本開示を更に記載する前に、本開示は、本明細書に記載されている特定の実施形態に限定されないと理解すべきであり、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載する目的のためだけにすぎず、限定することを目的とするのではないこともまた理解すべきである。
値の範囲が提供される場合、その間の各々の値は、その内容に別段の明確な指示がない限り、その範囲の上限と下限との間、並びに任意のその他の記載された範囲、またはその記載された範囲内の間の値において、下限の単位の10分の1まで本発明内に包含されることが理解される。これらのより狭い範囲の上限及び下限は、個別により狭い範囲に含まれ得、本発明内にも包含され、記載された範囲における任意の具体的に除外された限度に従う。記載された範囲が上限及び下限の一方または両方を含む場合、これらの含まれる限度のいずれかまたは両方を除外する範囲も本発明に含まれる。別段の規定がない限り、本明細書で使用されるすべての専門用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容に別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。特許請求の範囲は、任意の随意的要素を除外するために立案されてよいと更に留意されたい。従って、本記載は、請求要素の列挙に関連して「単に(solely)」、「のみ(only)」などの排他的な用語の使用、または「ネガティブな」限定の使用のための先行詞として機能することを目的とする。
本明細書で述べた刊行物は、本出願の出願日以前のそれらの開示のためにのみ提供される。更に、提供される公開日は、実際の公開日と異なる場合があり、個別に確認することを必要とする場合もある。
概要
癌細胞の大半は、数多くの固有の遺伝子変化及びエピジェネティックな変化を有し、それらは、宿主の免疫系によって認識され得る多数の腫瘍関連抗原を提供し、それにより、腫瘍は、特異的な免疫耐性機構を発達させて増殖する。免疫チェックポイントは、免疫阻害経路とも称され、通常、免疫寛容を媒介して、二次的組織損傷を軽減する重要な免疫耐性機構である。
癌に罹患しているヒトにおいて、抗腫瘍免疫は、免疫ホメオスタシスの維持に関連した厳しい調整ゆえに、多くの場合、無効である。主な制限の1つは「T細胞枯渇」のプロセスであり、これは、慢性的な抗原への曝露によりもたらされ、阻害性受容体の上方制御によって特徴付けられる。これらの阻害性受容体は、無制御な免疫反応を防ぐために免疫チェックポイントとして機能する。モノクローナル抗体(mAb)を用いて、これらの免疫チェックポイントの1つ以上をブロックするにより、さもなければ枯渇してしまう抗腫瘍T細胞を回復させることが示され、癌患者における客観的な臨床応答と関連付けられてきた(Stagg and Allard,(2013)Ther.Adv.Med.Oncol.5(3):169−81)。従って、免疫チェックポイントの阻害は、ある種の癌の処置に対して、有望な新規手段を提供する。
本開示は、様々な疾患、障害及び状態(例えば、癌)、並びに/またはそれらの症状を処置及び/または予防するための、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせた、本明細書に記載されるIL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)、及びその組成物の使用を意図する。本開示のある種の態様では、このような処置または予防は、自身による個別療法の投与に関連するいずれかの有害作用を最小限に抑えるよう機能する、特定の投薬パラメータを利用することによりもたらされる。例として、イピリムマブ(抗CTLA4mAb)を含むレジメンへのPEG−IL−10レジメンの追加は、治療目標を達成するために必要なイピリムマブ量の減少を可能にし、従って、FDAに「黒枠警告」を必要とさせたイピリムマブの重篤かつ致死的な免疫介在性有害反応を減少(あるいは排除)するだろう。
本開示のポリペプチド及び核酸分子に関連する「ヒト」へのいかなる言及も、ポリペプチドまたは核酸が得られる手法または供給源に関しての限定を意図するものではなく、むしろ配列が天然に存在するヒトのポリペプチドまたは核酸分子の配列に対応し得るような配列に関してのみであることに留意すべきである。ヒトのポリペプチド及びそれらをコードする核酸分子に加えて、本開示は、その他の種からのIL−10関連ポリペプチド及び対応する核酸分子を意図する。
定義
別段の指示がない限り、以下の用語は、以下に記載される意味を有することを目的とする。その他の用語は、本明細書全体を通して他の箇所で定義される。
「患者」または「対象」という用語は、ヒトまたは非ヒト動物(例えば、哺乳動物)を指すように同じ意味で使用される。
「投与」、「投与する」などの用語は、それらを例えば、対象、細胞、組織、器官、または生体液に適用する場合、例えば、IL−10もしくはPEG−IL−10、核酸(例えば、天然のヒトIL−10をコードする核酸);前述のものを含む医薬組成物、または診断薬の、対象、細胞、組織、器官、または生体液への接触を指す。細胞との関連において、投与は、細胞への試薬の接触(例えば、インビトロまたはエクスビボ)、加えて、細胞と接触している液体への試薬の接触を含む。
「処置する」、「処置すること」、「処置」などの用語は、対象を苦しめる疾患、障害、もしくは状態の根本的な原因のうちの少なくとも1つ、または対象を苦しめる疾患、障害、状態に伴う症状のうちの少なくとも1つを一時的または永久的のいずれかで排除する、減少させる、抑制する、緩和する、または改善するように、疾患、障害もしくは状態、またはそれらの症状が診断された、観察された後などに開始される一連の行動(IL−10またはIL−10を含む医薬組成物を投与することなど)を指す。従って、処置は、活動性疾患を阻害すること(例えば、疾患、障害もしくは状態、またはそれらに伴う臨床症状の発症または更なる発症を阻止すること)を含む。本用語は、IL−10またはPEG−IL−10が、例えば、流体相またはコロイド相においてIL−10受容体に接触する状況などの、その他の文脈において使用されてもよい。
本明細書で使用する場合、「処置を必要とする」という用語は、対象が必要とする、または処置から恩恵を受けるだろう、医師またはその他の介護者によって行われる判断を指す。この判断は、医師のまたは介護者の専門知識の範囲における様々な要因に基づいて行われる。
「予防する」、「予防すること」、「予防」などの用語は、疾患、障害、状態などを発症する対象のリスク(例えば、臨床症状が存在しないことにより決定される)を一時的または永久的のいずれかで予防する、抑制する、阻害する、もしくは減少させる、または一般に特定の疾患、障害もしくは状態を有する傾向にある対象との関連において、それらの開始を遅延させるような手法で開始される(例えば、疾患、障害、状態またはそれらの症状の開始前)一連の行動(IL−10またはIL−10を含む医薬組成物を投与することなど)を指す。ある種の場合には、本用語は、疾患、障害もしくは状態の進行を遅くすること、または有害な、もしくはさもなければ望ましくない状態へのそれらの進行を阻害することも指す。
本明細書で使用する場合、「予防を必要とする」という用語は、対象が必要とする、または予防的治療から恩恵を受けるだろう、医師またはその他の介護者によって行われる判断を指す。この判断は、医師のまたは介護者の専門知識の範囲における様々な要因に基づいて行われる。
「治療有効量」という語句は、対象に投与した場合、疾患、障害または状態の任意の症状、態様、または特性に対して、任意の検出可能なプラスの効果を有することができる量で、単独または医薬組成物の一部としてのいずれかで、単回投与または一連の投与の一部としてのいずれかで、対象に薬剤を投与することを指す。治療有効量は、関連する生理作用を測定することによって確認することができ、治療有効量は、投薬レジメン及び対象の状態の診断分析などに関連して調節することができる。例として、投与後に産生された炎症性サイトカインの量の測定は、治療有効量が使用されたか否かを示すことができる。
「変化をもたらすのに十分な量で」という語句は、特定の療法の投与前に測定された指標のレベル(例えば、ベースラインレベル)と投与後に測定された指標のレベルとの間に検出可能な差が存在することを意味する。指標は、任意の客観的パラメータ(例えば、IL−10の血清濃度)または主観的パラメータ(例えば、対象の快適感)を含む。
「小分子」という用語は、約10kDa未満、約2kDa未満、または約1kDa未満の分子量を有する化合物を指す。小分子としては、無機分子、有機分子、無機成分を含有する有機分子、放射性原子を含む分子、及び合成分子が挙げられるが、これらに限定されない。治療的に、小分子は、大分子よりも細胞に対してより透過性が高く、分解に対してより感受性が低く、免疫応答を誘発しにくい可能性があり得る。
「リガンド」という用語は、例えば、受容体のアゴニストまたはアンタゴニストとして機能し得るペプチド、ポリペプチド、膜関連分子もしくは膜結合分子、またはそれらの複合体を指す。「リガンド」は、天然及び合成リガンド、例えば、サイトカイン、サイトカインバリアント、アナログ、ムテイン、及び抗体に由来する結合組成物を包含する。「リガンド」はまた、小分子、例えば、サイトカインのペプチド模倣体及び抗体のペプチド模倣体を包含する。本用語はまた、アゴニスト及びアンタゴニストのどちらでもないが、受容体の生物学的特性、例えば、シグナル伝達または接着性に重大な影響を及ぼすことなく、受容体に結合することができる薬剤を包含する。更に、本用語は、例えば、化学的方法または組換え方法によって、可溶性タイプの膜結合リガンドに変化させられた膜結合リガンドを含む。リガンドまたは受容体は、完全に細胞内性であり得る。すなわち、それらは、サイトゾル、核、またはその他のいくつかの細胞内区画中に存在し得る。リガンドと受容体との複合体は、「リガンド−受容体複合体」と称される。
「阻害剤」及び「アンタゴニスト」、または「活性化因子」及び「アゴニスト」という用語はそれぞれ、阻害分子または活性化分子、例えば、リガンド、受容体、補因子、遺伝子、細胞、組織、または器官の、例えば、活性化のための分子を指す。阻害剤は、例えば、遺伝子、タンパク質、リガンド、受容体、または細胞を減少させる、ブロックする、防止する、活性化を遅延させる、不活性化する、脱感作する、または下方制御する分子である。活性化因子は、例えば、遺伝子、タンパク質、リガンド、受容体、または細胞を増加させる、活性化する、促進する、活性化を増強する、感作する、または上方制御する分子である。阻害剤はまた、構成的活性を減少させる、ブロックする、または不活性化する分子として定義することができる。「アゴニスト」は、標的と相互作用して、その標的の活性化の増加を引き起こす、または促進する分子である。「アンタゴニスト」は、アゴニストの1つ以上の作用に拮抗する分子である。アンタゴニストは、アゴニストの活性を防止する、減少させる、阻害する、または中和する。アンタゴニストはまた、同定したアゴニストが存在しない場合でも、標的、例えば、標的受容体の構成的活性を防止する、阻害する、または減少させることができる。
「調節する」、「調節」などの用語は、IL−10薬剤(または、それらをコードする核酸分子)の機能もしくは活性を、直接的もしくは間接的のいずれかで増加もしくは減少させる;または、IL−10薬剤の効果と同等の効果をもたらす分子の能力を増強する分子(例えば、活性化因子または阻害剤)の能力を指す。「調節因子」という用語は、上記の活性をもたらすことができる分子を広く指すことを意図する。例として、例えば、遺伝子、受容体、リガンド、または細胞の調節因子は、その遺伝子、受容体、リガンド、または細胞の活性を変化させる分子であり、活性を、その調節特性で活性化する、阻害する、または変化させることができる。調節因子は単独で作用できる、または補因子、例えば、タンパク質、金属イオン、もしくは小分子を使用することができる。「調節因子」という用語は、IL−10と同一の作用機序により機能する薬剤(すなわち、IL−10と同一のシグナル伝達経路を、それと類似した手法で調節する薬剤)、及びIL−10の生物学的応答と同等の(またはそれを超える)生物学的応答を誘発することができる薬剤を含む。
調節因子の例としては、小分子化合物及びその他の生体有機分子が挙げられる。小分子化合物の多数のライブラリ(例えば、コンビナトリアルライブラリ)が市販されていて、調節因子を同定するための開始点として機能することができる。当業者は、所望の特性を有する1つ以上の化合物を同定するために、このような化合物ライブラリをスクリーニングすることができる1つ以上のアッセイ(例えば、生化学アッセイまたは細胞に基づくアッセイ)を開発することができ;その後、熟練の医薬品化学者が、例えば、そのアナログ及び誘導体を合成及び評価することによって、このような1つ以上の化合物を最適化することができる。合成及び/または分子モデリング研究は、活性化因子の同定において利用することもできる。
分子の「活性」は、リガンドまたは受容体への分子の結合;触媒活性;遺伝子発現もしくは細胞シグナル伝達、分化、または成熟を刺激する能力;抗原活性;その他の分子活性の調節などを記載する、またはそれらを指すことができる。本用語はまた、細胞−細胞相互作用(例えば、接着)を調節もしくは維持する活性、または細胞の構造(例えば、細胞膜)を維持する活性を指すことができる。「活性」はまた、特定の活性、例えば、[触媒活性]/[mgタンパク質]、または[免疫学的活性]/[mgタンパク質]、生物学的区画内の濃度などを意味することができる。「増殖活性」という用語は、例えば、正常な細胞分裂、加えて癌、腫瘍、異形成、細胞形質転換、転移、及び血管新生を促進する活性、それらに必要な活性、またはそれらと特異的に関連する活性を包含する。
本明細書で使用する場合、「同等の」、「同等の活性」、「と同等の活性」、「同等の効果」、「と同等の効果」などは、定量的及び/または定性的に見なされ得る相対的な用語である。用語の意味は、しばしばそれらの用語が使用される文脈に依存する。例として、両方とも受容体を活性化させる2種の薬剤が、定性的観点から同等の効果を有すると見なされ得るが、1つの薬剤が、当該技術分野で許容されるアッセイ(例えば、用量反応アッセイ)で、または当該技術分野で許容される動物モデルで決定したもう一方の薬剤の活性を20%しか達成できない場合、2種の薬剤は、定量的観点から同等の効果を欠くと見なされ得る。1つの結果を別の結果と比較する場合(例えば、参照基準と1つの結果)、「同等の」は、しばしば、1つの結果が参照基準から35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、7%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満逸脱することを意味する。特定の実施形態では、1つの結果が、参照基準から15%未満、10%未満、または5%未満逸脱する場合、参照基準と同等である。例として、限定ではないが、活性または効果は、有効性、安定性、溶解度、または免疫原性を指すことができる。
例えば、細胞、組織、器官、または生物の「応答」という用語は、生化学的または生理学的挙動、例えば、生物学的区画内の濃度、密度、接着、もしくは移動、遺伝子発現率、または分化状態の変化を包含し、変化は、活性化、刺激、もしくは処置と相関する、または遺伝的プログラミングなどの内部機構と相関する。ある種の文脈では、「活性化」、「刺激」などの用語は、内部機構によって、加えて外部因子または環境因子によって調整される細胞活性化を指し;これに対して、「阻害」、「下方制御」などの用語は、反対の効果を指す。
本明細書で同じ意味として使用される「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、任意の長さのアミノ酸のポリマー形態を指し、それらは、遺伝的にコードされた及び非遺伝的にコードされたアミノ酸、化学的または生化学的に修飾または誘導体化されたアミノ酸、並びに修飾されたポリペプチド骨格を有するポリペプチドを含むことができる。本用語は、異種アミノ酸配列を有する融合タンパク質;異種及び相同リーダー配列を有する融合タンパク質;N末端メチオニン残基を有する、または有さない融合タンパク質;免疫学的にタグ付けされたタンパク質を有する融合タンパク質などを含むが、これらに限定されない融合タンパク質を含む。
本開示全体を通して、1文字または3文字コードによりアミノ酸を参照すると理解されるだろう。読者の便宜のために、1文字及び3文字のアミノ酸コードが、以下に提供される:
G グリシン Gly P プロリン Pro
A アラニン Ala V バリン Val
L ロイシン Leu I イソロイシン Ile
M メチオニン Met C システイン Cys
F フェニルアラニン Phe Y チロシン Tyr
W トリプトファン Trp H ヒスチジン His
K リジン Lys R アルギニン Arg
Q グルタミン Gln N アスパラギン Asn
E グルタミン酸 Glu D アスパラギン酸 Asp
S セリン Ser T スレオニン Thr
本明細書で使用する場合、「バリアント」という用語は、天然に存在するバリアント及び天然に存在しないバリアントを包含する。天然に存在するバリアントは、ホモログ(種によって、それぞれアミノ酸またはヌクレオチド配列が異なるポリペプチド及び核酸)、及び対立遺伝子バリアント(種内の個体によって、それぞれアミノ酸またはヌクレオチド配列が異なるポリペプチド及び核酸)を含む。天然に存在しないバリアントは、それぞれアミノ酸またはヌクレオチド配列の変化を含むポリペプチド及び核酸を含み、配列の変化は、人為的に導入されて(例えば、ムテイン);例えば、変化は、ヒトの介入(「人間の手」)によって研究室内で生じる。従って、本明細書において「ムテイン」とは、変異型組換えタンパク質を広く指し、このタンパク質は通常、単一または複数のアミノ酸置換を持ち、部位特異的もしくはランダム突然変異誘発を受けたクローン化遺伝子に、または完全な合成遺伝子にしばしば由来する。
「DNA」、「核酸」、「核酸分子」、「ポリヌクレオチド」などの用語は、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドのいずれかの、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態、またはそれらのアナログを指すように、本明細書では同じ意味で使用される。ポリヌクレオチドの非限定的例としては、線状及び環状核酸、メッセンジャーRNA(mRNA)、相補的DNA(cDNA)、組換えポリヌクレオチド、ベクター、プローブ、プライマーなどが挙げられる。
ポリペプチドの構造との関連において本明細書で使用する場合、「N末端」(または「アミノ末端」)及び「C末端」(または「カルボキシル末端」)はそれぞれ、ポリペプチドのアミノ最末端及びカルボキシル最末端を指し、一方で、「N末端の」及び「C末端の」という用語はそれぞれ、N末端及びC末端に対するポリペプチドのアミノ酸配列における相対位置を指し、それぞれN末端及びC末端に残基を含むことができる。「N末端位置の」または「C末端位置の」とは、第2アミノ酸残基に対する第1アミノ酸残基の位置を指し、第1及び第2アミノ酸残基は、連続したアミノ酸配列を提供するために共有結合する。
「に由来する」とは、アミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列(例えば、IL−10ポリペプチド「に由来する」アミノ酸配列)との関連において、ポリペプチドまたは核酸が、参照ポリペプチドまたは核酸(例えば、天然に存在するIL−10ポリペプチドまたはIL−10をコードする核酸)の配列に基づく配列を有することを示すことを意図し、タンパク質または核酸が作製される供給源または方法について限定することを意図しない。例として、「に由来する」という用語は、参照アミノ酸またはDNA配列のホモログまたはバリアントを含む。
ポリペプチドとの関連において、「単離した」という用語は、天然に存在する場合、ポリペプチドが天然に存在し得る環境とは異なる環境内に存在する関心対象のポリペプチドを指す。「単離した」とは、関心対象のポリペプチドについて実質的に濃縮されたサンプル内に存在するポリペプチド、及び/または関心対象のポリペプチドが、部分的または実質的に精製されているポリペプチドを含むことを意図する。ポリペプチドが天然に存在しない場合、「単離した」とは、ポリペプチドが合成または組換え手段のいずれかによって作製された環境から、ポリペプチドを分離したことを示す。
「濃縮した」とは、関心対象のポリペプチドが、a)生体サンプル(例えば、ポリペプチドが天然に存在するサンプルまたは投与後にポリペプチドが存在するサンプル)などの開始サンプル中におけるポリペプチドの濃度よりも高い濃度で(例えば、少なくとも3倍高い、少なくとも4倍高い、少なくとも8倍高い、少なくとも64倍高い、またはそれを超える)、またはb)ポリペプチドが作製された環境(例えば、細菌細胞中におけるような)よりも高い濃度で存在するように、サンプルが人為的に(例えば、科学者によって)操作されることを意味する。
「実質的に純粋」とは、成分(例えば、ポリペプチド)が、組成物の総含量の約50%超、典型的には、総ポリペプチド含量の約60%超を構成することを示す。より典型的には、「実質的に純粋」とは、全組成物の少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%またはそれを超える部分が関心対象の成分である組成物を指す。いくつかの場合では、ポリペプチドは、組成物の総含量の約90%超、または約95%超を構成するだろう。
「特異的に結合する」または「選択的に結合する」という用語は、リガンド/受容体、抗体/抗原、またはその他の結合対に言及する場合、タンパク質及びその他の生物製剤の異種集団においてタンパク質の存在を決定する結合反応を示す。従って、指定された条件下で、特定のリガンドが特定の受容体に結合するので、サンプル中に存在するその他のタンパク質に有意な量で結合することはない。検討される方法の抗体、または抗体の抗原結合部位に由来する結合組成物は、任意のその他の抗体、またはそれに由来する結合組成物との親和性よりも、少なくとも2倍高い、少なくとも10倍高い、少なくとも20倍高い、または少なくとも100倍高い親和性で、その抗原、またはそのバリアントもしくはムテインに結合する。特定の実施形態では、抗体は、例えば、スキャッチャード分析により決定されるように、約109リットル/molよりも高い親和性を有するだろう(Munsen,et al.1980 Analyt.Biochem.107:220−239)。
IL−10及びPEG−IL−10
抗炎症性サイトカインIL−10は、ヒトサイトカイン合成阻害因子(CSIF)としても知られ、タイプ(クラス)2サイトカイン、IL−19、IL−20、IL−22、IL−24(Mda−7)、及びIL−26を含む一連のサイトカイン、インターフェロン(IFN−α、−β、−γ、−δ、−ε、−κ、−Ω、及び−τ)、並びにインターフェロン様分子(リミチン、IL−28A、IL−28B、及びIL−29)に分類される。
