JP3856575B2 - 押釦スイッチの埋込文字形成方法および押釦スイッチ用カバー部材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、移動体通信機器等のデータ入力装置やスイッチ装置等に部品として用いる押釦スイッチ用のキートップの埋込文字形成方法およびカバー部材の製造方法に係り、詳しくは、キートップにレーザーを照射してキートップ内部に文字等の表示部を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機等の移動体通信機器のデータ入力装置やパーソナルコンピュータのキーボード等(押釦スイッチ)は、通常、回路基板にカバー部材を直接に組み付けて構成される。このような押釦スイッチにおいては、ゴム弾性体から複数の可動部を有する基体を成形し、この基体の可動部の表面にキートップを、可動部の裏面に可動接点を設け、また、キートップの天面に図形や文字等を印刷してカバー部材が構成される。
【0003】
ところで、上述したカバー部材は、回路基板と組み付けられて押釦スイッチを構成した状態で、キートップの天面がオペレータの指と接触する操作部(押圧面)として機能する。このため、押釦スイッチを長期間にわたって使用した場合等には、キートップの天面の図形や文字等がオペレータの指との接触で摩損し、図形等の視認性が損なわれることがあった。
【0004】
そこで、文字や図形等の耐磨耗性の改善を図ったカバー部材が、特開平7−169360号公報で提案されている。この特開平7−169360号公報には、キートップ部の天面に任意のデザインで5μm〜50μmの凹みをキートップ部の成形と同時に成形金型により形成し、この凹みの中にプラズマ処理を施したメッシュ密度が300本/インチ〜500本/インチのポリエステル製版を用いてスクリーン印刷で150ポイズ〜400ポイズのインキによる着色部を設けるカバー部材の製造方法が記載される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平7−169360号公報に記載のカバー部材の製造方法にあっては、キートップ部の成形金型に凹み形成用の微少突起を形成しなければならず、成形金型の加工が困難となるのみならず成形金型の耐久性が悪影響を受けるという問題、また、凹みの形成と着色インキの充填との2工程を経なければならず工程数が増加して製造コストの増大を招くという問題、さらに、長期の使用で凹み内の着色剤が脱落した場合等に指触感が損なわれるという問題があった。
この発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、製造工程を簡素化でき、さらに、長期にわたって優れた指触感が得られ、表示部が摩損等を生じることがない押釦スイッチの埋込文字形成方法と、押釦スイッチ用カバー部材の製造方法とを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明にかかる押釦スイッチの埋込文字形成方法は、レーザー光の波長以下の0.35μm〜10μmの粒径であるアセチレンブラック又はケチェンブラックを配合した樹脂からなる蒸散層で無機顔料粒子を被覆し、粒径31μm〜70μmのレーザー光感応発色剤を作製し、該レーザー光感応発色剤を配合した透光性の熱硬化性樹脂または熱硬化性エラストマでキートップを成形した後、該キートップの天面にマスクを設け、該マスクを介してレーザー光を該キートップに照射し、レーザー光が到達する範囲内の前記顔料粒子を被覆する前記蒸散層を破壊して該顔料粒子を露呈させ、該キートップの内部に表示部を形成する。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、ゴム組成物でベース部および該ベース部に対して変位可能な可動部を有する基体を一体成形し、該基体の可動部にキートップを固着した押釦スイッチ用カバー部材の製造方法において、
