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JP4261075B2 - 炭素繊維束 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化複合材料の強化材として使用される炭素繊維束に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化複合材料の強化材として、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等が使用されている。中でも、炭素繊維は、比強度、比弾性率、耐熱性、耐薬品性等に優れ、航空機用途、ゴルフシャフト、釣り竿等のスポーツ用途、一般産業用途の繊維強化複合材料に使用されている。このような繊維強化複合材料は、例えば、以下のようにして製造される。
【0003】
まず、ポリアクリロニトリル系重合体の単繊維を数千から数万本束ねた前駆体繊維束を、耐炎化工程(焼成工程)にて空気などの酸化性気体中、200〜300℃の温度で焼成して耐炎繊維束を得る。次いで、炭素化工程(焼成工程)にて、不活性雰囲気中、300〜2000℃の温度で耐炎繊維束を炭素化して炭素繊維束を得る。そして、この炭素繊維束を、必要に応じてクロス等に加工した後、これに合成樹脂を含浸させ、所定形状に成形することにより繊維強化複合材料を得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
炭素繊維束の製造に用いられる前駆体繊維束には、焼成工程において繊維束がばらけて、繊維束を構成する単繊維が隣接する繊維束に絡まったり、ローラに巻き付いたりしないように、高い集束性が要求される。
そのため、集束性の高い前駆体繊維束から得られる炭素繊維束は、生来のその集束性の高さのためばらけ性が悪く、樹脂が含浸しにくいなどの問題を有していた。
【0005】
また、炭素繊維束を製織して得られるクロスは、樹脂を含浸する際に、空気を内包することなく樹脂を均一に含浸できるように、炭素繊維束の幅にむらがなく、かつ単繊維が均一にばらけたような外観品位の高いクロスとする必要がある。
しかしながら、集束性の高い炭素繊維束から得られるクロスは、単繊維が均一にばらけにくく、その結果、クロス品位が劣るという問題を有していた。
【0006】
よって、本発明の目的は、集束性、樹脂含浸性および得られるクロスのクロス品位を同時に満足し、かつ強度が高い炭素繊維束を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の炭素繊維束は、複数の炭素繊維の単繊維からなる炭素繊維束において、単繊維の繊維断面の長径と短径との比(長径/短径)が、1.05〜1.6であり、ICP発光分析法によって測定されるSi量が、50ppm以上であり、単繊維束の表面に単繊維の長手方向に延びる複数の皺を有し、単繊維の円周長さ2μmの範囲で最高部と最低部の高低差が、80nm以上210nm以下であり、JIS L 1013に準拠して測定される引掛強さにおいて、断面積1mm 2 として換算した強さが731N以上であることを特徴とする。
【0008】
また、炭素繊維束のストランド強度は、380kgf/mm2 以上であることが望ましい。
また、炭素繊維束のフックドロップ値は、300mm以下であることが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における炭素繊維束とは、アクリロニトリル系重合体、ピッチ等の単繊維を束ねた前駆体繊維束(トウ)を焼成したもののことである。
本発明の炭素繊維束を構成する単繊維の繊維断面の長径と短径との比(長径/短径)は、1.05〜1.6であり、好ましくは、1.10〜1.4であり、より好ましくは1.15〜1.30である。長径/短径比がこの範囲内にあれば、集束性および樹脂含浸性を同時に満足し、かつ強度が高い炭素繊維束となる。長径/短径比が1.05未満では、単繊維間の空隙が減少し、得られる炭素繊維束の樹脂含浸性が悪くなる。長径/短径比が1.6を超えると、繊維束の集束性が低下するため、炭素繊維束を製造する際の焼成工程通過性が悪化し、炭素繊維束を安定して得ることができなくなる。また、繊維断面が不均一化するため、ストランド強度および引掛強さが低下する。
