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JP5040491B2 - ガスバリア性フィルム - Google Patents

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JP5040491B2 JP2007184113A JP2007184113A JP5040491B2 JP 5040491 B2 JP5040491 B2 JP 5040491B2 JP 2007184113 A JP2007184113 A JP 2007184113A JP 2007184113 A JP2007184113 A JP 2007184113A JP 5040491 B2 JP5040491 B2 JP 5040491B2
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Description

本発明は、酸素遮断性および水蒸気遮断性に優れたガスバリア性フィルムに関するものであり、特に食品、医薬品および電子部品等の包装材料や工業材料に好適に用いられるガスバリア性フィルムに関するものである。
ガスバリア性フィルムおよびそれを用いた包装材料は、既によく知られている。例えば、ガスバリア性を有する材料として、アルミニウム箔が知られているが、このアルミニウム箔は、単独ではピンホール強力が弱く、特殊な用途を除いては使用できないため、殆どラミネートフィルムの中間層として使用されている。しかしながら、近年、環境問題等もあり包装材料には薄膜化やラミネートの簡素化による減量化が強く要求されているため、脱アルミ箔の動きが強まっている。
また、ポリエステル系樹脂フィルムやポリアミド系樹脂フィルム等の熱可塑性樹脂フィルムは、強度、透明性および成形性に優れていることから、包装材料として幅広い用途に使用されている。しかしながら、これらの熱可塑性樹脂フィルムは、酸素や水蒸気等のガス透過性が大きいため、一般食品、レトルト処理食品および医薬品等の製品の包装に使用した場合、長期間の保存により製品に変質・劣化を生じさせることがある。
そこで従来、ガスバリア性が要求される包装材料等には、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、およびポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記することがある。)等のポリエステル系樹脂フィルムに、ポリ塩化ビニリデン(以下、PVDCと略記することがある。)のエマルジョン等をコーティングした熱可塑性樹脂フィルムが多く用いられてきた。コーティングによりPVDC層が形成された熱可塑性樹脂フィルムは、低湿度下だけでなく高湿度下においても高い酸素バリア性を示す上、水蒸気に対するバリア性も高い。しかしながら、このPVDCがコーティングされた熱可塑性樹脂フィルムは、廃棄物処理の際の焼却時に、PVDC中の塩素に起因する塩素ガスの発生並びにダイオキシン発生の恐れを有しており、環境並びに人体に多大な悪影響を与える恐れを有することから、他の材料への移行が強く望まれている。
塩素を有しないガスバリア性の材料として、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記することがある。)フィルムおよびPVAやエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略記することがある。)を熱可塑性樹脂フィルムにコーティングしたコートフィルムが最も良く知られている。PVAやEVOHは、酸素ガスバリア性が乾燥環境下では大変優れているが、反面、そのバリア性能は、湿度依存性が非常に大きく高湿度条件下ではバリア性が大きく損なわれること、水蒸気バリア性がないこと、および熱水中で容易に溶解してしまうこと等の問題点を有している。
また、ポリエステルフィルム等の熱可塑性フィルムの一方の面に、真空蒸着法等の物理気相成長法を用いて、例えば酸化アルミニウム(特許文献1参照)、酸化珪素(特許文献2参照)等の無機酸化物の蒸着膜を設けた蒸着フィルムなども提案されている。これら無機酸化物蒸着薄膜層を有するガスバリア性フィルムは、透明であるため内容物視認性を有しており、また電子レンジを利用した調理にも対応することができるという利点を有する。しかし、無機酸化物蒸着層からなるガスバリアコート層を有するフィルムは、そのガスバリア層が硬い。このため、屈曲によりガスバリア層にクラックやピンホールが発生し、ガスバリア性が著しく低下するという問題がある。
上記のような欠点を補うための技術として、熱可塑性樹脂フィルム上に無機酸化物の蒸着層を設け、さらにその上に樹脂被覆層を形成したガスバリア性フィルム(特許文献3参照)が提案されている。
特開2000−185374号公報(段落番号[0016]〜[0018]) 特開2001−10003号公報(段落番号[0035]〜[0041]) 特開2003−181973号公報(段落番号[0035]〜[0041])
しかしながら、前記の特許文献1および特許文献2の提案では、非常に高いガスバリア性が要求される包装用途あるいは工業材料用途に使用するためには、いずれもガスバリア性はなお不十分である。その要因として、無機酸化物蒸着層を1層のみ有する設計では、基材である熱可塑性樹脂フィルムの表面粗さや熱収縮性の影響を受けて蒸着層にクラックやピンホールが生じることに起因するガスバリア性能の低下が避けられない等の理由によりガスバリア性が十分に発現しないことが挙げられる。その点の改良を図った提案に、特許文献3が挙げられるが、ガスバリア性被膜層の選択が最適ではないために、2層目の無機酸化物薄膜層を形成した際のガスバリア性向上が不十分なものであり、それでもなおガスバリア性は不十分である。
そこで本発明の目的は、このような従来技術の背景に鑑み、ハロゲンによる環境汚染の恐れもなく、かつ、酸素および水蒸気などのガスバリア性に優れ生産性に優れたガスバリア性フィルムを提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような構成を採用するものである。すなわち、本発明のガスバリア性フィルムは、ポリエステル系樹脂フィルムの少なくとも片面に、無機酸化物層(A)、下記(1)式および/または下記(2)式で示される骨格を含有する樹脂で構成され、かつ塗布によって形成されたポリウレタン系樹脂層、金属蒸着層、無機酸化物層(B)、および少なくとも1種以上のポリオール系樹脂で構成されたポリオール系樹脂層がこの順に形成されたものである。
