以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
(実施の形態1)
図3に示すように本実施の形態のマルチキャリア送信装置としての基地局装置100は、ユーザ多重制御部105と、変調部110と、変調部115と、DFT(離散フーリエ変換)部120と、S/P部125と、SCM送信電力制御部130と、乗算部135と、乗算部140と、合成部145と、フレーム形成部150と、パイロット信号生成部155と、共有制御情報生成部160と、サブキャリア割当制御部165と、サブキャリアマッピング部170と、IFFT部175と、CP付加部180と、送信RF部185とを有する。
なお、同図には、OFDMAが適用される場合の基地局装置100の構成が示されている。また、以下では、N1個のサブキャリアを用いたSCM伝送が行われる場合について説明する。ここで、N_FFTをIFFT(逆高速フーリエ変換)部でのFFTサイズとした場合、N1≧N_FFTの関係が成り立つ。
ユーザ多重制御部105は、基地局装置100と受信側との間の伝搬路の回線品質に関する測定結果であるCQI(チャネル品質情報)を基に、多重伝送の対象である端末装置(MS#1,MS#2)宛の送信データに対して適用される変調多値数を決定し、決定された変調多値数を第1の変調部110及び第2の変調部115に出力する。ユーザ多重制御部105は、回線品質が良い程、変調多値数の次数を高くする。
この変調多値数の決定に用いられる回線品質の測定結果としては、基地局装置100から送信された信号に基づいて端末装置が測定した結果を基地局装置100にフィードバックするものを用いても良いし、又は、端末装置からの送信信号を基に基地局装置100が測定したものを用いても良い。
第1の変調部110及び第2の変調部115は、ユーザ多重制御部105で決定された変調多値数に基づいて、端末装置への送信データビット(例えば、誤り訂正符号化、パンクチャリング、インターリーブを施された後のビット列)を変調する。第1の変調部110及び第2の変調部115は、入力されるビット列を変調シンボルにマッピングすることで、変調信号を生成する。ここで送信データには、ユーザ個別のデータ信号及びユーザ個別の制御信号が含まれる。
DFT(離散フーリエ変換)部120は、第1の変調部110の出力信号を1シンボル毎に複数の周波数成分に分離する。第1の変調部110に対するサブキャリア配分がN1個である場合、DFT(離散フーリエ変換)部は、第1の変調部110から出力される、N1個の変調シンボルデータを1つのブロックとして、DFT処理を行う。すなわち、DFT部120では、N1個の変調シンボルデータが周波数領域に変換され、互いに周波数が異なるN1個の信号(以下、この信号のそれぞれは、DFT部120の出力サブキャリアと呼ばれることがある。)が出力される。
S/P部125は、第2の変調部115の出力信号を直並列変換することにより、複数のパラレル信号を形成する。S/P部125は、第2の変調部115に対するサブキャリア配分がN1個である場合、N1個の変調シンボルデータ(これは、シリアルのデータである)を1つのブロックとして、直並列変換処理を行う。S/P部125は、直並列変換により得られたN1個のパラレル信号(以下、この信号のそれぞれは、S/P部125の出力サブキャリアと呼ばれることがある。)を、出力する。
SCM送信電力制御部130は、DFT部120の出力信号、及び、S/P部125の出力信号に対する送信電力制御に用いられる、電力制御係数α、βを乗算部135及び乗算部140に出力する。
ここで本実施の形態では、基地局装置100から近い端末装置(近傍ユーザ)宛の変調信号がS/P部125で処理され、また、その端末装置よりも基地局装置100から離れている端末装置(遠方ユーザ)宛の変調信号がDFT部120で処理される。そのため、DFT部120の出力信号に対して乗算部135で乗算されるαは、S/P部125の出力信号に対して乗算部140で乗算されるβよりも大きい。
また、SCM送信電力制御部130は、上述のように近傍ユーザの受信特性に対する量子化誤差の影響を抑えるために、電力制御係数α、β間の送信電力オフセット範囲を限定する。具体的には、電力制御係数α、βは、以下の条件を満たすように決定される。
SCMの識別可能条件: α/β>2
量子化誤差の影響が出ない条件: D>(β/(α+β))
D=6〜12dB程度
またここで、予め(α、β)のセットを複数用意しておき、各セットにインデックスを付してテーブル化しておき、SCM送信電力制御部130が、決定された電力制御係数のセットに対応するインデックス情報を乗算部135,140に通知する。これにより、シグナリング量を低減することができる。
乗算部135は、DFT部120の出力信号に対して、送信電力係数αを乗算する。上述の通り、DFT部120の出力信号はN1個の周波数成分から成る。そのため、乗算部135は、N1個の周波数成分のそれぞれに対して送信電力係数αを乗算する。
乗算部140は、S/P部125の出力信号に対して、送信電力係数βを乗算する。上述の通り、S/P部125の出力信号は、N1個のパラレル信号から成る。そのため、乗算部140は、N1個のパラレル信号のそれぞれに対して送信電力係数βを乗算する。
合成部145は、DFT部120の出力サブキャリアD_SC(k)に送信電力係数αが乗算された後の信号と、S/P部125の出力サブキャリアS_SC(k)に送信電力係数βが乗算された後の信号とを重畳する。具体的には、αD_SC(k)+βS_SC(k)から合成信号が求められる。ここで、k=1〜N1である。なお、変調部110、変調部115から合成部145までに行われる処理については、後に動作説明で詳述する。
フレーム形成部150は、合成部145から出力される合成信号、パイロット信号生成部155から出力されるパイロット信号、及び、共有制御情報生成部160から出力される共有制御信号を入力する。そして、フレーム形成部150は、合成信号、パイロット信号、及び共有制御信号を用いて、フレームを構成する。このフレームでは、例えば、合成信号、パイロット信号、及び共有制御信号がそれぞれ異なる時間区間に配置される。すなわち、合成信号、パイロット信号、及び共有制御信号がTDDで送信される。
図4には、フレームにおける合成信号、パイロット信号、及び共有制御信号の配置、並びに、各信号の送信電力の関係が示されている。なお、図4ではTDM(時分割多重)で合成信号、パイロット信号、及び共有制御信号を多重しているが、FDM、あるいはTDMとFDMを組み合わせて上記信号を送信しても良い。
図4(a)に示されるフレームでは、パイロット信号及び共有制御信号の送信電力は、遠方ユーザ宛に送信される信号の送信電力と一致する。すなわち、パイロット信号及び共有制御信号は、遠方ユーザ宛に送信される信号に乗算される送信電力係数αを用いて、その送信電力が制御される。この場合、遠方ユーザは、パイロット信号を基に伝搬路の回線推定(以下、チャネル推定)を行い、このチャネル推定結果をそのまま用いて復調処理を行うことができる。
また、この場合、パイロット信号の送信電力と、近傍ユーザ宛に送信される信号の送信電力とが異なるため、これらの信号に係る送信電力の相違(例えば、β/α)を近傍ユーザに通知する必要がある。すなわち、近傍ユーザでは、送信電力係数αで送信電力制御されたパイロット信号を用いて得られるチャネル推定値を、送信電力係数βで送信電力制御されたその近傍ユーザ宛の信号に合わせて調整する必要がある。
そのため、送信電力の相違(例えば、β/α)に関する情報は、共有制御信号に含めて送信される。なお、送信電力の相違(例えば、β/α)に関する情報などの、SCMにて送られた信号の受信側での処理に必要な情報は、以下、「SCM情報」と呼ばれることがある。
図4(b)に示されるフレームでは、パイロット信号、共有制御信号、及び、合成信号(近傍ユーザ宛の信号及び遠方ユーザ宛の信号の合成信号)のそれぞれの送信電力が一致する。すなわち、パイロット信号及び共有制御信号は、送信電力係数α及び送信電力係数βを用いて、その送信電力が制御される。この場合、遠方ユーザ及び近傍ユーザの送信電力は、それぞれパイロット信号の送信電力と異なる。
そのため、送信電力の相違(例えば、β/α、L1)が近傍ユーザ及び遠方ユーザの双方に通知される必要がある。送信電力の相違(例えば、β/α、L1)に関する情報は、共有制御信号に含めて送信される。なお、L1は、パイロット信号の送信電力に対するαの比である。
図4(c)に示されるフレームでは、パイロット信号及び共有制御信号の送信電力が、合成信号(近傍ユーザ宛の信号及び遠方ユーザ宛の信号の合成信号)の送信電力よりも大きい。この場合にも、送信電力の相違(例えば、β/α、L1)が近傍ユーザ及び遠方ユーザの双方に通知される必要がある。なお、近傍ユーザ宛の信号、遠方ユーザ宛の信号の中に、ユーザ個別のパイロット信号、ユーザ個別の制御信号を含ませることもできる。
サブキャリア割当制御部165は、フレーム形成部150にて形成されたフレームの送信に利用されるサブキャリアの割り当てを行う。すなわち、サブキャリア割当制御部165は、フレーム形成部150にて形成されたフレームの送信に利用されるサブキャリアを決定し、決定されたサブキャリアに関する情報をサブキャリアマッピング部170に出力する。このサブキャリアの割り当て方法としては、図5に示すように、連続したサブキャリアを割り当てる(localized配置)方法、又は、等間隔のサブキャリアを使用する(distributed配置)方法が用いられる。
サブキャリアマッピング部170は、合成部145から出力された合成信号を含むフレームを、サブキャリア割当制御部165からの制御情報に基づいて対応サブキャリアに配置して、IFFT部175へ出力する。
IFFT部175は、N_FFTのサイズでIFFT処理を行うことにより、OFDM信号を形成する。CP付加部180は、IFFT部175で得られたOFDM信号にCP(Cyclic Prefix)を付加する。送信RF部185は、CPが付加されたOFDM信号に所定の送信無線処理を施してアンテナを介して送信する。
図6に示すように本実施の形態のマルチキャリア信号受信装置としての端末装置200は、受信RF部205と、CP除去部210と、FFT部215と、チャネル推定部220と、周波数領域等化部225と、制御情報抽出部230と、SCM情報抽出部235と、サブキャリアデマッピング部245と、干渉信号抽出部250と、SCM干渉抑圧部280と、P/S部285と、送信電力オフセット情報抽出部240と、送信電力オフセット補償部290と、シンボル判定部295とを有する。
干渉信号抽出部250は、IDFT部255と、送信電力オフセット補償部260と、シンボル硬判定部265と、送信電力オフセット部270と、DFT部275とを有する。図6には、特に、基地局装置100から近い位置にある近傍ユーザである、端末装置200の構成が示されている。
基地局装置100から送信された信号は、受信RF部205で所定の無線受信処理を施された後、CP除去部210でCPが除去される。そして、CP除去後の受信OFDM信号は、FFT部215で周波数領域の信号に変換される。