【0010】
ここで、単繊維の繊維断面の長径と短径との比(長径/短径)は、以下のようにして決定される。
内径1mmの塩化ビニル樹脂製のチューブ内に測定用の炭素繊維束を通した後、これをナイフで輪切りにして試料を準備する。ついで、該試料を繊維断面が上を向くようにしてSEM試料台に接着し、さらにAuを約10nmの厚さにスパッタリングしてから、PHILIPS社製XL20走査型電子顕微鏡により、加速電圧7.00kV、作動距離31mmの条件で繊維断面を観察し、単繊維の繊維断面の長径および短径を測定し、長径÷短径で長径/短径の比率が決定される。
【0011】
本発明の炭素繊維束のSi量は、50ppm以上であり、好ましくは80〜1000ppmの範囲であり、より好ましくは100〜800ppmの範囲である。Si量がこの範囲内にあれば、集束性とクロス品位とを同時に満足し、かつ強度が高い炭素繊維束となる。Si量が50ppm未満では、繊維束の集束性が低下するため、炭素繊維束を製造する際の焼成工程通過性が悪化し、炭素繊維束を安定して得ることができなくなる。また、ストランド強度も低下する。一方、Si量が多くなりすぎると、得られる炭素繊維束がばらけにくくなり、クロス品位(ドレープ性)が悪くなる傾向にある。
【0012】
このSi量は、前駆体繊維束を製造する際に使用されるシリコン系油剤に由来するものである。ここで、Si量は、ICP発光分析装置を用いて測定することができる。測定は以下のように実施される。
試料を風袋既知の白金るつぼに入れ600〜700℃マッフル炉で灰化し、その重量を測定して灰分を求める。次に炭酸ナトリウムを規定量加え、バーナーで溶融し、DI水で溶解しながら50mlポリメスフラスコに定容する。本試料をICP発光分析法によりSiの定量を行う。
【0013】
本発明の炭素繊維束は、単繊維の表面に単繊維の長手方向に延びる複数の皺を有していることが好ましい。このような皺の存在により、炭素繊維束の樹脂含浸性がさらに向上し、これら製織したクロスの外観品位もさらに向上する。
このような皺の深さは、単繊維の円周長さ2μmの範囲で最高部と最低部の高低差によって規定される。高低差は、走査型原子間力顕微鏡(AFM)や走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて単繊維の表面を走査して表面形状を測定することができる。具体的には以下の通りである。
【0014】
炭素繊維の単繊維を数本試料台上にのせ、両端を固定し、さらに周囲にドータイトを塗り測定サンプルとする。原子間力顕微鏡(セイコーインスツルメンツ製、SPI3700/SPA−300)によりシリコンナイトライド製のカンチレバーを使用してAFMモードにて測定を行う。単繊維の2〜7μmの範囲を走査して得られた測定画像を二次元フーリエ変換にて低周波成分をカットしたのち逆変換を行い繊維の曲率を除去する。このようにして得られた平面画像の断面より、皺の深さを定量する。
【0015】
本発明の炭素繊維束における単繊維の表面の皺の深さは、好ましくは80nm以上であり、より好ましくは100nm以上であり、さらに好ましくは150nm以上である。皺の深さが80nm未満では、単繊維間の空隙が減少し、樹脂含浸性が悪くなる。また、単繊維が均一にばらけにくくなり、織布の外観品位が悪化する。一方、皺の深さが深くなりすぎると繊維束の集束性が低下し、炭素繊維束を製造する際の焼成工程通過性が悪化し、炭素繊維束を安定して得ることができなくなる。また、炭素繊維束の表面欠陥が増え、ストランド強度が低下する。さらに、単繊維間の摩擦が増加して、引掛強さが低下する傾向にある。
【0016】
