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JP5326591B2 - 鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法 - Google Patents

鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、主たる鉄源として鋼屑(鉄系スクラップ)を使用して高級鋼用の溶銑を製造する方法に関し、詳しくは、鋼屑を使用して高級鋼を製造する場合に品質上の問題となる鋼屑中の銅を除去して、鋼屑から高級鋼用の溶銑を製造する方法に関するものである。
製鋼過程で使用する鉄源は、鉄鉱石を高炉で還元して得られる溶銑が主体であるが、鉄鋼材料の加工工程で発生する鋼屑や、建築物及び機械製品などの老朽化に伴って発生する鋼屑も、かなりの量が使用されている。高炉での溶銑の製造には、鉄鉱石を還元し且つ溶融するための多大なエネルギーを要するのに対し、鋼屑は溶解熱のみを必要としており、製鋼過程で鋼屑を利用した場合には、鉄鉱石の還元熱分のエネルギー使用量を少なくすることができるという利点がある。従って、省エネルギー及びCO2削減による地球温暖化防止の観点からも、鋼屑利用の促進が望まれている。
ところで、鋼屑を再生利用する際に、これら鋼屑に随伴する銅及び錫に代表されるトランプエレメントが、鋼屑溶解の過程で不可避的に溶鉄中に混入する。トランプエレメントは鋼の性質を損なう成分であり、一定の濃度以下に保つ必要がある。このため、高級鋼を製造する鉄源として、従来、銅や錫を含む恐れのある低級鋼屑を使用することは困難であった。しかしながら、近年の鋼屑発生量の増加及びCO2発生削減のための鋼屑増使用の要請を勘案すると、低級鋼屑の再生利用を進める必要がある。
現在の低級鋼屑を使用するための実用技術としては、鋼屑を物理的に分解して有害な部分を人力や磁力選別などの方法で分離し、有害な部分を分離したものを、有害成分をほとんど含有しない原料に配合して、鋼材の材料特性上問題のない範囲内で使用する以外に、有効な方法はない。このような方法では、使用済み自動車などの鋼屑を大量に再生利用することは不可能であり、今後予想される鋼屑多量発生時代に対応する鋼屑中の銅の除去技術としては、十分な解決策には成り得ない。
一方、溶鉄に混入した後の脱銅方法について、以下に述べる原理的発明が公知になっている。即ち、含銅高炭素溶鉄とFeS−Na2S系フラックスとを接触させ、溶鉄中の銅成分をCu2Sとしてフラックス中に分離除去する原理的技術知見が、非特許文献1及び非特許文献2に報告されている。この技術は、銅の除去技術として、前述の物理的除去方法に対して、より広い適用の可能性を提案するものである。但し、この方法では、Na2S系フラックスなどの硫黄含有フラックスから硫黄(S)成分が溶鉄中に混入し、溶銑中の硫黄濃度が上昇するという問題がある。また、硫黄含有フラックスが溶融して溶鉄上に形成されるスラグ中のCu濃度と溶鉄中のCu濃度との比である分配比が高々30程度であり、スラグに充分な撹拌を与えて分配比を低下させないようにする必要がある。
この原理的技術知見に基づいた脱銅処理方法として、特許文献1には、含銅鋼屑を加炭溶融して含銅高炭素溶鉄とした後、Na2Sを主成分とするフラックスと接触反応させて、溶鉄中の銅成分をCu2SとしてNa2S系フラックス中に分離除去する方法が開示されている。
但し、特許文献1では、脱銅後の高炭素溶鉄の脱硫については一切開示していない。また、反応容器(溶銑鍋)の底部からのArガス吹き込みによる溶銑とスラグとの撹拌で脱銅処理を行っているが、スラグの撹拌は不充分である。これを補うために、1200〜1500℃の反応温度を保持するための電気加熱装置を備えるとともに、大気との接触を断つための有蓋の反応容器を使用しており、設備が大がかりであり、実用化技術としては確立されたものではない。
