幾つかの実施例では、医療用インジェクタと電子回路システムとを有する装置を提供する。医療用インジェクタは、ハウジングと、薬剤容器と、薬剤デリバリ部材とを有する。ハウジングは、第1の領域と第2の領域とを画成している。第1の領域には薬剤容器が入れられており、この第1の領域は第2の領域から物理的に分離されている。電子回路システムは、ハウジングにより画成された第2の領域内に配置されるように構成されている。又、この電子回路システムは、医療用インジェクタの使用と関連する電子出力を出力するように構成されている。
幾つかの実施例では、医療用インジェクタと電子回路システムとを有する装置を提供する。医療用インジェクタは、ハウジングと、薬剤容器と、薬剤デリバリ部材とを有する。薬剤デリバリ部材は、例えば、針又は注入ノズルとしうる。ハウジングは、第1の領域と第2領域とを画成している。第1の領域には薬剤容器が入れられ、この第1の領域は第2の領域から物理的に分離されている。電子回路システムは、ハウジングにより画成された第2の領域内に配置されるように構成されている。この電子回路システムには、基板と、この基板上に配置された導電体とを有するプリント回路板が設けられている。このプリント回路板の基板は、導電体を分断するように構成したアクチュエータを入れるように構成されている。このアクチュエータは、例えば、医療用インジェクタからの薬剤の供給を開始するように構成したアクチュエータとすることができる。電子回路システムは、導電体が分断された際に、医療用インジェクタの使用と関連する電子出力を出力するように構成されている。ある実施例では、電子出力を、例えば、録音されたスピーチと関連するようにしうる。
幾つかの実施例では、薬剤デリバリデバイスと電子回路とを有する装置を提供する。例えば、ペン型インジェクタ、自動インジェクタ、吸入器又は経皮デリバリデバイスとしうる薬剤デリバリデバイスは、ハウジングと、薬剤容器と、薬剤デリバリ部材とを有する。薬剤容器と、薬剤デリバリ部材の少なくとも一部とはハウジング内に配置する。薬剤容器と薬剤デリバリ部材とが薬剤デリバリ通路を画成する。電子回路システムはハウジングに結合されており、この薬剤デリバリ通路から物理的に分離されている。この電子回路システムは、薬剤デリバリ通路を介する薬剤のデリバリに応答して電子出力を出力するように構成されている。ある実施例では、この電子出力を例えば、可視出力と、可聴出力と、触覚出力との何れか又は任意の組み合わせとすることができる。
幾つかの実施例では、ハウジングと、薬剤容器と、薬剤デリバリ部材とを有する医療用インジェクタを具える装置を提供する。ハウジングは、少なくとも薬剤容器を有する第1の領域と、電子回路システムを収容するように構成した第2の領域とを画成する。ハウジングの第1の領域はハウジングの第2の領域から物理的に分離させる。電子回路システムは、医療用インジェクタの使用と関連する電子出力を出力するように構成する。ある実施例では、医療用インジェクタを、一回の投薬量のみが身体に供給されるように構成する。他の実施例では、医療用インジェクタを、再使用可能となるように構成する。
幾つかの実施例では、電子回路システムを有する装置であって、この電子回路システムは、これが薬剤デリバリ通路から物理的に分離されるように医療用インジェクタに結合されるように構成した装置を提供する。この電子回路システムは、薬剤デリバリ通路を介する薬剤の供給に応答して電子出力を出力するように構成する。電子出力は、例えば、可視出力と、可聴出力と、触覚出力との何れか又は任意の組み合わせとすることができる。
幾つかの実施例では、薬剤デリバリデバイスと電子回路システムとを有する装置を提供する。薬剤デリバリデバイスはハウジングと、薬剤容器と、薬剤デリバリ部材とを有する。薬剤容器と、薬剤デリバリ部材の少なくとも一部とをハウジング内に配置する。電子回路システムはハウジングに結合されており、可聴出力デバイスとカバーとを有している。薬剤デリバリデバイスのハウジングと電子回路システムのカバーとが相俟って音響室を画成する。例えば、スピーカとしうる可聴出力デバイス音響室内に配置されるように構成する。
幾つかの実施例では、薬剤デリバリデバイスと電子回路システムとを有する装置を提供する。薬剤デリバリデバイスは、ハウジングと、薬剤容器とを有する。薬剤容器はハウジング内に配置する。電子回路システムはハウジングに結合されており、スピーカとカバーとを有している。スピーカは、前部と後部とを有している。スピーカの前部は、第1の組の音波を含む第1の可聴出力を出力するように構成する。スピーカの後部は、第2の組の音波を含む第2の可聴出力を出力するように構成する。薬剤デリバリデバイスのハウジングは第1の開口を有し、この第1の開口はこれを介して第1の組の音波が伝達されるように構成する。電子回路システムのカバーは第2の開口を有し、この第2の開口はこれを介して第2の組の音波が伝達されるように構成する。
幾つかの実施例では、薬剤デリバリデバイスと電子回路システムとを有する装置であって、薬剤デリバリデバイスは、ハウジングと、薬剤容器と、薬剤デリバリ部材とを有するようにした装置を提供する。薬剤容器と、薬剤デリバリ部材の少なくとも一部とはハウジング内に配置する。電子回路システムはハウジングに結合されており、オーディオプロセッサと可聴出力デバイスとを有している。オーディオプロセッサは、録音されたスピーチと関連する電子信号を、増幅器の無い電子通路を介して可聴出力デバイスに出力するように構成する。可聴出力デバイスは、電子信号に応答して可聴出力を出力するように構成しうる。
幾つかの実施例では、薬剤を患者の身体内に供給するように医療デバイスを組み立て構成するステップを有する方法を提供する。医療デバイスは、ハウジングと、薬剤容器と、アクチュエータと、安全錠とを有する。薬剤容器は、ハウジング内に配置する。アクチュエータは、このアクチュエータが駆動された際に、薬剤容器からの薬剤の供給を開始するように構成する。安全錠は、アクチュエータの駆動を阻止するように構成する。組み立てられた医療デバイスのハウジングには電子回路システムを結合させ、この電子回路システムの基板により画成された開口が、安全錠の一部を囲んで配置されるようにする。電子回路システムは、前記開口内での安全錠の移動に応答して電子出力を出力させるように構成する。
幾つかの実施例では、ハウジングの一部が電子回路システムのスイッチを駆動するように、この電子回路システムを模擬の薬剤デリバリデバイスに結合させる。この模擬の薬剤デリバリデバイスは、実際の薬剤デリバリデバイスを模倣するように構成する。電子回路システムは、模擬の薬剤デリバリデバイスの使用及びスイッチの状態と関連して電子出力を出力するように構成する。電子出力は、例えば、可視出力と、可聴出力と、触覚出力との何れか又は任意の組み合わせとすることができる。
幾つかの実施例では、模擬の薬剤デリバリデバイスと電子回路システムとを有する装置を提供する。例えば、ペン型インジェクタ、自動インジェクタ、吸入器又は経皮デリバリデバイスとしうる模擬の薬剤デリバリデバイスは、実際の薬剤デリバリデバイスを模倣するように構成する。この模擬の薬剤デリバリデバイスは、ハウジングと、安全錠と、カバーとを有する。安全錠は、実際の薬剤デリバリデバイスの安全錠を模倣するように構成する。カバーは、ハウジングの少なくとも一部を囲むように取り外し自在に配置する。電子回路システムは、カバーがハウジングから最初に除去された際に、第1の複数の電子出力を出力するように構成する。又、電子回路システムは、カバーがハウジングから2回目に除去された際に、第2の複数の電子出力を出力するように構成する。この第2の複数の電子出力は、第1の複数の電子出力と相違する。ある実施例では、第1の複数の電子出力及び第2の複数の電子出力の双方又は何れか一方を例えば、可視出力と、可聴出力と、触覚出力との何れか又は任意の組み合わせとすることができる。
幾つかの実施例では、プロセッサにより処理を実行させる指令を表すコードを記憶するプロセッサ可読媒体は、カバーが最初に模擬の薬剤デリバリデバイスから除去された際に、模擬の薬剤デリバリデバイスの使用と関連する第1の電子出力を出力させるコードを有するようにする。更に、このプロセッサ可読媒体は、カバーが2回目に除去された際に、模擬の薬剤デリバリデバイスの使用と関連する第2の電子出力を出力させるコードを有するようにする。この第2の電子出力は第1の電子出力と相違させる。模擬の薬剤デリバリデバイスは例えば、ペン型インジェクタ、自動インジェクタ、吸入器又は経皮デリバリデバイスとしうる。ある実施例では、第1の電子出力と第2の電子出力との双方又は何れか一方を、例えば、可視出力と、可聴出力と、触覚出力との何れか又は任意の組み合わせとすることができる。
本明細書及び特許請求の範囲で用いる用語“近位”及び“遠位”は、医療デバイスのオペレータ(例えば、外科医、内科医、ナース、技術者等)に近い方向及びオペレータから離れた方向を言及するものである。従って、例えば、患者の身体に接触する薬剤デリバリデバイスの端部が遠位端となり、この遠位端とは反対側の端部が薬剤デリバリデバイスの近位端である。
図1は、本発明による医療用インジェクタ1000を示す線図である。この医療用インジェクタ1000は、ハウジング1110と、薬剤容器1560と、薬剤デリバリ部材1512と、電子回路システム1900とを有する。ハウジング1110は、第1の領域1157と第2の領域1153とをハウジング1110内で画成する側壁1148を有している。特に、側壁1148は、第1の領域1157を第2の領域1153から物理的に分離させる。換言すると、側壁1148には開口がなく、第1の領域1157が流体的に又は物理的に或いはその双方で第2の領域1153から分離されている。更に換言すると、側壁1148は第1の領域1157と第2の領域1153との間に配置され、第1の領域1157を第2の領域1153から分離するようになっている。第1の領域1157及び第2の領域1153は二次元領域として図1に示してあるが、ある実施例では、第1の領域1157と第2の領域1153との双方又は何れか一方を、ハウジング内で完全に囲まれた容積とするか、又はハウジングの外部に対する開口を有するハウジング1110内の容積とすることができる。すなわち、第1の領域1157と第2の領域1153との双方又は何れか一方を、ハウジング1110と側壁1148との双方又は何れか一方により画成された空洞とすることができる。
例えば、薬剤が予め充填されたカートリッジ、バイアル、アンプル等としうる薬剤容器1560は、ハウジング1110の第1の領域1157内に配置されている。薬剤デリバリ部材1512の少なくとも一部はハウジング1110の第1の領域1157内に配置されている。ある形態では、薬剤デリバリ部材1512を薬剤容器1560と流体的に連通させることができる。このようにすることにより、薬剤を薬剤容器1560から薬剤デリバリ部材1512を介してハウジング1110の外部の領域に送給しうるようになる。薬剤デリバリ部材1512には、例えば、針とノズルとの双方又は何れか一方を設けることができる。
電子回路システム1900の少なくとも一部は、ハウジング1110の第2の領域1153内に配置されている。従って、電子回路システム1900のこの一部が、薬剤容器1560と薬剤デリバリ部材1512との双方又は何れか一方から、流体的に又は物理的に或いはその双方で分離されるように、電子回路システム1900のこの一部がハウジング1110内に配置されている。
電子回路システム1900は、医療用インジェクタ1000の使用と関連する電子出力OP1を出力するように構成されている。例えば、ある実施例では、電子出力OP1を、医療用インジェクタ1000を使用させる指令と関連させることができる。他の実施例では、電子出力OP1を、例えば、注入が終了したことをユーザに知らせたり、注入後の廃棄及び安全措置に関してユーザに指令したり、注入後の医療処置を行うことをユーザに指令したりする等の、又はこれらの任意の組み合わせを行わせる録音メッセージのような使用後の指令とすることができる。更に他の実施例では、電子出力OP1を、医療用インジェクタ1000の使用に際しての患者コンプライアンスと関連させることができる。又、ある実施例では、電子出力OP1を、医療用インジェクタ1000の駆動と関連させることができる。換言すれば、医療用インジェクタ1000の駆動に応答して電子出力OP1を出力するように、電子回路システム1900を構成しうる。
電子出力OP1は、例えば、スクリーン(図示せず)上に表示するテキストメッセージとLEDとの双方又は何れか一方のような可視出力とすることができる。ある実施例では、電子出力OP1を、例えば、録音されたスピーチ、一連のトーン等の何れか又は任意の組み合わせのような音声出力とすることができる。他の実施例では、電子出力OP1を、遠隔デバイスにより受信するように構成した無線信号とすることができる。
医療用インジェクタ1000は、薬剤を患者の身体内に注入するのに適した如何なる医療用インジェクタとすることもできる。例えば、医療用インジェクタ1000は、シリンジ、ペン型インジェクタ、自動インジェクタ等とすることができる。ある実施例では、医療用インジェクタ1000を慢性病介護用インジェクタとすることができる。換言すれば、医療用インジェクタ1000を、複数回の投薬量の薬剤を収容する再利用可能なデバイスとすることができる。例えば、複数回の投薬量の薬剤を収容している医療用インジェクタ1000は、毎日の、又は毎週の、又は毎月の、或いはこれらの何らかの組み合わせの注入を必要としうるインスリンの供給又はその他の薬剤の供給を管理するために(例えば、多発性硬化症、貧血症、関節リウマチ、骨粗鬆症等を処置するために)用いることができる。他の実施例では、医療用インジェクタ1000を使い捨てデバイスとすることができる。換言すれば、医療用インジェクタ1000を、1回のみの投薬量を入れるようにしうる。ある実施例では、医療用インジェクタ1000に同じ投薬量を入れうるようにし、この医療用インジェクタ1000を、慢性病介護用の薬剤管理、臨床試験等の一部として規定するようにしうる。他の実施例では、医療用インジェクタ1000に異なる投薬量を入れたり、異なる薬物組成を入れたり、その双方を行うようにしうる。
側壁1148は、ハウジング1110内の第1の領域1157を、ハウジング1110内の第2の領域1153から分離させるための適切な如何なる構造ともしうる。ある実施例では、側壁1148を硬質としうる。他の実施例では、側壁1148を、例えば、ピストンのような可動部材としうる。更に他の実施例では、側壁1148を、例えば、振動板のような可撓性部材とすることができる。ある実施例では、側壁1148を、光が第1の領域1157から第2の領域1153へ、又はその逆へ透過しうるような透明材料から構成しうる。透明な側壁を光センサと関連させて用いることができる。側壁1148は、ハウジング1110と一体に形成するか、又はハウジング1110から分離させて形成しうる。
電子回路システム1900には、電子出力OP1を発生させるか又は出力させるか、或いは、これらの双方を行うとともに、上述した機能を実行するように、或いはこれらの何れかを行うように動作的に結合された、適切な如何なる電子素子をも含むようにしうる。電子回路システム1900は、2007年1月9日に出願された“Devices, Systems and Methods for Medicament Delivery”と題する米国特許出願第11/621,236号明細書に記載された電子回路システムに類似させることができる。この米国特許出願明細書は参考のために記載したものである。
図2は、本発明の一実施例による薬剤デリバリデバイス2000を示す線図である。この薬剤デリバリデバイス2000は、ハウジング2110と、薬剤容器2560と、薬剤デリバリ部材2512と、電子回路システム2900とを有する。例えば、薬剤が予め充填されたカートリッジ、バイアル、アンプル等としうる薬剤容器2560は、ハウジング2110内に配置されている。薬剤デリバリ部材2512の少なくとも一部はハウジング2110内に配置されている。薬剤デリバリ部材2512には、薬剤容器2560から患者の身体内のある個所に薬剤を供給するように構成した適切な如何なる部材をも含めることができる。例えば、ある実施例では、薬剤デリバリ部材2512を、例えば、針と、ノズルと、吸入器のマウスピースとの何れか又は任意の組み合わせとすることができる。
使用に当たっては、薬剤デリバリ部材2512を薬剤容器2560と流体的に連通させることができる。このようにすることにより、薬剤デリバリ部材2512と薬剤容器2560とが薬剤デリバリ通路2505を画成し、この薬剤デリバリ通路2505を通して、且つ薬剤デリバリ部材2512を介して、薬剤2568を矢印AAで示すように薬剤容器2560からハウジング2110の外部の位置に供給するようにしうる。ある実施例では、薬剤デリバリ通路2505には、薬剤デリバリ部材2512により画成された内腔の部分と、薬剤デリバリ部材2512及び薬剤容器2560間の連結部との双方又は何れか一方を含めることができる。
電子回路システム2900は、ハウジング2110に結合されており、且つ薬剤デリバリ通路2505からは流体的に又は物理的に或いはその双方で分離されている。電子回路システム2900は、薬剤デリバリ通路2505を介する薬剤2568の供給に応答して電子出力OP2を出力するように構成されている。このようにすることにより、電子回路システム2900は、邪魔にならないように又は薬剤デリバリ通路2505を通る薬剤2568の供給を阻害することがないように、或いはこれらの双方が達成されるように電子出力OP2を出力することができる。ある実施例では、例えば、電子出力OP2を、注入が終了したことをユーザに知らせたり、又は注入後の廃棄及び安全手順に関してユーザに指令したり、又は注入後の医療措置に関しユーザに指令したりする等の、或いはこれらの任意の組み合わせの録音メッセージのような使用後指令とすることができる。他の実施例では、電子出力OP2を、薬剤デリバリデバイス2000を用いる際の患者コンプライアンスと関連させることができる。例えば、ある実施例で、電子出力OP2を、コンプライアンス追跡モニタに供給して薬剤デリバリデバイス2000の使用データ及び時間の双方又は何れか一方を記録する信号とすることができる。
電子出力OP2は、例えば、スクリーン(図示せず)上に表示させるテキストメッセージ及びLEDの双方又は何れか一方のような可視出力とすることができる。ある実施例では、電子出力OP2を、例えば、録音されたスピーチ及び一連のトーン等の何れか又は任意の組み合わせのような音声出力とすることができる。他の実施例では、電子出力OP2を、遠隔デバイスにより受信するように構成した無線信号とすることができる。
