ところで、上記特許文献1のデフロスト運転では、除霜が完了した冷却熱交換器の上流側の電磁弁を閉じるため次のような問題があった。電磁弁が閉じられると、除霜が完了した冷却熱交換器への冷媒の流入が急に遮断される。そのため、冷凍サイクルの高圧(即ち、圧縮機の吐出圧力)が瞬時に上昇して高圧異常となる虞があり、圧縮機が強制的に停止されてしまう。その結果、デフロスト運転を円滑に継続して行うことができず、却ってデフロスト運転の時間が長くなってしまうという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、互いに並列接続された熱交換器に対し同時に除霜する逆サイクルデフロスト運転が実行可能な空気調和装置において、熱交換器内の冷媒の寝込みを解消しながら、デフロスト運転に要する時間を短縮することにある。
第1の発明は、圧縮機(11)と、室内熱交換器(13)と、互いに並列に設けられた複数の室外熱交換器(17)と、該各室外熱交換器(17)毎に設けられる該室外熱交換器(17)のための室外膨張弁(18)とを有し冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、該冷媒回路(10)を冷媒が暖房サイクルで循環する暖房運転と、上記冷媒回路(10)を冷媒が上記暖房運転時と逆方向に循環して上記複数の室外熱交換器(17)を同時に除霜するデフロスト運転とが実行可能に構成された空気調和装置であって、上記デフロスト運転中に、上記各室外熱交換器(17)について除霜の完了を個別に検出するように構成される一方、該除霜の完了を検出すると該検出された上記室外熱交換器(17)に対応する上記室外膨張弁(18)の開度を絞る動作を行い、該動作を行った後、上記冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以下まで減少すると上記開度を絞った室外膨張弁(18)の開度を増大させる動作を行うように構成された制御手段(40)を備え、上記冷媒回路(10)は、上記室内熱交換器(13)のための室内膨張弁(14)を有し、上記制御手段(40)は、上記デフロスト運転中に、上記圧縮機(11)の吸入冷媒の過熱度または吸入冷媒の圧力が所定値となるように上記室内膨張弁(14)の開度を制御する一方、上記デフロスト運転中に、上記室外膨張弁(18)の開度を絞る動作を行った後、上記室内膨張弁(14)の開度が所定値を超えると、上記冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以下まで減少したと判断して上記室外膨張弁(18)の開度を増大させる動作を行うように構成されているものである。
上記第1の発明では、暖房運転の場合、冷媒回路(10)において、圧縮機(11)の吐出冷媒が室内熱交換器(13)で凝縮し室外膨張弁(18)で減圧された後、各室外熱交換器(17)へ分流して蒸発する。一方、デフロスト運転では、圧縮機(11)の吐出冷媒が各室外熱交換器(17)へ分流する。各室外熱交換器(17)では、冷媒の熱により霜が融けて除霜される。各室外熱交換器(17)で除霜に利用された冷媒は、室内熱交換器(13)で蒸発した後、圧縮機(11)へ戻る。
そして、デフロスト運転中に、何れかの室外熱交換器(17)の除霜が完了すると、その室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)の開度が絞られる。そうすると、その室外熱交換器(17)への冷媒供給量が減少し、それに伴い、未だ除霜が完了していない室外熱交換器(17)への冷媒供給量が増大する。そのため、未だ除霜が完了していない室外熱交換器(17)における除霜能力が高くなる。
また、本発明は、室外膨張弁(18)を閉じるのではなく絞るだけなので、除霜が完了した室外熱交換器(17)における冷媒の流れは遮断されない。つまり、室外熱交換器(17)において冷媒循環量は減少するが、冷媒流れが遮断されることはない。そのため、冷媒回路(10)の高圧(即ち、冷凍サイクルの高圧、圧縮機(11)の吐出圧力)はそれほど高くは上昇しない。しかも、デフロスト運転時の室外膨張弁(18)は室外熱交換器(17)の流出側に位置するため、その室外膨張弁(18)を絞っても冷媒回路(10)の高圧はそれほど急激には上昇しない。つまり、室外膨張弁(18)を絞っても室外熱交換器(17)への冷媒の流入は遮断されないため、圧縮機(11)の吐出冷媒が幾分か室外熱交換器(17)へ流入し続ける。したがって、冷媒回路(10)の高圧はそれほど急上昇はしない。
また、室外膨張弁(18)の開度が絞られると、室外熱交換器(17)から流出してゆく液冷媒の量が減少する。そのため、室外熱交換器(17)では、ガス冷媒の滞留時間が長くなり、ガス冷媒が次第に凝縮して液冷媒となる。この凝縮によって冷媒の体積が減少した分、新たに圧縮機(11)の吐出冷媒が室外熱交換器(17)に流入する。その流入したガス冷媒は凝縮して液冷媒となる。このように、除霜が完了して室外膨張弁(18)が絞られた室外熱交換器(17)では、流出してゆく液冷媒の量よりも凝縮して液冷媒となる量が多くなる。そうすると、室外熱交換器(17)では、時間の経過と共に液冷媒が溜まってゆき、いわゆる冷媒(液冷媒)の寝込みが生じる虞がある。この冷媒の寝込みが生じると、冷媒回路(10)における冷媒循環量が減少して不足状態となる。その結果、未だ除霜が完了していない室外熱交換器(17)への冷媒供給量が減少し高い除霜能力を稼げない。ところが、本発明では、冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以下まで減少すると、除霜が完了した室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)の開度が増大されるため、その室外熱交換器(17)での冷媒の寝込みが解消され、冷媒回路(10)の冷媒循環量が回復する。
