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JP3788325B2 - 積層型コイル部品及びその製造方法 - Google Patents

積層型コイル部品及びその製造方法 Download PDF

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JP3788325B2 JP2001353428A JP2001353428A JP3788325B2 JP 3788325 B2 JP3788325 B2 JP 3788325B2 JP 2001353428 A JP2001353428 A JP 2001353428A JP 2001353428 A JP2001353428 A JP 2001353428A JP 3788325 B2 JP3788325 B2 JP 3788325B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は積層型コイル部品及びその製造方法に関し、詳しくは、積層構造のコイルが積層体中に配設されてなる積層型インダクタや積層型LC複合部品などのような積層型コイル部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
代表的な積層型コイル部品の1つに、積層型インダクタがあり、このような積層型インダクタのうちには、例えば、図9に示すような構造を有するものがある。すなわち、この積層型インダクタは、積層体である素子51の積層方向Aと一致するようにして設定されたコイル中心軸を周回する積層型のコイル52が素子51の内部に配設され、かつ、このコイル52の両端部が引き出された素子51の両端面に入出力用外部電極53が配設された構造を有している。
【0003】
そして、上記従来の積層型インダクタは、通常、図10に示すように、層間接続のためのバイアホール54を形成したセラミックグリーンシート56に、スクリーン印刷などの方法により、バイアホール54に応じた形状に導電ペーストを印刷してコイルパターン(内部電極)55を形成した後、このコイルパターン55が印刷されたセラミックグリーンシート56、及び所定の位置にバイアホール57が形成され、かつ、表裏前面に外部との接続のための電極膜58が形成されたセラミックグリーンシート59を積層圧着し、焼成した後、入出力用外部電極53(図9)を形成する工程を経て製造されている。
【0004】
しかし、上述のように、導電ペーストをスクリーン印刷し、焼成することにより形成される電極(焼成後のコイルパターン(内部電極)55)の厚みは、最大でも20μm程度と厚みが小さく、このようなコイルパターン55からなるコイル52(図9)を備えた上記従来の積層型コイル部品においては、導体抵抗が大きく、大電流に十分に対応することが困難であるのが実情である。
【0005】
ところで、導体抵抗を低減する方法として、例えば、同一のコイルパターン55を複数層ずつ積層して電極厚みを大きくする方法が考えられるが、積層枚数が増大すると、製品の大型化を招くばかりでなく、製造工程が複雑になりコストの上昇を招くという問題点がある。
なお、上記問題点は積層型インダクタに限らず、積層LC複合部品などの種々の積層型コイル部品にも当てはまるものである。
【0006】
本願発明は上記問題点を解決するものであり、小型化が可能で、導体抵抗が低く、しかも、製造コストの低減を図ることが可能な積層型コイル部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明の請求項1にかかる積層型コイル部品は、
セラミック層が積層された積層体内部に、積層方向と直交するコイル中心軸を周回するコイルが配設され、かつ、積層体の両端面に、コイルの両端部と導通する入出力用外部電極が配設された構造を有する積層型コイル部品であって、
積層体内部の、積層方向から見た複数の位置に、軸心が積層方向に沿うように配設されたバイアホールと、
積層体内部に、積層面と平行に配設され、所定のバイアホールの積層方向の一方側端部どうし及び所定のバイアホールの積層方向の他方側端部どうしを接続することにより、バイアホールと協働して、コイル中心軸が積層方向と直交するコイルを構成する複数層構造の帯状接続電極であって、前記バイアホールの積層方向の一方側端部どうしを接続する複数の帯状接続電極が帯状接続電極接続用バイアホールによりセラミック層を介して互いに接続され、かつ、他方側端部どうしを接続する複数の帯状接続電極が帯状接続電極接続用 バイアホールによりセラミック層を介して互いに接続された構造を有する帯状接続電極と、
積層体内部に、積層面と平行に配設され、バイアホールと帯状接続電極から構成される前記コイルと前記入出力用外部電極とを接続する複数層構造の引出電極と
を具備することを特徴としている。
【0008】