特開平4−198431号公報
今井正等、鉄と鋼、vol.74(1988)No.4.p.640 王潮等、鉄と鋼、vol.77(1991)No.4.p.504
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鉄源として銅含有鋼屑を使用し、該鋼屑中の銅に起因する溶銑中の銅を硫黄含有フラックスにより除去して高級鋼用の溶銑を製造するに際し、前記溶銑中の銅を大がかりな設備を必要とせずに効率良く除去するとともに、脱銅処理後の前記硫黄含有フラックスを反応容器から排出しなくても、該フラックス中の銅の溶銑への戻りを防止して、硫黄含有フラックスにより溶銑中に持ち来たされる硫黄を効率良く除去することのできる、鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法は、銅含有鋼屑を加炭溶解して製造した、反応容器内に収容された溶銑に、硫黄含有フラックスを添加し、該フラックスに溶銑中の銅を吸収させて溶銑中の銅を除去し、次いで、この銅を含有する硫黄含有フラックスを排出することなく、前記反応容器内にCaO含有物質を添加し、該CaO含有物質による熱吸収により前記硫黄含有フラックスを固化させることを特徴とするものである。
第2の発明に係る鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法は、第1の発明において、前記CaO含有物質による熱吸収により前記硫黄含有フラックスを固化させた後、添加したCaO含有物質を溶銑と攪拌させて溶銑中の硫黄を除去することを特徴とするものである。
第3の発明に係る鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法は、第1の発明において、前記CaO含有物質による熱吸収により前記硫黄含有フラックスを固化させた後、更にCaO含有物質を前記反応容器内に添加し、添加したCaO含有物質を溶銑と攪拌させて溶銑中の硫黄を除去することを特徴とするものである。
第4の発明に係る鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法は、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記硫黄含有フラックスの出発原料として、Na2CO3を主成分とする材料及び鉄−硫黄合金を使用することを特徴とするものである。
第5の発明に係る鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法は、第1ないし第4の発明の何れかにおいて、前記溶銑の銅除去処理を、機械攪拌式精錬装置で行うことを特徴とするものである。
第6の発明に係る鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法は、第1ないし第5の発明の何れかにおいて、前記溶銑は、内部に炭材ベッドを形成した竪型炉を用いて前記銅含有鋼屑を加炭溶解したものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、銅含有鋼屑を加炭溶解して製造した溶銑中の銅を硫黄含有フラックスにより分離除去するので、鋼屑を物理的に分解した後に磁力選別などで分離除去する方法では分離の困難であった銅を効率良く分離除去することができ、そして、銅を吸収した硫黄含有フラックスを排出せずに、反応容器内の硫黄含有フラックスにCaO含有物質を添加し、CaO含有物質の顕熱により硫黄含有フラックスを固化させて硫黄含有フラックス中の銅を安定化させるので、次いで実施する、硫黄含有フラックスにより溶銑中に持ち来たされる硫黄を除去するための脱硫工程を、同一反応容器内で続けて行うことが可能となり、硫黄含有フラックスの排滓作業が不要になることによる生産性の向上や、溶銑の温度低下の防止などが実現され、銅含有鋼屑から銅及び硫黄の少ない溶銑を効率良く製造することができ、その結果、銅含有鋼屑を高級鋼の鉄源として利用可能となり、低級鋼屑の利用が促進される。
