序論
本発明は、増殖性障害、特に、腫瘍、炎症性障害および免疫増殖性障害の診断ならびに処置に適切な抗体を産生させ、使用するための新規の方法を提供する。抗体を使用して患者を診断および処置する方法である本発明に記載の方法を使用して産生される抗体、抗体誘導体、または抗体フラグメントも包含される。特に、本発明は、ヒトNK細胞の活性化を容易にする化合物を提供し、これらの化合物は、4Ig−B7−H3タンパク質と、NK細胞上の抑制性4Ig−B7−H3受容体(4Ig−B7−H3R)との相互作用を阻止することによって作用し、受容体の阻害シグナルを中和して、4Ig−B7−H3Rを発現するNK細胞におけるNK細胞細胞障害性の増強を生じる。NK細胞活性のこの増強は、広範な治療アプリケーションを有する。NK細胞の増強は、腫瘍のような増殖性障害ならびに感染性疾患および炎症性障害の処置に有益であり得る。NK細胞の増強はまた、治療用抗体、特に、それらが結合する標的細胞のADCC仲介細胞死滅を誘導することが可能な抗体(例えば、腫瘍抗原に結合する抗体)の効果の増加を生じることも実証されている。そのような治療用抗体の範囲については、本明細書においてさらに考察する。
さらに、4Ig−B7−H3タンパク質が過剰増殖性細胞(例えば、腫瘍または免疫細胞)において選択的に発現されるという発見に基づいて、本発明は、好ましくは、細胞障害性抗体を使用して、4Ig−B7−H3を発現するそれらの細胞を特異的に標的化することによって、そのような過剰増殖性細胞によって特徴付けられる障害を処置する方法を提供する。この方法では、過剰増殖性細胞の数が特異的に減少する一方、他の免疫および非免疫細胞は温存される。細胞発現4Ig−B7−H3を標的化する化合物は、任意の適切な機構を介して、例えば、増殖性細胞への4Ig−B7−H3タンパク質の保護効果を中和すること、免疫系による破壊のために増殖性細胞を標的化すること(例えば、ADCCとも称される抗体依存性細胞障害性を介する)、またはそれらと、放射性同位元素、毒素、もしくは薬物のような細胞障害性薬剤とを直接接触させることにより細胞を死滅させることによって、作用することができる。さらに、同じ発見に基づいて、4Ig−B7−H3の検出を増殖性細胞(例えば、腫瘍、免疫増殖性障害)を同定するための診断ツールとして使用することができるため、本発明はまた、疾患の診断の方法を提供する。一般に、4Ig−B7−H3発現細胞を標的化することに関連する本方法は、4Ig−B7−H3に特異的なモノクローナル抗体の使用に関与する。有利なことに、2つの組の抗体が使用される。直接的または間接的に標識された抗体を含んでなる1つの組は、本質的に診断用であり、4Ig−B7−H3が患者由来の細胞(例えば、腫瘍細胞)上で発現されるかどうかを決定するために使用される。処置のために使用される第2の組は、非ヒト動物(但し、ヒトにおける使用に適切であるようになされており、例えば、ヒト化またはキメラ化される)において一般に惹起されるモノクローナル抗体に対応する。所定の実施形態では、抗体は、それらが4Ig−B7−H3を発現する細胞を死滅させるように、細胞障害性薬剤で、直接的または間接的にさらに誘導される。例えば、抗体は、放射性同位元素、細胞障害性ポリペプチド、または細胞障害性小分子に連結することができる。
定義
本明細書において使用される以下の用語は、他で指定しない限り、それらに帰属する意味を有する。
明細書に記載の「NK」細胞は、従来にない免疫に関与するリンパ球のサブ集団を指す。NK細胞は、CD16、CD56、および/またはCD57を含む特異的表面抗原の発現、細胞表面におけるα/βまたはγ/δTCR複合体の不在、特定の細胞溶解性酵素の活性化により、「自己の」MHC/HLA抗原を発現することができない細胞に結合して死滅させる能力、腫瘍細胞またはNK活性化受容体に対するリガンドを発現する他の罹患した細胞を死滅させる能力、および免疫応答を刺激または阻害するサイトカインと呼ばれるタンパク質分子を放出する能力のような所定の特徴および生物学的特性によって規定することができる。当該分野において周知の方法を使用してNK細胞を同定するために、これらの特徴および活性のいずれかを使用することができる。
本明細書において使用される「4Ig−B7−H3状態」は、個体、例えば、癌患者から採取される増殖性または他の細胞(例えば、腫瘍細胞、樹状細胞、増殖性免疫細胞など)において発現される4Ig−B7−H3タンパク質の同一性および重要性を指す。例えば、患者から採取される細胞の検査により、細胞の30%、40%、50%などにおいて4Ig−B7−H3が発現されるが見出され得る。「顕著に発現される」は、所定の患者から採取される実質的な数の過剰増殖性または腫瘍細胞において発現される4Ig−B7−H3タンパク質を指す。用語「顕著に発現される」の規定は正確な百分率値には結びつかない一方、ほとんどの場合、「顕著に発現される」といわれるタンパク質は、患者から採取される少なくとも20%、30%、40%、好ましくは、50%、60%、70%もしくはそれ以上の神経芽細胞腫、メラノーマ、癌腫または他の過剰増殖性細胞において存在する。
本明細書において使用する用語「抗体」は、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体を指す。重鎖の定常ドメインのタイプに依存して、抗体は、5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMのうちの1つに割り当てられる。これらのうちのいくらかは、さらに、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4などのようなサブクラスまたはイソタイプに分けられる。例示的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、四量体を含んでなる。各四量体は、ポリペプチド鎖の2つの同一な対よりなり、各対は、1本の「軽」(約25kDa)および1本の「重」鎖(約50〜70kDa)を有する。各鎖のN末端は、主に抗原認識を担う約100〜110もしくはそれ以上のアミノ酸の可変領域を規定する。可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)という用語は、それぞれ、これらの軽および重鎖を指す。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ「α」、「δ」、「ε」、「γ」および「μ」と呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造および3次元構造が周知である。IgGおよび/またはIgMは生理学的状況において最も一般的な抗体であり、それらは実験施設において最も容易に作製されるため、それらは本発明において用いられる好適なクラスの抗体であり、IgGが特に好適である。好ましくは、本発明の抗体はモノクローナル抗体である。ヒト化、キメラ、ヒト、またはそれ以外のヒトに適切な抗体が特に好適である。「抗体」はまた、本明細書に記載の抗体のいずれかの任意のフラグメントまたは誘導体を含む。
用語「特異的に結合する」は、抗体が、好ましくは、競合結合アッセイにおいて、結合パートナー、例えば、4Ig−B7−H3タンパク質または4Ig−B7−H3受容体に結合することができることを意味し、組換え形態のタンパク質、その中のエピトープ、または単離されたNKもしくは関連の標的細胞の表面上に存在する生来のタンパク質のいずれか一方を使用して評価される。競合結合アッセイおよび特異的結合を決定するための他の方法については、以下においてさらに説明するものとし、当該分野において周知である。
「ヒトに適切な」抗体は、例えば、本明細書に記載の治療的方法において、ヒトにおいて安全に使用することができる任意の抗体、誘導体化された抗体、または抗体フラグメントを指す。ヒトに適切な抗体は、ヒト化、キメラ、または完全なヒト抗体、あるいは抗体の少なくとも一部が、ヒトから誘導されるか、もしくはそうでなければ、生来の非ヒト抗体が使用される場合に一般に惹起される免疫応答を回避するように改変される任意の抗体のすべてのタイプを含む。
「毒性」もしくは「細胞障害性」ペプチドまたは小分子は、細胞の増殖を遅らせるか、停止するか、または反転するか、任意の検出可能な方法でそれらの活性(例えば、NK細胞の細胞溶解活性)を減少するか、あるいは直接的もしくは間接的にそれらを死滅させることができる任意の化合物を包含する。毒性または細胞障害性化合物は、例えば、ADCCを誘導する、アポトーシスを惹起させるまたはその他により細胞を死滅させることによって、作用することができる。本明細書において使用されるように、毒性「ペプチド」は、任意のペプチド、ポリペプチド、または非天然アミノ酸または改変された連結を伴うペプチドまたはポリペプチド誘導体を含むそれらの誘導体を含むことができる。毒性「小分子」は、好ましくは、10kD、5kD、1kD、750D、600D、500D、400D、300D、もしくはそれ以下より小さいサイズを伴う任意の毒性化合物またはエレメントを含むことができる。
「免疫原性フラグメント」とは、本明細書において、(i)前記フラグメントに結合し、ならびに/または膜結合受容体およびそれらから誘導される変異体を含む前記フラグメントを含んでなる任意の形態の分子に結合する抗体の作製、(ii)任意のMHC分子および前記フラグメントから誘導されるペプチドを含んでなる二分子複合体に反応するT細胞に関与するT細胞応答の刺激、(iii)哺乳動物免疫グロブリンをコードする遺伝子を発現するバクテリオファージもしくは細菌のようなトランスフェクトされたビヒクルの結合のような免疫応答を誘発することが可能である任意のポリペプチドまたはペプチドフラグメントを意味する。あるいは、免疫原性フラグメントはまた、共有結合によりキャリアタンパク質にコンジュゲートされたペプチドフラグメント、そのアミノ酸配列において前記ペプチドフラグメントを含んでなるキメラ組換えポリペプチド構築物のような免疫応答を誘発することが可能な任意の構築を指し、特に、配列が前記フラグメントをコードする部分を含んでなるcDNAでトランスフェクトされる細胞を含む。
本発明の目的のために、「ヒト化」抗体は、1つもしくはそれ以上のヒト免疫グロブリンの定常および可変フレームワークが、結合領域、例えば、動物免疫グロブリンのCDRと融合される抗体を指す。そのようなヒト化抗体は、結合領域が、非ヒト抗体に対する免疫反応を回避するように誘導される非ヒト抗体の結合特異性を維持するように設計される。
「キメラ抗体」は、(a)抗原結合部位(可変領域)が異なるもしくは改変されたクラス、エフェクター機能および/または種の定常領域、または新たな特性をキメラ抗体に付与する全く異なる分子、例えば、酵素、毒素、ホルモン、増殖因子、薬物などに連結されるように、定常領域、またはその部分が改変、置き換え、または交換されるか、あるいは(b)可変領域、またはその部分が、異なるもしくは改変された抗原特異性を有する可変領域で改変、置き換え、または交換される抗体分子である。
「ヒト」抗体は、抗原チャレンジに応答して特異的ヒト抗体を産生するように「操作」されているトランスジェニックマウスまたは他の動物から得られる抗体である(例えば、グリーン(Green)ら(1994年)Nature Genet7:13、ロンベルグ(Lonberg)ら(1994年)Nature368:856、テイラー(Taylor)ら(1994年)Int Immun6:579(これらの教示内容全体は参照により本明細書に援用される)を参照のこと)。十分なヒト抗体はまた、遺伝子または染色体トランスフェクション方法、ならびにファージディスプレイ技術(これらのすべては当該分野において公知である)によっても構築することができる(例えば、マキャフェルティー(McCafferty)ら(1990年)Nature348:552−553を参照のこと)。ヒト抗体はまた、インビトロ活性化B細胞(例えば、米国特許第5,567,610号明細書および同第5,229,275号明細書(それらの全体が参照により援用される)を参照のこと)によって作製することができる。ヒト抗体はまた、ヒトから単離される抗体の配列を決定し、細胞培養において組換え宿主細胞から前記抗体をコードするヌクレオチド配列を発現させることによって、得ることができる。
用語「単離された」、「精製された」または「生物学的に純粋な」は、その生来の状態において見出されるように、通常、材料に伴う成分を実質的または本質的に含まない材料を指す。純度および均質度は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーのような分析化学技術を使用して、典型的に決定される。調製物に存在する優勢な種であるタンパク質が実質的に精製される。
本明細書において使用する用語「生物学的サンプル」として、生物学的液体(例えば、血清、リンパ、血液)、細胞サンプルまたは組織サンプル(例えば、骨髄)が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は交換可能に使用され、アミノ酸残基の高分子を指す。該用語は、1つもしくはそれ以上のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸の人工的化学類似物であるアミノ酸高分子、ならびに天然に存在するアミノ酸高分子および天然に存在しないアミノ酸高分子に当てはまる。
例えば、細胞、または核酸、タンパク質、またはベクターに関して使用される場合の用語「組換え」は、細胞、核酸、タンパク質またはベクターが、異種核酸もしくはタンパク質の導入または生来の核酸またはタンパク質の改変によって改変されていること、あるいは、細胞が、そのようにして改変された細胞から誘導されることを示す。従って、例えば、組換え細胞は、該細胞の生来の(非組換え)形態内において見出されない遺伝子を発現するか、または他の点で異常に発現されるか、不十分に発現されるか、もしくは全く発現されない生来の遺伝子を発現する。
本明細書において使用する用語「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」は、相互に少なくとも30%(好ましくは、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%もしくは98%)同一であるヌクレオチド配列が典型的に相互にハイブリダイズされたまま保たれるハイブリダイゼーションおよび洗浄のための条件について説明している。そのようなストリンジェントな条件は当業者に公知であり、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons、ニューヨーク(1989年)において見出され得る。1つの非限定的例では、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)、約45℃でのハイブリダイゼーション、それに続く、0.1×SSC、0.2%SDS中、約68℃での1回もしくはそれ以上の洗浄である。好適な非限定的例では、制限的ハイブリダイゼーション条件は、6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーション、それに続く、0.2×SSC、0.1%SDS中、50〜65℃での1回もしくはそれ以上の洗浄(即ち、50℃、55℃、60℃または65℃での1回もしくはそれ以上の洗浄)である。本発明の核酸は、これらの条件下で、AまたはTヌクレオチドのみからなるヌクレオチド配列だけにハイブリダイズする核酸分子を含まないことが理解される。特定の実施形態では、典型的なハイブリダイゼーション条件は、30℃を超える、好ましくは、35℃を超える、より好ましくは、42℃より高い温度、および/または約500mM未満、好ましくは、200mM未満の塩度を含む。ハイブリダイゼーション条件は、温度、塩度および/またはSDS、SSCなどのような他の試薬の濃度を改変することによって、当業者により調整することができる。
4Ig−B7−H3に特異的なモノクローナル抗体の産生
本発明は、ヒトにおける使用に適切であり、4Ig−B7−H3タンパク質または4Ig−B7−H3Rタンパク質を標的化する抗体、抗体フラグメント、または抗体誘導体の産生および使用に関与する。本発明の抗体は、様々な当該分野において公知の技術のいずれかによって産生させることができる。典型的に、それらは、非ヒト動物、好ましくは、NK細胞または標的細胞の表面上に存在する4Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3Rタンパク質を含んでなる免疫原を伴うマウスの免疫化によって産生される。受容体は、4Ig−B7−H3R発現NK細胞全体、もしくは4Ig−B7−H3発現標的細胞(例えば、神経芽細胞腫、メラノーマ、癌腫、成熟または非成熟樹状細胞)、または細胞膜、4Ig−B7−H3もしくは4Ig−B7−H3Rの全長配列、またはそのフラグメントもしくは誘導体、典型的に、免疫原性フラグメント、即ち、4Ig−B7−H3もしくは4Ig−B7−H3Rを発現する細胞の表面上に暴露されるエピトープを含んでなるポリペプチドの部分を含んでなり得る。そのようなフラグメントは、典型的に、成熟ポリペプチド配列の少なくとも7連続アミノ酸、さらにより好ましくは、その少なくとも10連続アミノ酸を含有する。それらは、本質的に、4Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3Rタンパク質の細胞外ドメインから誘導される。好適な実施形態では、抗体を作製するために使用される4Ig−B7−H3もしくは4Ig−B7−H3Rタンパク質またはペプチドは、ヒト4Ig−B7−H3もしくは4Ig−B7−H3Rタンパク質またはペプチドである。
最も好適な実施形態では、免疫原は、脂質膜、典型的に細胞表面の野生型ヒト4Ig−B7−H3もしくは4Ig−B7−H3Rポリペプチドを含んでなる。特定の実施形態では、免疫原は、無傷(intact)なNKまたは標的細胞、特に、無傷なヒトNKまたは標的細胞(場合により処置または溶解された)を含んでなる。4−Ig−B7−H3タンパク質ならびにcDNA配列およびタンパク質構造については、スタインバーグ(Steinberger)ら(2004年)J.Immunol.172:2352−2359ならびに該文献の図8および9に記載されている。
1つの実施形態では、抗体は、4Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3R、例えば、5B14もしくは7−517を認識する1つもしくはそれ以上の既に現存しているモノクローナル抗体(後者については、例えば、スタインバーグ(Steinberger)ら(2004年)J.Immunol.172:2352−2359を参照のこと)から誘導される。そのような抗体は、患者の4Ig−B7−H3状態を決定するための本明細書に記載のタイプ分類工程のための診断用抗体としての使用のために、直接的または間接的に標識する(即ち、標識された第二抗体と共に使用される)ことができる。さらに、抗体は、ヒトへの投与に適切であるようにする、場合により、本治療方法において細胞障害性抗体としての使用ために、本発明に記載のように毒性にすることができる。
本診断用または治療用(例えば、細胞障害性)抗体は、完全長の抗体または抗体フラグメントもしくは誘導体であり得る。抗体フラグメントの例として、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、およびFvフラグメント、二重特異性抗体、一本鎖Fv(scFv)分子、ただ1つの軽鎖可変ドメイン、または関連重鎖部分を伴わずに軽鎖可変ドメインの3つのCDRを含有するそのフラグメントを含有する一本鎖ポリペプチド、ただ1つの重鎖可変領域、または関連軽鎖部分を伴わずに重鎖可変領域の3つのCDRを含有するそのフラグメントを含有する一本鎖ポリペプチド、および抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体が挙げられる。そのようなフラグメントおよび誘導体ならびにそれらを調製する方法は、当該分野において周知である例えば、ペプシンを使用して、ヒンジ領域のジスルフィド結合より下流の抗体を消化して、F(ab)’2(それ自体がジスルフィド結合によってVH−CH1に結合される軽鎖であるFabの二量体である)を生成させることができる。F(ab)’2を、穏やかな条件下で還元して、ヒンジ領域のジスルフィド結合を切断し、それによって、F(ab)’2二量体をFab’単量体に変換してもよい。Fab’単量体は、本質的に、ヒンジ領域の部分を伴うFabである(Fundamental Immunology(ポール(Paul)編、第3版、1993年)を参照のこと)。多様な抗体フラグメントが無傷(intact)な抗体の消化によって規定される一方、当業者は、そのようなフラグメントを、化学的かまたは組換えDNA方法論を使用するかのいずれかによって、デノボで合成することができることを理解している。
モノクローナルまたはポリクローナル抗体の調製については当該分野において周知であり、多数の利用可能な技術のいずれかを使用することができる(例えば、ケーラー(Kohler)およびミルスタイン(Milstein)、Nature256:495−497(1975年)、コズボール(Kozbor)ら、Immunology Today4:72(1983年)、コール(Cole)ら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy(1985)の77−96頁を参照のこと)。一本鎖抗体の産生のための技術(米国特許第4,946,778号明細書)を適応して、所望されるポリペプチドに対する抗体を産生させることができる。また、トランスジェニックマウス、または他の哺乳動物のような他の生物体を使用して、ヒト化、キメラ、または同様に改変された抗体を発現させてもよい。あるいは、ファージディスプレイ技術を使用して、選択された抗原に特異的に結合する抗体およびヘテロメリックなFabフラグメントを同定することができる(例えば、マキャフェルティー(McCafferty)ら、Nature348:552−554(1990年)、マークス(Marks)ら、Biotechnology10:779−783(1992年)を参照のこと)。1つの実施形態では、方法は、ライブラリーまたはレパートリーから、少なくとも1つのNK受容体と交差反応するモノクローナル抗体またはそのフラグメントもしくは誘導体を洗濯することを含んでなる。例えば、レパートリーは、場合により、任意の適切な構造(例えば、ファージ、細菌、合成複合体など)によってディスプレイされる抗体またはそのフラグメントの任意の(組換え)レパートリーであってもよい。
分野において周知の任意の様式で、非ヒト哺乳動物を抗原で免疫する工程を行うことができる(例えば、E.ハーロー(E.Harlow)およびD.レーン(D.Lane)、Antibodies:A Laboratory Manual.Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor、ニューヨーク州(1988)を参照のこと)。一般に、免疫原は、場合により完全フロイントアジュバントのようなアジュバントと共に、緩衝液に懸濁または溶解される。免疫原の量、緩衝液のタイプおよびアジュバントの量を決定するための方法は当該分野において周知であり、本発明に対する任意の方法において限定されない。
同様に、抗体の産生を刺激するのに十分な免疫の場所および回数もまた、当該分野において周知である。典型的な免疫プロトコルでは、1日目に非ヒト動物に免疫原が腹腔内に注入され、1週間後に再度注入される。これに続いて、場合により、不完全フロイントアジュバントなどのアジュバントを伴って、約20日目に抗原が再注入される。再注入は静脈内で実施され、数日間連続で反復され得る。これに続いて、静脈内または腹腔内のいずれかで、典型的にアジュバントを伴わずに、40日目に追加注入が行われる。このプロトコルにより、約40日後に、抗原特異的抗体産生B細胞が生じる。他のプロトコルもまた、それらが、免疫に使用される抗原に対する抗体を発現するB細胞の産生を生じる限り、利用することができる。
別の実施形態では、非免疫非ヒト哺乳動物由来のリンパ球が単離され、インビトロで増殖され、次いで、細胞培養において免疫原に暴露される。次いで、リンパ球を回収し、下記の融合工程を行う。
本発明の目的に好適であるモノクローナル抗体では、次の工程は、細胞、例えば、免疫された非ヒト哺乳動物由来のリンパ球、脾細胞、またはB細胞の単離、および抗体産生ハイブリドーマを形成するための該脾細胞、またはB細胞、またはリンパ球と不死化細胞との以後の融合である。従って、本明細書において使用される用語「免疫動物から抗体を調製すること」は、免疫動物からB細胞/脾細胞/リンパ球を入手すること、およびそれらの細胞を使用して、抗体を発現するハイブリドーマを産生させること、ならびに免疫動物の血清から直接抗体を入手することを含む。例えば、非ヒト哺乳動物からの脾臓細胞の単離は当該分野において周知であり、例えば、麻酔した非ヒト哺乳動物から脾臓を取り出し、それを小片に切断し、単一の細胞懸濁液が生成されるように、セルストレーナーのナイロンメッシュを介して、適切な緩衝液に脾包(splenic capsule)から脾臓細胞を圧搾することに関与する。細胞を洗浄し、遠心分離し、任意の赤血細胞を溶解する緩衝液に再懸濁する。溶液を再度遠心分離し、ペレット内に残留するリンパ球を最終的に新鮮緩衝液に再懸濁する。
一旦、単離され、単一細胞懸濁液中に存在すると、抗体産生細胞を不死細胞株に融合させることができる。これは、典型的にはマウス骨髄腫細胞系統であるが、ハイブリドーマを作製するのに有用な他の多くの不死細胞系統が当該分野において公知である。好適なマウス骨髄腫株として、Salk Institute Cell Distribution Center,San Diego、カリフォルニア州、米国より入手可能なMOPC−21およびMPC−11マウス腫瘍、American Type Culture Collection,Rockville、メリーランド州、米国より入手可能なX63 Ag8653およびSP−2細胞が挙げられるが、これらに限定されない。融合は、ポリエチレングリコールなどを使用して行う。次いで、得られるハイブリドーマを、非融合親骨髄腫細胞の増殖または生存を阻害する1つもしくはそれ以上の物質を含有する選択培地で増殖させる。例えば、親骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠く場合、ハイブリドーマのための培養培地は、典型的に、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含む(HAT培地)(該物質はHGPRT欠損細胞の増殖を妨害する)。
