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JP3711865B2 - 熱式空気流量計 - Google Patents

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JP3711865B2 JP2000367743A JP2000367743A JP3711865B2 JP 3711865 B2 JP3711865 B2 JP 3711865B2 JP 2000367743 A JP2000367743 A JP 2000367743A JP 2000367743 A JP2000367743 A JP 2000367743A JP 3711865 B2 JP3711865 B2 JP 3711865B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気流量の測定方法及び装置に係り、特に内燃機関の吸入空気量検出に好適な空気流量の測定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より自動車などの内燃機関の電子制御燃料噴射装置に設けられ吸入空気量を測定する空気流量装置として、熱式のものが質量空気量を直接検知できることから多数使われている。この際、発熱抵抗体は白金線をボビンに巻きつけてガラスでコーティングする、薄膜抵抗体をセラミック基板上やシリコン基板上に形成する等により構成されている。流量の検出方法としては発熱抵抗体を一定温度に加熱し、流れが生じた際に流れる電流を直接検出する方式と、発熱抵抗体の両側に温度検出抵抗体を配置し、温度検出抵抗体の温度差により検出する方式等が上げられる。
【0003】
特に、自動車において、4気筒以下のエンジンの低回転数,重負荷時のように、吸入空気量の脈動振幅が大きく一部逆流を伴う脈動流の場合、従来の空気流量装置では精度が低下するため流れの方向に応じた出力が要求される。発熱抵抗体の両側に温度検出抵抗体を配置し、温度検出抵抗体の温度差により検出する方式は、流れの方向に応じた出力が得られるため、逆流等の出力の検出に適している。
【0004】
いずれの方式も用途に応じて一長一短があるため、アナログ回路で組み合わせて使う方式が特開平9−318412号,特開平11−51954号等に記載されている。これは、比較的感度の良い温度検出抵抗体の温度差出力が、高流量側では感度が飽和して劣化するため、低流量側で感度が悪く高流量側で感度の良い直接検出する方式の出力と差動増幅器で加算して出力するものである。
【0005】
このように、比較的感度の良い温度検出抵抗体の温度差出力を補償するやり方としては、先の感度を補償するやり方以外に、ヒータの上流温度により割り算して出力を補償するやり方が特公平6−63801号に、温度補償するやり方が特公平6−64080号等に記載されている。
【0006】
他に、特に自動車用に温度検出抵抗体の温度差出力を補償するやり方として媒体温度を検出して補償するやり方が特開平6−160142号等に記載されている。
【0007】
一方、AD変換を用いたディジタル的なやり方として、測温抵抗体の出力によりゼロ点を補正するやり方が、特開平6−230021号に記載されている。また、ディジタル的に温度を補正するやり方が、特開平11−94620号に記載されている。
【0008】
また、発熱抵抗体の加熱制御手段としては通常のアナログ的にリニア駆動する方式の他に、特開平9−311063号,特開平10−19625号等に記載されている様な、パルス信号により加熱電力を供給し制御するやり方が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術において、特に温度検出抵抗体の温度差出力の精度を補償するやり方として、種々の方式が提案されている。ここで、精度を補償するやり方として回路規模が小さく、低い電圧での動作等の集積化に適した方式が望ましいが、従来技術においては比較的回路規模が大きく小型化に向かない等の課題があった。また、ディジタル的にゼロ点を補償する方式や、温度補償する方式も検討されていたが、センサ全体の感度の調整に関してはあまり考慮されていなかった。ブリッジ回路の駆動電圧の共通化,低電圧化に関してもあまり考慮されていなかった。
【0010】