上記第1の発明では、除霜が完了した室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)を絞った後、室内膨張弁(14)の開度が所定値を超えると、冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以下まで減少したと判断される。冷媒回路(10)の冷媒循環量が減少して、圧縮機(11)の吸入過熱度が増大すると、その過熱度を所定値まで低下させるため室内膨張弁(14)の開度が増大される。また、冷媒回路(10)の冷媒循環量が減少して、圧縮機(11)の吸入圧力が低下すると、その吸入圧力を所定値まで増大させるため、この場合も室内膨張弁(14)の開度が増大される。この室内膨張弁(14)の開度の増大量をもって冷媒循環量の減少具合が認識される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記制御手段(40)は、上記デフロスト運転中に、上記室外膨張弁(18)の開度を増大させる動作を行った後、上記冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以上まで増大すると上記開度を増大させた室外膨張弁(18)の開度を再び絞る動作を行うように構成されているものである。
上記第2の発明では、室外膨張弁(18)の開度を増大させることによって冷媒回路(10)の冷媒循環量が回復すると、その室外膨張弁(18)の開度が再び絞られる。これにより、未だ除霜が完了していない室外熱交換器(17)への冷媒供給量が再び増大するため、その室外熱交換器(17)に対する除霜能力が高くなる。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記制御手段(40)は、上記デフロスト運転中に、上記室外膨張弁(18)の開度を増大させる動作を行った後、上記圧縮機(11)の吸入冷媒の過熱度または吐出冷媒の過熱度が所定値未満となると、上記冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以上まで増大したと判断して上記室外膨張弁(18)の開度を再び絞る動作を行うように構成されているものである。
上記第3の発明では、除霜が完了した室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)の開度を増大させた後、圧縮機(11)の吸入過熱度または吐出過熱度が所定値未満となると、冷媒回路(10)の冷媒循環量が回復した(所定値以上まで増大した)と判断される。デフロスト運転時に、冷媒回路(10)の冷媒循環量が増大(回復)してゆくに従って、室内熱交換器(13)の冷媒に対する加熱量が見かけ上減少し、圧縮機(11)の吸入過熱度が低下する。この吸入過熱度の低下に伴い、圧縮機(11)の吐出過熱度も低下する。この吸入過熱度または吐出過熱度の低下量をもって冷媒循環量の回復具合が認識される。
第4の発明は、上記第2の発明において、上記制御手段(40)は、上記デフロスト運転中に、上記室外膨張弁(18)の開度を増大させる動作を行った後、上記圧縮機(11)の吸入冷媒の圧力が所定値を超えると、上記冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以上まで増大したと判断して上記室外膨張弁(18)の開度を再び絞る動作を行うように構成されているものである。
上記第4の発明では、除霜が完了した室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)の開度を増大させた後、圧縮機(11)の吸入圧力が所定値を超えると、冷媒回路(10)の冷媒循環量が回復した(所定値以上まで増大した)と判断される。デフロスト運転時に、冷媒回路(10)の冷媒循環量が増大(回復)してゆくに従って、圧縮機(11)の吸入圧力が上昇する。この吸入圧力の上昇量をもって冷媒循環量の回復具合が認識される。
第5の発明は、上記第2の発明において、上記制御手段(40)は、上記デフロスト運転中に、上記室外膨張弁(18)の開度を増大させる動作を行った後、上記室内膨張弁(14)の開度が所定値未満となると、上記冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以上まで増大したと判断して上記室外膨張弁(18)の開度を再び絞る動作を行うように構成されているものである。
上記第5の発明では、除霜が完了した室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)の開度を増大させた後、室内膨張弁(14)の開度が所定値未満となると、冷媒回路(10)の冷媒循環量が回復した(所定値以上まで増大した)と判断される。冷媒回路(10)の冷媒循環量が増大して、圧縮機(11)の吸入過熱度が低下すると、その過熱度を所定値まで上昇させるため室内膨張弁(14)の開度が減少される。また、冷媒回路(10)の冷媒循環量が増大して、圧縮機(11)の吸入圧力が上昇すると、その吸入圧力を所定値まで低下させるため、この場合も室内膨張弁(14)の開度が減少される。この室内膨張弁(14)の開度の減少量をもって冷媒循環量の回復具合が認識される。
第6の発明は、圧縮機(11)と、室内熱交換器(13)と、互いに並列に設けられた複数の室外熱交換器(17)と、該各室外熱交換器(17)毎に設けられる該室外熱交換器(17)のための室外膨張弁(18)とを有し冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、該冷媒回路(10)を冷媒が暖房サイクルで循環する暖房運転と、上記冷媒回路(10)を冷媒が上記暖房運転時と逆方向に循環して上記複数の室外熱交換器(17)を同時に除霜するデフロスト運転とが実行可能に構成された空気調和装置であって、上記デフロスト運転中に、上記各室外熱交換器(17)について除霜の完了を個別に検出するように構成される一方、該除霜の完了を検出すると該検出された上記室外熱交換器(17)に対応する上記室外膨張弁(18)の開度を絞る動作を行い、該動作を行った後、上記冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以下まで減少すると上記開度を絞った室外膨張弁(18)の開度を増大させる動作を行うように構成された制御手段(40)を備え、上記制御手段(40)は、上記デフロスト運転中に、上記室外膨張弁