[go: up one dir, main page]

JP6552767B1 - 前処理剤、前処理方法、化成皮膜を有する金属材料およびその製造方法、並びに塗装金属材料およびその製造方法 - Google Patents

前処理剤、前処理方法、化成皮膜を有する金属材料およびその製造方法、並びに塗装金属材料およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6552767B1
JP6552767B1 JP2019510987A JP2019510987A JP6552767B1 JP 6552767 B1 JP6552767 B1 JP 6552767B1 JP 2019510987 A JP2019510987 A JP 2019510987A JP 2019510987 A JP2019510987 A JP 2019510987A JP 6552767 B1 JP6552767 B1 JP 6552767B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal material
chemical conversion
coating
pretreatment
aminoethyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019510987A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019087321A1 (ja
Inventor
普之 鈴木
普之 鈴木
英一 福士
英一 福士
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Parkerizing Co Ltd filed Critical Nihon Parkerizing Co Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP6552767B1 publication Critical patent/JP6552767B1/ja
Publication of JPWO2019087321A1 publication Critical patent/JPWO2019087321A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/78Pretreatment of the material to be coated

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

塗膜を形成させた場合にエッジのバリ部の耐食性を向上させることができ、かつ、塗膜との密着性を向上させることができる、化成皮膜を形成可能な化成処理の前処理剤等の技術を提供することを課題とする。金属材料の表面又は表面上に化成皮膜を形成させる化成処理の前処理に用いられる前処理剤であって、分子中に一級アミノ基とアルコキシシリル基とを有する有機シラン化合物(A)と、分子中にグリシジル基と、アルコキシシリル基とを有する有機シラン化合物(B)と、が配合されてなる前処理剤により、課題を解決する。