Figure 0005040491
本発明によれば、塩素等のハロゲンを含まないというだけでなく、従来より提案されている金属蒸着フィルムあるいは無機酸化物蒸着フィルムよりも優れた酸素バリア性および水蒸気バリア性を有するガスバリア性フィルムが得られる。
本発明者らは、前記課題、すなわちハロゲンによる環境汚染の恐れもなく、かつ、酸素および水蒸気などのガスバリア性に優れた、さらには生産適性に優れたガスバリア性フィルムについて鋭意検討し、基材である熱可塑性樹脂フィルムと特定ポリマーから塗布によって形成されるポリウレタン系樹脂層、金属蒸着層、樹脂コート層と無機蒸着層を組み合わせることにより、ノンハロゲンで、しかも、高いガスバリア性を示し、かつ、フィルム生産適性にも優れたガスバリア性フィルムが得られることを見い出したものである。
本発明のガスバリア性フィルムは、ポリエステル系樹脂フィルムの少なくとも片面に、無機酸化物層(A)、下記(1)式および/または下記(2)式で示される骨格を含有する樹脂で構成され、かつ塗布によって形成されたポリウレタン系樹脂層、金属蒸着層、無機酸化物層(B)、および少なくとも1種以上のポリオール系樹脂で構成されたポリオール系樹脂層をこの順に形成したことを特徴とすることで、従来よりも高いガスバリア性が得られるものである。
Figure 0005040491
無機化合物で形成された無機酸化物層は、ガスバリア性を有するが、ピンホールやクラック等の欠陥を有するため、そのガスバリア性能は不十分であることが多い。無機酸化物層のガスバリア性は、被蒸着面の化学的特性および物理的特性に大きく影響される。また、前記のような欠陥を有する無機酸化物層上に樹脂層を設けることで、無機酸化物層が有する欠陥部分が樹脂によって補修・充填されるためにガスバリア性は向上する。このような観点から、基材フィルム上に形成される無機酸化物層(A)と無機酸化物層(B)の間に位置する樹脂層の設計は非常に重要である。すなわち、この樹脂層は無機酸化物層(A)が有する欠陥を充填することでガスバリア性を向上させると同時に、無機酸化物層(B)を形成するためのアンカー層として作用する。その際に、特定の骨格構造を有するポリウレタン系樹脂を用いて樹脂層を形成すると、樹脂層の無機酸化物層(B)が形成される面の凝集エネルギー密度と配向性が高まり、熱寸法安定性や結晶化度は向上するために、その上に無機酸化物層(B)を設けた際に得られるガスバリア性向上効果が大きくなる。従って、無機酸化物層(A)上に設けることでガスバリア性が向上すること(効果1)と、無機酸化物層(B)を設けた際に効果的にガスバリア性が向上すること(効果2)を両立し得る樹脂層を選定しなければならない。本発明においては、上記の特定の分子構造を含有するポリウレタン系樹脂層を形成することにより、効果1と効果2とを両立し、ガスバリア性が格段に向上する。また、無機酸化物層(B)の上にも特定の樹脂層を設けることで、ガスバリア性がより一層高まると共に、設けない場合と比較して耐擦過性、耐ピンホール適性などが向上することに伴い、印刷やラミネートなどの後加工時の性能低下が大きく抑制される。
以下、本発明のガスバリア性フィルムについて詳細に説明する。
本発明において基材として用いられるポリエステル系樹脂フィルムを構成するポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびポリ乳酸などのポリエステル系フィルムが挙げられる。
本発明で用いられるポリエステル系樹脂フィルムを構成するポリエステル系樹脂は、その構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレートや、その構成単位の80モル%以上がエチレンナフタレートであるポリエチレンナフタレートや、その構成単位の80モル%以上がポリ乳酸であるポリ乳酸フィルム等で代表されるが、特に限定されない。また、ポリエステル系樹脂は共重合体であっても良く、共重合成分としては、例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびそのエステル形成性誘導体のジカルボン酸成分などを使用することができる。
また、ポリエステル系樹脂フィルムには、必要に応じて、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、充填剤等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加したポリエステル系樹脂フィルム等も用いることができる。
蒸着等により無機酸化物層が設けられたフィルムのガスバリア性は、少なくとも基材であるポリエステル系樹脂フィルムの熱寸法安定性に起因するため、ポリエステル系樹脂フィルムは二軸方向に延伸されたフィルムであることが好ましい。また、ポリエステル系樹脂フィルムには、必要に応じて、例えば、コロナ放電やプラズマ放電等の放電処理、あるいは酸処理等の表面処理を行ってもよい。
ポリエステル系樹脂フィルムの厚さは、無機酸化物層を形成する時の安定性やコスト等の理由から、好ましくは1〜100μmの範囲であり、より好ましくは5〜50μmの範囲であり、特に好ましくは10〜30μm程度が実用的である。
本発明において形成される無機酸化物層(A)および無機酸化物層(B)を構成する無機酸化物としては、金属酸化物および金属窒化酸化物等を例示することができる。また、無機酸化物層(A)および無機酸化物層(B)は、蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)等で形成することができる。ただし、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては、電子線加熱方式、抵抗加熱方式および誘導加熱方式が好ましい。
