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JP4278251B2 - 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム - Google Patents

金属板ラミネート用ポリエステルフィルム Download PDF

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JP4278251B2
JP4278251B2 JP33437599A JP33437599A JP4278251B2 JP 4278251 B2 JP4278251 B2 JP 4278251B2 JP 33437599 A JP33437599 A JP 33437599A JP 33437599 A JP33437599 A JP 33437599A JP 4278251 B2 JP4278251 B2 JP 4278251B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に金属缶体のような、金属にラミネートして得られたラミネート金属板に絞り成形やしごき成形等の加工を施して使用される構成材料として有用なフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
飲食料の包装容器の一形態である金属缶は、機械的強度に優れ、密閉性にも優れることから内容物の長期保存が可能であり、また、内容物を高温で充填しそのまま密封したり、レトルト処理等の殺菌処理も容易に行えるため、包装容器としての安全衛生性に対する信頼性も高く、さらに、加温状態で内容物が保存できたり、使用後の缶体の分別・回収が比較的容易であるという多くの長所を有するため、近年、様々な種類の内容物が充填され多量に使用されている。
【0003】
飲食料用金属缶の内面及び外面には、内容物の風味を保つと同時に、金属缶素材の腐食を防止するため、あるいは缶外面の美粧性の向上、印刷面の保護等を目的として、従来より、熱硬化性樹脂を主成分とする溶剤型塗料が塗布されて使用されてきた(塗装缶)。
しかし、このような塗装缶においては、次のような問題がある。
(イ)内容物を充填、密封した後にレトルト処理等の加温処理を施すと、塗膜中の残存溶剤や未硬化物等の低分子量物質が内容物中に移行し、内容物の風味が著しく低下する。(フレーバー性に劣る)
(ロ)缶蓋部の小径化や缶体の薄肉化に伴い、これまで以上に塗膜の加工性や耐衝撃性が要求され、一方ではレトルト処理後に塗膜が白化したり、塗膜が剥離する等の問題に対する耐レトルト性が要求されるが、これらの性能を同時に満足させる塗膜を得ることが難しい。
(ハ)有機溶剤を多量に使用し、また、塗膜の乾燥、焼付けに多量の熱エネルギーが必要である。
【0004】
このような塗装缶に対して、最近、単層もしくは複層のプラスチックフィルムを金属板にラミネートしたフィルムラミネート金属板を用いて製造した金属缶(ラミネート缶)が注目されている。特に、ポリエステルフィルムは、機械的強度、加工性、耐熱性に優れ、ピンホールやクラック等が発生しにくく、内容物の風味が損なわれにくく(フレーバー性に優れる)、比較的安価であるという長所があり、積極的に実用化が進められている。
【0005】
プラスチックフィルムを金属板にラミネートする方法としては、プラスチックフィルム、あるいは金属板の少なくとも一方に予め接着層を設けておき、熱接着する方法や、熱接着性のプラスチックフィルムを用いて金属板とを熱圧着させる方法等がある。
前者の方法において、未硬化の熱硬化性樹脂を有機溶剤に溶解した溶液からなる接着剤を用いた場合には、前記の(イ)及び(ハ)の問題や、接着層とフィルムとの間に界面が生成するためラミネート金属板の加工性や、金属板より得られる缶の耐衝撃性に難がある。
一方、後者の方法を用いた場合には、上記の(イ)〜(ハ)の問題は解決し、金属缶の生産性も向上する。
たとえば、特開平2−305827号公報、特開平3−86729号公報、特公平7−35092号公報、特開平5−154971号公報、特開平5−156040号公報、特開平6−39979号公報、特開平7−207040号公報、特開昭64−22530号公報、特開平6−116374号公報、特公平7−80253号公報、特開平5−147647号公報、特開平7−195617号公報、特公昭57−23584号公報等には、熱圧着が可能なポリエステルフィルムが記載されており、また、特開昭60−170532号公報、特開平3−212433号公報、特開平5−92535号公報、特開平3−57514号公報、特開平3−101930号公報、特開昭58−220729号公報、特公昭57−22750号公報等には、熱圧着可能なポリエステルフィルムを用いてラミネート金属板及び高絞り比の金属缶体を製造する方法が記載されている。
【0006】
ところで、従来の金属板ラミネート用のポリエステルフィルムは熱圧着性を保持させる目的や、ラミネート金属板の加工性を向上させ、金属缶体の耐衝撃性を保持する目的から、他の成分を共重合したり配合することによってフィルムの結晶化度を低くすることがなされている。
