本明細書に記載の方法は、特に示さない限り、当業者の技術常識の範囲内である、従来技術、ならびに、分子生物学(リコンビナント技術を含む)、細胞生物学、生化学、およびマイクロアレイや配列決定に関する技術についての説明を採用し得る。このような従来技術としては、ポリマーアレイ合成、オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションおよびライゲーション、オリゴヌクレオチドの配列決定、標識を使用したハイブリダイゼーションの検出が挙げられる。本明細書に示す例を参照することにより、好適な技術の具体例が得られる。しかしながら、これらに準ずる従来の方法を使用することも、もちろん可能である。このような従来技術および説明については、例えば、以下を参照することができる:Kimmel and Oliver,DNA Microarrays(2006)Elsevier;Campbell,DNA Microarray,Synthesis and Synthetic DNA(2012)Nova Science;Bowtell and Sambrook,DNA Microarrays:Molecular Cloning Manual(2003)Cold Spring Harbor Laboratory Press。本発明に使用する組成物、研究手段、および方法について述べる前に、本明細書に記載する具体的な方法、組成物、標的、および用途は、もちろん変更可能であり、よって、本発明はこれらに限定されるものではないと解釈すべきである旨を明記する。また、本明細書に使用する用語は、特定の態様を説明する目的のみに使用されるものであり、本発明の範囲を限定しようとするものではなく、本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ限定されると解釈すべきである。
本発明は、被検体の遺伝子試料における遺伝的変異を検出する方法に関する。本明細書に記載の遺伝的変異としては、ヌクレオチド配列(例えば、DNAおよびRNA)ならびにタンパク質(例えば、ペプチドおよびタンパク質)における、1以上の置換、反転、挿入、欠失、または変異、1以上の低頻度アリル(rare allele)、多型、一塩基多型(SNP)、複数の反転や転座等の広範な多型、1以上のヌクレオチド分子(例えば、DNA)における存在比および/またはコピー数の差(例えば、コピー数多型、CNV等)、トリソミー、モノソミー、およびゲノム再編成が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、遺伝的変異を、被検体における癌等の疾患の転移、有無、および/またはリスク、薬物動態変動、薬物毒性、有害事象、再発、ならびに/あるいは臓器移植拒絶反応の有無もしくはリスクと関連付けてもよい。例えば、HER2遺伝子におけるコピー数の変動は、乳癌患者がハーセプチン治療に対して反応を示すか否かに影響する。同様に、妊娠中の女性の血液における第21染色体(または第18染色体、第13染色体、もしくは性染色体)のコピー数の増加の検出を、出生前の子供のダウン症候群を非侵襲的に診断する手段として用いてもよい。さらに別の例として、レシピエントのゲノムには存在しない、移植臓器由来のアリルの検出が挙げられる。これらのアリルの頻度またはコピー数をモニタリングすることで、潜在的な臓器拒絶反応の兆候を識別し得る。このような変化の検出には、種々の方法を使用し得る(例えば、RT−PCR、配列決定、およびマイクロアレイ)。このような方法の一つとして、個々の標識された分子を計数し、変異(例えば、癌におけるEGFR変異)の存在を検出するか、あるいは、過剰量の特定のゲノム配列もしくは領域(例えば、ダウン症候群における第21染色体)を検出することが挙げられる。単分子の計数は多数の方法で実行し得るが、読み出し方法としては、分子を表面上に付着させ、画像化することが一般的である。
さらに、前記遺伝的変異は、de novo変異(1以上の塩基の変異、転座、染色体内の(subchromosomal)増幅および欠失、ならびに異数性等)であってもよい。いくつかの実施形態では、前記遺伝的変異は、ある個体集団に存在し得る、ある遺伝子座における代替のヌクレオチド配列であって、前記集団の他のメンバーにおける同配列に対してヌクレオチドの置換、挿入、および欠失を含むヌクレオチド配列を意味し得る。別の実施形態では、前記遺伝的変異は、異数性であってもよい。さらに別の実施形態では、前記遺伝的変異は、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミー、Xの異数性(例えば、トリソミーXXXおよびトリソミーXXY)、またはYの異数性(例えば、トリソミーXYY)であってもよい。さらに別の実施形態では、前記遺伝的変異は、22q11.2領域、1q21.1領域、9q34領域、1p36領域、4p領域、5p領域、7q11.23領域、11q24.1領域、17p領域、11p15領域、18q領域、または22q13領域における変異であってもよい。さらに別の実施形態では、前記遺伝的変異は、微細欠失(microdeletion)または微細増幅(microamplification)であってもよい。
いくつかの実施形態では、前記遺伝的変異の検出、発見、判定、測定、評価、計数、および推定は同義に用いられ、これらは、定量的および/または定性的判定(例えば、前記遺伝的変異の特定、前記遺伝的変異の存在および/または不在の判定、および前記遺伝的変異の定量化を含む)を包含する。さらに別の実施形態では、本開示の方法は、複数の遺伝的変異を検出してもよい。本明細書中で使用される「および/または」という用語は、記載された要素のあらゆる組合せを示すものと定義される。さらに、「a」、「an」、および「the」で修飾される単数形は、文脈上そうでないことが明らかな場合を除き、複数である場合をさらに含み得る。よって、例えば、「ヌクレオチド領域(a nucleotideregion)」という記載は、1つのヌクレオチド領域、1以上のヌクレオチド領域、またはこのような領域の混在を指し、「アッセイ(an assay)」という記載は、当業者に公知の同等の工程および方法、その他を包含し得る。
「試料」という用語は、生物源、環境源、医学的な供給源、または患者から得られるある量の物質であり、その物質中で、標的である核酸、ペプチド、および/またはタンパク質の検出、測定、あるいは標識付けを行うものを意味する。この用語は、一方では、検体または培養物(例えば、微生物培養物)を含むことを意図している。他方では、この用語は、生物試料および環境試料の両方を含むことを意図している。試料は、合成物由来の検体を含んでもよい。環境試料としては、物体表面の付着物(surface matter)、土壌、水、および産業活動に関連する試料等の環境物質、ならびに、食品および乳製品加工機器、装置、設備、用具、使い捨て式または非使い捨て式の物品から得られる試料が挙げられる。「遺伝子試料」は、遺伝性および/または非遺伝性の生物情報が核酸のヌクレオチド配列にコードされた、液体または固体の試料であればよい。前記試料は、全血、血清、血漿、尿、唾液、汗、糞便、涙、腸液、粘膜試料、肺組織、腫瘍、移植臓器、胎児、および/またはその他の供給源を含むが、これらに限定されない供給源から採取すればよい。遺伝子試料は、ヒトを含む動物、流体、固体(例えば、便)、または組織から採取すればよい。遺伝子試料は、患者から採取された物質を含み、このような物質としては、培養物、血液、唾液、脳脊髄液、胸水、乳汁、リンパ液、痰、精液、穿刺吸引液等が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、前記遺伝子試料は、母系血液試料から得られる胎児の遺伝物質であってもよい。前記胎児の遺伝物質は、前記母系血液試料から単離および分離し得る。前記遺伝子試料は、胎児遺伝物質と母系遺伝物質の混合物としてもよい。さらに、前記遺伝子試料は、腫瘍形成または転移によって生じる異常な遺伝子配列、および/または移植レシピエントに存在するドナーのDNAシグネチャーを含んでもよい。追加の実施形態では、前記遺伝子試料が血漿である場合、前記方法は、被検体の血液試料から血漿を単離する工程を含んでもよい。さらに別の実施形態では、前記遺伝子試料が血清である場合、前記方法は、被検体の血液試料から血清を単離する工程を含んでもよい。さらに別の実施形態では、前記遺伝子試料がセルフリーDNA(cfDNA)試料である場合、前記方法は、本明細書に記載の供給源から得られた試料からセルフリーDNA試料を単離する工程ををさらに含む。本明細書中では、セルフリーDNA試料とは、細胞外または細胞小器官外で、血流中を自由に循環するDNA分子群を意味する。妊娠中の場合、母体由来のセルフリーDNAは、母系DNAと胎児DNAの両方の混合物を有する。これらの例は、本発明に適用可能な試料の種類を限定するものと解釈すべきではない。
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、1個または2個以上の対象の遺伝子座を選択および/または単離すること、ならびに、存在する各遺伝子座の量(例えば、コピー数を求めるため)および/または異なる遺伝子座変異(例えば、所与のDNA配列の2つのアリル)の相対量を定量化することを含んでもよい。ゲノムまたは標的ポリヌクレオチドに関して本明細書中で使用される領域、対象領域、遺伝子座、または対象遺伝子座という用語は、前記ゲノムまたは標的ポリヌクレオチドにおける連続したサブ領域またはセグメントを意味する。本明細書中で使用される、ヌクレオチド分子内の領域、対象領域、遺伝子座、遺伝子座、または対象遺伝子座は、ゲノム(ミトコンドリアDNAまたは他の非染色体DNAを含む)内のヌクレオチド、遺伝子、または遺伝子の一部における位置を指す場合もあるし、あるいは、ゲノム配列の連続部分(遺伝子に含まれる部分、遺伝子と関連する部分のいずれでもよい)を指す場合もある。ヌクレオチド分子における領域、対象領域、遺伝子座、遺伝子座、または対象の遺伝子座は、単一のヌクレオチドから、数百または数千ヌクレオチド長以上のセグメントであってもよい。いくつかの実施形態では、対象の領域または遺伝子座は、関連する参照配列を有してもよい。本明細書中で使用される「参照配列」は、核酸内の対象遺伝子座と比較される配列を示す。ある実施形態では、参照配列としては、対象遺伝子座の「野生型」配列が考えられる。対象遺伝子座の配列が、当該対象遺伝子座の参照配列と相違する核酸を、「多型」、「変異体」、または「遺伝的変異」と称する場合がある。対象遺伝子座の配列が、当該対象遺伝子座の参照配列と相違しない核酸を、「非多型」、「野生型」、または「非遺伝的変異」と称する場合がある。ある実施形態では、対象遺伝子座は、当該対象遺伝子座に関連する別個の参照配列を2以上有してもよい(例えば、対象遺伝子座が、正常型または野生型と考えられる多型を有することが既知である場合)。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、1個または2個以上の対象ペプチドを選択および/または単離すること、ならびに、存在する各ペプチドの量および/または異なるペプチドの相対量を定量化することを含んでもよい。
追加の実施形態では、本明細書に記載の対象領域は、「コンセンサスな遺伝的変異配列」を含んでもよい。「コンセンサスな遺伝的変異配列」とは、核酸もしくはタンパク質配列であって、前記核酸もしくはタンパク質配列の核酸もしくはアミノ酸が、正常に機能しないタンパク質をコードする遺伝子を有する個体集団において高頻度で発生することが既知であるか、または核酸自体が正常に機能しないものを指す。さらに、本明細書に記載の対象領域は、「コンセンサスな正常型遺伝子配列」を含んでもよい。「コンセンサスな正常型遺伝子配列」とは、核酸配列であって、前記核酸配列の核酸が、正常に機能しないタンパク質をコードする遺伝子を有する個体集団において、それぞれの位置において高頻度で発生することが既知であるか、またはそれ自体が正常に機能しないものを指す。さらに別の実施形態では、本明細書に記載のコントロール領域(前記対象領域でも前記参照配列でもない)は、「コンセンサスな正常型配列」を含んでもよい。「コンセンサスな正常型配列」とは、核酸またはタンパク質配列であり、前記核酸もしくはタンパク質配列の核酸もしくはアミノ酸が、正常に機能するタンパク質をコードする遺伝子を有する個体集団において、高頻度で発生することが既知であるか、または核酸自体が正常な機能を有するものを指す。
本明細書に記載の方法によれば、遺伝的変異に関して高精度な測定値が得られる。本明細書に記載の変異の一種として、2以上の別個の遺伝子座の相対的存在量が挙げられる。この場合、前記遺伝子座は、小さくてもよいし(例えば、約300、250、200、150、100、または50ヌクレオチド以下)、中程度の大きさでもよいし(例えば、1,000、10,000、100,000または1,000,000ヌクレオチド)、あるいは、染色体腕の一部、染色体全体、または染色体の組と同程度と大きくてもよい。この方法の結果に基づき、ある遺伝子座の他の遺伝子座に対する存在比を判定し得る。本開示の方法の精度および正確度により、極めてわずかなコピー数の変化(約25%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、0.02%、または0.01%以下)が検出可能となり、これにより、極めて希薄な遺伝的変異のシグネチャーを特定することが可能となる。例えば、胎児の遺伝子異常が母系血液によって希釈された母系血液試料中で、胎児異数性のシグネチャーを見出すことができ、約2%のコピー数の変化が観察できれば、胎児がトリソミーであることを示す。
本明細書で使用される「約」という用語は、例えば、ヌクレオチド配列の長さ、誤差の程度、寸法、組成物中の成分の量、濃度、容積、処理温度、処理時間、収率、流速、圧力、およびこれらに類する値、ならびにこれらの範囲を修飾するものであり、例えば、化合物、組成物、濃縮物または使用製剤を調製する際に用いられる一般的な測定および取扱手順、これらの手順における不注意による誤り、前記方法の実施にあたって使用される出発原料または成分の製造、供給源、または純度における差、ならびに同様の考慮すべき要素によって生じ得る数量の変動を指す。「約」という用語は、例えば、特定の初期濃度の組成物、製剤、もしくは細胞培養物、またはこれらの混合物の、時間経過によって生じる量のばらつき、ならびに、特定の初期濃度の組成物もしくは製剤、またはこれらの混合物の、混合または処理によって生じる量のばらつきを包含する。「約」という用語に修飾されているかどうかに関わらず、添付の請求項は、これらの量の均等物を包含する。「約」という用語は、さらに、記載された基準値に対する相似値の範囲を指す場合もある。ある実施形態では、「約」という用語は、記載された基準値の50%、25%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下の範囲の値を指す。
いくつかの実施形態では、前記被検体は、妊娠中の被検体、ヒト、遺伝性疾患(例えば、癌)のリスクが高い被検体、あらゆる科の家畜類および野生化または野生動物であってもよい。いくつかの実施形態では、前記遺伝的変異が、妊娠中の被検体の胎児における遺伝的変異(例えば、胎児におけるコピー数多型および異数性)であってもよい。いくつかの実施形態では、前記被検体が妊娠中の被検体であり、前記遺伝的変異が、前記妊娠中の被検体の胎児における、22q11.2領域、1q21.1領域、9q34領域、1p36領域、4p領域、5p領域、7q11.23領域、11q24.1領域、17p領域、11p15領域、18q領域、および22q13領域からなる群から選択される領域における変異(例えば、22q11.2領域、1q21.1領域、9q34領域、1p36領域、4p領域、5p領域、7q11.23領域、11q24.1領域、17p領域、11p15領域、18q領域、および22q13領域のいずれかにおける変異および/またはコピー数の変化)である。本明細書に記載の胎児は、ヒトまたはその他の動物の出生前の子を意味する。いくつかの実施形態では、前記胎児は、受胎後週数が、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週を超える子であってもよい。追加の実施形態では、前記胎児は、胚移植(implants)、体外受精、多胎妊娠、または双子受胎によって受胎した子であってもよい。追加の実施形態では、前記胎児は、双生児(一卵性もしくは非一卵性)または三つ子(一卵性もしくは非一卵性)のうちの一人であってもよい。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも2つの主要構成要件、すなわち、遺伝子座を選択的に同定するアッセイと、これらの遺伝子座を高い正確度で定量化する技術を含む。前記アッセイは、1以上の核酸配列を選択的に標識付けおよび/または単離する方法であって、前記標識付け工程自体により、特定の配列を特定のアッセイにおいて同定するために必要な情報を全て含む分子(本発明では、「プローブ生成物」、「ライゲーションされたプローブセット」「コンジュゲートされたプローブセット」、「ライゲーションされたプローブ」、「コンジュゲートされたプローブ」、または「標識された分子」と定義される)を十分に生成できるような方法を含んでもよい。例えば、前記アッセイは、プローブを試料に接触、結合、および/またはハイブリダイズさせる工程、前記プローブをライゲーションおよび/またはコンジュゲートさせる工程、前記ライゲーション/コンジュゲートされたプローブを増幅させる任意の工程、および前記プローブを基板に固定化する工程を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の複数のアッセイおよび方法を、本明細書に記載のように、マルチプレックスアッセイとして、単一の入力試料に対して並行して行ってもよい。
前記プローブ生成物、ライゲーションされたプローブセット、コンジュゲートされたプローブセット、ライゲーションされたプローブ、コンジュゲートされたプローブ、および標識された分子は、プローブセットに対する酵素作用の働き(アッセイ等)によって生じた単一の連続した分子であってもよい。プローブ生成物または標識された分子において、プローブセットに含まれる1以上の個々のプローブは、プローブまたはプローブセットのいずれかと比べて明らかに異なる特異な分子種を形成するよう共有結合によって修飾されてもよい。この結果、プローブ生成物または標識された分子は、化学的に異なるものとなり、よって、プローブまたはプローブセットとは別に、同定、計数、単離、またはさらに別の操作を行い得る。
例えば、プローブ生成物は、1以上の識別標識と、単離および/または固定化のための1以上のアフィニティータグとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、プローブ生成物に対して追加の修飾(例えば、DNA配列決定)を行う必要がない。また、いくつかの実施形態では、DNA配列をさらに調べる必要はない。前記標識を含むプローブ生成物は、通常、固体基板への固定化後に、直接計数し得る。例えば、有機蛍光色素分子標識を用いてプローブ生成物を標識し、前記プローブ生成物をガラス基板に固定化し、次いで、蛍光顕微鏡およびデジタルカメラによる画像化を行うことにより、前記プローブ生成物を直接計数する。他の実施形態では、前記標識された分子が、その分子に相補的な遺伝子座と相互作用したか否かに応じて、前記標識を選択的に消光させるか、あるいは除去してもよい。追加の実施形態では、前記プローブ生成物の互いに対向する部分における2つの標識が連携して働き、前記標識された分子が、その分子に相補的な遺伝子座と相互作用したか否かに応じ、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)シグナルを送る構造としてもよい。所与の遺伝子座について、前記標識を含む標識プローブは、当該遺伝子座内の任意の配列領域用に設計される。同一または異なる標識を有する複数の標識プローブのセットを、単一の遺伝子座用に設計してもよい。この場合、プローブは、特定の遺伝子座内の異なる領域または遺伝子座内の重複領域を、選択的に単離および標識し得る。いくつかの実施形態では、アフィニティータグを含むプローブ生成物を、前記アフィニティータグを介して基板上に固定化する。例えば、アフィニティータグを使用してプローブ生成物を基板上に固定化し、前記アフィニティータグを含むプローブ生成物を直接計数する。所与の遺伝子座について、前記アフィニティータグを含むタグプローブを、当該遺伝子座内の任意の配列領域用に設計する。同一または異なるアフィニティータグを有する複数のタグプローブのセットを、単一の遺伝子座用に設計してもよい。この場合、プローブは、特定の遺伝子座内の異なる領域または遺伝子座内の重複領域に対し、選択的に単離およびタグを付加し得る。
一態様では、本開示の方法は、本明細書に記載のプローブセットを、本明細書に記載の遺伝子試料に接触させる工程を有していてもよい。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、複数のプローブセット(第1および第2プローブセット等)を、前記遺伝子試料に接触させる工程を有していてもよい。追加の実施形態では、前記プローブセットのそれぞれが、標識プローブおよびタグプローブを含む。例えば、前記第1プローブセットが、第1標識プローブおよび第1タグプローブを含み、前記第2プローブセットが、第2標識プローブおよび第2タグプローブを含む。
前記遺伝子試料への前記プローブセットの接触は、前記プローブのハイブリダイゼーション、ライゲーション、増幅、および/または固定化と同時、または後に行ってもよい。さらに、前記遺伝子試料への前記プローブセットの接触は、前記プローブのハイブリダイゼーション、ライゲーション、増幅、および/または固定化と同時、または前に行ってもよい。
前記遺伝子試料におけるヌクレオチド分子の所与の遺伝子座または領域について、当該遺伝子座内の単一の核酸配列、もしくは当該遺伝子座内の複数の核酸配列を、プローブ生成物の生成により、調査および/または定量化してもよい。遺伝子座内の複数の調査対象配列は、別個の配列および/または重複する配列としてもよく、遺伝子多型を含んでも、含まなくともよい。プローブ生成物は、「プローブセット」と称される1以上のオリゴヌクレオチド設計によって形成される。例えば、プローブ生成物は、プローブセットに含まれるプローブ同士をライゲーションすることによる、前記プローブセットのライゲーションによって形成され得る。プローブセットは、核酸(例えば、DNAおよびRNA)、ペプチド、およびタンパク質を含む標的分子にハイブリダイズ、コンジュゲート、結合、または固定化されるプローブを1以上含む。いくつかの実施形態では、プローブは、単離、精製、天然、非天然、および/または人工の物質を含んでもよく、任意の長さのオリゴヌクレオチド(例えば、5、10、20、30、40、50、100、または150ヌクレオチド以下)が例として挙げられる。ここで、前記オリゴヌクレオチド配列の少なくとも一部分または複数の部分(例えば、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)が、1以上の標的分子内に存在する配列モチーフおよび/またはハイブリダイゼーションドメインに相補的であり、これにより、前記プローブは、その一部または全体が1以上の標的分子または対象核酸領域にハイブリダイズする(または、同様の相互作用を示す)よう構成されている。前記標的分子または対象核酸領域内のプローブがハイブリダイズする部分は、前記プローブとの「ハイブリダイゼーションドメイン」と呼ばれる。ハイブリダイゼーションドメインは、本明細書に記載の通り、標的分子または対象核酸領域の一部または全体であってもよい。
プローブは、一本鎖でも二本鎖でもよい。いくつかの実施形態では、前記プローブは、精製された制限酵素分解物(purified restriction digest)から調製してもよいし、あるいは、合成、組み換え、またはPCR増幅によって作製してもよい。追加の実施形態では、前記プローブは、特定のペプチド配列に結合する物質を含んでもよい。本明細書に記載のプローブセットは、単一の遺伝子位置またはタンパク質配列内のペプチドに対応するよう設計された、1以上のプローブのセットを含んでもよい。
本明細書中で使用される「ヌクレオチド」という用語は、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド、またはヌクレオチド類似体(例えば、DNAおよびRNA)を意味する。ヌクレオチド類似体は、塩基、糖および/またはリン酸の化学構造が修飾されたヌクレオチドを含み、前記修飾としては、5’位のピリミジンの修飾、8位のプリンの修飾、シトシン環外アミンにおける修飾、5−ブロモ−ウラシルの置換等を含むが、これらに限定されない修飾;ならびに、2’−OHがH、OR、R、ハロ、SH、SR、NH2、NHR、NR2、またはCNから選択される基で置換された糖修飾リボヌクレオチドを含むが、これらに限定されない2’位の糖修飾が挙げられる。shRNAは、また、非天然ヌクレオチド(例えば、イノシン(ionosin)およびキサンチン)、非天然糖(例えば、2’−メトキシリボース)、または非天然ホスホジエステル結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホロチオエート、およびペプチド)等の非天然の構成要素を含んでもよい。一実施形態では、前記shRNAは、ヌクレアーゼ分解に対する耐性を前記shRNAに付与するような要素または修飾をさらに含む。「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」は同義に用いられ、いずれも、ヌクレオチド単量体の線状重合体を意味する。ポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドを構成する単量体は、ワトソン・クリック型塩基対合、塩基スタッキング、フーグスティーンまたは逆フーグスティーン型塩基対合等の規則的なパターンの単量体対単量体相互作用により、天然および/または人工ポリヌクレオチドに特異的に結合できる。このような単量体およびこれらのヌクレオシド間結合は、天然に存在するものであってもよいし、またはこれらの類似体(例えば、天然または非天然の類似体)であってもよい。天然の類似体としては、PNA、LNA、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、蛍光色素分子またはハプテン等の標識の付与を可能とする連結基を含むヌクレオチド等が挙げられる。オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを使用に際し、ポリメラーゼによる伸長またはリガーゼによるライゲーション等の酵素処理が必要となる場合は常に、先に例示したオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、ヌクレオシド間結合、糖残基、もしくはヌクレオチドのある種の類似体を、いずれの位置にも含まないか、あるいは特定の位置に含まないことは、当業者には明らかである。ポリヌクレオチドの大きさは、通常、数個の単量体単位(この場合、ポリヌクレオチドは「オリゴヌクレオチド」と称される)から数千個の単量体単位にまで及ぶ。ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドを、「ATGCCTG」等の文字配列(大文字または小文字)によって表す場合、ヌクレオチドは左から右に5’側から3’側の順であると解釈すべきである。通常、ポリヌクレオチドは、ホスホジエステル結合によって結合された4種類の天然ヌクレオシド(例えば、DNAに関してはデオキシアデノシン、デオキシシチジン、デオキシグアノシン、デオキシチミジン、RNAに関しては、これらのリボース対応物)を含む。しかしながら、ポリヌクレオチドは、例えば、修飾ヌクレオチド、修飾糖、または修飾ヌクレオシド間結合を含む非天然ヌクレオチド類似体を含む場合もある。ある酵素が活性を示すために特定のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド(例えば、一本鎖DNA、RNA、RNA/DNA二本鎖等)基質を必要とする場合、前記オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド基質として適切な組成を選択することは当業者の技術常識の範囲内であり、このことは、当業者には明白である。
別の態様では、本開示の方法は、前記第1および第2プローブセットの少なくとも一部を、前記遺伝子試料のヌクレオチド分子における第1および第2対象核酸領域に、それぞれハイブリダイズさせる工程を含んでもよい。前記対象核酸への前記プローブのハイブリダイゼーションは、前記プローブの前記遺伝子試料への接触、前記プローブのライゲーション、増幅、および/または固定化と同時、または後に行ってもよい。さらに、前記対象核酸への前記プローブのハイブリダイゼーションは、前記プローブのライゲーション、増幅、および/または固定化と同時、または前に行ってもよい。前記プローブは、その一部または全体が、試料に含まれる一本鎖または二本鎖ヌクレオチド分子、タンパク質、または抗体における対象領域の一部または全体にハイブリダイズすればよい。前記プローブとハイブリダイズする前記対象領域は、1〜50ヌクレオチド、50〜1000ヌクレオチド、100〜500ヌクレオチド、5、10、50、100、200ヌクレオチド以下、または2、5、10、50、100、200、500、1000ヌクレオチド以上とすればよい。プローブは、標的領域または標的分子に完全にハイブリダイズするように設計または構成してもよいし、あるいは、(例えば、一塩基多型またはSNP部位にける)一塩基ミスマッチ、もしくは少数のこのようなミスマッチにより、プローブと標的分子とのハイブリッド形成体が得られないように設計してもよい。
追加の実施形態では、前記第1標識プローブおよび/または前記第1タグプローブが前記第1対象核酸領域にハイブリダイズし、前記第2標識プローブおよび/または前記第2タグプローブが前記第2対象核酸領域にハイブリダイズする。追加の実施形態では、対象核酸領域にハイブリダイズしたプローブセット内の複数または全てのプローブおよび/または他の構成要素(例えば、標識プローブ、タグプローブ、およびギャッププローブ)が互いに隣接する。前記対象核酸領域にハイブリダイした前記プローブおよび/または構成要素のうちの2つが「隣接」または「直接隣接」する場合、前記対象核酸領域における前記2つのプローブに対するハイブリダイゼーションドメイン間には、ヌクレオチドは存在しない。この実施形態では、プローブセット内の前記異なるプローブは、共有結合によってライゲーションされ、より大きなオリゴヌクレオチド分子を形成し得る。別の実施形態では、プローブセットを、前記対象核酸領域内の連続してはいないが近接する部分にハイブリダイズするように設計し、前記対象核酸領域上において、前記プローブセット内のハイブリダイズされたプローブ間に、プローブに占有されていない1以上のヌクレオチドからなる「ギャップ」を存在させてもよい。この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは別の酵素を用いて、新たなポリヌクレオチド配列を合成してもよい。一部の例では、この合成により、単一のプローブセットに含まれる2つのプローブが共有結合される。プローブセットに含まれるプローブはいずれも、1以上の標識、または遺伝子座の同定もしくは単離に使用されるアフィニティータグを有してもよい。一態様では、前記第1および第2標識プローブは、前記遺伝子試料のヌクレオチド分子における前記第1および第2対象核酸領域にそれぞれハイブリダイズし、前記第1および第2タグプローブは、前記遺伝子試料のヌクレオチド分子における前記第1および第2対象核酸領域にそれぞれハイブリダイズし、前記第1標識プローブは、前記第1タグプローブがハイブリダイズする部位と隣接する領域にハイブリダイズし、前記第2標識プローブは、前記第2タグプローブがハイブリダイズする部位と隣接する領域にハイブリダイズする。
前記ハイブリダイゼーションは、プローブセットに含まれる前記プローブが修飾され、新たな、より大きな分子実体(例えば、プローブ生成物)を形成するように起こる。ここで前記プローブは、ストリンジェントな条件下で前記対象核酸領域にハイブリダイズしてもよい。本明細書で使用される「ストリンジェンシー」という用語は、核酸ハイブリダイゼーションが実施される条件である、温度、イオン強度、および有機溶媒等の他の化合物の存在に関して使用される。「ストリンジェンシー」は、通常、融解温度(Tm)前後から融解温度(Tm)より約20℃〜25℃低い温度範囲内で起こる。ストリンジェントなハイブリダイゼーションは、全く同一のポリヌクレオチド配列の単離および検出、または類似もしくは関連ポリヌクレオチド配列の単離および検出に使用することができる。「ストリンジェントな条件」下では、ヌクレオチド配列は、その厳密な相補体および密接に関連した配列に、配列全体もしくは配列内のいくつかの部分がハイブリダイズする。低ストリンジェンシー条件は、約100〜約1000ヌクレオチド長のプローブを用いる場合には、5×SSPE(43.8g/LのNaCl、6.9g/LのNaH2PO4.H2O、および1.85g/LのEDTA、pHはNaOHで7.4に調整)、0.1%SDS、5×デンハルト試薬(50×デンハルトは500mLあたり、5gのFicoll(Type400)、5gのBSAを含む)および100μg/mLの変性サケ精子DNAからなる溶液中68℃における結合またはハイブリダイゼーション、その後の室温における2.0+SSPE、0.1%SDSを含む溶液中での洗浄と同等の条件を含む。多くの同等の条件を、低ストリンジェンシー条件を含むように使用し得ることは、当該技術分野において周知である。ハイブリダイゼーション溶液の成分だけでなく、プローブの長さおよび性質(DNA、RNA、塩基組成)、標的の性質(DNA、RNA、塩基組成、溶液中に存在するか固定化されているか等)、ならびに塩および他の成分の濃度(例えば、ホルミアミド、デキストラン硫酸、ポリエチレングリコールの有無)等のファクターを変更し、先に例示した条件とは異なるが、それと同等の低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件を提供してもよい。さらに、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイゼーションを促進する条件(例えば、ハイブリダイゼーション工程および/または洗浄工程の温度を上昇させること、ハイブリダイゼーション溶液中にホルムアミドを使用すること等)は、当該技術分野で周知である。核酸ハイブリダイゼーションに関して使用する「高ストリンジェンシー条件」という用語は、約100〜約1000ヌクレオチド長のプローブを用いる場合には、5+SSPE、1%SDS、5×デンハルト試薬、および100μg/mLの変性サケ精子DNAからなる溶液中68℃における結合またはハイブリダイゼーション、その後の68℃における0.1+SSPEおよび0.1%SDSを含む溶液中での洗浄と同等の条件を含む。
