JP6696025B1 - 貼合デバイスの貼り合わせ装置及び貼り合わせ方法並びに貼合デバイス - Google Patents
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Abstract
Description
一方基板と他方基板の貼り合わせに伴う基板同士の接近移動と、減圧から大気圧への圧力差に伴う圧縮で、封入空間に滴下された液晶をメインシールの隅々まで伸展させ、液晶が封入空間の全体に隙間なく充填される。これにより、圧力差と毛細管現象を利用して液晶が充填される真空注入方式に比べ、液晶の充填時間を大幅に短縮できる。
また、LEDディスプレイなどの素子実装基板として、第一基板上に密に配列形成された多数の発光ダイオード素子を、第一基板から一時保持用部材に転写して保持させた後、各発光ダイオード素子毎に素子周りの樹脂の被覆を行い、樹脂で固められた各発光ダイオード素子に電極パッドが形成されることで樹脂形成チップ(素子チップ)を形成する転写法がある(例えば、特許文献2参照)。
樹脂で被覆された発光ダイオード素子は、ダイシングにより個別に切り出され、樹脂形成チップの状態にして実装工程へと移行される。また樹脂形成チップには配線が施され、配線の完了後に発光テストの実施で不良発光ダイオード素子を検出している。
さらに特許文献2には、LEDディスプレイに用いられる発光ダイオードは高価であるため、サイズが数十μm×数十μmのマイクロLEDにして、LEDディスプレイなどの画像表示装置のコスト低減を図る点(段落[0004]参照)や、発光源としてLEDを用いたディスプレイにおいて、実装後に点灯しない画素が存在する場合には不良発光ダイオード素子を取り外す点(段落[0006]参照)が記載されている。
詳しく説明すると、第一基板に配列保持された多数の素子を囲むようにシールを形成した後、シールで囲まれた封入空間にフィル材が滴下供給され、減圧下における第二基板と貼り合わせに伴う基板同士の接近移動と、減圧から大気圧への圧力差に伴う圧縮で、封入空間に滴下された液晶をシールの隅々まで伸展させて封入空間の全体を隙間なく封止する。フィル材による封止後は多数の素子をダイシングにより個別に切り出すことが要望されている。
しかし、シールで囲まれた封入空間に配列保持される多数の素子は、各素子のサイズ違いや電極パッドの配置ズレなどの要因により、各素子毎に必要なフィル量が異なる。
特に発光テストなどの実施で検出した不良素子のみを取り外した場合には、シールで囲まれた封入空間に滴下するフィル材の滴下量に枚葉毎にバラツキを生じ易くなる。
このため、フィル材を多めに滴下するとシールが決壊し、これと逆にフィル材の滴下量が少ないと、封入空間内の有効封止領域にボイドが生じて、歩留まりの低下になるという問題があった。
さらに、このような課題を解決するために本発明に係る貼合デバイスの貼り合わせ方法は、複数の素子が配列された第一基板又は前記第一基板と対向する第二基板のいずれか一方か若しくは両方にシールが前記複数の素子を囲んで設けられるシール作成工程と、前記シールで囲まれた封入空間に所定量のフィル材を供給するフィル供給工程と、減圧下における前記第一基板及び前記第二基板の相対的な接近移動により前記封入空間内の前記フィル材を伸展させる圧縮工程と、を含み、前記シールは、前記封入空間内において前記複数の素子の有効封止領域を囲むように設けられるダム部と、前記ダム部の一部に開口して前記第一基板及び前記第二基板の接近移動により進展した前記フィル材が通過するように設けられる流出口と、前記ダム部の外側に配置されて前記有効封止領域と前記流出口を介して連通するように設けられる漏洩流路と、を有し、前記圧縮工程では、前記封入空間に供給された前記フィル材を、前記第一基板及び前記第二基板の接近移動により前記ダム部の隅々まで伸展させるとともに、前記有効封止領域から前記流出口を通って溢れ出し、且つ少なくとも前記流出口の通過時において開口する前記漏洩流路へ流入させることを特徴とする。
