JP2018130113A - 慢性骨髄性白血病(cml)の検査方法及び検査用キット、チロシンキナーゼ阻害剤(tki)耐性cmlの単離方法、並びにcmlにおけるtki耐性の低減剤及びそのスクリーニング方法 - Google Patents
慢性骨髄性白血病(cml)の検査方法及び検査用キット、チロシンキナーゼ阻害剤(tki)耐性cmlの単離方法、並びにcmlにおけるtki耐性の低減剤及びそのスクリーニング方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】慢性骨髄性白血病の診断、慢性骨髄性白血病のモニタリング、慢性骨髄性白血病の治療を必要とする患者群の分類及び慢性骨髄性白血病の再発予測などのために有用な方法の提供。また、慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性を低減するための手段の提供。【解決手段】慢性骨髄性白血病の検査方法であって、前記対象から得られた試料中の血液細胞におけるADAM8遺伝子の発現量を測定する工程を含む、方法。ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤を含む、慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性を低減するための組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、慢性骨髄性白血病(Chronic Myelogenous Leukemia: CML)の検査方法及び検査用キットに関する。また本発明は、チロシンキナーゼ阻害剤(Tyrosine kinase inhibitor: TKI)に対して耐性を有するCMLの単離方法に関する。さらに本発明は、CMLにおけるTKI耐性の低減剤及びそのスクリーニング方法に関する。
慢性骨髄性白血病
CMLは、t(9;22)(q34;q11)染色体転座から生じるBCR−ABLキメラ癌遺伝子によって、造血幹細胞(HSC)中で生じる骨髄増殖性腫瘍である(非特許文献1)。BCR−ABLキメラ癌遺伝子は、分化能力を有する骨髄細胞の増殖増大を引き起こす。未処置の場合、慢性期のCML(CML in chronic phase: CML−CP)は移行期へと移行し、最終的に急性期へと移行する。
CMLは、t(9;22)(q34;q11)染色体転座から生じるBCR−ABLキメラ癌遺伝子によって、造血幹細胞(HSC)中で生じる骨髄増殖性腫瘍である(非特許文献1)。BCR−ABLキメラ癌遺伝子は、分化能力を有する骨髄細胞の増殖増大を引き起こす。未処置の場合、慢性期のCML(CML in chronic phase: CML−CP)は移行期へと移行し、最終的に急性期へと移行する。
BCR−ABLタンパク質を標的化するイマチニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)は、慢性骨髄性白血病に対する生存性を改善した。TKI治療を継続することで、慢性期から移行期及び急性期への移行を抑制することができる。
TKI治療はCMLに対して有効な手段であるが、TKIを長期間投与することによる副作用(骨髄抑制、吐き気、嘔吐、下痢など)や高額な医療費の問題がある。したがって、TKI治療を継続すべき患者と中止しても良い患者とを分類できる方法が求められている。
CMLの診断補助方法及び治療効果のモニタリング方法として、BCR−ABLの発現量を測定する方法が知られている(非特許文献2)。当該方法では、対象の末梢血白血球より抽出したRNA中のBCR−ABLのmRNA量とABLのmRNA量との比率に基づいて、CMLの診断補助及び治療効果のモニタリングを行うことが可能である。
ADAM8
ADAM(a disintegrin and metalloprotease)ファミリータンパク質は、プロドメイン、メタロプロテアーゼドメイン、ディスインテグリン様ドメイン、システインリッチなドメイン、膜貫通性ドメイン、細胞質ドメインを含む共通のドメイン構造を有するタンパク質である。当該タンパク質は、タンパク質分解と細胞−細胞間の結合という2つの機能を有する。その中でも、ADAM8はマクロファージ細胞株から単離された分子であり、EST解析により、ヒト、マウスを含む脊椎動物では造血系組織に、ゼブラフィッシュでは腎臓や造血組織に発現することが報告されており、血液や循環器の発生に関与することが示唆されている。ADAM8の発現抑制により血液循環が阻害され、血栓形成にいたることが知られている(特許文献1)。
ADAM(a disintegrin and metalloprotease)ファミリータンパク質は、プロドメイン、メタロプロテアーゼドメイン、ディスインテグリン様ドメイン、システインリッチなドメイン、膜貫通性ドメイン、細胞質ドメインを含む共通のドメイン構造を有するタンパク質である。当該タンパク質は、タンパク質分解と細胞−細胞間の結合という2つの機能を有する。その中でも、ADAM8はマクロファージ細胞株から単離された分子であり、EST解析により、ヒト、マウスを含む脊椎動物では造血系組織に、ゼブラフィッシュでは腎臓や造血組織に発現することが報告されており、血液や循環器の発生に関与することが示唆されている。ADAM8の発現抑制により血液循環が阻害され、血栓形成にいたることが知られている(特許文献1)。