(18)の開度を増大させる動作を行った後、上記冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以上まで増大すると上記開度を増大させた室外膨張弁(18)の開度を再び絞る動作を行うように構成され、上記冷媒回路(10)は、上記室内熱交換器(13)のための室内膨張弁(14)を有し、上記制御手段(40)は、上記デフロスト運転中に、上記圧縮機(11)の吸入冷媒の過熱度または吸入冷媒の圧力が所定値となるように上記室内膨張弁(14)の開度を制御する一方、上記デフロスト運転中に、上記室外膨張弁(18)の開度を増大させる動作を行った後、上記室内膨張弁(14)の開度が所定値未満となると、上記冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以上まで増大したと判断して上記室外膨張弁(18)の開度を再び絞る動作を行うように構成されているものである。
第6の発明では、暖房運転の場合、冷媒回路(10)において、圧縮機(11)の吐出冷媒が室内熱交換器(13)で凝縮し室外膨張弁(18)で減圧された後、各室外熱交換器(17)へ分流して蒸発する。一方、デフロスト運転では、圧縮機(11)の吐出冷媒が各室外熱交換器(17)へ分流する。各室外熱交換器(17)では、冷媒の熱により霜が融けて除霜される。各室外熱交換器(17)で除霜に利用された冷媒は、室内熱交換器(13)で蒸発した後、圧縮機(11)へ戻る。
そして、デフロスト運転中に、何れかの室外熱交換器(17)の除霜が完了すると、その室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)の開度が絞られる。そうすると、その室外熱交換器(17)への冷媒供給量が減少し、それに伴い、未だ除霜が完了していない室外熱交換器(17)への冷媒供給量が増大する。そのため、未だ除霜が完了していない室外熱交換器(17)における除霜能力が高くなる。
また、第6の発明は、室外膨張弁(18)を閉じるのではなく絞るだけなので、除霜が完了した室外熱交換器(17)における冷媒の流れは遮断されない。つまり、室外熱交換器(17)において冷媒循環量は減少するが、冷媒流れが遮断されることはない。そのため、冷媒回路(10)の高圧(即ち、冷凍サイクルの高圧、圧縮機(11)の吐出圧力)はそれほど高くは上昇しない。しかも、デフロスト運転時の室外膨張弁(18)は室外熱交換器(17)の流出側に位置するため、その室外膨張弁(18)を絞っても冷媒回路(10)の高圧はそれほど急激には上昇しない。つまり、室外膨張弁(18)を絞っても室外熱交換器(17)への冷媒の流入は遮断されないため、圧縮機(11)の吐出冷媒が幾分か室外熱交換器(17)へ流入し続ける。したがって、冷媒回路(10)の高圧はそれほど急上昇はしない。
また、室外膨張弁(18)の開度が絞られると、室外熱交換器(17)から流出してゆく液冷媒の量が減少する。そのため、室外熱交換器(17)では、ガス冷媒の滞留時間が長くなり、ガス冷媒が次第に凝縮して液冷媒となる。この凝縮によって冷媒の体積が減少した分、新たに圧縮機(11)の吐出冷媒が室外熱交換器(17)に流入する。その流入したガス冷媒は凝縮して液冷媒となる。このように、除霜が完了して室外膨張弁(18)が絞られた室外熱交換器(17)では、流出してゆく液冷媒の量よりも凝縮して液冷媒となる量が多くなる。そうすると、室外熱交換器(17)では、時間の経過と共に液冷媒が溜まってゆき、いわゆる冷媒(液冷媒)の寝込みが生じる虞がある。この冷媒の寝込みが生じると、冷媒回路(10)における冷媒循環量が減少して不足状態となる。その結果、未だ除霜が完了していない室外熱交換器(17)への冷媒供給量が減少し高い除霜能力を稼げない。ところが、第6の発明では、冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以下まで減少すると、除霜が完了した室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)の開度が増大されるため、その室外熱交換器(17)での冷媒の寝込みが解消され、冷媒回路(10)の冷媒循環量が回復する。
また、上記第6の発明では、室外膨張弁(18)の開度を増大させることによって冷媒回路(10)の冷媒循環量が回復すると、その室外膨張弁(18)の開度が再び絞られる。これにより、未だ除霜が完了していない室外熱交換器(17)への冷媒供給量が再び増大するため、その室外熱交換器(17)に対する除霜能力が高くなる。
また、上記第6の発明では、除霜が完了した室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)の開度を増大させた後、室内膨張弁(14)の開度が所定値未満となると、冷媒回路(10)の冷媒循環量が回復した(所定値以上まで増大した)と判断される。冷媒回路(10)の冷媒循環量が増大して、圧縮機(11)の吸入過熱度が低下すると、その過熱度を所定値まで上昇させるため室内膨張弁(14)の開度が減少される。また、冷媒回路(10)の冷媒循環量が増大して、圧縮機(11)の吸入圧力が上昇すると、その吸入圧力を所定値まで低下させるため、この場合も室内膨張弁(14)の開度が減少される。この室内膨張弁(14)の開度の減少量をもって冷媒循環量の回復具合が認識される。
第7の発明は、上記第6の発明において、上記制御手段(40)は、上記デフロスト運転中に、上記室外膨張弁(18)の開度を絞る動作を行った後、上記圧縮機(11)の吸入冷媒の過熱度または吐出冷媒の過熱度が所定値を超えると、上記冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以下まで減少したと判断して上記室外膨張弁(18)の開度を増大させる動作を行うように構成されているものである。
