JP4068479B2 - 眼内レンズ挿入器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼内レンズを眼内に挿入する眼内レンズ挿入器具に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、白内障の手術方法の一つとして水晶体を摘出した後、水晶体の代わりとして眼内レンズを挿入する手法が一般的に用いられている。眼内レンズを挿入するには、はじめに眼球に眼内レンズを挿入するための切開創を設け、この切開創より内部の白濁した水晶体を超音波白内障手術装置等にて破砕して吸引しておき、次に水晶体があった場所に眼内レンズを切開創より挿入する。
【0003】
このように眼内レンズを挿入する際に設けられる切開創は、その切口が大きいと眼球に負担が掛かると同時に術後の乱視等の原因となる可能性がある。このため、軟性の材料にて形成された眼内レンズを折り曲げて小さな切開創から眼内に挿入するためのインジェクターと呼ばれる眼内レンズ挿入器具が知られている。。このようなインジェクターには、眼内レンズを押し出すための機構を備えた金属製の本体部(ハンドピース)とプラスチック樹脂からなる使い捨ての先端部(カートリッジ)からなり、この先端部に眼内レンズを設置した後、先端部を本体に装着して使用する分離タイプのインジェクターがある(特許文献1 参照)。また、先端部と本体部とがともにプラスチックチック樹脂からなり、使用後は先端部と本体部を破棄してしまう使い捨てタイプの一体型インジェクターも知られている(特許文献2)。
【特許文献1】
特開平5-103803号公報
【特許文献2】
特開平7-23991号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1日で複数の手術が行われる場合、前者の分離型のインジェクターでは、本体部を複数用意するか、症例毎に本体部(ハンドピース)を洗浄、滅菌させる必要がある。分離型のインジェクターにおいては、本体部は一般的に高価であるため、複数揃えることは費用が係ることとなる。また、手術後に本体部を洗浄、滅菌することは手間のかかることである。
【0005】
また、後者の使い捨てタイプの一体型インジェクターにおいては、洗浄、滅菌は不要であるが、製品形態が大きくなるため搬送や設置時により広いスペースが必要となり、利便性が良くない。
上記従来技術の問題点に鑑み、安価であり、利便性に優れた眼内レンズ挿入器具を提供することを技術課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
【0007】
(1) 眼球に設けられた切開創から眼内レンズを挿入するための挿入部と、該挿入部に連結されるとともに前記眼内レンズを設置する設置部と、を備え、眼内レンズを眼内に挿入するための眼内レンズ挿入器具において、前記設置部及び挿入部内で進退移動可能に設置され前記設置部に置かれた眼内レンズを前記挿入部を通して眼内に押し出すための棒状の押出手段と、前記設置部の基端に設けられる連結手段であって,病院にて注射時等に用いられ前記眼内レンズ挿入器具とは別筐体であるシリンジの先端を前記押出手段の軸線上に位置した状態で前記設置部に前記シリンジを連結させるための連結手段と、を備えることを特徴とし、連結した前記シリンジが持つプランジャーを使用して前記押出手段を軸方向に移動させることにより前記眼内レンズを前記挿入部から押出し可能とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に示しながら説明する。図1は本実施の形態で用いる眼内レンズ挿入器具の外観を示した概略斜視図である。
【0009】
1は眼内レンズ挿入器具本体である。挿入器具本体1は眼球に挿入する側から順に、眼球に形成される切開創に先端を挿入する挿入部2、眼内レンズを設置する設置部3、挿入部2及び設置部3の内部を挿通し、挿入部2の先端2aから眼内レンズを外部に押し出すための棒状の押出部材5とからなる。挿入部2の先端2aの開口径は、設置部3に接合している側の開口径に比べて小径であり、挿入部2全体の外形形状は略円錐形状となっている。また、挿入部2の内部は眼内レンズが通るために中空の筒形状を有しており、先端2aに向かうにしたがってその径が徐々に小さく(細く)なるテーパ形状を有する。
【0010】
4は設置部3の基端側に設けられ、シリンジ10の先端と嵌合することより挿入器具本体1とシリンジ10とを連結させる嵌合部である。6は眼内レンズを設置部3内に設置するための開閉蓋、7は押出部材5の破損を防止するための保護キャップである。なお、挿入器具本体1は使い捨てが可能なように、各部品がプラスチック樹脂等の材料にて成型されている。
【0011】