本発明の炭素繊維束のストランド強度は、好ましくは380kgf/mm2 以上であり、より好ましくは400kgf/mm2 以上であり、さらに好ましくは420kgf/mm2 以上である。ストランド強度が380kgf/mm2 未満では、糸切れしやすくなるため、炭素繊維束を製造する際の焼成工程通過性が悪化し、炭素繊維束を安定して得ることができなくなる。また、この炭素繊維束を用いた繊維強化複合材料のコンポジット特性、例えば、繊維の長手方向の曲げ強度(FS0゜)などが低く十分な性能を発現しなくなる。
ここで、ストランド強度は、JIS R 7601に記載された試験法に準拠して測定される。
【0017】
本発明の炭素繊維束の引掛強さは、断面積1mm2 として換算した強さが450N以上であることが望ましい。より好ましくは500N以上であり、さらに好ましくは550N以上である。引掛強さが450N未満では、糸切れしやすくなるため、炭素繊維束を製造する際の焼成工程通過性が悪化し、炭素繊維束を安定して得ることができなくなる。
【0018】
ここで、引掛強さは、JIS−L 1013に記載された試験法に準拠して測定される。以下の測定方法について詳しく説明する。
図1のように、U字状の炭素繊維束1に、炭素繊維束2を引っ掛け、これをU字状にし、これら炭素繊維束1,2の交差部分から100mmの位置に、長さ25mmの掴み部3,4を取り付けて、試験体とする。試験体の作製の際、0.1×10-3N/デニールの荷重を掛けて炭素繊維束の引き揃えを行う。引張時のクロスヘッド速度は100mm/minで実施する。
【0019】
本発明の炭素繊維束のフックドロップ値(以下、FD値と記す)は、好ましくは350mm以下であり、より好ましくは、300mm以下であり、さらに好ましくは、250mm以下である。FD値が350mmを超えると、繊維束の集束性が低下するため、炭素繊維束を製造する際の焼成工程通過性が悪化し、炭素繊維束を安定して得ることができなくなる。一方、FD値が低くなりすぎると、単繊維が均一にばらけにくくなり、得られる織布(クロス)の外観品位が悪化する傾向にある。そのため、FD値の下限は、好ましくは20mmである。
【0020】
ここで、FD値は、以下の要領にて測定される。
まず、炭素繊維束を垂下装置の上部に取り付け、上部つかみ部から上方1mにおもりを取り付け、つり下げる。ここで用いるおもり荷重は、炭素繊維束目付け(g/m)の450倍相当とする。該繊維束の上部つかみから1cm下部の地点に該繊維束を2分割するようにフック(φ1mmのステンレス線材製、フックのR=5mm)を挿入し、フックを下降させる。該フックは総重量が15gとなるように重り付け調整している。フックが該繊維束の絡みによって停止した点までフックの下降距離を求める。試験回数は、N=50とし、その平均値をFD値とする。
【0021】
次に、本発明の炭素繊維束の製造方法について説明する。
本発明の炭素繊維束は、例えば前駆体繊維束としてアクリロニトリル系重合体の繊維束を用いた場合、以下のようにして製造することができる。
まず、湿式紡糸などによってアクリロニトリル系重合体の単繊維からなる前駆体繊維束を紡糸する。
ついで、複数の前駆体繊維束を平行に揃えた状態で耐炎化炉に導入し、200〜300℃に加熱された空気などの酸化性気体を前駆体繊維束に吹き付けることによって、前駆体繊維束を耐炎化して耐炎繊維束を得る。
ついで、この耐炎繊維束を炭素化炉に導入し、不活性雰囲気中、1200〜2000℃の温度で炭素化して炭素繊維束を得る。さらに、2000〜2800℃の温度で黒鉛化して高弾性炭素繊維束を得る。
【0022】
得られた炭素繊維束に、マトリックス樹脂との親和性を向上させる目的で表面酸化処理を施す。表面酸化処理法は、特に制限はなく気相酸化処理、溶剤酸化処理、あるいは電解酸化処理などにより実施される。
続いて、繊維の保護およびマトリックス樹脂との親和性向上の目的でサイジング処理を施す。サイジング処理は、ローラー浸漬法、ローラー接触法など一般に工業的に用いられている方法などによって行われる。