本発明においては、基材フィルムと無機酸化物層(A)との間および/又は無機酸化物層(B)とポリウレタン系樹脂層との間には、アンカー層としての役割をする金属蒸着層を設けると良い。金属蒸着層は、グロー放電下で放電電極のカソード金属をプラスチックフィルム上にスパッタし、かつプラスチックフィルム表面の活性化を同時に行う方法で形成される。その際、圧力範囲、電源周波数、電源電圧、放電電流密度および放電雰囲気の放電ガスの供給量、ガスの種類等を適宜選択することが好ましい。このように形成した金属蒸着層は被蒸着面(層)と無機酸化物層との密着力、特に耐水密着力を向上させる。金属蒸着層を形成する金属としては、アルミニウム、クロム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、銀、インジウム、錫およびこれらの酸化物により形成される。特に、基材フィルムとの密着力向上効果、コストおよび生産効率の点などから銅が好ましく用いられる。また、この金属アンカー蒸着層は金属の窒化物など放電ガスとの生成物を目的が損なわれない範囲で含むことができる。
本発明において金属蒸着層の蒸着量は5〜1000ng/cm2の範囲が好ましい。蒸着量が5ng/cm以下の場合は、密着力の向上効果が不十分となることがある。一方、蒸着量が1000ng/cmを越える場合には処理速度が低下するために生産性が低下することがある。
無機酸化物層を構成する金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化錫、酸化インジウム合金および酸化珪素等を例示することができ、また金属窒化酸化物としては、酸化窒化珪素等を例示することができる。特に、ガスバリア性および生産効率の点などから、酸化アルミニウム、酸化珪素および酸化窒化珪素などの無機酸化物が好ましく用いられる。
無機酸化物層の膜厚は、用いられる無機物の種類や構成により適宜選択されるが、一般的には2〜300nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは3〜100nmの範囲であり、さらに好ましくは5〜50nmの範囲である。膜厚が300nmを超えると、特に金属酸化物層の場合にはそのフレキシビリティ(柔軟)性が低下し、製膜後(後加工工程等において)の折り曲げ、引っ張りなどの外力で、薄膜に亀裂やピンホール等を生じる恐れがあり、ガスバリア性が著しく損なわれることがある。また、無機物層の形成スピードが低下するため、生産性を著しく低下させることがある。一方、2nm未満の膜厚では、均一な膜が得られにくく、さらには膜厚が十分でないことがあり、ガスバリア性の機能を十分に発現することができないことがある。
本発明において無機酸化物層(A)上に形成されるポリウレタン系樹脂層を形成する目的で用いられるポリウレタン系樹脂は、下記(1)式および/または下記(2)式に示される骨格を構造中に含有するものであり、脂環族化合物および芳香族化合物のいずれであっても良い。
Figure 0005040491
上記(1)式に示される骨格を構造中に含むポリウレタン系樹脂は、芳香環同士の間にπ電子相互作用を生じ得る。また、電気陰性度の高い窒素原子を含むことからポリマー鎖間に水素結合をも形成し得る。一方、上記(2)式に示される骨格を構造中に含むポリウレタン系樹脂も、電気陰性度の高い窒素原子を含むことからポリマー鎖間に水素結合を形成し得る。さらに上記(1)式および上記(2)式に示される骨格は、比較的分子鎖が固い構造であり、該構造を含むポリウレタン系樹脂は、そのガラス転移温度が高く、熱寸法安定性に優れている。さらに前記に加えて、樹脂の凝集力、配向性が高いために塗膜にはガスバリア性が発現する。これらの樹脂特性から、無機酸化物層(A)上に設ける樹脂として好ましい。
上記(1)式および上記(2)式に示される骨格を構造中に含有するポリウレタン系樹脂には、前記のような特徴が見られ、これらの特徴は次のような観点からも本発明において好ましい態様である。
無機酸化物層(A)上に、ポリウレタン系樹脂層、金属蒸着層、および無機酸化物層(B)をこの順に形成したフィルムのガスバリア性を決定する因子としては、無機酸化物層(B)が形成される面、すなわちポリウレタン系樹脂層の表面粗さ、熱寸法安定性および結晶化度等が挙げられる。これらの因子は、ポリウレタン系樹脂層を形成するポリマー構造に起因する割合が低くない。例えば、熱寸法安定性や結晶化度は、ポリマーの凝集力および骨格構造に起因する。すなわち、構造中に水素結合、π電子相互作用あるいは静電的相互作用等の分子間相互作用可能な官能基、芳香環あるいは原子を含むポリマー鎖同士は、相互作用力を駆動力として強く凝集しようとする。その結果、凝集エネルギー密度と配向性は高まり、熱寸法安定性や結晶化度は向上する。

このような理由からポリウレタン系樹脂としては、上記(1)式および/または上記(2)式に示される骨格をその構造中に含有する脂環族化合物および香族化合物が好ましい。
ポリウレタン系樹脂は、一般的には、ジイソシアネート成分とジオール成分とのウレタン化反応から得られ、上記(1)式および上記(2)式に示される骨格構造は、ジイソシアネート成分あるいはジオール成分の少なくともいずれか一方に含まれていれば良く、その両方に含まれていても良い。さらに、アミン成分により鎖伸長反応あるいは架橋反応を行い得られたものを使用することができる。
ジイソシアネート成分には、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートおよび脂肪族ジイソシアネート等が含まれる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、m−またはp−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−、2,4′−又は2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、および4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート等が例示される。
芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネート(XDI)や、1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が例示される。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート;IPDI)、4,4′−、2,4′−または2,2′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、および1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(水添XDI)等が例示される。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−、2,3−または1,3−ブチレンジイソシアネート、および2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が例示される。
これらのジイソシアネート成分のうち、前述の理由から、上記(1)式および上記(2)式に示される骨格構造を含有する芳香族ジイソシアネートとしては、XDIおよびTMXDI等が好ましく、脂環族ジイソシアネートとしては、水添XDIが好ましい。
これらのジイソシアネート成分は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用することができる。さらに、必要に応じて、3官能以上のポリイソシアネートを併用することもできる。
ジオール成分には、低分子量のジオールからオリゴマーまで幅広いジオールが含まれる。ジオール成分としては、例えば、C2−12アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,3−または1,2−プロピレングリコール、1,4−、1,3−または1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−または1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオールおよび1,12−ドデカンジオール等)、ポリオキシC2−4アルキレングリコールなどのポリエーテルジオール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ペンタプロピレングリコール、ヘキサプロピレングリコール、ヘプタプロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコールおよびテトラブチレングリコール等)、芳香族ジオール(例えば、ビスフェノールA、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノンおよび1,3−または1,4−キシリレンジオールもしくはそれらの混合物等)、脂環族ジオール(例えば、水添ビスフェノールA、水添キシリレンジオール、シクロヘキサンジオールおよびシクロヘキサンジメタノール等)等が例示される。
これらのジオール成分のうち、上記(1)式および上記(2)式に示される骨格構造を含有するジオール成分としては、芳香族ジオールとしては1,3−または1,4−キシリレンジオールが、また脂環族ジオールとしては水添キシリレンジオールが例示される。
これらのジオール成分は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用することができる。さらに、必要に応じて、3官能以上のポリオールを併用することもできる。
また必要に応じて、鎖伸長剤や架橋剤としてジアミン成分を使用することができる。ジアミンとしては、例えば、ヒドラジン、脂肪族ジアミン(例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンおよびオクタメチレンジアミン等)、芳香族アミン(例えば、m−またはp−フェニレンジアミン、1,3−または1,4−キシリレンジアミンもしくはその混合物等)、脂環族ジアミン[例えば、水添キシリレンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミンおよびビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン等]が挙げられ、その他、2−ヒドラジノエタノール、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール等の水酸基を持つジアミン等も挙げられる。
これらのジアミン成分のうち、配向性、熱寸法安定性および結晶化度の観点から、通常、炭素数8以下の低分子量ジアミン成分、好ましくは炭素数6以下のジアミン、特に、ヒドラジン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−ヒドラジノエタノール、および2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール等が使用される。これらのジアミン成分は、単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。さらに、必要に応じて、3官能以上のポリアミン成分を併用することもできる。
前記の原料を用いて合成されるポリウレタン系樹脂の数平均分子量は、好ましくは800〜1,000,000、より好ましくは800〜200,000、さらに好ましくは800〜100,000程度の範囲から選択することができる。分子量を800以上にすることにより、ポリウレタン系樹脂により形成される塗膜は十分な強度を発現する。また、無機酸化物層(A)上にコーティングする場合、ポリウレタン系樹脂自身が凝集力を有しているため成膜が容易になる。一方、分子量を1,000,000以下にすることにより、溶剤中でもポリウレタン系樹脂の樹脂粘度が低く抑えられ、無機酸化物層(A)上へのコーティングなどの際の作業性が良好なものとなる。
ポリウレタン系樹脂層は、無機酸化物層(A)上にポリウレタン系樹脂をコーティングすることにより形成することができる。本発明のポリウレタン系樹脂層を形成するためのコーティング液の溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノールおよび水等を例示することができ、該コーティング液の性状としてはエマルジョン型および溶解型のいずれでも良い。
ポリウレタン系樹脂層を無機酸化物層上に形成する方法は特に制限されるべきものではなく、コーティングの手法としては、種々の方法を適用することができる。例えば、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法およびグラビアロールコーティング法等や、これらを組み合わせた方法を利用することができる。なかでも、グラビアロールコーティング法は、コーティング層形成組成物の安定性を増す理由で好ましい方法である。