10は病院にて注射時等に用いられる一般的なシリンジである。シリンジ10は先端に開口部11aが設けられた筒部11と、筒部11内部を移動可能に取り付けられているプランジャー12からなる。なお、シリンジ10はプラスチック樹脂等にて成型された使い捨てタイプのものを好適に使用することができる。
【0012】
図2は本体1の内部構成を示した図である。
設置部3はその全体が箱型の形状をしており、眼内レンズ20を載置し、前方の挿入部10へ送出すためのガイド路3aが設置部3の長手方向に渡って設けられている。ガイド路3aの幅は、眼内レンズ20の径と同じか若干広くなるように形成されている。眼内レンズ20はこのガイド路21上に設置される。
【0013】
嵌合部4は筒形状を有した部材であり、図2に示すように設置部3の基端側の端面に、ガイド路3aと同じ軸上になるように取り付けられている。なお、嵌合部4の内径は、シリンジ10の先端を嵌め込めるだけの開口径を有している。
【0014】
押出部材5は、その一端が嵌合部4の内部を挿通し、押出部材5の外部に延びた状態でガイド路3aの軸線上を進退可能に移動可能なように設置部3に取り付けられている。また、設置部3から外部に延びている押出部材5の径は、シリンジ10の先端開口部11aの開口径よりも小さくなっている。
【0015】
図3は挿入器具本体1とプランジャー10とが連結した状態を示す図である。図3に示すように、挿入器具本体1とプランジャー10とを連結する場合は、押出部材5の一端を開口部11aを通して筒部11の内部に挿入させた状態で、シリンジ10の先端を嵌合部4に嵌め込み連結する。なお、シリンジ10の先端はテーパ形状を有しているため、嵌合部4にはめ込む際に、嵌合部4とシリンジ10の先端とをしっかりと密着させて嵌合させることができる。
【0016】
また、押出部材5は眼内レンズ20を押し出す際に筒部11内で折れ曲がることがないように、比較的硬質なプラスチック樹脂等の材料を用いることが好ましい。また、5aは押出部材5上に設けられた凸部であり、凸部5aによって押出部材5が嵌合部4から抜け出るのを防ぐようにしている。
【0017】
従来の眼内レンズ挿入器具においては、眼内レンズを挿入器具から押し出すためのプランジャーを挿入器具本体に持たせているために、挿入器具全体の形態が大きくなっていた。しかしながら、本実施の形態のように眼内レンズを押し出すための機構を汎用品であるシリンジに持たせ、挿入器具本体側では最小限の押し出し機構を持たせることにより、挿入器具本体の大きさを格段に小さくさせることができる。また、挿入器具本体の構成を最小限に押さえることにより、従来より安価に製造することができる。
【0018】
以上のような構成を備える眼内レンズ挿入器具において、その動作について説明する。
初めに眼内レンズ20の滑りをよくするために、予め粘弾性物質(例えばヒアルロン酸ナトリウム)を眼内レンズ20及び挿入器具本体1の眼内レンズ通過箇所に適量塗布しておく。その後、鑷子等を用いて眼内レンズ40を摘まみ、開閉蓋6を開けてガイド路3a上に眼内レンズ20を置く。このとき押出部材5は設置部3の基端側にできるだけ移動させておく。
【0019】
次に保護キャップ7を取り外し、嵌合部4とシリンジ10の先端部とを嵌め合わせる。このときシリンジ10側では、プランジャー12の先端12aが押出部材5の一端と当接しないように筒部11からプランジャー12を所定量だけ引き出した状態にしておく。シリンジ10の先端開口部11aから押出部材5を内部に通した状態で、シリンジ10の先端を嵌合部4に嵌め合わせることにより、挿入器具本体1とシリンジ10とを連結させる。その後、プランジャー12の先端12aに押出部材5の先端が当接するまで、プランジャー12を筒部11内に押し込んでおく。
【0020】
挿入器具本体1とシリンジ10とが連結した状態で、術者はシリンジ10の筒部11を持ち、予め超音波白内障手術装置等にて水晶体が取り除かれた患者眼に設けられた切開創から挿入部2の先端を眼内に挿入する。挿入部2の先端を患者眼の眼内に挿入した後、プランジャー12を後方から前方(先端側)へゆっくりと押し込んでいく。プランジャー12が筒部11内を先端に向かって押し込まれていくことにより、押出部材5が前方に押されることとなる。プランジャー12によって押された押出部材5はガイド路3a上を先端に向かって移動し、眼内レンズ20を前方の挿入部2に押していく。眼内レンズ20が挿入部2内に入り、挿入部の開口径が狭くなってくると、眼内レンズ20は挿入部2内部の壁面に沿って折り曲げられていく(丸め込まれていく)。その結果、挿入部2の先端2aから小さく折り曲げられた眼内レンズ20が眼内に押出されることとなる。
【0021】