本願発明(請求項1)の積層型コイル部品は、複数のバイアホールのうちの所定のバイアホールの積層方向の一方側端部どうし及び所定のバイアホールの積層方向の他方側端部どうしを、積層面と平行に(積層方向に直交する方向に)配設された複数層構造の帯状接続電極であって、バイアホールの積層方向の一方側端部どうしを接続する複数の帯状接続電極が帯状接続電極接続用バイアホールによりセラミック層を介して互いに接続され、かつ、他方側端部どうしを接続する複数の帯状接続電極が帯状接続電極接続用バイアホールによりセラミック層を介して互いに接続された構造を有する帯状接続電極により接続して、コイル中心軸が積層方向と直交するコイルを形成するとともに、積層面と平行に配設された複数層構造の引出電極により該コイルを入出力用外部電極と接続するようにしているので、製品の大型化を招くことなく、導体抵抗を低減することが可能になる。
すなわち、帯状接続電極及び引出電極を複数層構造として、バイアホールの電極断面積と同等程度の断面積が確保されるまで帯状接続電極及び引出電極の厚みを大きくする(積層数を増やす)ことにより、小型化を阻害することなく、導体抵抗を低減して、大電流への対応性を向上させることができるようになる。
【0009】
また、請求項2の積層型コイル部品は、前記引出電極が、積層体の積層方向の略中央部に、かつ、積層面と平行に配設されていることを特徴とする。
【0010】
引出電極が積層体の最外層付近に配設されている場合には、実装基板上の電極と引出電極との間に浮遊容量が発生する場合があり、高周波特性が劣化しやすくなることがあるため、実装時の方向性に配慮する必要があるが、請求項2にかかる積層型コイル部品においては、引出電極を、積層体の積層方向の略中央部に、かつ、積層面と平行に配設するようにしているため、実装基板上の電極と引出電極との間に浮遊容量が発生することを抑制することが可能になり、実装時の方向性をなくして、実装工程における作業性を向上させることが可能になる。
【0011】
また、請求項3の積層型コイル部品は、積層体の表面に、バイアホールと帯状接続電極から構成される前記コイルと対向する容量取得用外部電極が配設されていることを特徴としている。
【0012】
積層体の表面に、バイアホールと帯状接続電極から構成されるコイルと対向する容量取得用外部電極を配設するようにした場合、積層体の表面に容量取得用外部電極を配設するだけで、バイアホールと容量取得用外部電極との間で必要な容量を確保することが可能になり、容易に積層型LC複合部品を構成することが可能になる。
【0013】
また、請求項4の積層型コイル部品は、積層体内部の、前記帯状接続電極よりも積層方向外側の一方側及び他方側の少なくとも一方の領域に、前記帯状接続電極と対向する容量取得用内部電極が配設されているとともに、積層体の表面にグランド接続用外部電極が配設されており、かつ、容量取得用内部電極がグランド接続用外部電極に接続されていることを特徴としている。
【0014】
帯状接続電極よりも積層方向外側の一方側及び他方側の少なくとも一方の領域に、帯状接続電極と対向する容量取得用内部電極を配設するとともに、積層体の表面にグランド接続用外部電極を配設し、容量取得用内部電極をグランド接続用外部電極に接続することにより、請求項3にかかる積層型コイル部品の場合よりも大きい容量を確保することが可能になり、特性設計の自由度を向上させることが可能になる。
【0015】
また、請求項5の積層型コイル部品は、積層体の、前記容量取得用内部電極が配設される領域が誘電体セラミックを主成分とする材料から形成されていることを特徴としている。
【0016】
積層体の、容量取得用内部電極が配設される領域を誘電体セラミックを主成分とする材料から構成することにより、さらに大きい容量を確保することが可能になり、本願発明をより実効あらしめることができる。
【0017】
また、本願発明(請求項6)の積層型コイル部品の製造方法は、
請求項1〜5のいずれかに記載の積層型コイル部品を製造するための方法であって、
回折格子で分光されたレーザビームを照射してセラミックグリーンシートに貫通孔を形成した後、この貫通孔に導電ペーストを充填してバイアホールを形成する工程を具備していること
を特徴としている。
【0018】
回折格子で分光されたレーザビームを照射してセラミックグリーンシートに貫通孔を形成した後、この貫通孔に導電ペーストを充填してバイアホールを形成することにより、セラミックグリーンシートに対して高精度の貫通孔を、極めて効率よく形成することが可能になり、本願発明の積層型コイル部品を効率よく製造することが可能になる。また、レーザビームを照射する方法によれば、微細で、精度の高いバイアホールを形成することが可能になるため、同じ製品寸法で巻き数の多いコイルを形成することが可能になる。
【0019】