レーザー光の波長以下の0.35μm〜10μmの粒径であるアセチレンブラック又はケチェンブラックが配合された樹脂からなる蒸散層で無機顔料粒子を被覆し、粒径が31μm〜70μmのレーザー光感応発色剤を作製し、該レーザー光感応発色剤が配合された透光性の熱硬化性樹脂または熱硬化性エラストマで前記キートップを成形した後、該キートップの天面にマスクを設け、該マスクを介して該キートップにレーザー光を照射し、レーザー光が到達する範囲内の前記顔料粒子を被覆する前記蒸散層を破壊し、該顔料粒子を露呈させ、該キートップの内部に表示部を形成し、次に、該表示部が形成されたキートップをインサートとして前記基体をゴム弾性体で型成形して一体に固着するか、あるいは、前記表示部が形成されたキートップをゴム弾性体で成形された基体の可動部表面に接着する。
【0008】
さらに、請求項3に記載の発明は、ゴム組成物でベース部および該ベース部に対して変位可能な可動部を有する基体を一体成形し、該基体の可動部にキートップを固着した押釦スイッチ用カバー部材の製造方法において、
レーザー光の波長以下の0.35μm〜10μmの粒径であるアセチレンブラック又はケチェンブラックが配合された樹脂からなる蒸散層で無機顔料粒子を被覆し、粒径が31μm〜70μmのレーザー光感応発色剤を作製し、該レーザー光感応発色剤が配合された透光性の熱硬化性樹脂または熱硬化性エラストマで前記キートップを成形した後、該キートップをインサートとして前記基体をゴム弾性耐で型成形して一体に固着するか、あるいは、ゴム弾性体で成形し、中央部分を除いて遮光性着色層を形成した前記基体の可動部表面である該中央部分に前記キートップを接着し、次に、前記基体と固着された該キートップの天面にマスクを設け、該マスクを介してレーザー光を照射し、レーザー光が到達する範囲内の前記顔料粒子を被覆する前記蒸散層を破壊して該顔料粒子を露呈させ、該キートップの内部に表示部を形成する。
【0009】
そして、請求項1、請求項2および請求項3に記載の発明は、前記顔料粒子に30μm〜50μmの粒径のものが用いられる。また、アセチレンブラックを電磁波吸収体として用いた場合、キートップ上方から見て鮮明に視認される文字が形成されている。ケチェンブラックを用いた場合も同様である。
【0010】
この発明は、携帯電話機のデータ入力装置やパーソナルコンピュータのキーボード等に代表される押釦スイッチに適用され、押釦スイッチが照光式であると非照光式であるとを問わず適用できる。この押釦スイッチは、キートップをコイルスプリングや板ばね等の機械的な弾性部材で付勢するものとして、また、ゴム弾性体からなる基体と組み付けてカバー部材として構成するもの(請求項2,3)を含む。
【0011】
基体は、可動部に硬質の熱硬化性樹脂または熱硬化性エラストマからなるキートップが固着され、固定接点が設けられた回路基板と直接あるいはクリック板等を介して組み付けられて押釦スイッチを構成する。この基体には可動部の裏面(キートップ部の固着側と逆側)に可動接点あるいは押圧子が一体成形や接着等により設けられ、また、回路基板は固定接点やLED等の発光体を有するもの、クリック板は皿バネ的な弾性変形特性を有するドーム部等が可動部に対応して形成されたものが用いられる。押釦スイッチは、基体の可動部の変位で、可動接点が回路基板の固定接点と直接に接触、あるいは、押圧子がクリック板のドーム部を押圧してドーム部の裏面に設けられた接点を回路基板の固定接点と接触させ、回路を開閉する。
【0012】
また、基体は、ウレタンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)等の合成ゴムや天然ゴム、熱硬化性エラストマ、ポリエステル系若しくはウレタン系の熱可塑性エラストマ等のゴム組成物、特に、照光式の押釦スイッチを構成する場合は透光性のゴム組成物を用いて、圧縮成形や射出成形等で単独に、あるいは、キートップをインサートとするインサート成形等により成形される。特に、照光式の押釦スイッチを構成する場合は、必要に応じて、基体には表面に可動部の少なくとも一部を除いて光遮蔽層を形成する。この光遮蔽層は、マスキングテープ等で可動部表面を被覆した後にスプレー塗装等を行うことで、あるいは、基体表面全面に光遮蔽層をスプレー等で形成した後に可動部上の光遮蔽層をレーザー光の照射等で除去することにより形成する。