ハイブリドーマは、マクロファージのフィーダー層上で増殖され得る。マクロファージは、脾臓細胞を単離するために使用される非ヒト哺乳動物の同腹仔由来であることが好ましく、典型的に、ハイブリドーマプレート化の数日前に、不完全フロイントアジュバントなどで刺激する。融合方法は、例えば、ゴーディング(Goding)「Monoclonal Antibodies: Principles and Practice」、59〜103頁(Academic Press、1986年)に記載されており、この開示内容は、本明細書において参照により援用される。
コロニー形成および抗体産生に十分な時間、細胞を増殖させる。これは、通常、7〜14日間の間である。次いで、ハイブリドーマコロニーを、所望される基質、例えば、4Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3Rタンパク質を特異的に認識する抗体の産生についてアッセイする。アッセイは、典型的に発色ELISA型アッセイであるが、ハイブリドーマが増殖するウェルに適応することができるいずれのアッセイを用いてもよい。他のアッセイとしては、免疫沈降およびラジオイムノアッセイが挙げられる。所望の抗体産生に陽性のウェルを試験して、1つもしくはそれ以上の異なるコロニーが存在するかどうかを決定する。1を超えるコロニー多存在する場合、細胞を再クローニングして、増殖させ、ただ単一の細胞が所望の抗体を産生するコロニーを生じていることを確実にする。明らかに単一のコロニーを伴う陽性ウェルを、典型的に再クローニングし、再アッセイし、ただ1つのモノクローナル抗体が検出され、産生されていることを確実にする。
次いで、本発明のモノクローナル抗体を産生することが確認されるハイブリドーマを、DMEMまたはRPMI−1640のような適切な培地において、より多量に培養する。あるいは、ハイブリドーマ細胞は、動物において腹水腫瘍としてインビボで増殖させることができる。
所望されるモノクローナル抗体を産生させるのに十分な増殖後、モノクローナル抗体(または腹水液)を含有する増殖培地を細胞から分別し、そこに存在するモノクローナル抗体を精製する。精製は、ゲル電気泳動、透析、タンパク質Aもしくはタンパク質G−Sepharose、またはアガロースもしくはSepharoseビーズのような固相支持体に連結された抗マウスIgを使用するクロマトグラフィーによって、典型的に達成される(すべて、例えば、Antibody Purification Handbook,Amersham Biosciences、出版番号18−1037−46、AC版(その開示内容は参照により本明細書に援用される)に記載されている)。結合型抗体は、低pH緩衝液(グリシンまたはpH3.0もしくはそれ未満の酢酸緩衝液)を使用し、抗体を含有する画分を直ちに中和することによって、タンパク質A/タンパク質Gカラムから典型的に溶出される。これらの画分をプールし、透析し、必要であれば濃縮する。
好適な実施形態では、4Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3R上に存在する決定基に結合する抗体をコードするDNAを、適切な宿主へのトランスフェクションのために適切な発現ベクターに配置されたハイブリドーマから単離する。次いで、宿主を、抗体の抗原認識部分を含んでなる抗体、その改変体、その活性なフラグメント、またはヒト化もしくはキメラ抗体の組換え産生のために使用する。
本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、(例えば、マウス抗体の重および軽鎖をコードする遺伝に特異的に結合することが可能であるオリゴヌクレオチドを使用することによって)従来の手順を使用して、容易に単離され、配列決定され得る。一旦単離されたら、DNAを発現ベクターに配置することができ、次いで、それは大腸菌(E.coli)細胞、サル(simian)COS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または他では免疫グロブリンタンパク質を産生しない骨髄腫細胞のような宿主細胞にトランスフェクトされ、組換え宿主細胞においてモノクローナル抗体の合成が得られる。抗体をコードするDNAの細菌における組換え発現は当該分野において周知である(例えば、スケラ(Skerra)ら、(1993年)Curr.Op. Immunol.,5:256、およびプリュックサン(Pluckthun)、(1992年)Immunol.Revs.、130:151を参照のこと)。抗体はまた、例えば、ウォード(Ward)ら、(1989年)Nature,341:544に開示されているような免疫グロブリンのコンビナトリアルライブラリーの選択によって、産生させてもよい。
特定の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体5B14または7−517(後者については、例えば、スタインバーグ(Steinberger)ら(2004年)J.Immunol.172:2352−2359(その開示内容全体が参照により本明細書に援用される)を参照のこと)のうちの1つと本質的に同じエピトープまたは抗原決定基に結合する。モノクローナル抗体と「実質的に同じエピトープまたは決定基に結合する」という用語は、抗体がx(ここで、xは5B14などである)と「競合する」ことを意味する。問題のモノクローナル抗体と実質的に同じエピトープに結合する1つもしくはそれ以上の抗体の同定は、抗体の競合を評価することができる様々な免疫学的スクリーニングアッセイを使用して、容易に決定することができる。そのようなアッセイは当該分野において日常的である(例えば、米国特許第5,660,827号明細書(参照により本明細書に援用される)を参照のこと)。抗体が結合するエピトープを実際に決定するのに、いずれの方法においても、問題のモノクローナル抗体と同じかまたは実質的に同じエピトープに結合する抗体を同定する必要はないことが理解されよう。
例えば、調べようとする試験抗体が異なる供給源動物から得られるか、または異なるIgアイソタイプである場合、コントロール(例えば、5B14)および試験抗体とを混合(または予め吸着)し、エピトープ含有タンパク質、例えば、5B14の場合、4Ig−B7−H3を含有するサンプルに適用する単一の競合アッセイを用いることができる。ELISA、ラジオイムノアッセイ、ウエスタンブロッティングに基づくプロトコルおよび(例えば、実施例のセクションに記載のような)BIACOREの使用は、そのような簡単な競合研究における使用に適切であり、当該分野において周知である。
所定の実施形態では、抗原(例えば、4Ig−B7−H3エピトープ)を含有するサンプルに適用する前のある期間にコントロール抗体(例えば、5B14)と様々な量の試験抗体(例えば、1:10または1:100)とを予め混合し得る。他の実施形態では、コントロールおよび様々な量の試験抗体を、抗原サンプルへの暴露中に簡単に混合することができる。(例えば、非結合型抗体を排除するための分離または洗浄技術を使用することによって)結合型と遊離型の抗体および(例えば、種特異的もしくはアイソタイプ特異的第二抗体を使用することによって、または検出可能な標識でコントロール抗体を特異的に標識することによって)コントロール抗体と試験抗体とを識別することができる限り、試験抗体がコントロール抗体の抗原への結合を減少するかどうかを決定し、試験抗体がコントロールと実質的に同じエピトープを認識することを示すことが可能である。完全に関連のない抗体の非存在下での(標識された)コントロール抗体の結合は、コントロールの高値である。コントロール低値は、標識されたコントロール抗体(例えば、5B14)を正確に同じタイプ(例えば、5B14)の非標識抗体と共にインキュベートすることによって得られ、ここで、競合が生じ、標識された抗体の結合を減少する。試験アッセイでは、試験抗体の存在下における標識された抗体反応性の有意な減少は、同じエピトープ(即ち、標識されたコントロール抗体と「交差反応する」もの)を認識する試験抗体を示す。約1:10〜約1:100の間のコントロール:試験抗体の任意の割合で、標識されたコントロールのそれぞれの抗原への結合を、少なくとも50%またはより好ましくは70%だけ減少する任意の試験抗体は、コントロールと実質的に同じエピトープまたは抗原決定基に結合する抗体とみなされる。好ましくは、そのような試験抗体は、コントロールの抗原への結合を少なくとも90%だけ減少する。
1つの実施形態では、競合を、フローサイトメトリー試験によって評価することができる。所定の活性化している受容体を有する細胞を、まず、受容体(例えば、4Ig−B7−H3、および5B14抗体を発現するNK細胞)に特異的に結合することが公知であるコントロール抗体と共に、および次いで、例えば、蛍光色素またはビオチンで標識されている試験抗体と共に、インキュベートする。飽和量のコントロール抗体とのプレインキュベーションで得られる結合がコントロールとのプレインキュベーションを伴わない抗体によって得られる結合(蛍光の平均)の80%、好ましくは、50、40もしくはそれ以下である場合、試験抗体はコントロールと競合すると言われている。あるいは、飽和量の試験抗体と共にプレインキュベートした細胞上の(蛍光色素またはビオチンにより)標識されたコントロールにより得られる結合が、抗体とのプレインキュベーションを伴わずに得られる結合の80%、好ましくは50%、40%、もしくはそれ以下である場合、試験抗体はコントロールと競合すると言われている。
1つの好適な実施例では、試験抗体が予め吸着され、抗体結合のための基質、例えば、4Ig−B7−H3タンパク質、または5B14によって結合されることが公知であるそのエピトープ含有部分が固定化される表面に、飽和濃度で、適用される簡単な競合アッセイを用いることができる。表面は、好ましくは、BIACOREチップである。次いで、コントロール抗体(例えば、5B14)を、基質飽和濃度で表面と接触させ、コントロール抗体の基質表面結合を測定する。コントロール抗体のこの結合を、試験抗体非存在下でのコントロール抗体の基質含有表面への結合と比較する。試験アッセイでは、試験抗体の存在下における基質含有表面の結合の有意な減少は、試験抗体が同じエピトープ(即ち、コントロール抗体と「交差反応する」もの)を認識することを示す。コントロール抗体の抗原含有基質への結合を、少なくとも30%またはより好ましくは40%だけ減少する任意の試験抗体は、コントロール抗体と実質的に同じエピトープまたは抗原決定基に結合する抗体とみなされる。好ましくは、そのような試験抗体は、コントロール抗体の基質への結合を少なくとも50%だけ減少する。コントロールおよび試験抗体の順序は、反転させることができ、即ち、コントロール抗体をまず表面に結合させ、その後に、試験抗体を表面に接触させることが理解されよう。予想されるとおり、第二抗体について認められる結合の減少(抗体が交差反応しているものとみなす)は、より大きな大きさになるため、好ましくは、まず、基質抗原に対してより高い親和性を有する抗体を、基質含有表面に結合させる。そのようなアッセイのさらなる例は、実施例およびサウナル(Saunal)ら、(1995年)J.Immunol.Meth183:33−41(その開示内容は本明細書において参照により援用される)において提供される。
1つの実施形態では、特に、そのような抗体が他の関連しないタンパク質との過剰な交差反応性を示さない場合、抗4Ig−B7−H3抗体は、B7ファミリーの複数のタンパク質と相互作用することが可能であり、即ち、4Ig−B7−H3およびB7ファミリーの少なくとも1つの他のタンパク質と相互作用することが可能である。同様に、抗4Ig−B7−H3R抗体は、B7ファミリーのタンパク質の複数の受容体と相互作用することが可能であり、即ち、4Ig−B7−H3RおよびB7ファミリーのタンパク質の少なくとも1つの他の受容体と相互作用することが可能である。
好ましくは、抗4Ig−B7−H3または抗4Ig−B7−H3R抗体は、他の関連しないタンパク質との過剰な交差反応性を示さない。好ましくは、4Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3R由来のエピトープを認識するモノクローナル抗体は、特に、患者(例えば、増殖性障害、腫瘍、炎症性障害などを有する)におけるそれぞれ実質的な百分率の標的またはNK細胞上に存在するエピトープと反応するが、CD20+B細胞とも、または他の免疫もしくは非免疫細胞とも有意には反応しない。好ましくは、抗4Ig−B7−H3または抗4Ig−B7−H3R抗体は、従って、それぞれ、B7ファミリーの他のタンパク質または受容体とは、有意には反応しない。B7ファミリーの他のタンパク質として、例えば、B7−1(CD80)、B7−2(CD86)、B7−H2(ICOS−L)、B7−H1(PD−L1)、B7−DC(PD−L2、B7−H4、(B7S1、B7x)およびBT3)が挙げられる。B7ファミリーの他のタンパク質の受容体として、T細胞上で主に発現されるCD28、ICOSまたはCTLA−4、PD−1およびBTLAが挙げられるが、これらに限定されない。好適な実施形態では、抗体はまた、単球、顆粒球、血小板、および赤血球細胞と非反応性である。好適な実施形態では、抗体は、4Ig−B7−H3タンパク質に対する単一の受容体のみを認識し、従って、そのような疾患の根底にある過剰増殖性細胞に対する治療用(例えば、細胞障害性)抗体の効果をできるだけ多く制限する。
一旦、4Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3Rを特異的に認識する抗体が同定されると、それぞれ、標的細胞(例えば、増殖性細胞、腫瘍細胞、樹状細胞)またはNK細胞に結合するその能力について試験することができる。標的細胞は、例えば、神経芽細胞腫、メラノーマまたは癌腫のような増殖性障害を伴う患者から採取することができる。
4Ig−B7−H3を特異的に認識する抗体は、例えば、増殖性障害を伴う患者から採取される標的細胞に結合するその能力について試験するためのイムノアッセイにおいてバリデートすることができる。例えば、腫瘍生検を実施し、複数の患者から細胞を採取する(例えば、神経芽細胞腫が疑わしい場合、針生検または骨髄吸引物)。次いで、当業者に周知の標準的な方法を使用して、標的細胞に結合する所定の抗体の能力を評価する。有意な百分率の患者(例えば、5%、10%、20%、30%、40%、50%もしくはそれ以上)由来の実質的な割合の標的細胞(例えば、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくはそれ以上)に結合することが見出される抗体は、本発明における使用に、本明細書に記載の4Ig−B7−H3状態タイプ分類工程中の診断目的に、または本明細書に記載の治療方法における使用に、例えば、ヒトに適切な細胞障害性抗体からの誘導体化に適切である。しかし、前記の割合未満の標的細胞に結合する抗体はなお、有利なことに、例えば、NK細胞溶解からの腫瘍細胞の逸脱の可能性を排除または防止するために使用することができることが理解されよう。抗体の細胞への結合を評価するために、抗体は、直接的または間接的のいずれかで標識することができる。間接的に標識する場合、第二の標識抗体が、典型的に添加される。次いで、例えば、細胞蛍光分析(例えば、FACScan)を使用して、抗体の細胞への結合を検出することができる。例えば、ザンベロ(Zambello)ら(2003年)Blood102:1797または他の任意の標準的方法を参照のこと。
NK増強抗体
NK増強抗体の場合、本発明の抗4Ig−B7−H3および抗4Ig−B7−H3R抗体は、NK細胞細胞障害性の4Ig−B7−H3R仲介阻害を中和することが可能である。従って、これらの抗体は、それが4Ig−B7−H3分子と相互作用する場合、それらが少なくとも部分的および検出可能な程度で、4Ig−B7−H3Rによって仲介される阻害シグナル伝達経路を阻止する意味で、「中和」または「阻害」抗体である。NK細胞細胞障害性の4Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3R仲介阻害の阻害は、結合または細胞アッセイのような多様なアッセイによって、評価することができる。
一旦、4Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3Rに結合する抗体が同定されると、無傷(intact)なNK細胞における4Ig−B7−H3Rの阻害効果を中和するその能力について試験することができる。特定の実施形態では、4Ig−B7−H3陽性標的細胞の4Ig−B7−H3R陽性NKクローンにより、前記抗体が溶解を再構築する能力によって、中和活性を例示することができる。別の特定の実施形態では、抗体の中和活性は、4Ig−B7−H3分子の4Ig−B7−H3Rへの結合を阻害する抗体の能力によって規定される。1つの実施形態では、本発明の抗体の阻害活性を、本明細書において開示されるように、細胞に基づく細胞障害性アッセイで評価することができる。
別の改変体では、本発明の抗体の阻害活性は、サイトカイン放出アッセイで評価することができ、ここで、NK細胞は、試験抗体およびNK集団の4Ig−B7−H3R分子によって認識される4Ig−B7−H3を発現する標的細胞株と共にインキュベートされ、NK細胞サイトカイン産生(例えば、IFN−γおよび/またはGM−CSF産生)が刺激される。例示的プロトコルでは、PBMCからのIFN−γ産生は、培養約4日後に、細胞表面および細胞質内染色ならびにフローサイトメトリーによる分析によって評価される。簡単に説明すると、培養の少なくとも約4時間、Brefeldin A(Sigma Aldrich)を、約5μg/mlの最終濃度で添加することができる。次いで、細胞を、透過化(IntraPrepTM、Beckman Coulter)およびPE抗IFN−γまたはPE−IgG1(Pharmingen)による染色の前に、抗CD3および抗CD56mAbと共にインキュベートすることができる。ELISA(GM−CSF:DuoSet Elisa,R&D Systems、Minneapolis、ミネソタ州、IFN−γ:OptE1Aセット、Pharmingen)を使用して、上清におけるポリクローナル活性型NK細胞からのGM−CSFおよびIFN−γ産生を測定することができる。
本発明の抗体は、NK細胞細胞障害性の4Ig−B7−H3R仲介阻害を部分的または完全に中和することができる。本明細書において使用する用語「NK細胞細胞障害性の4Ig−B7−H3R仲介阻害を中和する」とは、それらの4Ig−B7−H3Rによって阻止されないNK細胞またはNK細胞株により同じエフェクター:標的細胞比で得られる特定の溶解が、細胞障害性の古典的クロム放出試験によって測定されるように、4Ig−B7−H3Rを発現するNK細胞集団が(NK細胞上で発現される4Ig−B7−H3Rによって認識される)同系の4Ig−B7−H3分子を発現する標的細胞と接触される場合、抗体を伴わずに得られる特定の溶解のレベルと比較して、少なくとも約20%まで、好ましくは、少なくとも約30%まで、少なくとも約40%、少なくとも約50%もしくはそれ以上(例えば、約25〜100%)増加する能力を意味する。例えば、本発明の好適な抗体は、4Ig−B7−H3Rを発現する標的細胞集団(一致するものであるかまたはHLA適合性であるかどうか、または自家移植であろうと)、即ち、前記抗体の非存在下ではNK細胞により効果的に溶解されない細胞集団の溶解を誘導することが可能である。従って、本発明の抗体はまた、インビボでNK細胞活性を容易にすると規定することができる。
免疫化および脊椎動物または細胞における抗体の産生時に、特許請求の範囲に記載の抗体を単離するために、特定の選択工程を実施することができる。これに関して、特定の実施形態では、本発明はまた、そのような抗体を産生させる方法に関し、以下を含んでなる:
a)非ヒト哺乳動物を、4Ig−B7−H3もしくは4Ig−B7−H3Rポリペプチド、またはそのフラグメントを含んでなる免疫原、あるいは上記のいずれかを発現する細胞で免疫すること、
b)前記免疫動物から抗体を調製することであって、ここで、前記抗体は4Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3Rポリペプチドに結合する、
c)(i)前記4Ig−B7−H3Rポリペプチドを発現するNK細胞の集団に対するNK細胞細胞障害性の阻害を中和することが可能であるか、または(ii)4Ig−B7−H3を発現する標的細胞へのNK細胞細胞障害性の阻害を中和することが可能である(b)の抗体を選択すること。
好適な実施形態では、工程(b)において調製される抗体はモノクローナル抗体である。従って、本明細書において使用される用語「前記免疫動物から抗体を調製すること」は、免疫動物からB細胞を入手すること、およびそれらのB細胞を使用して、抗体を発現するハイブリドーマを産生させること、ならびに免疫動物の血清から直接抗体を入手することを含む。
さらなる別の好適な実施形態では、工程(c)において選択される抗体は、標準的なクロム放出アッセイにおいて測定されるように、4Ig−B7−H3タンパク質を発現する標的細胞に対し、そのような4Ig−B7−H3タンパク質によって阻止されないNK細胞による同じエフェクター/標的比で得られる溶解または細胞障害性と比較して、4Ig−B7−H3RをディスプレイするNK細胞によって仲介される少なくとも約10%特異的溶解、およびより好ましくは少なくとも約40%特異的溶解、少なくとも約50%特異的溶解、またはより好ましくは、少なくとも約70%特異的溶解(例えば、約60〜100%特異的溶解)を生じる。
場合により、方法はまたもしくは代替的に、モノクローナル抗体のフラグメントまたはモノクローナル抗体の誘導体あるいは例えば、本明細書において他に記載したようなフラグメントを作製するさらなる工程をさらに含んでなることができる。
好適な実施形態では、本発明の適用可能な方法に従う抗体を産生するために使用される非ヒト動物は、例えば、げっ歯類(例えば、マウス、ラットなど)、ウシ、ブタ、ウマ、ウサギ、ヤギ、ヒツジなどの哺乳動物である。また、非ヒト哺乳動物を、遺伝子的に改変または操作して、XenomouseTM(Abgenix)またはHuMAb−MouseTM(Medarex)などの「ヒト」抗体を産生させてもよい。そのような方法については、本明細書の表題「ヒトにおける使用に適切な抗体の産生」のセクションにおいてさらに説明する。
別の改変体では、本発明は、以下を含んでなる抗体を得るための方法を提供する:
a)ライブラリーまたはレパートリーから、4Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3Rポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体、モノクローナル抗体のフラグメント、またはそれらのいずれかの誘導体を選択すること、および
b)4Ig−B7−H3Rを発現するNK細胞の集団に対するNK細胞の細胞障害性の阻害を中和することが可能である(a)の抗体、フラグメント、または誘導体を選択すること。
レパートリーは、場合により、任意の適切な構造(例えば、ファージ、細菌、合成複合体など)によって示される抗体またはそのフラグメントの任意の(組換え)レパートリーであってもよい。阻害型抗体の選択は、上記に開示されるように実施することができ、実施例においてさらに例示される。
従って、これらの抗体は、それが4Ig−B7−H3分子と相互作用する場合、それらが少なくとも部分的および検出可能な程度で、4Ig−B7−H3Rによって仲介される阻害シグナル伝達経路を阻止する意味で、「中和」または「阻害」抗体である。NK細胞細胞障害性の4Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3R仲介阻害の阻害は、結合または細胞アッセイのような多様なアッセイによって、評価することができる。
特定のアプリケーションおよび形式に依存して、NK細胞増強抗体は、それらが結合する細胞を枯渇させていてもよくまたは枯渇させなくていなくてもよいことが理解されよう。例えば、4Ig−B7−H3に結合し、4Ig−B7−H3タンパク質とその受容体との相互作用を阻止するNK細胞増強抗体は、有利なことに、それが結合する4Ig−B7−H3発現細胞を枯渇させ得るが、必ずしも必要ではない。場合により、枯渇化抗体は、細胞障害性部分を含んでなる。場合により、枯渇化抗体は、好ましくは、IgG1またはIgG3サブクラスのFc領域を含んでなる。別の実施形態では、枯渇化抗体は、NK細胞上のFcγR3a(CD16)への結合を増加するように改変され、本明細書においてさらに説明するように、好ましくは、抗体のFc領域において1つもしくはそれ以上のアミノ酸置換を含んでなる。
NK細胞上の4Ig−B7−H3Rに結合し、4Ig−B7−H3受容体と4Ig−B7−H3との相互作用を阻止するNK細胞増強抗体は、有利なことに、枯渇させ得ないが、必ずしも必要ではない。そのような非枯渇化抗体は、標的細胞を死滅させることに関与するNK細胞の潜在的枯渇を回避するという利点を有し得る。他の態様では、非枯渇化抗体は、場合により、フラグメントの血清中半減期を増加することが可能な部分(例えば、PEG高分子)にさらに連結される抗原結合性フラグメントを含んでなるか、またはこれからなる。他の態様では、この抗体は、IgG2またはIgG4サブクラスのFc領域を含んでなる。別の実施形態では、この抗体は、NK細胞上のFcγR3a(CD16)への結合を減少するように改変され、本明細書においてさらに説明するように、好ましくは、抗体のFc領域において1つもしくはそれ以上のアミノ酸置換を含んでなる。
