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JP6760685B2 - ウロリチン類の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ウロリチン類の製造方法に関する。
ウロリチンAやウロリチンCに代表されるウロリチン類は、ザクロ、ラズベリー、ブラックベリー、クラウドベリー、イチゴ、クルミなどに含まれるエラジタンニンに由来するエラグ酸の代謝物として知られている。エラジタンニンは加水分解性タンニンに分類され、摂取されると体内で加水分解され、エラグ酸に変換されることが知られている。このようなエラジタンニンやエラグ酸は体内の腸管吸収性は非常に低いが、これらが摂取された際、ヒト結腸微生物叢によって更に代謝されることによってウロリチン類に変換されることが知られている。
生体内におけるウロリチン類の生成については、ゲラニインなどのエラジタンニンを摂取させた後、尿中のウロリチン類を分析することによってエラジタンニンの生体内における代謝物としてウロリチンが生じることがラットを用いた試験で報告されている(非特許文献1)。また、非特許文献2ではヒトにおいて、プニカラジンを主としたエラジタンニンを含むザクロ抽出物を摂取後の尿中においてウロリチン類縁体が検出され、特にウロリチンA及びウロリチンCが主要なウロリチン類であることが報告されている。特に、ウロリチンAには抗酸化作用(非特許文献3)、抗炎症作用(非特許文献4)、抗糖化作用(非特許文献5)など様々な有効性があることが報告されている。一方、ウロリチンCを由来として肝臓などにおいてメチル化された代謝物であるウロリチンM3、ウロリチンM4が尿中代謝物の一つとして検出されることが非特許文献6などにおいて報告されている。このように、ウロリチン類は生体内で最も重要な化合物の1つであり、ウロリチン類を化粧品、食品、医薬品の原材料及びそれらの加工品等へ添加することが求められている。
これらのウロリチン類を合成する方法としては、2−ブロモ−5−メトキシ安息香酸を出発原料として脱メチル化によって2−ブロモ−5−ヒドロキシ安息香酸とし、レゾルシノールと反応させることによってウロリチンAを得る方法などが報告されている(非特許文献7)。しかし、ウロリチン類を食品として利用する目的としては適さないものであった。
近年、ウロリチン類の一種であるウロリチンCをエラグ酸から生成する腸内細菌としてGordonibacter urolithinfaciensが分離、同定され、この腸内細菌を用いてエラグ酸を発酵させることによってウロリチンCを産生させる方法が報告された(特許文献1、非特許文献8)。しかし、発酵液中のウロリチンCの蓄積濃度は2mg/L程度であり、斯かる目的には適さないものであった。
国際公開2014/147280号パンフレット
J. Agric. Food Chem. 56, 393-400 (2008) Mol. Nutr. Food Res. 58, 1199-1211 (2014) Biosci. Biotechnol. Biochem. 76, 395-399 (2012) J. Agric. Food Chem. 60, 8866-8876 (2012) Mol. Nutr. Food Res. 55, S35-S43 (2011) Planta Med. 77, 1110-1115 (2011) J. Agric. Food Chem. 56, 393-400 (2008) Food Funct. 5(8), 1779-1784 (2014)
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、従来法よりも効率的にウロリチン類を製造する方法の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、エラグ酸を原料としてウロリチン類産生微生物を用いてウロリチン類を発酵により産生させる際に、培地中にシクロデキストリンが併存することでウロリチン類の産生効率が顕著に高まることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下に示すとおりである。
<1>
エラグ酸及びシクロデキストリンを含有する培地でウロリチン類産生微生物にエラグ酸からウロリチン類を発酵により産生させるウロリチン類産生工程と、該産生工程で産生されたウロリチン類を回収する回収工程とを含む、ウロリチン類の製造方法。
<2>
シクロデキストリンが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンからなる群から選択される1種以上である、<1>に記載の製造方法。<3>
ウロリチン類がウロリチンCである、<1>又は<2>に記載の製造方法。
<4>
ウロリチン類産生微生物がBacteroides属細菌及びGordonibacter属細菌からなる群から選択される1以上である、<1>〜<3>のいずれかに記載の製造方法。
本発明では、シクロデキストリン非存在下で原料であるエラグ酸からウロリチン類産生微生物を用いてウロリチン類を産生させる従来法に比べ、ウロリチン類の産生効率が顕著に高いウロリチン類の製造方法を提供することができる。
ウロリチン類は、抗酸化、抗炎症、抗糖化などの効果を奏する物質であり、皮膚の老化及びシワの予防、美白効果、メタボリックシンドローム、糖尿病などの症状の予防が期待できるものである。本発明の製造方法により得られたウロリチン類を用いて、化粧品、外用医薬部外品、外用医療用品、外用衛生用品、外用医薬品、食品、サプリメント等を提供することができる。
本発明は、エラグ酸及びシクロデキストリンを含有する培地でウロリチン類産生微生物にエラグ酸からウロリチン類を発酵により産生させるウロリチン類産生工程と、該産生工程で産生されたウロリチン類を回収する回収工程とを含む、ウロリチン類の製造方法である。その他の工程を含んでもよい。
<1.ウロリチン類産生工程>
本発明の製造方法におけるウロリチン類産生工程は、エラグ酸及びシクロデキストリンを含有する培地でウロリチン類産生微生物にエラグ酸からウロリチン類を発酵により産生させる工程である。その他の工程を含んでもよい。
(ウロリチン類)