薬剤デリバリデバイス2000は、薬剤2568を患者の身体に供給するのに適した如何なる薬剤デリバリデバイスとすることもできる。例えば、薬剤デリバリデバイス2000をシリンジ、ペン型インジェクタ、自動インジェクタ、吸入器等とすることができる。ある実施例では、薬剤デリバリデバイス2000を慢性病介護用デリバリデバイスとすることができる。換言すれば、薬剤デリバリデバイス2000を、複数の投薬量の薬剤2568を収容する再利用可能なデバイスとすることができる。他の実施例では、薬剤デリバリデバイス2000を、使い捨てデバイスとすることができる。換言すれば、薬剤デリバリデバイス2000が一回の投薬量の薬剤2568を収容しうるようにする。
電子回路システム2900には、電子出力OP2を発生させるか又は出力させるか、或いは、これらの双方を行うとともに、上述した機能を実行するように、或いはこれらの何れかを行うように動作的に結合された、適切な如何なる電子素子をも含むようにしうる。電子回路システム2900は、図1につき前述した電子回路システム1900に類似させることができる。
図3〜34は、本発明の一実施例による医療用インジェクタ4000を示す。図3及び4は、第1の構成配置(すなわち、使用前)における医療用インジェクタ4000を示す斜視図である。この医療用インジェクタ4000は、ハウジング4110と、デリバリ機構4500(例えば、図12参照)と、電子回路システム4900(例えば、図13〜23参照)と、カバー4200(例えば、図24及び25参照)と、安全錠4700(例えば、図26〜29参照)と、基部4300(例えば、図30及び31参照)とを有する。医療用インジェクタ4000の構成素子の説明の後に医療用インジェクタ4000の動作の説明を行う。
図5〜11に示すように、ハウジング4110は、近位端部4140及び遠位端部4120を有する。ハウジング4110には、第1状態インジケータ孔4150及び第2状態インジケータ孔4151が形成されている。ハウジング4110に形成された第1状態インジケータ孔4150は、ハウジング4110の第1の側面に位置しており、ハウジング4110の第2状態インジケータ孔4151は、ハウジング4110の第2の側面に位置している。状態インジケータ孔4150及び4151は、患者が薬剤容器4560の状態及び内容物の双方又は何れか一方を監視しうるようにする。例えば、患者は、状態インジケータ孔4150及び4151を視覚的に点検することにより、薬剤容器4560に薬剤が入っているかどうかと、薬剤が投与されているかどうかとの双方又は何れか一方を決定しうる。
図9及び10に示すように、ハウジング4110は、ガス空洞4154と、薬剤空洞4157と、電子回路システム空洞4153とを画成している。ガス空洞4154は近位端部4155と遠位端部4156とを有している。このガス空洞4154は、後に更に詳細に説明するように、ガス容器4570と、薬剤デリバリ機構4500の放出部材4540とを収容するように構成されている(図12参照)。ガス空洞4154の近位端部4155は、後に更に詳細に説明するように、ハウジング4110の近位キャップ4112のガス容器保持部材4580を収容するように構成されている。ガス空洞4154は、後に更に詳細に説明するように、ガス通路4144を介して薬剤空洞4157と流体的に連通させるとともに、このガス空洞4154は、安全錠孔4128を介してハウジング4110の外部の領域と流体的に連通させてある。
薬剤空洞4157は、薬剤デリバリ機構4500の一部を収容するように構成されている。特に、薬剤デリバリ機構4500のキャリヤ4520、可動部材4530及び針4512は薬剤空洞4157内に移動自在に配置される。薬剤空洞4157、は針孔4122を介してハウジング4110の外部の領域と流体的に連通する。
電子回路システム空洞4153は、電子回路システム4900を収容するように構成されている。ハウジング4110は、電子回路システム4900が電子回路システム空洞4153内に配置された際に、この電子回路システム4900を安定化させるように構成された突起4149(例えば、図8参照)を有している。ハウジング4110には更に、電子回路システム4900の連結突起4171A及び4171B(例えば、図13参照)を入れるように構成された連結孔4152が形成されているとともに、電子回路システム4900の突起4174の一部分を入れるように構成された孔4145(例えば、図6参照)が形成されている。このようにすることにより、電子回路システム4900を電子回路システム空洞4153内でハウジング4110に結合させることができる。他の実施例では、電子回路システム4900を、接着剤又はクリップ等、或いはこれらの任意の組み合わせのような他の適切な手段により電子回路システム空洞4153内で結合させることができる。
電子回路システム空洞4153は、側壁4148によりガス空洞4154と薬剤空洞4157との双方又は何れか一方から流体的及び物理的の双方又は何れか一方の態様で分離されている。換言すれば、電子回路システム空洞4153は、ガス空洞4154と薬剤空洞4157との双方又は何れか一方から音響的に分離されている。後に更に詳細に説明するに、電子回路システム空洞4153は、電子回路システム4900により生ぜしめられる可聴出力の大きさ及び音質の双方又は何れか一方を高めるための音響室として機能する。側壁4148は、ハウジング4110内の電子回路システム空洞4153をハウジング4110内のガス空洞4154及び薬剤空洞4157の双方又は何れか一方から分離させる適切な如何なる構造体にすることもできる。同様に、ガス空洞4154と薬剤空洞4157とは側壁4146により互いに分離されている。ある実施例では、側壁4146を、ガス空洞4154及び薬剤空洞4157を電子回路システム空洞4153から分離させる側壁4148に類似させることができる。他の実施例では、ガス空洞4154を流体的に又は音響的に又は物理的に或いはこれらの任意の組み合わせで薬剤空洞4157から分離させることができる。
ハウジング4110の近位端部4140は、近位キャップ4112と、スピーカ突起4147(例えば、図8及び9参照)と、カバー保持突起4142(例えば、図4及び6参照)とを有する。スピーカ突起4147は、後に説明するように電子回路システム4900をハウジング4110に取り付けた際に、この電子回路システム4900の可聴出力デバイス4956の位置をハウジング4110と電子回路システムカバー4170との双方又は何れか一方に対し維持するように構成されている。以下に更に詳細に説明するように、ある実施例では、スピーカ突起4147が可聴出力デバイス4956の前部4957を電子回路システムカバー4170に対して押圧して、可聴出力デバイス4956の前部4957と電子回路システムカバー4170との間にほぼ気密の(例えば、ほぼ密封した)封止部を形成しうるようにする。ほぼ気密の封止部は、可聴出力デバイス4956の前部4957と電子回路システムカバー4170との間のギャップを通る空気の漏れにより生じるおそれのある不所望な可聴ノイズを減少させることができる。更に、スピーカ突起4147は、可聴出力デバイス4956を電子回路システムカバー4170に対しほぼ固定の位置に保持することにより可聴出力デバイス4956の不所望な振動を減少させるか又は最小にする。カバー保持突起4142は、カバー4200における対応する開口4215内に入るように構成されている。このようにすることにより、後により詳細に説明するように、カバー4200をハウジング4110の少なくとも一部に取り外し自在に結合させるとともにこの一部の周囲に配置しうるようになる。
図11に示すように、近位キャップ4112はガス容器保持部材4580を有するとともに、ガス通路4144を画成する。ガス容器保持部材4580は、加圧ガスを収容しうるガス容器4570を入れるか又は保持する或いはこれらの双方を行うように構成されている。ガス通路4144は、後に更に説明するように、ガス容器4570内に収容されたガスをガス空洞4154から薬剤空洞4157へ流すように構成されている。換言すれば、ガス通路4144は、ガス空洞4154を薬剤空洞4157と流体的に連通するように配置する。
図7及び9に示すように、ハウジング4110の遠位端部4120は、バッテリ分離突起孔4121と、針孔4122と、安全錠アクチュエータ溝4123と、安全錠孔4128と、基部アクチュエータ溝4124と、基部保持凹所4125A及び4125Bと、基部レール溝4127とを画成している。バッテリ分離突起孔4121は、後に更に詳細に説明するように、カバー4200のバッテリ分離突起4235(例えば、図25参照)が入るように構成されている。
針孔4122は、医療用インジェクタ4000が駆動された際に、針4512(例えば、図12参照)をハウジング4110から突出させるように構成されている。針孔4122が形成されているハウジング4110の側壁の部分には、複数のシース保持突起4126が設けられている。ある実施例では、安全錠4700がハウジング4110に結合されるか、又は安全錠4700がハウジング4110から除去されるか、或いはこれらの双方が達成された場合に、シース保持突起が針シース4720(例えば、図29参照)の複数のリブ4728と相互作用して、安全錠4700に対する針シース4720の位置が維持されるようにしうる。
安全錠アクチュエータ溝4123は、安全錠4700のアクチュエータ4744を収容するように構成されている。後に更に詳細に説明するように、アクチュエータ4744は、安全錠4700がハウジング4110に対して移動された際に、電子回路システム4900と係合するか、又は電子回路システム4900を動作させるか、或いはこれらの双方を達成するように構成されている。安全錠孔4128は、安全錠突起4742(例えば、図25及び26参照)を収容するように構成されている。後に更に詳細に説明するように、安全錠突起4742は釈放部材4540の延長部4552間の開口4554内に入れられ、安全錠4700が適所にある際に医療用インジェクタ4000の動作が阻止されるようになる。安全錠4700と、その構成素子及び機能は更に後に詳細に説明する。
遠位基部保持凹所4125Aは、基部4300がハウジング4110に対して第1の位置にある際に、この基部4300の基部連結ノブ4358(例えば、図30参照)を収容するように構成されている。近位基部保持凹所4125Bは、基部4300がハウジング4110に対して第2の位置にある際に、この基部4300の基部連結ノブ4358を収容するように構成されている。これらの基部保持凹所4125A、4125Bは、テーパが付された近位側壁及びテーパが付されていない遠位側壁を有する。このようにすることにより、基部保持凹所4125A及び4125Bが基部連結ノブ4358を収容して、基部4300がハウジング4110に対して近位方向に移動しうるが、ハウジング4110に対して遠位方向に移動し得ないようにしうる。換言すれば、遠位基部保持凹所4125Aは、基部4300が第1の位置にある際にこの基部4300を遠位方向に移動させないように構成されているとともに、近位基部保持凹所4125Bは、基部4300が第2の位置にある際にこの基部4300を遠方向に移動させないように構成されている。すなわち、近位基部保持凹所4125B及び基部連結ノブ4358は共同して、医療用インジェクタ4000が駆動された後の“反動”を阻止する。
基部アクチュエータ溝4124は、基部4300のアクチュエータ4311を収容するように構成されている。後に更に詳細に説明するように、基部4300のアクチュエータ4311は、基部4100がハウジング4110に対して移動した際に、電子回路システム4900に係合するように構成されている。基部レール溝4127は、基部4300の案内部材4312を収容するように構成されている。基部4300の案内部材4312及びハウジング4110の基部レール溝4127は、基部4300の案内部材4312の横方向の移動を制限して、この案内部材4312を基部レール溝4127内で近位方向及び遠位方向の双方又は何れか一方で摺動させるように互いに係合する。この構成配置により、基部4300ハウジング4110に対して近位方向及び遠位方向の双方又は何れか一方で移動させるが、基部4300がハウジング4110に対して横方向に移動するのを阻止する。
図12は、医療用インジェクタ4000の薬剤デリバリ機構4500を示している。医療用インジェクタ4000は、2006年11月21日に出願された“Devices, Systems and Methods for Medicament Delivery”米国特許出願第2007/01459925 号明細書(この米国特許出願明細書は参考のために記載したものである)に記載された自動インジェクタに類似している。従って、薬剤デリバリ機構4500及びこれに関連する医療用インジェクタ4000の動作の概説のみを以下に説明する。
薬剤デリバリ機構4500は、針4512、キャリヤ4520、可動部材4530、薬剤容器4560、ガス容器4570及び釈放部材4540を有する。上述したように、針4512、キャリヤ4520、可動部材4530及び薬剤容器4560はハウジング4110の薬剤空洞4157内に配置される。ガス容器4570及び釈放部材4540はハウジング4110のガス空洞4154内に配置される。
釈放部材4540は、近位端部4542及び遠位端部4544を有しているとともに、ガス空洞4154の遠位端部4156内に移動自在に配置される。釈放部材4540の近位端部4542は、封止部材4545及び穿孔(穴あけ)部材4541を有する。封止部材4545は、ガス空洞4154を形成しているハウジング4110の側壁に係合して、ガス空洞4154の近位端部4155がガス空洞4154の遠位端部4156から流体的に分離されるように構成されている。このようにすることにより、ガスがガス容器4570から放出された場合に、ガス空洞4154の近位端部4155内に含まれているガスがガス空洞4154の遠位端部4156に入ることができないようにする。釈放部材4540の近位端部4542の穿孔部材4541は、釈放部材4540が図12に矢印BBで示すようにガス空洞4154内で近位方向に移動すると、ガス容器4570上の破壊しやすい封止部4573に接触してこれに穴あけを行うように構成されている。
釈放部材4540の遠位端部4544は延長部4552を有している。これらの延長部4552は、テーパが付された表面4549と係合面4548とを有する突起4547を具えている。更に、これらの延長部4552は、これらの延長部4552間に開口4554を形成している。突起4547のテーパが付された表面4549は、基部4300の近位表面4310上の突起4313(例えば、図30参照)に接触するように構成されている。突起4547の係合表面4548は、ハウジング4110の安全錠孔4128を通って延在するとともにハウジング4110の遠位表面に接触するように構成されている。このようにすることにより、係合表面4548がハウジング4110の遠位表面と接触した際に、突起4547の係合表面4548が釈放部材4540の近位方向移動を制限するようになる。突起4547のテーパが付された表面4549は、基部4300の近位表面4310上の突起4313(例えば、図30参照)に接触するように構成されている。このようにすることにより、基部4300の近位方向移動が延長部4552を互いに移動させ、これにより係合表面4548をハウジング4110から釈放させるとともに釈放部材4540をガス空洞4154内で近位方向に移動させるようになる。
延長部4552により形成された開口4554は、安全錠4700の安全錠突起4742(例えば、図27参照)を収容するように構成されている。この安全錠突起4742は、延長部4552が互いに接近するのを阻止するように構成されている。換言すれば、安全錠突起4742は、延長部4552が離れたままに維持されるとともに、突起4547の係合表面4548は、ハウジング4110の遠位端部4120と接触したままに維持される。ある実施例では、例えば、釈放部材4540及び延長部4552との双方又は何れか一方は、長い期間に亘って負荷にさらされた際に生じるおそれのある変形に耐えるのに適切な如何なる材料からも構成しうる。ある実施例では、例えば、釈放部材4540及び延長部4552との双方又は何れか一方は、黄銅から構成しうる。
ガス容器4570は、遠位端部4572と近位端部4576とを有し、加圧ガスを収容するように構成されている。このガス容器4570の遠位端部4572は破壊しやすい封止部4573を有し、この封止部4573は、釈放部材4540の近位端部4542の穿孔部材4541がこの封止部4573に接触すると破壊されるように構成されている。ハウジング4110の近位キャップ4112のガス容器保持部材4580は、ガス容器4570の近位端部4576の収容及び保持の双方又は何れか一方を達成するように構成されている。換言すれば、ガス空洞4154内のガス容器4570の位置がガス容器保持部材4580により維持される。
薬剤デリバリ機構4500の薬剤容器4560は遠位端部4562及び近位端部4566を有し、薬剤を収容するように構成されている。薬剤容器4560の遠位端部4562には封止部4523が含まれている。この封止部4523は、以下に説明するように、針4512の近位端部4516により刺された際に破壊されるように構成されている。薬剤容器4560の近位端部4566は、可動部材4530のピストン部分4534を収容するように構成されている。
薬剤デリバリ機構4500の可動部材4530は薬剤空洞4157内に可動的に配置されている。この可動部材4530はピストン部分4534を有し、このピストン部分4534はその遠位端部にプランジャを有している。このピストン部分4534は、薬剤容器4560内で移動しうるように構成されている。このようにすることにより、可動部材4530のピストン部分4534は、薬剤容器4560内に入れられた薬剤に圧力を加えることができる。このピストン部分4534は、ゴムのような弾性的であるか、耐久性があるか、密閉性があるか、或いはこれらの任意の組み合わせの特性がある材料から構成しうる。
薬剤デリバリ機構4500のキャリヤ4520は、遠位端部4522及び近位端部4526を有する。薬剤容器4560は、“スナップフィット”連結部(図示せず)を介してキャリヤ4520に結合されており、この薬剤容器4560が注入事象中にキャリヤ4520に対し第1の構成配置と第2の構成配置との間で移動しうるようになっている。第1の構成配置では、キャリヤ4520が、薬剤空洞4157内で移動するように構成配置され、この薬剤空洞4157内でのキャリヤ4520の移動により、この薬剤空洞4157内での薬剤容器4560の同時移動を生ぜしめるようになっている。針4512の近位端部4516は、キャリヤ4520が第1の構成配置にある際に、薬剤容器4560の封止部4523から分離される。第2の構成配置では、薬剤容器4560は“スナップフィット”から釈放され、薬剤容器4560をキャリヤ4520に対し遠位方向に移動させ、これにより針4512の近位端部4516が封止部4523に穴を開けるようにする。このようにすることにより、針4512は選択的に薬剤容器4560と流体的に連通させて、薬剤デリバリ通路(図示せず)を形成することができる。
