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JP6696495B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Download PDF

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JP6696495B2 JP2017223454A JP2017223454A JP6696495B2 JP 6696495 B2 JP6696495 B2 JP 6696495B2 JP 2017223454 A JP2017223454 A JP 2017223454A JP 2017223454 A JP2017223454 A JP 2017223454A JP 6696495 B2 JP6696495 B2 JP 6696495B2
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Description

本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関する。
近年、環境問題への意識の高まりから、自動車に対する二酸化炭素の排出規制が厳しくなっている。また、自動車の衝突安全性の規制も強化されるなど、従来以上に車体の安全性が求められている。そこで、軽量化と強度向上を両立させるため、自動車メーカ各社は、車体への溶融亜鉛めっき高張力鋼板の適用拡大を推進している。
溶融亜鉛めっき鋼板は、以下の手法によって製造される。冷延後のコイルを、連続式溶融亜鉛めっきライン(Continuous galvanizing line:CGL)に通板させ、最初に、予熱炉内で母材表面の油分の燃焼除去を行う。その後、酸化性雰囲気または還元性雰囲気で加熱を行い、鋼板を再結晶させる。さらに、酸化性雰囲気または還元性雰囲気で、鋼板をめっきに適した温度になるよう冷却を行い、溶融亜鉛へと浸漬させる。
鋼板の高張力化には、Si、Mn、P、Alなどの固溶強化元素の添加が行われることが多い。特に、Siは添加コストが他の元素と比較して低く、かつ鋼の延性を損なわずに高強度化できる利点がある。そのため、Si含有鋼は高張力鋼板として有望である。しかし、Siを鋼中に多量に添加すると、以下の問題が生じる。
高張力鋼板は、還元雰囲気中で、600〜900℃の温度域で焼鈍される。SiはFeと比較して易酸化元素であるため、この時に、Siが鋼板表面へ濃化する。その結果、鋼板表面にSi酸化物が形成され、このSi酸化物が亜鉛との濡れ性を著しく悪化させ、不めっきを生じさせる。
さらに、Siが表面に濃化すると、亜鉛めっきが付着したとしても溶融亜鉛めっき後の合金化過程において、著しい合金化の遅延を生じる。その結果、生産性が悪化する。
このような問題に対して、直火バーナーによって加熱帯で鋼板を加熱し、鋼板表面に酸化膜を形成した後、還元焼鈍で鋼板表面に還元鉄を形成させることによって亜鉛との濡れ性を改善する手法が特許文献1に開示されている。特許文献2では、直火バーナーを使用して、加熱帯の雰囲気の酸化性ガス(O、CO、HO)の濃度を規定して、酸化膜厚を均一に保つ手法が開示されている。
また、過熱蒸気を利用して鋼板を焼鈍する技術が特許文献3に開示されている。
さらに、Si添加鋼の内部酸化量確保を目的として、焼鈍炉の一部で過熱水蒸気を鋼板表面に噴射する技術が特許文献4に開示されている。
特開平4−202630号公報 特開平6−306561号公報 特開平9−241734号公報 特開2014−122390号公報
特許文献1では、加熱帯で直火バーナーを利用し、鋼板表面に酸化膜を形成させている。火炎温度は空気比に影響を受けることが知られており、制御上不可避的な空気比変動によって火炎温度が変化するため、その影響を受けて、鋼板温度が変化する。その結果、コイルの長手方向で鋼板温度が変化し、酸化量が一定とならないため、不めっきや過剰な酸化膜が炉内のロールにピックアップするといった問題が生じる。