4Ig−B7−H3発現標的細胞に結合する抗体
4Ig−B7−H3発現細胞に結合する抗体の場合、本発明の抗4Ig−B7−H3抗体は、診断および/または治療方法において有用であり得る。診断用として使用する場合、そのような抗体は、4Ig−B7−H3を発現する過剰増殖性もしくは他の細胞を同定する、例えば、腫瘍を診断するかまたはNK細胞による溶解に耐性である細胞を同定するのに有用であり得る。そのような診断用抗体は、インビボまたはインビトロで使用することができ、即ち、それらを個体に投与してもよく、またはそれらを使用して、生物学的サンプルもしくは細胞培養物における細胞を検出してもよい。治療用として使用する場合、4Ig−B7−H3発現細胞に結合する抗体は、免疫系による破壊のために増殖性細胞を標的化すること(例えば、ADCCとも称される抗体依存性細胞障害性を介する)によるか、またはそれらと、放射性同位元素、毒素、もしくは薬物のような細胞障害性薬剤とを直接接触させることによって細胞を死滅させることにより、細胞への4Ig−B7−H3タンパク質の保護効果を中和することができる。
特定のアプリケーションおよび形式に依存して、4Ig−B7−H3発現細胞に結合する抗体(例えば、好ましくは、抗4Ig−B7−H3抗体)は、4Ig−B7−H3タンパク質と4Ig−B7−H3Rとの間の相互作用を阻止することができるが、必ずしも必要ではなく、さらに、4Ig−B7−H3タンパク質の4Ig−B7−H3発現細胞への保護効果を中和する必要はないことが理解されよう。特に、そのような阻止または中和機構は、抗4Ig−B7−H3抗体が免疫系による破壊のために増殖性細胞を標的化する(例えば、ADCCとも称される抗体依存性細胞障害性を介する)ことが依然として可能である場合か、または抗4Ig−B7−H3抗体が、それらと、放射性同位元素、毒素、もしくは薬物のような細胞障害性薬剤とを直接接触させることにより細胞を死滅させることが可能である場合、必要としなくてもよい。それにもかかわらず、好適な態様では、抗体は、(a)4Ig−B7−H3タンパク質と4Ig−B7−H3Rとの間の相互作用を阻止すること、および(b)標的細胞枯渇を仲介することの両方が可能であり、後者の枯渇工程は、一般に、免疫系による破壊のために細胞を標的化すること(例えば、ADCCとも称される抗体依存性細胞障害性を介する)、またはそれらと細胞障害性薬剤とを接触させることを含んでなる。場合により、枯渇化抗体は、細胞障害性部分を含んでなる。場合により、枯渇化抗体は、好ましくは、IgG1またはIgG3サブクラスのFc領域を含んでなる。別の実施形態では、この抗体は、NK細胞上のFcγR3a(CD16)への結合を増加するように改変され、本明細書においてさらに説明するように、好ましくは、抗体のFc領域において1つもしくはそれ以上のアミノ酸置換を含んでなる。
特定のアプリケーションおよび形式に依存して、4Ig−B7−H3発現細胞に結合する抗体(例えば、好ましくは、抗4Ig−B7−H3抗体)は、4Ig−B7−H3発現細胞を枯渇させていてもよくまたは枯渇させなくていなくてもよいことが理解されよう。例えば、4Ig−B7−H3タンパク質とその受容体の相互作用を阻止することによって、4Ig−B7−H3タンパク質の増殖性細胞への保護効果を中和する抗体は、それが結合する4Ig−B7−H3発現細胞を枯渇させる必要はない。好適な態様では、この抗体は、場合により、フラグメントの血清中半減期を増加することが可能な部分にさらに連結される抗原結合性フラグメントを含んでなるか、またはこれからなる。他の態様では、この抗体は、IgG2またはIgG4サブクラスのFc領域を含んでなる。別の実施形態では、この抗体は、NK細胞上のFcγR3a(CD16)への結合を減少するように改変され、本明細書においてさらに説明するように、好ましくは、抗体のFc領域において1つもしくはそれ以上のアミノ酸置換を含んでなる。
ヒトにおける使用に適切な抗体の産生
一般に、非ヒト動物において、4Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3Rに特異的に結合することができるモノクローナル抗体が産生される場合、抗体は、一般に、それらをヒトにおける治療用途に適切にするように改変される。例えば、それらがヒト抗体でない場合、それらを、ヒト化するか、キメラ化するか、または当該分野において周知の方法を使用して、ヒト抗体のライブラリーから選択してもよい。そのようなヒトに適切な抗体は、本治療方法において直接使用することができるか、または方法における使用のために、下記のような細胞障害性抗体にさらに誘導体化することができる。
1つの好適な実施形態では、本発明の抗体、例えば、5B14様抗体を産生するハイブリドーマのDNAは、発現ベクターへの挿入前に、例えば、相同非ヒト配列の代わりにヒト重および軽鎖定常ドメインのコーディング配列を置換することによって(例えば、モリソン(Morrison)ら、(1984年)PNAS81:6851)、または免疫グロブリンコーディング配列に非免疫グロブリンポリペプチドのコーディング配列のすべてもしくは一部を共有結合させることによって、改変することができる。該様式では、本来の抗体の結合特異性を有する「キメラ」または「ハイブリッド」抗体が調製される。典型的に、そのような非免疫グロブリンポリペプチドが、本発明の抗体の定常ドメインに対して置換される。
1つの特に好適な実施形態では、本発明の抗体はヒト化される。本発明の抗体の「ヒト化」形態は、マウスあるいは他の非ヒト免疫グロブリンから誘導される最小配列を含有する特異的キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖または(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2、もしくは抗体の他の抗原結合配列のような)そのフラグメントである。ほとんどの部分について、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であって、レシピエントの相補性決定領域(CDR)由来の残基が、本来の抗体(ドナー抗体)のCDR由来の残基によって置き換えられる一方、本来の抗体の所望される特異性、親和性、および能力は維持される。場合により、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基を、対応する非ヒト残基によって置き換えてもよい。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはインポートされたCDRまたはフレームワーク配列のいずれにも見出されない残基を含んでなることができる。これらの改変は、抗体の性能をさらに改質し、最適化するために作製される。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、および典型的に2つの可変ドメインの実質的にすべてを含んでなり、CDR領域のすべてまたは実質的にすべてが本来の抗体の該領域に対応し、FR領域のすべてまたは実質的にすべてがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列の該領域である。より詳細については、ジョーンズ(Jones)ら、Nature,321、522(1986年)、ライヒマン(Reichmann)ら、(1988年)Nature、332、323、フェルホエン(Verhoeyen)ら(1988年)Science239:1534(1988年)、プレスタ(Presta)(1992年)Curr.Op.Struct.Biol.,2、593(それぞれはその全体が参照により本明細書に援用される)を参照のこと。
ヒト化抗体を作製するのに使用すべきヒト可変ドメイン(軽鎖および重鎖の両方)の選択は、抗原性を減少させるのに極めて重要である。いわゆる「ベストフィット」方法に従えば、本発明の抗体の可変ドメインの配列を、公知のヒト可変ドメイン配列のライブラリー全体に対してスクリーニングされる。次いで、マウスの配列に最も近いヒト配列は、ヒト化抗体のためのヒトフレームワーク(FR)として許容される(シムズ(Sims)ら、(1993年)J.Immun.,151:2296、チョチア(Chothia)およびレスク(Lesk)(1987年)J.Mol.Biol.196:901))。別の方法は、軽または重鎖の特定の亜群のすべてのヒト抗体のコンセンサス配列由来の特定のフレームワークを使用する。同じフレームワークを、いくらかの異なるヒト化抗体に使用することができる(カーター(Carter)ら、(1992年)PNAS89:4285、プレスタ(Presta)ら、(1993年)J.Immunol.51:1993))。
4Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3R、好ましくは、ヒト受容体に対する高い親和性、および他の好適な生物学的特性を保持しながら抗体をヒト化することはさらに重要である。この目的を達成するために、好適な方法に従い、親配列の解析のプロセスならびに親およびヒト化配列の3次元モデルを使用する多様な概念上のヒト化産物によって、ヒト化抗体が調製される。3次元免疫グロブリンモデルは一般に利用可能であり、当業者に熟知されている。選択された候補免疫グロブリン配列の見込まれる3次元コンフォメーション構造を例示および示すコンピュータプログラムが利用可能である。これらの標示を調べることにより、候補免疫グロブリン配列の機能性における残基の可能な役割の解析、即ち、候補免疫グロブリンがその抗原に結合する能力に影響を及ぼす残基の解析を可能にする。この方法では、FR残基が選択され、標的抗原の増加した親和性などの所望される抗体の特徴が達成されるように、コンセンサスおよびインポート配列から合わせられる。一般に、CDR残基は、抗原結合への影響に、直接的および最も実質的に関与する。
ヒト抗体はまた、免疫化のために、ヒト抗体レパートリーを発現するように操作されている他のトランスジェニック動物を使用することのような他の多様な技術に従って、産生させてもよい。この技術では、ヒト重および軽鎖遺伝子座のエレメントが、内因性重および軽鎖遺伝子座の標的化された崩壊を伴うマウスまたは他の動物に導入される(例えば、ジャコボビッツ(Jakobovitz)ら(1993年)Nature362:255、グリーン(Green)ら(1994年)Nature Genet.7:13、ロンベルク(Lonberg)ら(1994年)Nature368:856、テイラー(Taylor)ら(1994年)Int.Immun.6:579(それらの開示内容全体が参照により本明細書に援用される)を参照のこと)。あるいは、遺伝子または染色体トランスフェクション方法によって、またはファージディスプレイ方法を使用する抗体レパートリーの選択を介して、ヒト抗体を構築することができる。この技術では、抗体可変ドメイン遺伝子は、糸状バクテリオファージの大または小コートタンパク質遺伝子のいずれかにインフレームでクローニングされ、ファージ粒子の表面上の機能的抗体フラグメントとしてディスプレイされる。糸状粒子は、一本鎖DNAコピーのファージゲノムを含有するため、抗体の機能的特性に基づく選択はまた、これらの特性を示す抗体をコードする遺伝子の選択を生じる。この方法では、ファージは、B細胞のいくつかの特性を模倣する(例えば、ジョンソン(Johnson)ら(1993年)Curr Op Struct Biol3:5564−571、マキャフェルティー(McCafferty)ら(1990年)Nature348:552−553(開示内容の全体が参照により本明細書に援用される)を参照のこと)。ヒト抗体はまた、インビトロ活性化B細胞(例えば、米国特許第5,567,610号明細書および同第5,229,275号明細書(それらの開示内容は、それらの全体が参照により援用される)を参照のこと)によって作製することができる。
1つの実施形態では、免疫化のために、XenoMouse(登録商標)(Abgenix,Fremont、カリフォルニア州)のような動物を使用して、「ヒト」モノクローナル抗体が作製される。XenoMouseは、機能的ヒト免疫グロブリン遺伝子によって置き換えられるその免疫グロブリン遺伝子を有したマウス宿主である。従って、このマウスによりまたはこのマウスのB細胞から作製されたハイブリドーマにおいて産生される抗体は、すでにヒト化されている。XenoMouseは、米国特許第6,162,963号明細書において説明されており、該文献は本明細書においてその全体が参照により援用される。HuMAb−MouseTM(Medarex)を使用して、類似の方法を達成することができる。
本発明の抗体はまた、それらが所望される生物学的活性を示す限り、重および/または軽鎖の部分が本来の抗体における相同する配列と同一かあるいは相同である一方、鎖の残りの部分は別の種から誘導されるかまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列に同一かあるいは相同である「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、ならびにそのような抗体のフラグメントに誘導体化され得る(例えば、モリソン(Morrison)ら、(1984年)PNAS81:6851、米国特許第4,816,567号明細書を参照のこと)。
細胞障害性抗体の調製
特にIgG1またはIgG3タイプの誘導体化されていないまたは改変されていない形態の抗体は、過剰増殖性4Ig−B7−H3発現細胞の増殖を阻害するか、または神経芽細胞腫、癌腫およびメラノーマ患者由来の細胞のような過剰増殖性4Ig−B7−H3発現細胞に対して細胞障害性であることが予想される一方、それらを細胞障害性にするように誘導体化された抗体を調製することも可能である。1つの実施形態では、一旦、4Ig−B7−H3特異的抗体が単離され、ヒトにおける使用に適するようにされると、それらは、細胞に対して毒性となるように誘導体化される。この方法では、抗体の患者への投与は、抗体の過剰増殖性細胞への比較的特異的な結合をもたらし、従って、疾患の根底にある細胞を直接死滅させるかまたは阻害する。処置の特異性のため、処置によって身体の他の非過剰増殖性細胞が受ける影響は最小限である。
多数の毒性部分またはストラテジーのうちのいずれかを使用して、そのような抗体を産生させることができる。所定の好適な実施形態では、抗体は、放射性同位元素または他の毒性化合物で直接誘導体化される。そのような場合、標識された単一特異性抗体を、患者に注入することができ、ここで、ついで、それは、標的抗原を発現する細胞に結合し、死滅させることができ、非結合型抗体は、簡単に身体から浄化される。「Affinity Enhancement System」(AES)のような間接的ストラテジーを使用することもできる(例えば、米国特許第5,256,395号明細書、バーベット(Barbet)ら(1999年)Cancer Biother Radiopharm 14:153−166を参照のこと、それらの開示内容全体が参照により本明細書に援用される)。この特定のアプローチは、放射性標識ハプテンならびにNK細胞受容体および放射性ハプテンの両方を認識する抗体の使用に関与する。この場合、抗体は、まず、患者に注入され、標的細胞に結合され、次いで、一旦、非結合型抗体が血流から浄化され、放射性標識ハプテンが投与される。ハプテンは過剰増殖性4Ig−B7−H3発現細胞上の抗体−抗原複合体に結合し、それによって、それらを死滅させ、非結合型ハプテンは、身体から浄化される。
細胞障害性または細胞抑制効果を伴う部分の任意のタイプは、特異的4Ig−B7−H3発現細胞を阻害または死滅させるために本抗体と共同で使用することができ、放射性同位元素、毒性タンパク質、毒性小分子、例えば、薬物、毒素、免疫調節物質、ホルモン、ホルモンアンタゴニスト、酵素、オリゴヌクレオチド、酵素インヒビター、治療用放射性核種、血管新生インヒビター、化学療法薬、ビンカアルカロイド類、アントラサイクリン系薬剤、エピドフィルロトキシン類(epidophyllotoxins)、タキサン系薬剤、代謝拮抗剤、アルキル化剤、抗生物質、COX−2インヒビター、SN−38、有糸分裂阻害剤、抗血管新生およびアポトーシス薬剤、特に、ドキソルビシン、メトトレキサート、タキソール、CPT−11、カンプトテシン類(camptothecans)、ナイトロジェンマスタード、ゲムシタビン、アルキルスルホン酸、ニトロソ尿素類、葉酸類似体、ピリミジン類似体、プリン類似体、白金配位錯体、シュードモナス(Pseudomonas)外毒素、リシン、アブリン、5−フルオロウリジン、リボヌクレアーゼ(RNase)、DNaseI、ブドウ球菌(Staphylococcal)エンテロトキシン−A、ヨウシュヤマゴボウ(pokeweed)抗ウイルスタンパク質、ゲロニン、ジフテリア(diphtherin)毒素、シュードモナス(Pseudomonas)外毒素、およびシュードモナス(Pseudomonas)内毒素などを含む(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第19版、(Mack Publishing Co.1995年)、Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics (McGraw Hill、2001年)、パスタン(Pastan)ら(1986年)Cell47:641、ゴールデンベルグ(Goldenberg)(1994年)Cancer Journal for Clinicians 44:43、米国特許第6,077,499号明細書を参照のこと、それらの開示内容全体が参照により本明細書に援用される)。毒素は、動物、植物、真菌、または微生物由来であり得るか、または化学合成によりデノボで作製され得ることが理解されよう。
毒素または他の化合物は、任意の多くの利用可能な方法を使用して、直接的もしくは間接的に抗体に連結することができる。例えば、薬剤を、N−スクシニル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)のような架橋剤を使用するジスルフィド結合形成を介するか、または抗体のFc領域における炭水化物部分を介して、還元型抗体成分のヒンジ領域に付着させることができる(例えば、ウー(Yu)ら(1994年)Int.J.Cancer56:244、ウォング(Wong)、Chemistry of Protein Conjugation and Cross−linking(CRC Press1991年)、ウペスラシス(Upeslacis)ら、「Modification of Antibodies by Chemical Methods」、Monoclonal antibodies:principles and applications、バーチ(Birch)ら(編)、187−230頁(Wiley−Liss,Inc.1995年)、プライス(Price)、「Production and Characterization of Synthetic Peptide−Derived Antibodies」、Monoclonal antibodies:Production,engineering and clinical application、リッター(Ritter)ら(編)、60−84頁(Cambridge University Press 1995年)、カテル(Cattel)ら(1989年)Chemistry today7:51−58、デルプリノ(Delprino)ら(1993年)J.Pharm.Sci82:699−704、アルピッコ(Arpicco)ら(1997年)Bioconjugate Chernistry8:3、ライスフィールド(Reisfeld)ら(1989年)Antihody,Immunicon.Radiopharrn.2:217を参照のこと、それらのそれぞれの開示内容全体が参照により本明細書に援用される)。
1つの好適な実施形態では、抗体は、I−131のような放射性同位元素で誘導体化される。多くの適切な放射性同位元素のいずれかを使用することができ、インジウム−111、ルテチウム−171、ビスマス−212、ビスマス−213、アスタチン−211、銅−62、銅−64、銅−67、イットリウム−90、ヨウ素−125、ヨウ素−131、リン−32、リン−33、スカンジウム−47、銀−111、ガリウム−67、プラセオジム−142、サマリウム−153、テルビウム−161、ジスプロシウム−166、ホルミウム−166、レニウム−186、レニウム−188、レニウム−189、鉛−212、ラジウム−223、アクチニウム−225、鉄−59、セレン−75、ヒ素−77、ストロンチウム−89、モリブデン−99、ロジウム−105、パラジウム−109、プラセオジム−143、プロメチウム−149、エルビウム−169、イリジウム−194、金−198、金−199、および鉛−211を含むがこれらに限定されない。一般に、放射性核種は、好ましくは、オージェ放射体については、20〜6,000keVの範囲、好ましくは、60〜200keVの範囲で、β放射体については100〜2,500keV、およびα放射体については4,000〜6,000keVの崩壊エネルギーを有する。α粒子の発生に伴って実質的に崩壊する放射性核種もまた好適である。
本方法に含まれる細胞障害性部分を選択する際に、該部分は、ヒト身体における心臓、腎臓、脳、肝臓、骨髄、直腸、乳、前立腺、甲状腺、胆嚢、肺、副腎、筋肉、神経線維、膵臓、皮膚、あるいは他の生命を維持する器官または組織から選択される1つもしくはそれ以上の組織のような生命を維持する正常な組織に対して有意なインビボでの副作用を発揮しないことを確実にすることが所望される。本明細書で使用する用語「有意な副作用」は、インビボで投与する場合、化学療法中に通常遭遇するような極僅かなもしくは臨床的に管理可能な副作用しか生じない抗体、リガンドまたは抗体コンジュゲートを指す。
一旦、所望される抗原(例えば、好ましくは、4Ig−B7−H3)に特異的に結合することが公知であり、ヒトにおける使用に適切にされ、場合により、毒性部分を含むように誘導体化されている抗体が得られると、それらは、一般に、標的細胞の活性を妨害する、影響を及ぼす、および/または該細胞を死滅させるそれらの能力について評価される。一般に、競合に基づくアッセイ、ELISA、ラジオイムノアッセイ、ウエスタンブロッティング、BIACOREに基づくアッセイ、およびフローサイトメトリーアッセイを含む4Ig−B7−H3および4Ig−B7−H3Rに結合する抗体を検出するための上記のアッセイは、ヒト化、キメラ、または細胞障害性抗体のような他のヒトに適切な抗体とそれらの標的細胞との相互作用を検出するために、同等に適用することができる。典型的に、標的細胞は、増殖性障害、具体的には、腫瘍または炎症性障害を伴う患者から採取される細胞である。
本アッセイでは、ヒト化またはヒトに適切な治療用(例えば、細胞障害性)抗体が4Ig−B7−H3ポリペプチドまたは前記ポリペプチドを発現する細胞に結合する能力は、コントロールタンパク質、例えば、構造的に関連しない抗原に対して惹起された抗体、または非Igペプチドもしくはタンパク質が同じ標的に結合する能力と比較される。任意の適切なアッセイを使用して、コントロールタンパク質と比べて25%、50%、100%、200%、1000%もしくはそれ以上増加した親和性を伴うと評価される標的細胞または4Ig−B7−H3ポリペプチドに結合する抗体あるいはフラグメントは、標的に「特異的に結合する」または「特異的に相互作用する」と言われており、下記の治療方法における使用に好適である。
結合に加えて、抗体が増殖を阻害する、または好ましくは、標的細胞を死滅させる能力を評価することができる。1つの実施形態では、4Ig−B7−H3を発現するヒト細胞は、障害を伴う患者から採取され、プレート、例えば、96ウェルプレートに導入され、多様な量の関連抗体に暴露される。バイタル染料、即ち、AlamarBlue(BioSource International,Camarillo、カリフォルニア州)のような無傷(intact)な細胞によって取り込まれる色素を添加し、洗浄して、過剰な染料を除去することにより、光学密度(抗体によって死滅した細胞が多いほど、光学密度が低い)によって、生存可能な細胞の数を測定することができる。(例えば、コノリー(Connolly)ら(2001年)J Pharm Exp Ther298:25−33(その開示内容は、その全体が参照により本明細書に援用される)を参照のこと)。他の任意の適切なインビトロ細胞障害性アッセイ、細胞増殖もしくは生存を測定するためのアッセイ、または標的細胞活性を検出するためのアッセイを、同等に使用することができ、同じく、例えば、抗体を動物モデル、例えば、4Ig−B7−H3を発現するヒト細胞を含有するマウスに投与し、4Ig−B7−H3発現標的細胞の生存または活性に対する抗体投与の影響を経時的に検出するインビボアッセイも使用することができる。また、抗体が非ヒト4Ig−B7−H3タンパク質、例えば、霊長類4Ig−B7−H3発現細胞と交差反応する場合、治療用抗体を、インビトロまたはインビボで使用して、4Ig−B7−H3を発現する動物由来の標的細胞に結合するおよび/または死滅させる抗体の能力を評価することができる。
過剰増殖性細胞の増殖をインビトロもしくはインビボで、検出可能な程度で遅らせるか、停止するか、または反転させることができる任意の抗体、好ましくは、ヒトに適切な抗体、例えば、細胞障害性抗体を、本方法において使用することができる。好ましくは、抗体は、増殖を停止する(例えば、標的化された4Ig−B7−H3ポリペプチドを発現する細胞の数の増加をインビトロもしくはインビボで防止する)ことが可能であり、最も好ましくは、抗体は、増殖を反転させることができ、そのような細胞の総数の減少をもたらす。所定の実施形態では、抗体は、4Ig−B7−H3ポリペプチドを発現する細胞の数の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の減少を生じることが可能である。