サイジング剤を付着した炭素繊維は、続いて乾燥処理され、サイジング剤を付着させる際に同時に付着したサイジング剤溶液に含まれていた水、あるいは有機溶媒などの除去が行われる。ここでの乾燥処理は、熱風、熱板、ローラー、各種赤外線ヒーターなどを熱媒として利用した方法などによって行われる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。
炭素繊維前駆体繊維束は、アクリルニトリル系重合体をジメチルアセトアミドに溶解し紡糸原液を調製し、湿式紡糸にて作製した。紡糸原液は、濃度50〜70重量%、温度30〜50℃のジメチルアセトアミド水溶液からなる第一凝固浴中に吐出させて凝固糸とした。次いで該凝固糸を濃度50〜70重量%、温度30〜50℃のジメチルアセトアミド水溶液からなる第2凝固浴中にて所定量の延伸を施し、さらに4倍以上の湿熱延伸を行い、炭素繊維前駆体繊維束を得た。炭素繊維前駆体繊維束の断面の長径と短径との比、皺の深さは、凝固浴濃度および温度、さらに延伸条件を変更することにより調整した。
【0024】
本実施例における炭素繊維前駆体繊維束および炭素繊維束の物性の測定、評価は、以下の方法によって行った。
(炭素繊維前駆体繊維束のSi定量)
炭素繊維前駆体繊維束のSi定量はICP発光分析装置を用いて実施した。まず、試料50mgをはさみで裁断し、密閉タイプの白金ルツボに入れ秤量した。続いて、NaOH、KOH混合粉体試薬を0.5g加え、試料と試薬を良く混合した。これらを210℃マッフル炉で2.5時間加熱処理を行い、マッフル炉から取り出して冷ました後、密閉型ボンベ内の白金ルツボを取り出した。
これらをDI水で溶解し100mlポリメスフラスコに定容して、ICP発光分析法でSiの定量を行った。
【0025】
(クロス品位)
クロスを構成する経糸と緯糸それぞれの炭素繊維束の幅を100点測定し、その変動率で評価をした。
【0026】
(樹脂含浸性)
離型紙に均一に薄く三菱レイヨン製マトリックス用エポキシ樹脂(#321)を塗布して得られた樹脂フィルム上に、製織したクロスを重ね、加熱加圧して樹脂を含浸させたクロスプリプレグを作製した。このときの樹脂含有率は40重量%とした。このクロスプリプレグを所定の大きさ(200mm×200mm)に裁断し、10枚重ねた後、鏡面仕上げ金属板に接触させ、オートクレーブ成型法により、平板のコンポジット成型品を作製した。成型平板の鏡面仕上げ金属板に接した面の欠陥部、たとえば残存空気により発生した小さな穴(ピンホール)を観察した。樹脂含浸性の優れた炭素繊維束より織られたクロスにおいて、この欠陥部が非常に少なく、場合により皆無になる。樹脂含浸性はこの欠陥点の数により評価を行った。
【0027】
[実施例1]
単繊維数が3000本であり、単繊維の長径/短径比が1.2であり、Si量が2200ppmであるアクリロニトリル系重合体の前駆体繊維束を用意した。
ついで、該前駆体繊維束を焼成し炭素繊維束を得た。焼成工程通過性は非常に安定していた。
ついで、炭素繊維束をたて糸およびよこ糸に用いて製織し、目付が200g/m2 の平織のクロスを製造した。
得られた炭素繊維束の長径/短径比、Si量、単繊維の皺の深さ、ストランド強度、引掛強さおよびFD値を測定した。また、得られたクロスのクロス品位および炭素繊維束の樹脂含浸性を評価した。結果を表1および表2に示す。
【0028】
[実施例2]
単繊維数が3000本であり、単繊維の長径/短径比が1.2であり、Si量が3000ppmであるアクリロニトリル系重合体の前駆体繊維束を用意した。
ついで、実施例1と同様にして炭素繊維束およびクロスを得た。焼成工程通過性は非常に安定していた。
得られた炭素繊維束の長径/短径比、Si量、単繊維の皺の深さ、ストランド強度、引掛強さおよびFD値を測定した。また、得られたクロスのクロス品位および炭素繊維束の樹脂含浸性を評価した。結果を表1および表2に示す。
【0029】
[実施例3]
単繊維数が3000本であり、単繊維の長径/短径比が1.2であり、Si量が900ppmであるアクリロニトリル系重合体の前駆体繊維束を用意した。
ついで、実施例1と同様にして炭素繊維束およびクロスを得た。焼成工程通過性は非常に安定していた。
