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JP5578776B2 - デンドリマー粒子、mri用造影剤及びデンドリマー粒子の製造方法 - Google Patents

デンドリマー粒子、mri用造影剤及びデンドリマー粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は高い造影能力を有し、フッ素を検出核とするMRI(以下F−MRIと言う)に用いことができる含フッ素デンドリマー粒子、それを用いた造影剤及びデンドリマー粒子の製造方法に関する。
核磁気共鳴を利用した生体のイメージング法(以下MRIと記す)の発達は目覚しく、X線診断や超音波診断(US)と並ぶ画像診断法の1つとして基礎研究ならびに臨床応用の両方において医療分野で広く用いられている。
現在、医療用に一般的に用いられているMRIは、プロトン(1H)を検出核として用いるH−MRIであり、生体内の水分子の磁気的環境をとらえて画像化するものである。水分子は生体内のほぼ全域に存在し、H-MRIにおいては、水分子を取り巻く環境の違いによるプロトンの磁気的性質の差を敏感に捉えることができるため、全身のイメージングに適している。特に、病変組織と正常組織とで磁気的環境に差異がある場合は、これが画像変化となって現われ、疾患情報となるため、より情報量の多い診断方法として利用されている。
ここでMRIにおいて検出可能な核種としては、原子核のスピン量子数:I=1/2である元素、即ち1Hの他に19F,23Na,31P,15N、13C等があり、それぞれH−MRIと異なった情報を得る事が出来る。中でも19Fは、NMR分光学的に検出可能な安定核種であり、検出感度が 1Hの83%と高く、天然存在比100%の安価な元素であり、また従来のH−MRI装置で撮像可能であるという特徴を持つ。そのため、F−MRIはH−MRIに続く次世代の診断法として期待されている。F−MRIの最も特徴的な利用法は、フッ素原子が生体内に存在しないと言う特徴を利用した、トレーサー情報を得る為の画像診断への応用である。例えば、疾病に起因する内因的変化を認識し、そこに集積するようなフッ素化合物を造影剤として用いることによって、病変部の位置的情報を得ることが出来る。このような方法は、これまでの画像診断法で検出できなかった形態的変化を生じない病変部の診断に有用である。
現在このような病変部特異的な画像情報を得る為には、Positron Emission Tomography:PETやSingle Photon Emission Computed Tomography:SPECTといった放射性同位元素を用いる核医学的手法を用いなければならない。しかし核医学的手法に用いられる放射性同位元素は、寿命が短いものが多く、放射線同位体自身を合成するための装置が大掛かりであるといったような問題点がある。
F−MRIで使用する材料を構成する元素は安価な安定同位体であるので、これらについては上述するような核医学における課題はない。また、F−MRIを用いることによって、位置的情報以外にケミカルシフト、拡散、緩和時間等の多様な情報を取り出すことができ、さらに多くの診断情報が得られることが期待される。
ここで、ケミカルシフトとは、原子核が感じる外部磁場が原子核周囲の電子分布によって変化して,共鳴周波数が若干ずれる現象である。同じ19F核でも化学結合の様子が違えば(例えば19F核が結合している原子や原子団が異なれば)共鳴周波数がずれるため、ケミカルシフトはその19Fを含む分子の構造を知る手がかりになる物性である。
また、MRI測定におけるRFパルスの照射で励起された原子核の核スピンは、当初は位相が揃っているが、緩和によって急速に位相がバラバラになり、ベクトルの大きさが急速に減少する。これをT2緩和という。それと同時に、下を向いていたいくつかのスピンが上向きに戻り、縦方向のベクトルの大きさがゆっくりと回復していく。これがT1緩和である。T1緩和は、縦方向の磁化べクトルが、時間とともに指数関数的に回復していく過程であり、T1値(T1緩和時間)は元の値の1−1/e(63.2%)に戻るまでの時間(時定数)と定義されている。T2緩和は、横方向の磁化ベクトルが時間とともに指数関数的に減少していく過程である。一方、T2値(T2緩和時間)は信号の最大値(初期値)から、1/e(36.8%)に減衰するまでの時間(時定数)と定義されている。
また、測定対象分子の拡散は、MRI信号強度に影響を及ぼし、例えば拡散が激しいと位相が不揃いとなってMRI信号強度を低下させる。そのため、MRI信号強度の低下から組織内における分子のブラウン運動に関する情報を得ることが可能となる。
また、一回の診断でF−MRIとH−MRIを同時に撮像し、それぞれの画像を重ね合わせる事によって、解剖学的情報(生体内の座標軸となる情報)と機能的情報(病変部に関する情報)が共存するさらに有用な診断情報が得られる可能性がある。
F−MRI用造影剤に関する研究としては、フッ素原子を含有する抗癌剤や抗生物質或いはフッ素化糖を用いた研究が、非特許文献1〜3、特許文献1等に開示されている。これらは生体内における薬効や代謝に関する情報を反映するという点で臨床的意義は高いが、造影感度的には十分ではなく、これらの化合物を実際に可視化するには大量投与や長時間撮像が必要となるため、未だ実際の臨床現場には応用されていない。
このように、現時点ではF−MRIは臨床応用には至っていない。この理由の一つに、先に述べた通り、十分な感度や性能を持った造影剤が存在しない事があげられる。したがって、新たな造影剤の開発、特に感度を向上することが臨床応用に向けて求められる。
これに関して、特許文献2、3では、高い造影能力を得る為に、フッ素原子と常磁性金属を同一分子内に持つ分子構造を提示している。また、特許文献4には複数のトリフルオロ基を持つベンゼン誘導体が開示されており、特許文献5ではそれらと常磁性金属化合物との撮像時の併用について述べられている。これらの化合物は、生体内挙動に特異性が無い為、臨床上の有用性は明確ではない。
その他、F−MRI用造影剤の研究例としては、非特許文献4〜6に示すようなパーフルオロカーボン類(PFC)のエマルジョンを用いたものが挙げられる。PFCエマルジョンは人工血液として生体投与された例があり安全面での懸念が少ない。また、PFCエマルジョンは多数のフッ素原子を持つ為に、現存のフッ素化合物の中では最も造影感度的に有利である。市販のPFC類を用いて行った血管系、網内系をはじめとした造影実験が報告されている。
また、腫瘍細胞部分では血管の新生が活発に行われており、この新生血管は正常組織の血管にくらべ血管壁の構造が緻密ではなく、有る程度の大きさの微粒子でも血管外へ透過する現象(Enhanced Permeability and Retention:EPR効果)があることが知られている。このEPR効果を利用し、PFCエマルジョン粒子を腫瘍部に受動的に取り込こませた後に癌の造影を行った研究例もある(非特許文献7,8)。
PFCエマルジョンによるF−MRIは、基本的に血流に乗った微粒子の体内動態により、そのイメージングの質が変化する。毛細血管や網膜においても体内には種々の関門があることは知られており、大きさによりその関門透過性が異なるため、当然体内動態は変化する。また、同様にEPR効果を利用するにしても、微粒子の粒径が大きすぎると腫瘍部分の新生血管を透過することはできず、逆に小さすぎると、腫瘍部の新生血管以外の通常の血管壁からも透過することになり、腫瘍部分だけを選択的に造影することができなくなる。特に、エマルションは分子の自己集合体であり、粒子間で集積している分子の数を全く同じにすることは出来ず、その粒径を厳密に制御することが困難である。