本発明の目的は、容易に出力感度を調整し、精度を向上させることが可能な熱式空気流量計を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、測定流体中に配置された発熱抵抗体と、パルス信号により前記発熱抵抗体への供給電力を制御する制御回路と、前記制御回路とは別に、前記発熱抵抗体の上流部及び下流部に形成された測温抵抗体とを備え、前記測温抵抗体からの信号に基づいて流量を検出する熱式空気流量計であって、前記パルス信号に同期して、前記測温抵抗体からの信号の出力をオンオフするスイッチ手段とを備えたことによって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例を図1により説明する。ディジタル補正回路240と、発熱抵抗体211a,温度補償抵抗211c,抵抗13,14,17からなるブリッジ回路,温度検出抵抗体211d,211e,211f,211gからなる2つのブリッジ回路により構成されている。
【0014】
ディジタル補正回路240には、発熱抵抗体211a,温度補償抵抗211c,抵抗13,14,17からなる第1のブリッジ回路を駆動するための回路が内蔵されている。動作としては、一例としてディジタル補正回路240に対して供給される電圧を、直接またはディジタル補正回路240の電源保護回路228を介して間接的に、安定した定電圧をブリッジ回路に印加し、パルス駆動により発熱抵抗体211aへの供給電力を制御するものである。
【0015】
ここでパルス駆動は、基準となる三角波に対しブリッジ回路を周囲温度に対して定温度駆動した際の差動増幅器の出力偏差量に応じてパルスの幅、デューティを可変するものである。具体的には、ブリッジの中点電位V2,V3をスイッチ225a,コンデンサ31,32からなるサンプルホールド回路を介して差動増幅器15に入力し、入力の差に応じた出力偏差量Veを出力し、コンパレータ18に入力する。コンパレータ18は、三角波発生回路229の出力Vtと出力偏差量Veを比較し、大小関係に応じて出力をパルス状にオンオフする。このオンオフした信号Vpは、PWMパルスと呼ばれ通常一定周波数で動作し、パルス信号の一周期におけるオン期間をデューティαで現す。このPWMパルスに応じて出力のMOSトランジスタ16がオンオフし、ブリッジの上部にVcc1の電圧を断続的に印加するものである。MOSトランジスタ16がオンすると、発熱抵抗体211aに電力が供給され加熱され、オフ時は電流が流れないため加熱温度が低下する。
【0016】
以上の様な動作によって、発熱抵抗体211aの加熱温度を制御することが可能となる。この際、ブリッジの中点電位V2,V3も電圧が断続するため、差動増幅器の入力を先のデューティαに同期してサンプリング動作させるものである。ここで、デューティαは発熱抵抗体211aの加熱温度を一定にするように動作するため、発熱抵抗体211aの熱が空気の流れに応じて失われると、より加熱するためにデューティαも増加する。よってデューティαは、空気流量と等価な信号であるといえる。このように発熱抵抗体211aに定電圧を印加し、パルス駆動すると通常の熱式空気流量計と同様に、空気流量に相当した信号としてデューティαを得ることができる。パルス駆動では、ブリッジを制御するMOSトランジスタ16の発熱を押さえることができるので、ディジタル補正回路240と同一の基盤に集積化する際のチップ面積が小さく済み集積化に向いた構成といえる。また、バッテリ電圧(12V)を用いずにエンジンコントロールユニット等から供給されるVcc(5V)といった低い電圧で駆動できれば、バッテリに直接接続した場合に比べて、保護回路等に有する回路部品を低減できるといったメリットがある。
【0017】
ここで、発熱抵抗体211aはシリコンなどの半導体基板上に、発熱体として白金やタングステンの薄膜や厚膜,ポリシリコン抵抗体や、単結晶シリコンの抵抗体が形成されたものである。
【0018】
発熱抵抗体211aは自動車等の内燃機関の吸気通路内に設けられ、吸気通路に流れる空気流量に対応した信号を得るのが通常の直接検出するタイプの熱式空気流量計の構成である。一方、発熱抵抗体211aの両側に温度検出抵抗体2111d,211e,211f,211gを配置して第2のブリッジを構成し、Vcc1の電圧を印加することで中点の電位Vb1,Vb2の差より抵抗体の温度差を検出する。この方式では流れの方向に応じた出力が得られる。
【0019】
この抵抗体の温度差を検出する方式は、差動で検出するため低流量側の感度が良く、逆流といった双方向の流れの検出に適しているが、通常は5Vといった定電圧で駆動されるため高流量側の感度が制限されやすい。
