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JP6678255B2 - 生体組織補強材料及び人工硬膜 - Google Patents

生体組織補強材料及び人工硬膜 Download PDF

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JP6678255B2 JP2018567186A JP2018567186A JP6678255B2 JP 6678255 B2 JP6678255 B2 JP 6678255B2 JP 2018567186 A JP2018567186 A JP 2018567186A JP 2018567186 A JP2018567186 A JP 2018567186A JP 6678255 B2 JP6678255 B2 JP 6678255B2
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Description

本発明は、血液製剤であるフィブリン糊を用いることなく、空気漏れや体液漏れを防止して、脆弱化した組織をより確実に補強できる生体組織補強材料、及び、該生体組織補強材料からなる人工硬膜に関する。
外科分野において損傷又は脆弱化した臓器、組織の修復は最も基本的な課題である。
例えば、頭蓋骨と脳との間や脊髄を覆うように介在する硬膜は、主として脳、脊髄の保護と脳脊髄液の漏出を防止する機能を果たすものである。脳神経外科領域における手術において硬膜を開切する術式を行った場合には、欠損又は拘縮した硬膜を補填する必要がある。従来は、この補填材としてヒト硬膜の凍結乾燥物が使用されていた。しかしながら、かかるヒト硬膜は製品の均一性や供給に難があり、またヒト硬膜を介したCreutz felt−Jacob病感染の可能性の報告(非特許文献1)があり、1997年4月7日をもって使用禁止の通達が厚生省より出された。
ヒト硬膜に代わる補填材としては、フッ素系樹脂からなる人工硬膜等が上市されている。しかしながら、フッ素系樹脂からなる人工硬膜は、長期間の埋設により感染による肉芽形成や難治性皮膚瘻孔を生じることがあるという報告がされていた(非特許文献2)。
これに対して、一定期間役割を果たした後は分解吸収する、生体内分解吸収性高分子からなる人工硬膜が提案されている。このような人工硬膜としては、天然高分子であるコラーゲンからなるもの(非特許文献3)やゼラチンからなるもの(非特許文献4)も試みられたが、生体硬膜と一体縫合する際に必要な縫合強度が得られない、天然由来であることから感染のリスクが残る等の種々の問題により実用に供されていなかった。
これに対して特許文献1には、生体内分解吸収性合成高分子、特にラクチド/ε−カプロラクトン共重合体からなる人工硬膜が記載されている。このような人工硬膜は、感染のリスクがほとんどないことに加え、一定期間役割を果たした後は分解することから長期埋設による弊害を防止できる。
これらの人工硬膜は、通常は縫合糸によって縫合することにより、欠損又は拘縮した硬膜の部位に固定される。しかしながら、縫合糸の周辺部に僅かな隙間が発生することは不可避であり、該隙間より脳脊髄液の一部が漏れ出してしまうことがあるという問題があった。
これに対して、人工硬膜にフィブリン糊を併用することにより、縫合せずにシールをする方法も検討されている。しかしながら、血液製剤であるフィブリン糊は、未知のウイルス感染の可能性があり、特に脳神経外科領域への適用が躊躇われるという問題もあった。
特開平8−80344号公報
脳神経外科; 21 (2)、167−170、1993 脳神経外科ジャーナル; 16 (7)、555−560、2007 Journal of Biomedical Materials Research;Vol.25 267−276, 1991 脳と神経;21, 1089−1098, 1969
本発明は、血液製剤であるフィブリン糊を用いることなく、空気漏れや体液漏れを防止して、脆弱化した組織をより確実に補強できる生体組織補強材料、及び、該生体組織補強材料からなる人工硬膜を提供することを目的とする。
本発明は、生体吸収性高分子からなるフィルムと、セルロースのヒドロキシ基がエーテル化されたエーテル化セルロースからなる繊維構造物、スポンジ状体又はフィルムとの積層構造体からなる生体組織補強材料である。
以下に本発明を詳述する。
本願の発明者らは、鋭意検討の結果、フィブリン糊に代えてセルロースのヒドロキシ基がエーテル化されたエーテル化セルロース(以下、単に「エーテル化セルロース」ともいう。)を含む生体組織補強材料を用いることにより、脆弱化した組織をより確実に補強でき、特に人工硬膜の接着に用いた場合にでも体液漏れが生じないことを見出し、本発明を完成した。
エーテル化セルロースは、高い安全性が確認された化合物であり、フィブリン糊と同様に短時間でゲル化して、糊としての役割を果たすことができる。また、ゲル化後も一定の粘着力を有することから、仮に大きな圧力によって凝集破壊や界面剥離が生じたとしても、再密着して空気漏れや体液漏れを防止することができる。更に、エーテル化セルロースは種々の形状に加工可能であることから、予めエーテル化セルロースからなる繊維構造物、スポンジ状体又はフィルムを、生体吸収性高分子からなるフィルムに積層した積層構造体とすることにより、極めて取扱い性に優れた生体組織補強材料とすることができる。
