以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。この発明は、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムを包装体や展示装置、ペンライト、ディスプレイ、遊技機などに取り付ける場合に適用されるものである。
そこで、以下では、この発明を適用した装置についての説明に先だって、これら装置に取り付けられるホログラムやホログラフィックステレオグラムの一例として、ホログラフィックステレオグラムについて具体的に説明する。
まず、ホログラム用記録媒体に対する要素ホログラムの露光記録原理について説明する。
ホログラム用記録媒体3は、図1に示すように、例えばポリエチレンテレフタラート(PolyEthylene Terephthalate;以下、PETという。)フィルムからなる支持材料たるベースフィルム4の上に光重合型フォトポリマからなる記録層たるフォトポリマ層5が形成されるとともに、このフォトポリマ層5の上に、例えばPETフィルムからなる支持材料たるカバーフィルム6が被着形成されてなり、いわゆるフィルム塗布型記録媒体として構成されている。
このようなホログラム用記録媒体3は、図2Aに示すように、フォトポリマ層5を構成する光重合型フォトポリマが、初期状態においてはマトリクスポリマ中にモノマMが均一に分散している状態にある。光重合型フォトポリマは、10mJ/cm2 乃至400mJ/cm2 のパワーを有するレーザ光LAが照射されることにより、図2Bに示すように、露光部においてマトリクスポリマ中に均一に分散していたモノマMが重合してポリマ化した状態となる。
光重合型フォトポリマは、ポリマ化するにつれて、モノマMが周囲から移動することによりモノマMの濃度の不均一さが生じ、これにより露光部と未露光部とで屈折率の変調が生じる。光重合型フォトポリマは、この後、図2Cに示すように、1000mJ/cm2程度のパワーの紫外線又は可視光LBが全面に照射されることにより、マトリクスポリマ中においてモノマMの重合が完了する。
ホログラム用記録媒体3においては、上述のように、フォトポリマ層5を構成する光重合型フォトポリマが、入射されたレーザ光LAに応じて屈折率が変化することによって、物体光と参照光との干渉によって生じる干渉縞を屈折率の変化として露光記録される。
また、ホログラム用記録媒体3は、いわゆるフィルム塗布型記録媒体として構成されていることから、露光記録後に、特別な現像処理を施す工程が不要とされている。したがって、このようなホログラム用記録媒体3を用いてホログラム像を記録することによって、ホログラフィックステレオグラム作製装置において現像工程を行う構造が不要となり、装置構成を簡易化することができるとともに、ホログラフィックステレオグラムを迅速に作製することができる。
ここで、上述したホログラム用記録媒体3を用いてホログラフィックステレオグラムを作製するホログラフィックステレオグラム作製装置について説明する。
なお、以下の説明においては、短冊状の複数の要素ホログラムを1つのホログラム用記録媒体3に露光記録することにより、横方向の視差情報を有するホログラフィックステレオグラムを作製するものとして説明する。ただし、ホログラフィックステレオグラムは、例えば、ドット状の複数の要素ホログラムを1つのホログラム用記録媒体に露光記録することにより、横方向及び縦方向の視差情報を有するものであってもよいことは云うまでもない。
ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、図3に示すように、感光フィルムからなるホログラム用記録媒体3に対してホログラフィックステレオグラム画像を露光記録するものである。ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、露光記録対象の画像データの処理を行う画像データ処理部11と、当該ホログラフィックステレオグラム作製装置10を統括的に制御する制御用コンピュータ12と、ホログラフィックステレオグラム作製用の光学系を有するホログラフィックステレオグラム作製部13とを備える。
画像データ処理部11は、少なくとも画像処理用コンピュータ14及び記憶装置15を有し、例えば多眼式カメラや移動式カメラ等を有する視差画像列撮像装置1から供給される視差情報を含む撮像画像データD1や、画像データ生成用コンピュータ2によって生成された視差情報を含むコンピュータ画像データD2等の画像データに基づいて、視差画像データ列D3を生成する。
なお、撮像画像データD1は、例えば多眼式カメラによる同時撮影又は移動式カメラによる連続撮影によって得られた複数の画像データであり、撮像画像データD1を構成する各画像データ間には視差情報が含まれる。また、コンピュータ画像データD2は、例えばCAD(Computer Aided Design )やCG(Computer Graphics)として作成された複数の画像データであり、コンピュータ画像データD2を構成する各画像データ間には視差情報が含まれる。
画像データ処理部11は、これらの撮像画像データD1及び/又はコンピュータ画像データD2に基づく視差画像データ列D3に対して、画像処理用コンピュータ14によってホログラフィックステレオグラム用の所定の画像処理を施してホログラム画像データD4を生成する。ホログラム画像データD4は、例えばメモリやハードディスク装置等の記憶装置15に一時的に格納される。画像データ処理部11は、後述するように、ホログラム用記録媒体3に対して要素ホログラム画像を露光記録する際に、記憶装置15に格納されたホログラム画像データD4から1画像分毎の要素ホログラム画像データD5を順次読み出し、これらの要素ホログラム画像データD5を、制御用コンピュータ12に供給する。
制御用コンピュータ12は、ホログラフィックステレオグラム作製部13を制御して、画像データ処理部11から供給された要素ホログラム画像データD5に基づく要素表示画像を、ホログラフィックステレオグラム作製部13の一部に設けられたホログラム用記録媒体3に短冊状の要素ホログラムとして順次露光記録させる。この際、制御用コンピュータ12は、後述するように、ホログラフィックステレオグラム作製部13の各機構の動作を制御する。
ホログラフィックステレオグラム作製部13は、光学系を構成する各部材が図示しない支持基板(光学定盤)に配設支持されるとともに、この支持基板が図示しないダンパ等を介して装置筐体に支持された構造とされている。ホログラフィックステレオグラム作製部13は、ホログラフィックステレオグラム作製用の光学系として、入射光学系、物体光学系及び参照光学系を有する。なお、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、感光材であるホログラム用記録媒体3を用いることから、装置筐体は、少なくとも光学系の遮光性を保持した構造となっている。
ホログラフィックステレオグラム作製部13は、図4Aに示すように、入射光学系として、所定の波長のレーザ光を出射するレーザ光源21と、このレーザ光源21からのレーザ光L1の光軸上に配されてレーザ光L1を後段へ入射させる又は遮断するシャッタ機構22と、レーザ光L1を物体光L2と参照光L3とに分割するハーフミラー23とを有する。
レーザ光源21は、例えば単一波長で且つ干渉性のよいレーザ光L1を出射する半導体励起YAGレーザ装置、水冷アルゴンイオンレーザ装置又は水冷クリプトンレーザ装置等のレーザ装置から構成される。
シャッタ機構22は、要素ホログラム画像データD5の出力タイミングに対応して制御用コンピュータ12から出力された制御信号C1によって開閉動作され、レーザ光L1を後段の光学系へと入射させる。または、レーザ光L1の後段の光学系への入射を遮断する。
ハーフミラー23は、入射されたレーザ光L1を透過光と反射光とに分割する。レーザ光L1は、透過光が上述した物体光L2として用いられる一方、反射光が参照光L3として用いられる。これらの物体光L2と参照光L3とは、それぞれ、後段に設けられた物体光学系又は参照光学系に入射される。
なお、入射光学系には、図示しないが、レーザ光L1の進行方向を適宜変化させ、物体光L2と参照光L3との光路長を同一にすること等を目的としてミラー等を設けてもよい。また、シャッタ機構22は、例えば、シャッタ片を機械的に駆動するように構成したものや、音響光学変調器(Acousto-Optic Modulation;AOM)を用いた電子シャッタによって構成したものであってもよい。すなわち、シャッタ機構22は、レーザ光L1を遮蔽及び透過可能とする開閉自在なものであればよい。
また、ホログラフィックステレオグラム作製部13は、図4A及び図4Bに示すように、物体光学系として、ミラー24、スペーシャルフィルタ25、コリメータレンズ26、投影レンズ27、シリンドリカルレンズ28及びマスク29等の光学部品を有し、これらの各光学部品を光軸に沿ってその入力側から順次配列させている。
ミラー24は、ハーフミラー23を透過した物体光L2を反射する。このミラー24によって反射された物体光L2は、スペーシャルフィルタ25へと入射される。
スペーシャルフィルタ25は、例えば凸レンズとピンホールとを組み合わせて構成されており、ミラー24によって反射された物体光L2を後述する透過型液晶表示器30の表示面幅に対応して等方的に拡大させる。
コリメータレンズ26は、スペーシャルフィルタ25によって拡大された物体光L2を、平行光化して透過型液晶表示器30へと導光する。
投影レンズ27は、物体光L2を若干拡散させ、シリンドリカルレンズ28へと投影する。この投影レンズ27は、物体光L2を若干拡散させることにより、作製されるホログラフィックステレオグラムの画質の向上に寄与するものである。
シリンドリカルレンズ28は、平行光化された物体光L2を横方向に対して集光する。
マスク29は、短冊状の開口部を有しており、シリンドリカルレンズ28によって集光された物体光L2のうち、開口部を通過したものを、ホログラム用記録媒体3へと入射させる。
また、物体光学系には、コリメータレンズ26と投影レンズ27との間に位置して透過型液晶表示器30が配設されている。透過型液晶表示器30には、制御用コンピュータ12から供給された要素ホログラム画像データD5に基づいて、要素ホログラム画像が順次表示される。なお、制御用コンピュータ12は、要素ホログラム画像データD5の出力タイミングに対応して、駆動信号C2を後述するホログラム用記録媒体3の記録媒体送り機構34に供給し、その動作制御を行うことにより、ホログラム用記録媒体3の送り動作を制御する。
このような物体光学系においては、入射光学系から分割されて入射される細いビーム状である物体光L2が、スペーシャルフィルタ25によって拡大されるとともに、コリメータレンズ26に入射することで平行光とされる。さらに、物体光学系においては、コリメータレンズ26を介して透過型液晶表示器30に入射された物体光L2が、この透過型液晶表示器30に表示された要素ホログラム画像に応じて画像変調されるとともに、投影レンズ27を介してシリンドリカルレンズ28へと入射される。そして、物体光学系は、シャッタ機構22が開放動作されている間、画像変調された物体光L2をマスク29の開口部を介してホログラム用記録媒体3に入射させ、要素ホログラム画像に対応してこれを露光記録する。
さらに、ホログラフィックステレオグラム作製部13は、参照光学系として、スペーシャルフィルタ31、コリメータレンズ32及びミラー33を有し、これらの各光学部品を光軸に沿ってその入力側から順次配列させている。
スペーシャルフィルタ31は、上述した物体光学系におけるスペーシャルフィルタ25とは異なり、例えばシリンドリカルレンズとスリットとが組み合わされて構成され、ハーフミラー23によって反射分割された参照光L3を所定幅、具体的には、透過型液晶表示器30の表示面幅に対応して1次元方向に拡大させる。
コリメータレンズ32は、スペーシャルフィルタ31によって拡大された参照光L3を平行光化する。
ミラー33は、参照光L3を反射させてホログラム用記録媒体3の後方へと導光して入射させる。