【0013】
キートップは、基体の可動部に対応した形状、例えば、円柱等のブロック状、シート状あるいは一端が閉止したキャップ状(筒状)等であり、ブロック状やシート状であれば可動部表面に固着、また、キャップ状であれば可動部に嵌合固着される。このキートップは、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル樹脂あるいはポリウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂や熱硬化性エラストマにレーザー光感応発色剤を配合した組成物を用い、射出成形等で成形される。
【0014】
そして、このキートップは、成形後に接着剤で基体と固着、あるいは、基体の成形に際してインサートとして金型に装着されて基体と一体固着され、また、基体への固着前あるいは固着後においてレーザー光が照射されて内部にレーザー光感応発色剤による文字、記号あるいは図形等の表示部が形成される。
【0015】
レーザー光感応発色剤は、電磁波吸収粉体が配合された樹脂からなる蒸散層で着色顔料の粒子を被覆してなり、キートップ成形用の熱硬化性樹脂または熱硬化性エラストマ100重量部に対して0.005重量部〜5.0重量部程度、望ましくは、0.01重量部〜1.00重量部、より望ましくは、0.02重量部〜0.35重量部の割合で配合される。着色顔料粒子は、平均粒径が可視光線(発色させようとする色の光)の波長以上、好ましくは、30μm〜50μm程度であって、二酸化チタン等の種々の顔料の凝集粒子、また、望ましくは耐熱性に優れた無機顔料が用いられる。
【0016】
蒸散層は、バインダ樹脂部が0.5μm〜1.5μm程度の膜厚で顔料粒子を被覆し、レーザー光の照射で低分子のガスとして蒸散等する。電磁波吸収粉体は、アセチレンブラックやケチェンブラック等のカーボン粒子、Mn−Znフェライトや酸化鉄フェライト等(特に、黒色や暗褐色等のもの)の金属酸化物、あるいは、チタン酸バリウム等の双極子能の大きな高誘電体材料粉末等の電磁波を吸収する粉体であり、平均粒径がレーザー光の波長の3倍以下(好ましくはレーザー光の波長以下、より好ましくは、平均粒径がレーザー光波長の1/3〜1/2)のものが用いられる。この電磁波吸収粉体は、上記粉体を単独(1種)あるいは混合して用いられ、バインダ樹脂100重量部に対して0.005重量部〜5.0重量部程度、望ましくは、0.01重量部〜1.00重量部の割合で配合される。バインダ樹脂としては、ポリビニルアルコール等が用いられる。
【0017】
レーザー光は、周知のYAGレーザー、エキシマレーザー、ルビーレーザー等のレーザーを用い、このレーザーを文字等に応じて走査、あるいは、レーザー光をマスクを介して照射する。このレーザーのエネルギは表示部の形成深さ等に応じて適宜選択される。
【0018】
【作用】
この発明は、熱硬化性樹脂あるいは熱硬化性エラストマに蒸散層で被覆した顔料粒子からなるレーザー光感応発色剤を配合してなる樹脂組成物、或いはエラストマ組成物でキートップを成形し、このキートップにレーザー光を照射してキートップ内部に文字や記号等の表示部を形成するため、摩損することが無く、また、指触感が損なわれることも無いキートップが安価に製造できる。すなわち、キートップにレーザー光を照射することで、キートップ中のレーザー光感応発色剤は、電磁波吸収粉体とバインダ樹脂とからなる蒸散層が低分子化してガスとして蒸散し、蒸散層の破壊で顔料粒子が露呈する。このため、キートップ中に文字等の表示部が形成でき、摩損のおそれが無く指触感にも影響を与えることのない表示部が得られる。
【0019】
