以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
図1から図3を参照しながら、本発明の実施形態に係るエクステンション用まつげ100について説明する。本実施形態のエクステンション用まつげ100は、使用者のまつげの長さを延長する人工まつげである。なお、本実施形態では、エクステンション用まつげを「まつげエクステ」と称する。
図1は、本実施形態のまつげエクステンション100の構成を示す斜視図である。図2は、図1中のA−A線に沿った断面図を示している。図3は、図1中のB部分における断面図を示している。
本実施形態のまつげエクステンション100は、先端部11と末端部15とを有する人工まつ本体部10を備えている。人工まつげ本体部10の少なくとも表面部10aにおいては、抗菌成分40が存在している。この抗菌成分40は、抗菌成分40を含有する溶液から含浸させることで、人工まつげ本体部10の少なくとも表面部10aに位置している。
本実施形態の構成では、人工まつげ本体部10は、樹脂42から構成されている。本実施形態の人工まつげ本体部10は、化学繊維から構成されている。本実施形態の人工まつげ本体部10を構成する樹脂(化学繊維)としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、アクリル、塩化ビニール、ナイロンを挙げることができる。この例の人工まつげ本体部10は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)から構成されているが、他の樹脂材料から構成されていてもよい。
本実施形態の抗菌成分(抗菌材料)40は、金属粒子(例えば、1マイクロメートル以下の金属微粒子(ナノ粒子))、または、金属を含む抗菌剤(金属イオン単独の抗菌剤も含む)から構成されている。例えば、本実施形態の抗菌成分40の一例は、銀イオン(Ag+)であり、具体的には、銀ナノ粒子、銀コロイド溶液の粒子(銀コロイド粒子)などである。ここで、抗菌性を有する銀イオン(Ag+)は、例えば、銀イオン水、銀ナノ粒子(銀ナノ粒子が入った銀ナノ溶液)、銀コロイド粒子などの形態で利用することができる。銀イオン(Ag+)は、原子としての銀(Ag)から電子が外れた陽イオンとして存在している銀イオンのことであり、大きさは銀原子とほぼ同じで200ピコメートル程度のいわゆる原子の大きさである。銀ナノ粒子は、銀をナノメートルのオーダーにした粒子である。また、鉱物であるアルミナシリカに微粒子化した銀イオンを保持させた銀ナノ粒子を用いることも可能である。銀コロイド粒子は、コロイド状の銀粒子であり、例えば、脱イオン化された電解液中で半永久的に浮遊状態(コロイド状態)を保持されているものである。銀コロイド粒子の直径は、例えば、0.0001μmのものもあり、その場合は、毛髪の太さ(80μm)の80万分の1の大きさに該当する。
なお、銀イオンは、各種の細菌の細胞に強く吸着し、細菌の細胞酵素をブロッキングして死滅させることができる。したがって、銀イオンによって細菌の繁殖を制御することができる。また、銀イオンは、抗菌効果が比較的強い特徴を有するとともに、人体に対して極めて安全性が高いという特徴を有しており、したがって、本実施形態の抗菌まつげエクステ100が間違って人間の口に入ったとしても、銀イオンによる問題は実質的に生じない利点がある。
また、本実施形態の抗菌成分40は、銀イオン(Ag+)以外のものを使用することができる。例えば、金コロイド溶液に含まれている金コロイド粒子、または、白金コロイド溶液に含まれている白金コロイド粒子などである。金コロイド粒子は、1マイクロメートル以下の金微粒子(ナノ粒子)が、流体中に分散しているコロイド状態の粒子である。白金コロイド粒子(白金ナノコロイド粒子)は、白金の微粒子によって形成されたコロイド状態の粒子である。なお、本実施形態においてナノ粒子とは、粒径がナノオーダー(例えば、1〜1000nm、または、1〜100nm)の粒子のことを称することがあり、1nm以下の粒子を含む場合もある。このナノ粒子は、比表面積が極めて大きいこと等により、一般的な大きさの固体(バルク)の材料とは異なる性質を示すことがあり、その特性の一つとして、抗菌性を示す場合、抗菌剤として利用することができる。
本実施形態の構成においては、金属粒子(抗菌成分)40が、人工まつげ本体部10の表面10sから内部10cの方向に向けて染み込むことによって、人工まつげ本体部の少なくとも表面部10aに抗菌成分40が位置するようになっている。具体的には、人工まつげ本体部10を構成する化学繊維の間に侵入することで、人工まつげ本体部10の表面部10aに含浸している。なお、本実施形態の人工まつげ本体部10の表面部10aとは、人工まつげ本体部10の最表面から、人工まつげ本体部10の直径φの例えば0.01%〜50%の深さの範囲(あるいは、例えば0.01μm〜50μmの深さの範囲)の部分を意味している。人工まつげ本体部10の最表面だけに抗菌成分40が単に付着している場合は、本実施形態における「含浸」の状態には該当しない。その場合は、しばらくすると抗菌成分40は人工まつげ本体部10から外れてしまい、持続的な抗菌力が続かないからである。
なお、人工まつげ本体部10の表面部10aに抗菌成分40が位置されて(または、担持されて)いればよく、人工まつげ本体部10の中心部まで抗菌成分40が位置している必要はない。人工まつげ本体部10の表面部10aに抗菌成分40が位置していれば、まつげエクステ100は、十分に抗菌性を示すことができる。ただし、含浸条件を変えることにより、人工まつげ本体部10の表面部10aだけでなく中心部まで抗菌成分40を含浸させても構わない。