チャネル推定部220は、FFT部215の出力信号に含まれるパイロット信号を用いて、チャネル推定値を算出する。チャネル推定部220は、サブキャリア毎のチャネル推定値を算出する。
周波数領域等化部225は、サブキャリア毎のチャネル推定値を用いて、FFT部215から出力されるサブキャリア信号に対して周波数領域等化を行う。この周波数領域等化には、ZF規範、又は、MMSE規範が用いられる。周波数領域等化処理後のサブキャリア信号は、制御情報抽出部230及びサブキャリアデマッピング部245に出力される。
制御情報抽出部230は、周波数領域等化部225の出力信号における共有制御信号に対応する部分に、復調及び復号処理を施すことにより、共有制御情報を復元する。この共有制御信号は、送信側である基地局装置100で予め既知の変調方式及び符号化方式により処理されて送信されている。また、この共有制御信号は、図4に示したようにパイロット信号と同じ送信電力で送信される。
SCM情報抽出部235は、共有制御情報に含まれるSCM情報(遠方ユーザ及び近傍ユーザのMCS(Modulation Coding Scheme)情報)を抽出する。
送信電力オフセット情報抽出部240は、共有制御情報に含まれる送信電力オフセット情報(遠方ユーザ宛の信号、近傍ユーザ宛の信号、及びパイロット信号の送信電力比に関する情報、すなわち上述の送信電力の相違に関する情報)を抽出する。この抽出情報は、送信電力オフセット補償部290に出力される。
なお、送信側の基地局装置100がMCSセットのテーブルの項目に送信電力比の情報を含めたテーブルを記憶し、選択したMCSセットに対応するインデックス情報を端末装置200に通知してくる場合には、送信電力オフセット情報抽出部240は、そのインデックス情報を抽出する。通知にインデックス情報を利用することにより、基地局装置100と端末装置200との間のトラヒック量を低減することができる。そして、送信電力オフセット情報抽出部240は、端末装置200でも記憶している上記テーブルから、抽出したインデックス情報に対応する送信電力比の情報を特定し、その特定情報を送信電力オフセット補償部290に出力する。
サブキャリアデマッピング部245は、制御情報抽出部230で抽出された共有制御情報に含まれる周波数リソース割当情報に基づいて、自装置宛の信号に割り当てられたサブキャリア群を干渉信号抽出部250に出力する。本実施の形態では、近傍ユーザ宛の信号がN1個のパラレル信号で送信されているので、そのサブキャリア群は、N1個のパラレル信号から成る。また、本実施の形態では、そのN1個のパラレル信号のそれぞれには、遠方ユーザ宛の信号が分離された周波数成分が重畳されている。
干渉信号抽出部250は、サブキャリアデマッピング部245の出力信号から、自装置にとって干渉信号となる、遠方ユーザ宛の信号を抽出する。なお上述の通り、送信側の基地局装置100からの送信信号は、遠方ユーザ宛の変調信号が1シンボル毎に周波数領域で分離された複数の周波数成分に、近傍ユーザ宛の変調信号が時間領域の信号のまま重畳されたものである。すなわち、サブキャリアデマッピング部245の出力信号も、遠方ユーザ宛の変調信号が1シンボル毎に周波数領域で分離された複数の周波数成分に、近傍ユーザ宛の変調信号が時間領域の信号のまま重畳されたものである。
具体的には、干渉信号抽出部250のIDFT部255は、サブキャリアデマッピング部245から受け取るN1個のパラレル信号に対してN1のサイズでIDFT処理を行うことにより、周波数領域から時間領域への変換を行う。
送信電力オフセット補償部260は、パイロット信号の送信電力と遠方ユーザ宛の信号の送信電力との間に電力差(オフセット)がある場合、IDFT部255で得られた時間領域信号に対して、その電力差を補償する。すなわち、パイロット信号を基準としたときの遠方ユーザ宛の信号の送信振幅比(L1)がある場合、送信電力オフセット補償部260は、入力信号に1/L1を乗算した信号を出力する。
シンボル硬判定部265は、送信電力オフセット補償部260を介してIDFT部255から受け取る信号に対する変調シンボル判定を行う。この変調シンボル判定は、SCM情報抽出部235からの情報に基づいて行われる。すなわち、SCM情報抽出部235で抽出される情報によって近傍ユーザにとって干渉信号となる遠方ユーザ宛の信号に適用されている変調多値数が特定されるので、シンボル硬判定部265は、遠方ユーザ宛の信号に適用されている変調方式に対応した変調シンボル判定を行う。
送信電力オフセット部270は、送信電力オフセット補償部260と逆の動作を行う。送信電力オフセット部270は、パイロット信号の送信電力と遠方ユーザ宛の信号の送信電力に電力差(オフセット)がある場合、シンボル硬判定部265の出力信号に対して、その電力差を補償する。すなわち、パイロット信号を基準としたときの遠方ユーザ宛の信号の送信振幅比(L1)がある場合、入力信号にL1を乗算した信号を出力する。
DFT部275は、シンボル硬判定部265の判定結果に対して、IDFT部255におけるIDFT処理の対象であるN1個のパラレル信号に対応する判定結果を単位として、DFT処理を行う。このDFT処理後の信号は、近傍ユーザである端末装置200にとって干渉信号となる遠方ユーザ宛の信号であり、具体的には、遠方ユーザ宛の信号がシンボル毎に分離されたN1個の周波数成分から成る。
SCM干渉抑圧部280は、サブキャリアデマッピング部245の出力であるN1個のパラレル信号から、当該N1個のパラレル信号より干渉信号抽出部250にて抽出した遠方ユーザ宛の信号を減算する。この減算処理は、各パラレル信号と、当該各パラレル信号に対応する周波数成分との間で行われる。こうして、近傍ユーザである端末装置200宛の信号に重畳されている、遠方ユーザ宛の信号を除去することができる。
S/P部285は、SCM干渉抑圧部280で干渉信号が除去されたN1個のパラレル信号を並直列変換することにより、シリアル信号を形成する。
送信電力オフセット補償部290は、送信電力オフセット情報抽出部240で抽出された送信電力オフセット情報に基づいて、SCM干渉抑圧部280で干渉信号が除去された信号に対してオフセット補償を行う。
このオフセット補償処理は、チャネル推定用のパイロット信号が近傍ユーザ宛の信号の送信電力と異なる電力で送信されている状況でも、近傍ユーザ宛の変調信号に対する適切なシンボル判定を可能とするために行われる。このオフセット補償処理では、近傍ユーザ宛の信号が基地局装置100から送信された送信レベルで、シンボル判定部295の入力レベルが正規化される。
具体的には、パイロット信号を基準としたときの近傍ユーザ宛の信号の送信振幅比が(L2)である場合、送信電力オフセット補償部290は、入力信号に1/L2を乗算した信号を出力する。こうして近傍ユーザの信号レベルに対して重畳された振幅方向のオフセットを補償することで、後段のシンボル判定部295におけるシンボル判定が正常に行われるようにする。
シンボル判定部295は、送信電力オフセット補償部290から出力される変調シンボルについてシンボル判定を行う。このシンボル判定の結果は、デインターリーブ、デパンクチャ、誤り訂正復号などの処理が施されて、送信データとして復元される。
図7に示すように本実施の形態のマルチキャリア信号受信装置としての端末装置300は、サブキャリアデマッピング部310と、IDFT部320と、送信電力オフセット補償部330とを有する。図7には、特に、基地局装置100から遠い位置にある遠方ユーザである、端末装置300の構成が示されている。
サブキャリアデマッピング部310は、制御情報抽出部230で抽出された共有制御情報に含まれる周波数リソース割当情報に基づいて、自装置宛の信号に割り当てられたサブキャリア群をIDFT部320に出力する。本実施の形態では、遠方ユーザ宛の信号がN1個の周波数成分に分けられて送信されているので、そのサブキャリア群は、N1個の周波数成分を含むN1個のパラレル信号から成る。また、本実施の形態では、そのN1個のパラレル信号のそれぞれには、近傍ユーザ宛の信号が時間領域の信号のまま重畳されている。
IDFT部320は、サブキャリアデマッピング部310から受け取るN1個のパラレル信号に対してN1のサイズでIDFT処理を行うことにより、周波数領域から時間領域への変換を行う。
送信電力オフセット補償部330は、パイロット信号の送信電力と遠方ユーザ宛の信号の送信電力との間に電力差(オフセット)がある場合、IDFT部320で得られた時間領域信号に対して、その電力差を補償する。すなわち、パイロット信号を基準としたときの遠方ユーザの宛の信号の送信振幅比(L1)がある場合、送信電力オフセット補償部330は、入力信号に1/L1を乗算した信号を出力する。
次に上記構成を有する基地局装置100、端末装置200、及び端末装置300の動作について説明する。
基地局装置100では、変調部110が遠方ユーザ宛のデータを変調し、変調信号(図8(a)に示される信号B)を出力する。通常、遠方ユーザの回線品質は良くないので、図8(b)に示すようにQPSKなど低次の変調多値数が適用される。図8(b)の下段には、シンボル列からなる変調信号(信号B)が示されている。ここでは1シンボルは、TFFT/N1の時間長である。
変調信号(信号B)は、DFT部120で1シンボル毎にN1個の周波数成分(信号C)に分離される。この場合、各シンボルは、DFT部120でDFT処理されることにより、複数(N1個)の離散的な周波数領域成分に変換された信号を、IQ平面上で観測する場合は、時間領域の変調信号(信号B)とは異なり、明確な信号点配置は表れずに、統計的にガウス分布に近似されるような分布を持つようになる。
図8(c)においては、縦軸方向が周波数方向を示している。また、縦軸方向に積み重ねられた各矩形は、各周波数成分(同図では、これはサブキャリアと記載されている)を示している。また、DFT部120では、N1個の変調シンボルデータを1つのブロックとしたDFT処理が行われているため、各矩形では、N1個のシンボルから得られる周波数成分が混合されている。
また、基地局装置100では、変調部115が近傍ユーザ宛のデータを変調し、変調信号(信号D)を出力する。通常、近傍ユーザの回線品質は遠方ユーザの回線品質よりも良いので、遠方ユーザ宛の信号には、近傍ユーザ宛の信号に適用された変調多値数よりも高次の変調多値数が適用される。図8(d)には変調信号(信号D)が示されており、1シンボルは、TFFTの時間長である。
変調信号(信号D)は、S/P部125でN1個の変調シンボルデータを1つのブロックとして直並列変換され、N1個のパラレル信号(信号E)が形成される(図8(e)参照)。
そしてN1個の周波数成分(信号C)及びN1個のパラレル信号(信号E)は、それぞれ乗算部135及び乗算部140にて送信電力係数を乗算された後に、合成部145にて合成される。
すなわち、合成部145にて形成されるマルチキャリア信号は、第1のサブキャリアには、第1の変調シンボルデータ列(遠方ユーザ宛の変調シンボルデータ列)が周波数領域で分離されて得られる周波数成分のうちの第1の周波数成分と、第2の変調シンボルデータ列(近傍ユーザ宛の変調シンボルデータ列)のうちの1のシンボルとが重畳されている。また、第2のサブキャリアには、その第1の変調シンボル列が周波数領域で分離されて得られる周波数成分のうちの前記第1の周波数成分とは異なる第2の周波数成分と、その第2の変調シンボル列のうちの前記1のシンボルとは時間的に異なる他のシンボルと、が重畳されている。
