JP6881984B2 - 過食抑制剤 - Google Patents
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Description
単純性肥満に対する治療の原則は減量であり、なかでも食事制限、つまり食事量の調節、代替による摂取カロリーの制限を基本とする。しかし、食事制限の実施は満腹感や満足感に乏しく、また、空腹感が起こりやすく、生活の活力の減少、途中中止等の支障を来たす場合が多い。従来、食後の満腹感を持続させて空腹感を抑制する素材の提供等が提案されているが、食事時に制限を意識することなく、満腹感や満足感を得ながらも自然に適正なエネルギー量を摂取できるような素材がその実行に有効と考えられる。
しかしながら、小麦アルブミンと発泡成分の組み合わせが、それを摂取した後の食事量へ与える影響に関しては報告がない。
また、本発明は、(A)小麦アルブミン、(B)炭酸塩及び(C)有機酸を有効成分とする過食抑制用食品を提供するものである。
また、本発明は、(A)小麦アルブミン、(B)炭酸塩及び(C)有機酸を含有する食品を摂取させる、過食抑制方法を提供するものである。
なお、ここでの電気泳動の移動度とは、試料をDavisの方法(Annals of the NewYork Academy of Science,121,404−427,1964)に従って、ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた際の移動度をさす。本明細書において、電気泳動の移動度が0.19の小麦アルブミンを、以下「0.19小麦アルブミン」ともいう。
0.19小麦アルブミンの分析は、HPLCにより行うことができる。例えば、特開平9−172999号公報に記載の0.19アミラーゼ阻害物質の含量の測定方法を用いることができる。
また、小麦アルブミンNA−1(日清ファルマ株式会社)等の市販品を用いてもよい。
(B)炭酸塩は、1種で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
炭酸塩の分析は、例えば、以下の方法により行うことができる。
炭酸塩の分析
サンプルを0.1〜0.2g採取し、水10mLと50%りん酸2mLを加え密栓する。10分間超音波処理を行った後、1時間放置しヘッドスペースガスをガスクロマトグラフに供してCO2量を求め、発生したCO2量から算出する。
<ガスクロマトグラフ操作条件>
機種:GC−14B[島津製作所]
検出器:TCD
カラム:Chromosorb101,80〜100mesh
ガラス管,φ3.2mm×2m
温度:カラム50℃,注入口及び検出器100℃
セル電流75mA
ガス圧力:ヘリウム(キャリヤーガス)100kPa
注入量:ヘッドスペースガス0.2mL
なかでも、良好な風味を与える点から、クエン酸又はリンゴ酸が好ましく、更にクエン酸が好ましい。
(C)有機酸は、1種で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機酸の分析は、例えば、以下の方法により行うことができる。
有機酸の分析
サンプルを1g採取し5%過塩素酸20mLを加え、10分間振とうすることで抽出する。これを水で200mLに定容し10分間超音波処理を行なう。ろ過後高速液体クロマトグラフに供する。
<高速液体クロマトグラフ操作条件>
機種:LC−20AD[株式会社島津製作所]
検出器:紫外可視吸光光度計SPD−20AV[島津製作所]
カラム温度:40℃
移動相:3mmоl/L過塩素酸
反応液:0.2mmоl/Lブロムチモールブルー含有
15mmоl/Lりん酸水素二ナトリウム溶液
流量:移動相1.0mL/min、反応液1.4mL/min
測定波長:445nm
(A)小麦アルブミンと(B)炭酸塩との質量比[(A)/(B)]は、その値が小さいと酸味を感じやすくなり、他方、その値が大きいと苦味や小麦アルブミンによるタンパク質風味を感じやすくなる。そのため、過食抑制剤の風味も考慮して、当該質量比[(A)/(B)]は、好ましくは1.5以上、より好ましくは1.6以上、更に好ましくは2.5以上であり、更に好ましくは3.0以上であり、また、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは5以下である。
