JP4065652B2 - 四級アンモニウム塩の保存方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アミド化合物及びエステル化合物を製造する際に縮合剤として好適に使用できる四級アンモニウム塩の保存方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アミド化合物及びエステル化合物は、医薬、農薬、染料、高分子化合物等の様々な有機化合物の基本骨格を形成する極めて重要な化合物である。このため、アミド化合物及びエステル化合物の製造方法は古くから検討されている。例えば、アミド化合物の製造方法としては、エステル化合物とアミン化合物との交換反応によるアミド化合物の製造方法、或いはカルボン酸化合物とアミン化合物から直接アミド化合物を製造する方法等が特に一般的な製造方法であり、エステル化合物の製造方法としては、酸の存在下にカルボン酸とアルコール化合物から直接エステル化合物を製造する方法、或いはカルボン酸化合物と塩化チオニル等の酸ハロゲン化剤を反応させてカルボン酸クロライドを生成させた後、アルコールと作用させることによってエステル化合物を製造する方法が特に一般的な製造方法である。
【0003】
しかしながら、アミド化合物の製造方法は加熱下に行われるため、熱的に不安定な化合物或いは同一分子内にアミノ基とアルコキシカルボニル基を有する化合物に適用することは不可能であった。また、エステル化合物の製造方法は酸性条件下に行われるため、酸に対して不安定な化合物には適用する事はできなかった。
【0004】
このような課題を解決することを目的として、温和な条件下でアミド化合物を製造するためにカルボジイミド系等の縮合剤を用いた様々な方法が提唱されている。特に、アミド化合物合成用縮合剤としてカミンスキー(Z.J.Kaminski)らによって提唱された、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシモルホリニウムクロライド{ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、63巻、4248〜4255頁、1998年(J.Org.Chem.,63,4248−4255(1998))}は、カルボジイミド系縮合剤が皮膚にかぶれを引き起こし易くその取り扱いに注意を要するのに対し、このような問題が無いことから注目を集めている。
【0005】
また、エステル化合物の製造に関しては、温和な条件下でエステル化合物を製造する方法として、向山らによって提唱されたピリジニウムオキサイド化合物{ブレチン オブ ケミカル ソサイアティー オブ ジャパン、50巻、1863−1866頁、1977年(Bull.Chem.Soc.Jpn.)、50巻、1863−1866頁(1977)}からなる縮合剤を用いた方法が知られている。
【0006】
しかしながら、前記文献に記載されているカミンスキー等によって提唱された方法では、カルボン酸化合物と該縮合剤をそれぞれ等量反応させて中間体としての反応性誘導体を一旦生成させた後に、該反応性誘導体とアミン化合物とを反応させてアミド化合物を得ているため、その収率は17〜73%とばらつきが大きく、満足の行くものではなかった。
【0007】
また、エステル化合物の製造に使用される上記のピリジニウムオキサイド化合物には、該ピリジニウムオキサイド化合物を製造する際に、発ガン性が指摘されているヨウ化メチルを用いなければならないため、作業環境に細心の注意を払わなければならないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明者らは、この様な背景に鑑み、検討を行なったところ、下記一般式(I)
【0009】
【化6】
【0010】
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜8のアリール基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。)
で示される四級アンモニウム塩を縮合剤として用い、前記のような2段階反応を行うことなく、カルボン酸化合物及びアミン化合物と混合して反応させた場合には反応性及び収率が向上することを見出すに至り、既に提案している(特願平11−60765号)。
【0011】
また、エステル化合物の製造に関しても上記四級アンモニウム塩からなる縮合剤を用いてカルボン酸化合物とアルコール化合物とを反応させた場合には、温和な条件下でエステル化合物が製造できることを見出し、これについても既に提案している(特願平11−137693号)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩を用いた縮合反応についての更なる検討過程において、本発明者等は、長期間保存した四級アンモニウム塩は、その純度が低下していることに気付いた。すなわち、上記四級アンモニウム塩は、分解しやすく、長期間安定に保存することが難しいという問題があることを見出した。
【0013】
また、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩は、それぞれ対応する構造のトリアジン化合物とモルホリン化合物とを有機溶媒中で反応させることにより製造されているが、この方法では長時間反応させても反応が完結せず、その分離も困難であるため、これら従来方法により製造された該四級アンモニウム塩には、未反応のトリアジン化合物が1〜5%程度含まれていた。
【0014】
したがって、本発明は、縮合剤として使用される、安定性の改善された該四級アンモニウム塩を効率よく保存する方法を提供することを目的とする。