また、このような課題を解決するために本発明に係る貼合デバイスは、複数の素子が配列された第一基板又は前記第一基板と対向する第二基板のいずれか一方か若しくは両方に前記複数の素子を囲んでシールが設けられ、前記シールで囲まれた封入空間に供給した所定量のフィル材が伸展して前記複数の素子を封止するように貼り合わされた貼合デバイスであって、前記シールは、前記封入空間内において前記複数の素子の有効封止領域を囲んで配置され、前記封入空間内の前記フィル材が隅々まで伸展するように設けられるダム部と、前記ダム部の一部に開口され、前記ダム部の隅々まで伸展した前記フィル材が通過するように設けられる流出口と、前記ダム部の外側に前記有効封止領域と前記流出口を介して連通するように配置され、少なくとも前記フィル材の前記流出口の通過時に開口しており、前記流出口を通って前記有効封止領域から溢れ出した前記フィル材が流入するように設けられる漏洩流路と、を有することを特徴とする。
本発明の実施形態に係る貼合デバイスAの貼り合わせ装置Bは、図1〜図9に示されるように、複数の素子Eが配列された第一基板1と第二基板2の間にフィル材Fを供給し、減圧下における第一基板1と第二基板2の接近移動により、フィル材Fが伸展して複数の素子Eを封止する貼合デバイス製造装置である。特に真空状態で第一基板1と第二基板2を相対的に接近移動して貼り合わせた後に、圧力差により第一基板1と第二基板2の間が所定のギャップまで均等に加圧されて無気泡の貼り合わせを行う真空貼り合わせ装置であることが好ましい。
詳しく説明すると、本発明の実施形態に係る貼合デバイスAの貼り合わせ装置Bは、第一基板1又は第二基板2のいずれか一方か若しくは両方に複数の素子Eを囲んで設けられるシール3と、シール3で囲まれた封入空間Sにフィル材Fを供給する定量吐出部4と、第一基板1及び第二基板2の接近移動により封入空間S内のフィル材Fを伸展させる駆動部5と、定量吐出部4及び駆動部5を作動制御する制御部6と、を主要な構成要素として備えている。
さらに第一基板1及び第二基板2が出し入れ自在に収容される真空チャンバーなどの変圧室Cと、第一基板1と第二基板2を外部空間(図示しない)から変圧室Cへ搬入する搬入部材(図示しない)と、フィル材Fによる複数の素子Eの封止が終了した貼合デバイスAを変圧室Cから外部空間へ搬出する搬出部材(図示しない)と、が備えられる。
なお、第一基板1と第二基板2は、通常上下方向へ対向するように配置される。図示例では、下方に第一基板1が配置され、第二基板2が上方に配置されている。ここで、第一基板1と第二基板2が対向する方向を以下「Z方向」という。Z方向と交差する第一基板1や第二基板2に沿った方向を以下「XY方向」という。
複数の素子Eの具体例としては、主にマイクロLEDと呼ばれる50μm×50μm以下で厚みが50μm未満、詳しくは30μm×30μm以下で厚みが30μm未満、さらに詳しくは数十μm角で厚みが数十μm未満のLEDチップやLDチップなどが挙げられる。
また複数の素子Eの他の例としては、例えばミニLEDと呼ばれる100μm角前後のLEDチップや200〜300μm角などの一般的なLEDチップや、LDチップなどの一般的なサイズの半導体ダイオードを含むことも可能である。
一般的なチップの取扱いにおいて複数の素子Eは、シリコンなどの材料からなる素子形成用基板やウエハに、XY方向へ所定の周期で配列形成され、ダイシングなどの分断工程により配列状態を維持するようにそれぞれ分離される。この分離後に後述する第一基板1に転写されて実装工程に移行する。実装工程では、後述する第一基板1の表面1aに形成された電極パッド(図示しない)に対して複数の素子Eをそれぞれ配線接続して一体的に組み付けられる。
なお、図示例では説明のため、複数の素子Eの配列として、矩形の素子Eをすべて同じサイズに設定している。またその他の例として図示しないが、複数の素子Eの配列形状や素子Eのサイズを図示例以外に変更することも可能である。
第一基板1は、ガラスなどの硬質材料やそれに類似する剛性の高い材料で略矩形などの板状に形成され、その表面1aに複数の素子Eを所定の配列状態に配置するとともに実装したTFTなどの素子基板である。第一基板1は、平滑な表面1aから複数の素子Eを突出状に実装(配線接続)することで、後述する第二基板2との対向面が凹凸形状となる。
第二基板2は、ガラスなどの硬質材料やそれに類似する剛性の高い材料で略矩形などの薄板状に形成されたカバーガラスやタッチパネルなどであり、第一基板1に実装された複数の素子Eの表面保護を目的として貼り合わされる。
凹凸形状の第一基板1の表面1a及び複数の素子Eと第二基板2の表面2aとの間には、複数の素子Eを囲むように後述するシール3が設けられる。
