JP3975663B2 - 遺伝子多型解析方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,キャピラリ電気泳動を用いるSSCP法による遺伝子(核酸)多型解析方法に係り,特に遺伝子の欠失やヘテロ接合性の消失等,癌等の疾病と関連のある遺伝子異常を,遺伝子多型マーカーを用いて検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒト正常細胞には父母由来の1対の染色体が含まれ,特定の遺伝子座について,例えば,片方のアリルが野生型,もう片方のアリルが変異型である場合のごとく,両者の遺伝子型が異なる場合はヘテロ接合体と呼ばれる。一方,両者の遺伝子型が同じ場合はホモ接合体と呼ばれる。健常なヘテロ接合体の場合,それぞれのアリルの存在量の比は理論的に1:1である。ヘテロ接合体をSSCP法で解析すると,野生型と変異型等,それぞれのアリルに対応する2つのピークが観測され,2つのピークの信号強度比は1:1となる。
【0003】
一方,殆どの悪性の癌細胞では遺伝子の欠失や増幅等の異常が生じる。ヘテロ接合体で片方の対立遺伝子が欠失や増幅を起こすと,いわゆるヘテロ接合性の消失(ロス オブ ヘテロツァイゴシティ,LOH)が生じる。SSCP法ではLOHはヘテロ接合体の各アリルに対応する2つのピークの信号強度比が1:1から外れる現象として観測される。
【0004】
遺伝子の多型性,即ち,塩基配列の個人差をマーカーとして利用し,癌の診断を行なう方法(特開平9−201199号公報,以下,従来技術−1という)。の概略を以下に説明する。遺伝子の塩基配列中の特定の領域を標識プライマーを用いてPCR法により増幅した後,3’→5’エクソヌクレアーゼ活性を持つ酵素(Klenowフラグメント等)により3’末端を平滑化する。このPCR産物をスラブゲル型電気泳動装置を用いて一本鎖高次構造多型解析(SSCP)法による解析を行ない,1塩基多型を持つ対立遺伝子(アリル)を分離検出する。
【0005】
正常組織由来のDNA断片と癌組織由来のDNA断片とを同一の蛍光色素で標識し,複数レーンを持つスラブゲル型電気泳動装置を用いてそれぞれ別のレーンで測定している。正常組織由来の2つのピークA1,A2の信号強度比と,癌組織由来の2つのピークB1,B2の信号強度比とから,癌細胞の割合を推定している。p53遺伝子での1塩基多型を指標とする膀胱癌のLOH検出の例では,癌細胞の割合が10%を越えた場合,異常(LOH+,陽性)としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術−1ではスラブゲル型電気泳動装置を使用しているが,ルーチンの臨床検査に適用するためには自動化,省力化,高速化が求められる。本発明では,従来技術−1に於いてスラブゲル型電気泳動装置に代えて,ゲルの自動充填機構やサンプルの自動注入機構を持つキャピラリ電気泳動装置を使用し,自動化,省力化,高速化を図る検討を行った。しかし,キャピラリ電気泳動装置を用いたSSCPは研究段階であり,多くの課題が残されている。キャピラリ電気泳動装置を従来技術−1に適用することを試みたが,正常組織と癌組織とを同一の蛍光色素で標識して別々のキャピラリで電気泳動すると,又は,1本キャピラリで2回に分けて電気泳動すると,測定条件の変動等によりピークの信号強度が変動しLOHを正しく判定できないという問題が見出された。
【0007】
本発明の目的は,キャピラリ電気泳動装置を用いてSSCP法による解析を行ないLOHを検出する遺伝子多型解析方法に於いて,泳動ピークの信号が泳動条件等により変動しても,LOH判定を正確に行ない,診断のための信頼性の高いデータを得ることができる遺伝子多型解析方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は,キャピラリ電気泳動装置によるSSCP法に於いて,健常細胞と被検細胞とに由来する標的DNA断片をそれぞれ異なる蛍光色素で標識し,同一のキャピラリで同時に電気泳動して泳動パターンを比較することにより,LOHの正確な判定(ヘテロ接合性の消失の有無の判定)を可能とし,癌等の診断のために信頼性の高いデータを提供する。
【0009】
本発明では,1又は複数のキャピラリ電気泳動を用いるSSCP法により遺伝子多型解析を行なう。分析対象とする分析対象DNA断片とこの分析対象DNA断片の比較基準とするヘテロ接合型の基準DNA断片とがそれぞれ異なる蛍光色素で標識されている。分析対象DNA断片と基準DNA断片とが同一のキャピラリで同時に電気泳動分離される。得られた泳動パターンに出現する2つの基準DNA断片のピークの信号強度を用いて,泳動パターンに出現する分析対象DNA断片のピークの信号強度を補正して,分析対象DNA断片のヘテロ接合性の消失の有無の判定がなされる。分析対象DNA断片のピークの信号強度の補正は,2つの基準DNA断片のピークの信号強度比を用いて実行される。
【0010】
基準DNA断片として被験者の健常細胞由来のゲノムDNAを鋳型とするPCR産物が使用され,分析対象DNA断片として同一の被験者の被検細胞由来のゲノムDNAを鋳型とするPCR産物が使用される。また,基準DNA断片としてヘテロ接合型の健常者の健常細胞由来のゲノムDNAを鋳型とするPCR産物が使用され,分析対象DNA断片として被験者の被検細胞由来のゲノムDNAを鋳型とするPCR産物が使用される。特に,分析対象DNA断片として血液中から回収した上皮細胞由来のゲノムDNAを鋳型としたPCR産物が使用される。血液中からの上皮細胞の回収は,抗原抗体反応に基づいて上皮細胞を選択的に吸着するカラムを具備する遺伝子多型解析装置を用いて実行される。上記のPCR産物を得るPCR反応ではTspポリメラーゼが使用される。
【0011】
分析対象DNA断片,基準DNA断片がp53遺伝子のexon4に於けるcodon72の一塩基多型サイトを含む場合には,分析対象DNA断片,基準DNA断片のreverse鎖について,温度範囲,44℃ないし48℃で電気泳動を行なう。
【0012】
本発明では,注目している標的DNA断片(分析対象DNA断片,基準DNA断片)の二次構造を計算により求め,多型による二次構造の差異の拡大を指標として電気泳動に於ける断片の分離(Rs)が大となる好適な温度条件を求め,この好適な温度条件で電気泳動を行なう。
【0013】
また,本発明では,PCR増幅される注目している標的DNA断片(分析対象DNA断片,基準DNA断片)の二次構造を計算により求め,PCR反応に於けるプライミングサイトを変化させて,多型による二次構造の差異の拡大を指標として電気泳動に於ける断片の分離(Rs)が大となる好適なプライマ配列を求め,この好適なプライマ配列を用いて標的DNA断片を調製する。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔実施例1〕