Description

本発明は、金属材料の表面又は表面上に化成皮膜を形成する化成処理の前処理方法、該前処理方法に用いられる前処理剤、上記化成皮膜を有する金属材料及びその製造方法、並びに化成皮膜と塗膜とを有する金属材料及びその製造方法に関する。
従来、塗装後金属材料の耐食性を向上させるために、様々な化成処理剤や下地処理剤が開発されている。例えば、特許文献1では、ジルコニウムを主成分とする金属表面処理剤の溶液組成物に関する技術が提案されている。
特開2009−41077号公報
しかしながら、特許文献1に記載の溶液組成物で金属表面上を処理した後に得られた化成皮膜を有する金属材料は、塗装によって塗膜を形成させても、当該塗装金属材料のエッジ部において十分な耐食性を示さない場合や、塗膜の密着性が十分ではない場合がある。そこで本発明は、塗膜を形成させた場合にエッジのバリ部の耐食性を向上させることができ、かつ、塗膜との密着性を向上させることができる、化成皮膜を形成可能な化成処理の前処理剤、その前処理剤を用いた化成処理の前処理方法等の技術を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、金属材料の表面又は表面上に対して化成処理を行う前に、特定の前処理剤を用いて前処理を行うことにより、化成処理後に形成した塗膜を有する金属材料のエッジにおけるバリ部において優れた耐食性を有し、また、該塗膜において優れた密着性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(I)〜(VI)を提供するものである。
(I)金属材料の表面または表面上に化成皮膜を形成させる化成処理の前処理に用いられる前処理剤であって、
該前処理剤は、分子中に一級アミノ基とアルコキシシリル基とを有する有機シラン化合物(A)と、
分子中にグリシジル基とアルコキシシリル基とを有する有機シラン化合物(B)と、が配合されてなる金属材料の前処理剤。
(II)上記(I)に記載の前処理剤を金属材料の表面又は表面上に接触させる前処理工程を、含む金属材料の前処理方法。
(III)上記(I)に記載の前処理剤を金属材料の表面又は表面上に接触させる前処理工程と、
前処理工程後に、金属材料の表面上に化成皮膜を形成させる化成処理工程と、
を含む、化成皮膜を有する金属材料の製造方法。
(IV)上記(III)に記載の方法により得られた化成皮膜を有する金属材料。
(V)上記(IV)に記載の金属材料に塗装を行う塗装工程、を含む塗装金属材料の製造方法。
(VI)上記(IV)に記載の化成皮膜を有する金属材料の表面上に、塗膜を有する塗装金属材料。
本発明によれば、塗膜を形成させた場合にエッジのバリ部の耐食性を向上させることができ、かつ、塗膜との密着性を向上させることができる、化成皮膜を形成可能な化成処理の前処理剤、その前処理剤を用いた化成処理の前処理方法等の技術を提供することができる。
本発明の実施形態に係る前処理剤は、金属材料の表面又は表面上に化成皮膜を形成させる化成処理に先立って行う前処理に用いられる前処理剤である。該前処理剤は、分子中に一級アミノ基とアルコキシシリル基とを有する有機シラン化合物(A)と、分子中にグリシジル基とアルコキシシリル基とを有する有機シラン化合物(B)と、が配合された処理剤である。
以下、本実施形態に係る前処理剤、その製造方法、前処理剤による金属材料の前処理方法、前処理後の化成処理方法、及び化成処理によって形成させた化成皮膜を有する金属材料等を、順に説明する。なお、本発明は、その要旨を含む範囲で任意に変更可能であり、以下説明する具体的な実施形態のみに限定されない。
1.前処理剤
本実施形態に係る前処理剤は、液体媒体に、分子中に一級アミノ基とアルコキシシリル基とを有する有機シラン化合物(A)と、分子中にグリシジル基とアルコキシシリル基とを有する有機シラン化合物(B)と、が配合されていれば特に制限されるものではないが、他の成分をさらに配合してもよい。他の成分としては、特に制限されるものではなく、pH調整剤などの添加剤、後述するケイ素含有化合物、被処理物の濡れ性を調整する界面活性剤、消泡剤と称される界面活性剤など、を挙げることができる。
前処理剤中における各有機シラン化合物は、そのままの形態であってもよいし、各有機シラン化合物が加水分解した加水分解物の形態であってもよいし、該加水分解物が縮重合した縮重合物の形態であってもよいし、それぞれの加水分解物が共重合した共重合物(交互共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等)の形態であってもよいし、複数の形態が混在していてもよい。
(有機シラン化合物(A))
有機シラン化合物(A)は、分子中に一級アミノ基とアルコキシシリル基とを有する。有機シラン化合物(A)のアルコキシシリル基は、ケイ素原子とケイ素原子に直接結合しているアルコキシ基とを有する基であり、ケイ素原子とケイ素原子に直接結合しているアルコキシ基を少なくとも2つ有する基であることが好ましく、3つ有する基であることがより好ましい。前記アルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基またはエトキシ基がより好ましい。アルコキシシリル基としては、例えばジメチルメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、トリメトキシシリル基、ジエチルエトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一級アミノ基は、アルコキシシリル基のケイ素に直接結合していてもよいし、炭素鎖やエーテル、二級アミノ基などを介してアルコキシシリル基のケイ素に結合していてもよい。また、有機シラン化合物(A)は、一級アミノ基を分子中に2つ以上有していてもよい。
有機シラン化合物(A)としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジエチルエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジエチルエトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン;などが挙げられる。これらの化合物は1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
2種以上の組み合わせとしては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジメチルメトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジメチルメトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジエチルエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジエチルエトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランと3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシランと3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシランと3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランと3−アミノプロピルジエチルエトキシシラン、3−アミノプロピルジエチルエトキシシランと3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシランと3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジエチルエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランと3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランと3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランと3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランと3−アミノプロピルジエチルエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランと3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランと3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジエチルエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランと3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランと3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランと3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランと3−アミノプロピルジエチルエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランと3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランと3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジエチルエトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジエチルエトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジエチルエトキシシランと3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジエチルエトキシシランと3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジエチルエトキシシランと3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジエチルエトキシシランと3−アミノプロピルジエチルエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジエチルエトキシシランと3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジエチルエトキシシランと3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシランと3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシランと3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシランと3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシランと3−アミノプロピルジエチルエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシランと3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシランと3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランと3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランと3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランと3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランと3−アミノプロピルジエチルエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランと3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランと3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
3−アミノプロピルジメチルメトキシシランと3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシランと3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシランと3−アミノプロピルジエチルエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシランと3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシランと3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシランと3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシランと3−アミノプロピルジエチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシランと3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシランと3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランと3−アミノプロピルジエチルエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランと3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランと3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジエチルエトキシシランと3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルジエチルエトキシシランと3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシランと3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(有機シラン化合物(B))
有機シラン化合物(B)は、分子中にグリシジル基とアルコキシシリル基とを有する。有機シラン化合物(B)のアルコキシシリル基は、上記有機シラン化合物(A)と同様である。
グリシジル基は、アルコキシシリル基のケイ素に直接結合していてもよいし、炭素鎖や環状炭素化合物、エーテルなどを介してアルコキシシリル基のケイ素に結合していてもよい。また、有機シラン化合物(B)は、グリシジル基を分子中に2つ以上有していてもよい。
有機シラン化合物(B)としては、例えば、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン;などが挙げられる。これらの化合物は1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
2種以上の組み合わせとしては、例えば、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランと3−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランと3−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランと3−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランと3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランと2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシランと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシランと3−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシランと3−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシランと3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシランと2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと3−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと3−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシランと3−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシランと3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシランと2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシランと3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシランと2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランと2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態に係る前処理剤中、有機シラン化合物(A)と、有機シラン化合物(B)との配合比は、特段限定されないが、一級アミノ基とグリシジル基のモル濃度の比率として1.0:9.0〜9.0:1.0の範囲内で配合することが好ましく、2.0:8.0〜8.0:2.0の範囲内で配合することがより好ましい。