ADAM8が、肺扁平上皮癌の悪性上皮、肺腺癌、大腸癌腫、前立腺癌腫、乳癌腫及び炎症組織などにおいて発現していることが知られている(特許文献2)。また、対象由来の生体試料におけるADAM8レベルを測定することにより、対象における非小細胞肺癌(NSCLC)の発生を判定し得ることが知られている(特許文献3)。
Nguyen, L. V. et al., Nat. Rev. Cancer 12, 133-43 (2012)
Nakamae, H. et al., Int J Hematol., 102, 304-311, 2015
例えば非特許文献2に記載の方法などを用いてBCR−ABL遺伝子の発現が検出されず、TKI治療の継続が不要であると判断された患者であっても、その一部においてTKI治療中断後にCMLが再発することがある。これは、当該方法では検出できない量のTKI耐性CML細胞が患者中に存在するためである。
したがって本発明は、従来法よりも高感度にTKI耐性CML細胞を検出可能な新規バイオマーカーを提供することを目的とする。また、血液細胞中の当該バイオマーカーの発現を指標として、CMLの診断、CMLのモニタリング、CMLに対するTKI治療を必要とする患者の分類及びCMLの再発の予測などのために有用な方法の提供を目的とする。さらに本発明は、CMLにおけるTKI耐性の低減を目的とする。
本発明者らは驚くべきことに、ADAM8がTKI治療後に残存するTKI耐性のCML細胞に対するバイオマーカーとして使用できることを見出した。さらに本発明者らは、ADAM8遺伝子の発現又はADAM8の活性を阻害することにより、CML細胞におけるTKI耐性を低減できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の態様を有する。
[1]
慢性骨髄性白血病の検査方法であって、対象から得られた試料中の血液細胞におけるADAM8遺伝子の発現を検出する工程を含む、方法。
[2]
前記対象は、チロシンキナーゼ阻害剤を用いた治療を受けている対象である、[1]に記載の方法。
[3]
前記対象は、チロシンキナーゼ阻害剤を用いた治療によってMMR (major molecular response)又はMUL (molecular undetectable leukemia) を達成した対象である、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]
慢性骨髄性白血病に対する治療を必要とする患者の分類を補助する方法である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の方法。
[5]
慢性骨髄性白血病の再発の予測を補助する方法である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の方法。
[6]
チロシンキナーゼ阻害剤が、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、アファチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ラパチニブ、ニンテダニブ、ニロチニブ、イブルチニブ及びポナチニブから成る群から選択される、[2]〜[5]のいずれか1つに記載の方法。
[7]
前記試料は末梢血又は骨髄液である、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の方法。
[8]
前記血液細胞はCD34陽性細胞である、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の方法。
[9]
ADAM8遺伝子の発現の検出は、ADAM8遺伝子を発現する細胞の数を測定することを含む、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の方法。
[10]
ADAM8遺伝子の発現の検出は、ADAM8遺伝子から転写されたmRNAの量を測定することを含む、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の方法。
[11]
ADAM8遺伝子の発現の検出は、ADAM8遺伝子によってコードされるタンパク質の量を測定することを含む、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の方法。
[12]
対象から得られた試料中の血液細胞から、チロシンキナーゼ阻害剤に対して耐性を有する慢性骨髄性白血病細胞を単離する方法であって、
(1)試料中の血液細胞におけるADAM8遺伝子の発現を検出する工程、及び
(2)工程(1)の検出結果に基づいて、チロシンキナーゼ阻害剤に対して耐性を有する慢性骨髄性白血病細胞を単離する工程
を含む、方法。
[13]
ADAM8遺伝子から転写されたmRNA又はADAM8遺伝子によってコードされるタンパク質の検出薬を含む、慢性骨髄性白血病の検査用キット。