【0015】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、トリアジン化合物とモルホリン化合物とを特定量の水を含有する有機溶媒中で反応させた場合には短時間で高純度の四級アンモニウム塩を含む含水物が得られ、しかも得られた該含水物の保存安定性は高いという知見を得た。そして、該知見に基づいてさらに検討を行なったところ、該含水塩から水を除去した四級アンモニウム塩もその保存安定性が高いこと、該四級アンモニウム塩には未反応のトリアジン化合物が殆ど含まれていないこと、及び水の非存在下で反応を行なって得た四級アンモニウム塩についても高度の精製を行ないトリアジン化合物を非常に少なくした場合には保存安定性が向上すること見出し、本発明を完成することに至った。
【0016】
即ち、本発明は、下記一般式(I)
【0017】
【化7】
【0018】
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜8のアリール基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。)
で示される四級アンモニウム塩であって、下記一般式(II)
【0019】
【化8】
【0020】
(式中、R1及びXは、それぞれ前記一般式(I)におけるR1及びXと同義である。)で示されるトリアジン化合物の含有量が1質量%未満である四級アンモニウム塩を10〜−30℃で保存することを特徴とする四級アンモニウム塩の保存方法である。該保存方法によれば、室温で保存する場合に比べてより長期間安定に本発明の四級アンモニウム塩を保存することが可能である。
【0021】
従来、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩の製造方法としては、前記一般式(II)で示されるトリアジン化合物と下記一般式(III)
【0022】
【化9】
【0023】
{式中、R2は、それぞれ前記一般式(II)におけるR2と同義である。}
で示されるモルホリン化合物とを反応させる方法のように、原料として上記トリアジン化合物を用いる方法しか知られていなかったが、該方法における反応ではモルホリン化合物を過剰量用いても反応を完結することができず、原料トリアジン化合物が残ってしまうことが避けられなかった。そして、該トリアジン化合物は精製による除去が困難であるばかりでなく、その弊害も特に認識されていなかったために、従来の四級アンモニウム塩には1〜5%程度のトリアジン化合物が含まれており、その含有量が1質量%未満の四級アンモニウム塩は知られていない。
【0024】
本発明の四級アンモニウム塩は、トリアジン化合物の除去が保存安定性の向上に重要であるという前記知見に基づいて、従来法で得られた四級アンモニウム塩について非常に高度な精製を行なったり、或いは特定の条件下で反応を行なって合成したりすること等により、トリアジン化合物の含有量を1質量%未満としたものであり、含水量が1質量%未満であっても高い保存安定性を示すという特徴を有する。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の四級アンモニウム塩は、前記一般式(I)で示される。
【0028】
前記一般式(I)において、R1は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜8のアリール基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。
【0029】
上記R1の炭素数1〜4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等を挙げる事ができ、炭素数6〜8のアリール基としてはフェニル基、トリル基、キシリル基等を挙げる事ができる。これらの中でも、特に四級アンモニウム塩の合成が容易という意味において、アルキル基としてはメチル基、エチル基が、アリール基としてはフェニル基が好適に採用される。
【0030】
また、上記R2の炭素数1〜4のアルキル基としては、R2の炭素数1〜4のアルキル基と同じものが例示される。
【0031】
また、上記Xのハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。これらの中でも、特に四級アンモニウム塩の合成が容易という意味において、塩素が好適に採用される。
【0032】
本発明における前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩を具体的に例示すると、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジイソプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジブトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジイソプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジブトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−イソブチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−イソブチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−イソブチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジイソプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−イソブチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジブトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−イソブチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−イソブチルモルホリニウムクロライド等を挙げることができる。