図1は,本発明の実施例1であり,LOH判定の手順の概略を表すフロー図である。以下,実施例1での手順の概略を図1を用いて説明する。
【0015】
(工程A)健常細胞からのゲノムDNA抽出と標的DNA断片のPCR増幅:
実施例1では診断対象を膀胱癌とし,被検細胞は被験者の尿中に漏洩した膀胱癌由来の癌細胞,対照実験に用いる健常細胞は同じ被験者の血液中の白血球とした。工程Aでは健常細胞のゲノムDNAを得るために,血液中の白血球からDNAを抽出した。実施例1では自動核酸抽出装置を使用し,迅速簡便かつ安全な抽出作業を実現し,ルーチンの臨床検査に好適に適用可能とした。
【0016】
次に,抽出したゲノムDNAをテンプレートとし,前記の従来技術−1と同様にTaq酵素(ABI社製,AmpliTaq Gold)を用いてPCR増幅を行ない,標的DNA断片を得た。工程Aでは従来技術−1で使用しているプライマーセットと同じ塩基配列のプライマーを使用したので,標的DNA断片の領域(癌抑制遺伝子p53のexon4の一部)や長さ(115nt(nucleotide,base))は従来技術−1と同じとなる。
【0017】
但し,従来技術−1では,reverse鎖(Click鎖)に対して5’端を蛍光色素Cy5で標識したプライマーを,forward鎖(Watson鎖)に対して標識しないプライマーをPCRに使用するのに対し,実施例1では,reverse鎖に対して5’端をROXで標識したプライマー(GENSET社製)を,forward鎖に対して5’端をFAMで標識したプライマー(GENSET社製)をPCRに使用して,PCR産物として標的DNAを得た。
【0018】
最後に,従来技術−1に記載の方法と同様にして,PCR産物の3'末端の平滑化処理をで行った。即ち,Klenow fragment(Klenow酵素)を加えて37℃,30分間反応させ,3'末端の突出端のdNTPを除去し,目的とする115ntの標的DNA断片を得た。
【0019】
(工程B)被検細胞からのゲノムDNA抽出と標的DNA断片のPCR増幅:
基本的に工程Aと同様の手順により,同一の被験者から被検細胞を得て,ゲノムDNA抽出を行ない,PCR増幅を行った。
【0020】
工程Bが工程Aと異なるのは被検細胞が尿中に漏れ出た膀胱由来の細胞である点であり,被験者の尿から細胞を回収しDNA抽出と増幅を行った。回収した細胞からのゲノムDNAの抽出では工程Aと同様に自動核酸抽出装置を使用した。また,工程Bではこの被検細胞から得たゲノムDNAに基づくPCR増幅の際,reverse鎖に対して5’端をFAMで標識したプライマーを,forward鎖に対して5’端をROXで標識したプライマーを用いて標的DNA断片を得た。
【0021】
(工程C)健常細胞に基づく増幅DNA断片の電気泳動と多型分離検出:
実施例1では電気泳動装置として1本のキャピラリを有するDNAシーケンサ(ABI社)を使用し,基本的にABI社推奨のSSCP条件に基づき泳動を行ない,1塩基多型を有するPCR増幅産物の分離検出を行った。この装置は泳動ポリマをキャピラリに自動充填する機構と,オートサンプラ上の試料をキャピラリに自動注入する機構を備えるため,全自動の連続測定が可能であり,ルーチンの臨床検査に好適に使用可能である。この装置は,複数の異なる発光波長を検出できる機能(以下,多波長検出という)を有し,標準蛍光色素を用いた蛍光の相互干渉を事前評価して補正マトリクスを予め作製し,実試料での干渉の影響をマトリクス変換により除去し,複数の蛍光色素を独立に検出可能である。
【0022】
試料調製条件は下記の通り。PCRの反応液を水で1/20ないし1/50に希釈した溶液1μL,サイズスタンダード(ABI社製GeneScan 500 TAMRA)0.5μL,ホルムアミド12μLを混合,94℃で2分間熱変性,室温まで放冷する。但し,工程Dで説明する通り,実際には工程C,工程Dの電気泳動は同時に同一のキャピラリで実施した。従って,PCR反応液は,工程Cによる健常細胞由来のもの0.5μLと,工程Dによる被検細胞由来のもの0.5μLの,合計1μLを用いた。
【0023】
実施例1でのSSCP法による泳動条件は下記の通り。キャピラリ寸法は,有効長30cm,全長41cm,内径50μm,外径375μmである。試料注入条件は,15kV,5秒で行った。泳動電圧は,15kVである。泳動バッファは,グリセロール10重量%を含む1xTBE緩衝溶液である。泳動ポリマは,泳動バッファをベースとし,ABI社製GeneScan Polymerを9重量%となるよう添加した。
【0024】
図2は,本発明の実施例1であり,上記の試料について,SSCP法による電気泳動を行って得られた電気泳動パターンの例を示す図である。図2(a)の横軸は時間(t)に相当し,左から右にむけてtは大となる。縦軸は特定の発光波長での蛍光信号強度を示し,ピークの高さは発光波長で蛍光を発する蛍光色素で標識されたDNA断片の濃度に比例する。図2(a)の縦軸は,蛍光色素FAMの蛍光波長の信号強度を示す。
【0025】
事前の検討で,標的DNA断片(p53exon4の一部)のforward鎖の一塩基多型に関し野生型のホモ接合型の試料は,図2(a)のピーク12と同じ位置に単一のピークを示し,また変異型の試料の場合は,図2(a)のピーク13と同じ位置に単一のピークを示すことを確認した。
【0026】
従って,図2(a)のピークはそれぞれ,標的DNA断片のforward鎖の野生型と変異型の断片に由来する。一方,FAMで標識されているforward鎖は工程Aで説明した健常細胞由来の試料であるため,この健常細胞由来の標的DNA断片は,exon4の一塩基多型に関し,野生型と変異型とを含むヘテロ接合型であることが理解される。2つのピーク12,13が観測されたことから,この一塩基多型を有する2つの標的DNA断片が,実施例1によるSSCP法により分離検出できることが示された。なお,各ピークの泳動時間はそれぞれ23.6分,23.8分,信号強度はそれぞれ255,263(任意単位)であった。
【0027】
一方,ROXで標識したreverse鎖の信号も同様に分離検出されたが,図2の時間軸範囲の外であったため図2では省略した。reverse鎖の野生型,変異型のピークの泳動時間はそれぞれ20.3分,20.4分であった。このreverse鎖の分離特性については後述する。従来技術−1の泳動時間は約5時間であるから,実施例1は従来技術−1と比較して約15倍高速という特長を有する。これは放熱特性に優れるキャピラリ方式の採用により,約366V/cmと高い電場の採用が可能となり,泳動が高速化したためと考えられる。
【0028】
(工程D)被検細胞に基づく標的DNA断片の電気泳動と多型分離検出:
被検細胞から工程Bにより得られた標的DNA断片について,工程Cと同じ手順でSSCP法による解析を行なうことにより,exon4の一塩基多型に関する解析を行った。なお,使用した装置が多波長検出できるので,実際には工程Cと工程Dの試料を混合し,同じキャピラリで同時に電気泳動を行ったのは前述の通りである。電気泳動の結果を図2(b)に示した。
【0029】
図2(b)の横軸と図2(a)の横軸は共通の原点と時間スケールを持つ時間軸であり,既知試料との比較から,2つのピーク14,15は標的DNA断片のforward鎖の野生型と変異型の断片に対応する。図2(b)の縦軸は蛍光色素ROXの蛍光波長の信号強度を示し,ROXで標識されているforward鎖は工程Bで説明した被検細胞由来の試料であるため,この被検細胞由来の標的DNA断片は,exon4の一塩基多型に関し,野生型と変異型とを含むヘテロ接合型である。
【0030】
マトリクス変換による干渉補正を用いた多波長検出により,同一キャピラリで被検細胞と健常細胞から得た標的DNA断片を同時に電気泳動するにもかかわらず,図2(a)に示したFAMで標識した健常細胞のforward鎖の断片に基づく信号と,図2(b)に示したROXで標識した被検細胞のforward鎖の断片に基づく信号とは互いに独立に検出できることが理解される。ピーク14,15の泳動時間はそれぞれ23.6分,23.7分,信号強度はそれぞれ255,274(任意単位)であった。
【0031】
なお,ピーク12,14はそれぞれ同一の配列を有する標的DNA断片のピークであることを,それぞれFAM,ROXで標識した野生型試料の泳動結果との比較により確認したが,両者の泳動時間は僅かに異なった。これは,蛍光色素の違いにより移動度が僅かに影響を受けるためと考えられる。ピーク13と15についても変異型である点以外は同様である。なお,FAMで標識した被検細胞由来のreverse鎖の断片に基づく信号は図2の時間軸の範囲外であったが,工程Cでのreverse鎖の断片に基づく信号の結果と類似の結果が得られた。
【0032】
(工程E)対立遺伝子が互いに異なるヘテロ接合型か否かの判定:
工程Cに関する説明の通り,健常細胞から得たDNAはSSCP法で2つのピーク12,13が得られたことから,標的DNA断片(p53exon4)のcodon72について野生型と変異型とを含み,換言すると対立遺伝子が互いに異なるヘテロ接合型であった。従って,この被験者の被検細胞について,この遺伝子座に関するLOH判定を行なうことが可能である。
【0033】
一方,SSCP法でピーク12又は13どちらか一方のピークしか観測されなかった場合は,この被験者はこの遺伝子座に関してホモ接合型であり,被検細胞のDNAを調べてもLOHに関する情報が得られず,この遺伝子座に関するLOH判定を行なうことができない。従って,別の遺伝子座について検査を行なう必要がある。
【0034】
(工程F)健常細胞の対立遺伝子に由来する断片の信号強度からの補正係数の算出:
以下の説明では,X=S,P,Cとして,変数X1(S1,P1,C1),X2(S2,P2,C2)を使用するが,Xに続く1,2はそれぞれ,野生型,変異型に対応することを示す。工程Cに関する説明の通り,健常細胞のforward鎖の野生型,変異型に対応する標的DNA断片の信号強度S1,S2は,それぞれ255,263であった。補正係数Fは(数1)によって定義され,補正係数Fの値は263/255=1.031である。
【0035】
【数1】
F=S2/S1 …(数1)
(工程G):被検細胞の対立遺伝子に由来する断片の信号強度と,補正係数とから,被検細胞での対立遺伝子の存在量の比を求める:
工程Dの説明の通り,被検細胞のforward鎖の野生型,変異型に対応する標的DNA断片の信号強度P1,P2はそれぞれ255,274であった。被検細胞での対立遺伝子の存在量の比Tは(数2)によって定義され,T=274/255/1.031=1.042である。
【0036】
【数2】
T=P2/P1/F …(数2)
(工程H)Tの1からの乖離(ずれ)の判定:
工程Gで求めた通りT=1.042であり,Tの1からの乖離は+4.2%である。Tの1からの乖離が±10%以上をLOHあり(異常有り)と判定する基準を設けて,このケースは被検細胞にLOHなし(異常なし)と判断した。このケースではTの1からの乖離が10%未満であったが,T≦0.9の場合や,T≧1.1の場合はTの1からの乖離が±10%以上となるため,LOHあり(異常有り)と判断する。この結果を,膀胱癌の診断を行なうためのデータとして医師に提供することができる。
【0037】
なお,実施例1で用いた被検細胞は健常者のものであったため,上記の異常無しの判定は正しい結果であった。実施例1ではそれぞれの標的DNA断片を異なる蛍光色素で標識したにもかかわらず,工程Cと工程Dで同一のキャピラリで同時に電気泳動を行ったために,健常細胞由来の断片の強度比を基準とする被検細胞由来の断片の強度比の補正が有効に機能したと考えられる。注意すべき点は,蛍光色素の違いによる両者の挙動の違いが事実上無関係であったことである。これは従来当業者の予見が困難であった事実であり,本発明の進歩性のポイントの一つである。
【0038】
実施例1では,SSCP法による解析を行なうためのキャピラリ電気泳動装置として,例えば,光源としてAr+レーザとHe−Neレーザ,検出器として回折格子とCCDカメラを用いて,多波長の蛍光検出が可能な装置も使用できる。本発明の適用範囲はこれら装置に限定されるものではなく,広く一般の多波長の蛍光検出が可能なキャピラリ電気泳動装置が適用できる。実施例1では,簡単のために2種の蛍光色素からの蛍光検出を行なう場合について例示し,被検細胞由来の標的DNA断片を1種のみ用いる方法を例示した。n種の蛍光色素からの蛍光検出が可能な装置を使用して,各標的DNA断片をn種の異なる蛍光色素で標識すれば,当然(n−1)種までの被検細胞由来の標的DNA断片を同時に測定可能である。
【0039】
本発明の適用範囲は,実施例1で示した試料,PCR領域,適用用途等についても,上記の血液や尿から採取した細胞から抽出したゲノムDNA試料のp53exon4領域,膀胱癌の診断に限定されない。本発明は,その他の生体に由来する細胞から得た試料に適用可能であり,他の遺伝子領域での一塩基多型,マイクロサテライト多型,ショートタンデムリピート多型等をマーカーとして使用可能である。また,LOHが指標となる他の疾病の遺伝子診断にも適用可能である。他のキャピラリ電気泳動装置応用の分析試験に対しても,信号強度比を高精度に評価する必要がある場合には,同様に適用可能である。
【0040】
実施例1の特有の効果は,健常細胞由来の断片と,被検細胞由来の断片とを,同時に同じキャピラリで電気泳動することにより,蛍光色素の違い以外の全ての泳動条件を統一できることである。LOHの判断基準となる対立遺伝子由来の断片の信号強度比に影響を及ぼすような電気泳動条件の変動があったとしても,変動要因の影響を相殺でき高精度の測定が可能になるという効果がある。