ポリウレタン系樹脂層の乾燥後の塗布量は、好ましくは0.1〜2.0g/mの範囲であり、より好ましくは0.2〜1.0g/mの範囲である。ポリウレタン系樹脂層の塗布量が0.1g/m未満の場合には、膜切れやはじきなどの欠陥を生じ易く均一な樹脂膜を形成することが困難であり、ポリウレタン系樹脂層上に無機酸化物層を形成しても十分なガスバリア性が発現しないことがある。一方、ポリウレタン系樹脂層の塗布量が2.0g/mより大きくなると、十分に溶剤を蒸発させるためにコーティング時の乾燥条件を高温化し、長時間化する必要があること、フィルムにカール等の変形を生じやすくなること、および製造コストが高騰するというような問題点が生じることがある。
本発明において、コーティングにより無機酸化物層上にポリウレタン系樹脂層を形成して積層する場合において、コーティング液に使用する溶剤にもよるが、コーティング層を好ましくは70℃以上、より好ましくは90℃以上の温度で乾燥させることが好ましい。乾燥温度が70℃より低い場合には塗膜の乾燥が不十分となり、十分なガスバリア性を有するフィルムを得ることが困難となるだけでなく、残留溶剤を抱え込んだフィルムとなるため、包装材料、特に食品包装用材料としての使用には相応しくないことがある。また、乾燥のための熱処理時間は、乾燥温度と同様、短過ぎると乾燥が不十分なものとなるため、通常1秒以上、好ましくは3秒以上が好ましい。
本発明において無機酸化物層(B)上に形成される樹脂層は、少なくとも1種以上のポリオール系樹脂で構成されたものである。本発明において無機酸化物層(B)上に樹脂層を形成する目的では、ガスバリア性を有する各種樹脂材料を用いることができる。ただし、下記の観点からコート剤の性状としては水系コート剤であることが必要である。つまり、この樹脂層を形成するためのコート剤に含まれる希釈剤は、塗布時に無機酸化物層(B)に浸透し、ポリウレタン系樹脂層にまで到達する。その際、有機系溶剤を希釈剤として使用している場合には、その極性によってはポリウレタン系樹脂層を溶解あるいは膨潤させてしまうことがある。このような現象を生じると、無機酸化物層(B)には応力が働き、クラックやピンホールが発生し、ガスバリア性が低下するという事象を引き起こす。従って、この樹脂層を形成するためのコート剤は、その希釈溶剤が水である必要がある。
水系ガスバリアコート剤とするために用いることができる樹脂は、その溶解性あるいは分散技術から限られる。そのような樹脂としてはポリオール系樹脂であり、具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂などを例示でき、好ましい。これらの樹脂はその樹脂骨格中に無数に有するヒドロキシル基が水素結合を形成するために、非常に強く凝集し、高い酸素バリア性を有する。ただし、高湿度下においては酸素バリア性が低下するが、本発明においては2層の無機酸化物層をその構成中に含むために高湿度下にさらされた場合にも、酸素バリア性は十分に発現する。本発明においては水蒸気バリア性についてもより高い方が好ましく、そのような観点からはエチレンビニルアルコール系樹脂がより好ましい。
また、ポリオール系樹脂層を形成するポリオール系樹脂は1種あるいはそれ以上の樹脂の混合物であってもよい。混合物によりポリオール系樹脂層を形成する場合には、その含有比率の60重量%以上がポリビニルアルコール系樹脂あるいはエチレンビニルアルコール樹脂等のポリオール系樹脂であることが好ましい。含有比率が60重量%未満の場合には、塗膜中において樹脂の水素結合を駆動力とする凝集力が十分に働かず、またポリオール系樹脂以外の混合樹脂がガスバリア性の見地では可塑剤として作用するために、ガスバリア性が十分に発現しないことがある。また、ポリオール系樹脂は共重合体であっても良い。
続いて、ポリビニルアルコール系樹脂について説明する。本発明におけるポリビニルアルコール系樹脂とは、主鎖の構成成分として酢酸ビニルに代表されるビニルエステルの単位を40モル%以上含む重合体をけん化して得られる重合体のことを言う。この場合、酢酸ビニル以外のビニルエステル、例えば、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエステルを酢酸ビニルの代わりに用いても何ら差し支えない。本発明におけるポリビニルアルコール系樹脂のけん化度は、得られるポリビニルアルコール系樹脂組成物のバリア性をより高度に引き出せるという点から、けん化前に存在していたエステル基に対するけん化されたエステル基のモル比で表して、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、97%以上がさらに好ましく、98%以上が最も好ましい。本発明におけるポリビニルアルコール系樹脂の粘度平均重合度は特に規定されるものではないが、機械的特性および該樹脂組成物を成形する際の作業面などの面から、けん化後の重合度が200〜2500の範囲であることが好ましく、300〜2000の範囲であることがより好ましい。
続いて、エチレンビニルアルコール系樹脂について説明する。本発明におけるエチレンビニルアルコール系樹脂とは、エチレンと酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、三フッ化ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステルとを共重合し、けん化することにより得られる。具体的には、エチレン/酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン/ギ酸ビニル共重合体けん化物、エチレン/プロピオン酸ビニル共重合体けん化物、エチレン/安息香酸ビニル共重合体けん化物、エチレン/三フッ化酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン/ピバリン酸ビニル共重合体けん化物等を挙げることができる。また、必要に応じてエチレンおよびビニルエステル以外の重合可能なモノマーが5モル%以下共重合されていてもよい。