従って、1つの好適な実施形態では、本発明は、癌腫、メラノーマおよび神経芽細胞腫のような増殖性障害の処置における使用に適切な抗体を産生させるための方法を提供し、該方法は、次の工程を含んでなる:a)細胞の表面上に存在する4Ig−B7−H3に特異的に結合する複数の抗体を提供すること、b)抗体が増殖性障害を伴う1つもしくはそれ以上の患者から採取される細胞(好ましくは、増殖性細胞または腫瘍細胞)に結合する能力を試験すること、c)前記複数の抗体から、1つもしくはそれ以上の前記患者から採取される実質的な数の細胞に結合する抗体を選択すること、およびd)前記抗体をヒトへの投与に適切にすること。1つの実施形態では、方法は、細胞障害性薬剤が前記抗体に連結される工程をさらに含んでなる。そのような方法では、「実質的な数」は、例えば、30%、40%、50%、好ましくは、60%、70%、80%、90%もしくはそれ以上の百分率の細胞を意味し得る。
等価な方法を使用して、動物を処置するか、または動物モデルにおいて試験するのに適切な抗体を産生させることができることが理解されよう。その場合、抗体は、関連動物由来、および所望されない細胞増殖に関与する動物疾患において普及している4Ig−B7−H3タンパク質を特異的に認識することが可能であることが確実にされている。同様に、抗体は、特定の動物への投与に適切であるように改変される。
ADCCを誘導するための改変された能力を有する抗体
いくつかの実施形態では、本発明は、FcγR、例えば、FcγRIIIを活性化するための変更された親和性(高いまたは低い親和性のいずれか)を有する変更された抗体を提供する。ある好適な実施形態では、FcγRに対しより高い親和性を有する変更された抗体が提供される。好ましくは、そのような改変はまた、変更されたFc仲介エフェクター機能を有する。このことは、排除のためにIg4−B7−H3発現細胞を標的化するために抗Ig4−B7−H3抗体を使用する場合に有利であり得る。
Fc仲介エフェクター機能に影響を及ぼす改変は、当該分野において周知である(米国特許第6,194,351号明細書(その全体が本明細書において参照により援用される)を参照のこと)。改変することができるアミノ酸として、プロリン329、プロリン331、およびリジン322が挙げられるが、これらに限定されない。プロリン329および/または331、およびリジン322は、好ましくは、アラニンで置換可能であるが、任意の他のアミノ酸との置換も考えられる。国際公開第00/142072号パンフレットおよび米国特許第6,194,551号明細書(それらの全体が参照により本明細書に援用される)を参照のこと。
従って、Fc領域の改変は、抗体Fc領域に見出されるアミノ酸に対する1つもしくはそれ以上の変更を含んでなり得る。そのような変更は、変更された抗体仲介エフェクター機能、他のFc受容体(例えば、Fc活性化受容体)への変更された結合、変更されたADCC活性、変更されたClq結合活性、変更された相補依存性細胞障害活性、またはそれらの任意の組み合わせを伴う抗体を生じ得る。
本発明はまた、変更されたオリゴ糖含有量を伴う抗体を提供する。本明細書において使用されるように、オリゴ糖は、2つもしくはそれ以上の簡単な20の糖を含有する炭水化物を指し、2つの用語は本明細書において交換可能に使用され得る。本発明の炭水化物部分については、当該分野において一般的に使用される命名法を参考にして記載する。炭水化物化学のレビューについては、例えば、ハバード(Hubbard)ら、1981年、Ann.Rev.Biochem.,50:555−583(本明細書においてその全体が参照により援用される)を参照のこと。この命名法は、例えば、マンノースを表すMan、2−N−アセチルグルコサミンを表すGlcNAc、ガラクトースを表すGal、フコースのFucおよびグルコースのGlcを含む。シアル酸は、5−N−アセチルノイラミン酸の省略表記NeuNAc、および5−グリコイルノイラミン酸(glycolneuraminic)のNeuNGcによって記載される。
抗体は、典型的に、重鎖の定常領域の保存された位置で炭水化物部分含有し、30%までのヒトIgGは、グリコシル化Fab領域を有する。IgGは、CH2ドメインに存在するAsn297において単一のN結合型二分岐炭水化物構造を有する(ジェフリーズ(Jefferis)ら、1998年,Immunol.Rev.163:59−76、ライト(Wright)ら、1997年,Trends Biotech15:26−32)。ヒトIgGは、典型的に、次の構造炭水化物、GlcNAc(フコース)−GlcNAc−Man−(ManGlcNAc)2を有する。しかし、IgG間で炭水化物含有量の変動が生じ、変更された機能がもたらされる。例えば、ヤッサール(Jassal)ら、35、2001年Biochem.Biophys.Res.Commun.288:243−9、グローニンク(Groenink)ら、1996年J.Immunol.26:37 1404−7、ボイド(Boyd)ら、1995年Mol.Immunol.32:1311−8、クンペル(Kumpel)ら、1994年、Human Antibody Hybridomas,5:143−5を参照のこと。
Asn297に付着された炭水化物部分の変動を含んでなる抗体もまた、主題発明によって提供される。炭水化物部分は、末端のGlcNAcおよび/または3番目のGlcNac鎖のうちの一方または両方において、ガラクトースおよび/またはガラクトース−シアル酸を有することができる。いくつかの実施形態では、抗体は、1つもしくはそれ以上の選択される糖基、例えば、1つもしくはそれ以上のシアル酸残基、1つもしくはそれ以上のガラクトース残基、および/または1つもしくはそれ以上のフコース残基を実質的に含まない。1つもしくはそれ以上の選択される糖基を実質的に含まない抗体は、例えば、組成物における約90〜100%の抗体が、炭水化物部分に付着される選択される糖基を欠くように、選択される糖基の抗体の炭水化物部分への付加を欠損する宿主細胞において本発明の抗体を組換え産生させることを含む、当業者に公知の一般的方法を使用して、調製することができる。
そのような抗体を調製するための代替的方法は、例えば、1つもしくはそれ以上の選択される糖基の付加を防止もしくは減少する条件下で細胞を培養すること、または1つもしくはそれ以上の選択される糖基の翻訳後の除去を含む。特定の実施形態では、実質的に均質な抗体調製物を産生させる方法であって、ここで、組成物における約80〜100%の抗体は、その炭水化物部分(例えば、Asn297における炭水化物付着)上においてフコースを欠く上記方法が提供される。抗体は、例えば、(a)細胞がそこで発現されるタンパク質をフコシル化するための減少した能力を有するようにフコース代謝を欠損する操作された宿主細胞の使用、(b)フコシル化を防止もしくは減少する条件下で細胞を培養すること、(c)例えば、フコシダーゼ酵素によるフコースの翻訳後除去、または(d)フコシル化されていない産物について選択するような抗体の精製によって調製することができる。最も好ましくは、所望される抗体をコードする核酸が、そこで発現される抗体をフコシル化するための減少した能力を有する宿主細胞において発現される。
そのような抗体の産生のための宿主細胞は、好ましくは、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHR)欠損である。チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)は、当該分野において公知であり、例えば、Lec13CHO細胞(レクチン耐性CHO変異細胞株、リブカ(Ribka)およびスタンリー(Stanley)、1986年,Somatic Cell&Molec.Gen.12(1):51−62、リプカ(Ripka)ら、1986年Arch.Biochem.Biophys.249(2):533−45)、CHO−Kl、DUX−B11、CHO−DP12またはCHO−DG44がある。そのような細胞は、抗体が実質的にフコシル化されないように改変することができる。従って、酵素が細胞において低減した活性および/または減少した発現レベル有するように、細胞は、フコシルトランスフェラーゼ酵素、またはN−結合オリゴ糖にフコースを付加することに関与する別の酵素もしくは基質の変更された発現および/または活性を示し得る。変更されたフコース含有量を伴う抗体を賛成させるための方法については、例えば、国際公開第03/035835号パンフレットおよびシールズ(Shields)ら、2002年,J.Biol.Chem.277(30):26733−40を参照のこと、両方ともそれらの全体が参照により本明細書に援用される。
変更された炭水化物改変は、抗体の1つもしくはそれ以上の次の特徴をモジュレートすることができる:抗体の可溶化、抗体の細胞内輸送および分泌の簡易化、抗体集成の促進、コンフォメーションの完全性、および抗体仲介エフェクター機能。特定の実施形態では、変更された炭水化物改変は、炭水化物改変を欠く抗体と比べて、抗体仲介エフェクター機能を増強する。変更された抗体仲介エフェクター機能をもたらす炭水化物改変は、当該分野において周知である(シールズ R.L.(Shields R.L.)ら、2001,10J.Biol.Chem.277(30):26733−40、デイビス J.(Davies J.)ら、2001年、Biotechnology&Bioengineering,74(4):288−294を参照のこと)。
変更された炭水化物改変は、本発明の抗体のFcγR受容体(例えば、FcγRIIIA)への結合を増強する。本発明の方法に従って炭水化物改変を変更することは、例えば、抗体の炭水化物含有量を増加することまたは抗体の炭水化物含有量を減少することを含む。炭水化物含有量を変更する方法は、当業者に公知であり、例えば、ウォリック(Wallick)ら、1988年,Journal of Exp.Med.168(3):1099−1109、タオ(Tao)ら、1989年Journal of Immunology,143(8):2595−2601、ラウトレッジ(Routledge)ら、1995年、Transplantation,60(8):847−53、エリオット(Elliott)ら2003年、Nature Biotechnology,21:414−21、シールズ(Shields)ら、2002年Journal of Biological Chemistry,277(30):26733−40を参照のこと、すべてにおいてそれらの全体が参照により本明細書に援用される。本発明のいくつかの態様では、1つもしくはそれ以上の炭水化物部分が抗体に共有結合されるように、1つもしくはそれ以上のグリコシル化部位を含んでなる抗体が提供される。他の実施形態では、本発明は、上掲において開示されたものおよび当業者に公知のもののようなFc領域において1つもしくはそれ以上のグリコシル化部位および1つもしくはそれ以上の改変を含んでなる抗体を包含する。好適な実施形態では、Fc領域における1つもしくはそれ以上の改変は、野生型Fc領域を含んでなる抗体と比べて、FcγR、例えば、FcγIIIAを活性するための抗体の親和性を増強する。Fc領域において1つもしくはそれ以上のグリコシル化部位および/または1つもしくはそれ以上の改変を伴う本発明の抗体は、増強された抗体仲介エフェクター機能、例えば、増強されたADCC活性またはNK活性化活性を有する。
いくつかの実施形態では、本発明は、241、243、244、245、245、249、256、258、260、262、264、265、296、299、および301位のアミノ酸を含むがこれらに限定されない、抗体の炭水化物部分と相互作用することが直接的または間接的に公知であるアミノ酸の1つもしくはそれ以上の改変を含んでなる抗体をさらに含んでなる。抗体の炭水化物部分と直接的または間接的に相互作用するアミノ酸は、当該分野において公知であり、例えば、ジェフリーズ(Jefferis)ら、1995年Immunology Letters,44:111−7(本明細書においてその全体が参照により援用される)を参照のこと。
好ましくは、抗体の機能性、例えば、FcγRIIIに対する結合活性を変更することを伴わずに、1つもしくはそれ以上のグリコシル化部位を抗体の1つもしくはそれ以上の部位に導入することによって改変されている抗体もまた、主題発明の実践において使用することができる。グリコシル化部位は、本発明の抗体の可変および/または定常領域に導入してもよい。本明細書において使用されるように、「グリコシル化部位」は、オリゴ糖(即ち、共に連結された2つもしくはそれ以上の簡単な糖を含有する炭水化物)が特異的および共有結合する抗体において任意の特定のアミノ酸配列を含む。オリゴ糖側鎖は、典型的に、N−またはO−結合のいずれか一方を介して、抗体の骨格に連結される。N−結合型グリコシル化は、アスパラギン残基の側鎖へのオリゴ糖部分の付着を指す。O−型結合グリコシル化は、ヒドロキシアミノ酸、例えば、セリン、スレオニンへのオリゴ糖部分の付着を指す。本発明の抗体は、N−結合型およびO−結合型グリコシル化部位を含む1つもしくはそれ以上のグリコシル化部位を含んでなり得る。当該分野において公知のN−結合型またはO−結合型グリコシル化の任意のグリコシル化部位は、本発明に従って使用することができる。本発明の方法に従って有用である例示的N−結合型グリコシル化部位は、アミノ酸配列:Asn−X−Thr/Ser[式中、Xは任意のアミノ酸であってもよく、Thr/Serはスレオニンまたはセリンを示す]である。そのような部位(単数または複数)は、本発明が関する当該分野において周知の方法を使用して、本発明の抗体に導入してもよい。例えば、「In Vitro Mutagenesis」、Recombinant DNA:A Short Course、J.D.ワトソン(J.D.Watson)ら、W.H.Freeman and Company、ニューヨーク、1983年、第8章、106−116頁、(本明細書においてその全体が参照により援用される)を参照のこと。
グリコシル化部位を本発明の抗体に導入するための例示的方法は、所望されるAsn−X−Thr/Ser配列が得られるように、抗体のアミノ酸配列を改変または変異することを含んでなり得る。いくつかの実施形態では、本発明は、グリコシル化部位を付加または欠失することによって、本発明の抗体の炭水化物含有量を改変する方法を包含する。抗体の炭水化物含有量を改変する方法は当該分野において周知であり、本発明内に包含され、例えば、米国特許第6,218,149号明細書、EP0359096B1号明細書、米国特許公開第200210028486号明細書、国際公開第03/035835号パンフレット、米国特許公開第2003/0115614号明細書、米国特許第6,218,149号明細書、米国特許第6,472,511号明細書を参照のこと、すべてにおいてそれらの全体が参照により本明細書に援用される。他の実施形態では、本発明は、抗体の1つもしくはそれ以上の内因性炭水化物部分を欠失することによって、本発明の抗体の炭水化物含有量を改変する方法を包含する。
本発明は、本発明の抗体のエフェクター機能を改変する方法をさらに包含し、ここで、方法は、本明細書において開示されるまたは当該分野において公知の方法を使用して、抗体の炭水化物含有量を改変することを含んでなる。例えば、部位特異的変異誘発およびアミノ酸置換を生じるPCR仲介変異誘発を含む当業者に公知の標準的な技術を使用して、抗体、またはそのフラグメントをコードするヌクレオチド配列に変異を導入することができる。好ましくは、誘導体は、本来の抗体またはそのフラグメントと比べて、15アミノ酸置換未満、10アミノ酸置換未満、5アミノ酸置換未満、4アミノ酸置換未満、3アミノ酸置換未満、または2アミノ酸置換未満を含む。好適な実施形態では、誘導体は、1つもしくはそれ以上の推定された非必須アミノ酸残基で作製される保存的アミノ酸置換を有する。本発明はまた、本明細書において考察される抗Ig4−B7−H3抗体の可変重鎖および/または軽鎖のアミノ酸配列に少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%同一である可変重鎖および/または可変軽鎖のアミノ酸配列を含んでなる抗体あるいはそのフラグメントを包含する。好適な別の実施形態では、本発明は、同じFcγRに特異的に結合する関連しない抗体またはそのフラグメントよりも大きい親和性でFcγR(例えば、NK細胞において見出されるFcγR)に特異的に結合する「変更された抗体」またはそのフラグメントを提供する。
4Ig−B7−H3ポリペプチド、擬似物およびインヒビター
本発明はまた、4Ig−B7−H3ポリペプチドならびにその改変体および誘導体を使用する方法を提供する。そのようなポリペプチドは、例えば、4Ig−B7−H3リガンドを同定するため、4Ig−B7−H3リガンドを発現する細胞(例えば、NK細胞)を同定するため、4Ig−B7−H3Rおよび/またはNK細胞あるいはより一般的には、免疫細胞またはTリンパ球活性をモジュレート(刺激または阻害)するために使用してもよい。
1つの態様では、本発明は、4Ig−B7−H3キメラまたは融合タンパク質を提供する。本明細書において使用されるように、4Ig−B7−H3「キメラタンパク質」または「融合タンパク質」は、非4Ig−B7−H3ポリペプチドに作動可能に連結される、好ましくは、インフレームで融合される4Ig−B7−H3ポリペプチドを含んでなる。好適な実施形態では、4Ig−B7−H3融合タンパク質は、4Ig−B7−H3タンパク質の少なくとも1つの生物学的に活性なドメインを含んでなる(図8を参照のこと)。別の好適な実施形態では、4Ig−B7−H3融合タンパク質は、4Ig−B7−H3タンパク質の少なくとも2つの生物学的に活性なドメインを含んでなる。例えば、1つの実施形態では、融合タンパク質は、4Ig−B7−H3配列がGST配列のC末端に融合されるGST−4Ig−B7−H3融合タンパク質である。そのような融合タンパク質は、組換え4Ig−B7−H3の精製を容易にすることができる。別の実施形態では、融合タンパク質は、例えば、所定の宿主細胞における所望される細胞局在を可能にするためのように、そのN末端に異種シグナル配列を含有する4Ig−B7−H3タンパク質である。本発明の4Ig−B7−H3−融合タンパク質は、例えば、被験体において抗4Ig−B7−H3抗体を産生させるための免疫原として、4Ig−B7−H3リガンドを精製するために、NK細胞活性をモジュレートするために、およびスクリーニングアッセイにおいて、4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3受容体との相互作用を阻害する分子を同定するために、使用することができる。
好適な実施例では、融合タンパク質は、4Ig−B7−H3タンパク質、好ましくは、免疫グロブリンタンパク質のFc部分に融合された少なくとも1つのアミノ酸欠失、置換または挿入を有する4Ig−B7−H3タンパク質を包含する。抗体は、2つの機能的に独立した部分、抗原に結合する「Fab」として公知である可変ドメイン、および補体または食細胞のようなエフェクター機能への連結を提供する「Fc」として公知の定常ドメインを含んでなる。免疫グロブリンのFc部分は、長期の血漿中半減期を有する一方、Fabは短命である(ケイポン(Capon)ら、Nature337:525−531(1989年))。好ましくは、Fc部分は4Ig−B7−H3タンパク質のC末端に融合されるが、N末端にも融合され得る。Fc−融合タンパク質およびそれらを作製する方法については、本実施例、ならびにPCT公報国際公開第03/104282号パンフレット、国際公開第03/068977号パンフレット、国際公開第00/69913号パンフレット、および国際公開第98/28427号パンフレットおよび米国特許公開第20040067520A1号明細書に記載されている。治療用タンパク質産物は、より長期の半減期を提供するため、またはFc受容体結合性、タンパク質A結合性、補体固定化および胎盤通過(すべて免疫グロブリンのFcタンパク質に存在する)のような機能を組み入れるために、Fcドメインを使用して構築されている。例えば、IgG1抗体のFc領域は、CD30−LのN末端に融合されている(米国特許第5,480,981)。サイトカインの短い循環半減期を増加するために、IL−10、抗炎症性および抗拒絶剤が、マウスFcy2aに融合されている(チェン,X.(Zheng,X.)ら、TheJournal of Immunology,154:5590−5600(1995年))。また、研究により、敗血症性ショックを伴う患者を処置するためにヒトIgGlのFcタンパク質に連結された腫瘍壊死因子受容体の使用が評価されている(フィッシャー,C.(Fisher,C.)ら、N.Engl.J.Med.,334:1697−1702(1996年)、およびバンジー,K.(Van Zee,K.)ら、The Journal of Immunology,156:2221−2230(1996年))。Fcもまた、AIDSの処置のための治療用タンパク質を産生させるために、CD4受容体に融合されている。(ケイポン(Capon)ら、Nature,337:525−531(1989年))。さらに、インターロイキン2のN末端もまた、インターロイキン2の短い半減期およびその全身毒性を克服するために、IgG1またはIgG3のFc部分に融合されている(ハービル(Harvill)ら、Immunotechnology,1:95−105(1995年))。上記の参考文献のそれぞれの開示内容は、Fc融合タンパク質を作製および使用する方法について、本明細書において参照により援用されている。
本発明はまた、4Ig−B7−H3擬似物またはNK細胞活性のインヒビターのいずれか一方として機能する4Ig−B7−H3タンパク質の改変体の使用に関する。4Ig−B7−H3タンパク質の生物学的に活性なタンパク質は、4Ig−B7−H3タンパク質のアミノ酸配列に十分に相同であるかまたは該アミノ酸から誘導されるアミノ酸配列、例えば、配列番号2または完全長の4Ig−B7−H3タンパク質よりも短いアミノ酸を含み、4Ig−B7−H3タンパク質の少なくとも1つ活性を示すスタインバーグ(Steinberger)ら、(2004年)、上掲において示されるアミノ酸配列を含んでなるペプチドを含む。好ましくは、前記活性は、NK細胞の活性を増強することを含んでなる。典型的に生物学的に活性なタンパク質は、4Ig−B7−H3タンパク質の少なくとも1つの活性を伴うドメインまたはモチーフ、好ましくは、図8に示されるドメイン由来の少なくとも1つのドメインを含んでなる。4Ig−B7−H3タンパク質の生物学的に活性なタンパク質は、例えば、少なくとも15、25、40、50、75、100、150、200、250もしくは300、400もしくは500アミノ酸長であるポリペプチドであり得る。好ましくは、活性な4Ig−B7−H3ポリペプチドは、四量体の形態であるか、または4Ig−B7−H3四量体を形成することが可能である。
好適な実施形態では、本発明は、NK細胞活性を阻害することが可能であり、および/または4Ig−B7−H3受容体に結合することが可能である4Ig−B7−H3タンパク質を提供する。好ましくは、そのような4Ig−B7−H3タンパク質は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含んでなるか、それから本質的になるか、またはそれからなる。本発明はまた、配列番号1またはスタインバーグ(Steinberger)ら(2004年)における図3に示されるヌクレオチド配列、その相補配列もしくはさらにフラグメントによってコードされるポリペプチドに関する。本発明は、配列番号2の配列の少なくとも6アミノ酸、好ましくは少なくとも8〜10アミノ酸、より好ましくは少なくとも12、15、20、25、30、40、50、100、150、200、250、300、400もしくは500アミノ酸の連続スパンを含んでなる単離された、精製された、および組換え4Ig−B7−H3タンパク質を包含する。他の好適な実施形態では、アミノ酸の連続ストレッチは、4Ig−B7−H3タンパク質配列におけるアミノ酸の欠失、付加、スワップまたは縮重を含む変異または機能的変異の部位を含んでなる。場合により、完全長4Ig−B7−H3タンパク質の前記部分は、可溶性4Ig−B7−H3タンパク質である。1つの例では、完全長4Ig−B7−H3タンパク質の部分は:IgV1、IgC1、IgV2およびIgC2からなるドメインから選択される1つもしくはそれ以上のドメインを含んでなる。好ましくは、完全長4Ig−B7−H3タンパク質の前記部分は、すべての4つのIgV1、IgC1、IgV2およびIgC2メインのうちの2つ、3つを含んでなる。場合により、完全長4Ig−B7−H3タンパク質の前記部分は、Lドメインをさらに含んでなる。1つの態様では、完全長4Ig−B7−H3タンパク質の前記部分は、TMドメイン含まず、および/またはCTドメインを含まない。生来の4Ig−B7−H3タンパク質のドメインおよびそれに対応するアミノ酸位置を図8に提供する。
他の好適な実施形態では、NK細胞活性を増強することが可能な4Ig−B7−H3タンパク質は、少なくとも1、2、3、5、10もしくは20アミノ酸置換を含んでなる4Ig−B7−H3ポリペプチドである。好ましくは、前記ポリペプチドは、4Ig−B7−H3Rタンパク質に結合し、4Ig−B7−H3Rタンパク質のNK阻害活性を阻止することが可能である。別の実施形態では、4Ig−B7−H3R活性を阻止し、NK細胞活性を増強することが可能な4Ig−B7−H3タンパク質は、配列番号2の配列の少なくとも6アミノ酸、好ましくは、少なくとも8〜10アミノ酸、より好ましくは少なくとも12、15、20、25、30、40、50、100、150、200、250、300、400もしくは500アミノ酸の連続スパンを含んでなる全長4Ig−B7−H3タンパク質の部分であり、場合により、全長4Ig−B7−H3タンパク質の前記部分は、可溶性4Ig−B7−H3タンパク質である。1つの例では、完全長4Ig−B7−H3タンパク質の部分は:IgV1、IgC1、IgV2およびIgC2からなるドメインから選択される1つもしくはそれ以上のドメインを含んでなる。好ましくは、完全長4Ig−B7−H3タンパク質の前記部分は、すべての4つのIgV1、IgC1、IgV2およびIgC2メインのうちの2つ、3つを含んでなる。場合により、完全長4Ig−B7−H3タンパク質の前記部分は、Lドメインをさらに含んでなる。1つの態様では、完全長4Ig−B7−H3タンパク質の前記部分は、TMドメイン含まず、および/またはCTドメインを含まない。生来の4Ig−B7−H3タンパク質のドメインおよびそれに対応するアミノ酸位置を図8に提供する。
