JP5624555B2 - カルシトリオール又はカルシフェジオールの生産促進用バッファ組成物及びこれを利用したカルシトリオール又はカルシフェジオール製産方法 - Google Patents
カルシトリオール又はカルシフェジオールの生産促進用バッファ組成物及びこれを利用したカルシトリオール又はカルシフェジオール製産方法 Download PDFInfo
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Description
本発明はカルシトリオール又はカルシフェジオールの生産促進用バッファ組成物及びこれを利用したカルシトリオール又はカルシフェジオール製産方法に関するものであり、より詳細には金属化合物、有機溶剤、シクロデキストリン、トリス(ヒドロキシメチール)アミノメタン、コハク酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム(magnesium chloride)及び水からなるカルシトリオール又はカルシフェジオール生産促進用バッファ組成物及びこれを利用したカルシトリオール又はカルシフェジオール製産方法に関する。
カルシトリオール又はカルシフェジオールを製造する従来の方法には、有機化学合成法と微生物発酵による製産方法が知られている。有機化学合成法は化学構造上の立体特異性(stereospecificity)と位置特異性(regiospecificity)を考慮し、炭素原1番又は25番位置に選択的にヒドロキシ基を導入しなければならないので、高難易度の技術と高価の反応過程が要求される短所があり、このような短所を改善した微生物発酵による生物転換生産方法が開発された。微生物による生物転換反応は立体特異的(stereospecific)であり位置特異的(regiospecific)であることが既に立証されている。従って、活性型ビタミンD3生産方法を既存の有機合成法から微生物の水酸化機能を利用する生物転換による経済的な方法に代替し得る。
しかしながら、既存の微生物発酵による生物転換方法は下記のような複数の短所が見出された。
従って、このような短所を克服して高純度のカルシトリオール又はカルシフェジオールを高収率で生産できる新たな製産方法の開発が急を要する状況である。
本発明の組成物は金属化合物、有機溶剤、シクロデキストリン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、コハク酸ナトリウム(sodium succinate)、塩化ナトリウム(sodium chloride) 、塩化マグネシウム(magnesium chloride)及び水からなることを特徴とする。
その結果、25mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、25mMコハク酸ナトリウム、20mM塩化ナトリウム、4mM塩化マグネシウムで構成されたTSSMバッファからカルシトリオール及びカルシフェジオールそれぞれの生産性が、最も優れていることを確認した(実施例1参照)。
その結果、シクロデキストリンがカルシトリオール及びカルシフェジオールの生産収率を増加させることを確認し、特に、βーシクロデキストリンを追加する場合、生産収率が高くなることを確認した(実施例2参照)。
その結果、有機溶媒の投与によりカルシトリオール及びカルシフェジオール生産収率が増加することを確認し、特に、メタノールを追加する場合、生産収率が高くなることを確認した(実施例3参照)。
さらに、シクロデキストリンと有機溶剤を同時に追加した場合、生産収率がシクロデキストリン又は有機溶剤を単独で投与した場合よりはるかに高くなることを確認した(実施例4参照)。
その結果、CuCl2、CuSO4、CoCl2、CoSO4の場合、濃度に関係なくカルシトリオール及びカルシフェジオールを生産収率が減少するか、又はなされなかったものの、FeCl2、FeCl3、FeSO4、ZnSO4又はMnCl2、を投与する場合、カルシトリオール及びカルシフェジオール生産収率が増加されることを確認した。特に、ZnSO4又はMnCl2を投与する場合、生産収率の増加が並外れていることが確認できた(実施例6参照)。