さらには、人工まつげ本体部10の末端部15がまぶたに近いので、その部分を選択的に抗菌成分40が含浸するようにしたらよい。ただし、人工まつげ本体部10のいずれの部分も手が触れて細菌が繁殖する可能性があるので、人工まつげ本体部10の全表面に抗菌成分40が位置していることが好ましい。
本実施形態の人工まつげ本体部10は、まつげ型の形状を有している。具体的には、人工まつげ本体部10の末端部15の径(ここでは、直径)は、先端部11の径(直径)よりも太い。人工まつげ本体部10は、かるく湾曲しており、先端部11のトップは尖っている。本実施形態の人工まつげ本体部10の長さは、例えば5mm〜20mmであり、末端部15の端面15aの直径(または厚さ)は例えば0.07mm〜0.3mmである。本実施形態のまつげエクステ100では、末端部15に接着剤(グルー)が付けられる。そして、まつげエクステ100は、接着剤によって、使用者のまつげに接着されて固定される。
なお、本実施形態の人工まつげ本体部10の形状は、図1に示したものに限定されるものではなく、人工まつげ本体部10は平べったい形状であっても構わない。または、人工まつげ本体部10の末端部15が丸く変形していてもよい。人工まつげ本体部10の表面を削っても構わない。
また、人工まつげ本体部10は、黒色の他、着色された材料から構成されていてもよい。人工まつげ本体部10は、例えば、ダークブラウン、パープル、ブルー、ピンク、シルバー、グリーン、ライトオレンジ、ライトゴールド、レッド、ワインレッド、ホワイト、イエローなどの色にすることができ、それによって、カラーエクステンションを実現することが可能である。
次に、図4(a)から(c)を参照しながら、本実施形態の抗菌まつげエクステの製造方法について説明する。
まず、図4(a)に示すように、人工まつげ本体部10を用意する。人工まつげ本体部10は、一例としては次のようにして作製するこができる。すなわち、人工まつげ本体部10の材料となる樹脂42を、人工まつげ本体部10の形状を規定する開口部を有する金型から押し出しすることによって作製することができる。
より詳細には、樹脂42を金型から押し出して、繊維状の材料を作製した後、その繊維状の材料を、人工まつげ本体部10と同じ長さに切断する。その後、その切断で得られた人工まつげ本体部10の一部を薬品に浸して、人工まつげ本体部10の先端部11を細くすることによって、図4(a)に示した人工まつげ本体部10を得ることができる。なお、人工まつげ本体部10の製造方法はこれに限るものでなく、他の手法を採用しても構わない。
次に、図4(b)に示すように、抗菌成分40を含有する溶液30に、人工まつげ本体部10を含浸させる。抗菌成分40を含有する溶液30は容器35に入っており、この容器35の中に、人工まつげ本体部10を投入する。人工まつげ本体部10は、必要な本数だけ投入すればよく、1本でも構わないし、10本、100本、500本、1000本またはそれ以上でも構わない。ここでは、同じ長さ、同じ直径、同じ色、同じ材質(すなわち、同一ロッド)の人工まつげ本体部10を、抗菌成分40を含有する溶液30に入れることが好ましい。これにより、同じスペック(同一の商品ロッド)の抗菌まつげエクステを製造することができる。なお、格安品の製造方法として、異なるスペック(異なるの商品ロッド)の人工まつげ本体部10を入れて、抗菌まつげエクステを作製することを禁止するものでもない。
この工程において、溶液30中の抗菌成分40が人工まつげ本体部10の表面から内部方向に向けて染み込み、それによって、人工まつげ本体部10の少なくとも表面部(10a)にて抗菌成分40が位置するようになる。ここでは、人工まつげ本体部10の表面に向けて抗菌スプレーを噴霧したのとは異なって、溶液30の浸透圧によって抗菌成分(例えば、金属粒子)40が人工まつげ本体部10に侵入する。
この工程を経て、図4(c)に示すように、人工まつげ本体部10の少なくとも表面部10aに抗菌成分40が位置した構造を有する抗菌まつげエクステ100が得られる。図4(b)に示した含浸方法によれば、人工まつげ本体部10の表面10sの全面に抗菌成分40を侵入させることができる。なお、人工まつげ本体部10の表面10sの一部に抗菌成分40を侵入させたい場合には、例えば、人工まつげ本体部10の表面10sの一部をマスキングして溶液30に浸けるか、人工まつげ本体部10の表面10sの一部だけを溶液30に浸けるようにしたらよい。
本実施形態における抗菌成分40を含有する溶液30は、例えば、銀イオン(又は銀ナノ粒子)を含む溶液(例えば、銀イオン水、銀ナノ溶液、銀コロイド溶液など)である。あるいは、抗菌成分40を含有する溶液30は、金コロイド溶液(または、金ナノ溶液)、白金コロイド溶液(白金ナノコロイド溶液)、白金ナノ溶液などであってもよい。
なお、抗菌成分40として銀イオン(Ag+)の粒子、または、金粒子、白金粒子を人工まつげ本体部10に導入(含浸)させる構成について説明したが、抗菌効果を奏する条件において、他の抗菌材料を人工まつげ本体部10に配合することも可能である。例えば、銀イオンなどの金属粒子(ナノ粒子)に代えて(または、銀イオン等とともに)、酸化チタンを人工まつげ本体部10に含浸させることができる。なお、銀イオン等、酸化チタンの他の抗菌材料を用いることも可能である。抗菌材料としては、無機系抗菌剤(金属イオンの静菌作用を利用したもの)、有機系抗菌剤(有機物を利用した抗菌剤。合成系抗菌剤または天然系抗菌剤)を挙げることができる。採用する抗菌成分(抗菌剤)にあわせて、どのような溶液30をどのような条件で用いるかは、当業者が適切なものを適宜選択することができる。