【0041】
〔実施例2〕
実施例2は実施例1と同様であるが,PCR増幅に用いた酵素並びにPCR後の工程が異なる。実施例1の工程A,工程Bでは,PCR酵素としてTaqポリメラーゼを使用した。この場合3'末端にdNTP(N=A,T,G,C)が一つ付加したPCR産物が生じ,それによるゴーストピークがSSCP法での定量的解析を妨害する不具合がある。この不具合を避けるためにPCR産物をKlenow酵素で処理して3'末端を平滑化して,3'末端の突出端部のdNTPを除去した。
【0042】
実施例2では,PCR酵素としてPlatinum Genotype Tspポリメラーゼ(Life Technologies/GibcoBRL社)を使用することにより,3’末端に対するdNTPの付加を抑制しKlenow酵素処理を省略した。実施例2により,時間,手間,コストがかかるKlenow酵素反応を省略した。また,酵素反応ステップを1段省略することにより,その酵素の失活による再現性不良等の誤差要因を排除した。従って,実施例2は,迅速,簡便,安価かつ信頼性の高い臨床検査を行えるという特有の効果がある。なお,3’末端に対するdNTP付加が起こりにくいとされるPCR酵素は各種報告されているが,各種酵素を比較検討した結果,上記のTspが最も好適であった。
【0043】
図3は,本発明の実施例2であり,各種ポリメラーゼを用いてp53遺伝子のexon4領域をPCR増幅した産物について,変性ゲルPOP4(ABI社製)を充填したキャピラリ電気泳動装置を用いてフラグメント長の解析を行った結果の一例である。図3(a)ではAmpliTaq Gold(ABI社製)を,図3(b)ではPlatinum Genotype Tspを,図3(c)ではPyrobest(宝酒造社製)を,図3(d)ではPfx(Life Technologies/GibcoBRL社製)をそれぞれ,ポリメラーゼとして用いて得られたPCR産物の電気泳動パターンの例である。
【0044】
図3(a),図3(c)の泳動パターンでは,PCR産物として目的とする115ntの断片16の他に,それより塩基数の多い断片17,18が副産物として生成している。図3(d)の泳動パターンでは,PCR産物として115ntの断片16より塩基数の短い断片19が生成している。図3(b)に示すように,Tspポリメラーゼを使用したPCR産物の泳動パターンでは,目的とする115ntの断片16以外の長さの副産物が殆ど含まれていない。従って,PCR反応でTspをポリメラーゼとして用いることにより,3’末端が平滑なDNA断片が得られKlenow酵素反応を省略できるという効果がある。
【0045】
〔実施例3〕
図4は,本発明の実施例3であり,LOH判定の手順の概略を表すフロー図である。実施例3の手順は実施例2の手順と類似であるが補正係数Fの算出方法が異なる。
【0046】
(工程I):実施例2では,補正係数Fは被験者の健常細胞から得たゲノムDNAのPCR増幅により得られた標的DNA断片を標準試料として補正係数Fを求めた。実施例3では必ずしも被験者自身の健常細胞からではなく,他の個人や他の生物の細胞等から得たゲノムDNAのPCR増幅により得られた標的DNA断片,又は,化学合成によって得られた標的DNA断片を単独もしくは混合して用いた。
【0047】
単独で用いる場合には,試料はヘテロ接合型の健常細胞から得られたものである必要があるが,混合して用いる場合はこの限りでなく,ホモ接合型やLOHの細胞から得られたものや,化学合成品であってもよい。勿論,ホモ接合型やLOHの細胞から,又は化学合成品によって標的DNA断片を得た場合には,野生型だけでなく変異型の試料も用意し混合することによりヘテロ接合型と類似の組成とする(この場合,下記の理由により組成比は,必ずしも厳密に1:1である必要はない)。何れにせよ,工程Iにより,実施例1,実施例2の工程Aに相当するヘテロ接合型類似の組成を有する標的DNA断片を,標準試料ストックとして準備する。
【0048】
(工程J):ヘテロ接合型類似の組成を有する標的DNA断片(標準試料ストック)の対立遺伝子に由来する断片(実施例3では野生型と変異型)の濃度C1,C2を定量する。様々な方法を用いて濃度を定量できる。実施例3では,野生型と変異型の一次標準試料(濃度検定済み)をそれぞれ準備し,標準試料ストックと各一次標準試料を使用して電気泳動装置を用いたSSCP法による解析を行ない,野生型と変異型のそれぞれに由来する断片に対応する泳動ピークの高さを比較することにより,標準試料ストックの対立遺伝子に由来する各断片の濃度C1,C2を定量した。
【0049】
濃度C1,C2決定の他の方法としては,LOHが無いことが確認されているヘテロ接合型の一次標準試料(濃度検定済み,この場合は野生型と変異型の濃度は同じ)を準備し,そのSSCPパターンを標準試料ストックのそれと比較することにより濃度C1,C2を決定する。或いは,野生型,変異型のそれぞれについて標的DNA断片を準備し,予めUV吸収測定,PicoGreen(Molecular Probes社製)等のインターカレータとの相互作用による蛍光強度測定等により,それぞれの断片の濃度を求めた後,それらを所定の割合で混合することにより濃度C1,C2を決定する。或いは,ヘテロ接合型の健常者を多数集め,彼らがLOHを有さないことを確認し,彼らから得た標的DNA断片を概ね等量ずつとなるように混合することにより,概ね1:1に近い濃度比を持つと見做すことのできる標準試料ストックを準備し,その標的DNA断片の合計濃度Cを求め(数3)により濃度C1,C2を決定する方法もある。
【0050】
【数3】
C1=C2=C/2 …(数3)
工程Iでの標準試料ストックの由来に関わらず,工程Jで標準試料ストックの対立遺伝子に由来する断片の濃度C1,C2を決定する。工程I,工程Jにより,対立遺伝子に由来する濃度既知の断片を含むヘテロ接合型(類似)の標準試料ストックが得られる。
【0051】
(工程K):標準試料ストックの電気泳動を行ない塩基配列多型性に基づき分離検出を行なう。工程Kは,実施例1,実施例2での工程Cと同様であり,その結果,対立遺伝子に由来する各断片の信号強度S1,S2を得た。異なるのは,用いる試料が標準試料ストックである点と,それが確実にヘテロ接合型かもしくはヘテロ接合型類似の組成であることが判明している点,その対立遺伝子に由来する各断片の濃度がそれぞれC1,C2である点である。
【0052】
(工程F’):断片1,断片2の信号強度S1,S2と,濃度C1,C2とから補正係数Fを求める。DNA断片1,2はそれぞれ,野生型,変異型に対応する。工程F’は,実施例1,実施例2での工程Fと類似である。異なるのは断片1,2が被験者の健常細胞由来でなく,上記の標準試料ストック由来である点,断片1,断片2の濃度が必ずしも等しくなくその濃度がC1,C2で与えられるため補正係数Fも(数4)に示すように濃度を勘案して求める点である。勿論,C1=C2の完全なヘテロ接合型の場合は,実施例3の工程F’により求めた補正係数Fは,実施例1,実施例2での工程Fにより求まる補正係数Fと一致する。