図13〜22は、電子回路システム4900を示す。医療用インジェクタ4000の電子回路システム4900は、(電子回路システムカバーとも称する)電子回路システムハウジング4170と、プリント回路板4922と、バッテリアセンブリ4962と、可聴出力デバイス4956と、2つの発光ダイオード(LED)4958A及び4958Bと、バッテリクリップ4910とを有する。図20に示すように、電子回路システム4900は、ハウジング4110の電子回路システム空洞4153内に嵌合されるように構成されている。従って、上述したように、電子回路システム4900は、薬剤空洞4157と、ガス空洞4154と、薬剤デリバリデバイス4500との何れか又は任意の組み合わせから、物理的と、音響的と、流体的との何れか又は任意の組み合わせの方法で分離されている。後に説明するように、電子回路システム4900は、医療用インジェクタ4000の使用と関連して電子出力を出力するように構成されている。
電子回路システム4900の電子回路システムハウジング又はカバー4170は、遠位端部4180及び近位端部4190を有する。近位端部4190は連結突起4171A及びバッテリクリップ突起4173を有する。連結突起4171Aは、電子回路システムハウジング4170の近位端部4190から延在しており、前述したように、ハウジング4110の連結孔4152内に配置されるように構成されている。このようにすることにより、電子回路システム4900を電子回路システム空洞4153内でハウジング4110に結合させるようにしうる。他の実施例では、電子回路システム4900を、接着剤又はクリップ等、或いはこれらの任意の組み合わせのような他の適切な手段によりハウジング4110に結合させることができる。後に更に詳細に説明するように、バッテリクリップ突起4173は、バッテリクリップ4910を適所に保持するように構成されている。
電子回路システム4900の電子回路システムハウジング又はカバー4170の近位端部4190には、複数の音声孔4191が形成されている。可聴出力デバイス4956は、電子回路システムハウジング4170の近位端部に対向して配置され、可聴出力デバイス4956の前部4957が音声孔4191に隣接して配置されるようにする。このようにすることにより、可聴出力デバイス4956からの音波がこの可聴出力デバイス4956から音声孔4191を介してハウジング4110の外部の領域に伝達しうるようになる。上述したように、ある実施例では、封止材料(例えば、圧縮性で接着性の発泡体又は弾性Oリング等)を可聴出力デバイス4956の前部4957の外周部に配置し、可聴出力デバイス4956がスピーカ突起4147により電子回路システムカバー4170に対して押圧された場合に、可聴出力デバイス4956の前部4957と電子回路システムカバー4170との間にほぼ気密の封止が達成されるようにする。このようにすることにより、可聴出力デバイス4956の前部4957から生ぜしめられる音波は複数の音声孔4191を通過するが、可聴出力デバイス4956と電子回路システムカバー4170との間の隙間を通過しないようにする。ある実施例では、例えば、封止材料を、可聴出力デバイス4956の前部4957のほぼ10パーセントを被覆するとともに厚さをほぼ3/4ミリメートルとした圧縮性で接着性の発泡体とする。
図16及び17に示すように、電子回路システムハウジング4170の遠位端部4180は、連結突起417Bと、補強突起4174とを有し、この遠位端部4180には、LED孔4181と、孔4172と、安全錠アクチュエータ溝4182と、基部アクチュエータ溝4183とが形成されている。LED孔4181は、LED4958A及び4958Bを収容するように構成されており、後に更に詳細に説明するように、ユーザがこれらのLED4958A及び4958Bを見うるようになっている。
連結突起4171Bは、電子回路システムハウジング4170の遠位端部4180から延在し、前述したように、電子回路システム4900をハウジング4110に取り付けるように構成されている。補強突起4174は、ハウジング4110内に収容され且つハウジング4110の孔4145(例えば、図6参照)を介してアクセスしうるようにするか、又はこの収容とアクセスとの何れかを達成しうる少なくとも一部を有するように構成されている。この補強突起4174は、電子回路システムハウジング4170がハウジング4110に結合された際に、電子回路システムハウジング4170のたわみ(例えば、座屈)を制限するように構成されている。更に、ユーザは孔4172を介して補強突起4174をアクセスしうる。このようにすることにより、例えば、ユーザは補強突起4174を孔4145から解放させることができる。
電子回路システムハウジング4170の安全錠アクチュエータ溝4182は、ハウジング4110の遠位端部4120の安全錠アクチュエータ溝4123に隣接して配置されるように構成されている。このようにすることにより、後に更に詳細に説明するように、電子回路システムハウジング4170の安全錠アクチュエータ溝4182と、ハウジング4110の遠位端部4120の安全錠アクチュエータ溝4123とが相俟って安全錠4700のアクチュエータ4744を収容するようになる。同様に、電子回路システムハウジング4170の基部アクチュエータ溝4123は、ハウジング4110の遠位端部4120の基部アクチュエータ溝4124を囲んで配置されるように構成されている。後に更に詳細に説明するように、電子回路システムハウジング4170の基部アクチュエータ溝4183と、ハウジング4110の遠位端部4120の基部アクチュエータ溝4124とが相俟って基部4300のアクチュエータ4311を収容する。
電子回路システムハウジング又はカバー4170は、ハウジング4110に嵌合的に結合され、この電子回路システムハウジング又はカバー4170と、電子回路システム空洞4153とが相俟って、可聴出力デバイス4956が配置された音響室を形成する。換言すれば、電子回路システムカバー4170と、電子回路システム空洞4153とが相俟って、雑音を最小にする又は減少させるか、又は可聴出力デバイス4956の可聴出力を高めるか、或いはこれらの双方を達成するように構成した領域と、容積と、空間との何れか又は任意の組み合わせを形成する。更に、電子回路システムカバー4170及び電子回路システム空洞4153により画成された領域と関連する容積は、この領域内に配置された可聴出力デバイス4956及び電子回路システム4900の双方又は何れか一方の容積よりも大きい。このようにすることにより、電子回路システムカバー4170及び電子回路システム空洞4153により画成された音教室は、可聴出力デバイス4956の後方に空気の容積を含むように構成される。
更に、可聴出力デバイス4956と電子回路システム空洞4153とは、これらが相俟って、可聴出力デバイス4956により生ぜしめられる音声の音質及び大きさの双方又は何れか一方を高めるように構成されている。例えば、ある実施例では、電子回路システム空洞4153の大きさ及び形状の双方又は何れか一方は、この電子回路システム空洞4153が可聴出力デバイス4956の予め規定した周波数範囲内にある音響共振周波数を規定するように設定することができる。特に、ある実施例では、電子回路システム空洞4153は、この電子回路システム空洞4153が可聴出力デバイス4956の共振周波数とほぼ同じ音響共振周波数を形成するように構成しうる。このようにすることにより、可聴出力デバイス4956により生ぜしめられる音声の音質及び大きさの双方又は何れか一方を特定の周波数範囲に対し高めることができる。ある実施例では、可聴出力デバイス4956により生ぜしめられる音声の音質及び大きさの双方又は何れか一方を、録音されたスピーチ出力の周波数範囲に相当する周波数範囲に対し高めることができる。
電子回路システム4900のプリント回路板4922は、電子回路システム4900の電子素子の少なくとも一部が装着されている構造体を構成している。このプリント回路板4922は、基板4924と、第1の駆動部分4926と、第2の駆動部分4946とを有する。プリント回路板4922のこの基板4924は、電子回路システム4900が所望通りに動作させるのに必要とする電気素子に対する装着面を提供する。更に、基板4924は、電気素子を電気的に結合させる導電性部分(例えば、銅配線、絶縁されたワイヤ、可撓性ワイヤ等)を有する。電気素子は、例えば、抵抗、キャパシタ、インダクタ、スイッチ、マイクロコントローラ、プロセッサ等の何れか又は任意の組み合わせとすることができる。プロセッサ(図14〜20に図示せず)は、電子入力(例えば、スイッチ又はセンサからの入力)を処理するとともに、電子信号及び電子出力の双方又は何れか一方を生じるように構成した適切な如何なるデバイスにもすることができる。このプロセッサは、例えば、以下に説明する図示のプロセッサ5950に類似させることができる。
図21〜23に示すように、第1の駆動部分4926は、第1の導電体4934を有しており、しかもこの第1の駆動部分4926には、境界4929を有する開口4928が形成されている。第1の駆動部分4926の開口4928は、安全錠4700のアクチュエータ4744の突起4746を収容するように構成されている。第1の開口4928の境界4929は応力集中ライザ4927を含む、例えば、涙滴形状のような不連続形状を有している。境界4929の不連続性及び応力集中ライザ4927の双方又は何れか一方は、図22に矢印CCにより示すように、安全錠4700のアクチュエータ4744の突起4746が開口4928に対して移動した際に、基板4924を予め決定した方向に変形させるのに適した如何なる形状にもできる。
開口4928は、電子回路システム4900内に含まれる素子を電気的に結合させる第1の導電体4934に隣接して形成されている。第1の導電体4934には第1のスイッチ4972が含まれており、この第1のスイッチ4972は、例えば、第1の導電体4934の破壊しやすい部分とすることができる。使用に際し、安全錠4700が第1の位置(例えば、図21参照)から第2の位置(例えば、図22参照)に移動した際に、アクチュエータ4744は、基板4924の第1の駆動部分4926の表面により規定される平面に対しほぼ平行な方向に移動する。このアクチュエータ4744の移動により、図22に矢印CCで示すように、突起4746を第1の開口4928内で移動させる。突起4746の移動により基板4924の第1の駆動部分4926を引き裂き、これにより第1のスイッチ4972を有する第1の導電体4934の部分を分断させる。換言すれば、安全錠4700がその第1の位置からその第2の位置(例えば、図33参照)に移動すると、アクチュエータ4744は第1のスイッチ4972を第1の状態(例えば、電気的導通状態)から第2の状態(例えば、電気的非導通状態)に不可逆的に移動させる。更に換言すれば、安全錠4700がその第1の位置からその第2の位置に移動すると、アクチュエータ4744は第1の導電体4934を分断させる。
第2の駆動部分4946は、第2の導電体4935を有しており、しかもこの第2の駆動部分4935には、境界4949を有する開口4945と引き裂き伝搬制限孔4948とが形成されている。図20〜23に示すように、第2の駆動部分4946の開口4945は基部4300のアクチュエータ4311の一部を収容するように構成されている。開口4945の境界4949は、応力集中ライザ4947を有する不連続形状をしている。境界4949の不連続性及び応力集中ライザ4947の双方又は何れか一方は、図23に矢印DDで示すように、基部4300のアクチュエータ4311を開口4945に対して近位方向に移動させると、基板4924を予め決定した方向で変形させる適切な如何なる形状にもすることができる。
第2の導電体4935は、開口4945と引き裂き伝搬制限孔4948との間に配置された第2のスイッチ4973を有する。この第2のスイッチ4973は例えば、第2の導電体4935の破壊しやすい部分とすることができる。使用に際し、基部4300をその第1の位置からその第2の位置(例えば、図34参照)に移動させると、アクチュエータ4311は基板4924の第2の駆動部分4946の表面により規定される平面に対しほぼ平行で近位方向に移動する。アクチュエータ4311のこの近位方向移動により基板4924の第2の駆動部分4946を引き裂き、これにより、第2のスイッチ4973を含む第2の導電体4935の部分を分離させる。換言すれば、基部4300をその第1の位置からその第2の位置に移動させると、アクチュエータ4311は第2のスイッチ4973を第1の状態(例えば、電気的導通状態)から第2の状態(例えば、電気的非導通状態)に不可逆的に移動させる。引き裂き伝搬制限孔4948は、基板4924において近位方向への引き裂きの伝搬を制限するように構成されている。換言すれば、引き裂き伝搬制限孔4948は、基板4924における引き裂きがこの引き裂き伝搬制限孔4948を越えて延在しないように構成されている。この引き裂き伝搬制限孔4948は、基板4924の引き裂き及び分裂の双方又は何れか一方の伝搬を停止させるように構成した如何なる形状にもすることもできる。例えば、この引き裂き伝搬制限孔4948を楕円形状にすることができる。他の実施例では、引き裂き伝搬制限孔4948の近位方向の境界を補強して、基板4924における引き裂きがこの引き裂き伝搬制限孔4948を越えて延在しないようにしうる。
電子回路システム4900のバッテリアセンブリ4962は、互いの上に重ねた2つのバッテリを有する。バッテリアセンブリ4962は、第1の表面4964と第2の表面4966とを有する。このバッテリアセンブリ4962の第1の表面4964は、基板4924上に配置された電気接点(図示せず)に接触しうる。このバッテリアセンブリ4962の第2の表面4966は、バッテリクリップ4910の遠位端部4916の接点部分4918に接触するように構成されている。基板4924の電気接点と、バッテリクリップ4910の遠位端部4916の接点部分4918との双方が、バッテリアセンブリ4962に接触すると、バッテリアセンブリ4962のバッテリは電子回路システム4900と電気的に連通するように配置される。換言すれば、基板4924の電気接点と、バッテリクリップ4910の遠位端部4916の接点部分4918とが、バッテリアセンブリ4962に接触すると、バッテリアセンブリ4962は、電子回路システム4900に電力を供給するようになっている。
バッテリクリップ4910(図18に示す)は、近位端部4912と遠位端部4916とを有する。近位端部4912には保持孔4913が形成されている。この保持孔4913は、電子回路システムハウジング4170のバッテリクリップ突起4173を入れるように構成されている。このようにすると、バッテリクリップ突起4173は、電子回路システムハウジング4170とバッテリアセンブリ4962との双方又は何れか一方に対するバッテリクリップ4910の位置を維持するようになる。
バッテリクリップ4910の遠位端部4916は接点部分4918と屈曲(角度を付した)部分4917とを有する。上述したように、接点部分4918は、バッテリアセンブリ4962の第2の表面4966に接触して、バッテリアセンブリ4962を電子回路システム4900と電気的に連通するように配置させる。バッテリクリップ4910の遠位端部4916の屈曲部分4917は、バッテリ分離突起4235の近位端部4236(例えば、図25参照)が、バッテリアセンブリ4962の第2の表面4966と、バッテリクリップ4910の遠位端部4916の接点部分4918との間に配置されるようにする。バッテリ分離突起4235が、バッテリアセンブリ4962の第2の表面4966と、バッテリクリップ4910の遠位端部4916の接点部分4918との間に配置されると、バッテリアセンブリ4962と電子回路システム4900の残余部分との間の電気通路が分断され、これにより電子回路システム4900から電力を除去する。バッテリクリップ4910の遠位端部4916の接点部分4918は、バッテリ分離突起4235が除去されると、接点部分4918がバッテリアセンブリ4962の第2の表面4966に接触するように移動し、これによりバッテリアセンブリ4962と電子回路システム4900との間に電気的な連結を回復させるように偏倚されている。ある実施例では、バッテリ分離突起4235を、バッテリアセンブリ4962の第2の表面4966とバッテリクリップ4910の遠位端部4916の接点部分4918との間から繰り返し除去したり、この間に再挿入させたりすることができるようにする。換言すれば、バッテリ分離突起4235とバッテリクリップ4910とが相俟って、リバーシブルオン/オフスイッチを形成する。
バッテリ分離突起4235が、バッテリアセンブリ4962の第2の表面4966とバッテリクリップ4910の遠位端部4916の接点部分4918との間に配置されると、このバッテリ分離突起4235の一部分は、バッテリ分離突起孔4121(例えば、図9参照)内にも配置される。これとは逆に、バッテリ分離突起4235が、バッテリアセンブリ4962の第2の表面4966とバッテリクリップ4910の遠位端部4916の接点部分4918との間から除去されると、バッテリ分離突起孔4121が開放される。このようにすることにより、バッテリ分離突起4235が、バッテリ分離突起孔4121を選択的に開放させたり、閉成させたりしうる。この点において、バッテリ分離突起孔4121は、可聴出力デバイス4956により生ぜしめられた音波を、電子回路システム空洞4153からハウジング4110の外部の領域に送出させるポートとして選択的に機能しうる。後述するように、ある実施例では、可聴出力デバイス4956と音声孔4191との双方又は何れか一方の位置に対するバッテリ分離突起孔4121の位置は、複数の音声孔4191を通って送出される音波が、バッテリ分離突起孔4121を通って送出される音波とほぼ同相となるようにする。
電子回路システム4900の可聴出力デバイス4956は、医療用インジェクタ4000の使用に応答してユーザに可聴音を出力するように構成されている。この可聴出力デバイス4956は、前述したように、プロセッサ4950により生ぜしめられる電子信号に基づいて所望の可聴出力(例えば、予め規定した周波数範囲、予め規定した音圧レベル等を有する可聴出力)を生じるのに適した如何なる性能特性をも有するようにしうる。例えば、可聴出力デバイス4956は、特定の共振周波数と、特定の出力音圧レベル(例えば、ワット/メートル)と、特定の最大入力電力定格と、特定の周波数応答範囲との何れか又は任意の組み合わせを有するようにしうる。可聴出力デバイス4956は、特定の周波数応答範囲内の1つ以上の共振周波数を有するようにしうる。ある実施例では、可聴出力デバイス4956は、Dain (International) Co., Ltd により製造されたM0015N07K01Fマイクロスピーカのような市販されているマイクロスピーカとしうる。他の実施例では、可聴出力デバイス4956は、例えば、Regal Electronics, Inc. により製造されたRS-151 IA マイクロスピーカとしうる。