また、(a)0.19小麦アルブミンと(B)炭酸塩との質量比[(a)/(B)]は、その値が小さいと酸味を感じやすくなり、他方、その値が大きいと苦味や小麦アルブミンのタンパク質風味を感じやすくなる。そのため、過食抑制剤の風味も考慮して、当該質量比[(a)/(B)]は、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.4以上、更に好ましくは0.6以上であり、更に好ましくは0.75以上であり、また、好ましくは1.8以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.25以下である。
当該「当量比」とは、過食抑制剤に含まれる(C)有機酸の当量を(B)炭酸塩の当量で除した値である。
すなわち、(A)小麦アルブミン、(B)炭酸塩及び(C)有機酸の組み合わせは、摂食量を抑え、過食を抑制する作用を有する。そして、摂食を抑え、過食を抑制することができれば、摂取エネルギーの適正化を図ることができ、食べ過ぎによる単純性肥満を予防又は改善することが可能となる。また、単純性肥満に起因する、例えば、耐糖能障害、脂質代謝異常、高血圧、高尿酸血症等の健康障害、ひいては動脈硬化性疾患や糖尿病等の疾患や症状の発症・病態の進展を予防、改善又は治療することが可能となる。
「使用」は、ヒトへの投与又は摂取であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。
このような種々の剤型の製剤は、本発明の(A)小麦アルブミン、(B)炭酸塩及び(C)有機酸、又は他の薬学的に許容される担体、例えば、賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等や、(A)小麦アルブミン、(B)炭酸塩及び(C)有機酸以外の薬効成分を適宜組み合わせて調製することができる。
なかでも、好ましい剤型は経口投与用の固形製剤であり、錠剤が好ましい。
また、製剤全質量中の(a)0.19小麦アルブミンの含有量は、1質量%以上、更に3質量%以上、更に7質量%以上、更に10質量%以上が好ましく、また、20質量%以下、更に15質量%以下、更に12質量%以下であるのが好ましい。
また、通常、成人1人(60kg)に対して1日あたり、(a)0.19小麦アルブミンとして、好ましくは0.06g以上であり、また、好ましくは2g以下である。
本発明では斯かる量を1日に1回〜複数回で投与又は摂取するのが好ましい。
投与又は摂取期間は特に限定されないが、反復・連続して投与又は摂取することが好ましく、5日間以上連続して投与又は摂取することがより好ましく、15日間以上連続して投与又は摂取することが更に好ましい。
本発明の過食抑制剤は、効果を有効に発揮する点から、摂食(摂餌)時又は摂食(摂餌)前に投与又は摂取するのが好ましく、摂食(摂餌)前5分から30分以内に、更に摂食(摂餌)前5分以内に投与又は摂取するのがより好ましい。
〔試験品〕
小麦アルブミンとして「小麦アルブミンNA−1」(日清ファルマ(株)製、0.19小麦アルブミン含有量25質量%)を用い(以下、同じ)、表1に記載の配合組成で原料成分を混合した。次に単発式打錠機(RIKEN社製)を用いて錠剤(1g/錠)を得た。
(1)胃液モデル液
胃液モデル液として、第16版改正日本薬局方に準拠した崩壊試験第1液(pH1.2)(関東化学(株)製)を用いた。
(2)実測量(mL)の測定
泡の実測量(mL)は、50mLメスシリンダーにサンプル1gを入れ、上記胃液モデル液を2mL添加し、添加直後を0分とし、10分後の泡上部の目盛りを読み取った。
それぞれの実測量(mL)を表1に示す。
〔試験品〕
試験例1と同じ錠剤(1g/錠)を用いた。
専門パネル3名による官能評価を行なった。評価は、サンプルを食べたときに感じる酸味の強さについて、下記に示す判断基準に従って行い、協議により評点を決定した。結果を表2に示す。
(酸味の強さ)
5:酸味が非常に弱い
4:酸味が弱い
3:酸味がやや強い
2:酸味が強い
1:酸味が非常に強い
サンプルを食べたときに感じる苦味の強さについて、下記に示す判断基準に従って官能評価を行い、酸味の評価と同様に専門パネルの協議により評点を決定した。結果を表3に示す。
(苦味の強さ)
5:苦味が非常に弱い
4:苦味が弱い