以下、本発明を具体的に説明する。
銅含有鋼屑を加炭溶解して炭素を含有した製鋼用溶銑を製造すると、鋼屑中の銅はほぼ全量が溶銑中に溶解する。本発明では、この銅を除去する手段(「脱銅処理」という)として、硫黄含有フラックスを溶銑と接触させ、溶銑中の銅を硫化銅(Cu2S)として硫黄含有フラックス中に分離除去する。硫黄含有フラックスとしては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の硫化物を主成分とするものが好適である。硫黄含有フラックス中の硫黄含有量を高めるためにFeS(硫化鉄)を混合してもよい。特に好適なのは、Na2Sを主成分とするフラックスである。Na2Sを主成分とするフラックスの場合、Na源として工業的に広く利用されているNa2CO3(ソーダ灰)を使用し、硫黄源として鉄−硫黄合金(フェロサルファー)を使用すれば、コスト面で有利である。硫黄含有フラックスの組成としては、効率的な銅除去の観点から、フラックス中のNa2Sのモル分率が0.2以上であることが望ましい。フラックス中のNa2Sのモル分率については、特に上限の規定はなく、0.2以上であれば望ましい脱銅反応を期待することができる。
硫黄含有フラックスによる脱銅は、分配比(フラックス中のCu濃度と溶銑中のCu濃度との比)の低いプロセスであるため、脱銅を十分に進行させるには、硫黄含有フラックスを添加することにより反応容器内に形成されるスラグ側の物質移動を促進させる必要がある。このためには、スラグ層も撹拌することが重要である。特に、本発明では溶銑段階で脱銅処理しており、溶銑の温度域(1200〜1400℃)は溶鋼の温度域(1550〜1700℃)に比較して低温であり、スラグの流動性も低く、スラグの撹拌が重要である。
溶銑及び溶銑上に存在するスラグを同時に攪拌する方法として、反応容器内の溶銑に浸漬させたインジェクションランスまたは反応容器の底部に設置した羽口から攪拌用ガスを吹き込んでスラグと溶銑とを攪拌する方法(「ガス撹拌法」という)も採り得るが、本発明においては、良好な攪拌が得られることから、機械攪拌式精錬装置を用いて脱銅処理を行うことが好ましい。機械攪拌式精錬装置としては、インペラ(「攪拌羽根」ともいう)を使用した撹拌が代表的である。つまり、取鍋状の反応容器内に収容された溶銑にインペラを浸漬させ、このインペラを、軸心を回転軸として回転させ、溶銑及び溶銑上に添加された硫黄含有フラックスを強制的に攪拌する方法である。機械攪拌式精錬装置では、溶銑上に投入された硫黄含有フラックスが溶銑内に充分に巻き込まれ、溶銑と硫黄含有フラックスとの撹拌が充分に行われる。一方、特許文献1に示されたガス撹拌法では、スラグは溶銑中に巻き込まれ難く、撹拌は不充分である。
また、溶銑に浸漬させたインジェクションランスから搬送用ガスとともに粉体状の硫黄含有フラックスを溶銑中に吹き込む方法、所謂フラックス吹き込み法も好ましい処理方法である。この場合、溶銑中に吹き込まれた粉体状の硫黄含有フラックスは溶銑と直接接触し、しかも、新たな未反応の硫黄含有フラックスが連続的に溶銑と接触するので、スラグ側の物質移動を促進させた場合と同等の効果が発現し、溶銑と硫黄含有フラックスとの反応が促進される。また、搬送用ガスは攪拌用ガスとしても機能するので、機械攪拌式精錬装置ほどの攪拌強度はないものの、溶銑と溶銑上スラグとの攪拌が行われる。
この脱銅処理の際、雰囲気への大気の混入を防ぐために、Arガスなどの不活性ガスやプロパンなどの還元性ガスを溶銑浴面上に供給してもよい。