上記第7の発明では、除霜が完了した室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)を絞った後、圧縮機(11)の吸入過熱度または吐出過熱度が所定値を超えると、冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以下まで減少したと判断される。デフロスト運転時に、冷媒回路(10)の冷媒循環量が減少(不足)してゆくに従って、室内熱交換器(13)の冷媒に対する加熱量が見かけ上増大し、圧縮機(11)の吸入過熱度が増大する。この吸入過熱度の増大に伴い、圧縮機(11)の吐出過熱度も増大する。この吸入過熱度または吐出過熱度の増大量をもって冷媒循環量の減少具合が認識される。
第8の発明は、上記第6の発明において、上記制御手段(40)は、上記デフロスト運転中に、上記室外膨張弁(18)の開度を絞る動作を行った後、上記圧縮機(11)の吸入冷媒の圧力が所定値未満となると、上記冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以下まで減少したと判断して上記室外膨張弁(18)の開度を増大させる動作を行うように構成されているものである。
上記第8の発明では、除霜が完了した室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)を絞った後、圧縮機(11)の吸入圧力(吸入冷媒の圧力)が所定値未満となると、冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以下まで減少したと判断される。デフロスト運転時に、冷媒回路(10)の冷媒循環量が減少(不足)してゆくに従って、圧縮機(11)の吸入圧力が低下する。この吸入圧力の低下量をもって冷媒循環量の減少具合が認識される。
したがって、本発明によれば、デフロスト運転中に何れかの室外熱交換器(17)について除霜が完了すると、その室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)の開度を絞るようにした。そのため、未だ除霜が完了していない室外熱交換器(17)に対する冷媒供給量を増大させることができる。これにより、未だ除霜が完了していない室外熱交換器(17)の除霜能力を高めることができ、デフロスト運転の完了に要する時間を短縮することができる。
また、デフロスト運転では室外熱交換器(17)の流出側に位置する室外膨張弁(18)を絞るため、その室外熱交換器(17)への冷媒流れの急な遮断を回避することができる。そのため、冷媒回路(10)の高圧が著しく高くなったり、その高圧が瞬時に上昇することを抑えることができる。その結果、高圧異常によってデフロスト運転が中断する(圧縮機(11)が強制停止される)ことを回避することができる。
さらには、除霜が完了した室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)の開度を絞った後、その室外熱交換器(17)における冷媒の寝込みにより冷媒回路(10)の冷媒循環量が減少して不足状態(ガス欠状態)となると、その室外膨張弁(18)の開度を増大させるようにした。そのため、冷媒の寝込みを解消して、冷媒回路(10)の冷媒循環量を回復させることができる。これにより、未だ除霜が完了していない室外熱交換器(17)に対する冷媒供給量および除霜能力を確保することができる。
以上により、デフロスト運転を円滑に継続することができ、且つ、そのデフロスト運転の時間を確実に短縮することができる。
また、第1〜第8の発明によれば、圧縮機(11)の吐出冷媒の過熱度や吸入冷媒の過熱度、吸入冷媒の圧力、室内膨張弁(14)の開度に基づいて、冷媒回路(10)における冷媒循環量の減少具合および回復具合を判断するようにしたため、その過熱度や圧力、開度の増減から冷媒循環量の不足状態を容易且つ確実に判断することができる。その結果、デフロスト運転時の室外膨張弁(18)の開度制御を高精度に行うことができ、信頼性の高いデフロスト運転が可能となる。
また、第2及び第6の発明によれば、除霜が完了した室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)の開度を増大させることで冷媒の寝込みが解消されて冷媒循環量が回復すると、その室外膨張弁(18)を再び絞るようにした。これにより、未だ除霜が完了していない室外熱交換器(17)への冷媒供給量を増大させて除霜能力を高めることができる。その結果、デフロスト運転時間の一層の短縮化が可能となる。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
図1に示すように、本実施形態の空気調和装置(1)は、1つの室内ユニット(2)と、2つの第1室外ユニット(3a)および第2室外ユニット(3b)を備えており、いわゆる室外マルチタイプのものである。各室外ユニット(3a,3b)は、互いに室内ユニット(2)に対して並列に接続されている。室内ユニット(2)は利用側ユニットを構成し、各室外ユニット(3a,3b)は熱源側ユニットを構成している。
上記室内ユニット(2)と各室外ユニット(3a,3b)とは、ガス側連絡配管(4)と液側連絡配管(5)により接続されている。具体的に、ガス側連絡配管(4)は、一端が室内ユニット(2)に接続され、他端が2つに分岐してそれぞれ各室外ユニット(3a,3b)に接続されている。液側連絡配管(5)は、一端が室内ユニット(2)に接続され、他端が2つに分岐してそれぞれ各室外ユニット(3a,3b)に接続されている。
上記空気調和装置(1)では、室内ユニット(2)と各室外ユニット(3a,3b)とが各連絡配管(4,5)で接続されてなる閉回路が冷媒回路(10)を構成している。冷媒回路(10)は、冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。
上記室内ユニット(2)は、空調対象室内に設置され、圧縮機(11)と、四路切換弁(12)と、室内熱交換器(13)と、室内膨張弁(14)と、アキュムレータ(16)とを備えている。室内熱交換器(13)の近傍には室内ファン(15)が設けられている。圧縮機(11)は、インバータの周波数制御により運転回転数が可変に構成されている。室内膨張弁(14)は、開度が変更自在な電子膨張弁により構成されている。室内熱交換器(13)は、室内ファン(15)によって取り込まれた室内空気が冷媒と熱交換する。