特許文献2では、炉内雰囲気を直接制御するために、直火バーナーの燃焼ガスとは別に、ガスを炉内に導入して、雰囲気の制御を試みている。この手法では、直火バーナーの配置に起因して、鋼板に温度ムラが生じる。そのため、特許文献1と同様に最終的な酸化膜がコイルで均一とならず、不めっきやピックアップが生じる。さらに、酸化性のガスは3種(O、CO、HO)存在するため、炉内の酸素ポテンシャルを制御するためには、3種のガス濃度を管理しなければならず、複雑な制御システムを構築する必要がある。これに加えて、加熱帯では、下流から上流へのガス流れが存在するため、直火バーナーの燃焼ガスと別途導入したガスの混合が十分に行われず、炉内雰囲気が均一とならないため、不めっきやピックアップが発生する。
特許文献3では、過熱蒸気で鋼板を過熱する際の蒸気圧力(0.5〜5kg/cm)、蒸気温度(150〜500℃)および加熱時間(5〜60分)が規定されている。この手法で鋼板を加熱すると、鋼板の熱容量が変化した時に加熱炉出側の鋼板温度が大きく変わるため、鋼板表面に形成される酸化膜が過小または過大となり、酸化膜の一部が鋼板から剥離して、ロールにピックアップするという問題がある。
特許文献4では、過熱蒸気を利用した加熱帯において、鋼板温度の制御性に乏しく、鋼板表面に形成された酸化膜が均熱帯のロール表面にピックアップする可能性があるという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、直火バーナーを使用せずとも、めっき品質に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、直火バーナーを使用せずに、加熱帯出側の鋼板温度を制御しやすく、また、ライン速度や鋼板の板厚が変化した場合であっても、加熱帯出側の鋼板温度を一定範囲内に制御することが可能な鋼板の加熱方法について鋭意検討を行った。その結果、オールラジアントチューブ型の連続式溶融亜鉛めっき設備の加熱帯において、過熱水蒸気により鋼板を加熱するとともに、加熱帯のゾーンを分割し、各ゾーンの過熱水蒸気温度を制御することで、加熱帯出側の鋼板温度を制御し、めっき品質の良い鋼板が製造できることを見出した。
本発明は上記知見に基づくものであり、その特徴は以下の通りである。
[1]加熱帯と、均熱帯と、冷却帯とがこの順に配置された焼鈍炉と、前記冷却帯に隣接した溶融亜鉛めっき装置とを有するオールラジアントチューブ方式の連続溶融亜鉛めっき製造設備を用いて、溶融亜鉛めっき鋼板を製造する溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、前記加熱帯は鋼板長手方向に複数のゾーンに分割されており、前記加熱帯に熱伝達係数が100〜400W/(m・K)となる過熱水蒸気を投入し、かつ前記加熱帯の複数のゾーンにおいて、前半のゾーンより後半のゾーンの過熱水蒸気温度が低くなるように前記加熱帯の各ゾーンの過熱水蒸気温度を制御し、前記加熱帯出側の鋼板温度Tを400〜700℃にすることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[2]前記加熱帯のゾーン数がn(nは整数)の場合、下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とする[1]に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
Figure 0006696495
Figure 0006696495
ただし、
n:加熱帯のゾーン数。ただし、加熱帯上流側から下流側に向けて、第1、第2、第3・・・第nゾーンとする。
:加熱帯出側の鋼板温度(℃)
:第i加熱帯(i=1、2、3・・・n)の過熱水蒸気温度(℃)
α:過熱水蒸気の熱伝達係数(W/(m・K))
とする。