特開平11−012295号公報 特開平6−181890号公報 特開平7−097340号公報 米国特許第5318770号明細書 米国特許第5385724号明細書 Mag.Res.Med. 17,189(1991) Radiology 174,141(1990) 日本医学放射線学会誌 53巻[1] ,104〜106(1993) E.McFarland et al.,J.Comp.Ass.Tomo. 9,8(1985) P.M.Joseph et al.,J.Comp.Ass.Tomo. 9,1012(1985) H.E.Longmaid et al.,Invest.Radiol. 20,141(1985)) A.V.Ratner et al.,Invest.Radiol.23,361(1988) R.P.Mason et al.,Mag.Res.Imag. 7,475(1989)
以上のような背景技術に鑑み、本発明においては、サイズを精密に制御したフッ素原子含有デンドリマー粒子を提供する事を目的とする。
また、本発明においては、造影感度とサイズの均一性を上げたF−MRI用造影剤を提供する事を目的とする。
さらに、本発明においては、サイズを精密に制御したフッ素原子含有デンドリマー粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第一は、下記の一般式(I)で表され、数平均分子量が12×10 g/mol以上150×10 g/mol以下であるデンドリマーである。
A−X (I)
式(I)において、Aは下記の式(i)であり、Xは下記の式(ii)もしくは(iii)で表される繰り返し単位を有する重合体、あるいは、式(iv)である。
式(i)中の*は結合手を表し、16個の*のうち14個の*は、式(ii)もしくは(iii)の窒素原子と結合し、2個の*は、式(iv)の窒素原子と結合する。式(ii)乃至(iv)の*は式(i)の炭素原子と結合する。
*−NH (iv)
また、本発明の第二は、上記デンドリマーを有する粒子であって、前記粒子の粒径が10nm以上200nm以下であるデンドリマー粒子である。
また、本発明の第三は、上記デンドリマー粒子を含有するMRI用造影剤である。
デンドリマーの末端にフッ素原子を含有するユニットを有するデンドリマー粒子を用いることで、造影感度が高く、サイズを厳密に制御したF−MRI用造影剤を提供することが可能となる。
本発明者らは、かかるF−MRI造影剤の課題に鑑み、デンドリマーの利用について鋭意検討を行った結果、造影感度並びにサイズをコントロール可能な造影剤の発明に至った。
まず、F−MRIにおいて造影感度を上げるためには、フッ素原子の含有量を上げた化合物を利用する必要がある。フッ素原子の含有量を上げるためには、比較的低分子量の化合物を自己集合させたミセル、ベシクル若しくはエマルションを利用することが可能ではあるが、この場合にはそのサイズを厳密にコントロールすることは困難である。本発明者らは、かかる問題を克服するために、高規則性をもって分子鎖が枝分かれした構造からなる高分子(高規則性分岐ポリマー)であるデンドリマーに着目した。
ここで、デンドリマーとは、例えば、Hawker,et.al. J. Chem. Soc. , Chem. Commun.1990, (15), 1010-1013.、D. A. Tomalia,et.al. Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 29, 138-175 (1990).、J. M. J. Frechet, Science, 263, 1710. (1994)、柿本雅明;化学,50巻,608頁(1995)等に記載されている規則的な樹枝状分岐を有する分岐高分子の総称であり、このような分子は、分子の中心から規則的な分岐をした高分子構造を有するため、例えばD. A. Tomalia,et.al. Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 29, 138-175 (1990).に解説されているように、高分子量化するにつれて生じる分岐末端の極度の立体的込み合いにより球状の分子形態をとるようになる。
デンドリマーは、そのジェネレーションにより大きさを厳密にコントロールできるという利点に加え、最も外側に配置される構造の数も規則的に変えることができるという特徴を有している。ここで、本発明者らはデンドリマーの最も外側に配置される多数の部分構造を利用することで、フッ素の含有量を効果的に増やすことができ、且つ大きさを厳密に制御できることを見出した。
フッ素原子を含有するデンドリマーとして、特開2002-220468号公報には、ベンゼン環にフッ素原子を含有する置換基を有するものや、特開2003-226611号公報には、シロキサン系デンドリマーにフッ素原子含有化合物を結合させたものが開示されている。
本発明に用いるデンドリマーとしては、生体適合性や溶解性の観点から、芳香族系やシロキサン化合物ではなく、脂肪族系の化合物である必要がある。よって、本発明のデンドリマー粒子は、フッ素原子を含有するユニットが脂肪族系のデンドリマー(高規則性分岐ポリマー)の複数の分岐末端に結合している構造を有する。
より具体的には、本発明に用いることができる脂肪族系のデンドリマーとしては、PAMAM系(Polyamidoamine dendrimer)若しくはMPA系の骨格を有するものを好適に用いることができる。例として、下記式(1)にPAMAM系デンドリマー(ジェネレーション=2)の分子構造を、下記式(2)にMPA系デンドリマー(ジェネレーション=2)の分子構造を、それぞれ示す。
特に、PAMAMの場合は、各ジェネレーションが既に市販されており、適宜、下記表1のように表面官能基数(アミノ基)と粒子の大きさとを選択することが可能である。
また、Langmuir,23,8299-8303, 2007には、デンドリマーの末端を一旦基板上に化学結合させた後に、二酸化炭素の超臨界条件を利用してフッ素含有化合物をデンドリマー末端に化学結合させた研究事例が開示されている。この研究事例に示される状態はあくまでも基板上に化学結合で固定化された状態であり、生体内へ投与することが必要な造影剤としては利用することができない。また、一旦、上記研究事例に従って作成した基板上のデンドリマーを、基板−デンドリマー間の化学結合を切断して微粒子化するという方法では、基板と結合していたデンドリマー末端部分には、切断後にフッ素原子を含有したユニットが結合しておらず、それだけ造影感度が低下する点や、形状が球形からずれることが予想される。さらに、基板−デンドリマー間の化学結合の形態と、フッ素原子含有ユニット−デンドリマー間の化学結合の形態はいずれもアミド結合であることから、基板−デンドリマー間の化学結合を切断時に、フッ素原子含有ユニット−デンドリマー間の化学結合も同様に切断されてしまう問題がある。
一方、特公平7−57736号公報、特公平7−57735号公報には、PAMAM系デンドリマーなどの表面の官能性の修飾についての記載があるが、F−MRI造影剤としての使用及びそのための分子設計についての示唆はない。
[本発明のデンドリマー粒子]
本発明のデンドリマー粒子は、脂肪族系の高規則性分岐ポリマーの複数の分岐末端に、フッ素原子を含有するユニットを有することを特徴とする。