図13及び14に示すように、可聴出力デバイス4956は前部4957及び後部4955を有する。この可聴出力デバイス4956は、可動部分(例えば、図13及び14には図示していないコーン部、薄膜、振動板等)を有し、この可聴出力デバイス4956が前部4957から第1の組の音波を生じるとともに後部4955から第2の組の音波を生じうるようにする。前部4957から生じる第1の組の音波と後部4955から生じる第2の組の音波とが相俟って可聴出力デバイス4956の可聴出力を形成する。特に、可聴出力デバイス4956の可聴出力は、前部4957から生ぜしめられる第1の組の音波と、後部4955から生ぜしめられる第2の組の音波とにより特徴づけられるものである。その理由は、第1の組の音波及び第2の組の音波はそれぞれ、音声孔4191及びバッテリ分離突起孔4121を通って電子回路システム空洞4153から放出される為である。
前述したように、可聴出力デバイス4956と電子回路システム空洞4153とは、互いに相俟って、可聴出力デバイス4956により生ぜしめられる音声の音質及び大きさの双方又は何れか一方を高めるように構成されている。すなわち、電子回路システム空洞4153の開口(例えば、音声孔4191及びバッテリ分離突起孔4121)の大きさ、形状及び個数の何れか又は任意の組み合わせと、開口の位置とを、予め規定した性能特性を有する可聴出力デバイス4956により生ぜしめられる可聴出力の音質を高めるように設定する。ある実施例では、例えば、電子回路システム空洞4153及び電子回路システムカバー4170を、前部4957により生ぜしめられる音波であって音声孔4191を通って送出される際のこの音波が、後部4955により生ぜしめられる音波であってバッテリ分離突起孔4121を通って送出される際のこの音波とほぼ同相となるように構成する。このことは、例えば、音声孔4191をバッテリ分離突起孔4121から予め決定した距離だけ離間させることにより達成させることができる。このようにすることにより、前部4957により生ぜしめられる音波が音声孔4191を通って送出されるまでの距離と、後部4955により生ぜしめられる音波がバッテリ分離突起孔4121を通って送出されるまでの距離とを予め決定した値に設定し、前部4957により生ぜしめられる音波及び後部4955により生ぜしめられる音波がそれぞれ音声孔4191及びバッテリ分離突起孔4121から送出される際にこれらの音波が互いにほぼ同相となるようにしうる。例えば、ある実施例では、音声孔4191をバッテリ分離突起孔4121から約2.5〜3インチ(1インチは2.54cmである)だけ離間させうる。他の実施例では、音声孔4191をバッテリ分離突起孔4121から約1〜3インチだけ離間させうる。
幾つかの実施例では、可聴出力デバイス4956と電子回路システム空洞4153とを総合的に“同調”させて、特定の周波数範囲を有する可聴出力の音質を高めるようにしうる。例えば、ある実施例では、可聴出力デバイス4956と電子回路システム空洞4153とを総合的に“同調”させて、録音されたスピーチ出力の音質を高めるようにする。前述したように、ある実施例では、電子回路システム空洞4153の寸法及び形状の双方又は何れか一方を、電子回路システム空洞4153が可聴出力デバイス4956の周波数範囲及び録音されたスピーチ出力の周波数範囲の双方又は何れか一方内にある音響共振周波数を規定するように設定しうる。ある実施例では、例えば、電子回路システム空洞4153が約100Hzと約1000Hzとの間の少なくとも1つの共振周波数を規定するようにしうる。他の実施例では、電子回路システム空洞4153が約100Hzと約3000Hzとの間の少なくとも1つの共振周波数を規定するようにしうる。
可聴出力デバイス4956により生ぜしめられる可聴出力を上述したように高めることにより、薬剤デリバリデバイス4500が充分な音量(例えば、音圧レベル)を有する録音されたスピーチと関連する可聴出力を外部増幅なしに出力させることができる。このようにすることにより、可聴出力を発生させるのに必要とする電力を最小にできる。例えば、ある実施例では、プロセッサ4950は、電子出力を可聴出力デバイス4956に出力させて可聴出力デバイス4956が約61デシベル(dB)及び約65dB間の範囲内の音圧レベルを有する可聴出力を出力するように構成する。他の実施例では、可聴出力が、可聴出力デバイス4956から約6インチの距離で約61デシベル(dB)及び約65dBの範囲内の音圧レベルを有しうるようにする。更に他の実施例では、可聴出力が、可聴出力デバイス4956から約20フィート(1フィートは30.48cm)の距離内で約61デシベル(dB)及び約65dB間の範囲内の音圧レベルを有しうるようにする。
他の実施例では、プロセッサ4950は、電子出力を可聴出力デバイス4956に出力し、この可聴出力デバイス4956が約61dBよりも大きな音圧レベルを有する可聴出力を出力するように構成しうる。更に他の実施例では、可聴出力が、可聴出力デバイス4956から約6インチの距離の位置で約61dBよりも大きい音圧レベルを有するようにしうる。更に他の実施例では、可聴出力が、可聴出力デバイス4956から約20フィートの距離内で約61dBよりも大きい音圧レベルを有するようにしうる。
幾つかの実施例では、プロセッサ4950が、100ミリワット(mW)よりも小さい電力を有する電子出力を出力し、可聴出力デバイス4956は61dBよりも大きい音圧レベルを有する可聴出力を出力しうるようにする。更に他の実施例では、電子出力の電力を100mWよりも小さくでき、可聴出力の音圧レベルを可聴出力デバイス4956から約6インチの距離で約61dBよりも大きくできるようにする。更に他の実施例では、電子出力の電力を100mWよりもよりも小さくでき、可聴出力の音圧レベルを可聴出力デバイス4956から約20インチの距離で約61dBよりも大きくできるようにする。
他の実施例では、医療用インジェクタ4000が、電子回路システム4900を遠隔デバイス(図示せず)及び通信回路網(図示せず)の双方又は何れか一方に動作的に接続するように構成したネットワークインタフェースデバイス(図示せず)を有するようにしうる。このようにすることにより、電子回路システム4900が情報を遠隔デバイスに送信しうるか、又は遠隔デバイスから受信しうるか、或いはこれらの双方を達成しうるようになる。遠隔デバイスは、例えば、遠隔通信ネットワーク、コンピュータ、コンプライアンス監視デバイス、携帯電話、携帯端末(PDA)等としうる。このような構成は例えば、交換用プロセッサ可読コードを中央ネットワークから電子回路システム4900にダウンロードするのに用いることができる。ある実施例では、例えば、電子回路システム4900が、有効期限、リコールのお知らせ、更新した使用説明等のような、医療用インジェクタ4000と関連する情報をダウンロードしうるようにする。同様に、ある実施例では、電子回路システム4900が、医療用インジェクタ4000の使用と関連するコンプライアンス情報を、ネットワークインタフェースデバイスを介してアップロードしうるようにする。
図24及び25は、医療用インジェクタ4000のカバー4200を示す。このカバー4200は、近位端部4210と遠位端部4230とを有し、空洞4242を画成している。このカバー4200の空洞4242は、ハウジング4110の少なくとも一部分を収容するように構成されている。近位端部4210は、ハウジング4110のカバー保持突起4142(図4及び6に示す)を収容するように構成された孔4215を画成している。このようにすることにより、孔4215とハウジング4110のカバー保持突起4142とによりカバー4200をハウジング4110の少なくとも一部を囲んで取り外し可能に保つようにする。換言すれば、孔4215及びハウジング4110のカバー保持突起4142は、カバー4200をハウジング4110の一部から除去しうるとともに、その後にハウジング4110のこの一部を囲んで配置しうるように構成する。
カバー4200の遠位端部4230はバッテリ分離突起4235を有する。このバッテリ分離突起4235は、近位端部4236とテーパが付された部分4237とを有する。バッテリ分離突起4235の近位端部4236は、前述したように、バッテリアセンブリ4962の第2の表面4966とバッテリクリップ4910の遠位端部4916の接点部分4918との間に取り外し自在に配置されるように構成する。
図26〜29は、医療用インジェクタ4000の安全錠4700を示す。この医療用インジェクタ4000の安全錠4700は、近位表面4740と、この近位表面4740とは反対側の遠位表面4760と、針シース4720とを有する。安全錠4700には、針シース孔4770とバッテリ分離突起孔4775とが形成されている。バッテリ分離突起孔4775は、カバー4200のバッテリ分離突起4235を収容して、このバッテリ分離突起4235を、前述したように、電子回路システム空洞4153又は電子回路システム4900内に配置しうるように構成されている。すなわち、安全錠4700のバッテリ分離突起孔4775をハウジング4110のバッテリ分離突起孔4121と整列させ、カバー4200がハウジング4110の一部を囲んで配置された際にバッテリ分離突起4235を電子回路システム空洞4153内に配置しうるようにする。バッテリ分離突起孔4775はバッテリ分離突起孔4121と整列させ、電子回路システム空洞4153内の可聴出力デバイス4956により生ぜしめられる音波であってバッテリ分離突起孔4121を通って送出される音波を、バッテリ分離突起孔4775及を通って送出されるようにする。
安全錠4700の近位表面4740は、安全錠突起4742と、ストッパ4743と、アクチュエータ4744と、互いに対向する2つのプルタブ(引き手)4741とを有する。前述したように、安全錠4700が第1の(鎖錠)位置にある場合、安全錠突起4742は釈放部材4540の遠位端部4544の延長部4552により画成された開口4554内に配置されるように構成されている。従って、安全錠突起4742は延長部4552が互いに接近するように移動するのを阻止し、これにより、薬剤デリバリ機構4500の釈放部材4540の近位方向移動と、薬剤の供給との双方又は何れか一方を阻止する。安全錠4700のストッパ4743は、安全錠4700の近位表面から延在する突起である。このストッパ4743は、ハウジング4110の一部と接触してハウジング4110に対する安全錠4700の近位方向移動を制限するように構成されている。他の実施例では、ストッパ4743を、安全錠4700の近位方向移動を制限するように構成された如何なる構造にもできる。
安全錠4700のアクチュエータ4744は、細長状部分4745及び突起4746を有する。細長状部分4745は近位表面4740から近位方向に延在している。このようにすることにより、細長状部分4745はハウジング4300の安全錠アクチュエータ開口4356(例えば、図30参照)を通って、且つハウジング4110の安全錠アクチュエータ溝4123及び電子回路システムハウジング4170の安全錠アクチュエータ溝4182内に延在しうる。突起4746は、細長状部分4745に対しほぼ直交する方向と、安全錠4700の近位表面4740に対しほぼ平行な方向との双方又は何れか一方に延在する。前述したように、第1の駆動部分4926の開口4928は、安全錠4700のアクチュエータ溝4744の突起4746を収容するように構成されている。
安全錠4700のプルタブ4741は、グリップ部分4747と、しるし4748とを有する。プルタブ4741のグリップ部分4747は、ユーザが安全錠4700を把持するか、又は安全錠4700を薬剤デリバリシステム4700の残余部分から除去するか、或いはその双方を行う領域を提供する。しるし4748は、安全錠4700を如何にして除去するかに関する指令を提供する。ある実施例では、例えば、しるし4748は、安全錠4700を除去するためにユーザが安全錠4700を引く必要がある方向を表すようにしうる。
図28に示すように、安全錠4700の針シース4720は、遠位端部4724と、近位端部4722と、複数のリブ4728とを有する。又、針シース4720は内腔4729をも画成している。安全錠4700のこの内腔4729は、針4512を収容するように構成されている。このようにすることにより、針シース4720は、ユーザを針4512から保護するか、又はユーザが医療用インジェクタ4000を使用する前に針4512を無菌状態に保つか、或いはこれらの双方を達成するようにしうる。針シースの近位端部4722は、薬剤デリバリ機構4500のキャリヤ4520の遠位端部4522に接触するように構成されている。
針シース4720の遠位端部4724は屈曲リッジ4725を有する。この屈曲リッジは、針シース4720の近位端部4722を安全錠4700の針シース孔4770に通して遠位方向に不可逆的に移動させるように構成する。換言すれば、屈曲リッジ4725は、針シース4720の近位端部4722を針シース孔4770に通して近位方向ではなく遠位方向に移動させるように構成しうる。針シース孔4770は、針シース4720を近位方向に移動させた場合に屈曲リッジ4725の近位端に係合するように構成された固定タブ4771を有する。このようにすることにより、固定タブ4771が安全錠4700に対する針シースの近位方向移動を阻止する。更に、固定タブ4771は、安全錠4700が遠位方向に移動する際に屈曲リッジ4725の近位端に係合するように構成する。換言すれば、図33に示すように、針シース4720は、安全錠4700がハウジング4110に対し遠位方向に移動した際に、針シース4720が針4512から除去される。
図30〜31は、医療用インジェクタ4000の基部4300を示す。この基部4300は、近位表面4310と、遠位表面4330と、基部連結ノブ4358とを有する。基部4300には、針孔4350と、安全錠突起孔4352と、バッテリ分離突起孔4354と、安全錠アクチュエータ孔4356と、プルタブ開口4360とが形成されている。針孔4350は、医療用インジェクタ4000を駆動した際に針4512が入るように構成されている。基部4300の安全錠突起孔4352は、安全錠4700の安全錠突起4742を収容する。基部4300のバッテリ分離突起孔4354は、カバー4200のバッテリ分離突起4235と、安全錠4700のストッパ4743とを収容する。バッテリ分離突起孔4354はバッテリ分離突起孔4121と整列させ、電子回路システム空洞4153内で可聴出力デバイス4956により生ぜしめられてバッテリ分離突起孔4121を通って送出される音波がバッテリ分離突起孔4354を経て放出されるようにする。安全錠アクチュエータ孔4356は安全錠4700の安全錠アクチュエータ4744を収容する。プルタブ開口4360は、安全錠4700のプルタブ4741を収容するように構成されている。
基部4300の近位表面4310は、アクチュエータ4311と、案内部材4312と、突起4313とを有する。アクチュエータ4311は、電子回路システム4900の基板4924と係合するように構成された細長状部材である。上述したように、第2の駆動部分4946の開口4954は、基部4300のアクチュエータ4311を収容するように構成されている。基部4300の案内部材4312は、上述したように、ハウジング4110の基部レール溝4127内に係合するか、この基部レール溝4127内を摺動するか、或いはこれらの双方を達成するように構成されている。基部4300の突起4313は、釈放部材4540の延長部4552のテーパが付された表面4549と係合するように構成されている。後に詳細に説明するように、安全錠4700が除去され且つ基部4300がハウジング4110に対して近位方向に移動されると、基部4300の突起4313は、釈放部材4540の延長部4552を互いに接近させるように移動させ、薬剤デリバリ機構4500を駆動するようになっている。上述したように、基部連結ノブ4358は、基部4300を近位方向に移動させるが、基部4300の遠位方向移動を制限するように、基部保持凹所4125A及び4125Bと係合するように構成されている。
図32に示すように、カバー4200を第1の位置から第2の位置に移動させることによって薬剤デリバリデバイスを第1の構成配置から第2の構成配置に移動させることにより、医療用インジェクタ4000を最初に有効化しうる。カバー4200は、これをハウジング4110に対して図32に矢印EEで示す方向に移動させることにより、第1の位置から第2の位置に移動される。カバー4200がハウジング4110に対して方向EEに移動されると、バッテリ分離突起4235はバッテリクリップ4910とバッテリアセンブリ4962の第2の表面4966との間の領域から除去される。このようにすることにより、カバー4200が除去された際に、バッテリアセンブリ4962が電子回路システム4900に動作的に結合され、これにより電力を電子回路システム4900に供給するようになる。
上述したように電力が供給されると、電子回路システム4900は1つ以上の予め決定した電子出力を出力しうる。例えば、ある実施例では、電子回路システム4900は、録音されたスピーチと関連する電子信号を、可聴出力デバイス4956に出力しうるようにする。このような電子信号は、例えば、医療用インジェクタ4000の動作状態中にユーザに指令する録音された指令を含むWAVファイルと関連させることができる。このような指令は、例えば、“remove the safety tab near the base of the auto-injector”(“自動インジェクタの基部付近の安全タブを除去せよ”)と述べるようにしうる。これと同時に、電子回路システム4900は電子信号をLED4958A及び4958Bの双方又は何れか一方に出力し、これによりLED4958A及び4958Bの双方又は何れか一方が特定の色を発光するようにする。このようにすることにより、電子回路システム4900は可聴指令及び可視指令の双方を発生し、医療用インジェクタ4000の初期動作中にユーザを援助するようにしうる。更に、バッテリ分離突起4235はバッテリ分離突起孔4121から除去されている為、可聴出力デバイス4956による可聴出力には、電子回路システム空洞4153内で生ぜしめられるとともにバッテリ分離突起孔4121を通って放出される音波を含めることができる。