さらに、抗菌成分40を含有する溶液30に染色剤を入れて、人工まつげ本体部10の染色工程と同一工程で、人工まつげ本体部10の抗菌処理を実行することも可能である。あるいは、溶液30が染色剤であり、その染色剤30に抗菌成分40を混合した後、抗菌成分40が含有した染色剤30を用いて、人工まつげ本体部10の染色および抗菌を同時に実行することができる。この染色剤は、黒だけでなく、ダークブラウン、パープル、ブルー、ピンク、シルバー、グリーン、ライトオレンジ、ライトゴールド、レッド、ワインレッド、ホワイトおよびイエローの着色剤(着色顔料入り染色剤)を用いることができる。抗菌成分40入りの着色剤を用いた場合には、着色工程も同時実行することができる。
抗菌成分40とともに染色剤(及び/又は着色剤)を用いた場合には、抗菌成分40が人工まつげ本体部10に含浸するとともに、染色剤が抗菌成分40を人工まつげ本体部10の表面部10aに固定する役割を果たすので、抗菌効果の継続力アップの役割を果たす。染色剤は、天然染料や合成染料の他、蛍光染料などであり、着色剤は天然合成を問わない着色料などである。
また、抗菌成分40を含有する溶液30に、界面活性剤および/またはアルコールを入れることによって、抗菌成分40が、人工まつげ本体部10の表面部10aに入りやすくするようにしてもよい。人工まつげ本体部10の表面10sと溶液30との界面状態をどのように制御すればよいか、言い換えると、どのような界面活性剤および/またはエタノール等のアルコール系原料(または、アセトンなどのケトン系原料の有機溶剤)をどのくらいの量を使用すればよいかは、人工まつげ本体部10の材料・寸法・形状、抗菌成分40の種類・特性などを踏まえて、適宜好適なものを選択したらよい。また、有機溶剤に限らず、無機溶剤を用いても構わない。
図5は、本実施形態の人工まつげ本体部10を構成する化学繊維45の隙間47に抗菌成分40が侵入して、化学繊維45に固定されている様子を模式的に示す拡大図である。抗菌成分40は、化学繊維45の間の隙間47よりも小さい粒径を有している。仮に、抗菌成分40の大きさが、化学繊維45の間の隙間47よりも大きい場合には、洗った際に抗菌成分40が非常に落ちやすくなってしまう。この抗菌成分40が人工まつげ本体部10の表面部10aに位置している場合、当該抗菌成分40が抗菌効果を発揮する。また、この抗菌成分40が、染色剤/着色剤で化学繊維45に固着されている場合には、その抗菌成分40による抗菌効果の持続力が向上する。
なお、染色剤/着色剤を人工まつげ本体部10に付与する時には、その染色剤/着色剤を固着させるために人工まつげ本体部10を加熱する場合がある。その加熱時に、抗菌成分40を含む溶液30を人工まつげ本体部10の表面部10aに含浸させてもよい。この場合、人工まつげ本体部10を、溶液30が入った容器35の中に人工まつげ本体部10を浸すのではなく、人工まつげ本体部10の表面10sに抗菌成分40を含む溶液30を塗布して、抗菌成分40を人工まつげ本体部10に含浸させてもよい。また、抗菌成分40を含む溶液30に浸す工程(または溶液30を塗布する工程)と一連で、加熱工程を行って、抗菌成分40を人工まつげ本体部10の表面部10aにできるだけ固着させるようにしてもよい。例えば、抗菌成分40を含む溶液30が人工まつげ本体部10の表面10sに位置して表面10sが濡れている時に、その溶液30(または溶媒)を乾燥させるために加熱工程を実行することができる。
また、本実施形態の手法は、人工まつげ本体部10が樹脂42または化学繊維45からなる場合に限らず、人工まつげ本体部10が獣毛からなる場合でも適用可能である。獣毛にはキューティクルが存在しており、そのキューティクルの隙間に抗菌成分40が侵入することで、抗菌まつげエクステ100を製造することができる。
図6は、本実施形態における人工まつげ本体部10を構成する獣毛43のキューティクル46の隙間48に抗菌成分40が侵入して、そこで固定されている様子を模式的に示す拡大図である。なお、この抗菌成分40は、獣毛43におけるキューティクル46の隙間48よりも小さい粒径を有している。仮に、抗菌成分40の大きさが、キューティクル46の隙間48よりも大きい場合には、洗った際に抗菌成分40が非常に落ちやすくなってしまう。なお、染色剤/着色剤についての説明、および、加熱工程についての説明は上述したものと同様であるので省略する。
人工まつげ本体部10を構成する獣毛43は、例えば、ミンクの毛であるが、他の獣毛を用いても構わない。なお、樹脂由来のまつげエクステ以外のものとしては、ここで挙げた獣毛の他、動物由来の材料(典型的には、人毛、シルクなど)、植物由来の材料(典型的には綿)を使用することも可能であるが、抗菌効果がきちんと発揮されるような抗菌成分40および含浸条件を決定することが必要となる。また、タンパク質を含んだ化学繊維から構成された人工まつげ本体部10を用いることも可能である。
次に、図7(a)から(c)を参照しながら、本実施形態のまつげエクステ100をまつげ50に取り付ける方法を説明する。
まず、図7(a)に示すように、本実施形態の抗菌まつげエクステ100(人工まつげ本体部10)の一部をピンセット60で掴み、そして末端部15に接着剤21を塗布した状態で、抗菌まつげエクステ100をまつげ50の近くに持っていく。
次に、図7(b)に示すように、抗菌まつげエクステ100の接着剤21をまつげ50に付けて、抗菌まつげエクステ100をまつげ50に密着させる。そして、接着剤21が硬化して、抗菌まつげエクステ100がまつげ50に固定されたならば、図7(c)に示すように、ピンセット60を外して、抗菌まつげエクステ100の取り付けが完了する。この作業を各まつげ50について行う。
本実施形態のまつげエクステ100は抗菌性を有しているので、図7(a)から(c)のいずれの段階において、ピンセット60でなく、手の指でまつげエクステ100を触ったとしても、細菌の増殖を抑制することができる。加えて、まつげエクステ100をまつげ50に装着した後に、使用者(装着者)が指でまつげエクステ100を触ったとしても、細菌の増殖を抑制することが可能である。