NK細胞を増強することが可能な4Ig−B7−H3タンパク質は、好ましくは、NK細胞に結合するが、NK細胞の活性化または細胞障害性を阻害しない組成物である。さらに、前記4Ig−B7−H3タンパク質は、好ましくは、配列番号2の4Ig−B7−H3ポリペプチドと比較して、少なくとも1つのアミノ酸挿入、欠失または置換を含んでなる4Ig−B7−H3ポリペプチドを含んでなる組成物である。好ましくは、4Ig−B7−H3ポリペプチドを含んでなる組成物は、可溶性ポリペプチドである。好ましくは、4Ig−B7−H3ポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖タンパク質のFc部分に融合される。
他の態様では、4Ig−B7−H3インヒビターポリペプチド(例えば、NK細胞増強ポリペプチド)は、四量体形態ではなく、または好ましくは、改変(例えば、1つもしくはそれ以上のアミノ酸置換またはアミノ酸欠失)を含んでなるか、または野生型4Ig−B7−H3タンパク質のフラグメントを含んでなり、生理学的条件下で4Ig−B7−H3四量体形成し得ない。
他の実施形態では、4Ig−B7−H3タンパク質は、実質的に配列番号2の配列に相同であり、配列番号2のタンパク質の機能的活性を保持し、なお、天然の対立遺伝子のばらつきまたは変異のためアミノ酸配列が異なる。従って、別の実施形態では、4Ig−B7−H3タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列に少なくとも約60%相同なアミノ酸配列を含んでなり、配列番号2の4Ig−B7−H3タンパク質の機能的活性を保持するタンパク質である。好ましくは、タンパク質は、配列番号2のタンパク質またはそのフラグメントに少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%もしくは99.8%相同である。
2つのアミノ酸配列または2つの核酸の相同性パーセントを決定するために、配列を、至適比較Purposesに対し整列させる(例えば、第2のアミノまたは核酸配列との至適アラインメントに対する第1のアミノ酸または核酸配列の配列にギャップを導入されることができ、比較目的のために非相同配列を無視することができる)。好適な実施形態では、比較目的のために整列される参照配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%、さらにより好ましくは少なくとも70%、80%、90%もしくは95%である(例えば、534アミノ酸残基を有する配列番号2の4Ig−B7−H3アミノ酸配列に対して第2の配列を整列させる場合、少なくとも100、好ましくは少なくとも200、より好ましくは少なくとも250、さらにより好ましくは500アミノ酸残基が整列され、あるいは配列番号2の4Ig−B7−H3核酸配列に対して第2の配列を整列させる場合、好ましくは、4Ig−B7−H3タンパク質のアミノ酸をコードする3419または3452ヌクレオチド、好ましくは少なくとも100、好ましくは少なくとも200、より好ましくは少なくとも300、さらにより好ましくは少なくとも400、およびさらにより好ましくは少なくとも500、600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、もしくは1000ヌクレオチド超を含んでなる、から本質的になる、またはからなるヒト4Ig−B7−H3配列を整列させる)。
次いで、アミノ酸位置またはヌクレオチド位置に対応するアミノ酸残基もしくはヌクレオチドを比較する。第1の配列における位置が、第2の配列における対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドによって占有される場合、分子は、該位置で相同である(即ち、本明細書において使用されるアミノ酸または核酸「同一性」は、アミノ酸または核酸「相同性」に等価である)。2つの配列間の相同性パーセントは、配列によって共有される理想的な位置の数の関数である(即ち、相同性%=理想的な位置の数(#)/位置の総数(#)100)。
配列の比較および2つの配列間の相同パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。配列の比較のために利用される数学的アルゴリズムの好適な非限定的例は、カーリン(Karlin)およびアルトシュル(Altschul)(1993年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:5873において改変されたカーリン(Karlin)およびアルトシュル(Altschul)(1990年)Proc.NatI.Acad.Sci.USA87:2264−68のアルゴリズムである。そのようなアルゴリズムは、アルトシュル(Altschul)ら(1990年)J.Mol.Biol.215:403のNBLASTおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)に組み入れられる。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム、スコア=1,00で実施することができ、配列の比較のために利用される数学的アルゴリズムの非限定的例は、マイヤーズ(Myers)およびミラー(Miller)、CABIOS(1989年)のアルゴリズムである。そのようなアルゴリズムは、GCG配列アラインメントソフトウェアパッケージの部分であるALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み入れられる。アミノ酸配列を比較するためのALIGNプログラムを利用する場合、PAM120重み残基表、12のギャップ長ペナルティ、および4のギャップペナルティを使用することができる。
4Ig−B7−H3タンパク質の改変体は、変異誘発、例えば、4Ig−B7−H3タンパク質の個別の点変異誘発または縮重によって作製することができる。4Ig−B7−H3アゴニストタンパク質は、4Ig−B7−H3タンパク質の天然に存在する形態と実質的に同じ生物学的活性か、またはその部分集合を保持することができる。4Ig−B7−H3アンタゴニストタンパク質は、例えば、NK細胞上の4Ig−B7−H3受容体に対する天然に存在する4Ig−B7−H3タンパク質の結合を競合的に阻害することによって、4Ig−B7−H3タンパク質の天然に存在する形態の1つもしくはそれ以上の活性を阻害することができる。従って、制限された機能の改変体による処置によって、特定の生物学的効果を誘発することができる。1つの実施形態では、4Ig−B7−H3アゴニスト(擬似物)または4Ig−B7−H3アンタゴニストのいずれかとして機能する4Ig−B7−H3タンパク質の改変体は、4Ig−B7−H3タンパク質アゴニストまたはアゴニスト活性に対する4Ig−B7−H3タンパク質の変異体、例えば、縮重変異体のコンビナトリアルラボラトリーをスクリーニングすることによって同定することができる。1つの実施形態では、4Ig−B7−H3改変体の多様なライブラリーが、核酸レベルでのコンビナトリアル変異誘発によって作製され、多様な遺伝子ライブラリーによってコードされる。潜在的4Ig−B7−H3配列の縮重の組が、個々のポリペプチドとして、あるいは、その中に4Ig−B7−H3配列の組を含有する(例えば、ファージディスプレイのための)より大きな融合タンパク質の組として発現可能であるように、例えば、合成オリゴヌクレオチドの混合物を遺伝子配列に酵素的に連結することによって、4Ig−B7−H3改変体の多様なライブラリーを生成することができる。縮重オリゴヌクレオチド配列から潜在的4Ig−B7−H3改変体のライブラリーを生成するために使用することができる様々な方法が存在する。縮重遺伝子配列の化学合成は、自動DNA合成機において実施することができ、次いで、合成遺伝子は、適切な発現ベクターに連結される。遺伝子の縮重の組の使用は、1つの混合物において、潜在的4Ig−B7−H3配列の所望される組をコードするすべての配列の供給を可能にする。
さらに、4Ig−B7−H3タンパク質コーディング配列のフラグメントのライブラリーを使用して、4Ig−B7−H3タンパク質の改変体のスクリーニングおよび以後の選択のための多様な集団の4Ig−B7−H3フラグメントを作製することができる。1つの実施形態では、1分子あたり約1回のみニックが入る条件下で、4Ig−B7−H3コーディング配列の二本鎖PCRフラグメントをヌクレアーゼで処置し、二本鎖DNAを変性させ、DNAを再生して、異なるニックが入った産物からセンス/アンチセンス対を含み得る二本鎖DNAを形成させ、SIヌクレアーゼに処置によって再形成された二重鎖から一本鎖部分を取り出し、得られるフラグメントライブラリーを発現ベクターに連結することによって、コーディング配列フラグメントのライブラリーを作製することができる。この方法によって、4Ig−B7−H3タンパク質の多様なサイズのN末端、C末端および内部フラグメントをコードする発現ライブラリーを誘導することができる。
点変異誘発または縮重によって作製されるコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングし、選択された特性を有する遺伝子産物のためのcDNAライブラリーをスクリーニングするためのいくらかの技術が当該分野において公知である。そのような技術は、4Ig−B7−H3タンパク質のコンビナトリアル変異によって作製される遺伝子ライブラリーの迅速スクリーニングに適応される。ハイスループット分析に従う大きな遺伝子ライブラリーをスクリーニングするための最も広範に使用される技術は、典型的に、遺伝子ライブラリーを複製可能な発現ベクターにクローニングすること、ベクターの得られるライブラリーで適切な細胞を形質転換すること、および所望される活性の検出により産物が検出された遺伝子をコードするベクターの単離が容易になる条件下でコンビナトリアル遺伝子を発現させることを含む。
NK細胞上のリガンドを同定するための4Ig−B7−H3の使用
4Ig−B7−H3タンパク質が4Ig−B7−H3リガンド、特に、NK細胞上に見出される4Ig−B7−H3受容体に結合するかまたは相互作用する能力を決定することは、任意の適切な方法、例えば、候補リガンドへの結合を決定するための方法によって、達成することができる。例えば、4Ig−B7−H3タンパク質またはその生物学的に活性なタンパク質を候補リガンドに接触させ、候補リガンドが4Ig−B7−H3タンパク質またはその生物学的に活性なタンパク質に結合する能力を決定するアッセイを使用することができる。候補リガンドの4Ig−B7−H3タンパク質への結合は、直接的または間接的のいずれかで決定することができる。直接結合は、BIAに基づくプロトコルを介して評価することができる。
1つの例では、4Ig−B7−H3リガンドを単離するための免疫沈降方法において4Ig−B7−H3タンパク質を使用することができる。任意の適切な方法を使用することができ、アウスベル(Ausubel)ら(編)、Current Protocols in Molecular Biology、1994年、John Wiley&Sons,USA(その開示内容は、本明細書において参照により援用される)を参照のこと。4Ig−B7−H3を固定化して、4Ig−B7−H3またはそのリガンドの非複合形態から複合形態の分離を容易にすること、ならびにアッセイの自動化を適応することも所望され得る。候補リガンドの4Ig−B7−H3タンパク質への結合は、反応物を含有するのに適切な任意の容器において達成され得る。そのような容器の例として、マイクロタイタープレート、試験管、およびマイクロ遠心管が挙げられる。1つの実施形態では、タンパク質の一方または両方がマトリックスに結合することを可能にするドメインを付加する融合タンパク質を提供することができる。例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/4Ig−B7−H3融合タンパク質またはグルタチオンS−トランスフェラーゼ/標的融合タンパク質を、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical,St.Louis、ミズーリ州)またはグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレート上に吸着させることができ、混合物は、複合体形成を援助する条件下(例えば、塩およびpHの生理学的条件で)でインキュベートされる。インキュベーション後、ビーズまたはマイクロタイタープレートウェルを洗浄して、任意の非結合成分(ビーズの場合は固定化されたマトリックス)を取り出し、例えば、上記のように、複合体を直接的または間接的のいずれかで決定する。あるいは、複合体をマトリックスから解離させることができ、標準的な方法を使用して、4Ig−B7−H3のレベルが決定される。4Ig−B7−H3リガンドの単離後、リガンドを消化することができ(例えば、トリプシンフラグメント)、末端アミノ酸配列を決定することができる。
マトリックス上にタンパク質を固定化するための技術を本発明のアッセイにおいて使用し、4Ig−B7−H3および候補リガンドの結合を妨害する化合物を同定することができる。例えば、ビオチンおよびストレプトアビジンのコンジュゲーションを利用して、4Ig−B7−H3タンパク質または候補リガンドのいずれか一方を固定化することができる。当該分野において周知の技術(例えば、ビオチン化Idt,Pierce Chemicals,Rockford,El.)を使用して、ビオチン−N−HS(N−ヒドロキシ−スクシンイミド)からビオチン化4Ig−B7−H3タンパク質または候補リガンドを調製し、ストレプトアビジン被覆96ウェルプレート(Pierce Chemical)のウェルに固定化することができる。あるいは、4Ig−B7−H3タンパク質または候補リガンドに反応性であるが、4Ig−B7−H3タンパク質のその標的分子への結合を妨害しない抗体をプレートのウェルに誘導体化して、抗体コンジュゲーションによって非結合型候補リガンドまたは4Ig−B7−H3タンパク質をウェルに捕捉することができる。これは、4Ig−B7−H3結合性を妨害する能力について試験しようとする化合物の存在または非存在下で行うことができる。タンパク質複合体を検出するための方法としては、GST固定化複合体についての上記の方法に加えて、4Ig−B7−H3タンパク質または候補リガンドに反応性である抗体を使用する複合体の免疫検出、ならびに4Ig−B7−H3タンパク質または候補リガンドに関連する酵素活性の検出に依存する酵素結合アッセイが挙げられる。
方法は、4Ig−B7−H3タンパク質の可溶性および/または膜結合型の両方の使用に従う。4Ig−B7−H3の膜結合型が使用される場合、単離されたタンパク質の膜結合型が溶液に維持されるように、可溶化剤を利用することが所望され得る。そのような可溶化剤の例として、非イオン性界面活性剤、例えば、nオクチルグルコシド、n−ドデシルグルコシド、n−ドデシルマルトシド(dodecymaltoside)、オクタノイル−N−メチルグルカミド、デカノイルN−メチルグルカミド、TritonTM X−100、TritonTm X−114、ThesitTm、イソトリデシルポリ(Isotridecypoly)(エチレングリコールエーテル)n、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミニオ]−I−プロパンスルホネート(CHAPS)、3−[(3コラミドプロピル)ジメチルアミニオール(dimethylamminiol)ヒドロキシ−l−プロパンスルホネート(CHAPSO)、またはNdodecyl=N,N−ジメチルアンモニオ−l−プロパンスルホネートが挙げられる。
処置方法のための化合物の投与
本方法を使用して生成される化合物は、広範な障害の処置において使用することができる。4Ig−B7−H3Rとそのリガンド(例えば、抗4Ig−B7−H3および抗4Ig−B7−H3R抗体)との相互作用を阻止する化合物は、一般的な様式でNK細胞活性を増強し得、従って、NK細胞がポジティブな効果を有することができる癌、自己免疫障害、感染性疾患を含むがこれらに限定されない任意の障害の処置に有用であり得る。
4Ig−B7−H3発現細胞の死滅を誘導する化合物は、増殖性障害、具体的には、腫瘍、炎症性および免疫増殖性障害、最も詳細には、神経芽細胞腫、癌腫およびメラノーマを処置するのに特に効果的である。4Ig−B7−H3に結合し、4Ig−B7−H3とそのリガンドとの相互作用を阻止するが、4Ig−B7−H3発現細胞を直接枯渇しない化合物(例えば、所定のIgG4mAbs、または抗体フラグメントのような非枯渇性抗4Ig−B7−H3抗体)もまた、増殖性障害、具体的には、腫瘍、炎症性および免疫増殖性障害、最も詳細には、神経芽細胞腫、癌腫およびメラノーマを処置するのに有効に使用することができることが理解され、そのような抗体は、NK細胞の標的細胞仲介阻害を取り出すことができ、従って、標的(例えば、腫瘍)細胞がNK仲介死滅に暴露される。
場合により、本治療方法は、患者における細胞(例えば、典型的に、増殖性細胞、腫瘍細胞など)上の4Ig−B7−H3発現が評価されるタイプ分類工程を含んでなり得る。一般に、この工程では、細胞のサンプルが患者から採取され、例えば、イムノアッセイを使用して、細胞における4Ig−B7−H3の相対的重要性を決定するために試験される。増殖性または腫瘍細胞はこの方法に好適である一方、4Ig−B7−H3を発現することが疑わしいかまたは既知である任意の細胞型を使用することができることが理解されよう。理想的には、この工程は、直接的または間接的のいずれかで標識され、共に、4Ig−B7−H3タンパク質を認識する1つもしくはそれ以上の抗体を含有するキットを使用して、実施される。4Ig−B7−H3タンパク質が細胞上で検出される場合、過剰増殖性細胞が特異的に標的化されるように、抗4Ig−B7−H3抗体を投与することができる。
上記の免疫学的アッセイに加えて、患者から採取される細胞における4Ig−B7−H3の同一性および相対的発現レベルを決定するための他の方法を使用することもできる。例えば、RNAに基づく方法、例えば、RT−PCRまたはノーザンブロッティングを使用して、患者から採取される細胞における多様なNK細胞受容体の相対的転写レベルを調べることができる。多くの場合、単一または少数の受容体特異的転写物が優位であり、転写物によってコードされる特定の受容体に特異的な細胞障害性抗体を使用する患者の処置を可能にする。
1つの実施形態では、本発明は、4Ig−B7−H3に対する少なくとも1つの診断用抗体、さらに、4Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3Rに対する少なくとも1つの治療用抗体を含んでなる本発明に従って生成されるキットを提供する。
本発明のキットは、任意の数の診断用および/または治療用抗体、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは他の任意の数の診断用および/または治療用抗体を含有し得る。そのようなキットでは、診断用抗体は、しばしば、直接的または間接的のいずれか(例えば、第二抗体を使用して)標識される。治療用抗体を改変しない、即ち、任意の連結された細胞障害性または他の部分を伴わずに、標的細胞を不活化するか、細胞死を誘発するか、もしくは免疫系による破壊のために標的細胞を遮蔽することによってNK細胞活性を増強するように、例えば、単純に標的細胞に結合し、それによってリガンド−受容体相互作用を阻止することによって作用することもあり得る。他の実施形態では、治療用抗体は、1つもしくはそれ以上の細胞障害性部分に連結される。キットの内容物のこのような説明は、いかなる方法においても限定されないことが理解されよう。例えば、治療用抗体では、キットは、改変されていないかまたは細胞障害性抗体の任意の組み合わせを含有することができる。さらに、キットは、化学療法または抗増殖剤のような他のタイプの治療化合物も含有し得る。好ましくは、キットはまた、例えば、患者におけるNK受容体状態をタイプ分類し、従って治療用抗体を投与するための本明細書に記載の方法を詳述する抗体を使用するための指示書を含む。
さらに、処置は、複数ラウンド(round)の治療用(例えば、細胞障害性)抗体の投与に関与し得る。例えば、最初のラウンドの抗体投与後、患者における細胞(例えば、腫瘍または増殖性細胞)の全体数を再測定することができ、なお上昇しているのであれば、さらなるラウンドの4Ig−B7−H3状態タイプ分類を実施することができ、続いて、さらなるラウンドの治療用抗体投与が行われる。このさらなるラウンドの投与において投与される抗体は、必ずしも、最初のラウンドで使用される抗体と同一である必要はないことが理解されよう。
本発明は、NK細胞活性を、それを要する患者において増強する方法であって、前記患者に本発明の組成物を投与する工程を含んでなる、上記方法を提供する。本発明は、より具体的には、NK細胞活性の増加が有益であるか、NK細胞による溶解に感受性である細胞に関与するか、影響を及ぼすか、もしくは該細胞によって生じるか、あるいは癌、別の増殖性障害、感染性疾患もしくは免疫障害のような不十分なNK細胞活性によって生じるかまたは特徴付けられる疾患を有する患者においてNK細胞活性を増加させることに関する。より具体的具多的には、本発明の方法は、膀胱、乳、直腸、腎臓、肝臓、肺、卵巣、前立腺、膵臓、胃、頚部、甲状腺および扁平上皮癌を含む皮膚の癌種を含む癌腫、白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫およびバーキットリンパ腫を含むリンパ球系統の造血器腫瘍、急性および慢性骨髄性白血病および前骨髄球性白血病を含む骨髄系統の造血器腫瘍、線維肉腫および横紋筋肉腫を含む間葉起源の腫瘍、黒色腫、精上皮腫、奇形癌種、神経芽細胞腫および神経膠腫を含む他の腫瘍、星細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、および神経鞘腫を含む中枢および末梢神経系の腫瘍、線維肉腫、横紋筋肉腫(rhabdomyoscaroma)、および骨肉腫を含む間葉起源の腫瘍、ならびに黒色腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、甲状腺濾胞癌および奇形癌種を含む他の腫瘍を含むがこれらに限定されない様々な癌ならびに他の増殖性疾患の処置のために利用される。本発明に従って処置することができる好適な障害は、リンパ球系統の造血器腫瘍、例えば、小細胞および大脳様細胞型を含むT細胞性前リンパ球性白血病(T−PLL)のようなT細胞障害を含むが、これらに限定されないT細胞ならびにB細胞腫瘍、好ましくはT細胞型の大顆粒リンパ球白血病(LGL)、セザリー症候群(SS)、成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)、a/dT−NHL肝脾リンパ腫、末梢性/胸腺後段階T細胞リンパ腫(多形性もしくは免疫芽球性サブタイプ)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管中心性(鼻部)T細胞リンパ腫、未分化(Ki1+)大細胞型リンパ腫、腸T細胞リンパ腫、Tリンパ芽球性、およびリンパ腫/白血病(T−Lbly/T−ALL)を含む。
例えば、過形成、線維症(具体的には、肺、但し、腎線維症のような他のタイプの線維症も含む)、血管新生、乾癬、動脈硬化および狭窄または血管形成術後の再狭窄のような血管における平滑筋増殖を含む他の増殖性障害もまた、本発明に従って処置することが可能である。本発明の化合物および方法を使用して、好ましくは、ウイルス、細菌、原生動物、糸状菌もしくは真菌によって生じる任意の感染症を含む感染性疾患を処置または防止することができる。化合物は、4Ig−B7−H3ポリペプチドを発現する細胞に関与する任意の障害を処置または予防するためにさらに使用することができる。
医薬組成物
本発明はまた、組成物、例えば、任意の適切なビヒクルにおいて、NK細胞活性の増強、疾患の処置、あるいは患者において4Ig−B7−H3を発現する細胞の増殖もしくは活性を阻害するか、または該細胞を死滅させるのに有効な量で、そのフラグメントおよび誘導体を含む本抗体のいずれかを含んでなる医薬組成物を提供する。組成物は、一般に、薬学的に許容可能なキャリアをさらに含んでなる。抗体および組成物を患者に投与する本方法はまた、動物を試験するか、またはヒト疾患の動物モデルにおける本明細書に記載の方法または組成物のいずれかの有効性を試験するために使用することができることが理解されよう。
これらの組成物に使用され得る薬学的に許容可能なキャリアとして、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩、または電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースに基づく物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、蝋、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の組成物は、経口的、非経口的、吸入スプレーにより、局所的、直腸内、経鼻的、頬側的、膣内にまたはインプラントされたリザーバを介して投与することができる。本明細書で使用する「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内および頭蓋内注入または輸注技術を含む。好ましくは、組成物は、経口的、腹腔内または静脈内に投与される。