本発明の生体組織補強材料は、生体吸収性高分子からなるフィルムと、セルロースのヒドロキシ基がエーテル化されたエーテル化セルロースからなる繊維構造物、スポンジ状体又はフィルムとの積層構造体を有する。
上記生体吸収性高分子からなるフィルムは、損傷又は脆弱化した臓器に貼付することにより、組織補強効果、空気漏れ防止効果、体液漏れ防止効果を発揮するものである。特に本発明の生体組織補強材料を人工硬膜として用いる場合には、脳、脊髄を保護し、脳脊髄液の漏出を防止する重要な役割を果たす。
上記エーテル化セルロースからなる繊維構造物、スポンジ状体又はフィルムは、水分を吸収することによりゲル化して、上記生体吸収性高分子からなるフィルムを生体組織に貼着する糊としての役割を果たす。
上記生体吸収性高分子としては特に限定されず、例えば、ポリグリコリド、ポリラクチド(D、L、DL体)、グリコリド−ラクチド(D、L、DL体)共重合体、グリコリド−ε−カプロラクトン共重合体、ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体、ポリ(p−ジオキサノン)、グリコリド−ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体等のα−ヒドロキシ酸重合体高分子等の合成吸収性高分子や、コラーゲン、ゼラチン、キトサン、キチン等の天然吸収性高分子が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。例えば、上記生体吸収性高分子として上記合成吸収性高分子を用いる場合に、天然吸収性高分子を併用してもよい。なかでも、高い強度を示すことから、グリコリド、ラクチド、ε−カプロラクトン、ジオキサノン及びトリメチレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーを重合してなるホモポリマー又はコポリマーであるα−ヒドロキシ酸重合体高分子が好適であり、適度な分解挙動を示すことから、グリコリドを含むモノマーを重合してなるホモポリマー又はコポリマーであるα−ヒドロキシ酸重合体高分子がより好適である。
本発明の生体組織補強材料を人工硬膜として用いる場合には、上記生体吸収性材料は、ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体であることが好適である。ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体からなるフィルムは、適用部位によって微妙な曲率に追従できるだけの高い柔軟性と高い強度とを有し、人工硬膜に好適である。また、一定期間役割を果たした後は分解することから長期埋設による弊害を防止できる。
上記ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体は、ラクチドのモル比率の好ましい下限が40モル%、好ましい上限が60モル%である。ラクチド又はε−カプロラクトンのモル比率がそれぞれ60モル%よりも高くなると、結晶性が高くなって硬くなり、充分な柔軟性が得られないことがある。より好ましい下限は45モル%、より好ましい上限は55モル%である。
上記ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体は、重量平均分子量の好ましい下限が100000、好ましい上限が500000である。上記重量平均分子量が100000未満であると、充分な強度を確保できないことがあり、500000を超えると溶融粘度が高く成形性に劣ることがある。より好ましい下限は150000、より好ましい上限は450000である。
上記生体吸収性高分子からなるフィルムの厚さは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は800μmである。上記生体吸収性高分子からなるフィルムの厚さが10μm未満であると、強度が不足して充分な組織補強効果が得られないことがあり、800μmを超えると、組織に充分に密着するように固定できないことがある。上記生体吸収性高分子からなるフィルムの厚さのより好ましい下限は20μm、より好ましい上限は300μmである。
上記生体吸収性高分子からなるフィルムは、親水化処理が施されていてもよい。親水化処理を施すことにより、生理食塩水等の水分と接触させたときに速やかにこれを吸収することができ、取り扱い性に優れる。
上記親水化処理としては特に限定されず、例えば、プラズマ処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、オゾン処理、表面グラフト処理又は紫外線照射処理等が挙げられる。なかでも、フィルムの外観を変化させることなく吸水率を飛躍的に向上できることからプラズマ処理が好適である。