ここで、フッ素原子を含有するユニットとしては、フッ素原子を含有する繰り返し単位を有する重合体を用いることができる。
繰り返し単位の例としては、下記一般式(1)で表されるもの及び下記一般式(2)で表されるものを挙げることができる。
ここで、Rf1及びRf2は、フッ素原子を含有する直鎖状若しくは分岐しているアルキル基、フッ素原子を含有する直鎖状若しくは分岐しているオキシアルキル基、フッ素原子を含有する直鎖状若しくは分岐しているオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー(これらのアルキル基、オキシアルキル基、オキシアルキレン基中の水素は水素以外の原子あるいは原子団で置換されていても良く、これらのアルキル基またはオキシアルキル基中の−CH2−は−O−、−CO−、−NH−、−COO−のいずれかで置換されていても良い)のいずれかを示す。なお、フッ素原子を含有する直鎖状若しくは分岐しているオキシアルキレン基のオリゴマーの重合度は好ましくは10以下である。
また、L1、L2は、単結合、または、−O−、アルキレン基、水酸基を有するアルキレン基、オキシアルキレン基及び−NR12−(R1は水素もしくはアルキル基、R2は単結合またはアルキレン基、水酸基を有するアルキレン基及びオキシアルキレン基から選ばれる2価の結合基を表す)から選ばれる2価の結合基を示す。
フッ素原子を含有しない繰り返し単位の例としては、下記一般式(1a)で表されるもの及び下記一般式(2a)で表されるものを挙げることができる。
ここで、Rf4及びRf5は、フッ素原子を含有しない直鎖状若しくは分岐しているアルキル基、フッ素原子を含有しない直鎖状若しくは分岐しているオキシアルキル基、フッ素原子を含有しない直鎖状若しくは分岐しているオキシアルキル基、フッ素原子を含有しない直鎖状若しくは分岐しているオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー(これらのアルキル基、オキシアルキル基、オキシアルキレン基中の水素は水素以外の原子あるいは原子団で置換されていても良く、これらのアルキル基またはオキシアルキル基中の−CH2−は−O−、−CO−、−NH−、−COO−のいずれかで置換されていても良い)のいずれかを示す。なお、フッ素原子を含有しない直鎖状若しくは分岐しているオキシアルキレン基のオリゴマーの重合度は好ましくは10以下である。
また、L3、L4は、単結合、または、−O−、アルキレン基、水酸基を有するアルキレン基、オキシアルキレン基及び−NR34−(R3は水素もしくはアルキル基、R4は単結合またはアルキレン基、水酸基を有するアルキレン基及びオキシアルキレン基から選ばれる2価の結合基を表す)から選ばれる2価の結合基を示す。
一方、フッ素原子を含有するユニットとして重合体以外のものを用いる場合、その例としては、下記一般式(3)で表されるものを挙げることができる。
ここで、Rf3は、フッ素原子を含有する直鎖状若しくは分岐してもよいアルキル基、或いはフッ素原子を含有する直鎖状若しくは分岐しているオキシアルキル基(これらのアルキル基乃至オキシアルキル基中の水素は水素以外の原子あるいは原子団で置換されていても良く、これらのアルキル基乃至オキシアルキル基中の−CH2−は−O−、−CO−、−NH−、−COO−のいずれかで置換されていても良い)である。
また、Lは、単結合、または、アルキレン基、水酸基を有するアルキレン基、オキシアルキレン基、フェニレン基、オキシフェニレン基及び−NR34−(R3は水素もしくはアルキル基、R4は単結合またはアルキレン基、水酸基を有するアルキレン基及びオキシアルキレン基から選ばれる2価の結合基を表す)から選ばれる2価の基のいずれかである。
上記式(3)のRf3で表されるとしては多くのフッ素を含むパーフルオロアルキル基若しくはオキシパーフルオロアルキレン基を用いることにより、デンドリマー粒子中のフッ素原子の含有量を上げることができる。一方、多くのフッ素を含むパーフルオロアルキル基あるいはパーフルオロアルキレン基を用いるとフッ素含有部分の分子運動性の低下が起こり、F−MRIにおける検出感度が低下するおそれがある。したがって、F−MRI造影剤としての利用を考えた場合には、Rf3で表される基の中のフッ素原子含有量を適切にコントロールすることが好ましい。より具体的には、パーフルオロアルキル基若しくはパーオキシフルオロアルキレン基の1つのユニットあたりのフッ素原子含有量は、好ましくは1〜50であり、更に好ましくは3〜30である。
本発明にかかる化合物のF−MRI造影剤としての使用を考慮した場合、水溶性(より厳密には血液などの体液中での溶解性)を高めるための工夫をすることが好ましい。
そのような工夫としては、デンドリマー粒子(好ましくはその表面近傍)への親水性基の導入が考えられる。たとえば、フッ素含有ユニットに−OH、−COOH、−NH2、−O−、−NH−などの親水性基を導入することが考えられる。このような親水性基は,フッ素含有ユニットが重合体の場合、その主鎖に導入することも可能であるし、側鎖に導入することも可能である。また、前記した一般式(1)〜(3)で示される例に関して述べると、親水性基は、L1、Rf1、L2、Rf2、L、Rf3のいずれに導入することも可能である。このような親水性基は、フッ素含有ユニットの末端に設けることがより好ましい。また、フッ素含有ユニットの外側にさらにフッ素を含有しないユニットを設け、フッ素を含有しないユニットに親水性基を導入することも考えられる。
F−MRI造影剤としての使用を考慮した場合、フッ素原子そのものの溶媒和の程度も考慮した上での分子設計をなすことが望ましい。
また、本発明にかかる化合物を、腫瘍特異的なF−MRI造影剤あるいは炎症部位特異的なF−MRI造影剤として用いる場合には、粒径を適切な範囲に制御することが望ましい。
具体的には、腫瘍や炎症部位の血管には10nm〜数百nm程度の大きさの大きな孔が開いていることから、粒径は10nm以上200nm以下とすることが、本発明にかかる化合物を腫瘍や炎症部位の組織中に進入させることができるという点で好ましい。
粒径を10nm以上200nm以下とすることで、腫瘍や炎症部位の組織への血管からの進入を容易にしつつ通常の毛細血管から正常組織への進入を困難にすることができる。
また、腫瘍組織での滞留時間を長くするという観点からは、粒径を20nm以上200nm以下とすることが好ましく、50nm以上100nm以下とすることがさらに好ましい。
一方、デンドリマーの合成の容易性という観点からは、粒径を2nm以上100nm以下とすることが好ましい。
粒径を制御する方法としては、コアとなるデンドリマーのジェネレーションを適切に選択することが考えられる。また、後述するリビングラジカル重合法を用いてデンドリマー粒子を合成する場合には、重合反応時間を制御することで容易に粒径を制御することができる。
[デンドリマー粒子の製造方法]
フッ素原子を含有するユニットをデンドリマー末端に設ける方法としては、二通りの方法を挙げることができる。
一つは、比較的低分子量のフッ素原子含有分子を共有結合によってデンドリマーの末端に結合させる方法であり、もう一つは、デンドリマー末端からモノマーとしてのフッ素原子含有分子を重合させる方法である。
なお、これらの二つの方法で用いられる材料を区別するために、以下の記述において、「フッ素原子含有低分子」は、重合法を用いずにデンドリマーの末端に結合させる材料としてのフッ素原子含有分子を意味するものとし、「フッ素原子含有モノマー」は、重合法を用いてデンドリマーの末端に結合させる材料としてのフッ素原子含有分子を意味するものとする。