【0020】
ここで、用いられる発熱抵抗体211aをシリコン半導体基板上211に薄膜で構成された場合のパターンの一例を図2に示す。発熱抵抗体211aは縦長に抵抗が折り返したパターンである。またこの両側に温度検出用の抵抗体211d,211e,211f,211gが配置された構造となっている。発熱抵抗体211a,温度検出用の抵抗体211d,211e,211f,211gは、例えばシリコン基板211の裏面からエッチングされ熱容量が小さなダイヤフラム構造部に抵抗体が配置されたものである。温度補償抵抗211cは、発熱抵抗体211aの加熱による温度影響が受けにくい場所に配置されている。断面構造を図3に示す。抵抗パターンのある場所が最も厚みがある構造となっている。
【0021】
本実施例においては、この温度検出抵抗体211d,211e,211f,211gのブリッジ中点の電位Vb1,Vb2を、ディジタル補正回路240に入力する。ディジタル補正回路240は、2つのアナログ・ディジタル変換器221a,221bを有し、アナログ・ディジタル変換器221aは流量に応じた電圧値をディジタル値に変換して読み取り、アナログ・ディジタル変換器221bはディジタル補正回路240の温度を温度検出回路241により検出する。2つのアナログ・ディジタル変換器221a,221bにより、種々の信号をディジタル量として取り込み演算により空気流量値を調整し、ディジタル・アナログ変換器224aの出力電圧Voutとしてエンジンコントロールユニット等に信号を送るものである。ここでディジタル補正回路240は、CPU222a,RAM222b,ROM222cからなる演算回路222と、発振器226,PROM223等により構成される。ここでPROM223は、個別センサの出力感度のばらつき等を調整値として一回以上記録することができるものであればよく、電気的な書き換え可能なEEPROMやフラッシュROM等にのみ限定されるものではない。また、出力としては空気流量のディジタル値を周波数に変換するディジタル・周波数変換242を介して周波数出力foutを得ることも可能な構成となっている。これは、対象とするエンジンコントロールユニットに応じて外部回路等を用いずに対応を可能とするためのものである。
【0022】
ここでアナログ・ディジタル変換器221aは、ブリッジ回路の出力Vb1,Vb2等を直接入力しているため精度が必要となるが、精度を確保し、かつ回路規模を小さくするには例えばΔΣ型のアナログ・ディジタル変換器を用いればよい。
【0023】
次に、アナログ・ディジタル変換器221aへの信号入力動作の詳細を説明する。本発明では特に、温度検出抵抗体211d,211e,211f,211gのブリッジ中点の電位Vb1,Vb2をスイッチ225b,抵抗34,35,コンデンサ33からなるフィルタを介して入力するものである。スイッチ225bは、先に述べた空気流量に応じたパルス駆動のためのデューティαによってPWM動作しており、実際にアナログ・ディジタル変換器221aへ入力される信号は、ブリッジ中点の電位Vb1,Vb2の電位差dVと、デューティαの複合したものとなる。
【0024】
図4に、流量に応じたセンサの出力電圧(センサの感度)を示す。図4aの温度検出抵抗体211d,211e,211f,211gのブリッジ中点の電位Vb1,Vb2の電位差dVは、流れの方向に応じて出力が符号付きで得られる。この温度差式の出力dVは流量がプラスの場合はプラスの出力で、流量がマイナスの場合はマイナスの出力となる。また、温度差式の特徴として低流量側で感度が高く、高流量側での感度が緩やかになっている。
【0025】
これに対し、図4bに示すパルス駆動の際の流量に対するデューティαは、一般的な直熱式の出力と同様に、流量がプラスの場合でもマイナスの場合でもプラスの信号で流れの方向に対して特に符号が付かない。このパルス駆動の際の流量に対するデューティαは、発熱抵抗体211aに対して供給される加熱電力に対応しており、流れの向きによらず流れの量に応じた絶対的なエネルギー量を示すためである。同時に、デューティαは供給される加熱電力を例えば一定周波数で駆動されるPWM信号のオン期間として等価的に表されるものであり、予めエネルギーを供給するのに十分な電圧等が与えられていれば、投入されるエネルギーに対して高流量側においても感度を有するような、直熱式と同様な信号になる。
【0026】