このように基地局装置100では、階層変調多重方式(SCM)を用いて送信される2つの変調信号のうち、一方を周波数領域の信号に変換した後に他方と合成することにより、時間領域の変調信号同士を合成していた従来のSCMに比べて、得られるOFDM信号におけるPAPRを低減することができる。その結果、遠方ユーザ宛の信号の送信電力を高めることができる。
そして、基地局装置100から送信された信号は、端末装置200及び端末装置300にて受信処理される。
端末装置200は、受信信号から遠方ユーザである端末装置300宛の信号を除去した後に、シンボル判定部295にて復号処理する。
具体的には、干渉信号抽出部250は、基地局装置100の合成部145にて合成された合成信号に対応する信号をサブキャリアデマッピング部245から受け取る。そして、干渉信号抽出部250のIDFT部255がそのサブキャリアデマッピング部245から受け取った信号に対してIDFT処理を施すことにより、その信号に含まれている信号C(遠方ユーザ宛の信号)に対応する信号は、時間領域の信号に変換される。
一方、サブキャリアデマッピング部245から受け取った信号に含まれている信号E(近傍ユーザ宛の信号)に対応する信号は、もともと時間領域の信号のまま送信されているので、周波数領域の信号に変換される。すなわち、サブキャリアデマッピング部245から受け取った信号に含まれている近傍ユーザ宛の信号は、IDFT処理により白色雑音又はそれに近い雑音に等しい状態になっている。
すなわち、遠方ユーザの最小信号点間距離が、従来のSCMに比べて、平均的に大きくなる。そのため、IDFT処理後の信号では、近傍ユーザ宛の信号による干渉の影響を従来よりも小さくでき、遠方ユーザ宛の時間領域信号(端末装置200にとっての干渉信号)のSINRを改善することができる。従って、シンボル硬判定部265における硬判定誤りを低減することができる。
そして、IDFT処理後の信号がシンボル硬判定部265にてシンボル判定された結果をDFT部275にてDFT処理することにより、信号Cに対応する信号が得られる。そして、送信側からは信号Cと信号Eとを合成した信号が送信されてきているので、DFT処理により得られた信号をサブキャリアマッピング部170の出力信号から減算することにより、近傍ユーザ宛の信号である信号Eに対応する信号のみを得ることができる。
なお、干渉信号を抽出する際のシンボル硬判定で判定誤りが発生すると、干渉信号を制度良く抽出することができなくなる。その結果、干渉信号抑圧の精度が落ちるため、近傍ユーザの受信特性に劣化が生じることになる。
しかしながら、SCMでは遠方ユーザ宛の変調信号に適用される変調多値数は、近傍ユーザ宛の変調信号に適用される変調多値数よりも小さいため、近傍ユーザである端末装置200で遠方ユーザ宛の信号を復調する場合、シンボル判定誤りが生じにくい。さらに、本実施の形態では、遠方ユーザ宛の信号は、シンボルが複数の周波数成分に分けられた状態で送信される。
そのため、一部の周波数成分の受信品質が悪い場合でも、その複数の周波数成分から得られる時間領域信号に対するその受信品質の悪い周波数成分の影響は少ない。こうして本実施の形態に示される方法で信号が送信されることにより、干渉信号を抽出する際のシンボル硬判定では、シンボル判定誤りが生じにくい。
また、端末装置300は、端末装置200と異なり、受信信号から近傍ユーザである端末装置200宛の信号を除去する干渉信号除去処理を行うことなしに、シンボル判定部295にて復号処理する。
すなわち、IDFT部320がサブキャリアデマッピング部310から受け取った信号に対してIDFT処理を施すことにより、その信号に含まれている信号C(遠方ユーザ宛の信号)に対応する信号は、時間領域の信号に変換される。一方、サブキャリアデマッピング部310から受け取った信号に含まれている信号E(近傍ユーザ宛の信号)に対応する信号は、もともと時間領域の信号のまま送信されているので、周波数領域の信号に変換される。
すなわち、サブキャリアデマッピング部310から受け取った信号に含まれている近傍ユーザ宛の信号は、IDFT処理により白色雑音又はそれに近い雑音に等しい状態になっている。つまり、遠方ユーザの最小信号点間距離が、従来のSCMに比べて、平均的に大きくなっている。
そのため、IDFT処理後の信号を用いることで、精度の良いシンボル判定を行うことができる。
このように本実施の形態によれば、遠方ユーザ宛の変調信号、及び、その遠方ユーザ宛の変調信号と異なる変調多値数で変調された近傍ユーザ宛の変調信号が重畳されたマルチキャリア信号を送信する基地局装置100には、遠方ユーザ宛の変調信号をシンボル毎に周波数領域で分離するDFT部120と、近傍ユーザ宛の変調信号を直並列変換することによりN1個のパラレル信号を形成するS/P部125と、DFT部120にて得られたN1個の周波数成分と、時間領域の信号である前記N1個のパラレル信号とを合成する合成部145とが設けられる。
こうすることにより、遠方ユーザ宛の変調信号を周波数領域で分離してから近傍ユーザ宛の変調信号と合成することにより、合成信号のN1個の各要素において遠方ユーザ宛の変調信号の電力比率を低減することができる。
また、こうして合成信号が形成されるので、この合成信号の受信側では、受信信号に対してIDFT処理を行うことにより、近傍ユーザ宛の信号が白色雑音或いはそれに近い雑音として扱うことができる状態で重畳された遠方ユーザ宛の変調信号を得ることができる。また、遠方ユーザ宛の信号が複数の周波数成分に分けられた状態で送信されるので、一部の周波数成分の受信品質が劣化しても、受信側では、他の受信品質の良い周波数成分により遠方ユーザ宛の信号を復調することができる。
すなわち、遠方ユーザ宛の変調信号が精度良く復元される。この結果、従来のSCMで生じている量子化雑音が大きくなる問題を解決するために、送信側でα/βを小さく設定しても、遠方ユーザにおける受信特性を向上することができる。
そして、遠方ユーザ宛の変調信号は近傍ユーザにとって干渉信号であるため、IDFT処理により得られる精度の良い遠方ユーザ宛変調信号を受信信号から除去することにより、近傍ユーザ宛の変調信号に対応する受信信号のみを精度良く得ることができる。
なお、本実施の形態では、遠方ユーザ宛の変調信号から得られる周波数成分の数と、近傍ユーザ宛の変調信号から得られるパラレル信号の数とを一致させ、それぞれの要素を1対1で合成している。しかしながら、周波数成分の数とパラレル信号の数とは、同数である必要はない。また、本実施の形態では、周波数成分及びパラレル信号のすべての要素を合成する必要もない。
要は、遠方ユーザ宛の変調信号がシンボル毎に周波数領域で分離された複数の周波数成分のうち少なくとも一部に、近傍ユーザ宛の変調信号を時間領域の信号のまま重畳されていれば、上述の効果が得られる。近傍ユーザでは、その少なくとも一部の周波数成分が重畳されている合成信号についてIDFT処理を行うことにより、近傍ユーザにとって干渉信号となっている遠方ユーザ宛の変調信号を復元することができる。
遠方ユーザでは、受信信号に含まれる上記複数の周波数成分に対してIDFT処理を施すことで、時間領域信号である近傍ユーザ宛の信号が白色雑音化されるので、遠方ユーザ宛の変調信号を精度良く復元することができる。
また、本実施の形態によれば、端末装置200には、受信マルチキャリア信号に対して、逆フーリエ変換を施すことで、遠方ユーザ宛の変調信号に対応する成分を抽出する干渉信号抽出部250が設けられる。
ここで、受信マルチキャリア信号は、遠方ユーザ宛の変調信号をシンボル毎に周波数領域で分離された複数の周波数成分に、遠方ユーザ宛の変調信号とは異なる変調多値数を用いて変調された近傍ユーザ(端末装置200)宛の変調信号が、時間領域の信号のまま重畳されている信号である。
こうすることにより、近傍ユーザ宛の信号が白色雑音或いはそれに近い雑音として扱うことができる状態で重畳された遠方ユーザ宛の変調信号を得ることができる。すなわち、近傍ユーザである端末装置200にとって干渉信号である遠方ユーザ宛の変調信号を精度良く復元することができる。
そして、端末装置200には、受信マルチキャリア信号から、干渉信号抽出部250で抽出された遠方ユーザ宛の変調信号に対応する成分を減算するSCM干渉抑圧部280が設けられる。
こうすることにより、IDFT処理により得られる精度の良い遠方ユーザ宛変調信号を受信信号から除去することにより、近傍ユーザ宛の変調信号に対応する受信信号のみを精度良く得ることができる。
なお、チャネル推定用のパイロット信号の送信方法として、パイロット信号の送信電力と遠方ユーザの送信電力とを一致させて送信する方法(図8(a))を採用する場合、遠方ユーザである端末装置300において、送信電力オフセット補償部330は不要となる。また、この場合、近傍ユーザである端末装置200において、送信電力オフセット補償部260及び送信電力オフセット部270が不要となる。これは、端末装置200にて遠方ユーザ信号を基準としたチャネル推定値を得ることができるためである。
また、端末装置200は、IDFT部255及びDFT部275の処理の代わりに、ユニタリ性を有する直交変換行列を用いた処理を行っても良い。この場合でも、上述したものと同様な効果を得ることができる。
また、基地局装置100は、DFT部275の前後に、ピーク抑圧するためのローパスフィルタ(レイズドコサインロールオフフィルタなど)を挿入しても良い。これにより、さらにPAPRの低減及び他ユーザ干渉の低減を図ることができる。
なお、本実施の形態においては、基地局装置から送信される信号は、個別のユーザ(端末装置)に対する個別のデータ信号として説明を行ったが、ブロードキャストデータ、あるいはブロードキャストデータであっても良い。
また、基地局装置から送信される信号は、MS#1宛に送信される信号を個別のデータ信号とし、MS#2宛に送信される信号をブロードロードキャストデータ、あるいはブロードキャストデータとしても良い。
また、基地局装置から送信される信号は、逆に、MS#2宛に送信される信号を個別のデータ信号とし、MS#1宛に送信される信号をブロードロードキャストデータ、あるいはブロードキャストデータとしても良い。これらは以降の実施の形態でも同様に適用が可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態は、第1の変調信号がシンボル毎に周波数領域で分離された複数の周波数成分に、第2の変調信号を時間領域の信号のまま重畳した信号を送信する点では、実施の形態1と同様である。ただし、実施の形態1では、第1の変調信号の変調信号及び第2の変調信号がそれぞれ遠方ユーザ宛の信号及び近傍ユーザ宛の信号であったのに対して、本実施の形態では、その逆に、第1の変調信号の変調信号及び第2の変調信号がそれぞれ近傍ユーザ宛の信号及び遠方ユーザ宛の信号である。