上記室内ユニット(2)において、圧縮機(11)の吐出配管(21)は四路切換弁(12)の第1ポートに接続され、圧縮機(11)の吸入配管(22)は四路切換弁(12)の第2ポートに接続されている。上記吸入配管(22)の途中にはアキュムレータ(16)が設けられている。四路切換弁(12)の第3ポートは、室内ガス管(23)を介してガス側連絡配管(4)の一端に接続されている。四路切換弁(12)の第4ポートは、室内熱交換器(13)のガス側端部に接続されている。室内熱交換器(13)の液側端部は、室内液管(24)を介して液側連絡配管(5)に接続されている。上記室内液管(24)の途中には室内膨張弁(14)が設けられている。
上記四路切換弁(12)は、第1ポートと第3ポートが連通し且つ第2ポートと第4ポートが連通する第1状態(図に実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートが連通し且つ第2ポートと第3ポートが連通する第2状態(図に破線で示す状態)とに切り換え可能に構成されている。この四路切換弁(12)は、冷房運転時には第1位置に設定され、暖房運転時には第2位置に設定される。
上記各室外ユニット(3a,3b)は、空調対象室外に設置されている。各室外ユニット(3a,3b)は、室外熱交換器(17)と、室外膨張弁(18)と、レシーバ(19)とを備えている。室外熱交換器(17)の近傍には室外ファン(20)が設けられている。室外膨張弁(18)は、開度が変更自在な電子膨張弁により構成されている。室外熱交換器(17)は、室外ファン(20)によって取り込まれた室外空気が冷媒と熱交換する。
上記各室外ユニット(3a,3b)において、室外熱交換器(17)の液側端部は室外液管(25)を介して液側連絡配管(5)の分岐配管に接続され、ガス側端部は室外ガス管(26)を介してガス側連絡配管(4)の分岐配管に接続されている。室外液管(25)には、室外熱交換器(17)側から順に、室外膨張弁(18)およびレシーバ(19)が設けられている。
なお、本実施形態の空気調和装置(1)では、室内熱交換器(13)が利用側熱交換器を構成し、室外熱交換器(17)が熱源側熱交換器を構成している。室内膨張弁(14)および室外膨張弁(18)は膨張機構を構成している。また、四路切換弁(12)は冷媒回路(10)における冷媒の循環方向を可逆に切り換えるための流路切換手段を構成している。
また、上記空気調和装置(1)には各種センサが設けられている。具体的に、吐出配管(21)に吐出圧力センサ(31)と吐出温度センサ(33)が設けられ、吸入配管(22)に吸入圧力センサ(32)と吸入温度センサ(34)が設けられている。吐出圧力センサ(31)および吐出温度センサ(33)は、それぞれ圧縮機(11)から吐出された冷媒の圧力および温度を検出する。吸入圧力センサ(32)および吸入温度センサ(34)は、それぞれ圧縮機(11)へ吸入される冷媒の圧力および温度を検出する。
さらに、室内熱交換器(13)に室内熱交温度センサ(35)が設けられ、各室外熱交換器(17)に室外熱交温度センサ(36)が設けられている。各熱交温度センサ(35,36)は、各熱交換器(13,17)における冷媒の温度を検出する。なお、各熱交温度センサ(35,36)は、熱交換器(13,17)における液側端部寄りに配置されている。つまり、室内熱交温度センサ(35)は、冷房運転時には冷媒の蒸発温度を、暖房運転時には冷媒の凝縮温度をそれぞれ検出する。つまり、室外熱交温度センサ(36)は、冷房運転時には冷媒の凝縮温度を、暖房運転時には冷媒の蒸発温度をそれぞれ検出する。
上記空気調和装置(1)は、冷房運転、暖房運転およびデフロスト運転(除霜運転)とが実行可能に構成されている。デフロスト運転は、室外熱交換器(17)に着霜した霜を融かすための運転である。また、空気調和装置(1)は、上述した各種運転の制御を行う制御手段であるコントローラ(40)を備えている。
上記コントローラ(40)は、上述した各センサの検出値が入力される。コントローラ(40)は、上述した各運転の切り換えを行う。そして、コントローラ(40)は、冷房運転時および暖房運転時における制御は勿論のこと、デフロスト運転において室外膨張弁(18)の開度制御を行う。このコントローラ(40)の詳細な制御動作については後述する。
−運転動作−
この空気調和装置(1)は、冷房運転と、暖房運転と、デフロスト運転(除霜運転)とが切り換えて行われる。以下に、各運転動作およびコントローラ(40)の制御動作について説明する。
〈冷房運転および暖房運転〉
冷房運転では、四路切換弁(12)が第1状態に設定され、冷媒回路(10)において冷媒が図1に実線で示す矢印の方向に循環する。つまり、冷媒回路(10)では、室内熱交換器(13)が蒸発器となり各室外熱交換器(17)が凝縮器となる冷房サイクルで冷媒が循環する。また、室外膨張弁(18)は全開に設定される。室内膨張弁(14)の開度は、圧縮機(11)へ吸入される冷媒の過熱度(例えば、5度)が所定値となるように、コントローラ(40)によって制御される。つまり、この制御は、いわゆる過熱度制御(吸入SH制御)である。具体的に、コントローラ(40)は、吸入圧力センサ(32)の圧力値から圧力相当飽和温度を導出し、その導出した飽和温度を吸入温度センサ(34)の温度値から差し引いた値を過熱度として導出する。
この状態において、圧縮機(11)が駆動されると、圧縮機(11)の吐出冷媒が各室外ユニット(3a,3b)へ分流する。室外ユニット(3a,3b)では、冷媒が室外熱交換器(17)で室外空気と熱交換して凝縮する。凝縮した液冷媒は、室外膨張弁(18)およびレシーバ(19)を通って室内ユニット(2)へ流れる。室内ユニット(2)では、冷媒が室内膨張弁(14)で減圧された後、室内熱交換器(13)へ流入する。室内熱交換器(13)では、冷媒が室内空気と熱交換して蒸発し、室内空気が冷却される。これにより、室内の冷房が行われる。室内熱交換器(13)で蒸発したガス冷媒は、アキュムレータ(16)を通って圧縮機(11)へ吸入される。