なお、本実施の形態では挿入器具本体1とシリンジ10とを嵌合させることにより連結、一体化させるものとしているが、これに限るものではない。例えば嵌合部4の外壁に雄ネジを形成させておき、先端に雌ネジ部が形成されているシリンジと螺合させることにより、より強固に挿入器具本体とシリンジとを連結させることもできる。
【0022】
さらに、本実施形態の挿入器具本体は手術前に眼内レンズを入れるものとしているが、これに限るものではない。この挿入器具本体を眼内レンズケースとして用い、工場出荷時に所定の度数を持った眼内レンズを挿入器具本体に入れておくことも可能である。このように挿入器具本体を眼内レンズケースとして用いることにより、手術前に眼内レンズを設置する手間を省くことができる。
【0023】
また、本実施の形態では、シリンジ側のプランジャーを用いて挿入器具本体側の押出部材5を直接押すようにしているが、これに限るものではない。例えばシリンジ内をプランジャーにて押し込む際に生じる空気圧等を用いて眼内レンズを挿入部先端から押し出すことも可能である。以下に、第2の実施形態としてシリンジを用いて空気圧にて眼内レンズを押し出す実施形態を図4に示し、説明する。なお、前述した実施形態における構成と同機能を有するものは同符号を付し、詳細な説明は割愛する。
【0024】
図4は眼内レンズ挿入器具とシリンジとが連結された状態における断面図である。
30は眼内レンズ20を設置するための設置部であり、眼内レンズ20を設置するための第1の空間30aと、押出部材40を空気圧等にて先端側へ押し出すための第2の空間30bとが、設けられている。第1の空間30aの先端側には挿入部2が取り付けられており、第2の空間30bの基端側には嵌合部4が取り付けられている。押出部材40は第2の空間30b内に移動可能に設置されており、その先端40aは第1の空間30aと第2の空間30bとを繋ぐ小孔31を通して第1の空間30aまで延びている。また、押出部材40の基端側端面40bは、第2の空間30bを完全に分断するように形成されており、この端面40bによって、シリンジ10が取り付けられている側の空間を密閉するものとしている。また、第1の空間30aの上部には、図示なき開閉蓋(図中の点線部分)が設けられており、眼内レンズ20を設置する際には、この開閉蓋を開けて行う。
【0025】
このような構成とすることにより、挿入器具本体1に連結されたシリンジ10のプランジャー12を押し込むことにより、筒部11の内部の空気の圧力(移動)によって押出部材40の端面40bが押され、押出部材40が前方に(先端側に)移動することとなる。押出部材40が前方へ移動することにより、眼内レンズ20は押出部材40によって挿入部2へ押され、さらに折り曲げられた状態で挿入部2の先端から外部に押出されることとなる。なお第2の実施形態では空気圧を用いて押出部材を移動させるものとしているが、これに限るものではなく、窒素等の生体に無害な気体を用いてもよい。また、シリンジに予め、水や生理食塩水等を入れた状態で挿入器具とシリンジとを連結させておけば、プランジャーにより液体が押される圧力により、押出部材を移動させることもできる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば眼内レンズ挿入器具本体の大きさを小さくさせることができるため、安価にて製造することができ、利便性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における眼内レンズ挿入器具を示した外観略図である。
【図2】本実施形態における眼内レンズ挿入器具の内部構成を示した図である。
【図3】眼内レンズ挿入器具にシリンジを連結させた状態を示した図である。
【図4】本実施形態における眼内レンズ挿入器具の変容例を示した図である。
【符号の説明】
1 眼内レンズ挿入器具本体
2 挿入部
3 設置部
4 嵌合部
5 押出部材
10 シリンジ
20 眼内レンズ
Claims (1)
- 眼球に設けられた切開創から眼内レンズを挿入するための挿入部と、該挿入部に連結されるとともに前記眼内レンズを設置する設置部と、を備え、眼内レンズを眼内に挿入するための眼内レンズ挿入器具において、前記設置部及び挿入部内で進退移動可能に設置され前記設置部に置かれた眼内レンズを前記挿入部を通して眼内に押し出すための棒状の押出手段と、前記設置部の基端に設けられる連結手段であって,病院にて注射時等に用いられ前記眼内レンズ挿入器具とは別筐体であるシリンジの先端を前記押出手段の軸線上に位置した状態で前記設置部に前記シリンジを連結させるための連結手段と、を備えることを特徴とし、連結した前記シリンジが持つプランジャーを使用して前記押出手段を軸方向に移動させることにより前記眼内レンズを前記挿入部から押出し可能とする眼内レンズ挿入器具。
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