しかしながら、従来の金属板ラミネート用ポリエステルフィルムを用いた場合には、レトルト処理等の高温処理の際にフィルム中の低分子量物が内容物に移行しやすく、内容物の風味が損なわれ、場合によっては内容物が変色するといった現象が発生したり、レトルト処理時にフィルムの結晶化が起こり、フィルムの剥離や、ミクロクラックが発生し、あるいは、球晶が生長してフィルムが白化するという種々の問題が発生し、改善が求められていた。また、種々提案されているポリエステルフィルムを用いても、得られる缶の耐衝撃性は十分でないという問題があった。
【0007】
これに対して、本発明者等は先に、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はこれを主体とするポリエステルと、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はこれを主体とするポリエステルより成る2軸延伸フィルムを用いることによって、これらの問題が解決されることを提案した(特開平9−194604号公報等)。
すなわち、このフィルムは高結晶化度であっても、比較的、低温で熱圧着でき、しかも得られたラミネート金属板は、フィルムが高結晶化度であっても加工性、成形性に優れる。しかしながら、昨今の生産性、経済性から求められる更なる低温での熱圧着性の改善や、ラミネート缶の耐衝撃性のさらなる向上が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の各種の問題を一挙に解決することを目的とするものであり、具体的には、(ア)機械的特性や耐熱性に優れ、(イ)高結晶化度であっても金属板との低温での熱圧着が可能であり、しかも、金属板に熱圧着する際の条件変動に対してラミネート金属板の品質の変化がしにくく、(ウ)これをラミネートして得られる金属板は、工程通過性(耐傷性)、加工性、成形性に優れ、高絞り比缶や絞りしごき缶の製造も可能であり、しかも、(エ)ラミネート缶にした場合に、耐レトルト性、フレーバー性、印刷性等に優れ、特に、製缶後の熱処理およびレトルト処理後の耐衝撃性に優れたフィルムを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、PET又はこれを主体とする融点が220℃以上のポリエステル(A)と、PBT又はこれを主体とするポリエステル(B)と、融点が140〜200℃の結晶性樹脂またはガラス転移温度が80〜180℃の非晶性樹脂(C)を特定量配合した樹脂組成物からなる複層フィルムを用いることにより、上記課題が解決され、特に製缶後の熱処理およびレトルト処理後の耐衝撃性が著しく改善されることを見出し本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
下記の樹脂成分(A)〜(C)から構成された複層フィルムであって、各層の樹脂組成が下記の条件(1)〜(6)を満足することを特徴とする金属板ラミネート用ポリエステルフィルム。
(A)ポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とする融点が220℃以上のポリエス
テル
(B)ポリブチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル
(C)融点が140〜200℃の結晶性樹脂、または、ガラス転移温度が80〜180℃の非晶性樹脂の少なくとも一種類以上よりなる樹脂
<第1層>
WA1/WB1=60/40〜10/90 (1)
WC1=1〜15 (2)
WA1+WB1+WC1=100 (3)
<第2層>
WA2/WB2=100/0〜50/50 (4)
WC2≦5 (5)
WA2+WB2+WC2=100 (6)
ただし、各層のWA、WB、、WCは、樹脂A、B、Cの重量割合(重量部)を示す。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において用いられるポリエステル(A)は、テレフタル酸成分とエチレングリコール成分とを主成分として溶融重縮合反応、あるいは引き続いて固相重合されたものであり、極限粘度は0.50〜0.90dl/g、さらには0.55〜0.80dl/gであることが好ましい。極限粘度が0.50dl/g未満では、実用に供することのできる機械的強度を有したフィルムを得ることが難しく、極限粘度が0.90dl/gを超えるとフィルムの金属板への熱圧着性が損なわれる場合がある。
【0012】
ポリエステル(A)としては、融点が220℃以上である必要があるが、本発明の効果を損なわない範囲で適宜他の成分を共重合してもよい。
共重合成分としての酸成分としては、イソフタル酸、(無水)フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、(無水)コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、炭素数20〜60のダイマー酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、(無水)シトラコン酸、メサコン酸等の脂肪族ジカルボン酸、(無水)ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環族ジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸、ε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸や、(無水)トリメリット酸、トリメシン酸、(無水)ピロメリット酸等の多官能カルボン酸を挙げることができる。
