメラを置換する。
シーケンシングシステムおよびサブシステムは制御ループの中に多くのセンサを使用する。システムソフトウェアは、以前は内部制御ループのためにのみ使用されていた選択されたセンサ読取り値を記録するように更新されている。シーケンシングシステムは、以前は内部制御のために使用されていたセンサ読取り値が収集され、かつ/または記録されるように、たとえばソフトウェアパッチを配備することによって改装され得る(または最初に構成され得る)。収集されたセンサ読取り値は、クラウドベースのデータ先行保全アナライザ111に送られるか、またはシーケンサもしくは企業ネットワークの内部に局所的に記憶され得る。
一実装形態では、クラウドベースの先行保全アナライザ111が、収集されたセンサ読取り値を集約する。プラットホームは、与えられたシーケンシングマシンと直接統合する。器械の動作データは、シーケンシングシステム185からネットワーク155を通じてクラウドベースの先行保全アナライザ111に送られ得る。別の実装形態では、クラウドベースの先行保全アナライザ111の局所バージョンは、インストールされた局所サーバによって、オンサイトのデータ記憶および解析を可能にする。シーケンシングマシンからの特定のシーケンシングランに関する動作データは、時系列データのデータセットとして記憶される。動作データは、サイクルに関するQスコアなどのクオリティデータならびに強度および整相(phasing)/予整相(prephasing)を含む他のメトリクスの時系列として記憶され得る。クオリティデータは、独立したセンサ読取り値の解析における従属変数として使用され得る。
収集されたデータは、所定の検知パラメータおよびフィルタを確立するかまたは更新するために使用され得る。たとえば、クラウドベースの先行保全アナライザは、所定の検知パラメータを設定するかまたは更新するために、時系列データおよびクオリティデータを収集して解析する。先行保全アナライザは、所定の検知パラメータを周期的に更新することもでき、収集された時系列データを、正確な警報と誤警報を分離するとともに警報がどのように解決されたかを指示するサービス解決データと組み合わせる。所定の検知パラメータを更新するときには、警告なしで障害を起こした機器からの時系列データも考慮に入れられ得る。見逃された障害と誤警報は、どちらもCRMシステムからのサービス解決データを使用して識別され得、所定の検知パラメータおよび対応する時系列フィルタリングを改善するために使用され得る。
シーケンシングシステム185は、シーケンシング処理中またはその後にセンサ読取り値を報告する。シーケンシングシステム185はクオリティ関連データも報告する。センサ読取り値および/またはクオリティ読取り値を収集したものは記録とも称され得る。収集されたセンサ読取り値およびクオリティデータは、データベース151、すなわちシーケンシングハードウェアのセンサ読取り値およびQスコアのデータベース151に記憶される。データベース151は、シーケンシングシステムごとにベースコーリングサイクルによって編成されたセンサ読取り値の時系列を記憶することができる。データベース151は、シーケンシングシステムごとのベースコーリングサイクルのクオリティスコアも従属変数として記憶することができる。Qスコアは一般に使用されるクオリティスコアであり、ベースコーリングにおける誤りの確率を予測するものである。Qスコアの詳細は、2018年12月6日にhttps://www.illumina.com/documents/products/technotes/technote_Q-Scores.pdfでアクセスされた技術注記Quality Scores for Next Generation Sequencing(2011年)に提示されている。高いQスコアは、ベースコールがより信頼でき、不正確である可能性が低いことを指示する。一実装形態では、データベース151は、センサによって報告された試薬冷却器温度およびフローセル加熱器温度を記憶する。
Qスコアに加えて、クオリティメトリクスのいくつかの例が続く。たとえば、化学処理サブシステムは整相メトリクスおよび予整相メトリクスを生成する。「整相」という用語は、分子のクラスタにおける分子が、シーケンシング処理中に同一のクラスタにおける他の分子の後の少なくとも1つの塩基に落ちるときの状況を記述するものである。この結果は不完全な化学反応によるものであり得る。「予整相」という用語は、分子が、分子の同一のクラスタにおける他の分子より先の少なくとも1つの塩基をジャンプする状況を記述するものである。予整相の理由の1つには、終結していないヌクレオチドを組み込んでから、同一のシーケンシングサイクルにおいて第2のヌクレオチドを組み込みことがある。整相または予整相が増加すると、クラスタからの蛍光信号が混同することによってコーリングの精度が損なわれる。したがって、所定の検知パラメータを設定するかまたは更新するために、整相および予整相の測定値がセンサの時系列データとともに使用され得る。
光学サブシステムは、クオリティデータとして使用され得る強度測定値を生成する。いくつかのシーケンサは、シーケンシングサイクル中にフローセル上のクラスタのイメージを取り込むためにカメラを使用する。イメージ収集は、シーケンシングランのサイクルに関する強度測定値を含む。シーケンシングイメージにおけるクラスタの強度値を判定するプロセスは、強度抽出と称される。強度を抽出するために、クラスタを含有しているイメージの一部分を使用して、分子のクラスタのバックグラウンドが計算される。強度を判定するために、クラスタの信号からバックグラウンドの信号が差し引かれる。シーケンシングハードウェアのセンサ読取り値およびQスコアのデータベース151は従属変数として1つまたは複数の撮像性能メトリクスを記憶することができる。
シーケンシングシステムを改装して収集およびロギングのためのセンサ読取り値を導出するソフトウェアパッチを配信するために、構成エンジン117が使用され得る。新たに収集されたセンサ読取り値データは、種々のシーケンシングシステムのコンポーネントまたはサブシステムのセンサ読取り値のために所定の検知パラメータを判定するように解析される。重大なサブシステム不具合を予測するために、所定の検知パラメータが判定された後、シーケンシングシステムからのセンサ読取り値が、これらの所定の検知パラメータに対して試験される。構成エンジン117および警報サービス121のさらなる詳細は、図2に示されるサブシステムコンポーネントの説明において提示される。試薬冷却器サブシステムおよびフローセル加熱器サブシステムは、センサ読取り値を収集するための開示された技術によって改装されたシーケンシングシステムの2つの例示のサブシステムである。
試薬冷却器システムは、ハウジングの内部のラックに蓄えられた試薬を、1つのタイプの化学処理については約4℃などの低温まで冷却する。シーケンシングシステムにおいて使用される試薬は、化学処理において使用されるまで冷却される。試薬冷却器が周囲温度の変動を補償できないと、蓄えられた試薬が長期間にわたって所望の温度よりも高い温度に晒され、試薬が損なわれる可能性がある。試薬冷却器の不安定性予測システム131は、試薬冷却器の温度センサによって報告された試薬冷却器の温度データを使用して、試薬冷却器の動作中の不安定性を識別する。一実装形態では、ソフトウェアは、試薬冷却器のセンサからの読取り値を5分おきに報告する。他の実装形態では、1〜30分または30秒〜1時間の範囲など、5分よりも長い時間間隔または短い時間間隔で、温度センサデータが報告され得ることが理解される。試薬冷却器の温度センサによって報告されるデータは、冷却器サブシステムの動作において使用される機械システムのためにノイズで乱れている可能性がある。冷却器サブシステムの温度は、シーケンシングマシンが動作している環境などの外的要因、および試薬冷却器サブシステムの動作による影響を受ける。試薬冷却器の不安定性予測システム131は、冷却器の温度センサデータの時系列を解析して、試薬冷却器システムが不安定かどうかを判定する。図2においてサブシステムコンポーネントがより詳細に説明される。
フローセルの加熱器および冷却器は、それぞれ、フローセルおよび試薬を、撮像されてベースコールに変換される蛍光タグを付加したり除去したりする化学処理のために必要な温度まで、加熱/冷却する。化学処理は種々の温度において進行する。1つのシーケンシングサイクルの実装形態では、フローセル温度は、20℃の初期値から55℃まで一瞬で上昇し、次の一瞬で60℃まで上昇する。撮像の前に、フローセルの温度は20℃まで戻される。次のシーケンシングサイクルにおいて、温度の上昇および下降が繰り返される。フローセル加熱器の障害予測システム141は、フローセル加熱器の温度センサデータの時系列を解析して、フローセル加熱器に障害があるかどうかを判定する。試薬冷却器の不安定性予測システム131およびフローセル加熱器の障害予測システム141の詳細は、図2のサブシステムコンポーネントの説明において提示される。
試薬冷却器の不安定性予測システム131およびフローセル加熱器の障害予測システム141などの障害予測システムが、ハードウェア障害が迫っていることを指示するとき、警報サービス121がサービス警報を生成する。CRMシステム167が警報を伝達し、オペレータ113および/または技術者119は、シーケンシングシステム185のサービスのためのサービスコールをセットアップすることが可能になる。警報は、サービス警報データベース141に記憶される。警報の状態は、計画されたやり方でサービス要求の拡大を管理するために、たとえばサービスレベルの合意に従って、警報状態データベース114に保存される。サービス解決データベース143は、技術者によって遂行された機器サービスの詳細を含む。見逃された障害警報および誤警報は、所定の検知パラメータを調節するために使用され得る。見逃された障害はフォールスネガティブとして使用され得、誤警報はフォールスポジティブとして使用され得る。たとえば、フローセル加熱器の障害予測では、フォールスポジティブは、周囲の温度よりも高い閾値を増加させる必要があり得ることを指示することができる。フォールスネガティブについては閾値を低減する必要があり得る。
図1の説明の終わりに、上記で説明されたシステム100のコンポーネントのすべてが、通信するようにネットワーク123に結合されている。実際の通信経路は、公的ネットワークおよび/または私的ネットワーク上の2地点間であり得る。通信は、たとえば私的ネットワーク、VPN、MPLS回路、またはインターネットといった種々のネットワークにわたって生じ得、たとえばRepresentational State Transfer(REST)、JavaScript Object Notation(JSON)、Extensible Markup Language(XML)、Simple Object Access Protocol(SOAP)、Java Message Service(JMS)、および/またはJava Platform Module Systemといった適切なアプリケーションプログラミングインターフェース(API)およびデータ交換フォーマットを使用することができる。すべての通信が暗号化され得る。通信は、一般に、LAN(ローカルエリアネットワーク)、WAN(広域ネットワーク)、電話ネットワーク(公衆交換電話網(PSTN))、セッション設定プロトコル(SIP)、ワイヤレスネットワーク、2地点間ネットワーク、星形ネットワーク、トークンリングネットワーク、ハブネットワーク、モバイルインターネットを含むインターネットなどのネットワークを通じて、EDGE、3G、4G LTE、Wi-FiおよびWiMAXなどのプロトコルによって行われる。図1のエンジンまたはシステムコンポーネントは、様々なタイプのコンピュータデバイス上で走るソフトウェアによって実施される。デバイスの例には、ワークステーション、サーバ、コンピューティングクラスタ、ブレードサーバ、およびサーバファームがある。加えて、通信を安全にするために、ユーザ名/パスワード、Open Authorization(OAuth)、Kerberos、SecureID、デジタル証明書など種々の認証および認証技術が使用され得る。
システムコンポーネント
図2は、コンポーネントの構成エンジン117、警報サービス121、試薬冷却器の不安定性予測システム131、およびフローセル加熱器の障害予測システム141のハイレベルブロック図である。これらのシステムは、以下の図8の説明で提示されるような様々なコンピュータシステムを使用してコンピュータで実施される。図示のコンポーネントは、実施するとき、組み合わせるかまたはさらに分割することができる。
構成エンジン
いわゆる事前警報発生プラットホームを担当する開発チームは、シーケンシングマシンの制御ループにおいて使用されているセンサからのどのデータが記録され得て、迫り来る不具合の先行指標を生成するために使用され得るかを調査した。シーケンシングシステムは、読取り値の適度の数を記録するために更新され得る多くのセンサおよびソフトウェアを含む。閉ループから新たな信号が識別され得、不具合に対して先行指標をもたらすための解析が開発されている。
たとえば、開発チームは、試薬冷却器からの温度時系列データが、迫り来る冷却器障害および試薬のクオリティ低下の先行指標をもたらす可能性があると判定した。開発チームは、シーケンシングマシンに埋設されたセンサからのどの信号を導出するかを調査した。収集するべき信号が識別された後に、シーケンシングマシンが、信号を導出するように改装された(さらに構成され得る)。一般に、シーケンシングマシンは、構成エンジン117を使用してパッチを補充され得る。
構成エンジン117は、ソフトウェアプログラムを、パッチとして配備するためのパッチアプリケーションエンジン211を備えるか、またはシーケンシングマシンの動作を制御するコンピュータ上で走る既存ソフトウェアプログラムに更新する。サブシステムはコンピュータで制御される。シーケンシングシステムのサブシステムは、シーケンシングマシンの動作中に制御ループにおいて使用されるセンサ読取り値を生成するセンサを含有している。同等のプログラミングを用いて新規のシステムが構築され得る。
