JP3552685B2 - 強度に優れるテトラフルオロエチレン重合体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、強度に優れたテトラフルオロエチレン重合体(以下、PTFEという)に関する。詳しくは、ペースト押出成形後の延伸操作に好適に使用できる強度に優れたPTFEに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、PTFEは、テトラフルオロエチレン(以下、TFEという)を単独で重合することにより、または必要に応じて改質モノマーと共に重合することにより得られ、種々の用途に使用されている。
PTFEは、水性分散重合により製造することができ、重合体粒子が分散した水性分散液の状態で得ることもできるし、水性分散重合液を凝固、乾燥させてファインパウダーとして得ることもできる。
従来のPTFEファインパウダーは、高い溶融粘度を有しており、溶融温度では容易に流動しないため、非溶融二次加工性を有する。そのため、PTFEファインパウダーは、一般的には、PTFEファインパウダーを潤滑剤とブレンドし、潤滑化PTFEを押出し法により造形し、次いで潤滑剤を除去して得られる押出し物を、通常はPTFEの融点より高い温度で融合(燒結)させて、最終製品形状にするペースト押出し成形が行われている。
【0003】
一方、PTFEファインパウダーから得られる重要な他の製品としては、衣服、テント、分離膜等の製品用の通気性布材料が挙げられる。これらの製品は、PTFEファインパウダーをペースト押出し成形して得られる押出し物を、未燒結状態において急速に延伸させ、水蒸気は透過できるが、凝縮水は透過できない性質を付与することにより得ることができる。
米国特許第4,654,406号明細書および米国特許4,576,869号明細書には、延伸性PTFEファインパウダーの技術を改善し、17質量%の潤滑剤を添加して得られた押出し物を、10%/秒〜100%/秒の速度で少なくとも1000%延伸することにより、少なくとも75%の延伸均一性が達成されることが記載されている。
しかしながら、PTFEを延伸して得た延伸製品に対する要求物性は年々高くなっており、この改良PTFEから得た延伸製品でも、強度が充分でないという問題点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、延伸性、フィブリル化性および非溶融二次加工性を有するPTFEであって、破断強度が高く、標準比重が小さいPTFEを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、延伸性、フィブリル化性および非溶融二次加工性を有するPTFEであって、該重合体が2.160以下の標準比重、32.0N(3.26kgf)〜49.0N(5.0kgf)の破断強度を有することを特徴とするPTFEを提供する。
ここで、標準比重とは、JIS K6935−2に従って測定した値をいう。
また、本発明は、上記PTFEにおいて、標準比重が2.157以下であるPTFEを提供する。
また、本発明は、上記PTFEにおいて、応力緩和時間が、少なくとも650秒であるPTFEを提供する。
【0006】
また、本発明は、上記PTFEにおいて、破断強度が、34.3N(3.5kgf)〜49.0N(5.0kgf)であるPTFEを提供する。
また、本発明は、上記PTFEにおいて、押出し圧力が、9.8MPa(100kgf/cm2)〜19.6MPa(200kgf/cm2)であるPTFEを提供する。
また、本発明は、上記PTFEにおいて、PTFEがファインパウダーであるPTFEを提供する。
また、本発明は、上記PTFEにおいて、PTFEが水性分散液の分散固体成分であるPTFEを提供する。
