JP5551369B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents
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Description
<1> 一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を挟持する有機電界発光素子であって、該発光層が発光材料及び下記一般式(1)で表される化合物及び更に電荷輸送材料を含むことを特徴とする有機電界発光素子:
<2> 前記二重結合を有する基がフェニル基、ビフェニリル基、テルフェニリル基より選ばれる基であることを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子。
<3> 前記一般式(1)において、R1〜R4の少なくとも1つは、フェニル基であることを特徴とする<1>または<2>に記載の有機電界発光素子。
<4> 前記一般式(1)で表される化合物の最高占有軌道と最低非占有軌道とのエネルギー差(Egと表記)が4.0eV以上であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
<5> 前記一般式(1)で表される化合物の三重項最低励起準位(T1と表記)が2.7eV以上であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
<6> 前記一般式(1)で表される化合物のイオン化ポテンシャル(Ipと表記)が6.1eV以上であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
<7> 前記一般式(1)で表される化合物の電子親和力(Eaと表記)が2.3eV以下であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
<8> 前記一般式(1)で表される化合物と前記電荷輸送材料を質量比で1:99〜50:50の範囲で含有することを特徴とする<7>に記載の有機電界発光素子。
<9> 前記一般式(1)で表される化合物と前記電荷輸送材料を質量比で5:95〜35:65の範囲で含有することを特徴とする<8>に記載の有機電界発光素子。
<10> 前記一般式(1)で表される化合物を複数混合して含有することを特徴とする<1>〜<9>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
<11> 前記複数混合される一般式(1)で表される化合物が互いにフェニル基の数が異なることを特徴とする<10>に記載の有機電界発光素子。
<12> 前記電荷輸送材料がホール輸送性材料であることを特徴とする<1>〜<11>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
<13> 前記発光材料が下記一般式(A)で表される金属錯体であることを特徴とする<1>〜<12>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
<14> 前記一般式(A)でM11が白金イオンであることを特徴とする<13>に記載の有機電界発光素子。
<15> <1>〜<14>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を備えることを特徴とする表示素子。
<16> <1>〜<14>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を備えることを特徴とする照明光源。
本発明の発光素子は基板上に陰極と陽極を有し、両電極の間に有機発光層(以下、単に「発光層」と称する場合がある。)を含む有機化合物層を有する。発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明であることが好ましい。
本発明における有機化合物層は、単層または積層のいずれであってもよい。積層の場合の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。更に、正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間には、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には、電子注入層を有してもよい。尚、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
次に本発明の有機電界発光素子に用いる一般式(1)で表される化合物について、詳細に説明する。
本発明に於いては好ましくは、一般式(1)で表される化合物の最高占有軌道と最低非占有軌道とのエネルギー差(Egと表記する)が4.0eV以上である。最高占有軌道と最低非占有軌道とのエネルギー差Egが4.0eV以上となる有機化合物は、一般に電気的に不活性で、上記の正孔及び/又は電子のブロッキング効果を発揮することができる。一般式(1)で表される化合物のEgはさらには4.1eV以上がより好ましく、4.2eV以上が特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物を複数混合して用いることにより、さらに発光効率の向上と駆動耐久性の向上が達成される。
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
本発明に於ける発光層は、少なくとも発光材料、上記の一般式(1)で表される化合物及び電荷輸送材料を含有する。
本発明に係る発光層中の発光材料は、蛍光発光材料でも、燐光発光材料であっても良い。
本発明においては、発光効率の点から、発光層に燐光発光材料を用いることが好ましい。
燐光発光材料としては、一般に、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体を挙げることができる。
遷移金属原子としては、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、及び金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金であり、更に好ましくはイリジウム、白金である。