前記エチレンビニルアルコール系樹脂のエチレン含有量は、15〜65モル%、好ましくは20〜55モル%である。エチレン含有量が15モル%未満の場合、塗料の安定性が不十分となることがある。65モル%を越える場合には塗膜のガスバリア性が不十分となることがある。また、けん化度は、80モル%以上、好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは97モル%以上である。けん化度が80モル%未満の場合、樹脂の水素結合形成が不十分となり、その結果塗膜のガスバリア性が不十分となることがある。
また本発明において用いられるポリオール系樹脂を含有する塗料の性状としては、前記の通り水系ガスバリアコート剤であることが好ましい。水系コート剤であれば水溶性コート剤あるいは水分散性コート剤のいずれであっても良いが、一般にポリオール系樹脂の水に対する溶解性(常温において)はあまり高くなく、またその水溶液は高い粘度を示すことから、各種コーティング手法に対する適性が高いものではない。このような観点から、ポリオール系樹脂のコート剤としては、水分散性コート剤が好ましく、エチレンビニルアルコール系樹脂を主成分とするコート剤としては、住友精化株式会社製コート剤“セポルジョン”が例示できる。
ポリオール系樹脂層を無機酸化物層(B)上に形成する方法は特に制限されるべきものではなく、種々の方法を適用することができる。例えば、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法およびグラビアロールコーティング法等や、これらを組み合わせた方法を利用することができる。なかでも、グラビアロールコーティング法は、コーティング層形成組成物の安定性を増す理由で好ましい方法である。
ポリオール系樹脂層の乾燥後の塗布量は、好ましくは0.1〜2.0g/mの範囲であり、より好ましくは0.2〜1.0g/mの範囲である。ポリオール系樹脂層の塗布量が0.1g/m未満の場合には、膜切れやはじきなどの欠陥を生じ易く均一な樹脂膜を形成することが困難であり、無機酸化物層(B)上にポリオール系樹脂層を形成しても十分なガスバリア性が発現しないことがある。一方、ポリオール系樹脂層の塗布量が2.0g/mより大きくなると、十分に溶剤を蒸発させるためにコーティング時の乾燥条件を高温化し、長時間化する必要があること、フィルムにカール等の変形を生じやすくなること、および製造コストが高騰するというような問題点が生じることがある。
本発明において、コーティングにより無機酸化物層(B)上にポリオール系樹脂層を形成して積層する場合において、コート液に使用する溶剤にもよるが、コーティング層を好ましくは70℃以上、より好ましくは90℃以上の温度で乾燥させることが好ましい。乾燥温度が70℃より低い場合には塗膜の乾燥が不十分となり、十分なガスバリア性を有するフィルムを得ることが困難となることがある。また、残留溶剤を抱え込んだフィルムとなるため、包装材料、特に食品包装用材料としての使用には相応しくないことがある。また、乾燥のための熱処理時間は、乾燥温度と同様、短過ぎると乾燥が不十分なものとなるため、通常1秒以上、好ましくは3秒以上が好ましい。
本発明でポリウレタン系樹脂層およびポリオール系樹脂層を形成する目的で用いられるコート剤には、その特性を損なわない限りにおいて、熱安定剤、酸化防止剤、強化剤、顔料、劣化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤および滑剤などを添加してもよい。
熱安定剤、酸化防止剤および劣化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン類、硫黄化合物、銅化合物およびアルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物が挙げられる。
また、強化剤としては、例えば、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウィスカー、セラミックウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維および炭素繊維などが挙げられる。
本発明で用いられるコーティング液には、無機層状化合物を混合してもよい。無機層状化合物の好ましい例としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、バーミキュライト、フッ素雲母、白雲母、パラゴナイト、金雲母、黒雲母、レピドライト、マーガライト、クリントナイトおよびアナンダイト等を例示することができ、膨潤性フッ素雲母またはモンモリロナイトが特に好ましく用いられる。
これらの無機層状化合物は、天然に産するものであっても、人工的に合成あるいは変性されたものであっても良く、また、それらをオニウム塩などの有機物で処理したものであっても良い。
本発明のガスバリア性フィルムは、食品、医薬品および電子部品等の包装材料や工業材料に好適に用いられる。特に、食品および医薬品の包装材料には、内容物の変質を防ぐために、酸素透過率や水蒸気透過率の小さいフィルムが好適に用いられることから、本発明のガスバリア性フィルムは有用である。
次に、実施例を挙げて、具体的に本発明のガスバリア性フィルムについて説明する。実施例中で「部」とは、特に注釈のない限り「重量部」であることを意味する。
<特性の評価方法>
本発明で用いた特性の評価方法は、下記のとおりである。
(1)酸素透過率
温度23℃、湿度0%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置(機種名、“オキシトラン”(登録商標)(“OXTRAN ”2/20))を使用して、JIS K7126(2000年版)に記載のB法(等圧法)に基づいて測定した。また、2枚の試験片について測定を各々1回行い、2つの測定値の平均値を酸素透過率の値とした。
(2)水蒸気透過率
温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過率透過率測定装置(機種名、“パ−マトラン”(登録商標)W3/31)を使用してJIS K7129(2000年版)に記載のB法(赤外センサー法)に基づいて測定した。また、2枚の試験片について各々測定を1回行い、2つの測定値の平均値を水蒸気透過率の値とした。
(3)全光線透過率