このような光学系を備えるホログラフィックステレオグラム作製部13は、ハーフミラー23によって分割された物体光L2が通過する光学系である物体光学系と、参照光L3が通過する光学系である参照光学系との光路長がほぼ同一に構成されている。したがって、ホログラフィックステレオグラム作製部13は、物体光L2と参照光L3との干渉性の向上が図られて、より鮮明な再生像が得られるホログラフィックステレオグラムを作製することができる。
さらに、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、ホログラム用記録媒体3を図4B中の矢印で示す方向へと1要素ホログラム分だけ間欠送りする記録媒体送り機構34を備える。
記録媒体送り機構34は、制御用コンピュータ12から供給される駆動信号C2に基づいて、ホログラム用記録媒体3を間欠的に走行駆動する。また、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、この記録媒体送り機構34の動作に連動して制御用コンピュータ12から供給される制御信号C1に基づいて、上述したシャッタ機構22が動作されてレーザ光L1の光路を開放する。
このようなホログラフィックステレオグラム作製装置10は、1要素画像分の露光記録終了毎に制御用コンピュータ12から1要素ホログラムに対応した駆動信号C2が記録媒体送り機構34に対して供給されることにより、ホログラム用記録媒体3を1要素ホログラムに対応した量だけ走行路に沿って走行駆動させ、マスク29の開口部に未露光部位を対応させて停止させる。なお、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、ホログラム用記録媒体3の走行動作に伴って当該ホログラム用記録媒体3に生じた振動が速やかに停止されるように構成される。ここで、ホログラム用記録媒体3は、長尺状の感光フィルムからなり、図示しないが、例えば全体が遮光状態に保持されたフィルムカートリッジの内部に回転自在に設けられた供給ロールに巻回されている。ホログラム用記録媒体3は、このフィルムカートリッジがホログラフィックステレオグラム作製装置10に装填されると、ホログラフィックステレオグラム作製装置10の内部に繰り出され、記録媒体送り機構34によって走行路を走行駆動させられる。
ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、この状態でシャッタ機構22が開放動作されてホログラム用記録媒体3に対してその表裏面から画像変調された物体光L2と参照光L3とをホログラム用記録媒体3に入射させ、要素ホログラム画像に対応した干渉縞を露光記録する。ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、1要素画像の露光記録が終了すると制御用コンピュータ12から記録媒体送り機構34に対して駆動信号C2が供給され、ホログラム用記録媒体3を速やかに所定量だけ走行駆動させ停止させる。
さらに、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、図示しない定着処理部により、ホログラム用記録媒体3に対する紫外線の照射処理と、ホログラム用記録媒体3に対する所定温度での加熱処理とからなる定着処理を行い、ホログラム用記録媒体3に対して露光記録されたホログラフィックステレオグラム画像を定着させる。ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、定着処理が施されたホログラム用記録媒体3を、ホログラフィックステレオグラム画像毎に所定の大きさに順次切り抜き、1枚のホログラフィックステレオグラムとして外部に排出する。
ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、以下順次この動作を行うことにより、長尺状のホログラム用記録媒体3に対して、複数のホログラフィックステレオグラム画像を順次露光記録し、1枚のホログラフィックステレオグラム画像が露光記録されたホログラフィックステレオグラムを作製する。
次に、以下では、この発明を適用して構成され、上述のようにして作成されたホログラフィックステレオグラムや、各種のホログラムが取り付けられる照明装置の具体例について説明する。各種のホログラムとは、上述のような横方向視差のリップマン型(体積型)ワンステップホログラフィックステレオグラムに限らず、上下視差も付加したフルパララックスステレオグラム、模型等にレーザー照射撮影した実写ホログラム、それらを原版にして複製されたホログラム、表面レリーフ型の所謂エンボスホログラム、回折格子なども含む。なお、以下、特に明記しない限り、ホログラフィックステレオグラムもホログラムの一種として、ホログラムに含まれるものとする。
第一の実施の形態として、図5に示すようなペンライト500について説明する。ペンライト500は、光源54a, 54b, 54cや電池55を内蔵する光源支持体55、その光源支持体50と固定されたブラケット部60、そのブラケット部からヒンジ53を介して、可動する薄板状に樹脂材料などによって形成された導光拡散体51を有する。
導光拡散体51には、部分的に表面面粗度が大きくなっている部分52があり、導光拡散体51の端面61から入射した光は、面粗度が小さい部分は光らず、面粗度が大きい部分だけ面の法線方向に拡散して出てくる。本実施例では、サンドブラスト、エッチング、レーザーマーキングなどの手法で面粗度が大きくなっているが、これに限らず、様々な手法が使える。また、部分的に乳白色の材料が煉りこんであっても良い。着色拡散材料、蛍光塗料、ブラックライトの反応する材料、セロファンなどが部分的、あるいは全体的に形成されていてもよい。表面レリーフ型、またはリップマン型の回折格子、ホログラムなどであってもよい。形状は、星形などの模様に限らず、文字、英数字などを形成してあっても良い。
また、この導光拡散体の一部には反射型ホログラムが、直接、または図9に示すような、ホログラムのフレーム枠62を介してクリップ59で挟持固定されている。クリップによる固定ではなく、直接粘着材、接着剤などにより、導光拡散体51に固着されていてもよい。
導光拡散体51全体は、ヒンジ53の部分で連接され、回転できる構造となっている。図5(a)の状態にあるとき、光源支持体50の内部に配設された発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)などの光源54a, 54b, 54cからの光が、導光拡散体51の端面61から入射しやすい。また、図5(b)の状態にあるとき、導光拡散体51の端面から光は入らないが、ホログラム58を所定の角度から照射できる位置となっている。この所定の角度とは、ホログラム58によって決まる適正照明角度に合わせたもので、この例の場合は、上記光源54bとホログラム58の中心とを結ぶ線と、上記ホログラム58の面の法線とのなす角度が、45°と設定されている。
導光拡散体51とブラケット部60との為す角度は、0度から45度の間にて回転可能であるが、ストッパーa56、ストッパーb57により、それ以外の角度にまでは広がらないようになっている。つまり、装飾中心に照明を行う第一の形態とホログラム観察を行う第二の形態の間は連続的に可動し、それを超えた状態には至らないようになっている。
また、図示しない機構により、0度、45度の状態では、ある程度の外力をかけない限り、固定できるようになっている。 即ち、装飾を中心に照明を行う第一の形態とホログラム観察を行う第二の形態のそれぞれの位置で、固定できる機構を有している。
光源は、赤色LED54a、緑色LED54b、青色LED54cが、光源支持体の中に内蔵されている。図5(a)の状態にあるとき、それぞれのLEDが順次に点灯、あるいは点滅し、装飾性を高めることができる。
図5(b)の状態にあるとき、赤色LED54a、緑色LED54b、青色LED54cの全てが点灯することにより、フルカラーのホログラムを最適に照明することができる。ホログラムの特性に合わせて、赤色LED54a、緑色LED54b、青色LED54cの輝度バランスを調整することができるようになっている。
光源支持体50には、図示しないスイッチがあり、図5(a)の状態にあるときには、スイッチを押すことにより、LEDの点灯をスタートできる。押しボタン式スイッチにて、一定時間点灯後、自動的に消灯するようになっている。消灯し忘れると、使用していないにもかかわらず電池を消耗してしまうことを防ぐための機能である。または、スイッチを押してから、再度押すまでの間だけ点灯されるようになっていても良い。または、スイッチを押し続けている間だけ点灯されるようになっていても良い。
ストッパー56bの位置、または光導入端面61には、図示しないマイクロスイッチ、光スイッチなどがあり、導入拡散体51の位置に応じて、光源54a〜54cの発光制御を変更するようにしてもよい。図5(b)の状態にあるときは、図5(a)のペンライトモードよりも輝度を明るくしてホログラムを観察したいという要望がある。図5(b)の状態に至る前に、LEDを高輝度に光らせてしまうと、無駄に電力消費をしてしまうことに加え、ペンライトとしての使用状態で人の目に直接眩しいほどの光を入れてしまう危険性もあるため、図5(b)の状態以外では高輝度には光らないように制御することも可能である。このように、装飾中心に照明する第一の形態であるか、ホログラム観察を目的にする第二の形態であるかを判別できる判別装置を有し、該判別装置により、上記第一の形態または第二の形態に適した異なる光源制御をおこなうことができるようになっている。
あるいは、プッシュスイッチ、スライドスイッチなどは使用せずに、導光拡散体の位置を動かすことのみで光り方を制御できるようにしても良い。例えば、図5(a)の状態にセットされるとペンライト機能で光拡散体が光り、R、G、Bが順次切り替わり1分間点滅、点灯してから消灯する。図5(b)の状態にセットされると、R,G、Bが同時に高輝度モードで光り、ホログラムを照明し、30秒後に消灯する。これは一例であって、発光状態や輝度の制御は、様々なバリエーションが可能である。即ち、上述、状態判別装置により、ホログラム観察中心に照明する第二の形態に設定されてから所定の時間のみホログラム支持部を照明する光源を点灯させ、その後消灯させるようにしてもよい。
第一の実施例において、光源は、赤色LED54a、緑色LED54b、青色LED54cを内蔵させているため、ペンライト機能、ホログラム照明機能の両方に、同一の光源を使用でき、効率的である。これに加えて、白色LEDが配設されていても良い。この場合は、図5(a)の状態においては、赤、緑、青のLEDを個別に順次光らせ、白色LEDは消灯のままにしておき、図5(b)の状態においては、白色LEDのみを光らせる、あるいは、白色LEDを高輝度に光らせると共に、装飾的に赤、緑、青のLEDを低輝度にて光らせるといったバリエーションも可能である。
第一の実施例に用いたホログラムの層構成について、その断面図を図8に示して説明する。フレーム付きホログラム媒体70は、ホログラム記録層72がPETなどの基材層72、73で挟まれており、その周囲を枠74、75で保護するように粘着材72で接着されている。ホログラム記録層72は透明であって、枠A74、枠B75共にくり抜かれているため、ホログラム像越しに奥がシースルーとして見える。
ホログラムは、表裏、画像の上下、光を斜め上から入れるか、斜め下から入れるか、が重要である。特にリップマンホログラムは、記録層の内部の屈折率変調により干渉縞が形成されているため、照明光を照射するまでは、その向きがわかりにくい。図8の構造でホログラム層が透明である場合、表裏も含めてどのようにセットするか、間違えやすい。図11において、斜め上から光を入れて、リップマンホログラム像が正常に見えるものだとして、B軸を中心に回転して180度反転させた場合、像はほとんど見えない。A軸を中心に回転して180度反転させた場合、ホログラムは倒立像となって見えるが、奥行き・手前も逆になるいわゆるスードスコピック(Pseudoscopic)像にもなる。つまり、ホログラムの製作時に設定された推奨再生条件に合わせて観察する必要がある。従来からのホログラムは、99%以上、斜め上からの照明で再生されるように作られている。その理由は、太陽光にしても室内照明灯にしても、人間が生活する上で目の位置よりも上に光源がある場合はほとんどであるからで、一般条件下でホログラムを観察しようとした場合、斜め上から照明するのが自然だからである。一方、発明者らは、光源との組み合わせたホログラムの提案をしており、本発明においても観察者に対して、