図8は、上まつげ50のそれぞれに抗菌まつげエクステ100を取り付けた様子を示している。図8に示すように、数多くのまつげ50に抗菌まつげエクステ100が取り付けられる。数多くのまつげエクステ100を上まつげ50に取り付けると、まつげエクステ100に指や皮膚が接触する機会も増える。しかし、本実施形態のまつげエクステ100は抗菌効果を有しているので、従来のエクステンションと比較して、細菌の増殖を抑制することが可能である。
<実施例>
本願出願人が特許権を保持する特許第5107477号公報(特許文献4)において、エクステンションを構成する樹脂に含有された銀イオンが抗菌効果を有するか当該業界でどうか初めて試験をし、抗菌効果を有することが確認された。
本願発明者は、同様の試験を、本実施形態の手法で製造した人工まつげ本体部10について行った。試験方法は、JIS L 1902(2008)の菌液吸収法である。供試菌は、黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus NBRC 12732)である。試料は、界面活性剤(Tween80)を添加した試験菌懸濁液を使用した。本実施例の抗菌実験の結果を以下に示す。
<表1>
試料番号 抗菌溶液 エクステ材料 静菌活性値 抗菌効果
試料1 金コロイド溶液 ナイロン 2.9 有
試料2 金コロイド溶液 PBT 2.0 無
試料3 金コロイド溶液 天然ミンク >4.2 有
試料4 金コロイド溶液 人毛 0.3 無
試料5 白金コロイド溶液 ナイロン 2.5 有
試料6 白金コロイド溶液 PBT 3.6 有
試料7 白金コロイド溶液 天然ミンク 5.4 有
試料8 白金コロイド溶液 人毛 −0.5 無
試料9 銀ナノ溶液 PBT >5.7 有
表1の実験結果より、本実施形態の手法では、人毛についての抗菌性は認められなかったが、それ以外のものでは、概ね、抗菌性が認められた。具体的には、試料2(金コロイド溶液、PBT)は、わずかに抗菌性有りとはならなかったが、静菌活性値は2.0(静菌活性値2.2以上が抗菌効果あり)と、ほぼ抗菌性ありと言えるくらいに近い値までの結果がでた。その他の試料1、試料3、試料5〜9は、すべて抗菌性ありの結果がでた。なお、静菌活性値で比較すると、銀粒子(銀イオン)は、金粒子、白金粒子よりも抗菌力が強いことがわかった。
上記の実験の条件および結果について少し補足する。金コロイド溶液(ゴールドコロイド溶液)、白金コロイド溶液(製品名:白金玄水500(アイノベックス株式会社社製))、銀ナノ溶液における粒子の粒径は、1μm(1000nm)以下のものである。
参考として、コントロールとなる綿標準白布の場合、生菌数の常用対数値は、菌液接種直後4.5で、18時間培養後7.0であった。ここで、抗菌効果の認定基準として、静菌活性値が2.2以上であることを利用することができる。静菌活性値は、(Mb−Ma)−(Mc−Mo)で求められる。そして、静菌活性値≧2.2であると、抗菌性ありと認定することができる。なお、Mbは、無加工布(又は標準布)の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値である。Maは、無加工布(又は標準布)の接種直後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値である。Mcは、抗菌加工布(ここでは、まつげエクステ)の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値である。Moは、抗菌加工布(ここでは、まつげエクステ)の接種直後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値である。
試料1における生菌数の常用対数値は、菌液接種直後4.5で、18時間培養後4.1であり、そして、静菌活性値は2.9であった。この検査結果から、試料1について抗菌性が認められた。
試料2における生菌数の常用対数値は、菌液接種直後4.5で、18時間培養後5.0であり、そして、静菌活性値は2.0であった。この検査結果から、試料2については抗菌性を認めるところまでの抗菌力はないことがわかった。
試料3における生菌数の常用対数値は、菌液接種直後3.0で、18時間培養後<1.3であり、そして、静菌活性値は>4.2であった。この検査結果から、試料3について抗菌性が認められた。
試料4における生菌数の常用対数値は、菌液接種直後4.5で、18時間培養後6.7であり、そして、静菌活性値は0.3であった。この検査結果から、試料4については抗菌性は認められなかった。
試料5における生菌数の常用対数値は、菌液接種直後4.5で、18時間培養後4.5であり、そして、静菌活性値は2.5であった。この検査結果から、試料5について抗菌性が認められた。
試料6における生菌数の常用対数値は、菌液接種直後4.5で、18時間培養後3.4であり、そして、静菌活性値は3.6であった。この検査結果から、試料6について抗菌性が認められた。
試料7における生菌数の常用対数値は、菌液接種直後4.5で、18時間培養後1.6であり、そして、静菌活性値は5.4であった。この検査結果から、試料7について抗菌性が認められた。
試料8における生菌数の常用対数値は、菌液接種直後4.5で、18時間培養後7.5であり、そして、静菌活性値は−0.5であった。この検査結果から、試料8について抗菌性は認められなかった。
試料9における生菌数の常用対数値は、菌液接種直後4.5で、18時間培養後<1.3であり、そして、静菌活性値は>5.7であった。この検査結果から、試料9について抗菌性が認められた。