直読式ヘイズメーター(スガ試験機製 HGM−20P)を用いてJIS K 7361(1997年版)の方法に基づいて測定した。また、5枚の試験片について各々1回の測定を行い、5つの測定値の平均値を全光線透過率の値とした。
(4)へイズ
直読式ヘイズメーター(スガ試験機製 HGM−20P)を用いてJIS K 7361(1997年版)の方法に基づいて測定した。また、5枚の試験片について各々1回の測定を行い、5つの測定値の平均値を全光線透過率の値とした。
(5)ポリウレタン系樹脂層の塗布量測定
ポリウレタン系樹脂層を設けたフィルムサンプルから、10cm×20cm(面積:0.2m)の試験片を切り出し、その重量を精密天秤で測定した。続いて、ポリウレタン系樹脂層面をメタノールを浸み込ませたウェスで拭き、樹脂コート層を膨潤させて剥がし取り、乾燥させた後、その重量を精密天秤で測定する。コート層拭き取り前後の重量差を算出し、面積換算することでポリウレタン系樹脂コート層の塗布量(g/m)を算出した。また、5枚の試験片について各々1回の測定を行い、5つの測定値の平均値をポリウレタン系樹脂層の塗布量とした。
(6)ポリオール系樹脂層の塗布量測定
ポリオール系樹脂コート層を設けたフィルムサンプルについて、透過型電子顕微鏡(日立製作所製H−7100FA型)にて断面写真を撮り、写真上で厚みを実測し、写真倍率で割り返し、実際の厚みを求めた。得られた塗膜厚みを樹脂の密度(g/cm)を用いて換算し、ポリオール系樹脂層の塗布量を算出した。また、5枚の試験片について各々1回の測定を行い、5つの測定値の平均値をポリウレタン系樹脂層の塗布量とした。
(ポリウレタン系樹脂コート液1の調整)
1,3−キシリレンジイソシアネート429.1部、ジメチロールプロピオン酸35.4部、エチレングリコール61.5部および溶剤としてアセトニトリル140部を混合し、窒素雰囲気下で70℃の温度で3時間反応させ、カルボン酸基含有ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次いで、このカルボン酸基含有ポリウレタンプレポリマー溶液を50℃の温度で、トリエチルアミン24.0部で中和させた。このポリウレタンプレポリマー溶液267.9部を、750部の水にホモディスパーにより分散させ、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール35.7部で鎖伸長反応を行い、アセトニトリルを留去することにより、固形分25重量%で前記(1)式に示される骨格構造を含有するポリウレタン樹脂1の水分散体を得た。このようにして得られたポリウレタン樹脂の水分散体1(10部)に希釈溶媒として水21.25部を添加し、30分間攪拌することにより固形分濃度20%のポリウレタン系樹脂コート液1を得た。
(ポリウレタン系樹脂コート液2の調整)
1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン439.1部、ジメチロールプロピオン酸35.4部、エチレングリコール61.5部および溶剤としてアセトニトリル140部を混合し、窒素雰囲気下で70℃の温度で3時間反応させ、カルボン酸基含有ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次いで、このカルボン酸基含有ポリウレタンプレポリマー溶液を50℃の温度で、トリエチルアミン24.0部で中和させた。このポリウレタンプレポリマー溶液267.9部を、750部の水にホモディスパーにより分散させ、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール35.7部で鎖伸長反応を行い、アセトニトリルを留去することにより、固形分25重量%で前記(2)式に示される骨格構造を含有するポリウレタン樹脂2の水分散体を得た。このようにして得られたポリウレタン樹脂の水分散体2(10部)に希釈溶媒として水21.25部を添加し、30分間攪拌することにより固形分濃度20%のポリウレタン系樹脂コート液2を得た。
(エチレンビニルアルコール(以下、EVOHとする)系樹脂コート液の調整)
EVOH系樹脂を水に分散させたコート剤である住友精化株式会社製“セポルジョン”(登録商標)VH100を10部(固形分濃度:15重量%)量り取り、希釈溶剤として水1.9部およびイソプロパノール0.6部を添加し、30分間攪拌することにより固形分濃度12%のEVOH系樹脂コート液を得た。
(実施例1)
一方の面がコロナ放電処理された厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ放電処理面側に巻き取り式の真空蒸着装置を使用して、1Paのプラズマ雰囲気においてイオン化させた酸素ガスを99.9%銅からなるターゲットにスパッタリングすることにより、平均厚み10ng/cmの銅蒸着層(アンカー層としての金属蒸着層)を形成した。次いで、アルミニウムを蒸着源に用いて抵抗加熱方式によりアルミニウムを蒸気化し、蒸気化したアルミニウムに対して酸素を供給する反応性蒸着法により銅蒸着層面に膜厚15nmの酸化アルミニウム層(無機酸化物層(A))を形成してガスバリア性フィルム1を得た。次に、酸化アルミニウム層面に、グラビア式コーターにて乾燥後の塗布量が0.8g/mとなるようにポリウレタン系樹脂コート液1を塗布してポリウレタン系樹脂層を形成してガスバリア性フィルム2を得た。続いて、ガスバリア性フィルム2のポリウレタン系樹脂層面側に、巻き取り式の真空蒸着装置を使用して、1Paのプラズマ雰囲気においてイオン化させた酸素ガスを99.9%銅からなるターゲットにスパッタリングすることにより、平均厚み10ng/cmの銅蒸着層(アンカー層としての金属蒸着層)を形成した。次いで、アルミニウムを蒸着源に用いて抵抗加熱方式によりアルミニウムを蒸気化し、蒸気化したアルミニウムに対して酸素を供給する反応性蒸着法により、銅蒸着層面に膜厚15nmの酸化アルミニウム層(無機酸化物層(B))を形成してガスバリア性フィルム3を得た。さらに、ガスバリア性フィルム3の酸化アルミニウム層面に、グラビア式コーターにて乾燥後の塗布量が0.5g/mとなるようにEVOH系樹脂コート液を塗布してポリオール系樹脂層を形成してガスバリア性フィルム4を得た。
(実施例2)
ポリウレタン系樹脂コート液1に替えて、ポリウレタン系樹脂コート液2を用いた以外は、実施例1と同様の方法でガスバリア性フィルム5を得た。