ホログラムの斜め下からホログラムを照射する実施例を多数示している。世の中に、上から照明すべきホログラムと、下から照明すべきホログラムとが混在すると、観察者は媒体がホログラムであると認識した上でも、どちらから照明すべきか、迷うことになる。
そこで、本発明では、ホログラムの表裏、画像の上下、入射再生光の向きを、照明光を照射せずにもわかるようにするため、ホログラム媒体、またはその枠に図12、図13のようなマークを印刷してある。まず、観察者は、図12のマークが正立してみえるようにホログラム媒体を保持する。即ち、矢印が上を向き、UPの文字が鏡像となっていないことを確認する。不透明な媒体に印刷されていれば、図12のマークが見えている面が表であり、観察者側にきていることは間違いないが、透明媒体に印刷されていた場合は見間違えることもあるため、UPのような左右対称でない文字またはシンボルマークを印刷してある。その上で、図13のマークがあれば、図13(a)矢印のマークがあれば、光源を観察者側上方から照射することにより、像が再生される。図13(b)矢印のマークがあれば、光源を観察者下方から照射することにより、像が再生される。
図14には、最適照明入射光を表すマークのバリエーションを記載した。最適照明光の入射方向は、厳密には、角度まで含めて決まっており、(a)では、観察者がホログラム法線方向から観察するとして、ホログラムの法線に対して斜め上45°の方向から光源を入射することを意味している。(b)では、同様に、ホログラムの法線に対して斜め下、60°の方向から光源を入射することを意味している。また、(c)(d)では、角度に加えて、ホログラム面の観察者側から光を入れる反射型を示すR(Reflectionの頭文字)、あるいは、観察者と反対側から光を入れる透過型を示すT(Transmissionの頭文字)も加えた。他に、反射型、透過型の中間にあたり、媒体端面から入射させるエッジリット型Eなどを加えても良い。また、推奨光源の種類、波長、平行度などを記載してもよい。また、このようなマークはホログラムの観察面側に印画できない場合、(e)のように、点線で矢印を示すことにより、裏面に記載していることを意味するようにしてもよい。
図12のマークに関しては、ホログラム面、あるいはホログラムが貼付あるいは組み込まれる媒体面に、文字などの印刷が施されていれば必ずしも必要ではない。文字が印刷されていると上下、表裏は容易に判断できるためである。その上で、図13、図14のような推奨照明光マークが形成されているとわかりやすい。
本実施例においては、推奨照明光マークがなくても、間違えずに照明装置に装着できるようにするために、フレーム枠62に形状加工を施してある。図9に示すようにホログラムのフレーム枠62は、断面図、図8における枠A74、接着剤76、枠B75から形成されているが、これらすべての材料を貫通する穴64を設けてある。
一方、本実施例の照明装置には、円柱状凸部63が形成されており、その円柱状凸部の径は、ホログラム媒体の枠に設けられた貫通穴64より小さくなっている。ホログラム媒体70を装着する際、まず、貫通穴64を装置の円柱状凸部に挿入してから、クリップ59にて固定させる。上下、左右、表裏、いずれかでも間違った向きに装着しようとすると、ホログラム媒体の貫通穴64と照明装置の円柱状凸部63とは合わず、収まらないため、誤挿入を防ぐことができる。凸部は円柱状ではなく半球状の丸い突起凸部であったり、大きな面取りが施された円柱であったりしてもよい。こうすると、ガイドに沿わせて滑らせて挿入し、押し込むだけで貫通穴64と凸部63とが嵌り、位置決めされると同時に力をかけて外そうとしない限り自然排出されないストッパーの役割も兼ねることができる。
上記、円柱状凸部と、貫通穴にて、媒体の向きを規定できるようにした例を説明したが、上下、左右、表裏が一意的に決まるものであれば、これに限らない。例えば、四隅の角のうちの一つのみが他とは異なる形状をしているといった、枠全体の構造が非対称になっていて、その形状と合わせた加工が照明装置側に施されていても良い。
上述の例では、ホログラム基材を透明化して、背景がシースルーで見えるようにされているが、観察者に対してホログラム記録層72の反対側に、黒色乃至は暗い色の基材または粘着材を配置し、背景が見えにくいようになっていても良い。その場合は、ホログラム像のコントラストが上がって見やすくなる、表裏を間違えにくい、といった利点がある。即ち枠B75側は、ホログラム部分が貫通穴となっているのでなく、未加工の基材のままとし遮光性をもたせても良い。
フレーム枠62を構成する枠A74と枠B75の素材は、紙、プラスチック、金属、木など、いろいろなものを選択できる。枠A74と枠B75は一辺が予めつながっていて、折り目が形成されており、ホログラムを位置決めした上で、上述折り目で折り曲げて、接着剤で再剥離できないように接着すると枠A74と枠B75をずれないように貼り合せることが可能である。
接着剤は再剥離できるようなものであっても良い。また、接着剤は使わず、枠A74と枠B75に加工された形状で、嵌合や、折曲によって、固定することもできる。
フレーム枠62には、単体でストラップや鍵やLED光源などをつなげられるように、65の位置に、貫通穴または、凹部が形成されている。キーホルダータイプのLED光源を組み合わせで用いれば、簡易的に観察することも可能である。また、複数のホログラムのフレーム枠の穴65どうしを鎖や紐、ゴムなどでつなげておくと、紛失しにくい。それが本発明である照明装置とつなげておけば、観察者の意思で異なるホログラムを交換して照明装置に装着し、観察することも可能である。このような目的を達成すべく、本発明の照明装置には、装着された際に、図9の穴65の位置に組み合わされる部品が照明装置に当たらないように設計上の工夫が施されている。
第一の実施例において、図5(b)の状態のまま、図6のように机などの面に置くと、ブラケット部60と、ストッパーa56とが接地することにより手で持たずにホログラムを鑑賞することができる。
図6のような鑑賞形態を想定し、ホログラムの向きは、図10−aのような向きで、図5(b)に装着されるようにした。普及しているホログラムのほとんどは天井照明や太陽光など、観察者に対して上方からの照明で観察しやすいように、図9のような向きで制作されている。このため、図10−aのホログラム媒体を、照明装置とは分離して観察したとしても、一般的なホログラム同様、斜め上45°から光を照射すれば良いので、直感的にわかりやすいという利点がある。
図5(a)、図5(b)に図示した実施例をペンライトとしての使用を前提に手に持つときは、図5(a)に図示するように光源支持体50より導光拡散体51を上にして持つと、画像が上下逆さまの配置となるが、ペンライトとしての照明位置関係では、上方にある外光でもホログラム像はほとんど再生されないため、不要像が再生されず、むしろ、鑑賞時にのみインパクトのある像を再生でき好都合である。
ホログラム媒体側に図12〜図15に示したようなシンボルマークを記載することを説明したが、同様のシンボルマークは、ホログラム再生装置側にもついていると好適である。これまで説明してきたように、ホログラム媒体の形状において、正規の向きにしか装着できないようになっていることは有用であるが、さらに、ホログラム再生装置側に、再生装置側の特長、即ち、斜め下から照射するための装置であるのか、斜め上から照射するための装置であるのか、それぞれ照明角度はどれくらいか、などの情報を目で見て判断することができれば、適切な再生装置を選定することもできて好都合である。本発明においては、それをシンボルマークにて記載したことにより、小さい面積にて表現できるようになり、どのような言語を話す人でも共通に直観的に理解してもらうことができる。
なお、再生装置側に、ホログラムに対する照射角度を調整する機構がついている場合、図45に示すように、照射角度の範囲を例えば、ホログラムの法線に対して上から38°〜62°、あるいは、下から40°〜60°、というように角度範囲を表示すると良い。
第二の実施例として、図10−bのように形成されたホログラム媒体を図5(a)に装着する場合について説明する。図5(a)の状態のまま図7−aのように手に持つと、ペンライトとして使用できる。これを図5(b)のような状態にし、図7−bのように傾けるとホログラム鑑賞状態となる。また、図7−bと同じような状態を、手に持たずに再現できるように、光源支持体を保持する置き台81に挿入、固定した例を図15に示す。
この第二の実施例の場合、光源支持体を持つ角度を変えるだけでホログラムを観察できるため、操作をシンプルにすることができる。第一の実施例の場合、光源支持体部分が導光拡散体に比較して大きすぎると、図6のように置いた場合に、安定感が悪くなったり、観察時に光源支持体部分が邪魔になったりすることも考えられるが、第二の実施例では安定感も良く、観察の妨げにもならないように構成できるため、設計の自由度が向上する。
第二の実施例の場合、使用されるホログラム媒体は、観察者に対して下斜めから照明光を照射する必要が生じ、一般的に流通しているホログラムとは異なるため、照明装置との組み合わせをしないと観察方法がわかりにくいという問題が起こりうる。これに対し、本発明では、前述のように、ホログラム媒体に図12、13、14のようなマークを表示しているため、観察者は混乱することなく最適な照明条件を理解することが可能になる。
第二の実施例において、図15のように置き台81に装着される場合、置き台側には、電源トランス、接点が設けられており、装着されるとともに、光源支持体に外部から電力供給がなされるようにしても良い。この場合、光源支持体に内蔵した電池を消耗せずに、光源を光らせることもできる。また、光源支持体には繰り返し充電可能な蓄電池を内蔵しておき、置き台に装着されるとともに充電される機能を持たせても良い。図15の例では、取っ手部が略円筒だと仮定し円筒の中心軸が水平に対して0度〜45度の範囲で固定できるように置き台81の凹部は作られている。これは、ホログラムが、上から見下ろすような角度に置くと見やすいことと、取っ手部に対してホログラムが装着される面が略45度となることによる。
第三の実施例として、図16を用いて説明する。第一の実施例と同様に、導光拡散体の一部にホログラムが装着される構造となっているが、この導光拡散体の導光される光源は、導光拡散体と一体化された構造となっている。その上で、ホログラムを照明するための光源は、別のホログラム照明用光源支持体151に保持されており、可動部を介して導光拡散板と連接している。
ホログラム観察時以外は、図16(a)に示すように、ホログラム照明用光源支持体151はその光源と共に、電池格納を兼ねた取っ手部に格納されており、この状態ではホログラム照明用光源には電力供給されないようになっている。
ホログラム観察時には、図16(b)に示すように、ホログラム照明用光源支持体151を所定の位置まで動かすと、ホログラム照明用光源に電力供給がなされる。
第四の実施例として、図17を用いて説明する。第二の実施例と同様の構成であるが、光源支持体950は、手で持つ部分を兼ねる電池収納部と一体化しており、その光源支持体にはL1、L2、L3、L4、L5、L6、L7の計7個の白色LEDが、各々略一定の距離を隔てて、かつ、ホログラム部分を照射する向きに収納されている。ホログラムは観察者の目の位置とホログラムの位置の関係が固定されている状況で、照明光が動くと、それに応じてホログラム像が変化する。このため、図18−a乃至、図18−cのように、L1乃至L7の光源を順次に光らせることにより、観察者が動かなくても立体像が動くという視覚効果が得られる。図18−bのように、光源の輝度をグラデーション制御すると、図18−aのように制御した場合よりも、滑らかな動きが再現される。隣り合うLEDから再現される画像の輝度が滑らかに変化するため、装飾効果も大きい。図18−cのように光源の輝度を制御すると、立体像や動画像の順送りと逆送りとを連続的にループ再生させることもできる。
L1乃至L7は、白色LEDとして説明したが、各々が赤色、緑色、青色等、複数の発光素子から構成されており、それぞれを個別に発光制御してもよい。あるいは、LED自体は白色であって、導光拡散体951のそれぞれのLEDが入射する位置に個別の色のフィルタがあっても良い。そうすることにより、ホログラム観察に好適な白色再生、ペンライトの装飾に好適な多色発色が実現できる。また、光源の個数は7個に限るものではない。