3:苦味がやや強い
2:苦味が強い
1:苦味が非常に強い
〔試験品〕
上記と同様にして、表4に示す組成の錠剤(1g/錠)を調製した。
(1)対象者及び方法
健常男女27名を対象に、クロスオーバーデザインを用いて試験を実施した。試験品は、小麦アルブミン発泡錠、発泡錠、小麦アルブミン錠、プラセボ錠の4種とし、対象者はすべての試験品を評価した。試験品の評価は昼食前に実施した。
対象者に試験品を1錠摂取させ、試験品の摂取時を基準(0分)として、摂取の1分前(−1分)と、摂取から1分、3分、5分、7分、10分経過後に満腹感を視覚的アナログスケール(VAS)により評価した。具体的には、100mmの直線の左端0mmを「全く満腹ではありません」(数値0)、右端100mmを「これ以上ないほど満腹です」(数値100)の表現を示し、満腹感の強度を直線の左右両端に示した表現を基準に100mmの直線上にマーキングさせた。
小麦アルブミン発泡錠、発泡錠、小麦アルブミン錠、プラセボ錠をそれぞれ別の日に摂取し、試験を完遂した27名を最終解析対象者とした。摂取の1分前(−1分)の数値を初期値として0に補正した。
最終解析対象者27名の1分、3分、5分、7分、10分経過後までの各数値(VAS値)について、各群、摂取の1分前(−1分)の数値との差(Δ値)を算出した。群間比較をWilcoxonの符号付順位和検定により有意差検定を行った。結果を図1に示す。
〔試験品〕
表4に示す小麦アルブミン発泡錠と小麦アルブミン錠(1g/錠)を用いた。
検査食ミールテストC(サラヤ(株)製)を試験食とした。これは、糖代謝・脂質代謝・インスリン分泌能の評価に使用可能な負荷食である。麦茶は「六条麦茶」(アサヒ飲料(株)製、100mL)を3本使用し、自由摂取とした。
(1)対象者及び方法
健常男女17名を対象とし、クロスオーバーデザインで試験を実施した。試験品は小麦アルブミン発泡錠、小麦アルブミン錠の2種類とし、対象者はすべての試験品を評価した。試験品の評価は昼食前に実施した。
対象者に試験品を1錠摂取させ、試験品の摂取時を基準(0分)として、摂取から5分後に試験食の摂取を開始し、快適な満腹感を感じた時点で試験食の摂取を終了させた。
摂取終了後、試験食の摂取量及び摂取カロリーを測定した。
対象者全員を最終解析対象者とし、各群の摂取量と摂取カロリーを図2に示した。数値は平均値±標準誤差として示し、群間比較をpaired t−検定により有意差検定を行った。
図2より明らかなように、小麦アルブミン発泡群では小麦アルブミン群に比べて摂取量及び摂取カロリーが抑制され、その結果、過食の抑制に有用であることが確認された。
Claims (12)
- (A)小麦アルブミン、(B)炭酸塩及び(C)有機酸を有効成分とする過食抑制剤。
- (A)小麦アルブミンが(a)0.19小麦アルブミンを10〜60質量%含有する請求項1記載の過食抑制剤。
- (A)小麦アルブミンと(B)炭酸塩との質量比[(A)/(B)]が0.3〜30である請求項1又は2記載の過食抑制剤。
- (a)0.19小麦アルブミンと(B)炭酸塩との質量比[(a)/(B)]が0.06〜6である請求項1〜3のいずれか1項記載の過食抑制剤。
- (C)有機酸と(B)炭酸塩の当量比[(C)の当量/(B)の当量]が0.3〜5である請求項1〜4のいずれか1項記載の過食抑制剤。
- 剤型が経口固形製剤である請求項1〜5のいずれか1項記載の過食抑制剤。
- (A)小麦アルブミン、(B)炭酸塩及び(C)有機酸を有効成分とする過食抑制用食品。
- (A)小麦アルブミンが(a)0.19小麦アルブミンを10〜60質量%含有する請求項7記載の過食抑制用食品。
- (A)小麦アルブミンと(B)炭酸塩との質量比[(A)/(B)]が0.3〜30である請求項7又は8記載の過食抑制用食品。
- (a)0.19小麦アルブミンと(B)炭酸塩との質量比[(a)/(B)]が0.06〜6である請求項7〜9のいずれか1項記載の過食抑制用食品。
- (C)有機酸と(B)炭酸塩の当量比[(C)の当量/(B)の当量]が0.3〜5である請求項7〜10のいずれか1項記載の過食抑制用食品。
- 剤型が経口固形製剤である請求項7〜11のいずれか1項記載の過食抑制用食品。
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