新たに配備されたソフトウェアパッチにより、センサデータの収集およびロギングが可能になる。たとえば、パッチアプリケーションエンジン211は、不安定性予測システム131に用いる試薬冷却器からの温度センサの読取り値を収集するためのソフトウェアパッチをインストールすることができる。同様に、ソフトウェアパッチは、障害予測システム141のために、フローセル加熱器のセンサ読取り値を収集するように適用され得る。技術のこの部分は、センサ暴露モジュールにパッケージ化することもできる。構成エンジン117により、シーケンシングマシンを、先行保全のために、シーケンシングマシンのセンサから以前は記録されていなかったデータを導出することができるように改装することが可能になる。
構成エンジン117は、検知パラメータの予判定および更新のエンジン212を備える。迫り来るハードウェア障害の信頼できる予測は、収集された読取り値および/または記録されたセンサ読取り値の信号解析を包含している。更新エンジン212は、少なくとも、閉ループ制御から導出された選択された記録データを処理する。以前は記録されていなかったこのデータは、地理的に分散した複数のシーケンシングマシンから収集され得る。データは、相関を容易にするためにタイムスタンプを押すか順番付けることができ、または収集時に関連付けることができる。独立して動作している複数のマシンからのデータにより、器械障害の先行指標の信頼性が向上する。
検知パラメータの予判定および更新のエンジン212は、シーケンシングに先立って、時系列データに適用する検知パラメータおよびフィルタを事前に決定するために、開発チームによって試作された解析を実施する。十分な障害サンプルが利用可能な場合、使用され得る解析の例には、回帰分析、ロジット回帰、コスト関数を最小化するための閾値フィッティングおよびマシン学習が含まれる。解析され得る信号特徴には平滑化された変化率がある。迫り来る不具合を予測することができる先行指標の変動の傾向を判定するために、先行指標の解析が遂行された。検知パラメータの予判定および更新のエンジン212は、検知パラメータの事前決定に失敗したコンポーネントのインスタンスにおけるセンサ読取り値の解析を繰り返すことができる。そのような解析の一例には、重大な誤動作が迫っている冷却器システムを有する機器のインスタンスにおける所定温度の変化率の判定がある。
メンテナンス予測警報のクオリティを改善して誤警報の数を低減するために、検知パラメータの予判定および更新のエンジン212は、所定の検知パラメータを更新するために、技術者119によるサービスコールに続くサービス解決データを使用することができるはずである。サービス解決データは、その警報に関する障害を起こしたコンポーネントもしくは障害を起こすコンポーネントまたはフォールスポジティブ標識の置換などの情報を含み得る。上記で確認された勾配降下法または解析の再適用など既存の最適化手法は、見逃された障害や誤警報の数を低減するために所定の検知パラメータを更新するのに使用され得る。
所定の検知パラメータは、サービスコールの記録を1か月、3か月または1〜12か月などの期間にわたって収集した後に周期的に更新され得る。検知パラメータの予判定および更新のエンジンの更新部分はまた、閾値調節モジュールがシーケンシングシステムの試薬冷却器からの温度データを処理するとき、閾値調節モジュールにパッケージ化され得る。検知パラメータの予判定および更新のエンジンの更新部分はまた、温度マージン調節モジュールがシーケンシングシステムのフローセルからの温度データを処理するとき、温度マージン調節モジュールにパッケージ化され得る。
警報サービス
試薬冷却器の不安定性予測システム131およびフローセル加熱器の障害予測141などの障害予測システムが迫り来る不具合を予測したとき、実施可能な警報が生成され得る。警報は警報サービス121に渡される。警報サービス121は、たとえばサービス警報の予約および発行の機能性を実施する警報発生器コンポーネント213を含む。警報はオペレータ113および/または技術者119に送られる。顧客関係管理(CRM)システムは、解明によって(through resolution)警報およびトラックの再調査を実施することができる。
特にシーケンシングシステム185の稼動率が高い実験室のために、単一のシーケンシングランの複数のサイクルや複数のシーケンシングランにわたって再発する警報には、フィルタリングが適用され得る。警報フィルタリングエンジン214は繰り返す警報をフィルタリングする。一実装形態では、システムは、計画されたやり方でサービス警報を増強するために警報状態データベース114を維持する。CRMシステム167は、サービスチケットの生成、サービス視察のスケジューリングおよび機器サービスの完結などの連続状態によって警報の状態を更新する。サービス活動が、必要なサービス時間内に完結しない場合、警報サービス121はサービス警報を増強することができる。
警報サービス121は、たとえば器械警報、ラン警報といった複数のタイプの警報を生成することができる。器械警報は長寿命であって一般的には複数のランにわたるものであり、警報が一旦生成されると、解決されるまでアクティブなままである。器械警報は部品交換または修理を必要とすることがある。器械警報の例には、試薬冷却器の不安定性、フローセル加熱器の障害またはレーザパワー障害が含まれる。他方では、ラン警報はシーケンシングランに特有のものであり得る。場合によっては、オペレータ113はそのような警報に基づいて行動することができる。たとえば、オペレータは、シーケンサ(商標)フローセル保持具上のフローセルの不整合を識別する警報を受け取ると、シーケンシングランを終結することができる。こうすると、障害を起こしたランの処理時間およびシーケンシング運用コストを節約することができる。
試薬冷却器の不安定性予測システムのコンポーネント
ブロック図に示された2つの障害予測システム131および141の例示のコンポーネントは、試薬冷却器の不安定性と、障害を起こすフローセル加熱器および/または冷却器とを予測するものである。時系列準備器コンポーネント221は、2つの障害予測システム131と141に共通である。コンポーネント221は、シーケンシングハードウェアメトリクスからの時系列を準備する。時系列データは、シーケンシングシステムのサブシステムのセンサから収集される。時系列準備器221はまた、記録収集モジュールにパッケージ化され得る。一実装形態では、収集されたデータは、クラウドベースの先行保全アナライザ111にアップロードされ、シーケンシングハードウェアセンサ読取り値およびQスコアのデータベース151に記憶される。試薬冷却器およびフローセル加熱器の温度センサの時系列データの例が、図3および図5に提示されている。試薬冷却器の不安定性予測システム131およびフローセル加熱器の障害予測システム141に特有のコンポーネントの詳細が、以下の段落に提示される。
試薬冷却器の不安定性予測システム131は、データ平滑器231、時系列テスタ241、深刻度レベル識別子251および試薬冷却器システムの安定性予測器261をさらに備える。試薬冷却器の温度センサのデータは、時系列を準備するために、必要に応じて日付順で昇順にソートされる。時系列はデータ平滑器コンポーネント231に対する入力として与えられる。前述のように、試薬冷却器からの温度データはノイズで乱れている。データ平滑器コンポーネント231は、冷却器温度センサデータの時系列における過渡のばらつきをフィルタリングする。開示された技術のこの部分は、時系列平滑化モジュールにパッケージ化することもできる。一実装形態では、データ平滑器コンポーネント231は、0.125℃/分のカットオフ値を有する微分フィルタを適用して過渡の振動をフィルタリングし、冷却器温度センサデータの平滑化された時系列を生成する。あるいは、0.250℃/分以上の温度変化率をもたらす過渡の振動を除去するフィルタが適用され得る。または、平滑化関数は、0.0625℃/分以上の所定の温度変化率を基に、過渡の振動を除去することができる。フィルタには5.0℃/分などの上限を組み込むことができるが、必要ではない。
試薬冷却器の予測システム131は、クラウドベースの先行保全アナライザ111の一部分として実施され得る。上記で説明されたように、検知パラメータを事前に決定するために、試薬冷却器からの温度センサデータの記録が構成エンジン117によって解析される。所定の検知パラメータは、冷却器システムの不安定性を予測するために時系列コンポーネント241によって使用される。時系列テスタコンポーネント241は、安定した温度の動作期間にわたる所定の時間窓における冷却器の温度センサデータの平滑化された時系列を試験する。時系列テスタコンポーネントはまた、温度不安定性検知モジュールにパッケージ化され得る。安定した温度の動作期間は、変化率の絶対値において、平滑化された時系列における温度読取り値の変化率が所定の温度変化率未満である期間として定義される。一実装形態では、安定した動作のための温度変化率の絶対値は0.05℃/分未満である。別の実装形態では、たとえば0.25℃/分といったより大きい値が使用され得、あるいはたとえば0.01℃/分といったより小さい値が使用され得る。所定の時間時間窓における、安定した温度の動作期間の総数が所定の安定性測度未満である場合には、試薬冷却器システムの安定性予測コンポーネント261は、温度が急速に(すなわち上記の閾値よりも速く)上昇している場合には、冷却器システムが不安定であると判定して報告する。安定動作の期間のこの数は、所定の割合として表現され得る。コンポーネント261は、警報サービス121に、試薬冷却器システムが不安定であると通知する。試薬冷却器システムの安定性予測コンポーネント261および警報サービス121はまた、総体として温度不安定性警報モジュールにパッケージ化され得る。
深刻度レベル識別子コンポーネント251は、安定した冷却器システムの平均温度および中央温度を2つの閾値と比較して、深刻度レベル1および深刻度レベル2の誤差を判定する。一実装形態では、構成エンジン117は、シーケンシングシステムの試薬冷却器から収集された温度センサ読取り値を解析して閾値を設定する。たとえばHISEQX(商標)、HISEQ3000(商標)、およびHISEQ4000(商標)のシーケンシングシステム向けのそのような解析は、深刻度レベル1の問題に対する9℃の閾値および深刻度レベル2の問題に対する7.5℃の閾値を設定した。深刻度レベル1および2に対して種々の閾値が設定され得ることが理解される。深刻度レベル識別子251は、冷却器システムが深刻度レベル1の問題または深刻度レベル2の問題を有すると判定したときには警報サービス121に通知し、次いで警報サービス121が警報を生成することができる。
フローセル加熱器の障害予測システムコンポーネント
図2には、フローセル加熱器および/または冷却器の予測システム141のコンポーネントも示されており、設定値データセパレータ233、設定値データコンポーネントのないデータアナライザ243、設定値データコンポーネントを有するデータアナライザ253、およびフローセル加熱器の障害予測器263を含む。時系列準備器コンポーネント221は、シーケンシングハードウェアのセンサ読取り値およびQスコアのデータベース151からフローセル加熱器の温度センサデータを検索する。一実装形態では、時系列準備器コンポーネント221は、フローセルサブシステムのA側とB側の温度データを分離する。そのような実装形態ではA側の時系列とB側の時系列は別個に試験される。
フローセル加熱器の温度センサデータは、時系列として日付順に扱われる。フローセル加熱器の温度センサデータは、シーケンシング処理サイクルにおいて限界を定められ得る。ベースコーリングサイクルとも称される処理サイクルは、複数の化学処理サブサイクルを含む。一実装形態では、ベースコーリングサイクルの期間は約15分であり、化学処理サブサイクルの期間は約5分である。
一実装形態では、ベースコーリングサイクル中の化学サブサイクル中に、フローセルから、ほぼ毎分温度が報告される。他の実装形態では、サンプルが、15秒〜3分の範囲などのより高い/より低いサンプリングレートで報告され得ることが理解される。
化学処理サブサイクル中に、1つのシーケンサにおいて、温度が初期温度(たとえば約20℃)からより高い温度(たとえば約55℃)まで上昇し、この温度に短期間とどまり、次いで、別の短期間でさらに高い温度(たとえば約60℃)まで上昇してから初期温度に低下する。これら3つの温度レベルは設定値と称される。
一実装形態では、温度センサの読取り値は、化学サブサイクル中に、特定の温度ポイントの保持期間よりもさらに先まで(further apart than)サンプリングされる。そのような実装形態では、化学サブサイクルのわずかな割合については、より高い温度(55℃および60℃)における温度読取り値は得られない。したがって、処理サイクルに関する温度センサデータがコンポーネント243または253によって試験される前に、十分な数の温度センサデータの読取り値が使用可能であるかどうか検査される。一実装形態では、データが試験される前に、処理サイクルにおいて少なくとも5つの読取り値が必要である。あるいは、化学期間およびセンサの報告頻度に依拠して、少なくとも3つ、または3〜10の読取り値が必要とされる可能性がある。