一方、暖房運転では、四路切換弁(12)が第2状態に設定され、冷媒回路(10)において冷媒が図1に破線で示す矢印の方向に循環する。つまり、冷媒回路(10)では、室内熱交換器(13)が凝縮器となり各室外熱交換器(17)が蒸発器となる暖房サイクルで冷媒が循環する。また、室内膨張弁(14)が全開に設定される。室外膨張弁(18)は、冷房運転時の室内膨張弁(14)と同様に、コントローラ(40)によって過熱度制御(吸入SH制御)される。
この状態において、圧縮機(11)が駆動されると、圧縮機(11)の吐出冷媒が室内熱交換器(13)へ流入する。室内熱交換器(13)では、冷媒が室内空気と熱交換して凝縮し、室内空気が加熱される。これにより、室内の暖房が行われる。室内熱交換器(13)で凝縮した冷媒は、室内膨張弁(14)を通って各室外ユニット(3a,3b)へ分流する。室外ユニット(3a,3b)では、冷媒がレシーバ(19)を通った後、室外膨張弁(18)で減圧される。減圧された冷媒は、室外熱交換器(17)で室外空気と熱交換して蒸発する。蒸発したガス冷媒は、アキュムレータ(16)を通って圧縮機(11)へ吸入される。
〈デフロスト運転〉
本実施形態のデフロスト運転は、冬場などの暖房運転中に適宜行われるもので、全ての室外熱交換器(17)(室外ユニット(3a,3b))に対して同時に除霜を行う運転である。デフロスト運転では、冷房運転と同様に、四路切換弁(12)が第1状態に設定される。つまり、本実施形態のデフロスト運転は、暖房運転時と逆方向に冷媒が循環する、いわゆる逆サイクルデフロストが行われる。また、室内膨張弁(14)の開度についても、冷房運転と同様に、過熱度制御が行われる。そして、室外膨張弁(18)は基本的に全開に設定され、各ファン(13,20)は停止される。
このデフロスト運転では、圧縮機(11)の吐出冷媒が各室外熱交換器(17)へ分流する。各室外熱交換器(17)では、冷媒の熱によって霜が融け除霜される。室外熱交換器(17)を出た冷媒は、室外膨張弁(18)およびレシーバ(19)を通って室内ユニット(2)へ流入する。室内ユニット(2)では、冷媒が室内膨張弁(14)で減圧された後、室内熱交換器(13)で蒸発する。蒸発したガス冷媒は、圧縮機(11)へ吸入される。
〈コントローラの制御動作〉
コントローラ(40)は、ユーザーのリモコン操作による信号を受けて冷房運転と暖房運転とを切り換える。そして、冷房運転および暖房運転の場合、コントローラ(40)は空調対象室の設定温度に基づいて圧縮機の容量制御を行う。
また、コントローラ(40)は、暖房運転中において、図3に示すフローに基づいてデフロスト運転の開始および完了を判断する。具体的に、暖房運転中において、少なくとも1つの室外熱交温度センサ(36)の温度値が所定値T1未満となると(ステップST1)、室外熱交換器(17)が着霜したとしてデフロスト運転が開始される(ステップST2)。つまり、本実施形態では、何れか1つの室外熱交換器(17)でも着霜したと判断されるとデフロスト運転が開始される。室外熱交換器(17)が着霜すると、通常の暖房運転時よりも、室外熱交温度センサ(36)の温度値(即ち、室外熱交換器(17)における冷媒の温度)が著しく低下する。したがって、この冷媒温度の低下をもって室外熱交換器(17)が着霜したと判断できる。
そして、デフロスト運転中において、室外熱交温度センサ(36)の温度値が所定値T2を超えると(ステップST3)、その室外熱交温度センサ(36)に対応する室外熱交換器(17)の除霜が完了したと判断される(ステップST4)。つまり、本実施形態のコントローラ(40)では、個々の室外ユニット(3a,3b)毎にデフロスト(除霜)の完了が判断される。室外熱交換器(17)が着霜していると、冷媒が霜によって冷却されるため室外熱交温度センサ(36)の温度値(即ち、室外熱交換器(17)における冷媒の温度)は比較的低いが、室外熱交換器(17)が除霜されると、その冷媒温度が高くなる。したがって、この冷媒温度の上昇をもって室外熱交換器(17)が除霜されたと判断できる。なお、当然ではあるが、所定値T2は所定値T1よりも大きい値である。
また、コントローラ(40)は、デフロスト運転中は図4に示すフローに基づいて室外膨張弁(18)の開度制御を行う。本実施形態のデフロスト運転は、何れの室外膨張弁(18)も全開に設定された状態で開始される。
先ず、コントローラ(40)は、デフロスト運転中であると判断すると(ステップST11)、デフロスト(除霜)が完了した室外ユニット(3a,3b)が1つでもあるか否かを判断する(ステップST12)。そして、デフロストが完了した室外ユニット(3a,3b)が1つでもあると、全ての室外ユニット(3a,3b)についてデフロストが完了したか否かが判断される(ステップST13)。全ての室外ユニット(3a,3b)についてデフロストが完了していると、デフロスト運転が終了する(ステップST14)。デフロスト運転が終了すると、上述した暖房運転が再び開始される。
本実施形態のデフロスト運転では、全ての室外ユニット(3a,3b)に対して同時に除霜が開始されるが、通常、着霜量などの違いから各室外熱交換器(17)毎にデフロスト(除霜)完了までに要する時間が異なる場合が多い。つまり、一方の室外ユニット(3a,3b)についてはデフロスト完了と判断されたが、他方の室外ユニット(3a,3b)については未だデフロスト完了と判断されていない場合が多い。その場合、図4においてステップST13からステップST15へ移行し、冷媒回路(10)におけるガス欠レベルが判断される。即ち、冷媒回路(10)における冷媒循環量の不足状態が判断される。なお、この段階においてもデフロスト運転は継続中である。