ランタノイド原子としては、例えばランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、およびルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
具体的な配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、芳香族炭素環配位子(例えば、シクロペンタジエニルアニオン、ベンゼンアニオン、またはナフチルアニオンなど)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、またはフェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子など)、アルコラト配位子(例えば、フェノラト配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。
上記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
蛍光性の発光性ドーパントとしては、一般には、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ピラン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、縮合多環芳香族化合物(ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フェナントロリン、ピレン、ペリレン、ルブレン、又はペンタセンなど)、8−キノリノールの金属錯体、ピロメテン錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、およびこれらの誘導体などを挙げることができる。
具体的には、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテシウム錯体が挙げられ、より好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、イリジウム、又は白金錯体であり、最も好ましくはイリジウム、白金錯体である。
本発明における3座以上の配位子を有する金属錯体について説明する。
1)金属イオン
該金属錯体において金属イオンに配位する原子は特に限定されないが、酸素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子又はリン原子が好ましく、酸素原子、窒素原子又は炭素原子がより好ましく、窒素原子又は炭素原子が更に好ましい。
本発明における3座以上の配位子を有する金属錯体としては、発光効率向上、耐久性向上の観点から、3座以上6座以下の配位子を有する金属錯体が好ましく、イリジウムイオンに代表される6配位型錯体を形成しやすい金属イオンの場合には、3座、4座、または6座の配位子を有する金属錯体がより更好ましく、白金イオンに代表される4配位型錯体を形成しやすい金属イオンの場合には、3座または4座の配位子を有する金属錯体がより好ましく、4座の配位子を有する金属錯体が更に好ましい。
本発明における金属錯体の配位子は発光効率向上、耐久性向上の観点から、鎖状、又は、環状であることが好ましく、中心金属(例えば、後述する一般式(A)で表される化合物の場合であればM11を表す。)に窒素で配位する含窒素へテロ環(例えば、ピリジン環、キノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、またはトリアゾール環など)を少なくとも一つ有することが好ましい。該含窒素ヘテロ環としては、含窒素6員ヘテロ環、含窒素5員ヘテロ環であることがより好ましい。これらのヘテロ環は他の環と縮合環を形成してもよい。
本発明における金属錯体としては、以下に詳述する一般式(A)で表される有機化合物であることが好ましい。
先ず、一般式(A)で表される有機化合物について説明する。
Y11、Y12、およびY13は、それぞれ独立に、連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。M11とL11〜L15との結合は、それぞれ独立に、配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。
一般式(A)中、M11は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されないが、2価または3価の金属イオンが好ましい。2価または3価の金属イオンとしては、金イオン、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンが好ましく、白金イオン、イリジウムイオン、またはユーロピウムイオンがより好ましく、白金イオン、イリジウムイオンがさらに好ましく、白金イオンが特に好ましい。
L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、及びL14から成る配位子は、アニオン性配位子(少なくとも一つのアニオンが金属と結合する配位子)であることが好ましい。アニオン性配位子中のアニオンの数は、1〜3が好ましく、1、2がより好ましく、2がさらに好ましい。
上記白金錯体として、好ましくは、下記一般式(C−1)で表される白金錯体である。
一般式(C−1)について説明する。Q1、Q2、Q3およびQ4は、それぞれ独立に、Ptに配位する配位子を表す。この時、Q1、Q2、Q3およびQ4とPtの結合は、共有結合、イオン結合、配位結合などいずれであっても良い。Q1、Q2、Q3およびQ4中のPtに結合する原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子が好ましく、Q1、Q2、Q3およびQ4中のPtに結合する原子の内、少なくとも一つが炭素原子であることが好ましく、二つが炭素原子であることがより好ましい。