フローセル加熱器の障害予測システム141は、クラウドベースの先行保全アナライザ111の一部分として実施され得る。センサデータは、報告された設定値データを用いて、または報告された設定値データなしで解析され得る。フローセル加熱器の温度センサに関する設定値データが使用可能な場合には、コンポーネント253は設定値データを使用して温度センサデータを解析する。複数の温度設定値があることが多い。設定値データのセパレータモジュール233は、フローセル加熱器の温度センサデータの時系列から設定値データの時系列を分離する。そうでなければ、設定値データが使用不可能な場合は、設定値データのないデータアナライザと称され、コンポーネント243は動作中の加熱器の閾値を使用して温度センサデータを解析する。このコンポーネント243は、フローセル加熱器の温度センサデータの時系列を試験して、動作中の加熱器の閾値を超えて記録された、最近の処理サイクルにおいて測定された温度センサのデータポイントをカウントする。閾値は、特定の温度間隔の間にセンサ測定が行われる可能性を基に判定される。一実装形態では、閾値の値は31℃あって周囲のポイントよりもかなり高いが、この閾値は、動作における著しい変動を伴うことなく、第2の設定値よりもわずかに低い54℃に設定され得る。閾値は、周囲温度よりも10℃高い温度から第3の設定値までの範囲から使用され得る。第2の設定値に向けた加熱を追跡する1つの閾値の代わりに、複数の閾値を使用することが可能であろう。
この閾値は、システムの設計パラメータにアクセスすることなく、データ解析から確立され得る。温度センサデータが設定値データを含んでいないとき、フローセル加熱器の障害を予測するのに使用される所定の閾値アナライザは、構成によって設定された検知パラメータの間にある。構成アナライザは、周囲温度よりも高い/低い閾値および/またはマージンを判定するために、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置のシーケンサからのフローセル加熱器のセンサデータの記録を使用することができる。一実装形態では、構成アナライザは、周囲温度よりも高い、閾値とも称される第1の所定のマージンを決定する。フローセル加熱器の温度センサからの時系列は、時系列におけるサンプルが第1の所定のマージンだけ周囲温度よりも高いかどうかを判定するために試験される。温度時系列におけるデータが第1の所定のマージンだけ周囲温度を上回っていなければ、フローセル加熱器に障害があり得る。フローセル加熱器の障害を予測するために、シーケンシングサイクルに対応する複数の連続した時系列が試験され得る。
シーケンシングサイクル中に、フローセルは周囲温度未満に冷却することもできる。フローセルを周囲温度未満に冷却することの障害を予測するために、構成アナライザは、閾値とも称される、周囲温度未満の第2の所定のマージンを決定することができる。構成アナライザは、この第2のマージンおよび/または閾値を判定するために、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置のシーケンサからのフローセル加熱器のセンサデータの記録を使用することができる。フローセル加熱器の温度センサからの時系列は、時系列におけるサンプルが第2の所定のマージンだけ周囲温度よりも低いかどうかを判定するために試験される。ベースコーリングサイクルの最初に冷却がある場合、この試験は、ベースコーリングサイクル中の、センサ測定結果の所定のカウントよりも早期であり得る。フローセル加熱器の冷却は、1つまたは複数の連続したシーケンシングサイクルのデータが第2の閾値未満の第2の所定のマージンだけ周囲温度を下回って低下しなければ、障害を起こすと予測される。
サイクルにおいて、1つまたは複数の閾値を満たすセンサ測定の数がカウントされ得る。評価されている処理サイクルにおいて満足すべき温度センサのデータポイントのカウントが所定のカウント閾値未満である場合には、最近の処理サイクルの直前(または直後)の前の(または続く)処理サイクルに関するフローセル加熱器の温度データポイントのカウントを取得するための試験も適用される。第1のカウントが不十分なだけでなく、前の処理サイクルに関する十分な温度データポイントの第2のカウントも所定のカウント閾値未満である場合には、フローセル加熱器の障害予測器263は、フローセル加熱器が障害を起こしていてサービスが必要であると判定する。一実装形態では、所定のカウント閾値は5に設定される。所定のカウント閾値は、化学期間およびセンサの報告頻度に依拠して、1〜1000の範囲以上であり得る。コンポーネント263は、技術者に警報を送る警報サービス121に通知する。警報サービス121はまた、温度マージン障害警報モジュールにパッケージ化され得る。設定値データコンポーネント243もフローセル加熱器の障害予測コンポーネント263もないデータアナライザは、総体として温度マージン検知モジュールとしてパッケージ化され得る。
設定値データ253を有するデータアナライザは、最近の処理サイクルにおけるフローセル加熱器の温度データを設定値データと比較する。閾値解析と同様に、最近の処理サイクルについて、温度データが設定値データの所定の許容範囲内に入らなければ、最近の処理サイクルの直前の前のサイクルの温度データが試験される。フローセル加熱器の温度データポイントが2つの連続したサイクルにわたって設定値データの所定の許容範囲内に入らなければ、フローセル加熱器が障害を起こしていると判定される。一実装形態では、許容範囲は設定値データの2℃以内と定義される。不十分な温度データポイントの所定のカウントは、閾値に関して上記で説明されたように使用され得る。
試薬冷却器の不安定性予測データおよび流れ図
図3は、8つのシーケンシングマシンM1〜M8から収集された冷却器の温度センサデータの時系列を示す。水平軸ラベルは、6日間のデータが報告されていることを指示する。グラフ311の右上の凡例は、センサデータを報告する8つのマシンの通し番号(Sn1〜Sn8)を示す。前述のように、データはノイズで乱れている。データのノイズには、冷却のために使用される機械システムの動作、および温度センサ上に滴る試薬冷却器における凝結などいくつかの要因が寄与する。シーケンシングシステムが動作している部屋の外部温度が室温よりも高いとき部屋のドアが開いたままであるなど、外的要因が温度変動の原因となる場合もある。高周波と称されることがある温度の過渡振動は、フィルタを適用することによって冷却器システムの温度センサデータの時系列から除去される。高周波数信号は、信号の振幅が小さくてもより大きい導関数を有し、したがって信号処理における問題を引き起こす恐れがある。冷却器の温度センサデータにおける高周波または過渡のばらつきを除去するために、周波数に対するカットオフ値を有する微分フィルタまたは他のフィルタが適用され得る。微分フィルタは、カットオフ値よりも高い周波数を有するノイズ信号も除去する。グラフ351には、通し番号Sn1を有するシーケンシングマシンM1のきれいな温度プロフィルが示されている。一実装形態では、平滑化された時系列361において、ノイズは0.125℃/分のカットオフ値を有する微分フィルタを使用して遮断されている。別の実装形態では、0.5℃/分などのより大きいカットオフ値が使用される。より一般的には、平滑化フィルタは、温度変化の、0.0625℃/分以上の所定の速度の振動と、0.50℃/分以下の所定の速度の振動とを平滑化することができる。
冷却器システムの定常状態の期間は、グラフ上の比較的平坦で滑らかなラインの水平部分によって表現されている。構成エンジン117は、所定の温度変化率を判定し損なった冷却器システムを有するシーケンシングシステムにおける温度センサ読取り値の時系列の記録を解析して、不安定な冷却器システムを予測する。所定の検知パラメータは、複数のマシンのサービス記録を使用して周期的に更新され得る。安定した温度の動作期間は、変化率の絶対値を用いて、平滑化された時系列における温度読取り値の変化率が所定の温度変化率未満である期間として定義される。一実装形態では、安定した動作のための温度変化率の絶対値は0.05℃/分未満である。別の実装形態では、たとえば0.25℃/分といったより大きい値が使用され得、あるいは、たとえば0.01℃/分または0.01℃/分〜0.25℃/分といったより小さい値が使用され得る。安定性基準は平滑化フィルタのパラメータとオーバラップするべきでなく、すなわち、フィルタはすべてのデータ解析において一定にする。
開示された技術は、冷却器システムの、時間窓における安定動作の期間の数を解析して、不安定な冷却器システムを予測することができる。一実装形態では、24時間の時間窓の中に定常状態期間の合計が少なくとも14時間あれば、冷却器システムは安定動作していると考えられる。他の実装形態では、1〜20時間などの定常状態の期間を識別するために、冷却器の温度センサデータのより短い時間窓の時系列が解析され得る。そのような実装形態では、冷却器システムの安定性は、複数のより短い時系列を試験することによって予測される。構成エンジン117は、時間窓における所定数の定常状態期間を判定し損なった冷却器システムを有するシーケンシングシステムにおける温度センサ読取り値の時系列の記録を解析して、不安定な冷却器システムを予測する。
グラフ361は、温度が上昇して、2日目(9月2日)の前半に9℃の上限と交差していることを示す。温度上昇が外的要因によるものであれば、冷却器システムが不安定であるという警告を出すべきでない。温度上昇は、ドアが開かれたままで、部屋に入る暖空気などの外的要因によるものであると考えてみる。ドアが閉じられたときなどには外的要因が除去されるので、温度は低下する。これが比較的短時間に起きれば、試薬は恐らく損なわれない。
開示された技術は、外的要因の影響による冷却器システムの不安定性を区別し、したがって誤警報を低減するものである。一実装形態では、開示された技術は、警告が出るまでのどれくらいの時間にわたって冷却器システムが上限温度(9℃)の上で動作することが許容されるかを定義する所定の検知パラメータを含む。そのような実装形態では、開示された技術は、温度グラフ361における傾向の反転を観察する。グラフにおけるデータ解析によって温度が上限(9℃)に向かって低下していると指示される場合には、開示された技術は、冷却器システムの温度が正常な動作温度範囲に低下する期待時間を判定する。予期される、冷却器システムの温度が上限(9℃)を超えている総時間が、試薬冷却器が温度の上限を超えて動作することを許容される時間と比較される。上記の、上限を超えると予期される時間の合計が、上限を超えることを許された時間よりも短ければ、警報は出されない。構成エンジン117によって設定された検知パラメータは、試薬冷却器の不安定性予測システム131によって、冷却器システムの温度センサから収集された時系列データを試験するために使用される。処理ステップも流れ図400によって示され得る。
図4は、試薬冷却器システムの安定性予測プロセス400の一実装形態を示す例示の流れ図である。処理はステップ401から始まり、ステップ411において、シーケンシングハードウェアのセンサの読取り値からの温度センサデータおよびQスコアのデータベース151が入力として与えられる。上記で論じられたように、データは冷却器の温度センサデータの時系列を含む。ステップ421において、時系列データは日付順にソートされる。ステップ431において、ノイズで乱れたデータを除去するために微分フィルタが適用される。ステップ441において、所定の時間窓における、冷却器システムの安定動作の期間が識別される。ステップ451において、安定動作の期間のカウントが閾値と比較される。カウントが閾値未満であると、冷却器システムのサービスが必要であるという警報が警報サービス121に送られる(ステップ450)。安定動作の期間のカウントが閾値よりも大きければ、ステップ461において、冷却器の温度センサデータが、それぞれの閾値を使用して、深刻度レベル1のエラーおよび深刻度レベル2のエラーに関して試験される。ステップ471において、深刻度レベル試験の結果が報告される。この処理はステップ481において終了する。
フローセル加熱器の障害予測データおよび流れ図
図5は、添付の設定値時系列を用いて3日で完結したシーケンシングランに関するフローセル加熱器の温度センサデータの例示の時系列のグラフ511を含む。処理サイクルの開始において、フローセルの温度は約20℃である。サイクルの化学処理が進行するにつれて、フローセルの温度は、55℃まで一瞬で上昇し、別の一瞬で60℃まで上昇する。サイクルの最後にはフローセルの温度が20℃まで下がり、次のサイクルの化学処理までその温度にとどまる。フローセルの、この昇温と降温のパターンは各処理サイクルにおいて繰り返される。グラフ511に示されるように設定値データの3つの時系列がある。設定値1のデータ523の時系列は20℃の温度レベルに対応し、設定値2のデータ615の時系列は55℃に対応し、設定値3のデータ513の時系列は60℃に対応する。
グラフ511は、シーケンシングランの始まりにおいてフローセル加熱器が正常に作動していることを示す。処理サイクルが進行するにつれて、フローセル温度は、設定値データに従って上昇と下降の正常な動作を辿る(517)。現在の設定値データは、処理を通じて、時間とともに上昇したり下降したりする時間系列となるように意図されている。図では、3日間のデータが短い水平軸で図示されるため、3つの設定値は連続したラインのように見えるが、現在の設定値は実際には上昇したり下降したりする。しかしながら、フローセル加熱器は、グラフのラベル519によって指示されるように、動作の初日の中頃あたりで障害を起こす。フローセル加熱器の障害の後、フローセルの温度は周囲のレベル(521)にとどまり、3つの設定値に向かう昇温や降温を辿らない。フローセル加熱器の障害は、グラフ551に示されるように、A、G、T、およびCの塩基の後続のベースコーリングの障害をもたらす。4つの塩基に対応する4つのチャネルの強度は、フローセル加熱器が障害を起こすのと同時に急激に低下する。温度センサデータの時系列517および521は、グラフ511に示されるように、A側のフローセルとB側のフローセルの両方からのデータを表現することに留意されたい。両方のフローセルの同時の障害は、恐らく上流のエラー(たとえば停電、制御盤障害など)によるものである。設定値データを含まないフローセル加熱器の時系列データについては、構成エンジン117によって判定された所定の検知パラメータは、フローセル加熱器の障害を判定するために使用される。そのような所定の検知パラメータの2つの例には、フローセル加熱器の障害予測システム(図2)のシステム記述において上記で説明されたように、第1の所定のマージンおよび第2の所定のマージンが含まれる。設定値データまたは所定の検知パラメータを使用してフローセル加熱器の温度時系列データを試験する処理が、以下の流れ図において提示される。