また、請求項7の積層型コイル部品の製造方法は、前記バイアホールが形成されたセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成するにあたって、1枚又は2枚以上のセラミックグリーンシートを積層するたびに仮圧着しながら積層を行い、所定枚数積層した後、本圧着することにより積層体を形成することを特徴としている。
【0020】
1枚又は2枚以上のセラミックグリーンシートを積層するたびに仮圧着しながら積層を行い、所定枚数積層した後、本圧着することにより、コイルパターンの位置ずれを生じたりすることなく、確実に所望の積層体を形成することが可能になり、本願発明の積層型コイル部品をさらに効率よく製造することができるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態では、磁性体セラミック中にコイルが配設された構造を有する積層型インダクタ及び積層型LC複合部品を例にとって説明する。
【0022】
[実施形態1]
図1は本願発明の一実施形態(実施形態1)にかかる積層型インダクタを示す外観斜視図、図2は積層型インダクタを構成する積層体を示す分解斜視図である。
【0023】
この実施形態1にかかる積層型インダクタは、図1に示すように、素子(積層体)1の内部に、素子1の積層方向Aと直交するように設定されたコイル中心軸を周回する積層型のコイル2が配設され、かつ、素子1の両端面に、コイル2の両端部と導通する入出力用外部電極3が配設された構造を有している。
【0024】
そして、素子1の内部には、所定の平面位置(積層方向から見た位置)に、軸心が積層方向Aに沿うように配設された複数のバイアホール4が配設されている。また、同じく、素子1の内部には、所定のバイアホール4の積層方向の一方側端部(上端部)どうし及び所定のバイアホール4の積層方向の他方側端部(下端部)どうしを接続することにより、バイアホール4と一体となってコイル中心軸が積層方向Aと直交するコイル2を構成する複数層構造の帯状接続電極5が、積層面と平行(積層方向Aに直交する方向)に配設されている。
【0025】
さらに、素子1の内部には、バイアホール4と帯状接続電極5から構成されるコイル2と入出力用外部電極3とを接続する複数層構造の引出電極6が、積層面と平行(積層方向Aに直交する方向)に配設されている。なお、この実施形態1の積層型インダクタにおいて、引出電極6は、帯状接続電極5と同一平面に形成されている。
【0026】
次に、この実施形態1の積層型インダクタの製造方法について説明する。
まず、図2に示すように、
(1)所定位置ごとにバイアホール7(最終的にバイアホール4(図1)となる)が形成されたセラミックグリーンシート8と、
(2)所定位置ごとに帯状接続電極接続用バイアホール9(最終的にバイアホール4(図1)との接続部分となる)が形成され、かつ、これらの帯状接続電極接続用バイアホール9を含む、所定形状の帯状接続電極5(図1)及び引出電極6となる導体パターン10,11が形成されたセラミックグリーンシート12と、
(3)所定位置ごとに帯状接続電極接続用バイアホール13(最終的にバイアホール4(図1)との接続部分となる)が形成され、かつ、これらの帯状接続電極接続用バイアホール13を含む、所定形状の帯状接続電極5(図1)となる導体パターン14が形成されたセラミックグリーンシート15と、
(4)バイアホール及び導体パターンが形成されていない外層用のセラミックグリーンシート16
の4種類のセラミックグリーンシートを用意する。
【0027】
なお、セラミックグリーンシート8,12,15,16としては、例えば、Ni−Cu−ZnフェライトやNi−Znフェライトなどの磁性体セラミック材料、あるいは、ガラスセラミックからなる非磁性の絶縁体セラミック材料などをドクターブレード法や引き上げ法などの方法で成形したものなどが用いられる。
【0028】
また、導体パターン10,11,14は、例えば、Agを主成分とする導電ペーストをスクリーン印刷することによって形成されている。なお、引出電極6となる導体パターン11は、図2に示すように、セラミックグリーンシート12の端縁近傍にまで引き出されているとともに、端縁近傍では、セラミックグリーンシート12の一つの辺に沿うように、帯状のパターンに形成され、外部電極3と確実に導通するように構成されている。
【0029】
また、バイアホール7および帯状接続電極接続用バイアホール9,13は、レーザ光源から放射され、回折格子を通過して分光されたレーザビームを照射することにより、セラミックグリーンシート8,12,15の所定位置に貫通孔を形成した後、この貫通孔に導電ペーストを充填することにより形成されている。
【0030】