[14]
ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤を含む、慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性を低減するための組成物。
[15]
ADAM8遺伝子の発現阻害剤が、アンチセンスオリゴヌクレオチド、RNAi誘導性核酸、マイクロRNA(miRNA)、リボザイム、ゲノム編集核酸及びそれらの発現ベクター、有機低分子、アプタマー、抗体、抗体フラグメント、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される、[14]に記載の組成物。
[16]
ADAM8の活性阻害剤が、有機低分子、アプタマー、抗体、抗体フラグメント及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、[14]に記載の組成物。
[17]
慢性骨髄性白血病を治療するための組成物であって、
チロシンキナーゼ阻害剤を含み、
ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤と組み合わせて対象に投与される、
組成物。
[18]
ADAM8遺伝子の発現阻害又はADAM8の活性阻害を指標とする、
慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性の低減剤のスクリーニング方法。
[19]
ADAM8遺伝子発現細胞を被験物質と接触させる工程と、
前記細胞におけるADAM8遺伝子の発現量を測定する工程と、
前記工程で測定されたADAM8遺伝子の発現量を、対照の発現量と比較する工程であって、前記対照の発現量は、被験物質と接触させていないADAM8遺伝子発現細胞におけるADAM8遺伝子の発現量である、工程と、
前記対照の発現量と比較して、ADAM8遺伝子の発現量を低下させる被験物質を選択する工程と
を含む、[18]に記載の方法。
[20]
ADAM8遺伝子発現細胞を被験物質と接触させる工程と、
前記細胞におけるADAM8の活性を測定する工程と、
前記工程で測定されたADAM8の活性を、対照の活性と比較する工程であって、前記対照の活性は、被験物質と接触させていないADAM8遺伝子発現細胞におけるADAM8の活性である、工程と、
前記対照の活性と比較して、ADAM8遺伝子の活性を低下させる被験物質を選択する工程と
を含む、[18]に記載の方法。
[21]
ADAM8を被験物質と接触させる工程と、
前記ADAM8の活性を測定する工程と、
前記工程で測定されたADAM8の活性を、対照の活性と比較する工程であって、前記対照の活性は、被験物質と接触させていないADAM8の活性である、工程と、
前記対照の活性と比較して、ADAM8の活性を低下させる被験物質を選択する工程と
を含む、[18]に記載の方法。
[22]
慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性を低減するための方法であって、
チロシンキナーゼ阻害剤耐性の慢性骨髄性白血病を患う対象に、ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤を投与する工程
を含む、方法。
[23]
慢性骨髄性白血病を治療するための方法であって、
慢性骨髄性白血病の治療を必要とする対象に、チロシンキナーゼ阻害剤を、ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤と組み合わせて投与する工程
を含む、方法。
[24]
慢性骨髄性白血病を治療するためのチロシンキナーゼ阻害剤であって、
ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤と組み合わせて対象に投与される、
チロシンキナーゼ阻害剤。
[25]
慢性骨髄性白血病を治療するための組成物を製造するためのチロシンキナーゼ阻害剤の使用であって、
前記組成物は、ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤と組み合わせて対象に投与される、使用。
[1]
慢性骨髄性白血病の検査方法であって、対象から得られた試料中の血液細胞におけるADAM8遺伝子の発現を検出する工程を含む、方法。
[2]
前記対象は、チロシンキナーゼ阻害剤を用いた治療を受けている対象である、[1]に記載の方法。
[3]
前記対象は、チロシンキナーゼ阻害剤を用いた治療によってMMR (major molecular response)又はMUL (molecular undetectable leukemia) を達成した対象である、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]
慢性骨髄性白血病に対する治療を必要とする患者の分類を補助する方法である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の方法。
[5]