上記エーテル化セルロースは、セルロースのヒドロキシ基がエーテル化されたものである。具体的には例えば、セルロースのヒドロキシ基がヒドロキシエチル基に置き換わったヒドロキシエチル化セルロース、セルロースのヒドロキシ基がヒドロキシプロピル基に置き換わったヒドロキシプロピル化セルロース等の下記一般式(1)で表されるヒドロキシアルキル化セルロースや、セルロースのヒドロキシ基がカルボキシメチル基に置き換わったカルボキシメチル化セルロース名のカルボキシアルキル化セルロース等が挙げられる。なかでも、高い安全性が確認されていることから、ヒドロキシエチル化セルロースが好適である。
Figure 0006678255
式(1)中、nは整数を示し、Rは水素又は−R’OH基を示す。R’は、アルキレン基を示す。
上記エーテル化セルロースがヒドロキシエチル化セルロースである場合、該ヒドロキシエチル化セルロース中のジエチレングリコール基とエチレングリコール基とのモル比(ジエチレングリコール基/エチレングリコール基)は0.1〜1.0であることが好ましく、トリエチレングリコール基とエチレングリコール基とのモル比(トリエチレングリコール基/エチレングリコール基)は0.1〜0.5であることが好ましい。この範囲内であると、上記エーテル化セルロースからなる繊維構造物、スポンジ状体又はフィルムを介して上記生体吸収性高分子からなるフィルムを生体組織に貼着したときに、優れた初期接着力を発揮できるとともに、接着後も高い粘着力を維持して、仮に大きな圧力によって凝集破壊や界面剥離が生じたとしても、再密着して空気漏れや体液漏れを防止することができる。
なお、ヒドロキシエチル化セルロース中のエチレングリコール基、ジエチレングリコール基及びトリエチレングリコール基のモル数は、例えば、NMRや熱分解GC−MSを用いて測定することができる。
上記エーテル化セルロースがヒドロキシエチル化セルロースである場合、無水グルコース単位当り結合しているアルキレンオキオキサイドの平均分子数(molar substitution、MS)の好ましい下限は1.0、好ましい上限は4.0である。上記MSがこの範囲内であると、短時間でのゲル化と高いゲル強度とを両立して、より組織に密着して固定させることができる。上記MSが1.0未満であると、ゲル化した後の粘性が低くなる傾向があり、4.0を超えると、ゲル化に時間がかかる傾向がある。 上記MSのより好ましい下限は1.3、より好ましい上限は3.0である。
上記エーテル化セルロースがヒドロキシエチル化セルロースである場合、無水グルコース単位の2、3、6位の水酸基へのアルキレンオキサイドの平均置換度(DS)の好ましい下限は0.2、好ましい上限は2.5である。上記DSがこの範囲内であると、短時間でのゲル化と高いゲル強度とを両立して、より組織に密着して固定させることができる。上記DSが0.2未満であると、ゲル化に時間がかかることがあり、2.5を超えると、湿強力が低下することがある。 上記DSのより好ましい下限は0.3、より好ましい上限は1.5である。
なお、上記MS及びDSは、ヒドロキシエチル化セルロースの水溶液のNMRスペクトルを測定し、該スペクトルの無水グルコース環炭素および置換基炭素に帰属されるシグナルの強度を定量することにより、算出することができる。(例えば、特公平6−41926を参照のこと。)
より具体的には、例えば、サンプル0.2g、酵素(セルラーゼ)30mg及び内部標準を重水3mlで溶解し、4時間超音波処理を施した後、NMR測定装置(例えば、日本電子社製のJNM−ECX400P等)を用い、スキャン回数700、パルス幅45°、観測周波数31500Hz等の条件でNMRスペクトルを測定する。
上記エーテル化セルロースは、エーテル化されていないセルロースのヒドロキシ基の一部がカルボキシル化された、セルロースのヒドロキシ基がエーテル化及びカルボキシル化されたセルロース(以下、単に「エーテル化カルボキシル化セルロース」ともいう。)であってもよい。上記エーテル化カルボキシル化セルロースを用いることにより、特に表面の凹凸が大きい、損傷した部位に対して高い密着を発揮することができる。
上記エーテル化カルボキシル化セルロースは、セルロースのヒドロキシ基がエーテル化及びカルボキシル化されたものである。具体的には例えば、セルロースのヒドロキシ基がヒドロキシエチル基及びカルボキシル基に置き換わったヒドロキシエチル化カルボキシル化セルロース、セルロースのヒドロキシ基がヒドロキシプロピル基及びカルボキシル基に置き換わったヒドロキシプロピル化カルボキシル化セルロース等のヒドロキシアルキル化カルボキシル化セルロースが挙げられる。なかでも、高い安全性が確認されていることから、ヒドロキシエチル化カルボキシル化セルロースが好適である。
上記ヒドロキシアルキル化カルボキシル化セルロースの好適な一例を下記一般式(2)に示した。
Figure 0006678255
式(2)中、nは整数を示し、Rは水素又は−R’OH基を示す。R’は、アルキレン基を示す。
上記エーテル化カルボキシル化セルロースにおいて、上記エーテル化がヒドロキシエチル化である場合、該ヒドロキシエチル化カルボキシル化セルロース中のジエチレングリコール基とエチレングリコール基とのモル比(ジエチレングリコール基/エチレングリコール基)は0.1〜1.5であることが好ましく、トリエチレングリコール基とエチレングリコール基とのモル比(トリエチレングリコール基/エチレングリコール基)は0.1〜1.0であることが好ましい。