本発明において、脱銅処理前の溶銑、つまり、銅含有鋼屑を加炭溶解して製造した、炭素を含有する製鋼用溶銑の温度は、1200℃以上1500℃以下、望ましくは1250℃以上1350℃以下であることが好ましい。溶銑温度が1200℃未満では、低温に起因するフラックス及び溶銑自体の固化・凝固が懸念される。特に、その後の脱硫工程や転炉脱炭工程での温度保証を考慮すると、1250℃以上とすることが望ましい。一方、1500℃以上では、高温によるフラックスの蒸発が無視できない。つまり、硫黄含有フラックスの蒸発を抑えて効率的に脱銅反応を行うには、溶銑温度は低いほど好ましく、従って、効率的な脱銅反応のためには、溶銑温度を1400℃以下、より好ましくは1350℃以下とすることが望ましい。
また、脱銅処理前の溶銑中の炭素濃度は2質量%以上が好ましい。溶銑中の銅が硫化銅となる反応は、熱力学的に溶銑中の炭素濃度が高いほど進行しやすいことが知られており、脱銅処理前の溶銑中の炭素濃度が2質量%未満では、硫化銅の生成反応が充分に起こらないことに加え、溶銑の液相線温度が上昇し、溶銑の容器壁への付着などが問題となる。炭素濃度の上限に関しては特に規定の必要はないが、炭材使用量の削減を考慮すると、5.5質量%程度までが望ましい。過剰な加炭を行っても、溶銑表面にグラファイトが析出するのみで、脱銅反応への寄与は少ない。また更に、脱銅処理前の溶銑中の銅濃度は0.1質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。脱銅処理前の溶銑中の銅濃度が1.0質量%を超えると銅の除去に必要な硫黄含有フラックスの量が過大となり、実用上の負荷が大きい。一方、0.1質量%未満の場合には、脱銅処理を施さなくても、例えば、銅含有量の低い溶銑で希釈するなどして対処可能である。
更に、脱銅処理前の溶銑の硫黄濃度としては、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。脱銅処理前の溶銑の硫黄濃度が0.01質量%未満では、硫黄含有フラックスから溶銑中への硫黄の溶解量が過大となり、硫黄含有フラックスの利用効率が低くなり経済的でない。硫黄濃度の上限は特に規定する必要はないが、余りに高濃度であると次工程の脱硫処理に支障を来すので、0.5質量%以下とすることが望ましい。
脱銅処理前の上記以外の溶銑の成分としては、例えば珪素濃度は0.5質量%以下、マンガン濃度は0.5質量%以下が望ましい。これらの濃度を超えると、脱銅処理中のこれら成分の酸化により生じる酸化珪素及び酸化マンガンがスラグに移行してスラグ量が増大し、スラグ処理が困難になるだけでなく、酸化珪素及び酸化マンガンが硫黄含有フラックスの脱銅反応を阻害する恐れがある。
尚、銅含有鋼屑を加炭溶解して製造した製鋼用溶銑に、必要に応じて高炉から出銑された溶銑(以下、「高炉溶銑」と呼ぶ)を混合して銅濃度を希釈し、その後、混合した溶銑に含まれる銅を、硫黄含有フラックスを用いて除去するようにしてもよい。
銅含有鋼屑を加炭溶解して炭素を含有する溶銑を製造する工程としては、電気炉を用いた方法、転炉を用いた方法、竪型炉を用いた方法などがあるが、電気炉や転炉などに比較してエネルギー効率が高いことから、内部に炭材ベッドを形成した竪型炉を用いた方法が好ましい。
ここで、内部に炭材ベッドを形成した竪型炉とは、竪型炉の上部から銅含有鋼屑及びコークス更には必要に応じて造滓剤を装入し、竪型炉の下部に設けた羽口から、空気、酸素富化空気、酸素ガス、熱風などを送風してコークスを燃焼させ、コークスの燃焼熱によって銅含有鋼屑及び造滓剤を溶解し、炉底部の出湯口から溶銑及び溶融スラグを取り出す装置である。この場合、炉底から羽口の上方或る高さ位置までの範囲にはコークスだけを詰め、これを燃焼してコークスの上部に装入した銅含有鋼屑を溶解する。炉底に詰めるコークスを「炭材ベッド」と呼び、この炭材ベッドは燃焼して消耗するので、これを補いながら溶解を継続するために、炉体の上部からコークスを装入する。銅含有鋼屑が溶解して生成される溶融鉄は、コークスの間隙を流下し、コークスにより加炭されて溶銑が生成される。