図6は、フローセル加熱器および/またはフローセル冷却器の障害予測処理の一実装形態を示す例示の流れ図である。この処理はステップ601において開始する。ステップ613において、ハードウェアメトリクスデータが入力として与えられる。前述のように、ハードウェアメトリクスは、フローセル加熱器の温度センサデータの時系列および設定値データの時系列を含む。ステップ623において、温度センサデータの時系列から設定値データの時系列が分離される。ステップ633において、最近の処理サイクルに関するフローセル加熱器の温度センサデータが識別される。最近の処理サイクルに十分なデータポイントがあれば(ステップ643)、ステップ653においてフローセル加熱器の障害予測処理が続行され、そうでなければ、最近の処理サイクル直前の前の処理サイクルについてステップ633および643が繰り返される。一実装形態では、ステップ643において、処理サイクルについて十分なデータポイントの条件を満たすには、フローセル加熱器の温度センサの少なくとも5つのデータポイントが必要とされる。
ステップ653において、設定値データが使用可能かどうか判定される。設定値データが使用可能であれば、ステップ655において、最近のサイクルに関するフローセル加熱器の温度センサデータの時系列が試験される。ステップ663において、温度データが、設定値データの所定の許容範囲内にあるかどうかを検査するために試験される。データ値が所定の許容範囲内にあれば、制御はステップ662に移り、フローセル加熱器が正常に動作しており、サービスは不要であることを指示する。そうでなければ、制御はステップ673に移る。設定値データが使用可能でなければ、フローセル加熱器の温度センサデータの時系列は、図2において上記で定義されたような周囲温度よりも高い第1の所定のマージンを用いる閾値を使用して試験される。データポイントのカウントが閾値よりも多ければ、フローセル加熱器はサービスを必要としない(ステップ662)。そうでなければ、処理サイクルについて温度データポイントを試験する上記のプロセスが、最近の処理サイクルの直前(または直後)の前の処理サイクルについて繰り返される。試験が2つの連続した処理サイクルにおいて障害を起こす場合には、フローセル加熱器はサービスを必要としていると判定される(ステップ683)。この処理はステップ685において完結する。
図7は、シーケンシングシステムのサービス警報(721)を提示するように使用され得る例示のユーザインターフェースである。結果は、ハードウェア交換(725)をもたらした警報の数や、警報が生成された固有のシーケンシング器械(729)の数も指示することができる。警報の月毎の分布もグラフで提示され得る(763)。これらの警報は、シーケンシングシステムの予想外の使用不能時間を短縮すると期待される。
コンピュータシステム
図8は、冷却器システムの不安定性を検知するための図1の試薬冷却器の障害予測システム131を実施するように使用され得るコンピュータシステム800の簡略ブロック図である。類似のコンピュータシステム900が、複数のサイクルにわたってフローセル加熱器の障害を検知するために図1のフローセル加熱器の障害予測システム141を実施するように使用され得る。コンピュータシステム800は、バスサブシステム855を介して複数の周辺機器と通信する少なくとも1つの中央処理装置(CPU)872を含む。これらの周辺デバイスが含み得る記憶サブシステム810は、たとえば、記憶デバイスおよびファイル記憶サブシステム836、ユーザインターフェース入力デバイス838、ユーザインターフェース出力デバイス876、およびネットワークインターフェースサブシステム874を含む。入力デバイスおよび出力デバイスにより、ユーザはコンピュータシステム800と相互作用することができる。ネットワークインターフェースサブシステム874は、他のコンピュータシステムの対応するインターフェースデバイスに対するインターフェースを含む外部ネットワークに対するインターフェースをもたらす。
一実装形態では、図1の試薬冷却器の障害予測システム131は、記憶サブシステム810およびユーザインターフェース入力デバイス838に対して通信可能に連結されている。別の実装形態では、図1のフローセル加熱器の障害予測システム141は、記憶サブシステム810およびユーザインターフェース入力デバイス838に対して通信可能に連結されている。
ユーザインターフェース入力デバイス838は、キーボードと、マウス、トラックボール、タッチパッド、またはグラフィックスタブレットなどのポインティングデバイスと、スキャナと、表示器に組み込まれたタッチスクリーンと、音声認識システムおよびマイクロフォンなどの音声入力デバイスと、他のタイプの入力デバイスとを含むことができる。一般に、「入力デバイス」という用語の使用は、コンピュータシステム800に情報を入力することが可能なすべてのタイプのデバイスおよびやり方を含むように意図されている。
ユーザインターフェース出力デバイス876は、表示サブシステム、プリンタ、ファックス機、または音声出力デバイスなどの非視覚的表示を含むことができる。表示サブシステムは、発光ダイオード表示器、ブラウン管(CRT)、液晶表示器(LCD)などの平面パネルデバイス、投影デバイス、または可視画像を生成するための何らかの他の機構を含むことができる。表示サブシステムは、音声出力デバイスなどの非視覚的表示も提供することができる。一般に、「出力デバイス」という用語の使用は、コンピュータシステム800から、ユーザまたは別のマシンもしくはコンピュータシステムに対して情報を出力するためのすべての可能なタイプのデバイスおよびやり方を含むように意図されている。
記憶サブシステム810は、本明細書で説明されたモジュールおよび方法のいくつかまたはすべての機能性をもたらすプログラミングおよびデータ構造を記憶する。これらのソフトウェアモジュールは、一般に深層学習プロセッサ878によって実行される。
深層学習プロセッサ878は、グラフィック処理ユニット(GPU)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であり得る。深層学習プロセッサ878は、Google Cloud Platform(商標)、Xilinx(商標)、およびCirrascale(商標)などの深層学習クラウドプラットホームによってホスティングされ得る。深層学習プロセッサ878の例には、GoogleのTensor Processing Unit(TPU)(商標)、GX4 Rackmount Series(商標)やGX8 Rackmount Series(商標)のようなラックマウント解決策、NVIDIA DGX-1(商標)、MicrosoftのStratix V FPGA(商標)、GraphcoreのIntelligent Processor Unit(IPU)(商標)、Snapdragon processors(商標)を有するQualcommのZeroth Platform(商標)、NVIDIAのVolta(商標)、NVIDIAのDRIVE PX(商標)、NVIDIAのJETSON TX1/TX2 MODULE(商標)、IntelのNirvana(商標)、Movidius VPU(商標)、Fujitsu DPI(商標)、ARMのDynamicIQ(商標)、IBM TrueNorth(商標)などが含まれる。
記憶サブシステム810において使用されるメモリサブシステム822は、プログラムの実行中に命令およびデータを記憶するためのメインランダムアクセスメモリ(RAM)832と、固定された命令を記憶する読取り専用メモリ(ROM)834とを含めて、複数のメモリを含むことができる。ファイル記憶サブシステム836は、プログラムおよびデータファイルのための持続的な記憶機構をもたらすことができ、ハードディスクドライブ、関連するリムーバブル媒体を伴うフロッピーディスクドライブ、CD-ROMドライブ、光ドライブ、またはリムーバブル媒体カートリッジを含むことができる。一定の実装形態の機能性を実施するモジュールは、記憶サブシステム910のファイル記憶サブシステム836、またはプロセッサによるアクセスが可能な他のマシンによって記憶され得る。
バスサブシステム855は、コンピュータシステム800の様々なコンポーネントとサブシステムを意図通りに互いに通信させるための機構をもたらす。バスサブシステム855は単一のバスとして概略的に示されているが、バスサブシステムの代替実装形態は複数のバスを使用することができる。
コンピュータシステム800は、それ自体が、パーソナルコンピュータ、携帯型コンピュータ、ワークステーション、コンピュータ端末、ネットワークコンピュータ、テレビ、メインフレーム、サーバファーム、緩くネットワーク化されたコンピュータの広く分散したセット、または何らかの他のデータ処理システムもしくはユーザデバイスを含む様々なタイプであり得る。コンピュータおよびネットワークの常に変化する性質のために、図8に表されたコンピュータシステム800の説明は、開示された技術の特定の実装形態を例証するための特定の例としてのみ意図されている。図8に表されたコンピュータシステムよりも多い/少ないコンポーネントを有するコンピュータシステム800の他の多くの構成が可能である。
先の説明は、開示された技術の作製および使用を可能にするために提示されたものである。開示された実装形態に対する様々な修正形態が明白になるはずであり、本明細書で定義された一般的原理は、開示された技術の精神および範囲から逸脱することなく他の実装形態および用途に適用され得るものである。したがって、開示された技術は、示された実装形態に限定されるように意図されたものではなく、本明細書で開示された原理および特徴と調和する最も広い範囲を与えられるべきである。開示された技術の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。
特定の実装形態
試薬冷却器の不安定性予測システム
開示された技術は、誤警報を低減する、冷却器システムの不安定性の検知に関するものである。
開示された技術は、システム、方法、または製品として実施され得るものである。実装形態の1つまたは複数の特徴は、基本実装形態と組み合わされ得る。相互排除でない実装形態は、組み合わせることができるものと教示される。実装形態の1つまたは複数の特徴は、他の実装形態と組み合わせることができる。本開示は、これらの選択肢を、ユーザに、周期的に気づかせる。いくつかの実装形態からの、これらの選択肢を繰り返し列挙することの省略は、前節において教示された組合せを制限するものと解釈されるべきではなく、これらの列挙は、以下の実装形態の各々の参照によってここで前方に組み込まれる。
開示された技術の第1のシステム実装形態は、1つまたは複数のプロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを含む。単純な閾値警告よりも、生成する誤警報を少なくするように構成された、冷却器システムの不安定性を検知するためのコンピュータ命令がメモリにロードされる。コンピュータ命令は、プロセッサ上で実行されたとき、過渡振動を低減するように、冷却器の温度センサデータの時系列に対して平滑化関数を適用する。温度の過渡振動は高周波振動と称されることがある。平滑化関数を適用すると、冷却器の温度センサデータの平滑化された時系列が生成される。システムは、安定した温度の動作期間にわたる所定の時間窓における冷却器温度センサデータの平滑化された時系列を試験する。平滑化された時系列における温度読取り値の変化は、所定の温度変化率未満である。システムは、安定動作の期間が時間窓の50パーセント未満であるとき、冷却器システムが不安定であると判定し、安定した温度の動作期間の合計が所定の安定性測度未満であると、サービスの必要性を報告する。
開示されたこのシステム実装形態および他のシステムは、以下の特徴のうち1つまたは複数を任意選択で含む。システムは、開示された方法に関連して説明された特徴も含むことができる。簡潔さのために、システムの特徴の代替の組合せが個々に列挙されることはない。システムと、方法と、製品とに適用可能な特徴は、基本特徴のそれぞれの法的クラス(statutory class)のセットについて繰り返されることはない。読者は、この節において識別された特徴が、他の法的クラスにおいて基本特徴と容易に組み合わされ得る様子を理解するはずである。
このシステムは、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて所定の温度変化率を判定する。システムが含む論理により、設備の構成が、温度センサ読取り値を記録して報告し、また温度センサ読取り値の収集された記録を記憶する。システムは、障害を起こした冷却器システムを有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列を解析して所定の温度変化率を判定することを含む。所定の温度変化率は、冷却器システムが不安定であるかどうかを判定するのに用いるように記憶される。
このシステムは、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて所定の温度変化率を更新することを含む。システムが含む論理により、機器の構成が、温度センサ読取り値を記録して報告する。システムは、温度センサ読取り値の記録と、不安定性の通知に続くサービスの記録とを収集して記憶する。システムは、通知を生成した冷却器システムを有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列と、通知に続くサービスとを解析することを含む。システムは、温度センサ読取り値の時系列および通知に続くサービス記録データの解析を基に、所定の温度変化率の更新を判定する。システムは、更新された所定の温度変化率を、冷却器システムが不安定であるかどうかを判定するのに用いるように記憶する。