また無水グルコース単位当り結合しているアルキレンオキオキサイドの平均分子数(molar substitution、MS)の好ましい下限は1.0、好ましい上限は4.0であり、無水グルコース単位の2、3、6位の水酸基へのアルキレンオキサイドの平均置換度(DS)の好ましい下限は0.2、好ましい上限は2.5である。
なお、ヒドロキシエチル化カルボキシル化セルロース中のエチレングリコール基、ジエチレングリコール基及びトリエチレングリコール基のモル数、平均分子数(MS)、平均置換度(DS)は、例えば、NMRや熱分解GC−MSを用いて測定することができる。
上記ヒドロキシエチル化セルロースは、例えば、セルロースをアルカリ水溶液で処理して得られるアルカリセルロースにエチレンオキサイドを反応させることにより製造することができる。
具体的には、例えば、セルロースからなる繊維構造物を原料として、該原料繊維構造物を水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液で処理してセルロースをアルカリセルロースとし、得られたアルカリセルロースに一定量のエチレンオキサイドと反応溶媒とを加えて反応させる方法が挙げられる。
上記エーテル化カルボキシル化セルロースは、例えば、セルロースをカルボキシル化した後、更にエーテル化することにより製造することができる。
上記セルロースをカルボキシル化する方法としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)を酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを反応させることによりセルロース中の水酸基をアルデヒドに酸化し(TEMPO酸化工程)、次いで、亜塩素酸ナトリウムを反応させることにより該アルデヒドをカルボキシル化(カルボキシル化工程)する方法等が挙げられる。
このようにして得られたカルボキシル化セルロースを、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液で処理した後(アルカリ処理工程)、エチレンオキサイドを反応させてエーテル化(ヒドロキシエチル化)を行う(ヒドロキシエチル化工程)ことにより、エーテル化カルボキシル化セルロース(ヒドロキシエチル化カルボキシル化セルロース)を得ることができる。
このような方法により得られたヒドロキシエチル化カルボキシル化セルロースは、セルロースの主に6位にカルボキシル基が導入され、主に2位又は6位にヒドロキシエチル基が導入されている。
上記エーテル化セルロースからなる繊維構造物、スポンジ状体又はフィルムは、吸水率の好ましい下限が200%、好ましい上限が1000%である。吸水率がこの範囲内であると、短時間でのゲル化と高いゲル強度とを両立して、より組織に密着して固定させることができる。吸水率が200%未満であると、ゲル化に時間がかかることがあり、1000%を超えると、ゲル強度が低くなる傾向がある。吸水率のより好ましい下限は400%、より好ましい上限は800%である。
なお、本明細書において吸水率は、以下の方法により測定することができる。
即ち、初期重量を測定したサンプルをシャーレ上に乗せ、該サンプル上に蒸留水をゆっくりと滴下する。サンプルが最大限の蒸留水を吸水したとき(これ以上蒸留水を滴下すると、サンプルから吸水できない蒸留水が溢れ出してしまうぎりぎりのとき)の重量を測定し、最大吸水重量とする。得られた初期重量及び最大吸水重量を用い、下記式により吸水率を算出することができる。
吸水率(%)=(最大吸水重量−初期重量)/初期重量×100
上記エーテル化セルロースからなる繊維構造物、スポンジ状体又はフィルムは、吸湿率の好ましい下限が7%、好ましい上限が50%である。吸湿率がこの範囲内であると、短時間でのゲル化と高いゲル強度とを両立して、より組織に密着して固定させることができる。吸湿率が7%未満であると、ゲル化に時間がかかることがあり、50%を超えると、ゲル強度が低くなる傾向がある。吸湿水率のより好ましい下限は10%、より好ましい上限は35%である。
なお、本明細書において吸湿率は、以下の方法により測定することができる。
即ち、サンプルを105℃、2時間加熱した後、その重量を測定して絶乾重量とする。次いで、絶乾状態のサンプルを20℃、65%Rhの環境下に7時間静置して調湿させた後、その重量を測定し、調湿後重量とする。得られた絶乾重量及び調湿後重量を用い、下記式により吸湿率を算出することができる。
吸湿率(%)=(調湿後重量−絶乾重量)/絶乾重量×100
上記エーテル化セルロースからなる繊維構造物の形態は特に限定されず、不織布、編物、織物、ガーゼ、糸条が挙げられる。また、これらの形態を複合化したものであってもよい。なかでも、不織布が好適である。
上記エーテル化セルロースからなる繊維構造物が不織布である場合、該不織布の目付は特に限定されないが、好ましい下限は20g/m、好ましい上限は700g/mである。上記不織布の目付が20g/m未満であると、充分な接着力で生体組織補強材を生体組織に貼付できないことがあり、700g/mを超えると、エーテル化セルロースがゲル化するまでに時間を要してしまうことがある。上記不織布の目付のより好ましい下限は50g/m、より好ましい上限は500g/mである。