いくつかの実施形態では、プローブ生成物は、プローブセット内のプローブが正しくハイブリダイズした場合にのみ、形成されるものとしてもよい。したがって、前記プローブ生成物は、高ストリンジェンシーおよび高正確度で形成されるものとしてもよい。ここでもまた、前記プローブ生成物は、前記プローブ生成物により調査しようとするゲノム配列を識別するのに十分な情報を含んでもよい。したがって、特定のプローブ生成物の生成および直接的な定量化(この場合は、分子の計数による)は、特定の遺伝子配列が含まれる試料中における前記遺伝子配列の存在量を反映し得る。
追加の実施形態では、前記対象核酸領域(前記プローブは、当該領域にハイブリダイズするように構成されている)は、異なる染色体上にある。例えば、前記第1対象核酸領域は、第21染色体上にあり、前記第2対象核酸領域は、第21染色体上にない(例えば、第18染色体上にある)。
別の態様では、本開示の方法は、前記第1標識プローブと前記第1タグプローブとをライゲーションする工程、および前記第2標識プローブと前記第2タグプローブとをライゲーションする工程を有していてもよい。これらプローブのライゲーションは、前記遺伝子試料への前記プローブの接触、増幅、および/または固定化と同時、または後に行ってもよい。さらに、これらプローブのライゲーションは、前記遺伝子試料への前記プローブの接触、増幅、および/または固定化と同時、または前に行ってもよい。本明細書に記載のライゲーションとは、2つのプローブをつなぐ(例えば、2つのヌクレオチド分子をつなぐ)プロセスを意味する。例えば、本明細書に記載のライゲーションは、2つのヌクレオチドを連結する3’、5’−ホスホジエステル結合の形成を伴う場合があり、ライゲーションを生じさせることが可能な作用物質である結合剤としては、酵素または化学物質を使用し得る。
別の態様では、本開示の方法は、前記ライゲーションされたプローブおよび/またはライゲーションされたプローブセットを増幅する工程を有していてもよい。前記ライゲーションされたプローブの増幅は、前記遺伝子試料への前記プローブの接触、前記プローブのライゲーション、ハイブリダイゼーション、および/または固定化と同時、または後に行ってもよい。さらに、前記ライゲーションされたプローブの増幅は、前記プローブの固定化と同時、または前に行ってもよい。本明細書に記載の増幅とは、前記プローブおよび/またはプローブ生成物の新たなコピーを生じさせることと定義され、当該技術分野で周知のポリメラーゼ連鎖反応を用いた技術によって実施し得る。本明細書中で使用される「ポリメラーゼ連鎖反応」(「PCR」)という用語は、クローニングまたは精製を行うことなく、(例えば、ゲノムDNAの混合物中の)標的配列のセグメントの濃度を高める方法を指す。所望の標的配列の増幅セグメントの長さは、2つのオリゴヌクレオチドプライマー相互の相対位置によって決定されるものであり、よって、この長さは、制御可能なパラメーターである。このプロセスの反復性の態様から、この方法は「ポリメラーゼ連鎖反応」(以下、「PCR」と記載)と称される。標的配列の所望の増幅セグメントは、混合物中で(濃度に関して)優勢な配列となるので、「PCR増幅された」と言われる。PCRを用いることで、ゲノムDNAにおける特定の標的配列の単一のコピーを、いくつかの異なる手法(例えば、標識プローブとのハイブリダイゼーション)により、検出可能なレベルまで増幅することができる。ゲノムDNAに加え、あらゆるオリゴヌクレオチド配列を、適切なプライマー分子のセットを用いて増幅し得る。特に、PCRのプロセス自体によって生じた増幅セグメントは、これら自体が、後続のPCR増幅における効率的な鋳型となる。増幅反応を進行させつつ反応生成物の測定ができるような検出化学反応(detection chemistry)が利用可能であれば、増幅は、「リアルタイム」な増幅、例えば、「リアルタイムPCR」またはに記載のような「リアルタイムNASBA」(Leoneら,Nucleic Acids Research,26:2150−2155(1998))とし得る。
プライマーは、通常は最大限の増幅効率を得るために一本鎖であるが、二本鎖としてもよい。二本鎖の場合には、プライマーは、通常、伸長生成物の生成に用いられる前に、まず、二本鎖を分離させるよう処理される。この変性工程は、典型的には熱影響により行われるが、アルカリを用いて行い、次いで中和させることによっても実施し得る。よって、「プライマー」は、鋳型に相補的であり、前記鋳型との水素結合またはハイブリダイゼーションにより複合体化し、ポリメラーゼに合成を開始させるためのプライマー/鋳型複合体を与える。前記プライマー/鋳型複合体は、DNA合成プロセスにおいて、その3’末端に連結した前記鋳型に相補的な共有結合したヌクレオチドの付加により伸長する。
本明細書に記載の「プライマー対」は、核酸に基づく標的核酸の増幅に好適な核酸配列を有する、フォワードプライマーおよび対応するリバースプライマーを指す。このようなプライマー対は、一般的に、標的核酸の第1部分と同一または類似の配列を有する第1プライマーと、標的核酸の第2部分に相補的な配列を有し、前記標的核酸またはその断片の増幅を可能にする第2プライマーとを含む。本明細書中における「第1」および「第2」プライマーという記載は、特に具体的な指定がない限り任意である。例えば、前記第1プライマーを、「フォワードプライマー」(前記標的核酸の5’末端から核酸合成を開始する)として設計してもよいし、あるいは、「リバースプライマー」(前記フォワードプライマーにより開始された合成で生成された伸長生成物の5’末端から核酸合成を開始する)として設計してもよい。同様に、前記第2プライマーを、フォワードプライマーまたはリバースプライマーとして設計してもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のヌクレオチド分子における対象核酸領域を、本明細書に記載の増幅方法によって増幅してもよい。試料中の核酸は、分析の前に、全般的な増幅方法(universal amplification method)(例えば、全ゲノム増幅および全ゲノムPCR)を用いて、増幅してもよいし、しなくてもよい。対象核酸領域の増幅は、前記遺伝子試料への前記プローブの接触、前記プローブのライゲーション、増幅、および/または固定化と同時、または後に行ってもよい。さらに、前記ライゲーションされたプローブの増幅は、前記遺伝子試料への前記プローブの接触、前記プローブのライゲーション、前記プローブの固定化、および/または前記標識の計数と同時、または前に行ってもよい。
追加の実施形態では、前記方法は、前記ハイブリダイゼーション工程または前記ライゲーション工程の後に、前記遺伝子試料の前記ヌクレオチド分子の増幅を含まない。さらに別の実施形態では、前記方法は、前記ハイブリダイゼーション工程および前記ライゲーション工程の後に、前記遺伝子試料の前記ヌクレオチド分子の増幅を含まない。
別の態様では、本開示の方法は、基板上の所定位置に前記タグプローブを固定化する工程を有していてもよい。前記プローブの基板への固定化は、前記遺伝子試料への前記プローブの接触、前記対象核酸領域への前記プローブのハイブリダイゼーション、前記プローブのライゲーション、および/または増幅と同時、または後に行ってもよい。さらに、前記プローブの基板への固定化は、前記遺伝子試料への前記プローブの接触、前記対象核酸領域への前記プローブのハイブリダイゼーション、前記プローブのライゲーション、増幅、および/または計数と同時、または前に行ってもよい。本明細書に記載の固定化は、前記タグプローブを、物理的または化学的な結合により、基板上の所定位置に直接または間接的に結合することを意味する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の基板は、本明細書に記載のタグプローブにおけるタグの一部または全体に接触して結合し、前記タグを固定化し、これにより、前記タグを含む前記タグプローブを固定化するよう構成された結合パートナーを含んでもよい。タグプローブのタグは、本明細書に記載の通り、基板上の結合パートナーに対応する結合パートナーを含んでもよい。
固定化は、タグプローブの一部または全体を、基板上の結合パートナーの一部または全体にハイブリダイズさせることによって実施してもよい。例えば、前記固定化工程は、前記タグまたはタグヌクレオチド配列の少なくとも一部を、前記基板上に固定化された対応するヌクレオチド分子にハイブリダイズさせることを含む。ここで、前記対応するヌクレオチド分子とは、前記タグまたはタグヌクレオチド配列に部分的または完全にハイブリダイズするよう構成された、前記タグまたはタグヌクレオチド配列の結合パートナーである。いくつかの実施形態では、前記オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド結合パートナーは、一本鎖でもよく、例えば、その5’末端または3’末端が、前記基板に共有結合されてもよい。固定化はさらに、以下に例示する結合パートナーおよび結合手段によっても実施し得る:アビジン、ストレプトアビジン、またはニュートラアビジンと複合体化したビオチン‐オリゴヌクレオチド;ジスルフィド結合によってSH‐表面に共有結合されたSH‐オリゴヌクレオチド;活性カルボキシレートまたはアルデヒド基に共有結合されたアミン‐オリゴヌクレオチド;サリチルヒドロキサム酸(SHA)と複合体化したフェニルボロン酸(PBA)−オリゴヌクレオチド;チオールまたはシラン表面と反応させるか、アクリルアミド単量体との共重合化によりポリアクリルアミドを形成した、アクリダイト(Acrydite)‐オリゴヌクレオチド。あるいは、当業界で公知の他の方法により固定化を実施してもよい。荷電表面を有することが好ましい用途においては、米国特許出願公開第2002/025529号明細書に記載のように、表面層を、高分子電解質多層(PEM)構造で構成してもよい。いくつかの実施形態では、固定化は、周知の手順、例えば、結合パートナーを結合させた担体に、一定時間プローブを接触させる工程と、全てのプローブが伸長された後、伸長生成物が固定化された前記担体を好適な液体で洗浄する任意の工程を含む手順により、実施してもよい。追加の実施形態では、プローブ生成物を基板上へ固定化することにより、生体試料およびアッセイ由来の成分を除去するための激しい洗浄が許容され、これにより、バックグラウンドノイズを低減し、正確度を向上し得る。
「固体担体」、「担体」、「基板」、および「固相担体」という用語は同義に用いられ、硬質または半硬質な表面を1以上有する、単一または一群の物質を指す。基板表面の少なくとも一方を略平坦とした実施形態もあるが、異なる化合物の合成領域を、例えば、ウェル、隆起領域、ピン、エッチングで形成した溝等により、物理的に離間させることが望ましい実施形態もある。追加の実施形態では、前記基板は、平面的な固相担体(例えば、ガラス製の顕微鏡用スライド)を少なくとも1つ含んでもよい。別の実施形態では、前記基板(単数または複数)は、ビーズ、樹脂、ゲル、微粒子、または他の幾何学形状の形態とされる。一態様では、本開示のいくつかの実施形態に係る基板は、ビーズ、樹脂、ゲル、および/または微粒子以外である。
いくつかの実施形態では、図1に示すように、本明細書に記載の結合パートナー、タグ、アフィニティータグ、標識、プローブ(例えば、タグプローブおよび標識プローブ)、および/またはプローブセットは、基板(1)上に、アレイ(2)として固定化されてもよい。本明細書に記載のアレイは、複数のメンバー(3〜10)を有し、これらのメンバーは、重複部分(6)を有していても、いなくてもよい。各メンバーは、別のメンバーと重複していない領域を少なくとも有してもよい(3〜5および7〜10)。追加の実施形態では、各メンバーは異なる形状(例えば、円形スポット(3〜8)、三角形(9)、および正方形(10))および寸法を有してもよい。アレイのメンバーの面積は、約1〜107μm2、100〜107μm2、103〜108μm2、104〜107μm2;105〜107μm2;約0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10、100、103、104、105、106、107、108μm2以上;および/または約0.001、0.01、0.1、1、10、100、103、104、105、106、107、108μm2以下であってもよい。本発明のいくつかの実施形態に係る例示的なメンバー(8)の画像を、参照符号12で示している。さらに、同じ種類の結合パートナー、タグ、アフィニティータグ、標識、プローブ(例えば、タグプローブおよび標識プローブ)、および/またはプローブセットを含む2以上のメンバーを、同一形状および同一寸法としてもよい。具体的には、本明細書に記載の方法により同一の遺伝的変異もしくはコントロールを検出するよう構成された、あるいは前記検出に使用される、結合パートナー、タグ、アフィニティータグ、標識、タグプローブ、および/またはプローブセットを含むアレイのメンバーを、同一形状および同一寸法としてもよい。さらに、基板上のアレイの個々のあらゆるメンバーを、同一形状および同一寸法としてもよい。他の実施形態では、本明細書に記載の方法により異なる遺伝的変異もしくはコントロールを検出するよう構成された、あるいは前記検出に使用される、結合パートナー、タグ、アフィニティータグ、標識、プローブ、および/またはプローブセットを含むアレイのメンバーを、同一形状および同一寸法としてもよい。さらに、アレイの各メンバーが、異なる結合パートナー、前記タグ、前記アフィニティータグ、標識、前記プローブ、および/または前記プローブセットを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、前記アレイの2つのメンバーが離間していてもよく、(i)その離間距離が、固定化された結合パートナー、タグ、アフィニティータグ、標識、プローブ(例えば、タグプローブおよび標識プローブ)、および/またはプローブセットが存在しないか、あるいは、数個のみ存在する距離であり、および/または、(ii)前記2つのメンバーが、一方のメンバーを他方のメンバーと区別するセパレータ(例えば、基板の隆起部分;結合パートナー、タグ、アフィニティータグ、プローブ(例えば、タグプローブ)、および/またはプローブセットの基板への結合を妨げる物質;および前記メンバー間に配置されるプローブ以外の物質)によって離間されている。追加の実施形態では、前記アレイのメンバーは、少なくともその配置によってのみ、相互に区別されてもよい。前記アレイのメンバー間の離間距離は、下記の距離としてもよい:約0〜104μm、0〜103μm、102〜104μm、もしくは102〜103μm;約0、0.001、0.1、1、2、3、4、5、10、50、100、103、104、105、106、107、もしくは108μm以上;および/または約0、0.001、0.1、1、2、3、4、5、10、50、100、103、104、105、106、107、もしくは108μm以下。ここで、前記アレイの2つのメンバーの離間距離は、前記メンバーの縁端間の最短距離により決定してもよい。例えば、図1においては、アレイ(2)の2つのメンバー(参照符号3および4)間の距離は、参照符号nで示す距離である。さらに、例えば、前記アレイの2つのメンバー(参照符号10および11)間の離間距離のように、基板(1)上のアレイ(2)のメンバーの最短距離は、0であってもよい。他の実施形態では、前記アレイの2つのメンバーを離間させず、重複させてもよい(6)。このような実施形態では、各メンバーは、他のメンバー(7)と重複しない領域を少なくとも有してもよい。
さらに別の実施形態では、アレイおよび前記アレイのメンバーである本明細書に記載の結合パートナー、タグ、アフィニティータグ、標識、プローブ、および/またはプローブセットは、前記基板上の所定位置に配置されてもよく、前記アレイの各メンバーの形状および寸法、ならびに前記メンバー間の距離を、固定化に先立って予め決定してもよい。本明細書に記載の所定位置とは、固定化の前に決定または特定される位置を意味する。例えば、アレイの各メンバーの形状および寸法は、固定化の前に、決定または特定される。
追加の実施形態では、前記基板は、結合パートナーのアレイを含んでもよい。前記アレイの各メンバーは、空間的に定められた領域または位置に固定化された前記結合パートナー(オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド等)を含む(前記固定化は、例えば、本明細書に記載の基板上の前記結合パートナーへのプローブのハイブリダイゼーション中に解除されない化学結合による)。すなわち、前記領域または位置は、前記基板上の定められた領域または位置によって、空間的に分離または離間している。さらに別の実施形態では、前記基板は、アレイを含み、前記アレイの各メンバーが、空間的に定められた領域または位置に結合する結合パートナーを含んでもよい。前記結合パートナーを含むように構成された、前記空間的に定められた各位置は、さらに「アドレス指定可能(addressable)」としてもよく、その位置およびそこに固定化された結合パートナーが何であるのかが、例えば、その使用、分析、またはタグプローブおよび/またはプローブセットにおける結合パートナーへの結合の前にわかるか、予め決定されるようにしてもよい。基板に固定化されたプローブセットに対して使用される「アドレス指定可能」という用語は、本明細書に記載のプローブセットの末端結合部(例えば、前記基板上の前記結合パートナーに対する結合パートナー、タグ、アフィニティータグ、およびタグプローブ)のヌクレオチド配列あるいは他の物理的特徴および/または化学的特徴が、そのアドレスから決定され得ること、すなわち、前記プローブセットの末端結合部の配列もしくは他の特性と、前記プローブセットが固定化される基板上の空間的位置、もしくは前記基板の特徴との間の1対1の対応を意味する。例えば、プローブセットの末端結合部のアドレスは、ある空間的な位置であり、例えば、前記プローブセットの末端結合部のコピーを固定化した特定の領域の平面的な座標である。しかしながら、プローブセットの末端結合部は、例えば、色、マイクロトランスポンダーの頻度等の他の手段によっても、アドレス指定され得る(例えば、Chandlerら、国際公開第WO97/14028号パンフレット、その開示内容全体が、あらゆる目的で本明細書に援用される)。さらに別の実施形態では、本明細書に記載の方法は、「ランダムマイクロアレイ」を含まない。「ランダムマイクロアレイ」とは、基板上の結合パートナー(例えば、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド)および/またはプローブセットの末端結合部の空間的に別個の領域が、空間的にアドレス指定されていないマイクロアレイを指す。すなわち、取り付けられた結合パートナー、タグ、アフィニティータグ、タグプローブ、および/またはプローブセットが何であるのか、少なくとも最初は、その位置からは識別できない。一態様では、本明細書に記載の方法は、マイクロビーズの平面アレイであるランダムマイクロアレイを含まない。
本開示のいくつかの実施形態に係る核酸のアレイは、当該技術分野で周知の方法で作製してもよい。前記周知の方法としては、米国特許出願公開第2013/0172216号明細書(引用により、その開示内容の全てがあらゆる目的で本願明細書に援用される)、Schena著のMicroarrays:A Practical Approach(IRL Press,Oxford,2000)に記載の方法が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、DNA捕捉アレイを使用してもよい。前記DNA捕捉アレイは、表面の特定の位置にオリゴヌクレオチドを共有結合させた固体基板(例えば、スライドガラス)である。これらのオリゴヌクレオチドは、前記表面上に1以上の種類が存在してもよく、さらに、前記基板全体にわたり、位置的に分離していてもよい。ハイブリダイゼーション条件下では、DNA捕捉アレイは、相補的な標的に、他の非特異部分よりも優先的に結合し、これにより、前記標的を前記表面上の特定の位置に配置する作用、ならびに、これら標的を不要な種から分離させる作用の両方をもたらす。
いくつかの実施形態では、前記固定化されたタグプローブにライゲーションされた、前記第1および第2標識プローブおよび/またはこれらを増幅した増幅標識プローブは、第1および第2標識をそれぞれ含む。
本明細書に記載の標識プローブは、標識を含むか、標識に結合するよう構成されたプローブを意味する。標識プローブ自体が標識を含んでもよいし、あるいは、標識を含むか、または標識に結合するように修飾されてもよい。本明細書に記載の増幅されたプローブは、本明細書に記載の最初のプローブの増幅後に得られる、最初のプローブのさらなるコピーと定義される。よって、増幅されたプローブは、最初のプローブのヌクレオチド配列および/または最初のプローブのヌクレオチド配列の相補配列を有してもよい。増幅されたプローブは、最初のプローブのヌクレオチド配列と部分的または完全にマッチする配列を含んでもよい。「相補的」または「相補性」という用語は、塩基対合則によって結びついたヌクレオチドの配列に関して用いられる。例えば、「5’−CAGT−3’」という配列は、「5’−ACTG−3’」という配列に相補的である。相補性は、「部分的」でも、「全体的」でもよい。「部分的」相補性とは、プローブにおける核酸ヌクレオチドの1以上が塩基対合則に従ってマッチしていないが、他はマッチしている場合である。「全体的」または「完全」な核酸間相補性とは、プローブにおける個々のあらゆる核酸塩基が、塩基対合則に従ってもう一つの塩基とマッチしている場合である。
本明細書に記載の固定化されたプローブは、物理的または化学的な結合により、基板に直接または間接的に結合するプローブと定義される。いくつかの実施形態では、標識プローブは、本明細書に記載の基板に固定化されたタグプローブへのライゲーションにより、間接的に基板に固定化されてもよい。
本明細書に記載の標識は、検出および定量(ただし、定量は任意)を可能にする特性もしくは特徴を備えた、有機、天然、合成、人工、もしくは非天然の分子、色素、または部分を意味する。標識は、直接検出可能であってもよい(例えば、放射性同位体、蛍光色素分子、化学発光団(chemiluminophores)、酵素、コロイド粒子、蛍光物質、量子ドットまたは他のナノ粒子、ナノ構造、金属化合物、有機金属系標識、およびペプチドアプタマー)。あるいは、標識は、特異的な結合パートナーを用いて間接的に検出可能であってもよい。蛍光物質の例としては、フルオレセイン、リン光体、ローダミン、ポリメチン色素誘導体等の蛍光色素が挙げられる。市販の蛍光物質の例としては、BODYPY FL(商標、Molecular Probes,Inc.製)、FluorePrime(製品名、Amersham Pharmacia Biotech、Inc.製)、Fluoredite(製品名、Millipore Corporation製)、FAM(ABI Inc.製)、Cy3およびCy5(Amersham pharmacia製)、TAMRA(Molecular Probes,Inc.製)、Pacific Blue、TAMRA、Alexa488、Alexa594、Alexa647、Atto488、Atto590、Atto647N等の蛍光色素が挙げられる。「量子ドット(QD)」は、通常、セレン化カドミウムから作製され、光を吸収し、その数ナノ秒後に特異的な色で光を再発光する、ナノスケールの半導体結晶構造を意味する。様々なコンジュゲートされた表面または反応性表面(例えば、アミノ、カルボキシル、ストレプトアビジン、プロテインA、ビオチン、および免疫グロブリン)を有するQDが、本開示に包含される。
追加の実施形態では、前記第1および第2標識が異なる標識であり、よって、前記標識は、相互に区別される。さらに別の実施形態では、前記第1および第2標識は、物理的、光学的、および/または化学的な性質が異なる。
いくつかの実施形態では、前記固定化された標識は、光学的に分解可能である。本明細書に記載の「光学的に分解可能な標識」または「光学的に個々に分解可能な標識」という用語は、個々の標識が、例えば、本明細書に記載の通り、固定化後に、フォトニック発光(photonic emission)または他の光学特性により、相互に区別し得る標識群を意味する。追加の実施形態では、前記標識が同一の光学特性および/またはスペクトル発光特性を有していたとしても、前記固定化された標識を、空間的に相互に区別し得る。いくつかの実施形態では、同じ種類の標識(同一の光学特性を有する標識と定義される)が、例えば、本明細書に記載のアレイのメンバーとして、図1の参照符号12で示すように、個々のプローブ生成物が分解可能な密度および/または間隔で基板上に固定化されている。この開示では、「同一の標識」とは、同一の化学的および物理的組成を有する標識と定義される。本明細書に記載の「異なる標識」とは、異なる光学特性を有する「異なる種類の標識」を含む、異なる化学的および/または物理的組成を有する標識を意味する。本明細書に記載の「同じ種類の異なる標識」とは、化学的および/または物理的組成は異なるが、同一の光学特性を有する標識を意味する。
図1の参照符号12は、固定化された標識を含むアレイの例示的なメンバーの画像を示す。これらの実施形態では、分子の位置によって分子が何であるのかを特定できるため(空間的コンビナトリアル合成では、配置によって分子が何であるかが決まる)、前記標識は空間的にアドレス指定可能である。追加の実施形態では、基板上のアレイのメンバーの1つが、前記メンバーに固定化された1または複数の標識プローブを有してもよい。複数の標識プローブが前記アレイの1つのメンバーに固定化されている場合、前記基板上のアレイの前記1つのメンバーに固定化された前記標識プローブにおける同じ種類の標識は、図1の参照符号12で示すように、空間的に相互に区別され得る。いくつかの実施形態では、前記固定化された同じ種類の標識は、下記の距離だけ離間している:全次元において、約1〜1000nm、5〜100nm、もしくは10〜100nm;約100、150、200、250、300、350、もしくは400nm以上;および/または、約50、100、150、200、250、300、350、もしくは400nm以下。前記基板上でのプローブ生成物およびそれらの標識の密度は、1基板あたり、数百万まで(および十億以上まで)のプローブ生成物を計数するものとしてもよい。標識を含むプローブ生成物をより多数計数できるほど、核酸配列の正確な定量化が可能となる。
いくつかの実施形態では、前記固定化された第1および第2タグプローブおよび/またはこれらを増幅した増幅タグプローブは、第1および第2タグをそれぞれ含む。本明細書に記載のタグプローブは、直接または間接的に基板に結合するよう構成されたプローブを意味する。タグプローブ自体が基板に結合してもよいし、あるいは、基板に結合するように修飾されてもよい。本明細書に記載のタグまたはアフィニティータグは、プローブ生成物の特異的な単離、濃縮、または固定化のためのモチーフを意味する。前記タグまたはアフィニティータグの例としては、本明細書に記載の結合パートナー、配列特異的な捕捉を可能にする固有のDNA配列(天然のゲノム配列および/または人工の非ゲノム配列を含む)、ビオチン−ストレプトアビジン、Hisタグ、FLAGオクタペプチド、クリックケミストリー(例えば、穏やかな水系条件下で迅速かつ選択的に相互に反応する官能基のペア)、および抗体(例えば、アジド−サイクリン)が挙げられる。例えば、前記固定化工程は、前記タグ、アフィニティータグ、またはタグヌクレオチド配列の少なくとも一部を、前記基板上に固定化された対応するヌクレオチド分子にハイブリダイズさせることを含む。前記タグまたはアフィニティータグは、ビーズ、磁気ビーズ、スライドガラス、カバーガラス、マイクロアレイ、または分子を含むが、これらに限定されない実体に結合するように構成されている。いくつかの実施形態では、前記固定化工程が、前記タグを前記基板の前記所定位置に固定化することによって実施される。
別の態様では、基板上に固定化された異なる標識の個数、ひいては、前記標識を含む固定化された異なるプローブ生成物の個数が計数される。例えば、各遺伝子座から生じるプローブ生成物をグループ分けし、固定化されたプローブ生成物中の標識を計数する。いくつかの実施形態では、一遺伝子座内の複数の配列を、複数種類のプローブ生成物を生じさせることによって調査し得る。この例に関しては、同一遺伝子座に関する異なるプローブ生成物を(おそらくは、基板上の共通の位置(例えば、本明細書に記載のアレイのメンバー)への固定化によって)組合せ、これらのプローブ生成物における標識を直接計数すればよい。また、同一遺伝子座に関する異なるプローブ生成物を(おそらくは、基板上の異なる位置(例えば、本明細書に記載のアレイの異なるメンバー)への固定化によって)離間させ、これらのプローブ生成物における標識を直接計数すればよい。追加の実施形態では、前記基板は、基板上の各位置(例えば、前記基板上のアレイのメンバー)に、1以上の特異的なアフィニティータグを有してもよい。したがって、核酸配列を定量化する別の方法は、単一の遺伝子座に関するプローブ生成物(特定の遺伝子座に関する1種類のプローブ生成物でもよいし、または2種類以上のプローブ生成物のセットでもよい)を、第2の遺伝子座(参照用またはコントロールの遺伝子座であってもなくてもよい)に対応するプローブ生成物と同一の基板上の位置(例えば、本明細書に記載のアレイの同一メンバー)に固定化することで実施される。この場合、前記第1遺伝子座から生じるプローブ生成物は、前記プローブ生成物を生成する際に使用した異なる標識の存在に基づき、前記第2遺伝子座から生じるプローブ生成物と区別可能である。
一例では、胎児の21トリソミー(異数性)を母系血液試料の検査によって検出するため、例えば、第21染色体に対応するプローブ生成物セットを、赤色蛍光色素分子で標識した状態で生成し、これを計数する。また、プローブ生成物の第2のセットを、参照用またはコントロールの遺伝子座(例えば、第18染色体)から生じさせ、これを計数する。このプローブ生成物の第2のセットは、例えば、緑色蛍光色素分子で標識した状態で生成してもよい。
いくつかの実施形態では、これらのプローブ生成物を、遺伝子座(この場合、第21染色体または第18染色体)に応じてグループ分けされ、基板上で別々に計数されるように調製してもよい。すなわち、第21染色体に対応するプローブ生成物を単離して別個に計数し、前記第18染色体に対応するプローブ生成物を単離して別個に計数してもよい。追加の実施形態では、これらのプローブ生成物を、基板の同一位置(例えば、本明細書に記載のアレイの同一メンバー)にグループ分けされるよう調製してもよい。この場合、基板の同一領域上で、前記赤色蛍光色素分子を有するプローブ生成物は第21染色体に対応し、前記緑色蛍光色素分子を有するプローブ生成物は第18染色体に対応する。例えば、これらのプローブ生成物は全て個々に分解可能であり、よって、極めて正確に計数し得ることから、第18染色体プローブ生成物に対する第21染色体プローブ生成物の頻度の上昇により(たとえ、0.01%、0.1%、1または数%以下とわずかであっても)、胎児における21トリソミーの存在が示される。この場合、第18染色体に関するプローブ生成物は、コントロールの役割を果たし得る。
別の態様では、本開示の方法は、前記基板に固定化された前記プローブセットの前記標識を計数する工程を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記方法は、(i)前記基板に固定化された前記第1標識の個数である第1の個数および(ii)前記基板に固定化された前記第2標識の個数である第2の個数を計数する工程を含んでもよい。前記計数工程は、前記ライゲーションされたプローブセットを基板に固定化した後に行ってもよく、ライゲーションされたプローブセットが固定化された前記基板は、前記ライゲーションされたプローブセットの分解(degradation)を防ぐような条件下(例えば、室温または室温より低い温度)で、前記計数工程の実施まで保管すればよい。
前記異なるゲノム配列の相対的存在量の正確な定量化、例えば、DNAコピー数の定量化またはアリルの頻度の定量化のため、多数のプローブ生成物を計数してもよい。例えば、標識を、例えば、前記固定化された標識の物理化学的、電磁的、電気的、光電子的、もしくは電気化学的な特性または特徴の測定に基づいて、検出および計数してもよい。
いくつかの実施形態では、前記標識は、走査型プローブ顕微鏡法(SPM)、走査トンネル顕微鏡検査法(STM)および原子間力顕微鏡検査法(AFM)、電子顕微鏡法、光学調査/検出技術(近接場走査型光学顕微鏡法(NSOM)、共焦点顕微鏡法、およびエバネッセント波励起を含むが、これらに限定されない)によって検出してもよい。これらの技術のより具体的なバージョンとして、遠距離場共焦点顕微鏡法、二光子顕微鏡法、広視野落射照明、および全反射(TIR)顕微鏡法が挙げられる。上述の技術の多くが、分光モードでも使用できる。実際の検出は、電荷結合素子(CCD)カメラおよび増倍CCD、フォトダイオード、および/または光電子増倍管によって行われる。いくつかの実施形態では、前記計数工程が、光学的分析、すなわち、標識の光学特性の検出を含む。追加の実施形態では、前記光学的分析が、本明細書に記載のような画像解析を含む。
別の態様では、前記計数工程が、前記第1および第2標識にそれぞれ対応する第1および第2撮像チャネルでの前記基板の読み込み、ならびに前記基板の画像を1以上生成することを含み、前記1以上の画像において、前記第1および第2標識プローブが分解可能である。いくつかの実施形態では、前記計数工程が、画像分割のための空間フィルタリングを含む。追加の実施形態では、前記計数工程が、ウォーターシェディング解析(watershedding analysis)、または画像分割のためのハイブリッド法を含む。
本明細書に記載の方法は、同一遺伝子座における異なるアリル(例えば、所与の一塩基多型の2つのアリル)の頻度も確認し得る。これらの方法の正確度によれば、極めてわずかな(例えば、約10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、または0.01%以下と低い)頻度の変動を検出し得る。一例として、臓器移植の場合、血液試料は、提供された臓器由来の極めて希薄な遺伝子シグネチャーを含む。このシグネチャーは、レシピエントには存在しない、提供された臓器のゲノムにおけるアリルの存在であってもよい。本明細書に記載の方法は、極めてわずかなアリル頻度の偏差(例えば、約10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、または0.01%以下と低い)を検出でき、ホスト試料(例えば、血液試料)中のドナーDNAの存在を識別し得る。不健康な移植臓器であれば、ホストの血液中のドナーDNAのレベルが、わずか数パーセント(例えば、約10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、または0.01%以下)ではあるが、上昇する。本明細書に記載の方法は、アリル頻度の変動を、必要な感度で識別するのに十分な感度を有し、よって、ホストの血液中のドナーDNAの存在および変化量を、正確に判定し得る。