(比較例1)
一方の面がコロナ放電処理された厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ放電処理面側に実施例1に記載の方法に従い、酸化アルミニウム層を形成した東レフィルム加工株式会社製“バリアロックス”1011HG(ガスバリア性フィルム1)を比較例1とした。
(比較例2)
一方の面がコロナ放電処理された厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ放電処理面側に、実施例1に記載の方法に従い、酸化アルミニウム層およびポリウレタン系樹脂層を設けたガスバリア性フィルム2を比較例2とした。
(比較例3)
一方の面がコロナ放電処理された厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ放電処理面側に、実施例1に記載の方法に従い、酸化アルミニウム層、ポリウレタン系樹脂層、および酸化アルミニウム層をこの順で設けたガスバリア性フィルム3を比較例3とする。
(比較例4)
実施例1に記載の方法で作製したガスバリア性フィルム3の酸化アルミニウム層面に、グラビア式コーターにて乾燥後の塗布量が0.5g/mとなるようにポリウレタン系樹脂コート液1を塗布してガスバリア性フィルム6を得た。
(比較例5)
ポリウレタン系樹脂コート液1に替えて、(1)式および(2)式に記載の骨格構造を有さないポリウレタン系樹脂を含有する大日本インキ化学工業株式会社製“ハイドラン”(登録商標)AP−30Fを用いた以外は、実施例1と同様の方法でガスバリア性フィルム7を得た。
実施例1〜2および比較例1〜5の結果を、表1および表2に示す。
Figure 0005040491
Figure 0005040491
上記の各実施例と各比較例との比較から下記のことが分かる。
(実施例1~2と比較例1〜3の比較)
ポリエステルフィルムの片面に、酸化アルミニウム層、(1)式および/または(2)式で示される骨格を含有する樹脂で構成されたポリウレタン系樹脂層、酸化アルミニウム層およびEVOH系樹脂層をこの順に形成した実施例1および実施例2に記載のガスバリア性フィルム4およびガスバリア性フィルム5は、ポリエステルフィルムの片面に酸化アルミニウム層のみを形成した比較例1に記載のガスバリア性フィルム1、ポリエステルフィルムの片面に酸化アルミニウム層およびポリウレタン系樹脂層を形成した比較例2に記載のガスバリア性フィルム2、およびポリエステルフィルムの片面に酸化アルミニウム層、ポリウレタン系樹脂層および酸化アルミニウム層をこの順で形成した比較例3に記載のガスバリア性フィルム3と比較して、いずれも優れた酸素バリア性および水蒸気バリア性が発現した。
(実施例1と比較例4の比較)
ポリエステルフィルムの片面に、酸化アルミニウム層、(1)式および/または(2)式で示される骨格を含有する樹脂で構成されたポリウレタン系樹脂層、酸化アルミニウム層およびポリオール系樹脂層をこの順に形成した実施例1は、樹脂コート層をポリウレタン系樹脂コート液1を用いて形成した比較例4に記載のガスバリア性フィルム6と比較して、優れた酸素バリア性および水蒸気バリア性が発現した。
(実施例1〜2と比較例5の比較)
ポリエステルフィルムの片面に、酸化アルミニウム層、(1)式および/または(2)式で示される骨格を含有する樹脂で構成されたポリウレタン系樹脂層を形成した実施例1に記載のガスバリア性フィルム4および実施例2に記載のガスバリア性フィルム5は、(1)式および/または(2)式で示される骨格を含有しない樹脂で形成されたポリウレタン系樹脂層を形成した比較例5のガスバリア性フィルム7と比較して、優れた水蒸気バリア性が発現した。
上記の各実施例と比較例の結果から明らかなように、本発明のガスバリア性フィルムは、(1)式あるいは(2)式に示される骨格構造を含むポリウレタン系樹脂層を有さないガスバリア性フィルム、ポリウレタン系樹脂層上に酸化アルミニウム層を有さないガスバリア性フィルム、および酸化アルミニウム層上にポリオール系樹脂層を有さないガスバリア性フィルムのいずれよりも、酸素および水蒸気に対するバリア性が高いガスバリア性フィルムである。また同時に、本発明のガスバリア性フィルムは、表1に示す全光線透過率およびヘイズの評価結果からもわかる通り、優れた透明性をも兼ね備えたガスバリア性フィルムである。
本発明のガスバリア性フィルムは、食品包装用等として使用するガスバリア性フィルムに留まらず、医薬品および電子部品等の包装材料や工業材料として使用するなど、各種バリアフィルムに応用することができ有用である。

Claims (6)

  1. ポリエステル系樹脂フィルムの少なくとも片面に、無機酸化物層(A)、下記(1)式および/または下記(2)式で示される骨格を含有する樹脂で構成され、かつ塗布によって形成されたポリウレタン系樹脂層、金属蒸着層、無機酸化物層(B)、および少なくとも1種以上のポリオール系樹脂で構成されたポリオール系樹脂層がこの順に形成されたガスバリア性フィルム。
    Figure 0005040491
  2. 前記ポリエステル系樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレートである請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
  3. 前記ポリウレタン系樹脂層の乾燥後の塗布量が0.1〜2.0g/mの範囲である請求項1又は2に記載のガスバリア性フィルム。
  4. 前記ポリオール系樹脂層の乾燥後の塗布量が0.1〜2.0g/mの範囲である請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  5. 前記金属蒸着層を構成する金属が銅である請求項に記載のガスバリア性フィルム。
  6. 前記無機酸化物層(A)および/又は無機酸化物層(B)を構成する無機酸化物が酸化アルミニウム、酸化珪素および酸化窒化珪素からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物である請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
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