上記不織布を製造する方法は特に限定されず、例えば、エレクトロスピニングデポジション法、メルトブロー法、ニードルパンチ法、スパンボンド法、フラッシュ紡糸法、水流交絡法、エアレイド法、サーマルボンド法、レジンボンド法、湿式法等の従来公知の方法を用いることができる。
上記エーテル化セルロースからなるスポンジ状体の目付は特に限定されないが、好ましい下限は15g/m、好ましい上限は1200g/mである。上記スポンジ状体の目付が15g/m未満であると、生体組織補強材としての強度が不足し、脆弱した組織を補強できないことがあり、1200g/mを超えると、組織への接着性が悪くなることがある。上記スポンジ状体の目付のより好ましい下限は30g/m、より好ましい上限は500g/mである。
上記エーテル化セルロースからなる繊維構造物又はスポンジ状体の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は50μm、好ましい上限は10mmである。上記エーテル化セルロースからなる繊維構造物又はスポンジ状体の厚さが50μm未満であると、充分な接着力で生体組織補強材を生体組織に貼付できないことがあり、10mmを超えると、吸水しにくく風合いが損なわれて、操作性が悪くなることがある。上記エーテル化セルロースからなる繊維構造物又はスポンジ状体の厚さのより好ましい下限は50μm、より好ましい上限は5mmである。
上記エーテル化セルロースからなるフィルムの厚さは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は800μmである。上記エーテル化セルロースからなるフィルムの厚さが10μm未満であると、強度が不足して充分な組織補強効果が得られないことがあり、800μmを超えると、組織に充分に密着するように固定できないことがある。上記エーテル化セルロースからなるフィルムの厚さのより好ましい下限は20μm、より好ましい上限は300μmである。
上記生体吸収性高分子からなるフィルムとエーテル化セルロースからなる繊維構造物、スポンジ状体又はフィルムとは、複合一体化されていることが好ましい。複合一体化されることにより、より取扱い性が向上する。
なお、本明細書において複合一体化とは、積層された2つの構造物を1つのものとして取り扱うことができ、容易には剥離しない状態とすることを意味する。
上記複合一体化の態様としては特に限定されず、例えば、上記生体吸収性高分子からなるフィルムの一部に、上記エーテル化セルロースからなる繊維構造物やスポンジ状体の一部が侵入している態様等が挙げられる。
本発明の生体組織補強材料は、外科分野において損傷又は脆弱化した臓器、組織の止血、空気漏れ防止、体液漏れ防止の為に用いる。とりわけ、脳神経外科領域において、人工硬膜として好適に用いることができる。
本発明の生体組織補強材料からなる人工硬膜もまた、本発明の1つである。
本発明の生体組織補強材料は、例えば、生体組織補強材料を生理食塩水に浸漬してから患部にあてるだけで、容易に貼付することができる。また、患部に血液や体液がある場合には、これらを吸収することによっても接着力を発現することができる。
本発明によれば、血液製剤であるフィブリン糊を用いることなく、空気漏れや体液漏れを防止して、脆弱化した組織をより確実に補強できる生体組織補強材料、及び、該生体組織補強材料からなる人工硬膜を提供することができる。
実施例で行った耐水圧試験で用いた耐水圧試験装置の模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
比較例5
(1)ヒドロキシエチル化セルロースからなる繊維構造物の調製
80番手のセルロース糸を用いてなる厚さ280μmのシングルニットを原料として、過酸化水素漂白法により漂白処理を施した。
漂白処理後のニット3.55gを、140mLの10%水酸化ナトリウム水溶液中に15℃、30分間浸漬して、セルロースをアルカリ化した。アルカリ処理後のニットを、2.5〜3.0kgでパディングした。
次いで、得られたアルカリセルロースからなるニット12.25gを、50mLの0.8mol/Lエチレンオキサイド/ヘキサン溶液中に25℃で浸漬し、その後、50℃、3時間反応を行った。反応後のニットをメタノール/メチルイソブチルケトン混合液(メタノール:メチルイソブチルケトン=35:35)70mL中に25℃、5分間浸漬して洗浄し、次いでメタノール/メチルイソブチルケトン/酢酸混合液(メタノール:メチルイソブチルケトン:酢酸=35:35:2.6)72.6mL中に25℃、10分間浸漬して中和した。更に、中和後のニットをイソプロピルアルコール/水混合液(イソプロピルアルコール:水=63:7)70mL中に25℃、3分間浸漬し、アセトン70mL中に25℃、5分間浸漬した後、40℃、24時間乾燥して、ヒドロキシエチル化セルロースからなる繊維構造物を得た。
得られた繊維構造物のヒドロキシエチル化セルロースについて、熱分解GC−MSを用いて測定したところ、ジエチレングリコール基とエチレングリコール基とのモル比(ジエチレングリコール基/エチレングリコール基)が0.20、トリエチレングリコール基とエチレングリコール基とのモル比(トリエチレングリコール基/エチレングリコール基)が0.21であった。
(2)生体組織補強材料の製造