また、共重合成分としてのアルコール成分としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール等の脂環族ジオール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物等の芳香族ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコール等を挙げることができる。
これらの共重合成分は、PETの有する優れた特性を損なわない範囲、具体的には、235〜256℃の範囲となるように選択されることが望ましい。
【0013】
ポリエステル(A)の製法としては公知の方法を適用することができる。
たとえば、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその低重合体の存在するエステル化反応槽に、テレフタル酸とエチレングリコール及び必要に応じて他の共重合成分のスラリーを連続的に供給し、温度250℃で3〜8時間程度反応させて、エステル化反応率95%付近のエステル化物を連続的に得る。次いで、これを重合缶に移送し、二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン等の触媒の存在下に、1.3hPa以下の減圧下、温度250〜280℃で所望の極限粘度のポリエステルが得られるまで溶融重縮合反応を行えばよい。また、引き続き、不活性雰囲気下、あるいは、減圧下、150〜230℃で固相重合反応を実施してもよい。
【0014】
本発明におけるポリエステル(B)は、テレフタル酸成分と1,4−ブタンジオール成分とを主成分として溶融重縮合反応、あるいは引き続いて固相重合されたものであり、極限粘度が0.60〜2.0dl/g、さらには0.80〜1.6dl/gであることが好ましい。
極限粘度が0.60dl/g未満では、実用に供することのできる機械的強度を有したフィルムを得ることが難しく、2.0dl/gを超えると、フィルムの熱圧着性が損なわれる場合がある。
【0015】
また、ポリエステル(B)としては、本発明の効果が損なわれない範囲で適宜ポリエステル(A)と同様の他の成分を共重合したものでよい。これらの共重合成分は、PBTの有する優れた特性を損なわない範囲、具体的には、ポリエステル(B)の融点が210〜223℃の範囲となるように選択されることが望ましい。
【0016】
ポリエステル(B)の製法としては公知の方法を適用することができる。
たとえば、ジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオール及び必要に応じて他の共重合成分とをエステル交換反応槽に仕込み、温度230℃で5時間程度反応させて、エステル交換反応率95%付近のエステル化物を得る。
次いで、これを重合缶に移送し、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の触媒の存在下に、1.3hPa以下の減圧下、温度220〜250℃で所望の極限粘度のポリエステルが得られるまで溶融重縮合反応を進めればよい。また、ポリエステル(A)と同様にして固相重合反応を実施してもよい。
【0017】
本発明のフィルム成分には、融点が140〜200℃の結晶性樹脂、または、ガラス転移温度が120〜180℃の非晶性樹脂の少なくとも一種類以上を含有することが必要である。
融点が140〜200℃の結晶性樹脂としては、共重合ポリエステル、ナイロン11、ナイロン12やナイロン6/66、6/610、66/610、6/12、66/12等のポリアミド、ポリアセタール、ポリメチルペンテン等を挙げることができる。
また、ガラス転移温度が80〜180℃の非晶性樹脂としては、共重合ポリエステル、共重合ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド及びこれらと、たとえばポリスチレン等とのブレンド物を例示することができる。
これらの樹脂は単一あるいは2種以上を使用することができる。
【0018】
本発明における成分(C)は、成分(A)、(B)に対して実質的に非相溶性であることが好ましい。成分(A)、(B)と相溶する場合には、熱圧着性は向上するが、耐レトルト性やフレーバー性が低下する場合がある。
【0019】
非晶性ポリアミドとしては、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等から成るジカルボン酸と、1,6−ヘキサメチレンジアミン、トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシレンメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−ジシクロヘキシレンメタン、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシレンプロパン、イソホロンジアミン等からなるジアミン、さらにはε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等の環状アミドモノマー等から構成されているものが好ましく、具体的には次のような共重合体を例示できる。
