この出願は、2016年3月10日に出願された日本特許出願2016−047392号を基礎出願とするものであり、基礎出願の開示内容は参照によってこの出願に組み込まれている。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
第1実施形態
図1において、内燃機関用回転電機(以下、単に回転電機10という)は、発電電動機、または交流発電機スタータ(AC Generator Starter)とも呼ばれる。回転電機10は、インバータ回路(INV)と制御装置(ECU)とを含む電気回路11と電気的に接続されている。電気回路11は、三相の電力変換回路を提供する。回転電機10の用途の一例は、車両用の内燃機関12と連結される発電電動機である。回転電機10は、例えば、二輪車に利用することができる。
電気回路11は、回転電機10が発電機として機能するとき、出力される交流電力を整流し、バッテリを含む電気負荷に電力を供給する整流回路を提供する。電気回路11は、回転電機10から供給される基準位置信号を受信する信号処理回路を提供する。基準位置信号は、点火時期制御および/または燃料噴射時期制御のために利用される。電気回路11は、点火時期制御および/または燃料噴射時期制御を含む機関制御を実行する制御器を提供してもよい。電気回路11は、回転電機10を電動機として機能させる駆動回路を提供する。電気回路11は、回転電機10を電動機として機能させるための回転位置信号を回転電機10から受信する。電気回路11は、検出された回転位置に応じて回転電機10への通電を制御することにより回転電機10を電動機として機能させる。電気回路11は、バッテリおよび/または電気負荷を含むことができる。
回転電機10は、内燃機関12に組み付けられている。内燃機関12は、ボディ13と、ボディ13に回転可能に支持され、内燃機関12と連動して回転する回転軸14とを有する。回転電機10は、ボディ13と回転軸14とに組み付けられている。ボディ13は、内燃機関12のクランクケース、ミッションケースなどの構造体である。回転軸14は、内燃機関12のクランク軸、またはクランク軸と連動する回転軸である。
回転電機10は、アウタロータ型の回転電機である。回転電機10は、ロータ21と、ステータ31とを有する。以下の説明において、軸方向の語は、ロータ21、ステータ31、またはステータコア32を円筒と見なした場合の中心軸に沿う方向を指す。径方向の語は、ロータ21、ステータ31、またはステータコア32を円筒と見なした場合の径方向を指す。
ロータ21は、界磁子である。ステータ31は、電機子である。ロータ21は、全体がカップ状である。ロータ21は、回転軸14の端部に接続されている。ロータ21は、回転軸14とともに回転する。ロータ21とステータ31との径方向および軸方向の間には隙間が形成されている。回転電機10をコンパクトに構成するために、ステータ31に関連する隙間は小さいことが望ましい。ロータ21は、カップ状のロータコア22を有する。ロータコア22は、後述する永久磁石のためのヨークを提供する。ロータコア22は、磁性金属製である。ロータ21は、ロータコア22の内面に配置された永久磁石23を有する。ロータ21は、永久磁石23によって界磁を提供する。さらに、永久磁石23は、点火制御のための基準位置信号を提供するための部分的な特殊磁極を提供する。
ステータ31は、環状の部材である。ステータ31は、ロータ21と対向するように配置されている。ステータ31は、ステータコア32を有する。ステータコア32は、電磁鋼板などの磁性金属の積層体によって提供されている。ステータコア32は、内燃機関12のボディ13に固定されている。ステータ31は、ステータコア32に巻回されたステータコイル33を有する。ステータコイル33は、電機子巻線を提供する。ステータコイル33は、単相巻線、または多相巻線である。ステータコイル33は、ロータ21およびステータ31を発電機または電動機として選択的に機能させることができる。コイル線は、絶縁被覆によって被覆された単線導体である。コイル線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金のようなアルミ系金属製である。
回転電機10は、回転電機10と電気回路11との間における電気的な接続を提供するワイヤハーネス15を有する。ワイヤハーネス15は、コイル線よりも可撓性に優れた電線である。ワイヤハーネス15は、複数の電線を含む。それぞれの電線は、複数の細線の束を樹脂製の被覆によって覆った被覆導線である。それぞれの細線は、銅系金属製またはアルミ系金属製である。
ワイヤハーネス15は、ステータコイル33と電気回路11とを接続する複数の電力線を含む。電気回路11は電力線が接続される外部回路である。電力線は、回転電機10が発電機として機能するとき、ステータコイル33に誘導される電力を電気回路11に供給する。電力線は、回転電機10が電動機として機能するとき、ステータコイル33を励磁するための電力を電気回路11からステータコイル33へ供給する。
図2において、ステータ31は、外突極型のステータである。ステータコア32は、複数の磁極32aを有する。ひとつの磁極32aには、ひとつの単コイルが装着されている。ステータコイル33は、複数の単コイルによって提供されている。磁極32aは、突極またはティースとも呼ばれる。ステータコア32は、中央環状部32bを有する。中央環状部32bの径方向外側には、複数の磁極32aが設けられている。中央環状部32bの中央部には、貫通穴32cが区画されている。貫通穴32cは、ボディ12との嵌め合いのために利用される。例えば、貫通穴32cの端部とボディ12とはインロー嵌合されている。貫通穴32cは、ロータ21のボス部との干渉を回避するために利用される。貫通穴32cに求められる機能は、中央環状部32bの主として内径を制限する。また、中央環状部32bの外径は磁極32aによって制限されている。このため、中央環状部32bの大きさには制限がある。ステータコア32は、ステータコア32をボディ13に固定するための複数のボルト穴32dを有する。複数のボルト穴32dも、中央環状部32bの広さを制限する要因のひとつである。複数のボルト穴32dにより、中央環状部32bが提供しうる電極設置可能範囲は、多くの場合に扇状に制限される。
ステータコア32とステータコイル33との間にはインシュレータ35が配置されている。インシュレータ35は、電気絶縁性の樹脂製である。インシュレータ35は、ステータ31上に設けられている。インシュレータ35は、ボビンとも呼ばれる。インシュレータ35の一部は、磁極32aに隣接して位置づけられることによって、ボビンのフランジ部を提供する。インシュレータ35の一部は、磁極32aの軸方向における両側に配置されている。インシュレータ35の一部は、中央環状部32bに配置された環状の内側フランジ部と、中央環状部32bの軸方向表面の一部を覆うように広がる電極支持部とを有する。以下の説明において、インシュレータ35の語は、多くの場合に電極支持部を指す。