なお、バイアホール7および帯状接続電極接続用バイアホール9,13となる貫通孔は、例えば、セラミックグリーンシートのマザーシートを移動可能に支持するX−Yテーブルと、CO2 やYAGなどのレーザ光源と、レーザ光源から放射されたレーザビームを通過させて貫通孔と対応した形状、例えば円形の断面形状を有する複数のレーザビームに分光する回折格子と、回折格子を通過して分光されたレーザビームを所定の反射角で反射させるガルバノスキャンミラーと、反射されたレーザビームを集光する集光レンズなどを備えた加工装置を用い、マザーシート上に素子1のそれぞれと対応する区画を予め設定して、このマザーシートを移動させながら一つずつの区画に対して所要個数の貫通孔を同時的に形成する方法などを適用することにより、効率よく製造することが可能である。
【0031】
このようなレーザビームの照射を利用した場合には、直径が50μmから200μm程度までの貫通孔を、±10μm程度の位置精度で、セラミックグリーンシート8,12,15に対して効率よく形成することができる。したがって、同じ製品寸法で、巻き数の多いコイルを形成することが可能になる。
なお、貫通孔の形成方法は、上述のようなレーザビームの照射による方法に限られるものではなく、金型による打ち抜き加工やドリルによる穿孔などの方法を適用することも可能である。
【0032】
それから、所定位置に形成されたバイアホール7どうしが互いに重なりあうように所定枚数のセラミックグリーンシート8を積層するとともに、帯状接続電極5及び引出電極6となる導体パターン10,11が形成されたセラミックグリーンシート12の所定枚数を帯状接続電極接続用バイアホール9がバイアホール7に重なるようにしてセラミックグリーンシート8の上面側に積層し、さらに、帯状接続電極5となる導体パターン14が形成されたセラミックグリーンシート15の所定枚数を帯状接続電極接続用バイアホール13がバイアホール7に重なるようにセラミックグリーンシート8の下面側に積層する。なお、この際におけるセラミックグリーンシート12,15の積層枚数は、帯状接続電極5及び引出電極6の断面積がバイアホール7の断面積と同等程度となるように設定されている。
【0033】
そしてさらに、バイアホール及び導体パターンが形成されていないセラミックグリーンシート16の所定枚数ずつを、セラミックグリーンシート12の上面側とセラミックグリーンシート15の下面側とに積層した後、セラミックグリーンシート8,12,15,16の全体を積層方向Aに沿って圧着することにより、積層体17(未焼成の素子1)が作製される。
【0034】
なお、これらセラミックグリーンシート8,12,15,16の全体としての積層枚数が多い場合には、バイアホール7どうしの積層部が圧着時に座屈を起こすことがあるので、ある程度以上の枚数を積層する場合には、セラミックグリーンシート8,12,15,16の1枚又は2枚以上を積層するたびに、比較的低い圧力で仮圧着しながら積層を行い、所定枚数積層した後、本圧着することにより積層体を形成することが好ましい。
【0035】
また、セラミックグリーンシート8,12,15,16の積層順序には、特別の制約はなく、各セラミックグリーンシートを種々の任意の順序で積層するように構成することが可能である。
【0036】
上記のようにして作製された積層体17(未焼成の素子1)においては、セラミックグリーンシート12,15に形成された、帯状接続電極5となる導体パターン10,14の各々が、帯状接続電極接続用バイアホール9,13を介してセラミックグリーンシート8のバイアホール7と電気的に接続される結果、コイル中心軸が積層方向Aと直交する積層型のコイル2が積層体17の内部に形成される。
【0037】
ところで、実際の製造工程では、バイアホール7が形成された大面積のマザーセラミックグリーンシートと、多数の帯状接続電極5及び引出電極6となる導体パターン10,11が形成された大面積のマザーセラミックグリーンシートと、多数の帯状接続電極5となる導体パターン14が形成された大面積のマザーセラミックグリーンシートと、バイアホールや導体パターンの形成されていない大面積のマザーセラミックグリーンシートとを互いに積層したうえで圧着することによって積層ブロック(マザーブロック)を作製した後、この積層ブロックを所定の切断線に沿って切断、分割することにより、同時に個々の積層体17を作製する方法が適用されることになる。
【0038】
なお、この実施形態1の積層型インダクタにおいては、積層体17の積層方向Aとコイル中心軸とが直交するように構成されているので、大きな切断代を必要とし、加工時間が長くなるダイシングソー(砥石状の回転刃)を用いずに切断することも可能であることから、切断代をほとんど必要としない剃刀状の押し切り刃を用いて切断することが可能になり、製造工程を簡略化することが可能になる。
【0039】
それから、上述のようにして作製した未焼成の積層体17を脱脂焼成処理して素子1を作製した後、素子1の両端面に、導電ペーストを塗布して焼き付けることにより、コイル2の両端部と導通する入出力用外部電極3を形成する。これにより、図1に示すような積層型インダクタが得られる。なお、この積層型インダクタは、入出力用外部電極3が素子1の水平方向(横方向)両端側にある姿勢をとった場合にコイル2が横巻状態となる、いわゆるコイル横巻タイプの積層型コイル部品である。