さらに、本発明は、 上記の特性を有するPTFEからなる多孔体およびその物品を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のPTFEは、TFEの単独重合体であってもよいし、TFE以外のエチレン性不飽和基を有する含フッ素モノマーなどの改質モノマーとの共重合体であってもよい。エチレン性不飽和基を有する含フッ素モノマーとしては、例えば、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブテン−1、パーフルオロへキセン−1、パーフルオロノネン−1、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ヘプチルビニルエーテル)、(パーフルオロメチル)エチレン、(パーフルオロブチル)エチレン、クロロトリフルオロエチレン等が挙げられる。これらの含フッ素モノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。改質モノマーは、通常1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以下である。
本発明のPTFEは、延伸性、フィブリル化性、非溶融二次加工性を有する。これらの性質は、ペースト押出し成形に通常要求される性質である。
【0008】
また、本発明のPTFEは、標準比重、破断強度が特定の範囲にあるものであり、これにより特徴付けられる。
本発明のPTFEの標準比重(以下、SSGという)は、2.160以下であり、好ましくは2.157以下である。SSGは、平均分子量の指標であり、本発明のPTFEのSSGは非常に小さい値、すなわち、平均分子量が高いといえる。SSGは、平均分子量の増大に伴い、減少する傾向がある。すなわち、本発明のPTFEは、SSG値が小さいので、その平均分子量がかなり高いものであることが予測できる。SSG値が2.160以下のPTFEは、押出し物の延伸倍率が3000%を超え、延伸均一性にも優れる。
本発明のPTFEの延伸物の破断強度は、32.0N(3.26kgf)〜49.0N(5.0kgf)の範囲であり、好ましくは34.3N(3.5kgf)〜49.0N(5.0kgf)の範囲である。これは、驚くべきことに、特開2000−143727公報記載のPTFEより高い破断強度を有している。高い破断強度ほど、耐久性等に優れるので好ましい。一方、破断強度が5.0kgfを超えるPTFEは、実質上、製造が非常に困難となる傾向がある。
また、本発明のPTFEは、押出し圧力が、9.8MPa(100kgf/cm2)〜19.6MPa(200kgf/cm2)であるものが好ましく、9.8MPa(100kgf/cm2)〜16.7MPa(170kgf/cm2)であるものがより好ましく、9.8MPa(100kgf/cm2)〜15.2MPa(155kgf/cm2)であるものが特に好ましい。
【0009】
本発明のPTFEは、応力緩和時間が、少なくとも650秒であるものが好ましく、少なくとも700秒であるものがより好ましく、少なくとも730秒であるものが特に好ましい。
本発明のPTFEは、水性分散重合により製造することができる。
水性分散重合は、TFE単独、またはTFEと改質モノマーとを用い、分散剤および重合開始剤を含有する水系媒体中で、行うことができる。重合温度は、通常50〜120℃の範囲であり、好ましくは60〜100℃の範囲である。重合圧力は、適宜選定すればよいが、0.5〜4.0MPaの範囲になるようにすればよく、好ましくは1.0〜2.5MPaの範囲である。
【0010】
分散剤としては、連鎖移動性の少ないアニオン系界面活性剤がより好ましく、フルオロカーボン系の界面活性剤が特に好ましい。具体例としては、XCnF2nCOOM(ここで、Xは水素、塩素、フッ素、(CF3)2CFを、Mは水素、NH4、アルカリ金属を、nは6〜12の整数を示す。)、CmF2m+1O(CF(CF3)CF2O)pCF(CF3)COOM(ここで、Mは水素、NH4、アルカリ金属を、mは1〜12の整数を、pは0〜5の整数を示す。)、CnF2n+1SO3M、CnF2n+1CH2CH2SO3M等が挙げられる。パーフルオロカーボン系の界面活性剤がより好ましく、C7F15COONH4、C8F17COONH4、C9F19COONH4、C10F21COONH4、C7F15COONa、C8F17COONa、C9F19COONa、C7F15COOK、C8F17COOK、C9F19COOK、C3F7O(CF(CF3)CF2O)2CF(CF3)COONH4等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。分散剤の量は、使用される水の質量基準で、250〜5000ppmの範囲にすることが好ましい。この範囲にすることで水性分散液の安定性が向上し、得られるPTFEの破断強度が高くなる。また、水性分散液の安定性をさらに向上するために重合中に分散剤を追加添加することも好ましい。