ステータ31は、複数の電極50を有する。ステータコイル33の端部である複数のコイル端33aが、電極50に接続される。複数の電極50は、ステータコイル33を所定の回路を形成するように接続するための内部接続部材を提供する場合がある。複数の電極50は、ステータコイル33とワイヤハーネス15とを電気的に接続するための外部接続部材を提供する場合がある。図示される例では、複数の電極50は、ステータコイル33を三相結線するとともに、ステータコイル33とワイヤハーネス15とを接続する。
図3は、ステータコイル33の結線を示す回路図である。ステータコイル33は、三相巻線である。ステータコイル33は、中性点NTを有するスター結線である。ひとつの相は、複数のコイルの並列回路によって提供されている。この例では、2つのコイルの並列接続によってひとつの相が提供されている。例えば、U相は、コイルU1とコイルU2との並列接続によって提供されている。ステータコイル33は、複数のコイルを有している。それぞれのコイルは、2つのコイル端33aを有する。よって、ステータコイル33は、複数のコイル端33aを有している。
コイルU1は単一のコイルから形成されていても良い。これに代えて、コイルU1は、複数のコイルが直列に接続されたコイル群から形成されていても良い。例えば、ひとつの磁極32aにひとつの単コイルが装着されている場合、ひとつのコイルU1は、直列に配置された複数の単コイルの群によって提供できる。例えば、ステータ31の磁極32aが全部で18個ある場合を考える。この場合、U相に属するコイル(単コイル)は6つとなる。コイルU1とコイルU2とのそれぞれに、3つのコイルが直列接続されたコイル群が対応付けられる。この場合、コイルU1は、直列接続された3つの単コイルを含むひとつのコイル群によって提供される。例えば、コイルU1は、コイルの巻き始めと巻き終わりに1つずつ、合計2つのコイル端を有する。つまり、コイルU1とコイルU2を足し合わせたU相全体で見ると、ひとつのU相は、4つのコイル端末を有している。
電極50は、ステータコイル33のための多様な接続に利用可能である。図示される例では、ひとつの電極50は、回転電機10が発電機として機能するとき、ひとつの相における出力端を提供する。複数のコイル端33aが、ひとつの電極50と接続されている。図示の例では、2つのコイル端33aが、ひとつの電極50と接続されている。電極50は、ワイヤハーネス15に含まれるひとつの電力線の端部と接続されている。よって、ひとつの電極は、複数のコイル端33aとワイヤハーネス15の一端とを接続している。電極50は、ステータコイル33の中性点NTにおける接続を提供するために利用されてもよい。
図2に戻り、複数の電極50は、ステータ31に固定されている。複数の電極50は、中央環状部32bに固定されている。複数の電極50は、周方向に隣接する2つのボルト穴32dの間に配置されている。ひとつの電極50は、複数の端子51、52を有する。ひとつの電極50が提供する複数の端子51、52は、回転電機10において、すなわちステータ31の端面の上において、互いに離れて位置づけられている。端子51、52は、ステータコイル33のコイル端33aと接合されている。ひとつの端子51は、ひとつのコイル端33aと接合されている。ひとつの端子52は、ひとつのコイル端33aと接合されている。複数のコイル端33aと複数の端子51、52とは、ひとつのコイル端33aがひとつの端子に接合されるように一対一に接合されている。
複数のコイル端33aは、ステータコイル33から径方向内側に向けて延び出すように配置されている。複数のコイル端33aは、ステータコイル33が配置されている径方向外側の環状領域から、中央環状部32bの上に到達している。複数のコイル端33aは、おおよそ径方向に沿って延びるように配置されている。
複数のコイル端33aのそれぞれは、対応する端子に到達するために必要な所定の形状を有している。複数のコイル端33aは、多様な形状をもつことができる。例えば、コイル端33aは、磁極32a上から、端子51の上に延び出し、端子51、52の上に沿うように配置されるL字型の形状をもつことができる。コイル端33aは、図中の端子51の上におけるように、磁極32aの上から端子51の外周に回り込むような形状、または巻きつくような形状をもつことができる。コイル端33aは、図中の端子52の上におけるように、磁極32aの上から端子52に向けて接近してゆくような形状をもつことができる。
ステータ31の製造方法において、複数のコイル端33aは、ステータコア32にステータコイル33を巻きつける工程の後に、上記所定の形状となるように加工される。複数のコイル端33aは、上記所定の形状となるように曲げられ、配置される。インシュレータ35は、コイル端33aを案内するための溝、柱など案内部材を備えることができる。
ステータ31は、電極50とコイル端33aとの接合部を保護するための保護部材61を有する。保護部材61は、少なくとも接合部を覆っている。図示されるように、保護部材61は、ステータ31上における電極50の突出部分の全体を覆い、電極50の近傍に位置するコイル端33aを覆っている。保護部材61は、電極50およびコイル端33aに密着することにより、接合部の腐食を抑制する。保護部材61は、電気絶縁性の樹脂材料である。
図4は、電極50の近傍における部分断面を示す。図示されるように、インシュレータ35は、ステータコア32の軸方向の一方の端面に配置された第1部分35aと、ステータコア32の軸方向の他方の端面に配置された第2部分35bとを有する。一方の端面は、ステータコイル33を接続するための端面である。他方の端面は、ワイヤハーネス15を配置するための端面である。インシュレータ35は、ステータコア32を貫通するように配置された貫通部35cを有する。貫通部35cは、ステータコア32によって区画形成された貫通穴32eに配置されている。貫通部35cは、ステータコア32の両面に露出している。貫通部35cは、電極50を収容し、保持している。貫通部35cは、電極保持部でもある。貫通部35cは、ステータコア32と電極50とを電気的に絶縁している。インシュレータ35は、複数の電極50に対応する数である複数の貫通部35cを有している。図示される例では、ステータ31は、3つの電極50を有するから、インシュレータ35は3つの貫通部35cを有する。
複数の電極50は、ステータ31を軸方向へ貫通するように配置されている。端子51、52は、ステータ31の一方の端面の上に配置されている。端子51、52は、コイル端33aと接合されている。ひとつの端子51とひとつのコイル端33aとが接合されている。ひとつの端子52とひとつのコイル端33aとが接合されている。2つの端子51、52は、電極50を形成する金属材料によって連続的に形成されている。