L1乃至L7のように、複数個で照明するようにしたことにより、ホログラム照明時には上述のように、効果が期待できる他、導光拡散体に入射させた場合は、例えば図17の例における「LIVE!」という文字を一文字ずつ強調発光させるなど、装飾効果やメッセージ効果を加えることもできる。ホログラムを効果的に鑑賞するモードのときは、ホログラム面には主に一つの光源、あるいは隣り合う近傍の光源のみが発光していることが重要である。離れた位置や角度からの複数の光源から同時に照射されると多重像が見えてしまうからである。意図的に異なる方向からの複数の光源を照射して、多重像を観察させるモードを作って装飾効果を上げても良いが、一つの光源のみが照射されるホログラム鑑賞モードも作ってあり、観察者が選択できるようになっている。
第四の実施例では、ブラケット部960をヒンジ部で一緒に回転可能の構造となっており、図17(c)のような形態にした上で、机の上などに置くと、観察しやすい角度に固定できるようになっている。図示しない凸部、凹部が可動部に形成されていて、外力を加えない限り、図17(b)、または、図17(c)のような形態に固定できるようになっている。
第五の実施例として、図19を用いて説明する。第四の実施例と同様の構造体であるが、光源はL4の部分にある一つのLEDのみが、スライドレール981上のスライドユニット982に配設されており、L1の位置からL7の位置まで連続的に、ホログラム照射部方向を向いたまま、動く構造となっている。スライド構造では摩擦が極めて低くなっており、LED部を配設したユニットには図示しない重りもついているため、ペンライト980全体を傾けると、一番下の位置にLEDは移動し、相対的にホログラムを照射する角度が変わる。コンサート会場等でペンライトを振ること想定されるが、手で持って左右に傾けながら使用することが多く、それに応じて、ペンライト使用時には異なる部分が照射される装飾効果、ホログラム観察時には異なるホログラム像が見える映像効果、など、期待できる。
変形例として、重力には頼らず、ばね力などの弾性力やモータ等のアクチュエータにより、駆動するようにしても良い。
第六の実施例として、図20を用いて説明する。ペンライト600は、電池655やスイッチ665、図示しない電気回路などを格納する取手部619の上部に約1mmの厚さの透明プラスチック部材でできた透明中空体610が固定されている。透明中空体610の観察者から見て遠い側の面は開口部615があり、その外側にホログラム保持部614が構成されている。ホログラム保持部610は、ホログラムを左右、下から支えて位置を確定するためのホログラムガイド617と、遮光体616とで構成され、中空体610との間に囲まれた空隙にホログラムを滑り込ませることができるようになっている。中空体側、または遮光体側のいずれか、または両方には、一部凸部が形成されており、ホログラム側の相当する部分には穴が形成されている。ホログラムが装着された際には、この装置側の凸部とホログラム側の凹部が合わさるため、力をかけないと自然にホログラムが外れてしまうことを防ぐ。また、この凸部と穴は、左右上下非対象の位置に形成されているため、表裏上下を間違えることなく装着できる利点も持っている。このようにすることで、第1の実施例のように枠を使わないでも、図1のような構成のままの媒体も使用することができる。
透明中空体610の内部には、L1,L2〜L7のように複数のLEDが配置されている。このうち、L2、L4、L6のLEDの出射直後には、ミラー813が配置され、ミラーによっていずれもホログラムの中央部分を向くように固定されている。ミラーを用いることでコンパクトに中空体の中に配置させることができている。
L1,L3、L5、L7の出射直後にはミラーはなく、中空体を内部から照射しているが、中空体のLEDが照射される部分近辺には内側に鋸状に斜めに光が入射しやすいプリズム形状が形成されており、中空体を形成するプラスチック部材内部に構成面に平行に近い角度で導光される。臨界角を超えた角度となるため、透明中空体が理想的な鏡面平板であれば端面から導光した場合と同じように、プラスチック材料内を全反射伝搬し、面から外に光は出てこない。装飾拡散部611には中空体表面に微小な凹凸加工が施されておりその部分だけ光って見えることになる。
透明中空体610の内部にホログラムや光源、各部材が収まることで、埃やゴミなどが入りづらくなり堅牢性が上がるが、観察者は中空体611を通してホログラムを見ることになるため、微小な凹凸加工がホログラムの観察の妨げになるのは好ましくはない。そのため、ホログラムの領域中央から観察者側垂線に対して少なくとも上下20度、左右45度の方向領域内には、光を拡散させる部材は存在させないようにした。ホログラムの観察可能領域は、ホログラムの仕様によるが、左右方向に視野角を持つ鑑賞用のホログラムは一般的に上下20度、左右45度以上で作られることが多いため、この領域とした。プラスチック成型の際のゲートもこの位置を避けるように配置して製作した。透明中空体810の材質は、ホログラムの明るさ、画質を劣化させないようにするため、全光線透過率80%以上、ヘイズ値10%以下の物質でできており、一部に拡散性のある部材があったとしても、ホログラムの観察に著しい悪影響を与えないようにするため、拡散部分や遮光部分は面積比で10%を超えないようにした。
ヘイズ値とは、濁度(曇度)を示すもので、拡散透過光の全光線透過光に対する割合から求める。JIS-K-7105、JIS-K-7136で規定されている。
ヘイズ(%)=Td/Tt x 100 (Td:拡散透過率 Tt:全光線透過率)
さらに、中空体810の材料表面にて、不要な反射があると、ホログラムの再生に寄与する光量が減って像が暗くなったり、不要光によって不要ホログラム像が再生されたり、不要反射光が直接観察者の眼に届き、妨げになったりすることがある。これを回避するため、本実施例では、中空体810の表面を無反射コーティング、モスアイ加工などを施した。
L1、L3、L5、L7を同時または順次に点滅させると、ペンライトとしての装飾効果が出せる一方、L4をひとつだけ点灯させれば、ホログラムを観察できるモードとなる。L2、L4、L6を順次に点灯させていけば、照明装置を動かしたり観察者が動いたりせずとも、ホログラム像が動くのを鑑賞できる。
変形例としては、L1〜L7のLEDからの出射直後には、613の位置に全てハーフミラーが配置されていて、それぞれのLEDの光の一部がホログラム照明に使われ、残りが、中空体の光拡散体に導光されても良い。ハーフミラーの透過光と反射光の比は、それぞれのLEDで異なっていても良い。
ホログラムの裏側、即ち、観察者の反対側は重要である。図20の616の位置に黒い遮光部材を置けば、コントラストの高いホログラム像を観察することが可能ではあるが、前述したようなシースルー効果は出せない。一方、手持ちのペンライトで下斜めから拡散しない光が当たると、多くの人がいる前でペンライトを点灯したり、ホログラム観察時、観察者以外の人が対面にいたりした場合、眩しすぎて迷惑となったり、最悪の場合、目に障害を与えたりすることにもなりかねない。そこで本発明においては、異方性遮光体や異方性拡散体を用いた例を示す。
携帯電話やモニターの覗き見防止目的で商品化されているルーバーフィルムを、図20の616の位置の遮光体に配置すると、正面からは背面がシースルーで見える状況を作り出しつつ、かつ、斜め下からのLEDの照明光はブロックされて背面には透過しないようにできる。例としては、3M社製のPFシリーズを使用することができる。
次に、図20の616の位置に、異方性拡散体を配置した場合について説明する。スペックルを記録したスペックルグラム、屈折率の異なる部分が不規則な形状で分布した樹脂フィルムなどを用いると、ある方向からはすりガラス状に曇って見え、他の角度範囲から見ると、透明なフィルムのように見える。このような機能をもつものとして、「ルミスティー(住友化学株式会社の登録商標)」を挙げることができる。
ルミスティーは、光重合可能なモノマおよびオリゴマの少なくともいずれかを含む樹脂組成物の少なくとも2種類から形成される。
光重合可能なモノマまたはオリゴマとしては、例えば、2,4,6−トリブロムフェニルアクリレート、トリブロムフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、ペンテニルオキシエチルアクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、ポリオールポリアクリレート、イソシアヌル酸骨格のポリアクリレート、メラミンアクリレート、ヒダントイン骨格のポリアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。
ルミスティーを構成する各樹脂組成物としては、互いに屈折率が異なる樹脂組成物が使用される。各樹脂組成物の組合せとしては、例えば、モノマから選ばれる2種、モノマの1種およびオリゴマの1種もしくはオリゴマから選ばれる2種またはこれらの組合せにさらに1種以上のモノマもしくはオリゴマを加えたものが挙げられる。拡散光における拡散角を確保する観点から、これらの組合せにおける各樹脂組成物のうちの少なくとも2種の間の屈折率差は、0.01以上であることが好ましい。
ルミスティーを構成する組成物として、光重合開始剤や可塑剤、安定剤、平均粒径が0.05〜20μmの充填剤、紫外線吸収剤、光重合性のない化合物などがさらに含有されていてもよい。
このような光学異方性拡散体をホログラムの背面に配置すると、ホログラム像を観察する際には後ろが透明になりシースルー効果がある一方で、LEDの光の進行方向から見ると拡散光となるため、眩しさを感じることはなく、ペンライトとしての効果的な装飾効果を楽しむことができる。
第六の実施例では、照明装置側に異方性遮光体や異方性拡散体を配したが、各ホログラムに配してもよい。即ち、図27に示すように、観察者側から順に、透明基材72、ホログラム媒体71、透明基材73、ルーバーフィルム77、透明基材78が配されている。
ルーバーフィルム77は、シリコン系ゴムで作られていると基材73との間で空気を介さず接着しやすい。正面からの光に対しては透過し、斜めからの光は遮光するようなルーバーフィルムを用いた場合、背景はシースルーで見えるが、45°からの照明光は遮光し、媒体が装着されたときに、ホログラムの観察者以外の人が後ろから見て眩しい思いをするようなことはなくすことができる。ルーバーの角度など、仕様はこれに限らず、例えば、正面からの光は遮光し、斜めからの光を通すものを配しても良い。その場合は、ホログラムの観察時のコントラストを向上させるとともに、LEDの光をそのまま透過させることにより、懐中電灯のように使うことも可能である。これら異方性遮光体、拡散体を、照明装置側でなく交換する媒体側に配すると、媒体ごとに違う効果を楽しむことが可能となる。
ここまで説明してきたように、ホログラムに対して、観察者と反対側に異方性遮光体、異方性拡散体、あるいは単なる遮光体や拡散体などの機能体を配置する例として、機能体が照明装置側に配されていても、ホログラム媒体側に配されていてもどちらでも良い。さらには、ホログラム媒体と機能体と照明装置はそれぞれ分離しており、照明装置にホログラム媒体と機能体とを、重ねて挿入するようにしても良い。
次に、第七の実施例を図21のペンライト700を用いて説明する。第六の実施例とは異なり、ホログラム貼付部714に貼られたホログラムを観察する範囲は、開口部720を設けた。こうすることにより、710の中空体筐体は面粗度が悪くてもホログラムの画質が劣化することはない。むしろ710の筐体全体を光拡散体にしても良い。また、筐体の上部にはスポンジ状の光拡散体721が配され、それを照明するLED、LX1及びLX2が、ホログラムを照明するL1〜L7の光源とは別に配されている。取っ手部719の下部は太くなっており、テーブルなどの上に置いて鑑賞することも可能である。