貼合デバイスAの具体例として図1〜図9に示される場合には、平面形状が矩形(正方形)の第一基板1の表面1aに、複数の素子Eとして平面形状が矩形(正方形)の素子EをXY方向へ同数ずつ配列している。このため、複数(多数)の素子Eからなるチップ群の外側形状が、矩形(正方形)となるように配置される。複数(多数)の素子Eが実装された第一基板1に対しては、第一基板1と同じサイズで平面形状が矩形(正方形)の第二基板2がZ方向へ重ね合わされて貼り合わせを行っている。
さらに予め複数の素子Eが実装された第一基板1と第二基板2を搬入部材で変圧室Cへ別々に搬入している。
また、その他の例として図示しないが、第一基板1及び第二基板2の平面形状を正方形に代えて長方形や他の形状に変更することや、複数の素子Eの配列個数又は配列形状などを図示例以外の配列個数又は配列形状などに変更することも可能である。
シール3は、複数の素子Eの周囲に設けられるダム部3aと、ダム部3aの一部に開設される流出口3bと、を有している。
シール3を構成するダム材は、ディスペンサ描画法やスクリーン印刷法などを用いて、第一基板1の表面1a又は第二基板2の表面2aのいずれか一方か若しくは両方に対し、複数の素子Eを囲む環状に形成される。シール3のダム材の粘度は、後述するフィル材Fの粘度よりも高く設定されている。シール3のダム材の具体例としては、紫外線などの光エネルギーを吸収して重合が進行することにより硬化して接着性を発現するUV硬化性の光学透明樹脂(OCR)などの光硬化型接着剤や、熱硬化型接着剤や二液混合硬化型接着剤などが用いられる。
このため、複数の素子Eの周囲は、ダム部3aで包囲された封入空間Sとなり、封入空間Sには後述する定量吐出部4でフィル材Fが供給される。封入空間Sに供給されたフィル材Fは、後述する駆動部5による第一基板1と第二基板2の接近移動で伸展する。これにより、ダム部3aよりも内側で且つ配列された複数(多数)の素子Eからなるチップ群よりも外側の部位が、フィル材Fによる有効封止領域S1となる。つまり、ダム部3aは、封入空間S内において複数の素子Eの有効封止領域S1を囲むように設けられる。
またシール3のダム材に対し、スペーサボールなどのギャップ材(図示しない)を予め混入することで、貼り合わされた第一基板1の表面1aと第二基板2の表面2aとの間を所定のギャップにすることが好ましい。なお、その他に第一基板1の表面1a又は第二基板2の表面2aのいずれか一方か若しくは両方にギャップスペーサ(図示しない)を配置することで、貼り合わされた第一基板1の表面1aと第二基板2の表面2aとの間を所定のギャップにすることも可能である。
さらに第一基板1の表面1aに対するシール3の形成は、変圧室Cへの搬入後に行うことも可能であるが、変圧室Cの内部構造が複雑化するため、変圧室Cへの搬入前に行うことが好ましい。
シール3の外側には、ダミーシール3′がダム部3aを囲む環状に設けられている。ダミーシール3′は、内側のシール3との間を真空状態又は真空に近い減圧状態に保持することにより、内側のダム部3aや漏洩流路31の形状が保護される。
また、その他の例として図示しないが、第一基板1の表面1aに代えて第二基板2の表面2aや第一基板1の表面1a及び第二基板2の表面2aの両方にシール3のダム部3aや流出口3bを形成することも可能である。さらに、シール3のダム部3aを正方形に代えて長方形や他の形状に変更することや、ダミーシール3′の形状を図示例以外に変更することや、ダミーシール3′を不設置するなどの変更も可能である。
漏洩流路31は、封入空間Sにおいて後述する駆動部5で第一基板1と第二基板2の接近移動により伸展したフィル材Fの伸展最終位置に設けられる。すなわち漏洩流路31は、後述する定量吐出部4で供給されるフィル材Fの供給位置から最も離れた位置に配置され、第一基板1と第二基板2の接近移動に伴って伸展したフィル材Fが、最終的に漏洩流路31に流れ込むように構成されている。
漏洩流路31には、常時開口している開放口32や、常時閉鎖した閉鎖蓋33や、シール3の潰れ変形に伴って閉鎖する圧壊蓋34を設けることが好ましい。
開放口32や閉鎖蓋33や圧壊蓋34の設置箇所としては、漏洩流路31においてフィル材Fの流入方向途中に配置することが望ましい。詳しくは漏洩流路31においてフィル材Fの流入方向先端側に開放口32や閉鎖蓋33や圧壊蓋34を配置することが好ましい。
漏洩流路31の他の例として図4(a)〜(f),図5,図8(a)〜(c)に示される例では、矩形(正方形)のダム部3aの角部分からダム部3aの四辺に沿って、流出口3bより複数方向(X方向及びY方向)へ分岐して流れ出る第二漏洩流路31bを形成している。