L−ラクチド/ε−カプロラクトン共重合体(モル比50/50、GPCによる重量平均分子量22万)(以下、「P(L−LA/CL)(モル比50/50)」ともいう。)をクロロホルムに溶解し、ろ過して不溶融物を取り除くことにより、5重量%溶液を調製した。得られた溶液をガラス板上に流延し、風乾した後、50℃、12時間で真空乾燥して、P(L−LA/CL)(モル比50/50)からなる厚さ100μmのフィルムを得た。
ヒドロキシエチル化セルロースからなる繊維構造物を1,4−ジオキサンに浸漬して、部分的に溶解させた。P(L−LA/CL)(モル比50/50)からなるフィルムの一方の表面に、部分的に溶解させたヒドロキシエチル化セルロースからなる繊維構造物を重ね、均一に押さえた。23℃、3時間乾燥させることにより、P(L−LA/CL)(モル比50/50)からなるフィルムの一方の表面に、ヒドロキシエチル化セルロースからなる繊維構造物を積層した積層構造体からなる生体組織補強材料を得た。
得られた生体組織補強材料を、直径11mmの円形に打ち抜いたものを測定用試料とした。
(3)耐水圧試験
図1に示した耐水圧試験装置1を用いて耐水圧試験を行った。
厚さ約130μmのコラーゲンフィルム(ニッピ社製)を、縦5.5cm、横5.0cmの長方形に打ち抜き、70%エタノールで洗浄後、水分を拭き取ってからフィルターホルダー2(メルクミリポア社製、スウィネクス(登録商標)25)にセットした。フィルターホルダー2にセットしたコラーゲンフィルムの中心に、パンチを用いて直径3mmの孔を形成した。このフィルターホルダーの下流側に、三方コック4を介してリン酸緩衝液を注入した20mlシリンジ3(テルモシリンジSS−20ESZ、テルモ社製)及び圧力計5(デジタルマノメータFUSO−8230、扶桑理化社製)をセットして耐水圧試験装置とした。
得られた試料のヒドロキシエチル化セルロースからなる繊維構造物側の面に精製水を滴下した後、この面側が接するようにフィルターホルダーにセットしたコラーゲンフィルムの中心に置いた。静置してから1分後にシリンジからリン酸緩衝液を送り、測定用試料が剥離するまでの最大の圧力を圧力計にて測定して、耐水圧性を評価した。
結果を表1に示した。
比較例6
(1)ヒドロキシエチル化カルボキシル化セルロースからなる繊維構造物の調製
80番手のセルロース糸を用いてなる厚さ280μmのシングルニットを原料として、過酸化水素漂白法により漂白処理を施した。
漂白処理後のニットを、TEMPO酸化溶液(TEMPO濃度20%owf、5%次亜塩素酸ナトリウム濃度180%owf、臭化ナトリウム17.5%owf、pH10の水溶液)中に25℃、10分間、浴比1:30の条件で浸漬して、酸化した。酸化後のニットを3回水洗した後、亜塩素酸ナトリウム溶液(25%亜塩素酸ナトリウム濃度20%owf、CG1000濃度1.0g/L、pH3.8の水溶液)中に80℃、90分間、浴比1:15の条件で浸漬して、カルボキシル化した。その後、湯洗い、水洗し、過酸化水素/水素化ホウ素ナトリウム溶液(30%過酸化水素濃度1%owf、水素化ホウ素ナトリウム濃度5%owf、PCL7000濃度0.4g/L、pH10.5の水溶液)中に70℃、20分間、浴比1:20の条件で浸漬して脱塩素処理及び一部形成したケトンを水酸基に戻す処理を行い、更に湯洗い、中和処理、及び、水洗を行い、カルボキシル化されたニットを得た。
得られたカルボキシル化されたニットを、20%水酸化ナトリウム水溶液中に15℃、30分間、浴比1:40の条件で浸漬してアルカリ化した後、2.5〜3.0kgでパディングした。パディング処理後のニットを0.8mol/Lエチレンオキサイド/ヘキサン溶液中に50℃、30分間、浴比1:15の条件で浸漬してヒドロキシエチル化を行った。反応後のニットをメタノール/メチルイソブチルケトン混合液(メタノール:メチルイソブチルケトン=35:35)70mL中に25℃、5分間、浴比1:30の条件で浸漬して洗浄し、次いでメタノール/メチルイソブチルケトン/酢酸混合液(メタノール:メチルイソブチルケトン:酢酸=35:35:2.6)70mL中に25℃、10分間、浴比1:30の条件で浸漬して中和した。更に、中和後のニットをイソプロピルアルコール/水混合液(イソプロピルアルコール:水=63:7)70mL中に25℃、3分間、浴比1:30の条件で浸漬し(2回)、アセトン中に25℃、5分間、浴比1:60の条件で浸漬した後、40℃、24時間乾燥して、ヒドロキシエチル化カルボキシル化セルロースからなる繊維構造物からなる医療用繊維構造物を得た。
得られた繊維構造物のヒドロキシエチル化カルボキシル化セルロースについて、熱分解GC−MSを用いて測定したところ、ジエチレングリコール基とエチレングリコール基とのモル比(ジエチレングリコール基/エチレングリコール基)は0.18、トリエチレングリコール基とエチレングリコール基とのモル比(トリエチレングリコール基/エチレングリコール基)は0.15であった。
(2)生体組織補強材料の製造
比較例5と同様の方法により、P(L−LA/CL)(モル比50/50)からなる厚さ100μmのフィルムを得た。