【0011】
重合開始剤としては、特定のレドックス系重合開始剤を用いるとSSGが低く、押出し圧力が低く、破断強度が大きい本発明のPTFEが得られる。特定のレドックス系重合開始剤としては、過硫酸塩、臭素酸塩等の水溶性酸化剤と亜硫酸塩やジイミン等の還元剤の組合せが挙げられる。特に、特定のレドックス系重合開始剤として、臭素酸塩と亜硫酸塩の組み合わせがより好ましく、臭素酸カリウムと亜硫酸アンモニウムの組合せが最も好ましい。臭素酸塩と亜硫酸塩を用いる場合には、どちらかをあらかじめ重合槽に仕込み、ついでもう一方を連続的または断続的に加えて重合を開始させることが好ましく、臭素酸塩をあらかじめ重合槽に仕込み、ついで亜硫酸塩を連続的または断続的に加えることがより好ましい。重合開始剤の量は、適宜選定すればよいが、水の質量基準で2〜600ppmが好ましく、臭素酸塩と亜硫酸塩の組合せの場合にはそれぞれ5〜300ppmが好ましい。また、あらかじめ臭素酸塩を重合槽に仕込む場合は、臭素酸塩濃度を高くすることにより水性分散液の安定性がさらに向上する。重合開始剤の量は、少ないほど吸熱比が小さいPTFEが得られる傾向となるので好ましい。また、重合開始剤の量は、あまりに少ないと重合速度が遅くなりすぎる傾向となり、あまりに多いと生成するPTFEのSSGが高くなる傾向となる。
【0012】
水性分散重合は、安定化助剤の存在下に実施することが好ましい。安定化助剤としては、パラフィンワックス、フッ素系オイル、フッ素系溶剤、シリコーンオイル等が好ましい。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、パラフィンワックスの存在下に行うことが好ましい。パラフィンワックスとしては、室温で液体でも、半固体でも、固体であってもよいが、炭素数12以上の飽和炭化水素が好ましい。パラフィンワックスの融点は、通常40〜65℃が好ましく、50〜65℃がより好ましい。パラフィンワックスの量は、使用される水の質量基準で0.1〜12質量%が好ましく、0.1〜8質量%がより好ましい。
水性分散重合は、通常、水系重合混合物を穏やかに撹拌することにより行われる。生成した水性分散液中のPTFE微粒子が凝集しないように撹拌条件が制御される。水性分散重合は、通常、水性分散液中のPTFE微粒子の濃度が15〜40質量%になるまで行われる。
水性分散重合は、酸を添加して酸性状態で行うことが水性分散液の安定化のために好ましい。酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等の酸が好ましく、硝酸がより好ましい。硝酸を加えることにより水性分散液の安定性がさらに向上する。
水性分散重合によりPTFE微粒子が分散した水性分散液が得られるが、水性分散液中のPTFE微粒子の粒径は、通常0.02〜1.0μmと広い分布を有し、平均粒子径は0.1〜0.4μm程度である。
得られた水性分散重合液からPTFE微粒子を凝集し、乾燥させてPTFEファインパウダーを得る。凝集方法としては、水性分散液を高速撹拌することによってPTFE微粒子を凝集させることが好ましい。このとき、凝析剤を添加することが好ましい。凝析剤としては、炭酸アンモニウムや多価無機塩類、鉱酸類、陽イオン界面活性剤、アルコール等が好ましく、炭酸アンモニウムがより好ましい。
【0013】
凝集により湿潤状態で得られるPTFEの乾燥は、任意の温度で行うことができるが、100〜250℃の範囲で行うことが好ましく、130〜200℃の範囲で行うことが特に好ましい。乾燥によって、本発明のPTFEァインパウダーを得ることができる。このPTFEファインパウダーは、その平均粒径が100〜800μmの範囲のものが好ましく、400〜600μmの範囲のものが特に好ましい。
また、本発明は、上記の特性を有するPTFEからなる多孔体およびその物品を提供する。多孔体は、種々の方法により製造したものが挙げられるが、例えば、ペースト押出し成形後に延伸を施すことにより得られる多孔体および多孔体からなるフィルム、チューブなどが挙げられる。