【実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1から図3はこの発明の一の実施の形態にかかる押釦スイッチ用カバー部材の製造方法を説明する図であり、図1が製造された押釦スイッチ用カバー部材を用いた押釦スイッチの部分模式断面図、図2がキートップの成形に用いる熱硬化性樹脂組成物に配合されたレーザー光感応発色性着色剤の模式断面図、図3が同製造工程をアルファベット順に示す模式図である。
【0020】
先ず、図1を参照して製造されたカバー部材を説明する。図1は押釦スイッチとして組み付けた状態を示し、図中、10は回路基板、20はクリック板、30はカバー部材である。周知のように、回路基板10は、エポキシ樹脂等からなり、表面に固定接点11とLED等の発光体(図示せず)を有する。クリック板20は、皿バネ的な弾性変形特性を有する複数のドーム部21がカバー部材30の後述する可動部に対応して表面側に膨出形成され、ドーム部21の裏面に可動接点22が設けられる。このクリック板20は、ドーム部21の表面頂部にカバー部材30の押圧部42aが当接し、ドーム部21が押圧部42aによる押圧で変形して可動接点22が固定接点11と接触する。
【0021】
カバー部材30は、透光性のシリコーンゴムからなる基体40と透光性硬質の熱硬化性樹脂からなる複数のキートップ50を有する。基体40は、回路基板10への支承部としてのベース部41に複数の薄肉部(可動部)42が所定の配列で連続して一体形成され、表面に遮光性着色層43が薄肉部42の中央部分(キートップ50の貼合部分)を除いて形成される。薄肉部42は、平面投影面積がキートップ50の平面投影面積と相似でキートップ50の投影面積より大きく、表面がベース部41と連続する平坦面をなす。この薄肉部42にはそれぞれ、裏面中央に押圧部42aがドーム部21を押圧可能に突出形成され、表面にキートップ50が固着される。遮光性着色層43は、バインダ樹脂にカーボンブラック等の遮光性顔料を配合した塗料やインク等を用いて、スプレーや印刷等により50μm程度の膜厚に形成される。
【0022】
キートップ50は、略円柱状を有し、裏面が接着剤51により基体40の薄肉部42上面に接着され、内部に文字や記号、図形等の表示部(図中、打点を付して示す)52が形成される。後述するが、このキートップ50は、熱硬化性樹脂にレーザー光感応発色剤を配合した透光性の熱硬化性樹脂組成物を用いて射出成形等で成形され、表示部52がレーザー光の照射により形成される。熱硬化性樹脂組成物は、メラミン樹脂やポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂100重量部にレーザー光感応発色剤を0.02重量部〜0.35重量部程度を配合したもの等が用いられる。
【0023】
図2に示すように、レーザー光感応発色剤90は、顔料粒子91を蒸散層92で被覆したものが用いられる。顔料粒子91は、平均粒径が可視光線の波長以上(該当する色の波長以上)のもの、望ましくは、30μm〜50μmの無機顔料が用いられる。蒸散層92は、ポリビニルアルコール等のバインダ樹脂100重量部に電磁波吸収粉体93を、例えば3重量部配合した組成物からなり、バインダ樹脂部94は平均0.5μm程度の厚みを有する。電磁波吸収粉体93は、平均粒径がレーザー光の波長以下、望ましくは、1/3〜1/2程度、例えば0.35μm〜10μmのアセチレンブラックやケチェンブラック等が用いられる。蒸散層92の電磁波吸収粉体93はバインダ樹脂部94の表面から部分的に外方に突出していてもよい。
【0024】
次に、図3を参照してカバー部材30の製造方法を説明する。
先ず、熱硬化性樹脂にレーザー光感応発色剤90(図2参照)を配合して熱硬化性樹脂組成物を作製し、この熱硬化性樹脂組成物を用いて射出成形により図3(a)に示すキートップ50を成形する。ここで、前述したように、熱硬化性樹脂組成物には、レーザー光感応発色剤90が熱硬化性樹脂100重量部に対して0.02重量部〜0.35重量部程度配合される。
【0025】
