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JP4052369B2 - 環境汚れ防止性の高い積層シート - Google Patents

環境汚れ防止性の高い積層シート Download PDF

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JP4052369B2
JP4052369B2 JP2001211139A JP2001211139A JP4052369B2 JP 4052369 B2 JP4052369 B2 JP 4052369B2 JP 2001211139 A JP2001211139 A JP 2001211139A JP 2001211139 A JP2001211139 A JP 2001211139A JP 4052369 B2 JP4052369 B2 JP 4052369B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維布帛を含む基布の表面に樹脂を被覆して構成され、中大型テント、テント倉庫、屋形テント、トラック用幌、荷台カバーなど、主に屋外で用いられる産業資材に有用な積層シートに関するものである。さらに詳しく述べるならば、本発明は、これらの産業資材用積層シートの長期屋外使用において、その表面に経時的に発生する環境汚れの付着を抑制し、長期間にわたりその美観を維持させることができる積層シートに関するものである。すなわち本発明は、繊維布帛を含む基布と、その表面に形成された(ポリ塩化ビニル樹脂及び、可塑剤を含まない)非塩ビ系樹脂を含む被覆層とこの樹脂層上に形成された光触媒層とを有するもので、環境汚れの付着がなく、又は少なく、しかも、経時的な物性低下が少ない積層シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
柔軟かつ強靭で、耐久性、加工性、及び低コスト性に優れた合成樹脂材料としてポリ塩化ビニル樹脂が知られており、この塩化ビニル樹脂は、玩具、文具、雑貨、建材、化粧板、壁紙、床材、防水シートなど様々な用途に使用されている。中でも繊維布帛を基材として含む軟質ポリ塩化ビニル樹脂シートは優れた引張強力と、応力に対する優れた寸法安定性を有しており、このため、中大型テント、テント倉庫、養生シート、ルーフィングなどの建築物部材、トラック幌、看板用シート、フレキシブルコンテナ、野積みシートなどの各種産業用途においてその実用化が広く普及している。最近、これらのポリ塩化ビニル樹脂シートの表面に光触媒物質を塗布し、光触媒の有する強い酸化還元作用によって大気中に浮遊する汚染物質や煤塵などの付着汚れ、すなわち環境汚れ物質を分解して美観を維持する自己浄化機能を付与したテント用積層シートが提案されている。この光触媒物質を表面に担持しているシートは、確かに優れた自己浄化機能を発現するが、しかし、光触媒物質は環境汚れを分解するだけでなく、下地基材を形成しているポリ塩化ビニル樹脂及び、このポリ塩化ビニル樹脂に配合されている可塑剤及び有機系顔料などの配合剤に対しても前記と同様に作用するため、屋外使用では、早い段階から基材樹脂が劣化し始め、軟質ポリ塩化ビニル樹脂シートの物性が低下したり、または変色するなどの問題があった。
【0003】
そこで、ポリ塩化ビニル樹脂シートと光触媒物質担持層との中間に難分解性の樹脂層を設けて下地基材を形成しているポリ塩化ビニル樹脂を光触媒の強い酸化還元作用から保護するという手段が考案され、その実用化が検討されている。この手段によれば光触媒による下地基材を形成するポリ塩化ビニル樹脂の分解及び劣化を抑制することが可能となる。しかし、通常のポリ塩化ビニル樹脂製品において、ポリ塩化ビニル樹脂中に配合された液状可塑剤は、屋外使用1〜5年の間に、季節、環境に応じて樹脂層内を拡散移動し、徐々にシート表面に滲み出たり、再び樹脂層内に戻ったりする挙動を繰り返すことが知られている。この現象は、光触媒層を形成したポリ塩化ビニル樹脂シートにおいても同様に発現し、液状可塑剤は、経時的に難分解樹脂層中に拡散して光触媒層中に滲み出てくる。このため、光触媒層中に滲入した移行した可塑剤は光触媒によって逐次分解され、可塑剤の表面移行と分解を長期間繰り返すことによってポリ塩化ビニル樹脂シートは徐々に可塑剤を失い、やがて引張強度、引裂強度、摩耗強さなどの物性値を低下させるため、設計初期に設定したほどの長期使用に耐えないのが実情である。
【0004】
また、通常産業資材シートは、屋外で長期間にわたり日光及び風雨に曝露されて使用されるため、汚染物質が付着したり、また、樹脂が紫外線、酸性雨などにより劣化を引き起こし、このため、使用後にリサイクルされることはなく廃棄処分されることが多い。特に、ポリ塩化ビニル樹脂製品を不用意に焼却処理することは、ダイオキシン発生の懸念から好ましい事ではなく、また、埋め立て処理の場合は、軟質ポリ塩化ビニル樹脂に含まれる可塑剤及び金属安定剤など、特にホルモン攪乱物質などが地下水系に拡散汚染することが懸念され論議されている。このため、使用後の廃棄処分において環境的負荷が少ない産業資材シートの開発が望まれ、また何よりも、屋外での汚れが少なく、しかも物性低下の心配のない中大型テント、テント倉庫、屋形テント、トラック幌、野積みシートなどの用途に好適に用いることができるフレキシブルな産業資材用シートの開発が切望されている。
【0005】
前述の中大型テント、テント倉庫、屋形テント、トラック幌などに用いられる産業資材シートは、繊維織物基布を軟質ポリ塩化ビニル樹脂によって樹脂被覆して得られるものであるが、軟質ポリ塩化ビニル樹脂の代わりに、ハロゲン非含有樹脂、例えば、ポリウレタン樹脂に置き換えた場合、反発弾性が大きく取扱い性に劣り、しかも屋外使用時に汚れ易く、さらに光変色し易いなどの欠点がある。また、ポリ塩化ビニル樹脂を例えば、ポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂により置き換えた場合には、得られるシートの風合いが板の様に硬く、柔軟性に劣り、しかも高周波融着性が不十分であり、取扱い性と縫製作業性が悪いなどの欠点がある。また、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂をエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、又はエチレン−アクリル酸系共重合体樹脂などのエチレン系共重合体樹脂により置き換えた場合には、比較的柔軟で、高周波融着性の高いシートを得ることができるが、これらの樹脂は軟質ポリ塩化ビニルよりも樹脂強度と耐摩耗強さに劣るなど、耐久性が不十分なため、これらのエチレン系共重合体樹脂を用いた積層シートを産業資材シートに使用することが困難である。また、ポリ塩化ビニル樹脂を、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などにより置き換えた場合には、得られる積層シートの風合いが板の様に硬く、これを産業資材シートに使用することができるものではない。さらにポリ塩化ビニル樹脂を例えば、シリコーン樹脂により置き換えた場合には、屋外使用時に汚れ易く、しかも樹脂強度と耐摩耗強さに劣るため実用性が低いという問題がある。上記の様に、ハロゲン非含有樹脂では、その柔軟性、耐久性、高周波融着性などにおいて、軟質ポリ塩化ビニル樹脂と同等レベルの良好なバランスを得ることが困難である。従って、これらのハロゲン非含有樹脂から得られたシート表面に光触媒物質を担持し、自己浄化機能を有する産業資材シートを提案しても実用性に欠けるだけでなく、これらのハロゲン非含有樹脂では、防炎性が軟質ポリ塩化ビニル樹脂よりも著く劣り、むしろ易燃性であるため、前述の中大型テント、テント倉庫などの用途に用いることができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、基布を被覆するハロゲン非含有樹脂層と光触媒含有最外表面層を有する積層シートにおいて、両層が強固に密着し、環境汚れ防止性が高く柔軟性、耐久性、高周波融着性にすぐれ、長期間の屋外使用によって特性劣化のない、又は少ない積層シートを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決すべく研究、検討を重ねた結果、(1)繊維布帛基布の表面を特定の非塩ビ系樹脂組成からなる樹脂層を被覆形成し、この少なくとも一面上に、フォスファーゼン樹脂とケイ素化合物とを含む中間保護層を設け、さらに、この中間保護層の全面上に光触媒を含有する最外表面層を形成することによって得られる非塩ビ系積層シート、または、(2)繊維布帛基布と、その少なくとも一面上に被覆形成された下地層と、この下地層上に形成された樹脂層とを含み、(A)下地層が、特定組成の非塩ビ系樹脂から形成され、また、(B)樹脂層が、特定組成の非塩ビ系樹脂から形成され、この樹脂層の少なくとも一面上に、フォスファーゼン樹脂とケイ素化合物とを含む中間保護層を設け、さらに、この中間保護層の全面上に光触媒を含有する最外表面層を形成することによって得られる非塩ビ系積層シートが柔軟性に優れ、しかも屋外でシートの環境汚れが極めて少ない状態に維持することができ、さらにこの非塩ビ系樹脂積層シート自体の最外表面層に含まれる光触媒による最外表面層以外の層の劣化が極めて少ないことを見い出して本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートは、繊維布帛を含む基布層と、その少なくとも一面上に形成された樹脂層とを含み、前記樹脂層が、ポリウレタン系樹脂、アクリル系共重合体樹脂、及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂を含み、前記樹脂層の少なくとも一面上に、光触媒を含有する最外表面層が形成され,前記樹脂層と前記最外表面層との間に、前記樹脂層を前記光触媒の作用から保護するための、フォスファーゼン樹脂及びその重量に対して5〜35重量%のケイ素化合物を含む中間保護層が形成されていることを特徴とするものである。
本発明の積層シートにおいて、前記樹脂層用熱可塑性樹脂が、ポリウレタン系樹脂と、アクリル系共重合体樹脂及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種の共重合体樹脂とからなる樹脂ブレンドからなり、前記ポリウレタン樹脂の含有量が、前記樹脂層用樹脂ブレンド重量に対し、30〜90重量%であることが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記樹脂層用熱可塑性樹脂が、ポリウレタン系樹脂のみからなるものであってもよい。
本発明の積層シートにおいて、前記基布層と前記樹脂層との間に形成された下地層をさらに含み、この下地層がポリウレタン系樹脂、アクリル系共重合体樹脂及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂を含むものが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記下地層の、前記ポリウレタン系樹脂の含有量が、前記下地層用熱可塑性樹脂重量の10〜50重量%であることが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記下地層用熱可塑性樹脂が、アクリル系共重合体樹脂及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種からなるものであってもよい。
本発明の積層シートにおいて、前記下地層及び前記樹脂層の各々を形成する熱可塑性樹脂が、ポリウレタン系樹脂からなるものであってもよい。
本発明の積層シートにおいて、前記樹脂層が、表面被覆されたハロゲン非含有化合物粒子を、前記樹脂層重量に対して10〜100重量%の含有量で含むことが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記下地層及び前記樹脂層のそれぞれが、表面被覆されたハロゲン非含有化合物粒子を、前記下地層及び前記樹脂層のそれぞれの重量の10〜100重量%の含有量で含むことが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記ハロゲン非含有化合物粒子が、リン含有化合物、窒素含有化合物、及び無機系化合物から選ばれた1種以上からなることが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記リン含有化合物が、赤リン、(金属)リン酸塩、(金属)有機リン酸塩、及びポリリン酸アンモニウムから選ばれることが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記窒素含有化合物が、(イソ)シアヌレート系化合物、(イソ)シアヌル酸系化合物、及びグアニジン系化合物、尿素系化合物、及びこれらの誘導体化合物から選ばれることが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記無機系化合物が、金属酸化物、金属水酸化物、金属複合酸化物、及び金属複合水酸化物から選ばれることが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆層が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂、ジアリルフタレート樹脂から選ばれた1種以上からなる熱硬化性樹脂を含み、その重量が、ハロゲン非含有化合物の重量に対し2〜15重量%であることが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記樹脂層が、70〜99重量%の無機系顔料と1〜30重量%の有機系顔料とからなる顔料により着色されていてもよい。
本発明の積層シートにおいて、前記下地層と前記樹脂層とのそれぞれが、70〜99重量%の無機系顔料と1〜30重量%の有機系顔料とからなる顔料により着色されていてもよい。
本発明の積層シートにおいて、前記樹脂層が、有機系顔料を含まない着色剤により着色されていてもよい。
本発明の積層シートにおいて、前記下地層と前記樹脂層とのそれぞれが有機系顔料を含まない着色剤により着色されていてもよい。
本発明の積層シートにおいて、前記樹脂層が、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、シランカップリング化合物、有機チタネート化合物から選ばれた少なくとも1種からなる架橋剤を、樹脂層の重量に対して0.3〜8重量%の含有量で含むことが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記下地層及び前記樹脂層の、それぞれがイソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、シランカップリング化合物、有機チタネート化合物から選ばれた少なくとも1種からなる架橋剤を、その重量の0.3〜8重量%の含有量で含むことが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記中間保護層用フォスファーゼン樹脂が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル及び(メタ)アクリル酸グリシジルから選ばれた1種以上のアクリル酸化合物と、塩化フォスファーゼン化合物、その直鎖状オリゴマー及び環状塩化フォスファーゼン化合物から選ばれたフォスファーゼン化合物との付加反応により生成した反応性フォスファーゼン化合物の紫外線硬化物から選ばれることが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記中間保護層用ケイ素化合物が、ポリシロキサン、コロイダルシリカ、及びシリカから選ばれることが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記中間保護層が、前記フォスファーゼン樹脂及びケイ素化合物に加えて、シリコーン系樹脂、フッソ系樹脂、メラミン系樹脂、及びエポキシ系樹脂から選ばれた少なくとも1種をさらに含むことが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記中間保護層が、70〜99重量%の無機系顔料と1〜30重量%の有機系顔料とからなる顔料により着色されていてもよい。
本発明の積層シートにおいて、前記中間保護層が、有機系顔料を含まない着色剤により着色されていてもよい。
本発明の積層シートにおいて、前記光触媒を含有する最外表面層が、その重量に対し、光触媒10〜70重量%と、金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲル25〜90重量%と、ケイ素化合物1〜20重量%とからなる混合物を含有することが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記光触媒を含有する最外表面層が、70〜99重量%の無機系顔料と1〜30重量%の有機系顔料とからなる顔料により着色されていてもよい。
本発明の積層シートにおいて、前記光触媒を含有する最外表面層が、有機系顔料を含まない着色剤により着色されていてもよい。
本発明の積層シートにおいて、前記光触媒が、酸化チタン(TiO2)、過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)及び酸化鉄(Fe23)から選ばれた少なくとも1種からなる光触媒成分及び前記光触媒成分を担持する多孔質微粒子により形成されていることが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記樹脂層が、前記熱可塑性樹脂を含む樹脂エマルジョン、又は樹脂ディスパージョンを基布上、又はその上に形成された下地層上に塗布し、乾燥し、それによって形成された被膜を、前記樹脂層の軟化温度よりも20℃以上高い温度において、かつ、0.1Mpa以上の押圧力下において、熱ロールによって連続熱圧延して得られたものであることが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、前記下地層及び前記樹脂層のそれぞれが、前記下地層用又は樹脂層用熱可塑性樹脂の樹脂エマルジョン又は樹脂ディスパージョンを、基布上又はその上に形成された下地層上に塗布し、乾燥し、それによって形成された下地層用又は樹脂層用被膜を、下地層又は樹脂層の軟化温度よりも20℃以上高い温度において、かつ、0.1Mpa以上の押圧力下において、熱ロールにより連続熱圧延して形成されたものであることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートは、繊維布帛を含む基布層と、その少なくとも一面上に形成された樹脂層とを含み、前記樹脂層が、ポリウレタン系樹脂、アクリル系共重合体樹脂、及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂を含み、前記樹脂層の少なくとも一面上に、光触媒を含有する最外表面層が形成され,前記樹脂層と前記最外表面層との間に、前記樹脂層を、前記光触媒の作用から保護するための中間保護層が形成されていることを特徴とするものである。
前記樹脂層用熱可塑性樹脂は、ポリウレタン系樹脂と、アクリル系共重合体樹脂及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種の共重合体樹脂とからなる樹脂ブレンドからなり、前記ポリウレタン樹脂の含有量が、前記樹脂層用樹脂ブレンド重量に対し、30〜90重量%であること、又は、前記樹脂層用熱可塑性樹脂が、ポリウレタン系樹脂のみからなることが好ましい。
【0010】