得られた炭素繊維束の長径/短径比、Si量、単繊維の皺の深さ、ストランド強度、引掛強さおよびFD値を測定した。また、得られたクロスのクロス品位および炭素繊維束の樹脂含浸性を評価した。結果を表1および表2に示す。
【0030】
比較
単繊維数が3000本であり、単繊維の長径/短径比が1.21であり、Si量が2500ppmであるアクリロニトリル系重合体の前駆体繊維束を用意した。
ついで、実施例1と同様にして炭素繊維束およびクロスを得た。焼成工程通過性は非常に安定していた。
得られた炭素繊維束の長径/短径比、Si量、単繊維の皺の深さ、ストランド強度、引掛強さおよびFD値を測定した。また、得られたクロスのクロス品位および炭素繊維束の樹脂含浸性を評価した。結果を表1および表2に示す。
【0031】
[比較例
単繊維数が3000本であり、単繊維の長径/短径比が1.23であり、Si量が2500ppmであるアクリロニトリル系重合体の前駆体繊維束を用意した。
ついで、実施例1と同様にして炭素繊維束およびクロスを得た。焼成工程通過性は非常に安定していた。
得られた炭素繊維束の長径/短径比、Si量、単繊維の皺の深さ、ストランド強度、引掛強さおよびFD値を測定した。また、得られたクロスのクロス品位および炭素繊維束の樹脂含浸性を評価した。結果を表1および表2に示す。
【0032】
[比較例
単繊維数が3000本であり、単繊維の長径/短径比が1.2であり、Si量が2800ppmであり、さらに表面皺の浅いアクリロニトリル系重合体の前駆体繊維束を用いた以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束およびクロスを得た。
また、実施例1と同様にして、焼成工程における焼成工程通過性の評価、得られた炭素繊維束およびクロスの各物性の測定および評価を行った。結果を表1および表2に示す。
単繊維の表面皺の浅い炭素繊維束は、収束性が良好で、前駆体繊維束の焼成工程通過性は良く、非常に安定していた。また、ストランド強度および引掛強さも高かった。ただし、皺の深さが十分に深くなく、製織したクロスの品位および樹脂含浸性は若干劣っていた。
【0033】
[比較例
単繊維数が3000本であり、単繊維の長径/短径比が1.0であり、Si量が2800ppmであるアクリロニトリル系重合体の前駆体繊維束を用いた以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束およびクロスを得た。
また、実施例1と同様にして、焼成工程における焼成工程通過性の評価、得られた炭素繊維束およびクロスの各物性の測定および評価を行った。結果を表1および表2に示す。
単繊維の長径/短径比が1.0である炭素繊維束は、前駆体繊維束の焼成工程通過性は良く、安定していた。また、ストランド強度および引掛強さも高かった。しかしながら、皺の深さが十分に深くなく、製織したクロスの品位および樹脂含浸性は劣っていた。
【0034】
[比較例
単繊維数が3000本であり、単繊維の長径/短径比が1.2であり、Si量が300ppmであるアクリロニトリル系重合体の前駆体繊維束を用いた以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束およびクロスを得た。
また、実施例1と同様にして、焼成工程における焼成工程通過性の評価、得られた炭素繊維束およびクロスの各物性の測定および評価を行った。結果を表1および表2に示す。
Si量が50ppm以下の炭素繊維束は、前駆体繊維束の焼成工程通過性は収束性が不十分のため悪く、非常に不安定であった。また、ストランド強度および引掛強さも低かった。さらに製織したクロスの品位および樹脂含浸性ともに、毛羽のため若干悪かった。製織工程の通過性も悪く、毛羽が発生し、特性を悪くした要因の一つになった。
【0035】
[比較例
単繊維数が3000本であり、単繊維の長径/短径比が2.0であり、Si量が3000ppmであるアクリロニトリル系重合体の前駆体繊維束を用いた以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束およびクロスを得た。