【0053】
【数4】
F=(S2/C2)/(S1/C1) …(数4)
(工程A,工程C,工程E):実施例3での工程A,工程C,工程Eは,実施例1,実施例2での工程A,工程C,工程Eとほぼ同じである。異なるのは実施例3では工程Cで健常細胞から得た断片のSSCP法解析での信号強度は補正係数Fの計算には使用せず,ただ単に工程Eでヘテロ接合型であるか否かの判定のみに使用することである。
【0054】
(工程B,工程D,工程G):実施例3での工程B,工程D,工程Gは,実施例1,実施例2での工程A,工程C,工程Eとほぼ同じである。異なるのは実施例3では工程Dで,被検細胞からのDNA断片の電気泳動を工程Kでの標準試料ストックと一緒に行なう点である。勿論,実施例1,実施例2と同様,工程Cの健常細胞からのDNA断片と一緒に電気泳動を行っても良いが必ずしも必要ではない(上述の通り,健常細胞のデータはヘテロ接合型であることの確認にのみ利用され,補正係数には反映されないため)。
【0055】
工程Cの健常細胞からのDNA断片と一緒に電気泳動を行なう場合,工程Cの健常細胞からのDNA断片を,工程Kの標準試料ストックや工程Dでの被検細胞からのDNA断片と区別するため,工程Aでの健常細胞からのDNA断片のPCR増幅では,工程I,工程Bで用いた蛍光色素と異なる第3の蛍光色素で標識する。
【0056】
(工程G,工程H):実施例3での工程G,工程Hは,実施例1,実施例2と同様である。唯一の相違点は,工程Gでの被検細胞の対立遺伝子の存在量の比Tを求める際の補正係数Fとして,工程F’の説明の通り標準試料ストックの測定により求めた値を用いる点である。実施例3では補正係数Fを求める際,被検者の健常細胞由来のDNA断片の泳動パターンを用いる代わりに,標準試料ストックの泳動パターンを用いる。以下,実施例3の特有の効果を説明する。
【0057】
第1に,健常細胞と想定して用いた被験者の細胞中の標的領域での対立遺伝子の存在量の比Tが万一1:1からずれ(乖離し)ていたとしても,被検細胞のLOHが高精度に算定可能となるという効果がある。この様なことが起こるケースとしては,例えば,健常細胞として血液中の白血球を用いる場合に,被験者が白血病に罹患している場合等がある。
【0058】
第2に,工程I,工程Jはユーザではなく,好ましくは機器メーカ或いは試薬メーカが実行し,ユーザは濃度既知の標準試料ストックを機器メーカ或いは試薬メーカから購入して使用することができる。この場合,分析結果の信頼性向上が可能となるという効果がある。更に,被験者に関する事前の検討により,その被験者が標的領域について本来ヘテロ接合型であることが確認されている場合は,工程A,工程C,工程Eは省略できる。この場合,ユーザは標準試料ストックの購入使用により基準となる試料の調製作業を省略できるため,ユーザにとって省力化が可能となるという効果もある。
【0059】
第3に,標準試料ストックはヘテロ接合型,あるいはそれに類似した組成であることが事前に確認されている。従って,工程Kでこの試料をSSCP法により分析した際に2つのピークが検出されない場合は,分析方法に何らかの問題があること意味し,この情報を用いて分析方法の品質管理が可能となるという効果がある。標準試料ストックの組成比と泳動パターンのピーク強度比とを比較して両者が大きく乖離した場合は,分析条件の大きな変動を意味する場合があるため,分析方法の品質管理が可能となるとともに,ユーザに注意を喚起して原因究明と対策を促すこともできるという効果もある。
【0060】
(実施例4)
図5は,本発明の実施例4によるLOH判定の手順の概略を表すフロー図である。実施例4の手順は,実施例3の手順と類似であるが,泳動パターンの信号強度や濃度の計算の各段階で,対立遺伝子に由来する断片について独立に計算を行なうのではなく,対立遺伝子に由来する2つの断片に関する比の値を用いて計算を行なう点が異なる。具体的には,工程J’で,断片1,断片2の濃度をそれぞれC1,C2として求める代わりに,(数5)により濃度比C1,2を求める。同様に,工程F”で,信号強度S1,S2の代わりに,(数6)により信号強度比S1,2を求め,Fを(数7)から求める。同様に,工程G’で被検細胞の断片1,断片2の信号強度P1,P2の代わりに,(数8)により信号強度比P1,2を求め,Tを(数9)から求める。
【0061】
【数5】
C1,2=C2/C1 …(数5)
【0062】
【数6】
S1,2=S2/S1 …(数6)
【0063】
【数7】
F=S1,2/C1,2 …(数7)
【0064】
【数8】
P1,2=P2/P1 …(数8)
【0065】
【数9】
T=P1,2/F …(数9)
実施例4の特有の効果は,扱う情報量が約半分で済むため,計算機にとっては記憶容量が少なくて済み,ユーザにとっては数値入力の手間が省け,また計算の流れがより理解しやすくなることである。
【0066】
(実施例5)
実施例5は実施例2と同様であるが,工程C,工程Dで分離定量するDNA断片をforward鎖由来の断片でなく,reverse鎖由来の断片とした点が異なる。手順の変更点としては,電気泳動開始後約20分付近の泳動パターンを取得し,健常細胞由来のreverse鎖由来のROXで標識した断片,被検細胞由来のreverse鎖由来のFAMで標識した断片について解析を行った。観測したピークがreverse鎖由来の断片である点を除けば,実施例2と同様の手順により,実施例2と同等の結果が得られた。
【0067】
この時の分析条件は,ABI社推奨のSSCP条件,即ち,ポリマ濃度3%,温度30℃であった。この場合,reverse鎖の対立遺伝子に由来する2つの断片のピークの分離Rs(泳動パターンのピーク形状をガウス分布型と仮定した場合,ピーク間隔を,バンド幅,即ち,4シグマで割った値として定義される)は約0.8〜1.0であった。
【0068】
次に,ポリマ濃度について検討を行った。6%以上の泳動ポリマ調製の際は,予めGeneScan Polymer溶液(7%)(ABI社製)を遠心濃縮して約15%に濃縮した溶液に基づき,泳動ポリマを調合した。その結果,ポリマ濃度が9%までの範囲では濃度上昇とともに分離が直線的に改善することが判明した。濃度9%でのreverse鎖由来の断片の分離は約2.3という高い分離が得られた。
【0069】
10%以上のポリマ濃度では電気泳動結果の再現性が低下した。これは,ポリマ溶液の粘性が増し,キャピラリへのポリマ溶液の充填が均一にできなくなったためと考えられる。従って,高い分離を得る観点からはポリマ濃度の最適値は約9%であると考えられる。実施例1でのポリマ濃度9%の条件も,以上の検討から得られた知見に基づいて設定した。