本発明の無菌注入可能な形態は、水性または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、適切な分散または湿潤剤および懸濁剤を使用して、当該分野において公知の技術に従って処方することができる。無菌注入可能な調製物はまた、非毒性の非経口的な許容可能な希釈剤もしくは溶媒における無菌注入可能な溶液または懸濁液(例えば、1,3−ブタンジオール溶液として)であってもよい。なかでも、用いられ得る許容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル溶液および等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌の不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として従来的に用いられる。この目的のために、合成モノ−またはジグリセリドを含む任意の低刺激不揮発性油を用いることができる。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体のような脂肪酸は、注入可能物の調製に有用であり、それらは、特に、ポリオキシエチレンバージョン(polyoxyethylated version)のオリーブ油またはヒマシ油のような天然の薬学的に許容可能な油である。これらの油溶液または懸濁液はまた、エマルジョンおよび懸濁液を含む薬学的許容可能な剤形の処方において一般に使用される長鎖アルコール希釈液または分散剤、例えば、カルボキシメチルセルロースまたは類似の分散剤を含有してもよい。薬学的に許容可能な固体、液体、または他の剤形の製造に一般に使用される他の一般に使用される界面活性剤、例えば、Tween、Spanおよび他の乳化剤またはバイオアベイラビリティーの増強剤もまた、処方の目的のために使用することができる。
本発明の組成物は、カプセル、錠剤、水性懸濁液または溶液を含むがこれらに限定されない任意の経口的な許容可能な剤形で経口的に投与することができる。経口使用のための錠剤の場合、一般に使用されるキャリアとして、乳糖およびトウモロコシデンプンが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤もまた、典型的に添加される。カプセル形態の経口投与のための有用な希釈剤として、乳糖および乾燥トウモロコシデンプンが挙げられる。経口用途に水性懸濁液が必要な場合、有効成分は乳化および懸濁剤と組み合わせられる。所望であれば、所定の甘味、風味付け、または着色剤もまた添加することができる。
あるいは、本発明の組成物は、直腸内投与のための坐剤の形態で投与することもできる。これらは、薬剤と、室温では固体であるが直腸温度では液体であり、従って、直腸内では融解して薬物を放出する適切な非刺激性賦形剤とを混合することによって調製することができる。そのような材料として、ココアバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールが挙げられる。本発明の処方物はまた、局所に、眼に、経鼻エアゾルまたは吸入によって投与してもよい。そのような組成物は、薬学的処方の分野において周知の技術に従って調製される。
1つの実施形態では、本発明の抗体は、単独かまたは患者または動物に対して標的化された送達のための別の物質と共に、リポソーム(「免疫リポソーム」)に組み入れられ得る。そのような他の物質は、遺伝子治療のための遺伝子の送達またはNK細胞における遺伝子を抑制するためのアンチセンスRNA、RNAiもしくはsiRNAの送達ための核酸、あるいは他の手段を介するNK細胞の活性化のための毒素または薬物、あるいはNK細胞の活性化または腫瘍もしくは感染細胞の標的化に有用であり得る本明細書に記載の他の任意の薬剤を含む。
別の実施形態では、本発明の抗体は、バイオアベイラビリティー、インビボでの半減期などを改善するために改変することができる。例えば、任意の数の形態のポリエチレングリコールおよび当該分野において公知の付着の方法(例えば、リー(Lee)ら(2003年)Bioconjug Chem.14(3):546−53、ハリス(Harris)ら(2003年)Nat Rev Drug Discov.2(3):214−21、デケルト(Deckert)ら(2000年)Int J Cancer.87(3):382−90を参照のこと)を使用して、抗体をペグ化することができる。
いくつかのモノクローナル抗体は、Rituxan(リツキシマブ(Rituximab))、Herceptin(トラツズマブ(Trastuzumab))またはXolair(オマリズマブ(Omalizumab))、Bexxar(トシツモマブ)、Campath(アレムツズマブ)、Zevalin、Oncolymならびに類似の投与レジメン(即ち、処方および/または用量および/または投与プロトコル)が本発明の抗体と共に使用され得るような臨床的状況において効率的であることが示されている。糖のためのスケジュールおよび用量は、例えば、製造者の指示書を使用して、これらの製品のための既知の方法に従って決定することができる。例えば、モノクローナル抗体は、100mg(10mL)または500mg(50mL)の単回使用のバイアルのいずれかにおいて10mg/mLの濃度で供給することができる。生成物は、9.0mg/mL塩化ナトリウム、7.35mg/mLクエン酸ナトリウム二水和物、0.7mg/mLポリソルベイト(polysorbate80)、および注射用滅菌水において、靜注投与のために処方される。pHは6.5に調整される。本発明の抗体のための例示的に適切な用量範囲は、約10mg/m2〜500mg/m2であり得る。しかし、これらのスケジュールは例示的であること、至適スケジュールおよびレジメンは、臨床治験において決定されなければならない抗体の親和性および忍容性を考慮して適応することができることが理解されよう。
別の実施形態に従えば、本発明の抗体組成物は、抗体が投与されている特定の治療目的に通常利用される薬剤を含む1つもしくはそれ以上のさらなる治療剤をさらに含んでなることができる。さらなる治療剤は、通常、処置されている特定の疾患または状態のための単剤治療における該薬剤に典型的に使用される量で存在する。そのような治療剤として、癌の処置に試用される治療剤、感染性疾患を処置するために使用される治療剤、他の免疫療法において使用される治療剤、(IL−2またはIL−15のような)サイトカイン、他の抗体のおよび他の抗体のフラグメントが挙げられるが、これらに限定されない。特定の治療アプローチが、患者の状態自体に有害であることが知られておらず、NK細胞受容体抗体に基づく処置を顕著に和らげない限り、その本発明との併用が考慮される。
固形腫瘍の処置に関連して、本発明は、手術、放射線療法、化学療法などのような古典的なアプローチと組み合わせて使用してもよい。従って、本発明は、NK細胞受容体に対するヒト化またはヒトに適した抗体が手術または放射性処置と同時、前、または後に使用されるか、あるいは従来の化学療法、放射線治療剤もしくは抗血管新生剤または標的化された免疫毒素もしくはコアギュリガンド(coaguligand)と共に、前または後に投与される併用療法を提供する。NK細胞受容体抗体に基づく治療用および抗癌剤は、単一の組成物において、または異なる投与経路を使用する2つの個別の組成物として同時に患者に投与してもよい。
1つもしくはそれ以上の薬剤(例えば、抗癌または他のNK増強剤)を本抗体に基づく治療と併用して使用する場合、組み合わされた結果が各処置を個別に行う場合に観察される効果の相加である必要はない。少なくとも相加的効果は一般に所望されるが、単回治療のうちの1つを超える増加した抗細胞増殖効果は、有益で得あり得る。また、併用処置が相乗効果を示すことを求める特定の要件は存在しないが、このことは間違いなく可能であり、有利である。治療用抗4Ig−B7−H3または抗4Ig−B7−H3R抗体に基づく処置は、例えば、数分〜数週間および数箇月の範囲の間隔で、他の処置より前、または後であってもよい。また、治療用抗体に基づく組成物または他の薬剤のいずれかの1回を超える投与が利用されることも予想される。薬剤は、代替的日または週において交換可能に投与され得、または抗4Ig−B7−H3もしくは抗4Ig−B7−H3R抗体に基づく処置のサイクルが付与され、続いて、他の治療のサイクルが行われる。いずれにせよ、併用療法を使用して細胞過剰増殖の阻害を達成するためには、必要なことは、投与時間にかかわらず、抗増殖性効果を発揮するのに十分な組み合わされた量で療法の薬剤を送達することだけである。同じ原理が、感染性疾患における感染細胞および炎症症状における増殖性免疫細胞の処置に当てはまる。
他の態様では、免疫調節化合物またはレジメンは、本発明との併用で実践され得る。好適な例として、サイトカインによる処置が挙げられる。そのような併用アプローチでは、多様なサイトカインを用いることができる。サイトカインの例として、IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−15、IL−21、TGF−β、GM−CSF、M−CSF、G−CSF、TNF−α、TNF−β、LAF、TCGF、BCGF、TRF、BAF、BDG、MP、LIF、OSM、TMF、PDGF、IFN−α、IFN−β、またはIFN−γが挙げられる。サイトカインは、標準的なレジメンに従い、患者の病態およびサイトカインの相対的毒性のような臨床的適応と一致させて、投与される。
本発明のそれらとの併用で実践され得る可能物またはレジメンの他の好適な例として、NK細胞の活性を調節する組成物が挙げられる。例えば、所定の好適な実施形態では、本発明の抗体は、抑制性NK細胞受容体を阻止することが可能な化合物、例えば、CD94/NKG2A受容体もしくは抑制性KIR受容体、例えば、KIR2DL1、KIR2DL2、KIR2DL3、KIR3DL1、およびKIR3DL2の活性を阻害することができる天然のリガンド、抗体または小分子と共に投与される(例えば、PCT特許出願第PCT/FR04/01702(2004年7月1日出願)、表題「Compositions and methods for regulating NK cell activity」ヤワタ(Yawata)ら(2002年)Crit Rev Immunol.22(5−6):463−82、ミッデルトン(Middleton)ら(2002年)Transpl Immunol.10(2−3):147−64、ヴィルチェス(Vilches)ら(2002年)Annu Rev Immunol.20:217−51、またはロング(Long)ら2001年Immunol Rev.181:223−33)(それらのそれぞれの開示内容は、それらの全体が参照により本明細書に援用される)を参照のこと)。あるいは、NK細胞受容体を活性化するアゴニストも使用することができる。前記アゴニストは、NK細胞の任意の活性化受容体、例えば、NKp30(例えば、PCT国際公開第01/36630号パンフレット(その開示内容は、その全体が参照により本明細書に援用される)を参照のこと)、NKp44(例えば、バイタレ(Vitale)ら(1998年)J.Exp.Med.187:2065−2072(その開示内容は、その全体が参照により本明細書に援用される)を参照のこと)、NKp46(例えば、シボリ(Sivor)ら(1997年)J.Exp.Med.186:1129−1136、ペッシノ(Pessino)ら(1998年)J.Exp.Med.188:953−960を参照のこと、それらの開示内容は、その全体が参照により本明細書に援用される)、NKG2D(例えば、OMIM602893を参照のこと)、IL−2R、IL−12R、IL−15R、IL−18R、IL−21R、または活性KIR受容体、例えば、KIR2DS4受容体(キャリントン(Carrington)およびノルマン(Norman)、KIR Gene Cluster、2003年5月3日:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/booksにおいて入手可能)、あるいはNK細胞の実質的な画分に存在し、好ましくは、抑制性KIR受容体のような抑制性受容体を介して細胞が予め阻害されている場合であってもその活性化は細胞の活性化もしくは増殖をもたらす他の任意の受容体を刺激し得る。例えば、米国特許出願第60/567,058号明細書(2004年4月30日出願)(その開示内容は、本明細書において参照により援用される)を参照のこと。
典型的な例では、サイトカイン(例えば、IL−2、IL−12、IL−15、IL−18またはIL−21)が5〜10日間の期間連日投与され、該サイトカインは、4Ig−B7−H3R活性阻害するかまたは4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3Rとの相互作用を阻止する化合物の最初の注入と同じ日に最初に注入される。前記方法は、好ましくは、皮下経路によるサイトカインの1回もしくは2回の注入/日を含んでなる。サイトカインの用量は、処置しようとする患者の状態に依存して選択される。好適な実施形態では、相対的に低い用量のサイトカインを使用することができる。例えば、サイトカイン含有医薬組成物が連日皮下注入で使用される場合、IL−2のようなサイトカインの有効量は、典型的に100万単位/平方メートル/日未満サイトカインである。好適な実施例では、IL−2は、5〜10日間、100万単位/m2未満の連日用量で、皮下に注入される。サイトカインの使用に関するさらなる詳細については、国際特許公開第PCT/EP/0314716号パンフレットおよび米国特許出願第60/435,344号明細書、表題「Pharmaceutical compositions having an effect on the proliferation of NK cells and a method using the same」(その開示内容は本明細書において参照により援用される)に記載されている。サイトカインは、製造者の指示に従って投与することができ、用量および投与の改変は、治療用抗体に関して本明細書に記載のように行うことができる。
化学療法は、しばしば、増殖性障害を処置するために使用されるため、本発明のNK細胞受容体抗体治療組成物を、他の化学療法またはホルモン療法剤と併用して投与してもよい。様々なホルモン治療および化学療法剤は、本明細書において開示される併用処置方法において使用することができる。例示的に考えられる化学療法剤として、アルキル化剤、代謝拮抗剤、細胞障害性抗生物質、ビンカアルカロイド、例えば、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、マイトマイシン、カルミノマイシン、ダウノマイシン、ドキソルビシン、タモキシフェン、タキソール、タキソテール、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、エトポシド(VP−16)、5−フルオロウラシル(5FU)、シトシンアラビノシド、シクロホスファミド、チオテパ、メトトレキサート、カンプトテシン、アクチノマイシンD、マイトマイシンC、シスプラチン(CDDP)、アミノプテリン、コンブレタスタチン(系薬剤)、ならびにそれらの誘導体およびプロドラックが挙げられる。ホルモン剤としては、例えば、LHRHアゴニスト、例えば、リュープロレリン、ゴセレリン、トリプトレリン、およびブセレリン、抗エストロゲン、例えば、タモキシフェンおよびトレミフェン、抗アンドロゲン例えば、フルタミド、ニルタミド、シプロテロンおよびビカルタミド、アロマターゼ阻害剤例えば、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾールおよびファドロゾール、ならびにプロゲスターゲン例えば、メドロキシ、クロルマジノンおよびメゲストロールが挙げられる。
当業者に理解されるように、化学療法剤の適切な用量は、一般に、およそ臨床治療においてすでに用いられている用量であり、ここで、化学療法剤は、単独か、または他の化学療法剤との併用で投与される。唯一の例として、シスプラチンのような薬剤、および他のDNAアルキル化剤を使用することができる。シスプラチンは癌を処置するために広範に使用されており、臨床適用において使用される有効量は20mg/m2であり、3週間ごとに5日間の投与を合計で3クール行う。シスプラチン経口的には吸収されず、従って、静脈内、皮下、腫瘍内または腹腔内注入を介して送達されなければならない。
さらに有用な化学療法剤として、DNA複製、有糸分裂および染色体分離を妨害する化合物が挙げられ、また、ポリヌクレオチド前駆体の合成および忠実度を破壊する薬剤を使用してもよい。併用治療のための化学療法剤が米国特許第6,524,583号明細書の表Cに列挙されており、薬剤および適応に関する開示内容は、具体的に、本明細書において参照により援用される。列挙されたそれぞれの薬剤は例示的であり、限定的ではない。別の有用な供給源は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」第15版、第33章、特に624〜652頁である。用量の変動は、治療中の状態に依存して生じる可能性がある。処置を施行する医師は、個々の被験体に対する適切な用量を決定することが可能である。
本抗体はまた、任意の1つもしくはそれ以上の抗血管新生両方との併用で使用してもよい。そのような薬剤の例として、VEGFまたはVEGF受容体に対する中和抗体、アンチセンスストラテジー、RNAアプタマーおよびリボザイムが挙げられる(米国特許第6,524,583号明細書、その開示内容は本明細書において参照により援用される)。国際公開第98/16551号パンフレット(具体的に本明細書において参照により援用される)に記載されているように、拮抗特性を伴うVEGFの変異体もまた用いることができる。併用治療に関して有用であるさらなる例示的抗血管新生剤が米国特許第6,524,583号明細書の表Dに列挙されており、薬剤および適応に関する開示内容は、具体的に、本明細書において参照により援用される。
本抗体はまた、アポトーシスを誘導する方法と有利に併用され得る。例えば、アポトーシス、またはプログラムされた細胞死を阻害する多くの発癌遺伝子が同定されている。このカテゴリー内の例示的発癌遺伝子として、bcr−abl、bcl−2(bcl−1、cyclinD1とは異なる、(GenBank)寄託番号M14745、X06487、米国特許第5,650,491号明細書、および同第5,539,094号明細書、それぞれ、本明細書において参照により援用される)ならびにBcl−x1、Mcl−1、Bak、A1、A20を含むファミリーメンバーが挙げられるが、これらに限定されない。bcl−2の過剰発現はT細胞リンパ腫においてはじめて発見された。bcl−2は、Bax、アポトーシス経路におけるタンパク質に結合し、不活化することによって、癌遺伝子として機能する。bcl−2機能を阻害すると、Baxの不活化が防止され、アポトーシス経路を促進させることが可能である。例えば、アンチセンスヌクレオチド配列または小分子の化学化合物を使用するこのクラスの発癌遺伝子の阻害が、アポトーシスの増強を生じさせるための本発明での使用のために考慮される(米国特許第5,650,491号明細書、同第5,539,094号明細書、および同第5,583,034号明細書、それぞれは本明細書において参照により援用される)。
本発明の抗体に関与する治療はまた、補助化合物と併用して使用してもよい。補助化合物はとしては、その例として、制吐剤、例えば、セロトニン拮抗薬および治療薬、例えば、フェノチアジン系薬剤、置換ベンズアミド系薬剤、抗ヒスタミン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤、副腎皮質ステロイド、ベンゾジアゼピン系薬剤およびカンナビノイド系薬剤、ビスホスホネート系薬剤、例えば、ゾレドロン酸およびパミドロン酸、ならびに造血成長因子、例えば、エリスロポエチンおよびG−CSF、例えば、フィルグラスチム、レノグラスチムおよびダルベポエチンを挙げることができる。
ADCCを介する細胞溶解を誘導する抗体の有効性の増加
特定の好適な態様では、本発明の化合物を増強するNK細胞は、第二抗体、特に、ADCC機構を介してそれが結合する標的細胞の溶解を誘導することが可能な抗体と併用して使用することができる。米国特許出願第60/489,489号明細書(2003年7月24日出願)、表題「Methods and compositions for increasing the efficiency of therapeutic antibodies using compounds that block the inhibitory receptors of NK cells」(その開示内容は、本明細書において参照により援用される)において実証されるように、抗Ig4−B7−H3および抗Ig4−B7−H3R抗体のような化合物を使用して、そのような第二抗体の効果を増加するか、またはそのような第二抗体の用量を減少するかもしくは該第二抗体の処置レジメンを改変することができる。
第二治療用抗体が個体に投与される場合、NK細胞活性を増強する本発明の化合物、特に、抗体は、ADCC機構をインビボで有利に増強するために使用することができる。実際に、本発明は、治療用抗体の有効性に関連する現在の困難を克服する新規の組成物および方法を提供する。いくつかの場合、例えば、NK細胞上の対応(抑制性)受容体の4Ig−B7−H3による阻害によってNK細胞の活性化の欠如のため、個体由来のNK細胞は、不十分な治療mAb(モノクローナル抗体)仲介ADCCを有し得る。好ましくは、ADCC機構の増加は、4Ig−B7−H3受容体を阻害する化合物の投与、好ましくは、ナチュラルキラー細胞上での4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3Rとの相互作用を阻止する抗体の投与によって達成され、それによって、哺乳動物被験体におけるナチュラルキラー細胞細胞障害性の増強を促進する。
より具体的には、本発明は、化合物、好ましくは、4Ig−B7−H3R活性を阻害するか、もしくは4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3Rとの相互作用を阻止する抗体またはそのフラグメントが第二治療用抗体と共に被験体に同時投与される被験体の処置の方法を開示する。本発明者らは、ここで、第二治療用抗体の有効性が、そのような化合物、好ましくは、例えば、NK細胞の抑制性4Ig−B7−H3Rタンパク質を阻止することによって、NK細胞の阻害を克服する抗体またはそのフラグメントの同時投与、例えば、同時注入によって著しく増強され得ることを実証する。
本発明はまた、化合物、好ましくは、4Ig−B7−H3R活性を阻害するかもしくは4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3Rとの相互作用を阻止する抗体またはそのフラグメント、ならびに第二治療用抗体を含んでなる医薬組成物に関する。本発明はまた、化合物、好ましくは、4Ig−B7−H3R活性を阻害するかもしくは4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3Rとの相互作用を阻止する抗体またはそのフラグメントを含んでなるキットに関する。
本発明はまた、治療用抗体による処置の有効を増加する、あるいは治療用抗体による処置を受ける被験体においてADCCを増加するための化合物、好ましくは、4Ig−B7−H3R活性を阻害するかもしくは4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3Rとの相互作用を阻止する抗体またはそのフラグメントの使用に関する。
本発明はまた、疾患を処置するための薬物の調製のための化合物、好ましくは、4Ig−B7−H3R活性を阻害するかもしくは4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3Rとの相互作用を阻止する抗体またはそのフラグメント、ならびに第二治療用抗体の使用に関する。より詳細には、疾患の処置には、標的化された細胞、好ましくは、ウイルス感染細胞などの疾患細胞、腫瘍細胞または他の病原性細胞の枯渇が必要である。好ましくは、疾患は、癌、感染性または免疫疾患である。より好ましくは、疾患は、癌、自己免疫疾患、炎症性疾患、およびウイルス性疾患からなる群から選択される。疾患はまた、移植片拒絶、より好ましくは、同種移植片拒絶、および移植片対宿主病(GVHD)に関する。
前記第二抗体または治療用抗体は、一般に、(i)枯渇させようとする標的抗原、および(ii)NK細胞上に存在するCD16に結合することによって、ADCCを誘導する抗体である。従って、本発明はまた、第二治療用抗体、例えば、Fcγ受容体、好ましくはCD16(FcγRIIIa)によって結合される抗体の用量を減少するための方法を含んでなる。例えば、第二治療用抗体ならびに4Ig−B7−H3R活性を阻害するかまたは4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3Rとの相互作用を阻止する化合物の同時投与は、使用すべき治療用抗体のより低い用量を可能にする。そのような第二抗体は、化合物の非存在下で推奨される用量より20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくはそれより低い用量で使用することができる。
さらに、本発明は、第二治療用抗体、例えば、CD16により結合される抗体の治療上有効な減少された用量を決定するための方法を提供し、該方法は、i)第1の濃度の第二治療用抗体を、標的細胞およびNK細胞と共に、4Ig−B7−H3R活性を阻害するかまたは4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3Rとの相互作用を阻止する化合物の非存在下で同時インキュベートすること、ii)第2のより低い濃度の第二治療用抗体を、標的細胞、NK細胞と共に、かつ4Ig−B7−H3R活性を阻害するかまたは4Ig−B7−H3および4Ig−B7−H3Rの相互作用を阻止する化合物の存在下で同時インキュベートすること、iii)工程ii)において観察される標的細胞の枯渇が工程i)において観察される枯渇と同程度に大きいかどうかを決定することを含んでなる。工程ii)が工程i)と同様に有効であることが観察される場合、所定の患者における使用、例えば、患者の特定の要件に依存して、標的細胞の枯渇、低減された用量の第二治療用抗体、または低減された用量の化合物を最大化するのに適切である異なる条件を同定するために、化合物および第二治療用抗体の相対濃度を変動し、枯渇を観察することができる。