すなわち、本実施の形態の基地局装置は、図3に示される基地局装置100と同様の構成を有している。しかし、変調部110、DFT部120、及び乗算部135で処理されるのは、近傍ユーザ宛の信号であり、変調部115、S/P部125、及び乗算部140で処理されるのは、遠方ユーザ宛の信号である。そのため、SCM送信電力制御部130で決定された送信電力係数α、βは、それぞれ乗算部140及び乗算部135で用いられる。なお、送信電力係数α、βは、実施の形態1で説明したものと同様である。
そして合成部145では、DFT部120の出力サブキャリアD_SC(k)に送信電力係数βが乗算された後の信号と、S/P部125の出力サブキャリアS_SC(k)に送信電力係数αが乗算された後の信号とが重畳される。具体的には、βD_SC(k)+αS_SC(k)から合成信号が求められる。ここで、k=1〜N1である。
図9に示すように本実施の形態のマルチキャリア信号受信装置としての端末装置400は、サブキャリアデマッピング部405と、干渉信号抽出部410と、SCM干渉抑圧部425と、IDFT部430とを有する。干渉信号抽出部410は、P/S部415と、S/P部420とを有する。図9には、特に、基地局装置100から近い位置にある近傍ユーザである、端末装置400の構成が示されている。
サブキャリアデマッピング部405は、制御情報抽出部230で抽出された共有制御情報に含まれる周波数リソース割当情報に基づいて、自装置宛の信号に割り当てられたサブキャリア群を干渉信号抽出部410に出力する。本実施の形態では、近傍ユーザ宛の信号がシンボル毎に分離されたN1個の周波数成分で送信されているので、そのサブキャリア群は、N1個の周波数成分を含むN1個のパラレル信号から成る。また、本実施の形態では、そのN1個のパラレル信号のそれぞれには、遠方ユーザ宛の信号が時間領域の信号のまま重畳されている。
干渉信号抽出部410は、サブキャリアデマッピング部405の出力信号から、自装置にとって干渉信号となる、遠方ユーザ宛の信号を抽出する。なお上述の通り、送信側の基地局装置100からの送信信号は、近傍ユーザ宛の変調信号が1シンボル毎に周波数領域で分離された複数の周波数成分に、遠方ユーザ宛の変調信号が時間領域の信号のまま重畳されたものである。すなわち、サブキャリアデマッピング部405の出力信号も、近傍ユーザ宛の変調信号が1シンボル毎に周波数領域で分離された複数の周波数成分に、遠方ユーザ宛の変調信号が時間領域の信号のまま重畳されたものである。
具体的には、干渉信号抽出部410のP/S部415は、サブキャリアデマッピング部405から受け取るN1個のパラレル信号に対して並直列変換処理を行うことにより、パラレル信号からシリアル信号への変換を行う。
S/P部420は、シンボル硬判定部265の判定結果に対して、P/S部415における並直列変換処理の対象であるN1個のパラレル信号に対応する判定結果を単位として、直並列変換処理を行う。この直並列変換処理後の信号は、近傍ユーザである端末装置400にとって干渉信号となる遠方ユーザ宛の信号に対応する信号であり、具体的には、遠方ユーザ宛のN1個のパラレル信号から成る。
SCM干渉抑圧部425は、サブキャリアデマッピング部405の出力であるN1個のパラレル信号から、当該N1個のパラレル信号より干渉信号抽出部410にて抽出した遠方ユーザ宛の信号を減算する。こうして、近傍ユーザである端末装置400宛の信号に重畳されている、遠方ユーザ宛の信号を除去することができる。すなわち、SCM干渉抑圧部425の出力信号は、近傍ユーザ宛の変調信号がシンボル毎に分離されたN1個の周波数成分から成る。
IDFT部430は、SCM干渉抑圧部425の出力信号に対して、N1のサイズでIDFT処理を行うことにより、周波数領域から時間領域への変換を行う。こうして周波数領域に分散された周波数成分が集められて、分散前のシンボルが復元されることになる。
図10に示すように実施の形態のマルチキャリア信号受信装置としての端末装置500は、サブキャリアデマッピング部510と、P/S部520とを有する。図10には、特に、基地局装置100から遠い位置にある遠方ユーザである、端末装置500の構成が示されている。
サブキャリアデマッピング部510は、制御情報抽出部230で抽出された共有制御情報に含まれる周波数リソース割当情報に基づいて、自装置宛の信号に割り当てられたサブキャリア群をP/S部520に出力する。本実施の形態では、遠方ユーザ宛の信号がN1個のパラレル信号に分けられて送信されているので、そのサブキャリア群は、N1個のパラレル信号から成る。また、本実施の形態では、そのN1個のパラレル信号のそれぞれには、近傍ユーザ宛の信号がシンボル毎に分離された周波数成分が重畳されている。
P/S部520は、サブキャリアデマッピング部510の出力信号をN1個のサイズで並直列変換する。
次に、上記構成を有する端末装置400及び端末装置500の動作について説明する。
端末装置400は、本実施の形態の基地局装置より送信された受信信号から遠方ユーザである端末装置500宛の信号を除去した後に、シンボル判定部295にて復号処理する。
具体的には、干渉信号抽出部410は、基地局装置の合成部145にて合成された合成信号に対応する信号をサブキャリアデマッピング部405から受け取る。そして、干渉信号抽出部410では、実施の形態1の端末装置200と異なり、サブキャリアデマッピング部405の出力信号に対して、周波数領域から時間領域への変換を行うことなしに、そのままシンボル硬判定処理を行う。
これは、本実施の形態では、端末装置400宛の信号がシンボル毎に分離された周波数成分に、端末装置400にとって干渉信号である遠方ユーザ宛の信号が時間領域の信号のままの状態で重畳されているためである。すなわち、サブキャリアデマッピング部405から受け取った信号に含まれている近傍ユーザ宛の信号は、白色雑音又はそれに近い雑音に等しい状態になっている。
そのため、サブキャリアデマッピング部405から受け取った信号では、近傍ユーザ宛の信号を無視することができ、遠方ユーザ宛の時間領域信号(端末装置400にとっての干渉信号)のみが存在しているものとして扱うことができる。
そして、サブキャリアデマッピング部405からの信号がシンボル硬判定部265にてシンボル判定された結果を直並列変換することにより、送信側のS/P部125の出力信号に対応する信号が得られる。そして、送信側からは信号Cと信号Eとを合成した信号が送信されてきているので、S/P部420により得られた信号をサブキャリアデマッピング部405の出力信号から減算することにより、近傍ユーザ宛の信号のみを得ることができる。
なお、干渉信号を抽出する際のシンボル硬判定で判定誤りが発生すると、干渉信号を制度良く抽出することができなくなる。その結果、干渉信号抑圧の精度が落ちるため、近傍ユーザの受信特性に劣化が生じることになる。しかしながら、SCMでは遠方ユーザ宛の変調信号に適用される変調多値数は、近傍ユーザ宛の変調信号に適用される変調多値数よりも小さいため、近傍ユーザである端末装置400で遠方ユーザ宛の信号を復調する場合、シンボル判定誤りが生じにくい。
また本実施の形態では、近傍ユーザ宛の信号は、シンボルが複数の周波数成分に分けられた状態で送信される。そのため、一部の周波数成分の受信品質が悪い場合でも、その複数の周波数成分からIDFT部430で得られる時間領域信号に対するその受信品質の悪い周波数成分の影響は少ない。こうして本実施の形態に示される方法で信号が送信されることにより、近傍ユーザである端末装置400のシンボル判定部295では、シンボル判定誤りが生じにくい。
また、端末装置500は、端末装置400と異なり、受信信号から近傍ユーザである端末装置400宛の信号を除去する干渉信号除去処理を行うことなしに、シンボル判定部295にて復号処理する。これは、サブキャリアデマッピング部405の出力信号に含まれている近傍ユーザ宛の信号は、白色雑音又はそれに近い雑音に等しい状態になっているからである。
このように本実施の形態によれば、遠方ユーザ宛の変調信号、及び、その遠方ユーザ宛の変調信号と異なる変調多値数で変調された近傍ユーザ宛の変調信号が重畳されたマルチキャリア信号を送信する基地局装置100には、近傍ユーザ宛の変調信号をシンボル毎に周波数領域で分離するDFT部120と、遠方ユーザ宛の変調信号を直並列変換することによりN1個のパラレル信号を形成するS/P部125と、DFT部120にて得られたN1個の周波数成分と、時間領域の信号である前記N1個のパラレル信号とを合成する合成部145とが設けられる。
こうすることにより、近傍ユーザ宛の変調信号を周波数領域で分離してから遠方ユーザ宛の変調信号と合成することにより、合成信号のN1個の各要素において近傍ユーザ宛の変調信号の電力比率を低減することができる。
また、こうして合成信号が形成されるので、この合成信号を受信する遠方ユーザでは、近傍ユーザ宛の信号が白色雑音或いはそれに近い雑音として扱うことができる状態で重畳された遠方ユーザ宛の変調信号を得ることができる。これにより、遠方ユーザにおける受信シンボルの最小信号点間距離が、従来のSCMに比べて、平均的に大きくなる。この結果、遠方ユーザの受信特性が向上する。
また、遠方ユーザ宛の変調信号は近傍ユーザにとって干渉信号であるため、近傍ユーザでは、遠方ユーザでの受信処理と同様にして得られる遠方ユーザ宛の変調信号を受信信号から除去することにより、近傍ユーザ宛の変調信号に対応する受信信号のみを精度良く得ることができる。また、近傍ユーザ宛の信号が複数の周波数成分に分けられた状態で送信されるので、一部の周波数成分の受信品質が劣化しても、近傍ユーザでは、他の受信品質の良い周波数成分により近傍ユーザ宛の信号を精度良く復調することができる。
なお、本実施の形態では、近傍ユーザ宛の変調信号から得られる周波数成分の数と、遠方ユーザ宛の変調信号から得られるパラレル信号の数とを一致させ、それぞれの要素を1対1で合成している。しかしながら、周波数成分の数とパラレル信号の数とは、同数である必要はない。また、本実施の形態では、周波数成分及びパラレル信号のすべての要素を合成する必要もない。
要は、近傍ユーザ宛の変調信号が、シンボル毎に周波数領域において分離された複数の周波数成分のうち少なくとも一部に、遠方ユーザ宛の変調信号を時間領域の信号のまま重畳されていれば、上述の効果が得られる。近傍ユーザでは、その少なくとも一部の周波数成分が重畳されている合成信号についてシンボル硬判定するだけで、近傍ユーザにとって干渉信号となっている遠方ユーザ宛の変調信号を復元することができる。遠方ユーザでは、受信信号に含まれる近傍ユーザに対する信号が白色雑音化されているので、受信信号をシンボル判定するだけで遠方ユーザ宛の信号を精度良く復元することができる。
また、本実施の形態によれば、端末装置400には、受信マルチキャリア信号をシンボル硬判定して遠方ユーザ宛の変調信号に対応する成分を抽出する干渉信号抽出部410と、受信マルチキャリア信号から、干渉信号抽出部410で抽出された遠方ユーザ宛の変調信号に対応する成分を減算する干渉信号抑圧部425とが設けられる。
ここで、受信マルチキャリア信号とは、近傍ユーザ宛の変調信号をシンボル毎に周波数領域で分離した複数の周波数成分に、近傍ユーザ宛の変調信号とは異なる変調多値数を用いて変調された遠方ユーザ宛の変調信号が時間領域の信号のまま重畳されている信号である。