このような、内部に炭材ベッドを形成した竪型炉を用いて溶銑を製造する場合、高炉溶銑に比較して溶銑中の硫黄濃度は一般的に高くなる。この硫黄濃度の高い状態を利用して、硫黄含有フラックスによる脱銅を有利に進めることができる。溶銑中の硫黄濃度が高いことにより、硫黄含有フラックスから溶銑中への硫黄の移動が少なくて済み、硫黄含有フラックスの利用効率を高めることができる。
上記の脱銅処理に伴い、硫黄含有フラックス中の硫黄が不可避的に溶銑中に移行するため、溶銑中の硫黄濃度は上昇する。従って、硫黄含有フラックスを用いて溶銑を脱銅処理した場合には、脱銅処理を行った後に、更に溶銑中の硫黄を除去する脱硫処理が必要となる。そして、本発明においては、この脱硫処理を、生産性の向上及び溶銑温度の低下防止などを目的として、脱銅処理にて用いた硫黄含有フラックスを反応容器から排出することなく、脱銅処理を実施した反応容器と同一反応容器で実施する。
その場合に、脱銅処理にて用いた硫黄含有フラックスが溶融状態のままであると、脱硫処理時、硫黄含有フラックスに吸収された銅が溶銑に戻る反応(「復銅反応」)が発生する恐れがある。この復銅反応を防止するために、本発明では、脱銅処理で用いた硫黄含有フラックスを収容する反応容器内に、冷却剤として室温状態のCaO含有物質を添加し、CaO含有物質による熱吸収により硫黄含有フラックスを固化させる。硫黄含有フラックスが固化することにより、硫黄含有フラックス中の銅は安定化され、脱硫処理における復銅反応が抑制される。
本発明において、冷却剤としてCaO含有物質を使用する理由は、生石灰(CaO)、石灰石(CaCO3)、ドロマイト(MgCO3・CaCO3)などのCaO含有物質は、安価であり、しかも、溶銑の脱硫剤として機能することによる。つまり、CaO含有物質を添加して硫黄含有フラックスを固化させ、更に添加したCaO含有物質により溶銑の脱硫処理を行うためである。CaOの滓化促進剤として、生石灰などに、蛍石やアルミナなどを数質量%〜十数質量%添加したものも、本発明におけるCaO含有物質と定義する。
溶銑の脱硫処理は、CaO含有物質の添加と同時に開始してもよく、CaO含有物質の添加後、硫黄含有フラックスの固化を確認してから開始してもよく、また、冷却用のCaO含有物質を添加した後、更に脱硫剤としてのCaO含有物質を添加してから開始してもよい。
冷却剤及び脱硫剤として添加するCaO含有物質の添加量は、脱銅処理で用いた硫黄含有フラックス1kgあたり0.10kg以上とすることが好ましい。添加するCaO含有物質がこれよりも少ないと、硫黄含有フラックスの固化が十分でなく、脱硫処理時に復銅反応が発生し、溶銑中銅濃度が上昇する恐れがある。CaO含有物質の添加量については、脱銅処理後の溶銑中硫黄濃度や、目標とする脱硫処理後の溶銑中硫黄濃度、溶銑温度などの操業諸条件や、精練反応容器のサイズなどの設備制約条件によって適宜決定されるが、上限としては、脱銅処理で用いた硫黄含有フラックス1kgあたり1kg以下とすることが処理コストの面からも好ましい。
溶銑の脱硫処理は、公知の機械攪拌式精錬装置による方法、ガス撹拌法などの何れであっても可能であるが、安価なCaO含有物質を脱硫剤として使用しても高い脱硫率を得ることができることから、機械攪拌式精錬装置により行うことが好ましい。脱銅処理を機械攪拌式精錬装置で行った場合には、脱銅処理で使用した硫黄含有フラックスを反応容器から排出することなく、同じ機械攪拌式精錬装置で脱硫処理を実施することができ、高い生産性を得ることが可能となる。