慢性骨髄性白血病の再発の予測を補助する方法である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の方法。
[6]
チロシンキナーゼ阻害剤が、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、アファチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ラパチニブ、ニンテダニブ、ニロチニブ、イブルチニブ及びポナチニブから成る群から選択される、[2]〜[5]のいずれか1つに記載の方法。
[7]
前記試料は末梢血又は骨髄液である、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の方法。
[8]
前記血液細胞はCD34陽性細胞である、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の方法。
[9]
ADAM8遺伝子の発現の検出は、ADAM8遺伝子を発現する細胞の数を測定することを含む、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の方法。
[10]
ADAM8遺伝子の発現の検出は、ADAM8遺伝子から転写されたmRNAの量を測定することを含む、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の方法。
[11]
ADAM8遺伝子の発現の検出は、ADAM8遺伝子によってコードされるタンパク質の量を測定することを含む、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の方法。
[12]
対象から得られた試料中の血液細胞から、チロシンキナーゼ阻害剤に対して耐性を有する慢性骨髄性白血病細胞を単離する方法であって、
(1)試料中の血液細胞におけるADAM8遺伝子の発現を検出する工程、及び
(2)工程(1)の検出結果に基づいて、チロシンキナーゼ阻害剤に対して耐性を有する慢性骨髄性白血病細胞を単離する工程
を含む、方法。
[13]
ADAM8遺伝子から転写されたmRNA又はADAM8遺伝子によってコードされるタンパク質の検出薬を含む、慢性骨髄性白血病の検査用キット。
[14]
ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤を含む、慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性を低減するための組成物。
[15]
ADAM8遺伝子の発現阻害剤が、アンチセンスオリゴヌクレオチド、RNAi誘導性核酸、マイクロRNA(miRNA)、リボザイム、ゲノム編集核酸及びそれらの発現ベクター、有機低分子、アプタマー、抗体、抗体フラグメント、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される、[14]に記載の組成物。
[16]
ADAM8の活性阻害剤が、有機低分子、アプタマー、抗体、抗体フラグメント及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、[14]に記載の組成物。
[17]
慢性骨髄性白血病を治療するための組成物であって、
チロシンキナーゼ阻害剤を含み、
ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤と組み合わせて対象に投与される、
組成物。
[18]
ADAM8遺伝子の発現阻害又はADAM8の活性阻害を指標とする、
慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性の低減剤のスクリーニング方法。
[19]
ADAM8遺伝子発現細胞を被験物質と接触させる工程と、
前記細胞におけるADAM8遺伝子の発現量を測定する工程と、
前記工程で測定されたADAM8遺伝子の発現量を、対照の発現量と比較する工程であって、前記対照の発現量は、被験物質と接触させていないADAM8遺伝子発現細胞におけるADAM8遺伝子の発現量である、工程と、
前記対照の発現量と比較して、ADAM8遺伝子の発現量を低下させる被験物質を選択する工程と
を含む、[18]に記載の方法。
[20]
ADAM8遺伝子発現細胞を被験物質と接触させる工程と、
前記細胞におけるADAM8の活性を測定する工程と、
前記工程で測定されたADAM8の活性を、対照の活性と比較する工程であって、前記対照の活性は、被験物質と接触させていないADAM8遺伝子発現細胞におけるADAM8の活性である、工程と、
前記対照の活性と比較して、ADAM8遺伝子の活性を低下させる被験物質を選択する工程と
を含む、[18]に記載の方法。
[21]
ADAM8を被験物質と接触させる工程と、
前記ADAM8の活性を測定する工程と、
前記工程で測定されたADAM8の活性を、対照の活性と比較する工程であって、前記対照の活性は、被験物質と接触させていないADAM8の活性である、工程と、
前記対照の活性と比較して、ADAM8の活性を低下させる被験物質を選択する工程と