IL−10は、免疫調節及び炎症において多面発現効果を有するサイトカインである。IL−10は肥満細胞により産生され、これらの細胞が、アレルギー反応の部位で有する炎症作用を抑制する。それは、IFN−γ、IL−2、IL−3、TNFα及びGM−CSFなどの炎症性サイトカインの合成を阻害することができる一方で、IL−10はまた、ある種のT細胞及び肥満細胞に対して刺激性であり、B細胞の成熟、増殖及び抗体産生を刺激する。IL−10は、NF−κB活性をブロックすることができ、JAK−STATシグナル伝達経路の調整に関与する。IL−10はまた、CD8+T細胞の細胞傷害性活性及びB細胞の抗体産生を誘導し、マクロファージ活性及び腫瘍促進性炎症を抑制する。CD8+T細胞の調整は用量依存的であり、高用量は、より強力な細胞障害性応答を誘導する。
ヒトIL−10は、37kDaの分子量を有するホモ二量体であり、各18.5kDaモノマーは178アミノ酸を含み、その最初の18アミノ酸は、シグナルペプチド、及び2つの分子内ジスルフィド結合を形成する2つのシステイン残基を含む。IL−10二量体は、2つの単量体サブユニット間での非共有結合性相互作用の破壊時に、生物学的に不活性となる。
本開示は、80%の相同性を示すヒトIL−10(NP_000563)及びマウスIL−10(NP_034678)、並びにそれらの使用を意図する。加えて、本開示の範囲は、ラット(登録NP_036986.2;GI148747382);ウシ(登録NP_776513.1;GI41386772);ヒツジ(登録NP_001009327.1;GI57164347);イヌ(登録ABY86619.1;GI166244598);及びウサギ(登録AAC23839.1;GI3242896)を含む、その他の哺乳動物種からのIL−10オルソログ及びその修飾形態を含む。
上で示唆したように、「IL−10」、「1種以上のIL−10ポリペプチド」、「1種以上のIL−10分子」、「1種以上のIL−10薬剤」などの用語は、幅広く解釈され、例えば、ホモログ、バリアント(ムテインを含む)、及びそれらの断片を含む、ヒト及び非ヒトIL−10関連ポリペプチド、加えて、例えば、リーダー配列(例えば、シグナルペプチド)を有するIL−10ポリペプチド、並びに前述のものの修飾型を含むことを目的とする。更なる特定の実施形態では、IL−10、1種以上のIL−10ポリペプチド、及び1種以上のIL−10薬剤は、アゴニストである。
タイプIIサイトカイン受容体であるIL−10受容体は、α及びβサブユニットから構成され、それぞれR1及びR2とも称される。受容体活性化には、α及びβの両方への結合が必要である。IL−10ポリペプチドの1つのホモ二量体がαに結合し、同じIL−10ポリペプチドのもう一方のホモ二量体がβに結合する。
組換えヒトIL−10の実用性は、しばしば、その比較的短い血清半減期によって限定され、それは、例えば、腎クリアランス、タンパク質分解及び血流中でのモノマー化に起因し得る。結果として、様々なアプローチが、IL−10の二量体構造を破壊せずに、それゆえその活性に悪影響を及ぼすことなく、IL−10の薬物動態プロファイルを改善するために調査されてきた。IL−10のPEG化は、ある種の薬物動態パラメータ(例えば、血清半減期)の改善及び/または活性の増強をもたらす。本明細書で使用する場合、「PEG化IL−10」及び「PEG−IL−10」という用語は、結合が安定するように一般にリンカーを介して、IL−10タンパク質の少なくとも1つのアミノ酸残基に共有結合した1つ以上のポリエチレングリコール分子を有するIL−10分子を指す。「モノPEG化IL−10」及び「モノ−PEG−IL−10」という用語は、1つのポリエチレングリコール分子が、一般にリンカーを介してIL−10二量体の1つのサブユニット上の単一のアミノ酸残基に共有結合していることを示す。本明細書で使用する場合、「ジPEG化IL−10」及び「ジ−PEG−IL−10」という用語は、少なくとも1つのポリエチレングリコール分子が、一般にリンカーを介してIL−10二量体の各サブユニット上の単一の残基に結合していることを示す。
ある種の実施形態では、本開示で使用するPEG−IL−10は、1〜9つのPEG分子が、リンカーを介してIL−10二量体の1つのサブユニットのN末端で、アミノ酸残基のαアミノ基に共有結合しているモノ−PEG−IL−10である。1つのIL−10サブユニット上のモノPEG化は一般に、サブユニットシャッフリングゆえに、非PEG化、モノPEG化及びジPEG化IL−10の不均一混合物をもたらす。更に、PEG化反応を完了するまで進行させることは、一般に非特異的及び多PEG化IL−10をもたらし、従って、その生物活性を減少させるだろう。従って、本開示の特定の実施形態は、本明細書に記載される方法によって生産されるモノ及びジPEG化IL−10の混合物の投与を含む。
特定の実施形態では、PEG部分の平均分子量は、約5kDa〜約50kDaである。IL−10に対するPEG結合の方法または部位は重要ではないが、ある種の実施形態では、PEG化はIL−10薬剤の活性を変化させない、または変化させても最小限のみである。ある種の実施形態では、半減期の増加が、生物活性のいかなる減少も上回る。PEG−IL−10の生物活性は、典型的には、U.S.7,052,686に記載されているように、細菌抗原(リポ多糖(LPS))に曝露し、PEG−IL−10で処置した対象の血清中における炎症性サイトカイン(例えば、TNF−αまたはIFN−γ)のレベルを評価することによって測定される。
IL−10バリアントは、血清半減期の増加、IL−10に対する免疫応答の減少、精製または調製の促進、単量体サブユニットへのIL−10の転換の減少、治療効果の改善、及び治療での使用中の副作用の重症度または発生の軽減を含む、様々な目的を念頭に置いて調製することができる。アミノ酸配列バリアントは通常、自然には見られない所定のバリアントであるが、そのいくつかは、翻訳後バリアント、例えば、グリコシル化バリアントであり得る。IL−10の任意のバリアントが、IL−10活性の好適なレベルを保持することを条件として、使用することができる。
「保存的アミノ酸置換」という語句は、タンパク質における1つ以上のアミノ酸を、その側鎖と類似した酸性度、塩基性度、電荷、極性、またはサイズの側鎖を有するアミノ酸と置換することによって、タンパク質の活性を保存する置換を指す。保存的アミノ酸置換は一般に、以下の群:1)L、I、M、V、F;2)R、K;3)F、Y、H、W、R;4)G、A、T、S;5)Q、N;及び6)D、E内のアミノ酸残基の置換を必要とする。置換、挿入、または欠失の誘導は、異なるバリアントタンパク質または異なる種からのタンパク質のアミノ酸配列のアラインメントに基づくことができる。従って、任意の天然に存在するIL−10ポリペプチドに加えて、本開示は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のアミノ酸置換を有し、通常20、10、または5つ以下のアミノ酸置換を有することを意図し、置換は、通常保存的アミノ酸置換である。
本開示はまた、成熟IL−10に由来する連続したアミノ酸残基を含有する成熟IL−10の活性断片(例えば、部分配列)を意図する。ペプチドまたはポリペプチド部分配列の連続したアミノ酸残基の長さは、部分配列が由来する特定の天然に存在するアミノ酸配列に応じて異なる。一般に、ペプチド及びポリペプチドは、約20アミノ酸〜約40アミノ酸、約40アミノ酸〜約60アミノ酸、約60アミノ酸〜約80アミノ酸、約80アミノ酸〜約100アミノ酸、約100アミノ酸〜約120アミノ酸、約120アミノ酸〜約140アミノ酸、約140アミノ酸〜約150アミノ酸、約150アミノ酸〜約155アミノ酸、約155アミノ酸〜最長で全長ペプチドまたはポリペプチドであり得る。
更に、IL−10ポリペプチドは、連続したアミノ酸の定義された長さについて参照配列と比較して(例えば、「比較ウィンドウ」)、定義された配列同一性を有することができる。比較のための配列のアラインメント方法は、当該技術分野において周知である。比較のための最適な配列アラインメントは、例えば、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所相同性アルゴリズムによって、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性アラインメントアルゴリズムによって、Pearson&Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似法の検索によって、これらのアルゴリズム(Wisconsin Genetics Software Package、マディソン、ウィスコンシン州のGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)のコンピュータによる実行によって、または手動アラインメント及び目視検査(例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubel et al.,eds.1995 supplement)を参照のこと)によって行うことができる。
一例として、好適なIL−10ポリペプチドは、約20アミノ酸〜約40アミノ酸、約40アミノ酸〜約60アミノ酸、約60アミノ酸〜約80アミノ酸、約80アミノ酸〜約100アミノ酸、約100アミノ酸〜約120アミノ酸、約120アミノ酸〜約140アミノ酸、約140アミノ酸〜約150アミノ酸、約150アミノ酸〜約155アミノ酸、約155アミノ酸〜最長で全長ペプチドまたはポリペプチドの連続したストレッチと少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を含むことができる。
以下で更に述べる通り、IL−10ポリペプチドは、天然源から単離することができ(例えば、その天然に存在する環境以外の環境)、組換えて作製することも可能で(例えば、細菌、酵母、ピキア、昆虫細胞などの遺伝子組換え宿主細胞において)、遺伝子組換え宿主細胞は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸で修飾される。IL−10ポリペプチドは、合成して生産することもできる(例えば、無細胞化学合成により)。
核酸分子の天然に存在する及び天然に存在しないアイソフォーム、対立遺伝子バリアント及びスプライスバリアントを含む、IL−10薬剤をコードする核酸分子が、本開示によって意図される。本開示はまた、1つ以上の塩基において天然に存在するDNA配列と異なるが、遺伝子コードの縮重によって、IL−10ポリペプチドに対応するアミノ酸配列へと更に翻訳される核酸配列も包含する。
免疫チェックポイント阻害剤
すべての癌に特徴的な途方もない数の遺伝子変化及びエピジェネティックな変化は、免疫系が腫瘍細胞とそれらの正常な対応物を区別するのに使用することができる多様な抗原を提供する。T細胞の場合には、T細胞受容体(TCR)による抗原認識を介して開始される応答の最終的な程度(例えば、サイトカイン産生または増殖のレベル)及び特質(例えば、サイトカイン産生のパターンなどの、発生した免疫応答の種類)は、共刺激シグナルと阻害シグナル(免疫チェックポイント)の間のバランスによって調整される。正常な生理学的条件下では、免疫チェックポイントは、自己免疫の予防(すなわち、自己寛容の維持)にとって、及び免疫系が病原体感染に応答している場合の損傷からの組織保護にとっても非常に重要である。免疫チェックポイントタンパク質の発現は、重要な免疫耐性機構として腫瘍により異常調節され得る。
T細胞は、i)すべての細胞区画内のタンパク質に由来するペプチドの選択的認識に対するT細胞の能力;ii)抗原発現細胞を直接認識し、殺傷するT細胞の能力(CD8+エフェクターT細胞による;細胞傷害性Tリンパ球(CTL)としても知られる);並びにiii)適応性及び先天性エフェクター機構を組み合わせるCD4+ヘルパーT細胞による、多様な免疫応答を指揮するT細胞の能力ゆえに、内因性抗腫瘍免疫を治療的に操作するという取り組みの主な焦点であった。臨床的設定において、抗原特異的T細胞応答の増幅をもたらす免疫チェックポイントの遮断は、ヒトの癌治療における有望なアプローチであることを示した。
T細胞媒介免疫は、複数の連続したステップを含み、その各ステップは、刺激シグナルと阻害シグナルのバランスを取ることにより調整され、応答を最適化する。免疫応答におけるほぼすべての阻害シグナルは、最終的に細胞内シグナル伝達経路を調節するが、多くは、膜受容体を介して開始され、そのリガンドは、膜結合または可溶性(サイトカイン)のいずれかである。T細胞活性化を調整する共刺激受容体及びリガンド並びに阻害性受容体及びリガンドは、正常な組織と比較して癌では過剰発現しないことが多いが、組織内でT細胞エフェクター機能を調整する阻害性リガンド及び受容体は、腫瘍細胞上で、または腫瘍微小環境に関連した非形質転換細胞上で一般的に過剰発現する。可溶性及び膜結合受容体−リガンド免疫チェックポイントの機能は、アゴニスト抗体(共刺激経路に対して)またはアンタゴニスト抗体(阻害経路に対して)を使用して調節することができる。従って、現在、癌療法用に認可されている抗体の多くとは対照的に、免疫チェックポイントをブロックする抗体は、直接腫瘍細胞を標的とする訳ではないが、むしろ、リンパ球受容体またはそれらのリガンドを標的とし、内因性抗腫瘍活性を増強する。[Pardoll,(April 2012)Nature Rev.Cancer 12:252−64を参照のこと]。
IL−10は、細胞傷害性酵素のグランザイムA、グランザイムB、及びパーフォリンの直接上方制御により、ヒト及びマウスCD8+T細胞の細胞傷害を直接活性化することが示された。加えて、適切な条件下でのIL−10へのこれらの細胞の曝露は、可溶性抗CD3、またはペプチド抗原を含んだ同種MHC IとのT細胞受容体連結時に分泌され得るIFNγの細胞内蓄積を増強する。IL−10(例えば、PEG−IL−10)は、上に示したようにCD8+T細胞機能を直接増強するのに対して、免疫チェックポイント阻害剤は一般に、間接的な手法で同様に増強する。IL−10及び免疫チェックポイント阻害剤が、CD8+T細胞機能に対してそこで影響を及ぼすことによる異なる機序は、潜在的に強力な治療結果を有する併用療法の手付かずの機会を提供する。
免疫チェックポイント(受容体及びリガンド)は、そのいくつかが、様々な種類の腫瘍細胞において選択的に上方制御されるため遮断の候補であり、それらの例としては、PD1、PDL1、BTLA、CTLA4、TIM3、LAG3;A2aR;及びキラー阻害性受容体が挙げられる。これらの各々は、以下で述べる。本開示は、これらの及びその他の免疫チェックポイント受容体及びリガンドの阻害剤と組み合わせたIL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)の使用を意図する。腫瘍設定において、これらのIL−10−免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせによる主な治療目標は、CD8+区画に腫瘍を破壊させることである。
CTLA4(細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4;CD152としても知られる)。免疫チェックポイント受容体CTLA4は、受容体の免疫グロブリンスーパーファミリーに属し、これは、PD1;BTLA;リンパ球アテニュエーター;TIM3、及びT細胞活性化のVドメイン免疫グロブリン抑制因子も含む。CD80(B7.1としても知られる)及びCD86(B7.2としても知られる)は、CTLA4受容体のリガンドとして同定された。CTLA4は、臨床的に標的とされた最初の免疫チェックポイント受容体であり、T細胞上でのみ発現し、主としてT細胞活性化の初期段階での程度を調整する。CTLA4は、T細胞共刺激受容体CD28の活性を抑制することが示された。抗原認識時、CD28シグナル伝達は、T細胞受容体シグナル伝達を強力に増幅し、T細胞を活性化させる。[例えば、Riley et al.,(2002)Proc.Natl Acad.Sci.USA 99:11790−95を参照のこと]。
CTLA4は、T細胞活性化後、転写的に誘導される。CTLA4は、活性化CD8+エフェクターT細胞によって発現するが、その主な生理学的役割は、CD4+T細胞の2つの主要なサブセットに対する異なる作用によって明らかになると考えられている:i)ヘルパーT細胞活性の下方調節、及びii)制御性T細胞免疫抑制活性の増強。具体的には、CTLA4遮断が、ヘルパーT細胞に依存する免疫応答増強をもたらす一方で、制御性T細胞のCTLA4結合が、それらの抑制機能を増加させる。[例えば、Fontenot et al.,(2003)Nat.Immunol.Proc.4:330−36を参照のこと]。
抗CTLA4アンタゴニスト抗体を使用して、CTLA4シグナル伝達経路を標的とする、様々な実験アプローチが記載されてきた。これらのアプローチは、癌(例えば、腫瘍)及び感染状態における、このような抗体の潜在的実用性を判別するために評価されてきた。例えば、IL−10は、これまでに抗腫瘍免疫応答のCTLA4媒介抑制に関与してきた(Jovasevic et al.,(2004)J.Immunol.172:1449−54)。2011年に黒色腫の処置用に認可された時、完全にヒト化されたCTLA4モノクローナル抗体のイピリムマブ(ヤーボイ;Bristol−Myers Squibb社)は、アメリカで規制認可を受ける最初の免疫チェックポイント阻害剤となった。別の薬剤、トレメリムマブ(以前はチシリムマブ;MedImmune社)は、現在、例えば、肝細胞癌、黒色腫及び中皮腫の臨床試験中である。
CD28シグナル伝達経路はまた、自己免疫及び移植状態における潜在的実用性のために、アンタゴニストCTLA4−Igを使用して標的とされてきた(Wu et al.,(2012)Int.J.Biol.Sci.8:1420−30)。CTLA4及び抗体を含む融合タンパク質(CTLA4−Ig;アバタセプト(オレンシア(ORENCIA);Bristol−Myers Squibb社))は、関節リウマチの処置用に使用され、その他の融合タンパク質は、エプスタインバーウイルスに罹患しやすい腎臓移植患者に効果的であることが示された。
有望ではあるが、CTLA4関連処置アプローチは、欠点がない訳ではない。例として、ヒト化抗CTLA4アンタゴニストAbを用いた転移性黒色腫の処置は、ある種の自己免疫毒性(例えば、腸炎及び皮膚炎)を引き起こすので、許容される治療濃度域の決定を促すと報告された(Wu et al.,(2012)Int.J.Biol.Sci.8:1420−30)。抗CTLA4薬剤(例えば、イピリムマブなどの抗体)とIL−10(例えば、PEG−IL−10)との組み合わせは、許容できない有害作用を誘発することなく、応答状態において治療有効性を最大化させる独自の手段となる可能性を提供する。従って、本開示の特定の実施形態は、このような組み合わせを含む。
PD1(プログラム細胞死タンパク質1;CD279としても知られる)、並びにPDL1(PD1のリガンド;B7−H1としても知られる)及びPDL2。PD1は、CD28ファミリーメンバーと構造特性を共有するT細胞活性化の負の制御因子である。PD1は、組織内でT細胞エフェクター機能を制限する。PD1に対するリガンドを上方制御することにより、腫瘍細胞は、腫瘍微小環境内の抗腫瘍免疫応答をブロックする。多くのその他の免疫チェックポイント阻害剤と同様に、PD1遮断はT細胞枯渇を逆転させ、サイトカイン産生を回復させて、抗原依存性T細胞の広がりを増大させる。PDL1及びPDL2は、PD1経路を活性化させることで知られる2つのリガンドである。
PD1−PDL1/PDL2経路の遮断は、腫瘍増殖を遅延させ、担腫瘍マウスの生存を延ばすことが示された。加えて、初期段階の臨床試験結果は、PD1経路の遮断が、様々な腫瘍型において持続的な腫瘍退縮を誘導したことを示唆した。PD1及びPDL1/PDL2にとって、最も重要な相互作用は、CTLA−4のようにより幅広く免疫系全体にわたるのではなく、腫瘍部位にあると考えられている。
遺伝子導入及び/またはアンタゴニスト抗体を使用してPD1−PDL1/PDL2経路を調節する、様々な免疫療法アプローチが、評価されてきた。このようなアプローチは、移植、感染、腫瘍、及び自己免疫疾患を含む、多数の疾患、障害及び状態において有望性を示した(Wu et al.,(2012)Int.J.Biol.Sci.8:1420−30)。PD1の細胞外免疫グロブリン(Ig)Vドメインは、PD1とPDL1/PDL2間での相互作用にとって重要であることが示され、hPD1−IgVが、特定の腫瘍免疫療法に対して有望な戦略であり得ることを示唆した(Zhang et al.,(2008)Cytotherapy 10(7):711−10)。PD1抗体は、開発中である(例えば、ニボルマブ(Bristol−Myers Squibb社)、ピジリズマブ(CT−011;CureTech社)及びランブロリズマブ(Merck社))。ニボルマブは、黒色腫、肺癌及び腎臓癌を有する患者において有望性を示した。ニボルマブ及びCTLA−4調節因子のイピリムマブを含む併用療法も、肺癌において評価されている。抗PDL1抗体もまた評価され(例えば、BMS−936559(Bristol−Myers Squibb社)、MPDL3280A(Genentech社/Roche社)及びMEDI4736(MedImmune社))、抗PDL2抗体も同様に評価されている(例えば、AMP−224(Amplimmune社/GlaxoSmithKline社))。
IL−10は、PD1/PDL1連結の阻害作用に関与してきた(Said et al.,(2010)Nat.Med.16:452−59;Wolfle et al.,(2011)Eur.J.Immunol.41:413−24;Rodriguez−Garcia et al.,(Apr 2011)J.Leukoc.Biol.89(4):507−15;及びGetts et al.,(2011)J.Immunol.187:2405−17を参照のこと)。文献内で示唆されたものとは対照的に、本開示は、IL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)と、PD1、PD1L、またはPD1/PDL1間の直接相互作用の阻害剤との組み合わせを含む、有望な治療アプローチを意図する。
BTLA(B及びTリンパ球アテニュエーター;CD272としても知られる)。BTLAは、構造的及び機能的にCTLA−4及びPD−1に関連した共抑制分子である。BTLAは、ウイルス特異的ヒトCD8+T細胞上で発現するが、ナイーブからエフェクター表現型へのT細胞分化後、BTLAは次第に下方制御される(Paulos et al.,(Jan.2010)J.Clin.Invest.120(1):76−80)。ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM;TNFRSF14としても知られる)は、ある種の腫瘍細胞型(例えば、黒色腫)及び腫瘍関連内皮細胞上で発現し、BTLAのリガンドとして同定されてきた。BTLAとHVEMとの間の相互作用は複雑なので、BTLAに対する治療的阻害戦略は、その他の免疫チェックポイント阻害剤受容体及びリガンドに対する戦略よりも簡単ではない。[Pardoll,(April 2012)Nature Rev.Cancer 12:252−64]。