なお、銀(銀イオン)を原料とする溶液を人毛に対して含浸させた場合の抗菌性の有無は確認していない。銀イオンの抗菌力は、金や白金よりも強いので、銀イオンの場合は、人毛に対して抗菌性を示すかもしれないし、濃度や条件によって抗菌性を発揮したりしなかったりする可能性もある点を付言しておく。一方で、銀(銀イオン)を原料とする溶液でなくても、獣毛(天然ミンク)からなる人工まつげ本体部10を抗菌できることが確認された。
本発明の実施形態に係る抗菌まつげエクステ100の製造方法では、人工まつげ本体部10を用意した後に、抗菌成分40を含有する溶液に、人工まつげ本体部10を含浸させる。したがって、抗菌成分40をまつげエクステ材料(樹脂)に配合した混合物を金型で処理して同一形状の抗菌まつげエクステを大量に製造する手法に代えて、必要な種類で必要な量の人工まつげ本体部10を抗菌処理して、必要な種類を必要な量だけ、抗菌まつげエクステ100を簡便に製造することができる。
また、既存のまつげエクステに抗菌スプレーを噴霧したものは、時間とともに抗菌剤がまつげエクステからなくなってしまい、継続的な抗菌効果を発揮することができない。また、そういうものが、抗菌性ありとして誤って販売されてしまっている可能性も存在するが、本実施形態の手法によれば、溶液30中の抗菌成分40が人工まつげ本体部10の表面10sから内部10cへの方向に向けて染み込むことによって、人工まつげ本体部10の少なくとも表面部にて前記抗菌成分が位置しているので、抗菌スプレーのものとは違って、継続的に抗菌効果を発揮させることができる。さらには、本実施形態の手法によれば、獣毛(例えば、天然ミンク毛)43を原料とするまつげエクステであっても、抗菌性を付与することができる。
<改変例1>
次に、図9から図11を参照しながら、本発明の実施形態に係る改変例1について説明する。図9は、本実施形態の抗菌まつげエクステ110の構成を示す斜視図である。図10は、図9中のA−A線に沿った断面図を示している。図11は、図9中のB部分における拡大側面図を示している。
本実施形態の抗菌まつげエクステ110では、人工まつげ本体部10の根本部15は、ザラザラした表面32を有している。このザラザラした表面32によって、表面積が大きくなり、抗菌成分40の露出面積が増え、それによって、より抗菌効果を発揮することができるようになっている。
また、本実施形態の抗菌まつげエクステ110では、根本部(末端部)15に接着剤(グルー)21が付けられる。そして、抗菌まつげエクステ110は、接着剤21によってまつげ50に接着されて固定される。具体的には、根本部15におけるザラザラした表面32に接着剤21が付けられ、抗菌まつげエクステ110(または、人工まつげ本体部10)は接着剤21を介してまつげ50に取り付けられる。
抗菌まつげエクステ110では、ザラザラした表面32は、人工まつげ本体部10の長手方向における中間点よりも、根本部15の端面15a側に形成されている。特に、ザラザラした表面32は、まつげ50と接する領域に形成されていればよく、接着剤21が付与される箇所だけに選択的に形成することも可能である。なお、人工まつげ本体部10の表面全体を、ザラザラした表面32にすることも可能である。
本実施形態のザラザラした表面32は、複数の粒状の凹凸31を含んでいる。この粒状の凹凸31からなるザラザラした表面32は、根本部15の全周にわたって形成されている。したがって、根本部15の表面の全方位において、ザラザラした表面32が形成されており、接着剤21を何れの方向から根本部15に付与しても、ザラザラした表面32の上に塗布することができる。
本実施形態の構成において、人工まつげ本体部10におけるザラザラした表面32は、フロスト加工を施すことによって形成されている。言い換えると、人工まつげ本体部10には、フロスト加工によって生じた凹凸31が形成されている。フロスト加工とは、表面を霜のようにザラザラさせる加工(または、磨りガラスのようにザラザラされる加工)のことをいい、本実施形態では、サンドブラストによって人工まつげ本体部10に凹凸31を形成する。サンドブラストは、表面に砂などの研磨材を吹き付ける加工方法のことである。例えば、人工まつげ本体部10の根本部15に、コンプレッサによる圧縮空気に研磨剤を混ぜて吹き付けることにより、当該根本部15にザラザラした表面32を形成することができる。サンドブラストに使用するサンド(研磨材)は、いわゆる砂に限らず、人工まつげ本体部10に凹凸31を形成するのに適した研磨剤を使用することができる。
本実施形態の抗菌まつげエクステ110では、ザラザラした表面32を有する人工まつげ本体部10に、抗菌成分40を含有する溶液30を接触させて、人工まつげ本体部10の少なくとも表面部10aに抗菌成分40を含浸させる。本実施形態の構成では、人工まつげ本体部10がザラザラした表面32を有しているので、抗菌成分40の含浸が促進されやすい特徴がある。具体的には、上述した実施形態では、人毛製の人工まつげ本体部10は抗菌性を示さなかったが、本実施形態の手法によれば、抗菌成分40の含浸が容易になることで、人毛製の人工まつげ本体部10でも抗菌性を示す可能性が高まる。
あるいは、図1等に示した抗菌まつげエクステ100を準備しておき、そこに、凹凸処理(例えば、フロスト加工)を実行して、図9等に示した本例の抗菌まつげエクステ110を形成してもよい。この場合、抗菌まつげエクステ100における表面10sが削られて、抗菌成分20が外部に露出する面積が増えて、抗菌性が向上する可能性が高まる。