別の態様では、本開示の方法は、前記第1および第2の個数を比較し、前記遺伝子試料における遺伝的変異を判定する工程を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記比較工程が、前記第1および第2対象核酸領域を有する前記ヌクレオチド分子の相対数の推定値を得ることを含む。
別の態様では、本開示の方法は、前記接触工程の前(例えば、前記プローブの作製時)に、前記第1および第2標識プローブを、前記第1および第2標識でそれぞれ標識する工程を含んでもよい。前記プローブの標識化は、前記遺伝子試料への前記プローブの接触、前記プローブのハイブリダイゼーション、ライゲーション、増幅、および/または固定化と同時、または後に行ってもよい。さらに、前記プローブの標識化は、前記遺伝子試料への前記プローブの接触、前記プローブのハイブリダイゼーション、ライゲーション、増幅、および/または固定化と同時、または前に行ってもよい。プローブの標識化は、物理的または化学的な結合による、前記プローブへの標識の付加、固定化、または結合を含んでもよい。標識は、5’末端または3’末端を含む、プローブ配列内の任意の箇所に配置すればよい。
別の態様では、本開示の方法は、前記接触工程の前(例えば、前記プローブの作製時)に、前記第1および第2タグプローブに、前記第1および第2タグをそれぞれ付加する工程を含んでもよい。前記プローブへのタグの付加は、前記遺伝子試料への前記プローブの接触、前記プローブのハイブリダイゼーション、ライゲーション、増幅、および/または標識化と同時、または後に行ってもよい。さらに、前記プローブへのタグの付加は、前記遺伝子試料への前記プローブの接触、前記プローブのハイブリダイゼーション、ライゲーション、増幅、固定化および/または標識化と同時、または前に行ってもよい。プローブへのタグの付加は、物理的または化学的な結合による、前記プローブへのタグの付加、固定化、または結合を含んでもよい。タグは、5’末端または3’末端を含む、プローブ配列内の任意の箇所に配置すればよい。
別の態様では、本明細書に記載のプローブセットは、タグを、これらを固定化しようとする所定位置に応じた位置に有するように設計してもよい。いくつかの実施形態では、タグは、遺伝的変異を検出するよう構成された全プローブセットにおいて同一であり、基板上の同一位置に、直接または間接的に固定化されるよう構成されている。追加の実施形態では、前記第1および第2タグが同一であり、これら以外の各タグが、前記第1または第2タグとは異なる。さらに別の実施形態では、基板上の複数の所定位置のアレイにおける各メンバーまたはメンバー群が、固有のタグを固定化させるよう構成されてもよい。
別の態様では、いくつかの実施形態に係るプローブセットを増幅してもよく、標識プローブセットを増幅の過程で作製してもよい。別の態様では、前記標識プローブのそれぞれが、フォワードまたはリバースプライミング配列を含んでもよく、前記タグプローブのそれぞれが、対応するリバースまたはフォワードプライミング配列と、タグであるタグヌクレオチド配列とを含んでもよい。前記フォワードおよびリバースプライミング配列は、対応するフォワードおよびリバースプライマーに、それぞれハイブリダイズするよう構成された配列である。いくつかの実施形態では、前記増幅工程が、下記(i)および(ii)を増幅することを含む:(i)前記ライゲーションされた第1標識プローブおよび第1タグプローブ。前記フォワードおよびリバースプライミング配列に第1フォワードおよびリバースプライマーがそれぞれハイブリダイズしており、前記第1標識プローブにハイブリダイズした前記第1フォワードまたはリバースプライマーが、前記第1標識を含む。;(ii)前記ライゲーションされた第2標識プローブおよび第2タグプローブ。前記フォワードおよびリバースプライミング配列に第2フォワードおよびリバースプライマーがそれぞれハイブリダイズしており、前記第2標識プローブにハイブリダイズした前記第2フォワードまたはリバースプライマーが、前記第2標識を含む。追加の実施形態では、前記第1および第2タグプローブの増幅されたタグヌクレオチド配列が、基板上の所定位置に固定化され、前記第1および第2タグプローブの増幅されたタグヌクレオチド配列が、前記第1および第2タグである。いくつかの実施形態では、前記第1および第2タグが同一であり、かつ/または、前記基板上の同一位置に結合するよう構成されている。別の実施形態では、前記第1および第2タグが異なるタグであり、かつ/または、前記基板上の異なる位置に結合するよう構成されている。さらに別の実施形態では、前記プローブの増幅を行う場合、前記方法は、前記基板上に固定化された、前記増幅されたプローブおよび/またはプローブセットにおける前記標識の個数を計数することを含む。例えば、前記第1の個数が、前記基板に固定化された前記増幅された第1プローブセットにおける前記第1標識の個数であり、前記第2の個数が、前記基板に固定化された前記増幅された第2プローブセットにおける前記第2標識の個数である。
別の態様では、いくつかの実施形態に係るプローブセットを増幅してもよく、標識プローブセットを、標識されたリバースプライマーを使用し、フォワードプライマーを使用せずに作製してもよい。別の態様では、前記標識プローブのそれぞれが、リバースプライミング配列を含み、前記タグプローブのそれぞれが、タグであるタグヌクレオチド配列を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記増幅工程が、下記(i)および(ii)を増幅することを含んでもよい:(i)前記ライゲーションされた第1標識プローブおよび第1タグプローブ。前記第1標識プローブの第1リバースプライミング配列に第1リバースプライマーがハイブリダイズしており、前記第1リバースプライマーが、前記第1標識を含む。;(ii)前記ライゲーションされた第2標識プローブおよび第2タグプローブ。前記第2標識プローブ第2リバースプライミング配列に第2リバースプライマーがハイブリダイズしており、前記第2リバースプライマーが、前記第2標識を含む。追加の実施形態では、前記第1および第2タグプローブの増幅されたタグヌクレオチド配列が、基板上の所定位置に固定化され、前記第1および第2タグプローブの増幅されたタグヌクレオチド配列が、前記第1および第2タグである。さらに別の実施形態では、前記第1の個数が、前記基板に固定化された前記増幅された第1プローブセットにおける前記第1標識の個数であり、前記第2の個数が、前記基板に固定化された前記増幅された第2プローブセットにおける前記第2標識の個数である。
別の態様では、いくつかの実施形態係るライゲーションされたプローブセットを、リガーゼ連鎖反応を用いて作製してもよい。別の態様では、本明細書に記載の方法は、第3標識プローブおよび第3タグプローブを含む第3プローブセットと、第4標識プローブおよび第4タグプローブを含む第4プローブセットとを、前記遺伝子試料に接触させる工程を含む。前記方法は、前記第1および第2プローブセットを、前記遺伝子試料の二本鎖ヌクレオチド分子を構成する一本鎖ヌクレオチド分子における第1および第2対象核酸センス鎖に、それぞれハイブリダイズさせる工程、および、前記第3および第4プローブセットを、前記第1および第2対象核酸センス鎖の核酸アンチセンス鎖に、それぞれハイブリダイズさせる工程をさらに含んでもよい。前記方法は、少なくとも(i)前記第1標識プローブと前記第1タグプローブ、(ii)前記第2標識プローブと前記第2タグプローブ、(iii)前記第3標識プローブと前記第3タグプローブ、(iv)前記第4標識プローブと前記第4タグプローブをライゲーションすることにより、ライゲーションされた第1、第2、第3、および第4プローブセットを作製する工程をさらに含んでもよい。前記方法は、当業界で公知のリガーゼ連鎖反応を行い、前記ライゲーションされたプローブおよび/またはライゲーションされたプローブセットを増幅させることをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記リガーゼ連鎖反応は、ライゲーションされていない第1、第2、第3、および第4プローブセットを、前記ライゲーションされた第3、第4、第1、および第2プローブセットに、それぞれハイブリダイズさせることと、前記ライゲーションされていない第1、第2、第3、および第4プローブセットにおける、少なくとも(i)前記第1標識プローブと前記第1タグプローブ、(ii)前記第2標識プローブと前記第2タグプローブ、(iii)前記第3標識プローブと前記第3タグプローブ、(iv)前記第4標識プローブと前記第4タグプローブとをライゲーションすることを含んでもよい。前記方法は、前記第1、第2、第3、および第4タグプローブを基板上の前記所定位置に固定化する工程であり、前記固定化された第1、第2、第3、および第4タグプローブにライゲーションされた、前記第1、第2、第3、および第4標識プローブが、第1、第2、第3、および第4標識をそれぞれ含み、前記固定化された第1、第2、第3、および第4標識が、光学的に分解可能であり、前記固定化された第1、第2、第3、第4タグプローブが、第1、第2、第3、第4タグをそれぞれ含み、前記固定化工程が、前記第1、第2、第3、および第4タグを前記所定位置に固定化することによって実施される。前記方法は、(i)前記基板に固定化された前記第1および第3標識の合計である第1の合計および(ii)前記基板に固定化された前記第2および第4標識の合計である第2の合計を計数する工程、ならびに前記第1の合計と前記第2の合計を比較し、前記遺伝子試料における遺伝的変異を判定する工程をさらに含んでもよい。さらに別の追加の実施形態では、前記方法が、前記接触工程の前に、前記第1、第2、第3、第4標識プローブを、前記第1、第2、第3、第4標識でそれぞれ標識する工程をさらに含む。さらに別の実施形態では、前記第1および第3標識が同一であり、前記第2および第4標識が同一である。
別の態様では、本明細書に記載の方法が、第3標識プローブおよび第3タグプローブを含む第3プローブセットと、第4標識プローブおよび第4タグプローブを含む第4プローブセットとを、前記遺伝子試料に接触させる工程であり、前記第1および第3標識プローブが、第1リバースプライミング配列を含み、前記第2および第4標識プローブが、第2リバースプライミング配列を含み、前記第1、第2、第3、および第4タグプローブのそれぞれが、タグであるタグヌクレオチド配列を含む工程を含む。前記方法は、前記第1および第2プローブセットを、前記遺伝子試料の二本鎖ヌクレオチド分子を構成する一本鎖ヌクレオチド分子における第1および第2対象核酸センス鎖に、それぞれハイブリダイズさせる工程、前記第3および第4プローブセットの少なくとも一部を、前記第1および第2対象核酸センス鎖の核酸アンチセンス鎖に、それぞれハイブリダイズさせる工程、ならびに、(i)前記第1標識プローブと前記第1タグプローブ、(ii)前記第2標識プローブと前記第2タグプローブ、(iii)前記第3標識プローブと前記第3タグプローブ、(iv)前記第4標識プローブと前記第4タグプローブをライゲーションすることにより、ライゲーションされた第1、第2、第3、および第4プローブセットを作製する工程をさらに含んでもよい。前記方法は、リガーゼ連鎖反応を行う工程をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記リガーゼ連鎖反応は、前記ライゲーションされていない第1、第2、第3、および第4プローブセットの少なくとも一部を、前記ライゲーションされた第3、第4、第1、および第2プローブセットに、それぞれハイブリダイズさせることと、前記ライゲーションされていない第1、第2、第3、および第4プローブセットにおける(i)前記第1標識プローブと前記第1タグプローブ、(ii)前記第2標識プローブと前記第2タグプローブ、(iii)前記第3標識プローブと前記第3タグプローブ、(iv)前記第4標識プローブと前記第4タグプローブとをライゲーションすることを含む。前記方法は、下記(i)および(ii)を増幅する工程をさらに含んでもよい:(i)前記ライゲーションされた第1および第3プローブセット。前記第1リバースプライミング配列に第1リバースプライマーがハイブリダイズしており、前記第1リバースプライマーが、前記第1標識を含む。;(ii)前記ライゲーションされた第2および第4プローブセット。前記第2リバースプライミング配列に第2リバースプライマーがハイブリダイズしており、前記第2リバースプライマーが、前記第2標識を含む。前記増幅工程において、前記第1、第2、第3、および第4タグプローブの増幅されたタグヌクレオチド配列が、基板上の所定位置に固定化され、前記第1、第2、第3、および第4タグプローブの増幅されたタグヌクレオチド配列が、第1、第2、第3、および第4タグであり、前記第1の個数が、前記基板に固定化された前記増幅された第1および第3プローブセットにおける前記第1標識の個数であり、前記第2の個数が、前記基板に固定化された前記増幅された第2および第4プローブセットにおける前記第2標識の個数である。
別の態様では、前記ライゲーションされた第1および第2標識プローブが、前記ライゲーションされた第1および第2プローブセットの3’末端に位置し、前記第1および第2リバースプライマーにハイブリダイズした第1および第2リバースプライミング配列をそれぞれ含む。いくつかの実施形態では、前記第1および第2リバースプライマーが、前記第1および第2標識を含む。追加の実施形態では、前記ライゲーションされた第1および第2タグプローブが、前記ライゲーションされた第1および第2プローブセットの5’末端に位置する。さらに別の実施形態では、前記ライゲーションされた第1および第2タグプローブが、前記ライゲーションされた第1および第2プローブセットの5’末端に位置し、前記第1および第2フォワードプライマーにハイブリダイズした対応する第1および第2フォワードプライミング配列をそれぞれ含む。
別の態様では、本明細書に記載の方法は、前記試料中の二本鎖分子を分解して一本鎖分子とすることを含む。いくつかの実施形態では、前記増幅工程は、前記増幅されたプローブおよび/またはプローブセットにエキソヌクレアーゼを接触させること、ならびに、前記増幅されたプローブおよび/またはプローブセットを、前記増幅されたプローブおよび/またはプローブセットの二本鎖に含まれる一本鎖の5’末端から分解することを含む。例えば、前記増幅工程は、プローブセット内の前記増幅されたプローブにエキソヌクレアーゼを接触させること、ならびに、前記増幅されたプローブセットを、前記増幅されたプローブセットの二本鎖に含まれる一本鎖の5’末端から分解することを含む。追加の実施形態では、前記エキソヌクレアーゼと接触させる前記増幅されたプローブおよびプローブセットの一本鎖は、5’末端に標識を有していない。前記エキソヌクレアーゼを前記非標識二本鎖プローブに接触させることで、前記非標識鎖を5’末端から分解し、一本鎖プローブを生じさせることができる。別の態様では、5’末端に標識を有する増幅されたプローブセットの5’末端は、エキソヌクレアーゼ分解から保護され得る。
別の態様では、前記方法は、1〜100個、1〜50個、2〜40個、または5〜10個の遺伝的変異;2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個以上の遺伝的変異;および100個、50個、30個、20個、10個以下の遺伝的変異を検出し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、x個の遺伝的変異を、少なくとも(x+1)個の異なるプローブセットを用いて検出してもよい。これらの実施形態では、一種類のプローブセットにおける標識の個数を、残りの異なる種類のプローブセットにおける標識の1以上の個数と比較してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、ゲノム全体にわたり、種々の分解能で連続的に遺伝的変異を検出してもよく、例えば、300,000塩基分解能で、全染色体にわたって分布する100個の変異を、別々に調査および定量化してもよい。追加の実施形態では、前記塩基分解能の範囲は、1個または10個〜10万個のヌクレオチドから100万、1000万、または1億個以上までのヌクレオチドの範囲である。
別の態様では、いくつかの実施形態に係る方法は、少なくとも2つの遺伝的変異を検出してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、第5標識プローブおよび第5タグプローブを含む第5プローブセットを、前記遺伝子試料に接触させる工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記第5プローブセットの少なくとも一部を、前記遺伝子試料のヌクレオチド分子における、前記第1および第2対象核酸領域とは異なる第3対象核酸領域にハイブリダイズさせる工程をさらに含んでもよい。前記方法は、少なくとも前記第5標識プローブと前記第5タグプローブとをライゲーションすることにより、前記第5プローブセットをライゲーションする工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記ライゲーションされたプローブセットを増幅する工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記タグプローブのそれぞれを基板上の所定位置に固定化する工程であり、前記固定化されたタグプローブにライゲーションされた、前記第5標識プローブおよび/またはこれを増幅した増幅標識プローブが、第5標識を含み、前記第5標識が、前記第1および第2標識とは異なる標識であり、前記固定化された標識が、光学的に分解可能であり、前記固定化された第5タグプローブおよび/またはこれを増幅した増幅タグプローブが、第5タグを含み、前記固定化工程が、前記タグを前記所定位置に固定化することによって実施される工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記基板に固定化された前記第5標識の個数である第3の個数を計数する工程、ならびに、前記第3の個数を、前記第1および/または第2の個数と比較し、前記遺伝子試料における前記第2の遺伝的変異を判定する工程をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記被検体が妊娠中の被検体であってもよく、前記第1遺伝的変異が、前記妊娠中の被検体の胎児における21トリソミーであり、前記第2遺伝的変異が、前記妊娠中の被検体の胎児における13トリソミー、18トリソミー、Xの異数性、およびYの異数性からなる群から選択される。
別の態様では、いくつかの実施形態に係る方法は、少なくとも3つの遺伝的変異を検出してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、第6標識プローブおよび第6タグプローブを含む第6プローブセットを、前記遺伝子試料に接触させる工程をさらに含む。前記方法は、前記第6プローブセットの少なくとも一部を、前記遺伝子試料のヌクレオチド分子における、前記第1、第2、および第3対象核酸領域とは異なる第4対象核酸領域にハイブリダイズさせる工程をさらに含んでもよい。前記方法は、少なくとも前記第6標識プローブと前記第6タグプローブとをライゲーションすることにより、前記第6プローブセットをライゲーションする工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記ライゲーションされたプローブセットを増幅する工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記タグプローブのそれぞれを基板上の所定位置に固定化する工程であり、前記固定化されたタグプローブにライゲーションされた、前記第6標識プローブおよび/またはこれを増幅した増幅標識プローブが、第6標識を含み、前記第6標識が、前記第1および第2標識とは異なる標識であり、前記固定化された標識が、光学的に分解可能であり、前記固定化された第6タグプローブおよび/またはこれを増幅した増幅タグプローブが、第6タグを含み、前記固定化工程が、前記タグを前記所定位置に固定化することによって実施される工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記基板に固定化された前記第6標識の個数である第4の個数を計数する工程、ならびに、前記第4の個数を、前記第1、第2および/または第3の個数と比較し、前記遺伝子試料における第3の遺伝的変異を判定する工程をさらに含んでもよい。
別の態様では、いくつかの実施形態に係る方法は、少なくとも4つの遺伝的変異を検出してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、第7標識プローブおよび第7タグプローブを含む第7プローブセットを、前記遺伝子試料と接触させる工程をさらに含む。前記方法は、前記第7プローブセットの少なくとも一部を、前記遺伝子試料のヌクレオチド分子における、前記第1、第2、第3、および第4対象核酸領域とは異なる第5対象核酸領域にハイブリダイズさせる工程をさらに含んでもよい。前記方法は、少なくとも前記第7標識プローブと前記第7タグプローブとをライゲーションすることにより、前記第7プローブセットをライゲーションする工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記ライゲーションされたプローブセットを増幅する任意の工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記タグプローブのそれぞれを基板上の所定位置に固定化する工程であり、前記固定化されたタグプローブにライゲーションされた、前記第7標識プローブおよび/またはこれを増幅した増幅標識プローブが、第7標識を含み、前記第7標識が、前記第1および第2標識とは異なる標識であり、前記固定化された標識が、光学的に分解可能であり、前記固定化された第7タグプローブおよび/またはこれを増幅した増幅タグプローブが、第7タグを含み、前記固定化工程が、前記タグを前記所定位置に固定化することによって実施される工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記基板に固定化された前記第7標識の個数である第5の個数を計数する工程、ならびに、前記第5の個数を、前記第1、第2、第3および/または第4の個数と比較し、前記遺伝子試料における第4の遺伝的変異を判定する工程をさらに含んでもよい。
別の態様では、いくつかの実施形態に係る方法は、少なくとも5つの遺伝的変異を検出してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、第8標識プローブおよび第8タグプローブを含む第8のプローブセットを、前記遺伝子試料と接触させる工程をさらに含む。前記方法は、前記第8のプローブセットの少なくとも一部を、前記遺伝子試料のヌクレオチド分子における、前記第1、第2、第3、第4、および第5対象核酸領域とは異なる第6対象核酸領域にハイブリダイズさせる工程をさらに含んでもよい。前記方法は、少なくとも前記第8標識プローブと前記第8タグプローブとをライゲーションすることにより、前記第8プローブセットをライゲーションする工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記ライゲーションされたプローブセットを増幅する工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記タグプローブにライゲーションされた、前記第8標識プローブおよび/またはこれを増幅した増幅標識プローブが、第8標識を含み、前記第8標識が、前記第1および第2標識とは異なる標識であり、前記固定化された標識が、光学的に分解可能であり、前記固定化された第8タグプローブおよび/またはこれを増幅した増幅タグプローブが、第8タグを含み、前記固定化工程が、前記タグを前記所定位置に固定化することによって実施される工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記基板に固定化された前記第8標識の個数である第6の個数を計数する工程、ならびに、前記第6の個数を、前記第1、第2、第3、第4および/または第5の個数と比較し、前記遺伝子試料における前記第5の遺伝的変異を判定する工程をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記被検体が妊娠中の被検体であり、前記第1、第2、第3、第4、および第5遺伝的変異が、前記妊娠中の被検体の胎児における13トリソミー、18トリソミー、21トリソミー、異数性X、および異数性Yである。
別の態様では、前記被検体が妊娠中の被検体であり、前記遺伝的変異が、前記妊娠中の被検体の胎児における21トリソミーであり、前記第1対象核酸領域が第21染色体上にあり、前記第2対象核酸領域が前記第21染色体上にない。
別の態様では、前記被検体が妊娠中の被検体であり、前記遺伝的変異が、前記妊娠中の被検体の胎児における21トリソミーであり、前記第1対象核酸領域が第21染色体上にあり、前記第2対象核酸領域が第18染色体上にある。
一態様では、本明細書に記載のプローブセットは、2個、3個、4個、5個以上の標識プローブ、および/または2個、3個、4個、5個以上の標識を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法において、前記第1および第2プローブセットが、それぞれ第3および第4標識プローブをさらに含み、前記固定化された第1プローブセットおよび/または増幅された第1プローブセットが、第9標識を、前記第3標識プローブおよび/またはその増幅産物中にさらに含み、前記固定化された第2プローブセットおよび/または増幅された第2プローブセットが、第10標識を、前記第4標識プローブおよび/またはその増幅産物中にさらに含む。これらの実施形態では、前記第9および第10標識が、前記第1および第2標識とは異なる標識である場合、この方法を用いて、前記第1および第2標識に関して計数した個数を確認してもよい。前記第9および第10標識が、前記第1および第2標識とそれぞれ同一である場合、この方法を用いて、前記各対象核酸領域に固定化された標識の検出の正確度を向上させてもよい。例えば、複数の標識を使用すれば標識が1つの場合と比べて高い輝度が得られ、よって、複数の標識は、1つの標識よりも容易に検出し得る。
追加の実施形態では、(i)前記固定化された第1プローブセットおよび/または増幅された第1プローブセットが、前記標識プローブ内に第11標識をさらに含み、(ii)前記固定化された第2プローブセットおよび/または増幅された第2プローブセットが、前記標識プローブ内に、前記第11標識とは異なる第12標識をさらに含む。さらに別の実施形態では、前記第1、第2、第11、および第12標識が互いに異なり、前記計数工程が、前記基板上に固定化された前記第11のおよび第12標識の個数を計数することをさらに含む。
別の態様では、本明細書に記載の方法は、コントロール試料を用いて行ってもよい。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記被検体由来の前記遺伝子試料とは異なるコントロール試料について、前記各工程を繰り返す工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記基板に固定化された前記各標識のコントロール数を計数する工程、ならびに、前記第1、第2、第3、第4、第5および/または第6の個数を前記コントロール数と比較し、前記遺伝子試料における前記遺伝的変異を確認する工程をさらに含むさらに含んでもよい。
別の態様では、前記被検体が妊娠中の被検体であってもよく、前記遺伝的変異が前記妊娠中の被検体の胎児における遺伝的変異である。このような実施形態では、前記方法は、一塩基多型(SNP)部位を使用し、胎児由来物質(例えば、胎児画分)の割合(例えば、濃度、および前記試料中のヌクレオチド分子の個数に基づく個数のパーセンテージ)が、適正な統計的有意性をもって前記妊娠中の被検体の試料から前記胎児の遺伝的変異を検出するのに十分かどうかを判定してもよい。追加の実施形態では、前記方法は、母系標識プローブおよび母系タグプローブを含む母系プローブセットと、父系標識プローブおよび父系タグプローブを含む父系プローブセットとを、前記遺伝子試料に接触させる工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記母系および父系プローブセットのそれぞれの少なくとも一部を、前記遺伝子試料のヌクレオチド分子における、所定のSNP部位を含む対象核酸領域にハイブリダイズさせる工程であり、前記母系プローブセットの少なくとも一部が前記SNP部位における第1アリルにハイブリダイズし、前記父系プローブセットの少なくとも一部が前記SNP部位における第2アリルにハイブリダイズし、前記第1および第2アリルが互いに異なる工程をさらに含んでもよい。前記方法は、少なくとも(i)前記母系標識プローブと前記母系タグプローブ、(ii)前記父系標識プローブと前記父系タグプローブをライゲーションすることにより、前記母系および父系プローブセットをライゲーションする工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記ライゲーションされた母系および父系プローブを増幅する工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記母系および父系タグプローブを基板上の所定位置に固定化する工程であり、前記固定化された母系および父系タグプローブにライゲーションされた、前記母系および父系標識プローブおよび/またはこれらを増幅した増幅標識プローブが、母系および父系標識をそれぞれ含み、前記母系標識と前記父系標識とが、異なる標識であり、前記固定化された母系および父系標識が、光学的に分解可能である工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記母系および父系標識の個数を計数する工程、ならびに、前記遺伝子試料における胎児由来物質の割合が、前記母系および父系標識の個数に基づく前記胎児における遺伝的変異の検出に十分かどうかを判定する工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記遺伝子試料における前記胎児由来物質の割合を判定する工程をさらに含んでもよい。
いくつかの実施形態では、前記被検体が妊娠中の被検体であり、前記遺伝的変異が前記妊娠中の被検体の胎児における遺伝的変異である場合、前記方法は、アリルA標識プローブおよびアリルAタグプローブを含む、アリル特異的なアリルAプローブセットと、アリルB標識プローブおよびアリルBタグプローブを含む、アリル特異的なアリルBプローブセットとを、前記遺伝子試料に接触させる工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記アリルAおよびアリルBプローブセットのそれぞれの少なくとも一部を、前記遺伝子試料のヌクレオチド分子における、所定の一塩基多型(SNP)部位を含む対象核酸領域にハイブリダイズさせる工程であり、前記SNP部位においては、母系アリルプロファイル(すなわち、遺伝子型)が、胎児アリルプロファイルとは異なり(例えば、母系アリル組成がAA、胎児のアリル組成物がABまたはBBであってもよい。別の例では、母系アリル組成がAB、胎児のアリル組成がAAまたはBBであってもよい。)、前記アリルAプローブセットの少なくとも一部が前記SNP部位における第1アリルにハイブリダイズし、前記アリルBプローブセットの少なくとも一部が前記SNP部位における第2アリルにハイブリダイズし、前記第1および第2アリルが互いに異なる工程をさらに含んでもよい。前記方法は、少なくとも(i)前記アリルA標識プローブと前記アリルAタグプローブ、(ii)前記アリルB標識プローブと前記アリルBタグプローブをライゲーションすることにより、前記アリルAおよびアリルBプローブセットをライゲーションする工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記ライゲーションされたプローブセットを増幅する工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記アリルAおよびアリルBタグプローブを基板上の所定位置に固定化する工程であり、前記固定化されたアリルAおよびアリルBタグプローブにライゲーションされた、前記アリルAおよびアリルB標識プローブおよび/またはこれらを増幅した増幅標識プローブが、アリルAおよびアリルB標識をそれぞれ含み、前記アリルA標識とアリルB標識とが、異なる標識であり、前記固定化されたアリルAおよびアリルB標識が、光学的に分解可能である工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記アリルAおよびアリルB標識の個数を計数する工程、ならびに、前記遺伝子試料における胎児由来物質の割合が、前記アリルAおよびアリルB標識の個数に基づく前記胎児における遺伝的変異の検出に十分かどうかを判定する工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記遺伝子試料における前記胎児由来物質の割合を判定する工程をさらに含んでもよい。