また前処理剤中、有機シラン化合物(A)と有機シラン化合物(B)の含有量は、ケイ素換算モル濃度の総和として、0.1mmol/L以上であることが好ましく、0.5mmol/L以上であることがより好ましい。上限は特段限定されないが、コストの観点から、100mmol/L以下であることが好ましい。
(その他の成分)
上記その他の成分としては、有機シラン化合物(A)及び有機シラン化合物(B)以外のケイ素含有化合物、被処理物の濡れ性を調整する界面活性剤、消泡剤と称される界面活性剤などが挙げられる。ケイ素含有化合物としては、例えば、オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸テトラエチル、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジメチルエトキシビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ビニルイソプロペノキシシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジメチルエトキシフェニルシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルエトキシメチルシラン、ジフェニルジエトキシシランなどが挙げられる。これらの化合物は1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る前処理剤のpHは、特に制限されるものではないが、通常2.0以上、好ましくは3.0以上であり、また通常12.0以下であり、好ましくは8.0以下、より好ましくは5.0以下である。pHが当該範囲内であると、後の化成処理工程において、より優れた耐食性を有する化成皮膜を形成することができる。ここで、本発明でのpHは、pHメーターを用い、25℃での前処理剤について測定した値である。前処理剤のpHを前記範囲にするために、pH調整剤を用いてもよい。pHを上昇させたい場合に使用可能なpH調整剤は、特に制限されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液、水酸化カリウムの水溶液、アンモニア水等が挙げられる。一方、pHを下げたい場合に使用可能なpH調整剤は、特に制限されるものではないが、例えば、炭酸ガスや、リン酸、硝酸、硫酸、塩酸、乳酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、アルカンスルホン酸などの酸;フッ化ジルコニウム水素酸、フッ化チタン水素酸などの金属成分を含む酸;などが挙げられる。なお、これらのpH調整剤は、1種又は2種以上を用いてもよい。
前記アルカンスルホン酸としては、例えば、R−SOH(但し、Rはアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。)などが挙げられる。アルキル基としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基、更に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。アルカンスルホン酸としては、特に限定されるものはないが、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等が挙げられる。
液体媒体としては、特に限定されるものではないが、水(脱イオン水、蒸留水)が好ましいが、低級アルコール等の水混和性有機溶媒が50重量%未満でさらに含まれていてもよい。
なお、本実施形態に係る前処理剤を用いて金属材料を前処理すると、金属材料が溶解して前処理剤中に金属成分が混入する場合がある。それゆえ、前処理剤には、Fe、Zn、Al、Mgなどの金属成分が含まれていてもよい。また、操業上、不回避的に混入してくる成分、たとえばZr、Pなども同様である。これら成分は前処理剤に不可避的に混入されていてもよく、前処理剤に意図的に含ませてもよい。
前処理剤の製造方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、有機シラン化合物(A)と、有機シラン化合物(B)を原料として液体媒体に配合することにより調製できる。
(金属材料の前処理方法)
本発明の別の実施形態は、上述した前処理剤を金属材料に接触させる前処理方法にも関する。
前処理方法は、金属材料の表面又は表面上に、本発明の実施形態に係る前処理剤を接触させる前処理工程を含む。なお、前処理方法は、前処理工程の後に金属材料の水洗が含まれていてもよい。また、前処理工程の前に、脱脂と称される金属材料の表面上の油分及び付着物の除去を行う脱脂処理工程を含んでいてもよい。脱脂処理工程は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。脱脂処理工程の後に水洗を行ってもよいし、行わなくてもよい。
前処理剤の接触方法としては、公知の接触方法、例えば、浸漬処理法、スプレー処理法、流しかけ処理法、又はこれらの組み合わせ等の処理法が挙げられる。前処理剤の接触は、所定の温度で一定時間行うことが好ましい。接触温度は、5℃以上60℃以下が好ましく、10℃以上50℃以下がより好ましいが、これらの温度に制限されるものではない。また、接触時間は、5〜600秒が好ましく、10〜300秒がより好ましいが、これらの処理時間に制限されるものではない。
本発明の別の実施形態は、上述した前処理剤を金属材料の表面又は表面上に接触させた後、金属材料に化成皮膜を形成させる化成処理工程を含む、化成皮膜を有する金属材料の製造方法にも関する。また、当該製造方法により得られた化成皮膜を有する金属材料にも関する。化成処理工程は、化成皮膜を形成する処理であれば特段限定されず、例えば、ジルコニウム化成処理工程、チタン化成処理工程、ハフニウム化成処理工程、バナジウム化成処理工程、リン酸鉄化成処理工程、リン酸亜鉛処理工程、等が挙げられる。上記各種化成処理工程は、1つの工程のみ行ってもよく、2以上の工程を組み合わせて順次行ってもよい。また、上記2以上の工程を複数組み合わせる場合は、各種後工程後に水洗を行ってもよいし、行わなくてもよいし、一部の水洗を省略してもよい。なお、化成処理工程として、リン酸亜鉛処理工程を行う場合には、上記前処理工程と、リン酸亜鉛処理工程との間に、リン酸亜鉛処理の反応性向上を目的とした表面調整処理工程を、金属材料に対して施してもよい。この表面調整処理方法としては、公知の方法を用いることができる。
化成処理工程における処理温度、接触時間は、化成処理工程の種類、化成処理剤の濃度等に応じて、適宜設定できる。
本発明の別の実施形態は、上記化成皮膜を有する金属材料の表面上に、塗装を行う塗装工程を含む、塗装金属材料の製造方法にも関する。また、上記製造方法により得られた化成皮膜を有する金属材料の表面上に、塗膜を有する塗装金属材料にも関する。塗装方法は特に限定されず、公知の方法、例えば、転がし塗り、電着塗装(例えば、カチオン電着塗装)、スプレー塗装、ホットスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装(例えば、静電粉体塗装)、ローラーコーティング、カーテンフローコーティング、ハケ塗り、バーコーティング、流動浸漬法等の方法を適用することができる。なお、塗装工程後に、塗装した金属材料の表面上における塗料を乾燥させる乾燥工程(焼付工程や硬化工程を含む)などを行ってもよい。また、塗装工程前に、化成皮膜を有する金属材料の表面上を、水洗してもよいし、水洗しなくてもよい。また、塗装工程前に、水洗後の、或いは、未水洗の、金属材料における表面を乾燥してもよいし、乾燥しなくてもよい。