[3]100℃を超える温度に加熱した鋼板を前記加熱帯に搬送することを特徴とする[1]または[2]に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[4]前記加熱帯の下流側で、かつ均熱帯へ搬送される前に、還元雰囲気中で鋼板を加熱することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
本発明によれば、不めっきやピックアップ疵のない美麗な表面外観を有する優れた溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。本発明は、溶融亜鉛めっき処理が困難である高Si添加鋼板を母材とする場合に特に有効であり、高Si添加溶融亜鉛めっき鋼板の製造におけるめっき品質を改善する方法として有用である。
図1は、本発明の一実施形態に係る加熱帯および均熱帯の概略図である。 図2は、過熱水蒸気噴霧ノズルの配置を示す模式図である。
以下に、本発明の実施形態について、図1に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る、オールラジアントチューブ式の連続式溶融亜鉛めっき設備100における加熱帯1および均熱帯2の概略図である。なお、均熱帯2の下流には、冷却帯、溶融亜鉛めっき装置、合金化処理装置などが配置される(図示しない)。均熱帯2、冷却帯、溶融亜鉛めっき装置、合金化処理装置などは特に限定されず、通常採用されているもので良い。
鋼板Sは連続式溶融亜鉛めっき設備100において、熱処理を施される。加熱帯1は複数のゾーンに分割されている。なお、図1においては、第1ゾーン1Z、第2ゾーン2Zに分割されているが、この実施形態に限られるわけではない。
加熱帯1の第1ゾーン1Z、第2ゾーン2Zには、過熱水蒸気発生装置3が接続されている。過熱水蒸気発生装置3の入側には配管4が接続されており、配管4を介して水が過熱水蒸気発生装置3に投入される。投入された水は所定の温度まで昇温されて過熱水蒸気となる。その後、過熱水蒸気は過熱水蒸気配管5により輸送されて加熱帯1の第1ゾーン1Z、第2ゾーン2Zに投入される。なお、輸送中に過熱水蒸気の温度が低下しないように、配管加熱装置6により過熱水蒸気配管5は加熱され、過熱水蒸気の温度が一定に保たれるようになっている。これにより、加熱帯1に投入される過熱水蒸気の温度が一定となり、温度ムラが生じることなく鋼板Sを加熱することができる。
また、加熱帯1の第1ゾーン1Z、第2ゾーン2Zにおける下流側には、過熱水蒸気を回収する回収用配管7が接続されており、回収用配管7から過熱水蒸気発生装置3へ過熱水蒸気が循環する仕組みになっている。
加熱帯1の下流側には、還元帯8が設置されていてもよい。還元帯8には、還元性ガスであるHNxガス配管9が接続されており、還元帯8にHNxガスが投入される。また、HNxガスの排気系統を確保するために、還元帯8の下流側にはHNxガスの排気配管10を設ける。なお、還元性ガスであればHNxガス以外のガスを用いても良く、例えばCOガスを用いてもよい。
また、加熱帯1の入側手前には、予備加熱帯11が設置されていてもよい。予備加熱帯11にはN供給配管12が接続されており、予備加熱帯11にはNが投入される。
また、図1に示すように、第2ゾーン2Zの下流側および還元帯8の下流側にそれぞれ多重反射式温度計13を設置する。これにより加熱帯1の出側の鋼板温度を監視する。また、予備加熱帯11の出側(加熱帯1の入側)に多重反射式温度計13を設けてもよい。これは、予備加熱帯11で鋼板を加熱した際に、加熱帯1に搬送される加熱後の鋼板温度を把握するためである。
また、加熱帯1と予備加熱帯11との間には、ロール14が配置されている。本発明では加熱帯1と予備加熱帯11の間にロール14を設置することにより、加熱帯1への大気の流入を抑制している。さらに、均熱帯2から加熱帯1へのガス流入を抑制するために、加熱帯1と均熱帯2の間にセラミックロール15を配置してもよい。
直火バーナー炉(DFF)や無酸化炉(NOF)でプレ酸化を行う場合、酸化量はO、CO、HOの3種のガス濃度の影響を受ける。同じ操業条件で製造を行っていても、燃料ガス成分の変動や、季節ごとの大気の露点変動によって、炉内の雰囲気は変化する。