その結果、pH変化によりカルシトリオール及びカルシフェジオールの生産収率が変化し、pH7.0乃至pH7.4において高いカルシトリオール及びカルシフェジオール生産収率が示されたことを確認した(実施例7参照)。
その結果、本発明のカルシトリオール又はカルシフェジオール生産促進用バッファ組成物は、FeCl2、FeCl3、FeSO4は0.01%濃度でそれぞれ53.12mg/L、60.8mg/L、62.42mg/Lのカルシトリオール生産収率を示し、ZnSO4は0.01%濃度で77.18mg/Lのカルシトリオール生産収率を示した。特に、MnCl2は0.03%濃度で90.12mg/Lのカルシトリオール生産収率及び166.87mg/Lのカルシフェジオール生産収率を示した(実施例8参照)。これにより本発明のFeCl2、FeCl3、FeSO4、ZnSO4又はMnCl2を含む組成物が優れたカルシトリオール又はカルシフェジオール生産率を示すことを確認した。
さらに、前記反応物を回収して菌体を除去した後、ビタミンD3、カルシフェジオール及びカルシトリオールを分離精製した。
その結果、純度90%以上のカルシフェジオール7.6gと、純度99%のカルシトリオール2.2gを収得した(実施例11参照)。
ただし、下記実施例は本発明を例示するのみであり、本発明の内容は下記実施例に限定されるものではない。
カルシトリオール生産の為の生物触媒反応バッファ決定
生物触媒であるGAC(growth-arrested cells)が生物触媒反応により、ビタミンD3にヒドロキシル基を導入する能力を備える為の多様な種類のバッファでカルシトリオールの生産性を確認した。
本発明のカルシフェジオールとカルシトリオール生産の為の生物触媒に使用する為に、シュードノカルジアアウトトロピカID9302(Pseudonocardia autophica ID9302, 以下“ID9302”と称す)菌株を適正条件の培地(乾燥イースト0.4%,ブドウ糖1%,澱粉1%、魚粉1%、塩化ナトリウム0.2%,リン酸二水素カリウム0.01%、牛肉エキス0.1%、フッ化ナトリウム0.01%及びカルシウムカーボネート0.2%、pH7.0の滅菌液体培地)で培養し、これを遠心分離して菌体のみを回収した後、以下の実験に使用される生物触媒反応バッファ(表1参照)でそれぞれ洗浄して培養液内の栄養成分を完全に除去して次の段階で進行される生物触媒反応の為のGAC(growth-arrested cells)を製作した(以下“ID9302 GAC”と称す)。
本培養液50mlに準備した生物触媒であるGACを50mlの[表1]のような多様なバッファに再度溶解して250ml三角フラスコにいれて、5%ビタミンD3溶液(in ethanol)300μlを同一の三角フラスコにいれて、9日間同一の条件で振とう反応した。7日と9日に培養液3mlを採り、抽出溶媒(methylene chloride/methanol=1/1)6mlを添加して30分間混合し、有機溶媒層を採り、濃縮してHPLCで分析し、生物触媒反応の収率とカルシトリオール及びカルシフェジオールそれぞれの生産性を測定した。
カルシトリオール及びカルシフェジオール純品と一致するUVパターンとRTを表すピークを比較分析して生産性を確認した。HPLC分析条件はカラムはJ’sphere ODS-H80(150x4.6mm I.D.)、移動相はリン酸でpH7.2〜7.3に調整した0.1%トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(tris(hydroxymethyl)aminomethane, THAM)450mlとアセトニトリル550mlの混合溶媒を使用し、移動速度は1ml/min、検出はphotodide array detectorを使用した。
マレートバッファ(Maleate buffer)もTSSMバッファで示した1.65mg/Lのカルシトリオール生産性には及ばなかったものの、ID9302の生物触媒の為の比較的優れたバッファであることを確認した。
TSSMバッファはpHのbuffering効果が優れたトリズマベース、イオン強度(ionic strength)が優れたNaCl、代謝活動に寄与するコハク酸ナトリウム、p450水酸化酵素(hydroxylase)の補助因子(cofactor)であるマグネシウムイオン等により構成されたバッファであり、それぞれ10〜50mMトリズマベース、10〜50mMコハク酸ナトリウム、10〜30mM塩化ナトリウム、1〜8mM塩化マグネシウムの濃度(pH7.0〜7.4)で特に優れた生産性を発現した。そこで、TSSMバッファをp450水酸化酵素反応系で用いる生物触媒反応のバッファに決定した。