なお、染色剤/着色剤についての説明、および、加熱工程についての説明は上述したものと同様であるので省略する。ただし、ザラザラした表面32を有する人工まつげ本体部10に染色剤/着色剤に付与する場合、人工まつげ本体部10の表面(32)の表面積が大きくなっているとともに、染色剤/着色剤がまつげエクステ内部に侵入しやすくなるので、染色剤/着色剤の付着が良好になる可能性が高い。加えて、人工まつげ本体部10の表面(32)の表面積が大きくなっているので、加熱/乾燥工程も良好になる可能性が高まる。
本実施形態の凹凸31の深さ(凸部から凹部までの高さの差)は、例えば、0.01mm〜0.1mm程度であるが、それに限定されるものではない。具体的には、ザラザラした表面32を形成するために使用したフロスト加工(例えば、サンドブラスト)の条件によって決定されるとともに、使用するフロスト加工にあわせて適宜好適な凹凸31を形成することが可能である。
加えて、人工まつげ本体部10に貫通孔を形成して、その貫通孔によって、ザラザラした表面32を形成することも可能である。その場合には、凹凸31を構成する貫通孔の長さは、人工まつげ本体部10の直径φに相当するものになる。また、貫通孔を形成した場合には、まつげエクステ110の重さ(質量)を軽くすることができるという利点も得られる。まつげエクステ110の一本一本の重さは軽くても、それらは使用者のまつげに取り付けられるものであるから、エクステンションの重さを軽くできることは、使用者(装着者)の装着感に影響を与えることができ、その結果、つけ心地の感じのよい抗菌まつげエクステを実現することができる。
本実施形態のザラザラした表面32は、ヤスリ(具体的には、紙ヤスリ)を擦りつけることによって形成することができる。紙ヤスリは、研磨加工に用いる紙状のシートに研磨材を塗布した工具である。紙ヤスリによって、ザラザラした表面32を形成する場合、使用する紙ヤスリの粗さ(番手)によって、ザラザラした表面32の凹凸31の形状・深さなどを調整することができる。
人工まつげ本体部10の根本部15にザラザラした表面32を形成する場合、多数の人工まつげ本体部10を揃えて、次いで、サンドブラストを根本部15に施すことにより、一度の処理で、ザラザラした表面32を有する人工まつげ本体部10を多数形成することができる。また、多数の人工まつげ本体部10を揃えた状態で、根本部15に紙ヤスリを施すことにより、一度の処理で、ザラザラした表面32を有する人工まつげ本体部10を多数形成することも可能である。もちろん、一本の人工まつげ本体部10に紙ヤスリを施して、ザラザラした表面32を形成しても構わない。
さらには、本実施形態の抗菌まつげエクステ110では、人工まつげ本体部10の根本部15はザラザラした表面32を有しているので、当該ザラザラした表面32によって、接着剤21を保持することが容易となり、使用者のまつげ50と人工まつげ本体部10との接着性を良好にすることができる。すなわち、従来のまつげエクステの表面は平滑に形成されているので、接着剤の付きが必ずしも良いとはいえないが、本実施形態の抗菌まつげエクステ110の場合、ザラザラした表面32により、平滑の場合の表面と比較して表面積が増えたことによって(あるいは、凹凸31によって)接着剤21の保持がよく、それゆえに、接着剤21の付きがよい。
また、ザラザラした表面32における増大した表面積によって、接着剤21の保持力が向上している。したがって、ザラザラした表面32が形成される領域は、接着剤21が塗布されるエリアよりも広い方が好ましいが、接着剤21が塗布されるエリアよりも狭くても当該表面32にて接着剤21の保持を良好に行うことができるので構わない。
近年、使用者の皮膚のかぶれ又はアレルギー、その他の有機溶媒の影響などを考慮して、強力な接着剤を使用することができずに、比較的接着力の弱い接着剤を使用しなければならないケースも生じている。このような場合において、従来のまつげエクステでは、接着剤の付きの悪さがより顕著になり、まつげエクステの取り付け作業に支障がでる可能性がある。一方、本実施形態の抗菌まつげエクステ110では、接着剤21の付きが良好であるので、比較的接着力の弱い接着剤を使用する場合でもそのような問題を抑制することができる。
また、本実施形態の抗菌まつげエクステ110では、人工まつげ本体部10の全周にわたってザラザラした表面32が形成されているので、1つの方向だけでなく他の方向からでも、ザラザラした表面32の上に接着剤21を塗布して、人工まつげ本体部10をまつげ50に接着させることができる。したがって、1つの方向にC字型のくぼみが形成されたまつげエクステの構造のようなものと比較すると、抗菌まつげエクステ110はまつげ50に取り付けるのが容易になる。
なお、上述した実施形態の抗菌まつげエクステ100とも共通するが、本発明の実施形態の人工まつげ本体部10の表面部10aには抗菌成分40(例えば、金属を含む抗菌剤)が位置しているので、通常のまつげエクステでは、接着剤21がまつげエクステの表面をはじいてうまく濡れない場合でも、抗菌成分40の存在により界面の状態が変わって、接着剤21がまつげエクステの表面(10s、32)にうまく濡れるようになる可能性もある。加えて、本実施形態の抗菌まつげエクステ110では、ザラザラした表面32によって接着剤21がうまく濡れる可能性が向上している。
<改変例2>
図12から図14を参照しながら、本発明の実施形態に係る改変例2について説明する。図12は、本実施形態の抗菌まつげエクステ200の構成を示す断面図であり、図2及び図10に相当する図である。
図12に示した本実施形態の抗菌まつげエクステ110では、人工まつげ本体部10に溝14が形成されている。図12に示した例では、根本部15における断面は、頂点12が少なくとも3つ(ここでは、8つ)あり、頂点12の間に溝14が位置する多角形状を有している。