【0070】
次に,電気泳動を行なう温度について検討した。従来技術−1ではp53 exon4の電気泳動の温度条件として20℃を採用している。また,一般にSSCP法では低温の方が高分離の傾向があるとされているため,低温での電気移動を試みた。しかし,キャピラリ電気泳動法を用いる本発明での検討では,温度20℃の条件下でも分離は殆ど改善しなかった。逆に,30℃より高温の条件での電気泳動について検討したところ,驚くべき事に,約46℃〜48℃でのreverse鎖由来の断片の分離が特異的に改善する現象が見出された。
【0071】
図6は,本発明の実施例5であり,p53exon4のreverse鎖由来の断片のSSCP法による分離(Rs)の温度依存性の例を示す図である。図6は,30℃から60℃まで温度変えた場合のp53 exon4 reverse鎖の野生型と変異型由来の断片の泳動ピークの分離のポリマ濃度による変化,即ち,ポリマ濃度3%での分離の温度変化23(○印),ポリマ濃度6%での分離の温度変化24(△印),ポリマ濃度9%での分離の温度変化25(□印)を示す。
【0072】
図6から明らかなように,30℃から40℃の範囲では分離(Rs)は温度によらずほぼ一定であったが,40℃から50℃付近の狭い温度範囲で急峻な分離(Rs)の改善が見られた。この範囲での分離(Rs)の最高値はポリマ濃度3%,6%,9%でそれぞれ,約3.3,4.8,6.0であった。これらの値は,30℃での値と比較した場合,約3倍高かった。
【0073】
実施例5では,この様な大きい分離(Rs)を与える特異的な温度である46℃〜48℃を電気泳動条件として採用したため,ピークの分離,定量が容易となり,測定精度が改善するという効果がある。また,分離(Rs)はキャピラリ有効長の(1/2)乗に比例するが,分析(泳動)時間はキャピラリ有効長に比例するため,温度の最適化により得た3倍の分離(Rs)の改善を,キャピラリ有効長短縮による分離(Rs)の低下と相殺した場合,同じ分離(Rs)をキャピラリ有効長9分の1で,従って,分析(泳動)時間も9分の1で実現できる。
【0074】
従って,温度の最適化によって得られた3倍の分離(Rs)の改善と引き替えに約1桁の高速化が可能となるという効果もある。同様に,温度の最適化により得られた大きい分離(Rs)を,ポリマ濃度の低下による分離(Rs)の低下と相殺すれば,高速化が可能である。
【0075】
なお,上記のようなSSCP法の分離(Rs)に関する特異温度,特に46℃〜48℃という高い温度での分離(Rs)の改善の報告は少なく,そのメカニズムも未解明である。そこでそのメカニズムを解析するためにDNA断片の2次構造の計算を,パブリックドメインのソフトウエア RNAfold(Monatshefte fur Chemie 125,167−188,1994)を使用して行った。計算のアルゴリズムには,分配関数(partition function)とペア確率(pair probabilities)を併用する計算方法を採用した。
【0076】
文献(SantaLucia,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95,1460−1465,1998)に記載のDNA用のパラメータを,エネルギー計算に使用した。勿論,DNA断片の2次構造計算のためのソフトウエアは他にも幾つか存在し,他のソフトウエアでも同様の計算が可能である。
【0077】
図7は,本発明の実施例5であり,上記の特異温度を示したp53exon4のreverse鎖の野生型,変異型のDNA断片の30℃と46℃での二次構造の計算結果を示す図である。図7では,縮尺の都合で個々の塩基配列が見にくいため,野生型と変異型との唯一の相違点である一塩基多型の位置(codon72)をアロー(←)により,またその塩基の種類をC(野生型)又はG(変異型)で示した。図7(a)は30℃での野生型の2次構造を示し,図7(b)は30℃での変異型の2次構造を示す。図7(a),図7(b)に示す2次構造はともに自己会合の多い2次構造を示し,その構造は一塩基多型の位置の近傍で僅かに異なるが,全体として良く類似した2次構造であることが理解される。
【0078】
図7(c)は46℃での野生型の2次構造を示し,図7(d)は46℃での変異型の2次構造を示す。図7(d)の2次構造は,末端が一部解離している他は基本的に図7(b)に示す2次構造と相似であった。一方,図7(c)の2次構造は,図7(a)の2次構造と大きく異なり,自己会合構造の多くが解離しており一本鎖領域が多いという結果となった。
【0079】
以上の2次構造計算結果は,30℃,46℃で,SSCP法での野生型と変異型の両断片の分離特性が大きく異なることに対応づけられると考えられる。即ち,30℃では野生型と変異型の両断片は自己会合の多い2次構造を取るが,その構造は互いに類似している。従って,SSCP法による電気泳動を行っても,構造上大きな差異がないために分離が良くない。46℃に昇温すると,野生型と変異型の両断片は互いに共通点が殆ど無いほど2次構造が異なるため,SSCP法による電気泳動で高い分離(Rs)が得られる。
【0080】
46℃での電気泳動特性は以下のような更に詳細な考察も可能と考えられる。野生型は自己会合構造の大部分が解離し,一本鎖部分の割合が多いため,禁止点が少なく柔軟となる。すると泳動ゲルの間を移動する際の動的半径が減少し,換言すると移動度が高くなる。一方,変異型は46℃に昇温しても構造変化が少ないため,移動度の変化も小さい。従って,野生型の泳動時間が変異型と比較して相対的に短縮し分離が改善すると考えられる。
【0081】
SSCP法は一塩基多型等の塩基配列変化により泳動断片の高次構造が変わることが分離のメカニズムであると提唱されてきたが,高次構造と対応づけて分離特性を解析した例は少ない。特に約46℃というSSCP法としては異例に高い温度での特異的かつ急峻な分離(Rs)の改善現象について解析し,分離改善の原因を高次構造と対応づけて解析するのに成功した例は,本発明が初めてであると考えられる。従来はSSCP法は分離が得られるか否かは試行錯誤が必要であった。即ち,あるケースでは分離が得られさもなければ断念するという勘と経験と運に依存する技法であった。実施例5の上記した検討により,核酸2次構造とSSCP分離との関係が理論的に対応付けられる可能性が示された。
【0082】
従って,SSCP法による分離を試みる前に,予め2次構造を計算により予測し,一塩基多型等を有する断片同士の分離が期待できるか否か,また最も分離(Rs)が良い温度が何度位であるか等の予測を計算により行ない,その結果を踏まえてSSCP法の条件を最適化するという方法が,実施例5で有効であることが示された。
【0083】