ペースト押出し成形とは、PTFEファインパウダーを潤滑剤と混合して、PTFEファインパウダーに流動性を持たせてシート、チューブ等の成形物を成形するものである。潤滑剤の混合割合は、PTFEファインパウダーに流動性を持たせるように、適宜選定すればよく、通常10〜30質量%にすればよい。潤滑剤としては、ナフサ、沸点が200℃以上の石油系炭化水素が好ましく用いられる。また、延伸は、適当な速度、例えば5%/秒〜1000%/秒の速度で、適当な延伸倍率、例えば500%以上の延伸倍率になるように施せばよい。
多孔体の空孔率は特に制限ないが、通常空孔率が50〜97%の範囲が好ましく、70〜95%の範囲が特に好ましい。
多孔体で構成される物品の形状は、シート状、フィルム状、繊維状など種々の形状にすることができる。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本願発明はこれらに限定されない。以下において、部は質量部を示す。例1〜4が実施例であり、例5が比較例である。
なお、実施例において、延伸性の評価、破断強度、応力緩和時間の測定は、以下に示す方法により行った。
【0015】
(1)押出し圧および延伸性の評価
室温で2時間以上放置されたPTFEのファインパウダー100gを内容量900ccのガラス瓶に入れ、アイソパーH(登録商標、エクソン社製)潤滑剤21.7gを添加し、3分間混合してPTFE混合物を得る。得られたPTFE混合物を25℃恒温槽に2時間放置した後に、リダクションレシオ(ダイスの入り口の断面積と出口の断面積の比)100、押出し速度51cm/分の条件で、25℃にて、直径2.5cm、ランド長1.1cm、導入角30°のオリフィスを通して、ペースト押出ししビードを得る。このときの押出しに要する圧力を測定し、押出し圧とする。得られたビードを230℃で30分間乾燥し、潤滑剤を除去する。次いで、ビードの長さを適当な長さに切断し、クランプ間が3.8cmまたは5.1cmのいずれかの間隔となるよう、各末端を固定し、空気循環炉中で300℃に加熱する。次いで、クランプが所定の間隔になるまで所定の速度で延伸する。この延伸方法は、押出しスピード(51cm/分)が異なることを除いて、本質的に米国特許第4,576,869号明細書に開示された方法に従っている。「延伸」とは、長さの増加であり、通常元の長さと関連して表わされる。
【0016】
(2)破断強度の測定
破断強度試験測定用のサンプルは、クランプ間隔5.1cm、延伸速度100%/秒、総延伸2400%を用い、延伸性の評価と同様にして、ビードを延伸することにより、作製する。破断強度は、延伸ビードから得られる3つのサンプル、延伸ビードの各末端から1つ(クランプの範囲においてネックダウンがあればそれを除く)、およびその中心から1つ、の最小引張り破断負荷(力)として、測定される。5.0cmのゲージ長である、ジョーにおいてサンプルを挟んで固定し、可動ジョー300mm/分のスピードで駆動させ、引張り試験機(エイアンドディ社製)を用いて、室温で測定する。
【0017】
(3)応力緩和時間の測定
応力緩和時間の測定用のサンプルは、クランプ間隔3.8cm、延伸速度1000%/秒、総延伸2400%を用い、延伸性の評価のように、ビードを延伸することにより、作製する。この延伸ビードのサンプルの両方の末端は、固定具につなげることにより、ぴんと張られた全長25cmの延伸ビードである。応力緩和時間とは、このサンプルが390℃、すなわち、米国特許第5,470,655号明細書に開示されている延長鎖形状の溶ける380℃より高い温度でオーブン中に放置した後に破断するのに要する時間である。固定具におけるサンプルは、オーブンの側部にある(覆われた)スロットを通してオーブンに挿入されるので、サンプルを配置する間に温度は下降することがなく、それゆえに米国特許第4,576,869号明細書に開示されたように回復にしばしの時間を必要としない。
【0018】
[例1]