を含む、[18]に記載の方法。
[22]
慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性を低減するための方法であって、
チロシンキナーゼ阻害剤耐性の慢性骨髄性白血病を患う対象に、ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤を投与する工程
を含む、方法。
[23]
慢性骨髄性白血病を治療するための方法であって、
慢性骨髄性白血病の治療を必要とする対象に、チロシンキナーゼ阻害剤を、ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤と組み合わせて投与する工程
を含む、方法。
[24]
慢性骨髄性白血病を治療するためのチロシンキナーゼ阻害剤であって、
ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤と組み合わせて対象に投与される、
チロシンキナーゼ阻害剤。
[25]
慢性骨髄性白血病を治療するための組成物を製造するためのチロシンキナーゼ阻害剤の使用であって、
前記組成物は、ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤と組み合わせて対象に投与される、使用。
本発明によれば、従来法よりも高感度にTKI耐性CML細胞を検出でき、かつ単離することができる。また、CMLの診断、CMLのモニタリング、CMLの治療を必要とする患者群の分類及びCMLの再発予測などを効率的に行うことが可能である。また本発明によれば、CMLにおけるTKI耐性を低減することが可能である。
<本発明の検査方法>
第一の態様において、本発明は慢性骨髄性白血病の検査方法であって、対象から得られた試料中の血液細胞におけるADAM8遺伝子の発現を検出する工程を含む、方法に関する。以下で「本発明の検査方法」とも呼ぶ。
第一の態様において、本発明は慢性骨髄性白血病の検査方法であって、対象から得られた試料中の血液細胞におけるADAM8遺伝子の発現を検出する工程を含む、方法に関する。以下で「本発明の検査方法」とも呼ぶ。
本明細書において「検査」とは、慢性骨髄性白血病の評価に必要な情報を得るために、対象から得られた試料中のADAM8遺伝子の発現を検出することを意味する。例えばこの検査結果に基づいて、医師は被験者が慢性骨髄性白血病に罹患しているか否か、慢性骨髄性白血病のTKI治療を継続すべきか否か、あるいはTKI治療中止後に慢性骨髄性白血病が再発するか否かを判定及び/又は診断し、適切な治療方針を決定し得る。すなわち、「検査」は当該医師によってなされる行為とは明確に区別される。また、本明細書における「検査」は、診断補助用途のみならず、イン・ビトロでの試験研究用途も含む。
本明細書における「慢性骨髄性白血病の検査方法」には、慢性骨髄性白血病に罹患しているか否かの診断を補助する方法、慢性骨髄性白血病に対する治療効果のモニタリングを補助する方法、慢性骨髄性白血病に対する治療を必要とする患者の分類を補助する方法、及び慢性骨髄性白血病の再発の予測を補助する方法が含まれる。好ましくは、本発明の検査方法は、慢性骨髄性白血病に対する治療を必要とする患者の分類を補助する方法、又は慢性骨髄性白血病の再発の予測を補助する方法である。
本発明の検査方法が慢性骨髄性白血病に対する治療を必要とする患者の分類を補助する方法である場合、当該患者の分類は、例えば、本発明の検査方法において測定されたADAM8発現細胞の数又はADAM8遺伝子の発現量と基準値とを比較する工程と、ADAM8発現細胞数又はADAM8遺伝子の発現量が基準値より高い場合に(例えば、統計的に有意に高い場合に)、慢性骨髄性白血病の治療が必要な患者であると分類する工程を含む方法によって行うことができる。
また、本発明の検査方法が慢性骨髄性白血病の再発の予測を補助する方法である場合、当該再発の予測は、例えば、本発明の検査方法において測定されたADAM8発現細胞の数又はADAM8遺伝子の発現量と基準値とを比較する工程と、ADAM8発現細胞の数又はADAM8遺伝子の発現量が基準値より高い場合に(例えば、統計的に有意に高い場合に)、慢性骨髄性白血病を再発すると予測する工程を含む方法によって行うことができる。
上記の患者の分類方法及び再発の予測方法における「基準値」は、例えば健常者由来の試料中のADAM8発現細胞の数又は健常者由来の試料中の血液細胞のADAM8遺伝子の発現量に基づいて、又はTKI治療中止後に再発をしていない対象(例えば、TKI治療中止後に少なくとも2年間再発していない対象)由来の試料中のADAM8発現細胞の数又はTKI治療中止後に再発をしていない対象由来の試料中の血液細胞のADAM8遺伝子の発現量に基づいて定めてもよい。また基準値は、複数の対象から得られる試料中のADAM8発現細胞数の平均値又は中央値、あるいは複数の対象から得られる試料中の血液細胞のADAM8遺伝子の発現量の平均値又は中央値であってもよい。
本明細書において「対象」とは、哺乳動物(例えば、ヒト、サル、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シカなど)であれば特に限定されないが、好ましくはヒトである。