【0040】
この実施形態1の積層型インダクタにおいては、素子1の積層方向Aとコイル中心軸とが互いに直交しているので、積層方向Aとコイル中心軸とが平行である従来の構成では1kgf程度であった抗折強度を3〜4kgf程度まで高めることが可能になる。特に、ガラスを主成分とする非磁性体セラミックを用いた高周波用インダクタの場合には、抗折強度を5倍以上にまで高めることができる。
【0041】
また、この積層型インダクタにおいては、帯状接続電極5及び引出電極6が複数層構造を有しており、積層数を増やすことにより、バイアホール4の断面積と同等程度の断面積が確保されるまで電極厚みを大きくすることができるため、従来の積層型インダクタにおいては、100MHzでのインダクタンスが10nH程度であったのに対し、この実施形態1の積層型インダクタにおいては、100MHzでのインダクタンスが約100nH程度になることが確認されている。
なお、複数層構造の帯状接続電極5及び引出電極6を形成する態様としては、上述のように単層構造の導体パターンを形成したセラミックグリーンシートを複数枚積層するとともに、各単層構造の導体パターンをバイアホールにより接続する態様の他に、一枚のセラミックグリーンシートに複数層構造の導体パターンを形成し、これを複数枚積層して、各複数層構造の導体パターンをバイアホールにより接続する態様、あるいは一枚のセラミックグリーンシートに複数層構造の導体パターンを形成する態様などが例示されるが、これらはいずれも本願発明の範囲に含まれるものである。
【0042】
また、この実施形態1では、素子1の内部に単一のコイル2を配設しているが、2個以上のコイルを並列的に配設することも可能である。なお、2個のコイルが並列的に配設された積層型インダクタであれば、トランスとして使用することも可能である。例えば、2個のコイルが並列的に配設された積層型コイル部品を形成する場合、図3に示すように、上記実施形態1の場合に準じて、一枚のシートに導体パターン、バイアホールなどが2組ずつ形成されたセラミックグリーンシートを用意し、これを積層することにより、上記実施形態1の積層型インダクタを製造する場合と同様の方法で製造することができる。なお、図3においては、図1及び図2と同一又は相当する部分に同一符号を付している。
【0043】
[実施形態2]
図4は本願発明の他の実施形態(実施形態2)にかかる積層型インダクタを示す外観斜視図、図5は積層型インダクタを構成する積層体を示す分解斜視図である。
この実施形態2の積層型インダクタにおいては、複数層構造の引出電極6が素子(積層体)1の積層方向Aの略中央部に、積層面と平行(積層方向Aに直交する方向)に配設されている。
なお、この実施形態2の積層型インダクタの全体構成を含むその他の構成は、上記実施形態1の積層型インダクタの場合と同様であることから、重複を避けるため説明を省略する。なお、図4及び図5においては、図1及び図2と同一又は相当する部分に同一符号を付している。
【0044】
この実施形態2の積層型インダクタは、図5に示すように、
(1)所定位置ごとにバイアホール7(最終的にバイアホール4(図4)となる)と、前記実施形態1の場合と同様の、所定形状の引出電極6となる導体パターン11が形成されたセラミックグリーンシート18と、
(2)所定位置ごとにバイアホール7(最終的にバイアホール4(図4)となる)が形成されたセラミックグリーンシート8(8a,8b)と、
(3)所定位置ごとに帯状接続電極接続用バイアホール9(最終的にバイアホール4(図4)との接続部分となる)が形成され、かつ、これらの帯状接続電極接続用バイアホール9を含む、所定形状の帯状接続電極5(図4)となる導体パターン10が形成されたセラミックグリーンシート19と、
(4)所定位置ごとに帯状接続電極接続用バイアホール13(最終的にバイアホール4(図4)との接続部分となる)が形成され、かつ、これらの帯状接続電極接続用バイアホール13を含む、所定形状の帯状接続電極5(図4)となる導体パターン14が形成されたセラミックグリーンシート20と、
(5)バイアホール及び導体パターンが形成されていない外層用のセラミックグリーンシート16
の5種類のセラミックグリーンシートを用意し、上記実施形態1の場合に準じて、これら5種類のセラミックグリーンシートを、積層、圧着した後、焼成、外部電極の形成などの工程を経て作製される。
【0045】
この実施形態2の積層型インダクタにおいては、引出電極6が素子1(積層体17)の積層方向Aの略中央部に配設されているので、実装基板上の電極と引出電極6との間に浮遊容量が発生することを抑制することが可能になり、実装時の方向性をなくして、実装工程における作業性を向上させることが可能になる。
なお、この実施形態2の積層型インダクタにおいては、その他の点においても、上記実施形態1の積層型インダクタと同様の効果を得ることができる。