上記塗料としては、例えば、油性塗料、繊維素誘導体塗料、フェノール樹脂塗料、アルキド樹脂塗料、アミノアルキド樹脂塗料、尿素樹脂塗料、不飽和樹脂塗料、ビニル樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、シリコン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料、さび止めペイント、防汚塗料、粉体塗料、カチオン電着塗料、アニオン電着塗料、水系塗料、溶剤塗料等の、公知の塗料が挙げられる。なお、塗装工程は、同一又は異なる各種塗料を用いて、1の塗装を行っても、2以上の塗装を行ってもよい。なお、乾燥工程は、塗装した塗料を乾燥して硬化させる処理である。乾燥方法としては、例えば、自然乾燥、減圧乾燥、対流型熱乾燥(例えば、自然対流型熱乾燥、強制対流型熱乾燥)、輻射型乾燥(例えば、近赤外線乾燥、遠赤外線乾燥)、紫外線硬化乾燥、電子線硬化乾燥、ベーポキュア、焼付乾燥等の乾燥方法が挙げられる。なお、これらの乾燥方法は、1つ実施してもよいし、2以上を組み合わせて実施してもよい。
上記カチオン電着塗装としては、公知の方法を適用できる。例えば、塗料として、アミン付加エポキシ樹脂と、硬化成分としてブロック化ポリイソシアネート硬化剤とを含有するカチオン電着塗料を用い、この塗料に化成皮膜を有する金属材料を浸漬する方法等が挙げられる。カチオン電着塗装は、例えば、塗料の温度を所定の温度に保持し、塗料を攪拌した状態で、整流器を用いて化成皮膜を有する金属材料に電圧を陰極方向に印加することにより行われる。このようにカチオン電着塗装を行った上記金属材料に対して、水洗及び焼き付けを実施することにより化成皮膜上に塗膜を形成させることができる。焼き付けは、所定の温度範囲で一定時間行われる。具体的には、170℃で20分間行われる。尚、カチオン電着塗料を用いたカチオン電着塗装方法を適用する場合には、例えば、脱脂工程、前処理工程、各種化成処理工程等で用いる処理剤中のナトリウムイオン濃度を質量基準で500ppm未満に制御することが好ましい。
粉体塗料を用いた、スプレー塗装、静電粉体塗装、流動浸漬法等の塗装方法としては、公知の方法が適用できる。粉体塗料としては、例えば、ポリエステル樹脂と、硬化剤として、ブロックイソシアネート硬化剤、β−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤(例えば、特開2011−88083号公報参照)又はトリグリシジルイソシアヌレートとを含有するものを挙げることができる。焼き付けは、所定の温度範囲で一定時間行われる。具体的には、150〜250℃で20分間行われる。
上記溶剤塗料を用いた、スプレー塗装、静電塗装、バーコーティング等の塗装方法としては、公知の方法が適用できる。溶剤塗料としては、例えば、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂と、シンナー等の有機溶剤とを含有するものを挙げることができる。焼き付けは、所定の温度範囲で一定時間行われる。具体的には、130℃で20分間行われる。
塗装工程により得られる塗膜は、単層であっても複層であってもよい。複層である場合、各種塗膜を形成するための塗料、該塗料を用いた塗装方法、塗装した金属材料の乾燥方法等は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
本実施形態において、前処理工程の対象として使用可能な金属材料の種類については、特に限定されない。その例には、鉄鋼材料(例えば、冷間圧延鋼板、熱間圧延鋼板、高張力鋼板、工具鋼、合金工具鋼、球状化黒鉛鋳鉄、ねずみ鋳鉄等);めっき材料、例えば、亜鉛めっき材(例えば、電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき等)、亜鉛合金めっき材(例えば、合金化溶融亜鉛めっき、Zn−Al合金めっき、Zn−Al−Mg合金めっき、電気亜鉛合金めっき等)、アルミめっき材等;アルミニウム材又はアルミニウム合金材(例えば、1000系、2000系、3000系、4000系、5000系、6000系、アルミニウム鋳物、アルミニウム合金鋳物、ダイキャスト材等);マグネシウム材又はマグネシウム合金材が含まれる。
化成皮膜を有する金属材料は、上記化成皮膜を有する金属材料の製造方法により製造することができる。化成皮膜としては、例えば、ジルコニウム化成皮膜、チタン化成皮膜、ハフニウム化成皮膜、バナジウム化成皮膜、リン酸鉄化成皮膜、リン酸亜鉛化成皮膜などが挙げられる。化成皮膜は1層でも2層以上でもよい。ここで、ジルコニウム化成皮膜、チタン化成皮膜及び/又はハフニウム化成皮膜を形成した場合、形成された化成皮膜の質量は、金属材料表面の単位面積あたり、化成皮膜におけるジルコニウム、チタン、ハフニウム、又はバナジウムの質量で5mg/m以上500mg/m以下であることが好ましく、10mg/m以上250mg/m以下であることがより好ましいが、この範囲に制限されるものではない。2種以上の金属が含まれる場合は、その合計が前記範囲内であるのが好ましい。一方、リン酸鉄皮膜を形成した場合、化成皮膜の質量は、金属材料表面の単位面積あたり、化成皮膜中のリンをリン酸鉄として換算した質量で0.1g/m以上2.0g/m以下であることが好ましく、0.2g/m以上1.5g/m以下であることがより好ましいがこの範囲に制限されるものではない。リン酸亜鉛皮膜を形成した場合、化成皮膜の質量は、金属材料表面の単位面積あたり、0.5g/m以上10g/m以下であることが好ましく、1.0g/m以上7.0g/m以下であることがより好ましいが、この範囲に制限されるものではない。
ジルコニウム化成皮膜、チタン化成皮膜、ハフニウム化成皮膜、バナジウム化成皮膜等の化成皮膜におけるジルコニウム、チタン、ハフニウム、又はバナジウムの量は、化成皮膜を濃硝酸にて溶解した後、ICP発光分光分析により測定することができる。一方、リン酸鉄皮膜やリン酸亜鉛皮膜の場合は、クロム酸水溶液にて化成皮膜だけを溶解させ、溶解前後の単位面積あたりの重量の差から算出することができる。また、化成皮膜を有する金属材料を蛍光X線法で分析することにより測定することができる。
塗装金属材料は、上記塗装金属材料の製造方法により製造することができる。ここで、塗装金属材料に形成された塗膜は、単層であっても複層であってもよい。複層である場合、各層の塗料、塗装方法、乾燥方法等は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。また、塗膜の厚さは100μmを超えるような厚いものでもよいし、5μmを下回るような薄いものでもよい。例えば電着塗装の場合、一般的には、約10〜30μmの厚さとなるように塗装されるが、100μmのように厚くてもよく、3μmのように薄くてもよい。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
[塗装金属材料の作製]
<金属材料>
金属材料として、JIS G3141で規格された冷間圧延軟鋼板(SPCC:厚さ0.8mm)、JIS G3302で規定された溶融亜鉛めっき鋼板(SGCC:厚さ0.8mm)、同じくJIS G3302で規定された合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA:厚さ0.8mm)、JIS G3313で規定された電気亜鉛めっき鋼板(SECC:厚さ0.8mm)、JIS G3131で規格された熱間圧延軟鋼板(SPHC:厚さ1.8mm)、JIS H4000で規定されたアルミニウム合金板(A6061:厚さ0.8mm)、またはJIS G3302で規定された合金化溶融亜鉛めっき鋼板(SCGA:厚さ0.8mm)のそれぞれを縦70mm×横150mmのサイズに切断した。そのとき金属材料のエッジ部にバリが生じる。これらのバリが凸となる面を、評価する面とした。バリの高さは凡そ100μmであった。
<金属材料に対する脱脂処理>
上記金属材料を、アルカリ脱脂剤(商品名:ファインクリーナーE2093、日本パーカライジング株式会社製)の24g/L水溶液に45℃で2分間浸漬し、金属材料に付着した油分や汚れを取り除いた。その後、金属材料の表面を純水で水洗した。
<前処理剤の調製>
表1に示すとおり、各成分を所定モル濃度となるように水に添加した後、メタンスルホン酸又は水酸化ナトリウム水溶液を用いて所定のpHに調整することにより、実施例1〜25及び比較例1〜2の前処理剤を調製した。
なお、前処理剤に配合する有機シラン化合物(A)及び(B)として、下記の7つの成分を用いた。また、混入成分は以下のものを用いた。なお、表1に記載の添加量の単位はmmol/Lとした。
A1:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業株式会社 KBM−602)