シクロデキストリンが生物触媒反応に及ぼす影響
実施例1で決定された生物触媒反応条件と同等の条件で生物転換試験を行った。50mlTSSMバッファにID9302 GAC生物触媒を入れて、各種シクロデキストリンを0.25% 、0.5%、1%の濃度で投入し、さらに、5%ビタミンD3エタノール溶液 300μl を三角フラスコに入れて振とう反応を9日間進行する生物転換試験を進行した。5日、7日、9日目に反応試料3mlを採り、実施例1−2と同一の方法で抽出し、濃縮及びHPLC分析を実施した。
最終HPLC分析の結果、シクロデキストリンがTSSMバッファの環境を変化させ、生物触媒であるID9302 GACがビタミンD3に、ヒドロキシル基を導入する収率を増加させることを確認した(図2参照)。シクロデキストリンの種類、濃度及び培養時間に伴うカルシトリオール及びカルシフェジオールの生産性は下記[表2]に要約した。
βーシクロデキストリン(βーCD)をTSSMバッファに投入した場合に0.25%において最も優れた生物転換結果を示し、対照群に対してカルシトリオールの生産収率が3.79倍上昇したことが分った。さらに、カルシフェジオールの生産率もβーシクロデキストリン0.25%濃度で4.37倍増加することを確認した。
γーシクロデキストリン(γ-CD)の場合には、0.25%、0.5%、1%で投与濃度が増加するのと比例してカルシトリオールの生産収率も1.7倍、2.18倍、2.26倍増加し、カルシフェジオールの生産収率も大きく増加することを確認した。
βーシクロデキストリンの誘導体であるメチルーβーシクロデキストリン(M-CD)の場合には、0.25%においてcontrolに対して2.87倍の最も高いカルシトリオール生産収率を示し、以降の濃度で急激なカルシトリオール生産性下落を示し、カルシフェジオールの生産収率は高く維持された。
以上の結果を通じて示された通り、本発明においてシクロデキストリンが投与されない対照群(TSSMバッファ)と比較して、TSSMバッファにシクロデキストリンが適正濃度で投与されたバッファ(以下、“TSSMCバッファ”と称す)の場合に、ビタミンD3の生物転換収率が高くなり、それによりカルシトリオールとカルシフェジオールの生産収率が増加することを確認した。
特定有機溶剤が生物触媒反応に及ぼす影響
実施例1で決定された生物触媒反応条件を基本として、有機溶剤が生物触媒反応に及ぼす影響とカルシトリオール及びカルシフェジオールの生産効果を確認した。実施例1の生物触媒反応条件に[表3]の有機溶剤4種をそれぞれ最終濃度が2.5%、5%、10%、20%、30%になるように投与して実施例2の振とう反応と同一の条件で実験を進行し、生物触媒反応8日目に反応を終了して実施例1−2と同一の方法でHPLCで定量分析した。
メタノールの場合には、投与濃度20%以上では生物転換活性が全く表れず、2.5%から10%までのメタノールを投与した時、対照群に対して3.52倍までカルシトリオール生産収率が増加することを確認した。カルシフェジオール生産収率の場合にも6倍以上増加したことが示された。
アセトンとジメチルスルホキシド(Dimethyl Sulfoxide, DMSO)の場合には、対照群に対するカルシトリオールは2〜2.5倍、カルシフェジオールは5.5〜6.5倍の生産収率増加現象を示した。
以上の結果の通り、一定濃度有機溶剤を生物触媒反応に投入することにより、難溶性物質であるビタミンD3の溶解度を増加させて、カルシトリオールの生産収率を高めることを確認した(図3参照)。
シクロデキストリンと有機溶剤の混合条件が生物触媒反応に及ぼす影響
実施例2で最も優れた生物転換効果を示した、0.25%βーシクロデキストリンをTSSMバッファに投入させたTSSMCバッファを基本的な生物触媒反応バッファに活用した。実施例3で確認された有機溶剤が生物転換に及ぼす有効な効果を勘案して、有機溶剤を2.5%から10%濃度となるように生物触媒反応バッファに投入してシクロデキストリンと有機溶剤の混合に伴う生物転換収率に及ぼす影響を確認した。GAC製作、振とう反応条件及びHPLC分析は実施例1と同一である。