他の実施例では、電子回路システム4900が、医療用インジェクタ4000の説明及び状態の双方又は何れか一方と、この医療用インジェクタに含まれている薬剤との双方又は何れか一方と関連する電子出力を出力しうるようにする。例えば、ある実施例では、電子回路システム4900が、医療用インジェクタ4000に入っている薬剤の種類、この薬剤の有効期限、この薬剤の投薬量等を表す可聴メッセージを出力しうるようにする。
上述したように、医療用インジェクタ4000は、カバー4200が第1の位置と第2の位置との間で繰り返し移動された際に、第1の構造配置と第2の構造配置との間で繰り返し移動しうる。換言すれば、カバー4200は任意の回数だけハウジング4110から除去したりそれを囲むように戻したりすることができる。カバー4200が第2の位置から第1の位置に移動すると、バッテリ分離突起4235はバッテリクリップ4910とバッテリアセンブリ4962の第2の表面4966との間に挿入され、電子回路システム4900の駆動を解除し、バッテリ分離突起孔4121と関連する音響ポートを閉じる。カバーが2回目に第1の位置から第2の位置に移動すると、電子回路システム4900が再び駆動され、音響ポートが開く。従って、カバー4200を除去することができ、電子回路システム4900が針4512の無菌状態を危うくすることなく電子出力を出力しうるようになる。
カバー4200がハウジング4110から除去された後、安全錠4700を第1の位置から第2の位置に移動させることにより、医療用インジェクタ4000を第2の構成配置から第3の構成配置に移動させることができる。安全錠4700をハウジング4110に対し図33に矢印FFにより示す方向に移動させることにより、この安全錠4700は第1の位置から第2の位置に移動する。安全錠4700が第1の位置から第2の位置に移動すると、安全錠突起4742が釈放部材4540の延長部4552間から除去され、これにより薬剤デリバリ部材4500を有効化しうる。更に、図21及び22に示すように、安全錠4700がハウジング4110から除去されると、この安全錠4700のアクチュエータ4744は図22に示すように方向CCに移動し、第1のスイッチ4972を第1の状態(例えば、電気的導通状態)から第2の状態(例えば、電気的非導通状態)に不可逆的に移動させる。安全錠4700のアクチュエータ4744が、電子回路システム4900の第1のスィッチ4972を第2の状態に不可逆的に移動させると、電子回路システム4900は1つ以上の予め決定した電子出力を出力しうる。例えば、ある実施例では、プロセッサ(図示せず)が録音されたスピーチと関連する電子信号を可聴出力デバイス4956に出力しうるようにする。このような電子信号は、例えば、医療用インジェクタ4000の状態をユーザに知らせる録音されたメッセージと関連させることができる。このような状態メッセージは、例えば、“The medical injector is now enabled.”(“医療用インジェクタは現在有効化されている。”)と述べることができる。これと同時に、電子回路システム4900は、電子信号をLED4958A及び4958Bの双方又は何れか一方に出力し、これによりLED4958A及び4958Bの双方又は何れか一方が発光を停止したり、色を変化させたり等を行うようにすることができる。
幾つかの実施例では、第1の駆動部分4926と、アクチュエータ4744とを、アクチュエータ4744が開口4928の境界4929に係合する前に、このアクチュエータ4744を予め決定した距離だけ移動させる必要があるように構成しうる。例えば、ある実施例では、アクチュエータ4744が開口4928の境界4929に係合する前に、このアクチュエータ4744をほぼ0.200インチだけ移動させる必要があるようにする。このようにすると、電子回路システム4900の第1のスイッチ4972を第2の状態に不可逆的に移動させることなしに、安全錠4700を僅かだけ移動させることができる。従って、この構成によれば、電子回路システム4900を駆動することなしに、ユーザが安全錠4700を不注意に又は偶発的に或いはその双方で移動させることを許容する。
幾つかの実施例では、電子回路システム4900は、例えば、5秒間のような予め決定した期間の間、状態メッセージを出力するように構成することができる。この予め決定した期間が経過した後、電子回路システム4900は、医療用インジェクタ4000の動作中に、ユーザに、更に指令する可聴メッセージを出力しうる。このような指令は、例えば、“Place the base of the auto-injector against the patient’s thigh. To complete the injection, press the base firmly against the patient’s thigh.”(“自動インジェクタの基部を患者の大腿部の上に配置しなさい。注入を達成するために、基部をしっかりと患者の大腿部に押圧しなさい。”)と述べることができる。ある実施例では、これと同時に、電子回路システム4900が、電子信号をLED4958A及び4958Bの双方又は何れか一方に出力し、これによりLED4958A及び4958Bの双方又は何れか一方が特定の色を発光するようにする。このようにすることにより、電子回路システム4900は可聴指令及び可視指令の双方を発生し、医療用インジェクタ4000の配置及び駆動中にユーザを援助するようにしうる。ある実施例では、電子回路システム4900を、予め決定した期間が経過した後に、指令を繰り返すように構成しうる。
前述したように、他の実施例では、医療用インジェクタ4000が、電子回路システム4900を遠隔デバイス(図示せず)及び通信回路網(図示せず)の双方又は何れか一方に動作的に接続するように構成したネットワークインタフェースデバイス(図示せず)を有するようにしうる。このようにすることにより、電子回路システム4900は、医療用インジェクタ4000の安全錠4700が外されたことや、医療用インジェクタ4000が装着されたことを遠隔デバイスに知らせる無線信号を送信しうるようになる。
安全錠4700が第1の位置から第2の位置に移動された後、医療用インジェクタ4000は、基部4300を第1の位置から第2の位置へ移動させることにより第3の構成配置から第4の構成配置に移動しうる。医療用インジェクタ4000を患者の身体に対向させて配置し、基部4300を図34に矢印GGで示す方向でハウジングに対して移動させることにより、基部4300をその第1の位置からその第2の位置に移動させる。基部4300を第1の位置から第2の位置移動させることにより、基部4300の近位表面4310上の突起4313を釈放部材4540の延長部4552のテーパが付された表面4549に係合させ、これにより釈放部材4540が薬剤デリバリ機構4500を駆動させるとともに薬剤を患者の身体に供給するようにする。
基部4300が第1の位置から第2の位置に移動すると、薬剤デリバリ機構4500が駆動され、釈放部材4540の穿孔部材4541がガス容器4570の破壊しやすい封止部4573と接触するか、又はこの封止部4573に穴をあけるか、或いはこれらの双方を達成するようにする。ある実施例では、釈放部材4540の移動をばね(図12に図示せず)により達成するようにしうる。破壊しやすい封止部4573に穴開けした後には、圧縮ガスの動作部分がガス容器4570から排出されてガス通路4144を経て薬剤空洞4157内に流れ込むことができる。ガスはガス圧力を可動部材4530に加えて、この可動部材4530及びキャリヤ4520を薬剤空洞4157内で遠位方向に移動させる。キャリヤ4520が薬剤空洞4157内で遠位方向に移動すると、キャリヤ4520と薬剤容器4560とは第1の構造配置にあるようになる。従って、前述したように、薬剤容器4560は“スナップフィット”連結によりキャリヤ4520に連結される。従って、薬剤容器4560及び針4512が、可動部材4530とキャリヤ4520との双方又は何れか一方と同時に遠位方向に移動する。前述したように、キャリヤ4520がその第1の構成配置にある際に、針4512の近位端部4516は、キャリヤ4520の遠位端部4522に連結されているとともに、薬剤容器4560の封止部4523から離間されている。換言すれば、薬剤容器4560と針4512とは、キャリヤ4520が第1の構成配置にある際に薬剤デリバリ通路を形成しない。針4512を遠位方向に移動させることにより、針4512の遠位端部4514をハウジング4110から取り出して薬剤投与前に患者の身体に入れる。
キャリヤ4520と針4512との双方又は何れか一方が薬剤空洞4157内で予め決定された距離だけ移動された後、キャリヤ4520及び薬剤容器4560は第1の構成配置から第2の構成配置に移動する。キャリヤ4520の第2の構成配置では、薬剤容器4560が“スナップフィット”から釈放され、薬剤容器4560及び可動部材4530をキャリヤ4520に対し遠位方向に移動し続けるようにする。換言すれば、キャリヤ4520が第1の構成配置から第2の構成配置に移動すると、薬剤容器4560はこのキャリヤ4520内で摺動的に移動するようになっている。薬剤容器4560がキャリヤ4520内で移動し続けると、針4512の近位端部4516は薬剤容器4560の封止部4523に接触しこの封止部に穴を開ける。これにより、薬剤容器4560内に入れられた薬剤を針4512により形成された内腔(図示せず)内に流し込み、これにより薬剤デリバリ通路を形成する。
薬剤容器4560はキャリヤ4520の遠位端部に接触する為、可動部材4530が遠位方向に移動し続けている間、薬剤容器4560はキャリヤ4520内での移動を停止する。これにより、可動部材4530のピストン部分4534を、液体薬剤を入れている薬剤容器4560内で、密封状態で摺動又は移動させるか、或いはその双方を達成させる。可動部材4530のピストン部分4534は、薬剤容器4560内で、密封状態で摺動又は移動されるか、或いはその双方が達成される為、ピストン部分4534は薬剤容器4560内に入れられている薬剤に対し圧力を発生させ、これにより薬剤の少なくとも一部を薬剤容器4560から流出させるとともに、針4512により形成された内腔内に流入させる。薬剤は、薬剤容器4560及び針4512により形成された薬剤デリバリ通路を介してユーザの身体に供給される。
上述したように、基部4300がその第1の位置からその第2の位置に移動した際に、基部4300のアクチュエータ4311が電子回路4900を作動させて、予め決定した出力又は一連の出力をトリガする(図19〜23参照)。アクチュエータ4311が、図23で矢印DDにより示すように、開口4945に対して近位方向に移動すると、電子回路システム4900が駆動されて1つ以上の予め決定した電子出力を出力する。例えば、ある実施例では、電子回路システム4900は、録音されたスピーチと関連する電子信号を可聴出力デバイス4956に出力しうるようにする。このような電子信号を、例えば、可聴性のカウントダウンタイマと関連させて、注入処置の持続時間をユーザに知らせるようにしうる。換言すれば、注入を終了させるのに例えば10秒かかる場合には、ユーザが医療用インジェクタ4000を完全に10秒の間適所に保持するように、可聴性のカウントダウンタイマが10秒から0秒までカウントしうるようにする。他の実施例では、電子信号を例えば、注入が終了したことをユーザに知らせたり、注入後の廃棄及び安全処置に関してユーザに指示したり、注入後の医療処置に関しユーザに指示したり等の録音メッセージと関連させることができる。このような状態メッセージは、例えば、“The injection is now complete. Please seek further medical attention from a doctor. ”(“注入が終了しました。更なる治療を医者にお尋ね下さい。”)と述べるようにしうる。これと同時に、電子回路システム4900が、電子信号をLED4958A及び4958Bの双方又は何れか一方に出力し、これによりLED4958A及び4958Bの双方又は何れか一方がその発光の停止、色の変化等を行って、注入が終了したことの可視表示を提供するようにしうる。他の実施例では、電子回路システム4900が、注入が終了したことを遠隔デバイスに通知する無線信号を送出しうるようにする。このようにすることにより、患者のコンプライアンスを監視しうるようになる。
幾つかの実施例では、第2の駆動部分4946及びアクチュエータ4311は、アクチュエータ4311が開口4945の境界4949に係合する前に、基部4500及びアクチュエータ4311の双方又は何れか一方を、予め決定した距離に亘って移動させる必要があるように構成することができる。例えば、ある実施例では、アクチュエータ4311が開口4945の境界4949に係合する前に、このアクチュエータ4311が約0.200インチだけ移動する必要があるようにする。このようにすることにより、電子回路システム4900の第2のスイッチ4973を第2の状態に不可逆的に移動させることなく、基部4700を僅かに移動させうるようになる。従って、この構成によれば、電子回路システム4900を動作させることなく、ユーザが不注意に又は偶発的に或いはその双方で基部4500を移動させることを許容する。
電子回路システム4900は、2つの不可逆的なスイッチ(例えば、スイッチ4972及びスイッチ4973)を有するものとして図示するとともに説明したが、他の実施例では、電子回路システムが如何なる個数のスイッチを有するようにもできる。更に、このようなスイッチは可逆的にも不可逆的にもできる。例えば、図35〜40は、3つの不可逆的なスイッチを有する電子回路システム5900を具える薬剤デリバリデバイス5000の一部を示す。
薬剤デリバリデバイス5000は、上述した医療用インジェクタ4000に類似している。図39に示すように、薬剤デリバリデバイス5000は、ハウジング5110と、デリバリ機構(図示せず)と、電子回路システム5900と、カバー(図示せず)と、安全錠5700と、基部5300とを有する。デリバリ機構と、カバーと、安全錠5700と、基部5300との構造及び動作は、デリバリ機構4500と、カバー4200と、安全錠4700と、基部4300との構造及び動作に類似している。従って、電子回路システム5900及びハウジング5110のみを以下に詳細に説明する。
図35に示すように、ハウジング5110は近位端部5140及び遠位端部5120を有する。このハウジング5110は、ガス空洞(図示せず)と、薬剤空洞(図示せず)と、電子回路システム空洞5153とを画成している。薬剤デリバリシステム5000のハウジング5110のガス空洞及び薬剤空洞は、図9及び10に示しこれにつき前述したガス空洞4154及び薬剤空洞4157に類似している。
電子回路システム空洞5153は電子回路システム5900を収容するように構成されている。前述したように、電子回路システム空洞5153は、側壁5148により流体的に又は音響的に又は物理的に或いはこれらの任意の組み合わせでガス空洞及び薬剤空洞の双方又は何れか一方から分離させることができる。ハウジング5110は、電子回路システム5900が電子回路システム空洞5153内に配置された際に、この電子回路システム5900を安定化させるように構成された突起5149を有する。又、このハウジング5110は、電子回路システム5900の連結突起5171(例えば、図36参照)を収容するように構成された連結孔(図示せず)を画成している。このようにすることにより、電子回路システム5900を電子回路システム空洞5153内でハウジング5110に結合しうるようになる(例えば、図39参照)。他の実施例では、電子回路システム5900を、接着剤又はクリップ等或いはこれらの任意の組み合わせのような適切な他の如何なる手段によっても、電子回路システム空洞5153内で結合させることができる。
ハウジング5110は電子回路システム空洞5153内に配置された駆動突起5114を有する。後に更に詳細に説明するように、ハウジング5110の駆動突起5114の屈曲端部5115は、電子回路システム5900がハウジング5110に結合された際に、この電子回路システム5900の基板5924の第3の駆動部分5976に係合するように構成されている。
図39に示すように、電子回路システム5900は、ハウジング5110の電子回路システム空洞5153内に嵌合するように構成されている。従って、前述したように、電子回路システム5900は、物理的に、又は音響的に、又は流体的に、或いはこれらの任意の組み合わせで、薬剤デリバリデバイス5000内の薬剤空洞、ガス空洞及び薬剤デリバリ通路(図示せず)の何れか又は任意の組み合わせから分離させる。後に説明するように、電子回路システム5900は、薬剤デリバリデバイス5000の使用と関連する電子出力を出力するように構成する。
図36に示すように、電子回路システム5900は前述した電子回路システム4900に類似している。薬剤デリバリデバイス5000のこの電子回路システム5900は、電子回路システムハウジング5170と、プリント回路板5922と、バッテリアセンブリ5962と、可聴出力デバイス5956と、2つの発光ダイオード(LED)5958A及び5958Bと、バッテリクリップ5910とを有する。これらの電子回路システムハウジング5170と、バッテリアセンブリ5962と、可聴出力デバイス5956と、2つの発光ダイオード(LED)5958A及び5958Bと、バッテリクリップ5910とは、前述した電子回路システム4900の電子回路システムハウジング4170と、バッテリアセンブリ4962と、可聴出力デバイス4956と、2つの発光ダイオード(LED)4958A及び5958Bと、バッテリクリップ4910とに類似する。従って、これらの素子の詳細な説明は省略する。
電子回路システム5900は、(例えば、入力スイッチからの)電子入力を処理して電子出力を生じるように構成したプロセッサ5950をも有している。後に説明するように、このような電子出力には、薬剤デリバリデバイス5000の使用と関連する音声又は可視出力を含めることができる。特に、プロセッサ5950は、電子信号を可聴出力デバイス5956に出力するように構成されており、この可聴出力デバイス5956はこの電子信号を音波に変換する。換言すれば、プロセッサ5950は、可聴出力と関連する電子信号を可聴出力デバイス5956に出力するように構成されており、可聴出力デバイス5956は可聴出力を出力するように構成されている。電子信号は、例えば、録音されたスピーチと、単音と、一連の音等との何れか又は任意の組み合わせと関連させることができる。このようにすることにより、電子回路システム5900は、薬剤デリバリデバイス5000の使用と関連する可聴出力の発生又は出力、或いはその双方を達成することができるようになる。