本発明の積層シートは、前記基布層と前記樹脂層との間に形成された下地層をさらに含んでいてもよく、この下地層がポリウレタン系樹脂、アクリル系共重合体樹脂及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂を含むものであってもよい。
前記下地層において、前記ポリウレタン系樹脂の含有量が、前記下地層用熱可塑性樹脂重量の10〜50重量%であることが好ましく、或は、前記下地層用熱可塑性樹脂が、アクリル系共重合体樹脂及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種からなるものであることが好ましい。
前記下地層及び/又は前記樹脂層が、表面被覆されたハロゲン非含有化合物粒子を、前記下地層及び/又は前記樹脂層の重量の10〜100重量%の含有量で含むことが好ましい。
前記下地層及び/又は前記樹脂層が、70〜99重量%の無機系顔料と1〜30重量%の有機系顔料とからなる顔料により着色されていてもよく、或は前記下地層及び/又は前記樹脂層が有機系顔料を含まない着色料により着色されていてもよい。
前記下地層及び/又は前記樹脂層がイソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、シランカップリング化合物、有機チタネート化合物から選ばれた少なくとも1種からなる架橋剤を、その重量の0.3〜8重量%の含有量で含むことが好ましい。
前記中間保護層は、ケイ素化合物5〜35重量%を含有する熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂からなることが好ましく、前記光触媒を含有する最外表面層が、その重量に対し、光触媒10〜70重量%と、金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲル25〜90重量%と、ケイ素化合物1〜20重量%とからなる混合物を含有することが好ましい。
【0011】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの積層構造を図1〜3により説明する。
図1に示された積層シートの断面図において、基布層の表裏両面上に樹脂層2a,2bが形成されており、表面側樹脂層2aの上に中間保護層3が形成されており、その上に、光触媒含有最外表面層4が形成されている。
【0012】
図2に示された他の態様の積層シートの断面図において、図1の積層構造に加えて、基布層1の表面と、表面側樹脂層2aとの間に表面側下地層5aがさらに形成されている。
図3に示された更に他の態様の積層シートの断面図において、図2の積層構造に加えて、基布層1の裏面と、裏面側樹脂層2bとの間に裏面側下地層5bがさらに形成されている。
【0013】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの下地層、及び/又は樹脂層に用いられるポリウレタン系樹脂としては、ジイソシアネート化合物と、分子構造内にヒドロキシル基を2個以上有するポリオール化合物と、必要によりさらにイソシアネート基と反応する官能基を含有する化合物との付加重合反応によって得られるものがあげられる。前記ジイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族、脂環式(水素添加物を包含する)のジイソシアネート化合物を包含する。これらのジイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、o−,m−、またはp−キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0014】
ヒドロキシル基を2個以上有するポリオール化合物としては、分子量300〜10000、好ましくは、500〜5000を有し、かつジイソシアネート化合物と反応し得るものである。これらの化合物としては、例えば、炭素数2〜8のグリコール類、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキセングリコール、及びプロピレングリコールの1員と、炭素数4〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸、例えばアジピン酸、コハク酸、グルタル酸、スペリン酸、及びセバシン酸など、もしくは、芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸などの1員とを縮合反応させて得られる。
縮合体ジオール類;アルキレングリコールとラクトン基との共重合によって得られるポリエステルグリコール類、例えば、ポリラクトンジオール、ポリエナントラクトンジオールなど;また、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドとアルキレングリコールとの縮合体;炭素数2〜4のポリアルキレルグリコール類;テトラヒドロフランの開環重合などによって得られるポリアルキレンエーテルグリコール類;更にジヒドロキシポリエステルアミド類;ジヒドロキシポリアセタール類;ジヒドロキシポリアルキレン類;ジヒドロキシポリカーボネート類なども同様に用いることができる。
【0015】
更に、前記ジオールの他に分子鎖長の調節剤として、イソシアネート基と反応する官能基を有する化合物、例えば、炭素数2〜6の飽和脂肪族のグリコール類、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ブタン1,2−ジオール、ブタン1,3−ジオール、ブタン1,4−ジオール、ブタン2,3−ジオール及びブタン2,4−ジオール、及び1,6−ヘキサンジオールなどを適宜使用することができる。
【0016】
ポリウレタン系樹脂は、上記化合物を理論等量に基づき用いて公知の方法によって重合して製造することができる。中でも、特にジオール化合物として、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール類を用いて重合したエーテル型ポリウレタン樹脂類;ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(1,6−ヘキサンアジペート)、又はポリ−ε−カプロラクトン類を用いて重合したエステル型ポリウレタン樹脂類;ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)類を用いて重合したカーボネート型ポリウレタン樹脂類などが好適に用いられる。
【0017】
また、本発明において、下地層、及び/又は樹脂層の形成に使用するポリウレタン系樹脂としては、無黄変ポリウレタン樹脂を使用することが耐光性の面で好ましく、無黄変ポリウレタン樹脂は、上記ジイソシアネート化合物の中から特に脂肪族、脂環式(水素添加物を包含する)ジイソシアネートを選んで重合することによって製造することができる。
【0018】
本発明の積層シートにおいて、下地層、及び樹脂層の形成に用いるポリウレタン系樹脂としては、上記ジイソシアネート化合物と、ヒドロキシル基を2個以上有するポリオールとの反応によって得られ、分子量100000〜200000程度の、かつ分子の両末端にヒドロキシル基を有するポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。このポリウレタン系樹脂は、その熱可塑性を利用して熱混練及び圧延によって樹脂層、及び/又は下地層を形成するのに適しており、また、有機系溶剤中に10〜40重量%の固形分濃度で溶解し、さらに樹脂層、及び/又は下地層の強度と耐熱性を改善させる目的で、ジイソシアネートまたは、分子内に3個以上のイソシアネート基を含有するポリイソシアネート化合物を添加し、この溶液を塗布、乾燥することによって樹脂層、及び/又は下地層を形成してもよい。また、ジイソシアネート化合物と、2個以上のヒドロキシル基を有するポリオールとの反応によって得られる分子量100000〜200000程度の、かつ分子の両末端にイソシアネート基を有する湿気硬化型ポリウレタン樹脂なども、これを有機系溶剤中に溶解させて、前記と同様に使用できる。
【0019】
また、ポリウレタン系樹脂は、上記ジイソシアネート化合物、ジオール化合物などの原料を乳化剤の存在下、水中で乳化重合を行うことで得られるポリウレタン系樹脂エマルジョンとして用いられてもよく、あるいは、上記ポリウレタン系樹脂を水中に強制的に分散・懸濁させたポリウレタン系樹脂ディスパージョンなどとして使用することもできる。これらのポリウレタン系樹脂は、エステル型ポリウレタン樹脂、エーテル型ポリウレタン樹脂、カーボネート型ポリウレタン樹脂、カプロラクトン型ポリウレタン樹脂、アクリル型ポリウレタン樹脂などの何れであってもよく、これらのエマルジョン、及びディスパージョンの混合物として用いられてもよい。更に、これらの樹脂の分子構造中に水酸基、カルボン酸基、及び/又は4級アンモニウム塩基などを導入し、水中における分散安定性を改良した官能基含有変性ポリウレタン樹脂エマルジョンなどであってもよい。また、ポリウレタン系樹脂エマルジョンは、コア−/シェル異相構造を有するハイブリッドエマルジョンであってもよい。これらのコア−シェル型エマルジョンとしては、例えば、コアポリマーとして酢酸ビニル系共重合樹脂または、アクリル酸エステル系共重合樹脂を用い、シェルポリマーとしてポリウレタン系樹脂を用いてコアとシェルとを一体化したものなどが使用できる。特に樹脂層、及び/又は下地層の強度と耐熱性を改善させる目的で、これらのポリウレタン系樹脂エマルジョン、及びディスパージョンにブロックイソシアネートまたは、親水性基を含有するポリイソシアネート化合物を添加し、この溶液を塗布、乾燥することによって樹脂層、及び/又は下地層を形成してもよい。
【0020】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの下地層、及び/又は樹脂層に用いるアクリル系共重合体樹脂としては、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル及びメタアクリル酸エステルを意味する。エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂は、エチレンモノマーと、それと共重合し得るアクリル系モノマーとのラジカル共重合によって製造された共重合体樹脂であって、アクリル系モノマーとしては具体的に、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルを包含し、これらのアクリル系モノマーは2種以上を併用してエチレンと共重合することもできる。エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂において、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどのアクリル系モノマーの成分含有量は6〜35重量%であることが好ましく、15〜30重量%であることがより好ましい。また、これらのアクリル系共重合体樹脂が、乳化剤の存在下、水中で重合を行うことで得られる樹脂エマルジョンの場合、共重合するアクリル系モノマーの成分量は60〜95重量%、好ましくは70〜90重量%であることが好ましい。また、オレフィン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体をベース樹脂として、そのカルボキシル基の5〜90%を金属イオンで中和したアイオノマー樹脂などを用いてもよく、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合樹脂系アイオノマー樹脂ディスパージョンなども使用できる。このアイオノマー樹脂を中和する金属イオンとしては、Zn++、及びNa+ の金属イオンを用いることが特に好ましい。
【0021】
また、スチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂は、スチレンモノマーと、それと共重合し得るアクリル系モノマーとのラジカル共重合によって製造された共重合体樹脂である。アクリル系モノマーとしては具体的に、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどで、これらのアクリル系モノマーは2種以上を併用しスチレンと共重合することもできる、さらに前記、スチレン及びアクリル系モノマーに加えて、第3成分として、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸のα,β−不飽和酸、マレイン酸、フマル酸、及びイタコン酸などの不飽和基含有二価カルボン酸、及びそれらのアルキルエステル類;α−メチルスチレン、核置換スチレン等の芳香族ビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物類;並びに無水マレイン酸、マレイミド、及びN−置換マレイミドなどの1種以上を共重合して得られた多元共重合体であってもよい。これらのアクリル系共重合体樹脂は、水中で重合を行うことにより、樹脂エマルジョン、または水分散体(ディスパージョン)として得られる。このとき共重合するアクリル系モノマーの成分含有量は40〜95重量%であることが好ましく、60〜85重量%であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル酸エステルとして、主に(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸グリシジルなど、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類が用いられる。
【0022】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの下地層、及び/又は樹脂層に用いる酢酸ビニル系共重合体樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂が挙げられる。エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂は、エチレンモノマーと、酢酸ビニルモノマーとをラジカル共重合して得られる共重合体樹脂である。エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂において、酢酸ビニルモノマーの成分含有量は6〜35重量%であることが好ましく、15〜30重量%であることがより好ましい。また、これらの酢酸ビニル系共重合体樹脂が、乳化剤の存在下、水中で重合を行うことで得られる樹脂エマルジョンの場合、共重合する酢酸ビニル成分の含有量は60〜95重量%であることが好ましく、70〜90重量%であることがより好ましい。
また、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂は、酢酸ビニルモノマーと、それと共重合し得るアクリル系モノマーとのラジカル共重合によって製造された共重合体樹脂である。アクリル系モノマーとしては具体的に、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどを包含し、これらのアクリル系モノマーは2種以上を併用しエチレンと共重合することもできる。酢酸ビニル系共重合体樹脂が、乳化剤の存在下、水中で重合を行うことで得られる樹脂エマルジョンの場合、共重合する酢酸ビニル成分の含有量は30〜80重量%であることが好ましく、40〜70重量%であることがより好ましい。また、酢酸ビニル成分の含有量が10〜30重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を水中に強制分散させて得られたディスパージョンを用いてもよい。
【0023】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの下地層、及び/又は樹脂層を形成する熱可塑性樹脂は、上記ポリウレタン系樹脂のみから構成されていてもよく、あるいは上記アクリル系共重合体樹脂のみ、または、上記酢酸ビニル系共重合体樹脂のみで構成されていてもよいが、本発明において、下地層、及び/又は樹脂層は、上記ポリウレタン系樹脂と、上記アクリル系共重合体樹脂及び/又は、上記酢酸ビニル系共重合体樹脂とのブレンドによって構成されることが好ましい。
【0024】
(i)本発明の積層シートにおいて、繊維布帛を含む基布層の少なくとも一面上に樹脂層が直接形成されている場合、この樹脂層用熱可塑性樹脂を構成するポリウレタン系樹脂と、アクリル系共重合体樹脂及び/又は、酢酸ビニル系共重合体樹脂とのブレンドにおいて、樹脂ブレンドの重量に対し、ポリウレタン系樹脂の含有量が、30〜90重量%であることが好ましく、特に50〜80重量%であることがより好ましい。ブレンド中のポリウレタン系樹脂の含有量が30重量%未満であると、得られるシートの耐摩耗性及び耐寒性が不十分になり実用上支障をきたすことがある。また、それが90重量%を越えると、使用環境によっては表面にベタつきを生ずることがある。
【0025】
(ii)本発明の積層シートが、繊維布帛を含む基布層上に、その少なくとも一面上に形成された下地層を介して樹脂層が形成されている場合、下地層に含まれる熱可塑性樹脂は、ポリウレタン系樹脂、アクリル系共重合体樹脂及び酢酸ビニル系樹脂の少なくとも1種からなるものである。(a)下地層に用いられる熱可塑性樹脂がポリウレタン系樹脂と、アクリル系共重合体樹脂、及び/又は酢酸ビニル系共重合体樹脂との樹脂ブレンドである場合、樹脂ブレンドの重量に対し、ポリウレタン系樹脂の含有量が、10〜50重量%であることが好ましく、特に20〜40重量%含有されることがより好ましい。またこの場合、(b)樹脂層用熱可塑性樹脂がポリウレタン系樹脂と、アクリル系共重合体樹脂、及び/又は酢酸ビニル系共重合体樹脂との樹脂ブレンドからなり、樹脂ブレンドの重量に対し、ポリウレタン系樹脂の含有量が、30〜90重量%であることが好ましく特に50〜80重量%含有することがより好ましい。
【0026】
前記下地層用樹脂ブレンド(a)において、ポリウレタン系樹脂の含有量が10重量%未満であると、得られる積層シートの耐寒性及び、耐屈曲性が不十分になり実用に支障をきたすことがあり、また、それが50重量%を越えると、得られる積層シートの風合いに反発弾性が増すため、積層シートの厚さによっては、取り扱い性が不良になることがある。前記樹脂層用樹脂ブレンド(b)において、ポリウレタン系樹脂の含有量が30重量%未満であると、得られる積層シートの耐摩耗性が不十分となることがあり、また、それが90重量%を越えると、使用環境によっては表面にベタつきを生ずることがある。本発明において、上記ポリウレタン系樹脂、アクリル系共重合体樹脂、及び酢酸ビニル系共重合体樹脂の2種以上の樹脂ブレンドは、各樹脂の熱溶融・混練によって調製されてもよく、また、各樹脂を有機溶剤に溶解させて調製してもよく、またさらに、各樹脂のエマルジョンをブレンドして調製してもよい。樹脂ブレンド及び、各樹脂単体の軟化温度は65〜140℃であることが好ましい。
【0027】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの下地層、及び/又は樹脂層を形成する熱可塑性樹脂(樹脂ブレンド、または、樹脂単体)には、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、シランカップリング化合物、有機チタネート化合物から選ばれた少なくとも1種からなる架橋剤を、熱可塑性樹脂の重量に対して0.3〜8重量%の含有量で含有されることが好ましい。前記架橋剤の含有率が0.3重量%未満であると、得られる積層シートの耐水性と耐熱性とが不十分となることがあり、また、それが8重量%を越えても耐水性と耐熱性の改善効果は飽和し、むしろ高周波融着性が低下し、風合いを硬くするなどの弊害が発生することがある。また、前記下地用及び樹脂層用熱可塑性樹脂(樹脂ブレンド又は樹脂単体)の軟化温度は65〜140℃であることが好ましい。