本発明のウロリチン類は特に限定されないが、その構造が下記一般式(1)で表される物質である。また、表1に示すように、ウロリチン類は化学式におけるR1〜R6によって、ウロリチンA、ウロリチンB、ウロリチンC、ウロリチンD、ウロリチンE、ウロリチンM3、ウロリチンM4、ウロリチンM5、ウロリチンM6、ウロリチンM7、及びイソウロリチンAなどが挙げられる。ウロリチン類は、いずれか1種でもよいし2種以上でもよい。
このうち、本発明の製造方法により産生効率が顕著に高まることから、好ましくはウロリチンCである。
Figure 0006760685
Figure 0006760685
(エラグ酸)
本発明における発酵原料はエラグ酸である。例えば、以下のようにして準備できる。
植物からプニカラジン、ゲラニインなどのエラジタンニンを抽出し、これをエラグ酸に加水分解した後、もしくはエラグ酸を抽出して準備することができる。このとき、植物の種類は特段限定されず、ザクロ、ラズベリー、ブラックベリー、クラウドベリー、ボイセンベリー、イチゴ、クルミ、ゲンノショウコ等が挙げられる。このうち、エラジタンニン及び/又はエラグ酸を高含有していることから、ザクロ、ボイセンベリー、ゲンノショウコが好ましく、ザクロがより好ましい。
これらの植物は、いずれか1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、該植物からの抽出方法及び抽出条件は特段限定されず、常法に従えばよい。例えば、水抽出、熱水抽出、温水抽出、アルコール抽出、超臨界抽出等の公知の抽出方法を用いることができる。
溶媒抽出を行う場合、溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール等の低級アルコールや、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール等のアルコール類(無水、含水の別を問わない);アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルエステル等のエステル類、キシレン等が挙げられ、好ましくは水、エタノール等である。これらの溶媒は、いずれか1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
抽出したプニカラジンなどのエラジタンニンをエラグ酸に加水分解する方法としては特段限定されないが、酸、酵素、微生物によって加水分解する方法が挙げられる。
得られたエラグ酸をそのままの状態で使用することもできるが、保存のために乾燥させて粉末状にしてもよい。また、必要に応じて、得られたエラグ酸に精製、濃縮処理等を施してもよい。精製処理としては、濾過又はイオン交換樹脂や活性炭カラム等を用いた吸着、脱色といった処理を行うことができる。また、濃縮処理としては、エバポレーター等の常法を利用できる。
また、得られたエラグ酸(又は精製処理物若しくは濃縮物)を凍結乾燥処理に供して粉末化する方法、デキストリン、コーンスターチ、アラビアゴム等の賦形剤を添加してスプレードライ処理により粉末化する方法等、公知の方法に従って粉末化してもよい。さらにその後に、必要に応じて純水、エタノール等に溶解して用いてもよい。
エラグ酸が含まれているものであれば、市販されているエラグ酸を用いることもできる。例えば、ザクロ抽出物、ザクロ濃縮果汁、ザクロジュースなどを用いることができるがこれらに限定されない。
発酵する際のエラグ酸の量や濃度は特に限定されない。発酵液の量や製造しようとするウロリチン類の量に応じて適宜設定することができる。
(シクロデキストリン)
本発明の製造方法では、発酵原料であるエラグ酸を含む培地はシクロデキストリンを含む。
シクロデキストリンは、数分子のD−グルコースがα(1→4)グルコシド結合によって結合し、環状構造をとった環状オリゴ糖の一種である。例えば、グルコースが5個以上結合したものが知られており、グルコースが6個結合したα−シクロデキストリン(シクロヘキサアミロース)、7個結合したβ−シクロデキストリン(シクロヘプタアミロース)、8個結合したγ−シクロデキストリン(シクロオクタアミロース)が挙げられる。また、シクロデキストリン誘導体として、ヒドロキシプロピル化、アセチル化、トリアセチル化、メチル化などの化学修飾されたシクロデキストリンも挙げられる。本発明におけるシクロデキストリンの種類は、所望の効果が奏される限り制限されず、いずれか1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
このうち、本発明の製造方法では、ウロリチン類の産生効率がより高まることから、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンであることが好ましく、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンであることがより好ましい。
本発明の製造方法では、発酵原料であるエラグ酸を含む培地中のシクロデキストリンの含有量は、ウロリチン類の産生効率がより高まることから、エラグ酸に対するモル比として、総量で、通常0.1倍以上40倍以下、好ましくは0.5倍以上20倍以下、より好ましくは1倍以上5倍以下である。
また、α−シクロデキストリン単体、β−シクロデキストリン単体、γ−シクロデキストリン単体のいずれの場合も、エラグ酸に対するモル比として、通常0.1倍以上40倍以下、好ましくは0.5倍以上20倍以下、より好ましくは1倍以上5倍以下である。
シクロデキストリンの由来は特に制限されず、天然品でも合成品でもよい。抽出方法や精製方法についても特に制限はなく公知の方法に従えばよい。また、市販のものを用いてもよく、例えば、シクロケム社製や塩水港精糖社製のシクロデキストリンなどが挙げられる。
(ウロリチン類産生微生物)
本発明の製造方法におけるウロリチン類産生微生物は特に制限されないが、ウロリチン類の産生効率がより高いことから、好ましくはBacteroides属細菌又はGordonibacter属細菌であり、より好ましくはBacteroides uniformisに属する細菌、Gordonibacter urolithinfaciensに属する細菌、及びGordonibacter pamelaeaeに属する細菌からなる群から選択される1以上であり、さらに好ましくはBacteroides uniformis HGB5B146 (NITE BP-02193)株、Gordonibacter urolithinfaciens DSM27213株、及びGordonibacter pamelaeae DSM19378株からなる群から選択される1以上である。