こうすることにより、精度良く復元された遠方ユーザ宛変調信号(近傍ユーザにとっての干渉信号に相当)を受信信号から除去することにより、近傍ユーザ宛の変調信号に対応する受信信号のみを得ることができる。
なお、チャネル推定用のパイロット信号の送信方法として、パイロット信号の送信電力と遠方ユーザの送信電力とを一致させて送信する方法(図4(a))を採用する場合、遠方ユーザである端末装置500において、送信電力オフセット補償部330は不要となる。また、この場合、近傍ユーザである端末装置400において、送信電力オフセット補償部260及び送信電力オフセット部270が不要となる。これは、端末装置400にて遠方ユーザ信号を基準としたチャネル推定値を得ることができるためである。
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3に係るマルチキャリア送信装置としての基地局装置600の構成を示すブロック図である。基地局装置600は、基地局装置100と同様に、第1の変調信号がシンボル毎に周波数領域で分離された複数の周波数成分に、第2の変調信号を時間領域の信号のまま重畳した信号を送信する。
ただし、図11に示すように、基地局装置600は、構成上、次の点で基地局装置100と異なる。すなわち、基地局装置600は、DFT部120から出力されるサブキャリアに対し所定のサブキャリアブロック毎の振幅を所定時間にわたり測定するDFT出力電力測定部610と、DFT出力電力測定部610の出力に基づいて、DFT部120の出力に対して変調部115の出力変調信号をマッピングするサブキャリアを決定するサブキャリアマッピング決定部620と、サブキャリアマッピング決定部620にて決定されたマッピング情報を含む制御信号を生成する制御信号生成部640と、を有すると共に、基地局装置100のS/P部125の代わりに、サブキャリアマッピング決定部620の出力に基づいて変調部115の出力変調信号をサブキャリアにマッピングするサブキャリアマッピング部630を有する。
なお、図11には、OFDMAが適用される場合の基地局装置の構成が示されている。なお、以下では、N1個のサブキャリアを用いたSCM伝送が行われる場合について説明する。ここで、N_FFTをIFFT(逆高速フーリエ変換)部でのFFTサイズとした場合、N1≧N_FFTの関係が成り立つ。
また、変調部110の出力に対し割当てるDFT部120のサブキャリア数N1は、変調部115の出力に対し割当てるサブキャリア数N2よりも多くすること、すなわちN1>N2として以下説明を行う。
DFT出力電力測定部610は、DFT出力部120から出力される周波数サブキャリア信号の電力を測定する。この電力測定は、所定のサブキャリアブロック毎に、所定時間にわたって行われる。つまり、この電力測定によって、各サブキャリアブロックの単位測定時間当たりの電力値が得られる。
ここで、所定のサブキャリアブロックは、固定としても良いし、分割する数だけを固定しておき、DFT部120の出力サブキャリア群を分割して得られるものでも良い。又は、所定のサブキャリアブロックは、DFT部120の出力サブキャリア数N1及び変調部115の出力に対して割当てるサブキャリア数N2に応じて可変させても良い。
また、単位測定時間には、OFDMAシンボル、ユーザ毎にSCMが行われる、複数のOFDMAシンボルからなる期間、あるいは、フレームを用いることができる。なお、単位測定時間が短いほど、より瞬時的な変動に追従できる代わりに、サブキャリアマッピング決定部620によるマッピング変更頻度が高くなる。
そのため、端末装置に通知する制御情報通知のオーバーヘッドが高くなるといったトレードオフが生じる。従って、単位測定時間には、ユーザ多重が行われる複数のOFDMAシンボルからなる期間を用いることが好適である。
サブキャリアマッピング決定部620は、DFT出力電力測定部610の出力に基づいて、DFT部120の出力に対して変調部115の出力変調信号をマッピングするサブキャリアを決定する。ここでは、サブキャリアマッピング決定部620は、DFT出力電力測定部610にて測定された電力値が小さいサブキャリアブロックからその構成サブキャリア数の合計がN2に到達するまで選択する。
これにより、DFT出力電力測定部610にて測定された電力値が大きいサブキャリアブロックは、変調部115の出力変調信号がマッピングされるマッピング対象サブキャリアから排除される。サブキャリアマッピング決定部620は、決定したマッピング対象サブキャリアに関する情報をサブキャリアマッピング部630に出力する。このマッピング対象サブキャリアに関する情報は、単位測定時間毎に定期的に送信される。
サブキャリアマッピング部630は、サブキャリアマッピング決定部620で決定されたマッピング対象サブキャリアに、変調部115の出力変調信号をマッピングする。サブキャリアマッピング部630は、N2より多く且つN1より少ない数のサブキャリアを出力できるように構成されている。各サブキャリアは、DFT部120の出力サブキャリアと1対1で対応付けられている。
従って、サブキャリアマッピング部630がサブキャリアマッピング決定部620で決定されたマッピング対象サブキャリアに変調部115の出力変調信号をマッピングすることにより、測定電力の小さいDFT部120の出力サブキャリアに対応するサブキャリアにのみ変調部115の出力変調信号をマッピングすることができる。
制御信号生成部640は、サブキャリアマッピング決定部620からマッピング対象サブキャリアに関する情報を受け取り、当該情報を含んだ制御信号を生成する。この制御情報は、フレーム形成部150に出力される。こうして通信相手である端末装置に対してマッピング対象サブキャリアを通知することができる。
ここで、DFT出力電力測定部610、サブキャリアマッピング決定部620、及びサブキャリアマッピング部630の動作について説明する。図12は、DFT出力電力測定部610、サブキャリアマッピング決定部620、及びサブキャリアマッピング部630の動作説明に供する図である。
図12の上図には、DFT出力電力測定部610における電力測定結果が示されている。ここでは、変調部110の出力に対し割当てるDFT部120の出力サブキャリア(上述のようにその数は、N1)に対し、分割数D_N1=4と設定され、その結果、4つのサブキャリアブロック(図12における、SB♯1〜♯4)が設けられている。
そして、ここでは、単位測定時間は、ユーザ多重が行われるOFDMAシンボル分N_symとされている。すなわち、図12の上図には、サブキャリアブロックSB#k(k=1、…、D_N1)の単位測定時間における電力値(あるいは振幅値)の加算結果が示されている。そして、図12の上図においては、電力測定結果が高い順に、SB#2>SB#4>SB#1>SB#3となっている。
このようなDFT出力電力測定部610の測定結果に基づいて、サブキャリアマッピング決定部620は、マッピング対象サブキャリアを決定する。サブキャリアマッピング決定部620は、DFT出力電力測定部610にて測定された電力値が小さいサブキャリアブロックからその構成サブキャリア数の合計がN2に到達するまで選択する。
ここで、N2=0.75Nとすると、最も電力値の大きいサブキャリアブロックSB♯2を除くSB#1、SB#3、SB#4が選択される。
そして、サブキャリアマッピング部630は、図12の下図に示すように、サブキャリアマッピング決定部620で決定されたマッピング対象サブキャリアに、変調部115の出力変調信号をマッピングする。
なお、分割数D_N1=4及びN2=0.75N1の場合、マッピング対象サブキャリアに関する情報を、多くとも2ビットで端末装置に通知することができる。
以上のような構成により、基地局装置600は、DFT部120の出力サブキャリアのうち比較的電力の小さいサブキャリアに、変調部115の変調信号をマッピングすることができる。これにより、変調部115の送信SINRを高めることができ、その結果として受信側の端末装置における受信特性を向上することができる。
図13は、実施の形態3に係るマルチキャリア信号受信装置としての端末装置700を示すブロック図である。なお、図13には、特に、基地局装置600から近い位置にある近傍ユーザである、端末装置700の構成が示されている。
図13に示すように、端末装置700は、構成上、次の点で、実施の形態1で説明した図6に示す端末装置200と異なる。すなわち、端末装置700は、P/S部285の代わりに、サブキャリアデマッピング部710を有する。
制御情報抽出部230は、周波数領域等化部225の出力信号における制御信号に対応する部分に、復調及び復号処理を施すことにより、制御情報を復元する。ここで復元される制御情報には、基地局装置600のサブキャリアマッピング決定部620で決定されたマッピング対象サブキャリアに関する情報が含まれている。
サブキャリアデマッピング部710は、制御情報抽出部230から受け取る、マッピング対象サブキャリアに関する情報に基づいて、SCM干渉抑圧部280から出力されるN1個のパラレル信号のうち、マッピング対象サブキャリアに対応する信号のみを抽出し、シリアル信号として送信電力オフセット補償部290に出力する。
ここで、マッピング対象サブキャリアに関する情報は、単位測定時間毎に送信されてくる。この単位測定時間には、OFDMAシンボル、ユーザ毎にSCMが行われる、複数のOFDMAシンボルからなる期間、あるいは、フレームを用いることができる。この情報は、端末装置700で認識されている必要がある。
従って、単位測定時間として、どの期間が用いられるのかに関する情報は、基地局装置600から端末装置700宛に制御信号に含められて通知される。特に、ユーザ毎にSCMが行われる、複数のOFDMAシンボルからなる期間が用いられる場合には、周波数リソース割当情報と共に通知される。
以上のような構成により、単位測定時間毎にマッピング対象サブキャリアが変更される場合でも、端末装置700は、自装置宛の第2の変調信号を受信することができる。
なお、基地局装置600から遠い位置にある遠方ユーザである、端末装置には、実施の形態1の図7に示したものを適用できる。また、本実施の形態において、遠方ユーザ宛のDFT部120の出力サブキャリアのうちの一部は、階層変調多重(SCM)されずに送付される。これにより、その一部の出力サブキャリアの送信SINRが高められるので、受信品質改善効果が期待される。
以上のように本実施の形態によれば、基地局装置600に、第1の変調信号をシンボル毎に周波数領域で分離することにより、N1個のサブキャリア信号を形成するDFT部120と、N1個のサブキャリア信号と1対1で対応するN1個のパラレル信号を出力可能に構成され、第2の変調信号を直並列変換することによってN1より小さいN2個のパラレル信号を形成し、マッピング対象サブキャリアに対応するパラレル信号としてN2個のパラレル信号を出力するサブキャリアマッピング部630と、DFT部120から出力される複数のサブキャリア信号の電力を測定するDFT出力電力測定部610と、測定された電力値に基づいて、マッピング対象サブキャリアを決定するサブキャリアマッピング決定部620と、を設けた。
こうすることで、DFT部120の出力サブキャリアのうち比較的電力の小さいサブキャリアに、第2の変調信号をマッピングすることができる。これにより、第2の変調信号の送信SINRを高めることができ、その結果として受信側の端末装置における受信特性を向上することができる。