本実施形態の抗菌まつげエクステ200では、溝14は、人工まつげ本体部10の延長方向に沿って延びている。また、図12に示すように、人工まつげ本体部10の断面は、正八角形の構造(星形正八角形)を有しており、各頂点12の間に溝14が形成されている。より具体的には、人工まつげ本体部10の断面の頂点12は、正八角形の頂点に位置している。したがって、頂点12は45°ごとに形成されている。0°と90°との間の部分で説明すると、0°と45°と90°の位置に頂点12が位置しており、0°と45°との頂点の間に溝14が設けられ、そして、45°と90°との頂点の間にも溝14が設けられている。
人工まつげ本体部10に形成される溝14の深さは、太さを100とした場合に、例えば20から40(典型的には30)にすることができる。本実施形態の構成では、溝14は、根本部15の端面15a(図9参照)から先端部11まで形成されている。ただし、必ずしも先端部11の先まで溝14を形成しなくてもよく、少なくとも根本部15に形成されていればよい。これは、抗菌まつげエクステ110の製造方法によっては、径が細くなる先端部11において溝14が消えてしまうことがあるからである。
本実施形態の抗菌まつげエクステ110では、例えば、溝14は、根本部15から、根本部15の端面15aと先端部11との中間に位置する中間点まで延ばすようにすることができる。なお、抗菌まつげエクステ110の製造方法によっては、根本部15の端面15aの位置では、人工まつげ本体部10の一部が溶けて溝14が消えた構造になることもある。したがって、根本部15の部分に溝14が形成されていても、根本部15の端面15aの箇所に溝14が形成されていなくてもよい。
本実施形態の抗菌まつげエクステ200では、溝14を有する人工まつげ本体部10に、抗菌成分40を含有する溶液30を接触させて、人工まつげ本体部10の少なくとも表面部10aに抗菌成分40を含浸させる。本実施形態の構成では、人工まつげ本体部10が溝14を有しているので、人工まつげ本体部10の表面の表面積が増大し、抗菌成分40の含浸が促進されやすい特徴がある。具体的には、上述した実施形態では、人毛製の人工まつげ本体部10は抗菌性を示さなかったが、本実施形態の手法によれば、抗菌成分40の含浸が容易になることで、人毛製の人工まつげ本体部10でも抗菌性を示す可能性が高まる。これらの内容は、上述した改変例1と一部共通する部分でもあるので、省略する。すなわち、染色剤/着色剤についての説明、および、加熱工程についての説明は上述したものと同様であるので省略する。
本実施形態の抗菌まつげエクステ110では、人工まつげ本体部10における根本部の断面は、頂点12の間に溝14が位置する多角形状を有している。したがって、人工まつげ本体部10の多角形状の溝14によって、接着剤21を保持することが容易となり、使用者のまつげ50と人工まつげ本体部10との接着性を良好にすることができる。また、多角形の断面の頂点12の間に溝14が位置しているので、1つの方向だけでなく他の方向からでも、接着剤を保持した溝14を使って、人工まつげ本体部10をまつげ50に接着させることができる。したがって、抗菌まつげエクステ200をまつげ50に取り付けるのが容易になる。
さらに、人工まつげ本体部10には複数本の溝14が形成されているので、溝14が形成されていないものと比較すると、抗菌まつげエクステ200の重さ(質量)を軽くすることができる。抗菌まつげエクステ200の一本一本の重さは軽くても、それらは使用者のまつげに取り付けられるものであるから、エクステンション200の重さを軽くできることは、使用者1000の使用感に影響を与えることができ、その結果、つけ心地の感じのよいエクステンション200を実現することができる。本実施形態の抗菌まつげエクステ200では、人工まつげ本体部10の太さや溝14の深さにも依存するが、複数の溝14がないものと比較して、まつげエクステの重さを例えば10%〜70%程度軽くすることが可能である。
図12に示したような本実施形態のまつげエクステ200は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、図12に示したような断面形状の開口部を有する金型から樹脂を押し出し、頂点12と溝14を有する繊維状の材料を作製する。図12に示すように頂点12が正八角形を有する形状の場合、頂点12を45°の間隔で金型を形成すればよいので便利である。
次に、その繊維状の材料を、人工まつげ本体部10と同じ長さに切断する。その後、その切断で得られた人工まつげ本体部10の一部を薬品に浸して、人工まつげ本体部10の先端部11を細くする。最後に、その断面が多角形の人工まつげ本体部10に、抗菌成分40を含有する溶液30を接触させて、人工まつげ本体部10の少なくとも表面部10aに抗菌成分40を含浸させる。本実施形態の構成では、人工まつげ本体部10が溝14を有しているので、抗菌成分40の含浸が促進されやすい特徴がある。
なお、本実施形態のまつげエクステ200が天然素材の材料からなる場合は、天然材料の人工まつげ本体部10に、刃物などを用いた加工によって溝14を形成して、その後、抗菌成分40を含有する溶液30を接触させて、人工まつげ本体部10の少なくとも表面部10aに抗菌成分40を含浸させることも可能である。あるいは、図1等に示した抗菌まつげエクステ100を準備しておき、そこに、溝形成加工を実行して、図12等に示した本例の抗菌まつげエクステ200を形成してもよい。この場合、抗菌まつげエクステ100における表面10sが削られて、抗菌成分20が外部に露出する面積が増えて、抗菌性が向上する可能性が高まることが期待される。
また、本実施形態の抗菌まつげエクステ200は、次のように改変することが可能である。図12に示した抗菌まつげエクステ200では、断面の頂点12が丸みを帯びるようにしているが、頂点12を尖らせた形態にしてもよい。