リン原子でPtに結合するQ1、Q2、Q3およびQ4としては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはホスフィン配位子、リン酸エステル配位子、亜リン酸エステル配位子、含リンヘテロ環配位子(ホスフィニン配位子など)が挙げられ、アニオン性の配位子としては、ホスフィノ配位子、ホスフィニル配位子、ホスホリル配位子などが挙げられる。
置換基群Aは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシロキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、
L1、L2およびL3として好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、より好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、イミノ基であり、さらに好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基であり、さらに好ましくは、単結合、メチレン基、フェニレン基であり、さらに好ましくは単結合、ジ置換のメチレン基であり、さらに好ましくは単結合、ジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジイソブチルメチレン基、ジベンジルメチレン基、エチルメチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、イソブチルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基、シクロペンタンジイル基、フルオレンジイル基、フルオロメチルメチレン基であり、特に好ましくは単結合、ジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基である。
N原子の位置は、A7、A8、A9およびA10のいずれでもよいが、A8またはA9がN原子であることが好ましく、A8がN原子であることがより好ましい。
2つの炭素原子、A7、A8、A9およびA10から形成される6員環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環が挙げられ、より好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環であり、特に好ましくはピリジン環である。前記6員環が、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環(特に好ましくはピリジン環)であることにより、ベンゼン環と比較して、金属−炭素結合を形成する位置に存在する水素原子の酸性度が向上する為、より金属錯体を形成しやすくなり有利である。
A1〜A6、A14〜A21それぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。A1〜A6およびL1は、前記一般式(C−2)におけるA1〜A6およびL1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
A14〜A21がC−Rを表す場合に、A15、A19のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、アルキル基、アリール基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましく水素原子、ポリフルオロアルキル基、シアノ基である。A14、A16、A18、A20の表すRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましく水素原子、フッ素基である。A14、A18の表すRとして好ましくは水素原子、フッ素基であり、より好ましくは水素原子である。A14〜A16、A18〜A20のいずれかがC−Rを表す場合に、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。
本発明における発光層は、発光材料および一般式(1)で表される化合物とともに、電荷輸送材料を含有する。本発明に用いられる電荷輸送材料は、好ましくはホール輸送性材料である。
本発明の発光層に用いられるホール輸送性材料としては、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、イオン化ポテンシャルIpが5.1eV以上6.4eV以下であることが好ましく、5.4eV以上6.2eV以下であることがより好ましく、5.6eV以上6.0eV以下であることが更に好ましい。また、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、電子親和力Eaが1.2eV以上3.1eV以下であることが好ましく、1.4eV以上3.0eV以下であることがより好ましく、1.8eV以上2.8eV以下であることが更に好ましい。
中でも、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、アザインドール誘導体、アザカルバゾール誘導体、芳香族第三級アミン化合物、チオフェン誘導体が好ましく、特に分子内にインドール骨格、カルバゾール骨格、アザインドール骨格、アザカルバゾール骨格および芳香族第三級アミン骨格の少なくとも一方を複数個有するものが好ましい。
このようなホール輸送性材料の具体的化合物としては、例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、本発明の有機EL素子の構成について、詳細に説明する。
本発明の有機EL素子は基板上に陰極と陽極を有し、両電極の間に発光層を含む複数の有機化合物層を有し、好ましくは、発光層の両側に、発光層に隣接して有機化合物層を有する。発光層に隣接している有機化合物層と電極の間には、更に有機化合物層を有していてもよい。発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明であることが好ましい。通常の場合、陽極が透明である。