本発明の検査方法における「対象から得られた試料」は、血液細胞を含む対象由来の組織及び体液を含む。また当該試料は、対象から得られた細胞をリプログラミングして得られる誘導多能性幹細胞(iPSC)を造血系分化することで得られる血液細胞を含む培養液を含む。本発明の検査方法における試料は、好ましくは対象から得られた末梢血又は骨髄液である。
本明細書において「血液細胞」は、造血幹細胞の前駆細胞、及び造血幹細胞から最終的に末梢血に分化するまでの全ての分化のプロセス上に存在する血液細胞の全ての形態が含まれる。特に限定されないが、例えば白血球(好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球(T細胞及びB細胞)、単球、樹状細胞)、造血細胞、造血幹細胞、造血前駆細胞、末梢血単核球(PBMC)などが挙げられる。
本発明の検査方法における血液細胞は、好ましくはCD34陽性細胞である。本明細書において「CD34陽性」とは、CD(cluster of differentiation)34抗原を細胞表面上に発現していることを意味する。この抗原は造血幹細胞及び造血前駆細胞のマーカーであり、分化するに従って消失する。CD34陽性細胞(集団)は造血幹細胞及び造血前駆細胞をより多く含む細胞集団である。なお、以下で陽性は「+」で表記され得、陰性を「−」で表記され得る。
一実施形態において、本発明の検査方法における血液細胞は、ABL遺伝子の発現量に対するBCR−ABL遺伝子の発現量の比率が0.1%以下である血液細胞であり、好ましくは、ABL遺伝子の発現量に対するBCR−ABL遺伝子の発現量の比率が0.1%以下であるCD34陽性細胞である。
一実施形態において、本発明の検査方法における対象は、チロシンキナーゼ阻害剤を用いた治療を受けている対象である。
本明細書において「チロシンキナーゼ阻害剤」は、受容体型及び/又は非受容体型チロシンキナーゼの選択的もしくは非選択的阻害剤として作用する、全ての治療薬が含まれる。特に限定されないが、例えば、イマチニブ(Imatinib)、ゲフィチニブ(Gefitinib)、エルロチニブ(Erlotinib)、オシメルチニブ(Osimertinib)、アファチニブ(Afatinib)、ダサチニブ(Dasatinib)、ボスチニブ(Bosutinib)、バンデタニブ(Vandetanib)、スニチニブ(Sunitinib)、アキシチニブ(Axitinib)、パゾパニブ(Pazopanib)、レンバチニブ(Lenvatinib)、ラパチニブ(Lapatinib)、ニンテダニブ(Nintedanib)、ニロチニブ(Nilotinib)、イブルチニブ(Ibrutinib)、ポナチニブ(ponatinib)などが挙げられる。好ましくはイマチニブである。
慢性骨髄性白血病の治療効果判定基準として、MMR(major molecular response)が知られている。例えばBCR−ABL評価において、ABL遺伝子の発現量に対するBCR−ABL遺伝子の発現量の比率が0.1%以下となった場合に対象はMMRであると判定される。さらに、BCR−ABL評価においてBCR−ABLが2回連続で検出できなかった場合に、対象はMUL (molecular undetectable leukemia)(又はCMR(complete molecular response)とも呼ぶ)であると判定される。BCR−ABL評価は当業者に公知の方法(例えば非特許文献2に記載の方法)により行われ得る。
一実施形態において、本発明の検査方法における対象は、チロシンキナーゼ阻害剤を用いた治療によってMMR又はMULを達成した対象である。
本明細書において、「検出」は、細胞、mRNA及びタンパク質の存在を定性的又は定量的に決定することをいう。また本明細書において、「測定」は、細胞数、mRNA発現量及び/又はタンパク質発現量を定量的に決定することをいう。
一実施形態において、本発明の検査方法における「ADAM8遺伝子の発現の検出」は、ADAM8遺伝子を発現する細胞を検出すること、及び/又は細胞の数を測定することを含む。そのような検出及び/又は測定は、特に限定されないが、例えばフローサイトメトリーにより行うことができる。
別の実施形態において、本発明の検査方法における「ADAM8遺伝子の発現の検出」は、ADAM8遺伝子から転写されたmRNAを検出すること、及び/又はmRNAの量を測定することを含む。ヒトADAM8由来のmRNA配列を配列番号1として示す。そのような検出及び/又は測定は、特に限定されないが、例えばノーザンブロッティング、逆転写酵素PCR(RT−PCR;例えば定量的RT−PCR)、リアルタイムPCR、in situ ハイブリダイゼーション(例えば、定量的in situハイブリダイゼーション)、マイクロアレイ(例えば、オリゴヌクレオチドアレイ又は遺伝子チップ)を用いた方法などにより行うことができる。