なお、以上の説明では、電力の測定、及び、第2の変調信号のマッピング位置の決定は、サブキャリアブロック単位で行われているが、これに限定されるものではなく、サブキャリア単位で行われても良い。
(実施の形態4)
本実施の形態は、第1の変調信号がシンボル毎に周波数領域で分離された複数の周波数成分に、第2の変調信号を時間領域の信号のまま重畳した信号を送信する点では、実施の形態3と同様である。ただし、実施の形態3では、第1の変調信号の変調信号及び第2の変調信号がそれぞれ遠方ユーザ宛の信号及び近傍ユーザ宛の信号であったのに対して、本実施の形態では、その逆に、第1の変調信号の変調信号及び第2の変調信号がそれぞれ近傍ユーザ宛の信号及び遠方ユーザ宛の信号である。
すなわち、本実施の形態の基地局装置は、図11に示される基地局装置600と同様の構成を有している。しかし、変調部110、DFT部120、及び乗算部135で処理されるのは、近傍ユーザ宛の信号であり、変調部115、サブキャリアマッピング部630、及び乗算部140で処理されるのは、遠方ユーザ宛の信号である。そのため、SCM送信電力制御部130で決定された送信電力係数α、βは、それぞれ乗算部140及び乗算部135で用いられる。なお、送信電力係数α、βは、実施の形態1で説明したものと同様である。
そして合成部145では、DFT部120の出力サブキャリアD_SC(k)に送信電力係数βが乗算された後の信号と、サブキャリアマッピング部630の出力サブキャリアS_SC(k)に送信電力係数αが乗算された後の信号とが重畳される。具体的には、βD_SC(k)+αS_SC(k)から合成信号が求められる。ここで、k=1〜N1である。
図14は、実施の形態4に係るマルチキャリア信号受信装置としての端末装置800の構成を示すブロック図である。なお、図14には、特に、基地局装置から近い位置にある近傍ユーザである、端末装置の構成が示されている。実施の形態2で説明した図9に示す端末装置400と異なる点は、P/S部415の代わりに、干渉信号抽出部810がサブキャリアデマッピング部820を有することである。
制御情報抽出部230は、周波数領域等化部の出力信号における制御信号に対応する部分に、復調及び復号処理を施すことにより、制御情報を復元する。ここで復元される制御情報には、基地局装置600のサブキャリアマッピング決定部620で決定されたマッピング対象サブキャリアに関する情報が含まれている。
サブキャリアデマッピング部820は、制御情報抽出部230から受け取る、マッピング対象サブキャリアに関する情報に基づいて、サブキャリアデマッピング部405から出力されるN1個のパラレル信号のうち、マッピング対象サブキャリアに対応する信号のみを抽出し、シリアル信号として送信電力オフセット補償部260に出力する。
ここでマッピング対象サブキャリアに関する情報は、単位測定時間毎に送信されてくる。この単位測定時間には、OFDMAシンボル、ユーザ毎にSCMが行われる、複数のOFDMAシンボルからなる期間、あるいは、フレームを用いることができる。この情報は、端末装置800で認識されている必要がある。
従って、単位測定時間としてどの期間が用いられるのかに関する情報は、基地局装置600から端末装置800宛に制御信号に含められて通知される。特に、ユーザ毎にSCMが行われる、複数のOFDMAシンボルからなる期間が用いられる場合には、周波数リソース割当情報と共に通知される。
以上のような構成により、端末装置800は、単位測定時間毎に第2の変調信号のマッピング対象サブキャリアが変更される場合でも、自装置にとって干渉信号であるその第2の変調信号を除去した上で、自装置宛の第1の変調信号を受信することができる。
図15は、実施の形態4に係るマルチキャリア信号受信装置としての端末装置900の構成を示すブロック図である。なお、図15には、特に、基地局装置から遠い位置にある遠方ユーザである、端末装置の構成が示されている。
実施の形態2で説明した図10に示す端末装置と異なる点は、P/S部520の代わりに、サブキャリアデマッピング部910を有することである。
制御情報抽出部230は、周波数領域等化部の出力信号における制御信号に対応する部分に、復調及び復号処理を施すことにより、制御情報を復元する。ここで復元される制御情報には、基地局装置600のサブキャリアマッピング決定部620で決定されたマッピング対象サブキャリアに関する情報が含まれている。
サブキャリアデマッピング部910は、制御情報抽出部230から受け取る、マッピング対象サブキャリアに関する情報に基づいて、サブキャリアデマッピング部510から出力されるN1個のパラレル信号のうち、マッピング対象サブキャリアに対応する信号のみを抽出し、シリアル信号として送信電力オフセット補償部330に出力する。
ここでマッピング対象サブキャリアに関する情報は、単位測定時間毎に送信されてくる。この単位測定時間には、OFDMAシンボル、ユーザ毎にSCMが行われる、複数のOFDMAシンボルからなる期間、あるいは、フレームを用いることができる。この情報は、端末装置900で認識されている必要がある。
従って、単位測定時間としてどの期間が用いられるのかに関する情報は、基地局装置600から端末装置900宛に制御信号に含められて通知される。特に、ユーザ毎にSCMが行われる、複数のOFDMAシンボルからなる期間が用いられる場合には、周波数リソース割当情報と共に通知される。
以上のような構成により、単位測定時間毎にマッピング対象サブキャリアが変更される場合でも、端末装置900は、自装置宛の第2の変調信号を受信することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態は、基地局装置の別の構成に関する。すなわち、実施の形態3で説明した基地局装置600においては、サブキャリアマッピング決定部620が、DFT出力電力測定部610の出力に基づいて、DFT部120の出力に対して変調部115の出力変調信号をマッピングするサブキャリアを決定する。これに対して、本実施の形態に係る基地局装置には、DFT出力電力測定部が設けられていない。
図16は、実施の形態5に係るマルチキャリア送信装置としての基地局装置1000の構成を示すブロック図である。
基地局装置1000において、サブキャリアマッピング決定部1010は、マッピング対象サブキャリアに関する情報をサブキャリアマッピング部630に出力する。
ここでは、マッピング対象サブキャリアとしては、図17に示すように、所定のサブキャリア間隔(ΔSC)だけ互いに離れているサブキャリアからなるサブキャリア群が用いられる。すなわち、マッピング対象サブキャリアは、分散して配置されている。具体的には、ΔSC=N1/N2とすることで、マッピング対象サブキャリアが、均等に分散されている。
以上の構成により、変調部115の変調信号が重畳される、DFT部120の出力サブキャリアを分散させることができるので、変調部110を介して送信される送信信号における送信SINRを平均的に改善することができる。この効果は、N1がN2より十分大きい場合(N1>>N2の場合)に、顕著となる。
なお、マッピング対象サブキャリアは、N1とN2の関数である所定のサブキャリア間隔(ΔSC)だけ互いに離れて分散配置される。すなわち、N1とN2の情報とリンクしたサブキャリアマッピングが行われている。従って、受信側である端末装置が予めN1及びN2の値を知っていれば、基地局装置100による制御情報の通知は、不要となる。
これにより、データ伝送の際のオーバーヘッドの削減効果が得られる。また、これに伴い、端末装置では、制御情報抽出部230による、マッピング対象サブキャリアに関する情報の抽出動作が不要となり、これにより、受信側における処理負担が軽減される。
以上のように本実施の形態によれば、基地局装置1000に、第1の変調信号をシンボル毎に周波数領域で分離することにより、N1個のサブキャリア信号を形成するDFT部120と、N1個のサブキャリア信号と1対1で対応するN1個のパラレル信号を出力可能に構成され、第2の変調信号を直並列変換することによってN1より小さいN2個のパラレル信号を形成し、マッピング対象サブキャリアに対応するパラレル信号としてN2個のパラレル信号を出力するサブキャリアマッピング部630と、所定サブキャリア間隔だけ互いに離れたサブキャリアからなるサブキャリア群をマッピング対象サブキャリアとするサブキャリアマッピング決定部1010と、を設けた。
こうすることで、第2の変調信号が重畳される、DFT部120の出力サブキャリアを分散させることができるので、第2の変調信号に関する送信SINRを平均的に改善することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、基地局装置(BS)が指向性送信可能に構成されている場合について説明される。
本実施の形態の基地局装置は、複数の送信アンテナを有している。基地局装置は、いくつかの指向性ビームパタンを有しており、各指向性ビームパタンでパイロット信号を送信する。
基地局装置のカバーするセル内に存在する端末装置は、基地局装置から送信されたパイロット信号に基づいて最適な指向性ビームパタンを選択し、選択パタンを基地局装置に通知する。
また、最適な指向性ビームパタンの選択手法には以下のような別な手法がある。すなわち、基地局装置は、基地局装置が備えるアンテナ素子単位で、それぞれパイロット信号を送信する。この際、端末装置において、それぞれのパイロット信号が分離受信できるように、基地局装置は、FDM、TDM、あるいはCDMを用いて、パイロット信号を多重して送信する。
端末装置においては、パイロット信号を受信して、チャネル推定値を算出する。端末装置は、チャネル推定値を基に、送信指向性を形成する予め既知の指向性ビームパタン候補から、受信のSNRが最大となる最適な指向性ビームパタンの情報を基地局装置に通知する。
そして、基地局装置は、端末装置から通知される選択パタンに基づいて、端末装置をグルーピングする。すなわち、基地局装置は、端末装置が存在する方向に応じて端末装置をグルーピングする。
さらに基地局装置は、同じグループに属する端末装置のうち、基地局装置から遠い位置に存在する端末装置と、基地局装置から近い位置に存在する端末装置との組み合わせを選択する。図18に示されるMS(端末装置)♯1及びMS♯2のように、同じグループに属す遠近の端末装置が選択される。
そして、基地局装置は、その組み合わせに係る2つの端末装置宛の変調信号を上述の実施の形態1又は実施の形態2で示した方法により合成し、合成信号を指向性送信する。すなわち、合成信号が1つの指向性ビームにより送信される。
(実施の形態7)
本実施の形態では、基地局装置(BS)が空間分割多元接続(SDMA)可能に構成されている場合について説明される。「空間分割多元接続」とは、端末装置の空間上の物理的分離及び指向性ビームを用いて信号を送受信する送受信部の機能によって、複数の端末装置が同時に同一周波数帯を用いて通信することが可能なアクセスメカニズムを指す。