Bacteroides uniformis HGB5B146 (NITE BP-02193)株は、2016年1月20日に独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE) 特許微生物寄託センター(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 122号室)に、NITE BP-02193の受託番号でブダペスト条約に基づいて国際寄託された。
尚、Gordonibacter urolithinfaciens DSM27213株、およびGordonibacter pamelaeae DSM19378株は、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbHに寄託されており、当業者は本願出願時にこれらを入手可能である。
本発明の製造方法では、これらの微生物をいずれかのみを用いてもよいし、2以上を併用してもよい。また、上で挙げた特定の菌株と実質的に同等の菌株であってもよい。実質的に同等の菌株とは、同菌株と同程度の高いウロリチン類産生能を有する菌株をいう。また、実質的に同等の菌株は、さらに、その16S rRNA遺伝子の塩基配列が、同菌株の16S rRNA遺伝子の塩基配列と98%以上、好ましくは99%以上、より好ましくは100%の相同性を有し、且つ、好ましくは同菌株と同一の菌学的性質を有する。さらに、同菌株、又はそれと実質的に同等の菌株から、変異処理、遺伝子組換え、自然変異株の選択等によって育種された菌株であってもよい。
(発酵)
本発明の製造方法では、ウロリチン類産生微生物は、ウロリチン類の産生に適した条件下で、エラグ酸及びシクロデキストリンを含有する培地で発酵原料であるエラグ酸からウロリチン類を発酵により産生する。
ウロリチン類の産生に適した条件とは、ウロリチン類産生微生物の生存と活動が維持される条件をいう。より具体的には、該ウロリチン類産生微生物の生存が可能な気相条件が維持され、その活性と増殖を支持するための栄養素が与えられることをいう。該ウロリチン類産生微生物の生存に適した種々の培地組成は公知である。そのため、当業者はウロリチン類産生微生物に従って適切な培地組成を選択することができる。たとえば、OXIO社製のANAEROBE BASAL BROTH (ABB)培地等を使用することができる。
また、培地には水溶性の有機物を炭素源として加えることができる。水溶性の有機物としては以下の化合物を挙げることができる。水溶性の有機物として、以下の化合物を挙げることができる。すなわち、ソルボース、フラクトース、グルコース、ブドウ糖などの糖類;メタノールなどのアルコール類;吉草酸、酪酸、プロピオン酸、酢酸、ギ酸など有機酸類などである。
炭素源としての培地に加える有機物の濃度は、効率的に発育させるために適宜調節することができる。一般的には、0.1〜10wt/vol%の範囲から添加量を選択するこ
とによって、過不足を避けることができる。
上記の炭素源に加えて、培地には、窒素源が加えられる。窒素源としては通常の発酵に用いうる各種の窒素化合物を用いることができる。好ましい無機窒素源は、アンモニウム塩、及び硝酸塩である。より好ましくは、硫安、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、クエン酸トリアンモニウム、硝酸カリウム及び硝酸ソーダである。
一方、好ましい有機窒素源はアミノ酸類、酵母エキス、ペプトン類(例えばポリペプトンNなど)、肉エキス(例えばラブ−レムコ末、ブイヨンなど)、肝臓エキス、消化血清末などである。より好ましい有機窒素源はアルギニン、システイン、シトルリン、リジン、酵母エキス、ペプトン類(例えばポリペプトンNなど)である。
さらに、炭素源や窒素源に加えて、他の有機物あるいは無機物を培地に加えることもできる。たとえば、ビタミンなどの補因子や各種の塩類等の無機化合物を培地に加えることによって、増殖や活性を増強できる場合もある。たとえば無機化合物、ビタミン類など、動植物由来の微生物増殖補助因子として以下のものを挙げることができる。
無機化合物 ビタミン類
リン酸二水素カリウム ビオチン
硫酸マグネシウム 葉酸
硫酸マンガン ピリドキシン
塩化ナトリウム チアミン
塩化コバルト リボフラビン
塩化カルシウム ニコチン酸
硫酸亜鉛 パントテン酸
硫酸銅 ビタミンB12
明ばん チオオクト酸
モリブデン酸ソーダ p−アミノ安息香酸
塩化カリウム
ホウ酸等
塩化ニッケル
タングステン酸ナトリウム
セレン酸ナトリウム
硫酸第一鉄アンモニウム
酢酸ナトリウム三水和物
硫酸マグネシウム七水和物
硫酸マンガン四水和物
これらの無機化合物やビタミン類など、動植物由来の増殖補助因子を添加して培養液を製造する方法は公知である。培地は、液体、半固体、あるいは固体とすることができる。好ましい培地の形態は、液体培地である。
本発明において、ウロリチン類産生微生物は、公知の培養方法にしたがって培養することができる。工業的な製造においては、培地や基質ガスを連続的に供給することができ、かつ培養物を回収するための機構を備えた連続培養システム(continuous fermentation system)が好適である。
培養器は通常用いられる培養槽がそのまま利用できる。上記微生物の培養にも利用することができる培養タンクが市販されている。培養槽内に混入する酸素を、窒素などの不活性気体あるいは基質ガスなどで置換することにより、嫌気的な雰囲気を作ることもできる。
上記菌株の培養においては、培養槽に付加的な機能を与えることができる。たとえば、通常使用される撹拌混合槽のほか、気泡塔型、ドラフトチューブ型の培養槽も利用できる。液体培地に吹き込まれる混合気体によって上記菌株は遊離分散され、上記菌株と培地を十分に接触させることができる。また、バイオトリックリングフィルター(biotrickling