その結果、βーシクロデキストリンと有機溶剤との混合は生物触媒反応に肯定的な反応を示し、カルシトリオールの生産収率の増加と共に、カルシトリオールの生合成前躯物質であるカルシフェジオールの生産性はメタノールを追加した場合、対照群に対して約4倍である89.14mg/Lまで達するものと確認された(図4参照)。
<実施例5>
75L発酵槽での生物触媒反応による活性型ビタミンD3であるカルシフェジオールとカルシトリオールの生産
実施例4までの反応条件を基本に使用して、75L発酵槽で生物触媒を利用してビタミンD3にヒドロキシル基を導入する、カルシフェジオールとカルシトリオール生産試験を実施した。培養条件は実施例1と同一で、スケールだけ中間培養において2L液体培養液(in 2.5L発酵槽)で増加し、本培養は50L液体培地(in 75L 発酵槽)を使用した。HPLC分析は実施例1−2と同一である。
生産性の確認の結果、生物触媒反応3日目からカルシトリオールの前躯物質であるカルシフェジオールが生産され始め、反応4−5日目にカルシフェジオールの急激な増加が表れ、同時にカルシトリオールの生成が本格的に始まった。生物触媒反応7日目にカルシトリオールとカルシフェジオールの生産が急激に増加し始め、生物触媒反応8日目には最も高い38.1mg/Lのカルシトリオール生産性と反応9日目には、109mg/Lのカルシフェジオールの生産性を示した。これは反応3日目と比べた時、カルシトリオールの場合には、38倍の生産性増加率を示し、カルシフェジオールの場合には、15倍の生産性増加率を示した。最大生産時以降、生物触媒反応12日目まで、二つの物質は共に緩慢に減少するパターンを示した(図5参照)。
これにより、ID9302を利用した生物触媒を調剤し、75Lの発酵槽を通じて反応容器でビタミンD3にヒドロキシル基を導入する能力が検証され、同時に優れたカルシトリオール及びカルシフェジオールの生産能力を提供することが確認できた。
金属物質が生物触媒反応に及ぼす影響
ビタミンD3をカルシフェジオールとカルシトリオールに生物転換する為には、電子伝達が重要である。TSSMCバッファに金属物質を追加すれば、金属物質からでた電子により電子伝達が多くなり、これにより酵素の活性が増加され、生物転換率が増加するものと予想される。
実施例4で決定された生物触媒反応条件を基本として、金属物質が生物触媒反応に及ぼす影響と、カルシフェジオール及びカルシトリオールの生産効果を確認した。
7.5%のメタノールが追加して含有されたTSSMCバッファ生物触媒反応条件に[表5]の金属物質9種を0.01%、0.03%、0.06%になるように投与して、実施例2の振とう反応と同一の条件で実験を進行し、生物触媒反応7日目と9日目に実施例1−2と同一の方法でHPLC定量分析した。
定量分析の結果、CuCl2、CuSO4、CoCl2、CoSO4の場合、濃度に関係なく生物触媒反応がスムーズになされず、その結果、カルシフェジオールとカルシトリオール生産収率の下落を示した。FeCl2とFeCl3においてもカルシフェジオールとカルシトリオールの生産収率の増加はなかった。FeSO4は0.06%において対照群に比べて1.14倍にカルシトリオールが増加した。
MnCl2の場合、0.06%ではカルシフェジオールとカルシトリオールの生産収率が下落し、0.01%ではカルシフェジオールの生産収率が対照群に比べて1.15倍の生産収率の増加を示した。0.03%濃度ではカルシトリオールは1.83倍、カルシフェジオールは1.52倍に生産収率が増加することを確認し、金属物質中最も優れた生産収率の増加を示した。
ZnSO4の場合、0.01%においてカルシトリオールは対照群と似通った生産収率を示したものの、カルシフェジオールは1.34倍の増加を示した。0.06%では対照群に対してカルシトリオールの生産収率が1.3倍増加する効果を示した(図6参照)。
上記の結果を通じて、幾つかの金属物質を生物触媒反応に投入することにより、生物転換効果が増加することを示し、その結果、カルシフェジオールとカルシトリオールの生産収率が増加することを確認した。
pH調節が生物触媒反応に及ぼす影響