【0046】
[実施形態3]
図6は本願発明のさらに他の実施形態(実施形態3)にかかる積層型LC複合部品を示す外観斜視図である。
この実施形態3の積層型LC複合部品においては、積層体である素子1の両側面中央部から、上下両面側に回り込むように、コイル2(主としてバイアホール4)と対向する一対の容量取得用外部電極40が配設されている。
【0047】
すなわち、この実施形態3の積層型LC複合部品は、実施形態1で説明した積層型インダクタを構成する素子1に、容量取得用外部電極40を配設したものであり、容量取得用外部電極40が、主として、コイル2を構成するバイアホール4と対向するように配設されている。
【0048】
なお、容量取得用外部電極40は、入出力用外部電極3と同様、素子1の所定の領域に導電ペーストを塗布して焼き付ける方法などにより形成することが可能である。
この実施形態3の積層型インダクタの全体構成を含むその他の構成は、上記実施形態1の積層型インダクタの場合と同様であることから、重複を避けるため説明を省略する。なお、図6においては、図1及び図2と同一又は相当する部分に同一符号を付している。
【0049】
上述のように、実施形態1の積層型インダクタを構成する素子1の表面の所定の位置に、コイル(実施形態では、主としてコイル2を構成するバイアホール4)と対向する容量取得用外部電極40を配設するだけで、バイアホール4と容量取得用外部電極40との間で必要な容量を確保することが可能になり、積層型LC複合部品を容易に形成することが可能になる。
【0050】
なお、この実施形態3では、実施形態1の積層型インダクタを構成する素子1に容量取得用外部電極40を配設するように構成しているが、容量取得用外部電極40の具体的な形状や配設位置などには、特別の制約はなく、例えば、実施形態2で説明した積層型インダクタを構成する素子1に容量取得用外部電極40を配設するように構成することも可能である。
【0051】
[実施形態4]
図7は本願発明のさらに他の実施形態(実施形態4)にかかる積層型LC複合部品を示す外観斜視図、図8はこの積層型LC複合部品を構成する積層体を示す分解斜視図である。
この実施形態4の積層型LC複合部品においては、積層体である素子1の内部の、帯状接続電極5(図7)よりも積層方向Aの外側の領域(上側領域及び下側領域)1aに、帯状接続電極5と対向する一対の容量取得用内部電極42が配設されている。そして、容量取得用内部電極42は、素子1の表面の両側面に形成された容量取得用外部電極を兼ねる一対のグランド接続用外部電極40aに接続されている。
なお、この実施形態4の積層型LC複合部品においては、素子1の、容量取得用内部電極42が配設される上側領域及び下側領域1aは誘電体セラミックを主成分とする材料から形成されている。
【0052】
この実施形態4の積層型LC複合部品は、帯状接続電極5と対向する一対の容量取得用内部電極42と、容量取得用内部電極42が接続される、容量取得用外部電極を兼ねるグランド接続用外部電極40aを備えており、さらに、容量取得用内部電極42が配設される上側領域及び下側領域1aが誘電体セラミックを主成分とする材料から形成されているので、上記実施形態3の積層型LC複合部品の場合に比べて、さらに大きい容量を確保することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
【0053】
なお、この実施形態4の積層型LC複合部品の全体構成を含むその他の構成は、上記実施形態1の積層型インダクタ、及び上記実施形態3の積層型LC複合部品と同様であることから、重複を避けるため説明を省略する。なお、図7及び8においては、図1、図2及び図6と同一又は相当する部分に同一符号を付している。
また、図7においては、容量取得用内部電極42やグランド接続用外部電極40aを示す必要があることから、素子1の内部の構造の図示を省略しているが、素子1の内部の構造は図6とまったく同様である。
【0054】
また、この実施形態4の積層型LC複合部品は、例えば、図8示すように、
(1)所定位置ごとにバイアホール7(最終的にバイアホール4(図6参照)となる)が形成されたセラミックグリーンシート8と、
(2)所定位置ごとに帯状接続電極接続用バイアホール9(最終的にバイアホール4(図6参照)との接続部分となる)が形成され、かつ、これらの帯状接続電極接続用バイアホール9を含む、所定形状の帯状接続電極5(図6参照)となる導体パターン10,及び前記実施形態1の場合と同様の、所定形状の引出電極6となる導体パターン11が形成されたセラミックグリーンシート12と、
(3)所定位置ごとに帯状接続電極接続用バイアホール13(最終的にバイアホール4(図6参照)との接続部分となる)が形成され、かつ、これらの帯状接続電極接続用バイアホール13を含む、所定形状の帯状接続電極5(図6参照)となる導体パターン14が形成されたセラミックグリーンシート15と、