いくつかの実施形態では、前記被検体が妊娠中の被検体であり、前記遺伝的変異が前記妊娠中の被検体の胎児における遺伝的変異であり、前記遺伝子試料がY染色体を含む場合、前記方法は、母系標識プローブおよび母系タグプローブを含む母系プローブセットと、父系標識プローブおよび父系タグプローブを含む父系プローブセットとを、前記遺伝子試料に接触させる工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記母系および父系プローブセットの少なくとも一部を、前記遺伝子試料のヌクレオチド分子における母系および父系の対象核酸領域に、それぞれハイブリダイズさせる工程であり、前記父系の対象核酸領域が、Y染色体上にあり、前記母系の対象核酸領域が、Y染色体上にない工程をさらに含んでもよい。前記方法は、少なくとも(i)前記母系標識プローブと前記母系タグプローブ、(ii)前記父系標識プローブと前記父系タグプローブをライゲーションすることにより、前記母系および父系プローブセットをライゲーションする工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記ライゲーションされた母系および父系プローブを増幅する工程をさらに含んでもよい。前記方法は、所定の一塩基多型(SNP)部位(2以上のSNP、例えば、2つもしくは3つのSNP)を有する)を含む対象核酸領域をさらに含んでもよい。さらに、前記SNP部位は、高度の連鎖不平衡を有するSNPを複数含んでもよく、これにより、標識およびタグプローブを、複数のSNPマッチまたはミスマッチ対単一の、改善されたエネルギー論を利用する構成としてもよい。前記方法は、前記母系および父系タグプローブを基板上の所定位置に固定化する工程であり、前記固定化された母系および父系タグプローブにライゲーションされた、前記母系および父系標識プローブおよび/またはこれらを増幅した増幅標識プローブが、母系および父系標識をそれぞれ含み、前記母系標識と前記父系標識とが、異なる標識であり、前記固定化された母系および父系標識が、光学的に分解可能である工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記母系および父系標識の個数を計数する工程、ならびに、前記遺伝子試料における胎児由来物質の割合が、前記母系および父系標識の個数に基づく前記胎児における遺伝的変異の検出に十分かどうかを判定する工程をさらに含んでもよい。前記方法は、前記遺伝子試料における前記胎児由来物質の割合を判定する工程をさらに含んでもよい。
追加の実施形態では、本明細書に記載のSNP部位における遺伝的変異の代わりに、他の遺伝的変異(例えば、一塩基欠失、マイクロサテライト、および小挿入(small insertions))を使用してもよい。
一態様では、本明細書に記載のプローブセットは、3個以上のプローブ(標識プローブとタグプローブの間にプローブを少なくとも1個含む)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記第1および第2プローブセットが、第1および第2ギャッププローブをそれぞれさらに含み、前記第1ギャッププローブは、前記第1標識プローブがハイブリダイズする領域と前記第1タグプローブがハイブリダイズする領域の間に位置する領域にハイブリダイズし、前記第2ギャッププローブは、前記第2標識プローブがハイブリダイズする領域と前記第2タグプローブがハイブリダイズする領域の間に位置する領域にハイブリダイズする。前記方法は、前記ライゲーション工程をさらに含み、前記ライゲーション工程が、少なくとも(i)前記第1標識プローブと、前記第1タグプローブと、前記第1ギャッププローブ、(ii)前記第2標識プローブと、前記第2タグプローブと、前記第2ギャッププローブをライゲーションすることを含む。追加の実施形態では、前記ギャッププローブが、標識を含んでもよい。例えば、前記第1および第2ギャッププローブおよび/またはそれらの増幅産物が、標識で標識されており(例えば、第13および第14標識でそれぞれ標識)、前記標識のそれぞれが、残りの標識(例えば、前記第1および第2標識)とは異なる標識であってもよい。前記ギャッププローブにおける標識(例えば、第13および第14標識)は、同じであっても、互いに異なっていてもよい。別の態様では、前記第1および第2標識プローブを、前記遺伝子試料のヌクレオチド分子における前記第1および第2対象核酸領域にそれぞれハイブリダイズさせ、前記第1および第2タグプローブを、前記遺伝子試料のヌクレオチド分子における前記第1および第2対象核酸領域にそれぞれハイブリダイズさせ、前記第1および第2ギャッププローブを、前記遺伝子試料のヌクレオチド分子における前記第1および第2対象核酸領域にそれぞれハイブリダイズさせる。いくつかの実施形態では、前記第1標識プローブおよびタグプローブをハイブリダイズさせた領域の間には、0〜100個のヌクレオチド、1〜100個のヌクレオチド、2〜50個のヌクレオチド、3〜30個のヌクレオチド;0個、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個、30個、40個、50個、100個、150個、または200個以上;または1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、25個、35個、45個、55個、110個、160個、または300個以下のヌクレオチドが存在し、前記第2標識プローブおよびタグプローブをハイブリダイズさせた領域の間には、0〜100個のヌクレオチド、1〜100個のヌクレオチド、2〜50個のヌクレオチド、3〜30個のヌクレオチド;0個、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個、30個、40個、50個、100個、150個、または200個以上のヌクレオチド;または1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、25個、35個、45個、55個、110個、160個、または300個の以下のヌクレオチドが存在する。追加の実施形態では、標識プローブとタグプローブの間のギャッププローブの長さは、0〜100ヌクレオチド、1〜100ヌクレオチド、2〜50ヌクレオチド、3〜30ヌクレオチド;0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、150、または200ヌクレオチド以上;または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、25、35、45、55、110、160、または300ヌクレオチド以下である。
別の態様では、本明細書に記載のプローブセットは、前記標識プローブおよび前記タグプローブにライゲーションおよび/またはコンジュゲートされたスペーサを含んでもよい。前記スペーサは、オリゴヌクレオチドを含んでも、含んでいなくてもよい。前記スペーサは、単離、精製、天然、または非天然の物質を含んでもよく、任意の長さのオリゴヌクレオチド(例えば、5、10、20、30、40、50、100、または150ヌクレオチド以下)が挙げられる。いくつかの実施形態では、前記プローブは、精製された制限酵素分解物(purified restriction digest)中に存在してもよいし、あるいは、合成、組み換え、またはPCR増幅によって作製してもよい。例えば、前記第1標識プローブおよび第1タグプローブに、第1スペーサをコンジュゲートし、前記第2標識プローブおよび第2タグプローブに、第2スペーサをコンジュゲートし、前記第1および第2スペーサを、前記遺伝子試料の前記ヌクレオチド分子にハイブリダイズさせない。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記ハイブリダイズさせた遺伝子試料を酵素で分解する工程、ならびに、前記分解後に、前記第1および第2スペーサにおける結合を解除する工程をさらに含む。
別の態様では、本明細書に記載の方法は、前記遺伝子試料の前記ヌクレオチド分子の配列の識別、および/または前記対象核酸領域および/または前記プローブの配列決定を含まない。いくつかの実施形態では、前記プローブの配列決定を含まない方法は、タグプローブにおけるバーコードおよび/またはアフィニティータグの配列決定を含まない。追加の実施形態では、本明細書に記載の方法は配列決定を必要としないため、異なる遺伝的変異、対象ヌクレオチド領域、および/または対象ペプチドを検出するための前記固定化されたプローブセットを、別々に検出またはスキャンしなくてもよい。追加の実施形態では、前記基板に固定化された異なる標識の個数を、(例えば、単一のスキャニングおよび/または画像化によって)同時に計数しており、したがって、異なる標識の個数を別々には計数しなかった。別の態様では、本明細書に記載の方法は、バルクアレイの読み出し、またはアナログ式の定量化を含まない。本明細書に記載のバルクアレイの読み出しとは、単一種類の複数の標識からの累積的な組合せシグナルの測定を、第2の種類の多数の標識からの累積的な組合せシグナルの第2の測定と任意に組合せて、それぞれの標識からのシグナルを分解することなく行う、一回の測定を意味する。得られる結果は、個々の標識を分解していない測定の1以上の組合せから導かれたものである。別の態様では、本明細書に記載の方法は、同一の標識、同じ種類の異なる標識、および/または同じ種類の標識を、前記個々の標識を分解して測定する一回の測定を含んでもよい。本明細書に記載の方法は、アナログ式の定量化を含まず、標識の累積的または組合せた光学的強度ではなく、(個々の標識の強度および形状の測定によって確定した)前記標識の個数のみを求めるデジタル定量化を採用してもよい。
別の態様では、本明細書に記載のプローブセットは、バインダーを含んでもよい。バインダーは、本明細書に記載のタグまたはアフィニティータグと同一の物質であってもよい。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記ライゲーション工程の後に、前記バインダーを固相に固定化することをさらに含む。前記方法は、前記ライゲーションされたプローブセットを、ライゲーションされていないプローブから分離する工程をさらに含んでもよい。追加の実施形態では、前記バインダーがビオチンを含み、前記固相が磁気ビーズを含む。
別の態様では、本明細書に記載の計数工程は、前記計数した個数を補正、検証、および/または確認することをさらに含んでもよい。本明細書における補正は、計数した個数の正確度をチェックおよび/または調整することを意味する。本明細書における検証および確認は、前記計数した個数が正確かどうかを判定する、および/または、誤差があるのであれば、どの程度なのかを判定することを意味する。
別の態様では、強度および/またはシングル対ノイズを、単一標識を識別するための方法として使用する。色素分子または他の光学的標識が近接している場合、光の回折が本質的に有する限界により、蛍光に基づく画像化による判別が不可能である場合が多い。すなわち、近接する2つの標識は、これら標識間に目に見えるギャップがない限り、区別不可能である。所与の位置における標識の個数を判定するための方法の一例は、単一の蛍光体を有することがわかっている位置と比較した、相対的シグナルおよび/またはシグナル対ノイズを調べることである。2つ以上の標識は、通常、単一の蛍光体よりも明るいシグナル(かつ、バックグラウンドからより明確に区別可能なシグナル)を発する。図2は、単一標識試料およびマルチラベル化抗体(いずれもAlexa546;退色プロファイルにより確認)の両方に関して測定したシグナル強度の正規化ヒストグラムを示す。前記2つの集団は、明確に分離可能であり、複数標識を単一標識から明確に区別し得る。
いくつかの実施形態では、前記計数工程が、前記固定化された各標識からの光学シグナルを測定することと、単一標識からの光学シグナルを、バックグラウンドおよび/または複数の標識から生じる残りの光学シグナルと区別することにより、前記計数した個数を補正することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記区別が、単一標識からの光学シグナルの強度に対する、前記光学シグナルの相対的シグナル強度および/またはシングル対ノイズ強度を算出することを含む。前記区別は、前記光学シグナルが単一標識から生じたものかどうかを判定することをさらに含んでもよい。追加の実施形態では、前記光学シグナルの前記相対的シグナル強度および/またはシングル対ノイズ強度と単一標識からの光学シグナルの強度との差が所定量以下である場合、前記光学シグナルは、単一標識から生じたものである。さらに別の実施形態では、前記所定量は、単一標識からの光学シグナルの強度の0%〜100%、0%〜150%、10%〜200%、0%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、または40%以上の、および/または300%、200%、100%、50%、30%、10%、または5%以下である。
別の態様では、異なる標識は、異なる点滅特性および退色特性を有してもよい。前記異なる標識は、異なる励起特性をさらに有してもよい。2つの異なる標識の色素分子の個数を比較するためには、前記2つの色素が同様の挙動を示し、かつ、同様の発光特徴を有することを確実にする必要がある。例えば、一方の色素の輝度が他方の色素と比べてかなり低い場合、分子の個数は、このチャネルでは実際より少なく計数される場合がある。いくつかのファクターを漸増(titrated)し、前記色素間に最適な等価性を与えてもよい。例えば、前記計数工程および/または補正工程は、(i)前記各標識を励起するための光源の電力、(ii)前記光源の種類、(ii)前記各標識の露光時間、および/または(iv)前記各標識から生じる対応する光学シグナルと一致させるための前記各標識用のフィルターセットを最適化することと、前記標識からの光学シグナルを測定することを含んでもよい。これらのファクターは、単独または組合せて変更してもよい。さらに、最適化する計量値(metric)も、変更してもよい。例えば、前記計量値は、全体的な強度、シグナル対ノイズ、最小のバックグラウンド、強度または他の特徴の最小の分散としてもよい。
退色プロファイルは標識特異的であり、標識の種類を区別するための情報を付与するために使用し得る。図3は、各種標識の平均的な退色プロファイルを示している。図3のプロットは、60秒間隔で収集した連続する画像に応じた、標識タイプごとの正規化計数を示す。参照符号c1はCy3蛍光体、参照符号c2はAtto647蛍光体、および参照符号c3はAlexa488蛍光体である。
別の態様では、単一標識を識別する方法として、点滅挙動を使用してもよい。多くの色素分子が、一時的に暗状態となることが知られている(例えば、Burnetteら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(2011)108:21081−21086)。これにより、標識が明−暗−明の工程を1以上経る点滅効果が生じる。これら暗期の長さや回数は、異なってもよい。本発明は、この点滅挙動を使用して、回折限界結像では見かけ上は同様である場合がある2つ以上標識から、1つの標識を見分ける。複数の標識が存在する場合、点滅中にシグナルが完全に消失することは考えにくい。標識のうちの1つが暗状態となって強度が低下しても、他の標識は強度を維持していることが多い。全ての標識が同時に点滅する(よって、単一の蛍光体のように見える)確率を、色素の具体的な点滅特徴に基づいて算出してもよい。
いくつかの実施形態では、前記各標識からの光学シグナルを、2以上の時点について測定し、光学シグナルの強度が一段階関数(single step function)的に低減する場合は、前記光学シグナルは、単一標識から生じたものである。いくつかの実施形態では、2つの時点の間隔が、0.1分〜30分、1秒〜20分、10秒〜10分;0.01秒、0.1秒、1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、60秒以上;および/または1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、60秒以下である。追加の実施形態では、単一標識からの光学シグナルの強度が、時間と共に一段階の低減を示し、2以上の標識からの光学シグナルの強度が、時間と共に複数段階の低減を示す。さらに別の実施形態では、前記各標識からの光学シグナルを2以上の時点で測定し、前記各標識の退色プロファイルを正規化する。別の態様では、本明細書に記載の方法および/または前記計数工程が、2以上の時点におけるコントロール標識からの光学シグナルを測定する工程、ならびに、前記コントロール標識からの光学シグナルを、前記各標識からの光学シグナルと比較し、前記各標識からの光学シグナルの増加または減少を判定する工程をさらに含んでもよい。
別の態様では、前記計数工程が、コントロール分子を用いることにより、前記計数を確認することをさらに含む。コントロール分子を使用し、分子タイプの頻度の変化を判定してもよい。多くの場合、実験の目的は、2種類以上の分子の存在量を、絶対値または相互の関連で判定することである。2つの異なる色素で標識された2つの分子の例を考えてみる。これらの頻度が同一であるという帰無仮説を設定した場合、2つの分子を単分子アレイ上に並べ、計数したこれらの個数の比率を、前記帰無仮説と比較すればよい。本明細書における「単分子アレイ」は、単分子を検出するよう構成されたアレイと定義され、例えば、米国特許出願公開第2013/0172216号明細書に記載のアレイが挙げられる。前記比率が1:1でない場合、これは、2つの分子が異なる頻度であることを示している。しかしながら、一方の存在量が増加したのか、あるいは他方の存在量が低下したのかが、先験的(a priori)に判断できない場合がある。第3の色素を、同じ頻度で存在するコントロール分子として使用する場合、前記第3の色素もまた、他の両色素との比率を1:1とすべきである。色素AおよびBで標識された2つの分子の例を検討すると、実験の目的は、色素Bで標識された分子の頻度が、色素Aで標識された分子と比べて、増加したのか、低下したのかを調べることである。第3の色素Cで標識された分子は、他の2つの分子と同一の存在量となるように、この実験に含まれる。AおよびBでそれぞれ標識された分子の比率が1:2であれば、第1の分子の頻度が増加しているか、第2の分子の頻度が低下しているかのいずれかである。AおよびCで標識された分子の比率が1:1であり、BおよびCで標識された分子の比率が1:2であれば、色素Bで標識された分子が、色素Aで標識された分子と比べて高頻度である可能性が高い。この例は、二倍体ゲノムにおけるDNAコピー数の変化を判定する場合に認められる。一方の配列が増幅されたのか、あるいは、他方の配列が欠失したのかをを知ることは重要であるが、コントロール分子を使用すれば、これを判定することが可能になる。前記コントロールは、ゲノムの別の領域でもよいし、または人工コントロール配列でもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で得た結果(例えば、計数した標識の個数)を、最初の方法で使用したものとは異なる標識を使用するが、タグは同一のものを使用して確認してもよい。このような確認工程は、最初の方法と同時に行ってもよいし、あるいは、最初の方法の後に行ってもよい。追加の実施形態では、本明細書に記載の確認工程は、第1コントロール標識プローブおよび前記第1タグプローブ(本明細書に記載の前記第1プローブセットのタグと同一)を含む第1コントロールプローブセットと、第2コントロール標識プローブおよび前記第2タグプローブ(本明細書に記載の前記第2プローブセットのタグと同一)であるを含む第2コントロールプローブセットを、前記遺伝子試料に接触させる工程を含む。前記確認は、前記第1および第2コントロールプローブセットの少なくとも一部を、前記遺伝子試料のヌクレオチド分子における前記第1および第2対象核酸領域に、それぞれハイブリダイズさせる工程をさらに含んでもよい。前記確認は、少なくとも前記第1コントロール標識プローブと前記第1タグプローブとをライゲーションすることにより、前記第1コントロールプローブセットをライゲーションする工程をさらに含んでもよい。前記確認は、少なくとも前記第2コントロール標識プローブと前記第2タグプローブとをライゲーションすることにより、前記第2コントロールプローブセットをライゲーションする工程をさらに含んでもよい。前記確認は、前記ライゲーションされたプローブセットを増幅する工程をさらに含んでもよい。前記確認は、前記各タグプローブを基板上の所定位置に固定化する工程であり、前記固定化されたタグプローブにライゲーションされた、前記第1および第2コントロール標識プローブおよび/またはこれらを増幅した増幅標識プローブが、第1および第2コントロール標識をそれぞれ含み、前記第1および第2コントロール標識が、異なる標識であり、前記固定化された標識が、光学的に分解可能である工程をさらに含んでもよい。前記確認は、前記基板に固定化された前記コントロール標識からの光学シグナルを測定する工程をさらに含んでもよい。前記確認は、前記固定化された第1および第2コントロール標識からの光学シグナルを、前記固定化された第1および第2標識からの光学シグナルと比較し、前記標識に基づく誤差が存在するかどうかを判定する工程をさらに含んでもよい。本明細書中で使用する「標識に基づく誤差」とは、前記標識に起因する、異なる標識を前記方法に使用した場合には生じないと思われるあらゆる誤差を意味する。いくつかの実施形態では、前記第1標識と前記第2コントロール標識が同一であり、前記第2標識と前記第1コントロール標識が同一である。
単一標識を識別する方法として、退色を使用してもよい。読み出しにおいて重要な要素は、個々の標識が「分解可能」、すなわち、明確に異なる(distinct)ということである。このことは、標識が近接する可能性が極めて低い、低密度の表面においては重要ではない。より高密度の場合には、標識がランダムに配置される(すなわち、ポワソン分布(Poissonian))と仮定すると、標識同士が近接する可能性は高くなり、有意数の標識が他の標識を近傍に有し、前記他の標識の蛍光発光が、部分的(または完全に)にこれらの標識の発光と重なる。この時点で、前記標識はもはや「分解可能」ではなく、単一標識検出(すなわち、デジタル検出)と、多数の分子の平均シグナルを測定する従来のマルチ標識アレイ型検出(例えば、アナログ式検出)間の移行レジームはここに存在する。別の言い方をすれば、個々の分子のデジタル計数レジームが、多数の分子の平均蛍光強度を計数するアナログレジームに切り替わる。
個々の分解能を維持しつつ、搭載範囲を向上させるための解決策の1つとして、蛍光色素分子の退色を利用することが挙げられる。露光時間を延長することで、標識を退色させる、すなわち、これらの標識の蛍光特性を消失させ得る。すなわち、標識を、時間経過と共に、徐々に消光させ得る。これは、通常、階段関数的に起こり、前記標識は、「スイッチオフ」されたように見える。本発明は、この退色挙動を使用して、回折限界結像では見かけ上は同様である場合がある2つ以上標識から、1つの標識を見分けてもよい。複数の標識に関しては、消光は、シグナル強度の一連の段階的な減少を介して起こると考えられる。例えば、図4〜13に、各種Alexa488標識に関して得た、積分標識強度対時間(退色事象を強度変化として示す)のグラフを示す。単一標識種と、複数標識種を、(例えば、これらグラフに示すように、光学シグナル強度の減少が、一段階で起こるか、複数段階で起こるかによって)容易に区別し得る。
別の態様では、本明細書に記載の方法は、標識交換または色素交換による、計数した個数の補正および/または確認を含んでもよい。いくつかの実施形態では、プローブ生成物1および2が標識1および2でそれぞれ標識されている場合、種々の方式の誤差が、これらプローブ生成物の頻度の差のように見える場合がある。例えば、標識1および標識2の比率が1:2の場合、この比率は、実際の頻度の差、(プローブ生成物2が、プローブ生成物1の2倍の頻度で存在する)、ハイブリダイゼーション効率の差(両プローブ生成物の存在量は同じであるが、プローブ生成物2は、プローブ生成物1に比べ、より効率良くハイブリダイズする)、または前記標識の特性の差(例えば、前記標識が蛍光色素の場合、標識1は、標識2と比べ、より早く退色し、より頻繁に点滅し、より低いシグナルまたはより低いシグナル対ノイズを示す)によって生じたものであると考えられる。前記標識を交換して同一の実験を繰り返した場合、前記分子の頻度が実際に異なるのであれば、標識1は標識2の2倍の頻度で存在することとなり、前記比率は逆転するはずである。しかしながら、ハイブリダイゼーション効率の差によって生じた比率である場合には、前記比率は、≦2:1となるはずである。前記1:2の比率が前記標識の特性に起因する場合、これらの標識が実際に同じ頻度で存在するのであれば、標識1:標識2の比率は、2:1と入れ替わる。このアプローチは、任意の個数の標識プローブセットに応用できる。
いくつかの実施形態では、前記第1対象核酸領域が、第1染色体上にあり、前記第2対象核酸領域が、前記第1染色体とは異なる第2染色体上にある。前記計数工程は、前記計数を確認する工程をさらに含んでもよく、前記確認工程は、第1コントロール標識プローブおよび第1コントロールタグプローブを含む第1コントロールプローブセットと、第2コントロール標識プローブおよび前記第2コントロールタグプローブを含む第2コントロールプローブセットとを、前記遺伝子試料に接触させる工程を含む。前記確認工程は、前記第1および第2コントロールプローブセットの少なくとも一部を、前記第1および第2染色体上における、前記第1および第2対象核酸領域とは異なる第1および第2コントロール領域にそれぞれハイブリダイズさせる工程をさらに含んでもよい。前記確認工程は、少なくとも(i)前記第1コントロール標識プローブと前記第1コントロールタグプローブ、(ii)前記第2コントロール標識プローブと前記第2コントロールタグプローブとをライゲーションすることにより、前記第1および第2コントロールプローブセットをライゲーションする工程をさらに含んでもよい。前記確認工程は、前記ライゲーションされたプローブセットを増幅する工程をさらに含んでもよい。前記確認工程は、(i)前記第1プローブセットおよび前記第2コントロールプローブセットを第1所定位置に、(ii)前記第2プローブセットおよび前記第1コントロールプローブセットを第2所定位置に固定化する工程をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記確認工程は、前記固定化されたタグプローブにライゲーションされた、前記第1および第2コントロール標識プローブおよび/またはこれらを増幅した増幅標識プローブが、第1および第2コントロール標識をそれぞれ含み、前記第1標識と前記第2コントロール標識とが、異なる標識であり、前記第2標識と前記第1コントロール標識とが、異なる標識であり、前記固定化された標識が、光学的に分解可能であり、前記固定化された第1および第2コントロールタグプローブおよび/またはこれらを増幅した増幅タグプローブが、第1および第2コントロールタグをそれぞれ含み、および前記固定化工程が、前記タグを前記所定位置に固定化することによって実施される工程をさらに含んでもよい。前記確認工程は、前記基板に固定化された前記コントロール標識からの光学シグナルを測定する工程をさらに含んでもよい。前記確認工程は、前記固定化された第1および第2コントロール標識からの光学シグナルを、前記固定化された第1および第2標識からの光学シグナルと比較し、前記対象核酸領域に基づく誤差が存在するかどうかを判定する工程をさらに含んでもよい。さらに別の実施形態では、前記第1タグと前記第2コントロールタグが同一であり、前記第2タグと前記第1コントロールタグが同一である。
別の態様では、本明細書に記載の方法の計数工程は、前記計数した個数を、下記(i)および(ii)によって補正および/または確認することをさらに含んでもよい:(i)本明細書に記載の方法における一部または全ての工程(例えば、前記接触、結合、ハイブリダイゼーション、ライゲーション、増幅、および/または固定化を含む工程)を、同一のヌクレオチドおよび/または対象ペプチド領域、あるいは同一の対象染色体上の異なる領域に結合および/またはハイブリダイズするよう構成された異なるプローブセットを用いて繰り返すこと、および(ii)前記同一のヌクレオチドおよび/または対象ペプチド領域、あるいは同一の対象染色体に結合および/またはハイブリダイズした前記プローブセットにおける標識の計数個数を平均化すること。いくつかの実施形態では、前記平均化工程を前記比較工程の前に行い、前記個々のプローブセットにおける標識の計数個数の代わりに、同一のヌクレオチドおよび/またはペプチド対象領域に結合および/またはハイブリダイズした異なるプローブセット群における標識の計数個数の平均値を比較してもよい。別の態様では、本明細書に記載の方法は、前記遺伝的変異の検出結果を、下記(i)および(ii)によって補正および/または確認することをさらに含んでもよい:(i)本明細書に記載の方法における一部または全ての工程(例えば、前記接触、結合、ハイブリダイゼーション、ライゲーション、増幅、固定化、および/または計数を含む工程)を、既知の遺伝的変異を有していないコントロール領域に結合および/またはハイブリダイズするよう構成された異なるプローブセットを用いて繰り返すこと、および(ii)前記コントロール領域に結合および/またはハイブリダイズさせた前記プローブセットにおける標識の計数個数を平均化すること。いくつかの実施形態では、コントロール領域に結合および/またはハイブリダイズさせた前記プローブセットにおけ前記標識の平均個数を、本明細書に記載の対象領域に結合および/またはハイブリダイズさせたプローブセットにおける標識の個数と比較し、遺伝子試料における遺伝的変異を確認する。別の態様では、前記補正工程および/または確認工程を、最初の各工程と同時、あるいは最初の各工程の実行後に繰り返してもよい。
別の態様では、1以上の標識群における標識(例えば、蛍光色素)を、これら標識が有するスペクトル特性に基づき、測定および/または識別してもよい。蛍光画像化システムのほとんどが、複数のスペクトルチャネルにおける画像収集という選択肢を含むが、これは、光源およびスペクトル励起/発光/ダイクロイックフィルタの組合せによって制御される。これにより、所与の試料上の同一の蛍光種を、複数の異なる入力光の色帯を用いて調べること、ならびに所望の出力光の色帯を取り込むことが可能となる。通常の操作では、蛍光色素分子の励起は、その種の吸収極大と整合させた狭いスペクトル帯での照射によってなされ(例えば、広帯域LEDもしくはアーク灯と、スペクトル的に出力を成形する励起フィルターを併用するか、またはスペクトル的に均質なレーザーを使用する)、前記蛍光色素分子からの発光の大部分を、適した発光用フィルターおよびロングパスダイクロイックを用いて集光し、励起および発光を差異化する(図14)。これに代わる操作では、蛍光部分に固有の識別性を、種々の励起色および標準的な操作の場合とは異なる(または、これらに加えて)収集された発光帯を用いた調査によって確認してもよい(図15)。これら種々の画像化構造(例えば、種々の発光用フィルター)からの光を集光し、前記対象の蛍光色素分子に関する補正値と比較する(図16)。この例の場合、実験で得た測定値(ドット)は、期待されたその蛍光色素分子に対する補正/参照用データの値(三角)と一致しているが、対立仮説(正方形)とはあまり整合していない。1以上のチャネルに関する所与の検査および補正データを考慮し、適合度、またはカイ二乗を、各仮説補正用スペクトルについて算出し、最も適合するものを、自動的かつロバストな方法で選択してもよい。前記システムに使用される蛍光色素分子、ならびに一般的な蛍光性夾雑物(例えば、フラットな発光プロファイル(夾雑物1;三角)または青色を重み付けした(blue−weighted)プロファイル(夾雑物2;星形)(図17)を有するもの)を含む、種々の参照データを対象としてもよい。
フィルター選択に関する設計上の制約は、他のチャネルによる有意な影響を回避しつつ、単一チャネルでの集光を単純に最大化することを目的とする標準的な設計のものとは異なり得る。本発明の目的は、単なる集光ではなく、スペクトルの選択性である。例えば、図18に示すような、有意に異なる励起帯を有する2つの蛍光色素分子について検討する(図18は、励起領域のみを示したものであり、励起スペクトルは示していない)。標準的な設計では、蛍光体1の発光の捕捉(Em1フィルターを用いて捕捉、実線)が最大化され、蛍光体2の漏れ込み(leading edge)の捕捉は最小限に抑えられ、よって、蛍光体2は、Em2(蛍光体1からの有意な集光を回避するため、若干レッドシフトさせている)によって最適に捕捉される。本発明の設計では、Em1フィルターによって蛍光体2の存在を検証することが所望されるが、これにより、捕捉される帯域が拡大される(「Em1+」、細かい破線)。これにより、蛍光体2の識別性を検証するための追加情報が生成される。同様に、Em2を拡大または蛍光体1側にシフトさせ、蛍光体からの光をより多く捕捉するようにしてもよい(Em2+、細かい破線)。検出能を維持するため、このスペクトル情報の増加は、所与の蛍光色素分子からの全有効光と釣り合いがとれていなければならない。別の言い方をすれば、所与のチャネルにおける所与の蛍光色素分子の働きは、ネガティブコントロールを意図していない限り、前記対応するシグナルがバックグラウンドノイズを上回る場合にのみ有意であり、有用な情報となる。このようにして、蛍光物(fluorescent entity)のスペクトルシグネチャーをロバストな同定のために使用してもよく、種固有の特徴がより効果的に定量化できれば、より多くの光を捕捉することは2番目の優先事項である。
所与のプローブ生成物を2種類以上の蛍光色素分子で標識し、より複雑なスペクトルシグネチャーとしてもよい。例えば、プローブ生成物は、汎用蛍光体(例えば、Alexa647)および遺伝子座特異的な蛍光色素分子(例えば、遺伝子座1にはAlexa555、遺伝子座2にはAlexa594)を常に担持してもよい。夾雑物が2つの蛍光体のシグネチャーを生じることはまずないため、この構成により、夾雑物拒絶の信頼度をさらに向上し得る。この構成の実現のため、この例では、3つ以上のチャネルを画像化し、実測値と参照値を比較する上述の適合度検定により各蛍光体の有無を確認し、遺伝子座1、遺伝子座2、または遺伝子座生成物以外のコールを生じさせてもよい。余分な蛍光体を追加すれば、集光できる光の量が増えるため、蛍光体の同定の助けとなるが、これは、適切に形成されたアッセイ産物の収率および総画像化時間(余分なチャネルが必要となる場合がある)を犠牲にして得られるものである。他のスペクトル調整器を使用し、スペクトル情報および固有性を増加してもよい。前記スペクトル調整器としては、近接位置または他の部位にある場合に色をシフトさせるFRETペアが挙げられる。
別の態様では、本開示の方法は、本明細書に記載の通り、ペプチドまたはタンパク質における遺伝的変異を検出するために使用してもよい。このような場合、前記方法は、第1標識プローブおよび第1タグプローブを含む第1プローブセットと、第2標識プローブおよび第2タグプローブを含む第2プローブセットとを、前記遺伝子試料に接触させる工程を含んでもよい。前記方法は、核酸分子における遺伝的変異を検出する場合に用いられる本明細書に記載のハイブリダイゼーション工程の代わりに、前記プローブセットを、対象のペプチド領域に物理的または化学的な結合によって結合させる工程をさらに含んでもよい。具体的には、前記方法は、前記第1および第2プローブセットの少なくとも一部を、前記遺伝子試料のタンパク質のペプチドにおける第1および第2対象ペプチド領域に、それぞれ結合させることをさらに含んでもよい。例えば、前記結合工程は、前記ペプチド対象領域に特異的に結合する前記プローブセットにおける少なくとも一方のプローブがバインダーを備えることにより実施し得る。