このシステムは、特定の冷却器システムからの温度センサ読取り値の記録にアクセスするために、クラウドベースの先行保全アナライザを含む。クラウドベースの先行保全アナライザは、所定の時間窓における冷却器の温度センサデータの時系列に平滑化関数を適用し、平滑化された時系列が安定した温度の動作の基準を満たしていないと判定すると、通知を生成する。
このシステムは、繰り返し通知をフィルタリングし、追跡のために、フィルタリングされた通知を顧客関係管理システムに提出する。システムは繰り返し通知をフィルタリングし、冷却器システムを含むシーケンサのオペレータに、フィルタリングされた通知を提出する。
シーケンシングシステムが配置された少なくとも50の複数の位置があり得る。シーケンシングシステムは、少なくとも20人の独立したオペレータによって操作され得る。
このシステムは、より高い安定度を必要とすることがあり、時間窓の75パーセントまたは90パーセントの所定の安定性測度を適用する。時間窓は4〜48時間であり得る。時間窓の選択肢の1つは約24時間である。別の選択肢は6〜36時間である。
このシステムは、時系列データに対して平滑化関数を適用するために微分フィルタを使用することができる。平滑化関数は、0.125℃/分以上または0.25℃/分以上の温度変化率を生成する過渡振動を除去するように調整され得る。あるいは、平滑化関数は、0.625℃/分以上の温度変化率を生成する過渡振動と、0.50℃/分以下の温度変化率を生成する過渡振動とを除去するように調整され得る。
このシステムは、所定の安定性測定値として、0.010℃/分未満、0.05℃/分未満もしくは0.25℃/分未満、またはこれらの基準のうち任意ものの間の範囲の温度変化の基準を使用することができる。
このシステムは、ユーザがグラフまたは表のいずれかにおいて調査するように、冷却器システムの平滑化された温度センサデータをシステム不安定性判定の報告書に自動的に添えることができる。
このシステムは、安定動作の期間にわたって温度の平均値および中央値を比較することと、第1の閾値を超えた深刻度レベル1のエラーを報告することとを含む。このシステムは、安定動作の期間にわたって温度の平均値および中央値が第2の閾値を超えた場合には深刻度レベル2のエラーを報告することも含む。
このシステムは、絶対値が少なくとも0.125℃/分の温度変化率を有する過渡振動を除去する微分フィルタを適用することを含む。このシステムは、平滑化された時系列における温度読取り値の所定の絶対温度変化率が0.05℃/分未満である安定した温度の動作期間にわたる所定の時間窓における冷却器の温度センサデータの平滑化された時系列を試験することを含む。
他の実装形態は、上記で説明されたシステムの機能を遂行するプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。もう1つの実装形態は、上記で説明されたシステムの機能を遂行する方法を含み得る。
開示された技術の第2のシステム実装形態は、1つまたは複数のプロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを含む。メモリには、シーケンサの冷却器システムが不安定であることを検知して技術者に警報を出すためのコンピュータ命令がロードされる。警報システムが含む時系列平滑化モジュールは、シーケンサの冷却器システムの中に暴露されたセンサから温度センサデータを受け取って、平滑化された温度時系列を生成する。温度不安定性検知モジュールは、平滑化された温度時系列を受け取る。温度不安定性検知モジュールは、平滑化された温度時系列における平滑化された連続データの間の所定の温度変化を超える変化を不安定なものとして報告し、不安定性の程度を判定する。このシステムが含む温度不安定性警報モジュールは、不安定性の程度が所定の閾値を超えたとき不安定性の程度の報告を受け取り、技術者に対する警報を生成する。
開示されたこのシステム実装形態および他のシステムは、以下の特徴のうち1つまたは複数を任意選択で含む。システムは、開示された方法に関連して説明された特徴も含むことができる。簡潔さのために、システムの特徴の代替の組合せが個々に列挙されることはない。システムと、方法と、製品とに適用可能な特徴は、基本特徴のそれぞれの法的クラスのセットについて繰り返されることはない。読者は、この節において識別された特徴が、他の法的クラスにおいて基本特徴と容易に組み合わされ得る様子を理解するはずである。
このシステムがシーケンサ上に備えるセンサ暴露モジュールは、冷却器システムの中に温度センサを暴露し、暴露された温度センサからの温度センサデータを報告する。このシステムが含む記録収集モジュールは、シーケンサを含む複数のデバイスから温度センサデータを受け取る。収集モジュールは、シーケンサの冷却器システムからの温度センサデータを、時系列平滑化モジュールにとって使用可能なものにする。
このシステムは、警報システムによって使用される様々な所定の検知パラメータを更新することができる。所定の検知パラメータを更新する3つの例が以下で提示される。
このシステムは、所定の閾値を変更する閾値更新コンポーネントを含む。閾値更新コンポーネントは、記録収集モジュールおよび閾値調節モジュールをさらに含む。記録収集モジュールは、シーケンサを含む複数のデバイスから温度センサデータを受け取る。記録収集モジュールは、シーケンサの冷却器システムからの温度センサデータを、閾値調節モジュールにとって使用可能なものにする。閾値調節モジュールは、新規の温度センサデータを受け取り、新規の温度センサデータを基に所定の閾値を変更して、変更された所定の閾値を、温度不安定性警報モジュールによって使用されるように記憶する。
このシステムは、所定の温度変化を変更する閾値更新コンポーネントを含む。閾値更新コンポーネントは、記録収集モジュールおよび閾値調節モジュールをさらに含む。記録収集モジュールは、シーケンサを含む複数のデバイスから温度センサデータを受け取る。記録収集モジュールは、シーケンサの冷却器システムからの温度センサデータを、閾値調節モジュールにとって使用可能なものにする。閾値調節モジュールは、新規の温度センサデータを受け取り、新規の温度センサデータを基に所定の温度変化を変更して、変更された所定の温度変化を、温度不安定性検知モジュールによって使用されるように記憶する。
このシステムは、平滑化モジュール向けのパラメータを変更する閾値更新コンポーネントを含む。閾値更新コンポーネントは、記録収集モジュールおよび閾値調節モジュールをさらに含む。記録収集モジュールは、シーケンサを含む複数のデバイスから温度センサデータを受け取る。記録収集モジュールは、シーケンサの冷却器システムからの温度センサデータを、閾値調節モジュールにとって使用可能なものにする。閾値調節モジュールは、新規の温度センサデータを受け取り、新規の温度センサデータを基に平滑化モジュール向けのパラメータを変更して、変更された平滑化のためのパラメータを、時系列平滑化モジュールによって使用されるように記憶する。
閾値更新のコンポーネントおよびシステムは、顧客関係モジュールおよび閾値調節モジュールをさらに備える。顧客関係モジュールは、シーケンサを含む複数のデバイス向けの警報、障害および解決を追跡する。閾値調節モジュールは、顧客関係モジュールから障害および解決のデータをさらに受け取る。閾値調節モジュールは、時系列平滑化モジュール、温度不安定性検知モジュール、または温度不安定性警報モジュールのうちいずれかによって使用されるパラメータを変更するとき、見逃された障害と誤警報を区別する。
他の実装形態は、上記で説明されたシステムの機能を遂行するプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。もう1つの実装形態は、上記で説明されたシステムの機能を遂行する方法を含み得る。
開示された技術の第1の方法の実装形態は、誤警報を低減する、冷却器システムの不安定性を検知するステップを含む。この方法は、冷却器の温度センサデータの時系列に対して過渡振動を低減するための平滑化関数を適用するステップを含む。フィルタを適用すると、冷却器の温度センサデータの平滑化された時系列が生成される。この方法は、安定した温度の動作期間にわたる所定の時間窓における冷却器温度センサデータの平滑化された時系列を試験するステップを含む。平滑化された時系列における温度読取り値の変化は、所定の温度変化率未満である。最後に、この方法は、安定した温度の動作期間の合計が所定の安定性測度未満であるとき、冷却器システムが不安定であると判定して、サービスの必要性を報告する。
開示されたこの方法の実装形態および他の方法は、以下の特徴のうち1つまたは複数を任意選択で含む。方法は、開示されたシステムに関連して説明された特徴も含むことができる。読者は、この節において識別された特徴が、他の法的クラスにおいて基本特徴と容易に組み合わされ得る様子を理解するはずである。
この方法は、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて所定の温度変化率を判定するステップを含む。この方法は、設備の構成に、温度センサの読取り値を記録して報告させ、また温度センサ読取り値の収集された記録を記憶させるステップを含む。この方法は、障害を起こした冷却器システムを有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列を解析するステップと、所定の温度変化率を判定するステップとを含む。所定の温度変化率は、冷却器システムが不安定であるかどうかを判定するのに用いるように記憶される。
この方法は、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて所定の温度変化率を更新するステップを含む。この方法は、機器の構成に、温度センサ読取り値を記録して報告させるステップを含む。この方法は、温度センサ読取り値と、不安定性の通知に続くサービスの記録とを収集して記憶するステップを含む。この方法は、通知を生成した冷却器システムを有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列と、通知に続くサービスとを解析するステップを含む。この方法は、温度センサ読取り値の時系列および通知に続くサービス記録データの解析を基に、所定の温度変化率の更新を判定するステップを含む。更新された所定の温度変化率は、冷却器システムが不安定であるかどうかを判定するのに用いるように記憶される。
この方法は、特定の冷却器システムからの温度センサ読取り値の記録にアクセスするステップを含む。この方法は、所定の時間窓における冷却器の温度センサデータの時系列に平滑化関数を適用して、平滑化された時系列が安定した温度動作の基準を満たしていないと判定すると、通知を生成するステップを含む。
この方法は、繰り返し通知をフィルタリングするステップと、追跡のために、フィルタリングされた通知を顧客関係管理システムに提出するステップとを含む。この方法は、繰り返し通知をフィルタリングするステップと、冷却器システムを含むシーケンサのオペレータに、フィルタリングされた通知を提出するステップとを含む。
シーケンシングシステムが配置された少なくとも50の複数の位置があり得る。シーケンシングシステムは、少なくとも20人の独立したオペレータによって操作され得る。
この方法を使用すると、より高い安定度を必要とすることがあり、時間窓の75パーセントまたは90パーセントの所定の安定性測度を適用する。時間窓は4〜48時間であり得る。時間窓の選択肢の1つは約24時間である。別の選択肢は6〜36時間である。
この方法は、時系列データに対して平滑化関数を適用するために微分フィルタを使用するステップを含むことができる。平滑化関数は、0.125℃/分以上または0.25℃/分以上の温度変化率を生成する過渡振動を除去するように調整され得る。あるいは、平滑化関数は、0.625℃/分以上の温度変化率を生成する過渡振動と、0.50℃/分以下の温度変化率を生成する過渡振動とを除去するように調整され得る。
この方法は、所定の安定性測定値として、0.010℃/分未満、0.05℃/分未満もしくは0.25℃/分未満、またはこれらの基準のうち任意ものの間の範囲の温度変化の基準を使用するステップを含むことができる。
この方法は、ユーザがグラフまたは表のいずれかにおいて調査するように、冷却器システムの平滑化された温度センサデータをシステム不安定性判定の報告書に自動的に添えるステップを含むことができる。
この方法は、安定動作の期間にわたって温度の平均値および中央値を比較するステップと、第1の閾値を超えた深刻度レベル1のエラーを報告するステップとを含む。この方法は、安定動作の期間にわたって温度の平均値および中央値が第2の閾値を超えた場合には深刻度レベル2のエラーを報告するステップも含む。
この方法は、絶対値が少なくとも0.125℃/分の温度変化率を有する過渡振動を除去する微分フィルタを適用するステップを含む。このシステムは、平滑化された時系列における温度読取り値の所定の絶対温度変化率が0.05℃/分未満である安定した温度の動作期間にわたる所定の時間窓における冷却器の温度センサデータの平滑化された時系列を試験することを含む。
システム実装形態に関するこの特定の実装形態の節で論じられる特徴の各々は、この方法実装形態にも同様に当てはまる。上記で指示されたように、すべてのシステムの特徴がここで繰り返されるわけではなく、参照によって繰り返されると見なされるべきである。