(a)テレフタル酸、トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン
(b)イソフタル酸、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−ジシクロヘキシレンメタン、ω−ラウロラクタム
(c)アジピン酸、アゼライン酸、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシレンプロパン
(d)テレフタル酸、イソフタル酸、1,6−ヘキサメチレンジアミン
【0020】
本発明において、第1層の樹脂成分(A)〜(C)の配合割合は下記の条件(1)〜(3)を満足しなければならない。
WA1/WB1=60/40〜10/90 (1)
WC1=1〜15 (2)
WA1+WB1+WC1=100 (3)
ただし、WA1、WB1、WC1は、樹脂A、B、Cの重量割合(重量部)を示す。
【0021】
ポリエステル(A)とポリエステル(B)との配合割合は重量比で60/40〜10/90、好ましくは、50/50〜10/90である。ポリエステル(A)の配合割合が60重量部を超えると熱圧着性が低下する場合があり、また、10重量部未満では金属との密着性や成形性が低下する。
【0022】
成分(C)の含有率が1重量部未満の場合には金属への熱圧着性が低下し、15重量部を超えるとフィルムの機械的性質が低下する。
【0023】
本発明において、第2層の樹脂成分(A)〜(C)の配合割合は下記の条件(4)〜(6)を満足しなければならない。
WA2/WB2=100/0〜50/50 (4)
WC2≦5 (5)
WA2+WB2+WC2=100 (6)
ただし、WA2、WB2、WC2は、樹脂A、B、Cの重量割合(重量部)を示す。
【0024】
第2層のポリエステル(A)とポリエステル(B)との配合割合は、ポリエステル(A)の配合割合が50重量部以上であることが必要であり、60/40〜90/10が特に好ましい。ポリエステル(A)が50重量部未満の場合には製缶後の熱処理やレトルト処理後の耐衝撃性が低下する。
【0025】
第2層の成分(C)は5重量%以下の範囲で配合されるが、1〜5重量%配合することが好ましい。成分(C)を1〜5重量%配合することにより、成形時の滑り性、耐傷性に優れたフィルムを得ることができる。しかし、配合比が5重量%を超えると耐衝撃性に悪影響を及ぼし始める。
【0026】
本発明において、第1層と第2層中のPETの配合割合は下記式を満足することがさらに好ましい。
WA1+70≧WA2≧WA1+20
【0027】
ポリエステル(A)とポリエステル(B)は熱特性、結晶特性が異なるため、フィルムを延伸した時の歪-応力特性や配向結晶特性(以下、延伸特性という)が大きく異なる。このような延伸特性が大きく異なる樹脂からなる複層フィルムを延伸した場合には、層間で歪応力に差が生じ、界面の強度が低下するために耐衝撃性が低下する。また、熱収縮率も異なるために、フィルムのカールや熱処理時の収縮段差の発生等、新たな問題が生じる可能性がある。このような問題の発生を未然に防止するためには、第1層と第2層中のPETの配合割合が上記の式を満足することが好ましく、WA1+50≧WA2≧WA1+20を満足することがさらに好ましい。
【0028】
本発明の複層フィルムの構成としては、樹脂成分(A)〜(C)の配合割合が下記式(12)〜(14)を満足する第3層を、第1層の反対側に第2層を挟んでさらに積層することも好ましい形態である。
WA1/WB1=60/40〜10/90 (12)
WC1=1〜15 (13)
WA1+WB1+WC1=100 (14)
第3層の(A)〜(C)の配合割合は、第1層と同一でも、また、異なっていてもよい。
【0029】
本発明の複層フィルムにおいては、第2層の層の厚みが複層フィルム全体の厚みに対して50%以上、さらには、60%以上であることが好ましい。
第2層の厚みが50%以下ではフィルムの耐衝撃性が低下する場合がある。
【0030】
本発明においては、示差走査熱量(DSC)分析で得られるフィルムの熱特性のうち、フィルム中の樹脂組成物の結晶部分に由来する融解熱の和(ΔHm)が25〜48J/g、さらには、28〜45J/gであることが好ましい。
フィルムを構成する成分、すなわち、結晶性樹脂であるポリエステル(A)及び(B)はエステル交換反応等によりある程度相溶化するが、過度に相溶化すると結晶化速度が遅くなりフィルム自体の結晶化度が低くなる。また、成分(C)の種類を選択することによってもフィルムの結晶化度を調整することができる。
ΔHmが25J/g未満の場合には、フレーバー性が低下したり、レトルト処理時にフィルムが白化する場合があり好ましくない。また、48J/gを超えると、フィルムの熱圧着性及び金属板との接着性が低下し、ラミネート金属板を缶体に成形加工する際にフィルムにミクロクラックが発生したり、フィルムと金属が剥離してしまうことがある。
【0031】