さらに図6,図7,図9に示される例では、矩形(正方形)のダム部3aの角部分からダム部3aの対向する二辺に沿って、流出口3bより一方向(X方向又はY方向)のみへ流れ出る第三漏洩流路31cを形成している。
また、その他の例として図示しないが、漏洩流路31として図示例以外の形状に変更することも可能である。
フィル材Fは、シール3のダム材と相溶性に乏しい光学透明樹脂(OCR)などの光硬化型接着剤が用いられる。フィル材Fの粘度は、シール3のダム材に比べて低粘度の液状に設定されている。
定量吐出部4としては、特許第3747807号公報(特許文献1)などに記載の滴下注入法(ODF工法)を用いることが好ましい。滴下注入法とは、封入空間Sの中央部分に所定量のフィル材Fを滴下した後、後述する駆動部5による第一基板1と第二基板2の接近移動でフィル材Fをシール3の隅々まで拡散伸展させて充填する。
このため、定量吐出部4からフィル材Fの供給量(滴下量)は、後述する駆動部5によって第一基板1と第二基板2の貼り合わせが終了した時における封入空間Sの体積よりも若干多く設定される。詳しく説明すると、フィル材Fの供給量(滴下量)は、漏洩流路31の開放口32や閉鎖蓋33や圧壊蓋34がそれぞれ構造的に許容できる体積を基準としている。
また定量吐出部4は、変圧室C内に設置され、変圧室Cへ搬入された第一基板1を移動不能に保持するとともに、大気雰囲気APの状態で定量吐出部4から封入空間Sに向けフィル材Fの供給を行うことも可能である。
また定量吐出部4の他の例として図4(a)〜(f)に示される場合には、定量吐出部4から封入空間Sの複数位置(図示例では四ヶ所)に向けフィル材Fを所定間隔毎に滴下して、比較的に小さな点状(概ね半球形状)に充填する多点滴下の例である。
これにより、図1(a)〜(f)などの単点滴下だけでなく、図4(a)〜(f)の多点滴下も同様に、後述する駆動部5による第一基板1と第二基板2の接近移動でフィル材Fが滴下位置からXY方向へ放射状に拡散伸展することに変わりがない。フィル材Fの伸展は、図1(c)(e)などや図4(c)(e)に示されるように、シール3の隅々(ダム部3aの角部分)への到達が遅れることになる。
なお、それ以外の定量吐出部4の変形例として図示しないが、図1(a)〜(f)などの単点滴下を多点滴下に変更することや、図4(a)〜(f)の多点滴下を単点滴下に変更することや、多点滴下における滴下位置を図示例以外の二箇所,三箇所,五箇所以上に変更することも可能である。
接離用駆動源51は、Z方向へ往復動可能なアクチュエーターなどで構成され、後述する制御部6により作動制御される。接離用駆動源51の制御例としては、定量吐出部4からのフィル材Fの供給後に、第一基板1と第二基板2の相対的な接近移動を開始し、第一基板1と第二基板2の間が所定幅になるまで加圧する。第一基板1と第二基板2の間が所定幅に到達した後は、加圧を開放して初期状態に戻る。
さらに駆動部5としては、変圧室C内を大気雰囲気APから所定真空度の減圧雰囲気DPに調整する室圧調整源(図示しない)が含まれる。
室圧調整源は、真空ポンプなどで構成され、後述する制御部6により、定量吐出部4による封入空間Sへのフィル材Fの供給後に、変圧室C内を減圧雰囲気DPまで減圧し、接離用駆動源51による加圧解放後は大気雰囲気APに戻すように作動制御される。この圧力差により第一基板1と第二基板2の間が所定のギャップまで均等に加圧される。
このコントローラーは、それ以外にも変圧室Cの出し入れ口(図示しない)の開閉用駆動源(図示しない),搬入部材や搬出部材の駆動源(図示しない)などとも電気的に接続している。
制御部6となるコントローラーは、その制御回路(図示しない)に予め設定されたプログラムに従って、予め設定されたタイミングで順次それぞれ作動制御している。
本発明の実施形態に係る貼合デバイスAの貼り合わせ方法は、複数の素子Eが配列された第一基板1又は第二基板2のいずれか一方か若しくは両方にシール3が複数の素子Eを囲んで設けられるシール作成工程と、シール3で囲まれた封入空間Sに所定量のフィル材Fを供給するフィル供給工程と、第一基板1及び第二基板2の相対的な接近移動で封入空間S内のフィル材Fを伸展させる圧縮工程と、を主要な工程として含んでいる。
フィル供給工程では、図1(a)(b)などに示されるように、定量吐出部4の作動によりフィル材Fが、第一基板1と第二基板2の貼り合わせ終了時における封入空間Sの体積よりも若干多く供給(滴下)される。