抗BTLA抗体及びアンタゴニストHVEM−Igを使用したBTLA/HVEM経路を標的とする多数の実験アプローチが評価され、このようなアプローチは、移植、感染、腫瘍、及び自己免疫疾患を含む、多数の疾患、障害及び状態において有望な実用性を示唆した(Wu et al.,(2012)Int.J.Biol.Sci.8:1420−30)。
BTLAとアゴニスト抗体との架橋は、T細胞増殖、IFNγ及びIL−10分泌を制限することが示された(Otsuki et al.,(2006)BBRC 344:1121−27)。加えて、IL−10曝露は、CD8+T細胞におけるBTLAのメッセージ発現を常に下方制御することが示された。まとめると、これらのデータは、IL−10及びBTLAの逆調整の可能性を示唆し、本開示の特定の実施形態は、このような併用療法に応答する疾患、障害または状態を有する対象に、IL−10(例えば、PEG−IL−10)と抗BTLA薬剤との組み合わせを投与することを意図する。
TIM3(T細胞膜タンパク質3;HAVcr2としても知られる)。TIM3は、Tヘルパー1(TH1)細胞応答を阻害するので、TIM3抗体は、抗腫瘍免疫を増強することが示された。TIM3のリガンドであるガレクチン9は、乳癌を含む様々な種類の癌で上方制御される。
TIM3は、腫瘍特異的CD8+T細胞上でPD1と共発現すると報告された。癌精巣抗原NY−ESO−1により刺激される場合、両方の分子の二重遮断は、ヒトT細胞のインビトロ増殖及びサイトカイン産生を大幅に増強する。更に、動物モデルでは、PD1及びTIM3の同等遮断は、個々の分子の遮断からでは、ほんのわずかな効果しか観察されなかった状況において抗腫瘍免疫応答を増強すると報告された。[例えば、Pardoll,(April 2012)Nature Rev.Cancer 12:252−64;Zhu et al.,(2005)Nature Immunol.6:1245−52;Ngiow et al.,(2011)Cancer Res.71:3540−51を参照のこと]。
TIM−3遮断は、IL−10を上方制御することが示された(Zhang,(2012)J.Leukoc.Biol.91(2):189−96;Anderson,(2010)Eur.J.Immunol.40:859−66を参照のこと)。文献内には記載も示唆もされていないが、この知見は、抗TIM3薬剤(例えば、中和Ab)を、IL−10を含む治療レジメンの一部として投与する場合、強力な相乗効果が存在し得る可能性を支持する。
LAG3(リンパ球活性化遺伝子3;CD233としても知られる)。LAG3は、制御性T(TReg)細胞の機能を増強し、独立してCD8+エフェクターT細胞機能を阻害する役割を果たすことが示された。LAG3のリガンドであるMHCクラスII分子は、一部の上皮癌上で(多くの場合、IFNγに応答して)上方制御され、腫瘍浸潤マクロファージ及び樹状細胞上にも発現する。LAG3−MHCクラスII相互作用の役割は決定的に解明された訳ではないが、相互作用は、TReg細胞機能を増強する際のLAG3の役割において主要な要素であり得る。
LAG3は、TReg細胞及びアネルギーT細胞上の両方で協調的に上方制御されるいくつかの免疫チェックポイント受容体の1つである。LAG3及びPD1の同時遮断は、1つの受容体単独での遮断と比較した場合、アネルギー状態の逆転を増強させることができる。事実、LAG3及びPD1の遮断は、慢性感染症の設定における腫瘍特異的CD8+T細胞及びウイルス特異的CD8+T細胞中でアネルギーを相乗的に逆転させることが示された。IMP321(ImmuFact)は、黒色腫、乳癌、及び腎細胞癌で評価されている。[一般に、Woo et al.,(2012)Cancer Res 72:917−27;Goldberg et al.,(2011)Curr.Top.Microbiol.Immunol.344:269−78;Pardoll,(April 2012)Nature Rev.Cancer 12:252−64;Grosso et al.,(2007)J.Clin.Invest.117:3383−392を参照のこと]。
LAG3はまた、IL−10を発現するTReg細胞のマーカーであることも示された(Camisaschi et.al.,(2010)J.Immunol.184)。これらのLAG3陽性細胞は、癌患者で増加することが示され、IL−10は、免疫抑制の促進に関与するという意見がある。本開示の特定の実施形態は、LAG3及びIL−10を含む併用療法を意図する。
A2aR(アデノシンA2a受容体A2aR;Adora2aとしても知られる)。A2aRは、CD4+T細胞を刺激してTReg細胞へと発達させることによりT細胞応答を阻害する。A2aRは、細胞ターンオーバーによる腫瘍での細胞死の割合が高く、死細胞は、A2aRのリガンドであるアデノシンを放出するので腫瘍免疫において特に重要である。加えて、A2aRの欠失は、感染に対する炎症応答の増強、及び時には病理学的炎症応答と関連付けられてきた。
A2aRの阻害は、アデノシン結合をブロックする抗体によって、またはアデノシンアナログによってもたらすことができる。このような薬剤は、癌及びパーキンソン病などの障害において有用であり得る。[一般に、Zarek et al.,(2008)Blood 111:251−59;Waickman et al.,(25 Nov 2011)Cancer Immunol.Immunother.(doi:10.1007/s00262−011−1155−7)を参照のこと]。このような薬剤とIL−10との併用療法は、本開示により特に意図される。
キラー阻害性受容体。キラー阻害性受容体は、それらの構造的特徴に基づいて2つのクラスに分けることができる:i)キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)、及びii)C型レクチン受容体(タイプII膜貫通受容体ファミリーメンバー)。これらの受容体の役割は、依然として調査されているが、これらの受容体は、NK細胞の殺傷活性の重要な制御因子であることが知られ、NK細胞の活性化は、強力な抗腫瘍活性を提供することができる。これらの受容体はまた、T細胞及びAPC(例えば、樹状細胞)上で阻害の役割を果たすと考えられている。KIR IgG4(リリルマブ;Bristol−Myers Squibb社)は、肺癌で調査されている。
大多数のキラー阻害性受容体は、ヒト白血球抗原(例えば、HLA)のサブセットに特異的であり、対立遺伝子特異性を有するが、それ以外のものは、広範に発現した分子を認識する。NK細胞のファミリーメンバーの阻害は、抗腫瘍免疫応答を調節する独自のアプローチを提示することができ、IL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)を含む併用療法が、本開示の実施形態である。[Raulet,(2006)Semm.Immunol.18:145−50;Plougastel et al.,(2006)Curr.Top.Microbiol.Immunol.298:77−89を参照のこと]。
追加の免疫チェックポイント。その他の定義不十分な免疫チェックポイントが、文献に記載されている。それらとしては、受容体(例えば、2B4(CD244としても知られる)受容体)及びリガンド(例えば、B7−H3(CD276としても知られる)及びB7−H4(B7−S1、B7x及びVCTN1としても知られる)のような、ある種のB7ファミリー阻害性リガンド)の両方が挙げられる。[Pardoll,(April 2012)Nature Rev.Cancer 12:252−64を参照のこと]。B7−H3及びB7−H4は、CTLA4及びPD1を含むB7スーパーファミリーのメンバーである。B7−H3は、T細胞活性化を阻害するリガンドであり、いくつかの難治性癌で評価されている(MGA271;MacroGenics社)。
IDO(インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ)は、腫瘍細胞及び活性化免疫細胞で通常発現する免疫調節酵素である。IDOは、トリプトファンの酸化によって媒介される免疫応答を下方制御する。これは、T細胞活性化の阻害及びT細胞アポトーシスの誘導をもたらし、腫瘍特異的細胞傷害性Tリンパ球が機能的に不活性となる、またはもはや対象の癌細胞を攻撃できなくなる環境を作り出す。Indoximod(NewLink Genetics社)は、転移性乳癌で評価されているIDO阻害剤である。
本開示は、本明細書に記載されるIL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)と組み合わせた、既知の、並びにまだ十分に解明及び/または同定されていないこれらの及びその他の免疫チェックポイント阻害剤の使用を意図する。
治療的考察。多くの腫瘍細胞は複数の阻害性リガンドを発現し、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は複数の阻害性受容体を発現する。様々な免疫チェックポイント阻害剤の作用機序を考慮する場合、それらが調整する免疫機能の多様性が影響する。例えば、CTLA4及びPD1は、異なるレベルで、異なる機序によって免疫応答を調整する。従って、抗腫瘍免疫は複数のレベルで増強することができ、組み合わせ戦略は、様々な機序的考察を考慮して生成することができる。
上記を考慮して、多くの場合、抗腫瘍免疫は、免疫チェックポイントの二重または三重(または場合によりそれを超える)遮断により増強することができる。多特異性抗体が、当該技術分野において開示されてきた。例えば、US2013/0156774は、PD1及びTIM3を共発現する細胞を標的とするための、二重特異性及び多特異性薬剤(例えば、抗体)、並びにそれらの使用方法について記載する。更に、BTLA及びPD1の二重遮断は、抗腫瘍免疫を増強することが示された(Pardoll,(April 2012)Nature Rev.Cancer 12:252−64)。
本開示は、複数の免疫チェックポイント阻害剤を対象とする、上で概略を述べた戦略と組み合わせたIL−10(例えば、PEG−IL−10)の使用を意図する。
免疫チェックポイント阻害剤に対する治療応答は一般に、従来の化学療法及びチロシンキナーゼ阻害剤に対する応答よりもずっと後になって、それらの応答が現れる。事実、免疫チェックポイント阻害剤を用いた治療開始後、治療応答の客観的な徴候が観察される前に6か月以上かかる場合がある。加えて、抗CTLA4抗体療法が関与するいくつかの場合には、転移性病変は、コンピュータ断層撮影法(CT)または磁気共鳴映像法(MRI)スキャン上で、その後退縮する前に実際にサイズが増加し;このことは、免疫細胞浸潤の増加に起因するようである。[例えば、Pardoll,(April 2012)Nature Rev.Cancer 12:252−64を参照のこと]。従って、本開示のIL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)と組み合わせた1種以上の免疫チェックポイント阻害剤を用いた処置を行うか否かについての決定は、しばしば、従来の療法を用いる場合よりも長期となる無増悪期間にわたって行われなければならない。
免疫チェックポイント阻害剤に関連した方法及びモデル。本開示は、本明細書に記載される併用療法(すなわち、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせたIL−10(例えば、PEG−IL−10))に応答し得る、1種以上の疾患、障害または状態を有する候補対象集団(または個別の対象)を同定する様々な方法及びモデルを意図する。いくつかの実施形態では、方法及びモデルは、組み合わせの投与が、相加効果または相乗効果をもたらすか否かの決定を可能にする。その他の実施形態では、方法及びモデルは、組み合わせの投与が、有害作用をもたらすことが少ないか否かの決定を可能にする。本開示のある種の実施形態は、インビトロ、エクスビボ及びインビボでの方法及び/またはモデルの使用を含む。対象集団(または個別の対象)は、本開示のある種の実施形態では、非ヒト動物(例えば、げっ歯類)またはヒトである。
例として、限定ではないが、本開示の一態様は、本明細書に記載される疾患、障害または状態(例えば、癌状態)を有する試験対象が、IL−10(例えば、PEG−IL−10)と1種以上の免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせを用いた処置の候補であるか否かを決定する方法を意図し、この方法は、a)このような疾患、障害または状態の徴候を有する試験対象を提供すること、b)試験対象に組み合わせを同時投与し、その組み合わせが、参照集団において所望の応答を得るのに十分であること、及びc)試験対象が、所望の応答を示すか否かを決定し;所望の応答の決定によって、その試験対象が、組み合わせを用いた処置の候補であることを示すことを含む。
所望の応答は、その状況下で好ましいと考えられる任意の結果であり得る。いくつかの実施形態では、所望の応答は、疾患、障害または状態の進行の予防であるが、その他の実施形態では、所望の応答は、疾患、障害または状態の1つ以上の特徴の後退または安定化(例えば、腫瘍サイズの減少)である。更にその他の実施形態では、所望の応答は、組み合わせの1種以上の薬剤に関連した1つ以上の有害作用の減少または排除である。
上で示したように、本開示は、様々なモデルも意図する。任意のモデルを使用して、信頼性があり再現可能な結果を提供することができる。当業者は、本開示の主題と組み合わせて使用することができるモデルに精通し;一実施形態では、組み合わせは、非ヒト対象(例えば、マウス)を含むモデルにおいて評価される。本開示の特定の実施形態は、IL−10と1種以上の免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせが、本明細書に記載される疾患、障害または状態(例えば、癌状態)を処置するための候補であるか否かを決定するモデルを意図する。
更なる実施形態は、組み合わせにおける1種以上の薬剤の最適量を決定する方法またはモデルを含む。最適量とは、例えば、対象もしくは対象集団において最適な効果を得る量、または治療効果を得るのと同時に、1種以上の薬剤に関連した有害作用を最小限に抑えるもしくは排除する量であり得る。いくつかの実施形態では、IL−10と1種以上の免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせ自体が、対象(例えば、ヒト)または対象集団における、本明細書に記載された疾患、障害または状態(例えば、癌状態)を処置または予防するのに効果的であると知られている、または効果的であると決定され、1つの薬剤量が、もう一方の1種以上の薬剤量を一定に保ちながら、調節される。このようにして1種以上の薬剤量を操作することにより、臨床医は、例えば、特定の疾患、障害もしくは状態を処置する、またはその状況下で許容されるように有害作用を排除する、もしくは有害作用を減少させるのに最も効果的な薬剤の比を決定することができる。
免疫チェックポイント阻害剤に関連するバイオマーカー。本開示はまた、本明細書に記載される方法及びモデルと組み合わせたバイオマーカーの使用も意図する。「1つ以上のバイオマーカー」という用語は、正常な生物学的プロセス、病原性プロセス、または治療的介入に対する薬理学的応答の指標として客観的に測定及び評価される特徴を指す。指標は、身体またはその生成物中で測定することができる任意の物質、構造、またはプロセスであってよく、結果または疾患の発生率に影響を与える、または予測する。
本開示のいくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーを使用して、IL−10−免疫チェックポイント阻害剤の併用療法に対する1つ以上の臨床応答を予測することを意図する。いくつかの場合には、このような療法において、処置前のバイオマーカーを使用することができ、バイオマーカーは、それが標準治療の治療判断の一部として適用され得ることになった時点で有効とされている。
本開示は、このような療法に対する対象の応答の存在及び程度、並びにこのような療法により引き起こされた有害効果の存在及び程度を含む、IL−10−免疫チェックポイント阻害剤療法の任意の態様において有用である、再現可能な情報を提供することができる任意のバイオマーカーの使用を意図する。例として、限定ではないが、PD1/PDL1に関連するバイオマーカーとしては、IFNγの増強、並びにグランザイムA、グランザイムB、及びパーフォリンの上方制御が挙げられ;BTLAに関連するバイオマーカーとしては、CD8+T細胞数及び機能の増加が挙げられ;CTLA4に関連するバイオマーカーとしては、IFNγの増強、グランザイムA、グランザイムB、及びパーフォリンの上方制御、並びにCD8+T細胞上でのICOS発現の増加が挙げられ;TIM3に関連するバイオマーカーとしては、グランザイムA、グランザイムB、及びパーフォリンの上方制御が挙げられ;LAG3に関連するバイオマーカーとしては、IL−10を発現するTReg細胞の増強が挙げられる。エフェクター分子IP−10(誘導タンパク質10)及びMIG(IFNγにより誘導されたモノカイン)の発現は、LPSまたはIFNγのいずれかにより、ある種のIL−10発現腫瘍で増加することが知られ;これらのエフェクター分子は、本明細書に記載される組み合わせ療法によって増強される可能性がある、潜在的血清バイオマーカーとしても活用することができる。
血清濃度
本明細書に記載の方法における、IL−10の血漿レベルは、(1)ある規定レベルを超える、もしくはレベルの範囲内の平均IL−10血清トラフ濃度;(2)ある期間、ある規定レベルを超える平均IL−10血清トラフ濃度;(3)ある規定レベルを超えるもしくはそれ未満の、もしくはレベルの範囲内の定常状態IL−10血清濃度レベル;または(4)ある規定レベルを超えるもしくはそれ未満の、もしくはレベルのある範囲内の濃度プロファイルのCmaxを含む、いくつかの手法で特徴付けることができる。本明細書に記載されるように、平均血清トラフIL−10濃度は、ある種の指標における有効性に対して特に重要であることが見出された。
本開示のいくつかの実施形態では、作成され得る血漿及び/または血清レベル濃度プロファイルは、約1.0pg/mL超、約10.0pg/mL超、約20.0pg/mL超、約30pg/mL超、約40pg/mL超、約50.0pg/mL超、約60.0pg/mL超、約70.0pg/mL超、約80.0pg/mL超、約90pg/mL超、約0.1ng/mL超、約0.2ng/mL超、約0.3ng/mL超、約0.4ng/mL超、約0.5ng/mL超、約0.6ng/mL超、約0.7ng/mL超、約0.8ng/mL超、約0.9ng/mL超、約1.0ng/mL超、約1.5ng/mL超、約2.0ng/mL超、約2.5ng/mL超、約3.0ng/mL超、約3.5ng/mL超、約4.0ng/mL超、約4.5ng/mL超、約5.0ng/mL超、約5.5ng/mL超、約6.0ng/mL超、約6.5ng/mL超、約7.0ng/mL超、約7.5ng/mL超、約8.0ng/mL超、約8.5ng/mL超、約9.0ng/mL超、約9.5ng/mL超、または約10.0ng/mL超の平均IL−10血漿及び/または血清トラフ濃度を含む。
本開示の特定の実施形態では、平均IL−10血清トラフ濃度は、1.0pg/mL〜10ng/mLの範囲内である。いくつかの実施形態では、平均IL−10血清トラフ濃度は、1.0pg/mL〜100pg/mLの範囲内である。その他の実施形態では、平均IL−10血清トラフ濃度は、0.1ng/mL〜1.0ng/mLの範囲内である。更にその他の実施形態では、平均IL−10血清トラフ濃度は、1.0ng/mL〜10ng/mLの範囲内である。本開示は、たとえ、このような範囲が明示的に列挙されていなくとも、本明細書に記載されるその範囲により包含される任意の濃度を組み込んだ範囲を意図することを理解すべきである。例として、一実施形態では、平均血清IL−10濃度は、0.5ng/mL〜5ng/mLの範囲内であり得る。更なる例として、本開示の特定の実施形態は、約0.5ng/mL〜約10.5ng/mL、約1.0ng/mL〜約10.0ng/mL、約1.0ng/mL〜約9.0ng/mL、約1.0ng/mL〜約8.0ng/mL、約1.0ng/mL〜約7.0ng/mL、約1.5ng/mL〜約10.0ng/mL、約1.5ng/mL〜約9.0ng/mL、約1.5ng/mL〜約8.0ng/mL、約1.5ng/mL〜約7.0ng/mL、約2.0ng/mL〜約10.0ng/mL、約2.0ng/mL〜約9.0ng/mL、約2.0ng/mL〜約8.0ng/mL、及び約2.0ng/mL〜約7.0ng/mLの範囲内の平均IL−10血清トラフ濃度を含む。
特定の実施形態では、1〜2ng/mLの平均IL−10血清トラフ濃度が、処置期間にわたり維持される。本開示はまた、平均IL−10血清ピーク濃度が、処置期間にわたり約10.0ng/mL以下である実施形態も意図する。更なる実施形態は、約1.0pg/mL以上の平均IL−10血清トラフ濃度を意図する。最適な平均血清濃度は一般に、望ましくない有害作用を導入することなく、所望の治療効果が得られる濃度である。
本開示のある種の実施形態は、有害作用を予測し、それゆえ潜在的にその作用を避けるために、IL−10療法を受ける対象をモニターする方法を提供し、この方法は、(1)対象の、IL−10のピーク濃度を測定すること;(2)対象の、IL−10のトラフ濃度を測定すること;(3)ピーク−トラフ変動を計算すること;及び(4)対象における潜在的有害作用を予測するために、計算したピーク−トラフ変動を使用することを含む。特定の対象集団において、ピーク−トラフ変動がより小さくなると、対象がIL−10関連の有害作用を受けるだろう確率がより低くなることを示す。加えて、いくつかの実施形態では、特定のピーク−トラフ変動が、特定の投薬パラメータを使用する特定の疾患、障害及び状態の処置のために決定され、それらの変動が参照基準として使用される。