また、実施例1と同様にして、焼成工程における焼成工程通過性の評価、得られた炭素繊維束およびクロスの各物性の測定および評価を行った。結果を表1および表2に示す。
単繊維の長径/短径比が2.0である炭素繊維束は、前駆体繊維束の焼成工程通過性は収束性が不十分のため悪く、非常に不安定であった。また、ストランド強度および引掛強さも低かった。さらに製織したクロスの品位および樹脂含浸性ともに、毛羽のため若干悪かった。製織工程の通過性も悪く、毛羽が発生し、特性を悪くした要因の一つになった。
【0036】
[比較例
単繊維数が3000本であり、単繊維の長径/短径比が1.0であり、Si量が2800ppmであり、さらに表面皺の浅いアクリロニトリル系重合体の前駆体繊維束を用いた以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束およびクロスを得た。
また、実施例1と同様にして、焼成工程における焼成工程通過性の評価、得られた炭素繊維束およびクロスの各物性の測定および評価を行った。結果を表1および表2に示す。
単繊維の表面皺の浅い炭素繊維束は、収束性が良好で、前駆体繊維束の焼成工程通過性は良く、非常に安定していた。また、ストランド強度および引掛強さも高かった。しかしながら、皺の深さが十分に深くなく、製織したクロスの品位および樹脂含浸性は劣っていた。
【0037】
【表1】
Figure 0004261075
【0038】
【表2】
Figure 0004261075
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の炭素繊維束は、複数の炭素繊維の単繊維からなる炭素繊維束において、単繊維の繊維断面の長径と短径との比(長径/短径)が、1.05〜1.6であり、ICP発光分析法によって測定されるSi量が、50ppm以上であるので、集束性、樹脂含浸性および得られるクロスのクロス品位を同時に満足し、かつ強度が高い炭素繊維束となる。
また、単繊維の表面に単繊維の長手方向に延びる複数の皺を有し、単繊維の円周長さ2μmの範囲で、最高部と最低部の高低差が80nm以上であれば、繊維束の集束性を維持しつつ、樹脂含浸性およびクロス品位をさらに向上させることができる。
【0040】
また、炭素繊維束のストランド強度が、380kgf/mm2 以上であれば、炭素繊維束を安定して得ることができる。また、この炭素繊維束を用いた繊維強化複合材料は、優れたコンポジット特性を有する。
また、炭素繊維束の引掛強さが、断面積1mm2 として換算したものが450N以上であれば、炭素繊維束を安定して得ることができる。
また、炭素繊維束のフックドロップ値が、300mm以下であれば、炭素繊維束を安定して得ることができる。また、得られるクロスのクロス品位がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 引掛強さの測定に使用される試験体の形状を示す図である。
【符号の説明】
1 炭素繊維束
2 炭素繊維束

Claims (3)

  1. 複数の炭素繊維の単繊維からなる炭素繊維束において、単繊維の繊維断面の長径と短径との比(長径/短径)が、1.05〜1.6であり、ICP発光分析法によって測定されるSi量が、50ppm以上であり、単繊維の表面に単繊維の長手方向に延びる複数の皺を有し、単繊維の円周長さ2μmの範囲で最高部と最低部の高低差が、80nm以上210nm以下であり、JIS L 1013に準拠して測定される引掛強さにおいて、断面積1mm 2 として換算した強さが731N以上であることを特徴とする炭素繊維束。
  2. ストランド強度が、3800MPa 以上であることを特徴とする請求項記載の炭素繊維束。
  3. フックドロップ値が、300mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の炭素繊維束。
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