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JP4237529B2 - 光導波路型侵襲センサーチップ及びセンサーチップ包装方法 - Google Patents

光導波路型侵襲センサーチップ及びセンサーチップ包装方法 Download PDF

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育生 植松
可容子 大宮
一郎 東野
英雄 江藤
功 岸本
直忠 岡田
雅己 平田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体内の体液中に溶存する物質の量を測定するセンサーチップに関し、特に光導波現象を用いたセンサーチップに係わる。
【0002】
【従来の技術】
生体内の体液中に溶存する物質の量を測定する機器として、光導波現象を利用した平面光導波路型測定装置が知られている。この平面光導波路型測定装置は、基板表面に光が入射、放出される一対の回折格子を形成し、これら回折格子間に位置する基板表面に単一の光導波路層を形成し、更にこの光導波路層上に分子認識機能および情報変換機能を有する膜を形成した構造を有する。この平面光導波路型測定装置は、生体から注射器等で抽出した血液等を分子認識機能および情報交換機能を有する膜上に滴下した状態で、レーザ光を回折格子を通して光導波路層に入射させ、エバネッセント波を発生させ、光導波路層上の膜による血液等に含まれる生体分子との反応に起因するエバネッセント波の変化量を回折格子から放出される光を受光する受光素子により検出して、血液等に含まれる生体分子を分析するものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、逆侵襲作用(リバース・イオントフォレシス)を利用し、生体に傷をつけずに体液を抽出して、体液中に溶存する物質の量を測定する装置も考えられている。逆侵襲作用とは、生体に陽電極と陰電極を接触させ、その間に電界を印加することで、陰電極側の皮膚から体液が滲出してくるという作用である。更にこの滲出してきた体液に含まれるグルコースを酵素によって分解し、化学反応中に放出される電子の量を電流の変化として測定する酵素電極法を応用することで、グルコース量を測定する装置が開発されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−61346号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2000−227号公報
【0006】
【特許文献3】
特開2002−191582号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、平面光導波路型測定装置では、生体に傷をつけて、体液を抽出しなければならない。また酵素電極法を用いた装置では、生体に傷をつけないという点で改善されてはいるが、電子を放出させる化学反応には酸素が必要であるため、滲出してきた体液の溶存酸素量に結果が依存してしまう。また、従来のグルコースオキシダーゼ(GOD)を電極表面に固定した酵素電極法では、溶存酸素が消費されてしまえば測定を継続することはできない。
【0008】
本発明は、生体に傷をつけず、体液中の溶存酸素に制限されずに、体液中の極微量の特定の物質を分析することが可能な光導波路型侵襲センサーチップとセンサーチップ包装方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の特徴は、第1折り部と第2折り部を備える基板と、第1折り部に開けた第1孔を横断するように、第1折り部に接着した光導波路板と、第2折り部に開けた第2孔を覆い、折り曲げた時に第1孔を通して光導波路板に接触するように、第2折り部に接着したゲル層とを具備する光導波路型侵襲センサーチップであることを要旨とする。
【0010】
また、本発明の第2の特徴は、第1折り部と第2折り部を備える基板の表裏それぞれを包装シートで覆い、包装シートと第1折り部の周囲とをすべて圧着して第1密封セルを形成し、包装シートと第2折り部の周囲とをすべて圧着して第2密封セルを形成するセンサーチップ包装方法であることを要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。
【0012】
本発明の実施の形態に係る光導波路型侵襲センサーチップは、図1に示すように、第1折り部10aと第2折り部10bからなる基板10と、第1折り部10aに開けた第1孔20を横断するように接着した光導波路板12と、第2折り部10bに開けた第2孔21を覆い、折り曲げた時に第1孔20を通して光導波路板12に接触するように、第2折り部10bに接着したゲル層13とを具備する。
【0013】