ヒドロキシエチル化カルボキシル化セルロースからなる繊維構造物を1,4−ジオキサンに浸漬して、部分的に溶解させた。P(L−LA/CL)(モル比50/50)からなるフィルムの一方の表面に、部分的に溶解させたヒドロキシエチル化カルボキシル化セルロースからなる繊維構造物を重ね、均一に押さえた。23℃、3時間乾燥させることにより、P(L−LA/CL)(モル比50/50)からなるフィルムの一方の表面に、ヒドロキシエチル化カルボキシル化セルロースからなる繊維構造物を積層した積層構造体からなる生体組織補強材料を得た。
得られた生体組織補強材料を、直径11mmの円形に打ち抜いたものを測定用試料とした。
比較例5と同様の方法により耐水圧試験を行った。
(実施例3)
(1)ヒドロキシエチル化セルロースからなるフィルムの調製
市販のヒドロキシエチル化セルロース(和光純薬社製、ジエチレングリコール基とエチレングリコール基とのモル比(ジエチレングリコール基/エチレングリコール基)が1.06、トリエチレングリコール基とエチレングリコール基とのモル比(トリエチレングリコール基/エチレングリコール基)が4.01)を、固形分7.5重量%となるように蒸留水に溶解して、ゾル状のヒドロキシエチル化セルロース溶液を調製した。
得られたゾル状のヒドロキシエチル化セルロース溶液をシャーレに流延し、30℃、24時間乾燥させることにより、厚さ50μmのヒドロキシエチル化セルロースからなるフィルムを得た。
(2)生体組織補強材料の製造
比較例5と同様の方法により、P(L−LA/CL)(モル比50/50)からなる厚さ100μmのフィルムを得た。
ヒドロキシエチル化セルロースからなるフィルムを1,4−ジオキサンに浸漬して、部分的に溶解させた。P(L−LA/CL)(モル比50/50)からなるフィルムの一方の表面に、部分的に溶解させたヒドロキシエチル化セルロースからなるフィルムを重ね、均一に抑えた。23℃、3時間乾燥させることにより、P(L−LA/CL)(モル比50/50)からなるフィルムの一方の表面に、ヒドロキシエチル化セルロースからなるフィルムを積層した積層構造体からなる生体組織補強材料を得た。
得られた生体組織補強材料を、直径11mmの円形に打ち抜いたものを測定用試料とし、比較例5と同様の方法により耐水圧試験を行った。
(実施例4)
(1)カルボキシメチル化セルロースからなるフィルムの調製
市販のカルボキシメチル化セルロース(和光純薬社製)を、固形分7.5重量%となるように蒸留水に溶解して、ゾル状のカルボキシメチル化セルロース溶液を調製した。
得られたゾル状のカルボキシメチル化セルロース溶液をシャーレに流延し、30℃、24時間乾燥させることにより、厚さ80μmのカルボキシメチル化セルロースからなるフィルムを得た。
(2)生体組織補強材料の製造
比較例5と同様の方法により、P(L−LA/CL)(モル比50/50)からなる厚さ100μmのフィルムを得た。
カルボキシメチル化セルロースからなるフィルムを1,4−ジオキサンに浸漬して、部分的に溶解させた。P(L−LA/CL)(モル比50/50)からなるフィルムの一方の表面に、部分的に溶解させたカルボキシメチル化セルロースからなるフィルムを重ね、均一に抑えた。23℃、3時間乾燥させることにより、P(L−LA/CL)(モル比50/50)からなるフィルムの一方の表面に、カルボキシメチル化セルロースからなるフィルムを積層した積層構造体からなる生体組織補強材料を得た。
得られた生体組織補強材料を、直径11mmの円形に打ち抜いたものを測定用試料とし、比較例5と同様の方法により耐水圧試験を行った。
(比較例1)
生体吸収性高分子からなる繊維構造物とフィブリン糊とを併用したときの耐水圧性を以下の方法により評価した。
厚さ150μmのポリグリコリドからなる不織布(ネオベールTypeNV−M015G、グンゼ社製)を直径11mmの円形に打ち抜いた。
比較例5で準備した耐水圧試験装置のフィルターホルダーにセットしたコラーゲンフィルムの中心に、孔を避けるようにして、フィブリン糊(CSLベーリング社製、ベリプラストP:フィブリノゲン末とアプロチニン液を混合したA液と、トロンビン末と塩化カルシウム液を混合したB液とからなる)のA液20μLを滴下し、直径11mm程度に広げた。次いで、該広げたA液の上に、直径11mmの円形に打ち抜いた不織布を載せ、A液になじませた。次いで、A液20μLを不織布上に滴下し、充分になじませた。次いで、B液20μLを不織布上に滴下した。
B液を滴下してから5分後にシリンジからリン酸緩衝液を送り、測定用試料が剥離するまでの最大の圧力を圧力計にて測定して、耐水圧性を評価した。結果を表1に示した。
(比較例2)
ヒドロキシエチル化セルロースからなる繊維構造物に代えて、酸化セルロースからなる繊維構造物(ジョンソン・エンド・ジョンソン社製、サージセル)を用いた以外は比較例5と同様にして生体組織補強材料を得た。
得られた生体組織補強材料を、直径11mmの円形に打ち抜いたものを測定用試料とし、比較例5と同様の方法により耐水圧試験を行った。
(比較例3)
(1)酸化セルロースからなるフィルムの調製
酸化セルロースからなる繊維構造物(ジョンソン・エンド・ジョンソン社製、サージセル)を、固形分7.5重量%となるように蒸留水に溶解して、ゾル状の酸化セルロース溶液を調製した。
得られたゾル状の酸化セルロース溶液をシャーレに流延し、30℃、24時間乾燥させることにより、厚さ130μmの酸化セルロースからなるフィルムを得た。