いくつかの実施形態では、ペプチドまたはタンパク質における遺伝的変異の検出方法は、核酸分子における遺伝的変異を検出する場合に用いられる本明細書に記載のライゲーション工程の代わりに、少なくとも前記第1標識プローブと前記第1タグプローブとをコンジュゲートすることにより、前記第1プローブセットを化学結合によりコンジュゲートする工程、ならびに、少なくとも前記第2標識プローブと前記第2タグプローブとをコンジュゲートすることにより、前記第2プローブセットコンジュゲートする工程をさらに含んでもよい。前記方法は、本明細書に記載のように、前記第1および第2タグプローブを基板上の所定位置に固定化する工程をさらに含んでもよい。追加の実施形態では、前記固定化された第1および第2タグプローブにコンジュゲートされた前記第1および第2標識プローブは、第1および第2標識をそれぞれ含み;前記第1標識と前記第2標識とが、異なる標識であり;前記固定化された第1および第2標識が、光学的に分解可能であり;前記固定化された第1および第2タグプローブおよび/またはこれらを増幅した増幅タグプローブが、第1および第2タグをそれぞれ含み;前記固定化工程が、前記第1および第2タグを前記所定位置に固定化することによって実施される工程である。前記方法は、本明細書に記載のように、(i)前記基板に固定化された前記第1標識の個数である第1の個数および(ii)前記基板に固定化された前記第2標識の個数である第2の個数を計数する工程、ならびに、前記第1および第2の個数を比較し、前記遺伝子試料における遺伝的変異を判定する工程をさらに含んでもよい。
本明細書に記載の方法により遺伝的変異を検出するためのシステムは、種々の構成要素を含む。構成要素のいくつかは、未処理の生体試料を使いやすい分析対象物へと変換することを含む。そして、この分析対象物を検出し、データを生成し、次いで、生成されたデータをレポートへと加工する。前記システムに装備される可能性がある種々のモジュールを、図19に示す。種々のデータ解析法(例えば、画像処理を含む)の詳細を、図20に示す。解析はコンピュータ上で行ってもよく、前記データを生成するデバイスに接続されたネットワーク、ならびにデータおよびレポートを保存するためのデータサーバの両方を伴ってもよい。前記分析対象物データの他に、追加の情報(例えば、母体年齢または予めわかっているリスク)を、最終レポートに任意で組み込んでもよい。いくつかの実施形態では、検査システムは一連のモジュールを備え、これらモジュールのうち、いくつかは任意であるか、あるいは先行のモジュールによって得られた結果に応じて繰り返してもよい。前記検査は、下記(1)〜(8)を含んでもよい:(1)例えば、発注元である臨床医または医師からの依頼を受ける、(2)患者試料を受け取る、(3)前記試料に対して品質管理を含むアッセイを行い、適切な画像化用基板上にアッセイ産物を生じさせる(例えば、本明細書に記載のような、試料へのプローブの接触、結合、および/またはハイブリダイゼーション、前記プローブのライゲーション、前記ライゲーションされたプローブの任意の増幅、および前記プローブの基板への固定化)、(4)1以上のスペクトルチャネルにおける前記基板の画像化、(5)画像データの解析、(6)統計計算の実施(例えば、前記第1および第2の個数を比較し、前記遺伝子試料における遺伝的変異を判定する)、(7)臨床レポートの作成および承認、(8)前記発注元である臨床医または医師に前記レポートを送る。前記検査システムは、下記モジュールを含んでもよい:例えば、発注元である臨床医または医師からの依頼を受けるよう構成されたモジュール、患者試料を受け取るよう構成されたモジュール、(3)前記試料に対し、品質管理を含むアッセイを行い、適切な画像化用基板上にアッセイ産物を生じさせるよう構成されたモジュール、(4)1以上のスペクトルチャネルにおける前記基板の画像化を行うよう構成されたモジュール、(5)前記画像データを解析するよう構成されたモジュール、(6)統計計算を実施するよう構成されたモジュール、(7)臨床レポートの作成および確認を行うよう構成されたモジュール、および/または(8)前記発注元である臨床医または医師に前記レポートを送るよう構成されたモジュール。
一態様では、本明細書に記載のアッセイおよび方法は、単一の入力試料に対して同時に行ってもよい。例えば、前記方法は、本明細書に記載の最小閾値以上の胎児ゲノム分子の存在を検証すること、次いで、前記最小閾値の条件を満たしている場合かつその場合に限り、前記標的のコピー数状態を推定する工程を含んでもよい。したがって、胎児画分の算出を実施するための前記入力試料に対するアリル特異的アッセイ、ならびに、前記コピー数状態をコンピュータで計算するためのゲノム標的アッセイを、別々に行ってもよい。他の実施形態では、本明細書に記載の複数のアッセイおよび方法の両方を、同一の試料に対して並行に、同一の流体体積で同時に行ってもよい。さらなる品質管理アッセイを、同一の汎用アッセイ処理工程と並行して行ってもよい。基板に固定化されるプローブ生成物、ライゲーションされたプローブセット、または標識された分子におけるタグ、アフィニティータグ、および/またはタグプローブは、あらゆるアッセイおよびあらゆるアッセイ産物について固有の設計としてもよく、前記並行アッセイの全産物を、前記画像化用基板上の物理的に異なる位置で局在化、画像化、および定量化してもよい。別の態様では、同一プローブの使用および/または同一遺伝的変異もしくはコントロールの検出を伴う本明細書に記載の同一のアッセイまたは方法(または、それらの工程の一部)を、本明細書に記載の同一または異なるモジュール(例えば、検査用チューブ)のいずれかにおいて、複数の試料に対して同時に行ってもよい。別の態様では、異なるプローブの使用および/または異なる遺伝的変異もしくはコントロールの検出を伴う本明細書に記載のアッセイおよび方法(または、それらの工程の一部)を、同一または異なるモジュール(例えば、検査用チューブ)のいずれかにおいて、単一または複数の試料に対して同時に行ってもよい。
別の態様では、画像解析は、画像の前処理、前記標識を識別するための画像分割、前記標識の品質のキャラクタリゼーション、品質に基づく検出された標識群のふるい分け、および前記画像データの性質に応じた統計計算の実施を含んでもよい。いくつかの例(アリル特異的なアッセイを実施し画像化する場合等)では、胎児画分をコンピュータで計算してもよい。他の例(ゲノム標的アッセイおよび画像化等)では、2つの標的ゲノム領域間の相対的なコピー数状態をコンピュータで計算する。画像データの解析は、画像取得を制御しているものと同一のコンピュータ上でリアルタイムに行ってもよいし、あるいはネットワーク接続されたコンピュータ上で行い、解析の結果を前記検査ワークフローの決定木に、略リアルタイムに取り込んでもよい。
別の態様では、上述の検査における工程(4)および(5)を、前記画像化用基板の異なる部分に関して複数回繰り返し、その結果によって次の工程を決めてもよい。例えば、本明細書に記載の検査および方法は、ゲノム標的の相対的なコピー数状態を検査する前に、被検体から得た遺伝子試料における胎児の試料の存在および正確なレベルを確認することを含む。本明細書に記載のように、アリル感受性アッセイを使用し、母系DNAに対する胎児DNAのレベルを定量化してもよい。得られたプローブ生成物を、前記基板上の胎児画分領域1にプルダウンし、画像化してもよい。いくつかの実施形態では、前記算出された胎児画分が必要最小システム要件を上回る場合かつその場合に限り、前記検査を続行し、有効な結果を得てもよい。このようにして、少なくとも前記最小限の入力胎児画分が確認できなかった試料の検査については、さらに画像化および解析が行われる前に終了してもよい。反対に、前記胎児画分が前記最小閾値を上回っていれば、前記ゲノム標的(例えば、第21染色体、第18染色体、または第13染色体)のさらなる画像化(前記検査の工程4)を行い、これに続いてさらに解析(前記検査の工程5)を行えばよい。他の判断基準を使用し、検査してもよい。
別の態様では、前記アリル特異的なアッセイにおいてプローブ検査した全てのSNPが、有用な情報となるわけではない。例えば、前記母系ゲノム物質は、所与のSNP(例えば、アリルペアAB)についてヘテロ接合性アリルを有している場合があり、前記胎児由来物質もまた、前記部位においてヘテロ接合性(例えば、AB)である場合がある。したがって、前記胎児由来物質は区別不可能であり、前記胎児画分の算出は成功しない。しかしながら、同一入力試料に関する他のSNP部位では、前記母系物質がやはりヘテロ接合性(例えば、AB)であっても、前記胎児由来物質はホモ接合性(例えば、AA)である場合がある。本例では、前記アリル特異的なアッセイでは、胎児DNAの存在により、BよりもAが若干多く計数されるので、ここから前記胎児画分を算出し得る。所与の試料に関し、SNPプロファイル(すなわち、遺伝子型)は先験的に知ることができないため、考えられるほぼ全ての試料から参考情報となるSNP部位が得られるよう、複数または多数のSNP部位を設計すべきである。各SNP部位は、例えば、各SNPに対して異なるタグを使用することにより、前記画像化用基板上の物理的に異なる位置に局在化し得る。しかしながら、所与の検査に関しては、前記胎児画分が一回しかうまく算出できない場合がある。したがって、SNPの調査に使用する前記基板上の1以上の位置(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、10個、20個、50個以下および/または1個、2個、3個、4個、5個、10個、20個、50個以上の群)を、参考情報となるSNPが検出されるまで、画像化して分析してもよい。画像化および解析を交互に行うことにより、考えられるあらゆるSNPスポットを画像化することが回避され、かつ、正確度とロバスト性を維持しつつも、平均検査時間を有意に短縮し得る。
別の態様では、前記試料の胎児画分の判定は、試料中の胎児画分の割合が不十分な場合に検査を終了させること以外の、前記システムの他の態様にも役立つ。例えば、前記胎児画分の割合が高ければ(例えば、20%)、所与の統計的検出力のために要求される遺伝的標的(例えば、第21染色体)あたりのカウント数は低くなる。前記胎児画分の割合が低ければ(例えば、1%)、統計的検出力が同一であれば、同一の統計的有意性を達成するために要求されるゲノム標的あたりの個数は非常に多くなる。したがって、(4−1)前記胎児画分領域1の画像化の後に、(5−1)これらデータの解析し、これによるゲノム標的あたりの所要計数スループットを決定する工程を行い、(4−2)ゲノム標的領域2の画像化を前記所要スループットで開始し、これに続いて、(5−2)これら画像データおよび前記入力標的のゲノム変異の検査結果の解析を行う。
別の態様では、上述の検査の工程(4)および(5)を、さらに品質管理(画像化用基板上の蛍光体のバックグラウンドレベルの判定、汚染部位、ポジティブコントロール、または即時検査ではわからないコピー数変異のその他の原因(例えば、母体または胎児における癌、胎児におけるキメラ現象、双子化(twinning)を含む)の目的で繰り返してもよい。画像解析はリアルタイムで行ってもよく、また、(DNA配列決定法とは異なり)結果が生成されるまでに全画像化動作が完了している必要がないため、中間結果によって決定木の次の工程を決め、前記検査を個々の試料に理想的な性能に特化してもよい。品質管理は、以下の事項の確認を含んでもよい:試料が許容可能な品質であること、および存在していること;前記画像化用基板が適切に構成されていること;アッセイ産物が存在していること、および/または、正しい濃度または密度であること;異物混入が許容可能なレベルであること;画像化機器が動作可能であること;解析により適切な結果が生成され、これらの結果が全て、臨床チームの検討用の最終検査レポートに反映されていること。
別の態様では、上述の検査が、以下に挙げる工程の1以上を含む:(1)(例えば、発注元である臨床医または医師から)の依頼を受ける、(2)患者試料を受け取る、(3)前記試料に対しアッセイ(アリル特異的な部分、ゲノム標的な部分、および品質管理を含む)を行い、アッセイ産物を含む画像化用基板を生じさせる、(4−1)1以上のスペクトルチャネルにおいて、前記基板のアリル特異的領域を画像化する、(5−1)アリル特異的な画像データを解析し、胎児画分(十分かどうかは未決の胎児画分)をコンピュータで計算する、(4−2)1以上のスペクトルチャネルにおいて、前記基板のゲノム標的領域の画像化を行う、(5−2)ゲノム標的領域の画像データを解析し、ゲノム標的のコピー数状態をコンピュータで計算する、(4−3)1以上スペクトルチャネルにおいて、前記基板の品質管理領域を画像化する、(5−3)品質管理画像データを解析し、検査の有効性の確認および立証をコンピュータにより行う、(6)統計計算を行う、(7)臨床レポートの作成および承認、および(8)前記発注元である臨床医または医師に前記レポートを送る。
以下、種々の例示的な実施形態について、図面を参照して説明する。
図21は、2つの遺伝子座のゲノムコピー数を定量するためのアッセイの実施態様を示す。前記アッセイのこの実施形態では、105および106が標的分子である。105は、コピー数を調べる第1の遺伝子座である「遺伝子座1」(例えば、第21染色体)に対応する配列を含む。106は、コピー数を調べる第2の遺伝子座である「遺伝子座2」(例えば、第18染色体)に対応する配列を含む。図21は、遺伝子座あたり1つのプローブセットを使用する例を示しているが、このアッセイのいくつかの実施形態では、プローブセットを複数設計し、一遺伝子座内の複数の領域を分析する。例えば、第21染色体に対応するプローブセットとして、10個を超えるプローブセット、100個を超えるプローブセット、または500個を超えるプローブセットを設計してもよい。図21では、各遺伝子座に対して1つのプローブセットのみを示しているが、各遺伝子座に対して複数のプローブセットを使用する態様もまた、本発明の範囲内であることは重要である。図21は、標的分子とプローブセット間における単一のハイブリダイゼーション事象を示している。実際には、分析試料中には複数の標的分子が存在する。多くの標的分子が、プローブセットへのハイブリダイゼーションやプローブ生成物の形成に必要な配列を含んでいる。ある種の標的分子には遺伝子多型が存在するため、異なる標的分子がプローブセットにハイブリダイズされる場合がある。さらに、ゲノムDNAから生じる標的分子は、任意の組合せの分子サイズ、ならびに、各種の開始配列および終了配列(beginning and ending sequences)を有する場合がある。つまり、所与のプローブセットにハイブリダイズし得る標的分子が、複数存在する。1回のアッセイにおいて、所与のプローブセットのコピーを複数添加する。したがって、1回のアッセイで、数千、数十万、または数百万個にも及ぶ特異的なプローブ生成物が形成され得る。
図21は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示している。ただし、上述の通り、複数のプローブセットを各遺伝子座用に設計してもよい。第1プローブセットは、メンバープローブ101、102、103を含む。構成要素101は、タイプ「A」の標識(100)を含む。構成要素103は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(104)を含む。102は、修飾物(標識またはバーコード等)を含まなくてもよい。メンバープローブ108、109、110を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。ただし、108は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(107)を含む。構成要素110は、アフィニティータグ(111)を含み、アフィニティータグ111は、アフィニティータグ104と同一でもよいし、固有のものであってもよい。多数のプローブセットを、「遺伝子座1」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「A」を有するように設計してもよい。同様に、多数のプローブセットを、「遺伝子座2」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「B」を有するように設計してもよい。この実施形態では、前記多数の遺伝子座1用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよく、また、前記多数の遺伝子座2用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよい。
1以上のプローブセットを、1つの容器内の標的分子に添加し、配列特異的なハイブリダイゼーション条件で処理する。
前記各プローブセットについて、前記3つのプローブ(例えば、101、102、103)を前記標的分子(105)にハイブリダイズさせ(または、同様のプローブ−標的間相互作用によって結合させ)、前記標的分子上で前記プローブ間にギャップがない状態とする。すなわち、前記プローブセットにおける各プローブは、互いに隣り合い、ライゲーション可能(ligation competent)な状態にある。
ハイブリダイズさせた前記プローブにリガーゼを添加し、標準的なリガーゼ条件で処理する。前記ライゲーションされたプローブにより、プローブ生成物が形成される。遺伝子座1から生じるプローブ生成物は、全て(もしくは大部分が)、タイプ「A」の標識を有する。遺伝子座2から生じるプローブ生成物は、全て、タイプ「B」の標識を有する。前記遺伝子座1および2に対応するプローブ生成物の定量化は、標識「A」および「B」を用いて行われる。
いくつかの実施形態では、前記プローブ生成物は、これらに含まれるアフィニティータグを用いて基板上に固定化される。例えば、前記アフィニティータグがDNA配列の場合、前記プローブ生成物は、後で実施される画像化に適した密度のDNA捕捉アレイの領域にハイブリダイズしてもよい。
いくつかの実施形態では、アフィニティータグ104および111は、1以上の位置への表面ベースの位置決めを可能にする、固有の独立した配列を含む。前記1以上の位置は、ハイブリッド形成体間で共用させても、させなくともよい。図47および図48は、生成物が固有のアフィニティータグ配列を含み、かつ、その下の基板が、前記固有のアフィニティータグのそれぞれに対する相補体を前記基板上の同一領域(例えば、アレイの同一メンバー)内に含む場合に得られる蛍光パターンを示している。これらの画像は、基板の同一領域を示すものである。ただし、図47は、Cy3標識(第18染色体生成物に共有結合)を示し、図48は、Alexa Fluor 647標識(第21染色体生成物に共有結合)を示す。後述の他のアッセイの実施形態でも、同様のパターンが生成され得る。
別の実施形態では、アフィニティータグ104および111は、基板上の同一領域(例えば、アレイの同一メンバー)への表面ベースの位置決めを可能にする同一の配列を含む。すなわち、異なる生成物が、同一の結合部位への結合を競う。図49および図51は、異なる生成物が同一のアフィニティータグ配列を含み、かつ、その下の基板が、前記アフィニティータグに対する相補体を含む場合に得られる蛍光パターンを示している。これらの画像は、基板上の同一位置を示すものである。ただし、図49は、Cy3標識(第18染色体生成物に共有結合)を示し、図51は、Alexa Fluor 647標識(第21染色体生成物に共有結合)を示す。図50および図52は、それぞれ、図49および図51に示す領域を拡大したものであり、単分子分解能(single−molecule resolution)、ならびに個々に区別可能な標識が、はっきりと示されている。後述の他のアッセイの実施形態でも、同様のパターンが生成され得る。
別の実施形態では、アフィニティータグ104および111は、基板上の2以上の位置への表面ベースの位置決めを可能にする、固有の独立した配列を含む。図53および図54は、生成物が固有のアフィニティータグ配列を含み、かつ、その下の基板が、一方のアフィニティータグ相補体に対する相補体を含む一領域と、他方のアフィニティータグに対する相補体を含む、別の離れた一領域を有する場合に得られる蛍光パターンを示している。これらの画像は、基板上の2つの別個の領域を示すものであり、先に述べたように、各領域は、単一のアフィニティータグ相補体を含む。図53は、Cy3標識(第21染色体生成物に共有結合)を示し、図54は、Alexa Fluor 647標識(第18染色体生成物に共有結合)を示す。後述の他のアッセイの実施形態でも、同様のパターンが生成され得る。
いくつかの実施形態における本発明の特徴の一つは、プローブ生成物の形成、捕捉、検出を問題なく行うためには、うまくライゲーションされることが必要な複数の隣接プローブの組合せにより、特異性を実現することである。何らかの理由でプローブ生成物がうまく形成されなかった場合には、これを単離すること、あるいは、アフィニティータグを使用してこれを濃縮し、検出することはできない。例えば、プローブ101がプローブ102にうまくライゲーションされなかった場合、得られた生成物を検出することはできない。同様に、プローブ103がプローブ102にうまくライゲーションされなかった場合、得られた生成物を単離すること、またはアフィニティータグを使用して濃縮することはできない。
プローブセットに含まれる全プローブの標的分子へのハイブリダイゼーション、ならびに、これら全プローブのライゲーションがうまく行われることを必要条件とすることで、高い特異性が得られ、クロスハイブリダイゼーションの問題が大幅に低減され、よって、偽陽性シグナルも大幅に低減する。
このアッセイでは、配列特異的なハイブリダイゼーションおよびライゲーションにより、特異性を実現する。好ましい実施形態では、プローブ生成物形成の特異性は、プローブ生成物の単離または濃縮(例えば、表面または他の固体基板への固定化)の前に、反応容器内で生じる。これにより、標準的な表面ベースのハイブリダイゼーション(例えば、ゲノムマイクロアレイ)における課題、すなわち、特異性は、長い(40bpを上回る)オリゴヌクレオチド配列(例えば、AgilentアレイおよびAffymetrixアレイ)とのハイブリダイゼーションによってしか、完全には達成されないという課題が回避される。
アフィニティータグを使用すれば、前記プローブ生成物を基板上に固定化することができ、よって、余分な未結合プローブを、標準的な方法で洗い流すこと、あるいは、標準的な方法で除去することが可能となる。したがって、前記表面上の前記標識の全てまたは大部分が、前記表面に固定化された、特異的に形成されたプローブ生成物の一部をなしている。
いくつかの実施形態における本発明の特徴の一つは、表面捕捉が、正確度に影響を与えないということである。すなわち、表面捕捉によって、いかなる偏りも生じない。一例として、異なる遺伝子座用のプローブセットに同一のアフィニティータグを用い、それぞれの遺伝子座を標的とするプローブセットが、互いに異なる標識を有する場合を考える。両遺伝子座から生じるプローブ生成物は、同一のアフィニティータグを用いて、基板上の同じ位置に固定化し得る。すなわち、遺伝子座1および遺伝子座2から生じるプローブ生成物は、同じ効率で捕捉され、遺伝子座特異的な偏りは生じない。
いくつかの実施形態では、表面捕捉の前に、未結合プローブおよび/または未結合標的分子の一部または全てを、標準的な方法を用いて除去する。これにより、表面捕捉時における、未結合プローブおよび/または未結合標的分子とプローブ生成物との干渉を低減できる。
いくつかの実施形態における本発明の特徴の一つは、複数種類のアフィニティータグを、基板の同一領域(例えば、同一のアレイスポットまたはアレイの同一メンバー)に配置し得るということである。この態様は、コントロールまたは補正マーカーの配置を含む、多くの利点を有する。図22〜図46は、本発明のさらに別の例示的な実施形態を示す。これらの図は、可能な実施形態を全て示しているわけではなく、このアッセイのその他のあらゆる変形例が、本発明の一部として含まれる。さらに、図21に示す実施形態の特徴は全て、本願に記載のアッセイの、その他あらゆる追加の実施形態に適用可能である。
図22は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図22は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示す。ただし、上述の通り、複数のプローブセットを各遺伝子座用に設計してもよい。207および214は、遺伝子座1および遺伝子座2にそれぞれ対応する標的分子である。第1プローブセットは、メンバープローブ202、204、206を含む。202は、タイプ「A」の標識(201)を含む。206は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(205)を含む。メンバープローブ209、211、231を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。ただし、209は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(208)を含む。213は、アフィニティータグ(212)を含み、アフィニティータグ212は、アフィニティータグ205と同一でもよいし、固有のものであってもよい。多数のプローブセットを、「遺伝子座1」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「A」を有するように設計してもよい。同様に、多数のプローブセットを、「遺伝子座2」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「B」を有するように設計してもよい。この実施形態では、前記多数の遺伝子座1用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであっても、同一および固有のアフィニティータグが混在していてもよく、また、前記多数の遺伝子座2用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであっても、同一および固有のアフィニティータグが混在していてもよい。この実施形態では、前記プローブ204および211は、タイプ「C」の標識(203、210)を1以上含んでもよい。したがって、プローブ生成物には、これら標識の組合せが含まれる。遺伝子座1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、遺伝子座2からのプローブ生成物は、タイプ「B」およびタイプ「C」の標識を含む。
図23は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図23は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示す。ただし、上述の通り、複数のプローブセットを各遺伝子座用に設計してもよい。307および314は、遺伝子座1および遺伝子座2にそれぞれ対応する標的分子である。第1プローブセットは、メンバープローブ302、303、305を含む。302は、タイプ「A」の標識(301)を含む。305は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(306)を含む。メンバープローブ309、310、312を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。ただし、309は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(308)を含む。312は、アフィニティータグ(313)を含み、アフィニティータグ313は、アフィニティータグ306と同一でもよいし、固有のものであってもよい。多数のプローブセットを、「遺伝子座1」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「A」を有するように設計してもよい。同様に、多数のプローブセットを、「遺伝子座2」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「B」を有するように設計してもよい。この実施形態では、前記多数の遺伝子座1用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよく、また、前記多数の遺伝子座2用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよい。この実施形態では、前記プローブ305および312は、タイプ「C」の標識(304、311)を1以上含む。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。遺伝子座1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、遺伝子座2からのプローブ生成物は、タイプ「B」およびタイプ「C」の標識を含む。
図24は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図24は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示す。ただし、上述の通り、複数のプローブセットを各遺伝子座用に設計してもよい。407および414は、遺伝子座1および遺伝子座2にそれぞれ対応する標的分子である。
第1プローブセットは、メンバープローブ402、405を含む。402は、タイプ「A」の標識(401)を含む。405は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(406)を含む。
メンバープローブ409、412を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。ただし、409は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(408)を含む。412は、アフィニティータグ(413)を含み、アフィニティータグ413は、アフィニティータグ406と同一でもよいし、固有のものであってもよい。多数のプローブセットを、「遺伝子座1」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「A」を有するように設計してもよい。同様に、多数のプローブセットを、「遺伝子座2」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「B」を有するように設計してもよい。この実施形態では、前記多数の遺伝子座1用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよく、また、前記多数の遺伝子座2用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよい。
この実施形態では、プローブ402および405は、遺伝子座1に対応する配列にハイブリダイズするが、前記標的分子上において、ハイブリダイズされたプローブ402および405の間には、1以上のヌクレオチドからなる「ギャップ」が存在する。この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは別の酵素を用いて、402および405を共有結合的に連結する、新たなポリヌクレオチド種(404)を合成してもよい。すなわち、この例で形成されるプローブ生成物は、遺伝子座1に対応する配列を有し、かつ、上述の標識および/またはアフィニティータグを担持する、単一の連続した核酸分子である。さらに、404は、おそらくはタイプ「C」の標識を担持するヌクレオチドを1以上取り込んだ結果として、タイプ「C」の標識を1以上含み得る。この例は、プローブ409および412を含む、遺伝子座2について形成されたプローブ生成物に関してもあてはまる。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。遺伝子座1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、遺伝子座2から生じるプローブ生成物は、タイプ「B」のおよびタイプ「C」の標識を含む。
図25は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図25は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示す。ただし、上述の通り、複数のプローブセットを各遺伝子座用に設計してもよい。505および510は、遺伝子座1および遺伝子座2にそれぞれ対応する標的分子である。第1プローブセットは、メンバープローブ502、503を含む。502は、タイプ「A」の標識(501)を含む。503は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(504)を含む。メンバープローブ507、508を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。ただし、507は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(506)を含む。508は、アフィニティータグ(509)を含み、アフィニティータグ509は、アフィニティータグ504と同一でもよいし、固有のものであってもよい。多数のプローブセットを、「遺伝子座1」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「A」を有するように設計してもよい。同様に、多数のプローブセットを、「遺伝子座2」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「B」を有するように設計してもよい。この実施形態では、前記多数の遺伝子座1用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよく、また、前記多数の遺伝子座2用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよい。