圧縮工程では、先ず図1(c)(d)などに示されるように、室圧調整源の作動により変圧室C内が定真空度の減圧雰囲気DPの減圧状態で、接離用駆動源51の作動により、第一基板1と第二基板2を相対的に接近移動させて、第一基板1と第二基板2の間が所定幅になるまでZ方向へ加圧する。第一基板1と第二基板2の間が所定幅に到達した後は、接離用駆動源51による加圧を開放する。これに続いて図1(e)(f)などに示されるように、室圧調整源の作動により、減圧雰囲気DPから大気雰囲気APに戻す。この圧力差で第一基板1と第二基板2の間が所定のギャップまで均等に加圧される。
圧縮工程の後工程としては、シール3と共にフィル材FがUVなどで硬化され、第一基板1と第二基板2の間を所定のギャップに保持した状態で、第一基板1と第二基板2の貼り合わせが終了して貼合デバイスAとなる。完成した貼合デバイスAは、搬出後にダイシングなどにより素子E毎に分離されて使用に供される。
このような各素子Eにおける切断サイズや厚みサイズの誤差や突出量の誤差は、例えばマイクロLEDなどの微小素子の場合には顕著な誤差となる。これに加え、実装後の発光テストなどの実施で発光不良と検出された素子Eが取り外される場合や、発光不良の素子Eを機能停止として残したま代替えの発光良好な素子を追加配備する場合もある。このため、複数の素子Eを実装した第一基板1では、複数の素子Eからなる凹凸形状が枚葉毎に異なってバラツキが発生し易く、第一基板1及び第二基板2の間隔(ギャップ)でも枚葉毎に異なってバラツキが発生し易く、これらのバラツキに伴って封入空間Sの体積も枚葉毎に変化してしまう。
ここで仮に、特開2002−328382号公報(特許文献1)などに記載のようにシールを環状に形成し、その四隅が閉塞された封入空間に対して所定量のフィル材が供給された場合には、下記のような問題がある。
複数の素子Eの実装状態が基板の枚葉毎に異なって封入空間Sの体積も変化するため、封入空間Sに対するフィル材の供給量が過剰であると、シールで閉塞された封入空間の内圧が過剰なフィル材で必要以上に高くなる。これにより、シールがフィル材で変形してしまい、シールのダム材をフィル材の粘度よりも高粘度に設定しても、シールがフィル材の伸展圧力に耐えられず決壊させるおそれがある。
これと逆にフィル材の供給量が僅かでも不足すると、フィル材がシールの隅々(四隅)へ到達する前にフィル材の伸展が終了して、封入空間内の有効封止領域にボイドが残ってしまう。
このような状況下で、シール3の決壊防止と有効封止領域S1のボイドVの発生防止を同時に達成することが要望されている。
本発明の第一実施形態に係る漏洩流路31では、図1(a)〜(f)や図2や図3(a)〜(c)に示されるように、ダム部3aの角部分から放射状に突出する第一漏洩流路31aに対し、開放口32や閉鎖蓋33や圧壊蓋34が設けられたことを特徴としている。
図1(a)〜(f)に示される例では、第一漏洩流路31aにおいてフィル材Fの流入方向先端側(末端)に、常時開口した開放口32を形成している。
図1(c)(d)に示された圧縮初期では、接離用駆動源51による第一基板1と第二基板2の相対的な接近移動が行われ、図1(e)(f)に示された圧縮末期では、室圧調整源による減圧雰囲気DPから大気雰囲気APへの圧力差が生じる。これらによる第一基板1及び第二基板2のZ方向への圧縮で、フィル材Fが供給位置(滴下位置)からXY方向へ放射状に拡散伸展する。
これに伴って、封入空間S内のボイド(真空ボイド)Vとフィル材Fが、シール3のダム部3aの角部分に開設した流出口3bを通って第一漏洩流路31aへ流れ込む。これにより、フィル材FでボイドVを第一漏洩流路31aの開放口32から押し出し、有効封止領域S1の全体にはフィル材Fが充填される。
図2に示される例では、第一漏洩流路31aに常時閉鎖する閉鎖蓋33を形成した構成が、図1(a)〜(f)に示された例とは異なる。
図示例では、第一漏洩流路31aにおいてフィル材Fの流入方向先端側(末端)に、閉鎖蓋33が配置される。
これにより、図2に示された圧縮末期では、フィル材Fで第一漏洩流路31aに押し出されたボイドVが、閉鎖蓋33で閉鎖された流路中、図示例ではフィル材Fの流入方向先端側(末端)に残留する。しかし有効封止領域S1の全体には、フィル材Fが充填される。
図3(a)〜(c)に示される例では、第一漏洩流路31aにシール3の潰れ変形に伴って閉鎖する圧壊蓋34を形成した構成が、図1(a)〜(f)や図2に示された例とは異なる。