他の実装形態は、冷却器システムの不安定性を検知する1つまたは複数のプロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム命令を総体として記憶する1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体のセットを含み得る。コンピュータプログラム命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、誤警報を低減する、冷却器システムの不安定性を検知するステップを含む方法を実施する。この方法は、冷却器の温度センサデータの時系列に対して過渡振動を低減するための平滑化関数を適用するステップを含む。フィルタを適用すると、冷却器の温度センサデータの平滑化された時系列が生成される。この方法は、安定した温度の動作期間にわたる所定の時間窓における冷却器温度センサデータの平滑化された時系列を試験するステップを含む。平滑化された時系列における温度読取り値の変化は、所定の温度変化率未満である。最後に、この方法は、安定した温度の動作期間の合計が所定の安定性測度未満であるとき、冷却器システムが不安定であると判定して、サービスの必要性を報告する。もう1つの実装形態は、上記で説明された第1の方法を遂行するために、メモリと、メモリに記憶された命令を実行するように動作可能な1つまたは複数のプロセッサとを含むシステムを含み得る。
開示された技術のコンピュータ可読媒体(CRM)の実装形態が含む1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶された(impressed with)コンピュータプログラム命令は、1つまたは複数のプロセッサ上で実行されたとき、上記で説明された方法を実施する。
このCRMの実装形態は、以下の特徴のうち1つまたは複数を含む。CRMの実装形態は、上記で開示されたシステムおよび方法に関連して説明された特徴も含むことができる。この方法は、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて所定の温度変化率を判定するステップを含む。この方法は、設備の構成に、温度センサの読取り値を記録して報告させ、また温度センサ読取り値の収集された記録を記憶させるステップを含む。この方法は、障害を起こした冷却器システムを有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列を解析するステップと、所定の温度変化率を判定するステップとを含む。所定の温度変化率は、冷却器システムが不安定であるかどうかを判定するのに用いるように記憶される。
CRMで実施される方法は、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて所定の温度変化率を更新するステップを含む。この方法は、機器の構成に、温度センサ読取り値を記録して報告させるステップを含む。この方法は、温度センサ読取り値と、不安定性の通知に続くサービスの記録とを収集して記憶するステップを含む。この方法は、通知を生成した冷却器システムを有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列と、通知に続くサービスとを解析するステップを含む。この方法は、温度センサ読取り値の時系列および通知に続くサービス記録データの解析を基に、所定の温度変化率の更新を判定するステップを含む。更新された所定の温度変化率は、冷却器システムが不安定であるかどうかを判定するのに用いるように記憶される。
CRMで実施される方法は、特定の冷却器システムからの温度センサ読取り値の記録にアクセスするステップを含む。この方法は、所定の時間窓における冷却器の温度センサデータの時系列に平滑化関数を適用して、平滑化された時系列が安定した温度動作の基準を満たしていないと判定すると、通知を生成するステップを含む。
CRMで実施される方法は、繰り返し通知をフィルタリングするステップと、追跡のために、フィルタリングされた通知を顧客関係管理システムに提出するステップとを含む。この方法は、繰り返し通知をフィルタリングするステップと、冷却器システムを含むシーケンサのオペレータに、フィルタリングされた通知を提出するステップとを含む。
シーケンシングシステムが配置された少なくとも50の複数の位置があり得る。シーケンシングシステムは、少なくとも20人の独立したオペレータによって操作され得る。
この方法を使用すると、より高い安定度を必要とすることがあり、時間窓の75パーセントまたは90パーセントの所定の安定性測度を適用する。時間窓は4〜48時間であり得る。時間窓の選択肢の1つは約24時間である。別の選択肢は6〜36時間である。
このCRMで実施される方法は、時系列データに対して平滑化関数を適用するために微分フィルタを使用するステップを含むことができる。平滑化関数は、0.125℃/分以上または0.25℃/分以上の温度変化率を生成する過渡振動を除去するように調整され得る。あるいは、平滑化関数は、0.625℃/分以上の温度変化率を生成する過渡振動と、0.50℃/分以下の温度変化率を生成する過渡振動とを除去するように調整され得る。
CRMで実施される方法は、所定の安定性測定値として、0.010℃/分未満、0.05℃/分未満もしくは0.25℃/分未満、またはこれらの基準のうち任意のものの間の範囲の温度変化の基準を使用するステップを含むことができる。
CRMで実施される方法は、ユーザがグラフまたは表のいずれかにおいて調査するように、冷却器システムの平滑化された温度センサデータをシステム不安定性判定の報告書に自動的に添えるステップを含むことができる。
CRMで実施される方法は、安定動作の期間にわたって温度の平均値および中央値を比較するステップと、第1の閾値を超えた深刻度レベル1のエラーを報告するステップとを含む。この方法は、安定動作の期間にわたって温度の平均値および中央値が第2の閾値を超えた場合には深刻度レベル2のエラーを報告するステップも含む。
CRMで実施される方法は、絶対値が少なくとも0.125℃/分の温度変化率を有する過渡振動を除去する微分フィルタを適用するステップを含む。このシステムは、平滑化された時系列における温度読取り値の所定の絶対温度変化率が0.05℃/分未満である安定した温度の動作期間にわたる所定の時間窓における冷却器の温度センサデータの平滑化された時系列を試験することを含む。
開示された技術の第2の方法の実装形態は、シーケンサの冷却器システムが不安定であることを検知するステップを含む。この方法は、シーケンサの冷却器システムの中に暴露されたセンサから取得された温度センサデータを受け取るステップを含む。この方法は、温度センサデータに平滑化関数を適用して、平滑化された温度時系列を生成するステップを含む。この方法は、平滑化された温度時系列における平滑化された連続データの間の、所定の温度変化を超える変化を判定するステップを含む。この方法は、判定された変化を基に不安定性の程度を判定するステップを含む。この方法は、不安定性の程度が所定の閾値を超えたとき、シーケンサの冷却器システムが不安定であることを指示する警報を生成するステップを含む。
開示されたこの方法の実装形態および他の方法は、以下の特徴のうち1つまたは複数を任意選択で含む。方法は、開示されたシステムに関連して説明された特徴も含むことができる。読者は、この節において識別された特徴が、他の法的クラスにおいて基本特徴と容易に組み合わされ得る様子を理解するはずである。
温度センサデータは、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置のセンサを基に判定される。この方法は、機器の構成に、温度センサ読取り値を記録して報告させるステップを含む。この方法は、温度センサ読取り値の記録を収集するステップを含む。この方法は、障害を起こした冷却器システムを有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列を解析するステップと、所定の温度変化を判定するステップとを含む。この方法は、不安定性の程度を判定するステップにおいて使用される所定の温度変化を記憶するステップを含む。
この方法は、シーケンサを含む複数のデバイスから温度センサデータを受け取るステップをさらに含む。この方法は、複数のデバイスから新規の温度センサデータを受け取るステップを含む。この方法は、新規の温度センサデータを基に所定の閾値を変更するステップと、警報を生成するために、変更された所定の閾値を記憶するステップとを含む。
この方法は、シーケンサを含む複数のデバイスから温度センサデータを受け取るステップをさらに含む。この方法は、複数のデバイスから新規の温度センサデータを受け取るステップを含む。この方法は、新規の温度センサデータを基に所定の温度変化を変更するステップを含む。この方法は、所定の温度変化を超える変化を判定するために、変更された所定の温度変化を記憶するステップを含む。
この方法が含む、閾値を更新するステップは、シーケンサを含む複数のデバイスから温度センサデータを受け取るステップを含む。この方法は、複数のデバイスから新規の温度センサデータを受け取るステップを含む。この方法は、新規の温度センサデータを基に平滑化関数向けのパラメータを変更するステップと、平滑化関数向けの変更されたパラメータを記憶するステップとを含む。
この方法は、シーケンサを含む複数のデバイス向けの警報、障害および解決を追跡するステップを含む。この方法は、顧客関係モジュールから障害および解決のデータを受け取るステップを含む。この方法は、平滑化関数のパラメータを変更するとき、見逃された障害と誤警報を区別するステップ、不安定性の程度を判定するステップ、または警報を発生するステップを含む。
微分フィルタによって平滑化関数が適用される。平滑化関数を適用すると、0.125℃/分以上の温度変化率を生成する過渡振動が除去される。
この方法は、安定動作の期間にわたって温度の平均値および中央値を比較するステップと、温度の平均値および中央値が第1の閾値を超えて変化したとき第1の程度の不安定性を報告するステップとを含む。
この方法は、安定動作の期間にわたって温度の平均値および中央値を比較するステップと、温度の平均値および中央値が第2の閾値を超えて変化したとき第2の程度の不安定性を報告するステップとを含む。
この技術のシステム実装形態はメモリに結合された1つまたは複数のプロセッサを備え、メモリにロードされたコンピュータ命令が1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、システムは、上記で説明された方法のうちいずれか1つによる方法を実行する。第2の方法の実装形態に関するこの特定の実装形態の節において上記で論じられた特徴の各々は、このシステム実装形態にも同様に当てはまる。
この技術のCRMの実装形態は、コンピュータプログラム命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備える。コンピュータプログラム命令は、1つまたは複数のプロセッサ上で実行されたとき、上記で提示された方法のうちいずれかによる方法を実施する。
システム実装形態に関するこの特定の実装形態の節で論じられた特徴の各々は、CRMの実装形態にも同様に当てはまる。上記で指示されたように、すべてのシステムの特徴がここで繰り返されるわけではなく、参照によって繰り返されると見なされるべきである。
フローセル加熱器の障害予測システム
開示された技術は、設定値のないシステムにおける、複数のサイクルにわたるフローセル加熱器の障害の検知に関するものである。
開示された技術の第1のシステム実装形態は、1つまたは複数のプロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを含む。メモリには、設定値のないシステムにおいて複数のサイクルにわたるフローセル加熱器の障害を検知するコンピュータ命令がロードされている。コンピュータ命令は、プロセッサ上で実行されたとき、ベースコーリングサイクルにわたるフローセル加熱器の温度センサデータの時系列を試験して、最新のベースコーリングサイクルまたは次に新しいベースコーリングサイクルが、評価するのに十分なフローセル加熱器の温度センサデータポイントを有するかどうかを判定する。評価されるのに十分なフローセル加熱器の温度センサデータポイントのカウントは、いくつかの実装形態では、ベースコーリングサイクルにおいて、フローセル加熱器の温度が第1の所定のマージンよりも大きく周囲の動作温度を超過する時間に相当する。コンピュータ命令は、評価されたサイクルにおけるフローセル加熱器の最新の温度センサデータが、周囲の動作温度を第1の所定のマージンだけ超えているかどうかを判定するステップをさらに実行する。評価されたサイクルにおいて、フローセル加熱器の温度センサデータが、動作温度を、第1の所定のマージンだけ超えることができなかったとき、評価されたサイクルの直後の続くサイクルにおいて、フローセル加熱器の温度センサデータが第1の所定のマージンだけ周囲の動作温度を超えるかどうかを判定する。次いで、評価されたサイクルとその直後の続くサイクルの両方において、フローセル加熱器の温度センサデータが、動作温度を、第1の所定のマージンだけ超えることができなかったとき、フローセル加熱器が障害を起こしていると判定してサービスの必要性を報告する。
開示されたこのシステム実装形態および他のシステムは、以下の特徴のうち1つまたは複数を任意選択で含む。システムは、開示された方法に関連して説明された特徴も含むことができる。簡潔さのために、システムの特徴の代替の組合せが個々に列挙されることはない。システムと、方法と、製品とに適用可能な特徴は、基本特徴のそれぞれの法的クラスのセットについて繰り返されることはない。読者は、この節において識別された特徴が、他の法的クラスにおいて基本特徴と容易に組み合わされ得る様子を理解するはずである。
このシステムは、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて第1の所定のマージンを判定する。システムが含む論理により、設備の構成が、温度センサの読取り値を記録して報告し、また温度センサ読取り値の収集された記録を記憶する。このシステムは、障害を起こしたフローセル加熱器を有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列を解析して第1の所定のマージンを決定するための論理を含む。第1の所定の温度マージンは、フローセル加熱器が障害を起こしているかどうかを判定するのに用いるように記憶される。