【0028】
前記架橋剤として用いられるイソシアネート化合物は、脂肪族ジイソシアネート類、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシアネートなど;脂環式ジイソシアネート類、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネートなど;芳香族ジイソシアネート類;例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなど;ポリイソシアネート類、例えば、HDIのイソシアヌレート3量体、HDIのトリメチロールプロパン・アダクト3量体、HDIのビウレット3量体など;及び、前記イソシアネート化合物のイソシアネート基をフェノール化合物類、オキシム化合物類、アルコール化合物類、またはラクタム化合物類などのブロック化剤で保護したもの;及びこれらのエマルジョン、さらに、前記ポリイソシアネート化合物の一部に長鎖アルキレンジオール基を導入して親水性を付与したイソシアネート変性体などを包含する。
【0029】
前記架橋剤として用いられるカルボジイミド化合物としては、有機ジイソシアネート化合物を、ホスホレン化合物、又は金属カルボニル錯体化合物、などを触媒として、カルボジイミドに転換することによって得られる化合物、例えば、ジプロピルカルボジイミド、ジヘキシルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジ−p−トルオイルカルボジイミド、及びトリイソプロピルベンゼンポリカルボジイミドなどが挙げられるが、これらの中でも、特にポリカルボジイミドなどの多官能化合物を用いることが好ましい。
【0030】
前記架橋剤として用いられるアジリジン化合物としては、例えば、ジフェニルメタン−ビス−4,4′−N,N′−ジエチレンウレア及び、このエマルジョン、2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕などが挙げられる。
【0031】
前記架橋剤として用いられるオキサゾリン化合物としては、オキサゾール−4−カルボン酸の脱炭酸反応により得られるオキサゾールを原料として用い、これから誘導される化合物、例えば、2−オキサゾリン、4−メチル−2−オキサゾリン、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、並びにスチレン樹脂またはアクリル系樹脂などのポリマーを幹としてオキサゾリル基をグラフトして得られる多官能オキサゾリンポリマー、及びそのエマルジョンなどが挙げられる。
【0032】
前記架橋剤として用いられるシランカップリング化合物としては、一般式:XR−Si(Y)3 で表され、かつ分子中に2個以上の互に異なる反応基を有する化合物で、例えば、X=アミノ基、ビニル基、エポキシ基、クロル基、又はメルカプト基など(R=アルキル鎖)、Y=メトキシ基、又はエトキシ基などの化合物;前記一般式の化合物の加水分解生成物、及びそれとアルコキシシラン化合物との共加水分解生成化合物などを包含する。具体的に述べるならば有機シラン化合物としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、及びパーフルオロオクチルエチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0033】
前記架橋剤として用いられる有機チタネート化合物としては、テトラエトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタンポリマー、テトラ−n−ブトキシチタンポリマーなどのチタニウムアルコキシド化合物;トリ−n−ブトキシチタン・ステアレート、イソプロポキシチタン・トリステアレートなどのチタニウムアシレート化合物;ジ−i−プロポキシチタン・ビスアセチルアセトナト、ジ−i−プロポキシチタン・ビスエチルアセトアセタトなどのチタニウムキレート化合物;並びにイソプロポキシチタン・トリイソステアレート、イソプロポキシチタン・ジメタクリレート・イソステアレート、イソプロポキシチタン・トリスジオクチルホスフェート、ビスジオクチルホスフェート・エチレングリコラトチタン、及びジ−n−ブトキシ・ビストリエタノールアミナトチタンなどのチタンカップリング剤が挙げられる。
【0034】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートにおいて、その下地層、及び/又は樹脂層を、無機系顔料を用いて着色して、積層シートによる光隠蔽性を改善することが好ましい。具体的に本発明に使用できる無機系顔料としては、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化チタン(ルチル型、アナターゼ型)、三酸化アンチモン、酸化鉄(鉄黒、べんがら)、黄色酸化鉄、フエロシアン化鉄(紺青)、紺青と黄鉛との混合物(ジンクグリーン)、酸化鉛(鉛丹)、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化コバルトと酸化アルミニウムの複合物(コバルトブルー)、酸化コバルトと酸化錫と酸化マグネシウムとの複合物(セルリアンブルー)、酸化コバルトと酸化リチウムと五酸化リンの複合物(コバルトバイオレット)、酸化コバルトと酸化亜鉛と酸化マグネシウムとの複合物(コバルトグリーン)、リン酸コバルト(コバルトバイオレット)、リン酸マンガン(マンガン紫)などの金属酸化物;硫化亜鉛と硫酸バリウムの複合物(リトポン)、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化亜鉛、硫化亜鉛カドミウム、硫化カドミウム(カドミウムイエロー)、硫化カドミウムと硫化水銀との複合物(カドミウムマーキュリーレッド)、硫化水銀(銀朱)、硫化カドミウムとセレニウム−カドミウムの複合物(カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、カドミウムイエロー)、硫化アンチモンと三酸化アンチモンの複合物(アンチモン朱)、などの金属硫化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、塩基性硫酸鉛などの金属硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸鉛と水酸化鉛の複合物(鉛白)などの金属炭酸塩;水酸化アルミニウム(アルミナホワイト)、水酸化アルミニウムと硫酸カルシウムの複合物(サチン白)、水酸化アルミニウムと硫酸バリウムの複合物(グロスホワイト)、クロム酸水和物(ビリジアン)などの金属水酸化物;クロム酸鉛(黄鉛)、クロム酸亜鉛(亜鉛黄)、クロム酸バリウム、クロム酸鉛と酸化鉛の複合物(赤口黄鉛)、クロム酸鉛とモリブデン酸鉛と硫酸鉛との複合物(クロムバーミリオン)などのクロム酸金属塩;モリブデン酸鉛と硫酸鉛の複合物(モリブデンレッド)、紺青と黄鉛との混合物(クロムグリーン)、スピネル型(XY24 )構造酸化物〔但し、XY=Co−Al,Co−Al−Cr,Co−Mg−Sn,Co−Ni−Ti,Co−Zn−Ni−Ti,Co−Zn−Cr−Ti,Zn−Cr−Ti,Zn−Cr−Fe,Co−Zn−Cr−Fe,Co−Ni−Cr−FE−Si,Co−Mn−Cr−Fe,Cu−Mn−Cr,Mn−Feなど〕;ルチル型〔Ti(X′Y′)O2 〕構造酸化物〔但し、X′Y′=Pb−Sb,Ni−Sb(チタンイエロー),Ni−W,Fe−Mo,Cr−Sbなど〕;カーボンブラック、チタンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、シリカ、ホワイトカーボン、ケイ藻土、タルク、クレーなど;並びにアルミニウム粉、ブロンズ粉、ニッケル粉、ステンレス粉などの金属顔料及びパール顔料などを包含し、これらの無機系顔料を、使用目的(所望の色及び用途など)に応じて、その単1種又は2種以上の組み合わせを用いることができる。また、これらの無機系顔料を、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、及び/又はエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂中に配合充填したものを微粉化して得られる熱硬化性樹脂被覆顔料を使用してもよい。
【0035】
これらの無機系顔料の添加量に関しては、シートの厚さと、所望の色相に応じて適宜に設定すればよく、特に制限はないが、下地層、または樹脂層を形成する樹脂配合組成物100重量部に対し、0.1〜30重量部、好ましくは、0.5〜20.0重量部であることが好ましい。無機系顔料の添加量が0.1重量部未満では、下地層と樹脂層の着色度が不十分になり所望の隠蔽性が得られないことがあり、また、それが30重量部を超えると下地層と樹脂層の成形加工性が不十分になり、さらに下地層と樹脂層の各々の樹脂強力と樹脂摩擦強力が不十分になることがある。これらの無機系顔料としては、使用時の分散性を向上させるために、分散剤処理された加工顔料を使用することが好ましい。
【0036】
また本発明の環境汚れ抑制シートの下地層、または樹脂層の着色には、調色の必要性から、無機系顔料と有機系顔料とを併用することもできる。本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートにおいて、光触媒効果による有機系顔料の分解変退色を最小限に抑制するためには、無機系及び有機系顔料を、無機系顔料70〜99重量%:有機系顔料1〜30重量%の併用比率で用いられることが好ましい。より好ましくは無機系顔料85〜99重量%:有機系顔料1〜15重量%の併用比率で用いられる。無機系顔料と有機系顔料との混合顔料の添加量に関しては、シートの厚さと、所望色相及び濃さに応じて適宜に設定することができるので、特に制限はない。混合顔料の添加量は、下地層、または樹脂層を形成する配合組成物100重量部に対し、0.1〜30重量部であることが好ましく、0.5〜20重量部であることがより好ましい。混合顔料の添加量が、0.1重量部未満では、下地層、及び樹脂層の着色度が不十分になりその隠蔽性が不十分になることがあり、またそれが30重量部を超えると、下地層と樹脂層の成形加工性が不十分になりまた、下地層と樹脂層の樹脂強力、及び樹脂摩耗強力が不十分になることがある。本発明においては、積層シートに所望の光隠蔽性を与えるために、特に無機系顔料として、少くともその一部分として酸化チタン(TiO2 )を使用することが好ましい。酸化チタンとしては、チタン鉱石を硫酸と反応させて硫酸チタニルとし、これを加水分解して得た含水酸化チタンを焼成して得られるルチル型酸化チタン、及びアナタース型酸化チタン、またはチタン鉱石を還元剤と共に塩素を反応させ、得られた四塩化チタンを酸素と反応させて得られるルチル型酸化チタンなどが挙げられる。本発明に使用する酸化チタンとしては、ルチル型酸化チタンが、耐候性の観点で好ましく、その粒子径としては0.05〜0.5μmであることが好ましく、平均粒子径が0.2〜0.35μmの酸化チタンが光隠蔽性に優れ、本発明の積層シートに好適である。
【0037】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの下地層、または樹脂層の着色に使用できる有機系顔料としては、アゾ系顔料、より詳しく述べるならば、不溶性モノアゾ顔料として、β−ナフトール系、ナフトールAS系、アセト酢酸アリールアミド系の有機系顔料、例えば、ファストイエローG、ジニトロアニリンオレンジ、トルイジンレッド、ナフトールバイオレットB、ベンズイミダゾロンブラウンHFRなど;不溶性ジスアゾ顔料として、アセト酢酸アリールアミド系、ピラゾロン系の有機系顔料、例えば、ジスアゾイエローAAA、ジスアゾオレンジPMP、ピラゾロンレッドB、ジアニシジンブルーなど;アゾレーキ顔料として、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系の有機系顔料、例えば、タートラジンイエローレーキ、ペルシアンオレンジ、レーキレッドCなど;縮合アゾ顔料として、例えば、縮合アゾイエローGR、縮合アゾオレンジ4R、縮合アゾレッドBR、縮合アゾブラウン5Rなど;金属錯塩アゾ顔料として、例えば、ニッケルアゾイエロー、銅アゾブラウンなど;フタロシアニン顔料、詳しくは、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニンレーキなど、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなど;染付けレーキ顔料、詳しくは、酸性染料レーキ顔料として、例えば、キノリンイエローレーキ、フロキシンBレーキ、ピーコックブルーレーキなど;塩基性染料レーキ顔料として、例えば、チオフラビンレーキ、ローダミン6Gレーキ、メチルバイオレットレーキ、ビクトリアピュアブルーBOレーキ、ブリリアントグリーンレーキ、ビスマルクブラウンRレーキなど;縮合多環系顔料、詳しくは、アントラキノン系顔料として、例えば、フラバントロンイエロー、ピラントロンオレンジ、ジアントラキノニルレッド、ジクロロイソピオラントロンバイオレット、インダントロンブルー、ピオラントロングリーン、ヘリオフアストブラウンRなど;チオインジゴ系顔料として、例えば、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、チオインジゴブラウンなど;ペリノン系顔料として、例えば、ペリノンオレンジ、ペリノンレッドなど;ペリレン系顔料として、例えば、ペリレンスカーレット、ペリレンボルドーなど;キナクリドン系顔料として、例えば、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなど;ジオキサジン系顔料として、例えば、ジオキサジンバイオレット;イソインドリノン系顔料として、例えば、イソインドリノンイエロー3RLT、イソインドリノンオレンジRLT、イソインドリノンレッド2BLTなど;キノフタロン系顔料として、例えば、キノフタロンイエローなど;イソインドリン系顔料として、例えば、イソインドリンイエローなど;その他の有機系顔料としてニトロソ顔料、例えば、ニッケルニトロソイエロー、ピグメントグリーンBなど;アリザリンレーキ顔料として、例えば、マダーレーキ、アリザリンマルーンなど;金属錯塩アゾメチン顔料として、例えば、銅アゾメチンイエローなど;アニリン系顔料として例えば、アニリンブラックなどが挙げられる。上記の有機系顔料の1種または、2種以上を前記無機系顔料と組み合わせて使用する事ができるが、本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートをハロゲン非含有性にするという観点からは、これらの有機系顔料は、その化学構造においてハロゲン原子を含有しないものから選ばれることが好ましい。また、これらの有機系顔料をメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂中に配合充填したものを微粉化して得られた熱硬化性樹脂被覆顔料を使用しても良い。また、上記無機系顔料、または有機系顔料は、その使用時の分散性を向上させるために、分散剤処理された加工顔料として使用されることが好ましい。エマルジョン樹脂の着色には、上記有機系顔料及び、無機系顔料を、非イオン系またはアニオン系の界面活性剤を分散剤として水に分散させた水性分散体顔料または、親水性樹脂で顔料の表面処理コートを施した水易分散顔料などを使用することが好ましく、樹脂への練り混み用には、上記有機系顔料または、無機系顔料をポリオレフィン系樹脂、ワックス、分散剤などと一括してマスターバッチ、カラードペレットなどの形態に調整された加工顔料を使用する事が好ましい。
【0038】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの下地層、または樹脂層には、必要に応じて、種々の添加剤を配合して用いることができる。特に下地層及び樹脂層の耐久性を向上させる目的で、これらに、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び/又は光安定剤などを適量添加することが好ましい。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸系化合物及び、アニリド系化合物を含む紫外線吸収剤が挙げられ、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系化合物、アミン系化合物、及びフォスファイト系化合物の酸化防止剤が挙げられる。また光安定剤としてはヒンダードアミン系化合物の光安定剤が挙げられる。その他フィルム成型時の加工性を向上させる目的でリン酸エステル系化合物、脂肪族アミド系化合物、モンタン酸系化合物などの滑剤を添加することもできる。
【0039】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの下地層、または樹脂層に、ハロゲン非含有化合物粒子を添加して、これに防炎性を付与することが産業資材としての用途上好ましく、さらに、消防法に定められる防炎試験に適合することが好ましい。また、ハロゲン非含有化合物粒子は熱硬化性樹脂などによって表面被覆されていることが好ましく、特にハロゲン非含有化合物が無機系化合物である場合には、酸性雨に対する耐性を向上させるという観点で好ましく、また、特にハロゲン非含有化合物が有機系化合物である場合には、光触媒によるその分解・劣化に対する耐性を向上させるという観点から好ましい。ハロゲン非含有化合物としては、リン含有化合物、窒素含有化合物、無機系化合物のいずれか1種以上であることが好ましく、下地層、または樹脂層を形成する樹脂組成物100重量部に対し、ハロゲン非含有化合物を10〜100重量部配合することが好ましい。この時、下地層及び樹脂層用熱可塑性樹脂(樹脂ブレンド及び、樹脂単体)の軟化温度は75〜180℃であることが好ましい。
【0040】
前記防炎用リン含有化合物としては、赤リン、(金属)リン酸塩、(金属)有機リン酸塩、ポリリン酸アンモニウムが挙げられる。赤リンとしては、黄リンを不活性ガス雰囲気下、250〜350℃の加熱によって赤リンに転化された平均粒子径5〜25μmの粉末状の赤リンが使用できる。また、本発明に使用する赤リンとしては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂、及びジアリルフタレート樹脂の熱硬化性樹脂から選ばれた1種以上により表面被覆され、平均粒子径5〜25μmの粒子状の赤リンを使用することが好ましい。金属リン酸塩としてはリン酸、亜リン酸、次亜リン酸などの金属塩が挙げられる。リン酸と塩を形成する金属としてはNa,K,Li,Ca,Ba,Mg,Al,Znなどが挙げられる。有機リン酸塩としては、(亜)リン酸モノアルキルエステルの金属塩、(亜)リン酸ジアルキルエステルの金属塩が挙げられる。有機リン酸と塩を形成する金属としてはNa,K,Li,Ca,Ba,Mg,Al,Znなどが挙げられる。ポリリン酸アンモニウム系化合物としては、オルソリン酸アンモニウムと含窒素化合物との縮合物である縮合系リン酸塩化合物を用いることができる。縮合系リン酸塩化合物としては、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミンなどが使用できる。ポリリン酸アンモニウム(NH4 PO3)n としては、重合度nが200以上のものが好ましく用いられる。ポリリン酸アンモニウムの重合度nが200未満であると、ポリリン酸アンモニウムが水溶性となり、水に溶出してしまうことで難燃化効果の持続性が失われるなどして降雨に晒される用途には不適切となる。本発明に使用する縮合リン化合物としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂などの窒素含有熱可塑性樹脂で表面被覆処理された重合度nが600〜1200のポリリン酸アンモニウムが好ましい。