また、図12に示した抗菌まつげエクステ200では、断面の頂点12は、八角形(特に、正八角形)の頂点の位置に配置されているが、図13に示すように五角形(特に、正五角形)の頂点の位置でも構わない。また、図14に示すように、断面の頂点12は、六角形(特に、正六角形)の位置にすることも可能である。断面の頂点12が正多角形(正八角形など)の頂点の位置にあると、溝14が均等間隔に配置されるため、好適な形状ないし構造になるので好ましい。また、溝14が均等間隔に配置されることにより、重さが軽くなっても、比較的強度を維持することができるので好ましい。
<改変例3>
さらに、本発明の実施形態においては、上述したように、主に、まつげエクステ(抗菌まつげエクステ)の形態のものを示したが、それに限らず、つけまつげの形態に適用することも可能である。すなわち、つけまつげタイプの人工まつげ本体部に抗菌成分40を含浸させることも可能である。
図15(a)及び(b)は、抗菌性を有するつけまつげ300を、使用者1000のまつげ50に取り付ける方法を示している。
本実施形態の抗菌つけまつげ300は、使用者1000のまつげ50の長さを延長するつけまつげ(人工まつげ部材)である。つけまつげ300は、先端部と末端部とを有する人工まつげ本体部19と、人工まつげ本体部19の末端部を連結する連結部17とから構成されている。そして、本実施形態のつけまつげ300においては、人工まつげ本体部19および連結部17の少なくとも表面部(10a)においては、抗菌成分40を含有する溶液30から抗菌成分40が含浸されている。
まず、図15(a)に示すように、抗菌つけまつげ300を準備し、それを矢印75のようにまつげ50の方に近づける。そして、図15(b)に示すように、人工まつげ本体部19および連結部17に接着剤21を付けて、抗菌つけまつげ300とまつげ50とを固定する。
本実施形態のつけまつげ300は、図4(a)から(c)に示したものと同様にして製造することができる。すなわち、図15(a)に示したつけまつげ300と同じ形状のものを、図4(b)に示したように、抗菌成分40が入った溶液30の中に入れて、つけまつげ300の少なくとも表面部10aに抗菌成分40を導入する。すると、抗菌性を有するつけまつげ300が得られる。なお、染色剤/着色剤についての説明、および、加熱工程についての説明は上述したものと共通する部分があるので省略する。また、人工まつげ本体部19および連結部17を個別に抗菌処理した後に、それらを結合して、抗菌つけまつげ300にすることも可能である。
また、図17(a)及び(b)に示すようなショートタイプの抗菌つけまつげ310を、使用者1000のまつげ50に取り付けることも可能である。ショートタイプの抗菌つけまつげ310は、複数の人工まつげ部13(13L、13S)と、それらの連結する連結部17Sとから構成されている。図示したショートタイプのつけまつげ310は、3本の人工まつげ部13からなり、1本の長いもの13Lと2本の短いもの13Sとを含み、それらの根元を溶融した形で連結部17Sが形成されている。なお、人工まつげ本体部13S、13Lの本数および長さ、ならびに連結部17Sは適宜好適なものを採用すればよい。
図17(a)に示した抗菌つけまつげ310も、上述したように、図4(a)から(c)に示したものと同様にして製造することができる。そのようにして製造して準備したショートタイプの抗菌つけまつげ310を、矢印75に示すようにまつげ50の方に近づける。次いで、図17(b)に示すように、抗菌つけまつげ310をまつげ50に固定する。抗菌つけまつげ310とまつげ50との固定は接着剤で行えばよい。
本実施形態のつけまつげ300(310)は抗菌性を有しているので、ピンセットでなく、手の指でつけまつげ300(310)を触ったとしても、細菌の増殖を抑制することができる。加えて、つけまつげ300(310)をまつげ50に装着した後に、使用者(装着者)が指でつけまつげ300(310)を触ったとしても、細菌の増殖を抑制することが可能である。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。図8に示した例では、上まつげ50にまつげエクステ100を装着したが、下まつげにエクステンション100を装着しても構わない。図15、図16、図17も同様である。
なお、図2に示した人工まつげ本体部10などでは、断面が円形であるものを示したが、それに限らず、楕円形(または実質的に楕円形または長円形)のものであっても構わない。加えて、人工まつげ本体部10の断面を多面形(六角形、八角形など)にすることも可能であるし、改変例2のように、断面を星形(六角形の星形、八角形の星形)にすることも可能である。そのような人工まつげ本体部10を、改変例3のつけまつげ300(310)に使用してもよい。さらに、上述した実施形態および改変例の構成は、相互に適宜適用することが可能である。
さらには、本発明の実施形態のまつげエクステ(つけまつげ)を、例えば、図7(a)から(c)に示した状態において、接着剤21ではなくて、液体(例えば、水、又は、水よりも粘度が大きい液体(典型的には、液状の化粧品))を用いて、人工まつげ本体部10をまつげ50に仮止めすることも可能である。この仮止めによって、使用者(装着者)1000が、本実施形態のまつげエクステのデザインや付け心地などを確認することができる。そして、本発明の実施形態のまつげエクステ100等の場合、当該液体(水や、液状の化粧品)は、人工まつげ本体部10の表面における抗菌成分40が親水性を有している場合には人工まつげ本体部10の表面に位置する抗菌成分40によって液体を保持する力が増えるので、仮止め作業も行い易くすることができる。