特定の態様では、本発明は、処置を要するヒト被験体の疾患の処置の方法を提供し、以下を含んでなる:a)前記被験体に、4Ig−B7−H3R活性を阻害するかまたは4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3との間の相互作用を阻止する化合物を投与すること、およびb)前記被験体に、CD16によって結合され得る第二治療用抗体を投与すること。
1つの実施形態では、第二治療用抗体および化合物は被験体に同時に投与される。別の実施形態では、第二治療用抗体は、化合物の投与前または後に被験体に投与される。別の実施形態では、化合物は、第二治療用抗体投与の1週間以内、4日以内、3日以内または同日(例えば、約24時間以内)に被験体に投与される。別の実施形態では、疾患は、癌、感染性または免疫疾患である。
1つの実施形態では、方法は、被験体におけるNK細胞の活性または数が、化合物の投与の前または後に評価されるさらなる工程をさらに含んでなる。別の実施形態では、さらなる工程は、i)投与前に被験体からNK細胞を入手すること、ii)化合物の存在または非存在下で治療用抗体によって認識される1つもしくはそれ以上の標的細胞の存在下でNK細胞をインキュベートすること、およびiii)NK細胞が標的細胞を枯渇させる能力に対する化合物の効果を評価することに関与し、ここで、化合物がNK細胞が標的細胞を枯渇させる能力を増強するという検出は、化合物が方法における使用に適切であること、および方法が被験体による使用に適切であることを示す。
別の態様では、本発明は、例えば、CD16によって結合され得る第二治療用抗体、4Ig−B7−H3R活性を阻害するかまたは4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3Rとの相互作用を阻止する化合物、および薬学的に許容可能なキャリアを含んでなる医薬組成物を提供する。別の態様では、本発明は、例えば、CD16によって結合され得る第二治療用抗体、4Ig−B7−H3R活性を阻害するかまたは4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3Rとの相互作用を阻止する1つもしくはそれ以上の化合物を含んでなるキットを提供する。
任意の上記の方法、組成物、またはキットについて、1つの実施形態では、第二治療用抗体は、ヒトIgG1またはIgG3Fc部分を含んでなる。別の実施形態では、化合物は、抗Ig4−B7−H3またはIg4−B7−H3R抗体またはそのフラグメントである。別の実施形態では、治療用抗体は、モノクローナル抗体またはそのフラグメントである。別の実施形態では、治療用抗体は、放射性または毒性部分にコンジュゲートされない。別の実施形態では、化合物はNK細胞の抑制性受容体を阻害する。別の実施形態では、化合物はNK細胞の活性化受容体を刺激する。別の実施形態では、化合物は、ヒト、ヒト化もしくはキメラ抗体、またはそのフラグメントである。1つの実施形態では、治療用抗体または化合物は、とりわけ、Fabフラグメント、Fab’2フラグメント、CDRおよびScFvのような抗体フラグメントまたは誘導体であり得る。
従って、本発明は、処置を要する被験体の疾患の処置の方法に関し、以下を含んでなる:
d)化合物、好ましくは、4Ig−B7−H3R活性を阻害するかもしくは4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3Rとの相互作用を阻止する抗体またはそのフラグメントを被験体に投与すること、および
e)前記被験体に治療用抗体を投与すること。
前記治療用抗体は、好ましくは、NK細胞のCD16によって、好ましくは、そのFc領域を介して、結合され得る抗体である。
好ましくは、本発明のNK増強化合物との併用で使用され得る前記治療用抗体は、ヒトIgG1またはIgG3Fc部分、特に、モノクローナル抗体またはそのフラグメント、さらに好ましくは、ヒト化、ヒトもしくはキメラ抗体またはそのフラグメント、例えば、リツキシマブを有する。
1つの実施形態では、本発明のNK増強化合物を併用して使用することができる抗体は、FCGR3A(CD16とも呼ばれる、FCGR3、免疫グロブリンGFc受容体III、IGFR3、IgGのFcフラグメントに対する受容体、低親和性IIIa,、例えば、OMIM146740を参照のこと)、FCGR2A(CD32とも呼ばれる、CDw32、IgGのFcフラグメントに対する受容体、低親和性IIa、FCG2、免疫グロブリンGFc受容体II、例えば、OMIM146790を参照のこと)、FCGR2B(CD32とも呼ばれる、IgGのFcフラグメントに対する受容体、低親和性IIb、FCGR2B、FC−γ−RIIB、例えば、OMIM604590を参照のこと)、FCG1RA(CD64とも呼ばれる、IgGのFcフラグメントに対する受容体、高親和性Ia、IGFR1、例えば、OMIM146760を参照のこと)、IgGのFCGR1フラグメント、高親和性Ic、免疫グロブリンGFc受容体IC、IGFRC、例えば、OMIM601503を参照のこと)、またはFCGR1B(CD64とも呼ばれる、IgGのFcフラグメントに対する受容体、高親和性Ib、免疫グロブリンGFc受容体IB、IGFRB、例えば、OMIM601502を参照のこと)のようなFcγ受容体によって、特異的に認識される。
本発明のNK増強化合物を併用して使用することができる治療用抗体の典型的な例は、リツキシマブ、アレムツズマブおよびトラスツズマブである。そのような抗体は、ヒト被験体での使用について認可されている臨床プロトコルに従って、使用してもよい。治療用抗体のさらなる具体的な例として、例えば、エプラツズマブ、バシリキシマブ、ダクリズマブ、セツキシマブ、ラベツズマブ、セビルマブ、ツブリマブ、パリビズマブ、インフリキシマブ、オマリズマブ、エファリズマブ、ナタリズマブ、クレノリキシマブなどが挙げられる。場合により、NK細胞の活性化受容体を刺激する化合物がサイトカインである場合、治療用抗体は、リツキシマブまたはヘルセプチン以外の抗体であるか、場合により、抗CD20または抗HER2/neu抗体以外である。本発明における使用に好適な治療用抗体の他の例として、抗フェリチン抗体(米国特許公開第2002/0106324号明細書)、抗p140および抗sc5抗体(国際公開第02/50122号パンフレット)が挙げられ、抗KIR(キラー抑制性受容体)抗体(KIR受容体については、キャリントン(Carrington)およびノルマン(Norman)、(The KIR Gene Cluster、2003年5月3日:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/booksにおいて利用可能)、(その開示内容は本明細書において参考として援用される)に記載されている。治療用抗体の他の例は以下の表に列挙しており、そのいずれも(およびその他も)本方法において使用することができる。以下の表または本明細書の他の箇所において記載されているか否かにかかわらず、好ましくは、ADCCによって、標的細胞を枯渇することができるあらゆる抗体は、本発明の方法から利益を享受することができ、以下の表2は、本明細書において列挙された抗体または列挙された抗体の標的もしくは適応症について、そのすべてを網羅しているわけではないことが理解されよう。
所定の好適な例では、本発明の方法は、好ましくは、NK細胞の抑制性受容体を阻止するかまたは活性化受容体刺激することによって、NK細胞活性を増強する2つもしくはそれ以上の化合物の1つもしくはいくらかの注入を含んでなる。従って、これらの2つもしくはそれ以上の化合物を併用することができる。第1の前記2つもしくはそれ以上の化合物は、4Ig−B7−H3R活性を阻害するかまたは4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3Rとの相互作用を阻止する本発明の化合物であってもよい。第2の化合物は、NK細胞の抑制性受容体を阻止するかまたは活性化受容体を刺激することが可能ないずれかの化合物のであってもよい。これは、以下に考察するさらなる治療用抗体のADCCおよび有効性のさらに顕著な増大を引き起こす役割を果たし得、および/またはNK細胞の抑制性受容体を阻止するかまたは活性化受容体を刺激する特定の化合物の用量を減少する役割を果たし得る。例えば、IL−2のような化合物は、増加した用量で毒性であることが公知である。従って、本発明は、好ましくは、処置を要する被験体の疾患の処置の方法を提供し:a)前記被験体に少なくとも2つの化合物を投与することであって、好ましくは、ここで、一方または両方の化合物は、NK細胞の抑制性受容体を阻止するかもしくは活性化受容体を刺激する抗体またはそのフラグメントである、およびb)前記被験体に治療用抗体を投与することを含んでなる。例えば、好適なレジメンは、前記2つの化合物が、(i)4Ig−B7−H3R活性を阻害するかまたは4Ig−B7−H3と4Ig−B7−H3Rとの相互作用を阻止する抗体、ならびに(ii)NKp30、NKp44、NKp46またはNKG2D受容体を刺激する抗体、活性KIR受容体、抑制性KIR受容体またはNKG2A受容体、IL−2、IL−12、IL−15、IL−18およびIL−21を阻止する抗体からなる群から選択される化合物である場合である。
本発明のさらなる態様および利点を、以下の実施例のセクションで開示するが、これは例示的であり、本出願の範囲を限定するものではないとみなすべきである。
方法
モノクローナル抗体
5B14mAb(IgM)は、先に記載(ボッティノ,C.(Bottino,C.)ら、(2003年)J Exp Med.198,557−567)のとおり、5週齢のBALB/cマウスをACN(ヒト神経芽細胞腫)細胞株で免疫することによって入手した。c218(IgG1、抗CD56)、A6−136(IgM、抗HLAクラスI)、AZ20(IgG1、抗NKp30)を、本発明者らの研究室において産生させた。次のmAb抗GD2(14.G2a、IgG2A)および抗CD45(HI30、IgG1)を、それぞれBD Biosciences PharmingenおよびCALTAG laboratories(Burlingame,CA)より購入した。
骨髄吸引物および神経芽細胞腫精製
インフォームドコンセント後、神経芽細胞腫と診断され、Hematology−Oncology Division of the G. Gaslini Instituteに入院した15例の小児から1.8ゲージ針で2つの腸骨稜より骨髄を吸引した。診断および病期診断は、International Neuroblastoma Staging System(ブロダイル,G.−M.(Brodeur,G.−M.)ら(1993年)J Clin Oncol.11,1466−1477)に従って実施した。診断および治療評価を実施した後の骨髄吸引残部の量を、赤細胞溶解時のフローサイトメトリーによって分析した。神経芽細胞腫細胞は、骨髄吸引物(神経芽細胞腫と診断された小児由来)からEnrichment of Circulating Tumor Cells KIT(RosetteSep,StemCell Technologies,Vancouver、加国)のためのCD45枯渇によって精製した。研究は、Gaslini Institute治験審査委員会の承認後に実施した。
免疫細胞化学によるGD2および5B14発現の検出
5×105細胞/スライドまでを含有する17mm直径の40のCytospinをBM吸引物から調製した。Cytospinをホルマリン中に固定し、抗GD2モノクローナル抗体14.G2a(5マイクログラム/ml BD Pharmigen)または5B14マウスモノクローナル抗体(腹水1:100希釈)と共に30分間インキュベートした。1つのスライドを、関連特異性を有さないアイソタイプの一致したモノクローナル抗体(陰性コントロール)と共にインキュベートした。洗浄後、スライドを、連続的にウサギ抗マウス抗体(DAKO A/S、丁国)(1:20希釈)と共に30分間、アルカリホスファターゼおよびマウスモノクローナル抗アルカリホスファターゼ(APAAP)複合体(1:20希釈)(DAKO)と共に30分間、インキュベートした。続いて、アルカリホスファターゼ基質(DAKO Fuchsine)を色素原として添加した。スライドを、ヘマトキシリン中で対比染色し、次いで、カバーガラスで封入した。結果を、光学顕微鏡下で解釈した。
5B14反応性分子の生化学的特徴付けおよび精製
5B14mAb(IgM)を、Kaptiv−M(Tecnogen S.C.p.A.Caserta、伊国)を使用して精製した。20×106細胞を、125I(NEN,Boston、マサチューセッツ州)で標識し、1%NP−40中で溶解し、Sepharose−CnBr−(Pharmacia Biotech Inc.Piscataway、ニュージャージー州)結合5B14mAbにより免疫沈降した。サンプルを、N−グリコシダーゼF(Boehringer Mannheim,GmbH、独国)により非消化または消化のいずれかで処理していた不連続SDS−PAGEにより分析した。ボッティノ,C.(Bottino,C.)ら、(2003年))の記載のとおりに得られた293T細胞膜を、Sepharose CnBr結合5B14mAbと共にインキュベートした。特異的タンパク質を溶出させ、濃縮時に非還元条件下でSDS−PAGEにより分析した。ポリアクリルアミドゲルを、Simply Blue Safestain(Invitrogen,Paisley、英国)(ボッティノ,C.(Bottino,C.)ら、(2003年))を使用して染色した。
ゲル内酵素消化およびトリプシンペプチドのLC/ESI−MS/MS分析
染色された精製した5B14反応性タンパク質のゲル内消化を、先に記載(ボッティノ,C.(Bottino,C.)ら、(2003年))のとおりに行った。得られるペプチド混合物の分析を、HPLC Surveyor(Thermo Finnigan)を直結し、1×150mmカラム、Vydac C18、5μm、300Å(Dionex Company,San Francisco、カリフォルニア州、米国)を具備したLCQ−DECA MS/MSイオントラップ質量分析計により、(ボッティノ,C.(Bottino,C.)ら、(2003年))に記載のとおりに実施した。ペプチドMS/MSスペクトルのコンピュータ解析を、TurboSEQUESTソフトウェア(University of Washington,licensed to ThermoFinnigan Corp.)のバージョン1.2を使用して実施し、National Center for Biotechnology Information(NCBI)ヒトタンパク質データベースに対して検索した。
ヒト4Ig−B7−H3および2Ig−B7−H3をコードするcDNAのRT−PCR増幅
293T細胞株からpeQGold RNA pure(peQLab,Erlangen、独国)を使用して抽出した全RNAを、オリゴ(dT)プライミングを使用する標準的な技術によって、逆転写した。使用したプライマーは、2Ig−B7−H3に対して5’ATGCTGCGTCGGCGGGG(2Ig−B7−H3UP)(配列番号3)および5’GGTCAGGCTATTTCTTGTCCATC(B7−H3DW)(配列番号4)ならびに4Ig−B7−H3に対して5’CAGCCGCCTCACAGGAAG(4Ig−B7−H3UP)(配列番号5)および5’GGTCAGGCTATTTCTTGTCCATC(B7−H3DW)(配列番号3)であった。増幅を、ホットスタート技術により、AmpliTAQ(PerkinElmer−Applied Biosystems,Foster City、カリフォルニア州)を利用して実施した。2Ig−B7−H3増幅(953bp)を、30サイクル(94℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃で30秒間)、続いて、72℃での7分間の伸長により実施した。4Ig−B7−H3増幅(1624bp)を、15サイクル(94℃で30秒間、58℃で30秒間、72℃で30秒間)、15サイクル(94℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃で30秒間)、続いて、72℃での7分間の伸長により実施した。PCR産物をpcDNA3.1/V5−His−TOPO発現ベクター(Invitrogen,Carlsbad、カリフォルニア州)にサブクローニングした。DNA配列決定は、BigDyeターミネーターCycle Sequencing Kitおよび377Applied Biosystems Automatic Sequencer(Perkin Elmer−Applied Biosystems)を使用して実施した。
可溶性分子
2Ig−B7−H3(RhB7−H3/Fcキメラ)をR&D System,Minneapolis、ミネソタ州より購入した。MICA可溶性分子は、先に説明された(アンドレ P.(Andre P.)(2004年).Eur J Immunol.34:961−971)。先に記載(ファルコ,M.(Falco,M.)、マルセナロ,E.(Marcenaro,E.)、ロミオ,E.(Romeo,E.)、ベローラ,E.(Bellora,F.)、マラス,D.(Marras,D)、ベリ,F.(Vely,F.)、フェラッシ,G.(Ferracci,G.)、モレッタ,L.(Moretta,L.)、モレッタ,A.(Moretta,A.)およびボッティノ C.(Bottino,C.)(2004年).Eur.J.Immunol.)のとおりに、4Ig−B7−H3Fc可溶性分子については、4Ig−B7−H3の細胞外ドメインをコードするcDNA配列(リーダー配列を含む)を、コドン1〜コドン461で増幅し、一致したhIgG1をコードするcDNA配列と共にインフレームでpRB1発現ベクターにクローニングした。pRB1−4Ig−B7−H3Fcmut構築物を、Fugene6(Roche Monza、伊国)を利用して、ヒト胚線維芽細胞293T細胞株に一過的にトランスフェクトした。トランスフェクト細胞をDMEM/10%Ultralow IgGウシ胎児血清(Invitrogen、英国)において培養し、トランスフェクション4日目および8日目に上清を回収した。Protein A Sepharose4Fast Flow(Amersham Biosciences)を利用して、アフィニティークロマトグラフィーにより4Ig−B7−H3Fc分子を精製した。精製したタンパク質を、SDS−PAGE、続いて、銀染色および5B14mAbを利用するELISAによって確認した。
安定トランスフェクション
CHO−K細胞株を、製造者の指示に従い、GenePORTER2トランスフェクション試薬(GTS,San Diego、カリフォルニア州)を利用して、pcDNA3.1V5−His−TOPO−2Ig−B7−H3またはpcDNA3.1V5−His−TOPO−4Ig−B7−H3構築物でトランスフェクトした。48時間後、トランスフェクト細胞をDMEM+1.5mg/ml G418において選択し、限界希釈下でサブクローニングした。選択したクローンを、5B14mAb、続いて、PEコンジュゲートヤギ抗マウスアイソタイプ特異的第2試薬(Southern Biotechnology Associated,Birmingham、アラバマ州)で染色し、FACSCalibur(Becton Dickinson)を使用するフローサイトメトリーによって分析した。
ポリクローナルNK細胞
NK細胞を、Human NK Cell Enrichment Cocktail−RosetteSep(StemCell Technologies Inc,Vancouver,BC)を使用して精製し、ポリクローナル活性型NK細胞集団を得るために、100U/ml rIL−2(Proleukin,Chiron Corp.,Emeryville、米国)および1.5ng/ml PHA(Gibco Ltd,Paisley、蘇国)の存在下で照射したフィーダー細胞上で培養した。
細胞溶解活性およびフローサイトフルオロメトリー分析
先に記載(ボッティノ,C.(Bottino,C.)ら、(2003年)J Exp Med.198,557−567)のとおり、NK細胞を、4時間51Cr放出アッセイにおいて示された標的細胞に対する細胞溶解活性について試験した。マスキング実験のために添加された多様なmAbの濃度は10μg/mlであった。E/T比をテキストで示す。1または2色サイトフルオロメトリー分析(FACSCalibur Becton Dickinson&Co,Mountain View、カリフォルニア州)では、細胞を、適切なmAb、続いて、PE−またはFITC−コンジュゲートアイソタイプ特異的ヤギ抗マウス第2試薬(Southern Biotechnology Associated,Birmingham、アラバマ州)で染色した。
IFN−γ産生
ポリクローナルNK細胞からのIFN−γ産生を、ELISA(IFN−γ:BIOSOURCE Int.Inc.、カリフォルニア州、米国)を使用して、上清において測定した。NK細胞(5×105細胞/ml)を、96ウェルU底組織培養プレートにおいて、精製された2Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3(上記を参照のこと)可溶性分子の存在もしくは非存在下で、またはポジティブコントロールとして、精製された抗NKp30mAb(AZ20)またはMICA可溶性分子(アンドレ P.(Andre P.)、(2004年))の存在下で、それぞれ50μg/mlまたは10μg/mlの可溶性分子およびmAbの濃度でインキュベートした。
結果
5B14mAbの単離
ヒト神経芽細胞腫細胞によって発現される新規の細胞表面マーカーを同定する試みにおいて、マウスを、ACN神経芽細胞腫細胞株で免疫した。細胞融合後、ハイブリドーマ上清を、間接的免疫蛍光および神経芽細胞腫細胞株のパネルとの表面反応性についてのサイトフルオロメトリー分析によってスクリーニングした。この実験アプローチを使用して、免疫化細胞だけではなく、神経芽細胞腫について現在、最も信頼できるマーカーと考えられるジシアロガングリオシドGD2を発現しないSK−N−BE(図1)およびGIMEN(示さず)を含む試験したすべての神経芽細胞腫細胞株を染色する5B14と呼ばれるmAbを選択した。
本発明者らは、次に、正常細胞ならびに異なる組織型の腫瘍細胞株上の5B14反応性分子の表面分布を評価した。表1(図7)に示されるように、5B14mAbは、正常リンパ球またはインビトロで培養されたNK、BおよびT細胞株のいずれとも反応しなかった。単球で低い反応性を検出することができた一方、インビトロで誘導された未熟または成熟DC(それぞれiDCおよびmDC)は明るく染色された。最終的に、5B14mAbは、メラノーマおよび癌腫を含む、異なる由来の腫瘍細胞株の広いパネルで高い反応性を示した。
新鮮神経芽細胞腫骨髄浸潤物のサイトフルオロメトリー分析
骨髄吸引物を、ステージ4の神経芽細胞腫に罹患した16例の小児、または(コントロールとして)非転移性ステージ1の15例の患者から導入した。サンプルを、5B14または抗GD2mAb(図2)のいずれか一方を使用する二重蛍光およびサイトフルオロメトリー分析によって分析した。ステージ4のサンプルでは、抗GD2mAbは、浸潤性CD45−神経芽細胞腫細胞を明るく染色した(図2A)。しかし、抗GD2mAbはまた、高い割合のCD45+正常細胞と反応したことは注目される。I抗GD2mAbは、神経芽細胞腫細胞表面によって流出される可溶性GD2分子に結合し得るという仮定(ラディシュ,S.(Ladish,S.)ら(1987年)J.Cancer.39,73−76)に一致する。
バレンチノ,L.(Valentino,L.)ら(1990年)Blood75,1564−1567)、正常細胞における抗GD2表面反応性は、神経芽細胞腫細胞を含有しないサンプル、即ち、非転移性ステージ1患者から誘導される骨髄では検出されなかった(図2B)。ステージ4骨髄吸引物、浸潤性神経芽細胞腫細胞は、5B14mAbによって特異的に認識された(図2A)。意外にも、GD2ではそれが生じるような5B14反応性分子が正常CD45+細胞において検出された例は認められなかった(図2B)。さらに、5B14表面反応性は、異なるステージ4の骨髄吸引物に浸潤している神経芽細胞腫細胞の数にかかわらず、明らかに検出された(図2C)。
新鮮神経芽細胞腫骨髄浸潤物の免疫細胞化学
ステージ4の神経芽細胞腫を有するとして診断された患者由来の骨髄サンプルを、GD2ジシアロガングリオシドの検出に基づくE−SIOP(European International Society of Pediatric Oncology/Societe Internationale d’Oncologie Pediatrique)Immunocytology/Genetics Group(材料および方法を参照のこと)によって標準化された免疫細胞化学アッセイによって分析した。同じBMサンプルから同じ方法で調製したCytospinを、5B14mAbと同時に試験した。2名の独立した観察者が、結果の光学顕微鏡的特徴を評価した。ESIOP Immunocytology/Genetics Groupによって同意された陽性に関して規定された最低基準に従って、GD2陽性症例について量的評価を行った。次いで、結果を、同じBMサンプルにおいて5B14試験によって得られた結果と比較した。2つのモノクローナル抗体で適用された染色方法により、類似の数の陽性細胞が認められた。ほとんどのサンプルにおいて、GD2は、神経芽細胞腫細胞および非正常白血球によって高度かつ恒常的に発現されたが、バックグランド染色は、特に、発病時のほとんどのステージ4の患者由来のもののような多数の神経芽細胞腫細胞を含有する調製物において認められた(図3)。この影響は、陽性細胞の識別および計数を妨害する。5B14mAbで処置した同じ症例由来のCytospinは、ほとんど同一の検出感度を示す一方、非特異的またはバックグランド染色は有意に低いかまたは存在しなかった(図3)。すべての症例において、5B14mAbによる染色の質は、若干弱いかまたは低い明るさであったが、明らかにより明確になり、通常、核のプロファイルまたは細胞の形態学的詳細を遮蔽しなかった。染色の品質は、BMサンプルの全体的評価においても役割を果たす細胞の形態学的特質のより容易な同定に寄与する。