【0041】
前記防炎用窒素含有化合物としては、(イソ)シアヌレート系化合物、(イソ)シアヌル酸系化合物、グアニジン系化合物、尿素系化合物及びこれらの誘導体化合物から選ばれた1種以上であることが好ましい。具体的に窒素含有化合物としては、トリメチルシアヌレート、トリエチルシアヌレートなどのシアヌレート誘導体;及びこれらの(イソ)シアヌレート誘導体とメラミン系化合物との複合物、トリメチルイソシアヌレート、トリエチルイソシアヌレートなどのイソシアヌレート誘導体、メラミン(シアヌル酸アミド)、グアナミン、ベンゾグアナミン、硫酸メラミン、トリメチロールメラミン、シアヌル酸トリメチルエステル、シアヌル酸トリエチルエステル、シアヌル酸モノアミド、シアヌル酸ジアミド、及び1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリオキシ−1,3,5−トリアジンなどのシアヌル酸誘導体;またイソシアヌル酸モノイミド、イソシアヌル酸ジイミド、イソシアヌル酸トリイミド、トリメチルジシアナミド、トリエチルジシアナミド、トリカルボイミド、及びジシアナミドの3量体(メロン)などのイソシアヌル酸誘導体;またジシアンジアミド、ジシアンジアミジシン、グアニジン、スルファミン酸グアニジン、燐酸グアニジン、及びジグアニドなどのグアニジン誘導体;尿素、チオ尿素、ジメチロール尿素、ジアセチル尿素、トリメチル尿素、N−ベンゾイル尿素、及び燐酸グアニル尿素などの尿素系化合物、及びこれらの窒素含有化合物の複合物が挙げられる。またこれらの窒素含有化合物とポリリン酸との複合物、例えばポリリン酸とメラミンの複合物、ポリリン酸とメラミンの2量体との複合物などが挙げられる。その他の窒素含有化合物として、ピロール類、インドール類、オキサゾール類、オキサジン類、チアジン類、ピリダジン類などの複素環式化合物なども使用することができる。
【0042】
前記防炎用無機系化合物としては、金属酸化物、金属水酸化物、金属複合酸化物、金属複合水酸化物などが挙げられる。これらは具体的に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、酸化アンチモンなどの金属酸化物、及びホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、ジルコニウム−アンチモンなどの金属複合酸化物などが挙げられる。また水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの金属水酸化物、及びドロマイト、ハイドロタルサイト、ヒドロキシスズ酸亜鉛、酸化スズの水和物、ホウ砂などの金属複合水酸化物、これらの無機系化合物の粒径は、化合物の種類によって異なるが例えば平均粒径が、20μm以下、好ましくは10μm以下であるものが加工性、分散性のうえで好ましく、またこれらの無機系化合物は、1種または2種以上併用することもできる。
【0043】
これら前記ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆は、熱硬化性樹脂から選ばれた1種以上を用い、上記ハロゲン非含有化合物重量の好ましくは2〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%の被覆率で、前記ハロゲン非含有化合物粒子表面上に形成されることが好ましい。被覆率が2重量%未満であると、光触媒によって上記ハロゲン非含有化合物のうち、特に有機系化合物が分解・劣化し、得られるシートの防炎性が損なわれることがあり、また、上記ハロゲン非含有化合物のうち、特に無機系化合物が酸性雨によって腐蝕され、得られるシートの防炎性が不十分となることがある。また熱硬化性樹脂による被覆率が15重量%を越えると、ハロゲン非含有化合物の表面被覆処理工程で、ハロゲン非含有化合物粒子が凝集し、本発明の下地層、または樹脂層を形成する組成物中への分散性を不十分にするのみならず、得られる積層シートの機械的強度が不十分になることがある。
【0044】
前記ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆に使用できる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂、及びジアリルフタレート樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、フェノール類、またはアルコール類とエピクロルヒドリン(ECH)との重縮合によって得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、例えばビスフェノールAとECHとの重縮合によって得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。特にフェノール誘導体としてフェノールノボラックを使用した多官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂などが3次元編目構造を生成するため好ましく使用できる。その他、カルボン酸類とECHとの重縮合によって得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、アミン類または、シアヌル酸類、または、ヒダントイン類などとECHとの重縮合によって得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、及び脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。またこれらのエポキシ樹脂にはポリアミン、変性ポリアミン、酸無水物、イソシアネート、ポリメルカプタン及び有機酸などの重付加型硬化剤、3級アミン、イミダゾール、ルイス酸、ブレンステッド酸塩などの触媒型硬化剤、レゾール型フェノール樹脂、メチロール基含有尿素樹脂、メチロール基含有メラミン樹脂などの縮合型硬化剤などを併用してさらに樹脂を硬化させることができる。また、これらの熱硬化性樹脂の硬化反応は、紫外線照射による光硬化によって行なわれたものであってもよい。
【0045】
前記ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆用不飽和ポリエステル樹脂としては、不飽和二塩基酸を含む二塩基酸と二価アルコールとの重縮合によって得られ、不飽和結合をビニルモノマーで架橋したものが挙げられる。不飽和二塩基酸としては無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられ、二塩基酸としては無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ヘット酸などが挙げられる。また多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコールなどが挙げられる。また架橋用のビニルモノマーとしてはスチレン、ビニルトルエン、フタル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリル、メタクリル酸メチルなどが挙げられる。その他、不飽和ポリエステル樹脂としてビニルエステル樹脂を使用することもできる。
【0046】
前記ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆用フェノール樹脂としては、フェノールまたは、フェノール誘導体とホルムアルデヒドとの酸性触媒存在下での縮合によって得られるノボラック型樹脂をヘキサメチレンテトラミンのような架橋剤と共に加熱して硬化させたもの、あるいはフェノールまたは、フェノール誘導体とホルムアルデヒドとの塩基性触媒存在下での縮合によって得られるレゾール型樹脂を酸触媒または加熱によって硬化させたものが挙げられる。フェノール誘導体としては(o−,m−,p−)クレゾール、(2,3−,2,4−,2,5−,2,6−,3,4−,3,5−)キシレノール、レゾルシノールなどが挙げられ、フェノールと併用することで得られるフェノール樹脂の特性をコントロールすることができる。
【0047】
前記ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆用メラミン樹脂としては、メラミンまたは、メラミン誘導体とホルムアルデヒドとの付加によって得られるメチロール化メラミンを縮合したものが用いられ尿素樹脂としては、尿素または、尿素誘導体とホルムアルデヒドとの付加によって得られるメチロール化ユリアを縮合したものが用いられトリアジン樹脂としては、グアナミンまたは、グアナミン誘導体とホルムアルデヒドとの付加によって得られるメチロール化グアナミンを縮合したものなどが用いられる。また前記メチロール化において、メラミン、尿素、グアナミン及び、これらの誘導体を2種以上用いて付加させて共縮合樹脂させた物であってもよい。
【0048】
前記ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆用ジアリルフタレートとしては、アリルクロライドと無水フタル酸との付加体であるジアリルオルソフタレートまたは、アリルクロライドとイソフタル酸との付加体であるジアリルイソフタレートを線上にラジカル重合させたプレポリマーを、熱硬化、または紫外線硬化させたものが挙げられる。
【0049】
更に本発明に使用するハロゲン非含有化合物の表面被覆中には、金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、有機チタネート化合物、アルキルフルオロ基含有化合物、シリコーン系化合物から選ばれた1種以上からなる添加剤を含有させることが好ましく、これらの添加剤は上記熱硬化性樹脂の重量に対し、1〜30重量%含有することが好ましい。上記添加剤が表面被覆層中に均一分散して含まれる場合には、熱硬化性樹脂重量に対する含有量は1〜10重量%であることが好ましく、またハロゲン非含有化合物の表面を上記添加剤で表面処理したものに、熱硬化性樹脂で表面処理被覆したもの、あるいはハロゲン非含有化合物の表面を熱硬化性樹脂で表面処理被覆したものにさらに上記添加剤による表面処理を施したものなどの場合には、熱硬化性樹脂重量に対する上記添加剤の含有量は、10〜30重量%であることが好ましい。
【0050】
前記添加剤用金属アルコキシド化合物としては、一般式M(OH)n の金属水酸化物の水酸基を、アルコキシ基(OR:例えば−OCH3 ,−OC25 ,−OC37 ,−OC49 などで置換した有機金属化合物(M(OR)n )が用いられる。金属Mとしては、Ba,Y,Cu,Zr,Nb,Ta,In,Sn,Fe,Si,Ga,Sr,W,Mn,Co,Zn,Ni,Al,La,Tiなどが挙げられる。これら金属アルコキシド化合物は具体的に、ジエトキシバリウム、ジ−i−プロポキシバリウム、ジ−n−ブトキシバリウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−i−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルムニウム、テトラエトキシシリコン、テトラ−i−プロポキシシリコン、テトラ−n−ブトキシシリコンなどである。これらの金属アルコキシドは、公知のゾル−ゲル法、または、加水分解沈殿法によって加水分解させ、重縮合して用いることができる。
【0051】
前記添加剤用有機シラン化合物としては、一般式:XR−Si(Y)3 で表される分子中に2個以上の互に異る反応基を有するシランカップリング剤で、例えば、X=アミノ基、ビニル基、エポキシ基、クロル基、メルカプト基など(R=アルキル鎖)、Y=メトキシ基、エトキシ基などの化合物である。またこれらの化合物の加水分解生成物、及び上記化合物とアルコキシシラン化合物との共加水分解生成物なども使用できる。具体的に有機シラン化合物としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらの有機シラン化合物は、表面被覆に用いられる熱硬化性樹脂の重量に対して1〜5重量%の濃度で使用し、加水分解させて使用することができる。また有機シラン化合物として、変性ジメチルポリシロキサンなども使用することができる。
【0052】
前記添加剤用有機チタネート化合物としては、テトラエトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタンポリマー、テトラ−n−ブトキシチタンポリマーなどのチタニウムアルコキシド化合物、トリ−n−ブトキシチタン・ステアレート、イソプロポキシチタン・トリステアレートなどのチタニウムアシレート化合物、ジ−i−プロポキシチタン・ビスアセチルアセトナト、ジ−i−プロポキシチタン・ビスエチルアセトアセタトなどのチタニウムキレート化合物、イソプロポキシチタン・トリイソステアレート、イソプロポキシチタン・ジメタクリレート・イソステアレート、イソプロポキシチタン・トリスジオクチルホスフェート、ビスジオクチルホスフェート・エチレングリコラトチタン、ジ−n−ブトキシ・ビストリエタノールアミナトチタンなどのチタンカップリング剤が挙げられる。有機チタネート化合物は、表面被覆に用いられる熱硬化性樹脂の重量に対して1〜3重量%の濃度で使用し、加水分解させて使用することができる。
【0053】
前記添加剤用アルキルフルオロ基含有化合物としては、フッ素系化合物としては炭素数が4〜20、好ましくは6〜12のパーフルオロアルキル基(Cn2n+1)と親水性基とを有する化合物で、水溶液中での表面張力が10〜15 dyn/cmの化合物を用いることが好ましい。これらのフッ素系化合物としては例えば、フルオロアルキル(C4 〜C10)カルボン酸、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−〔フルオロアルキル(C6 〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3 〜C4 )スルホン酸ナトリウム、3−〔ω−フルオロアルカノイル(C6 〜C8 )−N−エチルアミノ〕−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−〔3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル〕−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸、パーフルオロアルキル(C7 〜C13)カルボン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、パーフルオロアルキル(C4 〜C12)スルホン酸塩(Li,K,Na)、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6 〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6 〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩(K)、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキル(C6 〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。これらのフッ素系化合物はエマルジョン化されたものであってもよい。上記ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆層中に含まれたフッ素系化合物は100℃前後の予備乾燥が行われた後、150〜180℃で熱処理されることが好ましく、このようにすると、パーフルオロ基の配向が整列されその効果が向上する。
【0054】
前記添加剤用シリコーン系化合物としては、メチルクロロシラン、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン類、フッ素変性ポリシロキサン類、ポリエーテル変性ポリシロキサン類、アルコール変性ポリシロキサン類、アミノ変性ポリシロキサン類、エポキシ変性ポリシロキサン類、フェノール変性ポリシロキサン類、カルボキシ変性ポリシロキサン類、メルカプト変性ポリシロキサン類などが挙げられる。これらのシリコーン化合物のうち、変性ポリシロキサンとしては、その変性部位が側鎖変性体であるもの、両末端変性体であるもの、及び片末端変性体であるものなどが挙げられる。また特にメチルハイドロジエンポリシロキサンまたは、メチルハイドロジエンポリシロキサンと、水酸基両末端ジメチルポリシロキサンとの併用物が好ましく使用できる。またメチルハイドロジエンポリシロキサン分子間にシロキサン(Si−O−Si)架橋生成を促進させる触媒として2−エチルヘキシル酸または酢酸などの有機酸の金属塩を使用しても良く、上記ハロゲン非含有化合物に対する固着性を高めるためにアミノプラスト系樹脂を併用することもできる。上記ハロゲン非含有化合物に処理されたシリコーン系化合物は100℃前後の予備乾燥が行われた後、150〜180℃で熱処理されることがシロキサン架橋の形成を促進するため好ましい。
【0055】
前記リン含有化合物、前記窒素含有化合物、及び前記無機系化合物などのハロゲン非含有化合物の表面被覆に使用する熱硬化性樹脂としては、前記熱硬化性樹脂、即ちエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂、ジアリルフタレート樹脂から選ばれた何れであってもよいが、特にメラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂による表面被覆処理が簡便で好ましい。前記リン含有化合物としては、特にポリリン酸アルミニウム、又はポリリン酸メラミンを用いることが好ましく、これらをメラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂などの熱硬化性樹脂で表面被覆したものが特に好ましい。また前記窒素含有化合物としては特に(イソ)シアヌル酸誘導体、(イソ)シアヌレート誘導体などを用いることが好ましく、これらをメラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂などの熱硬化性樹脂で表面被覆したものが好ましい。またこれらの表面被覆層にはアルキルフルオロ基含有化合物、シリコーン系化合物などの添加化合物を含むことが好ましく、これらの表面被覆層には更に耐光安定剤を含むことが好ましい。上記ハロゲン非含有化合物は本発明の積層シートの下地層、または樹脂層を形成する前記樹脂組成物100重量部に対し、表面被覆されたハロゲン非含有化合物を10〜100重量部の配合量で配合して使用することが好ましい。またこの時、ハロゲン非含有化合物粒子の凝集を防止して樹脂中への分散性を向上させる目的で、これらのハロゲン非含有化合物には、オレイン酸、ラウリル酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸、及びこれらの高級脂肪酸の金属塩による表面改質処理がさらに施されていても良い。
【0056】