また、本発明におけるフィルムのDSC分析で得られる熱特性が下記式(11)を満足することが好ましい。
T80−T20≧30(℃) (11)
ただし、T80は融解熱を積算した値(ΔHm)の80%に相当する温度、T20は同じくΔHmの20%に相当する温度を示す。
式(11)の値は、樹脂の種類や配合比、相溶性の程度によって変化し、上式を満足しない場合は、フィルムの耐熱性が十分ではなく、製缶後に施される印刷やトップコート剤塗布後の乾燥、焼き付け熱処理によってフィルムが収縮したり、剥離したりする場合がある。式(11)で示される温度差は33℃以上であることが特に好ましい。
【0032】
本発明の金属板ラミネート用ポリエステルフィルムは、たとえば次のような方法によって製造できる。
すなわち、各層を構成する樹脂組成物を別々の押出機を用いて溶融し、フィードブロック法により重ね合わせてダイスより押し出す方法や、溶融した樹脂組成物をマルチマニホールドダイス中で重ね合わせて押し出す方法や、両方法を組み合わせた方法等を用いて未延伸シートを得る。
次に、この未延伸シートをフラット式もしくはチューブラー式の公知の方法により、縦方向および横方向に延伸することにより得られる。
本発明において規定した熱特性を有し、厚みムラの少ないフィルムを製造するためにはフラット式が好ましく、延伸方法としては逐次多段または同時二軸延伸法が好ましい。
【0033】
具体的なフィルムの製造方法としては、成分(A)、(B)、(C)を混合して、押出温度230〜280℃で溶融混合し、Tダイよりシート状に押出し、これを40℃以下に温度調節されたキャスティングロール上に密着させて急冷し、所望の厚みの未延伸シートを得る。
この場合、ポリエステル(A)、(B)のエステル交換を促進させるために、単軸あるいは2軸押出機を用いて、250〜280℃であらかじめ溶融混合してもよい。
【0034】
次に、未延伸シートをクリップで両端を把持してシート上下面より60〜120℃の熱風を吹付けて予熱し、70〜130℃の雰囲気下で縦及び横方向にそれぞれ1.5〜5倍程度に二軸延伸する。
その後、縦方向及び、または横方向の弛緩率を数%として、80〜220℃で数〜十数秒間熱処理してフィルムを熱固定した後、室温まで冷却し、20〜300m/minの速度で巻き取って所望の厚みのフィルムとする。
予熱、延伸温度が低すぎると、延伸応力が高くなり、ネッキングが発生して安定してフィルムを製造できないか、均一なフィルムを得ることができない。予熱、延伸温度が高すぎると、溶断したり、フィルムの結晶化が進んで均一な延伸ができない。また、熱固定温度が80℃未満の場合にはその目的を達成することはできず、220℃を超えると、金属板との熱圧着性が低下することがある。
【0035】
延伸後の熱処理方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、延伸フィルムに熱風を吹き付ける方法、延伸フィルムに赤外線を照射する方法、延伸フィルムにマイクロ波を照射する方法等が挙げられるが、均一に精度良く加熱できる点で、延伸フィルムに熱風を吹き付ける方法が好適である。
また、特公昭35−11774号公報、特公昭43−5557号公報等に開示されているような、延伸工程から熱固定工程の中間に熱緩衝帯を設けてもよい。
【0036】
本発明のフィルムには、平均粒径2.5μm以下のシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム等の無機滑剤、もしくはシリコーン粒子、フッ素化ポリエチレン(テフロン)粒子やビニル系モノマーから成る3次元架橋粒子等の有機滑剤から選ばれた1種もしくは2種以上を添加してフィルム表面にスリップ性を付与させ、フィルム製造時や金属板との熱圧着時の工程通過性を改善させることができる。
しかし、無機滑剤のみを添加した場合には、製缶時等にかえって滑剤が起点となってフィルムに傷を発生させてしまうことがある。また、有機滑剤を配合すると金属との接着性を低下させて、特に低温ラミネート性に悪影響を与えることがある。従って、これらの滑剤は必要最低限の量を使用することが好ましい。
本発明では、フィルムに炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、シリコーン等を5〜50重量%配合してフィルムに隠ぺい性を付与し、金属缶体の外観や印刷性を向上させることができる。また、必要に応じて、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤等を含有させることもできる。
【0037】
本発明のフィルムの厚みは、通常、5〜100μm、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは10〜25μmである。
厚みが5μm未満では加工時に破れ等が生じ易くなり、100μmを超えても過剰品質となり不経済である。
【0038】
本発明のフィルムと金属板をラミネートする方法としては、金属板を予め所定温度まで予熱しておき、これとフィルムとを温度制御可能なロールによって圧接して熱圧着させた後、室温まで冷却することにより連続的に製造される。
金属板の加熱方法としては、ヒーターロール伝熱方式、誘導加熱方式、抵抗加熱方式、熱風伝達方式等があげられ、特に、設備費及び設備の簡素化を考慮した場合、ヒーターロール伝熱方式が好ましい。