本発明で使用する基板としては、発光層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。その具体例としては、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、およびポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
例えば、基板としてガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に用いられる。透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
熱可塑性基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
陰極は、通常、有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01質量%〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1nm〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1nm〜10nmの厚さに薄く成膜し、更にITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
本発明における有機化合物層について説明する。
本発明の有機EL素子は、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有しており、発光層以外の他の有機化合物層としては、前述したごとく、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子において、有機化合物層を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、湿式塗布方式、転写法、印刷法、インクジェット方式等いずれによっても好適に形成することができる。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。本発明の正孔注入層、正孔輸送層に使用できる材料としては、特に限定はなく、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
具体的には、ピロール誘導体、カルバゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、チオフェン誘導体、有機シラン誘導体、カーボン、フェニルアゾール、フェニルアジンを配位子に有する金属錯体、等を含有する層であることが好ましい。
この他にも、特開平6−212153、特開平11−111463、特開平11−251067、特開2000−196140、特開2000−286054、特開2000−315580、特開2001−102175、特開2001−160493、特開2002−252085、特開2002−56985、特開2003−157981、特開2003−217862、特開2003−229278、特開2004−342614、特開2005−72012、特開2005−166637、特開2005−209643等に記載の化合物を好適に用いることが出来る。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜300nmであるのがより好ましく、10nm〜200nmであるのが更に好ましい。また、正孔注入層の厚さとしては、0.1nm〜500nmであるのが好ましく、0.5nm〜300nmであるのがより好ましく、1nm〜200nmであるのが更に好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。本発明の電子注入層、電子輸送層に使用できる材料として特に限定は無く、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
具体的には、ピリジン誘導体、キノリン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、フタラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、トリアジン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、シロールに代表される有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
この他にも、特開平6−212153、特開2000−196140、特開2003−68468、特開2003−229278、特開2004−342614等に記載の材料を用いることが出来る。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
ホールブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、ホールブロック層を設けることができる。
ホールブロック層を構成する化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
ホールブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
ホールブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子ブロック層は、陰極側から発光層に輸送された電子が、陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陽極側で隣接する有機化合物層として、電子ブロック層を設けることができる。
電子ブロック層を構成する化合物の例としては、例えば前述の正孔輸送材料として挙げたものが適用できる。
電子ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
ホールブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
本発明において、有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等の金属酸化物、SiNx、SiNxOy等の金属窒化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