この方法で最適化可能なSSCP法の条件としては,泳動温度,断片の配列等がある。目的とする一塩基多型の位置が決まっていても,それを挟むプライマーの位置を変更すると,PCR増幅する断片の配列を変えることができ,その場合の分離特性を上記と同様の手順により予測,最適化することが可能である。当然,最適化の結果に基づいてプライマーを設計することも実施例5では有効である。また,プライマーの5’端に任意の配列を付加し分離改善を図るシミュレーションも可能である。
【0084】
実施例5の特有の効果は,癌抑制遺伝子として注目されているp53遺伝子上の,パピローマウイルスによる子宮頚癌のかかり易さ等との関連が報告されているexon4codon72の遺伝子座の一塩基多型を分離検出する際,従来比3倍以上の極めて高い分離(Rs)がSSCP法で得られ,理論解析によりその理由を説明でき,SSCP法の分離をシミュレートできることである。
【0085】
(実施例6)
実施例6は実施例2と同様であるが,工程Bで,尿中の膀胱由来の細胞ではなく,組織由来の上皮細胞を抹消血中から回収して使用した点が異なる。
【0086】
血液中からの上皮細胞の選別回収はセルソータを用いる文献(Racila他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95,4589−4594(1998))に記載の方法を採用した。具体的には,EPCAM(上皮細胞接着分子)に対する抗体を結合した磁性粒子と抹消血とを混合した後,磁石を用いてB/F分離を行ない,磁性粒子に結合した細胞を含む分画を得た。
【0087】
この分画をフィコエリスリンを結合した抗サイトケラチン抗体と,ペリディニンクロロフィルでラベルした抗CD45抗体とを含む溶液で処理した。磁石によるB/F分離,精製の後,セルソータにより測定した。上記文献に記載されているように,CD45抗体の数が少なく,高い濃度でサイトケラチン抗体が反応した上皮細胞の分取を行った。この際,分取した細胞の数を記録した。
【0088】
この様にして抹消血中から上皮細胞を選別回収した後,実施例2の工程Bと同じ手順により,DNA抽出と増幅を行った。他の工程については実施例2と同じ工程を採用して,血液中の上皮細胞由来の核酸のLOHを求めた。
【0089】
上記の文献に記載の通り,CD45抗体の数が少なく,高い濃度でサイトケラチン抗体が反応した細胞は上皮細胞系の細胞であり,抹消血中に存在する上皮細胞の多くは癌腫の細胞であるから,セルソータで分取した細胞の多くは転移性の癌細胞と考えられる。しかし,抹消血の採取の際の穿針による上皮細胞の混入や,各種の外傷や炎症等により癌細胞以外の上皮細胞が抹消血中へ混入する場合もあるため,セルソータで記録された上皮細胞の数だけに基づいて癌の診断を行なうと偽陽性となる場合があり,精度が低いという課題があった。
【0090】
実施例6では,抹消血中の上皮細胞を分取して計数するだけでなく,その細胞のゲノムDNAのLOHを求めることにより,その細胞が癌細胞由来であるか否かを高精度に評価可能である。従って,実施例6は,偽陽性の少ない,精度の高い診断材料を提供できるという特長がある。また,膀胱癌に限らず広く転移性の癌腫一般を抹消血を用いて検出,診断できるため,適用範囲が広く,被験者に対する侵襲性も少なく,各種の癌の早期発見のためのスクリーニング法として有効であり,早期治療,生存率の改善に貢献できるという特長がある。
【0091】
(実施例7)
実施例7は実施例6と同様であるが,セルソータによる分取を行わず,免疫法のみによる細胞分離を行った点が異なる。具体的には,EPCAM(上皮細胞接着分子)に対する抗体を結合した磁性粒子と抹消血とを混合した後,磁石を用いてB/F分離を行ない,磁性粒子に結合した細胞を含む分画を得た。
【0092】
EPCAMと磁性粒子との結合を切断した後,磁石を用いてB/F分離を行ない,非結合分画と抗サイトケラチン抗体を結合した磁性粒子とを混合し,磁石を用いてB/F分離を行ない,磁性粒子に結合した細胞を含む分画を得た。この分画から,実施例2の工程Bと同じ手順により,DNA抽出と増幅を行った。他の工程については実施例2と同じ工程を採用して,血液中の上皮細胞由来の核酸のLOHを求めた。
【0093】
実施例7では,免疫反応だけでなくDNAのLOHも判断材料とするため,少量の白血球が混入しても影響が少ない。従って,簡便な装置,方法で高精度の診断が可能な判断材料を提供できるという効果がある。
【0094】
なお,以上の説明では免疫法による細胞分離法として磁気免疫法を例にとって説明したが,勿論磁気を用いない各種の免疫法による細胞分離法も適用可能である。例えば,抗体を結合した無機又は有機のビーズ等の担体を用い,遠心分離によりB/F分離を行なう免疫ビーズ法,抗体を結合した無機又は有機のビーズ状あるいは繊維状の担体を充填したカラムによりB/F分離を行なう免疫クロマトグラフィー法等も適用可能である。なお,上記の説明ではEPCAMとサイトケラチンに対する2種の免疫反応を,両方とも磁気免疫法で行なうために,途中で磁性粒子との結合を切断するステップを採用した。
【0095】
しかし,後段の免疫反応を磁気免疫法以外の方法,例えば,免疫クロマトグラフィー法で行なう場合には,この磁性粒子除去のステップは不要であり,直接第2の抗体を有するカラムによるB/F分離にかけられる。カラム内の担体に結合した細胞は,一旦結合を切断して細胞として回収してから後工程であるDNA抽出を行なうことができる。或いは,カラム内に細胞を結合したまま,細胞を溶解する試薬を加えて核酸を遊離させ,抽出することも可能である。
【0096】
次に,本発明の効果,即ち,高精度なLOH判定ができることについて説明する。ここで,本発明との対比のための対比例の方法について説明する。本発明との比較を行なうこの対比例の方法は,従来技術−1の方法の一部の条件を変更した方法である。従来技術−1と本発明の実施例1は,(1)健常細胞と被検細胞の標的DNA断片を,従来技術−1では同じ蛍光色素で,本発明では異なる蛍光色素で標識する点,(2)電気泳動で,従来技術−1ではスラブゲルを,本発明ではキャピラリを用いる点,(3)健常細胞と被検細胞の標的DNA断片を,従来技術−1では別の泳動路で,本発明では同じキャピラリで泳動する点で基本的に異なる。
【0097】
対比例の方法では,健常細胞と被検細胞の標的DNA断片を,従来技術−1と同様に同じ蛍光色素で標識し,健常細胞の標的DNA断片,被検細胞の標的DNA断片を,一本キャピラリを用いて電気泳動する。健常細胞と被検細胞の標的DNA断片は同じ蛍光色素で標識されているので,電気泳動は2回行なうことになる。対比例の方法は,従来技術−1の方法を1本キャピラリを用いる電気泳動に適用した方法である。
【0098】
図8は,本発明の実施例1の手順と比較例の手順によるLOH判定の精度比較例の結果を示す図である。図8は,4種類の異なる試料(実験番号1,2,3,4)に関して,繰り返して実験を行って得たLOH判定の結果を示す。また,実施例1の手順による,生データ(測定データ)S1,S2,P1,P2と,解析結果としてLOHの値(Tの1からのずれ(乖離)の割合を%表示)を示す。