大多数の薬物について、血漿薬物濃度は、多指数関数的に低下する。静脈内投与の直後、薬物は、初期空間(最低限、血漿容積として定義される)の全体にわたり急速に分布し、次いで、細胞外空間(例えば、ある種の組織)への平衡分布が緩やかに生じる。静脈内IL−10投与は、このような2つのコンパートメント動態モデルに関連する(Rachmawati,H.et al.(2004)Pharm.Res.21(11):2072−78を参照のこと)。皮下組換えhIL−10の薬物動態もまた研究されてきた(Radwanski,E.et al.(1998)Pharm.Res.15(12):1895−1901)。従って、分布容積の考察は、適切なIL−10投薬関連パラメータを評価する場合に関係する。更に、特定の細胞型に対するIL−10薬剤を対象にした取り組みが調査され(例えば、Rachmawati,H.(May 2007)Drug Met.Dist.35(5):814−21を参照のこと)、IL−10薬物動態及び投薬方針の活用は、このような取り組みの成功に対して非常に重要であると証明することができる。
本開示は、上述したIL−10血清トラフ濃度のいずれかの維持をもたらす任意の用量及び投薬レジメンの投与を意図する。例として、限定ではないが、対象がヒトである場合、非PEG化hIL−10は、0.5μg/kg/日超、1.0μg/kg/日超、2.5μg/kg/日超、5μg/kg/日超、7.5μg/kg超、10.0μg/kg超、12.5μg/kg超、15μg/kg/日超、17.5μg/kg/日超、20μg/kg/日超、22.5μg/kg/日超、25μg/kg/日超、30μg/kg/日超、または35μg/kg/日超の用量で投与することができる。加えて、例として、限定ではないが、対象がヒトである場合、比較的小さなPEG(例えば、5kDaのモノ−、ジ−PEG−hIL−10)を含むPEG化hIL−10は、0.5μg/kg/日超、0.75μg/kg/日超、1.0μg/kg/日超、1.25μg/kg/日超、1.5μg/kg/日超、1.75μg/kg/日超、2.0μg/kg/日超、2.25μg/kg/日超、2.5μg/kg/日超、2.75μg/kg/日超、3.0μg/kg/日超、3.25μg/kg/日超、3.5μg/kg/日超、3.75μg/kg/日超、4.0μg/kg/日超、4.25μg/kg/日超、4.5μg/kg/日超、4.75μg/kg/日超、または5.0μg/kg/日超の用量で投与することができる。
IL−10血清濃度、特定のIL−10血清濃度を得るのに必要な用量及び治療プロトコールなどに関する先の議論は、IL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)を用いた単独療法に関するが、ある種の実施形態では、このような用量、治療プロトコールなどは、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせたIL−10薬剤を含む治療レジメンとも関連する。例えば、PEG−IL−10投薬レジメンは、その薬剤が単独で投与される場合も、またはPD1アンタゴニストと組み合わせて投与される場合でも同じであってよく、なぜなら、PEG−IL−10及びPD1アンタゴニストは、それらの投薬パラメータを修正することなく薬剤を組み合わせることが可能な異なる作用機序を有するからである。しかしながら、このような組み合わせは、PEG−IL−10及び/または1種以上の免疫チェックポイント阻害剤の通常の投薬レジメンに対する修正を可能にすることができる。例えば、所望の治療効果を保持しながら、1つもしくは両方の薬剤の治療用量を減少させることができる、1つもしくは両方の薬剤の投薬頻度を低減させることができる、及び/または1つもしくは両方の薬剤の治療期間を短縮することができる。
当業者(例えば、薬理学者)は、IL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)が、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与される場合に、最適な1つ以上の投薬レジメンを決定することができる。例として、いくつかの実施形態では、最適なPEG−IL−10投薬レジメンは、1回当たりに投与されるPEG−IL−10の量の減少を必要としてよい(例えば、1.0μg/kg/日未満、0.75μg/kg/日未満、0.5μg/kg/日未満、0.25μg/kg/日未満、または0.125μg/kg/日未満)。本開示のある種の例示的実施形態では、平均IL−10血清トラフ濃度は、約0.1ng/mL〜約9.5ng/mL、約0.25ng/mL〜約8.0ng/mL、約0.5ng/mL〜約7.0ng/mL、約0.75ng/mL〜約6.0ng/mL、または約1.0ng/mL〜約5.0ng/mLの範囲内であってよい。
IL−10薬剤が、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与される場合、単独療法に適用できるIL−10薬剤の1つ以上の投薬パラメータを修正することができる一方で、単独療法に適用できる1種以上の免疫チェックポイント阻害剤の投薬パラメータを同じままにすることができ;単独療法に適用できるIL−10薬剤の1つ以上の投薬パラメータを同じままにすることができる一方で、単独療法に適用できる1種以上の免疫チェックポイント阻害剤の1つ以上の投薬パラメータを修正することができ;単独療法に適用できるIL−10薬剤及び1種以上の免疫チェックポイント阻害剤の1つ以上の投薬パラメータを修正することができ;または単独療法に適用できるIL−10薬剤及び1種以上の免疫チェックポイント阻害剤の各々の投薬パラメータを、同じままにすることができる。
IL−10の生産方法
本開示のポリペプチドは、非組換え方法(例えば、化学合成)及び組換え方法を含む、任意の好適な方法によって生産することができる。
A.化学合成
ポリペプチドが化学的に合成される場合、合成は、液相または固相を介して進行することができる。固相ペプチド合成(SPPS)は、非天然アミノ酸及び/またはペプチド/タンパク質骨格修飾の組み込みを可能にする。9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)及びt−ブチルオキシカルボニル(Boc)などの様々な形態のSPPSが、本開示のポリペプチドを合成するために利用可能である。化学合成の詳細は、当該技術分野において既知である(例えば、Ganesan A.(2006)Mini Rev.Med.Chem.6:3−10;及びCamarero J.A.et al.,(2005)Protein Pept Lett.12:723−8)。
固相ペプチド合成は、以下に記載されるように実施することができる。α官能基(Nα)及び任意の反応性側鎖は、酸不安定基または塩基不安定基で保護される。保護基は、アミド結合を連結する条件下で安定するが、形成されたペプチド鎖を損なうことなく容易に切断することができる。α−アミノ官能基に好適な保護基としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:Boc、ベンジルオキシカルボニル(Z)、O−クロロベンジルオキシカルボニル、ビ−フェニルイソプロピルオキシカルボニル、tert−アミルオキシカルボニル(Amoc)、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシ−ベンジルオキシカルボニル、o−ニトロスルフェニル、2−シアノ−t−ブトキシ−カルボニル、Fmoc、1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘクス−1−イリデン)エチル(Dde)など。
好適な側鎖保護基としては、アセチル、アリル(All)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、ベンジル(Bzl)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシメチル(Bom)、o−ブロモベンジルオキシカルボニル、t−ブチル(tBu)、t−ブチルジメチルシリル、2−クロロベンジル、2−クロロベンジルオキシカルボニル、2,6−ジクロロベンジル、シクロヘキシル、シクロペンチル、1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘクス−1−イリデン)エチル(Dde)、イソプロピル、4−メトキシ−2,3−6−トリメチルベンジルスルホニル(Mtr)、2,3,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(Pmc)、ピバリル、テトラヒドロピラン−2−イル、トシル(Tos)、2,4,6−トリメトキシベンジル、トリメチルシリル及びトリチル(Trt)が挙げられるが、これらに限定されない。
固相合成では、C末端アミノ酸は、好適な支持体材料に結合される。好適な支持体材料は、試薬並びに合成プロセスの段階的縮合及び切断反応の反応条件に対して不活性であるもの、並びに使用される反応媒体に溶解しないものである。市販の支持体材料の例としては、反応性基及び/またはポリエチレングリコールで修飾されたスチレン/ジビニルベンゼンコポリマー;クロロメチル化スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー;ヒドロキシメチル化またはアミノメチル化スチレン/ジビニルベンゼンコポリマーなどが挙げられる。ペプチド酸の調製を所望する場合、ポリスチレン(1%)−ジビニルベンゼン、または4−ベンジルオキシベンジル−アルコール(Wang−アンカー)で誘導体化されたTentaGel(登録商標)、または2−クロロトリチルクロリドを使用することができる。ペプチドアミドの場合には、ポリスチレン(1%)ジビニルベンゼン、または5−(4’−アミノメチル−3’,5’−ジメトキシフェノキシ)吉草酸(PAL−アンカー)もしくはp−(2,4−ジメトキシフェニル−アミノメチル)−フェノキシ基(Rinkアミドアンカー)で誘導体化されたTentaGel(登録商標)を使用することができる。
ポリマー支持体への結合は、室温または高温(例えば、40℃〜60℃)で、例えば、2〜72時間の反応時間で、エタノール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドンまたは類似した溶媒中への活性化試薬の添加によって、C末端Fmoc保護アミノ酸を支持体材料と反応させることにより得ることができる。
PAL、WangまたはRinkアンカーへのNα保護アミノ酸(例えば、Fmocアミノ酸)の結合は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールまたは1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールの存在下または不在下で、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)またはその他のカルボジイミド、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)またはその他のウロニウム塩、O−アシル−尿素、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)またはその他のホスホニウム塩、N−ヒドロキシスクシンイミド、その他のN−ヒドロキシイミドまたはオキシムなどのカップリング試薬を使用して、例えば、HOBtを添加してTBTUを使用し、例えば、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、トリエチルアミンまたはN−メチルモルホリンなどの塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミンを添加して、または添加することなく、2〜72時間の反応時間で(例えば、1.5〜3倍過剰のアミノ酸及びカップリング試薬で3時間、例えば、2倍過剰で約10℃〜50℃の温度、例えば、25℃で、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンまたはジクロロメタンなどの溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド中で)実施することができる。
カップリング試薬の代わりに、上記条件下で、活性エステル(例えば、ペンタフルオロフェニル、p−ニトロフェニルなど)、Nα−Fmoc−アミノ酸の対称無水物、その酸塩化物または酸フッ化物を使用することも可能である。
Nα−保護アミノ酸(例えば、Fmocアミノ酸)は、10〜120分、例えば、20分の反応時間で、DIEAを添加して、ジクロロメタン中において2−クロロトリチル樹脂に結合することができるが、この溶媒及びこの塩基の使用に限定されない。
保護アミノ酸の連続結合は、ペプチド合成における従来の方法により、典型的には自動ペプチド合成機において実施することができる。例えば、ジメチルホルムアミド中のピペリジン(10%〜50%)で5〜20分間、例えば、DMF中の50%ピペリジンで2×2分間、DMF中の20%ピぺリジンで1×15分間処理することによる、固相上で結合したアミノ酸のNα−Fmoc保護基の切断後、3〜10倍過剰、例えば、10倍過剰な次の保護アミノ酸が、約10℃〜50℃の温度で、例えば、25℃で、ジクロロメタン、DMFまたはその2つの混合物などの不活性な非水性極性溶媒中で、前のアミノ酸に結合する。第1Nα−Fmocアミノ酸をPAL、WangまたはRinkアンカーへと結合させるための前述の試薬は、カップリング試薬として好適である。保護アミノ酸の活性エステル、または塩化物もしくはフッ化物、またはそれらの対称無水物もまた、代替物として使用することができる。
固相合成の最後に、ペプチドは支持体材料から切断されて、同時に側鎖保護基を切断する。切断は、5%〜20%V/Vのジメチルスルフィド、エチルメチルスルフィド、チオアニソール、チオクレゾール、m−クレゾール、アニソールエタンジチオール、フェノールまたは水などの捕捉剤を添加して、例えば、15%v/vのジメチルスルフィド/エタンジチオール/m−クレゾール1:1:1を添加して、0.5〜3時間以内、例えば、2時間で、トリフルオロ酢酸またはその他の強酸性媒体を用いて実施することができる。完全に保護された側鎖を有するペプチドは、2−クロロトリチルアンカーを氷酢酸/トリフルオロエタノール/ジクロロメタン2:2:6で切断することによって得られる。保護ペプチドは、シリカゲル上でクロマトグラフィーによって精製することができる。ペプチドがWangアンカーを介して固相に連結される場合、及びC末端がアルキルアミド化されたペプチドを得ることを目的とする場合、切断は、アルキルアミンまたはフルオロアルキルアミンを用いたアミノリシスによって実施することができる。アミノリシスは、約−10℃〜50℃(例えば、約25℃)の温度、及び約12〜24時間(例えば、約18時間)の反応時間で実施される。加えて、ペプチドは、例えば、メタノールを用いた再エステル化によって支持体から切断することができる。
得られた酸性溶液は、3〜20倍の量の冷エーテルまたはn−ヘキサン、例えば、10倍過剰のジエチルエーテルと混合し、ペプチドを沈殿させて、それゆえエーテル中に残存する捕捉剤及び切断された保護基を分離することができる。更なる精製は、氷酢酸から数回ペプチドを再沈殿させることにより実施することができる。得られた沈殿物は、水もしくはtert−ブタノールまたはその2つの溶媒の混合物、例えば、tert−ブタノール/水の1:1混合物で収集し、凍結乾燥することができる。
得られたペプチドは、酢酸塩形態の弱塩基性樹脂上でのイオン交換;非誘導体化ポリスチレン/ジビニルベンゼンコポリマー(例えば、Amberlite(登録商標)XAD)上での疎水性吸着クロマトグラフィー;シリカゲル上での吸着クロマトグラフィー;例えば、カルボキシメチルセルロース上でのイオン交換クロマトグラフィー;例えば、Sephadex(登録商標)G−25上での分配クロマトグラフィー;向流分配クロマトグラフィー;または高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、例えば、オクチルまたはオクタデシルシリルシリカ(ODS)相上での逆相HPLCを含む、様々なクロマトグラフィー法によって精製することができる。
B.組換え生産
ヒト及びマウスIL−10の調製について記載している方法は、例えば、U.S.5,231,012に見出すことができ、これは、組換え及びその他の合成技術を含む、IL−10活性を有するタンパク質の生産方法を教示する。IL−10はウイルス起源であり得て、エプスタインバーウイルスからのウイルス性IL−10(BCRF1タンパク質)のクローニング及び発現が、Moore et al.,(1990)Science 248:1230に開示されている。IL−10は、本明細書に記載されたものなどの、当該技術分野において既知の標準的技術を使用する多数の方法で得ることができる。組換えヒトIL−10はまた、例えば、PeproTech社、ロッキーヒル、ニュージャージー州から市販されている。
ポリペプチドが組換え技術を使用して生産される場合、ポリペプチドは、任意の好適な構築物、及び原核細胞または真核細胞、それぞれ細菌(例えば、大腸菌)または酵母宿主細胞などであり得る任意の好適な宿主細胞を使用して、細胞内タンパク質として、または分泌タンパク質として生産することができる。宿主細胞として使用することができる真核細胞のその他の例としては、昆虫細胞、哺乳動物細胞、及び/または植物細胞が挙げられる。哺乳動物宿主細胞を使用する場合、それらの細胞としては、ヒト細胞(例えば、HeLa、293、H9及びJurkat細胞);マウス細胞(例えば、NIH3T3、L細胞、及びC127細胞);霊長類細胞(例えば、Cos1、Cos7及びCV1);及びハムスター細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)を挙げることができる。
ポリペプチドの発現に好適な種々の宿主−ベクター系が、当該技術分野において既知の標準的な手順により用いることができる。例えば、Sambrook et al.,1989 Current Protocols in Molecular Biology Cold Spring Harbor Press,ニューヨーク;及びAusubel et al.1995 Current Protocols in Molecular Biology,Eds.Wiley and Sonsを参照のこと。遺伝物質を宿主細胞に導入する方法としては、例えば、形質転換、エレクトロポレーション法、接合法、リン酸カルシウム法などが挙げられる。導入方法は、導入されたポリペプチドをコードする核酸の安定発現を提供するように選択することができる。ポリペプチドをコードする核酸は、遺伝性エピソームエレメント(例えば、プラスミド)として提供することができる、またはゲノム的に組み込むことができる。関心対象のポリペプチドの生産に使用する種々の適切なベクターは、市販されている。
ベクターは、宿主細胞における染色体外維持を提供することができる、または宿主細胞ゲノムへの組み込みを提供することができる。発現ベクターは、転写及び翻訳制御配列を提供し、誘導発現または構成的発現を提供することができ、コード領域が、転写開始領域、並びに転写及び翻訳終結領域の転写制御下で機能的に連結される。一般に、転写及び翻訳制御配列としては、プロモーター配列、リボソーム結合部位、転写開始及び終結配列、翻訳開始及び終結配列、並びにエンハンサーまたはアクチベーター配列を挙げることができるが、これらに限定されない。プロモーターは、構成的または誘導性のいずれかであり得て、強力な構成的プロモーター(例えば、T7)であり得る。
発現構築物は一般に、プロモーター配列近傍に位置する便利な制限部位を有し、関心対象のタンパク質をコードする核酸配列の挿入を提供する。発現宿主において機能的な選択マーカーは、ベクターを含有する細胞の選択を容易にするために存在し得る。更に、発現構築物は、追加の要素を含むことができる。例えば、発現ベクターは、1つまたは2つの複製系を有することができ、従って、発現のために生物、例えば、哺乳動物細胞または昆虫細胞において、並びにクローニング及び増幅のために原核生物宿主においてベクターを維持することが可能である。加えて、発現構築物は、選択マーカー遺伝子を含有することができ、形質転換された宿主細胞の選択を可能にする。選択可能な遺伝子は、当該技術分野において周知であり、使用される宿主細胞により変更されるだろう。
タンパク質の単離及び精製は、当該技術分野において既知の方法によって実施することができる。例えば、タンパク質は、タンパク質を構成的に及び/もしくは誘導時に発現するよう遺伝子組換えされた細胞の溶解物から、またはサンプルを抗タンパク質抗体と接触させ、非特異的に結合した物質を除去するために洗浄し、特異的に結合したタンパク質を溶出することを一般に伴う免疫親和性精製による合成反応混合物から単離することができる。単離したタンパク質は、透析及びタンパク質精製において通常用いられるその他の方法によって更に精製することができる。一実施形態では、タンパク質は、金属キレートクロマトグラフィー方法を使用して単離することができる。タンパク質は、単離を容易にするために修飾を含有することができる。
ポリペプチドは、実質的に純粋な形態または単離した形態(例えば、その他のポリペプチドを含まない)で調製することができる。ポリペプチドは、存在し得るその他の成分(例えば、その他のポリペプチドまたはその他の宿主細胞成分)に対して、ポリペプチドについて濃縮される組成物中に存在し得る。例えば、精製されたポリペプチドは、ポリペプチドが、その他の発現タンパク質を実質的に含まない、例えば、約90%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、または約1%未満で組成物中に存在するように提供することができる。
IL−10ポリペプチドは、IL−10ポリペプチドをコードすることができる構築物を提供するために、当該技術分野において既知の異なるIL−10関連核酸を操作する組換え技術を使用して生成することができる。特定のアミノ酸配列を提供した場合、当業者は、例えば、分子生物学における当業者の背景及び経験を考慮して、このようなアミノ酸配列をコードする種々の異なる核酸分子を認識するだろうと理解されるだろう。
アミド結合置換
いくつかの場合には、IL−10は、ペプチド結合以外の1つ以上の結合を含み、例えば、少なくとも2つの隣接したアミノ酸は、アミド結合以外の結合を介して結合する。例えば、望ましくないタンパク質分解もしくはその他の分解手段を減少もしくは排除するために、及び/または血清安定性を増加させるために、及び/または構造的柔軟性を制限もしくは増加させるために、IL−10の骨格内の1つ以上のアミド結合を置換することができる。
別の例では、IL−10における1つ以上のアミド結合(−CO−NH−)は、−CH2NH−、−CH2S−、−CH2CH2−、−CH=CH−(シス及びトランス)、−COCH2−、−CH(OH)CH2−または−CH2SO−などのアミド結合の同配体である結合で置換することができる。IL−10における1つ以上のアミド結合は、例えば、減少した同配体偽ペプチド結合によっても置換することができる。Couder et al.(1993)Int.J.Peptide Protein Res.41:181−184を参照のこと。このような置換及びこれらをもたらす方法は、当業者に既知である。
アミノ酸置換