100Lの重合槽に、パラフィンワックスの928g、超純水の55L、パーフルオロオクタン酸アンモニウムの36g、コハク酸の1g、1Nの硝酸水溶液の8ml、臭素酸カリウムの0.4gを仕込んだ。窒素パージ、脱気を行った後に、65℃に昇温した。温度が安定した後にTFEを導入し、1.9MPaの圧力とした。内容物を撹拌下に、亜硫酸アンモニウム140ppm水溶液1Lを60分連続添加して重合を開始した。重合が進行すると共にTFEが消費されて重合槽内の圧力が低下したので、圧力を一定に保つようにTFEを連続的に供給した。亜硫酸アンモニウムの添加終了後にパーフルオロオクタン酸アンモニウムの11.1質量%水溶液1Lを添加した。重合開始から270分経過した時点で、撹拌およびTFEの供給を停止し、重合槽内のTFEをパージし、ついで気相を窒素で置換した。得られた固形分28.9質量%のPTFE水性分散液を炭酸アンモニウム存在下で凝集し、湿潤状態のPTFEを分離した。得られた湿潤状態のPTFEを160℃で乾燥して、PTFEファインパウダーを得た。そして、得られたPTFEファインパウダーのSSGおよび平均粒径を測定した。また、得られたPTFEファインパウダーを前述の方法でペースト押出ししてビードを得た。この時の押出し圧力を測定した。ついでビードを延伸して得た延伸ビードの破断強度、応力緩和時間を測定した。
ついで、PTFEファインパウダー600gをガラス製のボトルに20重量%の割合で潤滑剤であるアイソパーG(Exxon社製)を加え、100rpmで30分間回転させることにより混合した。ブレンドした樹脂を室温で24時間熟成させた。この樹脂を0.2MPaの圧力を120秒間プレスして直径68mmのプレフォームを得た。このプレフォームを直径11mmのオリフィスを通して押出しを行い、押出し物を厚さ0.1mmまで圧延した。該圧延シートを長さ5cm、幅2cmの短冊状とし、300℃の温度下、100%/秒の速度で10倍に延伸した。得られたフィルムの空孔率は、90%であった。
【0019】
[例2]
100Lの重合槽に、パラフィンワックスの928g、超純水の55L、パーフルオロオクタン酸アンモニウムの36g、コハク酸の1g、1Nの硝酸水溶液の8ml、臭素酸カリウムの0.4gを仕込んだ。窒素パージ、脱気を行った後に、85℃に昇温した。温度が安定した後にTFEを導入し、1.9MPaの圧力とした。内容物を撹拌下に、亜硫酸アンモニウム140ppm水溶液1Lを60分連続添加して重合を開始した。重合が進行すると共にTFEが消費されて重合槽内の圧力が低下したので、圧力を一定に保つようにTFEを連続的に供給した。亜硫酸アンモニウムの添加終了後にパーフルオロオクタン酸アンモニウムの11.1質量%水溶液1Lを添加した。重合開始から270分経過した時点で、撹拌およびTFEの供給を停止し、重合槽内のTFEをパージし、ついで気相を窒素で置換した。得られた固形分29.6質量%のPTFE水性分散液を炭酸アンモニウム存在下で凝集し、湿潤状態のPTFEを分離した。得られた湿潤状態のPTFEを250℃で乾燥して、PTFEファインパウダーを得た。例1と同様にして、PTFEファインパウダーのSSGおよび平均粒径、ペースト押出し時の押出し圧力、延伸ビードの破断強度、応力緩和時間を測定した。
【0020】
[例3]
100Lの重合槽に、パラフィンワックスの928g、超純水の55L、パーフルオロオクタン酸アンモニウムの25g、コハク酸の1g、1Nの硝酸水溶液の8ml、臭素酸カリウムの0.4gを仕込んだ。窒素パージ、脱気を行った後に、85℃に昇温した。温度が安定した後にTFEを導入し、1.9MPaの圧力とした。内容物を撹拌下に、亜硫酸アンモニウム140ppm水溶液1Lを60分連続添加して重合を開始した。重合が進行すると共にTFEが消費されて重合槽内の圧力が低下したので、圧力を一定に保つようにTFEを連続的に供給した。亜硫酸アンモニウムの添加終了後にパーフルオロオクタン酸アンモニウムの11.1質量%水溶液1Lを添加した。重合開始から250分経過した時点で、撹拌およびTFEの供給を停止し、重合槽内のTFEをパージし、ついで気相を窒素で置換した。得られた固形分24.1質量%のPTFE水性分散液を炭酸アンモニウム存在下で凝集し、湿潤状態のPTFEを分離した。得られた湿潤状態のPTFEを140℃で乾燥して、PTFEファインパウダーを得た。例1と同様にして、PTFEファインパウダーのSSGおよび平均粒径、ペースト押出し時の押出し圧力、延伸ビードの破断強度、応力緩和時間を測定した。