次に、第八の実施例を図22のペンライト800を用いて説明する。透明中空球体B810の内部に、それより小さい透明中空球体A809がヒンジ807を介して回転可能なように保持されており、その間には液体808が充填されている。この液体の中には、液体よりも比重が若干小さい材料でできた装飾拡散体片811が分散されており、静止した状態で放置しておくと、図中で上の方に集まる。LED813は、透明中空球体A809の内部、ホログラム支持部814に貼付されたホログラム815に向けて照射され、ホログラム像を再生する。ペンライト800全体を振ると、装飾拡散体811が液体中に分散され、LED813からの照明光を拡散し、装飾効果が上がる。透明中空球体の内部には錘812が偏心した位置に固定されており、図23のように傾けて持ち、さらに取手部819を軸中心に回すように動かすと、図22の上面図に図示した矢印方向に搖動する。取手部内部には図示しない電池、電磁石があり、錘812を永久磁石化させたもので構成すると、電磁石と錘の間にて引き合ったり反発したりするため、揺らさなくとも中空球体Aが中空球体Bに対して往復回転運動をし、ホログラム像が動く効果を出すことができる。
次に第九の実施例として、液体砂時計付きホログラム820としたものを図24を用いて説明する。第八の実施例の取っ手部を置き台821に代え、透明中空球体B810の外側にフランジ822をつけ、置き台に施されたガイド824と嵌合されるようになっている。置き台821の内部に固定されたLEDから透明中空球体B810、液体808、透明中空球体A809の順に透過してホログラム815を下斜め45度から照射し、ホログラム像が再生される。液体809の中にはこの液体より比重が若干低い装飾拡散体片811が分散されている。透明中空球体Bより内側の部分をフランジがガイドに嵌合されたまま180度、上下が逆さまになるまで回転させると、下部にあった装飾拡散体片811が徐々に上に上がっていく。その過程でLEDからホログラムに照射される光は遮られたり拡散されたりするが、時が経つと、装飾拡散体片811は上部に集まり、観察が可能となる。
フランジ部には823に図示したような切欠きがあり、これと180度反対側にも同様の切欠きがあるため、図示しない位置決め部材により、ホログラムが正対する位置で固定される。
封入する液体はシリコンオイルを使用した。粘性の高いオイルを使うことで、装飾拡散体が移動する速度を遅くさせることができる。透明中空球体B180と透明中空球体A809の間隙は、図24ではほぼ均一としているが、流路を規制するように細隙を設けても良い。装飾拡散体片811は、微粒子、着色粒子、蓄光体、蛍光体などの固体に限らず、該液体とは混ざり合わない液体、さらには、気体であっても良い。装飾拡散体片811の比重は、液体よりも小さいものを選ぶことにより、静止状態では装飾拡散体片が上部に集まるようにしたが、逆に比重の大きいものを選び、下部に集まるようにしても良い。さらに、常温常圧ではほぼ同一の比重のもので、気圧や気温などの環境変化で、装飾拡散体が上に行くか下に行くか変わるようなものを選んでも良い。
ホログラムが、多重記録されたリップマンホログラムであり、異なる参照光角度での多重露光されたものだったり、異なる参照光角のホログラムを2枚重ねあわせたものだったりすれば、180度反転させると異なるホログラム像を再生させることも可能である。
第十の実施例を図25の円柱状照明装置850を用いて説明する。透明な円柱状筐体851の内部にはホログラム852、光拡散体853、ホログラム照明用LED854、光拡散体照明用LED855、電池856、さらに図示しないスイッチ、電気回路などが収まっている。装飾モードでは、LED855が順次に光拡散体853を照明させた後、ホログラム照明モードでは、LED854からホログラムが照明され、これら2つのモードを切り替えて鑑賞することができる。モードの切り替えは、スイッチで観察者が切り替えられるようになっている他、自動で交互に切り替わり、例えば10サイクル終わった後、電池消耗を防ぐ目的で自動的に消灯されるようになっていても良い。
第十一の実施例を図26のペンライト750を用いて説明する。光源は、指向特性として半値指向角が70度以上のような広がりをもつLED774を用いており、ホログラムを中心に照明しているが、周囲に配置した光拡散体770にも照射され、装飾効果があがっている。光拡散体770は表面粗さの大きい凹凸加工が表面になされており、一部は表面粗さの小さい部分で文字771が形成されている。また、光拡散体770は、例えば、3mmの厚さがあり、くりぬかれた内壁は鏡面加工されているため、この内壁から入射した光は内部反射成分があり全体が光りやすい。光源774からの光は、光拡散体の表面から照射されるとともに、その内壁772から内部に入射する光もあり、それらからホログラムの再生と同時に光拡散体からの拡散効果も観察することができる。一つの光源だけで照明しているため、光量分布としてはホログラム照明に多くが使われ、それ以外の光を有効に使って、ホログラムの再生像の観察を妨げていない位置において、ホログラムの再生像を装飾する効果を生んでいる。
筐体前面773は曲率を持った曲面で構成されている。この場合、外側、即ち、観察者と内側、ホログラム側との間に曲率差があると、レンズ効果のようにして拡大、または、縮小されたり、画像が歪んだりする。既知の歪が生じてしまう場合、ホログラフィックステレオグラムを記録する前に歪を補償するように予め記録用画像データを画像処理しておくことも可能である。
第十二の実施例を図28〜31のホログラム照明装置300を用いて説明する。ホログラム照明装置300は、ペンライト部350と置台部310により構成されており、取り外し可能となっている。
まず、ペンライト部350について図29を用いて説明する。取手部360は円筒状に形成され、内部に電池355、スイッチ365、図示しないLED点灯回路とともに、その円筒の中心軸近辺に中心軸に沿って発するように光源LED374などが配設されている。光源LED374から軸方向に発せられた光は、レンズ377により、平行光、または、所定の距離はなれた位置にて所定の面積に効率よく照明できるように平行度が調整された光となった後、プリズムシート375に入射される。プリズムシートは、例えば断面が0.01mmから1mm程度、好ましくは0.1mm程度の間隔で鋸刃状に形成された透明光学プラスチックであり、そのスロープ角度によって、所定の方向に曲げることができる。図29の例では一旦このプリズムシートにより観察者側に光は曲げられた後、反射鏡376により、観察者から遠ざかる方向に曲げられ、ホログラム314に到達する。このホログラムへの照射角度は、ホログラム観察に最適な角度となっているため、ホログラム正面近傍から明るい画像が観察できる。
レンズ377、プリズムシート375、反射鏡376、ホログラム支持部は、扁平球状の筐体360に取り付けられていて、図示しないネジ部で筐体360と取手部とは、取り付けられるようになっている。筐体360は、ホログラムを観察する部分373のみが、透明にできているが、その部分以外は内部に光拡散させる部材が塗布または隣接配置されているため、ホログラム照射に利用されなかった一部の光や図示しない別光源が照射されて装飾効果を出すことができる。
光源LED374からの光は、レンズ377やプリズムシート375などの透過部材を通り、そのまま筐体の光学的開口部373から外に出ると、眩しすぎたり、装飾性が劣化したりするが、遮蔽板378が配置されていて、故意に光源部を覗き込もうとしても直接眩しいほどの明るい光は見えないようになっている。
遮蔽板378は、文字などの装飾が施されていても良い。遮蔽板378は、光を完全に遮蔽するものでなくとも、拡散体でできていてもよいし、部分的に光学的開口を持っているものであっても良い。
本発明において、取手部の円筒軸方向に発せられる光源を一旦偏向させることにした理由は、従来からある懐中電灯、ペンライトなどの大半が、取手部の円筒軸方向に光を発せられることにある。即ち、図29における筐体360を図示しないネジ部から取り外せば懐中電灯として使うことができたり、図30のような別の円筒状拡散体に取り換えて装着すれば従来型のペンライトとして使うことができたりする。図30において、円筒拡散体とは、透明な円筒状プラスチック380の内部に円筒状に拡散シート381を配置したようなものである。
言い換えれば、従来型の懐中電灯やペンライトに、本発明の筐体360とそれに内蔵された必要な光学部品、光拡散体、ホログラムを配設すれば、容易にホログラム観察装置を構成することが可能となる。
光源LED374として1W以上の高輝度パワーLEDを使用すると、拡散または遮蔽しないまま、人の目に入ると眩しい場合がある。上述のような交換を使用者に委ねると、交換中に意に反して明るい光を見てしまい目を傷めることなどがありうるため、図29における筐体360や図30における円筒状プラスチック380が装着されない状態では発光しないように、装着部にスイッチをつけ、インターロック機構が働くようにしている。
この例では、円筒軸方向に出た光を曲げるのにプリズムシート、そこから再度ホログラム方向へ曲げるのに反射鏡を用いたが、いずれも、反射鏡、ブロック状のプリズム、レンズ、回折格子、ホログラム素子、電気光学変調素子、音響光学変調素子などを用いても良い。
ペンライト350単体では、ホログラムと光源の位置、角度の相対関係は固定されているが、ペンライト350全体を専用の置台、兼、揺動装置310に置くと、静止している観察者からも動きを観察できる。置台、兼、揺動装置の例について図28を用いて説明する。置台は、ペンライト350をその取手部の中心軸、または、ホログラム面を含む中心軸近辺を軸として摩擦が少なく回転できるように、ピボット部390、391が構成されている。ピボット部390と391とは、支持部392によってペンライト350の観察者に対して後ろ側で繋がっており、支持部392の弾性力によりペンライト350部が着脱可能となっている。ペンライト350側のピボットに接する部分は、小さな凹部が形成されており、位置が定まるとともに、接する面積を少なくすることで、揺動回転時の摩擦を少なくしてある。接地部397は照明装置全体の中で相対的に重く作られており、重心低く安定保持でき、しかもホログラムを接地部よりは5〜45度程度上方から観察できるように調整可能となっている。ペンライト350の内部には、重り393、394が配置されており、回転軸を中心に剛体振り子として揺動する。さらに、重り393、394が磁性体でできており、対抗する置台の支持部392側に、コイルを含む電磁石395、396が配設されており、ペンライト350が剛体振り子として揺動する固有振動数に近い周波数にて電磁石の電流を向きも含めて制御することで、継続的に揺動させることができる。つまり、重り393と対抗する電磁石395が反発するか、重り394と対抗する電磁石396が引合するかのいずれか、または両方が起こるように電磁石に電流を流す時間帯と、その逆で重り393と対抗する電磁石395が引合するか、重り394と対抗する電磁石396が反発するかのいずれか、または両方が起こるように電磁石に電流を流す時間帯とが交互にくるように繰り返し制御すると、上述のような継続的な揺動が実現できる。
電磁石を利用したムーブメントとして、フィギュアを回転して見せる台用途として、太陽電池または乾電池、またはAC駆動により、一方向に定速で回り続け、手で押さえると逆方向にも定速で回転する機構がある。商品例としては、プラッツ、MM考房から発売されている「バッテリータイプ・ターンテーブル」などがある。この機構の例を図53を用いて説明する。(a)は回転テーブル1301と電磁ムーブメント機構本体1302が離間しているときの図で、組み合わされると(b)のような配置となる。通常は、一旦回り始めると同じ方向に回り続ける。外部から力を加えると逆方向にも回るようになっている。本発明において、この機構をある範囲での揺動機構に変換するため、ホログラムの視野角の範囲にてストッパーを設けた。即ち、図53(a)に図示するように、1303ストッパー支持体に複数個の位置決め穴を開け、そのうちの任意の2か所にストッパーa1305とストッパーb1306を嵌合させる。回転テーブル1301を、その裏側の突起物が上述2個のストッパーの間にくるように、回転軸1308を電磁ムーブメント機構に嵌合する。こうすることにより電気回路には何ら変更を加えることなく、定速回転機構を揺動機構に変更することができた。しかも、ストッパーを複数の位置から選べるようにしたため、観察者の位置に応じて、最も良い角度に揺動範囲を調整できるようになった。このストッパーと突起物の両方、またはいずれかは、剛体で構成しても良いが、敢えてゴムやスポンジなどの弾性体とした。こうすることにより、逆転させるための初速を与える力が発生し止まってしまうようなことがなくなったという利点があるほか、ストッパーに当たる衝撃音を低減することもでき、大変有効である。ストッパー位置は、ストッパー支持体1303の複数穴のうちの2つを使用者が選ぶという例を記載したが、電気制御、空気制御などにより、自動制御されるようになっていても良い。さらに、そのストッパー位置は、揺動時に移動させることにより、揺動可動範囲が毎回変わるようにしても良い。