このシステムは、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて第1の所定のマージンを更新する。このシステムが含む論理により、機器の構成が、温度センサ読取り値と、サービスの必要性の報告に続くサービスの記録とを、記録して報告する。このシステムは収集された記録を記憶する。このシステムは、健全な期間の後に障害を起こしたフローセル加熱器を有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列と、サービスの必要性の報告に続くサービスの記録とを解析することを含む。このシステムは、解析を基に第1の所定のマージンの更新を判定する。
このシステムは、特定のフローセル加熱器からの温度センサ読取り値の記録にアクセスするために、クラウドベースの先行保全アナライザを含む。クラウドベースの先行保全アナライザは、試験と、判定と、クラウドベースの先行保全アナライザからのサービスの必要性の報告とのアプリケーションを遂行する。
このシステムは、繰り返し通知をフィルタリングし、追跡のために、フィルタリングされた通知を顧客関係管理システムに提出する。このシステムは、繰り返し通知をフィルタリングし、フローセル加熱器システムを含むシーケンサのオペレータに、フィルタリングされた通知を提出する。
このシステムは、フローセル加熱器の温度が周囲の動作温度を超えると想定されているベースコーリングサイクルの時間に対応するフローセル加熱器の温度センサデータポイントのカウントが、第1の所定のマージンだけ超えて評価されるのに十分かどうかを判定する。
低温側で、フローセルが周囲温度未満に冷却されると想定されるとき、命令は、カウントに先立って得られて評価された1つまたは複数のフローセル加熱器の温度センサデータポイントが、周囲の動作温度から第2の所定のマージンを引いたものを下回るかどうか、さらに判定することができる。評価されたサイクルにおいて、フローセル加熱器の温度センサデータが、動作温度を第2の所定のマージンだけ下回ることができなかったとき、評価されたサイクルの直後の続くサイクルにおけるカウントの前に得られたフローセル加熱器の温度センサデータが周囲の動作温度を第2の所定のマージンだけ下回るかどうかを判定する。次いで、評価されたサイクルとその直後の続くサイクルの両方において、フローセル加熱器の温度センサデータが、動作温度を第2の所定のマージンだけ下回ることができなかったとき、フローセル冷却が障害を起こしていると判定してサービスの必要性を報告する。
このシステムは、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて第2の所定のマージンを決定する。このシステムが含む論理により、機器の構成が、温度センサの読取り値を記録して報告し、また温度センサ読取り値の収集された記録を記憶する。このシステムは、障害を起こしたフローセル加熱器を有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列を解析して第2の所定のマージンを決定することを含む。第2の所定の温度マージンは、フローセル加熱器が障害を起こしているかどうかを判定するのに用いるように記憶される。
このシステムは、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて第2の所定のマージンを更新する。このシステムが含む論理により、機器の構成が、温度センサ読取り値と、サービスの必要性の報告に続くサービスの記録とを、記録して報告する。このシステムは収集された記録を記憶する。このシステムは、健全な期間の後に障害を起こしたフローセル加熱器を有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列と、サービスの必要性の報告に続くサービスの記録とを解析することを含む。このシステムは、解析を基に第2の所定のマージンの更新を判定する。
他の実装形態は、上記で説明されたシステムの機能を遂行するプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。もう1つの実装形態は、上記で説明されたシステムの機能を遂行する方法を含み得る。
第2のシステムの実装形態は、シーケンサのフローセル温度制御システムに障害があることを検知して技術者に警報を出すための警報システムを含む。温度検知モジュールは、ベースコーリングサイクルにわたってフローセル温度センサデータの時系列を解析する。温度マージン検知モジュールは、最新のベースコーリングサイクルまたは次に新しいベースコーリングサイクルが、評価されるのに十分なフローセル温度センサデータポイントを有するかどうかを判定する。温度マージン検知モジュールはまた、評価されたサイクルにおける温度センサデータが、周囲の動作温度を第1の所定のマージンだけ超えているかどうかを判定する。評価されたサイクルのフローセル温度センサデータが、周囲の動作温度を第1の所定のマージンだけ超えることができなかった場合、評価されたサイクルの直前または直後の続くサイクルにおけるフローセル温度センサデータが判定される。この続くサイクルにおけるフローセル温度センサデータが周囲の動作温度を第1の所定のマージンだけ超えることができなかった場合、温度マージン検知モジュールは第1の障害状態を設定する。このシステムは、第1の障害状態の判定を受け取って技術者向けにフローセル加熱器警報を生成する温度マージン障害警報モジュールも含む。
開示されたこのシステム実装形態および他のシステムは、以下の特徴のうち1つまたは複数を任意選択で含む。システムは、開示された方法に関連して説明された特徴も含むことができる。簡潔さのために、システムの特徴の代替の組合せが個々に列挙されることはない。システムと、方法と、製品とに適用可能な特徴は、基本特徴のそれぞれの法的クラスのセットについて繰り返されることはない。読者は、この節において識別された特徴が、他の法的クラスにおいて基本特徴と容易に組み合わされ得る様子を理解するはずである。
温度マージン検知モジュールは、ベースコーリングサイクルにわたってフローセル加熱器の温度センサデータの時系列を解析することにより、フローセル冷却器障害を判定するようにさらに構成されている。このシステムは、最新のベースコーリングサイクルまたは次に新しいベースコーリングサイクルが、フローセル冷却サブサイクル中に評価されるべきフローセル温度センサデータポイントを有するかどうかを判定する。このシステムは、評価されたサイクルにおける温度センサデータが、周囲の動作温度を第2の所定のマージンだけ下回って冷却されたかどうかを判定する。評価されたサイクルのフローセル温度センサデータが、周囲の動作温度を第2の所定のマージンだけ下回ることができなかった場合、このシステムは、評価されたサイクルの直前または直後の続くサイクルにおけるフローセル加熱器の温度センサデータを判定する。この続くサイクルにおける温度センサデータが、周囲の動作温度を第2の所定のマージンだけ下回ることができなかった場合、このシステムは第2の障害状態を設定する。温度マージン障害警報モジュールは、第2の障害状態の判定を受け取って技術者向けにフローセル冷却器警報を生成する。
このシステムは、フローセル温度制御システムの中に温度センサを暴露する、シーケンサ上のセンサ暴露モジュールを含む。センサ暴露モジュールはまた、暴露された温度センサからの温度センサデータを報告する。記録収集モジュールは、シーケンサを含む複数のデバイスから温度センサデータを受け取る。記録収集モジュールは、シーケンサのフローセル温度制御システムからの温度センサデータを、温度マージン検知モジュールにとって使用可能なものにする。
このシステムは温度マージンを更新することを含む。記録収集モジュールは、シーケンサを含む複数のデバイスから温度センサデータを受け取る。記録収集モジュールは、シーケンサのフローセル温度制御システムからの温度センサデータを、温度マージン調節モジュールにとって使用可能なものにする。温度マージン調節モジュールは、複数のデバイスから新規の温度センサデータを受け取る。温度マージン調節モジュールは、新規の温度センサデータを基に第1の所定のマージンを変更し、変更された第1の所定の閾値を、温度マージン障害警報モジュールによって使用されるように記憶する。
このシステムは温度マージンを更新することを含む。記録収集モジュールは、シーケンサを含む複数のデバイスから温度センサデータを受け取る。記録収集モジュールは、シーケンサのフローセル温度制御システムからの温度センサデータを、温度マージン調節モジュールにとって使用可能なものにする。温度マージン調節モジュールは、複数のデバイスから新規の温度センサデータを受け取る。温度マージン調節モジュールは、新規の温度センサデータを基に第2の所定のマージンを変更し、変更された第2の所定の閾値を、温度マージン障害警報モジュールによって使用されるように記憶する。
このシステムは、温度マージンを更新するのにCRMデータを利用する。顧客関係モジュールは、シーケンサを含む複数のデバイス向けの警報、障害および解決を追跡する。温度マージン調節モジュールは、顧客関係モジュールから障害および解決のデータを受け取る。温度マージン調節モジュールは、温度マージン調節モジュールによって実施されたパラメータを変更するとき、見逃された障害と誤警報を区別する。
他の実装形態は、上記で説明されたシステムの機能を遂行するプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。もう1つの実装形態は、上記で説明されたシステムの機能を遂行する方法を含み得る。
開示された技術の第1の方法実装形態は、設定値のないシステムにおいて、複数のサイクルにわたってフローセル加熱器の障害を検知するステップを含む。この方法は、処理サイクルにおいて境界を定められたフローセル加熱器の温度センサデータの時系列を試験して、最近の処理サイクルにおいてどれだけのポイントが閾値を超えて記録されたか判定するステップを含む。閾値は、特定の温度間隔の間に測定が行われる可能性を基に判定される。最近の処理サイクルにおいて記録されたポイントの第1のカウントが所定のカウント閾値未満であるとき、この方法は、最近の処理サイクルの直前の前の処理サイクルに対する試験を繰り返して、直前の処理サイクルにおいてどれだけのポイントが閾値を超えて記録されたかを判定する。閾値は、特定の温度間隔の間に測定が行われる可能性を基に判定される。前の処理サイクルにおいて記録されたポイントの第1のカウントが所定のカウント閾値未満であるばかりでなく、前の処理サイクルにおいて記録されたポイントの第2のカウントも所定のカウント閾値未満であるとき、この方法は、フローセル加熱器が障害を起こしていると判定してサービスの必要性を報告する。
開示されたこの方法の実装形態および他の方法は、以下の特徴のうち1つまたは複数を任意選択で含む。方法は、開示されたシステムに関連して説明された特徴も含むことができる。読者は、この節において識別された特徴が、他の法的クラスにおいて基本特徴と容易に組み合わされ得る様子を理解するはずである。
この方法は、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて第1の所定のマージンを決定するステップを含む。この方法は、設備の構成に、温度センサの読取り値を記録して報告させ、また温度センサ読取り値の収集された記録を記憶させるステップを含む。この方法は、障害を起こしたフローセル加熱器を有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列を解析して第1の所定のマージンを決定するステップを含む。第1の所定の温度マージンは、フローセル加熱器が障害を起こしているかどうかを判定するのに用いるように記憶される。
この方法は、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて第1の所定のマージンを更新するステップを含む。この方法は、機器の構成に、温度センサ読取り値と、サービスの必要性の報告に続くサービスの記録とを、記録して報告させるステップを含む。この方法は、収集された記録を記憶するステップを含む。この方法は、健全な期間の後に障害を起こしたフローセル加熱器を有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列と、サービスの必要性の報告に続くサービスの記録とを解析するステップを含む。この方法は、解析を基に第1の所定のマージンの更新を判定するステップを含む。
この方法は、特定のフローセル加熱器からの温度センサ読取り値の記録にアクセスするステップを含む。この方法は、クラウドベースの先行保全アナライザからのサービスの必要性を、試験するステップと、判定するステップと、報告するステップとのアプリケーションを遂行するステップを含む。
この方法は、繰り返し通知をフィルタリングするステップと、追跡のために、フィルタリングされた通知を顧客関係管理システムに提出するステップとを含む。この方法は、繰り返し通知をフィルタリングするステップと、フローセル加熱器システムを含むシーケンサのオペレータに、フィルタリングされた通知を提出するステップとを含む。
この方法は、フローセル加熱器の温度が周囲の動作温度を超えると想定されているベースコーリングサイクルの時間に対応するフローセル加熱器の温度センサデータポイントのカウントが、第1の所定のマージンだけ超えて評価されるのに十分かどうかを判定するステップを含む。
低温側で、フローセルが周囲温度未満に冷却されると想定されるとき、命令は、カウントに先立って得られて評価された1つまたは複数のフローセル加熱器の温度センサデータポイントが、周囲の動作温度から第2の所定のマージンを引いたものを下回るかどうか、さらに判定することができる。評価されたサイクルにおいて、フローセル加熱器の温度センサデータが、動作温度を第2の所定のマージンだけ下回ることができなかったとき、評価されたサイクルの直後の続くサイクルにおけるカウントの前に得られたフローセル加熱器の温度センサデータが周囲の動作温度を第2の所定のマージンだけ下回るかどうかを判定する。次いで、評価されたサイクルとその直後の続くサイクルの両方において、フローセル加熱器の温度センサデータが、動作温度を第2の所定のマージンだけ下回ることができなかったとき、フローセル冷却が障害を起こしていると判定してサービスの必要性を報告する。