コントローラ(40)は、図5に示すフローに基づいて冷媒回路(10)におけるガス欠レベルを判断する。先ず、デフロスト運転時において、以下に示す4つの条件のうち1つでも満たすと(ステップST21)、冷媒回路(10)の冷媒循環量が所定値以下まで減少したとしてガス欠レベル「大」と判断される(ステップST22)。4つの条件は、「圧縮機(11)の吐出冷媒の過熱度(吐出SH)が所定値A1を超えたか」という条件と、「圧縮機(11)の吸入冷媒の過熱度(吸入SH)が所定値B1を超えたか」という条件と、「圧縮機(11)の吸入冷媒の圧力(吸入圧力)が所定値C1よりも低くなったか」という条件と、「室内膨張弁(14)の開度が所定値D1を超えたか」という条件である。ステップST21において何れの条件も満たさない場合は、以下に示す新たな4つの条件のうち1つでも満たすかどうかが判断される(ステップST23)。4つの条件は、「圧縮機(11)の吐出冷媒の過熱度(吐出SH)が所定値A2(<A1)よりも低いか」という条件と、「圧縮機(11)の吸入冷媒の過熱度(吸入SH)が所定値B2(<B1)よりも低いか」という条件と、「圧縮機(11)の吸入冷媒の圧力(吸入圧力)が所定値C2(>C1)よりも高いか」という条件と、「室内膨張弁(14)の開度が所定値D2(<D1)よりも低いか」という条件である。そして、ステップST23において、1つでも条件を満たすと、冷媒回路(10)の冷媒循環量は所定値以上になったとしてガス欠レベル「小」と判断される(ステップST25)。また、ステップST23において、何れの条件も満たさないと、冷媒回路(10)の冷媒循環量はそれほど減少していないとしてガス欠レベル「中」と判断される(ステップST24)。このように、ガス欠レベルが3段階評価され、ガス欠レベル「小」<「中」<「大」の順に冷媒回路(10)の冷媒循環量が不足していることとなる。
冷媒回路(10)において冷媒循環量が不足してゆくに従って、室内熱交換器(13)の冷媒に対する加熱量が見かけ上増大し、その結果、冷媒の過熱度が増大する。即ち、圧縮機(11)の吸入冷媒の過熱度が増大する。吸入冷媒の過熱度が増大するに伴い、圧縮機(11)の吐出冷媒の過熱度も増大する。そして、本実施形態のデフロスト運転では、上述したように室内膨張弁(14)の開度が過熱度制御されることから、吸入冷媒の過熱度が増大すると、その過熱度を所定値(5度)まで低下させるため室内膨張弁(14)の開度が増大される。また、冷媒回路(10)において冷媒循環量が不足してゆくに従って、圧縮機(11)の吸入冷媒量が減少するため、圧縮機(11)の吸入圧力(吸入冷媒の圧力)が低下する。このように、冷媒回路(10)がガス欠状態になると、圧縮機(11)の吸入冷媒および吐出冷媒のそれぞれの過熱度や室内膨張弁(14)の開度が増大する一方、圧縮機(11)の吸入圧力が低下する。したがって、これら過熱度等の増大量や吸入圧力の低下量によってガス欠レベルを判断できる。なお、デフロスト運転において、圧縮機(11)の吸入圧力(吸入冷媒の圧力)が所定値となるように室内膨張弁(14)の開度を制御するようにした場合でも、冷媒回路(10)の冷媒循環量が不足してゆくに従って、室内膨張弁(14)の開度が増大される。つまり、冷媒回路(10)がガス欠状態になり、圧縮機(11)の吸入圧力が低下すると、その吸入圧力を所定値まで上昇させるため室内膨張弁(14)の開度が増大される。
ここで、デフロスト運転中に、例えば第2室外ユニット(3b)が先にデフロスト完了した場合について考える。第2室外ユニット(3b)がデフロスト完了した時点では、各室外膨張弁(18)の開度は全開であるため、圧縮機(11)から各室外ユニット(3a,3b)へ流れた冷媒は再び圧縮機(11)へ戻る。つまり、冷媒回路(10)において、冷媒循環量はデフロスト運転開始時と比べて殆ど変化せず不足していない。そのため、図5のガス欠判断フローによってガス欠レベル「小」と判断される。この場合、図4のフローにおいてステップST15からステップST16へ移行し、第2室外ユニット(3b)の室外膨張弁(18)の開度が所定量だけ減少される。即ち、デフロストが完了した室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)の開度が絞られる。そうすると、第2室外ユニット(3b)における冷媒循環量が減少するため、その減少した分だけ第1室外ユニット(3a)における冷媒循環量が増大する。つまり、圧縮機(11)から第1室外ユニット(3a)の室外熱交換器(17)へ供給される冷媒量が増大する。そのため、第1室外ユニット(3a)の室外熱交換器(17)における加熱能力が増大し、除霜能力が向上する。その結果、第1室外ユニット(3a)のデフロスト完了に要する時間が短縮される。
また、上述したように室外膨張弁(18)を完全に閉じるのではなく絞るだけなので、第2室外ユニット(3b)における冷媒の流れは遮断されない。つまり、第2室外ユニット(3b)において冷媒循環量は減少するが、冷媒流れが遮断されることはない。そのため、冷媒回路(10)の高圧(即ち、冷凍サイクルの高圧、圧縮機(11)の吐出圧力)はそれほど高くは上昇しない。さらに、デフロスト運転時の室外膨張弁(18)は室外熱交換器(17)の流出側に位置するため、その室外膨張弁(18)を絞っても冷媒回路(10)の高圧はそれほど急激には上昇しない。例えば、室外熱交換器の流入側に配置した弁を閉じるようにした場合、室外熱交換器への冷媒の流入が急に遮断されることとなり、そのため冷媒回路の高圧が瞬時に上昇して高圧異常が検知される。つまり、高圧が瞬時に上昇するため、圧縮機の容量(運転回転数)を下げて吐出圧力を低下させる時間(余裕)がない。高圧異常が検知されると圧縮機が強制停止され、その結果デフロスト運転が中断してしまう。本実施形態では、室外熱交換器(17)の流出側に位置する室外膨張弁(18)を絞るため、室外熱交換器(17)への冷媒の流入は遮断されない。そのため、室外膨張弁(18)を絞った直後においても、圧縮機(11)の吐出冷媒が幾分か室外熱交換器(17)へ流入し続ける。したがって、冷媒回路(10)の高圧はそれほど急上昇はしない。その結果、上述した作用効果(冷媒回路(10)の高圧がそれほど高くは上昇しない)とも相まって、高圧異常が検知される虞がなくなる。
このように、本実施形態では、何れかの室外ユニット(3a,3b)についてデフロスト完了と判断されると、その室外ユニット(3b)の室外膨張弁(18)を絞る。これにより、デフロストが完了した室外ユニット(3b)に対する冷媒供給量を減少させ、未だデフロストが完了していない室外ユニット(3a)に対する冷媒供給量を増大させることができる。そのため、デフロストが完了した室外ユニット(3b)へ無駄に冷媒を供給しなくてもすむ一方、未だデフロストが完了していない室外ユニット(3a)に対する除霜能力を高めることができる。さらには、冷媒回路(10)の高圧の急上昇をも回避することができ、デフロスト運転を円滑に継続することができる。