本実施例においては、以上の2つの信号を用いて図4cに示す様な低流量から高流量まで感度が良好な信号を得るものである。具体的には、先の温度差式の出力dVを、直熱式と等価と考えることができるPWM信号のデューティαを用いて変調することで、感度補正を施したアナログ信号を直接得るものである。
【0027】
図5に具体的な動作原理を示す。これは空気流量に逆流が生じ、一定時間において流量が符号付きで増減するような動的な動作の場合を示している。先に示した様に、温度検出抵抗体211d,211e,211f,211gのブリッジ中点の電位Vb1,Vb2の電位差dVは、流れの方向に応じて空気流量と同様にゼロ点をクロスした信号となる。この際、先の図4aの出力感度特性に応じて高流量側で圧縮されたような信号となる。
【0028】
同様に先の図4bの出力感度特性に応じてデューティαを表すと、流量ゼロでもデューティαはゼロ点を通らず、常にプラス側の信号となる。これを、PWMパルスとして例えばVpを観察すると、デューティαの増減に応じてパルス幅が粗密となるような波形となる。ここで、PWMパルスは出力のMOSトランジスタ16がPMOS構成であるため、ゲート電圧が低レベル(0)でスイッチがオンし、ゲート電圧が高レベル(1)でスイッチがオフするという動作をする。このため、デューティαはPWM一周期に対するPWMパルスがオン(0)の割合を示し、通常の逆位相となっている。
【0029】
先の電位差dVをこのPWMパルスでスイッチ225bを用いて、PWMパルスがオフ(1)の場合はスイッチ225bをオンしてセンサ出力をゼロとし、
PWMパルスがオン(0)の場合はスイッチ225bをオフして、電位差dVをそのまま出力する。このパルス状に変調された信号を、フィルタを用いて平滑化することで、等価的に電位差dVとデューディαを乗算したような出力を得て、アナログ・ディジタル変換器221aへ直接入力する。これをディジタル補正回路240でディジタル量として取り込み演算により温度影響等を調整し、ディジタル・アナログ変換器224の出力電圧Voutとして電位差dVとデューディαを乗算したものと等価な出力を得ることが可能となる。
【0030】
ここでは、説明のためPWM周波数を低くして表しているが、実際にはPWMのリップル影響を無くすために数十kHzから数MHzといった高周波数で駆動されることが望ましい。
【0031】
本実施例によれば、特に出力特性が異なり、かつ符号無しの出力と符号付きの出力といった符号の異なる特性であっても、直接パルス変調することで容易に符号付きの演算を実現でき、流量の流れの向きによらず感度補正ができ、性能が向上するといった効果がある。また、流量の検出に用いる特に高精度を必要とする様なディジタル・アナログ変換器を複数用いなくても感度補正が可能となるため、コスト低減が図れるという効果がある。また、パルス駆動によってブリッジを制御する回路等の発熱を押さえることができれば、集積化し易く小型化できるといった効果がある。
【0032】
以下、本発明の第2の実施例を図6により説明する。これは、先の図1に対して発熱抵抗体211aに加える電圧の有効化を図るために、発熱抵抗体211aを含むブリッジをパルス駆動する際のスイッチ構成を変更した一例である。また、温度検出抵抗体211d,211e,211f,211gのブリッジ中点の電位Vb1,Vb2をスイッチ225d,コンデンサ36,37からなるサンプルホールドを介して、アナログ・ディジタル変換器221aに入力するものである。同時に、PWMパルスをI/O244に入力し、PWMパルスのデューティαを計測し、ディジタル演算によりブリッジ中点の電位差dVをデューティαにより感度補償するものである。
【0033】
先に発熱抵抗体211aを含むブリッジをパルス駆動する際の動作を簡単に説明する。発熱抵抗体211a,温度補償抵抗211c,抵抗13,14,17からなるブリッジ回路には、ディジタル補正回路240に対して供給される電圧を、直接またはディジタル補正回路240の電源保護回路228を介して、安定した定電圧Vcc1が直接印加(Vcc1=V1)されている。
【0034】
このため、発熱抵抗体211a,温度補償抵抗211c,抵抗13,14,17からなるブリッジ回路には、常に一定の電流が流れて発熱抵抗体211aが加熱されている。ただし電流は抵抗13により制限され、発熱抵抗体211aが流量ゼロで通常加熱温度が設定される自冷時よりも小さな加熱電力のみ供給している。
【0035】