1つ以上のアミノ酸置換を、IL−10ポリペプチドにおいて行うことができる。以下は、非限定的例である:
a)アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ノルロイシン、(S)−2−アミノ酪酸、(S)−シクロヘキシルアラニン、または分岐鎖、環状及び直鎖アルキル、アルケニルもしくはアルキニル置換を含むC1〜C10の炭素からの脂肪族側鎖により置換されたその他の単純なα−アミノ酸を含む、アルキル置換疎水性アミノ酸の置換;
b)フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、スルホチロシン、ビフェニルアラニン、1−ナフチルアラニン、2−ナフチルアラニン、2−ベンゾチエニルアラニン、3−ベンゾチエニルアラニン、ヒスチジンを含み、上に列挙した芳香族アミノ酸のアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アザ、ハロゲン化(フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード)またはアルコキシ(C1〜C4)置換形態(その実例は、2−、3−または4−アミノフェニルアラニン、2−、3−または4−クロロフェニルアラニン、2−、3−または4−メチルフェニルアラニン、2−、3−または4−メトキシフェニルアラニン、5−アミノ−、5−クロロ−、5−メチル−または5−メトキシトリプトファン、2’−、3’−、または4’−アミノ−、2’−、3’−、または4’−クロロ−、2、3、または4−ビフェニルアラニン、2’−、3’−、または4’−メチル−、2−、3−または4−ビフェニルアラニン、及び2−または3−ピリジルアラニンである)を含む、芳香族置換疎水性アミノ酸の置換;
c)置換基が、ヘテロ原子(α窒素、または末端窒素もしくは1個以上の窒素など)上に、または例えばプロ−R位におけるα炭素上にあるか否かにかかわらず、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、2,3−ジアミノプロピオン酸、ホモアルギニンを含み、前のアミノ酸のアルキル、アルケニル、またはアリール置換(C1〜C10の分岐鎖、直鎖、または環状)誘導体を含む、塩基性側鎖を含有するアミノ酸の置換。実例として機能する化合物としては、N−ε−イソプロピル−リジン、3−(4−テトラヒドロピリジル)−グリシン、3−(4−テトラヒドロピリジル)−アラニン、N,N−γ,γ’−ジエチル−ホモアルギニンが挙げられる。アルキル基がα−炭素のプロ−R位を占める、α−メチル−アルギニン、α−メチル−2,3−ジアミノプロピオン酸、α−メチル−ヒスチジン、α−メチル−オルニチンなどの化合物もまた挙げられる。アルキル、芳香族、ヘテロ芳香族(ヘテロ芳香族基が、単独でまたは組み合わせて1個以上の窒素、酸素または硫黄原子を有する場合)、カルボン酸、または酸塩化物、活性エステル、活性アゾリド及び関連誘導体などの多くの周知の活性化誘導体のいずれか、並びにリジン、オルニチン、または2,3−ジアミノプロピオン酸から形成されたアミドもまた挙げられる;
d)アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモグルタミン酸、チロシン、2,4−ジアミノプロピオン酸、オルニチンまたはリジンのアルキル、アリール、アリールアルキル、及びヘテロアリールスルホンアミド、並びにテトラゾール置換アルキルアミノ酸を含む、酸性アミノ酸の置換;
e)アスパラギン、グルタミン、及びアスパラギンまたはグルタミンのアルキルまたは芳香族置換誘導体を含む、側鎖アミド残基の置換;並びに
f)セリン、スレオニン、ホモセリン、2,3−ジアミノプロピオン酸、及びセリンまたはスレオニンのアルキルまたは芳香族置換誘導体を含む、ヒドロキシル含有アミノ酸の置換。
いくつかの場合では、IL−10は、アミノ酸の1つ以上の天然に存在する非遺伝的にコードされたL−アミノ酸、合成L−アミノ酸、またはD−エナンチオマーを含む。例えば、IL−10は、D−アミノ酸のみを含むことができる。例えば、IL−10ポリペプチドは、以下の残基のうちの1つ以上を含むことができる:ヒドロキシプロリン、β−アラニン、o−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、m−アミノメチル安息香酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、α−アミノイソ酪酸、N−メチルグリシン(サルコシン)、オルニチン、シトルリン、t−ブチルアラニン、t−ブチルグリシン、N−メチルイソロイシン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ノルロイシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン3−ベンゾチエニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、2−フルオロフェニルアラニン、3−フルオロフェニルアラニン、4−フルオロフェニルアラニン、ペニシラミン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、β−2−チエニルアラニン、メチオニンスルホキシド、ホモアルギニン、N−アセチルリジン、2,4−ジアミノ酪酸、ρ−アミノフェニルアラニン、N−メチルバリン、ホモシステイン、ホモセリン、ε−アミノヘキサン酸、ω−アミノヘキサン酸、ω−アミノヘプタン酸、ω−アミノオクタン酸、ω−アミノデカン酸、ω−アミノテトラデカン酸、シクロヘキシルアラニン、α,γ−ジアミノ酪酸、α,β−ジアミノプロピオン酸、δ−アミノ吉草酸、及び2,3−ジアミノ酪酸。
追加の修飾
システイン残基またはシステインアナログをIL−10ポリペプチド内に導入し、ジスルフィド結合を介して別のペプチドに結合を提供することができる、またはIL−10ポリペプチドの環化を提供することができる。システインまたはシステインアナログを導入する方法は、当該技術分野において既知であり;例えば、U.S.8,067,532を参照のこと。
IL−10ポリペプチドを、環化することができる。1つ以上のシステインまたはシステインアナログをIL−10ポリペプチド内に導入することができ、導入されたシステインまたはシステインアナログが、2番目に導入されたシステインまたはシステインアナログとジスルフィド結合を形成することができる。環化のその他の手段としては、オキシムリンカーまたはランチオニンリンカーの導入が挙げられる;例えば、U.S.8,044,175を参照のこと。環化結合を形成することができるアミノ酸(または非アミノ酸部分)の任意の組み合わせを使用することができる、及び/または導入することができる。環化結合は、アミノ酸と(またはアミノ酸及び−(CH2)n−CO−もしくは−(CH2)n−C6H4−CO−と)架橋の導入を可能にする官能基との任意の組み合わせにより生成することができる。いくつかの例としては、ジスルフィド、−(CH2)n−カルバ架橋などのジスルフィド模倣体、チオアセタール、チオエーテル架橋(シスタチオニンまたはランチオニン)、並びにエステル及びエーテルを含有する架橋である。これらの例では、nは任意の整数であり得るが、しばしば10未満である。
その他の修飾としては、例えば、N−アルキル(またはアリール)置換(ψ[CONR])、またはラクタム及びその他の環状構造を構築するための骨格架橋が挙げられる。その他の誘導体としては、C末端ヒドロキシメチル誘導体、o−修飾誘導体(例えば、C末端ヒドロキシメチルベンジルエーテル)、アルキルアミド及びヒドラジドなどの置換アミドを含むN末端修飾誘導体が挙げられる。
いくつかの場合には、IL−10ポリペプチドにおける1つ以上のL−アミノ酸は、1つ以上のD−アミノ酸で置換される。
いくつかの場合には、IL−10ポリペプチドは、レトロインベルソアナログである(例えば、Sela and Zisman(1997)FASEB J.11:449を参照のこと)。レトロ−インベルソペプチドアナログは、アミノ酸配列の方向が逆転し(レトロ)、その中で1つ以上のアミノ酸のキラリティー、すなわちD−またはL−が反転され(インベルソ)、例えば、L−アミノ酸よりもむしろD−アミノ酸を使用する線状ポリペプチドの異性体である。[例えば、Jameson et al.(1994)Nature 368:744;及びBrady et al.(1994)Nature 368:692を参照のこと]。
IL−10ポリペプチドは、「タンパク質形質導入ドメイン」(PTD)を含むことができ、これは、脂質2重層、ミセル、細胞膜、オルガネラ膜、または小胞膜の横断を容易にするポリペプチド、ポリヌクレオチド、炭水化物、または有機もしくは無機分子を指す。別の分子に結合したPTDは、分子が膜を横断する、例えば、細胞外空間から細胞内空間へ、またはサイトゾルからオルガネラ内へ移動するのを容易にする。いくつかの実施形態では、PTDは、IL−10ポリペプチドのアミノ末端に共有結合し、一方で、その他の実施形態では、PTDは、IL−10ポリペプチドのカルボキシル末端に共有結合する。例示的なタンパク質形質導入ドメインとしては、最小ウンデカペプチドタンパク質形質導入ドメイン(YGRKKRRQRRR;配列番号:1を含むHIV−1 TATの残基47〜57に対応する);細胞への直接侵入に十分な多数のアルギニン残基を含むポリアルギニン配列(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、または10〜50のアルギニン);VP22ドメイン(Zender et al.(2002)Cancer Gene Ther.9(6):489−96);ショウジョウバエアンテナペディアタンパク質形質導入ドメイン(Noguchi et al.(2003)Diabetes 52(7):1732−1737);切断型ヒトカルシトニンペプチド(Trehin et al.(2004)Pharm.Research 21:1248−1256);ポリリジン(Wender et al.(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:13003−13008);RRQRRTSKLMKR(配列番号:2);トランスポータンGWTLNSAGYLLGKINLKALAALAKKIL(配列番号:3);KALAWEAKLAKALAKALAKHLAKALAKALKCEA(配列番号:4);及びRQIKIWFQNRRMKWKK(配列番号:5)が挙げられるが、これらに限定されない。例示的なPTDとしては、これらに限定されないが、YGRKKRRQRRR(配列番号:1)、RKKRRQRRR(配列番号:6);3つのアルギニン残基〜50のアルギニン残基のアルギニンホモポリマーが挙げられ;例示的なPTDドメインアミノ酸配列としては、以下のいずれかが挙げられるが、これらに限定されない:YGRKKRRQRRR(配列番号:1);RKKRRQRR(配列番号:7);YARAAARQARA(配列番号:8);THRLPRRRRRR(配列番号:9);及びGGRRARRRRRR(配列番号:10)。
IL−10ポリペプチドのC末端にあるアミノ酸のカルボキシル基COR3は、遊離形態(R3=OH)で、または例えば、ナトリウム塩、カリウム塩もしくはカルシウム塩などの生理学的に許容されるアルカリもしくはアルカリ土類塩の形態で存在し得る。カルボキシル基はまた、例えば、メタノール、分岐または非分岐のC1〜C6のアルキルアルコール、例えば、エチルアルコールまたはtert−ブタノールなどの1級、2級または3級アルコールでエステル化することができる。カルボキシル基はまた、アンモニア、分岐または非分岐のC1〜C6のアルキルアミンまたはC1〜C6のジ−アルキルアミン、例えば、メチルアミンまたはジメチルアミンなどの1級または2級アミンでアミド化することができる。
IL−10ポリペプチドのN末端にあるアミノ酸NR1R2のアミノ基は、遊離形態(R1=H及びR2=H)で、または例えば、塩化物もしくは酢酸塩などの生理学的に許容される塩の形態で存在し得る。アミノ基はまた、R1=H及びR2=アセチル、トリフルオロアセチル、またはアダマンチルであるように、酸でアセチル化することができる。アミノ基は、上で提供されたもの(例えば、Fmoc、ベンジルオキシ−カルボニル(Z)、Boc、及びAlloc)などの、ペプチド化学において従来使用されるアミノ保護基によって保護された形態で存在し得る。アミノ基はN−アルキル化され、R1及び/またはR2=C1〜C6のアルキルまたはC2〜C8のアルケニルまたはC7〜C9のアラルキルであり得る。アルキル残基は、直鎖、分岐鎖または環状(例えば、それぞれエチル、イソプロピル及びシクロヘキシル)であり得る。
IL−10機能を増強及び/または模倣するための特定の修飾
本明細書で開示される処置様式(例えば、IL−10)及び/またはそれらを投与する手法の多くの物理的特性のうちの1つを改善することは、しばしば有益であり、必須の場合もある。物理的特性の改善としては、例えば、免疫原性を調節すること;水溶性、バイオアベイラビリティ、血清半減期、及び/もしくは治療半減期を増加する方法;並びに/または生物活性を調節することが挙げられる。ある種の修飾はまた、例えば、検出アッセイ(例えば、エピトープタグ)において使用するための抗体の増加、及びタンパク質精製の容易性を提供するのに有用であり得る。このような改善は一般に、処置様式の生物活性に悪影響を与えることなく、及び/またはその免疫原性を増加させることなく付与されなければならない。
IL−10のPEG化は、本開示によって意図される1つの特定の修飾であり、一方で、その他の修飾としては、グリコシル化(N−結合及びO−結合);ポリシアル化;血清アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)、イヌ血清アルブミン、またはウシ血清アルブミン(BSA))を含むアルブミン融合分子;例えば、共役脂肪酸鎖(アシル化)によるアルブミン結合;及びFc融合タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。
PEG化:タンパク質治療薬の臨床的有効性は、多くの場合、短い血漿半減期及びプロテアーゼ分解に対する感受性によって制限される。様々な治療用タンパク質(例えば、フィルグラスチム)の研究は、このような困難が、様々な非タンパク質性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレンのいずれかにポリペプチド配列を共役または連結させることを含む、様々な修飾によって克服することができることを示した。この修飾は、タンパク質及び非タンパク質性ポリマー、例えば、PEGの両方に共有結合した連結部分によって、しばしばもたらされる。このようなPEG共役生体分子は、良好な物理的及び熱的安定性、酵素分解への感受性に対する保護、溶解度の増加、より長いインビボ循環半減期及びクリアランスの減少、免疫原性及び抗原性の減少、並びに毒性の減少を含む、臨床的に有用な特性を有することが示された。
薬物動態パラメータに対するPEG化の有益な効果に加えて、PEG化それ自体が、活性を増強することができる。例えば、PEG−IL−10は、非PEG化IL−10よりも、ある種の癌に対してより有効であることが示された(例えば、EP206636A2を参照のこと)。
ポリペプチド配列への共役に好適なPEGは一般に、室温で水溶性であり、一般式R(O−CH2−CH2)nO−Rを有し、式中、Rは、水素またはアルキル基もしくはアルカノール基などの保護基であり、nは、1〜1000の整数である。Rが保護基である場合、それは一般に1〜8個の炭素を有する。ポリペプチド配列に共役したPEGは、直鎖または分岐鎖であり得る。分岐PEG誘導体、「star−PEG」及び多分岐PEGが、本開示によって意図される。本開示で使用されるPEGの分子量は、任意の特定の範囲に制限されることなく、その例は、本明細書内の他の箇所に記載され;例として、ある種の実施形態では、5kDa〜20kDaの分子量を有し、一方で、その他の実施形態では、4kDa〜10kDaの分子量を有する。
本開示はまた、複合体の組成物を意図し、PEGは異なるn値を有して、それゆえ種々の異なるPEGが、特定の割合で存在する。例えば、いくつかの組成物は、n=1、2、3及び4である複合体の混合物を含む。いくつかの組成物では、n=1である複合体のパーセンテージが18〜25%であり、n=2である複合体のパーセンテージが50〜66%であり、n=3である複合体のパーセンテージが12〜16%であり、n=4である複合体のパーセンテージが最大5%である。このような組成物は、当該技術分野において既知の反応条件及び精製方法により生産することができる。例示的な反応条件は、本明細書全体を通して記載されている。陽イオン交換クロマトグラフィーを使用して、複合体を分離することができ、次いで、例えば、非修飾タンパク質配列及びその他の数の結合したPEGを有する複合体を含まないように精製された、所望数の結合したPEGを有する複合体を含有する画分を同定する。
PEG化は、ポリペプチドのN末端にあるαアミノ基、リジン残基の側鎖上にあるεアミノ基、及びヒスチジン残基の側鎖上にあるイミダゾール基で最も頻繁に生じる。組換えポリペプチドの多くは、単一のαアミノ基、並びに多数のεアミノ基及びイミダゾール基を有するので、リンカー化学に応じて多数の位置異性体が生成され得る。当該技術分野において既知の一般的なPEG化戦略が、本明細書で適用され得る。
広く使用される2つの第1世代活性化モノメトキシPEG(mPEG)は、スクシンイミジルカーボネートPEG(SC−PEG;例えば、Zalipsky,et al.(1992)Biotehnol.Appl.Biochem 15:100−114;及びMiron and Wilcheck(1993)Bio−conjug.Chem.4:568−569を参照のこと)及びベンゾトリアゾールカーボネートPEG(BTC−PEG;例えば、Dolence,et al.U.S.5,650,234を参照のこと)であり、リジン残基と選択的に反応してカルバメート結合を形成するが、ヒスチジン及びチロシン残基と反応することも知られている。ある種の分子(例えば、IFNα)上のヒスチジン残基への結合は、加水分解的に不安定なイミダゾールカルバメート結合であることが示された(例えば、Lee and McNemar、U.S.5,985,263を参照のこと)。第2世代PEG化技術は、これらの不安定な結合に加えて、残基反応性における選択性の欠如を回避するように設計されてきた。PEG−アルデヒドリンカーの使用は、還元的アミノ化によりポリペプチドのN末端上の単一部位を標的とする。
PEGは、末端反応性基(「スペーサー」)を介して本開示のポリペプチドに結合することができ、この基は、1つ以上のポリペプチド配列の遊離アミノ基またはカルボキシル基とポリエチレングリコールとの間の結合を媒介する。遊離アミノ基に結合することができるスペーサーを有するPEGは、N−ヒドロキシスクシニルイミドポリエチレングリコールを含み、ポリエチレングリコールのコハク酸エステルをN−ヒドロキシスクシニルイミドで活性化させることにより調製することができる。遊離アミノ基に結合することができる別の活性化ポリエチレングリコールは、2,4−ビス(O−メトキシポリエチレングリコール)−6−クロロ−s−トリアジンであり、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルを塩化シアヌルと反応させることにより調製することができる。遊離カルボキシル基に結合する活性化ポリエチレングリコールは、ポリオキシエチレンジアミンを含む。
本開示の1つ以上のポリペプチド配列の、スペーサーを有するPEGへの共役は、様々な従来の方法により実施することができる。例えば、共役反応は、5〜10のpH、4℃〜室温の温度、30分〜20時間で、4:1〜30:1の試薬対タンパク質のモル比を利用して溶液中で実施することができる。反応条件は、主に所望の程度の置換を生成するよう反応を誘導するために選択することができる。一般に、低温、低pH(例えば、pH=5)、及び短い反応時間では、結合するPEGの数を減少させる傾向があり、これに対して、高温、中性〜高pH(例えば、pH≧7)、及び長い反応時間では、結合するPEGの数を増加させる傾向がある。当該技術分野において既知の様々な手段を使用して、反応を停止することができる。いくつかの実施形態では、反応は、反応混合物を酸性化し、例えば、−20℃で凍結することにより停止する。様々な分子のPEG化が、例えば、U.S.5,252,714;5,643,575;5,919,455;5,932,462;及び5,985,263において述べられている。PEG−IL−10は、例えば、U.S.7,052,686に記載されている。本明細書で使用するために意図される特定の反応条件は、実験の節に記載されている。
本開示はまた、PEG模倣体の使用も意図する。いくつかの更なる有利な特性を付与しながら、PEGの特質(例えば、増強された血清半減期)を保持する組換えPEG模倣体が開発された。例として、関心対象のペプチドまたはタンパク質薬物にすでに融合された(例えば、Amunix社のXTEN技術;マウンテンビュー、カリフォルニア州)、PEGに類似して伸長した構造を形成することができる単純なポリペプチド鎖(例えば、Ala、Glu、Gly、Pro、Ser及びThrを含む)を、組換えて生産することができる。これは、製造プロセス中の更なる共役ステップの必要性をなくす。更に、確立された分子生物学技術は、ポリペプチド鎖の側鎖組成物の制御を可能にし、免疫原性及び製造特性の最適化を可能にする。
グリコシル化:本開示のために、「グリコシル化」は、グリカンをタンパク質、脂質またはその他の有機分子に結合させる酵素プロセスを広く指すことを意図する。本開示と関連する「グリコシル化」という用語の使用は一般に、1つ以上の糖質部分を付加する、もしくは欠失させること(基礎となるグリコシル化部位を除去することによる、または化学的及び/もしくは酵素的手段によりグリコシル化を欠失させることによるいずれか)、及び/または天然配列内に存在してもよく、もしくは存在しなくともよい1つ以上のグリコシル化部位を付加することを意味することを目的とする。加えて、この語句は、存在する様々な糖質部分の性質及び比率の変化に関与する、天然タンパク質のグリコシル化における質的変化を含む。
グリコシル化は、IL−10などのポリペプチドの物理的特性(例えば、溶解度)に劇的に影響を与えることができ、タンパク質の安定性、分泌、及び細胞内局在化においても重要であり得る。グリコシル化ポリペプチドはまた、増強された安定性を示すことができ、または半減期などの1つ以上の薬物動態特性を改善することができる。加えて、溶解度の改善は、例えば、非グリコシル化ポリペプチドを含む製剤よりも、薬剤投与により好適な製剤の生成を可能にすることができる。