[フッ素原子含有低分子を共有結合によって結合させる方法]
この方法では、脂肪族系のデンドリマーと下記一般式(6)で表されるフッ素原子を含有する分子(フッ素原子含有低分子)とを反応させる。
ここで、Rf3は、フッ素原子を含有する直鎖状若しくは分岐してもよいアルキル基、或いはフッ素原子を含有する直鎖状若しくは分岐してもよいオキシアルキル基を示す。これらのアルキル基乃至オキシアルキル基中の水素は、水素以外の原子あるいは原子団で置換されていても良く、これらのアルキル基乃至オキシアルキル基中の−CH2−は−O−、−CO−、−NH−、−COO−のいずれかで置換されていても良い。
前述したように、Rf3は親水性を高めるための基を有していることが好ましい。たとえば、Lとは反対側の末端にOH基やCOOH基を設けることができる。なお、フッ素原子を含有する低分子をデンドリマー末端に結合する際には、OH基やCOOH基などの基を保護基で保護しておいたほうが良い。
1はデンドリマー末端の官能基と共有結合を形成させるための官能基であり、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、カルボン酸クロライド、カルボン酸フルオライド、ハロゲン原子、エポキシ基、イソシアネート基、−CH=CH2、−C≡CH、チオール基を挙げることができるが、中でも、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン、カルボン酸クロライド、カルボン酸フルオライドを好適に用いることができる。
Lは官能基X1とフッ素原子を含有する基Rf3とを結合させるためのリンカーであって、単結合(実質的にはリンカーが存在しないことになる)、アルキレン基、水酸基を有するアルキレン基、フェニレン基、オキシフェニレン基を挙げることができる。中では、単結合、アルキレン基、ヒドロキシ基置換アルキレン基を好適に用いることが可能であり、特に単結合、または−O−、アルキレン基、水酸基を有するアルキレン基およびオキシアルキレン基から選ばれる2価の結合基が更に好ましい。
一般式(6)で表されるフッ素原子含有低分子の具体例を以下に示すが、本発明はこれらの例示化合物のみに限定されるものではない。
フッ素原子含有低分子を結合させる場合、前述した理由により、フッ素原子含有低分子中のフッ素原子数を比較的少なくすることが好ましい。従って、造影感度の向上、即ち1粒子当たりのフッ素含有量を高くするためには、コアとなるデンドリマーのジェネレーションとして高いものを用い、フッ素原子含有低分子の結合数を上げることが有効である。
デンドリマー末端にフッ素原子含有低分子を結合させるためには、デンドリマー末端が反応活性な官能基を持っている必要がある。そのよう官能基の例としては、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、エポキシ基、イソシアネート基、−CH=CH2、−C≡CH、チオール基が挙げられる。これらの中でも、生体適合性および、デンドリマーとしての合成のしやすさの観点で、アミノ基、カルボキシル基、水酸基が好ましい。
また、デンドリマーとフッ素原子含有低分子を効果的に結合させるために、分子量が一定の低分子量のスペーサーを用いてもよい。例えば、末端がアミノ基であるデンドリマーの末端に下記の官能基を新たに導入することで、アミノ基以外の官能基をデンドリマー末端に持たせることが可能となる。
[デンドリマー末端からフッ素原子含有モノマーを重合させる方法]
フッ素原子含有モノマーを用いてデンドリマー末端から重合を行うことにより、フッ素原子を含有する繰り返し単位を有する重合体をデンドリマー末端に設けることができる。
このような方法を用いることにより、容易に粒子中のフッ素含有量を高くすることができる。
フッ素原子を含有する反応性モノマーを重合させるためには、重合反応の起点として適した官能基をデンドリマー末端に結合させておくことが可能である。
重合方法としては、後述するリビングラジカル重合法、とりわけ原子移動ラジカル重合法が、原料の選択肢の幅が広く、分子量制御が容易であることに伴ってデンドリマー粒子の粒径の制御を精密に行うことができるという点で、好ましい。
この手法を用いることにより、最終的に得られるデンドリマー粒子中のフッ素原子含有量を上げることが可能となる。
ここで用いる反応性モノマーとしては、2重結合や3重結合を有するもの、縮重合可能なカルボキシル基、アミノ基、水酸基等の置換基、開環重合可能なエポキシ基、付加重合可能なイソシアネート基、チオイソシアネート基を挙げることができる。重合方法によっては分子量分布が広がることによるデンドリマー粒子のサイズ不均一化が起こる可能性がある。かかる問題の発生を防止するという観点からは、2重結合を有するもの、特にアクリル基若しくはメタクリル基を有するモノマーが好適である。
例えば、下記一般式(4)もしくは(5)で表されるアクリルモノマーを好適に用いることができる。
ここで、Rf1及びRf2はフッ素原子を含有する直鎖状若しくは分岐してもよいアルキル基、フッ素原子を含有する直鎖状若しくは分岐してもよいオキシアルキル基、フッ素原子を含有する直鎖状若しくは分岐しているオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー(これらのアルキル基、オキシアルキル基、オキシアルキレン基中の水素は水素以外の原子あるいは原子団で置換されていても良く、これらのアルキル基またはオキシアルキル基中の−CH2−は−O−、−CO−、−NH−、−COO−のいずれかで置換されていても良い)のいずれかを示す。なお、フッ素原子を含有する直鎖状若しくは分岐しているオキシアルキレン基のオリゴマーの重合度は好ましくは10以下である。
1、L2は単結合、または、−O−、アルキレン基、水酸基を有するアルキレン基、オキシアルキレン基及び−NR12−(R1は水素もしくはアルキル基、R2は単結合またはアルキレン基、水酸基を有するアルキレン基及びオキシアルキレン基から選ばれる2価の結合基を表す)から選ばれる2価の結合基を表す。 具体的なフッ素原子含有のモノマーを以下に例示するが、本発明はこれらの例示化合物のみに限定されるものではない。たとえば、下記例示化合物中の側鎖に存在するHの一部をさらにFで置換しても良い。
これらのモノマーの側鎖には親水性基を導入することが可能である。そのような例の一部は上に例示しているが、その他のモノマーについても側鎖末端のCF3またはCHF2をCF2OHなどに変えることや、側鎖をCOO(Cm2mO)n5(m、nは1以上の互いに独立した整数であり、好ましくは10以下。R5はHもしくはアルキル基)などのポリエチレングリコール誘導体とすることが考えられる。
これらのモノマーの重合は、単一種類のモノマーを用いても、或いは複数種類のモノマーを導入してもよい。複数モノマーの導入に関しては、ランダムに複数のモノマーが重合したランダム共重合の形態、或いは各モノマーがドメインを形成しているブロック共重合の形態でもよい。更に、複数のモノマーを用いる方法に関しては、フッ素原子を含有するモノマーとフッ素原子を含有しないモノマーとを組み合わせる事が可能であり、フッ素原子を含有しないモノマーによって、溶解性や安定性等の別の機能を付与することが可能となる。