このムーブメントを利用した構成例として、図54(a)を用いて説明する。ディスプレイ1310ではホログラム1311が貼付されたホログラム台紙1312は揺動する回転テーブル1301の上に載っている。ムーブメント機構本体1302に隣接するか、または隣接しなくとも、静止した部材に支持されたLED支持体1314の先に取り付けられたLED1313から回転テーブル1301上のホログラム1311が照明される。光源は固定、ホログラムが揺動することにより、静止している観察者からも動きのある像が観察できる。
別の例として図54(b)を用いてディスプレイ1320について説明する。回転テーブル1301にはLED支持体1314が固定され、その先に取り付けられたLED1313が斜め上に方向に向いている。ムーブメント機構本体1302の一部に固定されたホログラム支持体1315がホログラム1311及びホログラム台紙1312を保持している。光源が揺動、ホログラムが固定されることにより、静止している観察者からも動きのある像が再生できる。
ディスプレイ1320の変形例として、図55を用いて、ディスプレイ1330について説明する。ホログラム1311が貼付されたガラス1321は卓上に置かれることを想定して若干上を向いて保持される。ホログラムのほぼ中心を通る直線を回転軸とするムーブメント機構をホログラムの観察者と反対側に配置する。回転テーブルの代わりにLED支持体を揺動部材とし、LEDをホログラム前面、下方から、ホログラムに向かって照射する。揺動部分のバランスをとるため、LEDとは反対側にバランサー1324が配されている。バランサーは、電池や回路などの機能部品を兼ねていても良い。なお、ガラス1321の表面や背面の一部には光拡散機能が形成されており、ガラス端面または外側から、装飾用LED1325によりホログラムの再生には影響与えないように照射されている。
ここまで説明したように、ディスプレイ1310は光源が固定されていてホログラムが揺動するタイプ、ディスプレイ1320、1330はホログラムが固定されていて光源が揺動するタイプである。ホログラムも光源も揺動機構に載せてもよい。このように観察者が静止していたとして、動きのある画像が見えるようにするためには、、様々なバリエーションが可能である。
揺動機構は、電磁石を使うものとして説明したが、モータを歯車やベルトなどで伝動する機構を作り、モータを正逆反転させても良い。また、モータから偏心カムやリンク機構を介して伝達させることにより、モータが等速一方向回転していても繰り返し揺動させることもできる。モータや電磁石の駆動電源は、家庭用ACコンセント電源からの供給、電池からの供給、太陽電池からの供給など、いろいろ方法を選択できる。
電気駆動を使わなくともゼンマイやバネの弾性力を持ったものを駆動源に用いて揺動させてもよい。さらに、重力のみを利用し、やじろべえのように揺動させても良い。第十三の例について図33を用いて説明する。ホログラム照明装置200は、ホログラム214を含むペンライト部210とそれを置く揺動機構をもつペンライト保持部220により構成されている。ペンライト保持部220は、軸受223、224を介して支持部225とつながり、回転できるとともに、その回転軸中心より若干重心が重力に対して下方に配置されるよう重り221、222が配されている。この機構により、ペンライトを保持部に収めたときゆっくりとした速さで往復運動をする。
上述のように、ペンライト部と置台とを分離できるような構造の例では、ペンライト部を置台にセットした段階で、スイッチが入り、所定の時間点灯したり、所定の時間揺動したりするようにしても良い。また、重力による揺動装置では、人間の手で初動を与えることにより揺動が開始され、静止するまでの間点灯していて、揺動が止まると自然消灯するようにしても良い。光電検出器を設置し、揺動動作により、光電検出器が遮断されたかどうかを見ることにより、この制御は行われる。また、ペンライト部には充電池が内蔵されており、置台にセットされると充電池が充電されるようにしても良い。
第十四の実施例を図32のホログラム照明装置250を用いて説明する。ホログラム251は、10mm〜100mm程度の厚さのガラス板252の表面に貼付されている。ガラス板252は、ケーシング262に装着され、ケーシングが机などに置かれた際にホログラムを正面から見やすいように0度から45度の間でホログラムが上方向を向くようになっている。この角度は調整できるようになっていると好適である。同じケーシングに内蔵されたLED255からホログラムに対し、さまざまな角度から照射される。複数のLEDから照射する他、一つのLEDを電磁力や重力、弾性力などを利用して揺動させてもよい。
一方、ガラス板252の端部から赤、緑、青色のLED256、257、258による光がガラス内部に入射される。ガラス板は、その外形がダイヤモンドカットと呼ばれるさまざまな角度で切削、研磨されていたり、内部には3Dレーザー彫刻されていたりするものを使うと、LED256、257、258による装飾効果が上がる。
ホログラムはガラス板の観察者側に貼付されていてもよいし、観察者の反対側に貼付されていてもよく、さらには、複数のガラス板の間に挟まれるように配置されていてもよい。上述、複数の位置に、複数枚のホログラムが配置されていても良い。異なる位置に異なる光源が配置されており、それらを順次に点灯し、一番目のホログラムを照明する際に背景の光拡散体は青を基調に照明し、二番目のホログラムを照明する際には背景の光拡散体は赤を基調に照明する、というように時系列で異なる装飾、演出効果を与えることもできる。
ガラス板の観察者と反対側、ホログラムが貼付される場合はさらにその奥に、すりガラス状のアクリル材254を配置した。このアクリル材には、表面がレーザ加工により装飾されており、光を当てるとその加工部分が強調されて光る。ケーシング262内蔵された、赤、緑、青色のLED259、260、261により、アクリル材254に照射される。このように、ホログラムが貼付されている基材の内部または外部から光を照射し、ホログラムの装飾性を上げることが可能である。
ガラス板252の一部には、時計253が埋め込まれている。図示したようなアナログ時計に限らず、デジタル表示時計、温度計、湿度計、カレンダー、フォトディスプレイ、液晶ディスプレイなど、またそれらのうちの幾つかが配置されていても良い。
ガラス板252は、ガラスではなく、アクリル、ポリカーボネイト、ポリスチレンなどの樹脂材料、蛍光材料が含まれた上述材料などであってもよい。
上記、第一乃至第十四の全ての実施例において説明してきたように、光拡散体に入射させる光源と、ホログラム照明用の光源とは同一であっても良いし、別であってもよい。別である場合でも、電池など電力供給部分を共通化させた上で、電力消費量を抑えるため、ホログラム照明時と非照明時とで、光源に供給する電力量のバランスを変えている。
光拡散体を光らせる光が強すぎるとホログラム像が引き立たないため、ホログラム観察時のみには光拡散体を光らせる光を弱くするなどの連動を行っている。即ち、スイッチを入れると、まず、光拡散体が赤、緑、青のそれぞれのLEDが順次に異なるタイミングで明るく光ることにより、いろいろな色や明るさで光った後で消灯、ホログラムを照明する白色LEDがまず一個点灯、その後、ホログラムを照明するLEDが複数個、順次に点灯し、その後ゆっくりとホログラム照明のLEDが暗くなるとともに、光拡散体を照明する赤、緑、青のLEDが若干明るくなり、全LEDが消灯する、といったように、時間とともに変化するライティングの演出を施しても良い。
上記の実施例において、ホログラムの最適照明角度に合わせた、装置の所定の角度として、45°の場合を例に挙げた。即ち、上記ホログラム支持部を照射する状態において、上記光源と上記ホログラムまたはホログラフィックステレオグラムの中心とを結ぶ線と、上記ホログラムまたはホログラフィックステレオグラムの面の法線とのなす角度が、観察者に対して上方45°、または、下方45°に設定したが、これに限定するものではない。好ましくは、上記の角度は、上方40度から70度の間、または下方40度から70度の間の特定の角度を保つようにして支持するのがよい。40度より小さい角度であると、観察時に光源が目に入りやすくなり好ましくない。70度より大きい角度であるとコンパクトな照明装置となる一方、ホログラム表面での表面反射が大きくなり、ホログラム像を明るく鑑賞することが難しくなるからである。
上記の実施例において、光源からの光が、遮光も吸収も拡散もされずに観察者の眼に到達すると眩しくて観察を妨げるため、光源近傍観察者側に、図示しない遮光体、吸収体、拡散体など、あるいはそれらが組み合わされたものが配されている。
図35を用いて、第十五の実施例について説明する。ペンライト400は、手持ち部410とその手持ち部にねじ込み固定される透明円筒420から構成される。手持ち部410には、図示しない電池、円筒軸方向に出射するように配されたLEDなどの光源、発光制御回路、スイッチなどが内蔵されている。円筒420と嵌めこまれる部分にはペットボトル飲料のキャップ部に類似するような雌ネジが形成されており、それに合うピッチの雄ネジが切られた円筒420とは回転しながら挿入することにより取り外しが可能、かつ、しっかり固定できるようになっている。
円筒420の内部、手持ち部に近い部分には光拡散シート430などが挿入される一方、手持ち部から遠い先端部は、先端部から挿入され固定可能なキャップ440が配されている。キャップ440は、図36に示すように、440−a、440−bで構成され、これら2部品の間にスロット450、460が設けられている。スロット450には円形状鏡455、スロット460にはホログラム465が挿入され、440−a、440−bを合わせることにより、固定される。ホログラム465は長方形をしており、四隅のうち、三か所はR1mm、一か所のみC2mmの形状をしており、スロット460には相当する形状で作られているため、上下逆あるいは表裏逆に挿入しようとすると、キャップ側C2mmの隅角にR1mmのホログラム媒体は収まらないため、逆差し防止機能を果たしている。
また、ホログラム媒体は単体で観察される可能性もあるため、図14に示したような推奨観察条件がシンボルマークとして印刷されている。シンボルマークとしたことにより、世界各国の異なる言語を話す人でも、老若男女に関わらず、直感的にわかりやすい。
鏡455、及び、ホログラム465を装着し、キャップ440−a、440−bを合わせた状態で、図37に示すように、円筒420の先端部から挿入し、円筒420に加工されている穴421と、キャップ440に加工されているねじ穴用下穴部441とを合わせて、ネジにて固定すればペンライト全体を振り回しても各部品が外れるようなことはないようになっている。円筒420とキャップ440との固定方法は、ネジで固定せずとも、円筒420とキャップ440との接合部全周に形成されたネジを嵌め合わせることにより固定したり、同様の2部品に円周方向に回してロックされる構造を形成しておき固定したりしても良い。
キャップ440は、440−a、440−bとを合わせたときに開口部が形成されるようになっており、手持ち部に内蔵された光源が点灯すると、円筒420内部でホログラム前面を通り先端部に形成された反射鏡455により所定の角度に反射された光がホログラム465を照明し、円筒420を通してホログラム465を観察できるようになっている。
円筒420にはホログラム観察用開口部を設けても良く、その場合は円筒による画像歪は生じないが、開口部を通じて中に異物が入ってしまったりする不都合もあるため、光は通すアクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ガラスなどの無色透明材料で平面性を上げることにより、画像歪の少ない像再生をするようになっている。