また、ラミネート後の冷却方法については、水等の冷媒中に浸漬する方法や冷却ロールと接触させる方法を用いることができる。
本発明のフィルムの特徴を十分に発揮させるためには、フィルムと金属板をラミネートする際の金属板の温度は160〜270℃、ロール温度は金属板より30℃、さらには50℃以上低いことが好ましい。
【0039】
金属板としては、シート状又は帯状の鋼板及びアルミニウム板、あるいはそれらの表面に種々のメッキ処理や化成処理を施したものを例示することができる。特に表層にクロム水和酸化物皮膜を有したものはフィルムとの接着性が優れる。
特に、下層が金属クロム、上層がクロム水和酸化物の二層構造をもつティンフリースチール(TFS)が好ましく、さらに鋼板表面に錫、ニッケル、亜鉛、アルミニウム等の一種又は二種以上の複層メッキ、合金メッキを施し、その上層に上記の二層構造をもつ皮膜、あるいはクロム水和酸化物皮膜を形成させたもの、アルミニウムに電解クロム酸処理、浸漬クロム酸処理等を施し、表層にクロム水和酸化物皮膜を形成させたもの等を用いることができる。
【0040】
以上のようにして得られたラミネート金属板を用いることにより、耐熱性に優れ、レトルト処理のような高温処理が可能で、過酷な加工処理を施してもピンホールやミクロクラック、フィルムの剥離等の欠陥が発生し難く、しかもフレーバー性や耐食性、特に、製缶後の熱処理およびレトルト処理後の耐衝撃性に優れた金属缶体を製造することができる。
金属缶体としては、飲食料を充填して使用に供することができる形態にまで加工処理が施された金属容器及びその一部分、例えば巻き締め加工が可能な形状に成形された缶蓋も含まれる。
特に、厳しいネックイン加工が施される3ピース缶(3P缶)の缶胴部材や、絞りしごき加工によって製造される2ピース缶(2P缶)の缶胴部材として用いる場合に本発明のフィルムの優れた加工性が発揮される。
また、特開平3−57514号公報や特開平3−101930号公報に示された、実質的にしごき加工を施さずに絞り加工のみで胴高が10cm以上の缶体を製造する場合にも特に好適である。
本発明のフィルムを用いた金属缶体は、その優れた耐レトルト性、フレーバー性、耐食性から、コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶、各種加工食品等の内容物を充填する場合に適している。
【0041】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
なお、実施例及び比較例に用いた各特性値の分析方法、測定方法は下記の通りである。
【0042】
成分(A)、(B)の極限粘度〔η〕:
フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの等重量混合溶媒を用い、20℃で測定した。(単位はdl/g)
【0043】
フィルムの熱特性:
フィルムより10〜12mgの試料を採取し、パーキンエルマー社製DSC−7を用いて、昇温速度20℃/minの条件で、25℃から280℃まで昇温して測定した。
なお、各成分に由来する融点(Tm)は、それぞれの融解ピークのピークトップの温度とした。また、樹脂組成物の結晶部分に由来する融解熱(ΔHm)は、フィルムの熱固定処理に由来する吸熱、あるいは発熱ピークを勘案し、測定中に結晶化したことによる融解熱を除去して算出した。
また、T80及びT20はDSCチャートより求めた。
【0044】
フィルムの引張強度:
ASTM−D882に準じて、幅10mm、長さ10cmの試験片を用いて測定を行った。なお、フィルムの機械方向(MD)及びその直角方向(TD)にそれぞれ各10枚の試験片を採取して測定し、その平均値で表した。
【0045】
ラミネート性:
(ラミネート金属板の製造)
錫メッキを施した板厚0.19mm、板幅22cmのロール状の金属板を、ヒートロールにより所定温度に加熱し、その両面に幅20cmのロール状のフィルムを、表面温度が50℃に調整された1対のシリコーンロールを用いて、ライン速度20m/minの条件で連続的にラミネートした後、2sec後に氷水中に浸漬冷却してラミネート金属板を得た。なお、各フィルムについて、金属板の予備加熱温度を200℃、180℃の2水準でそれぞれラミネートを実施した。また、いずれの場合も、氷水中に浸漬して2sec後には、ラミネート金属板は、20℃以下に冷却されていることを確認した。
(ラミネート性)
各条件で得られたラミネート金属板から幅18mmの短冊状の試験片(ラミネート金属板の端部はラミネートせず、ラミネートされた部分がMD方向に8cm以上確保されるようにする)をTD方向に11枚切り出した。
次に、この試験片のフィルム面に、JIS Z−1522に規定された粘着テープを貼りつけ、島津製作所社製オートグラフで、10mm/ninの速度で180゜剥離試験を行い、その剥離強力を測定することにより、次の基準に従って接着性を評価した。
◎:10枚以上の試験片の剥離強力が300gf以上か、300gf以上でフィルムが 破断。
○:5枚以上の試験片の剥離強力が300gf以上か、300gf以上でフィルムが破 断。
△:剥離強力が300gf未満の試験片が7枚以上。
×:良好にラミネートされていないか、手で簡単にフィルムが剥がれる。