プロセッサ5950により生ぜしめられる電子信号は、プリント回路板5922(例えば、導電性配線等)により形成された1つ以上の電子通路(図37には線図的に示していない)を介して可聴出力デバイス5956に供給される。図38に示すように、プロセッサ5950と可聴出力デバイス5956との間の電子通路には増幅器が存在しない。すなわち、プロセッサ5950により生ぜしめられる電子信号を増幅又は増大させるために、プロセッサ5950の外部に増幅器及びドライバの双方又は何れか一方が用いられていない。この構成によれば、電子回路システム5900の価格及び複雑性の双方又は何れか一方を低減させることができる。更に、外部増幅が存在しない為に、可聴出力デバイス5956に供給される電子信号の電力を比較的低くしうる。従って、バッテリアセンブリ5962の寿命を長くできるか、バッテリアセンブリ5962に小型のバッテリを入れることができるか、バッテリアセンブリ5962に入れるバッテリの個数を少なくできるか、或いはこれらの任意の組み合わせを達成しうる。ある実施例では、例えば、プロセッサ5950により生ぜしめられる電子信号は、500ミリワット(mW)よりも低い電力を有するようにしうる。他の実施例では、プロセッサ5950により生ぜしめられる電子信号は、100ミリワット(mW)よりも低い電力を有するようにしうる。更に他の実施例では、プロセッサ5950により生ぜしめられる電子信号は、約80ミリワット(mW)の電力を有するようにしうる。
プロセッサ5950を(及びここに記載した如何なるプロセッサをも)、1つ以上の特定のタスクを実行するようにした市販の処理デバイスとすることができる。例えば、ある実施例では、プロセッサ5950を、音声合成器“Sonic SNC 12060 ”のような市販されているマイクロプロセッサとしうる。或いはまた、プロセッサ5950を、1つ以上の特定の機能を実行するように設計した特定用途向け集積回路(ASIC)又はASICの組み合わせとしうる。更に他の実施例では、プロセッサ5950をアナログ又はデジタル回路とするか、或いは複数の回路の組み合わせとしうる。ある実施例では、プロセッサ5950を、例えば、内部コントローラ(図示せず)を介してプログラミングし、例えば、ボイスセクションの組み合わせと、キートリガ配列と、出力制御との何れか又は任意の組み合わせを含む多様な用途を実行しうるようにする。
プロセッサ5950には、一連の指令、プロセッサ可読コード、デジタル信号等のような情報を受けて記憶するように構成したメモリデバイス(図示せず)を含めることができる。このメモリデバイスには、1種類以上のメモリを含めることができる。例えば、メモリデバイスに、読み取り専用メモリ(ROM)素子とランダムアクセスメモリ(RAM)素子とを含めることができる。メモリデバイスには、プロセッサ5950により検索しうる形態のデータを記憶するのに適した他の種類のメモリ、例えば、電子的にプログラミングしうる読み取り専用メモリ(EPROM)、消去可能で電子的にプログラミングしうる読み取り専用メモリ(EEPROM)又はフラッシュメモリを含めることもできる。ある実施例では、プロセッサ5950から分離させたメモリデバイスを用いて情報を受けるとともに記憶させるようにしうる。
図37は、電子回路システム5900のプリント回路板5922を示す。図38は、電子回路システム5900の回路線図である。電子回路システム5900のプリント回路板5922は、基板5924と、(第1のスイッチ5972を含む)第1の駆動部分5926と、(第2のスイッチ5973を含む)第2の駆動部分5946と、(電子回路システム設定スイッチ5974を含む)第3の駆動部分5976とを具えている。プリント回路板5922の基板5924は、電子回路システム5900を所望通りに動作させるのに必要とする電気素子を有する。これらの電気素子には、例えば、抵抗、キャパシタ、インダクタ、スイッチ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ等の何れか又は任意の組み合わせを含めることができる。
第1の駆動部分5926及び第2の駆動部分5946(例えば、図36参照)は、前述した電子回路システム4900の第1の駆動部分4926及び第2の駆動部分4946に類似しており、従って、これらを詳細に説明或いは図示しない。第3の駆動部分5976には、第3の導電体5936(例えば、図37参照)が設けられており、境界5979を有する駆動孔5975と、引き裂き伝搬制限孔5978とが形成されている。図36及び40に示すように、第3の駆動部分5976の駆動孔5975は、電子回路システム5900が電子回路システム空洞5153内に配置された際に、ハウジング5110の駆動突起5114の屈曲端部5115を収容するように構成されている。駆動孔5975の境界5979は、応力集中ライザ5977を有する涙滴形状のような不連続形状を有している。境界5979の不連続性及び応力集中ライザ5977の双方又は何れか一方は、以下に説明するように、ハウジング5110の駆動突起5114の屈曲端部5115が駆動孔5975内に挿入された際に(例えば、図40参照)、基板5924を予め決定した方向に変形させるのに適した如何なる形状にもできる。
第3の導電体5936は、駆動孔5975と、例えば、第3の導電体5436の破壊しやすい部分としうる引き裂き伝搬制限孔5978との間に配置された電子回路システム設定スイッチ5974を有する。図39及び40に示すように、電子回路システム5900をハウジング5110に取り付ける場合、駆動突起5114の屈曲部分5115の一部分を、図40に矢印HHで示すように第3の駆動部分5976の駆動孔5975内に配置する。基板5924の第3の駆動部分5976内で駆動突起5114の屈曲部分5115を連続的に移動させることにより、基板5924の第3の駆動部分5976を引き裂き、これにより電子回路システム設定スイッチ5974を含む第3の導電他5936の部分を分断させる。換言すれば、電子回路システム5900がハウジング5110に取り付けられると、駆動突起5114が電子回路システム設定スイッチ5974を第1の状態(例えば、電気的導通状態)から第2の状態(例えば、電気的非導通状態)に不可逆的に移動させる。
引き裂き伝搬制限孔5978は、基板5924における引き裂きの伝搬を制限するように構成されている。換言すれば、引き裂き伝搬制限孔5978は、基板5924における引き裂きがこの引き裂き伝搬制限孔5978を越えて延在しないように構成されている。この引き裂き伝搬制限孔5978は、基板5924の引き裂き及び分断の双方又は何れか一方の伝搬を制限するように構成した如何なる形状にもすることができる。例えば、この引き裂き伝搬制限孔5978は楕円形状としうる。他の実施例では、引き裂き伝搬制限孔5978の境界を補強して、基板5924における引き裂きがこの引き裂き伝搬制限孔5978を越えて延在しないようにしうる。駆動突起5114の屈曲端部5115は、基板5924における引き裂きが所望方向で伝搬するようにさせる。換言すれば、駆動突起5114の屈曲端部5115は、基板5924における引き裂きが、駆動孔5975と引き裂き伝搬制限孔5978との間で生じるようにする。
ハウジング5110の駆動突起5114が電子回路システム5900の電子回路システム設定スイッチ5974を第1の状態から第2の状態に不可逆的に移動させると、電子回路システム5900は第1の構成配置と第2の構成配置との間で移動しうるようになる。例えば、ある実施例では、電子回路システム5900の電子回路システム設定スイッチ5974を第2の状態に不可逆的に移動させることにより、電子回路システム5900を第2の構成配置に配置し、これにより、電力が電子回路システム5900に供給された場合に、この電子回路システム5900は、薬剤デリバリデバイス5000がある種の薬剤デリバリデバイスであるかを、又はある構成配置にあるかを、或いはその双方を認識するようにする。ある実施例では、ハウジングに駆動突起5114を存在させずに、電子回路システム5900がハウジング5110に取り付けられた際に、電子回路システム設定スイッチ5974がその第1の状態に維持されるようにしうる。このようにすることにより、電子回路システム設定スイッチ5974は、電子回路システム5900を異なる種類の又は異なる構成の、或いはこれらの双方の薬剤デリバリデバイスに用いうるようにしうる。電子回路システム5900の二重の機能性の為に、複数のデバイスに対し同じ電子回路システム5900を製造しうるようになり、従って、電子回路システム5900の大量生産及び製造費の低減化を達成しうる。
例えば、ある実施例で、電子回路システム5900を実際の薬剤デリバリデバイスでも、模擬の薬剤デリバリデバイスでも用いることができるようにする。模擬の薬剤デリバリデバイスは、例えば、実際の薬剤デリバリデバイスに対応させ、例えば、この対応する実際の薬剤デリバリデバイスの動作でユーザを訓練するのに用いうる。
模擬の薬剤デリバリデバイスは、幾つかの方法で実際の薬剤デリバリデバイスを模倣することができる。例えば、ある実施例では、模擬の薬剤デリバリデバイスが、実際の薬剤デリバリデバイスの形状に相当する形状と、実際の薬剤デリバリデバイスの寸法に相当する寸法と、実際の薬剤デリバリデバイスの重さに相当する重さとの何れか又は任意の組み合わせを有するようにしうる。更に、ある実施例では、模擬の薬剤デリバリデバイスに、実際の薬剤デリバリデバイスの構成素子に対応する構成素子を設けることができる。このようにすることにより、模擬の薬剤デリバリデバイスは、実際の薬剤デリバリデバイスの外観、感触及び音声を模倣しうる。例えば、ある実施例では、模擬の薬剤デリバリデバイスが、実際の薬剤デリバリデバイスの外部素子に相当する外部素子(例えば、ハウジング、針受け、無菌カバー、安全錠等)を有するようにしうる。ある実施例では、模擬の薬剤デリバリデバイスが、実際の薬剤デリバリデバイスの内部素子に相当する内部素子(例えば、駆動機構、圧縮ガス源、薬剤容器等)を有するようにしうる。
しかし、ある実施例では、模擬の薬剤デリバリデバイスが、薬剤と、薬剤を供給させる構成素子(例えば、針、ノズル等)とを有さないようにしうる。この場合、模擬の薬剤デリバリデバイスを用いて、ユーザが針及び薬剤の双方又は何れか一方に触れることなしに実際の薬剤デリバリデバイスの使用状態でユーザを訓練するようにしうる。更に、模擬の薬剤デリバリデバイスは、この模擬の薬剤デリバリデバイスを薬剤供給のために用いうるとユーザが間違って信じないようにする訓練デバイスとしてこの模擬の薬剤デリバリデバイスを識別する特徴を有するようにしうる。例えば、ある実施例では、模擬の薬剤デリバリデバイスを、対応する実際の薬剤デリバリデバイスとは異なる色のものとしうる。同様に、他の実施例では、模擬の薬剤デリバリデバイスが、これを訓練デバイスとして明瞭に識別するラベルを有するようにしうる。
薬剤デリバリデバイス5000が模擬の医療用インジェクタである場合には、薬剤デリバリデバイス設定スイッチ5974を駆動することにより、薬剤デリバリデバイス5000が実際の医療用インジェクタである場合とは異なる電子出力を出力するように電子回路システム5900を設定しうる。換言すれば、電子回路システム5900は、電子回路システム設定スイッチ5974が第1の状態にある場合に第1の電子出力列を出力し、電子回路システム設定スイッチ5974が第2の状態にある場合に第2の電子出力列を出力するように構成しうる。このようにすることにより、電子回路システム設定スイッチ5974は、模擬の薬剤デリバリデバイスと実際の薬剤デリバリデバイスとの双方で同じ電子回路システム5900を用いうるようにする。実際の薬剤デリバリデバイスに関して用いる場合には、例えば、ハウジングに駆動突起を設けないですむ。電子回路システム5900の二重の機能性によれば、薬剤デリバリデバイス5000の電子回路システム5900の製造費を低減させることができる。
他の実施例では、電子回路システム設定スイッチ5974を第2の状態に移動させることにより、電子回路システム5900を如何なる個数の異なる機能上の構成配置にも配置しうる。例えば、電子回路システム設定スイッチ5974を第1の状態から第2の状態に移動させることが、薬剤容器中の薬剤の種類と、薬剤の投薬量と、電子回路システム5900により出力される可聴電子出力の言語との何れか又は任意の組み合わせを表すようにしうる。
更に他の実施例では、任意の個数の電子回路システム設定スイッチを用いうるようにしうる。例えば、複数のスイッチを用いて、使用指令を任意の個数の言語で出力するように電子回路システム5900を構成するようにしうる。例えば、電子回路システムが3つの設定スイッチ(例えば、スイッチA、B及びC)を含む場合には、スイッチAを英語の指令に対応させ、スイッチBをスペイン語の指令に対応させ、スイッチCをドイツ語の指令に対応させることができる。更に、スイッチA及びBの双方を第2の状態に移動させることが、フランス語の指令に対応させることができる。このようにすることにより、1つの電子回路システム5900を、指令を複数の言語で出力させるように構成しうる。
図41は、本発明の一実施例による方法100を示すフローチャートである。この方法は、薬剤を患者の身体に供給するように構成した医療デバイスを組み立てるステップ102を有する。この医療デバイスは、ハウジングと、このハウジング内に配置された薬剤容器と、アクチュエータと、安全錠とを有するようにする。ある実施例では、これらのハウジング、薬剤容器、アクチュエータ及び安全錠を、前述した医療用インジェクタ4000及び薬剤デリバリデバイス5000の双方又は何れか一方の対応する構成素子に類似させることができる。医療デバイスのアクチュエータは、このアクチュエータが駆動された際に薬剤容器からの薬剤の供給を開始させるように構成する。医療デバイスの安全錠は、アクチュエータの駆動を阻止するように構成する。
医療デバイスを組み立てた後、この医療デバイスの少なくとも一部を、随意ではあるが消毒するステップ104を行うことができる。この場合、種々の消毒技術を用いることができる。ある実施例では、適切な消毒技術には、エチレンオキシド、ガンマ線、電子ビーム放射、紫外線、蒸気、プラズマ及び過酸化水素のうちの一種類以上を用いることを含める。ある実施例では、針カバーを取り付ける前に針を消毒する。又、ある実施例では、針カバーを取り付けた後に針を消毒する。例えば、ある実施例では、針カバーを取り付け、その後に、針カバーの少なくとも一部を経てガス滅菌剤を供給する。針は、多孔質の針カバーの1つ以上の孔を通過させうるガス消毒技術を用いて消毒しうる。ある実施例では、多孔質の針カバーの1つ以上の孔を通過させうるが、ハウジング内に配置された薬剤容器内の薬剤と反応しないガス消毒技術を用いて針を消毒しうる。
次に、組み立てられた医療デバイスのハウジングに電子回路システムを結合させるステップ106を行う。電子回路システムは、この電子回路システムの基板により画成された開口が安全錠を囲むようにハウジングに結合させる。この電子回路システムは、開口内での安全錠の移動に応答して電子出力を出力するように構成する。ある実施例では、例えば、電子回路システムを、前述した医療用インジェクタ4000の電子回路システム4900及び薬剤デリバリデバイス5000の電子回路システム5900の双方又は何れか一方に類似させることができる。ある実施例では、電子出力を例えば、前述したような、可視出力と、可聴出力と、触覚出力との何れか又は任意の組み合わせとすることができる。他の実施例では、電子出力を、遠隔デバイスにより受信するように構成した無線信号とすることができる。
更に、電子回路システムをハウジングに結合させた後に、随意ではあるが、医療デバイスを囲むようにカバーを配置するステップ108を行う。このカバーは、バッテリと電子回路システムのバッテリ接点部分との間に配置した突起を有しうる。ある実施例では、例えば、カバーを、医療用インジェクタ4000のカバー4200と医療用インジェクタ5000のカバー5200との双方又は何れか一方に類似させることができる。
図42は、本発明の一実施例による方法120を示すフローチャートである。この方法は、随意ではあるが、模擬の薬剤デリバリデバイスを組み立てるステップ122を有する。この薬剤デリバリデバイスは、ハウジングと、アクチュエータと、安全錠とを有するようにしうる。この模擬の薬剤デリバリデバイスは、実際の薬剤デリバリデバイスを模倣するように構成する。次に、電子回路システムを収容するように構成したハウジングの一部にこの電子回路システムを整列させるステップ124を実行する。電子回路システムをハウジングと整列させることにより、ハウジングの部分が電子回路システムの対応する部分と確実に整列されるようにする。対応する部分が整列されない場合には、多数の問題点が生じるおそれがある。例えば、電子回路システムが正しく機能しえなかったり、電子回路システムが不適切な整列の結果として損傷されるおそれがあったり、その双方が生じるおそれがある。
次に、電子回路システムを模擬の薬剤デリバリデバイスに結合させ、ハウジングの一部が電子回路システムのスイッチを駆動するようにするステップ126を実行する。電子回路システムは、模擬の薬剤デリバリデバイスの使用及びスイッチの状態と関連する電子出力を出力するように構成する。このスイッチは、薬剤デリバリデバイス5000の電子回路システム設定スイッチ5974に類似させることができる。例えば、電子回路システムは、スイッチが第1の状態にある場合に模擬の薬剤デリバリデバイスの使用と関連する第1の電子出力を出力し、スイッチが第2の状態にある場合に模擬の薬剤デリバリデバイスの使用と関連する第2の電子出力を出力するようにしうる。ある実施例では、電子出力を例えば、前述したような可視出力と、可聴出力と、触覚出力との何れか又は任意の組み合わせとすることができる。他の実施例では、電子出力を、遠隔デバイスにより受信するように構成した無線信号とすることができる。前述したように、任意の個数のスイッチを電子回路システム上に配置しうる。
幾つかの実施例では、電子回路システムと薬剤デリバリデバイスのスイッチとの双方又は何れか一方の整合性を確認するのに、電子的なセルフテスト(自己検査)を用いうるようにする。図43は、電子回路システムのスイッチが適切な状態(すなわち、薬剤デリバリデバイスの構成に対応する状態)にあることを確実にする処理を行いうるセルフテスト方法150を示すフローチャートである。例えば、ある実施例では、この方法150により、電子回路システム設定スイッチが確実に正しい状態(すなわち、薬剤デリバリデバイスが実際の薬剤デリバリデバイスである場合に第1の状態、又は薬剤デリバリデバイスが模擬の薬剤デリバリデバイスである場合に第2の状態)にあるようにしうる。この方法には、バッテリ端子に、従って、電子回路システムに電力を供給するステップ152を含める。ステップ154で、電子回路システム設定スイッチが第1の状態にある場合には、電子回路システムが第1の出力列を出力する(ステップ155)。第1の出力列は、例えば、予め決定した第1の列でのLED点滅(例えば、緑‐赤‐緑)とこれに続く可聴出力とで構成しうる。第1の出力列は、薬剤デリバリデバイスが実際の薬剤デリバリデバイスであり、模擬の薬剤デリバリデバイスではないということを表すようにしうる。ステップ156で、電子回路システム設定スイッチが第2の状態にある場合には、電子回路システムが、第1の出力列とは異なる第2の出力列を出力する(ステップ157)。第2の出力列は、例えば、予め決定した第2の列でのLED点滅(例えば、赤‐緑‐緑)とこれに続く可聴出力とで構成しうる。この第2の出力列は、薬剤デリバリデバイスが訓練機器であるということを表すようにしうる。第1の出力列も第2の出力列も生じない場合には、医療用インジェクタは検査を失敗し(ステップ158)、このことは、電子回路システム内でエラーが発生したことを表している。