この方法は、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて第2の所定のマージンを決定するステップを含む。この方法が含む論理により、機器の構成が、温度センサの読取り値を記録して報告し、また温度センサ読取り値の収集された記録を記憶する。この方法は、障害を起こしたフローセル加熱器を有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列を解析して第2の所定のマージンを決定するステップを含む。第2の所定の温度マージンは、フローセル加熱器が障害を起こしているかどうかを判定するのに用いるように記憶される。
この方法は、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて第2の所定のマージンを更新するステップを含む。この方法は、機器の構成に、温度センサ読取り値と、サービスの必要性の報告に続くサービスの記録とを、記録して報告させるステップを含む。この方法は、収集された記録を記憶するステップを含む。この方法は、健全な期間の後に障害を起こしたフローセル加熱器を有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列と、サービスの必要性の報告に続くサービスの記録とを解析するステップを含む。この方法は、解析を基に第2の所定のマージンの更新を判定するステップを含む。
他の実装形態は、1つまたは複数のプロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム命令を総体として記憶する1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体のセットを含み得る。コンピュータプログラム命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、フローセル加熱器がベースコーリングシステムにおける複数のサイクルにわたって障害を起こしていることを検知するステップを含む方法を実施する。この方法は、処理サイクルにおいて境界を定められたフローセル加熱器の温度センサデータの時系列を試験して、最近の処理サイクルにおいてどれだけのポイントが閾値を超えて記録されたか判定するステップを含む。閾値は、特定の温度間隔の間に測定が行われる可能性を基に判定される。最近の処理サイクルにおいて記録されたポイントの第1のカウントが所定のカウント閾値未満であるとき、この方法は、最近の処理サイクルの直前の前の処理サイクルに対する試験を繰り返して、直前の処理サイクルにおいてどれだけのポイントが閾値を超えて記録されたかを判定する。閾値は、特定の温度間隔の間に測定が行われる可能性を基に判定される。前の処理サイクルにおいて記録されたポイントの第1のカウントが所定のカウント閾値未満であるばかりでなく、前の処理サイクルにおいて記録されたポイントの第2のカウントも所定のカウント閾値未満であるとき、この方法は、フローセル加熱器が障害を起こしていると判定してサービスの必要性を報告する。
開示されたこの方法の実装形態および他の方法は、以下の特徴のうち1つまたは複数を任意選択で含む。方法は、開示されたシステムに関連して説明された特徴も含むことができる。読者は、この節において識別された特徴が、他の法的クラスにおいて基本特徴と容易に組み合わされ得る様子を理解するはずである。
CRMで実施される方法は、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて第1の所定のマージンを決定するステップを含む。この方法は、設備の構成に、温度センサの読取り値を記録して報告させ、また温度センサ読取り値の収集された記録を記憶させるステップを含む。この方法は、障害を起こしたフローセル加熱器を有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列を解析して第1の所定のマージンを決定するステップを含む。第1の所定の温度マージンは、フローセル加熱器が障害を起こしているかどうかを判定するのに用いるように記憶される。
CRMで実施される方法は、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて第1の所定のマージンを更新するステップを含む。この方法は、機器の構成に、温度センサ読取り値と、サービスの必要性の報告に続くサービスの記録とを、記録して報告させるステップを含む。この方法は、収集された記録を記憶するステップを含む。この方法は、健全な期間の後に障害を起こしたフローセル加熱器を有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列と、サービスの必要性の報告に続くサービスの記録とを解析するステップを含む。この方法は、解析を基に第1の所定のマージンの更新を判定するステップを含む。
CRMで実施される方法は、特定のフローセル加熱器からの温度センサ読取り値の記録にアクセスするステップを含む。この方法は、クラウドベースの先行保全アナライザからのサービスの必要性を、試験するステップと、判定するステップと、報告するステップとのアプリケーションを遂行するステップを含む。
CRMで実施される方法は、繰り返し通知をフィルタリングするステップと、追跡のために、フィルタリングされた通知を顧客関係管理システムに提出するステップとを含む。この方法は、繰り返し通知をフィルタリングするステップと、フローセル加熱器システムを含むシーケンサのオペレータに、フィルタリングされた通知を提出するステップとを含む。
CRMで実施される方法は、フローセル加熱器の温度が周囲の動作温度を超えると想定されているベースコーリングサイクルの時間に対応するフローセル加熱器の温度センサデータポイントのカウントが、第1の所定のマージンだけ超えて評価されるのに十分かどうかを判定するステップを含む。
低温側で、フローセルが周囲温度未満に冷却されると想定されるとき、命令は、カウントに先立って得られて評価された1つまたは複数のフローセル加熱器の温度センサデータポイントが、周囲の動作温度から第2の所定のマージンを引いたものを下回るかどうか、さらに判定することができる。評価されたサイクルにおいて、フローセル加熱器の温度センサデータが、動作温度を第2の所定のマージンだけ下回ることができなかったとき、評価されたサイクルの直後の続くサイクルにおけるカウントの前に得られたフローセル加熱器の温度センサデータが第2の所定のマージンだけ周囲の動作温度を下回るかどうかを判定する。次いで、評価されたサイクルとその直後の続くサイクルの両方において、フローセル加熱器の温度センサデータが、動作温度を第2の所定のマージンだけ下回ることができなかったとき、フローセル冷却が障害を起こしていると判定してサービスの必要性を報告する。
CRMで実施される方法は、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて第2の所定のマージンを決定するステップを含む。この方法が含む論理により、機器の構成が、温度センサの読取り値を記録して報告し、また温度センサ読取り値の収集された記録を記憶する。この方法は、障害を起こしたフローセル加熱器を有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列を解析して第2の所定のマージンを決定するステップを含む。第2の所定の温度マージンは、フローセル加熱器が障害を起こしているかどうかを判定するのに用いるように記憶される。
CRMで実施される方法は、複数の独立したオペレータによって操作される複数の位置の機器に基づいて第2の所定のマージンを更新するステップを含む。この方法は、機器の構成に、温度センサ読取り値と、サービスの必要性の報告に続くサービスの記録とを、記録して報告させるステップを含む。この方法は、収集された記録を記憶するステップを含む。この方法は、健全な期間の後に障害を起こしたフローセル加熱器を有する機器のインスタンスにおける温度センサ読取り値の時系列と、サービスの必要性の報告に続くサービスの記録とを解析するステップを含む。この方法は、解析を基に第2の所定のマージンの更新を判定するステップを含む。
開示された技術の第2の方法の実装形態は、シーケンサのフローセル温度制御システムが障害を起こしていることを検知するステップを含む。この方法は、ベースコーリングサイクルにわたってフローセル温度センサデータの時系列を解析するステップを含む。この方法は、第1のベースコーリングサイクルがカウント閾値を満たすのに十分なフローセル温度センサデータポイントを有するかどうかを判定するステップをさらに含む。この方法は、第1のサイクルにおける温度センサデータが、周囲の動作温度を第1の所定のマージンだけ超えているかどうかを判定するステップを含む。第1のサイクルにおいてフローセル温度センサデータが周囲の動作温度を第1の所定のマージンだけ超えることができなかったとき、この方法は、第1のサイクルの直前または直後の続く第2のサイクルにおいてフローセル温度センサデータがカウント閾値を十分に満たすフローセル温度センサデータポイントを有するかどうかを判定するステップを含む。この方法は、第2の続くサイクルにおいてフローセル温度センサデータが周囲の動作温度を第1の所定のマージンだけ超えることができないと判定するステップをさらに含む。この方法は、次いで、応答して第1の障害状態を設定する。この方法は、第1の障害状態に応答してフローセル加熱器警報を生成するステップを含む。
開示されたこの方法の実装形態および他の方法は、以下の特徴のうち1つまたは複数を任意選択で含む。方法は、開示されたシステムに関連して説明された特徴も含むことができる。読者は、この節において識別された特徴が、他の法的クラスにおいて基本特徴と容易に組み合わされ得る様子を理解するはずである。
この方法は、ベースコーリングサイクルにわたってフローセル加熱器の温度センサデータの時系列を解析することにより、フローセル冷却器障害を判定するステップを含む。この方法は、第1のベースコーリングサイクルが、フローセル冷却サブサイクル中に評価されるフローセル温度センサデータポイントを有するかどうかを判定するステップをさらに含む。この方法は、第1のサイクルにおける温度センサデータが、周囲の動作温度を第2の所定のマージンだけ下回って冷却されたかどうかを判定するステップを含む。第1のサイクルにおいてフローセル温度センサデータが周囲の動作温度を第2の所定のマージンだけ下回ることができなかったとき、この方法は、第1のサイクルの直前または直後の続く第2のサイクルにおいてフローセル加熱器温度センサデータが周囲の動作温度を第2の所定のマージンだけ下回ることができなかったと判定するステップを含む。これを続いて、この方法は第2の障害状態を設定するステップを含む。この方法は、第2の障害状態に応答してフローセル冷却器警報を生成するステップを含む。
この方法は、フローセル温度制御システムの中に温度センサを暴露するステップと、暴露された温度センサからの温度センサデータを報告するステップとを含む。この方法は、シーケンサを含む複数のデバイスから温度センサデータを受け取るステップを含む。この方法は、複数のデバイスからの温度センサデータに対して、複数のベースコーリングサイクルにわたるフローセル温度センサデータの時系列を解析することを適用するステップを含む。
温度マージンを更新するステップを含む方法は、シーケンサを含む複数のデバイスから温度センサデータを受け取るステップを含む。この方法は、複数のデバイスから新規の温度センサデータを受け取るステップをさらに含む。この方法は、新規の温度センサデータを基に第1の所定のマージンを変更するステップと、変更された第1の所定のマージンを記憶するステップとをさらに含む。
温度マージンを更新するステップを含む方法は、シーケンサを含む複数のデバイスから温度センサデータを受け取るステップを含む。この方法は、複数のデバイスから新規の温度センサデータを受け取るステップをさらに含む。この方法は、新規の温度センサデータを基に第2の所定のマージンを変更するステップと、変更された第2の所定のマージンを記憶するステップとを含む。
温度マージンを更新するのにCRMデータを利用する方法は、シーケンサを含む複数のデバイスについて、警報、障害および解決を追跡するステップを含む。この方法は、顧客関係モジュールから障害および解決のデータを受け取るステップと、温度マージン調節モジュールによって実施されたパラメータを変更するときには、見逃された障害と誤警報を区別するステップとをさらに含む。
この技術のシステム実装形態はメモリに結合された1つまたは複数のプロセッサを備え、メモリにロードされたコンピュータ命令が1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、システムは、上記で説明された方法のうちいずれか1つによる方法を実行する。第2の方法の実装形態に関するこの特定の実装形態の節において上記で論じられた特徴の各々は、このシステム実装形態にも同様に当てはまる。
この技術のCRMの実装形態は、コンピュータプログラム命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備える。コンピュータプログラム命令は、1つまたは複数のプロセッサ上で実行されたとき、上記で提示された方法のうちいずれかによる方法を実施する。
システム実装形態に関するこの特定の実装形態の節で論じられた特徴の各々は、CRMの実装形態にも同様に当てはまる。上記で指示されたように、すべてのシステムの特徴がここで繰り返されるわけではなく、参照によって繰り返されると見なされるべきである。