【0033】
これらの中でも特に、合成が容易でしかも縮合剤として使用したときに高い縮合収率が期待できる、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド等が特に好適に採用される。
【0034】
本発明においては、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩が優れた保存安定性を示すためには、該四級アンモニウム塩に含まれる下記一般式(II)
【0035】
【化10】
【0036】
{式中、R1及びXは、それぞれ前記一般式(I)における、R1及びXと同義である。}
で示されるトリアジン化合物の量を1質量%未満とする必要がある。上記一般式(II)で示されるトリアジン化合物は、前記四級アンモニウム塩の原料として現在のところ唯一のものであり、前述したように、従来の四級アンモニウム塩には、該トリアジン化合物が1〜5質量%程度含まれている。これに対し、本発明の四級アンモニウム塩では該トリアジン化合物の含有量を1質量%未満となっており、このことにより保存安定性が向上している。保存安定性の高さの観点から、上記トリアジン化合物のより好適な含有量は0.5質量%以下である。ここで、上記トリアジン化合物の含有量(質量%)は、結晶水や付着水等の水質量を除外した、不純物(上記トリアジン化合物及び他の不純物)を含む前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩の質量に対する質量%を意味する。
【0037】
なお、本発明の四級アンモニウム塩には、保存安定性に悪影響を与えない範囲(通常、合計量で5質量%以下)で、2,4−ジアルコキシ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンや2,4−ジアルコキシ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン等の他の不純物が含まれていてもよい。
【0038】
本発明の四級アンモニウム塩の製造方法は特に限定されず、例えば、従来方法と同様にして前記一般式(II)で示されるトリアジン化合物と前記一般式(III)で示されるモルホリン化合物とを反応させて得た四級アンモニウム塩を、その純度を液体クロマトグラフィー等で確認しながら再結晶等を繰り返して精製することにより得ることができるが、その製造効率の良さから、次のような製造方法で製造するのが好適である。
【0039】
即ち、前記一般式(II)で示されるトリアジン化合物と、前記一般式(III)で示されるモルホリン化合物とを、該トリアジン化合物1モルに対して0.1〜10モルの水又はアルコールの共存下にアルコール以外の有機溶媒中で反応させた後、有機溶媒、及び水又はアルコールを除去することにより好適に製造することができる。
【0040】
上記製造方法においては、前記一般式(II)で示されるトリアジン化合物としては、目的物である四級アンモニウム塩の構造に対応する構造のトリアジン化合物が使用される。上記製造方法で使用できる上記トリアジン化合物を具体的に例示すると、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジイソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジ−n−ブトキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジイソブトキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジンを挙げる事ができる。これらの中でも、特に合成が容易な2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジンが特に好適に採用される。
【0041】
これらのトリアジン誘導体は工業原料として入手可能なものもあるが、一般に、塩化シアヌルと対応するアルコールを炭酸水素ナトリウム存在下に反応させることによって取得することができる。
【0042】
前記製造方法においては、前記一般式(III)で示されるモルホリン化合物としても目的物である四級アンモニウム塩の構造に対応する構造のモルホリン化合物が使用される。前記製造方法で使用できるモルホリン化合物を具体的に例示すれば、4−メチルモルホリン、4−エチルモルホリン、4−イソブチルモルホリン等を挙げる事ができる。これらのモルホリン化合物はすべて試薬及び工業原料として入手容易である。
【0043】
これらモルホリン化合物の使用量は特に限定されないが、該化合物は通常上記一般式(II)で示されるトリアジン化合物1モルに対して0.7〜1.3モル、特に0.8〜1.2モルとなる量を使用するのが好適である。
【0044】
前記製造方法では、特定量の水又はアルコールの存在下に有機溶媒中で前記トリアジン化合物と前記モルホリン化合物とを反応させる。溶媒を全く使用しないで反応した場合には、生成した四級アンモニウム塩が系内に存在する水又はアルコールと反応して収率が低下する。
【0045】