溶解性を付与するという観点からは、溶解性の機能を付与することができるフッ素原子を含有しないモノマーが、フッ素原子含有モノマーよりも外側に存在することが好ましい。そのためには、フッ素原子を含有しているモノマーを重合させた後に、フッ素原子を含有していない(好ましくは親水性基を有する)モノマーを重合することが好ましい。このようにすることにより、粒子の表面近傍に親水性基を配することができる。
フッ素原子を含有していないモノマーとしては、例えば、下記一般式(4a)もしくは(5a)で表されるアクリルモノマーを好適に用いることができる。
ここで、Rf4及びRf5は、フッ素原子を含有しない直鎖状若しくは分岐しているアルキル基、フッ素原子を含有しない直鎖状若しくは分岐しているオキシアルキル基、フッ素原子を含有しない直鎖状若しくは分岐しているオキシアルキル基、フッ素原子を含有しない直鎖状若しくは分岐しているオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー(これらのアルキル基、オキシアルキル基、オキシアルキレン基中の水素は水素以外の原子あるいは原子団で置換されていても良く、これらのアルキル基またはオキシアルキル基中の−CH2−は−O−、−CO−、−NH−、−COO−のいずれかで置換されていても良い)のいずれかを示す。なお、フッ素原子を含有しない直鎖状若しくは分岐しているオキシアルキレン基のオリゴマーの重合度は好ましくは10以下である。
また、L3、L4は、単結合、または、−O−、アルキレン基、水酸基を有するアルキレン基、オキシアルキレン基及び−NR34−(R3は水素もしくはアルキル基、R4は単結合またはアルキレン基、水酸基を有するアルキレン基及びオキシアルキレン基から選ばれる2価の結合基を表す)から選ばれる2価の結合基を示す。
これらのモノマーをデンドリマー末端から重合させる方法としては、従来公知の重合法を用いることができる。一般に、分子量分布の狭い重合体を得るためには、重合形式がアニオン重合、カチオン重合、若しくは、リビングラジカル重合法を用いる事が好適とされている。
前者のアニオン重合を選択する理由は、反応開始時に比べて成長時の反応速度が小さいため、生成する分子鎖が均一な長さになりやすいためとされている。
また、近年は後者のリビングラジカル重合の検討が盛んになされている。アニオン重合に比べ、モノマーの選択性が広い点や、反応条件の設定が容易である点で、リビングラジカル重合はより好ましい重合法である。このリビングラジカル重合とは、成長反応において少量の生長ラジカル(フリーラジカル)種と多量の休止(ドーマント)種の素早い平衡を確立する事に基づいている。休止(ドーマント)鎖により種々の形式のリビングラジカル重合が提案されている。
例えば、ドーマントとしてハロゲン化アルキルを用いるATRP法(原子移動ラジカル重合法)、ジチオエステルを用いるRAFT法(reversible addition fragmentation chain transfer)、アルコキシアミンを用いるNMP法(nitroxide mediated polymerization)、ジチオカルバメイト化合物を用いる光イニファーター法などが提案されている。
ATRP法は、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する重合開始剤と、重合触媒となる遷移金属錯体とを用いてビニル系モノマーを重合させる方法である。
また、RAFT法は、通常のラジカル重合の系に、ジチオエステル類からなる高い連鎖移動定数を有する連鎖移動剤(いわゆるRAFT剤)を添加することによりビニル系モノマーを重合させる方法である。
また、NMP法はアルコキシアミンの炭素−酸素結合を熱開裂させて安定なニトロキシルラジカルおよびポリマーラジカルを生成させ、ポリマーラジカルにビニル系モノマーを重合させる方法である。開裂下、ニトロキシルラジカルは重合を開始せずに炭素中心フリーラジカルとのみ反応する。ポリマーラジカルはモノマーと反応して分子鎖を伸長し、ニトロキシルラジカルとのカップリング反応により再び結合してドーマント種として安定に存在する。ただし、モノマーにメタクリル酸エステル誘導体を用いると、重合ポリマー末端に生じるラジカル炭素のβ位にある水素をニトロキシルラジカルが引き抜くという副反応が起こりやすいという欠点がある。
光イニファーター法はN,N−ジエチルジチオカルバメイト基などの光イニファーター基を開始剤とし、紫外線照射により重合反応を開始するものである。
本発明におけるリビングラジカル重合とは上記の方法のいずれを用いてもよく、特に制限はないが、原料の選択幅が広いなどの点からATRP法が好ましく使用される。
次に、ATRP法の概要について説明する。
ATRP法における重合開始剤としては重合開始点となる塩素原子、臭素原子あるいはヨウ素原子を少なくとも1つ有する化合物であれば特に制限はないが、通常、重合開始点となる塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を1つまたは2つ有する化合物が使用されている。
具体的に例示すると、例えば、α−ハロエステル、α−ハロアルキルアミド、ベンジルハライド、ハロゲン化アルカン、α−ハロケトン、α−ハロニトリルおよびスルフォニルハライドなどが使用され、これらの中では原料の入手が容易である点からα−ハロエステルが好ましい。
α−ハロエステルの例としてはエチル2−ブロモイソブチレートあるいはエチル2−ブロモプロピオネートなどが挙げられる。
α−ハロアルキルアミドの例としては2−クロロプロピオンアミドあるいは2−ブロモプロピオンアミドなどが挙げられる。
ベンジルハライドの例としては1−フェニルエチルクロライドあるいは1−ブロモエチルベンゼンなどが挙げられる。
ハロゲン化アルカンとしてはクロロホルムあるいは四塩化炭素などが挙げられる。
α−ハロケトンとしてはα−ブロモアセトンあるいはα−ブロモアセトフェノンなどが挙げられる。
α−ハロニトリルとしては2−ブロモプロピオニトリルが挙げられる。
スルフォニルクロライドとしてはp−トルエンスルフォニルブロマイドなどが挙げられる。
本発明の形態を達成するには、モノマーの重合体はデンドリマーの各末端に結合していることが必要となる。その方法としては、デンドリマーの各末端を重合反応の起点とし、そこからモノマー重合を行う場合と、モノマーを所望の長さまで重合させた後に、デンドリマーの各末端へ結合させる方法の二通りが考えられるが、反応制御性を鑑みると、前者の手法を用いるのが好ましい。従って、ATRP法を用いた重合を行う場合には、上述の重合開始点となる重合開始剤を予めデンドリマー末端に結合させた後に、目的とするモノマーによる重合反応を行うのが好ましい。
重合触媒となる遷移金属錯体としては、特に制限されないが、周期表7族〜11族から選ばれる遷移金属(M)を中心金属とする金属錯体を挙げる事ができる。その具体例としては、例えば、1価の銅金属を有する銅化合物としては、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅など、2価のニッケルを有するニッケル化合物としては、二塩化ニッケル、二臭化ニッケル、二ヨウ化ニッケルなど、二価の鉄を有する鉄化合物としては、二塩化鉄、二臭化鉄、二ヨウ化鉄など、2価のルテニウムを有するルテニウム化合物としては、二塩化ルテニウム、二臭化ルテニウム、二ヨウ化ルテニウムなどが挙げられる。