本実施の形態の基地局装置は、実施の形態3の基地局装置と同様に、端末装置をグルーピングし、同じグループに属する端末装置のうち遠近2つの端末装置の組み合わせを選択する。さらに、本実施の形態の基地局装置は、その組み合わせに係る2つの端末装置宛の変調信号を上述の実施の形態1又は実施の形態2で示した方法により合成し、合成信号を指向性送信する。すなわち、合成信号が1つの指向性ビームにより送信される。
さらに、本実施の形態の基地局装置は、異なる指向性ビームパタンを選定した端末装置を、さらに、空間分割多重する。
すなわち、図19に示すように基地局装置は、端末装置♯1及び端末装置♯2から成る組み合わせに対して指向性ビーム♯1で合成信号を送信すると共に、端末装置♯3及び端末装置♯4から成る組み合わせに対して指向性ビーム♯2で合成信号を送信する。
一方、合成信号の受信側である端末装置では、自装置宛の合成信号の送信に用いられているビームが、他のビームの干渉を受けることがある。そのため、端末装置は、備える複数のアンテナを用いて、自装置が受信対象としていない他のビームを空間領域で除去する干渉除去処理を行う。
この干渉除去処理を受信側が行えるようにするために、基地局装置は、空間領域での干渉除去が可能なパイロット信号を送信する。この送信方法としては、以下の2つが考えられる。
第1の方法では、基地局装置は、自装置が備えるアンテナ素子単位でパイロット信号を送信する。この際、端末装置において、それぞれのパイロット信号が分離受信できるように、FDM、TDM、あるいはCDMを用いて、パイロット信号を多重して送信する。また、基地局装置は、同時に、複数ビームを形成する際に用いられるウエイト情報を通知する。
第2の方法では、基地局装置は、指向性ビーム間で分離可能なパイロット信号を送信する。
以上のように、基地局装置(BS)が空間分割多元接続(SDMA)を利用することにより、基地局装置が備えるアンテナ数を超えたユーザ多重を行うことができ、下り回線におけるアベレージスループットをさらに改善できる。
(実施の形態8)
本実施の形態は、上り回線の通信に関する。本実施の形態に係る無線通信システムは、上記した第1の変調信号を用いて個別データを送信する第1の端末装置1100(MS#1,図20参照)と、端末装置1100と同一の周波数及び時間リソースで、上記した第2の変調信号を用いて個別データを送信する第2の端末装置1200(MS#2,図21参照)と、端末装置1100から送信された信号と端末装置1200から送信された信号とが空間多重された空間多重信号を受信する基地局装置1300(図22参照)と、を具備する。
なお、図20及び図21には、OFDMAが適用される場合の端末装置1100及び端末装置1200の構成が示されている。また、以下では、N1個のサブキャリアを用いたSCM伝送が行われる場合について説明する。ここで、N_FFTをIFFT(逆高速フーリエ変換)部でのFFTサイズとした場合、N1≧N_FFTの関係が成り立つ。
図20は、本実施の形態に係る第1の端末装置1100の構成を示すブロック図である。
図20において、端末装置1100は、受信RF部1105と、復調復号部1110と、制御情報抽出部1115と、MCS情報抽出部1120と、SCM送信電力情報抽出部1125と、パイロット信号生成部1130と、制御信号生成部1135と、フレーム形成部1140と、を有する。
受信RF部1105は、基地局装置1300から送信され、アンテナにより受信された受信信号を周波数変換してベースバンド信号を得る。
復調復号部1110は、受信RF部1105で得られたベースバンド信号に含まれる制御信号及びデータ信号を復調及び復号する。
制御情報抽出部1115は、復調復号部1110から受け取る制御信号に含まれる制御情報を抽出する。
MCS情報抽出部1120は、制御情報抽出部1115で抽出された制御情報に含まれるMCS情報を抽出する。このMCS情報から定まる変調多値数は、変調部110における変調処理に用いられる。
SCM送信電力情報抽出部1125は、制御情報抽出部1115で抽出された制御情報に含まれるSCM送信電力情報を抽出する。SCM送信電力情報抽出部1125は、SCM送信電力情報に基づいて、DFT部120の出力信号に対する送信電力制御に用いられる電力制御係数α、βを求め、乗算部135及びパイロット信号生成部1130に出力する。
パイロット信号生成部1130は、パイロット信号を生成し、フレーム形成部1140に出力する。このパイロット信号の電力値は、電力制御係数α、βによって制御される。
制御信号生成部1135は、CQI測定結果を入力とし、当該CQI測定結果を含めた制御情報を生成する。
サブキャリア割当情報抽出部1145は、制御情報抽出部1115で抽出された制御情報に含まれるサブキャリア割当情報を抽出する。このサブキャリア割当情報は、サブキャリアマッピング部170に出力される。
変調部110、DFT部120、及び、乗算部135は、実施の形態1の基地局装置100に設けられたものと同様の機能を有する。
フレーム形成部1140は、乗算部135から出力される信号、パイロット信号生成部1130から出力されるパイロット信号、及び、制御信号生成部1135から出力される制御信号を入力する。そして、フレーム形成部1140は、乗算部135の出力信号、パイロット信号、及び制御信号を用いて、フレームを構成する。このフレームでは、例えば、乗算部135の出力信号、パイロット信号、及び制御信号がそれぞれ異なる時間区間に配置される。すなわち、乗算部135の出力信号、パイロット信号、及び制御信号がTDDで送信される。
ここで、端末装置1100から送信されるパイロット信号は、基地局装置1300が端末装置1200から送信されるパイロット信号と分離できるように、FDM,TDM、CDMあるいはそれらの組み合わせなどによって多重して送信される。また、パイロット信号の送信電力は、乗算部135の出力と同じ送信電力とする。
ただし、別な方法として、予め規定のオフセット量を用いることで送信電力を増加させてパイロット信号を送信しても良い(つまり、パイロット信号ブースト手法が用いられても良い)。この場合、パイロット信号の送信電力を高めることができるので、受信側におけるチャネル推定精度の向上が図られ、受信特性を向上することができる。
図21は、本実施の形態に係る第1の端末装置1200の構成を示すブロック図である。図21において、端末装置1200は、フレーム形成部1210を有する。
フレーム形成部1210は、乗算部140から出力される信号、パイロット信号生成部1130から出力されるパイロット信号、及び、制御信号生成部1135から出力される制御信号を入力する。そして、フレーム形成部1210は、乗算部140の出力信号、パイロット信号、及び制御信号を用いて、フレームを構成する。
このフレームでは、例えば、乗算部140の出力信号、パイロット信号、及び制御信号がそれぞれ異なる時間区間に配置される。すなわち、乗算部140の出力信号、パイロット信号、及び制御信号がTDDで送信される。
ここで、端末装置1200から送信されるパイロット信号は、基地局装置1300が端末装置1100から送信されるパイロット信号と分離できるように、FDM,TDM、CDMあるいはそれらの組み合わせなどによって多重して送信される。また、パイロット信号の送信電力は、乗算部140の出力と同じ送信電力とする。
ただし、別な方法として、予め規定のオフセット量を用いることで送信電力を増加させてパイロット信号を送信しても良い(つまり、パイロット信号ブースト手法が用いられても良い)。この場合、パイロット信号の送信電力を高めることができるので、受信側におけるチャネル推定精度の向上が図られ、受信特性を向上することができる。
なお、変調部115、S/P部125、及び、乗算部140は、実施の形態1の基地局装置100に設けられたものと同様の機能を有する。
図22は、本実施の形態に係る基地局装置1300の構成を示すブロック図である。
図22において、基地局装置1300は、受信RF部1305と、CP除去部1310と、FFT部1315と、チャネル推定部1320,1325と、周波数領域等化部1330,1335と、サブキャリアデマッピング部1340,1345と、制御情報抽出部1350と、CQI情報抽出部1355と、ユーザ多重制御部1360と、P/S部1365と、SCM情報抽出部1370と、復調復号部1375と、送信電力オフセット情報抽出部1380と、干渉信号抽出部1385と、SCM干渉抑圧部1390と、IDFT部1395と、復調復号部1400と、SCM送信電力/MCS情報生成部1405と、サブキャリア割当情報生成部1410と、制御信号生成部1415と、送信RF部1420と、を有する。
このうち、主にチャネル推定部1320、周波数領域等化部1330、サブキャリアデマッピング部1340、SCM干渉抑圧部1390、IDFT部1395、及び、復調復号部1400は、端末装置1100から送信された信号の受信処理に関わる。
一方、主にチャネル推定部1325、周波数領域等化部1335、サブキャリアデマッピング部1340、P/S部1365、及び、復調復号部1375は、端末装置1200から送信された信号の受信処理に関わる。
端末装置1100及び端末装置1200から送信された信号は、受信RF部1305で所定の無線受信処理を施された後、CP除去部1310でCPが除去される。そして、CP除去後の受信OFDM信号は、FFT部1315で周波数領域の信号に変換される。
チャネル推定部1320は、FFT部1315の出力信号に含まれる端末装置1100から送信されたパイロット信号を用いて、チャネル推定値を算出する。一方、チャネル推定部1325は、FFT部1315の出力信号に含まれる端末装置1200から送信されたパイロット信号を用いて、チャネル推定値を算出する。チャネル推定部1320及びチャネル推定部1325は、サブキャリア毎のチャネル推定値を算出する。
周波数領域等化部1330は、チャネル推定部1320で算出されたチャネル推定値を用いて、FFT部1315から出力されるサブキャリア信号に対して周波数領域等化を行う。一方、周波数領域等化部1335は、チャネル推定部1325で算出されたチャネル推定値を用いて、FFT部1315から出力されるサブキャリア信号に対して周波数領域等化を行う。
周波数領域等化には、ZF規範、又は、MMSE規範が用いられる。周波数領域等化処理後のサブキャリア信号は、制御情報抽出部1350、サブキャリアデマッピング部1340、及び、サブキャリアデマッピング部1345に出力される。
制御情報抽出部1350は、周波数領域等化部1330及び周波数領域等化部1335の出力信号における制御信号に対応する部分に、復調及び復号処理を施すことにより、制御情報を復元する。この制御信号は、送信側である端末装置1100及び端末装置1200で予め既知の変調方式及び符号化方式により処理されて送信されている。
CQI情報抽出部1355は、制御情報抽出部1350で得られた制御情報から、端末装置1100及び端末装置1200より送信されたCQI(チャネル品質情報)をそれぞれ抽出する。このCQI(チャネル品質情報)は、基地局装置1300と、端末装置1100(又は、端末装置1200)との間の伝搬路の回線品質に関する測定結果である。
ユーザ多重制御部1360は、端末装置1100及び端末装置1200に割り当てる周波数リソース(つまり、サブキャリア)を決定する。