また、図3(b)に示すように、シリコーンゴム組成物等を用いて射出成形や圧縮成形等で透光性の基体40、すなわち、ベース部41や薄肉部42等を一体に有する基体40を成形する。そして、図3(c)に示すように、基体40を位置決め治具78dにより固定し、この基体40の表面に薄肉部42の中央部分(接着部43aと記す)を除いて遮光性着色層43を周知のスクリーン印刷機78により形成、すなわち、枠78aに張設されたスクリーン78bとスキージ78cとを用いて形成する。遮光性着色層43の形成にはカーボンブラック等が配合された遮光性に富むインキを用いる。なお、接着部43aには遮光性着色層43の形成前あるいは形成後に透光性着色層を形成することも可能である。
【0026】
次に、図3(d)に示すように、遮光性着色層43が形成された基体40を治具45に固定し、基体40の薄肉部42の表面、具体的には接着部43aに接着剤51を塗布してキートップ50を接着し、この後、乾燥炉等に投入して接着剤51を乾燥硬化させ、キートップ50と基体40を固着する。ここで、基体40の接着部43aには接着剤51の塗布前に必要に応じてカップリング剤処理、紫外線やプラズマ照射等の処理が行われる。
【0027】
この後、キートップ50が固着された基体40を位置決め治具49に固定し、キートップ50の天面にマスク62を介してレーザー61からレーザー光を照射し、表示部52を形成する。すなわち、照射されたレーザー光がキートップ50中にエネルギに応じた深さまで到達し、このレーザー光の到達範囲内のレーザー光感応発色剤90は蒸散層92が破壊されて顔料粒子91が露呈し、顔料粒子91による色彩で表示部52が発現する。
【0028】
そして、キートップ50に表示部52が形成された基体40、すなわち、完成したカバー部材30はクリック板20等とともに回路基板10に組み付けられて押釦スイッチを構成する。周知のように、押釦スイッチは、携帯電話機等のケーシング内に収容され、キートップ50の先端部がケーシング外へ突出する。
【0029】
上述のようにして製造されたカバー部材30、すなわち、押釦スイッチは、キートップ50が硬質の熱硬化性樹脂からなり、表示部52がキートップ50内にキートップ50の表面に凹凸を形成することなく形成される。このため、良好な指触感が得られ、また、表示部52が摩損することも無く優れた耐久性が得られる。
【0030】
なお、上述した実施の形態では、基体40にキートップ50を固着した後に基体40に固着されたキートップ50に対してレーザー光を照射するが、基体40に固着する前のキートップ50にレーザー光を照射して表示部52を形成し、この表示部52が形成されたキートップ50を基体40の薄肉部42に固着することもでき、また、基体40へのキートップ50の固着は表示部52の形成の前後を問わず基体40の成形金型にキートップ50を装着して基体40の成形を行うインサート成形によることも可能である。
【0031】
さらに、この発明は、上述した実施の形態に示すカバー部材30に限らず、図4(a),(b),(c)に示すカバー部材に適用することも可能である。すなわち、図4(a)に示すカバー部材30は、ベース部41に薄肉部42を介して柱状のキートップ部77が連続する基体40をレーザー光感応発色剤90が配合されたシリコーンゴム等のゴム弾性体組成物で成形し、この基体40のキートップ部77の天面にレーザー光を照射してキートップ部77中に表示部52を形成する。
【0032】
また、図4(b)に示すカバー部材30は、図4(a)の基体40をレーザー光感応発色剤が配合されないシリコーンゴム組成物で成形するとともに、板状のキートップ板50を熱硬化性樹脂や熱硬化性エラストマにレーザー光感応発色剤90が配合された組成物で成形し、このキートップ板50をレーザー光を照射して表示部52を形成した後にキートップ部77の天面に固着、あるいは、キートップ板50をキートップ部77の天面に固着した後にレーザー光を照射してキートップ板50中に表示部52を形成する。
【0033】