【0046】
耐熱性:
ラミネート性が◎〜△と評価されたラミネート金属板について、印刷、トップコート剤の焼き付け条件に準じて、230℃のオーブン中に5min間、水平に保ち、室温まで放冷した後、次の基準に従ってフィルムの外観を観察して耐熱性を評価した。
○:外観変化がなく、端部のフィルムの後退幅が平均して2mm以下。
△:外観変化はないが、端部のフィルムの後退幅が平均して2mmを超える。
×:フィルムに白化や発泡等の外観変化が認められる。
【0047】
成形性:
ラミネート金属板を用いて金属缶体を成形した後のフィルムの剥離、切れ、クラック等の損傷の有無を目視及び蛍光顕微鏡(倍率80倍)で観察し、次の基準に従って評価した。
○:缶体100個のうち、95個以上に損傷なし。
△:缶体100個のうち、80〜94個に損傷なし。
×:缶体100個のうち、21個以上に何らかの損傷が認められる。
【0048】
耐レトルト性:
金属缶体をオートクレーブ(トミー精工社製、BS−325)に入れ、125℃のスチーム中で30min、レトルト処理を施し、フィルムの外観について、白化、ウォータースポット(白い斑点)及び白粉(フィルム中のオリゴマーに由来)の発生状況を目視観察し、耐レトルト性の指標とした。
○:良好。
△:フィルム表面積の5%未満に何らかの変化がみられた。
×:フィルム表面積の5%以上に何らかの変化がみられた。
【0049】
耐食性:
缶体の成形性が○と評価された金属缶体について、それぞれ缶体10個に、食塩、リンゴ酸、クエン酸をそれぞれ3重量%溶解させた水溶液を充填し、密封後、60℃で2週間保存し、これを開缶して缶体内の錆の発生状況を次の基準に従って評価した。
○:目視ではほとんど錆が認められない。
△:錆が点在しており、その総面積がフィルム表面積の5%未満。
×:ほぼ全面に錆が発生しており、その総面積がフィルム表面積の5%以上。
【0050】
フレーバー性:
金属缶体に蒸留水を充填し、市販の206mm径および202mm径のアルミEO蓋を巻き締めてこれを密封し、上記と同様にしてレトルト処理を行った。
次に、室温まで十分冷却した後に、内容物をパネラー100人に試飲してもらい、におい、味覚等が蒸留水と違いがないかを判断してもらい、その結果を次の基準に従ってフレーバー性の指標とした。なお、アルミEO蓋は味覚試験に対して何ら悪影響は及ぼさないことが予め確認された。
○:両者の違いを感知した人数が5人未満。
△:両者の違いを感知した人数が5人以上20人未満。
×:両者の違いを感知した人数が20人以上。
【0051】
耐衝撃性:
金属缶体に3重量%の食塩水を充填し、市販の206mm径および202mm径のアルミEO蓋を巻き締めてこれを密封し、オートクレーブ(トミー精工社製、BS−325)に入れ、125℃のスチーム中で30minレトルト処理を施した缶50個を水平に固定して、これに30cmの高さから300gの剛球を落下させた。
次に、これを60℃で1週間保存し、これを開缶して缶体内の錆の発生状況を耐食性と同様にして評価した。
○:目視ではほとんど錆が認められない。
△〜○:錆が若干認められ、その総面積がフィルム表面積の1%未満
△:錆が点在しており、その総面積がフィルム表面積の5%未満。
×:ほぼ全面に錆が発生しており、その総面積がフィルム表面積の5%以上。
【0052】
(原料)
次に、実施例及び比較例において使用した樹脂原料を次に示す。
成分(A)
A−1:固相重合を施したPET、〔η〕0.78dl/g、Tm256℃。
A−2:固相重合を施したセバシン酸(SEA)5mol%共重合PET、〔η〕0.72l/g、Tm243℃。
A−3:イソフタル酸(IPA)8mol%共重合PET、〔η〕0.76dl/g、Tm236℃。
A−4:IPA20mol%共重合PET、〔η〕0.82dl/g、Tm209℃。
成分(B)
B−1:固相重合を施したPBT、〔η〕1.12dl/g、Tm223℃。
B−2:固相重合を施したIPA5mol%共重合PBT、〔η〕0.98dl/g、Tm218℃。
成分(C)
C−1:ナイロン12(ダイセル・ヒュルス社製、「ダイアミド」L1801)、Tm178℃。
C−2:結晶性ポリアミド(エムス社製、「グリロン」ELY2702)、Tm171℃。
C−3:非晶性ポリアミド(エムス社製、「グリルアミド」TR55)、Tg155℃。
C−4:ポリカーボネート(住友ダウケミカル社製「カリバー」200−13)、Tg143℃。
C−5:SEA20mol%共重合PBT、〔η〕0.95dl/g、Tm185℃
固相重合を施していない。
【0053】
実施例1
ポリエステル(A−1)35重量部、ポリエステル(B−1)60重量部、及び(C−1)5重量部とをドライブレンドし、第1の押出機より270℃で溶融押出した。
同様に,ポリエステル(A−1)を第2の押出機より280℃で溶融押出した。
溶融した2種の樹脂をマルチマニホールドダイス中で重ね合わせて、Tダイからシート状に押し出した。続いて、これを表面温度18℃に調節されたキャスティングロール上に密着させて急冷し、厚み120μmの未延伸シートを得た。