また、ハロゲン非含有化合物粒子が無機系化合物から形成されたものである場合、熱硬化性樹脂に併用される金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、有機チタネート化合物、アルキルフルオロ基含有化合物、及びシリコーン系化合物などの添加化合物のうち、特に金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、有機チタネート化合物を用いることが好ましい。この金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、有機チタネート化合物から選ばれた1種以上の添加化合物は、前記熱硬化性樹脂中に均一に分散して表面被覆層を形成しても良く、あるいは、この金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、有機チタネート化合物から選ばれた1種以上の添加化合物によって無機系化合物の表面を処理し、その上に熱硬化性樹脂による表面被覆を行ってもよい。無機系化合物としては、特に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどを用いることが好ましく、これらの表面被覆層には更に耐光安定剤を含むことが好ましい。ハロゲン非含有化合物は、本発明の下地層、または樹脂層を形成する前記樹脂組成物100重量部に対し、表面被覆されたハロゲン非含有化合物を10〜100重量部配合して使用することが好ましい。またこの時、ハロゲン非含有化合物粒子の凝集を防止して樹脂中への分散性を向上させる目的で、これらのハロゲン非含有化合物には、オレイン酸、ラウリル酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸、及びこれらの高級脂肪酸の金属塩による表面改質処理がさらに施されていてもよい。
【0057】
本発明に使用するハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆層の形成方法は、用いられるハロゲン非含有化合物の粒子と、用いられる上記熱硬化性樹脂の性状及び、形態に応じて、気相法、液相法、マイクロカプセル法、オートクレープ法、スプレー法、及びメカノケミカル法などの公知の方法から適宜選択して用いることができる。ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆には、ハロゲン非含有化合物粉体を熱硬化性樹脂溶液中に分散・接触させて行う方法が簡便で好適である。この時、熱硬化性樹脂溶液としては、有機溶剤中に溶解させたもの、またはエマルジョンであるもの、更には、熱硬化性樹脂前駆体を有機溶剤中に溶解させたもの、または熱硬化性樹脂前駆体の水溶液の何れであってもよい。またこの時、金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、有機チタネート化合物、アルキルフルオロ基含有化合物、及びシリコーン系化合物などの化合物のうち、特に金属アルコキシド化合物、有機シラン化合物、及び有機チタネート化合物から選ばれた1種以上からなる添加化合物と、さらに耐光安定剤を併用して用いることができる。
【0058】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの下地層、または樹脂層の形成において、ポリウレタン系樹脂と、アクリル系共重合体樹脂と酢酸ビニル系共重合体樹脂とから選ばれた少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂のうち、その2種以上からなる樹脂ブレンドを用いるときは、この2種以上の樹脂の熱溶融・混練によって調製されてもよく、また、2種以上の樹脂を有機溶剤に溶解させて混合してもよく、またさらに、2種以上の樹脂のエマルジョンをブレンドしてもよい。このうち2種以上の樹脂、又は単一種の樹脂を熱溶融・混練して下地層、または樹脂層の形成を行う場合、例えば、上記、有機系顔料、無機系顔料などの着色剤、及びハロゲン非含有化合物などを造粒機で予備配合したコンパウンドを用いてT−ダイ法、インフレーション法、カレンダー法など公知のフィルム、シート加工技術によって製造することができる。特に有機系顔料、無機系顔料などによって着色された下地層、及び樹脂層の製造には、カレンダー法により100〜200℃の温度範囲で成型加工を行うことがコンパウンドの色替えロスが少なく製造効率の面で好ましい。また、下地層と樹脂層の形成を、2種以上の樹脂を有機溶剤に溶解して混合する方法、2種以上の樹脂のエマルジョンのブレンドで行う方法において、これら溶剤系樹脂溶液、または水系樹脂エマルジョンを繊維布帛を含む基布の表面に塗布して、有機溶剤、または水分を乾燥させて被膜形成を行うコーティング法、あるいは、基布を溶剤系樹脂溶液浴、または水系樹脂エマルジョン浴中に浸漬し、これを引き上げると同時にマングルロールで圧搾して余分な樹脂液を除去した後、有機溶剤、または水分を乾燥させて被膜形成を行うディッピィング法、及びディッピィング法の繰り返し、またはディッピィング法とコーティング法との組み合わせ法などによって、実施することができる。本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの下地層、または樹脂層の形成は、2種以上の樹脂のエマルジョンのブレンドを用い、ディッピィング法とコーティング法とを組み合わせて行うことが、簡便で好ましい。上記の下地層及び/又は樹脂層の形成方法は、それぞれの層に単一種の樹脂を用いる場合にも同様に適用することができる。得られる積層シート中の樹脂付着量としては、下地層と樹脂層の質量を加算して、100〜600g/m2 であることが好ましく、150〜450g/m2 であることがより好ましい。樹脂の付着量が100g/m2 未満であると、得られるシートの防水性と高周波融着性が不十分となることがあり、また、600g/m2 を越えるとシートが過度に厚くなり、取り扱い性が不良になることがある。また、下地層、及び樹脂の厚さは、それぞれ60〜300μm、特に100〜200μmであることが好ましい。厚さが60μmよりも薄いと得られるシートの耐摩耗性と防水性とが不十分となることがあり、また、厚さが300μmよりも厚いと得られる積層シートが過度に重くなり、取り扱い性や施工性が不良になることがある。
【0059】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの下地層、または樹脂層の形成を、樹脂エマルジョンまたは樹脂ディスパージョンの塗布、乾燥によって実施する場合、下地層、または樹脂層には、それぞれの樹脂の軟化温度よりも20℃以上高い温度、好ましくは30〜100℃高い温度に設定した熱ロールによって、0.1Mpa 以上、好ましくは0.3〜1.0Mpa の押圧下で連続熱圧延することが、それによって、下地層、及び樹脂層内部に残留する微細気泡を除去して防水性と耐屈曲性を向上させるという観点で好ましい。押圧条件が0.1Mpa 未満であると、得られる下地層及び樹脂層中の微細気泡を除去することが困難となり、得られる積層シートの防水性が不十分となることがある。熱ロールの表面形状に特に制限はないが、鏡面ロール、または、表面粗さRz(JIS B−0601)が5〜100μmの梨地ロールであることが好ましい。この熱圧着による気泡除去工程は、樹脂溶液、樹脂エマルジョンまたは樹脂ディスパージョンの塗布、乾燥工程に引き続いて施すことが好ましい。下地層及び樹脂層の軟化温度の測定法に関して、特に規定はないが、例えば、ビカット軟化温度(JIS K6760)または、DSC融点(JIS K7121)などで評価することが有効である。
【0060】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの基布に使用できる繊維布帛としては、織布、編布、不織布のいずれでもよく、織布としては、特に織組織に限定はないが、平織織物を用いると、得られる積層シートの縦緯方向の物性のバランスが良好であるため好ましい。編布としてはラッセル編の緯糸挿入トリコットが好ましく、不織布としては長繊維を用いた不織布が好ましく、特にスパンボンド不織布などが使用できる。また、繊維布帛の縦糸・緯糸は合成繊維、天然繊維、半合成繊維、無機繊維またはこれらの2種以上から成る混合繊維のいずれによって製織されてもよいが、加工性、汎用性を考慮して、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、またはこれらの混合繊維などの合成繊維のマルチフィラメント糸条、短繊維紡績(スパン)糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなどのいずれか糸条を選択すればよい。なかでも引張強力、引裂強力、耐熱クリープ特性などに優れているポリエステル繊維、ポリアミド繊維、これらの混合繊維や、混用繊維などを用いて形成されるマルチフィラメント平織繊維布帛または、スパン平織繊維布帛を用いることが好ましい。これらの織布の製織は、シャットル織機、シャットルレス織機(レピア方式、グリッパ方式、ウオータージェット方式、エアジェット方式)などの従来公知の織機を用いて製織することができる。上記の繊維布帛には公知の繊維処理加工、例えば、精練処理、漂白処理、染色処理、柔軟化処理、糊剤処理、撥水処理、防水処理、防カビ処理、防炎処理、毛焼き処理、カレンダー処理、バインダー樹脂処理などを併用して処理されたものを使用することもできる。
【0061】
本発明に使用される繊維布帛は短繊維紡績糸からなる布帛であることが好ましく、短繊維紡績糸条を製造するには、上記ポリプロピレン、ビニロン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂をその溶融温度(融点)以上の温度に加熱して、流動性のある粘重な溶融液とし、これを特定の口径(0.2〜0.6mmφ程度)の細孔を多数有する紡糸口金を通過させて空気、窒素、水などの不活性冷却媒体中に繊維状に押出して1000〜10000m/min 、特に2000〜6000m/min の速度で紡糸して長繊維紡糸束(トウ)を作製し、これを2〜6cmの長さに切断してステープル繊維を作製する。次にこのステープル繊維を開繊し、ダブリングドラフトを掛けながら200〜700m/min の速度で練条してスライバを形成し、これを引き伸ばして繊維平行度を一定に揃えてロービング(粗糸)を形成し、このロービングに所定の番手太さにドラフトと撚りを掛けてトウ紡績することが好ましく、得られたトウ紡績糸条が本発明に有効に使用される。この糸条に撚糸を施すには、単糸または2本以上の単糸の引き揃えをS(右)撚もしくはZ(左)撚に撚って加撚された片撚糸、単糸または2本以上の単糸の引き揃えに下撚りを施した加撚糸を2本以上引き揃えて、これに上撚りを掛けた諸撚糸、その他強撚糸などが挙げられる。これらの撚糸の撚り回数は、通常の片撚糸、及び諸撚糸において500〜2000回/m、強撚糸では2000回以上/mであることが好ましい。また、糸の番手と撚数との関係を表す比例定数の撚係数の範囲として、撚係数1.3〜3.0程度の甘撚り、撚係数3.0〜4.5程度の普通撚り、撚係数4.5〜5.5程度の強撚糸が挙げられ、特に撚り係数3.0〜4.5の範囲の普通撚り糸を用いることが好ましい。これらの短繊維紡績糸条は、シャットル織機、シャットルレス織機(レピア方式、グリッパ方式、ウオータージェット方式、エアジェット方式)など、従来公知の紡績法及び設備を用いて製造することができる。
【0062】
短繊維紡績糸条の番手としては、591dtex(10番手)、295dtex(20番手)、197dtex(30番手)、148dtex(40番手)、97dtex(60番手)の範囲のもの、特に591dtex(10番手)、422dtex(14番手)、370dtex(16番手)、295dtex(20番手)、246dtex(24番手)、197dtex(30番手)などの範囲の短繊維紡績糸条が好ましく使用できる。(これらの番手数は10の倍数に限定されるものではなく所定値に設定できる。)短繊維紡績糸条が97dtex(60番手)より小さいと得られる帆布の引裂強力に劣り、また591dtex(10番手)より大きいと破断強力及び引裂強力は向上するが、糸の径が太くなるに伴って、得られる積層シートが厚くなると同時に、繊維布帛の織交点の凹凸が大きくなり平滑性が不十分になることがある。これらの短繊維紡績糸条として、単糸及び、双糸、さらには単糸3本以上の撚糸、またはこれらの2本合糸、あるいは2本合撚糸などの糸条を経糸及び緯糸として用い、これを25.4mm(1インチ)間に30〜160本打込んで得られるスパン平織織布を用いることが好ましい。特に好ましくは295dtex(20番手)単糸、または295dtex(20番手)双糸を用いて25.4mm(1インチ)間に経糸50〜70本、緯糸40〜60本の織密度で打込んで得られるスパン平織織布が好適に用いることができる。その他、マルチフィラメント糸条を内層(芯)として外層(鞘)に短繊維糸条を巻き付けて紡績したコアスパン糸条から得られるスパン平織織布を使用することも好ましい。また、短繊維紡績布(スパン)の空隙率(目抜け)は、0〜8%のものが好適である。空隙率が8%を越えると、得られる織物中の経緯方向の繊維糸条の充填量が少なくなりすぎて得られる積層シートが不十分な寸法安定性を示すことがあり、積層シートの引裂き強度及び突起物に対する耐貫通性が不十分になり、このためその実用性が不十分になることがある。
【0063】
本発明の積層シートに使用する繊維布帛としては、マルチフィラメント糸条からなる織布を用いることもできる。マルチフィラメント糸条からなる織布の経糸及び緯糸の打込み密度に特に限定はないが、55〜2222dtexの糸条を経糸及び緯糸として25.4mm(1インチ)間に10〜80本打込んで得られる織布が好適に使用できる。例えば277dtexのマルチフィラメント糸条を25.4mm(1インチ)間に20〜40本、又は555〜1111dtexのマルチフィラメント糸条を25.4mm(1インチ)間1.5〜35本、又は1666dtexのマルチフィラメント糸条を25.4mm(1インチ)間10〜25本程度の打込み組織で得られる目抜け平織り織布、または非目抜け平織り織布が本発明に好適に用いられる。これらのマルチフィラメント糸条は無撚であってもよく、又は撚りが掛けられたものであってもよい。これらの織布の目付量は、50〜500g/m2 のものが適している。また、マルチフィラメント織布の空隙率(目抜け)は、0〜30%のものが好ましく用いられる。空隙率が30%を越えると、得られる織物中の経緯方向の繊維糸条の充填量が少なくなりすぎて、得られるシートの寸法安定性が不十分になり、また、シートの引裂き強度と突起物に対する耐貫通性が不十分になり、このため、シートの実用性に問題を生ずることがある。空隙率は繊維布帛の単位面積中に占める繊維糸条の見掛け合計面積を百分率として求め、100から差し引いた値として求めることができる。空隙率を求める際の繊維布帛の単位面積として経方向10cm×緯方向10cmを用いることが好ましい。
【0064】
本発明に使用する短繊維紡績糸条、またはマルチフィラメント糸条としては、汎用性から特にポリエステル繊維を用いることが好ましく、ポリエステル繊維としては、具体的に、テレフタル酸とエチレングリコールとの重縮合によって得られるポリエチレンテレフタレート(PET)、テレフタル酸とブチレングリコールとの重縮合によって得られるポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレート樹脂から紡糸されるポリエステル繊維が繊維強力及び、溶融紡糸性の観点で好ましく使用できる。また、ポリエチレンテレフタレートには上記モノマー以外にイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、ジエチレングリコールなどの共重合モノマーを5重量%程度含んでいるものであってもよい。
【0065】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートにおいて、樹脂層は、上記繊維布帛を含む基布の片面に形成されてもよいし、両面に形成されてもよいが、屋外用途に用いられたときの積層シートの耐久性を考慮すると基布の両面に、樹脂層が形成されることが好ましく、必要に応じて上記基布の片面、または両面と樹脂層との間に下地層を設けてもよい。樹脂層及び、下地層の形成の方法として、下地層及び樹脂層形成樹脂又は樹脂組成物が予じめカレンダー法、T−ダイ法、インフレーション法などによりフィルム成型されているものである場合、フィルムと基布層との間に接着剤層を設けて接着してもよいし、接着剤なしにフィルムを熱溶融させてブリッジ形成をしてもよい。基布とフィルムとの積層方法は、フィルムの成型加工と同時に基布上に熱ラミネート積層するカレンダートッピング法、及びT−ダイラミネート法などでもよく、あるいはフィルムを成型加工した後に、これをラミネーターへ熱圧着により基布上に積層接合する方法などが挙げられるが、本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの製造には、カレンダー法によって成型加工されたフィルムと基布との熱圧着による方法が効率的かつ経済的にすぐれている。このとき基布用繊維布帛の編織組織は目抜け編織組織であると、目抜け空隙部分を貫通して表と裏のフィルムが熱溶融ブリッジすることができるので、特別な接着剤を必要とせずに積層シートを製造することができる。また、樹脂層及び下地層の形成をエマルジョン樹脂、またはディスパージョン樹脂によって行う場合には、これらの水系コーティング剤を基布の表面に均一、かつ均質に塗布できる様なコーティング方式を用いることが好ましく、例えば、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、コンマコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、バーコート法、キスコート法、フローコート法などが好適であり、必要に応じてディッピング法を併用することもできる。基布と、樹脂層、必要によりさらに下地層からなるシート基材の厚さには、特に限定はなく、その構成によって適宜設計できる。例えば、短繊維紡績布(スパン)からなる基布の両面に直接樹脂層を形成する場合、シート基材の厚さは200〜1000μmであることが好ましく、300〜800μmであることがより好ましい。マルチフィラメント織布からなる基布の両面に直接樹脂層を形成する場合、シート基材の厚さは200〜1000μmであることが好ましく、300〜800であることがより好ましい。
【0066】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの中間保護層は、ファスファーゼン樹脂と、その重量に対し5〜35重量%のケイ素化合物を含み、必要に応じて、さらに、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、メラミン系樹脂、及びエポキシ系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂を含んでいてもよく、これらの熱可塑性樹脂及び/又は熱(光)硬化性樹脂は有機系溶剤に溶解されたとき、適度の粘性を有することが好ましい。シリコーン系樹脂としては、アルキル基、アルケニル基、アリル基、又は水素を1〜3個結合したクロロシランまたはアルコキシシランを、単独で、又は複数種を無溶剤系中でまたは有機系溶剤系中で加水分解して重合した直鎖シリコーン樹脂、共重合シリコーン樹脂、シリコーンゴムなどを包含し、特に共重合シリコーン樹脂としてSi−OH基、Si−OMe基を有する2官能以上の変性シリコーン(例えば、シラノール基あるいはアルコキシ基を有するメチルメチルフェニルシリコーン樹脂)とアルコール性水酸基含有樹脂とをアルキルチタネート触媒の存在下で反応させて得られるシリコーン変性体類、例えばアクリル変性シリコーン樹脂、アクリル−ウレタン変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン−フッ素共重合体樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、ポリエステル変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂、及びフェノール変性シリコーン樹脂が挙げられる。また、シロキサン架橋可能なシリコーン変性共重合体、シロキサン架橋可能なシリコーン変性オリゴマー、イソシアネート架橋可能なシリコーン変性共重合体、及びイソシアネート架橋可能なシリコーン変性オリゴマーなどを使用することもできる。本発明においては、前記共重合シリコーン樹脂中のシリコーン変性成分の含有率は表面処理層に占める固形分に換算して20〜75重量%であることが好ましい。