脱硫処理を実施する場合に、高炉溶銑を、脱銅処理を施した溶銑に混合して硫黄濃度を希釈し、その後、混合した溶銑の脱硫処理を行ってもよく、更には、脱硫処理後の溶銑に高炉溶銑を混合してもよい。
脱硫処理後、反応容器内のスラグ(固化した硫黄含有フラックスと脱硫剤との混合物)を、反応容器から除去することが必要である。このスラグを除去しないまま、次工程の転炉脱炭精錬或いは予備脱燐処理工程に供すると、転炉脱炭精錬及び予備脱燐処理工程は酸化精錬であり、硫黄含有フラックス中の硫化銅(Cu2S)が分解して溶鋼或いは溶銑に戻り、溶鋼中或いは溶銑中の銅濃度が上昇するのみならず、脱硫剤中の硫黄が溶鋼或いは溶銑に戻り、溶鋼中或いは溶銑中の硫黄濃度が上昇し、銅及び硫黄の少ない溶鋼を得ることができないからである。スラグ除去作業は、公知のスラグドラッガーを用いた方法、スラグ吸引機による方法、溶銑収容容器を傾けて容器内のスラグを排出する方法などの何れでもよく、各製鉄所の保有する設備状況に適したものを選択すればよい。
以上説明したように、本発明によれば、溶銑中の銅を硫黄含有フラックスにより分離除去するので、鋼屑を物理的に分解した後に磁力選別などで分離除去する方法では分離の困難であった銅を効率良く分離することができ、そして、銅を吸収した硫黄含有フラックスを排出させずに、反応容器内の硫黄含有フラックスにCaO含有物質を添加して硫黄含有フラックスを固化させ、硫黄含有フラックス中の銅を安定化させるので、溶銑の脱銅処理及び脱硫処置を同一反応容器内で続けて行うことが可能となり、硫黄含有フラックスの排滓作業が不要になることによる生産性の向上や溶銑の温度低下の防止などが実現され、銅含有鋼屑から銅及び硫黄の少ない溶銑を効率良く製造することが可能となる。
内部に炭材ベッドを形成した竪型炉を用いて、銅含有鋼屑を溶解して製鋼用溶銑を製造し、この溶銑を溶銑鍋で受銑し、先ず、溶銑鍋内の溶銑にFeS−Na2Sを主成分とするフラックスを添加して脱銅処理を施し、脱銅処理後、生石灰を添加して脱硫処理する試験を3回実施した(試験No.1〜3)。脱銅処理及び脱硫処理は、ともに機械攪拌式精錬装置を使用した。
脱銅処理は、試験No.1〜3ともに、溶銑鍋に約5トンの前記製鋼用溶銑を装入し、機械攪拌式精錬装置において、FeS−Na2Sを主成分とするフラックス(フラックス中のNa2Sのモル分率0.4)を溶銑上に投入し、耐火物で被覆したインペラを溶銑中に浸漬させ、インペラを回転して溶銑及びフラックスを攪拌して実施した。何れの試験でも、FeS−Na2Sを主成分とするフラックスを溶銑1トンあたり200kg投入した。
脱銅処理後、試験No.1は、機械攪拌式精錬装置のインペラを溶銑に浸漬させた状態のまま、FeS−Na2Sを主成分とするフラックスを溶銑鍋から排出せず、このフラックス1kgあたり0.10kgの生石灰を溶銑鍋内に装入して前記フラックスを固化させ、この生石灰投入後1分間経過した時点でインペラの回転を開始し、所定の回転速度に維持し、新たに生石灰を投入することなく脱硫処理を実施した。
試験No.2は、脱銅処理後、インペラを溶銑から上昇させ、溶銑を収容した溶銑鍋を機械攪拌式精錬装置から排滓場に移動させ、スラグドラッガーを用いてFeS−Na2Sを主成分とするフラックスを溶銑鍋から排出し、その後、溶銑を収容した溶銑鍋を機械攪拌式精錬装置に戻し、インペラを再度溶銑中に浸漬させた後に回転させ、所定の回転速度に達した時点から、溶銑1トンあたり25kgの生石灰を溶銑鍋内に連続的に投入し、脱硫処理を実施した。
試験No.3は、脱銅処理後、機械攪拌式精錬装置のインペラを溶銑に浸漬させた状態のまま、FeS−Na2Sを主成分とするフラックスを溶銑鍋から排出せず、フラックス1kgあたり0.09kgの生石灰を溶銑鍋内に装入し、この生石灰投入後1分間経過した時点でインペラの回転を開始し、所定の回転速度に維持し、新たに生石灰を投入することなく脱硫処理を実施した。試験No.3では、生石灰の添加量が少なく、FeS−Na2Sを主成分とするフラックスの一部は固化したものの、大半は溶融状態のままであった。