基板10は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリスチレン又はポリプロピレン等からなる。光導波路板12は、例えばインジウム錫酸化物(ITO)、酸化タンタル(Ta25)、酸化チタン(TiO2)又はポリスチレン等からなるプレート上に、体液中に含まれる特定の物質と反応して発色現象を引き起こすために、酵素、触媒及び発色試薬を固定したものである。例えば、特定の物質がグルコースの場合、酸化酵素としてGOD等、触媒としてペルオキシダーゼ(POD)や白金(Pt)等、そして発色試薬としてN,N−ビス(2−ヒドロキシ−3−サルフォプロピル)トリジンジカリウム塩や、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジリデン等が利用可能である。酸化酵素反応により過酸化水素(H22)を発生させ、更に過酸化水素からPOD等によりラジカル酸素原子(O)が生成される。このラジカル酸素原子により発色試薬を発色させる。この反応を模式すると次式(1)、(2)、(3)のようになる。なお、右辺には本反応を理解するのに必要な事項のみを記載しており、生成される物質等のすべてを記載してはいない:
グルコース + 酸化酵素(GOD等)→ H22 ・・・・・(1)
22 + POD → O ・・・・・(2)
+ 発色試薬 → 発色 ・・・・・(3)
また、図示していないが、光導波路板12の両端の光入射部位と光出射部位には、回折格子を設ける。さらに、光導波路板12の表面は光を照射するために、取り扱い中に指紋等の汚れがつかないようにするのが好ましい。そのために、基板10との接着面と反対側の面に、光の透過路の幅(約1mm程度)だけ互いに隔てて、透過路に並行して2枚の接触防護板11が接着されるのが好ましい。
【0014】
一方、ゲル層13は、塩化ナトリウム等を含む含水ゲルであり、生体に接触し、電界を印加するときの陰極として働く。そして、電界を印加して滲出してくる体液を吸収する。
【0015】
また、基板10を折り曲げ易くするために、第1折り部10aと第2折り部10bとの境界線に折曲げ溝23を設けるほうがさらに好ましい。図2に示すように、基板10には折曲げ溝23を挟んで第1孔20と第2孔21が開けられている。そして第1孔20の下には基板10に接着された光導波路板12があり、第2孔21の上には基板10に接着されたゲル層13がある。さらに光導波路板12の第1孔20に面していない面には接触防護板11が接着されている。
【0016】
実際にセンサーとして使用する時には、図3に示すように、光導波路型侵襲センサーチップを折り曲げる。電源31の陰極を、光導波路板12の両側の第1孔20から表面に現れているゲル層13に接触させ、陽極に陽極板30を接続する。図4に示すように、ゲル層13の光導波路板12に接触していない面の下には第2孔21がある。この第2孔21を下向きにして光導波路型侵襲センサーチップを生体上に乗せると、皮膚にゲル層13が接触することになる。よって、陽極板30を皮膚の別の部位に接着させれば、ゲル層13と陽極板30の間に電界を印加することが可能となる。そして、逆侵襲作用によって、陰極側にあたるゲル層13に体液が滲出し、光導波路板12表面で前述した反応(1)〜(3)等によって発色反応が起こる。
【0017】
ここで、図3に矢印で示したように、光導波路板12にレーザ光L1を入射し、光導波路板12を透過して出射してくるレーザ光L2を測定する。このとき光導波路板12とゲル層13の接触面では、エバネッセント波が発生して、発色反応によって吸収されている。よって、入射したレーザ光L1と出射してくるレーザ光L2の光量の差から体液中に存在する特定の物質の濃度を割り出せる。
【0018】
光導波路型侵襲センサーチップの包装方法:
図5を参照しながら、包装された光導波路型侵襲センサーチップを作製するための手順を以下に説明する:
(イ) 基板10の表裏それぞれをポリエチレン・アルミニウムのラミネートシート等の包装シートで覆う:
(ロ) 包装シートと第1折り部10aの周囲とをすべて圧着して第1密封セル42を形成する:
(ハ) 包装シートと第2折り部10bの周囲とをすべて圧着して第2密封セル43を形成する
(ニ) ゲル層13の両端を基板10に接着するために、包装シートとゲル層13の両端とをさらに圧着し、ゲル圧着部14を形成する:
【0019】
最終的には、図5に斜線で示した圧着代41の部分によって、包装シートは基板10に張り付けられる。ここで、第1密封セル42内には、光導波路板12が封じられていて、接触防護板11をシリカゲル等の乾燥剤を含む部材にすることで、乾燥状態を保つことができる。一方、第2密封セル43内にはゲル層13が封じられていて、ゲルに含まれた水分をそのまま保つことができる。
【0020】
(ニ)において、ゲル圧着部14を設けたのは、開封した際に圧着代41のうちゲル圧着部14のみが残り、ゲル層13を基板10に固定しておくことができるからである。このため、ゲル層13を固定するのに接着剤等は不要となる。この場合、ゲル層13側のラミネートシート等は、基板10の表裏それぞれを覆った包装シートの一部を基板10から突出させて、表裏の包装シートを分離できるようにした開封部40から開封した時に、その開封方向に裂けるように方向性を持たせたものとすることが好ましい。