filter)のように通気性の高いスラグ、その他セラミック系の無機充てん物、あるいはポリプロピレン等の有機合成物質の充てん層に、水分を滴らせながら上記菌株を生息させ、そこにガスを通気しながら培養することもできる。さらに、使用する菌株は常法によりカラギーナンゲル、アルギン酸ゲル、アクリルアミドゲル、キチン、セルロース、寒天などに固定化して用いることもできる。
培養槽の形状によっては、培地を十分に撹拌するため、撹拌機等を利用することもできる。培養槽内の培養物を撹拌することによって、培地成分や基質ガスを嫌気性微生物に接触させる機会を増やして、ウロリチン類の生成効率を最適化することができる。また基質ガスをナノバブルとして供給することもできる。
上記菌株の十分な生育のため、培養物のpHは5.0〜8.5が好ましく、6.0〜8.0がより好ましく、6.5〜6.8がさらに好ましい。また、培養槽の温度は特に制限されるものではないが、ウロリチン類の回収量を増加させるため、好ましくは20℃〜42℃、より好ましくは25℃〜40℃、さらに好ましくは30℃〜37℃の温度を挙げることができる。
発酵時間は、ウロリチン類の生成量、エラグ酸の残存量等に応じて適宜設定できる。通常8〜340時間、好ましくは12〜240時間、より好ましくは16〜170時間を例示することができるがこれらに限定されない。
効率よくウロリチン類を回収するため、培地を連続的に供給することもできる。培養槽に供給される新鮮な培地の量は、培養槽内の培養物における希釈率が、時間当たり0.04〜2/hrが好ましく、0.08〜1/hrがより好ましい。
また、上記菌株の培養を、水素を含む1種類以上の気体からなる気相下で行うことが好ましい。水素濃度は特に限定されない。気相を構成する気体の組み合わせは特に制限されるものではなく、水素の他に二酸化炭素、窒素等から選択される1種類以上の気体を構成成分として用いることが可能である。また、効率よくウロリチン類を回収するためには、気相を構成する混合気体の培養槽への通気量は0.01〜2.0V/V/Mガス量/液量/分であることが好ましい。
上記菌株を培養する際の加圧条件は、生育できる条件であれば特に限定されるものではない。好ましい加圧条件としては、0.02〜0.2MPaの範囲を挙げることができるがこれに限定されない。
発酵により得られる培養精製液には、高濃度のウロリチン類が含まれる。培養液中のウロリチン類の含量は、使用する菌株や発酵条件等によって異なるが、培養液1.0リットル当たり、少なくとも、総量で、通常0.005〜20g、好ましくは0.1〜15g、より好ましくは1〜10gである。
発酵によりウロリチン類が得られたことは、培養物中のエラグ酸、ウロリチン類縁体などを定量することにより確認することができる。これらの定量は、例えば特許文献1の記載などに基づき行うことができる。一例を以下に示す。
例えば、培養液に必要に応じてギ酸などの酸を添加した酢酸エチルを加えて、激しく撹拌した後遠心し、酢酸エチル層を取り出す。必要に応じて同培養液に同様の操作を数回行い、それら酢酸エチル層を合わせてウロリチン類抽出液を得ることができる。この抽出液
をエバポレーターなどを用いて減圧下に濃縮、乾固し、メタノールに溶解させる。これをポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜などの膜を使用して濾過し、不溶物を除去したものを高速液体クロマトグラフィーのサンプルとすることができる。高速液体クロマトグラフィーの条件としては、例えば以下が挙げられるが、これに限定されない。
[高速液体クロマトグラフィー条件]
カラム: Inertsil ODS−3(250×4.6mm)(GL Science社製)
溶離液: 水/アセトニトリル/酢酸 = 74/25/1
流速: 1.0mL/min
カラム温度: 40℃
検出: 305nm
<2.回収工程>
本発明の製造方法における回収工程は、上記ウロリチン類産生工程で産生されたウロリチン類を回収する工程である。その他の工程を含んでもよい。
(回収)
本発明の製造方法では、得られたウロリチン類を含む培養液をろ過あるいは遠心分離などにより固液分離し、液相を回収することにより、産生したウロリチン類を取得することができる。固液分離の一方法としては、例えばろ紙あるいは限外ろ過膜等によるろ過、スパーデカンターなど遠心分離機が挙げられる。
本発明の製造方法により得られたウロリチン類は、必要に応じて加熱乾燥処理あるいは噴霧乾燥処理、凍結乾燥処理により固形状にして使用することができる。加熱乾燥処理あるいは噴霧乾燥処理は、例えばスプレードライ装置を使用して行うことができる。凍結乾燥処理は凍結乾燥装置を使用して行うことができる。加熱乾燥処理もしくは噴霧乾燥処理もしくは凍結乾燥処理された発酵培養物は、必要に応じて粉末化処理に供してもよい。
このような方法によって得られる加熱乾燥処理もしくは噴霧乾燥処理、もしくは凍結乾燥処理されたウロリチン類は、乾燥粉末中、ウロリチン類を総量で1〜50重量%含むことができる。例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%から選択される2点の質量パーセント濃度を下限(〜以上、又は、〜より高い)及び上限(〜以下、又は、〜より低い)とする濃度範囲により示される質量パーセント濃度であることが好ましい。
<3.ウロリチン類の用途>
本発明の製造方法により得られたウロリチン類は、化粧品、外用医薬部外品、外用医療用品、外用衛生用品、外用医薬品、食品、サプリメントなどとして利用することができる。ウロリチン類の作用により、抗酸化、抗炎症、抗糖化などの効果を得ることが期待できる。
本発明の製造方法により得られたウロリチン類は、ウロリチン類のみを成分として含む形態で存在させてもよいが、ウロリチン類以外に、公知の賦形剤、香料、着色料、乳化剤、安定化剤、増粘剤、酵素、防腐剤、抗菌剤、滑沢剤、界面活性剤、崩壊剤、崩壊抑制剤、結合剤、吸収促進剤、吸着剤、保湿剤、可溶化剤、保存剤、風味剤、甘味剤、紫外線吸収剤等を、上記効果を損なわない範囲で必要に応じて配合して組成物としてもよい。
(化粧品)
本発明の製造方法により得られたウロリチン類を化粧品の素材として用いる場合、水溶