図26は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図26は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示す。ただし、上述の通り、複数のプローブセットを各遺伝子座用に設計してもよい。606および612は、遺伝子座1および遺伝子座2にそれぞれ対応する標的分子である。第1プローブセットは、メンバープローブ602、603を含む。602は、タイプ「A」の標識(601)を含む。603は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(605)を含む。メンバープローブ608、609を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。ただし、608は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(607)を含む。609は、アフィニティータグ(611)を含み、アフィニティータグ611は、アフィニティータグ605と同一でもよいし、固有のものであってもよい。多数のプローブセットを、「遺伝子座1」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「A」を有するように設計してもよい。同様に、多数のプローブセットを、「遺伝子座2」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「B」を有するように設計してもよい。この実施形態では、前記多数の遺伝子座1用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよく、また、前記多数の遺伝子座2用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよい。
この実施形態では、前記プローブ603および609は、タイプ「C」の標識(604、610)を1以上含む。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。遺伝子座1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、遺伝子座2からのプローブ生成物は、タイプ「B」およびタイプ「C」の標識を含む。
図27は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図27は、同一遺伝子座の各種アリルを識別するための2個のプローブセットを示す。例えば、妊娠中の女性から単離したセルフリーDNAの場合には、母系および胎児のアリルを区別するため、あるいは、臓器移植のレシピエントのセルフリーDNAの場合には、ホストとドナーのアリルを区別するためである。図27は、2個のプローブセット(アリル1用のプローブセット1個とアリル2用のプローブセット1個)を示す。706および707は、アリル1およびアリル2にそれぞれ対応する標的分子である。第1プローブセットは、メンバープローブ702、703、704を含む。702は、タイプ「A」の標識(701)を含む。704は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(705)を含む。メンバープローブ709、703、704を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。この実施形態では、703および704は、両プローブセットにおいて同一である。一方、709は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(708)を含む。この実施形態では、702および709は、ほぼ同一の配列を含み、これら配列の違いはヌクレオチド1つのみである。したがって、アリル1およびアリル2の領域にハイブリダイズするよう構成された、これら2個のプローブのハイブリダイゼーション配列は、アリル1(702)およびアリル2(709)に対する相補領域を含む。さらに、702および709の各ハイブリダイゼーションドメインの長さ、ならびにハイブリダイゼーションの実験条件は、プローブ702がアリル1のみにハイブリダイズし、プローブ709がアリル2のみにハイブリダイズするように設定される。この種のアッセイの目的は、試料中のアリル1およびアリル2の頻度を正確に定量化することである。
図28は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図28は、同一遺伝子座の各種アリルを識別するための2個のプローブセットを示す。例えば、妊娠中の女性から単離したセルフリーDNAの場合には、母系および胎児のアリルを区別するため、あるいは、臓器移植のレシピエントのセルフリーDNAの場合には、ホストとドナーのアリルを区別するためである。図28は、2個のプローブセット(アリル1用のプローブセット1個とアリル2用のプローブセット1個)を示す。807および810は、アリル1およびアリル2にそれぞれ対応する標的分子である。第1プローブセットは、メンバープローブ802、804、805を含む。802は、タイプ「A」の標識(801)を含む。805は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(806)を含む。メンバープローブ809、804、805を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。この実施形態では、804および805は、両プローブセットにおいて同一である。一方、809は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(808)を含む。この実施形態では、802および809は、ほぼ同一の配列を含み、これら配列の違いはヌクレオチド1つのみである。したがって、これら2個のプローブのハイブリダイゼーション配列は、アリル1(802)およびアリル2(809)に対する相補領域を含む。さらに、802および809の各ハイブリダイゼーションドメインの長さ、ならびにハイブリダイゼーションの実験条件は、プローブ802がアリル1のみにハイブリダイズし、プローブ809がアリル2のみにハイブリダイズするように設定される。この種のアッセイの目的は、試料中のアリル1およびアリル2の頻度の正確な定量化を可能にすることである。この実施形態では、前記プローブ804が、タイプ「C」の標識(803)を1以上含む。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。アリル1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、アリル2からのプローブ生成物は、タイプ「B」のおよびタイプ「C」の標識を含む。
図29は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図29は、同一遺伝子座の各種アリルを同定するための2個のプローブセットを示す。例えば、妊娠中の女性から単離したセルフリーDNAの場合には、母系および胎児のアリルを区別するため、あるいは、臓器移植のレシピエントのセルフリーDNAの場合には、ホストとドナーのアリルを区別するためである。図29は、2個のプローブセット(アリル1用のプローブセット1個とアリル2用のプローブセット1個)を示す。
907および910は、アリル1およびアリル2にそれぞれ対応する標的分子である。第1プローブセットは、メンバープローブ902、905を含む。902は、タイプ「A」の標識(901)を含む。構成要素905は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(906)を含む。メンバープローブ909、905を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。この実施形態では、905は、両プローブセットにおいて同一である。一方、909は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(908)を含む。この実施形態では、902および909は、ほぼ同一の配列を含み、これら配列の違いはヌクレオチド1つのみである。したがって、これら2個のプローブのハイブリダイゼーション配列は、アリル1(902)、およびアリル2(909)に対する相補領域を含む。さらに、902および909の各ハイブリダイゼーションドメインの長さ、ならびにハイブリダイゼーションの実験条件は、プローブ902がアリル1のみにハイブリダイズし、プローブ909がアリル2のみにハイブリダイズするように設定される。この種のアッセイの目的は、試料中のアリル1およびアリル2の頻度の正確な定量化を可能にすることである。
この実施形態では、プローブ902および905は、アリル1に対応する配列にハイブリダイズし、前記標的分子上でハイブリダイズされたプローブ902および905間に1以上のヌクレオチドからなる「ギャップ」が存在する。この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは別の酵素を用いて、902および905を共有結合的に連結する、新たなポリヌクレオチド種(904)を合成してもよい。すなわち、この例で形成されるプローブ生成物は、アリル1に対応する配列を有し、かつ、上述の標識および/またはアフィニティータグを担持する、単一の連続した核酸分子である。さらに、904は、おそらくはタイプ「C」の標識を担持するヌクレオチドを取り込んだ結果として、タイプ「C」の標識を1以上含み得る。この例は、プローブ909および905を含む、アリル2について形成されたプローブ生成物に関してもあてはまる。
図30は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図30は、同一遺伝子座の各種アリルを同定するための2個のプローブセットを示す。例えば、妊娠中の女性から単離したセルフリーDNAの場合には、母系および胎児のアリルを区別するため、あるいは、臓器移植のレシピエントのセルフリーDNAの場合には、ホストとドナーのアリルを区別するためである。図30は、2個のプローブセット(アリル1用のプローブセット1個とアリル2用のプローブセット1個)を示す。
1006および1007は、アリル1およびアリル2にそれぞれ対応する標的分子である。第1プローブセットは、メンバープローブ1001、1003、1004を含む。1003は、タイプ「A」の標識(1002)を含む。1004は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(1005)を含む。
メンバープローブ1001、1009、1004を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。この実施形態では、1001は、両プローブセットにおいて同一であり、1004は、両プローブセットにおいて同一である。一方、1009は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(1008)を含む。
この実施形態では、1003および1009は、ほぼ同一の配列を含み、これら配列の違いはヌクレオチド1つのみである。したがって、これら2個のプローブのハイブリダイゼーション配列は、アリル1(1003)、およびアリル2(1009)に対する相補領域をそれぞれ含む。さらに、1003および1009の各ハイブリダイゼーションドメインの長さ、ならびにハイブリダイゼーションの実験条件は、プローブ1003がアリル1のみにハイブリダイズし、プローブ1009がアリル2のみにハイブリダイズするように設定される。この種のアッセイの目的は、試料中のアリル1およびアリル2の頻度の正確な定量化を可能にすることである。この実施形態では、前記プローブ1001が、タイプ「C」の標識(1000)を1以上含む。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。アリル1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、アリル2からのプローブ生成物は、タイプ「B」のおよびタイプ「C」の標識を含む。
図31は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図31は、同一遺伝子座の各種アリルを同定するための2個のプローブセットを示す。例えば、妊娠中の女性から単離したセルフリーDNAの場合には、母系および胎児のアリルを区別するため、あるいは、臓器移植のレシピエントのセルフリーDNAの場合には、ホストとドナーのアリルを区別するためである。図31は、2個のプローブセット(アリル1用のプローブセット1個とアリル2用のプローブセット1個)を示す。1104および1105は、アリル1およびアリル2にそれぞれ対応する標的分子である。第1プローブセットは、メンバープローブ1101、1102を含む。1101は、タイプ「A」の標識(1100)を含む。1102は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(1103)を含む。メンバープローブ1107、1102を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。この実施形態では、1102は、両プローブセットにおいて同一である。一方、1107は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(1106)を含む。この実施形態では、1101および1107は、ほぼ同一の配列を含み、これら配列の違いはヌクレオチド1つのみである。したがって、これら2個のプローブのハイブリダイゼーション配列は、アリル1(1101)、およびアリル2(1107)に対する相補領域を含む。さらに、1101および1107の各ハイブリダイゼーションドメインの長さ、ならびにハイブリダイゼーションの実験条件は、プローブ1101がアリル1のみにハイブリダイズし、プローブ1107がアリル2のみにハイブリダイズするように設定される。この種のアッセイの目的は、試料中のアリル1およびアリル2の頻度の正確な定量化を可能にすることである。
図32は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図32は、同一遺伝子座の各種アリルを同定するための2個のプローブセットを示す。例えば、妊娠中の女性から単離したセルフリーDNAの場合には、母系および胎児のアリルを区別するため、あるいは、臓器移植のレシピエントのセルフリーDNAの場合には、ホストとドナーのアリルを区別するためである。図32は、2個のプローブセット(アリル1用のプローブセット1個とアリル2用のプローブセット1個)を示す。1206および1207は、アリル1およびアリル2にそれぞれ対応する標的分子である。第1プローブセットは、メンバープローブ1202、1203を含む。1202は、タイプ「A」の標識(1201)を含む。1203は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(1205)を含む。メンバープローブ1209、1203を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。この実施形態では、1203は、両プローブセットにおいて同一である。一方、1209は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(1208)を含む。この実施形態では、1202および1209は、ほぼ同一の配列を含み、これら配列の違いはヌクレオチド1つのみである。したがって、これら2個のプローブのハイブリダイゼーション配列は、アリル1(1202)およびアリル2(1209)に対する相補領域を含む。さらに、1202および1209の各ハイブリダイゼーションドメインの長さ、ならびにハイブリダイゼーションの実験条件は、プローブ1202がアリル1のみにハイブリダイズし、プローブ1209がアリル2のみにハイブリダイズするように設定される。この種のアッセイの目的は、試料中のアリル1およびアリル2の頻度の正確な定量化を可能にすることである。この実施形態では、前記プローブ1203が、タイプ「C」標識(1204)を1以上含む。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。アリル1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、アリル2からのプローブ生成物は、タイプ「B」のおよびタイプ「C」の標識を含む。
図33は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図33は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示す。ただし、上述の通り、複数のプローブセットを各遺伝子座用に設計してもよい。1304および1305は、遺伝子座1および遺伝子座2にそれぞれ対応する標的分子である。第1プローブセットは、メンバープローブ1301、1302を含む。1301は、タイプ「A」の標識(1300)を含む。1301は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(1303)を含む。メンバープローブ1307、1308を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。ただし、1307は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(1306)を含む。1307は、アフィニティータグ(1309)を含み、アフィニティータグ1309は、アフィニティータグ1303と同一でもよいし、固有のものであってもよい。多数のプローブセットを、「遺伝子座1」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「A」を有するように設計してもよい。同様に、多数のプローブセットを、「遺伝子座2」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「B」を有するように設計してもよい。この実施形態では、前記多数の遺伝子座1用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよく、また、前記多数の遺伝子座2用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよい。この実施形態では、前記プローブ1301および1307の構造は類似している。例えば、プローブ1301上には、2つの別個のハイブリダイゼーションドメインが存在し、1301の各末端にプローブ1302がライゲーションし、これにより、連続した、位相的に閉じたDNA分子(例えば、環状分子)からなるプローブ生成物を形成し得る。プローブ1301上の非ハイブリダイズ配列は、追加の特徴(制限酵素部位、または全般的な増幅(universal amplification)のためのプライマー結合部位が考えられる)を備えてもよい。
この実施形態の特徴の一つは、プローブ生成物は全て、連続した環状分子であるという点である。これにより、例えば、エキソヌクレアーゼを用いて直鎖状核酸分子を全て酵素分解することにより、他の全ての核酸からプローブ生成物を単離し得る。
図34は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図34は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示す。ただし、上述の通り、複数のプローブセットを各遺伝子座用に設計してもよい。1405および1406は、遺伝子座1および遺伝子座2にそれぞれ対応する標的分子である。第1プローブセットは、メンバープローブ1401、1403を含む。1401は、タイプ「A」の標識(1400)を含む。1401は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(1404)を含む。メンバープローブ1408、1410を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。ただし、1408は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(1407)を含む。1408は、アフィニティータグ(1411)を含み、アフィニティータグ1411は、アフィニティータグ1404と同一でもよいし、固有のものであってもよい。多数のプローブセットを、「遺伝子座1」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「A」を有するように設計してもよい。同様に、多数のプローブセットを、「遺伝子座2」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「B」を有するように設計してもよい。この実施形態では、前記多数の遺伝子座1用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよく、また、前記多数の遺伝子座2用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよい。この実施形態では、前記プローブ1401および1408の構造は類似している。例えば、プローブ1401上には、2つの別個のハイブリダイゼーションドメインが存在し、1401の各末端にプローブ1403がライゲーションし、これにより、連続した、位相的に閉じたDNA分子(例えば、環状分子)からなるプローブ生成物を形成し得る。プローブ1401上の非ハイブリダイズ配列は、追加の特徴(制限酵素部位、または全般的な増幅(universal amplification)のためのプライマー結合部位が考えられる)を備えてもよい。
この実施形態の特徴の一つは、プローブ生成物は全て、連続した環状分子であるという点である。これにより、例えば、エキソヌクレアーゼを用いて直鎖状核酸分子を全て酵素分解することにより、他の全ての核酸からプローブ生成物を単離し得る。この実施形態では、前記プローブ1403および1410は、タイプ「C」の標識(1402、1409)を1以上含む。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。遺伝子座1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、遺伝子座2からのプローブ生成物は、タイプ「B」およびタイプ「C」の標識を含む。
図35は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図35は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示す。ただし、上述の通り、複数のプローブセットを各遺伝子座用に設計してもよい。1505および1506は、遺伝子座1および遺伝子座2にそれぞれ対応する標的分子である。第1プローブセットは、メンバープローブ1501を含む。1501は、タイプ「A」の標識(1500)を含む。1501は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(1504)を含む。メンバープローブ1508を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。ただし、1508は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(1507)を含む。1508は、アフィニティータグ(1511)を含み、アフィニティータグ1511は、アフィニティータグ1504と同一でもよいし、固有のものであってもよい。多数のプローブセットを、「遺伝子座1」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「A」を有するように設計してもよい。同様に、多数のプローブセットを、「遺伝子座2」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「B」を有するように設計してもよい。この実施形態では、前記多数の遺伝子座1用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよく、また、前記多数の遺伝子座2用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよい。この実施形態では、前記プローブ1501および1508の構造は類似している。
例えば、プローブ1501上には2つの別個のハイブリダイゼーションドメインが存在し、標的分子にハイブリダイズする際、前記2つのハイブリダイゼーションドメイン間にギャップが存在する構成となっている。この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは別の酵素を用いて、1501の前記ハイブリダイゼーションドメイン間のギャップを共有結合によって埋める新たなポリヌクレオチド種(1503)を合成してもよい。すなわち、この例で形成されるプローブ生成物は、単一の、連続した、位相的に閉じたDNA分子(例えば、環状分子)であり、遺伝子座1に対応する配列を有し、かつ、上述の標識および/またはアフィニティータグを担持するDNA分子である。さらに、1503は、おそらくはタイプ「C」の標識を担持するヌクレオチドを取り込んだ結果として、タイプ「C」の標識を1以上含み得る。この例は、プローブ1508を含む、遺伝子座2について形成されたプローブ生成物に関してもあてはまる。プローブ1501およびプローブ1508上の非ハイブリダイズ配列は、追加の特徴(制限酵素部位が考えられる)を備えてもよい。この実施形態の特徴の一つは、プローブ生成物は全て、連続した環状分子であるという点である。これにより、例えば、エキソヌクレアーゼを用いて直鎖状核酸分子を全て酵素分解することにより、プローブ生成物を他の全ての核酸から単離し得る。プローブ生成物には、これら標識の組合せが含まれる。遺伝子座1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、遺伝子座2からのプローブ生成物は、タイプ「B」およびタイプ「C」の標識を含む。
図36は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図36は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示す。ただし、上述の通り、複数のプローブセットを各遺伝子座用に設計してもよい。1605および1606は、遺伝子座1および遺伝子座2にそれぞれ対応する標的分子である。
第1プローブセットは、メンバープローブ1602を含む。1602は、タイプ「A」の標識(1600)を含む。1602は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(1601)を含む。
メンバープローブ1609を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。ただし、1609は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(1608)を含む。1609は、アフィニティータグ(1607)を含み、アフィニティータグ1607は、アフィニティータグ1601と同一でもよいし、固有のものであってもよい。多数のプローブセットを、「遺伝子座1」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「A」を有するように設計してもよい。同様に、多数のプローブセットを、「遺伝子座2」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むが、いずれも同一の標識タイプ「B」を有するように設計してもよい。この実施形態では、前記多数の遺伝子座1用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよく、また、前記多数の遺伝子座2用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよい。
この実施形態では、プローブ1602および1609は、遺伝子座1または遺伝子座2に対応する配列にそれぞれハイブリダイズする。DNAポリメラーゼまたは別の酵素を用いて、新たなポリヌクレオチド配列を合成してもよい(例えば、遺伝子座1の場合には1603、あるいは、遺伝子座2の場合には1611)。この実施形態では、1603および1611は、おそらくはタイプ「C」の標識を担持するヌクレオチドを1以上取り込んだ結果として、タイプ「C」の標識(1604)を1以上含み得る。この例は、遺伝子座2について形成されたプローブ生成物に関してもあてはまる。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。遺伝子座1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、遺伝子座2からのプローブ生成物は、タイプ「B」およびタイプ「C」の標識を含む。この実施形態によれば、遺伝子座1または遺伝子座2における配列について、それぞれ高い特異性でプローブ生成物が得られる。
図37は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図37は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示す。ただし、上述の通り、複数のプローブセットを各遺伝子座用に設計してもよい。1704および1705は、遺伝子座1および遺伝子座2にそれぞれ対応する標的分子である。
第1プローブセットは、メンバープローブ1702を含む。1702は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(1700)を含む。
メンバープローブ1708を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。1708は、アフィニティータグ(1706)を含み、アフィニティータグ1706は、アフィニティータグ1700と同一でもよいし、固有のものであってもよい。多数のプローブセットを、「遺伝子座1」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むように設計してもよい。同様に、多数のプローブセットを、「遺伝子座2」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含む設計してもよい。この実施形態では、前記多数の遺伝子座1用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよく、また、前記多数の遺伝子座2用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよい。
この実施形態では、プローブ1702および1708は、遺伝子座1および遺伝子座2に対応する配列にそれぞれハイブリダイズする。遺伝子座1用および遺伝子座2用のプローブは、それぞれ、ハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドが、遺伝子座1用と遺伝子座2用とで異なるように設計されている。この例では、1702のハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドは「A」であり、1708のハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドは「T」である。この実施形態では、遺伝子座1用プローブは全て、ハイブリダイゼーションドメインに直接隣接する1番目のヌクレオチドが、遺伝子座2用プローブのハイブリダイゼーションドメインに直接隣接する1番目のヌクレオチドとは異なるヌクレオチドからなるように設計するものとする。すなわち、遺伝子座1用および遺伝子座2用のプローブセットは、その設計上、前記ハイブリダイゼーションドメインに直接隣接する1番目のヌクレオチドの識別性に基づき、互いに区別し得る。
この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは別の酵素を使用し、少なくとも1つの付加ヌクレオチドをプローブ配列のそれぞれに付加する。この例では、前記DNAポリメラーゼに対するヌクレオチド基質は、単一の付加を可能にできる(例えば、前記ヌクレオチドは、ジデオキシチェーンターミネーターでもよい)。すなわち、新たなヌクレオチドを1つだけ、各プローブ配列に付加するものとする。この例では、プローブ1702に付加された前記ヌクレオチドは、タイプ「A」の標識(1703)を1以上含む。プローブ1708に付加された前記ヌクレオチドは、タイプ「B」の標識(1709)を1以上含み、これにより、遺伝子座1から生じるプローブ生成物を、遺伝子座2から生じるプローブ生成物と区別し得る。
図38は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図38は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示す。ただし、上述の通り、複数のプローブセットを各遺伝子座用に設計してもよい。1804および1805は、遺伝子座1および遺伝子座2にそれぞれ対応する標的分子である。
第1プローブセットは、メンバープローブ1802を含む。1802は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(1800)を含む。
メンバープローブ1808を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。1808は、アフィニティータグ(1806)を含み、アフィニティータグ1806は、アフィニティータグ1800と同一でもよいし、固有のものであってもよい。多数のプローブセットを、「遺伝子座1」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むように設計してもよい。同様に、多数のプローブセットを、「遺伝子座2」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含む設計してもよい。この実施形態では、前記多数の遺伝子座1用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよく、また、前記多数の遺伝子座2用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよい。
この実施形態では、プローブ1802および1808は、遺伝子座1および遺伝子座2に対応する配列にそれぞれハイブリダイズする。遺伝子座1用および遺伝子座2用のプローブは、それぞれ、ハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドが、遺伝子座1用と遺伝子座2用とで異なるように設計されている。この例では、1802のハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドは「A」であり、1808のハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドは「T」である。この実施形態では、遺伝子座1用プローブは全て、ハイブリダイゼーションドメインに直接隣接する1番目のヌクレオチドが、遺伝子座2用プローブのハイブリダイゼーションドメインに直接隣接する1番目のヌクレオチドとは異なるヌクレオチドからなるように設計するものとする。すなわち、遺伝子座1用および遺伝子座2用のプローブセットは、その設計上、前記ハイブリダイゼーションドメインに直接隣接する1番目のヌクレオチドの識別性に基づき、互いに区別し得る。