(4)バイアホール及び導体パターンが形成されていない外層用のセラミックグリーンシート16と、
(5)平面視十字形状で、一方の端部と該端部に対向する他方の端部がシート端面にまで達するような、容量取得用内部電極42となる導体パターン43が形成されたセラミックグリーンシート44
の5種類のセラミックグリーンシートを用意し、上記実施形態1の場合に準じて、これら5種類のセラミックグリーンシートを、積層、圧着した後、焼成、外部電極の形成などの工程を経て作製される。
【0055】
なお、本願発明は、上記実施形態1〜4に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0056】
【発明の効果】
上述のように、本願発明(請求項1)の積層型コイル部品は、複数のバイアホールのうちの所定のバイアホールの積層方向の一方側端部どうし及び所定のバイアホールの積層方向の他方側端部どうしを、積層面と平行に(積層方向に直交する方向に)配設された複数層構造の帯状接続電極であって、バイアホールの積層方向の一方側端部どうしを接続する複数の帯状接続電極が帯状接続電極接続用バイアホールによりセラミック層を介して互いに接続され、かつ、他方側端部どうしを接続する複数の帯状接続電極が帯状接続電極接続用バイアホールによりセラミック層を介して互いに接続された構造を有する帯状接続電極により接続して、コイル中心軸が積層方向と直交するコイルを形成するとともに、積層面と平行に配設された複数層構造の引出電極により該コイルを入出力用外部電極と接続するようにしているので、製品の大型化を招くことなく、導体抵抗を低減することができる。すなわち、帯状接続電極及び引出電極を複数層構造として、バイアホールの電極断面積と同等程度の断面積が確保されるまで帯状接続電極及び引出電極の厚みを大きくする(積層数を増やす)ことにより、小型化を阻害することなく、導体抵抗を低減して、大電流への対応性を向上させることが可能になる。
【0057】
また、引出電極が積層体の最外層付近に配設されている場合には、実装基板上の電極と引出電極との間に浮遊容量が発生する場合があり、高周波特性が劣化しやすくなることがあるため、実装時の方向性に配慮する必要があるが、請求項2の積層型コイル部品のように、引出電極を、積層体の積層方向の略中央部に、かつ、積層面と平行に配設するようにした場合、実装基板上の電極と引出電極との間に浮遊容量が発生することを抑制することが可能になり、実装時の方向性をなくして、実装工程における作業性を向上させることができる。
【0058】
また、請求項3の積層型コイル部品のように、積層体の表面に、バイアホールと帯状接続電極から構成されるコイルと対向する容量取得用外部電極を配設するようにした場合、積層体の表面に容量取得用外部電極を配設するだけで、バイアホールと容量取得用外部電極との間で必要な容量を確保することが可能になり、容易に積層型LC複合部品を構成することができる。
【0059】
また、請求項4の積層型コイル部品のように、帯状接続電極よりも積層方向外側の一方側及び他方側の少なくとも一方の領域に、帯状接続電極と対向する容量取得用内部電極を配設するとともに、積層体の表面にグランド接続用外部電極を配設し、容量取得用内部電極をグランド接続用外部電極に接続するようにした場合、請求項3にかかる積層型コイル部品の場合よりも大きい容量を確保することが可能になり、特性設計の自由度を向上させることができる。
【0060】
また、請求項5の積層型コイル部品のように、積層体の、容量取得用内部電極が配設される領域を誘電体セラミックを主成分とする材料から構成するようにした場合、さらに大きい容量を確保することが可能になり、本願発明をより実効あらしめることができる。
【0061】
また、本願発明(請求項6)の積層型コイル部品の製造方法は、回折格子で分光されたレーザビームを照射してセラミックグリーンシートに貫通孔を形成した後、この貫通孔に導電ペーストを充填してバイアホールを形成するようにしているので、セラミックグリーンシートに対して高精度の貫通孔を、極めて効率よく形成することが可能になり、本願発明の積層型コイル部品を効率よく製造することができる。また、レーザビームを照射する方法によれば、微細で、精度の高いバイアホールを形成することが可能になるため、同じ製品寸法で巻き数の多いコイルを形成することが可能になる。
【0062】
また、請求項7の積層型コイル部品の製造方法のように、1枚又は2枚以上のセラミックグリーンシートを積層するたびに仮圧着しながら積層を行い、所定枚数積層した後、本圧着することにより、コイルパターンの位置ずれを生じたりすることなく、確実に所望の積層体を形成することが可能になり、本願発明の積層型コイル部品をさらに効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の一実施形態(実施形態1)にかかる積層型インダクタを示す外観斜視図である。