他の実施例では、医療用インジェクタの異なるモードを表すか、又は検査するか、或いはこれらの双方を行うのに、異なる電子出力列を用いうるようにする。例えば、スペイン語の医療用インジェクタを表すのに、LEDを第3の列で点滅するようにしうる。更に、任意の回数のセルフテストを用いて、電子回路システムの各スイッチの状態を決定することができる。更に、薬剤デリバリデバイスの任意の個数の電子素子の整合性をセルフテストにより検査することができる。例えば、LED及び可聴出力デバイスの双方又は何れか一方の整合性を、上述したのと類似するセルフテストを用いて検査することができる。
図示の医療用インジェクタ及び薬剤デリバリデバイスの双方又は何れか一方は、流体的に又は音響的に又は物理的に或いはこれらの任意の組み合わせで薬剤空洞から分離される電子回路システム空洞を画成するハウジング(例えば、ハウジング4110又はハウジング5110)を有するものとして上述し、図示したが、他の実施例では、薬剤デリバリデバイスにより、薬剤空洞と流体的に。又は音響的に、或いはその双方で連通する電子回路システム空洞又は音響室、或いはその双方を画成しうる。例えば、図44は、本発明の一実施例による、音響室を有する薬剤デリバリデバイス6000を示す線図である。この薬剤デリバリデバイス6000は、ハウジング6110と、薬剤容器6560と、薬剤デリバリ部材6512と、電子回路システム6900とを有する。例えば、薬剤が予め充填されたカートリッジ、バイアル、アンプル等としうる薬剤容器6560は、ハウジング6110内に配置されている。薬剤デリバリ部材6512の少なくとも一部はハウジング6110内に配置されている。ある形態では、薬剤デリバリ部材6512を薬剤容器6560と流体的に連通させることができる。このようにすることにより、薬剤を薬剤容器6560から薬剤デリバリ部材6512を介してハウジング6110の外部の領域に送給しうるようになる。薬剤デリバリ部材6512には、例えば、針と、ノズルと、マウスピース等との何れか又はこれらの任意の組み合わせを設けることができる。
幾つかの実施例では、薬剤デリバリデバイス6000は、薬剤を患者の身体内に注入するのに適した如何なる医療用インジェクタとすることもできる。例えば、薬剤デリバリデバイス6000は、シリンジ、ペン型インジェクタ、自動インジェクタ等とすることができる。他の実施例では、薬剤デリバリデバイス6000を吸入器とすることができる。更に他の実施例では、薬剤デリバリデバイス6000を経皮デリバリデバイスとしうる。ある実施例では、薬剤デリバリデバイス6000を慢性病薬剤デリバリデバイスとすることができる。換言すれば、薬剤デリバリデバイス6000を、複数回の投薬量の薬剤を収容する再利用可能なデバイスとすることができる。例えば、複数回の投薬量の薬剤を有する薬剤デリバリデバイス6000は、場合に応じ毎日の、又は毎週の、又は毎月の、或いはこれらの何らかの組み合わせの調剤を必要としうるインスリンの供給又はその他の薬剤の供給を管理するために(例えば、多発性硬化症、貧血症、関節リウマチ、骨粗鬆症等を処置するために)用いることができる。他の実施例では、薬剤デリバリデバイス6000を使い捨てデバイスとすることができる。換言すれば、薬剤デリバリデバイス6000を、1回のみの投薬量を入れるようにしうる。更に他の実施例では、薬剤デリバリデバイス6000を、2007年2月27日に出願された“Medical Injector Simulation Device”と題する米国特許公開第2008/0059133号明細書に記載された模擬の薬剤デリバリデバイス又は訓練機器に類似する模擬の薬剤デリバリデバイス又は訓練機器とすることができる。この米国特許公開明細書は参考のために記載したものである。
電子回路システム6900は、ハウジング6110に結合されたカバー6170及び可聴出力デバイス6956を有する。例えば、マイクロスピーカとしうる可聴出力デバイス6956は、可聴出力OP11を出力するように構成されている。換言すれば、可聴出力デバイス6956は、電子回路システム6900からの電子信号に応答して一組の音波を生じるように構成されている。ある実施例では、電子回路システム6900及び可聴出力デバイス6956が薬剤デリバリデバイス6000の使用と関連する可聴出力OP11を生じるようにしうる。
電子回路システム6900には、可聴出力OP11の発生及び出力の双方又は何れか一方を達成するか、又はここで説明した機能を実行するか、或いはこの達成及び実行の双方を行うように動作的に結合された適切な如何なる電子素子をも含めることができる。ある実施例では、電子回路システム6900を前述した電子回路システム(例えば、電子回路システム4900、電子回路システム5900等)に類似させることができる。
ハウジング6110と電子回路システム6900のカバー6170とが相俟って領域6153を画成する。この領域6153は図44では二次元領域として示しているが、この領域6153は、ハウジング6110内の、周囲が包囲された容積、又は空間と関連するものである。すなわち、領域6153は、ハウジング6110及びカバー6170により画成された空洞、部屋又は室とすることができる。ある実施例では、領域6153を、ハウジング6110の外部の領域に対する少なくとも1つの開口(図44に図示せず)を有するハウジング内の容積又は空間と関連させることができる。
電子回路システム6900の少なくとも一部はハウジング6110の領域6153内に配置する。この電子回路システム6900は、可聴出力デバイス6956が、ハウジング6110及びカバー6170により画成された領域6153内に配置されるようにハウジング6110に結合させる。更に、領域6153と関連する容積は可聴出力デバイス6956の容積よりも大きくする。このようにすることにより、領域6153は可聴出力デバイス6956に対する音響室として機能しうる。音響室としては、ノイズを最小にするか又は減衰させるか、又は可聴出力デバイス6956の可聴出力OP11を向上させるためにこの領域6153を用いることができる。ある実施例では、領域6153が、可聴出力デバイス6956と関連する音声及び振動の双方又は何れか一方を隔離又は吸収させるか、或いはこれらの双方を達成することによりノイズを低減することができる。ある実施例では、領域6153の物理的特性(例えば、容積、形状等)により規定される1つ以上の音響共振周波数で可聴出力を音響的に増幅することにより、領域6153が可聴出力デバイス6956の可聴出力OP11を向上させることができる。ある実施例では、例えば、領域6153が、可聴出力デバイス6956の音響周波数範囲内の少なくとも1つの音響共振周波数を形成するようにする。
可聴出力OP11は例えば、録音したメッセージ又はスピーチ、単音又は一連の音等の何れか又は任意の組み合わせの可聴表現とすることができる。ある実施例では、可聴出力OP11を、薬剤デリバリデバイス6000を用いるための、予め録音したスピーチ、指令又は注意と関連させることができる。他の実施例では、可聴出力OP11を、例えば、薬剤デリバリ事象が終了したことをユーザに知らせるか、又は薬剤供給後の廃棄及び安全措置に関してユーザに指令したり、又は薬剤供給後の医療処置を行うことをユーザに指令したりする等の、又はこれらの任意の組み合わせを行わせる録音メッセージのような使用後の指令又は注意と関連させることができる。更に他の実施例では、可聴出力OP11を、薬剤デリバリデバイス6000の使用に際しての患者コンプライアンスと関連させることができる。又、ある実施例では、可聴出力OP11を、薬剤デリバリデバイス6000の駆動と関連させることができる。換言すれば、薬剤デリバリデバイス6000と関連する機能、処置及びモードの何れか又は任意の組み合わせのトリガ又は駆動に応答して可聴出力OP11を出力するように、可聴出力デバイス6956を構成しうる。
領域6153は、完全に封止されているように示してあるが、他の実施例では、この領域6153を部分的に封止されているようにしうる。ある実施例では、例えば、カバー6170とハウジング6110との双方又は何れか一方が開口(図示せず)を画成し、この開口を通して可聴出力デバイス6956を領域6153内に配置しうるようにする。ある実施例では、可聴出力デバイス6956の形状を、部分的に封止された領域6153の形状にほぼ一致させるようにしうる。他の実施例では、部分的に封止された領域6153内に配置された可聴出力デバイス6956の容積をこの部分的に封止された領域6153の容積よりも小さくする。
図45は、本発明の一実施例による、ポート付音響室を有する薬剤デリバリデバイス7000を示す線図である。この薬剤デリバリデバイス7000は、ハウジング7110と、薬剤容器7560と、電子回路システム7900とを有する。例えば、薬剤が予め充填されたカートリッジ、バイアル、アンプル等としうる薬剤容器7560は、ハウジング7110内に配置される。
薬剤デリバリデバイス7000は、複数回の投薬量の薬剤を収容する再利用可能なデバイスとすることができる。例えば、複数回の投薬量の薬剤を収容している薬剤デリバリデバイス7000は、毎日の、又は毎週の、又は毎月の、或いはこれらの何らかの組み合わせの調剤を必要としうるインスリンの供給又はその他の薬剤の供給を管理するために(例えば、多発性硬化症、貧血症、関節リウマチ、骨粗鬆症等を処置するために)用いることができる。他の実施例では、薬剤デリバリデバイス7000を使い捨てデバイスとすることができる。換言すれば、薬剤デリバリデバイス7000を、1回のみの投薬量を入れるようにしうる。更に他の実施例では、薬剤デリバリデバイス7000を模擬の薬剤デリバリデバイス又は訓練機器としうる。
電子回路システム7900には、可聴出力を発生又は出力、或いはその双方を達成するか、又はここで説明した機能を実行するか、或いはこの達成及び実行の双方を行うように動作的に結合された適切な如何なる電子素子を含めることができる。電子回路システム7900は、ハウジング7110に結合されたカバー7170及び可聴出力デバイス7956を有するようにする。例えば、マイクロスピーカとしうる可聴出力デバイス7956は、前部7004と後部7003とを有している。可聴出力デバイス7956のこの前部7004は、第1の組の音波を有する第1の可聴出力OP21を出力するように構成されている。可聴出力デバイス7956の後部7003は、第2の組の音波を有する第2の可聴出力OP22を出力するように構成されている。第1の可聴出力OP21と関連する第1の組の音波は、例えば、可聴出力デバイス7956の一部(例えば、コーン部、薄膜、振動板等)の制御移動により可聴出力デバイス7956の前部7004に生じる空気圧の変化で生じうる。第2の可聴出力OP22と関連する第2の組の音波は、例えば、可聴出力デバイス7956の一部の移動により可聴出力デバイス7956の後部7003に生じる空気圧の変化で生じうる。ある実施例では、単一の移動部分(例えば、スピーカのコーン部)により、第1の組の音波と第2の組の音波との双方を生ぜしめることができる。例えば、可聴出力デバイス7956の前部7004において空気圧を増大させるコーン部の移動の結果、これに対応して可聴出力デバイス7956の後部7003における空気圧を減少させる。同様に、可聴出力デバイス7956の前部7004において空気圧を減少させるコーン部の移動の結果、これに対応して可聴出力デバイス7956の後部7003における空気圧を増大させる。従って、ある実施例では、可聴出力デバイス7956の前部7004に生じる第1の組の音波を、可聴出力デバイス7956の後部7003に生じる第2の組の音波に対し位相外れとしうる。このようにすることにより、電子回路システム7900及び可聴出力デバイス7956により、薬剤デリバリデバイス7000の使用と関連する可聴出力を生ぜしめることができる。
ハウジング7110と電子回路システム7900のカバー7170とが相俟って領域7153を画成する。この領域7153を図45では二次元領域として示しているが、この領域7153は、ハウジング7110内の、周囲が包囲された容積、又は空間と関連するものである。すなわち、領域7153は、ハウジング7110及びカバー7170により画成された空洞、部屋又は室とすることができる。電子回路システム7900及び可聴出力デバイス7956の双方又は何れか一方の少なくとも一部は、ハウジング7110の領域7153内に配置される。このようにすることにより、領域7153を可聴出力装置7956に対する音響室として機能しうるようになる。
カバー7170には開口7001が形成されており、この開口を通して可聴出力OP21と関連する第1の組の音波を送出しうる。同様に、ハウジング7110には開口7002が形成されており、この開口を通して可聴出力OP22と関連する第2の組の音波を送出しうる。開口7002は、例えば、領域7153と関連する音響室の“ポート”と称しうる。ある実施例では、開口7001を通ってハウジング7110を出る際の可聴出力OP21と関連する第1の組の音波が、開口7002を通ってハウジング7110を出る際の可聴出力OP22と関連する第2の組の音波とほぼ同相となるように、これらの開口7001及び開口7002を共同的に形成する。すなわち、ある実施例では、開口7002を開口7001に対して位置決め及び配向させるか又はその何れかを達成させ、ハウジング7110内で可聴出力OP21の第1の組の音波と可聴出力OP22の第2の組の音波との間に存在しうる位相差の補償、低減化及び排除の何れか又は任意の組み合わせを達成するようにしうる。換言すれば、ある実施例では、可聴出力OP21の第1の組の音波が開口7001を通って出るまでに進む距離(例えば、可聴出力デバイス7956の前部7004と開口7001の出口との間の距離)と、可聴出力OP22の第2の組の音波が開口7002を通って出るまでに進む距離(例えば、可聴出力デバイス7956の後部7003と開口7002の出口との間の距離)とは、可聴出力OP21と関連する第1の組の音波がハウジング7110から出射する際に、可聴出力OP22と関連する第2の組の音波が開口7002を経てハウジング7110から出射する際のこの第2の組の音波とほぼ同相となるように設定する。このようにすることにより、可聴出力OP21の第1の組の音波の出射路と可聴出力OP22の第2の組の音波の出射路との間の差による位相補償により、ハウジング7110の外部での可聴出力デバイス7956の全音圧レベルを増大させる(例えば、強め合う干渉を行う)。
カバー7170は開口7001を形成しているものとして示してあるが、他の実施例では、ハウジング7110に開口7001及び開口7002の双方を形成しうる。カバー7170は、1つの開口7001を形成しているものとして説明したが、他の実施例では、カバー7170に複数の開口を形成しうる。同様に、ある実施例では、ハウジング7110に複数の“ポート”又は開口を形成しうる。ある実施例では、開口7002を、薬剤デリバリデバイス7000の可動部材(図示せず)により選択的に被覆されるように構成する。例えば、開口7002を、スリーブ、安全錠又は針受けのうちの少なくとも1つにより選択的に被覆させることができる。
可聴出力OP21及びOP22は薬剤デリバリデバイス7000の使用と関連する通知、メッセージ、駆動及びコンプライアンスの何れか又は任意の組み合わせと関連させることができる。可聴出力OP21及び可聴出力OP22は、例えば、録音したメッセージ又はスピーチ、単音又は一連の音等の何れか又は任意の組み合わせとすることができる。このようにすることにより、電子回路システム7900は、邪魔にならないように又は薬剤の供給を阻害することがないように、或いはこれらの双方が達成されるように可聴出力OP21及びOP22を経てユーザに情報を出力することができるようになる。可聴出力OP21及びOP22は、例えば、録音したメッセージ又はスピーチ、単音又は一連の音等の何れか又は任意の組み合わせの可聴表現とすることができる。ある実施例では、可聴出力OP21及びOP22を、薬剤デリバリデバイス7000を用いるための、予め録音したスピーチ、指令又は注意と関連させることができる。他の実施例では、可聴出力OP21及びOP22を、例えば、薬剤デリバリ事象が終了したことをユーザに知らせるか、又は薬剤供給後の廃棄及び安全措置に関してユーザに指令したり、又は薬剤供給後の医療処置を行うことをユーザに指令したりする等の、又はこれらの任意の組み合わせを行わせる録音メッセージのような使用後の指令又は注意と関連させることができる。更に他の実施例では、可聴出力OP21及びOP22を、薬剤デリバリデバイス7000の使用に際しての患者コンプライアンスと関連させることができる。又、ある実施例では、可聴出力OP21及びOP22を、薬剤デリバリデバイス7000の駆動と関連させることができる。換言すれば、薬剤デリバリデバイス7000と関連する機能、処置及びモードの何れか又は任意の組み合わせのトリガ又は駆動に応答して可聴出力OP21及びOP22を出力するように、可聴出力デバイス7956を構成しうる。
図46は、本発明の一実施例による薬剤デリバリデバイス8000を示す線図である。この薬剤デリバリデバイス8000は、ハウジング8110と、薬剤容器8560と、薬剤部材8512と、電子回路システム8900とを有する。薬剤容器8560は、ハウジング8110内に配置されている。薬剤デリバリ部材8512の少なくとも一部は、ハウジング8110内に配置されている。薬剤容器8560及び薬剤デリバリ部材8512の双方又は何れか一方は、図44につき上述し図示した薬剤容器6560及び薬剤デリバリ部材6512の双方又は何れか一方にそれぞれほぼ類似させることができる。