生物触媒反応が進行するほど、反応液のpHが継続的に上昇する。反応液のpHを一定に維持した場合の生物触媒反応に及ぼす影響を確認する為に、5L発酵槽を利用して生物触媒反応を行った。培養条件は実施例1と同一で、中間培養において140ml液体培養液に増加し、本培養は3.5L液体培地を使用した。反応条件は<実施例6>までの条件を基本とした。
5日間のID9302の本培養終了後、生物触媒であるID9302 GACを製造後に、反応槽である5Lの発酵槽に0.03%のMnCl2 が投入されたTSSMバッファ(pH7.2)(以下、TSSMM バッファと称す)3.5Lを入れ、ID9302 GACを反応バッファに再度溶解して28℃、500rpm、0.5vvmで平衡状態を維持した。3.5L反応液の0.02%と0.05%に相当するビタミンD3とβーシクロデキストリンを52.5mlのメタノールに溶解させ、反応開始時点で5日間連続的に投与した。この際、pHを1N NaOHと0.5N HClを利用して6.2、6.6、7.0、7.4、7.8、8.0に維持した。生物触媒6日、8日、10日目の反応液を実施例1−2と同じ方法でHPLC分析し、カルシフェジオールとカルシトリオールの生産性を確認した。
その結果、pH6.2では生物転換が全くなされず、カルシトリオール及びカルシフェジオールが殆ど生産されなかった。さらに、pH6.6でも極めて低いカルシトリオールとカルシフェジオールの生産収率を示した。pH7と7.4では高いカルシトリオールとカルシフェジオール生産収率を示し、pH7.0の場合、対照群に比べて1.15倍と1.16倍のカルシトリオール及びカルシフェジオールの生産性向上を示し、pH7.4の場合、1.12倍と1.03倍の向上を示した。pH7.8と8.2ではカルシフェジオールとカルシトリオールの生産収率が急激に減少することを確認した(図7及び[表6]参照)。
以上の結果を参照すると、生物触媒反応の際、pHを一定に維持することにより、カルシフェジオールとカルシトリオールの生産収率が増加することがわかる。この際、pHは7.0から7.4の間を維持させることが好ましい。
75L発酵槽での金属化合物種類によるカルシフェジオールとカルシトリオールの生産性比較
実施例7までの反応条件を基本に使用し、75L発酵槽で生物触媒を利用してビタミンD3にヒドロキシル基を導入するカルシフェジオールとカルシトリオール生産試験を実施した。培養条件は実施例1と同一で、スケールのみ中間培養において2L液体培養液に増加し、本培養は75L発酵槽で50L液体培地を使用して培養した。
5日間のID9302の本培養終了後、生物触媒であるID9302 GACを製造した後、反応槽である75L発酵槽に50LTSSMバッファを入れて表5の金属化合物9種を0.01%、0.03%、0.06%になるように投与した。
GACを反応バッファに再度溶解させ、28℃、500rpm、0.5vvmに平衡状態を維持した。50L反応液の0.02%と0.05%に相当するビタミンD3とβーシクロデキストリンを 750mlのメタノールに溶解させて反応開始時点から5日間連続的に投与した。
この際、pHを1N NaOHと0.5N HClを利用して7.0に維持した。生物触媒により10日間反応させた反応液を実施例1−2と同じ方法でHPLC分析してカルシトリオールとカルシフェジオールの生産性を確認した。
その結果、[表7]に示した通り、CuCl2、CuSO4、CoCl2、CoSO4の場合、濃度に関係なく生物触媒反応がスムーズになされなかったものの、FeCl2、FeCl3、FeSO4は0.01%濃度ではそれぞれ53.12mg/L、60.8mg/L、62.42mg/Lのカルシトリオール生産収率を示し、ZnSO4は0.01%濃度で77.18mg/Lのカルシトリオール生産収率を示した。特に、MnCl2は0.03%濃度で、90.12mg/Lのカルシトリオール生産収率及び166.87mg/Lのカルシフェジオール生産収率を示した(図8参照)。
これにより、本発明のFeCl2とFeCl3、FeSO4、ZnSO4及びMnCl2を含む組成物は優れたカルシトリオール又はカルシフェジオール生産収率を示すことを確認した。
75L発酵槽で有機溶剤種類に伴うカルシフェジオールとカルシトリオールの生産性比較