円筒420の内部と外部の面は曲率をもつため、レンズ効果が出るが、これら曲率が既知で、ホログラムが固定される位置も既知であれば、ホログラムとして記録される画像をあらかじめ画像処理等で補償しておくことも可能である。
開口部にはキズなどがつかないようにハードコートを施しておくこともできる。
図38に図示するように、キャップ440のホログラムが固定される部分の、観察者とは反対側も開口にしておくこともできる。その場合、ホログラムの基材が透明であると、光源が点灯していないときには、素通しで円筒の向こう側が見え、光源が点灯されると透明部分から像が浮かび上がる効果を出すことも可能である。
ホログラム手持ち部410に内蔵された光源が3W−LEDなど高輝度タイプとなると、拡散も吸収もされないまま、大きな光量が人の目に当たると眩しさを感じることになる。そこで、光源からの光が例えば5mm角以上の面積で拡散されないままペンライト部から外部に漏れることがないように、拡散部材、吸収部材を配している。例えば、第六の実施例で説明したように、ルーバーフィルムのような異方性吸収体、ルミスティのような異方性拡散体を、ホログラムの観察者に対しての反対側のみならず、観察者側の光学的開口部にも配置した。観察者側の光学的開口部は、ホログラムを観察する窓にもあたるため、観察領域ではホログラムの画質を劣化させることはすべきではない。このため、観察角度領域では、全光線透過率60%以上、ヘイズ値20以下、望ましくは全光線透過率80%以上、ヘイズ値10以下となる材料で構成した。
また、これら光学的開口部は単純な透明樹脂またはガラス素材のままとして、遮蔽体または拡散体により無拡散光が開口部から出射するのを防止した例を図38、図39に示す。即ちペンライト401において、キャップ部440の光源側には、遮蔽部材469を設け、アパーチャー機能を持たせ、ホログラム照射に必要なギリギリの大きさに開口を制限し、遮蔽した。光源471の大きさ、指向角制御レンズ472、ホログラム465の照射領域を結ぶ光線追跡により幾何学的に求めた。
また、反射鏡455からの反射照明光が背面の開口部から外に漏れる場合、手持ち部方向に戻る光であるため、一般的には観察者によりブロックされる場合が多いが、念のため、円筒外部にも遮蔽部材470を設けた。遮蔽部材は必ずしも不透明である必要はなく、全光線透過率50%程度の部材や拡散性のある部材などであっても良い。円筒外部に遮光部材を設けた別の例を図40、ペンライト402を用いて説明する。装飾目的のカラー432、433の外径を大きくしておくことで、物理的に開口部から手持ち部内部の光源を覗き込むことはできないようになっている。即ち、光源から発せられた光が、直接光、反射光として開口部から外に出たとしても、これらカラー432、433が遮光板となって、意図せず人の目に到達することはなくなる。円筒外部に設けられたカラー432、433や、遮蔽部材470は、単に遮蔽する目的だけではなく、ペンライトを机などにおいて鑑賞できるためのスタンドの蝶番部材、ストラップの取り付け部材などを兼ねていても良い。
外部に光が漏れないようにするために、偏光板を用いた例403を図41を用いて説明する。
LED等の光源471から発せられた光は指向角制御レンズ472に透過したあと、第一の偏光板480を通過することにより偏光成分の揃った光がホログラムまで照射され観察に寄与する。その後、ホログラム基材が透明であると、観察者に対して後ろ側の開口部から出射されるが、その手前に第二の偏光板481を配しておけば、その配置角度を適正に考慮することにより、外部への出射光を抑えることができる。光源にLEDではなく、レーザーなど偏光面が揃ったものを使う場合は、第一の偏光板は不要とすることができる。
キャップ部440の先端部にはストラップを取り付けたり、フックに引っ掛けられたりするような貫通穴が設けられていても良い。こうすることにより、簡易包装のまま、上下を反転させずに商品陳列しやすいという利点がある。
ペンライトは、複数のホログラムや、複数のキャップ部を収納できるようになっていても良い。観察者は、複数のホログラム像を取り換えて鑑賞することが可能となる。
ペンライトは、手持ち部が一つであっても先端に複数の円筒部分が配されていても良い。3つの円筒部分があり、それぞれにホログラム、その照明光源等を持つペンライトの例404を図42に示した。開口部が他の円筒によって妨げられないように、外側を向いている。2つの円筒部分を並べる例では、同時に2つのホログラムを鑑賞できるように同じ方向を向いていても良い。それぞれに光源がついており、同一制御回路により順次、または同時に点灯、点滅などさせても良い。また、光源は一つのみ配し、観察者の意思で回転させた後、保持させるような構造にしてもよい。
ペンライト401乃至404に説明した実施例は、観察者にとっては、光源がホログラムよりは下にある状態で観察するが、ホログラム単体としてみれば、鏡で反射した光で斜め上から照射されるので、ホログラム自体の推奨参照光角度が57°である場合、図46(a)のようなシンボルマークが印刷されており、ペンライト401〜404にも取っ手部の裏、またはキャップ部の一部に小さく、同様の図46(a)のシンボルマークが形成されている。そのため、ホログラムとその再生用ペンライト本体とが分離した状態で存在し、ホログラムを入れ替える場合、例えば図46(b)のようなシンボルマークが印刷されたホログラムがあったとしてそれをペンライト401のように装着しても鑑賞はできないということを、使用者は予め知ることができる。このようなシンボルマークが無い状況では、装着してみないとわからない事態となり、混乱のもとであったため、シンボルマークを付した効果は大変大きい。
ここまで、ペンライトの円筒先端部に配した反射鏡にて光源からの光を反射させ、円筒軸とは略平行になるように配置された面を持つホログラムを照射する例を中心に述べてきたが、ホログラム面と円筒軸とは必ずしも平行である必要はなく、やや下や上から見るような配置にしてもよい。円筒先端部のミラーをなくして、手持ち部側から見るようにしたペンライト405の例を図43、図44を用いて説明する。図43において、透明円筒420の先端に挿入されるキャップ442には、図44に示すように円筒軸をほぼ中心として、円柱を斜めに切断したような面が形成されており、その面にホログラムが貼付または密着固定されている。円筒軸とホログラム面とがA°の角度を以って固定されているとき、観察者から下方(90−A°)で照明されることを前提に作られたホログラムを最も好条件で再生することが可能である。例えばA=32とすると、ホログラム面の法線に対しては、58度の開きをもった角度から照明するとホログラムの法線方向中心に像が再生される。円筒内部には、ほぼ全周にわたりホログラム再生に寄与しない光を拡散するように拡散シートが配されているが、ホログラムを観察できる視域の分だけ円形状にくり貫き、光学的開口部431を形成した。
ペンライト405には、図46(b)のようなシンボルマークが形成されている。これは、ホログラムを単体で見たときに、下斜め58°から照射したときに正しく見えるようなホログラムの再生専用装置であるからである。一見ペンライト403と405は、いずれも、光源は観察者の下側から照射する装置であるが、装着されるべきホログラムに求められる条件は全く異なるため、図46のようなシンボルマークを、ホログラム媒体、再生装置、いずれにも記載しておくことは大変有用である。特に、基材が透明であるホログラムの場合は、本来照射する方向とは媒体とは表裏逆に入れても光ってしまうが、再生像は奥行と手前とが逆転したものになってしまうため、通常の印刷物よりかなり混乱を招きやすい。ホログラム媒体と再生装置とに共通するシンボルマークを記載したことにより、混乱をなくすことができた。
ペンライト405のような角度でホログラムを配置すると、図で490の方向に回折像はできて観察されるが、同時に光源から拡散しないでホログラムまで到達した光が、ホログラム媒体表面で正反射方向491に表面反射を起こす。この表面反射が開口部から外に出ると眩しすぎる場合があるので、ホログラム媒体面に反射防止膜を形成したり、モスアイ構造としたりしてもよい。また開口部に光学異方性吸収体、または光学異方性拡散体を配することにより、観察方向490方向には透過率を高くし、正反射の491方向には遮蔽または拡散するようにできる。光学異方性吸収体とは、例えばルーバーフィルムで開口角度がオフセットしているようなものを使用すれば良い。
ペンライト400乃至405に例示したようなペンライトは、手持ち部分のみは、市販のペンライト、懐中電灯などをそのまま使うことができる。即ち、充電池を含む電池、LEDなどの光源、スイッチ、電気制御回路などを有する手持ち部に対して、照明光を照射する開口部と、ホログラムを観察するための光学的開口部と、ホログラムの照明に寄与しない光の一部を透過拡散させる拡散部材を有するものをホログラム媒体として提供すれば、それまでのペンライトや懐中電灯の機能に加え、ホログラムを簡便に観察できる機能を付加することができる。
上述ホログラム媒体に、さらに反射鏡を加えると、市販のペンライトでは手持ち部の略円筒軸方向にしか出射できなかったように自由度の少ない照明光に対して、照明装置としての商品設計自由度を大幅に向上させることができる。ホログラムは予め製造時に決められた照明角度が存在し、その方向から照射しない限り観察できないからである。ホログラム媒体として、照明光入射部、観察開口部、反射鏡などを一体化したことにより、ホログラムの基礎知識を持たない人にとっても間違いなく良好な状態で観察できるようになった。
第十六の実施の形態として、音声再生機構を組み込んだ例を、図47箱型ホログラム再生装置1000を用いて説明する。箱型形状をしており、蓋部分1001を開くと蓋の裏に貼付されたホログラム1002に、本体1003に内蔵されたLEDが斜め下、所定の角度から照射される。本体には、音声データ格納装置、音声データ増幅回路、スピーカー1004、電池1006、LED、電子回路基板1007などが内蔵されている。本体の目立たない位置にマイクロスイッチ1005が配されており、蓋がしまった状態ではスイッチが押されており、いわゆる電源は切れた状態となっている。蓋が開けられると、スイッチが開放位置まで動くことにより、電源が入る。蓋1001は図示しないストッパーにて所定の角度γ、例えば115°にて固定される。LEDは複数個、例えば7個異なる位置に予め配されており、それらを順次点灯することにより、止まっている観察者に対して、ホログラム像が動いているように見せることが可能となる。LEDとホログラムの位置関係は、ホログラムのほぼ中央から法線に対して角度α、例えば58°の方向に中央のLED、L4が配置されて、このホログラム中心と中央のLED、L4とを結ぶ線を含む面上の近傍で、異なる角度でホログラム中央を見込むように、L1〜L3、L5〜L7が配されている。
蓋1001には、適合するホログラムの再生条件を示すシンボルマーク1008が記載されているため、ホログラム1002を別の画像に交換して装着または貼合する場合でも、ホログラムが適合せずに観察できないというようなことは起こりえない。
電源が入った後の制御は様々なバリエーションが可能であるが、例えば、一旦全てのLEDが消灯した後、順にL1、L2、L3、L4、L5、L6、L7と点灯されることにより、ホログラムに対してほぼ中央法線方向から観察している人の目には、図48のL1〜L7の順に記録済画像のホログラム画像のフレームが再生されることになる。ホログラフィックステレオグラムの画像ソースとして、一つのビデオカメラで被写体との相対移動で撮影された視差画像列を用いるとして、撮影時の数秒間で、例えば人物が「こんにちは」というメッセージを発し手を振る場面を記録した視差画像列であったとする。この視差画像列から作成されたホログラフィックステレオグラムを固定光源で照明した場合、観察者が左右に動くことにより「こんにちは」と口を動かし手を振る画像が再生されるが、その再生速度は観察者の動き方で決まり、同期させることは難しい。本発明において、複数のLEDなどの光源が順次点灯される場合、または、一つの光源がホログラムに対して滑らかに相対移動する場合は、その点灯制御のスピードを、撮影時の音声再生スピードとを同期させることにより、あたかも人が音声を発しているかのように、音声に合わせて動画像を再生することができる。