図示例では、第一漏洩流路31aにおいてフィル材Fの流入方向先端側(末端)に、圧壊蓋34が配置される。
これにより、図3(b)に示された第一基板1と第二基板2のZ方向への圧縮初期は、フィル材FでボイドVが第一漏洩流路31aから押し出される。しかし図3(c)に示された圧縮末期では、第一漏洩流路31aを構成するシール3の潰れ変形により接合して圧壊蓋34が閉鎖する。このため、第一漏洩流路31aに押し出されたボイドVは、残留する可能性がある。しかし有効封止領域S1の全体には、フィル材Fが充填される。
図4(a)〜(f)に示される例では、ダム部3aの四辺の外側に矩形の周囲提部3cが設けられ、ダム部3aと周囲提部3cの間に第二漏洩流路31bを形成している。隣り合う第二漏洩流路31b同士の連続箇所と対向した周囲提部3cの四辺中間部位が閉鎖蓋33となる。
これにより、図4(e)に示された圧縮末期では、フィル材Fで第二漏洩流路31bに押し出されたボイドVが、閉鎖蓋33で閉鎖されたフィル材Fの流入方向先端側(末端)に残留する。しかし有効封止領域S1の全体には、フィル材Fが充填される。
図5に示される例では、ダム部3aの角部分の外側に平面L字型の外提部3dを設け、ダム部3aと外提部3dの間に第二漏洩流路31bが形成されて、第二漏洩流路31bに圧壊蓋34を形成した構成が、図4(a)〜(f)に示された例とは異なる。
図示例では、第二漏洩流路31bにおいてフィル材Fの流入方向先端側(末端)に、圧壊蓋34が配置される。
これにより、図5に示された圧縮末期では、第二漏洩流路31bを構成するシール3の潰れ変形により圧壊蓋34が閉鎖して、第二漏洩流路31bに押し出されたボイドVが残留する可能性はある。しかし有効封止領域S1の全体には、フィル材Fが充填される。
また、その他の例として図示しないが、図5に示される圧壊蓋34に代えて開放口32や閉鎖蓋33を形成するなどの変更も可能である。
図6に示される例では、ダム部3aにおいてX方向又はY方向へ対向する二辺の末端に亘って連続突堤部3eがそれぞれ設けられ、ダム部3aと連続突堤部3eの間に第三漏洩流路31cを形成している。隣り合う第三漏洩流路31c同士の連続箇所と対向した連続突堤部3eの四辺中間部位が閉鎖蓋33となる。
これにより、図6に示された圧縮末期では、フィル材Fで第三漏洩流路31cに押し出されたボイドVが、閉鎖蓋33で閉鎖されたフィル材Fの流入方向先端側(末端)に残留する。しかし有効封止領域S1の全体には、フィル材Fが充填される。
図7に示される例では、ダム部3aにおいてX方向又はY方向へ対向する二辺の末端に鉤型突堤部3fをそれぞれ設け、ダム部3aと鉤型突堤部3fの間に第三漏洩流路31cが形成されて、第三漏洩流路31cに圧壊蓋34を形成した構成が、図6に示された例とは異なる。
図示例では、第三漏洩流路31cにおいてフィル材Fの流入方向先端側(末端)に、圧壊蓋34が配置される。
これにより、図7に示された圧縮末期では、第三漏洩流路31cを構成するシール3の潰れ変形により圧壊蓋34が閉鎖して、第三漏洩流路31cに押し出されたボイドVは残留する可能性がある。しかし有効封止領域S1の全体には、フィル材Fが充填される。
また、その他の例として図示しないが、図7に示される圧壊蓋34に代えて開放口32や閉鎖蓋33を形成するなどの変更も可能である。
図8(a)〜(c)に示される例では、ダム部3aの角部分の外側に平面L字型の外提部3dを設け、ダム部3aと外提部3dの間に第二漏洩流路31bが形成されて、第二漏洩流路31bの略全体に亘って圧壊蓋34を形成している。
これにより、図8(c)に示された圧縮末期では、第二漏洩流路31bを構成するシール3の潰れ変形により圧壊蓋34が閉鎖して、ボイドVは流出口3bから第二漏洩流路31bへ至る途中で残留する可能性がある。しかし有効封止領域S1の全体には、フィル材Fが充填される。
図9に示される例では、ダム部3aにおいてX方向又はY方向へ対向する二辺の末端に鉤型突堤部3fをそれぞれ設け、ダム部3aと鉤型突堤部3fの間に第三漏洩流路31cが形成されて、第三漏洩流路31cの略全体に亘って圧壊蓋34を形成した構成が、図8(a)〜(c)に示された例とは異なる。
これにより、図9に示された圧縮末期では、第三漏洩流路31cを構成するシール3の潰れ変形により圧壊蓋34が閉鎖して、ボイドVは流出口3bから第三漏洩流路31cへ至る途中で残留する可能性がある。しかし有効封止領域S1の全体には、フィル材Fが充填される。