グリコシル化部位の付加は、アミノ酸配列を変化させることにより実施することができる。ポリペプチドに対する変化は、例えば、1つ以上のセリンもしくはスレオニン残基(O−結合グリコシル化部位について)またはアスパラギン残基(N−結合グリコシル化部位について)の付加、またはそれによる置換により行うことができる。各種類で見られるN−結合及びO−結合オリゴ糖並びに糖残基の構造は、異なり得る。両方で一般的に見られる糖の種類の1つは、N−アセチルノイラミン酸(以後、シアル酸と称される)である。シアル酸は通常、N−結合及びO−結合オリゴ糖の両方の末端残基であり、その負電荷によって、糖タンパク質に酸の特性を付与することができる。本開示の特定の実施形態は、N−グリコシル化バリアントの生成及び使用を含む。
本開示のポリペプチド配列は、核酸レベルでの変化によって、特に、所望のアミノ酸に翻訳されるだろうコドンを生成するように予め選択された塩基でポリペプチドをコードする核酸を変異させることによって、場合により変化させることができる。
ポリシアル化:本開示はまた、ポリペプチドの安定性及びインビボ薬物動態を改善するために、ポリシアル化、すなわち天然に存在する生分解性α−(2→8)結合ポリシアル酸(「PSA」)へのポリペプチドの共役の使用を意図する。PSAは、高親水性である生分解性、非毒性の天然ポリマーであり、血中においてその血清半減期を増加させる大きな見かけの分子量を付与する。加えて、様々なペプチド及びタンパク質治療薬のポリシアル化は、タンパク質分解の著しい減少、活性のインビボ活性の保持、並びに免疫原性及び抗原性の減少をもたらした(例えば、G.Gregoriadis et al.,Int.J.Pharmaceutics 300(1−2):125−30を参照のこと)。部位特異的ポリシアル化についての様々な技術が利用可能である(例えば、T.Lindhout et al.,PNAS 108(18)7397−7402(2011)を参照のこと)。
アルブミン融合:共役のための追加の好適な成分及び分子としては、ヒト血清アルブミン(HSA)、イヌ血清アルブミン、及びウシ血清アルブミン(BSA)などのアルブミンが挙げられる。
本開示によれば、アルブミンは、薬物分子(例えば、本明細書に記載されるポリペプチド)のカルボキシル末端、アミノ末端、カルボキシル末端及びアミノ末端の両方で、内部に共役することができる(例えば、USP5,876,969及びUSP7,056,701を参照のこと)。
本開示により意図されるHSA−薬物分子複合体では、アルブミン分泌プレ配列及びそのバリアント、断片及びそのバリアント、並びにHSAバリアントなどの様々な形態のアルブミンを使用することができる。このような形態は一般に、1つ以上の所望のアルブミン活性を有する。追加の実施形態では、本開示は、直接または間接的にアルブミン、アルブミン断片、及びアルブミンバリアントなどに融合されるポリペプチド薬物分子を含む融合タンパク質を含み、融合タンパク質は、非融合薬物分子よりも高い血漿安定性を有する、及び/または融合タンパク質は、非融合薬物分子の治療活性を保持する。いくつかの実施形態では、間接的融合は、ペプチドリンカーまたはその修飾型などのリンカーによってもたらされる。
上で示唆したように、本開示の1つ以上のポリペプチドへのアルブミンの融合は、例えば、HSAをコードする核酸、またはその断片が、1つ以上のポリペプチド配列をコードする核酸に結合するように、遺伝子操作によって達成することができる。
代替的アルブミン結合戦略:いくつかのアルブミン結合戦略が、直接融合の代替案として開発され、本明細書に記載されるIL−10薬剤と共に使用することができる。例として、本開示は、共役脂肪酸鎖(アシル化)によるアルブミン結合、並びにアルブミン結合ドメイン(ABD)ポリペプチド配列及び本明細書に記載される1つ以上のポリペプチドの配列を含む融合タンパク質を意図する。
その他の分子との共役:共役のための追加の好適な成分及び分子としては、例えば、サイログロブリン;破傷風トキソイド;ジフテリアトキソイド;ポリ(D−リジン:D−グルタミン酸)などのポリアミノ酸;ロタウイルスのVP6ポリペプチド;インフルエンザウイルスヘマグルチニン、インフルエンザウイルス核タンパク質;キーホールリンペットヘモシアニン(KLH);並びにB型肝炎ウイルスコアタンパク質及び表面抗原;または前述のものの任意の組み合わせが挙げられる。
従って、本開示は、別のポリペプチド(例えば、対象ポリペプチドに対して異種のアミノ酸配列を有するポリペプチド)などの、ポリペプチド配列のN末端及び/もしくはC末端で1つ以上の追加の成分もしくは分子の共役、または担体分子の共役を意図する。従って、例示的なポリペプチド配列は、別の成分または分子との複合体として提供することができる。
IL−10ポリペプチドはまた、タンパク質;セファロース、アガロース、セルロース、またはセルロースビーズなどの多糖;ポリグルタミン酸、またはポリリジンなどのポリマーアミノ酸;アミノ酸コポリマー;不活化ウイルス粒子;ジフテリア、破傷風、コレラ、またはロイコトキシン分子からのトキソイドなどの不活化細菌毒素;不活化細菌;及び樹状細胞などの大きく、ゆっくりと代謝される高分子に共役することができる。このような共役形態は、所望する場合、本開示のポリペプチドに対して抗体を産生するために使用することができる。
共役のための追加の候補成分及び分子は、単離または精製に好適なものを含む。特定の非限定的例としては、ビオチン(ビオチン−アビジン特異的結合対)、抗体、受容体、リガンド、レクチン、または例えば、プラスチックもしくはポリスチレンビーズ、プレートもしくはビーズ、磁気ビーズ、試験片、及び膜を含む固体支持体を含む分子などの結合分子が挙げられる。
Fc融合分子:ある種の実施形態では、本開示のポリペプチド配列のアミノ末端またはカルボキシル末端は、融合複合体(または融合分子)を形成するために、免疫グロブリンFc領域(例えば、ヒトFc)と融合することができる。Fc融合複合体は、生物製剤の全身半減期を増加することが示され、それゆえ、生物製剤製品は、頻繁な投与を必要としない可能性がある。
Fcは、血管を覆う内皮細胞の新生児Fc受容体(FcRn)に結合し、結合時に、Fc融合分子は分解から保護され、循環内に再放出されて、循環内でより長く分子を保つ。このFc結合は、内因性IgGがその長い血漿半減期を保持する機序であると考えられる。より最近のFc融合技術は、生物製剤の単一コピーを抗体のFc領域に連結し、従来のFc融合複合体と比較して、生物製剤の薬物動態及び薬力学的特性を最適化する。
その他の修飾:本開示は、1つ以上の特性を改善するためのIL−10の、現在知られている、または将来開発されるその他の修飾の使用を意図する。例としては、HES化、その様々な態様は、例えば、U.S.2007/0134197及び2006/0258607に記載され、並びに融合タグとしてSUMOを含む融合分子(LifeSensors社;マルバーン、ペンシルベニア州)が挙げられる。
リンカー:リンカー及びその使用は、上に記載されている。本開示のポリペプチド配列を修飾するために使用される前述の成分及び分子のいずれかは、リンカーを介して場合により共役することができる。好適なリンカーとしては、一般に修飾ポリペプチド配列と、連結された成分及び分子との間で、ある程度の移動を可能にするのに十分な長さがある「柔軟なリンカー」が挙げられる。リンカー分子は一般に、約6〜50個の原子の長さである。リンカー分子はまた、例えば、アリールアセチレン、2〜10の単量体単位を含有するエチレングリコールオリゴマー、ジアミン、二酸、アミノ酸、またはそれらの組み合わせであり得る。好適なリンカーは容易に選択することができ、1アミノ酸(例えば、Gly)、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10〜20、20〜30、30〜50または50アミノ酸超などの任意の好適な長さであり得る。
柔軟なリンカーの例としては、グリシンポリマー(G)n、グリシン−セリンポリマー(例えば、(GS)n、GSGGSn(配列番号:11)及びGGGSn(配列番号:12)、ここでnは少なくとも1の整数である)、グリシン−アラニンポリマー、アラニン−セリンポリマー、及びその他の柔軟なリンカーが挙げられる。グリシン及びグリシン−セリンポリマーは、比較的構造化されておらず、従って、成分間の中性テザーとして機能することができる。
柔軟なリンカーの更なる例としては、グリシンポリマー(G)n、グリシン−アラニンポリマー、アラニン−セリンポリマー、グリシン−セリンポリマー(例えば、(GmSo)n、(GSGGS)n(配列番号:13)、(GmSoGm)n(配列番号:14)、(GmSoGmSoGm)n(配列番号:15)、(GSGGSm)n(配列番号:16)、(GSGSmG)n(配列番号:17)及び(GGGSm)n(配列番号:18)、並びにこれらの組み合わせ、ここで、m、n、及びoは各々、少なくとも1〜20、例えば、1〜18、2〜16、3〜14、4〜12、5〜10、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の整数から独立して選択される)、及びその他の柔軟なリンカーが挙げられる。グリシン及びグリシン−セリンポリマーは、比較的構造化されておらず、従って、成分間の中性テザーとして機能してよい。柔軟なリンカーの例としては、GGSG(配列番号:19)、GGSGG(配列番号:20)、GSGSG(配列番号:21)、GSGGG(配列番号:22)、GGGSG(配列番号:23)、及びGSSSG(配列番号:24)が挙げられるが、これらに限定されない。
追加の柔軟なリンカーとしては、グリシンポリマー(G)nまたはグリシン−セリンポリマー(例えば、(GS)n、(GSGGS)n(配列番号:25)、(GGGS)n(配列番号:26)及び(GGGGS)n(配列番号:27)、ここで、n=1〜50、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10〜20、20〜30、30〜50である)が挙げられる。例示的な柔軟なリンカーとしては、GGGS(配列番号:28)、GGGGS(配列番号:29)、GGSG(配列番号:19)、GGSGG(配列番号:20)、GSGSG(配列番号:21)、GSGGG(配列番号:22)、GGGSG(配列番号:23)、及びGSSSG(配列番号:24)が挙げられるが、これらに限定されない。これらのリンカー配列の多量体(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10〜20、20〜30、または30〜50)は、互いに連結し、異種アミノ酸配列を本明細書に開示されるポリペプチドに共役させるために使用してよい柔軟なリンカーを提供してよい。本明細書に記載されるように、異種アミノ酸配列は、シグナル配列及び/またはアルブミン、Fc配列などの融合パートナーであってよい。
治療的及び予防的使用
特定の実施形態では、本開示は、癌、腫瘍、または前癌疾患、障害もしくは状態に関連した疾患、障害または状態の処置及び/または予防において、本明細書に記載されるIL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)と1種以上の免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせの使用を意図する。決して開示を制限する訳ではなく、実施形態は、IL−10薬剤(及び本明細書に記載される免疫チェックポイント阻害剤のいくつか)が、例えば、制御性T細胞及び/またはCD8+T細胞の活性を調節することにより、腫瘍細胞または癌細胞抗原に対する耐性を減少させると意図される(例えば、Ramirez−Montagut,et al.(2003)Oncogene 22:3180−87;及びSawaya,et al.(2003)New Engl.J.Med.349:1501−09を参照のこと)。
「癌関連疾患、障害及び状態」という語句、並びに類似の用語及び語句は、直接的または間接的に癌と関連する状態を広く指すことを意図し、例えば、血管新生及び異形成などの前癌状態を含む。特定の使用が以下で詳細に記載されるが、本開示は、これに限定されないことを理解すべきである。
本開示によれば、IL−10薬剤と1種以上の免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせを使用して、癌、例えば、子宮、頸部、乳房、前立腺、精巣、胃腸管(例えば、食道、中咽頭、胃、小腸もしくは大腸、結腸、または直腸)、腎臓、腎細胞、膀胱、骨、骨髄、皮膚、頭または頸、肝臓、胆嚢、心臓、肺、膵臓、唾液腺、副腎、甲状腺、脳(例えば、グリオーマ)、神経節、中枢神経系(CNS)及び末梢神経系(PNS)の癌、並びに造血系及び免疫系(例えば、脾臓または胸腺)の癌を含む、増殖性状態または増殖性障害を処置または予防することができる。本開示はまた、例えば、免疫原性腫瘍、非免疫原性腫瘍、休止腫瘍、ウイルス誘発性癌(例えば、上皮細胞癌、内皮細胞癌、扁平上皮細胞癌及びパピローマウイルス)、腺癌、リンパ腫、癌腫、黒色腫、白血病、骨髄腫、肉腫、奇形癌、化学誘発性癌、転移、及び血管新生を含む、その他の癌関連疾患、障害または状態を処置または予防する方法を提供する。特定の実施形態では、腫瘍または癌は、結腸癌、卵巣癌、乳癌、黒色腫、肺癌、膠芽腫、または白血病である。
本開示における追加の特定の実施形態は、造血細胞の腫瘍性(癌関連)疾患、障害及び状態を対象とする。このような疾患、障害及び状態は、2つの幅広いカテゴリー−骨髄性腫瘍及びリンパ性腫瘍のうちの1つに配置することができる。各カテゴリーは、異なる種類の造血癌を含有し、形態学、病理生物学、処置、及び/または予後の特徴を定義する。化学療法に対する予後または応答に影響を与える可能性がある追加の要因の同定と共に、正しい分類が、最適な治療を可能にするために不可欠である。
骨髄性腫瘍としては、骨髄増殖性腫瘍、好酸球増加を伴う骨髄及びリンパ障害、骨髄増殖性/骨髄異形成腫瘍、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病及び関連前駆腫瘍、並びに系統不明の急性白血病が挙げられるが、これらに限定されない。リンパ性腫瘍としては、前駆リンパ性腫瘍、成熟B細胞腫瘍、成熟T細胞腫瘍、ホジキンリンパ腫、及び免疫不全関連リンパ増殖性障害が挙げられるが、これらに限定されない。
造血系のその他の癌としては、組織球及び樹状細胞腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本開示は、IL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)、免疫チェックポイント阻害剤、及び少なくとも1種の追加の治療薬または診断薬(それらの例は、本明細書内の他の箇所に記載されている)を用いて、癌、腫瘍、前癌状態、または増殖状態を処置する方法を提供する。
医薬組成物
本開示のIL−10薬剤及び免疫チェックポイント阻害剤は、対象への投与に好適な組成物の形態であり得る。一般に、このような組成物は、IL−10及び/または1種以上の免疫チェックポイント阻害剤、並びに1種以上の薬学的に許容される、または生理学的に許容される希釈剤、担体または賦形剤を含む「医薬組成物」である。ある種の実施形態では、IL−10薬剤及び免疫チェックポイント阻害剤は各々、治療的に許容される量で存在する。医薬組成物は、本開示の方法において使用することができ、従って、例えば、医薬組成物は、本明細書に記載される治療方法及び予防方法並びに使用を実践するために、エクスビボまたはインビボで対象に投与することができる。
以下の医薬組成物、及びその態様の説明では、医薬組成物は一般に、Il−10薬剤との関連において記載される。しかしながら、説明は、IL−10薬剤と1種以上の免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせを含む医薬組成物において、または1つの成分のみを含む医薬組成物(または、免疫チェックポイント阻害剤の場合、2種以上のこのような阻害剤を含む医薬組成物)においてのいずれかで、本開示の1種以上の免疫チェックポイント阻害剤にも適用されることを理解すべきである。
本開示の医薬組成物は、目的の方法または投与経路に適合するよう製剤化することができ;例示的な投与経路は、本明細書に記載されている。更に、医薬組成物は、本開示により意図されるような疾患、障害及び状態を処置または予防するために、本明細書に記載されるような、その他の治療効果のある薬剤または化合物と組み合わせて使用することができる。
医薬組成物は、典型的には、治療有効量の本開示により意図されるIL−10ポリペプチド、並びに1種以上の薬学的及び生理学的に許容される製剤用薬剤を含む。好適な薬学的に許容される、または生理学的に許容される希釈剤、担体または賦形剤としては、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸及び重硫酸ナトリウム)、防腐剤(例えば、ベンジルアルコール、メチルパラベン、エチルまたはn−プロピル、p−ヒドロキシベンゾエート)、乳化剤、懸濁化剤、分散剤、溶媒、充填剤、増量剤、洗剤、緩衝剤、ビヒクル、希釈剤、及び/またはアジュバントが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、好適なビヒクルは、生理食塩水またはクエン酸緩衝食塩水であり得、非経口投与用の医薬組成物において一般的なその他の材料で補足される可能性がある。更なる例示的なビヒクルは、中性緩衝食塩水または血清アルブミンと混合した食塩水である。当業者は、本明細書で意図される医薬組成物及び剤形に使用することができる様々な緩衝剤を容易に認識するだろう。典型的な緩衝剤としては、薬学的に許容される弱酸、弱塩基、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。一例として、緩衝剤成分は、リン酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、及びこれらの塩などの水溶性材料であり得る。許容される緩衝剤としては、例えば、トリス緩衝液、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)(HEPES)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸ナトリウム塩(MES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、及びN−トリス[ヒドロキシメチル]メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)が挙げられる。
医薬組成物を製剤化した後、それを、溶液、懸濁液、ゲル、エマルジョン、固体、または無水もしくは凍結乾燥粉末として減菌バイアル内で保存することができる。このような製剤は、すぐに使用できる形態、使用前に還元を必要とする凍結乾燥形態、使用前に希釈を必要とする液体形態、またはその他の許容される形態のいずれかで保存することができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、単回使用容器(例えば、単回使用バイアル、アンプル、シリンジ、または自動注射器(例えば、EpiPen(登録商標)に類似))で提供され、これに対して、複数回使用容器(例えば、複数回使用バイアル)が、その他の実施形態において提供される。任意の薬物送達装置を使用してIL−10を送達することができ、移植物(例えば、埋め込み型ポンプ)及びカテーテルシステム、緩徐注射ポンプ及びデバイスを含み、そのすべてが当業者に周知である。一般に皮下または筋肉内に投与される蓄積注射はまた、規定の時間にわたって、本明細書で開示されるポリペプチドを放出するために利用することができる。蓄積注射は通常、固系または油系のいずれかであり、本明細書に記載される製剤成分のうちの少なくとも1つを一般に含む。当業者は、蓄積注射の考え得る製剤及び使用に精通している。
医薬組成物は、減菌の注射可能な水性または
油性懸濁液の形態であり得る。この懸濁液は、本明細書で言及されるそれらの好適な分散剤または湿潤剤及び懸濁化剤を使用する既知の技術分野により製剤化することができる。減菌の注射可能な調製物もまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として、非毒性で非経口的に許容される希釈剤または溶媒中における減菌の注射可能な溶液または懸濁液であり得る。用いることが可能な許容される希釈剤、溶媒及び分散媒としては、水、リンゲル液、等張食塩水、Cremophor EL(商標)(BASF社、パーシッパニー、ニュージャージー州)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール)、及びこれらの好適な混合物が挙げられる。加えて、減菌の固定油は通常、溶媒または懸濁媒として用いられる。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激性固定油を用いることができる。更に、オレイン酸などの脂肪酸は、注射可能物の調製に用途を見出す。特定の注射可能製剤の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチン)を含むことにより達成することができる。
有効成分を含有する医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルジョン、硬カプセル剤もしくは軟カプセル剤、またはシロップ剤、溶液、マイクロビーズもしくはエリキシル剤として、経口使用に好適な形態であり得る。特定の実施形態では、本明細書に記載されるIL−10薬剤と同時投与される薬剤の有効成分は、経口使用に好適な形態である。経口使用を目的とする医薬組成物は、医薬組成物の製造分野に既知の任意の方法によって調製することができ、このような組成物は、薬学的に洗練され、味の良い調製物を提供するために、例えば、甘味剤、香味剤、着色剤及び保存剤などの1つ以上の薬剤を含有することができる。錠剤、カプセル剤などは、錠剤の製造に好適である非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合して有効成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの希釈剤;造粒剤及び崩壊剤、例えば、コーンスターチ、またはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア、並びに潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。