端子51、52とコイル端33aとは、それらの一方または両方を溶融させることによって、または、それらの一方または両方を冶金学的に拡散させることによって接合されている。具体的には、コイル端33aと端子51、52とは、電気抵抗溶接、またはプロジェクション溶接と呼ばれる溶接手法によって溶接されている。端子51、52とコイル端33aとの間には、主としてコイル端33aが端子51、52に沿うように変形し、コイル端33aと端子51、52とが密着した接合部が形成されている。
保護部材61は、コイル端33aの一部および端子51、52を覆っている。保護部材61は、インシュレータ35にも接触し、密着している。これにより、コイル端33a、端子51、52、およびそれらの間の接合部が腐食から保護される。さらに、保護部材61は、コイル端33a、端子51、52、およびそれらの間の接合部と、インシュレータ35との間の隙間を埋めている。これにより、コイル端33aおよび端子51、52の機械的な強度が高められている。
電極50は、さらに端子53を有する。端子53は、ワイヤハーネス15との電気的な接続を提供するための端子である。端子53は、ステータ31の他方の端面の上に配置されている。端子53は、ワイヤハーネス15を提供する導体15aとはんだ62を用いて接合されている。端子53は、導体15aを受け入れ、それらを保持するために適した形状を有している。端子53は、導体15aを受け入れて保持するためのU字状に配置された一対の爪を有している。端子53は、はんだ付けに適した材料および形状を有している。
電極50は、ボディ部55を有する。ボディ部55は、複数の端子51、52、53を電気的に接続する。これにより、電極50は、ステータコイル33に含まれる複数のコイルを電気的に接続する。さらに、電極50は、ステータコイル33をワイヤハーネス15に電気的に接続する。ボディ部55は、貫通部35c内に配置されている。ボディ部55は、インシュレータ35に、すなわち貫通部35cに固定されている。ボディ部55は、ステータ31に、すなわち回転電機10に固定されている。ボディ部55は、電極50の主要な部材である。複数の端子51、52、53とボディ部55とは、連続した導体材料によって形成されている。この実施形態では、電極50は、鉄または鉄合金などの鉄系金属製である。電極50の表面には、錫メッキ層が形成されている。ステータ31の製造方法において、ボディ部55は、貫通部35c内に圧入される。ボディ部55は、貫通部35cを形成する樹脂材料によって包まれるようにインサート成形されてもよい。
端子51、52は、コイル端33aとの接続のために利用されるから、コイル用端子とも呼ばれる。また、端子51、52は、溶接のために利用されるから、溶接端子とも呼ばれる。端子51、52は、第1端子とも呼ばれる。よって、ひとつの電極は、複数の第1端子を有する。複数の第1端子は、少なくともひとつの観点において互いに異なっている。
複数の第1端子は、互いに離れて配置されている。複数の第1端子の間には、直接的な熱伝導を阻害する熱障壁部が設けられている。複数の第1端子は、異なる複数の面の上にそれぞれ配置されている。複数の第1端子は、指向方向が異なる複数の面の上にそれぞれ配置されている。複数の第1端子は、複数の面の上にそれぞれ配置されている。これら複数の面は、それらの延長上において互いに交差するように広がっている。複数の第1端子は、ステータ31の上における位置が異なっている。複数の第1端子は、ステータ31の上における指向方向が異なっている。複数の第1端子は、電極50上における位置が異なっている。複数の第1端子は、電極50上における形状が異なっている。複数の第1端子は、ボディ部55に対する位置が異なっている。
端子53は、ステータコイル33を外部に接続するためのワイヤハーネス15と接続される。端子53は、ワイヤハーネス用端子とも呼ばれる。端子53は、はんだ付けに利用されるから、はんだ付け端子とも呼ばれる。端子53は、第2端子とも呼ばれる。
第1端子の形状と、第2端子の形状とは異なる。第1端子において利用される接合手法と、第2端子において利用される接合手法とは異なる。
少なくともひとつの第1端子は、ステータ31上の一方の端面上に配置されている。図示の例では、複数の第1端子のすべてが、ステータ31上の一方の端面上に配置されている。少なくともひとつの第1端子がステータ31の一方の端面上に配置され、第2端子がステータ31の他方の端面上に配置されている。言い換えると、少なくともひとつの第1端子と第2端子とは、ステータ31の互いに反対の端面上に配置されている。図示の例では、ステータ31上の他方の端面には、第1端子は配置されていない。このような構成は、第1端子と第2端子との間における影響を抑制する。例えば、溶接に起因するスパッタなどの飛散成分がはんだ付けに与える影響が抑制される。別の観点では、はんだ付けに起因する蒸発フラックスなどの飛散成分が溶接に与える影響が抑制される。
図5、図6、図7において、電極50が詳細に図示されている。ボディ部55は、細長い板状である。ボディ部55は、貫通部35cとの結合を強化するための係合部55a、55bを有する。係合部55a、55bは、ボディ部55と貫通部35cとの噛み合いを提供する。電極50は、複数のタブ56、57、58、59を有する。タブ56、57、58、59は、ボディ部55から直接的に、または間接的に延び出す板状片である。タブ56、57、58は、四辺形の平板である。ボディ部55の一端に、複数のタブ56、57、58が設けられている。ボディ部55の他端に、タブ59が設けられている。
タブ56は、ボディ部55と同一の平面上に広がる板状部分である。タブ56は、幅方向WDに関して、ボディ部55より大きい。なお、タブ56は、ボディ部55と同じ幅でもよい。タブ56は、ボディ部55から幅方向WDの両側へ突出している。タブ56は、ボディ部55の延長上に、上側の端面56aを有する。タブ56は、端面56aとは反対側に、下側の端面56bを有する。下側の端面56bは、インシュレータ35上に位置づけられる。上側の端面56aは、電極50が貫通部35c内に圧入される工程において、電極50を押すための押圧面を提供する。下側の端面56bは、インシュレータ35に当接することによって、電極50の圧入量を設定するために利用することができる。下側の端面56bは、圧入時のストッパ面とも呼ばれる。なお、端面56bは、インシュレータ35の中に部分的に挿入されていてもよい。ただし、端面56bとステータコア32との間にはインシュレータ35が位置づけられ、電気的な絶縁が確保されている。タブ56は、第1タブとも呼ばれる。また、タブ56は、他のタブ57、58を支持するための支持タブとも呼ばれる。
タブ57は、タブ56のひとつの辺から延び出している。タブ57は、タブ56から高さ方向HDへ延び出している。タブ56とタブ57とは互いに垂直である。タブ57は、ボディ部55に対して交差するように広がっている。タブ57は、第2タブとも呼ばれる。端子51は、タブ57によって提供されている。端子51は、タブ57の一部である。タブ57は、端子51を提供するための第1端子用タブとも呼ばれる。
タブ58は、タブ56の他の辺から延び出している。タブ58は、タブ56から高さ方向HDへ延び出している。タブ56とタブ58とは互いに垂直である。タブ58は、ボディ部55に対して交差するように広がっている。タブ58は、第3タブとも呼ばれる。端子52は、タブ58によって提供されている。端子51は、タブ58の一部である。タブ58は、端子52を提供するための第2端子用タブとも呼ばれる。
複数のタブ56、57、58は、断面がブラケット状となるように配置されている。言い換えると、複数のタブ56、57、58は、それらが提供する平面が互いに交差するように配置されている。別の観点では、複数のタブ56、57、58は、それらが提供する平面が異なる方向を指向するように配置されている。タブ56は、中央に配置されている。タブ57、58は、タブ56の両側に位置するように配置されている。タブ57、58は、タブ56の上の互いに対向する2つの辺のそれぞれから延び出している。タブ56とタブ57との間、およびタブ56とタブ58との間には、湾曲した曲面部分が設けられている。長さ方向LDに関して、タブ56、57、58は、互いに重複する範囲内に位置づけられている。タブ56は、2つのタブ57、58の間に配置されることによって、2つのタブ57、58の間における熱伝導を抑制する熱障壁部を提供している。
タブ57とタブ58とは、互いに平行に、かつ、互いに対向するように位置づけられている。タブ57とタブ58とは、タブ56のみを介して連結されている。よって、端子51と端子52とは、タブ56のみを介して連結されている。タブ57とタブ58とは、幅方向WDに関して互いに離れて位置づけられている。タブ57とタブ58との間には、空洞が区画形成されている。よって、端子51と端子52との間には、空洞がある。端子51と端子52とは、直接的に連続しておらず、直接的に隣接していない。端子51と端子52とは、空間的に離れて位置づけられている。
端子51、52は、それらとコイル端33aとを接合するために適した形状を有する。端子51、52は、プロジェクション溶接のための突部51a、52aを有する。突部51a、52aは、幅方向WDに向けて突出している。突部51a、52aは、幅方向WDに関して、タブ57、58の外側に向けて突出している。突部51a、52aは、コイル端33aに向けて突出している。突部51a、52aは、長さ方向LDに沿って延びる峰を有する突条である。突部51a、52aは、その上に位置づけられたコイル端33aと交差して延びる峰を形成する突条である。突部51a、52aは、半円筒状の突部である。ひとつの電極50に設けられた複数の突部51a、52aは、互いに離れている。コイル端33aと突部51a、52aとは溶接されたあとの痕跡形状である溶接部を形成している。
端子51、52は、突部51a、52aが突出する方向における表面を、接合面51b、52bとしている。コイル端33aは、突部51a、52aの上に位置づけられている。コイル端33aは、突部51a、52aが提供する峰と交差するように位置づけられている。コイル端33aは、突部51a、52aを包み込むような形状を有している。
端子51は、長さ方向LDとは異なる方向、すなわち幅方向WDおよび/または高さ方向HDへ向けて、ボディ部55から延び出したタブ57に提供されている。端子52は、長さ方向LDとは異なる方向、すなわち幅方向WDおよび/または高さ方向HDへ向けて、ボディ部55から延び出したタブ58によって提供されている。電極50は、ボディ部55およびタブ56から幅方向WDおよび/または高さ方向HDへ延び出して位置する少なくともひとつの端子51、52を有する。この構造は、端子51、52からの放熱を促進し、端子51、52からボディ部55への熱伝導を抑制する。この構造は、端子51、52における接合作業のための空間を提供することを可能とする。
複数の端子51、52は板状の部材によって提供されている。複数の端子51、52は、コイル端33aと端子とが接合されている複数の接合面51b、52bを有している。ひとつの電極50が提供する複数の接合面51b、52bは、板状の部材が提供する異なる面に配置されている。電極50は、板状の部材である複数のタブ56、57、58を有している。タブ57およびタブ58は、他のタブ56から延び出している。複数の接合面51b、52bのそれぞれは、複数のタブ57、58のそれぞれに配置されている。複数のタブ57、58は、互いに離れている複数の面、または互いに交差する複数の面を提供するように配置されている。複数のタブ56、57、58は、それらの間に形成された角部によって区画されている。角部は、素材を折り曲げることによって形成されているから、折り曲げ部とも呼ばれる。複数のタブ56、57、58のうちの2つは、それらの間に位置する少なくともひとつの角部によって区画されている。
タブ59は、ボディ部55と同一の平面上に広がる板状部分である。幅方向WDにおけるボディ部55の幅と、タブ59の幅とは、等しい。端子53は、タブ59によって提供されている。端子53は、タブ59の一部である。
タブ59は、タブ57、58から長さ方向LDに関して離れて位置づけられている。タブ59と、タブ57、58とは、ステータコア32の両端面上に隔絶されて配置されている。タブ59は、複数のタブ57、58のうちの少なくともひとつのタブから空間的に離れて位置づけられている。このような配置は、タブ57、58における接合作業と、タブ59における接合作業との間における、望ましくない影響を抑制するために貢献する。
図4〜図7に図示されるように、複数の端子51、52を提供する複数のタブ56、57、58は、インシュレータ35から突出して配置されている。端子53を提供するタブ59も、インシュレータ35から突出して配置されている。
図示されるように、複数の端子51、52を提供する複数のタブ57、58は、ステータ31の径方向に沿って広がるように配置されている。複数の端子51、52および複数のタブ57、58は、放射状に配置されている。突部51a、52aは、ステータ31の周方向または接線方向に向けて突出している。しかも、ひとつの電極50における2つの突部51a、52aの突出方向は、異なる方向である。2つの突部51a、52aの突出方向は、ステータ31の周方向または接線方向に関して反対方向である。すべての突部51a、52aの峰は、ステータ31の軸方向に沿って延びている。これにより、コイル端33aは、ステータ31の端面に沿って配置されることで、突部51a、52aと交差することができる。