また、その他の例として図示しないが、図3(a)〜(c)に示される第一漏洩流路31aの略全体に亘って圧壊蓋34を形成するなどの変更も可能である。
このため、封入空間Sの内圧が過剰なフィル材Fで必要以上に高くならず、シール3のダム部3aにフィル材Fの過度な伸展圧力がかからない。これにより、封入空間S内の過剰なフィル材FやボイドVを漏洩流路31へ押し出して、有効封止領域S1の全体がフィル材Fで隙間なく満たされる。
したがって、封入空間Sに対するフィル材Fの供給量(滴下量)を多くしても、フィル材Fの伸展圧力でシール3のダム部3aが決壊せず、複数の素子Eの有効封止領域S1をフィル材Fより無気泡で封止することができる。
その結果、第一基板1に実装される複数の素子Eの切断サイズ誤差及び厚みサイズ誤差や検査後の取り外し又は追加などの変動要因によって、複数の素子Eからなる凹凸形状の枚葉毎の相異や、第一基板1及び第二基板2の間隔(ギャップ)における枚葉毎の相異が生じても、フィル材Fの必要供給量のバラツキを漏洩流路31で吸収でき、シール3のダム部3aの決壊防止と有効封止領域S1のボイドVの発生防止を同時に達成できる。
このため、高精度な貼合デバイスAを製造でき、歩留まりの向上が図れる。
この場合には、漏洩流路31においてフィル材Fの流入方向先端側に開放口32を配置することにより、封入空間S内の有効封止領域S1から溢れ出たフィル材FやボイドVが、封入空間S内から漏洩流路31に流入して開放口32に向け流動する。
このため、封入空間S内のボイドVを漏洩流路31の開放口32から押し出して、有効封止領域S1の全体がフィル材Fで満たされる。
したがって、簡単な流路構造でありながら封入空間S内のボイドVを開放口32から排出して有効封止領域S1にフィル材Fを確実に充填することができる。
その結果、より高精度な貼合デバイスAを製造でき、歩留まりの更なる向上が図れる。
この場合には、漏洩流路31においてフィル材Fの流入方向先端側に閉鎖蓋33を配置することにより、封入空間S内の有効封止領域S1から溢れ出たフィル材FやボイドVが、封入空間S内から漏洩流路31に流入して閉鎖蓋33に向け流動する。
このため、漏洩流路31に押し出したボイドVが、閉鎖蓋33との間に残るものの、有効封止領域S1の全体がフィル材Fで満たされる。
したがって、簡単な流路構造でありながら封入空間S内のボイドVを漏洩流路31の閉鎖蓋33近くに押し込んで有効封止領域S1にフィル材Fを確実に充填することができる。
その結果、より高精度な貼合デバイスAを製造でき、歩留まりの更なる向上が図れる。
この場合には、漏洩流路31においてフィル材Fの流入方向先端側に圧壊蓋34を配置することにより、封入空間S内の有効封止領域S1から溢れ出たフィル材FやボイドVが、封入空間S内から漏洩流路31に流入して圧壊蓋34に向け流動する。
このため、漏洩流路31に押し出したボイドVが、圧壊蓋34との間に残るものの、有効封止領域S1の全体がフィル材Fで満たされる。
したがって、簡単な流路構造でありながら封入空間S内のボイドVを漏洩流路31の圧壊蓋34近くに押し込んで有効封止領域S1にフィル材Fを確実に充填することができる。
その結果、より高精度な貼合デバイスAを製造でき、歩留まりの更なる向上が図れる。
このため、封入空間Sの内圧が過剰なフィル材Fで必要以上に高くならず、シール3のダム部3aにフィル材Fの過度な伸展圧力がかからない。これにより、封入空間S内の過剰なフィル材FやボイドVを漏洩流路31へ押し出して、有効封止領域S1の全体がフィル材Fで隙間なく満たされる。
したがって、フィル材Fの伸展圧力でシール3のダム部3aが決壊せずに複数の素子Eの有効封止領域S1をフィル材Fより無気泡で封止可能な貼合デバイスAを提供することができる。
その結果、第一基板1に実装される複数の素子Eの切断サイズ誤差及び厚みサイズ誤差や検査後の取り外し又は追加などの変動要因によって、複数の素子Eからなる凹凸形状の枚葉毎の相異や、第一基板1及び第二基板2の間隔(ギャップ)における枚葉毎の相異が生じても、フィル材Fの必要供給量のバラツキを漏洩流路31で吸収でき、シール3のダム部3aの決壊防止と有効封止領域S1のボイドVの発生防止を同時に達成できる。
このため、高精度な貼合デバイスAが得られて、製造時における歩留まりの向上が図れる。