液、ローション、スプレー液、懸濁液および乳化液などの液状;粉末、顆粒およびブロック状などの固体状;クリームおよびペーストなどの半固体状;ゲル状等の各種所望の剤形の化粧品に調製することができる。このような化粧品は、洗顔料、乳液、クリーム、ゲル、エッセンス(美容液)、パック・マスク等の基礎化粧品、ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧品、口腔化粧品、芳香化粧品、毛髪化粧品、ボディ化粧品等の各種化粧品として有用である。
化粧品の素材として利用する場合には、常法に従って製造することができる。また、食品への配合量、配合方法、配合時期は適宜選択することができる。さらに、必要に応じて、瓶、袋、缶、箱、パック等の適宜の容器に封入することができる。
化粧品の素材として用いる場合、化粧品全量に対するウロリチン類の含有量は、上記効果が発揮される限り特段限定されないが、化粧品100gに対し、乾燥重量換算の総量で、好ましくは0.001〜20g、より好ましくは0.01〜10g、更に好ましくは0.1〜5gである。
化粧品の素材として用いる場合、通常用いられる公知の成分を適宜加えて用いることができる。
例えば、アニオン性界面活性剤(脂肪酸石鹸、スルホン酸塩型アニオン性界面活性剤、硫酸エステル型アニオン性界面活性剤、リン酸エステル型アニオン性界面活性剤、アシルメチルタウリン塩、モノアルキルリン酸塩、アシルグルタミン酸塩、イセチオン酸エステル塩等)、カチオン性界面活性剤(アミン塩型カチオン性界面活性剤、第四アンモニウム型カチオン性界面活性剤(テトラアルキルアンモニウム型、ピリジニウム型))、非イオン性界面活性剤(グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル等)、両性界面活性剤(イミダゾリン型、ベタイン型、アミノ酸型)、フッソ系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の天然、合成界面活性剤、
アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アラビアガム、キサンタンガム、ペクチン、トラガント、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カチオン化セルロース、カチオン化デキストラン、カチオン化デキストリン、キトサン、カチオン化ビニルピロリドンポリマー、塩化N,N−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウムポリマー、乳タンパク、大豆タンパク、ゼラチン、卵タンパク、カゼインナトリウム、ホエータンパク等の水溶性高分子、
イチョウ、ツボクサ、トウヤク、ニンジン、シコッピ、カイカ、インチコウ、ヤシャジツ、甘草分画物、ゴカヒ、センプクカ、ヒカイ、ユズリハ、カミツレ、マロニエ、エスシン、テルミナリア、ルスコゲニン、ブッチャーブルーム、コラ、ガラナ、マテ、コーヒー、カカオ、プレクトランタス、タンジン、ビスナガ、シリマリン、ロイコシアニン、オトギリ草、クマハゼ、シソ、オウゴン、ケイガイ、ローズマリー、セージ、タイム、ヨモギ、カワラヨモギ、ソウジュツ、セイヨウノコギリソウ、シコン、ウイキョウ、オウバク、ショウキョウ、トウキ、センキュウ、チンビ、カノコソウ、ビャクシ、トウヒ、芍薬、紅花、菖蒲、ブクリョウ、ハッカ等の植物成分、
コハク酸、フマル酸、クエン酸、ピルビン酸、グルクロン酸、2−ヒドロキシ酪酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、タルトロン酸、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ビタミンA酸、ビタミンC誘導体、ビタミンD、ビタミンE、オリゴペプチド、トラネキサム酸エステル等の活性成分、・多価アルコール、アミノ酸、ムコ多糖類、蛋白質、生体抽出物、
発酵代謝物、多糖類、植物抽出物、リン脂質、セラミドなどの保湿剤、
油脂類(大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、カカオ油、オリーブ油、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の天然油脂、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油およびミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン酸グリセリド等の合成トリグリセリド、ジグリセリド等)、ロウ類(カルナウバロウ、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン等)、炭化水素類(流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、プリスタン等)、高級脂肪酸類(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等)、高級アルコール類(ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、コレステロール、2−ヘキシルデカノール等)、エステル類(オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸コレスチール等)、精油類(ハッカ油、ジャスミン油、シヨウ脳油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ油、テレピン油、ケイ皮油、ベルガモット油、ミカン油、シヨウブ油、パイン油、ラベンダー油、ベイ油、クローブ油、ヒバ油、バラ油、ユーカリ油、レモン油、ペパーミント油、タイム油、ローズ油、セージ油、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネラール、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、カンファー、チモール、スピラントール、ピネン、リモネン、テルペン系化合物等)、シリコーン油類等の油脂成分(エモリエント成分)、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、ホウ砂、硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、硝酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、りん酸ナトリウム、塩化カリウム、硫化カリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機塩類、