複数のタブ56、57、58およびそれらによって提供された複数の端子51、52の形状は、ステータ31の端面における、電極50およびコイル端33aを含む接合部品の軸方向突出量を抑えるように設定されている。接合部品の軸方向突出量の抑制は、ロータ21とステータ31との間にの隙間を小さくすることを可能とする場合がある。接合部品の軸方向突出量の抑制は、ステータ31とボディ13との間の隙間を小さくすることを可能とする場合がある。よって、接合部品の軸方向突出量の抑制は、ロータ21とステータ31とを含む回転電機10の小型化に貢献する。加えて、接合部品の軸方向突出量の抑制は、内燃機関12における回転電機10が配置された部分、例えばボディ13を含む部分の小型化に貢献する。
ひとつの電極50に設けられた2つの端子51、52は、2つの接合面51b、52bを提供している。これら2つの接合面51b、52bは、互いに異なる方向に面している。言い換えると、接合面51b、52bの面方向、すなわち接合面51b、52bが面する方向は、ステータ31の周方向または接線方向に関して反対方向を指向している。2つの接合面51b、52bは、幅方向WDの反対方向を指向している。ひとつの接合面51bに対して、他の接合面52bは、少なくともひとつのタブ57、58の裏側または陰に位置している。ひとつの接合面52bに対して、他の接合面51bは、少なくともひとつのタブ57、58の裏側または陰に位置している。なお、複数のタブ56、57、58が平面上に展開された状態においては、すなわち曲げ加工の前においては、接合面51bと接合面52bとは、同じ平面上に位置しており、同じ方向を指向している。
ボディ部55およびタブ56は、ステータ31の周方向または接線方向に沿って広がるように配置されている。タブ57、58は、ボディ部55およびタブ56からステータ31の径方向に沿って延び出している。タブ57、58は、ステータ31の径方向に関して、ボディ部55およびタブ56よりも内側に位置づけられている。
回転電機10の製造方法は、ロータ21を製造する工程と、ステータ31を製造する工程とを含む。回転電機10の製造方法は、内燃機関12の上においてロータ21とステータ31とを組み合わせる工程を含む。ロータ21を製造する工程は、ロータコア22をプレスまたは切削のような加工によって製造する工程と、ロータコア22内に永久磁石23を固定する工程とを含む。
ステータ31を製造する工程は、所定の形状にプレス成形された電磁鋼板を積層することによってステータコア32を形成する工程と、ステータコア32にインシュレータ35を装着する工程と、ステータコア32にステータコイル33を装着する工程とを含む。
ステータ31を製造する工程は、複数の電極50を製造する工程を含む。電極50は、金属製の板材をプレス加工によって所定の形状に成形する工程によって製造される。この工程は、素材を所定の形状に切断する工程と、素材を曲げる工程とを含む。曲げる工程は、切断する工程の前に、後に、または同時に実行可能である。曲げる工程は、突部51a、52aを形成する工程を含む。曲げる工程は、複数のタブ56、57、58をブラケット状に曲げる工程を含む。これにより、複数の端子51、52のそれぞれが、異なる面の上に配置される。
ステータ31を製造する工程は、複数の電極50をインシュレータ35に装着する工程を含む。この工程は、インシュレータ35がステータコア32に装着される前、または、インシュレータ35がステータコア32に装着された後に実行される。
ステータ31を製造する工程は、複数のコイル端33aのそれぞれを、対応する端子51、52に接合する工程を含む。この工程において、コイル端33aと端子51、52とは、溶接によって接合される。ここでは、端子51における溶接工程を説明する。端子52においても同様の工程が実行される。まず、1本のコイル端33aが、ひとつの突部51aの上に位置づけられる。コイル端33aは、突部51aの長手方向と交差するように位置づけられる。
次に、溶接電極65、66が、コイル端33aと、端子51との両側に位置づけられる。溶接電極65、66は、コイル端33aと端子51とを互いに押し付けるよう、締付装置によって締め付けられる。溶接電極65、66によって、突部51aはコイル端33aに食い込み、コイル端33aを変形させる。コイル端33aは、突部51aを受け入れ、接合面51bに沿うように変形する。この結果、コイル端33aと端子51とは広い面積にわたって接触する。このとき、コイル端33aの表面に酸化皮膜などの絶縁皮膜があっても、コイル端33aの変形によって絶縁皮膜が破れ、アルミニウム系金属の新鮮な表面と接合面51bとの接触が得られる場合がある。
コイル端33aは、溶接電極65、66がコイル端33aと端子51とを締め付ける過程において、突部51a、52aを包み込む形状を与えられる。コイル端33aは、溶接された後も、突部51a、52aを包み込む形状を維持している。
溶接電極65、66が締め付けられる過程の少なくとも一部において、溶接電極65、66には、溶接用電力が供給される。コイル端33aと端子51とを通して電流が流れ、コイル端33aと端子51との接触部分が発熱する。この結果、少なくとも冶金学的な拡散によってコイル端33aと端子51とが接合される。十分な発熱が得られる場合、コイル端33aの一部が溶融する。次に、溶接電極65、66が取り除かれる。比較的柔らかいコイル端33aの表面には、溶接電極65、66との接触痕が残される。コイル端33aと端子51との間の接合部には、溶接痕が残される。
ひとつのコイル端33aとひとつの端子51、52とが接合されるとき、スパッタ、煙などの高温に起因する異物が生じることがある。例えば、スパッタは、接合面51b、52bに沿って、言い換えると溶接電極65、66の間の隙間に沿って飛散する。また、高温に起因して発生する煙、揮発成分などの異物も、端子51、52の接合面に沿って、言い換えると溶接電極65、66の間の隙間に沿って広がり、飛散する。
この実施形態では、ひとつの端子51における接合工程の後に、他の端子52における接合工程が実行される。端子52における接合工程の後に、端子51における接合工程が実行されてもよい。
端子51すなわちタブ57は、ステータ31の径方向に沿って広がっている。一方、端子52すなわちタブ58も、ステータ31の径方向に沿って広がっている。よって、先に接合工程が実行される接合面51b、52bの延長上に、後に接合工程が実行される接合面51b、52bが位置していない。このため、先の接合工程において発生した飛散物は、後の接合工程の対象である接合面51b、52bに到達しにくい。このため、先行する接合工程における飛散物に起因する接合状態の悪化が抑制される。
タブ57とタブ58との間には、タブ56が設けられている。タブ57の上、すなわち端子51における接合工程で生じた熱は、タブ56を通して、タブ58に到達する。しかし、タブ56が幅方向WDに延びているから、熱伝導が抑制される。よって、端子51において生じた熱に起因する端子52の温度上昇が抑制される。この結果、端子51における接合工程でのパラメータと、端子52における接合工程でのパラメータと差を抑制することができる。例えば、端子51における接合工程と、端子52における接合工程とに、同じ工程パラメータを利用することができる。例えば、溶接電極65、66による締め付け圧、締め付け時間、通電量などの差を減らすことができる。別の観点では、2つの端子51、52における温度差が抑制されるから、接合部の品質の差が抑制される。