さらに、本発明の有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、および酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、およびシリコーンオイル類が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号公報、同6−301355号公報、同5−29080号公報、同7−134558号、同8−234685号公報、同8−241047号公報、特許第2784615号公報、米国特許5828429号公報、同6023308号公報等に記載の駆動方法を適用することができる。
本発明の有機電界発光素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等に好適に利用できる。
<有機EL素子の作製>
(比較の有機EL素子A1の作製)
1)陽極の形成
25mm×25mm×0.7mmのガラス基板上に酸化インジウム錫(以後、ITOと略記)を100nmの厚さで蒸着し製膜したもの(東京三容真空(株)製)を透明支持基板とした。この透明支持基板をエッチング、洗浄した。
2)正孔注入・輸送層
このITOガラス基板上に、銅フタロシアニン(以後、CuPcと略記)を10nm、続いてN,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(以後、α−NPDと略記)を50nmに蒸着した。
上記正孔注入・輸送層の上に一般式(1)の化合物(AD−1)、及び電子輸送性発光材料として白金錯体Pt−1を質量比で85:15となるように共蒸着した。
蒸着厚みは30nmであった。
次いで、電子輸送材料Aluminum(III)bis−(2−methyl−8−quinolinolato)−4−phenylphenolate(以後、BAlqと略記)を膜厚40nm蒸着した。
5)電子注入層
さらにLiFを膜厚約1nm蒸着した。
6)陰極電極の形成
この上にパターニングしたマスク(発光面積が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、アルミニウムを膜厚約100nmに蒸着して素子を作製した。なお、作製した素子は乾燥グローブボックス内で封止した。
上記の蒸着は、10−3Pa〜10−4Paの真空中で、基板温度は室温の条件下で行った。
比較の素子A1において、発光層を下記に変更し、その他は比較の素子A1と同様にして比較の素子A2を作製した。
発光層:ホール輸送性ホスト材料N,N’−ジカルバゾリル−1,3−ベンゼン(mCPと略記する)と電子輸送性発光材料Pt−1を質量比で85:15となるように共蒸着した。蒸着厚みは30nmであった。
比較の有機EL素子A1の作製において、発光層として下記の層を用いる以外は比較の有機EL素子A1の作製と全く同様にして本発明の有機EL素子1〜4を作製した。
発光層:ホール輸送性ホスト材料mCP、一般式(1)の化合物(AD−1)、及び電子輸送性発光材料Pt−1の質量比をa:b:cとした時に下記比率となるように共蒸着した。蒸着厚みは30nmであった。
有機EL素子1: a:b:c=70:15:15
有機EL素子2: a:b:c=60:25:15
有機EL素子3: a:b:c=50:35:15
有機EL素子4: a:b:c=40:45:15
1)外部量子効率
東陽テクニカ(株)製ソースメジャーユニット2400を用いて、直流電圧を各素子に印加し、発光させた。その輝度をトプコン社製輝度計BM−8を用いて測定した。発光スペクトルと発光波長は、浜松ホトニクス(株)製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。これらの数値をもとに、輝度が1000cd/m2における外部量子効率を輝度換算法により算出した。
東陽テクニカ(株)製ソースメジャーユニット2400を用いて、直流電圧を各素子に印加し、発光させた。素子に流す電流値が10mA/cm2となったときの電圧を駆動電圧として測定した。
3)駆動耐久性:輝度半減時間
各素子を輝度1000cd/m2になるように直流電圧を印加し、連続駆動して輝度が500cd/m2になるまでの時間を測定した。比較の素子A1の値を1として、比較の素子A1に対しての相対値(比)で表した。この相対輝度半減時間をもってして駆動耐久性の指標とした。
さらに、本発明の素子は一般式(1)の化合物の含有率が15質量%から35質量%までは含有率の増加とともに外部量子効率の向上、および駆動耐久性が向上するより優れた性能を示したが、該含有率が45質量%まで増加するとそれらの効果は低下した。
1.試料の作製
(有機EL素子5の作製)
実施例1の有機EL素子1の作製において、発光層として下記の層を用いる以外は比較の有機EL素子1の作製と全く同様にして本発明の有機EL素子5を作製した。
ホール輸送性ホスト材料mCP、一般式(1)の化合物(AD−2)、及び電子輸送性発光材料Pt−1の質量比を70:15:15となるように共蒸着した。蒸着厚みは30nmであった。
実施例1の有機EL素子1の作製において、発光層として下記の層を用いる以外は比較の有機EL素子1の作製と全く同様にして本発明の有機EL素子5を作製した。
ホール輸送性ホスト材料mCP、一般式(1)の化合物(AD−3)、及び電子輸送性発光材料Pt−1の質量比を70:15:15となるように共蒸着した。蒸着厚みは30nmであった。
得られた素子について実施例1と同様に性能を評価した。結果を表2に示した。
その結果、比較の素子A2に対して本発明の素子5、6は、予想外に高い外部量子効率、および同等の駆動電圧の上、さらに高い駆動耐久性を示した。
(有機EL素子11〜16の作製)
実施例1の有機EL素子3の作製において、発光層の一般式(1)の化合物として表3に示した化合物および混合比率で用いる以外は比較の有機EL素子3の作製と全く同様にして本発明の有機EL素子11〜16を作製した。各素子とも発光材料Pt−1の含有量は、15質量%で一定である。表3中、一般式(1)の化合物の総量が35質量%を超えた場合は、ホスト材料mCPの含有率を減らして調整した。