ホウ酸、メタケイ酸、無水ケイ酸等の無機酸類、
黄色4号、青色1号、黄色202号、クロロフィル、リボフラビン、紅花、クロシン、アントラキノン等の色素類、
香料類、
アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラフルオロエタン等の高分子、これらの高分子のコポリマー、ケイ酸、ケイ酸カルシウム、天然ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、ゼオライト、酸化チタン、タルク、カオリン、マイカ、ベントナイト等の微粉体、
硫黄、湯の花、鉱砂、雲母末、中性白土、いり糠、殺菌剤、防腐剤、
をはじめ、その他製剤上必要な成分などが挙げられる。
(外用医薬部外品、外用医療用品、外用衛生用品、外用医薬品)
本発明の製造方法により得られたウロリチン類を、外用医薬部外品、外用医療用品、外用衛生用品、または外用医薬品の素材として利用する場合、水溶液、ローション、スプレー液、懸濁液および乳化液などの液状;粉末、顆粒およびブロック状などの固体状;クリームおよびペーストなどの半固体状;ゲル状等の各種所望の剤形に調製できる。
具体的には、軟膏剤、湿布剤、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、ローション、オイル、パックなどの基礎化粧品、洗顔料や皮膚洗浄料、シャンプー、リンス、ヘアートリートメント、ヘアクリーム、ポマード、ヘアスプレー、整髪料、パーマ剤、ヘアートニック、染毛料、育毛・養毛料などの頭髪化粧品、ファンデーション、白粉、おしろい、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、眉墨、まつ毛などのメークアップ化粧品、美爪料などの仕上げ用化粧品、香水類、浴用剤、その他、歯磨き類、口中清涼剤・含嗽剤、液臭・防臭防止剤、衛生用品、衛生綿類、ウエットティシュなどが挙げられる。
これらの外用医薬部外品、外用医療用品、外用衛生用品、外用医薬品は、常法に従い、必要に応じて、充填剤、増量剤、賦形剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤など、当該技術分野において通常使用し得る既知の補助剤を用いて製造することができる。また、これらに、着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や、他の外用医薬部外品、外用医療用品、外用衛生用品、外用医薬品を含有させてもよい。
外用医薬部外品、外用医療用品、外用衛生用品、または外用医薬品の素材として利用する場合には、目的に応じて、通常、これらに使用されている公知の様々な成分や添加剤を含有することができる。例えば、高級アルコールやシリコーン、ロウ類、油類、アルコール類、エステル類、金属セッケン、ガム質、水溶性高分子化合物、界面活性剤、ビタミン類、アミノ酸のほか、動物や植物や生薬の抽出物やエキス、酵母エキスなどの微生物培養代謝物、顔料、収斂剤、殺菌・消毒薬、香料、色素・着色剤、甘味料、ホルモン類、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、キレート剤、防腐・防バイ剤、清涼剤、安定化剤、乳化剤、動・植物性蛋白質およびその分解物、動・植物性多糖類およびその分解物、動・植物性糖蛋白質およびその分解物、血流促進剤、消炎剤・抗アレルギー剤、細胞賦活剤、角質溶解剤、創傷治療剤、増泡剤、増粘剤、口腔用剤、消臭・脱臭剤、苦味料、調味料、酵素などを含有することができる。
また、該水溶液はヒトに対して適用されるのが好ましいが、上記効果が発揮される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
外用医薬部外品、外用医療用品、外用衛生用品、または外用医薬品の素材として利用する場合、それぞれの全量に対するウロリチン類の含有量は、上記効果が発揮される限り特段限定されないが、それぞれ100gに対し、乾燥重量換算の総量で、好ましくは0.001〜20g、より好ましくは0.01〜10g、更に好ましくは0.1〜5gである。
(食品)
本発明の製造方法により得られたウロリチン類を食品の素材として用いる場合、一般の食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品、食品添加物等として使用できる。食品の形態としては、該水溶液を含む清涼飲料、ミルク、プリン、ゼリー、飴、ガム、グミ、ヨーグルト、チョコレート、スープ、クッキー、スナック菓子、アイスクリーム、アイスキャンデー、パン、ケーキ、シュークリーム、ハム、ミートソース、カレー、シチュー、チーズ、バター、ドレッシング等を例示することができる。
該ウロリチン類は、水、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、有機酸、有機塩基、果汁、フレーバー類等を主成分として使用することができる。タンパク質としては、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、カゼイン、大豆タンパク質、鶏卵タンパク質、肉タンパク質等の動植物性タンパク質、及びこれらの加水分解物、バターなどが挙げられる。糖質としては、糖類、加工澱粉(デキストリンのほか、可溶性澱粉、ブリティッシュスターチ、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル等)、食物繊維などが挙げられる。脂質としては、例えば、ラード、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、ヤシ油、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の植物性油脂などが挙げられる。ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、カロチン類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD群、ビタミンE、ビタミンK群、ビタミンP、ビタミンQ、ナイアシン、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸などが挙げられ、ミネラル類としては、例えば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、セレン、乳清ミネラルなどが挙げられる。有機酸としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸などが挙げられる。これらの成分は、2種以上を組み合わせて使用してもよく、合成品及び/又はこれらを多く含む食品を用いてもよい。