また、上記遷移金属錯体の配位子としては、特に制限されないが、2,2’−ビピリジン及びその誘導体(例えば4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン、4,4’−ジ(5−ノニル)−2,2’−ビピリジンなど)、1,10−フェナントロリン及びその誘導体(4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンなど)、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチル(2−アミノエチル)アミンなどが挙げられる。
以上に説明した構成のいずれのデンドリマー粒子についてもMRI用造影剤の材料として用いることができる。
以下に、フッ素原子を含有するデンドリマーの合成及び評価例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
ポリ(2,2,2‐トリフルオロエチルメタクリレート)ポリアミドアミンデンドリマー(PAMAM
-g-PTFEMA)の合成
[反応1]
2−ブロモ−2−メチルプロピオニルブロミド化ポリアミドアミンデンドリマーの合成
アミノ基末端のポリアミドアミンデンドリマー(アルドリッチ製、G = 2)20 wt%メタノール溶液を5 mL秤量後、減圧下40 ℃でエバポレーター処理を行い、メタノールを留去した。これに5 mLのN,N- ジメチルホルムアミド(和光純薬製)を加え、減圧下90℃でエバポレーター処理を行い、溶媒を完全に留去し、淡黄色の粘性物ポリアミドアミンデンドリマー791 mg (0.24 mmol)を得た。
この淡黄色の粘性物のH-NMRの結果:H-NMR (d ppm, in D2O) 2.3 (-CH2CH2CONH-), 2.5 (-CH2CH2N<), 2.6 (-CH2CH2NH2), 2.7 (-NCH2CH2CO-), 3.1- 3.2 (-CONHCH2CH2-) (図1a参照)。
得られたポリアミドアミンデンドリマーを10.7 mLのN,N- ジメチルホルムアミドに溶解させた。これにトリエチルアミン(和光純薬製) 550 μL (4.0 mmol)およびピリジン(アルドリッチ製)324 μL (4.0 mmol)を加え、0 ℃、窒素雰囲気下で撹拌した。この溶液に2.47 mL (0.020 mol)の2-ブロモ-2-メチルプロピオニルブロミド(BMPB)(アルドリッチ製)を滴下し、さらにN,N- ジメチルホルムアミドを27 mL加え、45分間撹拌した。反応温度を室温に戻し、2時間撹拌後、60℃の温浴中で48時間反応を続けた。反応終了後、90 ℃でエバポレーター処理を行った後、真空乾燥し、茶色の粘性物を得た。この生成物をメタノールに溶解させ、アセトンを溶媒として再沈殿を3回行った。さらにヘキサンで洗浄を行い、白色粉末を得た。この白色粉末のH-NMRの結果:H-NMR (d ppm, in D2O) 1.8 (-COC(CH3)2Br), 2.7 (-CH2CH2CONH-), 2.8 (-NCH2CH2CO-), 3.0 (-CH2CH2N<),3.2 - 3.3 (-CH2CH2NH2), 3.5 (-CONHCH2CH2-) (図1b参照)。
H-NMRスペクトルにはBMPBのメチルプロトンに由来する新たなシグナルが観測され、ポリアミドアミンデンドリマーの16 NH2末端のうち14末端に重合開始基が導入されたことがわかった。
[反応2]
ポリ(2, 2, 2- トリフルオロエチルメタクリレート)ポリアミドアミンデンドリマーの合成
反応1で得られた生成物2.67 mg (5.0 ×10-4 mmol)を重合開始剤として、リガンドに4,4'-ジ(5-ノニル)-2,2'-ビピリジン(アルドリッチ製) 49.9 mg (0.12 mmol), 触媒に塩化銅(I)(和光純薬製) 6.53 mg (0.070 mmol)、溶媒にN,N-ジメチルホルムアミド508 μLを用いて2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート(アルドリッチ製) 3.53 g (21 mmol)のリビングラジカル重合行った。重合溶液はこれらの試薬をfreeze-pump-thaw によりローターリーポンプおよびディフュージョンポンプでそれぞれ3サイクル繰り返し、脱気操作を行った後、混合し調製した。この溶液を脱気した重合管内に分配し、封管後、90 ℃の油浴中で25分間、重合反応を行った。重合終了後、得られた生成物をメタノールを溶媒として再沈殿を行い、白色固体生成物を得た。この白色固体生成物のH-NMRの結果:H-NMR (Δppm, in CDCl3) 4.3 − 4.4 (-COOCH2CF3), 1.9 − 2.1 (-CH2C(CH3)-), 0.9 − 1.1 (-CH2C(CH3)-)(図2参照)。
また、この重合体の分子量をGPC(ゲルパーミッションクロマトグラフィー)にて確認したところ、Mn(数平均分子量)=120700g/mol、Mw(重量平均分子量)=153500g/molであった。
(実施例2)
2, 2, 2- トリフルオロエチルメタクリレートの重合反応時間を1時間とした以外は実施例1と同様にして、フッ素原子含有のデンドリマーを合成した。この重合体の分子量をGPCにて確認したところ、Mn=168600g/mol、Mw=250400g/molであった。
(実施例3)
2, 2, 2- トリフルオロエチルメタクリレートの重合反応時間を4時間とした以外は実施例1と同様にして、フッ素原子含有のデンドリマーを合成した。この重合体の分子量をGPCにて確認したところ、Mn=421800g/mol、Mw=673300g/molであった。
(実施例4)
2, 2, 2- トリフルオロエチルメタクリレートの重合反応時間を7時間とした以外は実施例1と同様にして、フッ素原子含有のデンドリマーを合成した。この重合体の分子量をGPCにて確認したところ、Mn=511500g/mol、Mw=673300g/molであった。
(実施例5)
2, 2, 2- トリフルオロエチルメタクリレートの重合反応時間を25.5時間とした以外は実施例1と同様にして、フッ素原子含有のデンドリマーを合成した。この重合体の分子量をGPCにて確認したところ、Mn=542600g/mol、Mw=994900g/molであった。これを、以下Mn = 54 × 104 g mol-1のPAMAM-g-PTFEMAという。
以上の実施例1〜5で得られたPAMAM-g-PTFEMAについてGPC測定を行ったところ、重合時間が短い領域においては重合時間に比例した分子量の増加が確認でき、重合時間5時間でほぼ分子量の飽和(Mn=550,000 g mol-1)が見られた(図3)。なお、図3中の●はMw、○はMw/Mnである。
(実施例6:F-NMRの評価)
得られた白色固体生成物 (PAMAM-g-PTFEMA, 25.5時間重合:実施例5)について、600 MHzNMR装置(JEOL製,JNM-ECA600)を用いてF-NMRスペクトルを測定した。溶媒はCDCl3、基準物質はC6H5CF3を用いた。その結果を図4に示す。図4に示されるように-74.5ppm付近に単一ピークを示した。
(実施例7:粒子形態の評価)
透過電子顕微鏡(JEOL製、JEM-2100F)を用いて25.5時間の重合で得られた生成物(PAMAM-g-PTFEMA)(実施例5)および4時間の重合で得られた生成物(PAMAM-g-PTFEMA)(実施例3)の観察を行った。その結果を図6に示す。25.5時間および4時間の重合により得られたPAMAM-g-PTFEMAはそれぞれ約20nmのほぼ球状の粒径を有していることがわかった。