この時使用する有機溶媒としては、アルコール以外の有機溶媒であって反応を阻害しない有機溶媒であれば何等制限なく用いる事ができる。このとき使用される有機溶媒を具体的に例示すると、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルカーボネート等のカーボネート類、ジメチルスルホキシド等を挙げる事ができる。なお、実用的な利点は特に見出せないが、アルコールであってもt−ブチルアルコール、t−アミルアルコール等の嵩高いアルコール類は生成物に対する反応性が低いのでこのようなアルコールであれば有機溶媒として使用することも可能である。
【0046】
これらの有機溶媒の中でも高い単離収率が期待できる、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、塩化メチレン、クロロホルムのハロゲン化脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルカーボネート等のカーボネート類等の有機溶媒が特に好適に採用される。
【0047】
有機溶媒の使用量としては特に制限はないが、あまり量が多いと1バッチあたりの収量が落ち経済的ではなく、あまり量が少ないと攪拌等に支障をきたすため、通常生成する上記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩の濃度が0.1〜60質量%、好ましくは1〜50質量%になるように選択するのが良い。
【0048】
前記製造方法では、高純度の四級アンモニウム塩を短時間で容易に得るために、有機溶媒中で前記トリアジン化合物と前記モルホリン化合物との反応を行なうに際し、前記トリアジン化合物1モルに対して0.1〜10モル、好ましくは0.2〜8モルの水又はアルコールを存在させる。アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等の炭素数1〜3のアルキルアルコールが好ましい。
【0049】
前記トリアジン化合物と前記モルホリン化合物との反応は、上記のような量の水或いはアルコールの存在下に有機溶媒中で両者を接触させることにより行なうことができる。反応を均一に短時間で行なうためには、攪拌を行なうのが好適である。また、反応は通常、大気下で実施可能であるが使用する化合物や生成物が吸湿性を有する場合には、系内に過剰の水が混入するのを防止するために、塩化カルシウム管等の乾燥管を通した乾燥空気或いは窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性気体雰囲気下で実施するのが好ましい。該反応は、減圧、常圧、加圧のいずれの状態でも実施可能である。
【0050】
上記反応の反応温度としては特に制限はないが、あまり温度が低いと反応速度が小さくなり、あまり温度が高いと副反応を助長するため、通常−20〜70℃、好ましくは−10℃〜60℃の範囲から選択するのが良い。また、反応時間としては特に制限はないが、通常0.1〜10時間もあれば充分である。
【0051】
このようにして生成した上記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩は、通常結晶として析出するため、遠心分離、遠心濾過、加圧濾過、減圧濾過等の通常の固液分離方法によって固体を分離した後(即ち、有機溶媒及び水又はアルコールを粗取りした後)、送風乾燥、減圧乾燥等の通常の乾燥方法によって乾燥する事により有機溶媒及び水又はアルコールをさらに除去することによって取得することができる。水を使用せずにアルコールのみの存在下に有機溶媒中で反応を行なった場合には、容易に溶媒及びアルコールを除去することが出来、例えば水分含有量が1質量%未満{ここで、水の含有量(質量%)とは、水、並びに不純物(トリアジン化合物及び他の不純物)を含む四級アンモニウム塩の合計質量に対する質量%を意味する。}の本発明の四級アンモニウム塩を容易に得ることができる。また、結晶が析出しない場合には、用いた有機溶媒を可能な限り除去した後、テトラヒドロフラン等の溶媒を加えてスラリー状態とし、上記方法によって取得できる。
【0052】
このようにして、得られた本発明の四級アンモニウム塩は、10〜−30℃の温度で保存することにより、より長期間(数ヶ月以上の期間)安定に保存することができる。10〜−30℃という温度は通常の冷蔵庫や冷凍庫で実現可能な温度であることから、このことは、本発明の四級アンモニウム塩は一般的な冷蔵保存により、数ヶ月間安定に保存できることを意味する。
【0053】
なお、水の含有量が1質量%未満でトリアジン化合物を1質量%以上含有する四級アンモニウム塩についても低温で保存することにより四級アンモニウム塩の分解をある程抑制することは可能であるが、通常の冷蔵保存で数ヶ月間の安定保存は現状困難である。
【0054】
【実施例】
以下、実施例を掲げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0055】
実施例1
500mlの四つ口フラスコに2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン21.95g(0.125mol)、酢酸エチル250ml、及び水6.75g(0.375mol)を加え、5〜10℃で10分間攪拌させた。次に、4−メチルモルホリン13.25g(0.131mol)を添加し、5〜10℃で6時間反応させた。析出した結晶を吸引濾過し、酢酸エチル100mlで洗浄した後、室温で16時間減圧乾燥し、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩として4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライドの白色固体32.62gを得た。なお、該白色固体中の水分量は0.6質量%であり、収率は93.8%であった。
【0056】