mRNAの量の測定は、当該mRNA(又は当該mRNAに対するcDNA若しくはcRNA)にハイブリダイズするヌクレオチドプローブ又はプライマーの使用により測定することができる。プローブ又はプライマーの塩基長は、10〜50ヌクレオチド、好ましくは15〜25ヌクレオチドである。本発明の検査方法においてRT−PCRを用いてmRNAの量を測定する場合、対象由来試料から抽出されたRNAの逆転写により得られたcDNAを、プライマー(例えば配列番号3及び4で表されるプライマー)を用いて増幅することにより、mRNAの量の測定を行うことができる。
また、別の実施形態において、本発明の検査方法における「ADAM8遺伝子の発現の検出」は、ADAM8遺伝子によってコードされるタンパク質を検出すること、及び/又はタンパク質の量を測定することを含む。ヒトADAM8タンパク質のアミノ酸配列を配列番号2として示す。そのような検出及び/又は測定は、特に限定されないが、例えば当該タンパク質に対する特異性の高いポリクローナル抗体やモノクローナル抗体を用いる免疫化学的方法によって行われ得る。免疫化学的方法には、特に限定されないが、例えばウェスタンプロット法、EIA法、RIA法、化学発光免疫測定法(CLIA法)などが含まれる。なお検出及び/又は測定に用いるための抗体は、既に特異性の確認された市販されている抗体を利用してもよいし、ADAM8の配列情報をもとに標準的な抗体作製法により新たに作製してもよい。
<本発明の単離方法>
第二の態様において、本発明は、対象から得られた試料中の血液細胞から、チロシンキナーゼ阻害剤に対して耐性を有する慢性骨髄性白血病細胞を単離する方法であって、
(1)試料中の血液細胞におけるADAM8遺伝子の発現を検出する工程、及び
(2)工程(1)の検出結果に基づいて、チロシンキナーゼ阻害剤に対して耐性を有する慢性骨髄性白血病細胞を単離する工程
を含む、単離方法に関する。以下で「本発明の単離方法」とも呼ぶ。
第二の態様において、本発明は、対象から得られた試料中の血液細胞から、チロシンキナーゼ阻害剤に対して耐性を有する慢性骨髄性白血病細胞を単離する方法であって、
(1)試料中の血液細胞におけるADAM8遺伝子の発現を検出する工程、及び
(2)工程(1)の検出結果に基づいて、チロシンキナーゼ阻害剤に対して耐性を有する慢性骨髄性白血病細胞を単離する工程
を含む、単離方法に関する。以下で「本発明の単離方法」とも呼ぶ。
本発明の単離方法における「対象」、「試料」、「血液細胞」、及び「ADAM8遺伝子の発現の検出」は、第一の態様で記載したものと同様である。
本明細書において、「チロシンキナーゼ阻害剤に対して耐性を有する慢性骨髄性白血病細胞」(以下で、「TKI耐性CML細胞」とも呼ぶ)は、チロシンキナーゼ阻害剤に対して抵抗性を有し、チロシンキナーゼ阻害剤を投与してもその生存率が有意に低減できない慢性骨髄性白血病細胞のことである。特に限定されないが、例えば、CML患者由来のTKI耐性CD34陽性細胞であり得る。また、CML患者由来のTKI耐性CD34陽性CD38陽性細胞(前駆体細胞集団)及び/又はTKI耐性CD34陽性CD38陰性細胞(幹細胞集団)であり得る。TKI耐性CML細胞は、慢性骨髄性白血病幹細胞(以下で「CML幹細胞」とも呼ぶ)を含み得る。CML幹細胞とは、造血幹細胞の幹細胞性(Stemness)を保持したまま、がん幹細胞化している細胞である。なお本明細書において「TKI耐性CML細胞」には、以下の実施例1で調製されたTKI耐性CML細胞モデルも含まれる。
一実施形態において、本発明の単離方法は、試料中の血液細胞に含まれるADAM8遺伝子を発現している細胞数を測定し、当該細胞数が基準値より高い場合に(例えば、統計的に有意に高い場合に)、当該細胞を単離することを含む。また別の実施形態において、本発明の単離方法は、試料中の血液細胞のADAM8遺伝子の発現量を測定し、当該遺伝子の発現量が基準値より高い場合に(例えば、統計的に有意に高い場合に)、当該細胞を単離することを含む。基準値は、第一の態様で記載したものと同様である。
本発明の方法において、細胞の単離工程は当業者にとって公知の細胞単離法が使用される。特に限定されないが、例えば、ADAM8タンパク質に対する抗体を用いるフローサイトメトリーによって細胞を単離する方法(FACS)、あるいは抗体を担持させた磁気ビーズを用いて、細胞を磁石で捕集及び単離する方法(MACS)などによって行われる。
<キット>
第三の態様において、本発明は、ADAM8遺伝子から転写されたmRNA又はADAM8遺伝子によってコードされるタンパク質の検出薬を含む、慢性骨髄性白血病の検査用キットに関する。当該キットは、例えば本発明の検査方法及び本発明の単離方法において使用される。
第三の態様において、本発明は、ADAM8遺伝子から転写されたmRNA又はADAM8遺伝子によってコードされるタンパク質の検出薬を含む、慢性骨髄性白血病の検査用キットに関する。当該キットは、例えば本発明の検査方法及び本発明の単離方法において使用される。
検出対象がADAM8遺伝子から転写されたmRNAである場合、本発明のキットは、検出薬として、PCRに用いるためのプライマー及びPCR反応に必要な試薬類を含ませることができる。あるいは、ノーザンブロッティングに用いるためのプローブとして、mRNAに対するcDNA、cRNA又はそれらの一部が含まれても良い。例えば検出薬は、配列番号3及び4に示されるプライマーであり得る。