(実施例8)ポリ(2, 2, 2- トリフルオロエチルメタクリレート)ポリアミドアミンデンドリマーの再開始反応
実施例4で得られたPAMAM-g-PTFEMA (Mn = 511,500)を重合開始剤として、リガンドにビピリジン(アルドリッチ製) 1.24 mg (7.9 × 10-3 mmol), 触媒に塩化銅(I)(和光純薬製) 0.39 mg (3.9 × 10-3 mmol)、溶媒にN,N-ジメチルホルムアミド1.2 mLを用いて2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート(アルドリッチ製) 0.60 mL (4.2 mmol)のリビングラジカル重合行った。重合溶液はこれらの試薬をfreeze-pump-thaw によりローターリーポンプおよびディフュージョンポンプでそれぞれ3サイクル繰り返し、脱気操作を行った後、混合し調製した。この溶液を脱気した重合管内に分配し、封管後、90 ℃の油浴中で4時間(実施例4の2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレートの反応時間と併せると11時間)の重合を行った。重合終了後、得られた生成物をメタノールを溶媒として再沈殿を行い、白色固体生成物を得た。
また、この重合体の分子量をGPC(ゲルパーミッションクロマトグラフィー)にて確認したところ、Mn(数平均分子量)=602000g/mol、Mw(重量平均分子量)=1050000g/molであった。
(実施例9)
2, 2, 2- トリフルオロエチルメタクリレートの重合反応時間を5時間(実施例4の2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレートの反応時間と併せると12時間)とした以外は実施例8と同様にして、フッ素原子含有のデンドリマーを合成した。この重合体の分子量をGPCにて確認したところ、Mn=781000g/mol、Mw=1230000g/molであった。
(実施例10)
2, 2, 2- トリフルオロエチルメタクリレートの重合反応時間を7時間(実施例4の2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレートの反応時間と併せると14時間)とした以外は実施例8と同様にして、フッ素原子含有のデンドリマーを合成した。この重合体の分子量をGPCにて確認したところ、Mn=797000g/mol、Mw=1270000g/molであった。
以上の実施例8〜10でPAMAM-g-PTFEMAを重合開始剤としたTFEMAの再開始反応において得られた生成物についてGPC測定を行ったところ、反応が更に進行していることが確認できた(図5)。
尚、図5の●が実施例1〜5で得られた重合体のMn、▲が実施例8、9,10の再開始反応により得た重合体のMnを示すプロットである。図5において横軸は2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレートとの反応時間であるが、▲のプロットに関しては、実施例4における反応時間と実施例8、9、10のそれぞれの2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレートとの反応時間の和で示している。
(実施例11)
ポリ(2,2,3,3 -テトラフルオロプロピルメタクリレート)ポリアミドアミンデンドリマー(PAMAM-g-PTFPMA)の合成
[反応]
実施例1の反応1で得られた生成物3.01 mg (5.6 ×10-4 mmol)を重合開始剤として、リガンドに4,4'-ジ(5-ノニル)-2,2'-ビピリジン(アルドリッチ製) 63.6 mg (0.16 mmol), 触媒に塩化銅 (I)(和光純薬製) 7.74 mg (0.078 mmol)、溶媒にN,N-ジメチルホルムアミド756 μLを用いて、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレート(アルドリッチ製) 4.73 g (24 mmol)のリビングラジカル重合を行った。重合溶液はこれらの試薬をfreeze-pump-thaw によりローターリーポンプおよびディフュージョンポンプでそれぞれ3サイクル繰り返し、脱気操作を行った後、混合し調製した。この溶液を脱気した重合管内に分配し、封管後、90℃の油浴中で10分間、重合反応を行った。重合終了後、得られた生成物をメタノールを溶媒として再沈殿を行い、白色固体生成物を得た。
この重合体の分子量をGPCにて確認したところ、Mn = 14.6 × 104 g mol-1, Mw = 18.5 × 104 g mol-1であった。
(実施例12)
2,2,3,3 -テトラフルオロプロピルメタクリレートの重合反応時間を20分とした以外は実施例11と同様にして、フッ素原子含有のデンドリマーを合成した。この重合体の分子量をGPCにて確認したところ、Mn = 23.3 × 104 g mol-1, Mw = 33.8 × 104 g mol-1であった。
(実施例13)
2,2,3,3 -テトラフルオロプロピルメタクリレートの重合反応時間を30分とした以外は実施例11と同様にして、フッ素原子含有のデンドリマーを合成した。この重合体の分子量をGPCにて確認したところ、Mn = 35.4 × 104 g mol-1, Mw = 50.6 × 104 g mol-1であった。
(実施例14)
2,2,3,3 -テトラフルオロプロピルメタクリレートの重合反応時間を1時間とした以外は実施例11と同様にして、フッ素原子含有のデンドリマーを合成した。この重合体の分子量をGPCにて確認したところ、Mn = 90.9 × 104 g mol-1, Mw = 136 × 104 g mol-1であった。
(実施例15)
2,2,3,3 -テトラフルオロプロピルメタクリレートの重合反応時間を2時間とした以外は実施例11と同様にして、フッ素原子含有のデンドリマーを合成した。この重合体の分子量をGPCにて確認したところ、Mn = 126 × 104 g mol-1, Mw = 185 × 104 g mol-1であった。
(実施例16)
2,2,3,3 -テトラフルオロプロピルメタクリレートの重合反応時間を6時間とした以外は実施例11と同様にして、フッ素原子含有のデンドリマーを合成した。この重合体の分子量をGPCにて確認したところ、Mn = 143 × 104 g mol-1, Mw = 187 × 104 g mol-1であった。
以上の実施例11〜16で得られたPAMAM‐g‐PTFPMAについてGPC測定を行ったところ、重合時間が短い領域においては重合時間に比例した分子量の増加が確認でき、重合時間2時間でほぼ分子量の飽和 (Mn = 125 × 104 g mol-1)が見られた(図7)。なお、図7においても、図3同様、●はMw、○はMw/Mnである。
(実施例17)
実施例5で得たMn = 54 × 104 g mol-1のPAMAM-g-PTFEMAのF−MRI画像を得た。結果を図8に示す。
図8中、a1)〜a6)は参照としてのtrifluorotoluene (TFT:基準物質、F原子濃度:50mM)のF−MRI画像であり、b1)〜b6)は54 × 104 g mol-1のPAMAM-g-PTFEMA (F原子濃度:50mM)のF−MRI画像である。溶媒はいずれもクロロホルムである。