(2)生体組織補強材料の製造
市販の厚さ100μmのラクチド−ε−カプロラクトン共重合体からなるフィルム(シームデュラ、グンゼ社製)を生体吸収性高分子からなるフィルムとして準備した。
酸化セルロースからなるフィルムを1,4−ジオキサンに浸漬して、部分的に溶解させた。ラクチド−ε−カプロラクトン共重合体からなるフィルムの一方の表面に、部分的に溶解させた酸化セルロースからなるフィルムを重ね、均一に抑えた。23℃、3時間乾燥させることにより、ラクチド−ε−カプロラクトン共重合体からなるフィルムの一方の表面に、酸化セルロースからなるフィルムを積層した積層構造体からなる生体組織補強材料を得た。
得られた生体組織補強材料を、直径11mmの円形に打ち抜いたものを測定用試料とし、比較例5と同様の方法により耐水圧試験を行った。
(比較例4)
市販の厚さ100μmのラクチド−ε−カプロラクトン共重合体からなるフィルム(シームデュラ、グンゼ社製)を生体吸収性高分子からなるフィルムとして準備した。
該フィルムを、直径11mmの円形に打ち抜いたものを試料とした。
図1に示した耐水圧試験装置1を用いて耐水圧試験を行った。
厚さ約130μmのコラーゲンフィルム(ニッピ社製)を、縦5.5cm、横5.0cmの長方形に打ち抜き、70%エタノールで洗浄後、水分を拭き取ってからフィルターホルダー2(メルクミリポア社製、スウィネクス(登録商標)25)にセットした。フィルターホルダー2にセットしたコラーゲンフィルムの中心に、パンチを用いて直径3mmの孔を形成した。次いで、コラーゲンフィルム上に試料は置いた。このとき、コラーゲンフィルムの孔の中心と、試料の中心とが揃うようにした。次いで、生体吸収性高分子からなるフィルムをポリグリコリドからなる太さ4−0の縫合糸(アルフレッサファーマ社製、モノディオックス(登録商標))を用い、縫い目の間隔が7.0mmになるようにして、試料とコラーゲンフィルムとを縫合した。なお、直径11mmの円形の測定用試料には、縫合糸による縫い目が5箇所あった。このフィルターホルダーの下流側に、三方コック4を介してリン酸緩衝液を注入した20mlシリンジ3(テルモシリンジSS−20ESZ、テルモ社製)及び圧力計5(デジタルマノメータFUSO−8230、扶桑理化社製)をセットして耐水圧試験装置とした。
耐水圧試験装置のシリンジからリン酸緩衝液を送り、測定用試料が剥離するまでの最大の圧力を圧力計にて測定して、耐水圧性を評価した。
Figure 0006678255
本発明によれば、血液製剤であるフィブリン糊を用いることなく、空気漏れや体液漏れを防止して、脆弱化した組織をより確実に補強できる生体組織補強材料、及び、該生体組織補強材料からなる人工硬膜を提供することができる。
1 耐水圧試験装置
2 フィルターホルダー
3 シリンジ
4 三方コック
5 圧力計
6 孔が開けられたコラーゲンフィルム

Claims (8)

  1. 生体吸収性高分子からなるフィルムと、セルロースのヒドロキシ基がエーテル化されたエーテル化セルロースからなるフィルムとの積層構造体からなることを特徴とする生体組織補強材料。
  2. セルロースのヒドロキシ基がエーテル化されたエーテル化セルロースは、下記一般式(1)で表されるヒドロキシアルキル化セルロースであることを特徴とする請求項1記載の生体組織補強材料。
    Figure 0006678255
    式(1)中、nは整数を示し、Rは水素又は−R’OH基を示す。R’は、アルキレン基を示す。
  3. セルロースのヒドロキシ基がエーテル化されたエーテル化セルロースは、ヒドロキシエチル化セルロースであることを特徴とする請求項1記載の生体組織補強材料。
  4. セルロースのヒドロキシ基がエーテル化されたエーテル化セルロースは、エーテル化されていないセルロースのヒドロキシ基の一部がカルボキシル化された、セルロースのヒドロキシ基がエーテル化及びカルボキシル化されたセルロースであることを特徴とする請求項1記載の生体組織補強材料。
  5. セルロースのヒドロキシ基がエーテル化及びカルボキシル化されたセルロースは、下記一般式(2)で表されるセルロースのヒドロキシ基がヒドロキシアルキル化及びカルボキシル化されたセルロースであることを特徴とする請求項4記載の生体組織補強材料。
    Figure 0006678255
    式(2)中、nは整数を示し、Rは水素又は−R’OH基を示す。R’は、アルキレン基を示す。
  6. 生体吸収性高分子は、ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の生体組織補強材料。
  7. ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体は、ラクチドのモル比率が40〜60モル%であり、重量平均分子量が100000〜500000であることを特徴とする請求項6記載の生体組織補強材料。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の生体組織補強材料からなることを特徴とする人工硬膜。
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