試験No.1〜3ともに、脱銅処理前の溶銑の銅濃度は0.33質量%、硫黄濃度は0.10質量%、溶銑温度は1350℃に調製した。表1に、試験No.1〜3における、溶銑中の銅濃度及び硫黄濃度の推移、並びに、溶銑温度の推移を示す。尚、表1の備考欄には、本発明の範囲内の試験を「本発明例」と表示し、それ以外の試験を「比較例」と表示している。
Figure 0005326591
表1に示すように、脱銅処理後、生石灰を添加してFeS−Na2Sを主成分とするフラックスを固化させた試験No.1は、スラグドラッガーを用いてFeS−Na2Sを主成分とするフラックスを排出させた試験No.2と同様に、溶銑の銅濃度は低下しており、脱硫処理中の復銅は発生しないことが確認できた。その上、試験No.1では、脱銅処理で用いたフラックスを排出していないので、試験No.2と比較して脱硫処理後の溶銑温度を25℃高く維持することができており、次工程以降の熱余裕度が格段に向上していることが分かる。
これに対して、生石灰の装入量が少なく、FeS−Na2Sを主成分とするフラックスを十分に固化できない試験No.3では、脱硫処理中に復銅が発生し、脱銅処理の効果は減少してしまうことが確認できた。また、脱硫率も低いことが確認できた。
試験No.1では、試験No.2と同様に、最終的に銅濃度及び硫黄濃度ともに低い溶銑を得ることができ、高級鋼用の溶銑として問題なく使用できる上に、次工程以降の熱余裕度を試験No.2よりも高く維持できることが分かった。

Claims (6)

  1. 銅含有鋼屑を加炭溶解して製造した、反応容器内に収容された溶銑に、硫黄含有フラックスを添加し、該フラックスに溶銑中の銅を吸収させて溶銑中の銅を除去し、次いで、この銅を含有する硫黄含有フラックスを排出することなく、前記反応容器内にCaO含有物質を添加し、該CaO含有物質による熱吸収により前記硫黄含有フラックスを固化させることを特徴とする、鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法。
  2. 前記CaO含有物質による熱吸収により前記硫黄含有フラックスを固化させた後、添加したCaO含有物質を溶銑と攪拌させて溶銑中の硫黄を除去することを特徴とする、請求項1に記載の鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法。
  3. 前記CaO含有物質による熱吸収により前記硫黄含有フラックスを固化させた後、更にCaO含有物質を前記反応容器内に添加し、添加したCaO含有物質を溶銑と攪拌させて溶銑中の硫黄を除去することを特徴とする、請求項1に記載の鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法。
  4. 前記硫黄含有フラックスの出発原料として、Na2CO3を主成分とする材料及び鉄−硫黄合金を使用することを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法。
  5. 前記溶銑の銅除去処理を、機械攪拌式精錬装置で行うことを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法。
  6. 前記溶銑は、内部に炭材ベッドを形成した竪型炉を用いて前記銅含有鋼屑を加炭溶解したものであることを特徴とする、請求項1ないし請求項5の何れか1つに記載の鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法。
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