【0067】
前記中間保護層の形成に使用できるフッ素系樹脂としては、ビニルエーテル−フルオロオレフィン共重合体樹脂、ビニルエステル−フルオロオレフィン共重合体樹脂、及びこれらのフッ素系樹脂とイソシアネート化合物の併用組成物などが挙げられる。
【0068】
前記中間保護層の形成に使用できるメラミン系樹脂としては、シアヌルアミド、シアヌル酸トリアミド、シアヌル酸アミド、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン及びこれらの誘導体から選ばれた1種以上のメラミン化合物とホルマリンを反応させ、メチロール化メラミンの初期縮合物をブタノールで変性しブチル化メチロールメラミンとして有機系溶剤に可溶化させたもの、及びブチル化メチロールメラミンをアルキッド樹脂とともに有機系溶剤に溶解させたものなどが挙げられる。
【0069】
前記中間保護層の形成に使用できるエポキシ系樹脂としては、エピクロルヒドリンと多価フェノール類との開環付加反応によって得られるもの、汎用的にはエピクロルヒドリンとビスフェノールA、またはレゾールとの反応によって得られる重縮合物が使用できる。またこれらのエポキシ樹脂をアミン類、有機酸、酸無水物及びポリイソシアネート化合物などの硬化剤と共に有機系溶剤中に溶解して使用でき、さらにアルキッド樹脂、メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂などと併用することもできる。
【0070】
前記中間保護層の形成に使用されるフォスファーゼン系樹脂としては、(PNCl2)n (n=1,2,3,4)などの塩化ホスファーゼン、及び直鎖状塩化ホスファーゼンオリゴマー、または(PNCl2)n (n=2,3,4)の4員環、6員環、8員環の環状塩化ホスファーゼンを原料として、その塩素原子をアクリル酸化合物に置換して得られる反応性フォスファーゼン化合物の紫外線硬化物が挙げられる。前記ホスファーゼン化合物に付加して置換されるアクリレート化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどが挙げられる。
【0071】
前記中間保護層の形成に用いられる表面処理剤用有機系溶剤の種類、組成には特に制限はないが、例えば、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤、及び酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、その他テトラヒドロフランなどの1種以上を選択して適宜使用することができる。
【0072】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの中間保護層を形成するために用いられるケイ素化合物としては、ポリシロキサン、コロイダルシリカ、シリカが挙げられる。ポリシロキサンとしては、ゾルゲル法によりアルコキシシラン化合物を加水分解、重縮合して得られるものが好ましく、例えばアルコキシシランとして、一般式:Yn SiX4-n (n=1〜3)で表されるケイ素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解化合物が適している。前記一般式において、Yは、例えば、アルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、メルカプト基、アミノ基またはエポキシ基であることができ、Xは例えば、ハロゲン、メトキシル基、エトキシル基、またはアセチル基であることができる。ケイ素化合物としては具体的には、アルキル基置換トリクロルシラン、アルキル基置換トリブロムシラン、アルキル基置換トリメトキシシラン、アルキル基置換トリエトキシシラン、アルキル基置換トリイソプロポキシシラン、アルキル基置換トリ−t−ブトキシシランなどが挙げられ、アルキル基としては、それぞれメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、n−オクタデシル基、フェニル基である。また、具体的には、上記アルキル置換シラン化合物のアルキル基をトリフルオロプロピル基に変えたもの、上記アルキル置換シラン化合物のアルキル基をビニル基に変えたもの、上記アルキル置換シラン化合物のアルキル基をγ−メタアクリロキシプロピル基に変えたもの、上記アルキル置換シラン化合物のアルキル基をγ−アミノプロピル基に変えたもの、上記アルキル置換シラン化合物のアルキル基をγ−メルカプトプロピル基に変えたものなどが挙げられる。
【0073】
前記中間保護層用コロイダルシリカとしてはケイ酸ナトリウム溶液を陽イオン交換に供することによって得られる水分散媒中のシリカゾル(SiO2 )が挙げられるが、本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの中間保護層に使用するコロイダルシリカとしては、有機系溶剤としてメタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤、及び酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、その他テトラヒドロフランなどの1種以上から選ばれた有機系溶剤の何れか1種以上を用い、これを分散媒とする、BET平均粒子径が10〜20nmのものが適している。また、シリカ(SiO2 )としては、ケイ酸ナトリウムと鉱酸(硫酸)及び塩類を水溶液中で反応させる湿式法によって得られる合成非晶質シリカが挙げられる。合成非晶質シリカは、表面のシラノール基(Si−OH基)に水素結合で結合する水分と、シラノール基自体が含有する水酸基として存在する水分を結合水分として有する含水シリカである。非晶質含水シリカの平均凝集粒径としては、平均凝集粒径(コールカウンター法)が1〜20μm非晶質含水シリカを用いることが好ましく、より好ましい平均凝集粒径は2〜10μmであり、含水率としては3〜15重量%のものを用いることが好ましく、特に5〜10重量%の含水シリカを用いることがより好ましい。これらのシリカ粒子をシランカップリング剤で表面処理して用いることもできる。
【0074】
中間保護層形成用に含まれるケイ素化合物の配合量としては、上記ポリシロキサン、上記コロイダルシリカ及び、上記シリカから選ばれた1種以上を、前記中間保護層の合計重量に対して5〜35重量%配合することが好ましい。中間保護層中のケイ素化合物の含有量が5重量%未満であると、中間保護層と光触媒を含む最外表面層との密着性が不十分になることがあり、またそれが35重量%を越えると、中間保護層と光触媒を含む最外表面層との密着性は向上するが、中間保護層と樹脂層表面との密着性を不十分にすることがあり、また中間保護層の摩耗強度を不良にすることがあるために産業資材用シートに適さないものとなることがある。
【0075】
中間保護層を形成するための、ケイ素化合物と、前記熱可塑性樹脂及び/又は前記熱(光)硬化性樹脂とを含有するコーティング組成物の塗布の方法には、特別の限定はないが、前記のコーティング組成物を樹脂層の表面に、均一、かつ均質に塗布できる様なコーティング方式を用いることが望ましく、例えば、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、コンマコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、バーコート法、キスコート法、フローコート法などが好適である。表面保護層の厚さには特別の制限はないが、上記コーティング方式のいずれか、もしくは、組み合わせを用いて、固形分付着量が好ましくは2〜20g/m2 、より好ましくは3〜10g/m2 になるように形成する。固形分付着量が2g/m2 よりも少ないと、本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの防汚性、及び耐久性が十分に得られないことがあり、また、それが20g/m2 を超えると、得られる中間保護層の屈曲強さが不十分になることがあり、着色した樹脂層の色彩を隠蔽してしまうため、好ましくない。中間保護層の塗布量を2〜5g/m2 に設定するには、上記中間保護層用コーティング組成物の有機系溶剤量を多く設定することによってコントロールできる。中間保護層の厚さは、上記コーティング法の何れかによって、0.5μm以上の厚さに形成させることが好ましい。
【0076】
光触媒を含有する最外表面層は、光触媒を10〜70重量%と、必要により金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲル25〜90重量%と、ケイ素化合物1〜20重量%とを含有する。光触媒を含有する最外表面層を形成するには、光触媒、及び必要により金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲル、及びケイ素化合物を含有するコーティング組成物を上記中間保護層の表面に塗布、乾燥する。光触媒を含有する最外表面層中に含まれる金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルは、光触媒を最外表面層内に固着し、また最外表面層を中間保護層面と強固に密着させる。さらにこれらの金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルは多孔質であって大きな表面積を有し、このため汚れ物質と光触媒との接触を促進して光触媒活性を有効に発現させることができる。光触媒を含有する最外表面層中に含まれる金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルの含有量は、25〜90重量%であることが好ましい。含有量が25重量%未満では、最外表面層と中間保護層との密着性が不十分となることがあり、またそれが90重量%を越えると最外表面層内の光触媒の含有量が少なくなり、このため光触媒活性が十分に発現し得ないことがある。さらに金属酸化物ゲル及び/又は金属酸化物ゲルの乾燥物の比表面積は、100m2 /g以上であることが好ましく、このようにすると、最外表面層と中間保護層との密着性が向上し光触媒活性発現効率が向上する。
【0077】
前記金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルとしては、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、マグネシウム、ニオビウム、タンタラム、タングステン、錫の金属から選ばれた1種または2種以上の金属の酸化物ゲル、もしくは水酸化物ゲルであることが好ましく、具体的にはシリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル、酸化ニオブゾルなどが例示できる。また、これらの混合ゲルとして、共沈法で得られる複合酸化物ゲルが使用できる。これらの金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルと光触媒との混合するには、これらのゲルの状態になる前のゾルの状態にあるように混合するか、もしくはゾルを調製する前の原料の段階で混合することが好ましい。金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルを調製するには、金属塩を加水分解する方法、中和分解する方法、イオン交換する方法などがあるが、ゲルの中に光触媒を均一に分散することが可能であれば何れの方法でも使用できる。本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの、光触媒を含有する最外表面層に用いられる酸化物ゾルとしては、特にジルコニウム及び、アルミニウムの酸化物ゾルが耐久性の面で好ましく使用できる。
【0078】
光触媒としては、TiO2 ,ZnO,SrTiO3 ,CdS,GaP,InP,GaAs,BaTiO3 ,K2 NbO3 ,Fe23 ,Ta25 ,WO3 ,SnO2 ,Bi23 ,NiO,Cu2 O,SiC,SiO2 ,MoS2 ,InPb,RuO2 ,CeO2 などを例示することができ、またこれらの光触媒にPt,Rh,RuO2 ,Nb,Cu,Sn,NiOなどの金属及び金属酸化物を添加した公知のものが全て使用できる。これらの光触媒のうち、酸化チタン(TiO2 )、過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2 )、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )、酸化タングステン(WO3 )、酸化ビスマス(Bi23 )、酸化鉄(Fe23 )及びこれら光触媒成分を担持する多孔性粒子から選ばれた金属酸化物を使用することが好ましい。特に酸化チタンはバンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で、汎用性の金属酸化物であることから、本発明に使用することが好ましい。光触媒として用いられる酸化チタンは、硫酸チタニル、塩化チタン、チタンアルコキシドなどのチタン化合物を熱加水分解して得られる酸化チタンゾル、及び酸化チタンゾルのアルカル中和物として得られる酸化チタンなど、また水酸化チタン及び、チタン酸化物の超微粒子を過酸化水素などの過酸化物でペルオキソ化して水中に分散したアナターゼ型ペルオキソチタン酸分散液であることが好ましい。酸化チタンはアナターゼ型とルチル型の何れも使用できるが、アナターゼ型の酸化チタンが光触媒活性が高く実用性においてすぐれている。具体的には、平均結晶径5〜20nmの塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル及び、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾルなどが好ましく使用できる。光触媒の粒径が小さい程光触媒活性に優れているため、好ましくは平均粒子径50nm以下、より好ましくは20nm以下の光触媒が用いられる。また、酸化チタンには含水酸化チタン、水和酸化チタン、メタチタン酸、オルトチタン酸、水酸化チタンなども包含される。光触媒を含有する最外表面層中の光触媒の含有量は、多くなるほど光触媒活性が高くなるが、中間保護層との接着性の観点から70重量%以下であることが好ましく、10重量%以上であることがより好ましい。光触媒の配合量が10重量%未満になると光触媒活性が不十分となることがあり、また光触媒の配合量が70重量%を越えると光触媒活性は高くなるが、中間保護層面との密着性が不十分になることがあり、最外表面層の表面摩耗強さを不十分にすることがあるため、屋外耐久性が不十分になることがある。
【0079】
光触媒を含有する最外表面層に使用するケイ素化合物としてはポリシロキサンが有用であり、これはゾルゲル法によりアルコキシシラン化合物を加水分解、重縮合して得られるものが好ましく使用できる。これらのアルコキシシラン化合物としては、本発明の環境汚れ抑制シートの表面保護層に使用できるアルコキシシラン化合物として例示したものが使用できる。これらのケイ素化合物は光触媒を含有する最外表面層の重量に対して1〜20重量%の含有量で含有されることが好ましい。
【0080】
光触媒を含有する最外表面層用コーティング組成物の塗布の方法には、格別の限定はないが、これらの光触媒を含有するコーティング組成物を、中間保護層上に、均一、かつ均質に塗布できる様なコーティング方式を用いることが望ましく、例えば、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、コンマコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、バーコート法、キスコート法、フローコート法などが好適である。最外表面層の厚さは上記コーティング方法のいずれか一方式、もしくは、2方式以上の組み合わせによって、0.1〜10μmの厚さに形成する事が好ましい。光触媒を含有する最外表面層の厚さが0.1μmよりも薄いと、本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの防汚性、及び耐久性が不十分になることがあり、また、それが10μmを超えると、着色樹脂層の色彩を隠蔽し、見栄えを悪くすることがある。
【0081】
本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの接合(重ね合わせ接着)は、その光触媒を含む最外表面層が形成されていない部分に対して、高周波ウエルダー機を用いる高周波融着を施すことによって容易に接合することができる。高周波融着法としては、2ヶ所の電極(一方の電極は、ウエルドバーである)間にシートを置き、ウエルドバーで加圧しながら高周波(1〜200MHz )で発振する電位差を印加することでシートの樹脂層を分子摩擦熱で溶融させて接着するものである。また、別の接合方法として、積層シートの光触媒を含む最外表面層が形成されていない部分において、超音波振動子から発生する超音波エネルギー(16〜30KHz )の振幅を増幅させ、膜材の境界面に発生する摩擦熱を利用して融着を行う超音波ウエルダー融着法、またはヒーターの電気制御によって、20〜700℃に無段階設定された熱風を、ノズルを通じて膜材間に吹き込み、膜材の表面を瞬時に溶融させ、直後膜材を圧着して接着を行う熱風融着法、あるいは熱可塑性樹脂の溶融温度以上にヒーター内蔵加熱された金型(こて)を用いて被着体を圧着し接着する熱板融着法などによっても接合が可能である。
【0082】
【実施例】
本発明を下記実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例によって限定されるものではない。下記実施例、及び比較例において光触媒を含有する最外表面層及び、中間保護層と樹脂層との密着性の評価、及び防汚性、耐久性などは下記試験方法により評価された。
【0083】
(I)光触媒を含有する最外表面層が形成された中間保護層と樹脂層との密着性
積層シートの光触媒を含有する最外表面層の表面に、セロハン粘着テープ(商標:セロテープ:ニチバン(株))を貼り、セロハン粘着テープの上から数回強く擦りつけてセロハン粘着テープを最外表面層の表面に十分に密着させた後、セロハン粘着テープの一端の一部分を剥がし、この部分を把持して、積層シートからセロハン粘着テープを引き剥がして、セロハン粘着テープ面への最外表面層、または中間保護層の剥離度合い(積層シートからの最外層、または中間保護層の剥がれ度合い)を、以下の判定基準によって評価し表示した。
○:最外表面層、及び中間保護層が全く剥ぎ取られなかった。(密着良好である。)
△:最外表面層、または中間保護層が部分的(半分以下)に剥ぎ取られた。
×:最外表面層、または中間保護層が半分以上剥ぎ取られた。(密着していない。)
【0084】
(II)光触媒を含有する最外表面層が形成された中間保護層と樹脂層との密着性:(耐屈曲性)
光触媒を含有する最外表面層が形成されている積層シートの摩耗強さをJISL−1096(6.17摩耗強さ)B法:スコット形法により評価した。光触媒を含有する最外表面層を有する積層シートの供試体より3cm×10cmサイズの試験片を採取し、(株)東洋精機製作所製スコット型試験機を用いて揉み荷重0.5kgf で100回の屈曲揉み試験を行った。この試験による光触媒を含有する最外表面層とシート基材との密着性の耐久度合いを以下の基準で判定した。