A2:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社 KBM−603)
A3:3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社 KBM−903)
A4:3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社 KBE−903)
B1:3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業株式会社 KBM−402)
B2:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社 KBM−403)
B3:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社 KBE−403)
混入成分のFe:硝酸鉄(III)九水和物(純正化学株式会社、試薬、規格一級,鉄の酸化数は3)
混入成分のAl:硝酸アルミニウム九水和物(純正化学株式会社製、試薬、規格一級)
混入成分のZn:硝酸亜鉛六水和物(純正化学株式会社製、試薬、規格一級)
Figure 0006552767
上記脱脂処理を施した各種金属材料に対して、表2に示すように、以下の前処理、各種化成処理、電着塗装処理等を行い、各種塗装金属材料を作製した。その詳細を以下に示す。
<金属材料に対する前処理>
上記脱脂処理を施した各種金属材料(SPCC、SGCC、GA、SECC、SPHCA6061、及びSCGA)を、表1に示す各種前処理剤(実施例1〜25及び比較例1〜2の前処理剤)に25℃で30秒間浸漬させて前処理を行った。
<化成処理剤の調製>
化成処理剤としては、一般的なジルコニウム化成処理剤、チタン化成処理剤、ハフニウム化成処理剤、バナジウム化成処理剤、リン酸鉄化成処理剤、リン酸亜鉛化成処理剤を用いた。
<ジルコニウム化成処理:Zr>
前処理を行った各種金属材料または脱脂処理のみを行った各種金属材料を、ジルコニウム化成処理液(パルシード1500、日本パーカライジング株式会社製)の50g/L水溶液に40℃で120秒間浸漬して、ジルコニウム化成皮膜を有する金属材料を作製した。
<チタン化成処理:Ti>
実施例6の前処理剤を用いて前処理を行ったSPCCまたは脱脂処理のみを行ったSPCCを、ヘキサフルオロチタン酸が金属チタン換算質量濃度で0.1g/kgとなるように調製した化成処理剤に、40℃で120秒間浸漬し、チタン化成皮膜を有する金属材料を作製した。
<ハフニウム化成処理:Hf>
実施例6の前処理剤を用いて前処理を行ったSPCCまたは脱脂処理のみを行ったSPCCを、ヘキサフルオロハフニウム酸を金属ハフニウム換算とするハフニウム濃度が0.1g/kgとなるように調製した化成処理剤に、40℃で120秒間浸漬し、ハフニウム化成皮膜を有する金属材料を作製した。
<バナジウム化成処理:V>
実施例6の前処理剤を用いて前処理を行ったSPCCまたは脱脂処理のみを行ったSPCCを、メタバナジン酸アンモニウムを金属バナジウム換算とするバナジウム濃度が0.1g/kgとなるように調製した化成処理剤に、40℃で120秒間浸漬し、バナジウム化成皮膜を有する金属材料を作製した。
<リン酸鉄化成処理:P−Fe>
実施例6の前処理剤を用いて前処理を行ったSPCCまたは脱脂処理のみを行ったSPCCの表面上に、リン酸鉄化成処理液(パルフォス1077;日本パーカライジング株式会社製)の50g/L水溶液を50℃で120秒間スプレーし、リン酸鉄化成皮膜を有する金属材料を作製した。
<リン酸亜鉛化成処理:P−Zn>
実施例6の前処理剤を用いて前処理を行ったSPCCまたは脱脂処理のみを行ったSPCCを、表面調整処理液(プレパレンX;日本パーカライジング株式会社製)の3g/L水溶液に25℃で30秒間浸漬した後、リン酸亜鉛化成処理液(パルボンドSX35;日本パーカライジング株式会社製)の50g/L水溶液に35℃で120秒間浸漬し、リン酸亜鉛化成皮膜を有する金属材料を作製した。
<化成皮膜を有する金属材料に対する電着塗装処理>
各種化成処理を行った化成皮膜を有する金属材料を純水で水洗した後、各種金属材料を陰極とし、カチオン電着塗料(GT−100、関西ペイント社製)を用いて、180秒間定電圧陰極電解して金属材料の全表面に塗膜成分を析出させた。その後、純水で水洗し、170℃(PMT:焼付け時の金属材料の最高温度)で20分間焼き付けて塗装金属材料No.1〜49を作製し、以下の評価を実施した。なお、各塗装金属材料の塗膜厚は20μmとなるように調整した。
Figure 0006552767
[塗装金属材料の評価]
<耐食性能>
上記準備した各塗装金属材料No.1〜49のエッジのバリ部における耐食性能を確認するため、各塗装金属材料を、複合サイクル試験機に入れ、JASO−M609−91に則り複合サイクル試験を100サイクル実施した。100サイクル実施後、切断時に生じたバリからの最大膨れ幅を測定し、以下に示す評価基準に従ってエッジのバリ部耐食性を評価した。なお、エッジのバリについて評価を行うため、各種塗装金属材料のエッジ及び裏面にはテープシールを行っていない。結果を表3に示す。
(評価基準)
S:最大膨れ幅が1.5mm未満である。(最も優れる)
A:最大膨れ幅が1.5mm以上2.5mm未満である。
B:最大膨れ幅が2.5mm以上5.0mm未満である。
C:最大膨れ幅が5.0mm以上である。
<塗膜密着性>
各塗装金属材料No.1〜49の塗膜密着性を確認するため、各塗装金属材料に1mm間隔で碁盤目状(10×10=100個)にカット傷を施した後、沸騰水に1時間浸漬した。続いて、表面上の水分を拭き取り、碁盤目状のカット傷に対してセロハンテープを貼り付けた後、セロハンテープを剥がし、塗装金属材料から剥離しなかった該1mm角の塗膜の数を計測し、以下に示す評価基準に従って塗膜密着性を評価した。結果を表3に示す。なお、ここで縁欠けとは、該1mm角の塗膜が、完全には剥離しないものの、一部分剥離したことを示す。
(評価基準)
S:剥離しなかった塗膜数が100個(縁欠け無し)である。(もっとも優れる)
A:剥離しなかった塗膜数が100個(縁欠けあり)である。
B:剥離しなかった塗膜数が90〜99個(縁欠け無し)である。
C:剥離しなかった塗膜数が90未満(縁欠け無し)である。
<電着塗装付き廻り性>
上記塗装金属材料No.1〜30及びNo.37〜44における電着塗装処理の代わりに、以下の電着塗装付き廻り性試験を実施して塗膜を形成させ、得られた塗装金属材料を用いて電着塗装付き廻り性を評価した。
各種化成皮膜を有する金属材料を4枚用いて、4枚ボックスによる電着塗装付き廻り性試験方法(例えば、特開2010−90409号公報の段落0085〜0090等を参照)に従い、電着塗装付き廻り性試験を実施した。実施に際し、対極としては、片面(4枚ボックスと対向する面の逆面)を絶縁テープでシールした70×150×0.5mmのステンレス板(SUS304)を用いた。また、電着塗料の液面は、4枚ボックスの、化成皮膜を有する金属材料の評価面及び対極の通電面が浸漬する位置となるように調整した。電着塗料の温度は30℃に保持し、電着塗料をスターラーにて攪拌した。
このような状態で、対極を陽極とした陰極電解法により、4枚ボックスの、化成皮膜を有する金属材料の表面上に塗膜を電解析出させた。具体的な電解条件は、整流器を用い、所定の電圧にて180秒間陰極電解した。電圧は、4枚ボックスの対極と最も近い、化成皮膜を有する金属材料の、対極と対向する面の塗膜厚さ15μmになるように調整した。続いて、それぞれの金属材料を水洗した後、PMTが170℃となる条件で20分間維持して焼き付けて塗膜を形成させ、塗装金属材料を製造した。
そして、対極から最も離れた、化成皮膜を有する金属材料の対極面側に形成された塗膜の厚さを、電磁式膜厚計を用いて測定した。塗膜の厚さの測定は、塗装金属材料において無作為に選んだ10箇所の膜厚を測定し、その平均値を算出することにより得た。
その後、電着塗料付き廻り性は、対極に最も近い、化成皮膜を有する金属材料の対極面側に形成された塗膜の厚さ(T)と、対極から最も離れた、化成皮膜を有する金属材料の対局面側に形成された塗膜の厚さ(T)との比率(T/T)を百分率で算出した。これらの百分率を以下の評価基準に基づいて電着塗装付き廻り性を評価した。結果を表3に示す。
(評価基準)
A:電着付き廻り性は65%以上である。(最も優れる)
B:電着付き廻り性は50%以上65%未満である。
C:電着付き廻り性は50%未満である。
なお、全ての評価において、評価基準B以上を実用可能範囲とした。
Figure 0006552767