食品の素材として利用する場合には、常法に従って製造することができる。また、食品への配合量、配合方法、配合時期は適宜選択することができる。さらに、必要に応じて、瓶、袋、缶、箱、パック等の適宜の容器に封入することができる。
食品の素材として利用する場合、食品全量に対するウロリチン類の含有量は、上記効果が発揮される限り特段限定されないが、食品100gに対し、乾燥重量換算の総量で、好ましくは0.001〜20g、より好ましくは0.01〜10g、更に好ましくは0.1〜5gである。
(サプリメント)
サプリメントとは、dietary supplementからなる食品区分の1つであり、本明細書では、抗酸化、抗炎症、抗糖化等を提供することが可能な機能補助物質をいう。
本発明の製造方法により得られたウロリチン類をサプリメントの素材として用いる場合、固形物、ゲル状物、液状物の何れの形態とすることができる。サプリメントの形態としては、例えば、各種加工飲食品、粉末、錠剤、丸剤、カプセル、ゼリー、顆粒等の形態にすることができる。
サプリメントの素材として利用する場合、デキストリン等の賦形剤、ビタミンC等の保存剤、バニリン等の嬌味剤、ベニバナ色素等の色素、単糖、オリゴ糖および多糖類(例、グルコース、フルクトース、スクロース、サッカロース、およびこれらを含有する糖質)、酸味料、香料、油脂、乳化剤、全脂粉乳、または寒天などの添加剤を含有していてもよい。これらの成分は、2種以上を組み合わせて使用してもよく、合成品及び/又はこれらを多く含んでもよい。
サプリメントの素材として利用する場合には、常法に従って製造することができる。また、サプリメントへの配合量、配合方法、配合時期は適宜選択することができる。さらに、必要に応じて、瓶、袋、缶、箱、パック等の適宜の容器に封入することができる。
サプリメントの素材として利用する場合、サプリメント全量に対するウロリチン類の含有量は、上記効果が発揮される限り特段限定されないが、サプリメント100gに対し、乾燥重量換算の総量で、好ましくは0.001〜20g、より好ましくは0.01〜10g、更に好ましくは0.1〜5gである。
(表示)
本発明の製造方法により得られたウロリチン類を利用した、化粧品、外用医薬部外品、外用医療用品、外用衛生用品、外用医薬品、食品、サプリメント等は、抗酸化、抗炎症、抗糖化等のために用いられるものである旨の表示を付したものとして販売することができる。
前記「表示」とは、需要者に対して上記用途を知らしめるための全ての行為を意味し、上記用途を想起・類推させうるような表示であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物・媒体等の如何に拘わらず、すべて本発明の「表示」に該当する。しかしながら、需要者が上記用途を直接的に認識できるような表現により表示することが好ましい。具体的には、化粧品、外用医薬部外品、外用医療用品、外用衛生用品、外用医薬品、食品、サプリメント等に係る商品又は商品の包装に上記用途を記載する行為、商品又は商品の包装に上記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為、等が例示できる。
一方、表示としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示)であることが好ましく、特に包装、容器、カタログ、パンフレット、POP等の販売現場における宣伝材、その他の書類等への表示が好ましい。
また、例えば、本発明の製造方法により得られたウロリチン類を利用した食品であれば、健康食品、機能性食品、特別用途食品、栄養機能食品、医薬用部外品等としての表示を例示することができ、その他厚生労働省によって認可される表示、例えば、特定保健用食品、これに類似する制度にて認可される表示を例示できる。後者の例としては、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク低減表示等を例示することができ、詳細にいえば、健康増進法施行規則(平成15年4月30日日本国厚生労働省令第86号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)、及びこれに類する表示が、典型的な例として列挙することが可能である。
以下、具体的な実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1−1〜1−3:α−シクロデキストリン存在下におけるGordonibacter urolithinfaciens DSM27213株を用いたウロリチン類の産生]
終濃度で1g/Lのエラグ酸(SIGMA社製)、及び、エラグ酸量に対してモル比で1.2倍、2.4倍、又は5倍量(それぞれ、実施例1−1、1−2、1−3とする。)のα−シクロデキストリンをそれぞれ含むABB培地(Oxoid社製)10mLを121℃、15分間オートクレーブ中で加熱滅菌後、気相をN:CO:H(80/10/10)ガスで置換した。この培地にGordonibacter urolithinfaciens DSM27213株を植菌し、37℃で1週間、嫌気的に培養し、ウロリチン類の産生を行った。
培養終了後、培養液5mLに対して等量の酢酸エチルで抽出を行い、得られた酢酸エチル相を減圧濃縮乾固した。得られた乾固物をメタノール0.5mLに再溶解した。産生したウロリチン類のうちウロリチンCを対象としてHPLCにより定量分析を行った。HPLCは後述の条件で行った。
[比較例1]
α−シクロデキストリンを添加しないものをコントロールとして比較例1とした。