そこで本発明者らが鋭意検討した結果、オールラジアントチューブ方式の溶融亜鉛めっき製造設備において、過熱水蒸気単独で加熱を行えば、加熱帯1の雰囲気は常に一定となるため、加熱帯出側の鋼板温度で酸化量を管理することができると考えた。さらに、直火バーナーを使用する方法では、制御上不可避的に生じる空気比の変動によって火炎温度が変化し、それによって最終的に加熱帯出側の鋼板温度が変動する。過熱水蒸気で加熱を行う場合は、過熱水蒸気配管5の手前に多重反射式温度計13を設置して過熱水蒸気温度を管理し、必要に応じて、配管加熱装置6で加熱を行い、過熱水蒸気温度を制御する。これによって、加熱帯1に投入する過熱水蒸気温度を一定にすることができ、直火バーナーを利用する場合と比較して加熱帯出側の鋼板温度の制御性が高い。
本発明では、加熱帯1を鋼板長手方向に複数のゾーン(第1ゾーン1Z、第2ゾーン2Z、第3ゾーン3Z・・・第nゾーン。なお、図1においては第1〜第2ゾーンとしている。)に分割する。加熱帯1を複数のゾーンに分割すると、ライン速度や板厚が変化した時にゾーンごとに燃焼負荷を制御できるため、精密に加熱帯出側の鋼板温度を制御することができる。
良好なめっき性を得るには、最適な酸化量を確保する必要がある。単一の過熱水蒸気温度で鋼板を加熱する場合、板厚やライン速度が変化して過熱水蒸気の熱容量が変わった時に加熱帯1出側の鋼板温度が大きく変化し、酸化量が一定とならないため、不めっきやピックアップが発生する。本発明者らが鋭意検討を行った結果、過熱水蒸気の熱伝達係数が100〜400W/(m・K)にすれば、ライン速度や板厚に変更が生じた場合でも、加熱帯1出側の鋼板温度Tが400〜700℃の範囲に収まって、めっき性確保のために必要な酸化量を得ることができることを見出した。熱伝達係数が100W/(m・K)未満では、加熱帯1の炉長を非常に長く設定しなければならず、建設コストに莫大な費用を要するためである。一方、400W/(m・K)超えでは、過熱水蒸気の流速が大きくなって鋼板がその影響を受けて振動し、形状が悪化するためである。また、本発明では、加熱帯1出側の鋼板温度Tを400〜700℃に制御することにより、めっき性確保のために必要な酸化量を達成できる。加熱帯1出側の鋼板温度が400℃未満では、めっき性確保のために必要な酸化量を得ることができない。一方で、700℃を超えるとピックアップが生じる。
なお、熱伝達係数が100〜400W/(m・K)となる過熱水蒸気については、過熱水蒸気の圧力、ノズル径から吐出流速を推定して、熱伝達係数を算出することにより調整すればよい。
ゾーン分割にあたっては、加熱帯における前半のゾーンよりも後半のゾーンの過熱水蒸気温度が低くなるように過熱水蒸気を投入する。すなわち、i加熱帯の過熱水蒸気温度が第(i−1)加熱帯の過熱水蒸気温度よりも低い(i=1、2、3・・・n)。これは、初期のゾーンで鋼板を急速に加熱し、より後段のゾーンの加熱速度を小さくしていくことで、加熱帯出側の鋼板温度が目標温度から外れることを抑制するためである。
さらに、加熱帯1のゾーン数がn(nは整数)の場合、下記式(1)、(2)を満たすように加熱帯1の各ゾーンの過熱水蒸気温度を設定することが好ましい。
Figure 0006696495
Figure 0006696495
ただし、
n:加熱帯のゾーン数。ただし、加熱帯上流側から下流側に向けて、第1、第2、第3・・・第nゾーンとする。
:加熱帯出側の鋼板温度(℃)
:第i加熱帯(i=1、2、3・・・n)の過熱水蒸気温度(℃)
α:過熱水蒸気の熱伝達係数(W/(m・K))
とする。
上記式(1)、(2)を満たすことにより、より精密に加熱帯1出側の鋼板温度を制御することができ、めっき性確保のために必要な酸化量を得ることができる。