実施例7までの反応条件を基本に使用して、75L発酵槽で生物触媒を利用してビタミンD3にヒドロキシル基を導入するカルシフェジオールとカルシトリオール生産試験を実施した。
反応条件は実施例8と同一で、5日間のID9302の本培養終了後、生物触媒であるID9302 GACを製造して、反応槽である75L発酵槽に0.03%のMnCl2を最終濃度として含む、TSSMC バッファ50Lをいれて、エタノール、メタノール、アセトン及びDMSOを実施例4で最も良い生産性を示した濃度でそれぞれ投与した。
GACを反応バッファに再度溶解させ、10%ビタミンD3溶液300mlを調剤して平衡を維持している生物触媒反応系に投入して、28℃、500rpm、0.5vvmの条件で10日間ビタミンD3の生物転換を実施した。
この際、pHを1N NaOHと0.5N HClを利用して7.0に維持した。生物触媒により10日間反応させた反応液を実施例1−2と同じ方法でHPLC分析してカルシトリオールとカルシフェジオールの生産性を確認した。
その結果、[表8]に示した通り、エタノールは48.45mg/Lのカルシトリオール生産収率を示し、アセトンとDMSOはそれぞれ74.87mg/L及び70.85mg/Lのカルシトリオール生産収率と256.37mg/L及び141.81mg/Lのカルシフェジオール生産収率を示すことを確認した。特に、メタノールの場合、90.12mg/Lのカルシトリオール生産収率と166.87mg/Lのカルシフェジオール生産収率を示した。
これにより、本発明のメタノール、エタノール、アセトン及びDMSOを含む組成物は優れたカルシトリオール又はカルシフェジオール生産性を示すことを確認した。
75L発酵槽での生物触媒反応を通じた活性型ビタミンD3であるカルシフェジオールとカルシトリオールの生産
実施例9までの反応条件を基本に使用し、75L発酵槽で生物触媒を利用してビタミンD3にヒドロキシル基を導入するカルシフェジオールとカルシトリオール生産試験を実施した。反応条件は実施例9と同一である。
5日間のID9302の本培養終了後、生物触媒であるID9302 GACを製造した後に、反応槽である75L発酵槽に50L TSSMMバッファを入れてGACを反応バッファに再度溶解させ、28℃、500rpm、0.5vvmので平衡状態を維持した。50L反応液の0.02%と0.05%に相当するビタミンD3と、βーシクロデキストリンを750mlのメタノールに溶解させて、反応開始時点から5日間連続的に投与した。この際、pHを1N NaOHと0.5N HClを利用して7.0に維持した。生物触媒により1日から10日間反応させた反応液を実施例1−2と同じ方法でHPLC分析してカルシトリオールとカルシフェジオールの生産性を確認した。
生産性の確認の結果、生物触媒反応1日目からカルシトリオールの前躯物質であるカルシフェジオールが生産され始め、反応2−3日目にカルシフェジオールの急激な増加が表れ、同時にカルシトリオールの生産が本格的に開始された。生物触媒反応4日目にカルシトリオールとカルシフェジオールの生産が急激に増加し始め、生物触媒反応7日目に最も高い91.23mg/Lのカルシトリオール生産性と、168.24mg/Lのカルシフェジオールの生産性を示したことを確認した。これは反応1日目と比較した時、カルシトリオールの場合には、90倍の生産性増加率を示し、カルシフェジオールの場合には3倍の生産性増加率を示した。最大生産時以降、生物触媒反応10日目まで二つの物質が、共に緩慢に減少するパターンを示した(図9参照)。
これにより、ID9302を利用した生物触媒を調剤して、75Lの発酵槽を通じた反応容器でもビタミンD3にヒドロキシル基を導入する能力が検証され、同時に優れたカルシトリオール及びカルシフェジオールの生産能力を提供することを確認した。
さらに、本発明に伴う方法以外に生物触媒酵素の力価を阻害しない濃度範囲内で基質の量を増加させ、最終産物であるカルシトリオール又はカルシフェジオールの生産性を増加させる方法も確認できた。
反応液から活性型ビタミンD3の分離
生物触媒反応が終了した反応液50Lに1%の合成吸着剤Sepabeads SP850(Mitsubishi chemical,日本)を添加して400rpmで1時間撹拌して反応液内にあるビタミンD3及び活性型ビタミンD3を吸着させる。多層濾過装置を利用して濾過された細胞とSP850はアセトン25Lに抽出され、40℃以下で減圧濃縮した。