経口投与に好適な錠剤、カプセル剤などは、コーティングされない、または既知の技術によりコーティングして、胃腸管における崩壊及び吸収を遅らせ、それによって持続作用を提供することができる。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を用いることができる。それらはまた、制御放出のための浸透性治療錠剤を形成するために、当該技術分野において既知の技術によりコーティングすることができる。追加の薬剤としては、投与した組成物の送達を制御するために、ポリエステル、ポリアミン酸、ヒドロゲル、ポリビニルピロリドン、ポリ無水物、ポリグリコール酸、エチレン−酢酸ビニル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、硫酸プロタミン、またはラクチド/グリコリドコポリマー、ポリラクチド/グリコリドコポリマー、もしくはエチレン酢酸ビニルコポリマーなどの生分解性もしくは生体適合性粒子またはポリマー物質が挙げられる。例えば、経口剤は、ヒドロキシメチルセルロースもしくはゼラチンマイクロカプセルまたはポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセルの使用によって、それぞれコアセルベーション技術により、もしくは界面重合により調製されたマイクロカプセル内、またはコロイド薬物送達システム内に封入することができる。コロイド状分散システムとしては、高分子複合体、ナノカプセル、微小球、マイクロビーズ、並びに水中油型エマルジョン、ミセル、混合ミセル、及びリポソームを含む脂質系システムが挙げられる。上述した製剤の調製方法は、当業者には明らかであろう。
経口使用のための製剤はまた、有効成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリンもしくは微結晶セルロースと混合される硬ゼラチンカプセル剤として、または有効成分が水もしくは油性媒体、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油と混合される軟ゼラチンカプセル剤として提示することができる。
水性懸濁液は、その製造に好適な賦形剤と混合して活性材料を含有する。このような賦形剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアカシアゴム;分散剤または湿潤剤、例えば、天然に存在するホスファチド(例えば、レシチン)、またはアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、またはエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、またはエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。水性懸濁液はまた、1種以上の防腐剤を含有することができる。
油性懸濁液は、有効成分を植物油、例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油中に、または流動パラフィンなどの鉱油中に懸濁させることによって製剤化することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有することができる。上述のものなどの甘味剤、及び香味剤は、味の良い経口調製物を提供するために添加することができる。
水の添加による水性懸濁液の調製に好適な分散性粉末及び顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤及び1種以上の防腐剤と混合して有効成分を提供する。好適な分散剤または湿潤剤及び懸濁化剤は、本明細書で例示される。
本開示の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態であり得る。油相は、植物油、例えば、オリーブ油もしくは落花生油、または鉱油、例えば、流動パラフィン、またはこれらの混合物であり得る。好適な乳化剤は、天然に存在するゴム、例えば、アカシアゴムまたはトラガカントゴム;天然に存在するホスファチド、例えば、大豆、レシチン、及び脂肪酸に由来するエステルまたは部分エステル;ヘキシトール無水物、例えば、ソルビタンモノオレエート;並びに部分エステルとエチレンオキシドの縮合物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであり得る。
製剤はまた、移植物、リポソーム、ヒドロゲル、プロドラッグ及びマイクロカプセル化送達システムを含む制御放出製剤などの、急速な分解または身体からの排出に対して組成物を保護するための担体を含むことができる。例えば、モノステアリン酸グリセリルもしくはステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を、単独でまたはワックスとの組み合わせで用いることができる。
本開示は、直腸投与用の坐剤の形態でIL−10ポリペプチドの投与を意図する。坐剤は、薬物を、常温では固体であるが直腸温では液体であり、従って薬物を放出するために直腸内で融解するだろう好適な非刺激性賦形剤と混合することにより調製することができる。このような材料としては、ココアバター及びポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示により意図されるIL−10ポリペプチドは、現在知られている、または将来開発される任意のその他の好適な医薬組成物(例えば、鼻または吸入用途のためのスプレー)の形態であり得る。
製剤中のポリペプチドまたはその断片の濃度は、広い範囲で変更することが可能で(例えば、約0.1重量%未満、通常約2重量%または少なくとも約2重量%から、20重量%〜50重量%以上までも)、例えば、選択される特定の投与方法による、流体量、粘度、及び対象に基づく要因に主に基づいて通常選択されるだろう。
投与経路
本開示は、任意の適切な手法での、IL−10、及びその組成物の投与を意図する。好適な投与経路としては、非経口(例えば、筋肉内、静脈内、皮下(例えば、注射または移植)、腹腔内、大槽内、関節内、腹腔内、脳内(脳実質内)及び脳室内)、経口、鼻、膣、舌下、眼内、直腸、局所(例えば、経皮)、舌下及び吸入が挙げられる。一般に皮下または筋肉内に投与される蓄積注射はまた、規定の時間にわたって、本明細書で開示されるIL−10ポリペプチドを放出するために利用することができる。
本開示の特定の実施形態は非経口投与を意図し、更なる特定の実施形態では、非経口投与とは皮下である。
補助併用療法
本開示は、1種以上の活性治療薬またはその他の予防もしくは治療様式(例えば、放射線)と更に組み合わせた、IL−10(例えば、PEG−IL−10)と1種以上の免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせの使用を意図する。本出願のために、このような更なる組み合わせは、「補助的組み合わせ」、「補助併用療法」などと称することができ、IL−10と1種以上の免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせに付加される薬剤は、「補助剤」などと称することができる。このような補助併用療法では、様々な1種以上の補助活性剤は、しばしば、IL−10及び/または1種以上の免疫チェックポイント阻害剤とは異なる作用機序を有する。このような補助併用療法は、1種以上の薬剤の用量減少を可能にし、それによって、1種以上の薬剤に関連する有害作用を減少または排除することによって特に有利であり得;更に、このような補助併用療法は、基礎疾患、障害、または状態に対する相乗的な治療または予防効果を有することができる。本開示のいくつかの実施形態では、1種以上の補助剤は、1種以上の診断薬である。
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載されるIL−10ポリペプチド(例えば、PEG−IL−10)及び免疫チェックポイント阻害剤、並びに少なくとも1種の追加の治療薬または診断薬(すなわち、1種以上の補助剤)を用いて、癌に関連した疾患、障害または状態を処置及び/または予防する方法を提供する。本開示の実施形態では、疾患、障害及び状態は、癌、腫瘍、または前癌疾患、障害もしくは状態であり得る。本節の焦点は、癌に関連した疾患、障害または状態の処置及び/または予防についてであるが、本開示は、任意の非癌関連疾患、障害または状態の処置及び/または予防において有用な薬剤を用いた、本明細書に記載される補助併用療法の更なる増強を意図する。
本開示のいくつかの実施形態では、IL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤及び1種以上の補助剤は各々、別個の剤形であり得る。例として、PEG−IL−10は、SC投与に好適な製剤であり得、免疫チェックポイント阻害剤は、IV投与に好適な製剤であり得、補助剤は、経口投与に好適な製剤であり得;本文脈中、各薬剤は別個に収容され得る、または2種以上の薬剤が、一緒に収容され得る(例えば、キットの異なる成分として)。本開示のその他の実施形態では、IL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤及び1種以上の補助剤のうちの2種以上が、同じ剤形である。例えば、PEG−IL−10、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤、及び1種以上の補助剤を、IV投与用に製剤化することができ;本文脈中、1種以上の薬剤を共製剤化することができる(例えば、シリンジ内の活性治療薬として)。
ある種の実施形態では、IL−10薬剤、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤及び1種以上の補助剤(例えば、化学療法剤)は、連続して投与または適用され、例えば、IL−10薬剤を最初に投与し、免疫チェックポイント阻害剤を2番目に投与し、補助剤を最後に投与する。その他の実施形態では、IL−10薬剤、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤及び1種以上の補助剤は、同時に投与され、例えば、2種の薬剤を同時に投与し、3番目の薬剤をその前または後のいずれかで投与する。IL−10薬剤、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤及び1種以上の補助剤が、連続して、同時に、またはそれらのあるパターンで投与されるか否かにかかわらず、それらの薬剤は、本開示のための補助併用療法として投与されると見なされる。
本開示は、その状況下で許容される、適切または最適である可能性がある補助併用療法のための、任意の考え得る投薬レジメンの使用を意図する。以下に記載されるレジメンは例示的であり、排他的ではない。一実施形態では、IL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤、及び1種以上の補助剤を用いた処置は、ある期間にわたって維持される。別の実施形態では、IL−10薬剤、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤、及び1種以上の補助剤を用いた処置は、ある期間にわたって減少または継続される(例えば、対象が安定している場合)。別の実施形態では、1種以上の補助剤を用いた処置が減少または中断される(例えば、対象が安定している場合)一方で、IL−10薬剤及び1種以上の免疫チェックポイント阻害剤を用いた処置は、一定の投薬レジメンで維持される。更なる実施形態では、1種以上の補助剤を用いた処置が、減少または中断され(例えば、対象が安定している場合)、IL−10薬剤を用いた処置は減少され(例えば、用量低下、投薬頻度の低下または治療レジメンの短縮)、免疫チェックポイント阻害剤を用いた処置は、一定の投薬レジメンで維持される。更なる実施形態では、1種以上の補助剤を用いた処置が、減少または中断され(例えば、対象が安定している場合)、IL−10薬剤を用いた処置は減少され(例えば、用量低下、投薬頻度の低下または治療レジメンの短縮)、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤を用いた処置は、一定の投薬レジメンで維持される。
更に別の実施形態では、1種以上の補助剤及びIL−10薬剤を用いた処置が、一定の投薬レジメンで維持される一方で、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤を用いた処置は、減少または中断される(例えば、対象が安定している場合)。更なる実施形態では、1種以上の補助剤及び1種以上の免疫チェックポイント阻害剤を用いた処置が、一定の投薬レジメンで維持される一方で、IL−10薬剤を用いた処置は、減少または中断される(例えば、用量低下、投薬頻度の低下または治療レジメンの短縮)。その他の投薬レジメンの同定及び使用は、当業者には明らかであろう。
本明細書に開示されるIL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)と1種以上の免疫チェックポイント阻害剤とを組み合わせた使用に好適な特定の薬剤は、以下に記載されるが、本開示は、これに限定されないことを理解すべきである。本開示の実施形態は、癌、腫瘍、または前癌もしくは癌関連疾患、障害もしくは状態を処置及び/または予防するための、補助剤(例えば、化学療法剤)の使用を意図する。
化学療法剤の例としては、チオテパ及びシクロホスファミドなどのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファンなどのスルホン酸アルキル;ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、及びウレドーパなどのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド及びトリメチロールメラミンを含むエチレンイミン及びメチルメラミン;クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなどのニトロソウレア;アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシンなどの抗生物質;メトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU)などの代謝拮抗剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸アナログ;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリンアナログ;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5−FUなどのピリミジンアナログ;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フォリン酸などの葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジコン;エフロルニチン;酢酸エリプチニウム;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(Ara−C);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、パクリタキセル及びドセタキセル;クロラムブシル;ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチン及びカルボプラチンなどの白金及び白金配位錯体;ビンブラスチン;エトポシド(VP−16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;CPT11;トポイソメラーゼ阻害剤;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸;エスペラマイシン;カペシタビン;並びに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
化学療法剤としては、腫瘍に対するホルモン作用を調整または阻害するように機能する抗ホルモン剤、例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)−イミダゾール、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、オナプリストン、及びトレミフェンを含む、抗エストロゲン剤;並びにフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、及びゴセレリンなどの抗アンドロゲン剤;並びに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体なども更に挙げられる。ある種の実施形態では、併用療法は、ホルモン剤または関連ホルモン剤の投与を含む。
本明細書に記載される癌状態の処置または予防において有用な任意のその他の薬剤は、IL−12、INFα、もしくは抗上皮成長因子受容体などのサイトカインもしくはサイトカインアンタゴニスト、放射線療法、別の腫瘍抗原に対するモノクローナル抗体、モノクローナル抗体と毒素の複合体、T細胞アジュバント、骨髄移植、または抗原提示細胞(例えば、樹状細胞療法)を含むが、これらに限定されない補助剤として意図される。ワクチン(例えば、可溶性タンパク質として、またはタンパク質をコードする核酸として)もまた、本明細書において提供される。
本開示は、上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体を包含する。
投薬
以下の投薬及び投薬関連トピックの説明は、IL−10との関連において提示されるが、説明は、本明細書に開示される併用療法において使用される1種以上の免疫チェックポイント阻害剤に対して大いに適用できる。本明細書に記載される免疫チェックポイント阻害剤に関する特定の投薬パラメータは、販売用の最終製品に付随する添付文書などの、その他のソースから容易に確認することができる。
本開示のIL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)は、例えば、投与の目標(例えば、所望される解決の度合);製剤を投与する対象の年齢、体重、性別、並びに健康状態及び身体状態;投与経路;並びに疾患、障害、状態またはそれらの症状の性質に依存する量で対象に投与することができる。投薬レジメンはまた、投与される1種以上の薬剤に関連する任意の有害作用の存在、性質、及び程度を考慮に入れることができる。有効投与量及び投与レジメンは、例えば、安全性試験及び用量漸増試験、インビボ研究(例えば、動物モデル)、並びに当業者に既知のその他の方法から容易に決定することができる。
他の箇所で詳細に述べる通り、本開示は、ある一定の血清トラフ濃度を得るための、及び/またはある一定の平均血清トラフ濃度を維持するためのIL−10の投与を意図する。
一般に、投薬パラメータは、対象に対して不可逆的に有毒であり得る量未満(すなわち、最大耐量、「MTD」)の投与量で、少なくとも、対象に対して測定可能な効果をもたらすのに必要な量の投与量を決定する。このような量は、投与経路及びその他の要因を考慮に入れて、例えば、ADMEに関連する薬物動態パラメータ及び薬力学的パラメータによって決定される。
有効量(ED)とは、その量を服用する対象のある一部において、治療応答または所望の効果をもたらす薬剤の用量または量である。薬剤の「50%有効量」またはED50は、その量が投与される集団の50%において、治療応答または所望の効果をもたらす薬剤の用量または量である。ED50は、薬剤の効果における妥当な期待値の尺度として一般的に使用されるが、それは、必ずしも臨床医がすべての関連要因を考慮に入れて、適切であると判断しただろう用量であるとは限らない。従って、いくつかの場合には、有効量は計算されたED50超であり得、その他の場合には、有効量は計算されたED50未満であり得、更にその他の場合には、有効量は計算されたED50と同一であり得る。
加えて、本開示のIL−10薬剤(PEG−IL−10)の有効量は、対象に1つ以上の用量で投与した場合、健康な対象と比較して所望の結果をもたらす量であり得る。例えば、特定の障害に罹患している対象に対して、有効量は、その障害の診断パラメータ、尺度、マーカーなどを、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または90%超(ここで100%は、正常な対象によって示される診断パラメータ、尺度、マーカーなどとして定義される)改善する量であり得る。
本明細書に記載される疾患、障害または状態を処置するのに必要なPEG−IL−10の量は、当該技術分野において既知のIL−10活性アッセイにより決定することができる複合タンパク質のIL−10活性に基づく。例として、腫瘍についての文脈中、好適なIL−10活性としては、例えば、腫瘍部位に浸潤するCD8+T細胞、これらの浸潤細胞からの、IFN−γ、IL−4、IL−6、IL−10、及びRANK−Lなどの炎症性サイトカインの発現、並びに生体サンプルにおけるTNF−αまたはIFN−γのレベル増加が挙げられる。
PEG−IL−10の治療有効量は、約0.01〜約100μgタンパク質/kg体重/日、約0.1〜20μgタンパク質/kg体重/日、約0.5〜10μgタンパク質/kg体重/日、または約1〜4μgタンパク質/kg体重/日の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、PEG−IL−10は、約50〜800μgタンパク質/kg体重/日(例えば、約1〜16μgタンパク質/kg体重/日のPEG−IL−10)を送達するために連続注入によって投与される。注入速度は、例えば、有害作用及び血球数の評価に基づいて変更することができる。IL−10薬剤に対するその他の特定の投薬パラメータは、本明細書内の他の箇所に記載されている。
経口剤の投与について、組成物は、1.0〜1000ミリグラムの有効成分、特に1.0、3.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0、及び1000.0ミリグラムの有効成分を含有する錠剤、カプセル剤などの形態で提供することができる。
ある種の実施形態では、開示されるIL−10ポリペプチドの投与量は、「単位剤形」に含有される。「単位剤形」という語句は、物理的に個別の単位を指し、各単位は、単独でまたは1種以上の追加の薬剤との併用のいずれかで、所望の効果をもたらすのに十分な所定量の本開示のIL−10ポリペプチドを含有する。単位剤形のパラメータは、特定の薬剤及び得られる効果に依存するだろうと理解されるだろう。
キット
本開示はまた、IL−10、及びその医薬組成物を含むキットを意図する。キットは一般に、以下に記載される様々な成分を収容する物理的構造体の形態であり、例えば、上記の方法を実践する際に利用することができる。