発熱抵抗体211aへの供給電力を制御するMOSトランジスタ19は、発熱抵抗体211aと抵抗13の接点とグランド間に接続され、MOSトランジスタ19のオン時において、抵抗13を短絡し発熱抵抗体211aへは定電圧Vcc1を最大限印加するものである。この際の定電圧Vcc1の印加時間を、パルス駆動によりPWM制御することで発熱抵抗体211aの加熱温度を流量によらず常に一定に制御することができる。
【0036】
ブリッジの中点電力V2,V3は、スイッチ225aとコンデンサ31,32からなるサンプルホールド回路に入力され、先のMOSトランジスタ19がオフ時の電圧をサンプルホールドして差動増幅器15に入力し、入力の差に応じた出力偏差量Veを出力してコンパレータ18に入力する。コンパレータ18は、三角波発生回路229の出力Vtと出力偏差量Veを比較し、大小関係に応じて出力をパルス状にオンオフするものである。この際のブリッジにかかるパルス状の電圧を図7に示す。これは、ブリッジ上部の電圧V1と中点電圧V2泊の差(V1−V2)で、発熱抵抗体211aの両端の印加電圧を示している。
【0037】
MOSトランジスタ19がオンすると、MOSトランジスタ19がオン抵抗によるオン電圧Vonを除いた最大電圧(Vcc1−Von)が発熱抵抗体211aに印加され、オフ時は抵抗13で制限される電圧Vjoが印加される。これをパルス状にオンオフすることで発熱抵抗体211aへの供給電力を制御できるが、通常の抵抗13がありブリッジ全体をオンオフ制御する場合よりも、オン時にかかる最大電圧を抵抗13がない分だけ増加でき電源電圧を有効に活用できる。これはすなわち、発熱抵抗体211aの抵抗値、電源電圧が一定で比較した場合、熱式の空気流量計として測定できる空気流量の範囲が実施例の抵抗13を短絡する場合は広がることを示している。本実施例のような発熱抵抗体211aを駆動する回路構成を用いれば、電源電圧の低電圧化が図りやすく、例えば5Vで電源電圧を駆動する場合でも流量範囲も広くとれるため、先の第1の実施例よりも5V化に適した構成であるといえる。
【0038】
次に、先に述べたPWMパルスのデューティαを計測し、感度補償をする際の一例を示す。I/O244に入力を受けてPWMパルスVpの立ち上がりを検出し、PWMパルスVpのオンの期間Ponを例えば基準クロックを基にクロックパルス数をカウントする。これらの計測には、専用のカウンタを用いてもよい。PWMパルスの基本周期Pwが温度特性を含めて非常に安定したものであれば、この計測したパルス数を直接、温度差の出力dVの感度補償に用いても構わない。その場合、出力Voutは次のような演算により感度補償が施される。
【0039】
Vout=al・(dV・Pon)+b1 …式1
しかし、PWMパルスの基本周期Pwが変動する場合は、PWMパルスVpのオンの期間Ponと同時にPWMパルスの基本周期Pwを計測し、次のように先にデューティαを求め演算に用いれば精度向上を図ることができる。
【0040】
α=Pon/Pw …式2
Vout=a2・(dV・α)+b2 …式3
本実施例では、また温度補償抵抗211cの下部の電圧をスイッチ225a,コンデンサ38からなるサンプルホールド回路を介して、アナログ・ディジタル変換器221cに入力し、吸気温度を求めることができる構成としている。定電圧パルス駆動ではない通常のリニア動作するブリッジ回路においては、空気流量に応じて温度補償抵抗211cの両端の電圧が変化するため、吸気温度を検出するには温度補償抵抗211cの両端の電圧等をアナログ・ディジタル変換器に入力し、温度補償抵抗211cの両端の電圧を空気流量に応じて変化する電流値(例えば温度補償抵抗211cの下部の電圧)で割り算をする必要がある。これに対し、本実施例では定電圧駆動であるため温度補償抵抗211cの上部の電圧V1は一定で、アナログ・ディジタル変換器の基準にも用いられるので検出の必要がない。MOSトランジスタ19がオフ時における温度補償抵抗211cの電圧値Vtmをサンプリングし、例えば常温(20℃)の基準となる状態での温度補償抵抗211cの電圧値Vtm0に対する、吸気温度が変化した際の電圧値Vtmの変化分dVtmにより吸気温度Toutを推定することが可能となる。
【0041】
dVtm=Vtm0−Vtm …式4
Tout≒c1・dVtm+d1 …式5
複雑な演算が不要で簡単に吸気温度Toutを求めることができ、空気流量の温度補償に用いたり、ディジタル・アナログ変換器224bを用いて吸気温度Toutを出力すること等が可能となる。本実施例では吸気温度を用いて高精度化を図ることも容易となる。