【0099】
図8では,実施例1の手順による測定データS1,S2,P1,P2をそのまま使用して,健常細胞からの標的DNA断片のデータS1,S2として,各実験番号でのn(n=1,2,…)回目の測定データを,被検細胞からの標的DNA断片のデータP1,P2として,各実験番号での(n+1)回目の測定データをそれぞれ使用して解析することにより,比較例をシミュレートした。図8の最右欄は比較例の手順によるLOHの値を示す。
【0100】
本発明では,実験番号1から実験番号4の試料の何れついても,LOHの値が全て±10%以内となり,被検細胞にLOHなし(異常なし)と判断された。使用した試料は健常細胞,被検細胞ともに健常者の正常細胞であったためこの判断結果は全て正しい。一方,比較例では,殆どの実験番号の試料について同様の結果が得られたが,実験番号2の試料の1回目の測定,実験番号3の試料の2回目の測定では,LOHの値が−10.7%,+13.8%となり,±10%の範囲を超えたため,被検細胞にLOHあり(異常あり)と誤った結果となった。
【0101】
実験番号3の試料に関しては平均しても±10%の範囲を超えている。図8に示すように,対比例では,実験番号1から実験番号4の試料のうち,半分の試料で誤った結果となった。
【0102】
以上の結果は,シングルキャピラリ装置を使用した場合の比較結果であるが,キャピラリを複数有するマルチキャピラリ装置を使用した場合にも,同様に高精度なLOH判定ができる。本発明をマルチキャピラリに適用する場合,異なる蛍光色素で標識された,健常細胞と被検細胞の標的DNA断片を混合して試料毎に異なるキャピラリに注入して,複数の試料に関する断片を各キャピラリで同時に泳動分離する。これに対する対比例として,全ての標的DNA断片を同じ蛍光色素で標識し,あるキャピラリに健常細胞の標的DNA断片を注入し,別のキャピラリに被検細胞の標的DNA断片を注入し,各試料についてそれぞれ2本のキャピラリを使用して,複数の試料に関する断片を各キャピラリで同時に泳動分離する方法が考えられる。
【0103】
この対比例の方法では,本発明の方法と同様に経時的な測定条件の変動の影響は被らない。しかし,この比較例では,キャピラリ毎の微妙な条件の差が測定結果に影響を及ぼすが,本発明の方法では,同一のキャピラリで健常細胞と被検細胞の標的DNA断片を同一のキャピラリで泳動分離するので,キャピラリ間での条件の差の影響は受けず,本発明の方法の方が比較例,従来技術−1よりも高精度であることが理解できる。
【0104】
以上の比較から明らかなように,本発明の実施例1は対比例と比較してLOHを高精度に判定可能であり,高精度の診断に好適なデータを提供できるという効果がある。また,本発明の他の実施例も同様である。
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば,泳動ピークの信号が電気泳動条件等により変動しても,LOHを高精度に判定可能であり,信頼性の高いデータを診断のために提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1であり,LOH判定の手順の概略を示すフロー図。
【図2】本発明の実施例1であり,SSCP法による電気泳動パターンの例を示す図。
【図3】本発明の実施例2であり,各種のポリメラーゼを用いたPCR産物の断片長の解析例を示す図。
【図4】本発明の実施例3であり,LOH判定の手順の概略を示すフロー図。
【図5】本発明の実施例4であり,LOH判定の手順の概略を示すフロー図。
【図6】本発明の実施例5であり,p53exon4のreverse鎖由来の断片のSSCP法による分離の温度依存性の例を示す図。
【図7】本発明の実施例5であり,p53exon4のreverse鎖の野生型,変異型のDNA断片の30℃と46℃での二次構造の計算結果を示す図。
【図8】本発明の実施例1の手順と比較例の手順によるLOH判定の比較結果例を示す図。
【符号の説明】
1…野生型対応するDNA断片,2…変異型に対応するDNA断片,3…工程E,4…情報なし,5…工程F,5’…工程F’,5”…工程F”,6…工程B,7…工程D,8…工程G,8’…工程G’,9…工程H,10…LOHなし(正常),11…LOHあり(異常),12…健常細胞由来の標的DNA断片のforward鎖の野生型のFAM標識された断片に対応する泳動ピーク,13…健常細胞由来の標的DNA断片のforward鎖の変異型のFAM標識された断片に対応する泳動ピーク,14…被検細胞由来の標的DNA断片のforward鎖の野生型のROX標識された断片に対応する泳動ピーク,15…被検細胞由来の標的DNA断片のforward鎖の変異型のROX標識された断片に対応する泳動ピーク,16…目的とする115ntの断片,17…115ntより1塩基長い断片,18…115ntより1塩基以上長い断片,19…115ntより短い断片,20…工程I,21…工程J,21’…工程J’,22…工程K,23…ポリマ濃度3%での分離の温度変化,24…ポリマ濃度6%での分離の温度変化,25…ポリマ濃度9%での分離の温度変化,100…工程A,200…工程C。
Claims (3)
- 分析対象DNA断片と前記分析対象DNA断片の比較基準とするヘテロ接合型の基準DNA断片とをそれぞれ異なる蛍光色素で標識する工程と,
前記分析対象DNA断片と前記基準DNA断片とをキャピラリ電気泳動を用いるSSCP法により同一のキャピラリで同時に電気泳動で分離する工程と,
前記分離する工程で得られた泳動パターンの前記基準DNA断片のピークの信号強度を用いて,前記泳動パターンの前記分析対象DNA断片のピークの信号強度を補正する工程と,
前記補正する工程の結果から、前記分析対象DNA断片のヘテロ接合性の消失の有無を判定する工程と有し,
前記基準DNA断片がヘテロ接合型の健常者の健常細胞由来のゲノムDNAを鋳型とする3 ' 末端が平滑なPCR産物であり,前記分析対象DNA断片が被験者の被検細胞由来のゲノムDNAを鋳型とする3 ' 末端が平滑なPCR産物であり,前記基準 DNA 断片と前記分析対象 DNA 断片とは,同一のプライマーを用いて PCR 増幅されたものであることを特徴とする遺伝子多型解析方法。 - 前記ヘテロ接合型の基準DNA断片の野生型と変異型の各々に対応する2つのピークの信号強度比を用いて,前記分析対象DNA断片のピークの信号強度を補正することを特徴とする請求項1に記載の遺伝子多型解析方法。
- 前記PCR産物は、Tspポリメラーゼを用いて行うPCR反応の産物であることを特徴とする請求項1に記載の遺伝子多型解析方法。
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