加熱帯1において、過熱水蒸気で鋼板Sを加熱すると100℃まで急激に鋼板温度が上昇し、鋼板表面に凝縮した水分がすべて蒸発した後、再び鋼板の温度が上昇する。そのため、常温の鋼板Sを過熱水蒸気雰囲気中に入れると、水分の蒸発ムラで斑点状の外観不良が発生する可能性がある。これを避けるため、予備加熱帯11で鋼板Sについて、100℃を超える温度に加熱し、100℃を超える温度に加熱した鋼板Sを加熱帯1に搬送することが好ましい。鋼板の加熱形態は限定しないが、鋼板を均一かつ急速に加熱することができる誘導加熱が好ましい。
また、鋼板表面の酸化膜が均熱帯2のロールへピックアップすることを抑制するために、加熱帯1での加熱後、均熱帯2へ搬送される前に鋼板を還元雰囲気中で加熱することが好ましく、図1に示す還元雰囲気である還元帯8において鋼板を加熱することが好ましい。すなわち、加熱帯1の下流側で、かつ均熱帯2へ搬送される前に、還元雰囲気中で鋼板Sを加熱することが好ましい。還元雰囲気としては水素雰囲気が好ましい。また、還元雰囲気とする炉長は、1m以上5m以下が好ましい。1m未満では還元が不十分となり、一方で、5m以上では効果に差が見られないためである。なお、還元をした場合でも、鋼板温度(還元帯8出側の鋼板温度)が800℃を超えるとピックアップが生じるため、鋼板温度は上限を800℃とした。
過熱水蒸気は、例えばノズル(過熱水蒸気噴霧ノズル)を用いて鋼板Sに対して噴霧すれば良い。効率的に鋼板Sを加熱するために、鋼板Sに対して過熱水蒸気噴霧ノズルの噴射孔を垂直に配置し、噴霧することが好ましい。また、過熱水蒸気噴霧ノズルは、鋼板Sの進行方向に対して、多段に配置することが好ましい。また、過熱水蒸気噴霧ノズルは、鋼板Sの進行方向、すなわち鋼板長手方向に対して、千鳥配置となっていることが好ましく、例えば、図2に示すように、過熱水蒸気噴霧ノズルが取り付けられた過熱水蒸気配管5を鋼板表裏で幅方向に千鳥配置することが好ましい。いずれも、鋼板Sを温度ムラなく、高効率に加熱するためである。
ロール14としては、セラミックロールを使用することが好ましい。これは、鋼板表面からロールへの酸化物のピックアップを防止するためである。セラミックロールの溶射材の材質としては、Al、Cr、ZrOまたはこれらから選ばれる2種以上を焼結させたものが好ましい。さらに、還元炉から加熱帯へのガス流入を抑制するために、加熱帯と均熱帯の間にセラミックロール15を配置することが好ましい。
過熱水蒸気発生装置3には、高い効率で水蒸気を発生させることが可能な誘導加熱方式を利用することが好ましい。誘導加熱方式であれば、過熱水蒸気を効率的に生成することが可能である。また、配管4から過熱蒸気発生装置3に投入する水は、液体、気体(水蒸気)のどちらでもよい。また、過熱水蒸気を輸送する過熱水蒸気配管5については、耐腐食性があり、かつ耐熱性も兼ね備えたSUS鋼が好ましい。
本発明が対象とする鋼板は、高Si鋼であることが好ましく、具体的には、Siの含有量が0.3質量%以上であることが好ましい。
Siは、脱酸剤として、あるいは高強度化を図るための固溶強化元素として、または、磁気特性を改善するための元素として含有される。特に、Siは、高強度化する効果が大きい割りに、加工性等の機械的特性劣化が比較的小さい元素であるため、好ましく用いることができる。しかし、0.3質量%未満の含有量では、焼鈍時における鋼板表層への濃化は少なく、本発明を適用する必要がない。よって、Si含有量は0.3質量%以上が好ましい。なお、Siの含有量が3.0質量%を超えると、本手法で形成される酸化膜のみでは、Siの表層への拡散を抑えきれず、表層濃化してしまう鋼板の割合が多くなってしまうため、上限は3.0質量以下とするのが好ましい。より好ましいSiの範囲は0.8〜1.5質量%である。
なお、Si以外の元素は、通常の冷延鋼板に含まれる範囲で含有することができる。例えば、C、Mn、Al、PおよびSは、本発明が解決しようとしている炉内ロールへの酸化物付着にほとんど影響しないため、機械的強度特性や製造性等から要求される成分範囲であるC:0.05〜0.25質量%、Mn:0.5〜3.0質量%、Al:0.01〜3.00質量%、P:0.001〜0.10質量%、S:0.200質量%以下の範囲で含有することができる。