得られた素子について実施例1と同様に性能を評価した。結果を表3に示した。
上記結果から明らかなように、本発明の素子11〜16は、予想外に高い外部量子効率、および低い駆動電圧の発光特性を有し、更に、本発明の素子13〜16は、一段と高い外部量子効率、および低い駆動電圧の発光特性を有し、且つ、高い駆動耐久性を有していた。即ち、一般式(1)で表される化合物を2種併用することによって更に優れた本発明の効果が得られることが明らかとなった。
(有機EL素子22〜24の作製)
実施例1の有機EL素子の作製において、発光層の一般式(1)の化合物として表4に示した化合物を用いる以外は実施例1の有機EL素子の作製と全く同様にして本発明の有機EL素子22〜24、および比較の素子C1を作製した。各素子とも発光材料Pt−1の含有量は、15質量%で一定である。表4中、一般式(1)の化合物とホスト材料mCPの合計の含有率は85質量%である。
本発明の素子22〜24は、比較の素子C1に比較して、予想外に高い外部量子効率、および低い駆動電圧の発光特性の上、さらに高い駆動耐久性を有していた。
(有機EL素子25〜27の作製)
実施例1の有機EL素子の作製において、発光層の発光材料をPt−1に代えてPt−2を用い、ホスト材料として、表5に示すように、mCP、H−1又はH−2を用いる以外は実施例1の有機EL素子の作製と全く同様にして本発明の有機EL素子25〜27を作製した。各素子とも発光材料の含有量は15質量%、化合物(AD−1)の含有量は15質量%、ホスト材料の含有量は70質量%である。
(比較の素子D1〜D3を作製)
また、発光層に化合物(AD−1)を含まず、ホスト材料の含有量を85質量%とする以外は上記有機EL素子25〜27と全く同様にして比較の素子D1〜D3を作製した。
本発明の素子25〜27は、各々対応する比較の素子D1〜D3に比較して、予想外に高い外部量子効率、および低い駆動電圧の発光特性の上、さらに高い駆動耐久性を有していた。
(有機EL素子28〜30の作製)
実施例1の有機EL素子の作製において、発光層の一般式(1)の化合物として化合物(AD−8)を用い、発光材料をPt−1に代えてPt−2を用い、ホスト材料として、表6に示すように、mCP、H−1又はH−2を用いる以外は実施例1の有機EL素子の作製と全く同様にして本発明の有機EL素子28〜30を作製した。各素子とも発光材料の含有量は15質量%、AD−8の含有量は15質量%、ホスト材料の含有量は70質量%である。
(比較の素子E1〜E3の作製)
また、発光層に化合物(AD−8)を含まず、ホスト材料の含有量を85質量%とする以外は上記有機EL素子28〜30と全く同様にして比較の素子E1〜E3を作製した。
本発明の素子28〜30は、各々対応する比較の素子E1〜E3に比較して、予想外に高い外部量子効率、および低い駆動電圧の発光特性の上、さらに高い駆動耐久性を有していた。
(有機EL素子31〜34の作製)
実施例1の有機EL素子の作製において、発光層の発光材料をPt−1に代えてPt−3を用い、ホスト材料として、表7に示すように、mCP、N,N’−di−carbazolyl−4,4’−biphenyl(CBPと略記する)、H−1又はH−2を用いる以外は実施例1の有機EL素子の作製と全く同様にして本発明の有機EL素子31〜34を作製した。各素子とも発光材料の含有量は15質量%、AD−1の含有量は15質量%、ホスト材料の含有量は70質量%である。
(比較の素子F1〜F4の作製)
また、発光層に一般式(1)の化合物を含まず、ホスト材料の含有量を85質量%とする以外は上記有機EL素子31〜34と全く同様にして比較の素子F1〜F4を作製した。
本発明の素子31〜34は、各々対応する比較の素子F1〜F4に比較して、予想外に高い外部量子効率、および低い駆動電圧の発光特性の上、さらに高い駆動耐久性を有していた。
(有機EL素子35〜38の作製)
実施例1の有機EL素子の作製において、発光層の一般式(1)の化合物として化合物(AD−8)を用い、発光材料をPt−1に代えてPt−3を用い、ホスト材料として、表8に示すように、mCP、CBP、H−1又はH−2を用いる以外は実施例1の有機EL素子の作製と全く同様にして本発明の有機EL素子35〜38を作製した。各素子とも発光材料の含有量は15質量%、化合物(AD−8)の含有量は15質量%、ホスト材料の含有量は70質量%である。
(比較の素子G1〜G4の作製)
また、発光層に化合物(AD−8)を含まず、ホスト材料の含有量を85質量%とする以外は上記有機EL素子35〜38と全く同様にして比較の素子G1〜G4を作製した。
本発明の素子35〜38は、各々対応する比較の素子G1〜G4に比較して、予想外に高い外部量子効率、および低い駆動電圧の発光特性の上、さらに高い駆動耐久性を有していた。
(有機EL素子39の作製)
実施例1の有機EL素子の作製において、発光層の一般式(1)の化合物として化合物(AD−8)を用い、発光材料をPt−1に代えてPt−4を用いる以外は実施例1の有機EL素子の作製と全く同様にして本発明の有機EL素子39を作製した。発光材料の含有量は15質量%、化合物(AD−8)の含有量は15質量%、ホスト材料(mCP)の含有量は70質量%である。
(比較の素子H1の作製)
また、発光層に化合物(AD−8)を含まず、ホスト材料の含有量を85質量%とする以外は上記有機EL素子39と全く同様にして比較の素子H1を作製した。
本発明の素子39は、対応する比較の素子H1に比較して、予想外に高い外部量子効率、および低い駆動電圧の発光特性の上、さらに高い駆動耐久性を有していた。
・蒸着膜のEgは、吸収スペクトルの吸収端のエネルギーから求めた。
・蒸着膜のIpは、光電子分光装置(AC−2、理研計器製)を用いて測定した。
・蒸着膜のEaは、Ip値からEg値を差し引くこと(Ip−Ea)により求めた。
また、化合物(AD−1)〜(AD−8)について、三重項最低励起準位(T1と表記)を以下のように測定した。
・それぞれの材料をEPA溶媒(ジエチルエーテル5容積:イソペンタン5容積:イソプロパノール2容積の混合溶媒)に0.001%溶解した溶液を石英セルに入れ、液体窒素中で77Kに冷却した状態で、分光測定装置(日立F7000)を用いて燐光スペクトルを測定し、燐光スペクトルの短波長端のエネルギーをT1とした。