【0042】
本実施例においては、特に出力特性が異なる特性を用いて演算により感度補正ができ、吸気温度の検出も容易なため性能が向上するといった効果がある。また、電源を5V化といった低電圧化した場合においても、流量検出範囲を広くとれるという効果がある。
【0043】
以上の第2の実施例では、パルス駆動のためのPWM発生回路を差動増幅器と三角波発生回路,コンパレータの組み合わせからなるアナログ回路で示しているが、これはブリッジの中点電位V2,V3をアナログ・ディジタル変換し、PWMタイマ等を用いて出力パルスを制御するディジタル制御系を構成し、発熱抵抗体211aを直接デイジタル制御することによっても同様の効果を得ることができる。この場合、PWMタイマのデューティαといったパルスの制御量は、ディジタル制御の制御量として先に所定の演算で得られるため、特にI/Oを用いてPWMパルスのデューティαを計測する事などは必要なくなる。このような場合は、より集積化に適しており、小型化が図りやすいといった効果がある。
【0044】
以下、本発明の第3の実施例を図8により説明する。これは、先の図1の実施例に対して発熱抵抗体211aを差動増幅器15,トランジスタ20を用いてリニア駆動し、空気流量に応じた出力電圧V2を、三角波発生回路229とコンパレータ18によりPWMパルスVpを得て、アナログ・ディジタル変換器221aへ入力される信号の変調に用いた構成の一例である。ここでリニア駆動の場合は電源電圧の変動なども許容できるため、本実施例ではトランジスタ20をバッテリ101に接続している。バッテリ101を用いることで、空気流量の計測範囲を容易に拡大できる。また、バッテリ101は、ディジタル補正回路240に対して電圧を供給し、電源・保護回路228を介して定電圧Vcc2をディジタル補正回路240の内部回路や、温度検出抵抗体211d,211e,211f,211gのブリッジに供給している。
【0045】
温度検出抵抗体211d,211e,211f,211gのブリッジ中点の電位Vb1,Vb2は、スイッチ225b,抵抗34,35,コンデンサ33からなるフィルタを介してアナログ・ディジタル変換器221aに入力される。スイッチ225bは先に述べたPWMパルスVpで動作するため、アナログ・ディジタル変換器221aへ入力される信号は、ブリッジ中点の電位Vb1,Vb2の電位差dVと、PWMパルスのデューティαの複合したものとなる。
【0046】
これをディジタル補正回路240でディジタル量として取り込み演算により温度影響等を調整し、ディジタル・アナログ変換器224の出力電圧Voutとして第1の実施例と同様に電位差dVとデューティαを乗算したものと等価な出力を得ることが可能となる。
【0047】
本実施例においては、ディジタル補正回路240の電源にバッテリ101を用いるため、集積化を図るには集積回路内部にバッテリからのサージ対策等の保護素子や回路素子の耐圧(例えば40Vといった高耐圧)を必要とする。耐圧を必要とする回路素子は単体で見た場合、先の5Vといった定電圧でパルス駆動する際の回路素子に対して専有面積やプロセスコストの面から比較的高価な部品となるが、発熱抵抗体211aのブリッジの駆動に有する回路構成を、先のパルス駆動に対してPWMパルス回路部を分離し簡素化できるためコストアップを押さえることができる。このように、空気流量の計測範囲の広い空気流量計を得、同時に少ないディジタル・アナログ変換器を用いて空気流量の感度補正を施す場合に本実施例は特に適している。
【0048】
本実施例においては、特に出力特性が異なる特性を用いて感度補正ができ、容易に流量計測範囲を広げることができるといった効果がある。
【0049】
以下、本発明の第4の実施例を図9により説明する。これは、先の図8の実施例と同様に発熱抵抗体211aを差動増幅器15,トランジスタ20を用いてリニア駆動した場合に、定電圧Vcc2が印加される温度検出抵抗体211d,211e,211f,211gからなるブリッジ回路の温度差出力dVに対して感度補償を施した一例である。
【0050】