【0021】
[例4]
100Lの重合槽に、パラフィンワックスの928g、超純水の55L、パーフルオロオクタン酸アンモニウムの25g、コハク酸の1g、1Nの硝酸水溶液の8ml、臭素酸カリウムの6gを仕込んだ。窒素パージ、脱気を行った後に、85℃に昇温した。温度が安定した後にTFEを導入し、1.2MPaの圧力とした。内容物を撹拌下に、亜硫酸アンモニウム300ppm水溶液0.4Lを80分連続添加して重合を開始した。重合が進行すると共にTFEが消費されて重合槽内の圧力が低下したので、圧力を一定に保つようにTFEを連続的に供給した。重合開始後60分後にパーフルオロオクタン酸アンモニウムの3.6質量%水溶液1Lを添加した。また、亜硫酸アンモニウムの添加終了後に再びパーフルオロオクタン酸アンモニウムの8.1質量%水溶液1Lを添加した。重合開始から220分経過した時点で、撹拌およびTFEの供給を停止し、重合槽内のTFEをパージし、ついで気相を窒素で置換した。得られた固形分26.0質量%のPTFE水性分散液を炭酸アンモニウム存在下で凝集し、湿潤状態のPTFEを分離した。得られた湿潤状態のPTFEを200℃で乾燥して、PTFEファインパウダーを得た。例1と同様にして、PTFEファインパウダーのSSGおよび平均粒径、ペースト押出し時の押出し圧力、延伸ビードの破断強度、応力緩和時間を測定した。
【0022】
[例5(比較例)]
100Lの重合槽に、パラフィンワックスの736g、超純水の59L、パーフルオロオクタン酸アンモニウムの33gを仕込んだ。70℃に昇温し、窒素パージ、脱気を行った後、TFEを導入し、1.9MPaの圧力とした。撹拌下に、ジコハク酸パーオキサイドの0.5質量%水溶液1Lを圧入して重合を開始した。重合の進行に伴いTFEが消費されて重合槽内の圧力が低下したので、圧力を一定に保つように重合中はTFEを連続的に供給した。重合開始から45分後から6℃/時で90℃まで昇温した。また、TFEの供給量が6.6kgとなった時点で、パーフルオロオクタン酸アンモニウムの5.6質量%水溶液1Lを添加した。重合開始から160分経過した時点で、撹拌およびTFEの供給を停止し、重合槽内のTFEをパージして重合を停止した。得られた固形分24.3質量%のPTFE水性分散液を凝集し、湿潤状態のPTFEを分離した。得られた湿潤状態のPTFEを205℃で乾燥して、PTFEファインパウダーを得た。例1と同様にして、PTFEファインパウダーのSSGおよび平均粒径、ペースト押出し時の押出し圧力、延伸ビードの破断強度、応力緩和時間を測定した。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】
本発明のPTFEは、標準比重が低く、破断強度が優れ、ペースト押出成形後の延伸操作に好適に使用できる。
Claims (8)
- 延伸性、フィブリル化性および非溶融二次加工性を有するテトラフルオロエチレン重合体であって、該重合体が2.160以下の標準比重、32.0N(3.26kgf)〜49.0N(5.0kgf)の破断強度を有することを特徴とするテトラフルオロエチレン重合体。
- 標準比重が2.157以下である請求項1に記載のテトラフルオロエチレン重合体。
- 応力緩和時間が、少なくとも650秒である請求項1または2に記載のテトラフルオロエチレン重合体。
- 破断強度が、34.3N(3.5kgf)〜49.0N(5.0kgf)である請求項1〜3のいずれかに記載のテトラフルオロエチレン重合体。
- 押出し圧力が、9.8MPa(100kgf/cm2)〜19.6MPa(200kgf/cm2)である請求項1〜4のいずれかに記載のテトラフルオロエチレン重合体。
- テトラフルオロエチレン重合体がファインパウダーである請求項1〜5のいずれかに記載のテトラフルオロエチレン重合体。
- テトラフルオロエチレン重合体が水性分散液の分散固体成分である請求項1〜5のいずれかに記載のテトラフルオロエチレン重合体。
- 請求項1〜5のテトラフルオロエチレン重合体からなる多孔体およびその物品。
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