この実施形態では、図示されるすべての端子51、52が、ステータ31上において径方向に広がっている。言い換えると、すべての端子51、52は、放射状に配置されている。よって、溶接電極65、66は、すべての端子51、52において周方向または接線方向への開閉動作によって溶接作業が可能である。また、ステータ31の周方向に沿って、ステータ31または溶接電極65、66を移動させることにより、複数の端子51、52における接合作業が可能である。
ステータ31を製造する工程は、ワイヤハーネス15を端子53に接続する工程を含む。この工程では、ワイヤハーネス15の導体15aが、端子53の一対の爪の間に配置される。次に、導体15aと端子53とに溶融状態のはんだ62が付与される。はんだ62が固化することにより、はんだ62の塊が形成される。ことによりワイヤハーネス15と端子53とのはんだ付が完了する。はんだ62を付与する前に、導体15aを締め付けるように一対の爪を変形させ、導体15aを仮固定してもよい。端子53における工程は、端子51、52における接合工程の前に、または後に実行することができる。
ステータ31を製造する工程は、端子51、52における接合工程の後に、保護部材61を付与する工程を含む。保護部材61は、端子51、52の上に、流動可能な状態の樹脂を塗布または滴下することによって付与される。保護部材61は、樹脂を硬化させることによって形成されている。さらに、コイル端33aおよび端子51、52を覆うように、ステータコイル33を覆うワニスなどの樹脂材料を付与してもよい。
以上に述べた実施形態によると、回転電機10の上において占める面積が小さい回転電機用の電極50、回転電機10、および回転電機10の製造方法を提供することができる。また、別の観点では、ひとつの端子における接合作業から、他のひとつの端子における接合作業への影響が抑制される。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態における端子51、52の配置に代えて、多様な配置を採用することができる。
図8に図示されるように、ステータ31は、3つの電極250を有する。ひとつの電極は、L字型またはV字型と呼びうる形状に配置された2つの端子51、52を有する。インシュレータ35は、保護部材61の流動を抑制するための容器35dを有する。容器35dは、浅い皿状である。容器35dを特徴づける側壁は、端子51、52より低い。側壁は、保護部材61を形成する樹脂材料の流動を規制するための高さを有している。複数の電極250は、容器35dの中に配置されている。
電極250は、2つの端子51、52がステータ31の径方向外側に向けて開くV字型となるように配置されている。2つの接合面51b、52bは、L字型またはV字型に配置された2つの端子51、52、すなわちタブ56、57が区画する空洞の外側に面している。また、接合面51b、52bは、ステータ31上において、径方向内側に面している。2つの接合面51b、52bは、互いにタブ56、57の裏側または陰に位置している。
コイル端33aは、ステータ31の径方向外側から、径方向内側に向けて延びるように配置されている。コイル端33aは、端子51、52に巻き付くように配置されている。
図9、図10、図11は、図5、図6、図7に対応する図である。電極250は、タブ56に端子52を有する。よって、2つのタブ56、57、および2つの端子51、52は、L字型、またはV字型と呼びうる形状をなすように配置されている。
電極250は、端子51と端子52との間、言い換えるとタブ56とタブ57との間に凹部56cを有する。タブ56とタブ57との間には、それらを連結する部分が残されている。凹部56cは、端子51、52の軸方向における先端側から、長さ方向LDに沿って延びている。凹部56cは、端子51と端子52とを分離する。凹部56cによって、端子51と端子52との間における熱伝導を抑制する熱障壁部が提供される。凹部56cは、複数の接合面51b、52bの間に位置している。凹部56cは、熱伝導に寄与する断面積を抑制する。凹部56cにより、端子51は、長さ方向LDに独立して突出した単独端子を提供する。端子52も、単独端子を提供する。
この実施形態でも、回転電機10の上において占める面積が小さい回転電機用の電極250が提供される。この実施形態でも、ひとつの電極250が提供する2つの端子51、52における接合作業間の悪影響が抑制される。
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図12、図13、図14は、図5、図6、図7に対応する図である。
電極350は、突部51a、52aと、接合面51b、52bとを有する。接合面52bは、2つの端子51、52が区画する空洞の内側に面している。接合面51bと接合面52bとは、電極350の上において、異なる方向に面している。電極350がステータ31上に配置されると、接合面51bと接合面52bとは、ステータ31の端面上における異なる方向を指向する。接合面51bは、接合面52bに対して、タブ57の裏側または陰に位置している。接合面52bは、接合面51bに対して、タブ57の裏側または陰に位置している。
この実施形態でも、回転電機10の上において占める面積が小さい回転電機用の電極350が提供される。この実施形態でも、ひとつの電極350が提供する2つの端子51、52における接合作業間の悪影響が抑制される。
第4実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図15、図16、図17は、図5、図6、図7に対応する図である。
電極450は、突部51a、52aと、接合面51b、52bとを有する。接合面51b、52bは、2つの端子51、52が区画する空洞の内側に面している。接合面51bと接合面52bとは、電極450の上において、異なる方向に面している。電極450がステータ31上に配置されると、接合面51bと接合面52bとは、ステータ31の端面上における異なる方向を指向する。
タブ57は、先行する実施形態よりやや長く高さ方向HDへ延び出している。同時に、凹部56cは、高さ方向HDに沿ってやや広く延びている。これにより、端子51と端子52との間における熱伝導が抑制される。
この実施形態でも、回転電機10の上において占める面積が小さい回転電機用の電極450が提供される。この実施形態でも、ひとつの電極450が提供する2つの端子51、52における接合作業間の悪影響が抑制される。
第5実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図18、図19、図20は、図5、図6、図7に対応する図である。