○:光触媒を含有する最外表面層は積層シート中に密着していて脱落しなかった。(異常なし)
△:光触媒を含有する最外表面層の一部(半分以下)が、積層シートから脱落した。
×:光触媒を含有する最外表面層の半分以上が、積層シートから脱落した。
【0085】
(III )屋外曝露試験による防汚性評価
光触媒を含有する最外表面層を形成した積層シートから幅20cm×長さ2mの試料を採取し、光触媒含有最外表面層面を表側にして、南向きに傾斜30°方向又は垂直方向に設置された曝露台上に、それぞれ1mずつ連続して展張して屋外曝露試験を行い、曝露6ヶ月後、12ヶ月後、18ヶ月後の積層シートの汚れ度合いを観察し、試料の表面の汚れ度合いを、色差ΔE(JIS Z−8729)として数値化し、下記の判定基準により防汚性の評価を行った。屋外曝露試験は埼玉県草加市内において、4月より開始した。
ΔE=0〜2.9 :◎=汚れがなく良好。初期の状態を維持していた。
ΔE=3〜5.9 :○=多少汚れがあったが、実用上問題ない程度であった。
ΔE=6〜11.9:△=汚れが、目立った。
ΔE=12〜 :×=汚れがはげしく、実用に適さないものであった。
【0086】
(IV)耐光促進試験による積層シートの耐劣化性の評価
積層シートの光触媒含有最外表面層の表面に対してサンシャインカーボンウエザーメーターによる耐光促進試験(JIS L−0842)を500時間、1000時間、2000時間施し、試験前の試料を基準として試料の表面の変退色の度合いを、色差ΔE(JIS Z−8729)として数値化し、下記の判定基準により耐変色性を評価し表示した。
ΔE=0〜2.9 :◎=変色がなく良好。初期の状態を維持していた。
ΔE=3〜5.9 :○=多少変色があるが、実用上問題ない程度であった。
ΔE=6〜11.9:△=変色が、目立った。
ΔE=12〜 :×=変色がはげしく、実用に適さないものであった。
【0087】
(V)屋外曝露試験による積層シートの耐劣化性の評価
(III )の屋外曝露試験6ヶ月後、12ヶ月後、36ヶ月後の積層シートより10×20cmサイズの試料を経糸方向及び、緯糸方向に採取し、JIS L−1096:引裂強さA−1法(シングルタング法)に従って、それぞれの引裂強度を測定し、曝露前の引裂強度に対する保持率を求めた。
Figure 0004052369
【0088】
(VI)防炎性の評価
(III )の屋外曝露試験12ヶ月後の積層シートより、試料を採取し、消防法施工規則第4条(JIS L−1091:A−2法区分3:2分加熱)に従って試験し、下記の判定基準により評価し表示した。
○:炭化面積40cm2 以下、残炎時間5秒以下、残じん時間20秒以下、炭化距離20cm以下であった。
×:炭化面積、残炎時間、残じん時間、炭化距離の項目の1項目以上が規格数値を超えていた。
【0090】
参考例1
ポリウレタン系樹脂(1)(商標:アデカボンタイターHUX−561:ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョン:固形分濃度40重量%:旭電化工業(株))188重量部と、酢酸ビニル系共重合体樹脂(1)(商標:パンフレックスOM5500:エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン:固形分濃度55重量%:(株)クラレ)45重量部とのブレンド(軟化温度124℃)に、紫外線吸収剤(商標:バイオソープ510:共同薬品(株))0.3重量部と、酸化防止剤(商標:イルガノックス1010:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))0.2重量部と、着色剤として水性の無機系顔料(I−1)(商標:ディスパーカラー、ホワイトハイコンクEX:ルチル型酸化チタン:固形分濃度55重量%:トウペ(株))9.1重量部と、水性の無機系顔料(I−2)(商標:ディスパーカラー、オキサイドエロー:酸化鉄:固形分濃度35重量%:トウペ(株))2.8重量部とを配合し、撹拌してアイボリー色の水性樹脂溶液を調製した。
【0091】
別に、5号ポリエステル繊維平織スパン基布(ポリエステル短繊維紡績糸条:糸密度経糸20番手・双糸51本/2.54cm×緯糸20番手・双糸48本/2.54cm:質量250g/m2 )に下記下処理を施した。
〈ポリエステル繊維平織スパン基布の下処理液組成〉
Figure 0004052369
(2)下処理工程
上記下処理剤浴中にポリエステル繊維平織スパン基布をディップし、引上げると同時に高硬度ゴムのニップロールで余分な下処理剤を絞り落とし、120℃の熱風乾燥炉で2分間乾燥させた後、180℃のヒートセッターで1分間熱処理して下処理基布を作製した。
【0092】
前記下処理された基布を、前記水性樹脂溶液バス中にディップ(浸漬)し、樹脂含浸したスパン基布を引き上げると同時にマングルロールでニップ(圧搾)し、樹脂を含浸した後、100℃の熱風乾燥炉で2分間乾燥し、直後140℃の熱ロール(押圧0.2Mpa )を通過させ、樹脂被覆シートに熱プレスを施した。次に、再び前記水性樹脂溶液バス中に樹脂被覆シートをディップし、さらに樹脂を付着させた後、これにドクターナイフで樹脂コーティングを施し、樹脂を均一に表面被覆させた。この樹脂被覆シートを100℃の熱風乾燥炉で2分間乾燥し、その直後に160℃の熱ロール(押圧0.2Mpa )を通過させ、樹脂被覆シートに熱プレスを施し、厚さ0.44mm、質量460g/m2 の樹脂被覆シートを作製した。
【0093】
次ぎにこの樹脂被覆シートの片面に、下記組成を有するフッ素系樹脂(1)をキシレン溶液に溶解して調製された中間処理液を120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、3g/m2 の固形分付着量になるように塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤を除去し、中間保護層を形成した。
Figure 0004052369
【0094】
前記中間保護層被覆シートの中間保護層上に、光触媒を含有する最外表面層を形成するために、下記組成のコート液を140メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、1g/m2 の固形分付着量になるように均一に塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させて溶媒の乾燥を施して、光触媒を含有する最外表面層(参考例1)を形成し、厚さ0.44mm、質量464g/m2 の積層シートを作製した。
〈光触媒を含有する最外層を形成するコート液の組成〉
1).光触媒として、酸化チタン含有量10重量%に相当する酸化チタンゾル(硝酸酸性:結晶粒子径10nm)を分散させた水−エタノール(50/50重量比)溶液:
100重量部
2).金属酸化物ゾルとして、酸化ケイ素含有量10重量%に相当するシリカゾル(商標:カタロイドSI−30:触媒化成(株))を分散させた水−エタノール(50/50重量比)溶液:
100重量部
3).ケイ素化合物として、シランカップリング剤(商標:SZ6300:東レ・ダウコーニングシリコーン(株)):ビニルトリメトキシシラン
2重量部
〔註〕前記光触媒を含有する最外表面層に含有される光触媒の含有量は45重量%であった。
【0095】
参考例2
参考例1と同様にして積層シートを作製した。但し、参考例1において、樹脂層形成用に用いられた酢酸ビニル系共重合体樹脂(1)(商標:パンフレックスOM5500:エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン)45重量部の代りに、アクリル系共重合体樹脂(1)(商標:ニッポールLX−851C:アクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体樹脂:固形分濃度45重量%:日本ゼオン(株))56重量部を用い、得られた樹脂被覆シートの厚さは0.44mmであり、その質量は460g/m2 であり、かつ、中間保護層を下記のようにして形成した。
【0096】
前記樹脂被覆シートの片面に、下記組成を有するシリコーン系樹脂(1)を、MEK/トルエン混合溶剤に溶解して調製した中間保護層用コート液を120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、3g/m2 の固形分付着量になるように塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤を除去し、中間保護層を形成した。
Figure 0004052369
【0097】
光触媒を含有する最外表面層の形成には、参考例1と同一のコート液を用いて、前記中間保護層上に1g/m2 の固形分付着量になるように均一塗布し、光触媒を含有する最外表面層を形成した。厚さ0.44mm、質量464g/m2 の積層シートが得られた。
【0098】
参考例3
参考例1と同様にして積層シートを作製した。但し、樹脂被覆シートの作製において参考例1で用いられた樹脂ブレンド〔ポリウレタン系共重合体樹脂(1)188重量部と酢酸ビニル系共重合体樹脂(1)45重量部〕に、さらに、下記組成の表面被覆ハロゲン非含有化合物粒子3種すなわち水酸化マグネシウム5重量部、ポリリン酸アンモニウム10重量部、メラミン・シアヌレート20重量部からなる粒子配合物合計35重量部を配合した。また、参考例1の水性の顔料着色組成(無機系顔料I−1及び、無機系顔料I−2)のうち、水性の無機系顔料(I−2)(商標:ディスパーカラー、オキサイドエロー:酸化鉄)2.8重量部の代りに、水性の有機系顔料(III −1)(商標:ディスパーカラー、ダービーブルーEX:シアニンブルー:固形分濃度10重量%:トウペ(株))5.0重量部を用いた。ライトブルーに着色された、厚さ0.44mm、質量485g/m2 の樹脂被覆シートを得た。
【0099】
〈表面被覆ハロゲン非含有化合物粒子配合物〉
1).表面被覆無機系化合物(水酸化マグネシウム)粒子
i).蒸留水400重量部とメタノール100重量部との合計500部量に、有機シラン化合物(商標:SH6040:γ−グリシドキシプロピル・トリメトキシシラン:分子量236:有効量100%:東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)3重量部を添加して、30分間撹拌した後、水酸化マグネシウム(商標:マグシーズN−3:平均粒子径1.2μm:神島化学工業(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、水酸化マグネシウム粒子100.6gを得た。
ii).次に蒸留水500重量部に、メラミン樹脂(商標:ポリフィックスLF11:変性メラミン:固形分55重量%:昭和高分子(株)20重量部と、耐光安定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化学(株))0.5重量部を加えて撹拌し、前記i)で得た水酸化マグネシウム粒子100.6gを加えて10分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有する水酸化マグネシウム粒子104.58gを得た。水酸化マグネシウム粒子に対する表面被覆層の被覆重量率は4.38%であり、メラミン樹脂に対する有機シラン化合物の含有量は13.1重量%であった。
2).表面被覆リン含有化合物(ポリリン酸アンモニウム)粒子
蒸留水500重量部に、ベンゾグアナミン樹脂(商標:ポリフィックスPG−251:変性ベンゾグアナミン:固形分54重量%:昭和高分子(株))20重量部と、耐光安定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化学(株))0.5重量部とを添加して、5分間撹拌した後、ポリリン酸アンモニウム粒子(商標:エクソリットAP422:(NH4 PO3)n 、n=1000:リン含有量31〜32重量%:平均粒度分布40μm以下:クラリアント・ジャパン(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有するポリリン酸アンモニウム粒子104.65gを得た。ポリリン酸アンモニウムに対する表面被覆層の被覆重量率は4.44%であった。
3).表面被覆窒素含有化合物(メラミン・シアヌレート)粒子
蒸留水500重量部に、エポキシ樹脂(商標:デナキャストEM−101:変性ビスフェノールA型エポキシエマルジョン:エポキシ当量520:固形分濃度50重量%:ナガセ化成(株))20重量部と、触媒としてトリエタノールアミン0.5重量部、耐光安定剤(商標:サンライフLPS−700:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:固形分30重量%:日華化学(株))0.5重量部とを添加して、5分間撹拌した後、メラミン・シアヌレート粒子(商標:MC−610:平均粒子径1〜5μm:日産化学(株))100重量部を加え、更に30分間撹拌した。これを濾過して120℃で2時間乾燥し、表面被覆層を有するメラミン・シアヌレート粒子104.78gを得た。メラミン・シアヌレートに対する表面被覆層の被覆重量率は4.56%であった。
【0100】
次にこの樹脂被覆シートの片面に下記組成からなるエポキシ系樹脂をトルエン/MEK混合溶剤に溶解して調製した中間保護層用コート液を120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて、3g/m2 の固形分付着量になるように塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤を除去し、中間保護層を形成した。
Figure 0004052369
【0101】
前記中間保護層上に光触媒を含有する最外表面層を、形成するために参考例1と同一のコート液を中間保護層上に1g/m2 の固形分付着量になるように均一塗布し、最外表面層を形成した。厚さ0.44mm、質量489g/m2 の積層シートを得た。
【0102】
参考例4
参考例3と同様にして積層シートを作製した。但し、参考例3の樹脂層の形成において、酢酸ビニル系共重合体樹脂(1)(商標:パンフレックスOM5500:エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン)45重量部の代りに、アクリル系共重合体樹脂(1)(商標:ニッポールLX−851C:アクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体樹脂:固形分濃度45重量%:日本ゼオン(株))56重量部を用いた。ライトブルーに着色された、厚さ0.44mm、質量485g/m2 の樹脂被覆シートを作製した。次にこの樹脂被覆シートの片面に、参考例1と同一のフッ素系樹脂(1)コート液を用いて表面保護層を形成し、次いでその上に参考例1と同一の光触媒含有最外表面層を形成した。厚さ0.44mm、質量489g/m2 の積層シートを得た。
【0104】
実施例1
ポリウレタン系樹脂(2)(商標:エステン54640:ポリエーテル系ポリウレタン樹脂:硬度85A:協和発酵工業(株))100重量部に、滑剤(商標:Licowax−E:モンタン酸エステル系:クラリアント・ジャパン(株))0.5重量部と、紫外線吸収剤(商標:バイオソープ510:共同薬品(株))0.3重量部と、酸化防止剤(商標:イルガノックス1010:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))0.2重量部と、参考例3と同一の表面被覆ハロゲン非含有化合物粒子3種、(水酸化マグネシウム5重量部、ポリリン酸アンモニウム10重量部、メラミン・シアヌレート20重量部)合計35重量部と、着色剤として無機系顔料(II−1)(9050Wホワイト:ルチル型酸化チタン濃度70重量%:日弘ビックス(株))7.1重量部とを配合し、得られた白色コンパウンドを160℃に設定したミキシングロールで5分間混練した後、カレンダー圧延により厚さ0.16 mm の樹脂ブレンドフィルムを作製した。
【0105】
別に7号ポリエステル繊維平織スパン基布(ポリエステル短繊維紡績糸条:糸密度経糸14番手・単糸56本/2.54cm×緯糸14番手・単糸44本/2.54cm:質量180g/m2 )に下記組成の下地層用処理液による処理を施した。
Figure 0004052369
上記下地処理液浴中に前記ポリエステル繊維平織スパン基布をディップし、引上げると同時に高硬度ゴムのニップロールで余分な下地処理液を絞り落とし、120℃の熱風乾燥炉で2分間乾燥させた後、180℃のヒートセッターで1分間熱処理した。
【0106】
前記下地層処理シートの両面上に、前記アイボリー色の樹脂ブレンドフィルムを160℃で(押圧0.2Mpa )積層し、厚さ0.53mm、質量533g/m2 の樹脂被覆シートを得た。
【0113】
この樹脂被覆シートの片面に、下記組成を有するフォスファーゼン系樹脂コート液を用いて中間保護層を形成し、この中間保護層上に参考例1と同一の光触媒含有最外表面層を形成した。厚さ0.53mm、質量537g/m2 の積層シートを得た。
〈中間保護層を形成するフォスファーゼン系樹脂コート液の組成〉
商標:ACE−40:出光石油化学(株):メタアクリル酸2−
ヒドロキシエチル置換P−N6員環フォスファーゼン
(3PC−6HEMA) 100重量部
商標:スノーテックスXBA−ST:日産化学工業(株):
コロイダルシリカ(固形分30wt%) 30重量部
商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株):
ポリメトキシシロキサン(固形分50wt%) 20重量部
希釈剤:MEK/トルエン(重量比:50/50) 200重量部
〔註〕この中間処理層に含有されるケイ素化合物の含有量は16重量%であった。
【0114】
表1に参考例1〜4及び実施例1の各々の樹脂層の組成を示し、表2に参考例1〜4及び実施例1の各々の樹脂層形成方法、樹脂層の付着量、基布用繊維布帛の構成、中間保護層及びその積層シートの性能試験結果を示す。
【0115】
【表1】
Figure 0004052369
【0116】
【表2】
Figure 0004052369
【0117】
参考例1〜4及び実施例1の積層シートの性能
表1及び2に示されているように、参考例1〜4及び実施例1で得られた光触媒担持積層シートの性能を前記試験(I)〜(VI)より評価した。得られた積層シートの片面に形成され、それぞれフッ素系樹脂(1)ベースの中間保護層(参考例1,4)、シリコーン系樹脂(1)ベースの中間保護層(参考例2)、エポキシ系樹脂ベースの中間保護層(参考例3)、フォスファーゼン系樹脂ベースの中間保護層(実施例)は、基布上の樹脂層及び、光触媒を含有する最外表面層とよく密着し、セロハン粘着テープ剥離試験(試験I)において、剥離や脱落を発生しなかった。また、スコット形法屈曲揉み試験(試験II)では、光触媒を含有する最外表面層と中間保護層との界面、または、樹脂層と中間保護層との界面における剥離や、脱落も発生しなかった。参考例1〜4及び実施例1の積層シートを36ヶ月間屋外曝露して6ヶ月、12ヶ月、36ヶ月後の積層シートの汚れ度合いを目視観察及び、色差測定により評価した結果、いずれの積層シートも曝露汚れが逐次経時的に分解し、降雨によって洗い流されることによって長期間初期状態の美観を保持していた(試験III )。また、耐光促進試験(試験IV)500〜2000時間の結果も良好で2000時間促進試験後でも、積層シートに著しい色褪せ及び極端な変色は認められず、美麗な色相外観を維持していた。また更に、屋外曝露36ヶ月の積層シートの引裂強度保持率(試験V)はすべて80%以上であったが、特に実施例1の場合、36ヶ月後の引裂強度保持率は94%であって、参考例1〜4にくらべて、特に優れていた。特に、参考例3及び4並びに実施例1のハロゲン非含有化合物粒子として、リン含有化合物、窒素含有化合物、無機系化合物などの粒子を配合した積層シートは、テント膜材の用途に必要な防炎性(JIS L−1091:A−2法区分3:試験VI)を有し、しかも、屋外曝露後、12ヶ月後にも、その性能を保持しているものであった。従って本発明の積層シートは上記試験(I)〜(VI)の結果より、従来のポリ塩化ビニル樹脂製積層シートの代替に好適に使用することができ、尚且つ、カラフルな色相美観を長時間維持することが可能で、産業資材用シートとして優れた耐久性を有するものである。