キットは、本明細書で開示される1種以上のIL−10薬剤(例えば、PEG−IL−10)を含むことができ(例えば、減菌容器内に提供される)、それは、対象への投与に好適な医薬組成物の形態であり得る。IL−10薬剤は、すぐに使用できる形態で、または例えば、投与前に還元もしくは希釈を必要とする形態で提供することができる。IL−10薬剤が、使用者によって還元される必要がある形態の場合、キットは、緩衝剤、薬学的に許容される賦形剤なども含み、IL−10薬剤と一緒に、または別個にパッケージ化することができる。併用療法(例えば、IL−10薬剤及び1種以上の免疫チェックポイント阻害剤)が意図される場合、キットは別個にいくつかの薬剤を含有することができ、またはそれらをキット内ですでに組み合わせておくことができる。同様に、補助療法(例えば、IL−10薬剤、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤、及び補助剤)が意図される場合、キットは別個にいくつかの薬剤を含有することができ、または2種以上のそれらをキット内ですでに組み合わせておくことができる。本開示のキットは、その中に収容された成分を適切に維持するのに必要な状態(例えば、冷却または凍結)のために設計することができる。
キットは、その中の成分についての情報及びそれらの使用説明書(例えば、投薬パラメータ、1つ以上の作用機序、薬物動態及び薬力学、有害作用、禁忌などを含む、1種以上の有効成分の臨床薬理学)を確認することを含むラベルまたは添付文書を含有することができる。キットの各成分は、個々の容器内に密封することができ、様々な容器のすべては単一パッケージ内にあり得る。ラベルまたは文書は、ロット番号及び使用期限などの製造者情報を含むことができる。ラベルまたは添付文書は、例えば、成分を収容する物理的構造体に組み込まれる、物理的構造体内に別個に含有される、またはキットの構成要素(例えば、アンプル、シリンジまたはバイアル)に貼付され得る。
ラベルまたは文書は、ディスク(例えば、ハードディスク、カード、メモリディスク)などのコンピュータ可読媒体、CD−もしくはDVD−ROM/RAM、DVDなどの光ディスク、MP3、磁気テープ、またはRAM及びROMなどの電気記憶媒体、または磁気/光記憶媒体、FLASHメディアもしくはメモリ型カードなどのこれらのハイブリッドを更に含む、またはそれらに組み込むことができる。いくつかの実施形態では、実際の説明書は、キット内に存在しないが、例えば、インターネットサイトを介して遠隔ソースから説明書を得るための手段が提供される。
実験
以下の実施例は、本発明を作製及び使用する方法の完全な開示及び説明を当業者に提供するために記述され、発明者が本発明と考えるものの範囲を限定することを目的とせず、またこれらの実施例は、実施された下記の実験が、行われ得るすべての実験であることを表すことも目的としない。現在時制で記載されている例示的な説明は、必ずしも実施されたとは限らないが、むしろ説明は、本明細書に記載されるデータなどを生成するために実施することができるということを理解すべきである。使用した数(例えば、量、温度など)に関して精度を保証するために努力したが、若干の実験誤差及び偏差が考慮されるべきである。
特段の指示がない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏度(℃)であり、圧力は大気圧またはその近傍である。以下を含む、標準的な略語が使用される:bp=塩基対(複数可);kb=キロベース(複数可);pl=ピコリットル(複数可);sまたはsec=秒(複数可);min=分(複数可);hまたはhr=時間(複数可);aa=アミノ酸(複数可);kb=キロベース(複数可);nt=ヌクレオチド(複数可);pg=ピコグラム;ng=ナノグラム;μg=マイクログラム;mg=ミリグラム;g=グラム;kg=キログラム;dlまたはdL=デシリットル;μlまたはμL=マイクロリットル;mlまたはmL=ミリリットル;lまたはL=リットル;μM=マイクロモル;mM=ミリモル;M=モル;kDa=キロダルトン;i.m.=筋肉内(に);i.p.=腹腔内(に);SCまたはSQ=皮下(に);QD=1日1回;BID=1日2回;QW=1週間に1回;QM=月に1回;HPLC=高速液体クロマトグラフィー;BW=体重;U=単位;ns=統計的に有意ではない;PBS=リン酸緩衝生理食塩水;PCR=ポリメラーゼ連鎖反応;NHS=N−ヒドロキシスクシンイミド;HSA=ヒト血清アルブミン;MSA=マウス血清アルブミン;DMEM=ダルベッコ改変イーグル培地;GC=ゲノムコピー;EDTA=エチレンジアミン四酢酸。
材料及び方法
以下の一般的な材料及び方法は、本開示を実践する際に、及び/または本開示の様々な態様に関連した実験研究を実施する際に使用することができる。
分子生物学における標準的方法は、科学文献に記載されている(例えば、Sambrook and Russell(2001)Molecular Cloning,3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,ニューヨーク州;及びAusubel,et al.(2001)Current Protocols in Molecular Biology,Vols.1−4,John Wiley and Sons社、ニューヨーク、ニューヨーク州を参照し、これは、細菌細胞におけるクローニング及びDNA突然変異誘発(Vol.1)、哺乳動物細胞及び酵母におけるクローニング(Vol.2)、複合糖質及びタンパク質発現(Vol.3)、並びにバイオインフォマティクス(Vol.4)について記載する)。
科学文献は、免疫沈降、クロマトグラフィー、電気泳動、遠心分離、及び結晶化を含む、タンパク質精製についての方法、加えて、化学分析、化学修飾、翻訳後修飾、融合タンパク質の生産、及びタンパク質のグリコシル化を記載する(例えば、Coligan,et al.(2000)Current Protocols in Protein Science,Vols.1−2,John Wiley and Sons社、ニューヨーク州を参照のこと)。
ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の生産、精製、及び断片化が記載され(例えば、Harlow and Lane(1999)Using Antibodies,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,ニューヨーク州);リガンド/受容体相互作用を特徴付けるための標準的技術が、利用可能であり(例えば、Coligan et al.(2001)Current Protocols in Immunology,Vol.4,John Wiley社、ニューヨーク州を参照のこと);蛍光活性化細胞選別(FACS)を含む、フローサイトメトリーのための方法が利用可能であり(例えば、Shapiro(2003)Practical Flow Cytometry,John Wiley and Sons,ホーボーケン、ニュージャージー州を参照のこと);並びに、例えば、診断試薬として使用するための、核酸プライマー及びプローブを含む核酸、ポリペプチド、並びに抗体を修飾するのに好適な蛍光試薬が、利用可能である(Molecular Probes(2003)Catalogue,Molecular Probes社、ユージーン、オレゴン州;Sigma−Aldrich(2003)Catalogue,セントルイス、ミズーリ州)。
例えば、抗原断片、リーダー配列、タンパク質の折り畳み、機能ドメイン、グリコシル化部位、及び配列アラインメントを決定するためのソフトウェアパッケージ及びデータベースが、利用可能である(例えば、GCG Wisconsin Package(Accelrys社、サンディエゴ、カリフォルニア州);及びDeCypher(商標)(TimeLogic社、クリスタルベイ、ネバダ州)を参照のこと)。
免疫系組織学の標準的方法が、記載されている(例えば、Louis et al.(2002)Basic Histology:Text and Atlas,McGraw−Hill,ニューヨーク、ニューヨーク州を参照のこと)。免疫細胞(CD4+及びCD8+T細胞)の枯渇は、抗体媒介性排除によりもたらすことができる。例えば、250μgのCD4またはCD8特異的抗体を週に1回注射することが可能で、FACS及びIHC解析を使用して細胞枯渇を検証することができる。
様々なマウス及びその他の動物系統を、本開示の教示と共に使用することができる。例えば、免疫応答性Balb/CマウスまたはB細胞欠損Balb/Cマウスは、The Jackson Lab、バーハーバー、メイン州から得ることができ、標準的な手順により使用することができる(例えば、Martin et al(2001)Infect.Immun.,69(11):7067−73及びCompton et al.(2004)Comp.Med.54(6):681−89を参照のこと)。本開示により意図される実験研究に好適なその他のマウス系統は、当業者に既知であり、一般にThe Jackson Labから入手可能である。
血清IL−10濃度レベル及び曝露レベルは、当該技術分野において使用される標準的方法によって決定することができる。例えば、血清曝露レベルアッセイは、マウスの尾の先端から全血(およそ50μl/マウス)を未処理毛細管へと収集し、遠心分離によって血清と血球を分離し、標準的なELISAキット及び技術によってIL−10曝露レベルを決定することにより実施することができる。
IL−10の修飾形態の生物活性を決定するためのアッセイ
本開示は、本明細書に記載されるIL−10分子の生物活性を決定するために、当該技術分野において既知の任意のアッセイ及び方法論の使用を意図する。以下に記載されるアッセイは代表的であり、排他的ではない。
TNFα阻害アッセイ。U937細胞(Sigma−Aldrich社(セントルイス、ミズーリ州)から入手可能な、肺からのリンパ芽球ヒト細胞株(#85011440))のPMA刺激によって、細胞にTNFαを分泌させ、次に、これらのTNFα分泌細胞をヒトIL−10で処置して、用量依存的手法でTNFα分泌の減少を引き起こす。例示的なTNFα阻害アッセイは、以下のプロトコールを使用して実施することができる。10%FBS/FCS及び抗生物質を含有するRMPI中でU937細胞を培養した後、平底96ウェルプレート(任意のプラズマ処理済み組織培養プレート(例えば、Nunc;Thermo Scientific社、アメリカ)を使用することができる)に、1×105、90%生存U937細胞を播種し、1条件当たり3回繰り返す。以下の条件を提供するために細胞を播種する(すべて少なくとも3回繰り返す;「培地のみ」についてはウェル数を2倍にし、その理由とは、半分を10nMのPMAを用いたインキュベーション後の生存率に使用するからである):5ng/mlのLPSのみ;5ng/mLのLPS+0.1ng/mLのrhIL−10;5ng/mLのLPS+1ng/mLのrhIL−10;5ng/mLのLPS+10ng/mLのrhIL−10;5ng/mLのLPS+100ng/mLのrhIL−10;5ng/mLのLPS+1000ng/mLのrhIL−10;5ng/mLのLPS+0.1ng/mLのPEG−rhIL−10;5ng/mLのLPS+1ng/mLのPEG−rhIL−10;5ng/mLのLPS+10ng/mLのPEG−rhIL−10;5ng/mLのLPS+100ng/mLのPEG−rhIL−10;及び5ng/mLのLPS+1000ng/mLのPEG−rhIL−10。各ウェルを、200μL中10nMのPMAに24時間曝露し、5%CO2のインキュベーター内において37℃で培養し、その後、およそ90%の細胞が接着していなければならない。3つの追加のウェルを再懸濁し、細胞を計数して生存率を評価する(>90%が生存していなければならない)。新しいPMA未含有培地を用いて、穏やかにではあるが完全に3回洗浄し、細胞がなおウェル内に存在するかを確認する。適切な濃度(体積を100%希釈すると2倍)のrhIL−10またはPEG−rhIL−10を含有する培地をウェル当たり100μL添加し、5%CO2のインキュベーター内において37℃で30分間インキュベートする。10ng/mLのストックLPSをウェル当たり100μL添加し、各ウェル内で5ng/mLのLPS最終濃度を得て、5%CO2のインキュベーター内において37℃で18〜24時間インキュベートする。上清を除去し、製造者の指示に従ってTNFαELISAを実施する。各条件の上清についてELISAを2回ずつ行う。
MC/9細胞の増殖アッセイ。MC/9細胞(Cell Signaling Technology社(ダンバース、マサチューセッツ州)から入手可能な肥満細胞の特徴を有するマウス細胞株)へのIL−10投与は、用量依存的手法で細胞増殖の増加を引き起こす。Thompson−Snipes,L.et al.((1991)J.Exp.Med.173:507−10)は、MC/9細胞にIL3+IL10及びIL3+IL4+IL10を補充する標準的アッセイプロトコールを記載する。供給業者(例えば、R&D Systems社、アメリカ;及びCell Signaling Technology社、ダンバース、マサチューセッツ州)は、rhIL10のロットリリースアッセイとして本アッセイを使用する。当業者は、Thompson−Snipes,L.et alに記載されている標準的アッセイプロトコールを、細胞にIL−10のみを補充するように修正することができるだろう。
CD8T細胞のIFNγ分泌アッセイ。活性化した初代ヒトCD8T細胞は、PEG−IL−10で処置し、次いで抗CD3抗体で処置した場合にIFNγを分泌する。以下のプロトコールは、例示的なCD8T細胞のIFNγ分泌アッセイを提供する。ヒト初代末梢血単核細胞(PBMC)を、任意の標準的なプロトコールにより単離することができる(例えば、Fuss et al.(2009)Current Protocols in Immunology,Unit 7.1,John Wiley社、ニューヨーク州を参照のこと)。ウェル当たり2.5mLのPBMC(1000万細胞/mLの細胞密度で)を、RPMI(Life Technologies社;カールスバッド、カリフォルニア州)、10mMのHEPES(Life Technologies社;カールスバッド、カリフォルニア州)、10%ウシ胎児血清(Hyclone Thermo Fisher Scientific社;ウォルサム、マサチューセッツ州)及びペニシリン/ストレプトマイシンカクテル(Life Technologies社;カールスバッド、カリフォルニア州)を含有する完全RPMIを用いて、任意の標準的な組織培養処理済み6ウェルプレート(BD社;フランクリンレイクス、ニュージャージー州)内で培養することができる。ヒトPEG化IL−10を、100ng/mLの最終濃度でウェルに添加することができ;阻害/チェックポイント受容体の機能をブロックする、最終濃度10μg/mLの抗体も、PEG化IL−10と組み合わせて添加することができる。細胞を、37℃の加湿インキュベーター内で5%CO2により6〜7日間インキュベートすることができる。このインキュベーション後、CD8T細胞を、製造プロトコール(Miltenyi Biotec社;オーバーン、カリフォルニア州)に従い、Miltenyi Biotec社のMACS細胞分離技術を使用して単離することができる。次いで、単離したCD8T細胞を、1μg/mLの抗CD3抗体(Affymetrix eBioscience社;サンディエゴ、カリフォルニア州)を含有する完全RPMIを用いて、任意の標準的な組織培養プレート内で4時間培養することができる。4時間のインキュベーション後、培地を収集し、製造プロトコール(Affymetrix eBioscience社;サンディエゴ、カリフォルニア州)に従い、市販のELISAキットを使用してIFNγについてアッセイすることができる。
腫瘍モデル及び腫瘍解析。任意の当該技術分野で許容される腫瘍モデル、アッセイなどを使用して、様々な腫瘍に対する本明細書に記載されたIL−10分子の効果を評価することができる。以下に記載される腫瘍モデル及び腫瘍解析は、利用可能なそれらを代表するものである。同系マウス腫瘍細胞を、腫瘍接種当たり104、105または106細胞で皮下または皮内注射する。Ep2乳癌、CT26結腸癌、皮膚のPDV6扁平上皮癌及び4T1乳癌モデルを使用することができる(例えば、Langowski et al.(2006)Nature 442:461−465を参照のこと)。免疫応答性Balb/CマウスまたはB細胞欠損Balb/Cマウスを使用することができる。PEG10−mIL−10を免疫応答性マウスに投与する一方で、PEG−hIL−10処置を、B細胞欠損マウスに行うことができる。処置開始前に、腫瘍を100〜250mm3のサイズにしておく。IL−10、PEG−mIL−10、PEG−hIL−10、または緩衝液コントロールを、腫瘍移植から離れた部位にSC投与する。腫瘍増殖を、典型的には電子キャリパーを使用して週に2回モニターする。腫瘍組織及びリンパ器官を様々なエンドポイントで採取し、多数の炎症マーカーについてmRNA発現を測定して、いくつかの炎症細胞マーカーについて免疫組織化学を実施する。組織を液体窒素中で急速凍結し、−80℃で保存する。原発腫瘍の増殖を、典型的には電子キャリパーを使用して週に2回モニターする。腫瘍体積は、より長い方の寸法が長さである式(幅2×長さ/2)を使用して計算することができる。処置開始前に、腫瘍を90〜250mm3のサイズにしておく。
PEG化IL−10の生産
本開示は、当業者に既知の任意の手段によるPEG化IL−10の合成を意図する。モノ−PEG−IL−10及びモノ/ジ−PEG−IL−10の混合物を生産するための、いくつかの代替合成スキームに関する以下の説明は、例示的にすぎないことを意図する。モノ−PEG−IL−10及びモノ/ジ−PEG−IL−10の混合物の両方は、多くの同等な特性を有するが、選択的にPEG化したモノ及びジ−PEG−IL−10の混合物は、最終PEG化生成物の収率を改善する(例えば、U.S.7,052,686及びUS2011/0250163を参照のこと)。本開示の実践に好適なPEGの生産及び使用(及びその他の薬物送達技術)において当業者の技能を活用することに加えて、当業者は、PEG関連技術(及びその他の薬物送達技術)に関する多くの市販業者にも精通している。例として、NOF America社(アーバイン、カリフォルニア州)は、単官能性直鎖PEG、2官能性PEG、多分岐PES、分岐PEG、ヘテロ官能性PEG、二分岐PEG、及び遊離可能PEGを供給し;Parchem社(ニューロシェル、ニューヨーク州)は、PEG製品及びその他の専門的な原材料の国際的販売業者である。
例示的なPEG−IL−10合成スキーム1番。IL−10を、pH7.0の10mMのリン酸ナトリウム、100mMのNaClに対して透析する。透析したIL−10を、透析緩衝液を使用して3.2倍に希釈し、約0.5〜12mg/mLの濃度にする。リンカーであるSC−PEG−12K(Delmar Scientific Laboratories社、メイウッド、イリノイ州)の添加前に、1体積のpH9.1である100mMの四ホウ酸Naを、9体積の希釈したIL−10に添加し、IL−10溶液のpHを8.6まで上昇させる。SC−PEG−12Kリンカーを透析緩衝液中に溶解し、適切な体積のリンカー溶液(1モルのIL−10当たり1.8〜3.6モルのリンカー)を、希釈したIL−10溶液に添加して、PEG化反応を開始させる。反応速度を制御するために、5℃で反応を実施し、反応溶液を穏やかに攪拌する。サイズ排除HPLC(SE−HPLC)により決定したモノ−PEG−IL−10の収率が、40%に近付いた時に、30mMの最終濃度まで1Mのグリシン溶液を添加することにより、反応を停止させる。反応溶液のpHを、HCl溶液を使用して7.0までゆっくりと調節し、反応物を0.2ミクロンで濾過して、−80℃で保存する。
例示的なPEG−IL−10合成スキーム2番。モノ−PEG−IL−10を、メトキシ−PEG−アルデヒド(PALD−PEG)をリンカーとして(Inhale Therapeutic Systems社、ハンツビル、アラバマ州;NOF America社(アーバイン、カリフォルニア州)からも入手可能)使用して調製する。PALD−PEGは、5KDa、12KDa、または20KDaの分子量を有することができる。IL−10を、上記の通りに透析及び希釈するが、反応緩衝液のpHは、6.3〜7.5とする。活性化したPALD−PEGリンカーを、1:1のモル比で反応緩衝液に添加する。水性シアノ水素化ホウ素を、0.5〜0.75mMの最終濃度まで反応混合物に添加する。穏やかに攪拌し、15〜20時間、室温(18〜25℃)で反応を実施する。反応物を、1Mのグリシンでクエンチする。収率をSE−HPLCによって分析する。モノ−PEG−IL−10を、未反応のIL−10、PEGリンカー及びジ−PEG−IL−10からゲル濾過クロマトグラフィーにより分離し、RP−HPLC及びバイオアッセイ(例えば、IL−10応答細胞または細胞株の刺激)により特徴付ける。
例示的なPEG−IL−10合成スキーム3番。IL−10(例えば、げっ歯類または霊長類)を、50mMのリン酸ナトリウム、pHが5〜7.4の範囲である100mMの塩化ナトリウムに対して透析する。1:1〜1:7モル比の5KのPEGプロピルアルデヒドを、0.75〜30mMのシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下において、1〜12mg/mLの濃度でIL−10と反応させる。あるいは、反応を、同様の手法でピコリンボランを用いて活性化させることができる。反応物を5〜30℃で3〜24時間インキュベートする。PEG化反応のpHを6.3に調節し、7.5mg/mLのhIL−10をPEGと反応させて、IL−10対PEGリンカーの比を1:3.5にする。シアノ水素化ホウ素の最終濃度は、およそ25mMであり、反応は15℃で12〜15時間実施する。モノ及びジ−PEG IL−10は、最大反応生成物であり、終了時に各々の濃度はおよそ45〜50%である。反応を、グリシンもしくはリジンなどのアミノ酸、またはあるいは、トリス緩衝液を使用してクエンチすることができる。ゲル濾過、陰イオン及び陽イオン交換クロマトグラフィー、並びにサイズ排除HPLC(SE−HPLC)などの複数の精製方法を用いて、所望のPEG化IL−10分子を単離することができる。
本発明を実施するために発明者が知る最良の形態を含む、本発明の特定の実施形態が、本明細書に記載される。前述の説明を読めば、開示される実施形態の変更は、当業者に明らかとなる場合があり、当業者はこのような変更を適切に用いてよいことが期待される。従って、本発明が、本明細書に具体的に記載されたものとは別の方法で実施され、本発明が、適用法令に認められる、本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正及び等価物を含むことを目的とする。更に、上述した要素の、そのすべての考え得る変更における組み合わせはすべて、本明細書中に別段の指示がない限り、またはさもなければ文脈により明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
本明細書で引用されるすべての出版物、特許出願、登録番号、及びその他の参考文献は、個々の出版物または特許出願が、参照によって組み込まれていると具体的かつ個別に示された場合と同程度に、参照によって本明細書に組み込まれる。