Claims (6)

  1. 金属材料の表面又は表面上に化成皮膜を形成させる化成処理の前処理に用いられる前処理剤であって、
    該前処理剤は、分子中に一級アミノ基とアルコキシシリル基とを有する有機シラン化合物(A)と、
    分子中にグリシジル基とアルコキシシリル基とを有する有機シラン化合物(B)と、が配合されてなる金属材料の前処理剤。
  2. 請求項1に記載の前処理剤を金属材料の表面または表面上に接触させる前処理工程を、含む金属材料の前処理方法。
  3. 請求項1に記載の前処理剤を金属材料の表面または表面上に接触させる前処理工程と、
    前処理工程後に、金属材料の表面上に化成皮膜を形成させ化成処理工程と、
    を含む、化成皮膜を有する金属材料の製造方法。
  4. 請求項3に記載の方法により得られた化成皮膜を有する金属材料。
  5. 請求項4に記載の金属材料に塗装を行う塗装工程、を含む塗装金属材料の製造方法。
  6. 請求項4に記載の化成皮膜を有する金属材料の表面上に、塗膜を有する、塗装金属材料。
JP2019510987A 2017-10-31 2017-10-31 前処理剤、前処理方法、化成皮膜を有する金属材料およびその製造方法、並びに塗装金属材料およびその製造方法 Active JP6552767B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2017/039462 WO2019087321A1 (ja) 2017-10-31 2017-10-31 前処理剤、前処理方法、化成皮膜を有する金属材料およびその製造方法、並びに塗装金属材料およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6552767B1 true JP6552767B1 (ja) 2019-07-31
JPWO2019087321A1 JPWO2019087321A1 (ja) 2019-11-14