【0021】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る光導波路型侵襲センサーチップによれば、生体に電界を印加して、逆侵作用により、生体に傷をつけずに体液を抽出できるようになり、光導波現象により、体液中の特定の物質の濃度を測定できる。
【0022】
また、この光導波路型侵襲センサーチップは、安価な部材で作製できるため、低価格で提供することができ、利用者の負担を軽減できる。
【0023】
(その他の実施の形態)
本発明の実施の形態を説明するために各図において示した各部位の厚さや位置関係は、あくまでも例示であって、本発明の機能を実現するために限定したものでない。よって、本発明の機能が実現可能な範囲において、種々の各部位の厚さや位置関係が考え得ることは言うまでもない。既に述べた実施の形態の説明においては、第1折り部10aと第2折り部10bを強固に密着するための構造は図示していないが、折り曲げた際に第1折り部10aと第2折り部10bが密着するように、閉じ穴や互いにかみ合う鉤形状構造部等の密着用の細工を基板10に施してもよい。閉じ穴や鉤形状構造部の形や位置には様々なものがあるし、複数施すことも可能である。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。本発明の技術的範囲は上記の説明からだとうな特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、生体に傷をつけず、体液中の溶存酸素に制限されずに、体液中の極微量の特定の物質を分析することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光導波路型侵襲センサーチップの平面図である。
【図2】図1に示した光導波路型侵襲センサーチップの図1のI−Iにおける断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る光導波路型侵襲センサーチップを折り曲げた時の斜視図である。
【図4】図3に示した光導波路型侵襲センサーチップの図3のII−IIにおける断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る光導波路型侵襲センサーチップの包装した平面図である。
【符号の説明】
10…基板、10a…第1折り部、10b…第2折り部、11…接触防護板、12…光導波路板、13…ゲル層、14…ゲル圧着部、20…第1孔、21…第2孔、23…折曲げ溝、30…陽極板、31…電源、40…開封部、41…圧着代

Claims (7)

  1. 第1折り部と第2折り部を備える基板と、
    前記第1折り部に開けた第1孔を横断するように、前記第1折り部に接着した光導波路板と、
    前記第2折り部に開けた第2孔を覆い、折り曲げた時に前記第1孔を通して前記光導波路板に接触するように、前記第2折り部に接着したゲル層
    とを具備することを特徴とする光導波路型侵襲センサーチップ。
  2. 前記光導波路板の前記基板との接着面と反対面に、光の透過路の幅だけ互いに隔てて、前記透過路に並行して接着された2枚の接触防護板をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の光導波路型侵襲センサーチップ。
  3. 前記接触防護板が、乾燥剤を含むことを特徴とする請求項2に記載の光導波路型侵襲センサーチップ。
  4. 前記第1折り部と前記第2折り部との境界線に沿って折曲げ溝をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光導波路型侵襲センサーチップ。
  5. 前記基板の表裏それぞれを覆う包装シートと前記第1折り部の周囲とをすべて圧着し、前記光導波路板を封じる第1密封セルと、
    前記ゲル層の両端を前記包装シートによって前記基板に圧着するゲル圧着部と、
    前記包装シートと前記第2折り部の周囲とをすべて圧着し、前記ゲル層を封じる第2密封セル
    とをさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の光導波路型侵襲センサーチップ。
  6. 前記包装シートを開封する時に、前記包装シートの前記ゲル圧着部のみが前記基板に残るように開封されることを特徴とする請求項5に記載の光導波路型侵襲センサーチップ。
  7. 第1折り部と第2折り部を備える基板の表裏それぞれを包装シートで覆い、
    前記包装シートと前記第1折り部の周囲とをすべて圧着して第1密封セルを形成し、
    前記包装シートと前記第2折り部の周囲とをすべて圧着して第2密封セルを形成する
    ことを特徴とするセンサーチップ包装方法。
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