また、ユーザ多重制御部1360は、端末装置1100及び端末装置1200で用いられる変調多値数をそれぞれ決定し、決定された変調多値数をSCM送信電力/MCS情報生成部1405に出力する。ユーザ多重制御部1360は、CQIの示す回線品質が良い程、変調多値数の次数を高くする。
この変調多値数の決定に用いられる回線品質の測定結果としては、基地局装置1300から送信された信号に基づいて端末装置1100及び端末装置1200が測定した結果を基地局装置1300にフィードバックするものを用いるが、別な方法として、端末装置1100及び端末装置1200からの送信信号を基に基地局装置1300が測定したものを用いても良い。
また、ユーザ多重制御部1360は、ターゲットとなる受信品質(ブロックエラー率、パケットエラー率で規定される)を満たすために、設定されたMCSに対して一般的に行われる電力制御に加えて、さらに、遠方ユーザの受信特性に対する量子化誤差の影響を抑えるために、電力制御係数α、β間の送信電力オフセット範囲を限定する。具体的には、電力制御係数α、βは、以下の条件を満たすように決定される。
SCMの識別可能条件: α/β>1/2
量子化誤差の影響が出ない条件: D>(α/(α+β))
D=6〜12dB程度
また、ユーザ多重制御部1360は、さらに、端末装置1100及び端末装置1200によるデータ信号の送信に利用されるサブキャリアの割り当てを行う。このサブキャリアの割り当て方法としては、図5に示すように、連続したサブキャリアを割り当てる(localized配置)方法、又は、等間隔のサブキャリアを使用する(distributed配置)方法が用いられる。
SCM情報抽出部1370は、ユーザ多重制御部1360で決定された変調多値数に関する情報を受け取る。
送信電力オフセット情報抽出部1380は、ユーザ多重制御部1360から送信電力オフセット情報(端末装置1100のデータ信号、端末装置1200のデータ信号、及びパイロット信号の送信電力比に関する情報)を受け取り、干渉信号抽出部1385に出力する。
サブキャリアデマッピング部1340は、ユーザ多重制御部1360で決定された周波数リソース割当情報に基づいて、端末装置1100に割り当てられたサブキャリア群を抽出し、SCM干渉抑圧部1390に出力する。一方、サブキャリアデマッピング部1345は、ユーザ多重制御部1360で決定された周波数リソース割当情報に基づいて、端末装置1200に割り当てられたサブキャリア群を抽出し、P/S部1365に出力する。
P/S部1365は、端末装置1200の信号がN1個のパラレル信号で送信されているので、それらパラレル信号として入力される周波数サブキャリア信号をシリアル信号に変換する。
復調復号部1375は、SCM情報抽出部1370から受け取る、端末装置1200で用いられている変調多値数に関する情報に基づいて、P/S部1365から受け取る信号を復調及び復号する。これにより、端末装置1200から送信されたデータ信号が得られる。
干渉信号抽出部1385は、サブキャリアデマッピング部1340の出力信号から、端末装置1100の送信信号にとって干渉信号となる、端末装置1200の信号成分を除去するためのレプリカ信号を生成する。サブキャリアデマッピング部1340の出力信号には、端末装置1100の変調信号が時間領域の信号のまま重畳されたものが干渉成分として含まれることで、端末装置1200から送信された信号の受信特性に劣化を与えるため、その干渉信号を予め除去することで、受信特性を改善する効果を有する。
具体的には、干渉信号抽出部1385は、再符号化/変調部1385、送信電力オフセット部1387、及び、S/P部1388を有する。
再符号化/変調部1386は、SCM情報抽出部1370から受け取る、端末装置1200で用いられている変調多値数に関する情報に基づいて、復調復号部1375で得られた復号結果に対して、端末装置1200において行った符号化及び変調処理と同様の処理を行うことで、端末装置1200の送信レプリカ信号を生成する。
送信電力オフセット部1387は、端末装置1200の送信電力と端末装置1100の送信電力との間に電力差(オフセット)を調整する。端末装置1100からの送信信号を基準としたときの端末装置1200の送信信号の送信振幅比(L1=β/α)がある場合、送信電力オフセット部は、入力信号にL1を乗算した信号を出力する。
S/P部1388は、シリアルデータである送信電力オフセット部1387の出力を、サブキャリア毎のパラレル信号に変換する。ここではN1個のパラレルなサブキャリア信号が出力される。
SCM干渉抑圧部1390は、サブキャリアデマッピング部1340の出力であるN1個のパラレル信号D1(k)から、干渉信号抽出部1385にて再生成した端末装置1200のサブキャリア毎のレプリカ信号Rep_D2(k)を、チャネル変動を考慮して次式(1)を用いて減算処理する。ここでHj(k)、H2(k)は第k番目のサブキャリアの第jのチャネル推定部1325で得られたチャネル推定値である。ここでjは1又は2である。ここで、kはサブキャリア番号である。kは1からN1の自然数をとる。
D1_RD(k)=D1(k)−H2(k)Rep_D2(k)/H1(k)…(1)
こうして、端末装置1200からの信号成分を除去することができるので、端末装置1100からの信号の受信特性を向上することができる。
IDFT部1395は、SCM干渉抑圧部からの出力に対してN1のサイズでIDFT処理を行うことにより、周波数領域から時間領域への変換を行う。
復調復号部1400は、SCM情報抽出部1370から受け取る、端末装置1100で用いられている変調多値数に関する情報に基づいて、IDFT部1395から受け取る信号を復調及び復号する。これにより、端末装置1100から送信されたデータ信号が得られる。
SCM送信電力/MCS情報生成部1405は、ユーザ多重制御部1360からの変調多値数に関する情報を基に、端末装置1100及び端末装置1200に通知するための既知フォーマットに従って、制御情報を生成する。SCM送信電力/MCS情報生成部1405は、さらに、ユーザ多重制御部1360において決定された電力制御係数α、βを基に、端末装置1100及び端末装置1200に通知するための既知フォーマットに従って、制御情報を生成する。
ここで、SCM送信電力/MCS情報生成部1405は、ユーザ多重制御部1360において予め決定された(α、β)のセットを複数用意し、各セットにインデックスを付してテーブル化しておき、決定された電力制御係数のセットに対応するインデックス情報を端末装置1100及び端末装置1200に通知する。これにより、シグナリング量を低減することができる。
サブキャリア割当情報生成部1410は、ユーザ多重制御部1360で決定された周波数リソース情報を、端末装置1100及び端末装置1200に通知するため既知フォーマットに従って、制御情報を生成する。
制御信号生成部1415は、SCM送信電力/MCS情報生成部1405及びサブキャリア割当情報生成部1410で生成された制御情報を基に制御信号を生成し、送信RF部1420を介して、端末装置1100及び端末装置1200に送信する。
このように本実施の形態によれば、端末装置1100には、第1の変調信号をシンボル毎に周波数領域で分離することにより、複数の離散的周波数領域成分を形成するDFT部120と、複数の離散的周波数領域成分を第1のサブキャリア群にマッピングすることにより、送信マルチキャリア信号を形成するサブキャリアマッピング部170と、送信マルチキャリア信号を基地局装置1300に送信する送信RF部185とが設けられている。
また、端末装置1200には、第2の変調信号を直並列変換することにより複数のパラレル信号を形成するS/P部125と、複数のパラレル信号を第1のサブキャリア群と周波数帯域が重なる第2のサブキャリア群にマッピングすることにより、第2の送信マルチキャリア信号を形成するサブキャリアマッピング部170と、第2のマルチキャリア信号を基地局装置1300に送信するRF送信部185とが設けられている。そして、端末装置1100と端末装置1200とは、同じ時間リソースを使用する。
こうすることで、基地局装置1300で受信される空間多重信号は、実施の形態1又は2における端末装置の受信信号と同様なものとなる。すなわち、この空間多重信号では、端末装置1100から送信される第1の変調信号がシンボル毎に分離された周波数成分に、端末装置1100にとって干渉信号である端末装置1200から送信される第2の変調信号が時間領域の信号のままの状態で重畳されている。
従って、基地局装置1300は、実施の形態1又は2に示した端末装置における受信処理と基本的に同様の受信処理を行うことにより、受信した空間多重信号から第1の変調信号及び第2の変調信号を分離することができる。
具体的には、基地局装置1300には、受信した空間多重信号を並直列変換することによりシリアル信号列を得るP/S部1365と、シリアル信号列を復調すると共に復号する復調復号部1375と、が設けられる。この構成により、端末装置1200から送信された第2の変調信号を復元することができる。
そして、受信した空間多重信号では、端末装置1100から送信された信号は、白色雑音又はそれに近い雑音に等しい状態になっている。そのため、端末装置1200から送信された信号の最小信号点間距離が、平均的に大きくなっている。従って、端末装置1100からの送信信号の影響が低く抑えられた状況で端末装置1200の送信信号に対する受信処理を行うことができるため、受信データの誤り率を改善することができる。
また、基地局装置1300には、復調復号部1375の復号結果から、第2の変調信号のレプリカ信号を形成する干渉信号抽出部1385が設けられる。
さらに、基地局装置1300には、干渉信号抽出部1385で形成されたレプリカ信号を受信した空間多重信号から減算するSCM干渉抑圧部1390と、SCM干渉抑圧部1390で得られた信号を逆フーリエ変換するIDFT部1395と、IDFT部1395で得られた信号列を復調すると共に復号する復調復号部1400とが設けられる。
こうすることで、第1の変調信号を精度良く復元することができる。すなわち、SCM干渉抑圧部1390において、誤り率が改善された端末装置1200の受信データを用いて、端末装置1100からの信号に含まれる端末装置1200の干渉信号を除去する処理を行うことができるため、端末装置1100からの送信信号に対する誤り率を低減することができる。
なお、本実施の形態では、端末装置1100における変調信号から得られる周波数成分の数と、端末装置1200における変調信号から得られるパラレル信号の数とを一致させている。しかしながら、周波数成分の数とパラレル信号の数とは、同数である必要はない。
つまり、基地局装置1300で受信される空間多重信号は、端末装置1100における変調信号がシンボル毎に周波数領域で分離された複数の周波数成分のうち少なくとも一部に、端末装置1200における変調信号を時間領域の信号のまま重畳されていれば、上述の効果が得られる。
なお、端末装置1100、基地局装置1300は、IDFT部及びDFT部の処理の代わりに、ユニタリ性を有する直交変換行列を用いた処理を行っても良い。この場合でも、上述したものと同様な効果を得ることができる。