この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは別の酵素を使用し、少なくとも1つの付加ヌクレオチドをプローブ配列のそれぞれに付加する。この例では、前記DNAポリメラーゼに対するヌクレオチド基質は、(おそらくは、反応混合物に添加するヌクレオチドが、ジデオキシヌクレオチドであるため)単一の付加を可能にできる。すなわち、新たなヌクレオチドを1つだけ、各プローブ配列に付加するものとする。この例では、プローブ1802に付加された前記ヌクレオチドは、タイプ「A」の標識(1803)を1以上含む。プローブ1808に付加された前記ヌクレオチドは、タイプ「B」の標識(1809)を1以上含み、これにより、遺伝子座1から生じるプローブ生成物を、遺伝子座2から生じるプローブ生成物と区別し得る。
この実施形態では、前記プローブ1802および1808は、タイプ「C」の標識(1801、1806)を1以上含む。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。遺伝子座1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、遺伝子座2からのプローブ生成物は、タイプ「B」およびタイプ「C」の標識を含む。
図39は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図39は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示す。ただし、上述の通り、複数のプローブセットを各遺伝子座用に設計してもよい。1906および1907は、遺伝子座1および遺伝子座2にそれぞれ対応する標的分子である。
第1プローブセットは、メンバープローブ1902を含む。1902は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(1901)を含む。
メンバープローブ1910を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。1910は、アフィニティータグ(1908)を含み、アフィニティータグ1908は、アフィニティータグ1901と同一でもよいし、固有のものであってもよい。多数のプローブセットを、「遺伝子座1」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むように設計してもよい。同様に、多数のプローブセットを、「遺伝子座2」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含む設計してもよい。この実施形態では、前記多数の遺伝子座1用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよく、また、前記多数の遺伝子座2用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよい。
この実施形態では、プローブ1902および1910は、遺伝子座1および遺伝子座2に対応する配列にそれぞれハイブリダイズする。遺伝子座1用および遺伝子座2用のプローブは、それぞれ、ハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドが、遺伝子座1用と遺伝子座2用とで異なるように設計されている。この例では、1902のハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドは「A」であり、1910のハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドは「T」である。この実施形態では、遺伝子座1用プローブは全て、ハイブリダイゼーションドメインに直接隣接する1番目のヌクレオチドが、遺伝子座2用プローブのハイブリダイゼーションドメインに直接隣接する1番目のヌクレオチドとは異なるヌクレオチドからなるように設計するものとする。すなわち、遺伝子座1用および遺伝子座2用のプローブセットは、その設計上、前記ハイブリダイゼーションドメインに直接隣接する1番目のヌクレオチドの識別性に基づき、互いに区別し得る。異なるヌクレオチド(遺伝子座1用および遺伝子座2用のプローブを区別するために使用したものではない)が、チェーンターミネーターの役割を果たすべきである。この特定の例では、標的分子上の「A」ヌクレオチドを使用して遺伝子座1用のプローブを区別し、「T」ヌクレオチドを使用して遺伝子座2用のプローブを区別する。この例では、「C」ヌクレオチドが、チェーンターミネーターの役割を果たしてもよい。この場合、「C」ヌクレオチドを、鎖伸長を行えないように、アッセイに加える(例えば、ジデオキシC)。もう一つのさらなる制限事項は、前記プローブ配列が、1906上において、遺伝子座1用区別ヌクレオチドと前記チェーンターミネーターヌクレオチドとの間に、遺伝子座2用区別ヌクレオチドが存在しないよう設計されていることである。この例では、1906上において、1902のハイブリダイゼーションドメインの後、かつ、前記チェーンターミネーターCと対合するGの前には、「T」ヌクレオチドは存在しない。
この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは同様の酵素を用いて新たなヌクレオチド配列を合成する。前記遺伝子座1用区別ヌクレオチドの部位に付加されたヌクレオチドは、タイプ「A」の標識(1903)を1以上含む。前記遺伝子座2用区別ヌクレオチドの部位に付加されたヌクレオチドは、タイプ「B」の標識(1911)を1以上含み、これにより、遺伝子座1に関するプローブ生成物は、遺伝子座2から生じるプローブ生成物と区別され得る。この実施形態では、連鎖停止位置に付加されたヌクレオチドは、タイプ「C」の標識(1912)を1以上含む。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。遺伝子座1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、遺伝子座2からのプローブ生成物は、タイプ「B」およびタイプ「C」の標識を含む。
別の実施形態では、前記チェーンターミネーターは、標識を含んでいなくてもよい。この実施形態では、タイプ「C」の標識を1以上含む第4ヌクレオチドを、前記アッセイに加えてもよい。この第4ヌクレオチドは、アリル1用の区別ヌクレオチド(この例では、A)と対合せず、前記アリル2用の区別ヌクレオチド(この例では、T)と対合せず、前記チェーンターミネーターヌクレオチド(この例では、G)とも対合しない。この例では、タイプ「C」の標識を1以上担持することになる前記第4ヌクレオチドはGであり、1906および1907上のCの部位と対合する。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。遺伝子座1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、遺伝子座2からのプローブ生成物は、タイプ「B」のおよびタイプ「C」の標識を含む。
図40は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図40は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示す。ただし、上述の通り、複数のプローブセットを各遺伝子座用に設計してもよい。2005および2006は、遺伝子座1および遺伝子座2にそれぞれ対応する標的分子である。
第1プローブセットは、メンバープローブ2001を含む。2001は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(2000)を含む。
メンバープローブ2008を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。2008は、アフィニティータグ(2007)を含み、アフィニティータグ2007は、アフィニティータグ2000と同一でもよいし、固有のものであってもよい。多数のプローブセットを、「遺伝子座1」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むように設計してもよい。同様に、多数のプローブセットを、「遺伝子座2」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含む設計してもよい。この実施形態では、前記多数の遺伝子座1用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよく、また、前記多数の遺伝子座2用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよい。
この実施形態では、プローブ2001および2008は、遺伝子座1および遺伝子座2に対応する配列にそれぞれハイブリダイズする。遺伝子座1用および遺伝子座2用のプローブは、それぞれ、1以上の区別ヌクレオチド(この例では、「A」は遺伝子座1用の区別ヌクレオチド、「T」は遺伝子座2用の区別ヌクレオチド)を有し、その後に、前記プローブのハイブリダイゼーションドメインに隣接するチェーンターミネーターヌクレオチド(この実施例では「G」)が続くよう設計されている。重要なのは、2005上の2001のハイブリダイゼーションドメインと2005上のチェーンターミネーターヌクレオチドとの間には、遺伝子座2用の区別ヌクレオチド(この例では、「T」)が存在しないことである。同様に、2006上の2008のハイブリダイゼーションドメインと2006上のチェーンターミネーターヌクレオチドとの間には、遺伝子座1用の区別ヌクレオチド(この例では、「A」)は存在しない。
この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは同様の酵素を用いた新たなヌクレオチド配列(2004、2011)の合成を、チェーンターミネーターヌクレオチド(一例として、ジデオキシCが考えられる)の付加まで実施する。この実施形態では、前記遺伝子座1用の区別ヌクレオチドの部位に付加されたヌクレオチドは、タイプ「A」の標識(2003)を1以上含む。前記遺伝子座2用の区別ヌクレオチドの部位に付加されたヌクレオチドは、タイプ「B」の標識(2010)を1以上含み、これにより、遺伝子座1に関するプローブ生成物は、遺伝子座2から生じるプローブ生成物と明確に区別され得る。
図41は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図41は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示す。ただし、上述の通り、複数のプローブセットを各遺伝子座用に設計してもよい。2105および2106は、遺伝子座1および遺伝子座2にそれぞれ対応する標的分子である。
第1プローブセットは、メンバープローブ2102を含む。2102は、プローブ生成物の単離および同定に使用できるアフィニティータグ(2100)を含む。
メンバープローブ2109を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。2109は、アフィニティータグ(2107)を含み、アフィニティータグ2107は、アフィニティータグ2100と同一でもよいし、固有のものであってもよい。多数のプローブセットを、「遺伝子座1」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含むように設計してもよい。同様に、多数のプローブセットを、「遺伝子座2」を標的とし、それぞれ固有のプローブ配列を含む設計してもよい。この実施形態では、前記多数の遺伝子座1用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよく、前記多数の遺伝子座2用プローブセットに使用するアフィニティータグは、同一であっても、それぞれ固有のものであってもよい。
この実施形態では、プローブ2102および2109は、遺伝子座1および遺伝子座2に対応する配列にそれぞれハイブリダイズする。遺伝子座1用および遺伝子座2用のプローブは、それぞれ、1以上の区別ヌクレオチド(この例では、「A」は遺伝子座1用の区別ヌクレオチド、「T」は遺伝子座2用の区別ヌクレオチド)を有し、その後に、前記プローブのハイブリダイゼーションドメインに隣接するチェーンターミネーターヌクレオチド(この実施例では「G」)が続くよう設計されている。重要なのは、2105上の2102のハイブリダイゼーションドメインと2105上のチェーンターミネーターヌクレオチドとの間には、遺伝子座2用の区別ヌクレオチド(この例では、「T」)が存在しないことである。同様に、2106上の2109のハイブリダイゼーションドメインと2106上のチェーンターミネーターヌクレオチドとの間には、遺伝子座1用の区別ヌクレオチド(この例では、「A」)は存在しない。
この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは同様の酵素を用いた新たなヌクレオチド配列(2104、2110)の合成を、チェーンターミネーターヌクレオチド(一例として、ジデオキシCが考えられる)の付加まで実施する。この実施形態では、前記遺伝子座1用の区別ヌクレオチドの部位に付加されたヌクレオチドは、タイプ「A」の標識(2103)を1以上含む。前記遺伝子座2用の区別ヌクレオチドの部位に付加されたヌクレオチドは、タイプ「B」の標識(2110)を1以上含み、これにより、遺伝子座1に関するプローブ生成物は、遺伝子座2から生じるプローブ生成物と明確に区別され得る。
この実施形態では、前記プローブ2102および2109は、タイプ「C」の標識(2101、2108)を1以上含む。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。遺伝子座1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、遺伝子座2からのプローブ生成物は、タイプ「B」およびタイプ「C」の標識を含む。
図42は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図42は、同一遺伝子座の各種アリルを同定するための2個のプローブセットを示す。例えば、妊娠中の女性から単離したセルフリーDNAの場合には、母系および胎児のアリルを区別するため、あるいは、臓器移植のレシピエントのセルフリーDNAの場合には、ホストとドナーのアリルを区別するためである。図42は、2個のプローブセット(アリル1用のプローブセット1個とアリル2用のプローブセット1個)を示す。2203および2204は、アリル1およびアリル2にそれぞれ対応する標的分子である。
第1プローブセットは、メンバープローブ2201を含む。2201は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(2200)を含む。この実施形態では、前記2つの異なるアリルの同定に使用する前記プローブセットは、同一である。すなわち、前記アリル2用のプローブセットは、メンバープローブ2201からなる。この実施形態では、プローブ2201は、図42に示すアリル1に対応する配列およびアリル2に対応する配列にそれぞれハイブリダイズする。プローブ2201は、ハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドが、アリル1用とアリル2用とで異なるように設計されている。言い換えると、前記ハイブリダイゼーションドメインに隣接する1番目のヌクレオチドは、一塩基多型、すなわちSNPであってもよい。この例では、2203上における、2201のハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドは「A」であり、2204上における、2201のハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドは「T」である。すなわち、アリル1およびアリル2から生じるプローブ生成物は、前記ハイブリダイゼーションドメインに直接隣接する1番目のヌクレオチドの識別性に基づき、互いに区別し得る。
この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは別の酵素を使用し、少なくとも1つの付加ヌクレオチドをプローブ配列のそれぞれに付加する。この例では、前記DNAポリメラーゼに対するヌクレオチド基質は、(おそらくは、反応混合物に添加するヌクレオチドが、ジデオキシヌクレオチドであるため)単一の付加を可能にできる。すなわち、新たなヌクレオチドを1つだけ、各プローブ配列に付加するものとする。この例では、アリル1用のプローブ2201に付加されたヌクレオチドは、タイプ「A」の標識(2202)を1以上含む。アリル2用のプローブ2201に付加されたヌクレオチドは、タイプ「B」の標識(2205)を1以上含み、これにより、アリル1に関するプローブ生成物を、アリル2から生じるプローブ生成物と明確に区別し得る。すなわち、アリル1に関するプローブ生成物は、プローブ2201と、タイプ「A」の標識を1以上担持する1つの付加ヌクレオチドとからなり、アリル2に関するプローブ生成物は、プローブ2201と、タイプ「B」の標識を1以上担持する1つの付加ヌクレオチドとからなる。
図43は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図43は、同一遺伝子座の各種アリルを同定するための2個のプローブセットを示す。例えば、妊娠中の女性から単離したセルフリーDNAの場合には、母系および胎児のアリルを区別するため、あるいは、臓器移植のレシピエントのセルフリーDNAの場合には、ホストとドナーのアリルを区別するためである。図43は、2個のプローブセット(アリル1用のプローブセット1個とアリル2用のプローブセット1個)を示す。2304および2305は、アリル1およびアリル2にそれぞれ対応する標的分子である。
第1プローブセットは、メンバープローブ2302を含む。2302は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(2300)を含む。この実施形態では、前記2つの異なるアリルの同定に使用する前記プローブセットは、同一である。すなわち、前記アリル2用のプローブセットは、メンバープローブ2302からなる。この実施形態では、プローブ2302は、図43に示すアリル1に対応する配列およびアリル2に対応する配列にそれぞれハイブリダイズする。プローブ2302は、ハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドが、アリル1用とアリル2用とで異なるように設計されている。言い換えると、前記ハイブリダイゼーションドメインに隣接する1番目のヌクレオチドは、一塩基多型、すなわちSNPであってもよい。この例では、2304上における、2302のハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドは「A」であり、2305上における、2302のハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドは「T」である。すなわち、アリル1およびアリル2から生じるプローブ生成物は、前記ハイブリダイゼーションドメインに直接隣接する1番目のヌクレオチドの識別性に基づき、互いに区別し得る。
この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは別の酵素を使用し、少なくとも1つの付加ヌクレオチドをプローブ配列のそれぞれに付加する。この例では、前記DNAポリメラーゼに対するヌクレオチド基質は、(おそらくは、反応混合物に添加するヌクレオチドが、ジデオキシヌクレオチドであるため)単一の付加を可能にできる。すなわち、新たなヌクレオチドを1つだけ、各プローブ配列に付加するものとする。この例では、アリル1用のプローブ2302に付加された前記ヌクレオチドは、タイプ「A」の標識(2303)を1以上含む。アリル2用のプローブ2302に付加された前記ヌクレオチドは、タイプ「B」の標識(2306)を1以上含み、これにより、アリル1から生じるプローブ生成物を、アリル2から生じるプローブ生成物と明確に区別し得る。すなわち、アリル1に関するプローブ生成物は、プローブ2302と、タイプ「A」の標識を1以上担持する1つの付加ヌクレオチドとからなり、アリル2に関するプローブ生成物は、プローブ2302と、タイプ「B」の標識を1以上担持する1つの付加ヌクレオチドとからなる。
この実施形態では、前記プローブ2302は、タイプ「C」の標識(2301)を1以上含む。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。アリル1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、アリル2からのプローブ生成物は、タイプ「B」のおよびタイプ「C」の標識を含む。
図44は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図44は、同一遺伝子座の各種アリルを同定するための2個のプローブセットを示す。例えば、妊娠中の女性から単離したセルフリーDNAの場合には、母系および胎児のアリルを区別するため、あるいは、臓器移植のレシピエントのセルフリーDNAの場合には、ホストとドナーのアリルを区別するためである。図44は、2個のプローブセット(アリル1用のプローブセットとアリル2用のプローブセット)を示す。2405および2406は、アリル1およびアリル2にそれぞれ対応する標的分子である。
第1プローブセットは、メンバープローブ2401を含む。2401は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(2400)を含む。この実施形態では、2つの異なるアリルの同定に使用する前記プローブセットは、同一である。すなわち、前記アリル2用のプローブセットは、メンバープローブ2401からなる。この実施形態では、プローブ2401は、図44に示すアリル1に対応する配列およびアリル2に対応する配列にそれぞれハイブリダイズする。プローブ2401は、ハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドが、アリル1用とアリル2用とで異なるように設計されている。言い換えると、前記ハイブリダイゼーションドメインに隣接する1番目のヌクレオチドは、一塩基多型、すなわちSNPであってもよい。この例では、2405上における、2401のハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドは「A」であり、2406上における、2401のハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドは「T」である。すなわち、アリル1およびアリル2から生じるプローブ生成物は、前記ハイブリダイゼーションドメインに直接隣接する1番目のヌクレオチドの識別性に基づき、互いに区別し得る。
この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは別の酵素を使用し、少なくとも1つの付加ヌクレオチドをプローブ配列のそれぞれに付加する。この例では、アリル1用のプローブ2401に付加されたヌクレオチドは、タイプ「A」の標識(2402)を1以上含む。アリル2用のプローブ2401に付加されたヌクレオチドは、タイプ「B」の標識(2407)を1以上含み、これにより、遺伝子座1に関するプローブ生成物は、遺伝子座2から生じるプローブ生成物と明確に区別される。すなわち、アリル1に関するプローブ生成物は、プローブ2401と、タイプ「A」の標識を1以上担持する付加ヌクレオチドを含み、アリル2に関するプローブ生成物は、プローブ2401と、タイプ「B」の標識を1以上担持する付加ヌクレオチドを含む。異なるヌクレオチド(アリル1をアリル2と区別するために使用したものではない)が、チェーンターミネーターの役割を果たすべきである。この特定の例では、標的分子上の「A」ヌクレオチドを使用してアリル1を識別し、「T」ヌクレオチドを使用してアリル2を識別する。この例では、「C」ヌクレオチドが、チェーンターミネーターの役割を果たしてもよい。この場合、「C」ヌクレオチドを、鎖伸長を行えないように、アッセイに加える(例えば、ジデオキシC)。もう一つのさらなる制限事項は、前記プローブ配列が、2405上において、アリル1用区別ヌクレオチドと前記チェーンターミネーターヌクレオチドとの間に、アリル2用区別ヌクレオチドが存在しないよう設計されていることである。この例では、2405上において、2401のハイブリダイゼーションドメインの後、かつ、前記チェーンターミネーターCと対合するGの前には、「T」ヌクレオチドは存在しない。
この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは同様の酵素を用いて新たなヌクレオチド配列を合成する。前記アリル1用区別ヌクレオチドの部位に付加されたヌクレオチドは、タイプ「A」の標識(2402)を1以上含む。前記アリル2用区別ヌクレオチドの部位に付加されたヌクレオチドは、タイプ「B」の標識(2407)を1以上含み、これにより、アリル1に関するプローブ生成物は、アリル2から生じるプローブ生成物と明確に区別され得る。この実施形態では、連鎖停止位置に付加されたヌクレオチドは、タイプ「C」の標識(2403)を1以上含む。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。アリル1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、アリル2からのプローブ生成物は、タイプ「B」のおよびタイプ「C」の標識を含む。
図45は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図45は、同一遺伝子座の各種アリルを同定するための2個のプローブセットを示す。例えば、妊娠中の女性から単離したセルフリーDNAの場合には、母系および胎児のアリルを区別するため、あるいは、臓器移植のレシピエントのセルフリーDNAの場合には、ホストとドナーのアリルを区別するためである。図45は、2個のプローブセット(アリル1用のプローブセット1個とアリル2用のプローブセット1個)を示す。2505および2506は、アリル1およびアリル2にそれぞれ対応する標的分子である。
第1プローブセットは、メンバープローブ2501を含む。2501は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(2500)を含む。この実施形態では、2つの異なるアリルの同定に使用する前記プローブセットは、同一である。すなわち、前記アリル2用のプローブセットは、メンバープローブ2501からなる。この実施形態では、プローブ2501は、図45に示すアリル1に対応する配列およびアリル2に対応する配列にそれぞれハイブリダイズする。プローブ2501は、ハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドが、アリル1用とアリル2用とで異なるように設計されている。言い換えると、前記ハイブリダイゼーションドメインに隣接する1番目のヌクレオチドは、一塩基多型、すなわちSNPであってもよい。この例では、2505上における、2501のハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドは「A」であり、2506上における、2501のハイブリダイゼーションドメインの隣の1番目の隣接ヌクレオチドは「T」である。すなわち、アリル1およびアリル2から生じるプローブ生成物は、前記ハイブリダイゼーションドメインに直接隣接する1番目の塩基の識別性に基づき、互いに区別し得る。
この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは別の酵素を使用し、少なくとも1つの付加ヌクレオチドをプローブ配列のそれぞれに付加する。この例では、アリル1用のプローブ2501に付加されたヌクレオチドは、タイプ「A」の標識(2502)を1以上含む。アリル2用のプローブ2501に付加されたヌクレオチドは、タイプ「B」の標識(2507)を1以上含み、これにより、遺伝子座1に関するプローブ生成物は、遺伝子座2から生じるプローブ生成物と明確に区別される。すなわち、アリル1に関するプローブ生成物は、プローブ2501と、タイプ「A」の標識を1以上担持する付加ヌクレオチドを含み、アリル2に関するプローブ生成物は、プローブ2501と、タイプ「B」の標識を1以上担持する付加ヌクレオチドを含む。異なるヌクレオチド(アリル1をアリル2と区別するために使用したものではない)が、チェーンターミネーターの役割を果たすべきである。この特定の例では、標的分子上の「A」ヌクレオチドを使用してアリル1を識別し、「T」ヌクレオチドを使用してアリル2を識別する。この例では、「C」ヌクレオチドが、チェーンターミネーターの役割を果たしてもよい。この場合、「C」ヌクレオチドを、鎖伸長を行えないように、アッセイに加える(例えば、ジデオキシC)。もう一つのさらなる制限事項は、前記プローブ配列が、2505上において、アリル1用区別ヌクレオチドと前記チェーンターミネーターヌクレオチドとの間に、アリル2用区別ヌクレオチドが存在しないよう設計されていることである。この例では、2505上において、2501のハイブリダイゼーションドメインの後、かつ、前記チェーンターミネーターCと対合するGの前には、「T」ヌクレオチドは存在しない。
この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは同様の酵素を用いて新たなヌクレオチド配列を合成する。前記アリル1用区別ヌクレオチドの部位に付加されたヌクレオチドは、タイプ「A」の標識(2502)を1以上含む。前記アリル2用区別ヌクレオチドの部位に付加されたヌクレオチドは、タイプ「B」の標識(2507)を1以上含み、これにより、アリル1に関するプローブ生成物は、アリル2から生じるプローブ生成物と明確に区別され得る。この実施形態では、タイプ「C」の標識(2508、2503)を1以上含む第4ヌクレオチドを、前記アッセイに加えてもよい。この第4ヌクレオチドは、アリル1用の区別ヌクレオチド(この例では、A)と対合せず、前記アリル2用の区別ヌクレオチド(この例では、T)と対合せず、前記チェーンターミネーターヌクレオチド(この例では、G)とも対合しない。この例では、タイプ「C」の標識を1以上担持することになる前記第4ヌクレオチドはGであり、2506および2506上のCの部位と対合する。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。アリル1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、アリル2からのプローブ生成物は、タイプ「B」のおよびタイプ「C」の標識を含む。
図46は、図21に示す基本手順の変形例を示す。図46は、同一遺伝子座の各種アリルを同定するための2個のプローブセットを示す。例えば、妊娠中の女性から単離したセルフリーDNAの場合には、母系および胎児のアリルを区別するため、あるいは、臓器移植のレシピエントのセルフリーDNAの場合には、ホストとドナーのアリルを区別するためである。図46は、2個のプローブセット(アリル1用のプローブセット1個とアリル2用のプローブセット1個)を示す。2605および2606は、アリル1およびアリル2にそれぞれ対応する標的分子である。第1プローブセットは、メンバープローブ2602を含む。2602は、タイプ「A」の標識(2601)を含む。2602は、プローブ生成物の単離および同定に使用し得るアフィニティータグ(2600)を含む。
メンバープローブ2609を有する第2プローブセットは、第1プローブセットにおける各特徴を備えている。ただし、2609は、タイプ「A」と区別可能な、タイプ「B」の標識(2608)を含む。2609は、アフィニティータグ(2607)を含み、アフィニティータグ2607は、アフィニティータグ2600と同一でもよいし、固有のものであってもよい。
この実施形態では、2602および2609は、は、ほぼ同一の配列を含み、これら配列の違いはヌクレオチド1つのみである。したがって、これらの2つのプローブのハイブリダイゼーション配列は、アリル1(2605)またはアリル2(2606)に相補的である。さらに、2602および2609の各ハイブリダイゼーションドメインの長さ、ならびにハイブリダイゼーションの実験条件は、プローブ2602がアリル1のみにハイブリダイズし、プローブ2609がアリル2のみにハイブリダイズするように設定される。この種のアッセイの目的は、試料中のアリル1およびアリル2の頻度の正確な定量化を可能にすることである。
この実施形態では、DNAポリメラーゼまたは別の酵素を使用して、新たなポリヌクレオチド配列を合成してもよい(例えば、アリル1の場合は2604、あるいは、アリル2の場合は2611)。この実施形態では、2604および2611は、おそらくはタイプ「C」の標識を担持するヌクレオチドを1以上取り込んだ結果として、タイプ「C」の標識(2603、2610)を1以上含み得る。したがって、プローブ生成物は、標識の組合せを含む。アリル1に関しては、プローブ生成物は、タイプ「A」およびタイプ「C」の標識を含み、アリル2からのプローブ生成物は、タイプ「B」のおよびタイプ「C」の標識を含む。この実施形態によれば、アリル1またはアリル2おける配列について、それぞれ高い特異性でプローブ生成物が得られる。
図55〜58は、図21〜46に示す基本手順の変形例を示す。図55は、2個のプローブセット(遺伝子座1用のプローブセット1個と遺伝子座2用のプローブセット1個)を示しているが、先に述べたように、各遺伝子座に対して複数のプローブセットを設計してもよい。前記遺伝子座1用プローブセットの左アームは、フォワードプライミング配列、アフィニティータグ配列、および遺伝子座1の配列に対するホモログからなる。前記遺伝子座1用プローブセットの右アームは、遺伝子座1の配列に対するホモログおよび前記遺伝子座1用プローブセットを標識Aで標識付けするためのリバースプライミング配列からなる。前記遺伝子座2用プローブセットの左アームは、フォワードプライミング配列、アフィニティータグ配列、および遺伝子座2の配列に対するホモログからなる。前記遺伝子座2用プローブセットの右アームは、遺伝子座2の配列に対するホモログおよび前記遺伝子座2用プローブセットを標識Bで標識付けするためのリバースプライミング配列からなる。前記フォワードプライミング配列および前記アフィニティータグ配列は、遺伝子座1用および遺伝子座2用の両プローブセットにおいて同一である。前記相同配列は、単一の遺伝子座に特異的である。各プローブセットの遺伝子座相同配列は互いに直接隣接し、これらプローブが標的遺伝子座にハイブリダイズすると、前記相同配列同士が直接接触し、よって、ライゲーションにより一つの切れ目のない分子を形成し得る。前記リバースプライミング配列は、特定の遺伝子座に関するプローブ生成物の標識付けに使用される、特定のアフィニティータグ配列用の前記標識(例えば、標識Aまたは標識B)に特異的である。