濃縮液を50%メタノール2Lに再度溶解させ、分別漏斗を利用して2Lヘキサンを添加して1次再抽出した。抽出物(上方相、ヘキサン中のカルシフェジオール、ビタミンD3、脂溶性不純物)を収集した。抽出物を40℃以下で減圧濃縮し、シリカゲルカラムで分取した。移動相はヘキサンとエチルアセテート7:3比率の混合物であり、10ml/分の条件で分離した。ビタミンD3とカルシフェジオールの順に分取した。ビタミンD3とカルシフェジオールは純度90%以上であり、それぞれ18gと7.6gを分離し、これはカルシトリオール生産の為の前躯体に再使用が可能であった。
1次再抽出残留物(下方相、50%メタノール中のカルシトリオール、水溶性不純物)を 2Lジクロロメタンで2次再抽出して水溶性不純物を除去したカルシトリオール抽出物(下方相、ジクロロメタン中のカルシトリオール)を収集した。抽出物を40℃以下で減圧濃縮し、C−18 ODS columnを利用してカルシトリオールを分取した。移動相は75%メタノールで、10ml/分の条件で分取した。カルシトリオール分取液は40℃以下で減圧濃縮し、メタノールに溶解させ、YMC J’s sphere ODS columnでカルシトリオールのα型とβ型を分離した。移動相は45%アセトニトリル、230nm、15ml/分の条件で分離して純度99%の白色結晶型のカルシトリオール2.2gを得た。
Claims (7)
- FeCl2とFeCl3、FeSO4、MnCl2及びZnSO4からなる群より選ばれた、一つ以上の金属化合物0.01乃至0.3%(w/v)、エタノール、メタノール、アセトン及びジメチルスルホキシード(Dimethyl Sulfoxide, DMSO)からなる群より選ばれた一つ以上の有機溶剤1乃至10%(w/v)、シクロデキストリン0.1%乃至5%(w/v)、トリス(ヒドロキシルメチル)アミノメタン(Tris(hydroxylmethyl)aminomethane)0.01乃至1%(w/v)、コハク酸ナトリウム(sodium succinate)0.01%乃至1%(w/v)、塩化ナトリウム(sodium chloride)0.01乃至1%(w/v)、塩化マグネシウム(magnesium chloride)0.001乃至0.5%(w/v)及び残量の水からなる、シュードノカルジアアウトトロピカによる、カルシトリオール又はカルシフェジオール生産促進用バッファ組成物。
- 前記金属化合物は0.01乃至0.03%(w/v)、前記有機溶剤は2.5乃至10%(w/v)、前記シクロデキストリンは0.25乃至1%(w/v)、前記トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンは0.12乃至0.61%(w/v)、前記コハク酸ナトリウムは0.16乃至0.8%(w/v)、前記塩化ナトリウムは0.06乃至0.18%(w/v)及び前記塩化マグネシウムは、0.006乃至0.05%(w/v)であることを特徴とする第1項記載のカルシトリオール又はカルシフェジオール生産促進用バッファ組成物。
- 前記金属化合物はMnCl2であることを特徴とする第1項記載のカルシトリオール又はカルシフェジオール生産促進用バッファ組成物。
- 前記有機溶剤はメタノールであることを特徴とする第1項記載のカルシトリオール又はカルシフェジオール生産促進用バッファ組成物。
- 前記シクロデキストリンはβシクロデキストリンであることを特徴とする第1項記載のカルシトリオール又はカルシフェジオール生産促進用バッファ組成物。
- (a)シュードノカルジアアウトトロピカを培養する段階;
(b)前記培養液で菌体を回収する段階;及び
(c)前記回収された菌体、ビタミンD3及び前記第1項乃至第5項の内いずれか一つの項に記載のカルシトリオール又はカルシフェジオール生産促進用バッファ組成物を混合する段階を含むカルシトリオール又はカルシフェジオール生産方法。 - 前記シュードノカルジアアウトトロピカはシュードノカルジアアウトトロピカID9302(KCTC 1029BP)であることを特徴とする第6項記載のカルシトリオール又はカルシフェジオール生産方法。
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