図44につき上述し図示した電子回路システム1900に類似する電子回路システム8900は、オーディオプロセッサ8010と可聴出力デバイス8956とを有する。オーディオプロセッサ8010は、電子出力S31を可聴出力デバイス8956に出力するように構成されている。このオーディオプロセッサ8010は、ソフトウェアベースのプロセッサ(例えば、プロセッサで実行しうる指令組やソフトウェアコードをベースとするプロセッサ)又はハードウェアベースのプロセッサ(例えば、回路システム、プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、現場でプログラミング可能なゲートアレイ(FPGA)をベースとするプロセッサ)としうる。電子出力S31は、例えば、録音したメッセージ又はスピーチ、単音又は一連の音等の何れか又は任意の組み合わせと関連させることができる。ある実施例では、電子回路システム8900とオーディオプロセッサ8010との双方又は何れか一方には、録音したメッセージ又はスピーチ、単音又は一連の音等と関連する情報を記録しうる個別のメモリ(図示せず)を設けることができる。このようにすることにより、オーディオプロセッサ8010は、録音されたメッセージ又はトーン情報をメモリから受けて処理するとともに、電子出力S31を生ぜしめうるようになる。ある実施例では、例えば、オーディオプロセッサ8010に埋め込み式又は組み込み式のメモリモジュールを設け、このメモリモジュール内に、録音されたメッセージ又はトーンと関連する情報を記憶させるようにしうる。
図46に示すように、電子出力S31はオーディオプロセッサ8010から、増幅器の無い電子通路8001を介して可聴出力デバイス8956に供給される。すなわち、オーディオプロセッサ8010の外部の増幅器及びドライバの双方又は何れか一方を用いずに電子出力S31を高める、すなわち増大させる。電子通路8001は、如何なる電子素子によっても形成しうる。例えば、ある実施例では、電子回路システム8900が、1つ以上のプリント回路板(PCB)上に配置したオーディオプロセッサ8010、可聴出力デバイス8956及び電子通路8001の何れか又は任意の組み合わせを有するようにしうる。このような構成配置によれば、電子回路システム8900の価格及び複雑性の双方又は何れか一方を低減させることができる。更に、外部の増幅器及びドライバの双方又は何れか一方を排除することにより、可聴出力OP31を発生させるのに必要とする電力を、後に更に詳細に説明するように、比較的低くしうる。
例えば、マイクロスピーカとしうる可聴出力デバイス8956は、電子出力S31に応答して可聴出力OP31を発生させるように構成する。このようにすることにより、電子回路システム8900及び可聴出力デバイス8956により、上述したように薬剤デリバリデバイス8000の使用と関連する可聴出力を発生させることができる。
ハウジング4110は電子回路システム空洞4153を画成するものとして前述し図示したが、他の実施例では、ハウジング4110により電子回路システム空洞4153を画成する必要はない。例えば、ある実施例では、電子回路システムアセンブリに電子回路ハウジングを含め、この電子回路ハウジングに、スピーカを収容する音響室及び空洞の双方又は何れか一方を形成するようにしうる。例えば、図47〜49は、本発明の一実施例による薬剤デリバリデバイス9000及び電子回路システムアセンブリ9900を示す線図である。薬剤デリバリデバイス9000は、薬剤を患者の身体に供給するのに適した如何なるデバイスにもすることができる。例えば、薬剤デリバリデバイス9000は、吸入器、医療用インジェクタ(例えば、シリンジ、ペン型インジェクタ、自動インジェクタ等)、経皮デリバリデバイス等としうる。この薬剤デリバリデバイス9000は、薬剤を身体に供給するために、薬剤容器(図47〜49に図示せず)を収容するハウジング9110及び薬剤デリバリ機構(図47〜49に図示せず)の双方又は何れか一方を含む。
図47及び48に示すように、電子回路システムアセンブリ9900は、薬剤デリバリデバイス9000のハウジング9110に結合されるように構成されている。ある実施例では、例えば、電子回路システムアセンブリ9900は、キット(例えば、レトロフィットキット)として特定の薬剤デリバリデバイスに結合されるように構成されている。他の実施例では、電子回路システムアセンブリ9900を、複数の異なる薬剤デリバリデバイスに結合されるように構成しうる。すなわち、ある実施例では、電子回路システムアセンブリ9900を、“汎用”レトロフィットキットの一部としうる。前述したように、電子回路システムアセンブリ9900は、薬剤デリバリデバイス9000の使用と関連する可聴出力の発生及び出力の双方又は何れか一方を達成するように構成する。
電子回路システムアセンブリ9900は、少なくとも、ハウジング9170と、プリント回路板9922と、スピーカ9956とを有する。プリント回路板9922は、可聴出力の発生及び出力の双方又は何れか一方を達成するように動作的に結合された電子素子(例えば、プロセッサ、バッテリアセンブリ等(図47〜49に図示せず))を有する。プリント回路板9922、スピーカ9956及び関連の電子素子は、前述し図示した電子回路システム4900に含まれるものに類似させることができる。
電子回路システムアセンブリ9900のハウジング9170は、空洞9158と端部開口9174と複数の音声孔9191とが形成されている側壁9159を有している。図49に示すように、プリント回路板9922及びスピーカ9956は、空洞9170内で電子回路システムアセンブリ9900のハウジング9170に結合されている。特に、スピーカ9956は、このスピーカ9956の第1の面(例えば、前面)が音声孔9191に隣接して配置されるように、側壁9159に対向して配置されている。このようにすることにより、スピーカ9956の第1の面から出る音波が、このスピーカ9956から音声孔9191を介して電子回路システムアセンブリ9900のハウジング9170の外部の領域に送出しうるようになる。
電子回路システムアセンブリ9900のハウジング9170は、図47に矢印IIで示すように、薬剤デリバリデバイス9000のハウジング9110に結合される。ハウジング9170は適切な如何なる機構によっても(例えば、突起と凹所との嵌合により、又はヒートステーキングにより、又は接着ボンドを用いることにより、又はその他により)ハウジング9110に結合しうる。図49に示すように、薬剤デリバリデバイス9000のハウジング9110と電子回路システムアセンブリ9900のハウジング9170の空洞9158とが相俟って、スピーカ9956を収容する音響室を画成する。換言すれば、ハウジング9110の表面9148と側壁9159とが相俟って、前述したように、雑音を最小にする又は減少させるか、又はスピーカ9956の可聴出力を高めるか、或いはこれらの双方を達成するように構成した領域と、容積と、空間との何れか又は任意の組み合わせを画成する。更に、開口9174は、スピーカ9956の第2の面(例えば、後面)から生ぜしめられる音波を、ハウジング9170の空洞9158からこのハウジング9170の外部の領域に放出させるポートとして機能しうる。前述したように、開口9174はスピーカ9956から予め決定した距離だけ離間させて、このスピーカ9956により生ぜしめられる可聴出力の音質を向上させるようにしうる。
電子回路システムアセンブリ9900は電子素子(例えば、電子信号を生じるように構成したプロセッサ、スピーカ9956等)を有しており且つ空洞9158を画成している為、これらの電子素子及び空洞9158は、スピーカ9956により生ぜしめられる可聴出力の音質を向上させるように相補的に選択するか又は構成するか、或いはこれらの双方を実行するようにしうる。すなわち、この構成により、電子回路システムアセンブリ9900の音声性能を、薬剤デリバリデバイス9000のハウジング9110に殆ど依存させずに最適化させる。
音響室は、部分的に薬剤デリバリデバイス9000のハウジング9110の表面9148により画成されているものとして示してあるが、他の実施例では、電子回路システムアセンブリ9900のハウジング9170により、周囲がほぼ囲まれて音響室として機能するように構成した空洞9158を画成するようにしうる。ある実施例では、例えば、ハウジング9170が、薬剤デリバリデバイス9000の一部に対向して配置されるように構成された側壁を有し、音響室の境界を規定するようにしうる。このような実施例では、側壁は、電子回路システムアセンブリ9900のハウジング9170を薬剤デリバリデバイス9000に結合させるか、スピーカ9956により生ぜしめられる可聴出力を向上させるか、或いはこれらの双方を達成する為に適したいかなる側壁にすることもできる。例えば、側壁を弾性的な側壁としうる。他の実施例では、側壁を多孔質の側壁としうる。
電子回路システムアセンブリ9900のハウジング9170の空洞9158は、薬剤デリバリデバイス9000に隣接して配置されるものとして示してあるが、ある実施例では、薬剤デリバリデバイスの一部を空洞内に配置しうる。例えば、ある実施例では、電子回路システムアセンブリを薬剤デリバリデバイスの一部を囲んで配置しうる。
本発明の種々の実施例を上述したが、これらは本発明の例示にすぎず、本発明をこれらに限定するものではないことを理解すべきである。上述した方法は、ある幾つかの事象がある順序で生じることを示しているが、これらの事象の順序は変更させることができる。更に、ある幾つかの事象は、可能であれば同時に並行プロセスで実行しうるとともに、上述したように順次に実行しうる。
例えば、ある実施例では、薬剤デリバリデバイスのハウジングの側壁は剛性としうる。他の実施例では、側壁を、例えば、ピストンのような可動部材とすることができる。更に他の実施例では、側壁を、例えば、振動板のような可撓性部材としうる。ある実施例では、側壁は、光を第1の領域から第2の領域に且つその逆に通すように透明とすることができる。透明の側壁は光センサと関連させて用いることができる。側壁はハウジングと一体に又は別々に形成しうる。
他の実施例では、薬剤容器は、ほぼ円形又はほぼ楕円形、或いはその双方の断面形状を有するほぼ円筒状とすることができる。従って、薬剤容器には長手軸線が規定され、この薬剤容器の長手軸線は平行とするか、又は非同軸とするか、又は同一平面上にあるか、或いはこれらの任意の組み合わせとしうる。薬剤容器の長手軸線は、可動部材4530のピストン部分の長手軸線と同軸となるようにしうる。更なる他の実施例では、薬剤デリバリデバイスが複数の薬剤容器を、従って、複数の投薬量を有するようにしうる。
上述したところでは、2つのLED及び可聴出力デバイスを有する医療デバイスを図示したが、他の実施例では、医療デバイスが有するLED及び可聴出力デバイスの双方又は何れか一方の個数を任意の個数とすることができる。更に、触覚出力デバイスのような他の種類の出力デバイスを用いることができる。
可聴出力デバイス4956は、第1の組の音波を生じるように構成した前部4957と、この前部と対向して位置し第2の組の音波を生じるように構成した後部4955とを有するものとして説明し、図示したが、他の実施例では、可聴出力デバイスが、第1の組の音波を生じるように構成した第1の部分と、第2の組の音波を生じるように構成した第2の部分とを有し、第1の部分が第2の部分に対向しないようにしうる。例えば、ある実施例では、可聴出力デバイスが、第1の組の音波を生じるように構成した第1の面と、この第1の面に隣接又は接触しており、第2の組の音波を生じるように構成した第2の面とを有するようにしうる。
電子回路システム空洞4153は音響室を画成するものとして図示したが、他の実施例では、薬剤デリバリデバイスが、電子回路システムの一部が収容される空洞から分離された音響室を画成するようにしうる。ある実施例では、例えば、電子回路システムのプリント回路板が収容される第1の空洞と、この第1の空洞と異なる空洞であって可聴出力デバイスの一部が収容される第2の空洞とをハウジングにより画成するようにしうる。第1の空洞には、例えば、プリント回路板の信頼性及び性能の双方又は何れか一方を高めるポッティング材料を含めることができる。第2の空洞には内部の構造体を設けず、この第2の空洞が音響室として機能するようにしうる。
電子回路システム空洞4153は、構造体が殆ど収容されていないものとして説明し、図示したが、他の実施例では、電子回路システム空洞には、この空洞の性能を音響室として向上させる構成素子を収容するようにしうる。例えば、ある実施例では、電子回路システム空洞に一組のバッフルを収容するようにしうる。このようにすることにより、可聴出力デバイスの後部により生ぜしめられる音波が通る距離を、電子回路システム空洞の全長よりも大きな値まで増大させることができるようになる。
電子回路システム空洞4153は、その遠位端に配置された単一の“ポート”(すなわち、バッテリ分離突起空洞4121)を有するものとして説明し、図示したが、他の実施例では、電子回路システム空洞4153は、適切な如何なる位置にも配置したポートを有するようにしうる。例えば、ある実施例では、電子回路システム空洞がその近位端に配置したポートを有するようにしうる。更に、ある実施例では、電子回路システム空洞4153が複数の異なる位置に複数の開口を有するようにしうる。
上述した実施例に示すハウジングは剛性としたが、ハウジングの一部を可撓性として、ハウジングの可撓性部分が可聴出力デバイスの能動性動作に対する受動性カウンターパートとして動作するようにしうる。このような実施例では、ハウジングの可撓性部分が音響室の寸法及び形状の双方又は何れか一方を動的に調整し、可聴出力デバイスにより生ぜしめられる音圧レベルを改善するようにしうる。例えば、ある実施例では、音響室の一部を画成するハウジングの側壁を、例えば、ピストンのような可動部材とすることができる。更に他の実施例では、側壁を、例えば、振動板のような可撓性部材としうる。又、側壁はハウジングと一体に又は別々に形成しうる。
バッテリアセンブリ4962は互いの上に積み重ねた2つのバッテリを有するものとして説明し、図示したが、他の実施例では、バッテリアセンブリに、積み重ね配置されていない2つ以上のバッテリを設けることができる。例えば、ある実施例では、1つのバッテリの端が他のバッテリの端と接触するように、エンド・ツー・エンド配置させた2つ以上のバッテリをバッテリアセンブリが有するようにしうる。他の実施例では、バッテリアセンブリが、互いに分離させた2つ以上のバッテリを有するようにしうる。同様に、バッテリクリップ4910は、その遠位端に単一の接点部分4918を有するものとして説明し、図示したが、他の実施例(例えば、バッテリアセンブリが積み重ねられていない関係でバッテリを有する実施例)では、バッテリクリップが1つよりも多い接点部分を有するようにしうる。
バッテリアセンブリ4962は、3ボルトの“腕時計用”バッテリを有するものとして説明し、図示したが、他の実施例では、電子回路システム4900を適切な如何なる電源によっても附勢するようにしうる。例えば、ある実施例では、バッテリアセンブリ4962に1つ以上の再充電可能なバッテリを設けうるようにする。このような構成は、複数回使用の薬剤デリバリデバイス(例えば、慢性病介護デバイス)に対し適切である。他の実施例では、電子回路システムにはバッテリアセンブリ4962を設けないようにしうる。換言すれば、ある実施例では、バッテリ以外の電源(例えば、太陽電池電源、キャパシタンスベースの電源、有機材料を破壊することにより電気を生じるバイオアクティブ電源、小規模の機械的な発電機、小規模の燃料電池等)により電子回路システムに電力を与えることができる。
薬剤デリバリデバイス4500は、実際の薬剤デリバリデバイスとして説明し、図示したが、ある実施例では、ハウジング4110及び電子回路システム4900の双方又は何れか一方を模擬の薬剤デリバリデバイスと関連させるようにしうる。このような模擬のデバイスには薬剤及び針の双方又は何れか一方を設けないで済み、この模擬のデバイスは例えば、対応する実際の薬剤デリバリデバイスの動作においてユーザを訓練するのに用いることができる。
幾つかの実施例では、プロセッサと、種々のプロセッサ実行動作のための指令又はコンピュータコードを有する関連のプロセッサ可読媒体とを設ける。このようなプロセッサは、埋め込み式のマイクロプロセッサ、コンピュータシステムの一部としてのマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(“ASIC”)、プログラミング可能な論理デバイス(“PLD”)のようなハードウェアモジュールとして構成しうる。このようなプロセッサは、ジャバ、C++、C、アセンブリ、ハードウェア記述言語としてのプログラミング言語又はその他の適切な任意のプログラミング言語の1つ以上のソフトウェアモジュールとしても構成しうる。
ある実施例によるプロセッサは、特定の目的のために特に設計及び構成した媒体及びコンピュータコード(単にコードとも称しうる)を有するようにする。プロセッサ可読媒体の例には、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気記録媒体と、コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(“CD/DVD”)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(“CD‐ROM”)及びホログラフィックデバイスのような光記録媒体と、光ディスク、読み取り専用メモリ(“ROM”)デバイス及びランダムアクセスメモリ(“RAM”)デバイスのような磁気‐光記録媒体とが含まれるが、これらに限定されるものではない。コンピュータコードの例には、マイクロコード又はマイクロ命令、コンパイラによって生ぜしめられるような機械語命令、インタプリタを用いてコンピュータにより実行される上位命令を有するファイルが含まれるが、これらに限定されるものではない。例えば、本発明の実施例は、ジャバ、C++又はその他のオブジェクト指向プログラミング言語や開発ツールを用いて実行しうる。コンピュータコードの追加の例には、制御信号、暗号化コード及び圧縮コードが含まれるが、これらに限定されるものではない。
上述したところでは、種々の実施例を、特定の特徴と特定の素子の組み合わせとの双方又は何れか一方を有するものとして説明したが、何れの実施例からもの適切な特徴及び素子の双方又は何れか一方の組み合わせを有する他の例も可能である。例えば、電子回路システム4900には、電子回路システム5900のものに類似する電子回路システム設定スイッチを設けることができる。
例えば、薬剤デリバリデバイス4500は、音響室として機能しうる電子回路システム空洞4153と、信号増幅器のない電子回路システムとを有するものとして説明し、図示したが、他の実施例では、薬剤デリバリデバイスが、音響室と、信号増幅器を有する電子回路システムとを具えるようにしうる。このような実施例では、例えば、(100ミリワットよりも小さい電力を有しうる)プロセッサにより生ぜしめられる電子信号を増幅して、このプロセッサにより生ぜしめられる信号の電力レベルよりも大きい電力レベルを有する、スピーカに対する入力信号を生ぜしめることができる。