得られた白色固体を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、その純度(水以外の成分のピーク面積に占める上記四級アンモニウム塩のピーク面積の割合)は面積%で99.8%であり、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンのピークは未検出(検出限界は、トリアジン化合物の含有量で0.001質量%である。)であった。次に、これを20〜25℃で3週間保存した後、その純度を測定したところ97.5%であった。
【0057】
実施例2
500mlの四つ口フラスコに2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン17.56g(0.1mol)、テトラヒドロフラン200ml、及びメタノール9.6g(0.3mol)を加え、5〜10℃で10分間攪拌させた。次に、4−メチルモルホリン10.6g(0.105mol)を添加し、5〜10℃で4時間反応させた。析出した結晶を吸引濾過し、テトラヒドロフラン100mlで洗浄した後、室温で3時間減圧乾燥し、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩として4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライドの白色固体27.02gを得た。なお、該白色固体中の水分量は0.3質量%であり、収率は97.4%であった。
【0058】
得られた白色固体を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、その純度(水以外の成分のピーク面積に占める上記四級アンモニウム塩のピーク面積の割合)は面積%で99.7%であった。また、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンの含量は0.1質量%であった。次に、その一部をとりそれぞれ20〜25℃、5℃、及び−20℃で3週間保存した後に純度を測定したところ、その純度はそれぞれ、97.5%、99.6%、及び99.7%であった。さらに、5℃での保存を2ケ月間続けた後に純度を測定したところ99.3%であった。
【0059】
実施例3
500mlの四つ口フラスコに2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン17.56g(0.1mol)、テトラヒドロフラン200ml、及びメタノール9.6g(0.3mol)を加え、5〜10℃で10分間攪拌させた。次に、4−メチルモルホリン10.6g(0.105mol)を添加し、5〜10℃で3時間反応させた。析出した結晶を吸引濾過し、テトラヒドロフラン100mlで洗浄した後、室温で3時間減圧乾燥し、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩として4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライドの白色固体26.88gを得た。なお、該白色固体中の水分量は0.3質量%であり、収率は96.9%であった。
【0060】
得られた白色固体を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、その純度(水以外の成分のピーク面積に占める上記四級アンモニウム塩のピーク面積の割合)は面積%で99.5%であった。また、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンの含量は0.3質量%であった。次に、その一部をとりそれぞれ20〜25℃、5℃、及び−20℃で3週間保存した後に純度を測定したところ、その純度はそれぞれ、96.8%、99.1%、及び99.4%であった。さらに、5℃での保存を2ケ月間続けた後に純度を測定したところ98.8%であった。
【0061】
比較例1
500mlの四つ口フラスコに2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン17.56g(0.1mol)及びテトラヒドロフラン200mlを加え、5〜10℃で10分間攪拌させた。次に、4−メチルモルホリン10.6g(0.105mol)を添加し、5〜10℃で6時間反応させた。析出した結晶を吸引濾過し、テトラヒドロフラン100mlで洗浄した後、室温で3時間減圧乾燥し、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩として4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライドの白色固体26.1gを得た。なお、該白色固体中の水分量は0.4質量%であり、収率は94.0%であった。
【0062】
得られた白色固体を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、その純度(水以外の成分のピーク面積に占める上記四級アンモニウム塩のピーク面積の割合)は面積%で95.8%であった。また、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンの含量は3.4質量%であった。次に、その一部をとり20〜25℃及び5℃で3週間保存した後に純度を測定したところ、その純度はそれぞれ87.5%及び91.7%であった。
【0063】
【発明の効果】
本発明の四級アンモニウム塩は、水の含有量によらず、例えば水分含有量が1質量%未満であっても、長期間高純度の状態で安定に保存することができる。
Claims (3)
- 水の含有量が1質量%未満である請求項1又は請求項2に記載の四級アンモニウム塩の保存方法。
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