この場合には、第二基板2のシール3で囲まれた封入空間Sに対してフィル材Fを供給した後に、第一基板1及び第二基板2の接近移動により封入空間S内のフィル材Fを伸展させる。これにより、この場合であっても、前述した第一実施形態〜第四実施形態と同様な作用や利点が得られる。
また、第一基板1の表面1a及び第二基板2の表面2aの両方に対してシール3をZ方向へ対向するようにそれぞれ設け、第一基板1と第二基板2の接近移動によりそれぞれのシール3が接合して潰れ変形するように変更してもよい。
1 第一基板 2 第二基板
3 シール 3a ダム部
31 漏洩流路 32 開放口
33 閉鎖蓋 34 圧壊蓋
4 定量吐出部 5 駆動部
6 制御部 E 素子
F フィル材 S 封入空間
S1 有効封止領域
Claims (5)
- 複数の素子が配列された第一基板又は前記第一基板と対向する第二基板のいずれか一方か若しくは両方に前記複数の素子を囲んで設けられるシールと、
前記シールで囲まれた封入空間に所定量のフィル材を供給する定量吐出部と、
減圧下における前記第一基板及び前記第二基板の相対的な接近移動により前記封入空間内の前記フィル材を伸展させる駆動部と、
前記定量吐出部及び前記駆動部を作動制御する制御部と、を備え、
前記シールは、前記封入空間内において前記複数の素子の有効封止領域を囲むように設けられるダム部と、前記ダム部の一部に開口して前記第一基板及び前記第二基板の接近移動により進展した前記フィル材が通過するように設けられる流出口と、前記ダム部の外側に配置されて前記有効封止領域と前記流出口を介して連通するように設けられる漏洩流路と、を有し、
前記制御部は、前記封入空間に供給した前記フィル材が、前記第一基板及び前記第二基板の接近移動により前記ダム部の隅々まで伸展するとともに、前記有効封止領域から前記流出口を通って溢れ出し、且つ少なくとも前記流出口の通過時において開口する前記漏洩流路へ流入するように制御されることを特徴とする貼合デバイスの貼り合わせ装置。 - 前記漏洩流路が開放口を有することを特徴とする請求項1記載の貼合デバイスの貼り合わせ装置。
- 前記シールが、前記第一基板及び前記第二基板の接近移動に伴って潰れ変形する材料からなり、前記漏洩流路が前記シールの潰れ変形で閉じる圧壊蓋を有することを特徴とする請求項1記載の貼合デバイスの貼り合わせ装置。
- 複数の素子が配列された第一基板又は前記第一基板と対向する第二基板のいずれか一方か若しくは両方にシールが前記複数の素子を囲んで設けられるシール作成工程と、
前記シールで囲まれた封入空間に所定量のフィル材を供給するフィル供給工程と、
減圧下における前記第一基板及び前記第二基板の相対的な接近移動により前記封入空間内の前記フィル材を伸展させる圧縮工程と、を含み、
前記シールは、前記封入空間内において前記複数の素子の有効封止領域を囲むように設けられるダム部と、前記ダム部の一部に開口して前記第一基板及び前記第二基板の接近移動により進展した前記フィル材が通過するように設けられる流出口と、前記ダム部の外側に配置されて前記有効封止領域と前記流出口を介して連通するように設けられる漏洩流路と、を有し、
前記圧縮工程では、前記封入空間に供給された前記フィル材を、前記第一基板及び前記第二基板の接近移動により前記ダム部の隅々まで伸展させるとともに、前記有効封止領域から前記流出口を通って溢れ出し、且つ少なくとも前記流出口の通過時において開口する前記漏洩流路へ流入させることを特徴とする貼合デバイスの貼り合わせ方法。 - 複数の素子が配列された第一基板又は前記第一基板と対向する第二基板のいずれか一方か若しくは両方に前記複数の素子を囲んでシールが設けられ、前記シールで囲まれた封入空間に供給した所定量のフィル材が伸展して前記複数の素子を封止するように貼り合わされた貼合デバイスであって、
前記シールは、前記封入空間内において前記複数の素子の有効封止領域を囲んで配置され、前記封入空間内の前記フィル材が隅々まで伸展するように設けられるダム部と、
前記ダム部の一部に開口され、前記ダム部の隅々まで伸展した前記フィル材が通過するように設けられる流出口と、
前記ダム部の外側に前記有効封止領域と前記流出口を介して連通するように配置され、少なくとも前記フィル材の前記流出口の通過時に開口しており、前記流出口を通って前記有効封止領域から溢れ出した前記フィル材が流入するように設けられる漏洩流路と、を有することを特徴とする貼合デバイス。
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