なお、各サンプルの測定にあたっては、下記表に示すように、TR(繰り返し時間)及び積算回数は下記表に示すように一定とし、TE(エコー時間)を変化させた。
また、図8に示す画像の輝度は、a1)〜a6)についてはa1)で、b1)〜b6)についてはb1)で、それぞれ規格化し、a1)の輝度とb1)の輝度を揃えている。
(実施例18)
実施例5で得たMn = 54 × 104 g mol-1のPAMAM-g-PTFEMAについて、F−MRI画像の濃度依存性を検討した。結果を図9に示す。
図9のうち、a)は1H-MRI画像であり、a)の右に示す模式図は、サンプルの配置を示す図である。また、b1)はPAMAM-g-PTFEMAの19F-MRI画像であり、b2)はTFTの19F-MRI画像である。なお、a)の右に示す模式図並びにb1)及びb2)において、PAMAM-g-PTFEMAの19F-MRI画像は破線の円で、基準物質であるTFTの19F-MRI画像は実線の円で、それぞれ囲んで示している。また、円内の数字は濃度(単位mM)を示す。
より具体的には、図9の各図におけるサンプルの配置は、中央がF原子濃度0.01mMのTFTであり、その他は、左上から反時計回りに、F原子濃度0.1mMのTFT、F原子濃度0.01mMのPAMAM-g-PTFEMA、F原子濃度1mMのTFT、F原子濃度1mMのPAMAM-g-PTFEMA、F原子濃度0.1mMのPAMAM-g-PTFEMAである。溶媒はいずれもクロロホルムである。
ここで、b1)に示す19F-MRI画像とb2)に示す19F-MRI画像はPAMAM-g-PTFEMAとTFTとの共鳴周波数の違いを利用した2信号同時測定により得たものである。測定条件は、TR = 1000 ms、TE = 3.8 ms、 積算回数600回である。
図9から明らかなように、TFTはF原子濃度1mM以外では19F-MRI画像が得られていないのに対し、PAMAM-g-PTFEMAは、F原子濃度0.1mMでも19F-MRI画像が明瞭に得られている。この結果から、PAMAM-g-PTFEMAは19F-MRI造影剤として優れた感度を有していると言える。
(実施例19)
実施例5で得たMn = 54 × 104 g mol-1のPAMAM-g-PTFEMAについて、T1及びT2緩和時間の測定を行った。
測定は、Mn = 54 × 104 g mol-1のPAMAM-g-PTFEMA、および基準物質であるTFTを、それぞれF原子濃度にして50mMとしたクロロホルム溶液を調製し、2mLのスクリュー管に満たした試料を使用した。T1測定はinversion recovery method(反転回復法)、T2測定はspin echo method(スピンエコー法)により行った。反転回復法によるT1緩和時間測定時に得たF−NMRスペクトルを図10に示す。a)はTFT、b)はMn = 54 × 104 g mol-1のPAMAM-g-PTFEMAのスペクトルであり、反転時間は手前から0.1、0.25、0.5、0.8、1.4、2.0、3.0、4.0、8.0、15.0秒である。緩和時間測定の結果を、下記表3に示す。
MRIでは、T1緩和時間が短いほど、同一時間の測定で積算回数を増やせるため有利であり、T2緩和時間が長いほど、シグナルのピークが鋭くなり、画像化した際に鮮明になるため有利である。今回のPAMAM-g-PTFEMAは基準にしたTFTと比較してT1緩和時間、T2緩和時間ともに短かった。高分子化によりシグナルがわずかにブロードニングし、緩和時間は短縮したが、図9のF−MRI画像から明らかなように、シグナルの画像化には全く問題の無い範囲であった。
ポリアミドアミンデンドリマーのH‐NMRスペクトルである。a)は原料(反応前)のPAMAM‐NH2、b)はBMPB結合後、アセトン再沈させ、ヘキサン洗浄したものである。 PAMAM‐g‐PTFEMAのH-NMRスペクトルである。 PAMAM‐g‐PTFEMAの重合における重合時間と分子量(Mn)および分子量分散(Mw/Mn)の関係を示すグラフである。 PAMAM‐g‐PTFEMAのF-NMRスペクトルである。 PAMAM‐g‐PTFEMAの重合再開始反応における反応時間と分子量(Mn)を示す図である。 PAMAM‐g‐PTFEMAのTEM像であり、左は25.5時間重合サンプル, 右は4時間重合サンプル(いずれもスケールバーは10nm)である。 PAMAM-g-PTFPMAの重合における重合時間と分子量(Mn)および分子量分散(Mw/Mn)の関係を示すグラフである。 実施例5で得たMn = 54 × 104 g mol-1のPAMAM-g-PTFEMAおよび参照物質TFTのF−MRI画像(TE(エコー時間)依存性を評価するもの)である。 実施例5で得たMn = 54 × 104 g mol-1のPAMAM-g-PTFEMAおよび参照物質TFTのF−MRI画像(濃度依存性を評価するもの)である。 反転回復法によるT1緩和時間測定時に得たF−NMRスペクトルである。(a)TFTのクロロホルム溶液。(b) PAMAM-g-PTFEMAのクロロホルム溶液。

Claims (5)

  1. 下記の一般式(I)で表され、数平均分子量が12×10 g/mol以上150×10 g/mol以下であることを特徴とするデンドリマー。
    A−X (I)
    式(I)において、Aは下記の式(i)であり、Xは下記の式(ii)もしくは(iii)で表される繰り返し単位を有する重合体、あるいは、式(iv)である。
    式(i)中の*は結合手を表し、16個の*のうち14個の*は、式(ii)もしくは(iii)の窒素原子と結合し、2個の*は、式(iv)の窒素原子と結合する。式(ii)乃至(iv)の*は式(i)の炭素原子と結合する。
    *−NH (iv)
  2. 下記の一般式(I)で表され、数平均分子量が12×10 g/mol以上150×10 g/mol以下であることを特徴とする請求項1に記載のデンドリマー。
    A−X (I)
    式(I)において、Aは下記の式(i)であり、Xは下記の式(ii)で表される繰り返し単位を有する重合体、あるいは、式(iv)である。
    式(i)中の*は結合手を表し、16個の*のうち14個の*は、式(ii)の窒素原子と結合し、2個の*は、式(iv)の窒素原子と結合する。式(ii)および(iv)の*は式(i)の炭素原子と結合する。
    *−NH (iv)
  3. 下記の一般式(I)で表され、数平均分子量が12×10 g/mol以上150×10 g/mol以下であることを特徴とする請求項1に記載のデンドリマー。
    A−X (I)
    式(I)において、Aは下記の式(i)であり、Xは下記の式(iii)で表される繰り返し単位を有する重合体、あるいは、式(iv)である。
    式(i)中の*は結合手を表し、16個の*のうち14個の*は、式(iii)の窒素原子と結合し、2個の*は、式(iv)の窒素原子と結合する。式(iii)および(iv)の*は式(i)の炭素原子と結合する。
    *−NH (iv)
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のデンドリマーを有する粒子であって、前記粒子の粒径が10nm以上200nm以下であることを特徴とする粒子。
  5. 請求項4に記載の粒子を含有することを特徴とするMRI用造影剤。
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