【0134】
実施例2
1)下地層の形成
ポリウレタン系樹脂(3)(商標:レザミンP6065:エステル系ポリウレタン樹脂:硬度65A:大日精化工業(株))100重量部に、滑剤(商標:Licowax−E:モンタン酸エステル系:クラリアント・ジャパン(株))0.5重量部と、紫外線吸収剤(商標:バイオソープ510:共同薬品(株))0.3重量部と、酸化防止剤(商標:イルガノックス1010:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))0.2重量部と、参考例3と同一の表面被覆ハロゲン非含有化合物粒子3種、(水酸化マグネシウム5重量部、ポリリン酸アンモニウム10重量部、メラミン・シアヌレート20重量部)合計35重量部と、着色剤として無機系顔料(II−1)(9050Wホワイト:ルチル型酸化チタン濃度70重量%:日弘ビックス(株))7.1重量部とを配合し、得られたコンパウンドを145℃に設定したミキシングロールで5分間混練した後、カレンダー圧延により、厚さ0.16mmの樹脂フィルムを作製した。この白色の下地層用樹脂ブレンドフィルムを、ラミネーターを用いて下記下処理を施した7号ポリエステル繊維平織スパン基布(ポリエステル短繊維紡績糸条:糸密度経糸14番手・単糸56本/2.54cm×緯糸14番手・単糸44本/2.54cm:質量180g/m2 )の片面に、140℃で(押圧0.2Mpa )積層した。厚さ0.38mm、質量360g/m2 の片面に下地層を有する下地層被覆シートを得た。
【0142】
2)樹脂層の形成
実施例と同一の樹脂コンパウンドから得られた厚さ0.16mmのフィルムを、前記1)で得られた片面に下地層を有する下地層被覆シートの両面に、160℃(押圧:0.2 MPa で積層し、厚さ0.70mm、質量713g/m2 の樹脂被覆シートを得た。
【0143】
この樹脂被覆シートの下地層/樹脂層被覆された片面に、実施例1と同一のフォスファーゼン系樹脂をキシレン溶剤に溶解して調製したコート液を120メッシュスクリーン線のグラビアロールを装着したコーターを用いて3g/m2 の固形分付着量になるように塗布し、80℃の熱風乾燥炉を3分間通過させて溶剤を除去し、中間保護層を形成した。この中間保護層上に、参考例1と同一の光触媒含有最外表面層を形成した。厚さ0.70mm、質量716g/m2 の積層シートを得た。
【0144】
表3に、実施例の樹脂層の組成を示す。
表4に、実施例の下地層の組成を示す。
表5に、実施例の下地層形成方法、樹脂層の形成方法、基布用繊維布帛の構成、中間保護層及び組成、最外表面層の光触媒及び試験結果などを示す。
【0145】
【表3】
Figure 0004052369
【表4】
Figure 0004052369
【0146】
【表5】
Figure 0004052369
【0147】
実施例の積層シートの性能
表3〜5に示されているように実施例で得られた光触媒担持積層シートの性能を前記試験(I)〜(VII )より評価した結果、得られた積層シートの片面に形成された、フォスファーゼン系樹脂ベースの中間保護層(実施例)は、樹脂層及び、光触媒含有最外表面層と強固に密着し、セロハン粘着テープ剥離試験(試験I)において、剥離又は脱落を生ずることはなかった。また、スコット形法屈曲揉み試験(試験II)では、光触媒含有最外表面層と中間保護層との界面、または、樹脂層と中間保護層との界面における剥離又は脱落もなかった。実施例の積層シートを36ヶ月間屋外曝露して6ヶ月、12ヶ月、36ヶ月後のシートの汚れ度合いを目視観察及び、色差測定により評価した結果、いずれの積層シートも曝露汚れが逐次経時的に分解し、降雨によって洗い流されることによって長期間にわたり初期状態の美観を保持していた(試験III )。また、耐光促進試験(試験IV)500〜2000時間の結果も良好で、2000時間促進試験後でも積層シートの著しい色褪せ及び極端な変色は認められず、美麗な色相外観を維持していた。また更に、屋外曝露36ヶ月後の積層シートの引裂強度保持率(試験V)はすべて94%以上であって、優れた耐候性を示した、ハロゲン非含有化合物粒子として、リン含有化合物、窒素含有化合物、無機系化合物などの粒子を配合した実施例2の積層シートは、テント膜材用途に必要な防炎性(JIS L−1091:A−2法区分3:試験VI)を有し、しかも、屋外曝露後、12ヶ月後にも、その性能を保持しているものであった。従って本発明のシートは上記(I)〜(VI)の試験結果より、従来のポリ塩化ビニル樹脂製シートの代替に適して使用することができ、尚且つ、カラフルな色相美観を長期間維持可能で、産業資材用シートとして優れた耐久性を有するものである。
【0148】
比較例1
参考例1の樹脂層を下記配合のポリ塩化ビニル樹脂層に変更したことを除き、その他は参考例1と同様にして中間保護層と、光触媒含有最外表面層とを有する積層シートを作製した。樹脂層の形成には、下記配合物からなるポリ塩化ビニル樹脂オルガノゾル中に、参考例1で使用したものと同一の5号ポリエステル繊維平織スパン基布(ポリエステル短繊維紡績糸条:糸密度経糸20番手・双糸51本/2.54cm×緯糸20番手・双糸48本/2.54cm:質量250g/m2 )をディップ(浸漬)し、樹脂含浸されたスパン基布を引き上げると同時にマングルロールでニップ(圧搾)し、樹脂含浸シートを160℃の熱風乾燥炉で2分間加熱して樹脂をゲル化させ、次に、ポリ塩化ビニル樹脂オルガノゾル中に前記樹脂被覆基材を再度ディップしてさらに樹脂を付着させた後、今度はドクターナイフで樹脂コーティングを施し、樹脂を均一に表面被覆させ、160℃の熱風乾燥炉で2分間加熱して樹脂をゲル化した。グレー色に着色され、厚さ0.44mm、質量490g/m2 の樹脂被覆シートを得た。このシートの表面上に、実施例1と同一の光触媒含有最外表面層を形成した。厚さ0.44mm、質量494g/m2 のポリ塩化ビニル樹脂シートを得た。
【0149】
Figure 0004052369
【0150】
比較例2
参考例2の樹脂層を下記配合のポリ塩化ビニル樹脂層に変更したことを除き、その他は参考例2と同様にして中間保護層と、光触媒含有最外表面層とを形成し、厚さ0.44mm、質量494g/m2 のポリ塩化ビニル樹脂シートを得た。樹脂層の形成には、下記配合物からなるポリ塩化ビニル樹脂オルガノゾルを用いて、比較例1と同様にして、オレンジ色に着色された、厚さ0.44mm、質量490g/m2 の塩化ビニル樹脂被覆シートを得た。
【0151】
Figure 0004052369
【0152】
比較例3
参考例3の樹脂層を下記配合のポリ塩化ビニル樹脂層に変更したことを除き、その他は参考例3と同様にして中間保護層と、光触媒含有最外表面層とを形成し、厚さ0.44mm、質量494g/m2 のポリ塩化ビニル樹脂シートを得た。樹脂層の形成には、下記配合物からなるポリ塩化ビニル樹脂オルガノゾルを用いて、比較例1と同様に行い、若草色に着色された、厚さ0.44mm、質量490g/m2 の塩化ビニル樹脂被覆シートを得た。
【0153】
Figure 0004052369
【0154】
比較例4
参考例4の樹脂層を下記配合のポリ塩化ビニル樹脂層に変更したことを除きその他は参考例4と同様にして中間保護層と、光触媒含有最外表面層とを形成し、厚さ0.44mm、質量494g/m2 のポリ塩化ビニル樹脂シートを得た。樹脂層の形成には、下記配合物からなるポリ塩化ビニル樹脂オルガノゾルを用いて、比較例1と同様に行い、赤紫色に着色した、厚さ0.44mm、質量490g/m2 の塩化ビニル樹脂被覆シートを得た。
【0155】
Figure 0004052369
【0156】
比較例1〜4の各々の樹脂被覆層の形成、基布の構成、中間保護層の組成、最外表面層の組成及び試験結果を表6に示す。
【0157】
【表6】
Figure 0004052369
【0158】
比較例1〜比較例4の樹脂被覆シートの性能
表6から明らかなように比較例1〜4で得られたポリ塩化ビニル樹脂被覆シートの性能を上記試験(I)〜(VI)の結果より評価したところ、シートの表面側に形成された、それぞれの中間保護層は、ポリ塩化ビニル樹脂層と、光触媒含有最外表面層に強固に密着し、36ヶ月間の屋外曝露においても、環境汚れの少ないものであったが、耐光促進試験(試験IV)2000時間の結果では、シート樹脂層の色褪せと変色が認められ、しかもシートの表面には微細な亀裂が多数発生していた。さらに、比較例1〜4の塩化ビニル樹脂被覆シートはすべて経時的に可塑剤が光触媒含有最外表面層にまで移行して、可塑剤と安定剤が光触媒作用によって分解されてしまうために、塩化ビニル樹脂含有層の劣化が進み、その結果、シートの引裂強度が極度に悪くなっていた。従って比較例1〜4の塩化ビニル樹脂被覆シートは、屋外使用の産業資材用シートとして、色相美観と耐久性の長期維持が不十分であり、実用性に劣るものであった。
【0169】
【発明の効果】
上記、参考例、実施例及び、比較例により明らかにされているように、本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートは、ポリ塩化ビニル樹脂及び可塑剤を含まない非塩化ビニル系樹脂によって構成されているが、性能、耐久性ともに優れている従来のポリ塩化ビニル樹脂製シートに匹敵する性能を有し、特に、光触媒を含む最外表面層を有する本発明の積層シートにおいては、塩化ビニル樹脂被覆シートよりも格段にカラフルな色相美観を長期間にわたって維持可能であり、かつ優れた耐久性を有するものである。従って本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートは、大型テント、軒出テント、テントハウス、バックリット看板など、従来ポリ塩化ビニル樹脂製シートが使われていた分野に使用可能であり、しかもハロゲン非含有において高い防炎性を可能とするため、火災時に有毒ガスを発生させる心配がないなど、極めて有用性の高いシートである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの積層構造の一例を示す断面説明図。
【図2】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの積層構造の他の例を示す断面説明図。
【図3】本発明の環境汚れ防止性の高い積層シートの積層構造の更に他の例を示す断面説明図。
【符号の説明】
1…基布層
2s,2b…樹脂層
3…中間保護層
4…光触媒含有最外表面層
5a,5b…下地層

Claims (31)

  1. 繊維布帛を含む基布層と、その少なくとも一面上に形成された樹脂層とを含み、前記樹脂層が、ポリウレタン系樹脂、アクリル系共重合体樹脂、及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂を含み、前記樹脂層の少なくとも一面上に、光触媒を含有する最外表面層が形成され,前記樹脂層と前記最外表面層との間に、前記樹脂層を前記光触媒の作用から保護するための、フォスファーゼン樹脂と、その重量に対して5〜35重量%のケイ素化合物とを含む中間保護層が形成されていることを特徴とする環境汚れ防止性の高い積層シート。
  2. 前記樹脂層用熱可塑性樹脂が、ポリウレタン系樹脂と、アクリル系共重合体樹脂及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種の共重合体樹脂とからなる樹脂ブレンドからなり、前記ポリウレタン樹脂の含有量が、前記樹脂層用樹脂ブレンド重量に対し、30〜90重量%である、請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記樹脂層用熱可塑性樹脂が、ポリウレタン系樹脂のみからなる、請求項1に記載の積層シート。
  4. 前記基布層と前記樹脂層との間に形成された下地層をさらに含み、この下地層がポリウレタン系樹脂、アクリル系共重合体樹脂及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シート。
  5. 前記下地層において、前記ポリウレタン系樹脂の含有量が、前記下地層用熱可塑性樹脂重量の10〜50重量%である、請求項4に記載の積層シート。
  6. 前記下地層用熱可塑性樹脂が、アクリル系共重合体樹脂及び酢酸ビニル系共重合体樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる、請求項4に記載の積層シート。
  7. 前記下地層及び前記樹脂層の各々を形成する熱可塑性樹脂が、ポリウレタン系樹脂からなる、請求項4に記載の積層シート。
  8. 前記樹脂層が、表面被覆されたハロゲン非含有化合物粒子を、前記樹脂層重量に対して10〜100重量%の含有量で含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層シート。
  9. 前記下地層及び前記樹脂層のそれぞれが、表面被覆されたハロゲン非含有化合物粒子を、前記下地層及び前記樹脂層のそれぞれの重量の10〜100重量%の含有量で含む、請求項4〜7のいずれか1項に記載の積層シート。
  10. 前記ハロゲン非含有化合物粒子が、リン含有化合物、窒素含有化合物、及び無機系化合物から選ばれた1種以上からなる、請求項8又は9に記載の積層シート。
  11. 前記リン含有化合物が、赤リン、(金属)リン酸塩、(金属)有機リン酸塩、及びポリリン酸アンモニウムから選ばれる、請求項10に記載の積層シート。
  12. 前記窒素含有化合物が、(イソ)シアヌレート系化合物、(イソ)シアヌル酸系化合物、及びグアニジン系化合物、尿素系化合物、及びこれらの誘導体化合物から選ばれる、請求項10に記載の積層シート。
  13. 前記無機系化合物が、金属酸化物、金属水酸化物、金属複合酸化物、及び金属複合水酸化物から選ばれる、請求項10に記載の積層シート。
  14. 前記ハロゲン非含有化合物粒子の表面被覆層が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂、ジアリルフタレート樹脂から選ばれた1種以上からなる熱硬化性樹脂を含み、その重量が、ハロゲン非含有化合物の重量に対し2〜15重量%である、請求項8〜13のいずれか1項に記載の積層シート。
  15. 前記樹脂層が、70〜99重量%の無機系顔料と1〜30重量%の有機系顔料とからなる顔料により着色されている、請求項1〜14のいずれか1項に記載の積層シート。
  16. 前記下地層と前記樹脂層とのそれぞれが、70〜99重量%の無機系顔料と1〜30重量%の有機系顔料とからなる顔料により着色されている、請求項4〜7、9〜14のいずれか1項に記載の積層シート。
  17. 前記樹脂層が、有機系顔料を含まない着色剤により着色されている、請求項1〜14のいずれか1項に記載の積層シート。
  18. 前記下地層と前記樹脂層とのそれぞれが有機系顔料を含まない着色剤により着色されている、請求項4〜7、9〜14のいずれか1項に記載の積層シート。
  19. 前記樹脂層が、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、シランカップリング化合物、有機チタネート化合物から選ばれた少なくとも1種からなる架橋剤を、樹脂層の重量に対して0.3〜8重量%の含有量で含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の積層シート。
  20. 前記下地層及び前記樹脂層の、それぞれがイソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、シランカップリング化合物、有機チタネート化合物から選ばれた少なくとも1種からなる架橋剤を、その重量の0.3〜8重量%の含有量で含む、請求項4〜7、9〜14、16、18のいずれか1項に記載の積層シート。
  21. 前記中間保護層用フォスファーゼン樹脂が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル及び(メタ)アクリル酸グリシジルから選ばれたアクリル酸化合物と、塩化フォスファーゼン化合物、その直鎖状オリゴマー及び環状塩化フォスファーゼン化合物から選ばれたフォスファーゼン化合物との付加反応により生成した反応性フォスファーゼン化合物の紫外線硬化物から選ばれる、請求項1に記載の積層シート。
  22. 前記中間保護層用ケイ素化合物が、ポリシロキサン、コロイダルシリカ、及びシリカから選ばれる、請求項21に記載の積層シート。
  23. 前記中間保護層が、前記フォスファーゼン樹脂及びケイ素化合物に加えて、シリコーン系樹脂、フッソ系樹脂、メラミン系樹脂、及びエポキシ系樹脂から選ばれた少なくとも1種をさらに含む請求項に記載の積層シート。
  24. 前記中間保護層が、70〜99重量%の無機系顔料と1〜30重量%の有機系顔料とからなる顔料により着色されている、請求項1〜23のいずれか1項に記載の積層シート。
  25. 前記中間保護層が、有機系顔料を含まない着色剤により着色されている、請求項1〜23のいずれか1項に記載の積層シート。
  26. 前記光触媒を含有する最外表面層が、その重量に対し、光触媒10〜70重量%と、金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲル25〜90重量%と、ケイ素化合物1〜20重量%とからなる混合物を含有する、請求項1〜25のいずれか1項に記載の積層シート。
  27. 前記光触媒を含有する最外表面層が、70〜99重量%の無機系顔料と1〜30重量%の有機系顔料とからなる顔料により着色されている、請求項1〜26のいずれか1項に記載の積層シート。
  28. 前記光触媒を含有する最外表面層が、有機系顔料を含まない着色剤により着色されている、請求項1〜26のいずれか1項に記載の積層シート。
  29. 前記光触媒が、酸化チタン(TiO2)、過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)及び酸化鉄(Fe23)から選ばれた少なくとも1種からなる光触媒成分及び前記光触媒成分を担持する多孔質微粒子により形成されている、請求項1〜28のいずれか1項に記載の積層シート。
  30. 前記樹脂層が、前記熱可塑性樹脂を含む樹脂エマルジョン、又は樹脂ディスパージョンを基布上、又はその上に形成された下地層上に塗布し、乾燥し、それによって形成された被膜を、前記樹脂層の軟化温度よりも20℃以上高い温度において、かつ、0.1Mpa以上の押圧力下において、熱ロールによって連続熱圧延して得られたものである、請求項1〜29のいずれか1項に記載の積層シート。
  31. 前記下地層及び前記樹脂層のそれぞれが、前記下地層用又は樹脂層用熱可塑性樹脂の樹脂エマルジョン又は樹脂ディスパージョンを、基布上又はその上に形成された下地層上に塗布し、乾燥し、それによって形成された下地層用又は樹脂層用被膜を、下地層又は樹脂層の軟化温度よりも20℃以上高い温度において、かつ、0.1Mpa以上の押圧力下において、熱ロールにより連続熱圧延して形成されたものである、請求項4〜7、9〜14、16、18、及び20のいずれか1項に記載の積層シート。
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