ステップST16において第2室外ユニット(3b)の室外膨張弁(18)が絞られると、再びステップST13において全ての室外ユニット(3a,3b)がデフロスト完了したか否かが判断される。そして、未だ、第1室外ユニット(3a)のデフロストが完了していないと、再びステップST15において冷媒回路(10)のガス欠レベルが判断される。
ここで、第2室外ユニット(3b)の室外熱交換器(17)では、流入したガス冷媒が凝縮し液冷媒となって流出してゆくが、上述したように室外膨張弁(18)の開度が絞られると、室外熱交換器(17)から流出してゆく液冷媒の量が減少する。つまり、室外膨張弁(18)が絞られるため、室外熱交換器(17)から液冷媒がなかなか流出しない。そのため、室外熱交換器(17)ではガス冷媒の滞留時間が長くなる。そうすると、室外熱交換器(17)では、霜が融けても外気温度が低いことから、ガス冷媒が次第に凝縮して液冷媒となる。この凝縮によって冷媒の体積が減少した分、新たに圧縮機(11)の吐出冷媒が室外熱交換器(17)に流入する。その流入したガス冷媒は凝縮して液冷媒となる。このように、デフロストが完了して室外膨張弁(18)が絞られた室外熱交換器(17)では、流出してゆく液冷媒の量よりも凝縮して液冷媒となる量が多くなる。そうすると、室外熱交換器(17)では、時間の経過と共に液冷媒が溜まってゆき、いわゆる冷媒(液冷媒)の寝込みが生じる(図2参照)。第2室外ユニット(3b)の室外熱交換器(17)で冷媒の寝込みが生じると、冷媒回路(10)全体の冷媒循環量が減少して不足状態となる。
冷媒回路(10)の冷媒循環量が減少すると、上述したように、圧縮機(11)の吸入冷媒の過熱度および吐出冷媒の過熱度や室内膨張弁(14)の開度が増大し、圧縮機(11)の吸入圧力が低下する。この場合、図5のガス欠判断フローにおいてガス欠レベル「大」またはガス欠レベル「中」と判断される(ステップST22またはステップST24)。例えばガス欠レベル「中」と判断された場合、第2室外ユニット(3b)の室外膨張弁(18)の開度は変更しない(図4のステップST17)。つまり、現時点では、室外膨張弁(18)の開度を変更するほど冷媒循環量は大して不足していないと判断される。その後、室外熱交換器(17)における冷媒の寝込みがすすみ、図4のステップST15(図5の判断フロー)でガス欠レベル「大」と判断されると、第2室外ユニット(3b)の室外膨張弁(18)の開度が所定量だけ増大される(ステップST18)。そうすると、第2室外ユニット(3b)の室外熱交換器(17)では、流出する液冷媒の量が増大し、冷媒の寝込みが解消される。その結果、冷媒回路(10)において冷媒循環量が回復する。そして、その後のステップST15(図5の判断フロー)においてガス欠レベル「小」と判断されると、再び第2室外ユニット(3b)の室外膨張弁(18)の開度が絞られる(ステップST16)。このような室外膨張弁(18)の開度制御は、第1室外ユニット(3a)のデフロストが完了するまで、即ち全ての室外ユニット(3a,3b)でデフロストが完了するまで行われる。第1室外ユニット(3a)のデフロストが完了すると(ステップST13)、デフロスト運転が終了し(ステップST14)、再び上述した暖房運転が再開される。
−実施形態の効果−
この実施形態によれば、デフロスト運転中に何れかの室外ユニット(3a,3b)についてデフロスト(除霜)が完了すると、その室外ユニット(3a,3b)の室外膨張弁(18)の開度を絞るようにした。そのため、未だデフロストが完了していない室外ユニット(3a,3b)に対する冷媒供給量を増大させることができる。これにより、未だデフロストが完了していない室外ユニット(3a,3b)の除霜能力を高めることができ、デフロスト完了に要する時間を短縮することができる。
また、室外熱交換器(17)の流出側に位置する室外膨張弁(18)を絞るため、その室外熱交換器(17)への冷媒流れの急な遮断を回避することができる。そのため、冷媒回路(10)の高圧が著しく高くなることや、その高圧が瞬時に上昇することを抑えることができる。その結果、高圧異常となるのを回避できる。
さらには、デフロストが完了した室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)の開度を絞った後、その室外熱交換器(17)における冷媒の寝込みにより冷媒回路(10)の冷媒循環量が減少してガス欠状態となると、その室外膨張弁(18)の開度を増大させるようにした。そのため、冷媒の寝込みを解消して、冷媒回路(10)の冷媒循環量を回復させることができる。これにより、未だデフロストが完了していない室外熱交換器(17)に対する冷媒供給量および除霜能力を確保することができる。
以上の結果、デフロスト運転を円滑に継続することができると共に、そのデフロスト運転の時間を確実に短縮することができる。
また、本実施形態では、圧縮機(11)の吐出冷媒の過熱度や吸入冷媒の過熱度、吸入冷媒の圧力、室内膨張弁(14)の開度に基づいて、冷媒回路(10)におけるガス欠レベルを判断するようにしたため、その過熱度や圧力、開度の増減からガス欠レベルを容易且つ確実に判断することができる。その結果、デフロスト運転時の室外膨張弁(18)の開度制御を高精度に行うことができ、信頼性の高いデフロスト運転が可能となる。
さらに、本実施形態では、デフロストが完了した室外熱交換器(17)に対応する室外膨張弁(18)の開度を増大させることで冷媒の寝込みが解消されて冷媒循環量が回復すると、再び室外膨張弁(18)を絞るようにした。これにより、未だデフロストが完了していない室外熱交換器(17)への冷媒供給量を増大させて除霜能力を高めることができる。その結果、デフロスト運転時間の一層の短縮化が可能となる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態では、室外ユニット(3a,3b)を2台備えた空気調和装置(1)について説明したが、3台以上の室外ユニットが互いに並列に接続された形態であっても同様の作用効果を奏する。
また、上記実施形態の室内ユニット(2)において、圧縮機(11)および室内熱交換器(13)の数量は1台に限らず複数であってもよいことは勿論である。