さらに、図4(c)に示すカバー部材30は、キートップ50をキャップ状、すなわち、有底筒状に成形してキートップ部77に嵌合接着する。このキートップ50も、熱硬化性樹脂や熱硬化性エラストマにレーザー光感応発色剤90が配合された組成物で成形し、キートップ部77への固着前あるいは固着後においてレーザー光の照射により表示部52が形成される。
【0034】
・実施例1
粒径30μm〜50μmの酸化チタン(DIC社製、商品名:プラストロンスプラホワイトA−112)5重量部と粒径1μm〜10μmのアセチレンブラック(DIC社製、商品名:プラストロンスプラブラックA−3377)3重量部をポリビニルアルコール100重量部を含む水溶液に添加してホモミキサで混練し、乾燥機にて150℃で30分間乾燥させた。得た乾燥粒子を破砕した後、篩い分け、粒径31μm〜70μmのレーザー光感応発色剤粒子を得た。レーザー光感応発色剤粒子は、電磁波吸収粉体を含む蒸散層が形成されており、バインダ樹脂部の平均厚さは0.5μmであった。
【0035】
このようにして得たレーザー光感応発色剤0.2重量部をメチルフェニルシリコーン樹脂100重量部に配合して熱硬化性樹脂組成物を作製し、この熱硬化性樹脂組成物を用いて圧縮成形により直径5mm、高さ3mmの円柱状のキートップを成形した。得たキートップを位置決め治具に固定して次の条件によりレーザー光を照射した。
レーザーの種類:YAGレーザー((株)キーエンス製、MY−9500)
波長:1.06μm
出力:50W
文字等の賦形方法:走査による
【0036】
その結果、キートップの上方から見て鮮明に視認される白色に発色した文字がキートップ中に形成された。該文字が形成された表示部はキートップの天面からの深さが0.05mm〜0.1mmであった。
【0037】
・実施例2
上記実施例1と同様に作製したレーザー光感応発色剤を0.05重量部をポリエステル系ウレタン(日本ゼオン(株)製、商品名:クインネートRA−60)100重量部に配合して熱硬化性エラストマ組成物を作製し、この熱硬化性エラストマ組成物を用いて注型方式により直径5mm、高さ5mmの円柱状のキートップを成形した。得たキートップを位置決め治具に固定して次の条件によりレーザー光を照射した。
レーザーの種類:YAGレーザー((株)東芝製、LAY729EA)
波長:1.06μm
出力:100W
文字等の賦形方法:走査による
【0038】
その結果、キートップの上方から見て鮮明に視認される灰白色に発色した文字がキートップ中に形成された。
【0039】
・実施例3
シリコーンゴム組成物(信越化学工業(株)製、商品名:KE−97/TU)を用いて、実施例1と同様に作製したキートップをインサートとしてベース部、薄肉部等を一体に有する基体をインサート成形により成形してカバー部材を得た。
【0040】
・実施例4
実施例1と同様の手順により、レーザー光を照射する前のキートップを得た。シリコーンエラストマ(東レシリコーン(株)製、商品名:DY32−6D1Y)を用いて、実施例3と同様にレーザー光未照射のキートップをインサートとして基体と一体成形してカバー部材を得た。
得たカバー部材を位置決め治具に固定して実施例1と同一の条件によりキートップにレーザー光を照射した。
その結果、キートップの上方から見て鮮明に視認される淡白色に発色した文字がキートップ中に形成された。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、顔料粒子を電磁波吸収粉体が配合された樹脂からなる蒸散層で被覆してレーザー光感応発色剤を作製し、このレーザー光感応発色剤を熱硬化性樹脂や熱硬化性エラストマに添加した組成物でキートップを成形し、このキートップにレーザー光を照射してキートップ内部に文字や図形状の表示部を形成するため、製造工程を簡素化でき、また、完成したカバー部材(押釦スイッチ)に良好な指触感が得られ、さらに、表示部の摩損も防止でき優れた耐久性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一の実施の形態にかかる製造方法により製造された押釦スイッチ用カバー部材を用いた押釦スイッチの模式断面図である。