具体的には、リニア駆動したブリッジ回路の電圧V1に応じた電流値Irefを温度補償211b,抵抗39,ダイオード動作のNPNトランジスタ41に流れる電流として得、温度検出抵抗体211d,211e,211f,211gのブリッジ中点の電位Vb1,Vb2をアナログ・ディジタル変換器221aへ入力する際に抵抗34,35を介した実際の電圧dV2を、電流値Irefに応じてNPNトランジスタ42,PNPトランジスタ43,44、によって伝達される電流Ip,NPNトランジスタ45によって伝達された電流Imにより増減することで、アナログ・ディジタル変換器221aへの入力電圧を直接的に感度補正を施すものである。
【0051】
ここで、電圧V1に応じた電流値Irefに対し、ダイオード動作のNPNトランジスタ41のベース電圧をNPNトランジスタ42,43のベースに接続し、電流値Irefに比例したカレントミラー電流(吸い込み)Imを得、これを電源Vcc2に接続されたダイオード動作のPNPトランジスタ43に伝達し、PNPトランジスタ43,44のカレントミラー動作(流し込み)により電流Ipを得ている。
【0052】
ここで、温度検出抵抗体211d,211e,211f,211gの抵抗値に対して抵抗34,35の抵抗値Ri1,Ri2が十分大きく、抵抗34,35に流れる電流Ip,Imが十分小さいとすると、抵抗34,35の抵抗値Ri1,Ri2に対する電圧降下が、温度検出抵抗体211d,211e,211f,211gからなるブリッジ回路の温度差出力dVに対しての主な変動要因とすることができる。
【0053】
図10に、センサの出力電圧の感度を示す。本実施例では、流量がプラス方向の場合により感度を大きくするように動作し、流量がマイナスの場合はより感度が減少するように動作することができる。具体的に、ブリッジ回路の温度差出力dVは流れの方向に対しプラスマイナスの極性を有し、ゼロ点を通る対象な出力電圧の動作となる。これに対し、電圧V1に応じた電流値Irefは、流量ゼロでも一定の電流が流れるようにオフセットし流量の極性によらずプラス側にのみ電流が流れる。この電流値Irefに比例した電流Ip,Imと、抵抗34,35の抵抗値Ri1,Ri2との電圧降下が、流量がプラス側では加算方向に、マイナス側では減算方向に動作することにより流量の極性によって非対象な感度出力を得ることができる。またこれは、電圧V1に応じた電流値Irefにより同時にプラス側の高流量の感度を向上させることになる。式で表すと次のようになる。
【0054】
プラス側:dV2≒dV1+(Ip・Ri1+Im・Ri2) …式6
マイナス側:dV2≒dV1−(Ip・Ri1+Im・Ri2) …式7
これは、同時に出力のゼロ点が移動することになるが、出力のゼロ点電圧Voffを予め流量に変換する際のマップ上で、ゼロ点電圧Voffに対応したオフセットを付けることで対処することができる。
【0055】
通常の自動車等に使われる空気流量計においては、一般的に逆流側よりも順流側の方がセンサとしても動作検出領域が広い場合が多い。これは、あくまでも逆流がエンジンの吹き返しという特定の条件において生じるためで、通常は順流側のみの検出すればよく逆流側の動作領域を広くとる必要はない。しかし、通常センサの感度は順流逆流共に感度が等しいため、センサの信号を直接アナログ・ディジタル変換器に入力すると、順流側の有効な分解能を一部損なうことになる。本実施例のようにアナログ・ディジタル変換器の入力部にオフセットを設けることで、流れの方向に応じたセンサ感度の最適化を図ることが可能となる。感度の必要な順流側を大きく、逆流側を小さくする事で、逆流に対応した自動車用の空気流量計として良好な性能を得ることが可能となる。本実施例によれば特に、感度の最適化が図れるという効果がある。また、アナログ・ディジタル変換器の入力感度の最適化を低コストで実現できるといった効果がある。
【0056】
また、本実施例ではアナログ・ディジタル変換器の入力感度の調整に、トランジスタのカレントミラーによる定電流源を用いた一例を説明したが、抵抗等を用いても同様に実現することができる。ただし、集積化する際に抵抗の場合は高抵抗が得にくいためトランジスタのカレントミラーが集積化に適しているといえる。
【0057】
これまでの実施例は、発熱抵抗体や温度検出抵抗体を用いた熱式空気流量計としての一例であるが、本実施例における駆動方式や感度補償に関してはエンジンコントロールユニット等を用いても実現可能である。その際、ディジタル補正回路の機能がエンジンコントロール回路内に組み込まれることにより熱式空気流量計としての機能を実現することができる。その結果、部品の共有により部品点数を大幅に削減でき低コスト化が図りやすいという効果がある。
【0058】