【図2】 実施形態1にかかる積層型インダクタを構成する積層体を示す分解斜視図である。
【図3】 実施形態1の積層型インダクタの変形例にかかる積層体を示す分解斜視図である。
【図4】 本願発明の他の実施形態(実施形態2)にかかる積層型インダクタを示す外観斜視図である。
【図5】 実施形態2にかかる積層型インダクタを構成する積層体を示す分解斜視図である。
【図6】 本願発明のさらに他の実施形態(実施形態3)にかかる積層型LC複合部品を示す外観斜視図である。
【図7】 本願発明のさらに他の実施形態(実施形態4)にかかる積層型LC複合部品を示す外観斜視図である。
【図8】 実施形態4にかかる積層型LC複合部品を構成する積層体を示す分解斜視図である。
【図9】 従来の積層型インダクタを示す外観斜視図である。
【図10】 従来の積層型インダクタを構成する積層体を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 素子(積層体)
1a 素子の上側領域及び下側領域
2 コイル
3 入出力用外部電極
4,7 バイアホール
9,13 帯状接続電極接続用バイアホール
5 帯状接続電極
6 引出電極
8(8a,8b),12,15,16,18,19,20,44
セラミックグリーンシート
10,11,14,43 導体パターン
17 未焼成の積層体
40 容量取得用外部電極
40a グランド接続用外部電極
42 容量取得用内部電極
A 積層方向

Claims (7)

  1. セラミック層が積層された積層体内部に、積層方向と直交するコイル中心軸を周回するコイルが配設され、かつ、積層体の両端面に、コイルの両端部と導通する入出力用外部電極が配設された構造を有する積層型コイル部品であって、
    積層体内部の、積層方向から見た複数の位置に、軸心が積層方向に沿うように配設されたバイアホールと、
    積層体内部に、積層面と平行に配設され、所定のバイアホールの積層方向の一方側端部どうし及び所定のバイアホールの積層方向の他方側端部どうしを接続することにより、バイアホールと協働して、コイル中心軸が積層方向と直交するコイルを構成する複数層構造の帯状接続電極であって、前記バイアホールの積層方向の一方側端部どうしを接続する複数の帯状接続電極が帯状接続電極接続用バイアホールによりセラミック層を介して互いに接続され、かつ、他方側端部どうしを接続する複数の帯状接続電極が帯状接続電極接続用バイアホールによりセラミック層を介して互いに接続された構造を有する帯状接続電極と、
    積層体内部に、積層面と平行に配設され、バイアホールと帯状接続電極から構成される前記コイルと前記入出力用外部電極とを接続する、複数層構造の引出電極と
    を具備することを特徴とする積層型コイル部品。
  2. 前記引出電極が、積層体の積層方向の略中央部に、かつ、積層面と平行に配設されていることを特徴とする請求項1記載の積層型コイル部品。
  3. 積層体の表面に、バイアホールと帯状接続電極から構成される前記コイルと対向する容量取得用外部電極が配設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層型コイル部品。
  4. 積層体内部の、前記帯状接続電極よりも積層方向外側の一方側及び他方側の少なくとも一方の領域に、前記帯状接続電極と対向する容量取得用内部電極が配設されているとともに、積層体の表面にグランド接続用外部電極が配設されており、かつ、容量取得用内部電極がグランド接続用外部電極に接続されていることを特徴とする請求項3記載の積層型コイル部品。
  5. 積層体の、前記容量取得用内部電極が配設される領域が誘電体セラミックを主成分とする材料から形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の積層型コイル部品。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層型コイル部品を製造するための方法であって、
    回折格子で分光されたレーザビームを照射してセラミックグリーンシートに貫通孔を形成した後、この貫通孔に導電ペーストを充填してバイアホールを形成する工程を具備していること
    を特徴とする積層型コイル部品の製造方法。
  7. 前記バイアホールが形成されたセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成するにあたって、1枚又は2枚以上のセラミックグリーンシートを積層するたびに仮圧着しながら積層を行い、所定枚数積層した後、本圧着することにより積層体を形成することを特徴とする請求項6記載の積層型コイル部品の製造方法。
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