Family

ID=66333002

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019510987A Active JP6552767B1 (ja) 2017-10-31 2017-10-31 前処理剤、前処理方法、化成皮膜を有する金属材料およびその製造方法、並びに塗装金属材料およびその製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6552767B1 (ja)
TW (1) TWI780245B (ja)
WO (1) WO2019087321A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007100065A1 (ja) * 2006-03-01 2007-09-07 Nippon Paint Co., Ltd. 金属表面処理用組成物、金属表面処理方法、及び金属材料
JP2009275287A (ja) * 2008-04-17 2009-11-26 Nippon Parkerizing Co Ltd プレコート金属材料用水系表面処理剤、表面処理金属材料及びプレコート金属材料
CN106835093A (zh) * 2017-02-24 2017-06-13 武汉大学 一种q型poss改性的金属表面前处理剂及其制备方法、应用

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007100065A1 (ja) * 2006-03-01 2007-09-07 Nippon Paint Co., Ltd. 金属表面処理用組成物、金属表面処理方法、及び金属材料
JP2009275287A (ja) * 2008-04-17 2009-11-26 Nippon Parkerizing Co Ltd プレコート金属材料用水系表面処理剤、表面処理金属材料及びプレコート金属材料
CN106835093A (zh) * 2017-02-24 2017-06-13 武汉大学 一种q型poss改性的金属表面前处理剂及其制备方法、应用

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019087321A1 (ja) 2019-05-09
TWI780245B (zh) 2022-10-11
TW201936992A (zh) 2019-09-16
JPWO2019087321A1 (ja) 2019-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6375043B1 (ja) 前処理剤、前処理方法、化成皮膜を有する金属材料およびその製造方法、並びに塗装金属材料およびその製造方法
CA2454042C (en) Pretreatment method for coating
ES2415979T3 (es) Método para producir un material metálico tratado superficialmente, y método para producir un artículo metálico revestido
JP4989842B2 (ja) 塗装前処理方法
HUP0003824A2 (en) Method and compositions for preventing corrosion of metal substrates
CN1190519C (zh) 镀锡钢板
EP2708619B1 (en) Chemical conversion treatment agent for surface treatment of metal substrate, and surface treatment method of metal substrate using same
EP3564408B1 (en) Chemical conversion treatment agent and chemical conversion coating production method
CN105164313A (zh) 金属表面处理剂及金属表面处理方法
JP2008184690A (ja) 塗装前処理方法
JP6382428B1 (ja) 化成処理剤、化成皮膜の製造方法、化成皮膜を有する金属材料、および塗装金属材料
EP1900846B1 (en) Method and agent for chemical conversion treatment and chemically conversion-treated members
JP6552767B1 (ja) 前処理剤、前処理方法、化成皮膜を有する金属材料およびその製造方法、並びに塗装金属材料およびその製造方法
JP2006241579A (ja) 化成処理剤及び表面処理金属
CN114616357A (zh) 处理剂和涂装金属材料
WO2024127983A1 (ja) 化成処理剤
JP2024084379A (ja) 化成皮膜付き金属材料の製造方法
JP6547088B1 (ja) 前処理剤、前処理方法、化成皮膜を有する金属材料及びその製造方法、並びに塗装金属材料及びその製造方法
JP2009161830A (ja) ブロック化イソシアネート基含有オルガノシロキサン、およびこれを用いた金属表面処理用組成物
JP7773521B2 (ja) 表面処理金属部材の製造方法
JP5496069B2 (ja) 金属表面処理用組成物、及び表面処理皮膜を有する金属基材
JP2011137221A (ja) 金属表面処理用組成物、及び表面処理皮膜を有する金属基材
JP2002275641A (ja) 表面処理鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190222

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190222

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190402

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190618

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190702

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6552767

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250