電極550は、突部51aを有する。突部51aは、高さ方向HDに沿って延びる峰を有する。突部51aは、長さ方向LDと交差する方向に沿って長く延びている。突部51aの峰と突部52aの峰とは、異なる方向に延びている。
電極550がステータ31上に配置されると、突部51aの峰は、ステータ31の端面と平行に延びる。コイル端33aは、突部51aと交差するために、ステータ31の軸方向に沿って配置されている。
この実施形態でも、回転電機10の上において占める面積が小さい回転電機用の電極550が提供される。この実施形態でも、ひとつの電極550が提供する2つの端子51、52における接合作業間の悪影響が抑制される。
第6実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図21、図22、図23は、図5、図6、図7に対応する図である。
電極650において、タブ56とタブ57とは、同一の平面上に広がる板状部分である。タブ57は、タブ56の幅方向WDの一方に突出している。電極650は、L字型と呼びうる幅方向WDに関して非対称の形状をもつ。
タブ56の上に端子52が設けられている。タブ57の上に端子51が設けられている。突部51aと突部52aとは、高さ方向HDにおける反対の方向に向けて突出している。よって、接合面51bと接合面52bとは、高さ方向HDに関して反対の方向に面している。複数の接合面51b、52bのそれぞれは、板状の部材の表裏それぞれに配置されている。
回転電機10の製造方法において、溶接電極65、66は、2本のコイル端33a、33aと、電極650とを挟むように位置づけられ、締め付けられる。対角的に位置づけられた2本のコイル端33a、33aは、それぞれが接合面51a、52aに押し付けられる。溶接電流は、対角的に流れる。この製造方法によると、一連の接合工程によって、2つの端子51、52における接合を提供できる。なお、端子51における接合工程と、端子52における接合工程とは、順に実行されてもよい。
この実施形態でも、回転電機10の上において占める面積が小さい回転電機用の電極650が提供される。この実施形態でも、ひとつの電極650が提供する2つの端子51、52における接合作業間の悪影響が抑制される。
第7実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図24、図25、図26は、図5、図6、図7に対応する図である。
電極750は、タブ56の上に形成された突部52aと、タブ57の上に形成された突部51aとを有する。突部51a、52aは高さ方向HDに関して同じ方向に突出している。接合面51bと、接合面52bとは、高さ方向HDに関して同じ方向に面している。
複数の突部51a、52aの間には平板状の部分が広がっている。複数の突部51a、52aは、互いに離れている。複数の突部51a、52aは、ステータ31の上においても離れて位置づけられる。この実施形態でも、ひとつの端子、すなわちひとつの突部にひとつのコイル端33aが接合される。しかも、複数の突部51a、52aは独立している。
回転電機10の製造方法において、複数の端子51、52にわたって広がる共通の溶接電極65、66が用いられる。この製造方法でも、一連の接合工程によって、2つの端子51、52における接合を提供できる。なお、溶接電極65、66のいずれか少なくとも一方に代えて、ひとつの端子にだけ対応付けられた溶接電極が利用されてもよい。この場合、端子51における接合工程と、端子52における接合工程とは、順に実行される。
この実施形態でも、回転電機10の上において占める面積が小さい回転電機用の電極650が提供される。よって、ひとつの電極750における複数の接合部を高い品質で形成することができる。
第8実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図27、図28、図29は、図5、図6、図7に対応する図である。
電極850は、ボディ部55の一端に端子52を有し、ボディ部55の他端に端子51を有する。電極850は、ボディ部55の一端に端子53を有する。端子53は、タブ57の上に配置されている。端子51は、タブ59の上に配置されている。突部51aと突部52aとは、高さ方向HDにおける同じ方向に向けて突出している。よって、接合面51bと接合面52bとは、同じ方向に面している。
この実施形態では、端子51と端子52とがステータ31の両端面の上に隔絶して配置される。これにより、端子51における接合作業と端子52における接合作業との悪影響が抑制される。端子53は、接合面52bの延長上にないタブ57の上に形成されているから、端子52における接合作業から受ける影響が抑制される。
この実施形態でも、回転電機10の上において占める面積が小さい回転電機用の電極850が提供される。この実施形態でも、高い品質の複数の接合部を形成可能な電極850が提供される。
第9実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図30は、図5に対応する図である。図中には、インシュレータ35の表面が破線によって図示されている。
電極950は、インシュレータ35の中に埋設されたタブ56を有する。タブ58の一部もインシュレータ35の中に埋設されている。この結果、端子51を提供するタブ57と、端子52を提供するタブ58の一部とが、インシュレータ35から突出している。
この実施形態でも、回転電機10の上において占める面積が小さい回転電機用の電極950が提供される。この実施形態でも、高い品質の複数の接合部を形成可能な電極950が提供される。
第10実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図31は、図5に対応する図である。図中には、インシュレータ35の表面が破線によって図示されている。
電極A50は、3つの溶接用端子51、52、54を有する。端子54は、突部54aを有する。突部54aの峰は、長さ方向LDに沿って延びている。電極A50は、三相スター結線の中性点NTに利用することができる。
この実施形態でも、回転電機10の上において占める面積が小さい回転電機用の電極A50が提供される。この実施形態でも、高い品質の複数の接合部を形成可能な電極A50が提供される。
第11実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図32は、この実施形態のステータコイル33を示す。図中に示される相コイルU1、V2、V3、V4は、例示である。ステータコイル33は、デルタ結線されている。ここに開示された電極は、デルタ結線にも利用することができる。ここに開示された電極は、ステータコイル33における中間タップとしても利用することができる。ここに開示された電極は、ひとつの相コイル群の中に、電気角が異なる複数の相コイルU1、V2、V3、V4が含まれるステータコイル33にも適用可能である。