オールラジアントチューブ型のCGLにおいて、図1に示すように、CGLの入側に過熱水蒸気による加熱帯1を設置し、ライン速度、板厚を変化させてめっき性を評価する試験を行った。比較として、加熱帯にDFFを備えたCGLにおいて、同様の試験を行った。なお、図1では加熱帯のゾーンが2つであるが、本実施例においては、加熱帯のゾーンが4つに分割された装置を用い、各ゾーンで燃焼率および空気比が個別に設定可能であり、最終ゾーンを還元雰囲気、それ以外を酸化雰囲気とした。
試験には2種類の鋼板(鋼種A、B)を用意した。鋼種AのSi含有量は0.5%、鋼種BのSi含有量は1.5%である。また、鋼板Sの幅は1mとした。加熱帯1の炉長は35mとした。
その他の製造条件は表1に示す。なお、焼鈍温度は830℃、めっき浴温は460℃、めっき浴中のAl濃度0.130%、付着量はガスワイピングにより、片面あたり45g/m2に調整した。また、溶融亜鉛めっきを施した後に合金化温度530℃で合金化処理を行った。また、表1において、No.1、2の鋼板、No.3、4の鋼板、No.5、6の鋼板、No.7、8の鋼板、No.12、13の鋼板は、それぞれ連続して加熱帯に流すことを想定しているため、2つの鋼板をまとめて一つの例として評価した(たとえば、No.1、2は一つの発明例)。また、表1中のNo.7では、加熱帯1の下流側に、水素雰囲気で鋼板を加熱する5mの還元帯8を設け、セクション出側で鋼板温度が600℃となるように水素濃度10%のHNxガスを投入し、還元雰囲気下で加熱を行った。また、表1中の#1〜#4は、各ゾーン(第1ゾーン〜第4ゾーン)における加熱蒸気温度(℃)である。なお、表1のNo.12、13における#1〜#4の表記は、各ゾーンの炉温(℃)である。
加熱帯1の手前に設けられた予備加熱帯11は炉長を2mとし、必要に応じて予備加熱帯11において鋼板Sを加熱した。予備加熱帯11にはN供給配管12により窒素ガスを導入した。予備加熱帯11の酸素濃度が0.5%以下となるように窒素ガスを導入した。予備加熱帯11では、誘導加熱装置を用いて鋼板Sを110℃まで加熱した。なお、予備加熱帯11の出側に設置した多重反射式温度計13により鋼板温度を測定することで、予備加熱帯11の鋼板温度とした。
加熱帯1には合計で、質量流量740kg/hの過熱水蒸気を投入した。過熱水蒸気は、過熱水蒸気噴霧ノズルが取り付けられた過熱水蒸気配管5を鋼板表裏の幅方向に配置して噴霧した。過熱水蒸気配管5は、鋼板長手方向に0.3mピッチで加熱帯1上部から下部まで配置し、さらに、鋼板の表裏で千鳥配置となった過熱水蒸気噴霧ノズルを使用して、噴霧した。
過熱水蒸気発生装置3には、誘導加熱方式を利用した加熱装置を用いた。配管4を介して、過熱水蒸気発生装置3に水を供給した。また、過熱水蒸気を輸送する過熱水蒸気配管5にはSUS316L鋼を用いた。また、配管加熱装置6は誘導加熱方式を利用した加熱装置を用いた。
加熱帯1の出側の多重反射式温度計13により、加熱帯1出側の鋼板温度を測定した。5秒ごとに板幅方向の温度プロファイルを取得し、得られたすべての温度を測定点数で除することにより、鋼板温度を求めた。
均熱帯2の露点は−40〜−10℃の範囲に制御した。
得られためっき鋼板について、めっき外観、めっき密着性を下記のようにして評価した。
(1)めっき外観
めっき外観の評価は、不めっき、合金ムラの有無に基づき下記のように評価した。1、2が合格である。
1 不めっき、過酸化および合金化ムラがないもの
2 不めっき、過酸化がなく合金化ムラがわずかにあるもの
3 不めっきまたは/及び合金化ムラがあるもの
4 過酸化または/及び合金化ムラがあるもの
(2)めっき密着性
合金化処理した溶融亜鉛めっき鋼板(GA)にテープ幅24mm、単位長さ1mのセロテープ(登録商標)を貼りテープ面を90°曲げ曲げ戻しをした時の単位長さあたりの剥離量を蛍光X線によりZnカウント数を測定し、下記基準でランク分けした。ランク1、2が合格である。
1 0−500未満(良)