HPLC分析条件:
カラム: Inertsil ODS−3(250×4.6mm)(GL Science社製)
溶離液: 水/アセトニトリル/酢酸 = 74/25/1
流速: 1.0mL/min
カラム温度: 40℃
検出: 305nm
培地中に産生したウロリチンCの蓄積濃度及び収率を表2に示す。いずれの条件においても、α−シクロデキストリンを添加しない比較例1よりも高い蓄積濃度及び収率でウロリチンCが産生した。尚、DALTON PHARMA社製のウロリチンCを標品として用い、DMSOに溶解して用いた。
Figure 0006760685
[実施例2−1〜2−3:α−シクロデキストリン存在下におけるBacteroides uniformis HGB5B146 (NITE BP-02193)株を用いたウロリチン類の産生]
Gordonibacter urolithinfaciens DSM27213株をBacteroides uniformis HGB5B146 (NITE BP-02193)株にしたこと以外は実施例1−1〜1−3と同様にしたものを実施例2−1〜2−3とした。
[比較例2]
α−シクロデキストリンを添加しないものをコントロールとして比較例2とした。
培地中に産生したウロリチンCの蓄積濃度及び収率を表3に示す。いずれの条件においても、α−シクロデキストリンを添加しない比較例2よりも高い蓄積濃度及び収率でウロリチンCが産生した。
Figure 0006760685
[実施例3−1〜3−3:β−シクロデキストリン存在下におけるGordonibacter urolithinfaciens DSM27213株を用いたウロリチン類の産生]
α−シクロデキストリンをβ−シクロデキストリンにしたこと以外は実施例1−1〜1−3と同様にしたものを実施例3−1〜3−3とした。
[比較例3]
β−シクロデキストリンを添加しないものをコントロールとして比較例3とした。
培地中に産生したウロリチンCの蓄積濃度及び収率を表4に示す。いずれの条件におい
ても、β−シクロデキストリンを添加しない比較例3よりも高い蓄積濃度及び収率でウロリチンCが産生した。
Figure 0006760685
[実施例4−1〜4−3:β−シクロデキストリン存在下におけるBacteroides uniformis HGB5B146 (NITE BP-02193)株を用いたウロリチン類の産生]
Gordonibacter urolithinfaciens DSM27213株をBacteroides uniformis HGB5B146 (NITE BP-02193)株にしたこと以外は実施例3−1〜3−3と同様にしたものを実施例4−1〜4−3とした。
[比較例4]
β−シクロデキストリンを添加しないものをコントロールとして比較例4とした。
培地中に産生したウロリチンCの蓄積濃度及び収率を表5に示す。いずれの条件においても、β−シクロデキストリンを添加しない比較例4よりも高い蓄積濃度及び収率でウロリチンCが産生した。
Figure 0006760685
[実施例5−1〜5−3:γ−シクロデキストリン存在下におけるGordonibacter urolithinfaciens DSM27213株を用いたウロリチン類の産生]
α−シクロデキストリンをγ−シクロデキストリンにしたこと以外は実施例1−1〜1−3と同様にしたものを実施例5−1〜5−3とした。
[比較例5]
γ−シクロデキストリンを添加しないものをコントロールとして比較例5とした。
培地中に産生したウロリチンCの蓄積濃度及び収率を表6に示す。いずれの条件においても、γ−シクロデキストリンを添加しない比較例5よりも高い蓄積濃度及び収率でウロリチンCが産生した。
Figure 0006760685
[実施例6−1〜6−3:γ−シクロデキストリン存在下におけるBacteroides uniformis HGB5B146 (NITE BP-02193)株を用いたウロリチン類の産生]
Gordonibacter urolithinfaciens DSM27213株をBacteroides uniformis HGB5B146 (NITE BP-02193)株にしたこと以外は実施例5−1〜5−3と同様にしたものを実施例6−1〜6−3とした。
[比較例6]
γ−シクロデキストリンを添加しないものをコントロールとして比較例6とした。
培地中に産生したウロリチンCの蓄積濃度及び収率を表7に示す。いずれの条件においても、γ−シクロデキストリンを添加しない比較例6よりも高い蓄積濃度及び収率でウロリチンCが産生した。
Figure 0006760685
本発明の製造方法により得られたウロリチン類を化粧品や飲食品又は医薬品等として使用することにより、皮膚の老化及びシワの予防、美白効果、メタボリックシンドローム、糖尿病などの症状の予防が期待できる。

Claims (3)

  1. エラグ酸及びシクロデキストリンを含有する培地でウロリチン類産生微生物にエラグ酸からウロリチン類を発酵により産生させるウロリチン類産生工程と、該産生工程で産生されたウロリチン類を回収する回収工程とを含
    前記シクロデキストリンが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、又はγ−シクロデキストリンであり、
    前記シクロデキストリンがα−シクロデキストリンである場合、前記培地における前記エラグ酸に対する該α−シクロデキストリンの含有量は、モル比で2.4倍以上5倍以下であり、
    前記シクロデキストリンがβ−シクロデキストリンである場合、前記培地における前記エラグ酸に対する該β−シクロデキストリンの含有量は、モル比で2.4倍以上5倍以下であり、
    前記シクロデキストリンがγ−シクロデキストリンである場合、前記培地における前記エラグ酸に対する該γ−シクロデキストリンの含有量は、モル比で1.2倍以上5倍以下である、
    ウロリチン類の製造方法。
  2. ウロリチン類がウロリチンCである、請求項1に記載の製造方法。
  3. ウロリチン類産生微生物がBacteroides属細菌及びGordonibacter属細菌からなる群から選択される1以上である、請求項1又は2に記載の製造方法。
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