【図2】同製造方法に用いる熱硬化性樹脂組成物に用いるレーザー光感応発色剤の模式断面図である。
【図3】同製造方法の製造工程をアルファベット順(a)〜(e)に示す模式図である。
【図4】(a),(b),(c)がこの発明にかかる製造方法により製造される押釦スイッチ用カバー部材の各別の態様を示す模式断面図である。
【符号の説明】
10 回路基板
20 クリック板
30 カバー部材
40 基体
41 ベース部
42 薄肉部(可動部)
50 キートップ
51 接着剤
52 表示部
77 キートップ部
90 レーザー光感応発色剤
91 顔料粒子
92 蒸散層
93 電磁波吸収粉体
94 バインダ樹脂部
Claims (3)
- 押釦スイッチの埋込文字形成方法において、
レーザー光の波長以下の0.35μm〜10μmの粒径であるアセチレンブラック又はケチェンブラックを配合した樹脂からなる蒸散層で無機顔料粒子を被覆し、粒径31μm〜70μmのレーザー光感応発色剤を作製し、該レーザー光感応発色剤を配合した透光性の熱硬化性樹脂または熱硬化性エラストマでキートップを成形した後、該キートップの天面にマスクを設け、該マスクを介してレーザー光を該キートップに照射し、レーザー光が到達する範囲内の前記顔料粒子を被覆する前記蒸散層を破壊して該顔料粒子を露呈させ、該キートップの内部に表示部を形成することを特徴とする押釦スイッチの埋込文字形成方法。 - ゴム組成物でベース部および該ベース部に対して変位可能な可動部を有する基体を一体成形し、該基体の可動部にキートップを固着した押釦スイッチ用カバー部材の製造方法において、
レーザー光の波長以下の0.35μm〜10μmの粒径であるアセチレンブラック又はケチェンブラックが配合された樹脂からなる蒸散層で無機顔料粒子を被覆し、粒径が31μm〜70μmのレーザー光感応発色剤を作製し、該レーザー光感応発色剤が配合された透光性の熱硬化性樹脂または熱硬化性エラストマで前記キートップを成形した後、該キートップの天面にマスクを設け、該マスクを介して該キートップにレーザー光を照射し、レーザー光が到達する範囲内の前記顔料粒子を被覆する前記蒸散層を破壊し、該顔料粒子を露呈させ、該キートップの内部に表示部を形成し、次に、該表示部が形成されたキートップをインサートとして前記基体をゴム弾性体で型成形して一体に固着するか、あるいは、前記表示部が形成されたキートップをゴム弾性体で成形された基体の可動部表面に接着することを特徴とする押釦スイッチ用カバー部材の製造方法。 - ゴム組成物でベース部および該ベース部に対して変位可能な可動部を有する基体を一体成形し、該基体の可動部にキートップを固着した押釦スイッチ用カバー部材の製造方法において、
レーザー光の波長以下の0.35μm〜10μmの粒径であるアセチレンブラック又はケチェンブラックが配合された樹脂からなる蒸散層で無機顔料粒子を被覆し、粒径が31μm〜70μmのレーザー光感応発色剤を作製し、該レーザー光感応発色剤が配合された透光性の熱硬化性樹脂または熱硬化性エラストマで前記キートップを成形した後、該キートップをインサートとして前記基体をゴム弾性耐で型成形して一体の固着するか、あるいは、ゴム弾性体で成形し、中央部分を除いて遮光性着色層を形成した前記基体の可動部表面である該中央部分に前記キートップを接着し、次に、前記基体と固着された該キートップの天面にマスクを設け、該マスクを介してレーザー光を照射し、レーザー光が到達する範囲内の前記顔料粒子を被覆する前記蒸散層を破壊して該顔料粒子を露呈させ、該キートップの内部に表示部を形成することを特徴とする押釦スイッチ用カバー部材の製造方法。
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-
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