2 500以上−1000未満
3 1000以上−2000未満
4 2000以上−3000未満
製造条件および結果を表1に示す。
Figure 0006696495
本発明例であるNo.1、2、5、6はライン速度または板厚が変化しても、目標範囲内に板温が入っており、良好な外観とめっき密着性を得た。目標温度が異なっているのは、鋼種が異なっているためである。一方で、単一の過熱蒸気温度で鋼板を加熱したNo.3、4、7、8は目標温度範囲からはずれ、不めっきやピックアップが発生し、外観や密着性が悪化した。また、過熱水蒸気の温度が請求項1で示した範囲を外れた条件であるNo.7、8は、温度が目標温度範囲を外れ、不めっきが発生して外観が悪化した。加熱帯1に鋼板を導入する前に予備加熱帯11で鋼板を100℃以上に加熱したNo.9では、No.1、2、5、6と比較して外観が良くなった。これは、加熱帯1内での凝縮を回避し、水滴状の欠陥が消滅したためと推測される。加熱帯1の下流側で鋼板を水素雰囲気により還元したNo.10は、No.1、2、5、6、9と比較してめっき密着性が良くなった。これは、酸化膜の還元が十分に行われたためと考えられる。なお、表1の発明例における#1〜#4の過熱水蒸気温度は、いずれも式(1)および式(2)を満たした。また、表1のNo.12、13はDFFを加熱帯として備えるCGLにおいて試験を行った結果である。板厚の変化によって、加熱帯出側温度が目標温度を外れ、過酸化に伴うピックアップが発生した。
1 加熱帯
2 均熱帯
3 過熱水蒸気発生装置
4 配管
5 過熱水蒸気配管
6 配管加熱装置
7 回収用配管
8 還元帯
9 HNxガス配管
10 HNxガス排気配管
11 予備加熱帯
12 N供給配管
13 多重反射式温度計
14 ロール
15 セラミックロール
100 連続式溶融亜鉛めっき設備
S 鋼板
1Z〜2Z 加熱帯1のゾーン

Claims (4)

  1. 加熱帯と、均熱帯と、冷却帯とがこの順に配置された焼鈍炉と、前記冷却帯に隣接した溶融亜鉛めっき装置とを有するオールラジアントチューブ方式の連続溶融亜鉛めっき製造設備を用いて、溶融亜鉛めっき鋼板を製造する溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、
    前記加熱帯は鋼板長手方向に複数のゾーンに分割されており、
    前記加熱帯に熱伝達係数が100〜400W/(m・K)となる過熱水蒸気を投入し、かつ前記加熱帯の複数のゾーンにおいて、上流側のゾーンより下流側のゾーンの過熱水蒸気温度が低くなるように前記加熱帯の各ゾーンの過熱水蒸気温度を制御し、
    前記加熱帯出側の鋼板温度Tを400〜700℃にすることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 前記加熱帯のゾーン数がn(nは整数)の場合、下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
    Figure 0006696495
    Figure 0006696495
    ただし、
    n:加熱帯のゾーン数。ただし、加熱帯上流側から下流側に向けて、第1、第2、第3・・・第nゾーンとする。
    :加熱帯出側の鋼板温度(℃)
    :第i加熱帯(i=1、2、3・・・n)の過熱水蒸気温度(℃)
    α:過熱水蒸気の熱伝達係数(W/(m・K))
    とする。
  3. 100℃を超える温度に加熱した鋼板を前記加熱帯に搬送することを特徴とする請求項1または2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  4. 前記加熱帯の下流側で、かつ均熱帯へ搬送される前に、還元雰囲気中で鋼板を加熱することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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