図56は、図55に示すプローブセットのようなプローブセットの集まりに適用される処理ワークフローを示す。図56は、1つの遺伝子座に1種類のプローブセット(例えば、図55に示す遺伝子座1用のプローブセット)が対応する例を示している。工程1において、プローブセットの集まりを、精製したセルフリーDNAと混合する。工程2において、各プローブセットにおける遺伝子座特異的配列を、前記セルフリーDNA試料中の対応する相同配列とハイブリダイズさせる。工程3において、リガーゼ酵素を添加し、その触媒作用により、前記左アームのホモログ上の3’塩基と、前記右ホモログの5’側アームとの間にホスホジエステル結合を形成し、前記2つのアーム間のニックを閉じ、これにより、プローブ生成物である1つの切れ目のない分子を形成する。工程4において、修飾プライマーおよびPCR反応成分(Taqポリメラーゼ、dNTP、および反応緩衝液)を添加し、前記ライゲーションにより得られたプローブ生成物を増幅する。フォワードプライマーは、工程6で使用するλエキソヌクレアーゼに対する好適な鋳型とするため、5’リン酸基を有するように修飾され、リバースプライマーは、特定の遺伝子座に関するプローブ生成物に特異的な、特定のアフィニティータグ用の標識(青丸)を含むように修飾される。工程5において、前記プローブ生成物をPCR増幅し、順鎖が5’リン酸基を含み、逆鎖が5’末端標識を含む二本鎖PCR産物を生じさせる。工程6において、λエキソヌクレアーゼを添加し、前記順鎖を5’→3’方向に分解させる。ここで、前記順鎖は、5’リン酸基により、λエキソヌクレアーゼ分解に好適な鋳型とされている。この結果、5’末端標識を有する一本鎖(逆鎖のみ)が得られる。この一本鎖が、マイクロアレイまたは単層にハイブリダイズさせる、標識された標的物質に相当する。
図57は、図56に示す処理ワークフローの変形例を示す。この実施形態では、各プローブセットの左アームが、同図の工程1〜6において「B」で示すように、端末ビオチン分子を含む。このビオチン化により、プローブ生成物の集まりを、前記ハイブリダイゼーション−ライゲーション反応終了後かつ前記PCR増幅の前に、精製することが可能となる。この実施形態のワークフローは、工程1〜3に関しては、図57に示すワークフローと同一である。工程4において、ストレプトアビジンコート磁気ビーズを、前記ハイブリダイゼーション−ライゲーション反応に添加する。プローブ生成物に含まれる前記ビオチン分子により、前記生成物が、前記ストレプトアビジンに結合される。工程5において、前記磁気ビーズを洗浄して非ビオチン化DNA(セルフリーゲノムDNAおよび右アームオリゴヌクレオチド)を除去することにより、精製されたプローブ生成物が得られる。工程6〜9は、図56に示す工程4〜7について記載した方法と同様の方法で実施する。
図58は、遺伝子座1および遺伝子座2に関するプローブ生成物を、異なる標識分子で標識する方法の一例を示している。図58Aでは、1回のPCR増幅反応で、遺伝子座1に関するプローブ生成物を標識A(緑)で、遺伝子座2に関するプローブ生成物を標識B(赤)で標識する。両遺伝子座に関するプローブ生成物は、アフィニティータグ配列Aを含む。図58Bにおいて、異なる標識で標識されたプローブ生成物の混合物を、前記アフィニティータグA配列に相補的な捕捉プローブ配列を備えたマイクロアレイ上の位置にハイブリダイズさせる。図58Cにおいて、前記マイクロアレイ位置を画像化し、標識Aおよび標識Bの分子の個数を計数し、試料中に存在する遺伝子座1および遺伝子座2のレベルを相対的に測定する。
図59は、前記ハイブリダイゼーション−ライゲーションプロセスを使用し、1つの遺伝子座について多数の遺伝子位置を示すプローブ生成物を、リガーゼ酵素特異的に生成し得る根拠を提示している。8個のプローブセット(図55に示すように、それぞれ左アーム部分および右アーム部分からなり、かつ、8箇所の第18染色体位置に対するホモログを含む)を、合成オリゴヌクレオチド鋳型(約48ヌクレオチド)にハイブリダイズさせ、リガーゼ酵素を用いたライゲーションを行い、前記左右のアームを連結させた。反応生成物を、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析した。ゲルレーン1は、DNAバンドサイズを示す分子量ラダーを含む。レーン2〜9は、前記8個の第18染色体プローブセットのハイブリダイゼーション−ライゲーション反応生成物を含む。約100ヌクレオチドのDNAバンド(約60ヌクレオチドの左アームと約40ヌクレオチドの右アームのプローブ生成物を表す)が、レーン2〜9のそれぞれに存在している。レーン10および11は、リガーゼ酵素を添加しないネガティブコントロール反応を含む。約100ヌクレオチドのDNAバンドは、レーン10および11には存在しない。
図60は、プローブセットを使用してコピー数状態の相対的変動を検出し得ることを示すデータを提示している。8箇所の異なるX染色体位置に対するホモログを含む8個のプローブセットの混合物を使用し、表1に示す異なる個数のX染色体を含む細胞株に対するアッセイを行った。
図57に示すハイブリダイゼーション−ライゲーションプロセスと精製プロセス(工程1〜5)の後に、定量PCRを使用し、各細胞株について、存在するプローブ生成物の量を求めた。図60Aに示すように、前記各種細胞株に関するコピー数状態の測定値は、表1に示す、期待された動向と一致していた。例えば、前記定量PCRは、X染色体のコピー数が1個であるNA12138については、コピー数状態が2個未満であると示した。NA00254(Xのコピー数は3個)については、コピー数状態の測定値は2を超え、NA01416(Xのコピー数は4個)については、コピー数状態の測定値は3を超え、NA06061(Xのコピー数は5個)については、コピー数状態の測定値はを4を超えていた。さらに、コピー数状態の差を検出するプロセスの反応性を、図60Bに示している。図60Bは、コピー数状態の理論値に対し、コピー数状態の測定値をプロットしたものである。
図61は、プローブ生成物の混合物を使用して、図56および図57に示すように定量的マイクロアレイデータを生成し得る根拠を提示している。
図61Aは、独立した2つの撮像チャネルにおける2つのアレイスポットの代表的な蛍光画像を示す(Alexa488:緑、Alexa594:赤)。対象領域(ROI)は自動的に選択され(大きな円)、不要な明るい夾雑物は、前記画像上でマスク処理される(より小さい輪郭を有するROI内の領域)。単一ハイブリダイゼーションアッセイの生成物における単一蛍光色素分子は、前記アレイスポット内で、小さな点状の特徴として可視化される。(i)は、前記緑色チャネルで撮像された「均衡した」スポット(前記アッセイにおいて、ゲノム標的が1:1の濃度比で入力されたことを示す)であり、(ii)は、前記赤色チャネルで撮像された同スポットである。(iii)は、前記緑色チャネルで撮像された「増加を示す」スポット(前記アッセイにおいて、ゲノム標的が、>1:1の濃度比で入力されたことを示す)であり、(iv)は、前記赤色チャネルで撮像された同スポットである。
図61Bは、前記「均衡した」状態および「増加を示す」状態をそれぞれ示す5個のスポットに関し、2つのチャネルで検出された蛍光色素分子の生カウント(raw counts)を示す。蛍光体の絶対数に若干のばらつきはあるものの、前記2つのチャネルにおける個数は、前記「均衡した」場合には、類似のプロットを示し、一方、前記「増加を示す」場合には、はっきりと分かれていた。
図61Cは、前記「均衡した」状態および「増加を示す」状態のそれぞれにおける前記5個のスポットに関し、前記緑色チャネルにおける蛍光体数を前記赤色チャネルにおける蛍光体数で割って算出した比率を示している。「均衡した」場合には、約1.0の比率に集中しており、「増加を示す」場合には、高い比率となる。前記「均衡した」場合は、均衡した2つの遺伝子座を比較する場合であり、前記「増加を示す」場合は、1つの遺伝子座が他方の遺伝子座に比べて増加している場合に相当すると考えると、前記2つの状態の分離の信頼度を、独立した2群間t検定を用いて計算し、8×10−14のp値を返してもよい。
図62は、図55〜58に示す基本手順の変形例を示す。この実施形態では、第2プローブセットであるプローブセットBは、各遺伝子位置について、プローブセットBにおけるゲノム相同配列が、プローブセットAにおけるゲノム相同配列の逆相補体となるように設計されている。プローブセットAは、ゲノムDNAの逆鎖にハイブリダイズし、プローブセットBは、前記ゲノムDNAの順鎖にハイブリダイズする。この実施形態によれば、図55〜58に示す実施形態と比べ、遺伝子座あたりのプローブ生成物の個数が約2倍になるため、より高い感度を実現できる。
図63は、図57に示す基本手順の変形例を示す。この実施形態では、工程6で使用したリバースプライマーがさらに修飾され、オリゴヌクレオチド配列における最初の5つのヌクレオチドをつなぐ4つの結合を、ホスホロチオエート結合としている。この修飾により、PCR増幅(工程7)中に生じるPCR産物は全て、5’末端にホスホロチオエート修飾を有することになる。この修飾により、工程8におけるλエキソヌクレアーゼ処理中に起こり得る分解から、逆鎖が保護される。
順鎖上の5’リン酸基により、前記順鎖はλエキソヌクレアーゼ分解に対して好適な鋳型となったが、前記逆鎖は、依然として分解に対してやや無防備な状態である。逆鎖の5’末端をホスホロチオエート修飾することで、λエキソヌクレアーゼ分解に対する脆弱性が緩和される。
図64は、図55〜58に示す基本手順の変形例を示す。この実施形態では、工程6の増幅反応において、フォワードプライマーを添加せず、リバースプライマーのみを添加することにより、プローブ生成物のPCR増幅を線形増幅としたものである。リバースプライマーのみが存在する場合、増幅産物は、一本鎖となる。すなわち、前記増幅産物は、5’末端に標識を有する逆鎖である。増幅産物が既に一本鎖の状態であるため、マイクロアレイへのハイブリダイゼーションの前に、さらに処理を行う必要がない。すなわち、λエキソヌクレアーゼによる分解を省略できる。この実施形態ではフォワードプライマーを使用していないため、プローブセットの左アームは、フォワードプライミング配列を備える必要がない。前記左アームは、図64に示すように、アフィニティータグ配列および遺伝子座相同配列からなる。
図55〜58に示す基本手順のさらに別の実施形態は、工程3における1回のライゲーション反応プロセスに代えて、繰り返し行うライゲーション反応プロセスを行うものである。これは、前記ライゲーション反応の触媒として使用される熱不安定性リガーゼ酵素(例えば、T4リガーゼ)の代わりに、熱安定性リガーゼ(例えば、Taqリガーゼ)を使用することにより実現できる。熱安定性リガーゼを使用した場合、ハイブリダイゼーションおよびライゲーションの初回サイクルを行った後、前記ハイブリダイゼーション−ライゲーション反応液を、全DNA二本鎖が融解される温度(例えば、95℃)まで加熱することができる。これにより、ゲノム鋳型DNAを、別のサイクルでのプローブセットのハイブリダイゼーションおよびライゲーションにおいて、全て無駄なく利用することができる。続いて温度を(例えば、45℃に)下げることにより、次のハイブリダイゼーションおよびライゲーション事象を起こすことができる。DNA二本鎖を融解させる温度と、ハイブリダイゼーションおよびライゲーションを起こす温度の間で、ハイブリダイゼーションおよびライゲーション反応の熱サイクリングを行うたびに、前記反応によって生じるプローブ生成物の量が直線的に増加する。前記反応についてこのようなサイクルを30回行った場合、プローブ生成物の量は、一回のライゲーション反応を行うプロセスと比べ、最大30倍となる。
図65は、図62に示す手順の変形例のさらに別の実施形態を示す。この実施形態は、各プローブセットにおける逆相補体の存在と熱安定性リガーゼの使用とを組合せてリガーゼ連鎖反応(LCR)の利点を活かし、生成物が指数関数的に増幅されるサイクルライゲーション反応を可能とするものである。図65は、1つの遺伝子座に対する2個のプローブセット(プローブセットAとプローブセットB)を示している。ここで、プローブセットBにおけるゲノム相同配列は、プローブセットAにおけるゲノム相同配列の逆相補体である。各プローブセットの5’側アームは、アフィニティータグ配列およびホモログからなり、各プローブセットの3’側アームは、標識が付加された相同配列からなる。熱サイクル反応の1回目のサイクルでは、図65Aに示すように、ゲノムDNAのみが、プローブ生成物を生成するためのハイブリダイゼーションとライゲーションを起こし得る利用可能な鋳型である。しかしながら、図65Bに示すように、2回目のサイクルでは、1回目のサイクルで生じたプローブ生成物Bが、プローブセットAに対するさらに別の鋳型となり、同様に、1回目のサイクルで生じたプローブ生成物Aが、プローブセットBに対するさらに別の鋳型となる。同様にして、連続サイクルのそれぞれで生じたプローブ生成物が、次のサイクルにおいて、プローブセットのハイブリダイゼーションおよびライゲーションの鋳型として働く。このプロセスによれば、プローブ生成物をそのままマイクロアレイ標的として使用し得るため、これをPCR増幅する必要がない。
図65に示す手順の別の実施形態は、LCRを利用するが、図55に示す構成のプローブセット、すなわち、左および右アームの両側にプライミング配列を有し、前記左アームはビオチン分子を含み、右アームは標識を含まない構成のプローブセットを使用するものである。LCR終了後、磁気ビーズを用いてプローブ生成物を精製し(任意)、次いで、図56および図57に示すように、PCR増幅およびマイクロアレイ標的の調製を行う。
図66は、図65に示した手順のさらに別の実施形態を示す。図66Aに示すように、各プローブセットの5’側アームは、アフィニティータグ配列とホモログからなり、各プローブセットの3’側アームは、相同配列と、標識付けされていないプライミング配列からなる。LCR終了後、プローブ生成物を精製してもよい。次いで、図66Bに示すように、標識付けされた単一のプライマーを、反応成分(Taqポリメラーゼ、dNTP、および反応緩衝液)と共に添加することにより、LCR生成物を直線的に増幅させる。この増幅で得られた産物は、図66Cに示すように、5’末端標識を有する一本鎖(逆鎖のみ)である。この結果、λエキソヌクレアーゼによる処理は不要となり、前記増幅産物をそのままマイクロアレイ標的として使用できる。
別の態様では、本明細書に記載の各種方法によって判定された遺伝的変異が、被検体における癌、薬物動態変動、薬物毒性、移植拒絶反応、または異数性の有無を示す。別の態様では、前記判定された遺伝的変異が、癌の有無を示す。よって、本明細書に記載の各種方法は、癌の診断のために実施してもよい。
腫瘍学における重要な課題は、癌の早期発見である。このことは、画像化や生検が困難な癌(例えば、膵臓癌、肺癌)の場合に、特に当てはまる。患者の血液中のセルフリー腫瘍DNA(腫瘍cfDNA)を用いることで、非侵襲的な腫瘍の検出方法が得られる。検出対象として、固形腫瘍、良性腫瘍、微小腫瘍、液性腫瘍、転移、またはその他の体成長(somatic growths)が挙げられる。検出は、いずれの腫瘍発達ステージで行ってもよいが、初期(ステージIまたはステージII)に行うのが理想的である。早期発見により、延命や寛解につながる治療介入(例えば、外科手術、化学療法、薬物治療)が可能となる。腫瘍学におけるさらなる課題として、治療の有効性、治療薬の投与量の用量設定、および原発性腫瘍と同一の臓器または離れた部位における腫瘍の再発のモニタリング、ならびに転移の検出が挙げられる。本発明は、これらの全ての用途に使用し得る。
いくつかの実施形態では、本開示のプローブセットは、腫瘍との関連が既知である遺伝的変異を標的とするように構成してもよい。このような遺伝的変異としては、突然変異、SNP、コピー数多型(例えば、増幅、欠失)、コピー数変化を伴わない変異(例えば、反転、転座)、および/またはこれらの変異の複雑な組合せを含んでもよい。腫瘍との関連が既知である遺伝的変異としては、例えば、以下に列挙される変異が挙げられる:
cancer.sanger.ac.uk/cancergenome/projects/cosmic;nature.com/ng/journal/v45/n10/full/ng.2760.html#supplementary−information;下記の表2および表3:
BGENE=ピーク内でFDR値により補正したp値;
K=既知の頻度で増幅された発癌遺伝子または検出されたTSG;
P=推定癌遺伝子;
E=エピジェネティックな制御因子;
M=ミトコンドリア関連遺伝子;
**ピーク領域に直接隣接;
T=末端動原体染色体のテロメアまたはセントロメアに隣接。
いくつかの実施形態に係る癌の診断方法では、プローブを、1つのプローブアームにおいて、切断点に少なくとも部分的に重複する設計とすることにより、既知の位置で起こる反転(図67A)を容易に標的とすることができる。「正常型」配列に結合する第1プローブは、反転していないゲノム物質を標的とし(図67B)、第1のタイプの標識を担持する。「反転した」標的に結合する第2プローブは、第2のタイプの標識を担持する(図67C)。共通の右プローブアームは、反転を起こしにくい天然配列を、最初の2つのプローブに直接隣接するよう結合させる。この右プローブアームはさらに、前記プローブ生成物を画像化用基板の同一の領域に配置する、共通のプルダウンタグを担持している。このようにして、前記プローブ対を前記ゲノム標的にハイブリダイズさせ、ライゲーションさせ、画像化を行って、それらの下にある前記2つの種の相対数を計数し得る。
同様に、公知の切断点を有する転座について、アッセイを行ってもよい。図68Aは、本来の順序であるか、あるいは転座を有する2つの遺伝要素を示す。これらの転座切断点に少なくとも部分的に重複するプローブアームにより、遺伝物質の正常型の順序と転移を伴う順序を区別することが可能になる。図68Bおよび図68Cに示すように、前記2つの左アーム上の固有の標識を選択することにより、ライゲーションにより得られたプローブ生成物を、画像化の際に、区別して計数し得る。
コピー数変化を伴わない変化(例えば、反転、転座)を検出するためのこれらの方法は、癌またはその他の疾患もしくは健康状態における生殖細胞系列変異体を検出するためにも使用し得る。
突然変異またはSNPもまた、多数の癌に関係があるとされ、出生前診断において胎児画分を判定するために調査される標的と同様の方法で標的とされる。図69Aおよび図69Bに示すいくつかの実施形態では、左プローブアームは、1以上のミスマッチSNPによって生じるエネルギーの不均衡を利用するように設計されている。これにより、一方のプローブアーム(1101、1つの標識を担持)が、第2のプローブアーム(1107、第2のタイプの標識を担持)と比べて結合しやすくなる。両設計とも、汎用のプルダウンタグを担持する同一の右プローブアーム(1102)にライゲーションする。
所与の患者の血液を、1つの方法、または2以上の方法の組合せにより、プローブを用いて調べてもよい。さらに、患者に特異的なプローブをカスタマイズすることが有用となり得る場合がある。これは、原発性腫瘍の試料(例えば、生検)における腫瘍特徴(SNP、転座、反転等)を見極め、前記患者の血液中における患者特異的な遺伝的変異の検出に最適な1以上のカスタマイズプローブセットを作製するプロセスを伴い、これにより、低コストで非侵襲的なモニタリング方法が提供される。これは、再発の場合に極めて有用である。再発に関しては、ある腫瘍型(最初の腫瘍と同一の腫瘍もしくは関連する腫瘍)の低レベルの再発を、出来る限り早期に検出することが理想とされるからである。
一般的な疾患進行経路に関しては、追加のパネルを設計し、疾患の進行を予測およびモニタリングしてもよい。例えば、変異が所与の順序で集積する傾向にある場合には、プローブを、現状、ならびに進行の「チェックポイント」をモニタリングし、治療オプションを導き出すようにするように設計してもよい。
(癌の早期発見)
例えば、ALK転座の肺癌との関連性が見出されている。ALK転座を調べるために設計されたプローブを使用し、血液試料を用いてこの種の腫瘍を検出してもよい。標準的な肺腫瘍の検出方法は、患者の健康を害するおそれがある高価な処置である胸部X線を介したものであり、よって標準的に実施される方法ではないため、これは極めて有利である。
(原発性腫瘍型の再発の検出)
例えば、HER2+乳腺腫瘍を外科手術で除去し、患者が寛解期にあるとする。HER2遺伝子を標的とするプローブを使用し、HER2遺伝子の増幅を1以上の時点でモニタリングしてもよい。これらが検出された場合、前記患者は、二次性HER2+腫瘍を、原発部位または別の部位に有している可能性がある。
(非原発性腫瘍型の検出)
例えば、HER2+乳腺腫瘍を外科手術で除去し、患者が寛解期にあるとする。EGFR遺伝子を標的とするプローブを使用し、EGFR+腫瘍をモニタリングしてもよい。これらが検出された場合、前記患者は、二次性EGFR+腫瘍を、原発部位または別の部位に有している可能性がある。
(転移の検出)
例えば、患者がHER2+乳腺腫瘍を有しているとする。ALK転座を調べるように設計されたプローブを使用し、血液試料を用いてこの種の腫瘍を検出してもよい。この腫瘍は、乳房内ではなく、肺に存在する可能性がより高い。これらが検出された場合、前記患者は、原発臓器から遠位に転移性腫瘍を有している可能性がある。
(腫瘍異質性の判定)
多数の腫瘍が、異なる遺伝的変異によって特徴付けられる複数のクローン集団を有する。例えば、乳腺腫瘍は、一細胞集団としてHER2+を、別の細胞集団としてEGFR+を有する場合がある。これら両変異を標的とするよう設計されたプローブを使用することにより、原因となっている遺伝的異質性を特定することが可能となる。
(腫瘍細胞量の測定)
上述のあらゆる例において、腫瘍cfDNA量を測定し、これを用いて、腫瘍の大きさ、増殖速度、悪性度、ステージ、予後、診断、ならびにその他の腫瘍および患者の属性を判定してもよい。2以上の時点で測定を行い、腫瘍cfDNA量の変化を観察することが理想的である。
(治療の経過観察)
例えば、HER2+乳腺腫瘍は、ハーセプチンを用いて治療される。HER2遺伝子を標的とするプローブを使用し、前記腫瘍の大きさの代替となり得る、腫瘍cfDNA量をモニタリングしてもよい。これを使用し、前記腫瘍の大きさが変化しているかどうかを判定してもよく、患者にとって最適な転帰が得られるよう、治療を変更してもよい。このような例として、投与量の変更、治療の中止、別の療法への切り替え、複数の療法の組合せが挙げられる。
(腫瘍DNAのスクリーニング)
現在のところ、癌に対して全般的に適用できるスクリーニングは存在しない。本発明は、体内のいくつかの部位またはあらゆる部位における腫瘍を検出する方法を提供する。例えば、複数のプローブを有するパネルを、ゲノム全体にわたり、100kbの間隔で展開する。このパネルを、ゲノム全体における遺伝的変異を検出するための手段として使用し得る。一例では、前記パネルは、ゲノム全体において、特定の大きさのコピー数の変化を検出する。このようなコピー数の変化は、腫瘍細胞と関連し、よって、前記検査により腫瘍細胞の存在が検出される。腫瘍型が異なれば、異なる腫瘍cfDNA量が生じるか、あるいは、ゲノム上の異なる部位に変異が生じる。したがって、前記検査により、いずれの臓器が罹患しているのかを特定し得る。さらに、測定した腫瘍cfDNA量は、腫瘍のステージまたは大きさ、あるいは腫瘍の位置を示し得る。このように、前記検査は、多数または全ての腫瘍型に対する全ゲノムスクリーニングである。
上述の全ての検査において、偽陽性を減少させるため、閾値を使用して腫瘍の存在または確実性を判定してもよい。さらに、複数の試料または複数の時点について検査を繰り返し、結果の確実性を向上させてもよい。得られた結果を他の情報または症状と組合せ、腫瘍に関するさらなる情報またはより確実な情報を提供してもよい。
対象核酸領域のコピー数を測定するために、本明細書に記載の方法に使用し得るプローブセットおよびプライマーの例を、下記表4に示す。表4に例示した各プローブセットは、2個のプローブを含む。第1(タグ)プローブは、フォワードプライミング部位、タグ、およびホモロジー1を含む構成を有する。第2(標識)プローブは、ホモロジー2と、標識付けに使用されるリバースプライマー部位を含む構成を有する。前記プローブの構成配列(タグ、相同配列等)も併せて示す。
SNP部位における多型を検出するために、本明細書に記載の方法に使用し得るプローブセットおよびプライマーの例を、下記表5に示す。表5に例示した各プローブセットは、3つのプローブ、2つのアリル特異的プローブ(標識付けに使用)、および1つのタグプローブを含む。これらの例では、前記2つのアリル特異的プローブは、1以上のヌクレオチドが異なる相同配列である。第1アリル用プローブの構成は、フォワードプライマー部位アリル1およびホモロジーアリル1を含む。第2アリル用プローブの構成は、フォワードプライマー部位アリル2およびホモロジーアリル2を含む。実用に際しては、異なる標識で標識された、2個のプライマーを使用してもよい(よって、前記標識はアリル特異的である)。これらの例では、相同領域(SNPを含まない)、前記タグ配列、およびリバースプライマー部位を含む汎用3’プローブも存在する。前記プローブを構成する配列(タグ、相同配列等)も、併せて示す。
以下のプロトコルは、24個までのセルフリーDNA試料の、ハイブリダイゼーション−ライゲーション、精製、増幅、マイクロアレイ標的調製、マイクロアレイハイブリダイゼーション、およびマイクロアレイ洗浄による処理手順を述べたものである。
下記材料を、調製または入手した。
水20μL中のセルフリーDNA(cfDNA);
プローブミックス:タグプローブおよび標識プローブオリゴヌクレオチド全種類(それぞれ、濃度2nM)の混合物;
Taqリガーゼ(40U/μL);
磁気ビーズ:マイワンストレプトアビジンC1ダイナビーズ(MyOne Streptavidin C1 Dynabeads);
ビーズ結合洗浄用緩衝液(1倍および2倍濃度);
増幅用フォワードプライマー(5’末端がリン酸修飾);
増幅用リバースプライマー(標識化);
AmpliTaq Gold Enzyme(5U/μL);
dNTPミックス;
λエキソヌクレアーゼ(5U/μL);
ハイブリダイゼーション用緩衝液、1.25倍濃度;
ハイブリダイゼーション用コントロールオリゴヌクレオチド;
マイクロアレイ洗浄用緩衝液A;
マイクロアレイ洗浄用緩衝液B;
マイクロアレイ洗浄用緩衝液C
<ハイブリダイゼーション−ライゲーション反応>
前記cfDNA試料(20μL)を、96ウェル反応プレートのウェルA3〜H3に添加した。各cfDNA試料に対し、下記試薬を反応液の総量が50μLになるように添加し、5〜8回上下にピペッティングして混合した。
前記プレートをサーマルサイクラーに入れ、以下のサイクル条件を用いてライゲーションを行った:(i)95℃で5分;(ii)95℃で30秒;(iii)45℃で25分;(iv)b〜c工程を4回繰り返す;(v)4℃に保持。
<ハイブリダイゼーション−ライゲーション生成物の精製>
(ダイナビーズの洗浄)
ダイナビーズのバイアルを、最速の設定で30秒、ボルテックスミキサーで撹拌した。前記ビーズ260μLを、1.5mLチューブに移した。2倍濃度のビーズ結合洗浄用緩衝液900μLと前記ビーズを、5〜8回上下にピペッティングして混合した。前記チューブを1分間磁気スタンドに置き、上清を除去した。前記磁気スタンドから前記チューブを取り外し、洗浄済みの磁気ビーズを、2倍濃度のビーズ結合洗浄用緩衝液900μL中に、5〜8回上下にピペッティングすることにより再懸濁させた。前記チューブを、前記磁気スタンドに1分間置き、上清を除去した。前記チューブを前記磁気スタンドから取り外し、2倍濃度のビーズ結合洗浄用緩衝液を1230μL添加した。前記ビーズを、5〜8回上下にピペッティングすることにより再懸濁させた。
(ハイブリダイゼーション−ライゲーション生成物の固定化)
前記96ウェル反応プレートにおける各ハイブリダイゼーション−ライゲーション反応生成物に、洗浄済みビーズ50μLを添加し、8回上下にピペッティングして混合した。室温で15分間インキュベートし、インキュベート中、板状磁石上で2回の混合を行った。前記ビーズを3分間板状磁石上に置いて分離させ、次に上清を取り除き、除去した。前記プレートを前記板状磁石から取り外し、1倍濃度のビーズ結合洗浄用緩衝液200μLを添加し、5〜8回上下にピペッティングして前記ビーズを再懸濁させた。前記プレートを前記板状磁石上に1分間置き、上清を除去した。前記プレートを前記板状磁石から取り外し、1倍SSCを180μL添加し、5〜8回上下にピペッティングして前記ビーズを再懸濁させた。前記プレートを前記板状磁石上に1分間置き、上清を除去した。
(ハイブリダイゼーション−ライゲーション生成物の精製)
新たに調製した0.15MのNaOHを50μL、各ウェルに添加し、前記ビーズを、5〜8回上下にピペッティングして再懸濁させ、室温で10分間インキュベートした。前記プレートを前記板状磁石上に2分間置き、次いで、前記プレートを取り外し、上清を除去した。前記プレートを前記板状磁石から取り外し、新たに調製した0.1MのNaOHを200μL添加し、5〜8回上下にピペッティングして前記ビーズを再懸濁させた。前記プレートを前記板状磁石上に1分間置き、上清を除去した。前記プレートを前記板状磁石から取り外し、0.1MのNaOHを180μL添加し、前記ビーズを、5〜8回上下にピペッティングして再懸濁させた。前記プレートを前記板状磁石上に1分間置き、上清を除去した。前記プレートを前記板状磁石から取り外し、1倍濃度の結合洗浄用緩衝液を200μL添加し、5〜8回上下にピペッティングして前記ビーズを再懸濁させた。前記プレートを前記板状磁石上に1分間置き、上清を除去した。前記プレートを前記板状磁石から取り外し、TEを180μL添加し、5〜8回上下にピペッティングして前記ビーズを再懸濁させた。前記プレートを前記板状磁石上に1分間置き、上清を除去した。水20μLを各ウェルに添加し、5〜8回上下にピペッティングして前記ビーズを再懸濁させた。前記プレートを密封し、後続の工程における使用時まで、4℃で保管した。
<増幅>
前記96ウェル反応プレートにおける各ハイブリダイゼーション−ライゲーション反応生成物に、下記試薬を、反応液の総量が50μLになるように添加した。
前記プレートをサーマルサイクラーに入れ、以下のサイクル条件を用いて前記プローブをライゲーションさせた:(i)95℃で5分;(ii)95℃で30秒;(iii)45℃で25分;(iv)b〜c工程を4回繰り返す;(v)4℃に保持。
(ハイブリダイゼーション−ライゲーション生成物の精製)
前記試薬を、5〜8回上下にピペッティングして混合した。前記プレートをサーマルサイクラーに入れ、以下のサイクル条件を用いて前記プローブを増幅した:(i)95℃で5分;(ii)95℃で30秒;(iii)54℃で30秒;(iv)72℃で60秒、(v)b〜d工程を29回繰り返す;(vi)72℃で5分間;(vii)b〜c工程を4回繰り返す;(v)4℃に保持。
<マイクロアレイ標的調製(一本鎖への分解)>
前記96ウェル反応プレートにおける各増幅反応生成物に、下記試薬を、反応液の総量が60μLになるように添加した。
前記試薬を、5〜8回上下にピペッティングして混合した。前記プレートをサーマルサイクラーに入れ、以下のサイクル条件を用いて前記プローブを分解した:(i)37℃で60分;(ii)80℃で30分;(iii)4℃に保持。前記プレートをSpeedVacに入れ、中程度の加熱設定を用い、約60分間、または液体が全て蒸発するまで、試料を乾燥させた。前記試料を、後続の工程における使用時まで、暗所において4℃で保管した。
<マイクロアレイハイブリダイゼーション>
前記96ウェル反応プレートにおける、乾燥させた各マイクロアレイ標的に、下記試薬を、反応液の総量が20μLになるように添加した。
前記試薬を10回〜20回上下にピペッティングして混合することにより再懸濁させ、短時間高速回転にかけ、含有成分を前記プレートウェルの底へと移動させた。前記プレートをサーマルサイクラーに入れ、以下のサイクル条件を用いて前記プローブを変性させた:(i)70℃で3分;(ii)42℃で保持。各試料について、使用するマイクロアレイのバーコードを、トラッキングシートに記録した。処理を行う各マイクロアレイ用のリフタースリップ(Lifter Slip)を備えたハイブリダイゼーションチャンバを準備した。各試料について、ハイブリダイゼーションチャンバ内のリフタースリップの中央にマイクロアレイ標的15μLを添加し、適切なマイクロアレイを、その上端を下向きにして前記リフタースリップにあて、ゆっくりと下降させて水平配置とすることにより、直ちに前記標的流体上に配置した。前記ハイブリダイゼーションチャンバを閉じ、42℃で60分間インキュベートした。前記ハイブリダイゼーションチャンバを開け、前記リフタースリップから各マイクロアレイを取り外し、マイクロアレイ洗浄用緩衝液Aに浸漬されたラックに配置した。マイクロアレイが全てラックにセットされたところで、前記ラックを650rpmで5分間攪拌した。前記マイクロアレイがセットされた前記ラックをマイクロアレイ洗浄用緩衝液Aから取り出し、余分な液体をクリーンルーム用ワイパ上で軽く叩いて落とし、前記ラックを速やかにマイクロアレイ洗浄用緩衝液Bに入れた。前記ラックを650rpmで5分間攪拌した。前記マイクロアレイがセットされた前記ラックをマイクロアレイ洗浄用緩衝液Bから取り出し、余分な液体をクリーンルーム用ワイパ上で軽く叩いて落とし、前記ラックを速やかにマイクロアレイ洗浄用緩衝液Cに入れた。前記ラックを650rpmで5分間攪拌した。前記マイクロアレイ洗浄用緩衝液C中での前記5分間の洗浄完了後すぐに、前記マイクロアレイがセットされたラックを、前記緩衝液からゆっくりと取り出した。前記洗浄緩衝液が前記カバーガラス表面から最大限こぼれ落ちるように、この作業は、5〜10秒かけて行った。余分な液体をクリーンルーム用ワイパ上で軽く叩いて落とした。真空吸引器を使用し、各マイクロアレイのいずれかの表面に残存する緩衝液の液滴を除去した。前記マイクロアレイは、前記マイクロアレイの分析時まで、窒素雰囲気下にて暗所において、スライドラック内で保管した。