連続画像を同期させる例を説明したが、離散的な画像が入力されていると、さらに効果的なディスプレイを構成できる。その例を図48、49を用いて説明する。ホログラフィックステレオグラムのほぼ中心の法線方向から観察している前提で、L1から照明されたときにだけ、ある歌詞と同期した言葉の文字表現を含む画像がホログラムとして再生され、L2乃至L7の光源が点灯したときには、連続的な立体像が再生されるものとする。照明装置に内蔵された音声再生装置から音楽を再生する際、L2乃至L7が順次往復点灯しており、歌のサビに達した時、L1のみ光らせると、効果的な演出効果を出すことができる。
別の例としては、ホログラフィックメトロノームを構成することができる。即ち、指揮者の動きのある視差画像をホログラフィックステレオグラムにしておき、クリック音と同期させてLEDの照明を順次点灯させれば、指揮者の動きとタイミングがあった拍のクリック音が聞こえることになる。単純化のため、4拍子のメトロノームを16の視差画像の指揮棒の動きをホログラフィックステレオグラムにて制作したものがあるとする。LEDを左右16個並べて、それぞれL1〜L16とする。L1〜L16を等時間間隔で順次点灯する際、L1、5、9、13が光るタイミングでクリック音が鳴るように制御する。
LEDを多数配置するのではなく、一つのLEDをホログラムに対して相対的に動かす場合にも同様に、動きと同期して発光制御すれば、同様の効果は得られる。むしろ、100枚以上の視差画像を入れた場合は、画像の動きは滑らかさが増し、視覚効果は上がる。
光源の発光と音声のタイミングを同期制御する場合、観察者の視点が変わると厳密には調整が必要である。例えば、ホログラムの法線方向から観察されることを想定して音声のタイミングを制御していて、観察者が左、または右に、ずれていた場合は、画像よりも早めに音が鳴ったり、その逆だったりすることになる。この調整をするために、観察者の目の位置情報を位置検出装置により検出し、音声再生タイミングを早まらせたり遅らせたりするようにした。観察者の目の位置情報の検出は、装置側に撮像装置を搭載し、撮像された画像を元にした画像処理にておこなったが、それ以外の方法でも検出できれば適用できる。また、再生装置本体に図示しないボリューム等の入力装置が搭載されており、観察者自らが調整するようにしても良い。
第十七の実施例として、クリスタルガラスの置物の例を図50、図51に示すデスクトップ照明装置1100を用いて説明する。表面にホログラム1102が貼付されたガラス1101は、ガラス支持体1108によってテーブルなどの上に置くことができる構造となっている。ホログラムの観察者側下方には、ホログラムを所定の照明するためのLED1104が15個、2列で円弧上に保持されていて、それぞれホログラムのほぼ中央を向くようになっている。これはフレキシブル基板1109にホログラムが半田付けで固定されており、そのフレキシブル基板が、2枚のLED基板保持体に形成されたスリット部に嵌合されるため、精度も良く、簡便に固定できている。LEDを2列に配置した理由は、ホログラムの再生輝度を高めるためである。通常、ホログラムを複数の光源で同時照明するとそれぞれの再生像が重なり多重像でぼやける原因となるが、横方向に視差をもつホログラフィックステレオグラムの照明には視差と直交する方向に並べる分には多重像にはならない。画質を劣化させずに輝度を上げることに寄与できるため、この例のように2列、またはそれ以上の複数列で同時照明することが効果的である。ガラスの観察者とは反対側には、半透明のアクリル板を背面化粧板として配しており、ガラス支持体1108の内部に配された背面化粧板用の照明1106により装飾効果の照明がなされる。
第十八の実施例として、図52に示すようなパチンコ遊技機1200について説明する。パチンコ遊技機1200は、図示しない多数の釘が植設された遊技盤1201を備え、前面の開口はガラス板1203により覆われている。遊技盤1201の中央には、パチンコ機のゲームに関連する数字やマーク等の可変の画像情報を表示する液晶などによる表示装置1204が設けられている。液晶表示装置1204の手前、即ち遊技者側には、透明な基材のホログラムが配されており、遊技中、例えば「大当たり」状態になったときなどに、所定の位置に設置された発光ダイオード(LED)1205がホログラムを照射することにより、記録済のホログラムから立体像が浮かび上がる。所定の位置とは斜め上方でも良いが、上方には遊技場の照明などが多く、そこからの照明光により、意図しないホログラム像が再生されてしまうことを避けるため、ここでは観察者の目線よりは下方から照射するホログラムを設置している。好ましくは、観察者に対して下方40度から80度の間の特定の角度を保つようにした。
基材が透明であると、あたかも何もなかったところに立体像が浮かび上がることになるので演出効果は上がる。遊技盤1201にはホログラムを照射しないが演出的効果を出すために、拡散体を照明するLED1206が配されているが、それらはあくまでも拡散体を照明するものであって、ホログラムには照明しないような位置にあり、ホログラムを照明し再生する場合のホログラムの回折光強度に比較し、1/10以下の強度の像しか再生しかしないようになっている。
ホログラム像は照明により再生されるが、基材が透明である場合、背景が明るい場合は、ホログラムのコントラストが著しく悪くなる。ホログラム像が黒をだしていても、背景の液晶ディスプレイに白が光っていると、ホログラム像が埋もれてしまうからである。よって、ホログラム像を積極的には再生させず、液晶表示装置1204のみを見せる第一の状態とし、ホログラム像を積極的に再生させる第二の状態とを切り替えて表示することにし、第一の状態と第二の状態とでは液晶表示装置1204に表示する画像を変化させた。ホログラム像をコントラスト良く再生させる第二の状態のときには、背景となる液晶表示装置の表示内容を暗くする、または補色を表示するようにする。望ましくは、ホログラム像を表示する際には、遊技盤のほぼ中央から遊技盤の法線方向に観察者の目があると仮定して、その目の位置とホログラム面を結ぶ領域の後方にあたる液晶ディスプレイの部分は、最高輝度の1/3以下の輝度に抑えた。ホログラム像が赤を表示している部分の背景にはシアン、緑を表示している部分の背景にはマゼンタ、青を表示している部分の背景にはイエローを液晶表示装置に表示していると、ホログラム像はクリアに見えたので、補色を背景に表示する効果はある。
ホログラム媒体は、基材が透明であっても、ホログラム記録材料の増感剤色素が残っていたりすると、若干の着色が残っている場合がある。また、リップマン型ホログラムの場合、所定の角度から照明されない限りホログラム像の回折はなされないが、干渉縞は形成されているのでなんらかの不均一性や材料の濁りなどが見えることがあり、第一の状態で液晶表示装置の表示画質を劣化させる懸念は払拭しきれない。そこで、第一の状態のときには、ホログラム媒体そのものを液晶表示装置1204の前面ではない部分に移動させることにした。パチンコ遊技機1200の例では、ホログラム媒体を無色透明な長尺状フィルムの上に支持し、液晶表示装置1204をを挟んで離間するローラー1209間に張られている状態で保持し、第一のディスプレイ表示状態ではホログラム媒体を液晶表示装置の前面からは外れる位置にまで移動させ、第二のホログラム再生状態のときのみ、ホログラム媒体を液晶表示装置の前面に移動させるようにした。
なお、第一の状態でホログラムを見えない場所に隠した上で、第二の状態でホログラムを遊技台内の見える場所に移動させる手段としては、上記のようなローラー間での巻き上げ機構である必要はなく、例えば、ホログラムが1mm〜5mmくらいのプレート状に形成されており、第一の状態にのみ、そのプレート自体がアクチュエータにより遊技盤背後など、目立たない位置に格納されるようになっていても良い。
ホログラムと光源が相対的に動くと、観察者にとってはホログラム像が動いて見えるが、上記のようにプレート状ホログラムを移動させるアクチュエータがあれば、ホログラムを照明しながらホログラムを動かすことにより、演出効果を高めることができる。
さらに、パチンコの遊技者は、ほぼ固定位置からの観察すると想定できるので、音声情報の再生と同期させたり、液晶表示装置に表示する映像とを同期させたりするのも容易である。
液晶表示装置1204正面からの観察は妨げずに、ホログラム1202を照射する第二の状態のときに、ホログラムとその照明用光源1205とを結ぶ光線が液晶表示装置1204の表面に到達しないようにルーバー構造をもった光学部品を該ホログラムと該液晶表示装置の間に配置した。これにより、ホログラム用の照明によって、液晶表示装置が光って見づらくなるようなことはなくなった。
以上、この発明の第一乃至第十八の実施の形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、第三の変形例として、基本構成は第三の実施例と同じであるが、導光拡散体を放射状の骨格をもつ、うちわ形状にしてもよい。
また、例えば光源の電池を交換可能としたり、光源は交換できるようにソケット式にしたりしてもよい。
また、電池は商品展示したり、店頭のPOP(Point of purchase advertising)として使ったりする場合は、電池だと長時間の展示で電池を交換しないとならないため、ACアダプタ変圧器を介して、コンセントから電源供給してもよい。
また、充電池を搭載し、AC電源やUSB端子を搭載した上でPC(Personal Computer)などから充電した上で、常時コンセント等につながなくても動作させられるようにしてもよい。さらに、USB端子により、本照明装置から、他の携帯情報端末、スマートフォン、PCなどを充電できる機能を付加しても良い。
また、太陽電池を内蔵して、乾電池やボタン電池を不要としても良い。
光源はLEDを例として挙げたが、クリプトン、キセノン、ハロゲン、などのランプ、レーザー、蛍光灯、あるいは、有機ELなどの自発光素子でも良い。第一乃至第三の実施例では、LEDは、赤、緑、青の3種、一個ずつ内蔵させた例を記したが、白色LED一個でもかまわない。
光拡散体の基材は、ガラスやレーザー加工性の良いアクリル・キャスト材などが好適であるが、それに限らず、ポリカーボネイト、ポリスチレンなどの高分子樹脂材料であってもよい。また、各種蛍光体、ブラックライトで光る材料などで部分的にでも作られていれば、LEDの発光波長と、必ずしも同一の色ではない視覚効果を得ることも可能である。
また、ホログラム支持体に備えられるものは、カード式のものに限定されるものではなく、ホログラムを有し、観察できる状態で保持されるものに適用でき、キーホルダやシールなどであってもよい。
さらには、上述の実施の形態においては、観察者の意思があれば、自由にホログラムカードなどをホログラム支持体から分離できる例や、再剥離不可能な接着剤や画面テープなどで固着されている例を説明したが、初期には、一枚だけホログラムが再剥離不可能な形で固着されており、観察者の意思により、その上に重ねて別のホログラムを装着できるようにしてもよい。
複数のホログラムを照明装置に格納できるようにしておき、順次に観察者の意思でホログラム支持部にホログラム媒体を装着して観察するようにしてもよい。
本照明装置には、集音マイクが内蔵されていても良い。特に、第八の実施例の形状で、音声を集音できれば、カラオケなどのマイクとしても活用可能である。
本照明装置には、通信機能をもっていても良い。光り方の制御、点灯、点滅、消灯などを外部から制御することもできる。複数の照明装置を同時制御することも可能である。音楽や環境音、様々な演出に合わせて光制御することも可能である。
本照明装置には、赤外線、超音波、可視光などを利用して周囲温度と温度差のあるものが本照明装置近辺で動いたときに、その温度変化を検知する人感センサーや音に反応するセンサーなどを内蔵し、観察者がいるときだけ、ホログラム観察用の光源が点灯したり、揺動したりし、観察者がいないときには消灯し動きも止めることも可能である。
本照明装置には、吊り下げやすい鉤形状部品やが付属していたり、貫通穴が加工されていても良い。こうすることにより、クリスマスツリーなどの飾りとしての使用したり、キーホルダーやストラップなどを取り付けたりすることも可能となる。