本実施例で使用した化合物(AD−1)〜(AD−8)は、4.0eV以上のEg、6.0eV以上のIp、2.1eV以下のEaを有していた。これらの結果から、化合物(AD−1)〜(AD−8)は電気的に不活性であり、発光層中に添加された場合、発光層中で正孔及び/又は電子をブロッキング(筒抜け防止)する効果を有することが明らかとなった。
また、三重項最低励起準位(T1と表記)は2.7eV以上であり、発光層中に添加された場合、発光層の発光材料からの励起子拡散が抑制され、発光効率を一層向上させることができることが明らかとなった。
(有機EL素子40〜51の作製)
実施例1の有機EL素子1の作製において、発光層の一般式(1)の化合物として化合物(AD−1)の代わりに化合物(AD−8)を用い、発光材料としてPt−1の代わりに下記の表11に記載の化合物を用い、ホスト材料として、表11に示すように、mCP、BAlq、CBP、H−1又はH−2を用いて、それ以外は実施例1の有機EL素子1の作製と全く同様にして本発明の有機EL素子40〜51を作製した。発光材料の含有量は15質量%、化合物(AD−8)の含有量は15質量%、ホスト材料の含有量は70質量%である。
発光層に化合物(AD−8)を含まず、ホスト材料の含有量を85質量%とする以外は上記有機EL素子40〜51と全く同様にして比較の素子I−1〜I−12を作製した。
得られた素子について実施例1と同様に性能を評価した。結果を表11に示した。
本発明の素子40〜51は、対応する比較の素子I−1〜I−12に比較して、予想外に高い外部量子効率、高い駆動耐久性を有していた。
(有機EL素子52〜54の作製)
実施例1の有機EL素子1の作製において、α−NPDを含有する層(NPD層と表記する)とBAlqを含有する層(BAlq層と表記する)を、下記の表12に記載の通りに変更する以外は実施例1の有機EL素子1の作製と全く同様にして本発明の有機EL素子52〜54を作製した。
(比較の素子J1〜J3の作製)
また、発光層に化合物(AD−1)を含まず、ホスト材料の含有量を85質量%とする以外は上記有機EL素子52〜54と全く同様にして比較の素子J1〜J3を作製した。
得られた素子について実施例1と同様に性能を評価した。結果を表12に示した。
本発明の素子52〜54は、対応する比較の素子J1〜J3に比較して、予想外に高い外部量子効率の上、高い駆動耐久性を有していた。
Claims (12)
- 一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を挟持する有機電界発光素子であって、該発光層が発光材料及び三重項最低励起準位(T1と表記)が2.7eV以上である下記一般式(1)で表される化合物を複数混合して含有し、更に電荷輸送材料を含むことを特徴とする有機電界発光素子:
(一般式(1)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、又はシリル基を表し、該R1〜R4の少なくとも1つは、フェニル基またはm−置換フェニル基とから選択される基である。X1〜X12は、それぞれ水素原子を表す。)。 - 前記一般式(1)で表される化合物の最高占有軌道と最低非占有軌道とのエネルギー差(Egと表記)が4.0eV以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(1)で表される化合物のイオン化ポテンシャル(Ipと表記)が6.1eV以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(1)で表される化合物の電子親和力(Eaと表記)が2.3eV以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(1)で表される化合物と前記電荷輸送材料を質量比で1:99〜50:50の範囲で含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(1)で表される化合物と前記電荷輸送材料を質量比で5:95〜35:65の範囲で含有することを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
- 前記複数混合される一般式(1)で表される化合物が互いにフェニル基の数が異なることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
- 前記電荷輸送材料がホール輸送性材料であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
- 前記発光材料が下記一般式(A)で表される金属錯体であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
(一般式(A)中、M11は金属イオンを表し、L11〜L15は、それぞれ独立に、M11に配位する配位子を表す。L11とL14との間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成してもよい。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成してもよい。Y11、Y12、Y13は、それぞれ独立に、連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。M11とL11〜L15との結合は、それぞれ独立に、配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。)。 - 前記一般式(A)でM11が白金イオンであることを特徴とする請求項9に記載の有機電界発光素子。
- 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を備えることを特徴とする表示素子。
- 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を備えることを特徴とする照明光源。
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