例えば、電極50は、デルタ結線の出力端に利用することができる。電極A50は、ステータコイル33に含まれる3つの相コイルを接続するとともに、外部接続を提供する中間タップとして利用することができる。
第12実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。図33、図34、図35は、図5、図6、図7に対応する図である。
電極C50は、タブ56の両端にタブ57、58を有する。タブ56は板状である。タブ56のひとつの片面から、直角方向に向けて、タブ57が延び出している。タブ56の他の片面から、直角方向に向けて、タブ58が延び出している。2つのタブ57、58は、中央のタブ56から離れるように突出している。2つのタブ57、58は、中央のタブ56から逆方向へ突出している。タブ57は、端子51を有する。タブ58は、端子52を有する。よって、3つのタブ56、57、58は、クランク型と呼びうる形状をなすように配置されている。
端子51、52は、突部51a、52aと、接合面51b、52bとを有している。なお、突部51a、52aは、タブ57、58の長さ方向LDにおける両端にわたって延びている。2つの突部51a、52aは、外向きに突出している。2つの突部51a、52aは、中央のタブ56から離れるように突出している。
図35に図示されるように、クランク型のタブ56、57、58は、2つの端子51、52を互いに離すことを可能とする。クランク型のタブ56、57、58は、溶接電極65、66を配置する空間を提供する。クランク型のタブ56、57、58は、容易な溶接作業に貢献する。クランク型のタブ56、57、58は、ステータ上における多様な端子の配置を可能とする。この実施形態でも、回転電機10の上において占める面積が小さい回転電機用の電極C50が提供される。この実施形態でも、ひとつの電極C50が提供する2つの端子51、52における接合作業間の悪影響が抑制される。
他の実施形態
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上記実施形態では、回転電機として内燃機関用回転電機が例示されている。しかし、この開示は、内燃機関用回転電機に限定されない。この開示は、送風機用電動機など多様な電動機に適用可能である。この開示は、水力、風力など多様な発電機に適用可能である。さらに、上記実施形態では、電動発電機が例示されている。これに代えて、開示は、電動機に、または発電機に適用可能である。発電機に利用される場合、電気回路11は、複数の整流素子、例えばダイオードを含むブリッジ回路により提供される整流回路、および/または出力電圧を所定電圧に調整するレギュレータ回路を備えることができる。また、上記実施形態では、電極はステータコイルの結線のために利用されている。これに代えて、電極はロータコイルの結線のために利用されてもよい。例えば、ブラシを有する回転電機における、コンミテータと導線との電気的な接続部に適用可能である。
上記実施形態に例示されるように、この開示は、単相または多相のステータコイル33を有する回転電機に適用可能である。例えば、この開示は、スター結線、デルタ結線など、多様な結線形状にも適用可能である。加えて、この開示は、ひとつの相の中に、電気角が異なる複数のコイルを含む回転電機に適用可能である。例えば、図3には、同一相の中に2つのコイル要素が並列接続されたスター結線が例示されている。これに代えて、3つのコイル要素が並列接続されてもよい。この場合、例えば、図4〜図6におけるタブ56に端子、すなわち突部を設けた構成を採用し、そこに第3のコイル要素のコイル端が接続された構成を採用することができる。
上記実施形態では、ステータコイル33を形成するコイル線は、アルミニウム系金属である。これに代えて、コイル線は、多様な導体材料によって形成することができる。例えば、コイル線は、銅製または銅合金製でもよい。また、ステータコイル33を形成する一部のコイル線をアルミニウム系金属製とし、他の一部を銅系金属製としてもよい。
上記実施形態では、電極50〜A50は、錫メッキ付きの鉄系金属製である。これに代えて、電極50〜A50は、多様な材料によって形成することができる。例えば、電極50〜A50は、銅製、アルミニウム製、銅、またはアルミニウムを主成分とする合金製でもよい。また、電極50〜A50の表面には、ニッケル層、銀メッキ層など多様な表面処理層を設けることができる。
上記実施形態では、コイル用端子である端子51、52、54は、電気抵抗溶接のひとつであるプロジェクション溶接によってコイル端33aと接続されている。これに代えて、コイル用端子とコイル端33aとの接合には、溶接(TIG、レーザ、超音波、摩擦撹拌等)、固相接合(熱かしめ等)、冷間圧接、ろう付け、または、はんだ付けなど多様な接合を利用することができる。これらの構成においても、コイル用端子において採用される接合と、ワイヤハーネス用端子において採用される接合とは、異なる接合手法とすることができる。
上記実施形態では、端子51、52、54は、峰をもつ細長い突部51a、52a、54aを有する。これに代えて、並べられた複数の点状の突部を用いてもよい。また、突部は、半球形、三角形、台形など多様な断面形状をもつことができる。上記実施形態では、平板状の素材の一部を突出させることによって突部51a、52a、54aが形成されている。これに代えて、平板状の素材の一部に凹部を形成し、残される角部を突部として利用してもよい。例えば、凹溝の両側に沿って延びる一対の角部を、2本の突条として利用してもよい。
上記実施形態では、ボディ部55、およびタブ56、57、58、59は、平板状である。これに代えて、多様な断面形状をもつ材料を用いることができる。例えば、ボディ部55、およびタブ56、57、58、59は、円筒状、半円筒状、多角形状、半多角形状など、多様な形状の部材によって提供することができる。
上記実施形態では、電極50、250、350、450、550、650、750、850、950、A50は、2つまたは3つの溶接用の端子51、52、54を有する。これに代えて、電極は4つ以上の端子を備えていてもよい。また、電極は、溶接などによって接合された複数の金属部材を有していてもよい。
上記実施形態では、ボディ部55は、ステータ31を貫通して配置されている。これに代えて、ボディ部55は、ステータ31を貫通しない形状を有していてもよい。この場合、タブ59および端子53は、ステータ31上のひとつの端面上に、端子51、52とともに配置される。
上記実施形態では、保護部材61が採用されている。これに代えて、接合部を保護するために、多様な手法を採用することができる。例えば、接合部における腐食因子を除去する手法として、接合部を収容する部屋を密閉するケース構造、同ケースをオイルや不活性ガスで満たした構造を採用することができる。これらの手法は、水や酸素等の腐食要因への接合部の直接的な暴露を抑制または阻止する。