5B14mAbによって認識される表面分子の生化学的特徴付け
代表的な293T(胚線維芽細胞)およびACN(神経芽細胞腫)ヒト細胞株を、125Iで表面標識し、細胞溶解物を5B14mAbで免疫沈降させた。両方の場合において、5B14mAbは、還元(図4、パネルA)および非還元(示さず)条件の両方で約100kDの表面分子を免疫沈降させた。N−グリコシダーゼFによる処置後に保持するタンパク質骨格は、約60kDの分子量を示し、従って、多数のN−結合型グリコシル化の存在が推定された。5B14反応性分子を、アフィニティークロマトグラフィーによって293T細胞膜から精製した。ゲル内トリプシン消化された分子を、液体クロマトグラフィーおよびタンデム質量分析(LC−MS/MS)によって分析した。3つの異なるペプチドは5B14反応性分子の同定を可能にした。V/C/V/Cの順の4つのIg様ドメインによって特徴付けられた534アミノ酸の膜貫通タンパク質に対応することが見出された(サン,M.(Sun,M.)、リチャーズ,S.(Richards,S.)、プラサド,D.−V.(Prasad,D.−V.)、マイ,X.−M.(Mai,X.−M.)、ルデンスカイ,A(Rudensky,A)、およびトン,C.(Dong,C)(2002年)J.Immunol.168,6294−6297)。この分子は、最近、4Ig−B7−H3と呼ばれている(スタインバーグ,P.(Steinberger,P.)(2004年))。上記の生化学的分析に従って、N−グリコシル化部位の推定により高度のNxS/Tコンセンサス配列が示された。4Ig−B7−H3は、ヒト第15染色体(15q23−q24)上にコードされ、これは、IgV−IgCドメインをコードするエキソンの遺伝子複製の結果であると思われる(サン,M.(Sun,M.)ら(2002年)J.Immunol.168,6294−6297)。ヒトB7−H3は、本来、V/Cの順の2つのIg様ドメインによって特徴付けられる分子として記載されたことが留意される(シャポバル,A.−I.(Chapoval,A.−I.)ら(2001年)Nat Immunol.2,269−274)。しかし、2Ig−B7−H3は、マウスおいて見出される独特な形態を示す一方、ヒトでは、それは、選択的スプライシングによって作製される短い形態を示すようである(サン,M.(Sun,M.)ら(2002年))。
5B14反応性分子の同一性を明確に確認するために、4Ig−B7−H3cDNAによってトランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣癌腫(CHO−K)細胞を、5B14mAbとの表面反応性について分析した。すべての場合において、非トランスフェクトCHO−K細胞において反応性を検出することができなかった。一方、5B14mAbは、4Ig−B7−H3細胞トランスフェクタントと強く反応した(図4、パネルB)。遠位および膜近位のV/Cドメイン間の高い%の同一性(スタインバーグ,P.(Steinberger,P.)(2004年))に従って、5B14mAbもまた、2Ig−B7−H3細胞トランスフェクタントを認識した(示さず)。
4Ig−B7H3分子はヒトNK細胞細胞障害性を阻害する
神経芽細胞腫細胞表面で発現される4Ig−B7−H3は、NK仲介認識に対する阻害もしくは増強効果および/または腫瘍細胞の溶解を発揮する可能性がある。この可能性を評価するために、本発明者らは、トランスフェクトされていないかまたは4Ig−B7−H3分子でトランスフェクトされているいずれかのCHO−K細胞株に対してインビトロで培養したヒトNK細胞の細胞溶解活性を分析した。図5、パネルAにおいて示されるように、NK細胞は、非トランスフェクトCHO−K細胞を効率的に溶解した。この場合、5B14mAbの添加は、細胞溶解活性に対する阻害または増強効果のいずれも有さなかった。対照的に、4Ig−B7−H3トランスフェクトCHO−K細胞の溶解は、強度に減少した。さらに、溶解は、5B14mAbの存在下で回復することができた。得られる溶解は、非トランスフェクトCHO−K細胞のものに匹敵した。細胞トランスフェクタントに対するすべての結果は、4Ig−B7−H3分子もまた、神経芽細胞腫細胞の場合において「保護的」役割を発揮することを強く示唆する。この可能性を確認するために、さらなる実験を、標的細胞として、ステージ4の患者の5つの異なる骨髄吸引物から誘導される新たに精製された神経芽細胞腫細胞を使用して実施した。これらの細胞はCD45−であり、GD2、4Ig−B7−H3(図5、パネルB)およびCD56(示さず)に対して明るい蛍光を示した、即ち、それらは、神経芽細胞腫に典型的な細胞表現型によって特徴付けられた(コマダ,Y.(Komada,Y.)ら(1998年)Cancer82,591−599)。重要なことに、神経芽細胞腫細胞は、特異的抑制性NK受容体と相互反応することによってNK仲介攻撃から標的細胞を保護することが公知であるHLAクラスI分子の発現に対し、事実上ネガティブであった(図5、パネルB)であった(モレッタ,A.(Moretta,A.)ら(2002年)Nat.Immunol.3,6−8)。
従って、HLAクラスI分子のmAb仲介遮断は、神経芽細胞腫細胞のNK仲介溶解に対して増強効果を有さなかった(図5、パネルB)。一方、5B14mAbの添加により、細胞溶解の実質的な増強が生じた(図5、パネルB)。これらのデータは、明らかに、4Ig−B7−H3分子がNK細胞仲介細胞障害性をダウンレギュレートし、従って、NK仲介攻撃から神経芽細胞腫を保護することが可能であることを示す。結果的に、NK細胞は、必然的に、阻害機能を発揮する4Ig−B7−H3特異的受容体を発現すべきである。この仮定は、2Ig−B7−H3または4Ig−B7−H3可溶性分子のいずれかによるこの推定受容体の関与がポリクローナルNK細胞においてIFN−γ産生を誘導しなかった一方、NKp30またはNKG2Dのような古典的な誘発性NK受容体(アンドレ,P.(Andre,P.)ら(2004年).Eur J Immunol.34:961−971)の関与が豊富なサイトカイン放出を生じるという事実によってさらに実証される(図6)。
従って、最初の報告はT細胞に対する推定B7−H3受容体の同時刺激機能を示唆した(シャポバル,A.−I.(Chapoval,A.−I.)、(2001年)が、本発明者らの現在の所見は、ヒトNK細胞において、それは活性化機能よりも阻害機能を発揮し得ることを暗示する。
考察
本発明者らは、4Ig−B7−H3(サン,M.(Sun,M.)ら、(2002年)J.Immunol.168,6294−6297、スタインバーグ,P.(Steinberger,P.)(2004年))を、少なくともBM吸引物における神経芽細胞腫に特異的である新規の表面マーカーとして同定した。本発明者らは、また、B7ファミリーに属するこの分子が、NK細胞によって発現される受容体と相互作用することによって、神経芽細胞腫のNK仲介溶解を阻害することを示す。本データは、神経芽細胞腫の診断を改善すること、およびおそらく、新たな治療アプローチの将来の試みにおいて著しい影響を及ぼし得る。
神経芽細胞腫細胞株によるマウス免疫化によって得られる新規の5B14mAbは、すべての利用可能な神経芽細胞腫細胞株だけではなく、すべての試験した新たに単離された神経芽細胞腫細胞とも反応することが見出された。5B14mAbは、転移性(methastatic)ステージ4の神経芽細胞腫を伴う患者由来のBM吸引物における高い特異性での腫瘍細胞の検出を可能にする。実際に、二重蛍光およびFACS解析によって、5B14mAbは、選択的に染色されたCD45−陰性腫瘍細胞である一方、神経芽細胞腫細胞同定に現在使用されている抗GD2mAbは、CD45+正常造血細胞とのいくつかの反応性も示した。さらに、精製されたCD45−陰性神経芽細胞腫細胞は、5B14mAbによって均質に染色された。これらのデータは、5B14が、抗GD2mAb(ラディシュ,S.(Ladish,S.)ら(1987年)Int.J.Cancer.39,73−76、バレンチノ,L.(Valentino,L.)ら、(1990年)Blood75,1564−1567)とは異なり、分析したすべての神経芽細胞腫細胞株を染色したという所見と共に、5B14mAbが神経芽細胞腫細胞を正確に同定し、腫瘍と正常細胞との間を識別するための新規の価値の高い試薬であることを示す。
分子分析によって示されるように、5B14反応性分子は、4Ig−B7−H3、B7ファミリーの極最近記載されている新規のメンバー(サン,M.(Sun,M.)ら、(2002年)J.Immunol.168,6294−6297、スタインバーグ,P.(Steinberger,P.)(2004年)で同定され得る。重要なことに、4Ig−B7−H3の表面発現は、NK仲介死滅から腫瘍細胞を保護した。従って、4Ig−B7−H3細胞トランスフェクタントは、対応する非トランスフェクト標的細胞よりも耐性であった。さらに、4Ig−B7−H3分子の5B14mAb仲介遮蔽は、NK細胞による細胞トランスフェクタントの効率的な死滅を生じさせた。これらのデータはまた、NK細胞が、神経芽細胞腫細胞上の4Ig−B7−H3分子との関与時に、NK細胞細胞障害性のダウンレギュレーションを生じる阻害シグナルを送達する受容体を発現することを示唆する。NK細胞によって仲介されるそれらの溶解が5B14mAbの存在下でアップレギュレートされ得るため、この所見は、新たに単離された神経芽細胞腫細胞においても確認されている。従って、4Ig−B7−H3の表面発現は、神経芽細胞腫細胞が免疫応答の制御を免れることを可能にするさらなる機構を提供し得ることを推測することが可能である。特に、ほとんどの新鮮な神経芽細胞腫細胞は、表面HLA−クラスI分子を発現せず(本報告)、従って、細胞溶解性Tリンパ球による検出を免れる。しかし、HLA−クラスIを消失するときに、それらは、潜在的にNK仲介溶解にかかり易くなる(ガリド,F.(Garrido,F.)ら(1997年)Immunol.Today18,89−95)。これに関して、NK細胞機能を阻害することが可能な4Ig−B7−H3の発現は、神経芽細胞腫がまたNK仲介制御も免れるさらなる回避の機構を示し得る。4Ig−B7−H3は神経芽細胞腫に制限されないが、メラノーマおよび癌腫を含む他の腫瘍によっても発現されるため、NK細胞の4Ig−B7−H3仲介機能阻害がNK細胞からの腫瘍の逸脱のさらなる一般的な機構を示し得ることが考えられる。
4Ig−B7−H3は、細胞表面リガンドの増殖性B7ファミリーの新規のメンバーである(カルネロ,B.−M.(Carreno,B.−M.)、およびコリンズ,M.(Collins,M.)(2002年)Annu Rev Immunol.20,29−53、チェン,L.(Chen,L.)(2004年)Nat.Rev.Immunol.4:336−347)。これらは、B7−1(CD80)、B7−2(CD86)、B7−H2(ICOS−L)、B7−H1(PD−L1)、B7−DC(PD−L2)、B7−H4、(B7S1、B7x)およびBT3を含む。これらは、活性化(CD28,ICOS)または阻害機能(CTLA−4、PD−1およびBTLA)のいずれかを示す受容体によって特異的に認識され(カルネロ,B.−M.(Carreno,B.−M.)、およびコリンズ,M.(Collins,M.)(2002年)、チェン,L.(Chen,L.)(2004年))、Tリンパ球によって主に発現される。従って、4Ig−B7−H3に特異的な推定抑制性受容体は、ヒトNK細胞によって発現されるべきB7ファミリーメンバーに対する第1の受容体を示す。最初の報告が、推定2Ig−B7−H3特異的受容体が、ヒトT細胞活性化中の同時刺激機能を発揮することを示唆したことが留意される(シャポバル,A.−I.(Chapoval,A.−I.)ら(2001年)Nat Immunol.2,269−274)。しかし、これらのデータは、本発明者らの結果では支持されない。実際に、ヒトT細胞に対して発現される4Ig−B7−H3に対する推定受容体の関与は、同時刺激機能を生じない一方、マウス2Ig−B7−H3特異的推定受容体は、TH1応答に対するネガティブな調節因子として機能することが示されている。従って、4Ig−B7−H3特異的受容体は、TおよびNK細胞仲介応答の両方において刺激機能よりも阻害機能を発揮し得ることが考えられるようである。一方、現時点では、このファミリーの他のメンバー(サ,W.−K.(Suh,W.−K.)ら(2003年)Nat Immunol.4,899−906)に類似のB7−H3に対する2つの異なる受容体が、それぞれポジティブまたはネガティブなシグナルを伝達することが可能であり得ることを否定することができない。
4Ig−B7−H3分子は、単球由来の未成熟または成熟なDCによって高度に発現されることが留意される。最近の多くの研究により、生来の免疫応答の初期段階ならびにTH1表現型に対する以後のT細胞応答を形成するときのNKとDCとの間に生じる架橋の役割が注目されている(モレッタ,A.(Moretta,A.)(2002年)Nat Rev Immunol.2,957−965)。従って、DC細胞表面における4Ig−B7−H3分子のNK仲介認識は、NK/DC相互作用中の調節的役割を果たし得ることが推測され得る。本発明者らの本データは、抗4Ig−B7−H3mAbが、BM、特に、神経芽細胞腫腫瘍再発の部位における腫瘍細胞の特異的検出を可能にする最も信頼できる診断ツールを示し得ることを示唆する。さらに、それらは、神経芽細胞腫およびおそらく、4Ig−B7−H3分子を発現する他の腫瘍における新規のNK細胞に基づく(ルッジェーリ,M.(Ruggeri,M.)、カパンニ,M.(Capanni,M.)、アーバニ,E.(Urbani,E.)、ペルシオ,K.(Perruccio,K.)、シュロムチク,W.−D.(Shlomchik,W.−D.)、トスティ,A.(Tosti,A.)、ポサティ,S.(Posati,S.)、ロガイア,D.(Rogaia,D.)、フレッソニ,F.(Frassoni,F.)、アバールサ,F.(Aversa,F.)、マーテリ,M.−F.(Martelli,M.−F.)、およびベラルディ,A.(Velardi,A.)(2002年)Science.295:2097−2100、ベラルディ,A.(Velardi,A.)、ルッジェーリ,M.(Ruggeri,M.)、モレッタ,A.(Moretta,A.)、およびモレッタ,L.(Moretta,L.)(2002年)Trends Immunol.23:438−444)治療的アプローチの将来的開発の鍵を付与し得る。
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8.ルッジェーリ,L.(Ruggeri,L.)、カパンニ,M.(Capanni,M.)、アーバニ,E.(Urbani,E.)、ペルシオ,K.(Perruccio,K.)、シュロムチク,W.−D.(Shlomchik,W.−D.)、トスティ,A.(Tosti,A.)、ポサティ,S.(Posati,S.)、ロガイア,D.(Rogaia,D.)、フレッソニ,F.(Frassoni,F.)、アバールサ,F.(Aversa,F.)、マーテリ,M.−F.(Martelli,M.−F.)、およびベラルディ,A.(Velardi,A.)(2002年)Science.295:2097−2100.
9.ベラルディ,A.(Velardi,A.)、ルッジェーリ,M.(Ruggeri,M.)、モレッタ,A.(Moretta,A.)、およびモレッタ,L.(Moretta,L.)(2002年)Trends Immunol.23:438−444.
10.サン,M.(Sun,M.)、リチャーズ,S.(Richards,S.)、プラサド,D.−V.(Prasad,D.−V.)、マイ,X.−M.(Mai,X.−M.)、ルデンスカイ,A(Rudensky,A)、およびトン,C.(Dong,C)(2002年)J.Immunol.168,6294−6297
11.スタインバーグ,P.(Steinberger,P.)、マジディック,O.(Majidic,O.)、ダルダク(Derdak,S.−V.)、フィステルシャマー,K.(Phistershammer,K)、キルヒバーグ,S.(Kirchberger,S.)、クラウザー,C.(Klauser,C.)、ズィラビンガー,G.(Zlabinger,G.)、ピクル,W.−F.(Pickl,W.−F.)、ストックル,J.(Stockl,J)およびナップ,W.(Knapp,W)(2004年)J.Immunol.172,2352−2359
12.ボッティノ,C.(Bottino,C.)、カストリコニ,R.(Castriconi,R.),ペンデ,D.(Pende,D.)、リベラ,P.(Rivera,P.)、ナンニ,M.(Nanni,M.)、カーネモラ,B.(Carnemolla,B.)、カントーニ,C.(Cantoni,C.)、グラッシ,J.(Grassi,J.)、マルセナロ,S.(Marcenaro,S.)、レイモンド,N.(Reymond,N.)、バイタレ,M.(Vitale,M.)、モレッタ,L.(Moretta,L.)、ロペス,M.(Lopez,M.)、およびモレッタ,A.(Moretta,A.)(2003年)J Exp Med.198,557−567.
13.ブロダイル,G.−M.(Brodeur,G.−M.)、プリチャード,J.(Pritchard,J.)、ベルトルド,F.(Berthold,F.)、カールセン,N.−L.(Carlsen,N.−L.)、カステル,V.(Castel,V.)、カステルベリー,R.−P(Castelberry,R.−P)、デベルナルディ,B.(De Bernardi,B.)、エバンス,A.−E.(Evans,A.−E.)、ファブロット,M.(Favrot,M.)、ヘドボルグ,F.(Hedborg,F.)ら(1993年)J Clin Oncol.11,1466−1477.
14.アンドレ,P.(Andre,P.)、カストリコニ,R.(Castriconi,R.)、エスペリ,M.(Espeli,M.)、アンフォッシ.N.(Anfossi.N.)、フアレス,T.(Juarez,T.)、フエ.S.(Hue.S.)、コンウェイ.H.(Conway.H.)、ロマングネ,F.(Romagne,F.)、ドンデロ,A.(Dondero,A.)、ナンニ,M.(Nanni,M.)、カイラット−ズックマン,S.(Caillat−Zucman,S.)、ロイレット.D.H.(Raulet.D.H.)、ボッティノ,C.(Bottino,C.)、ヴィヴィエル,E.(Vivier,E.)、モレッタ,A.(Moretta,A.)およびポール.P.(Paul.P.)(2004年).Eur J Immunol.34:961−971.
15.ファルコ,M.(Falco,M.)、マルセナロ,E.(Marcenaro,E.)、ロミオ,E.(Romeo,E.)、ベローラ,E.(Bellora,F.)、マラス,D.(Marras,D)、ベリ,F.(Vely,F.)、フェラッシ,G.(Ferracci,G.)、モレッタ,L.(Moretta,L.)、モレッタ,A.(Moretta,A.)およびボッティノ C.(Bottino C.)(2004年).Eur.J.Immunol.
16.シャポバル,A.−I.(Chapoval,A.−I.)、ニ,J.(Ni,J.)、ラウ,J.−S.(Lau,J.−S.)、ウェイルコックス,R.−A.(Wilcox,R.−A.)、フリース,D.−B.(Flies,D.−B.)、リウー,D.(Liu,D.)、トン,H.(Dong,H.)、シーカ,GL.(Sica,GL.)、チュー,G.(Zhu,G.)、タマダ,K.(Tamada,K.)、およびチェン,L.(Chen,L.)(2001年)Nat Immunol.2,269−274.
17.コマダ,Y.(Komada,Y.)、チャン,X.−L.(Zhang,X.−L.)、チョウ,Y.−W.(Zhou,Y.−W.)、イナバ,H.(Inaba,H.)、デグチ,T.(Deguchi,T.)、アズマ,E.(Azuma,E.)、およびサクライ M.(Sakurai M.)(1998)Cancer.82,591−599.
18.モレッタ,A.(Moretta,A.)、ボッティノ,C.(Bottino,C.)、ミンガリ,M.−C.(Mingari,M.−C.)、バイアソルニ,R.(Biassoni,R.)、およびモレッタ,L.(Moretta,L.)(2002年)Nat Immunol.3,6−8.
19.ガリド,F.(Garrido,F.)、ルイス−キャベロ,F.(Ruiz−Cabello,F.)、カブレラ,T.(Cabrera,T.)、ペレス−ヴィラール,J.−J.(Perez−Villar,J.−J.)、ロペス−ボテト,M.(Lopez−Botet,M.)、ダガン−キーン,M.(Duggan−Keen,M.)、およびスターン,P.−L.(Stern,P.−L.)(1997年)Immunol.Today18,89−95
20.カルネロ,B.−M.(Carreno,B.−M.)、およびコリンズ,M.(Collins,M.)(2002年)Annu Rev Immunol.20,29−53.
21.チェン,L.(Chen,L.)(2004年).Nat.Rev.Immunol.4:336−347.
23.サ,W.−K.(Suh,W.−K.)、ガジェスカ,B.−U.(Gajewska,B.−U.)、オカダ,H.(Okada,H.)、グロンスキー,M.−A.(Gronski,M.−A.)、バートラム,E.−M.(Bertram,E.−M.)、ダウィキ,W.(Dawicki,W.)、ダンカン,G.−S.(Duncan,G.−S.)、ブクジンスキー,J.(Bukczynski,J.)、プライテ,S.(Plyte,S.)、エリア,A.(Elia,A.)、ウェークハム,A.(Wakeham,A.)、イチエ,A.(Itie,A.)、チュン,S.(Chung,S.)、ダコスタ,J.(Da Costa,J.)、アールヤ,S.(Arya,S.)、ホラン,T.(Horan,T.)、キャンベル,P.(Campbell,P.)、ガイダ,K.(Gaida,K.)、オハシ,P.−S.(Ohashi,P.−S.)、ワッツ,T.−H.(Watts,T.−H.)、ヨシナガ,S.−K.(Yoshinaga,S.−K.)、ブレイ,M.−R.(Bray,M.−R.)、ジョルダナ,M.(Jordana,M.)、およびマク,T.−W.(Mak,T.−W.)(2003年)Nat Immunol.4,899−906.
24.モレッタ,A.(Moretta,A.)(2002年)Nat Rev Immunol.2,957−965.
本明細書において引用された刊行物、特許出願および特許を含むすべての参考文献は、あたかも各文献が個々におよび具体的に参照により援用されることが意図され、その全体が本明細書に記載されているかのごとく、本明細書において参照により援用される。
すべての表題および副題は、簡便のためのみに本明細書において使用され、いかなる方法においても本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
すべての可能なバージョンにおける上記の要素のいかなる組み合わせも、本明細書所において他に示すかまたは文脈において他に明らかな矛盾が認められない限り、本発明に包含される。
本発明の説明に関して使用される単数形(「a」および「an」および「the」)および類似の指示対象は、本明細書において他に示すかまたは文脈において他に明らかな矛盾が認められない限り、単数および複数の両方を含むものと解釈されるべきである。
本明細書に記載の値の範囲の詳細な記載は、本明細書において他に示さない限り、範囲に当てはまる各個別の値について個々に言及する簡潔な表現方法としての役割を果たすことを単に目的としており、各個々の値は、あたかもそれが本明細書において個々に引用されているがごとく、本明細書に援用される。他に説明しない限り、本明細書において提供されるすべての正確な値は、対応するおおよその値の代表値である(例えば、特定の因子または測定について提供されるすべての正確な値もまた、対応するおおよその測定値を提供し、近似を示唆する「約」によって修飾される)。
本明細書に記載のすべての方法は、本明細書において他に示すかまたは文脈において他に明らかな矛盾が認められない限り、任意の適切な順序で実施することができる。
本明細書において提供される任意およびすべての例、または例示的語句(例えば、「のような(such as)」)は、単に本発明をより良好に例示することを目的としており、他に示さない限り、本発明の範囲を限定しない。本明細書における語句は、明白に説明しない限り、あらゆる要素が本発明の実施に必須であることを示すと解釈されるべきである。
本明細書における特許明細書の引用および援用は、簡便のために行われており、そのような特許明細書の有効性、特許可能性および/または権利行使可能性のあらゆる見解に反映しない。
要素に関する「含んでなる」、「有する」、「含む」または「含有する」などの用語を使用する本発明のあらゆる態様あるいは実施形態の本明細書における説明は、他に説明するかまたは文脈において他に明らかな矛盾が認められない限り、該特定の要素「からなる」、「から本質的になる」、または「実質的に含んでなる」本発明の類似の態様または実施形態への支持を提供することを目的とする(例えば、本明細書において要素を含んでなるものとして説明される組成物は、他に説明するかまたは文脈において他に明らかな矛盾が認められない限り、該要素からなる組成物をもまた説明しているものと理解すべきである)。
本発明は、適用可能な法律によって許可された最大限の範囲で本明細書に記載の態様または特許請求の範囲に引用される主題のすべての変更および等価物を含む。