この未延伸シートの端部を、テンター式同時二軸延伸機のクリップで把持し、70℃の予熱ゾーンを走行させた後、温度90℃でMDに3.0倍、TDに3.5倍の倍率で同時二軸延伸した。次に、TDの弛緩率を5%として120℃で熱固定処理した後、室温まで冷却し、50m/minの速度で巻き取って、第1層の厚みが3μm、第2層の厚みが9μm、全厚みが12μmのフィルムを得た。
得られたフィルムをスリットし、幅20cmのロール状のフィルムを得た。
得られたフィルムの特性を表1に示す。
次に、前記した方法により、温度180℃でラミネートしたラミネート金属板を用い、ボディブランクに切断後、ロールフォーマーにより円筒状に成形し、溶接、ネックイン加工、トリミングを施し、市販のスチール製206mm径蓋を用いて巻き締めを行い、211mm径溶接缶(外径67mm、胴高さ100mm)を得た。
得られた金属缶体の性能を表1および表2に示す。
【0054】
実施例2〜11及び比較例1〜5
原料樹脂、配合比及びフィルムの製造条件を、表1および表2に示したように変更し、実施例1と同様にして各種フィルムを得た。
得られたフィルムを用いてラミネート金属板を製造し、次に実施例1と同様にして金属缶体を作製し、性能を評価した。
フィルムおよび金属缶体の性能を表1および表2に示す。
【0055】

【表1】
Figure 0004278251
【0056】

【表2】
Figure 0004278251
【0057】
表1より明らかなように、本発明のポリエステルフィルムは熱圧着性、耐熱性、缶成形性に優れており、また、これらのフィルムを用いて成形した金属缶体は、耐レトルト性、耐食性、フレーバー性、耐衝撃性に優れていた。
これに対し、比較例に示したポリエステルフィルムは、上記の特性をすべて満足するものが得られず、特に、金属缶体のレトルト処理後の耐衝撃性が劣るものであった。
【0058】
【発明の効果】
本発明よれば、(ア)機械的特性や耐熱性に優れ、(イ)高結晶化度であっても金属板と熱圧着可能であり、しかも、金属板に熱圧着する際の条件変動に対してもラミネート金属板の品質が変化し難く、さらには、低温でも熱圧着可能であり、(ウ)これをラミネートして得られるラミネート金属板はフィルムが高結晶化度であっても加工性や成形性に優れ、高絞り比缶の製造も可能であり、しかも、(エ)ラミネート缶にした場合に、フレーバー性や耐レトルト性、耐食性、印刷性等に優れ、特に、製缶後の熱処理およびレトルト処理後の耐衝撃性に優れたフィルムを提供することができる。

Claims (7)

  1. 下記の樹脂成分(A)〜(C)から構成された複層フィルムであって、各層の樹脂組成が下記の条件(1)〜(6)を満足することを特徴とする金属板ラミネート用ポリエステルフィルム。
    (A)ポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とする融点が220℃以上のポリエス
    テル
    (B)ポリブチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル
    (C)融点が140〜200℃の結晶性樹脂、または、ガラス転移温度が80〜180℃の非晶性樹脂の少なくとも一種類以上よりなる樹脂
    <第1層>
    WA1/WB1=60/40〜10/90 (1)
    WC1=1〜15 (2)
    WA1+WB1+WC1=100 (3)
    <第2層>
    WA2/WB2=100/0〜50/50 (4)
    WC2≦5 (5)
    WA2+WB2+WC2=100 (6)
    ただし、各層のWA、WB、、WCは、樹脂A、B、Cの重量割合(重量部)を示す。
  2. 第2層の厚みがフィルム全体の厚みの50%以上であることを特徴とする請求項1記載の金属板ラミネート用ポリエステルフィルム。
  3. WA1+70≧WA2≧WA1+20を満足する請求項1または2記載の金属板ラミネート用ポリエステルフィルム。
  4. 樹脂成分(A)〜(C)が下記の条件を満足する第3層を第1層の反対側に第2層を挟んで積層してなる請求項1〜3のいずれかに記載の金属板ラミネート用ポリエステルフィルム。
    <第3層>
    WA3/WB3=60/40〜10/90
    WC3≦15
    WA3+WB3+WC3=100
  5. 第2層の樹脂組成が下記条件(7)〜(10)を満足する請求項1〜4のいずれかに記載の金属板ラミネート用ポリエステルフィルム。
    WA2/WB2=90/10〜60/40 (7)
    WC2≦5 (8)
    WA1+50≧WA2≧WA1+20 (9)
    WA2+WB2+WC2=100 (10)
  6. 樹脂成分(C)がポリアミドであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属板ラミネート用ポリエステルフィルム。
  7. 下記式(11)を満足することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の金属板ラミネート用ポリエステルフィルム。
    T80−T20≧30(℃) (11)
    ただし、T80は融解熱を積算した値(ΔHm)の80%に相当する温度、T20は同じくΔHmの20%に相当する温度を示す。
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