以上の様な発熱抵抗体や温度検出抵抗体といったエレメントの感度を駆動回路とともに最適化したことにより、感度が良好で精度の良い空気流量計を得、自動車のエンジン制御における最適化が図られエンジンからの排ガスを低減できるといった効果がある。
【0059】
また、これまでの実施例を用いた空気流量計を、燃料電池等の水素ガスのガス流検知等に用いることができる。特徴としては、これまでの実施例において感度の最適化が容易で流量範囲を広げることができるという点と、抵抗体に水素による腐食に強い抵抗体を用いることができるといった点が上げられる。特に抵抗体に例えばポリシリコン抵抗体を用い、加熱温度を下げる等の工夫をすることで、抵抗体に白金等を用いた場合の腐食を防止し、信頼性を含め良好な特性を得ることができるといった優れた効果がある。
【0060】
本実施例によれば、発熱抵抗体や温度検出抵抗体,発熱抵抗体の駆動回路等を工夫することで、流れの量や方向に応じたセンサ感度の最適化を図ることが可能となるといった効果がある。特に自動車用の空気流量計として、バッテリ電圧を用いず5Vといった低電圧でも動作可能なため使用上の制限が少なくなり、使い勝手がよくなるという効果がある。アナログ・ディジタル変換器の感度の最適化を低コストで実現できるといった効果がある。ディジタル調整手段によっては、流量の流れの向きに応じて感度補正,温度補正が容易となり性能が向上するといった効果がある。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば容易に出力感度を調整し精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による熱線駆動回路図。
【図2】シリコン基板上に形成された抵抗体のパターン図。
【図3】シリコン基板上に形成された抵抗体の断面図。
【図4】本発明の実施例によるセンサ出力電圧特性補正の一例。
【図5】本発明の実施例による動作原理の一例。
【図6】本発明の第2の実施例による熱線駆動回路図。
【図7】本発明の実施例によるパルス駆動動作の一例。
【図8】本発明の第3の実施例による熱線駆動回路図。
【図9】本発明の第4の実施例による熱線駆動回路図。
【図10】本発明の実施例によるセンサ出力電圧特性補正の一例。
【符号の説明】
13,14,17,34,35,39…抵抗、15…差動増幅器、16,19…MOSトランジスタ、18…コンパレータ、20…トランジスタ、30,31,32,33,36,37,38…コンデンサ、41,42,45…NPNトランジスタ、43,44…PNPトランジスタ、101…電源、211…シリコン基板、211a…発熱抵抗体、211b,211c…温度補償抵抗、211d,211e,211f,211g…温度検出抵抗体、221a,221b,221c…アナログ・ディジタル変換器、222…演算回路、222a…CPU、222b…RAM、222c…ROM、223…PROM、224a,224b…ディジタル・アナログ変換器、225a,225b,225c,225d…スイッチ、226…発振器、227…シリアルコミュニケーションインターフェイス、228…電源・保護回路、229…三角波発生回路、240…ディジタル補正回路、242…ディジタル・周波数変換、243,245…調整回路、244…I/O。

Claims (4)

  1. 測定流体中に配置された発熱抵抗体と、
    パルス信号により前記発熱抵抗体への供給電力を制御する制御回路と、
    前記制御回路とは別に、前記発熱抵抗体の上流部及び下流部に形成された測温抵抗体とを備え、
    前記測温抵抗体からの信号に基づいて流量を検出する熱式空気流量計であって、
    前記パルス信号に同期して、前記測温抵抗体からの信号の出力をオンオフするスイッチ手段とを備えた熱式空気流量計。
  2. 請求項1において、
    前記スイッチ手段によりオンオフされた信号をディジタル変換する第1のディジタル変換手段を備えた熱式空気流量計。
  3. 請求項2において、
    前記スイッチ手段と前記ディジタル変換手段との間に、信号を平滑化する平滑化手段を備えた熱式空気流量計。
  4. 請求項2または3において、
    温度の信号をディジタル変換する第2のディジタル変換手段と、
    前記第1のディジタル変換手段からの流量信号を前記第2のディジタル変換手段からの温度信号に基づいて補正するディジタル補正手段とを備えた熱式空気流量計。
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