検出対象がADAM8遺伝子によってコードされるタンパク質である場合、本発明のキットは、本発明の検査用キットに含まれる「検出薬」として、免疫化学的方法に用いるための特異的一次抗体、二次抗体、二次抗体に結合した酵素の検出試薬などを含ませることができる。例えば検出薬は、本実施例で使用された、Miltenyi Biotec社製のヒトADAM8用抗体であり得る。
<TKI耐性の低減用組成物>
第四の態様において、本発明は、ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤を含む、慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性を低減するための組成物に関する。以下で、「本発明のTKI耐性の低減用組成物」とも呼ぶ。ここで「慢性骨髄性白血病(CML)におけるチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)耐性の低減」とは、TKI耐性のCML細胞を有する対象において、当該TKI耐性を部分的に低減させるか、又は当該耐性を完全に解消させることを意味する。
第四の態様において、本発明は、ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤を含む、慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性を低減するための組成物に関する。以下で、「本発明のTKI耐性の低減用組成物」とも呼ぶ。ここで「慢性骨髄性白血病(CML)におけるチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)耐性の低減」とは、TKI耐性のCML細胞を有する対象において、当該TKI耐性を部分的に低減させるか、又は当該耐性を完全に解消させることを意味する。
本発明のTKI耐性の低減用組成物の効果は、TKI耐性CML細胞(例えば上記第二の態様の方法に従って単離される細胞や、以下の実施例1で調製されるTKI耐性CML細胞モデル)を、本発明のTKI耐性の低減用組成物で処理した後にTKIで処理した場合の細胞生存率と、対照の細胞生存率とを比較した場合に、対照と比較して細胞生存率が低い(例えば統計的に有意に低い)という点から確認できる。ここで対照の細胞生存率は、TKI耐性CML細胞を、本発明のTKI耐性の低減用組成物で処理せずに、チロシンキナーゼ阻害剤で処理した場合の細胞生存率である。
(ADAM8の活性阻害剤)
本明細書において「ADAM8の活性阻害剤」は、直接的及び/又は間接的にADAM8タンパク質の活性(例えばメタロプロテアーゼ活性、ディスインテグリン活性)を阻害する、又は有意に抑制する生物学的効果を示す、天然の、又は合成された化合物を意味する。ADAM8の活性阻害剤とは、例えば、有機低分子、アプタマー、抗体、抗体フラグメント及びそれらの組み合わせであってもよい。好ましくは抗体又は抗体フラグメントである。
本明細書において「ADAM8の活性阻害剤」は、直接的及び/又は間接的にADAM8タンパク質の活性(例えばメタロプロテアーゼ活性、ディスインテグリン活性)を阻害する、又は有意に抑制する生物学的効果を示す、天然の、又は合成された化合物を意味する。ADAM8の活性阻害剤とは、例えば、有機低分子、アプタマー、抗体、抗体フラグメント及びそれらの組み合わせであってもよい。好ましくは抗体又は抗体フラグメントである。
本明細書において「有機低分子」は、医薬品で一般的に使用される有機分子と同程度の大きさの分子のことである。本発明において用いることができるADAM8の活性阻害剤としての有機低分子の大きさは、好ましくは、約5000Da以下、より好ましくは約2000Da以下、最も好ましくは約1000Da以下の範囲である。ADAM8の活性阻害剤として使用できる有機低分子としては、例えばGM6001((2R)-N4-Hydroxy-N1-[(1S)-2-(1H-indol-3-ylmethyl)-2-(methylamino)-2-oxoethyl]-2-(2-methylpropyl)butanediamide;CAS番号142880-36-2;分子量388.47)が挙げられる。
本明細書において「アプタマー」は、特異的に標的物質に結合する能力を持つ合成DNA又はRNA分子及びペプチド性分子をいい、試験管内において化学的に短時間で合成することができる。本発明に用いられるアプタマーは、ADAM8タンパク質に結合し、ADAM8タンパク質の活性を阻害し得るものである。本発明に用いられるアプタマーは、例えば、SELEX法を用い、小分子、タンパク質、核酸など各種の分子標的への結合を、イン・ビトロで反復して選択することにより得ることができる(Tuerk C.,Gold L.,Science,1990,249(4968),505−510;Ellington AD,Szostak JW.,Nature,1990,346(6287):818−822;米国特許第6,867,289号明細書;米国特許第5,567,588号明細書;米国特許第6,699,843号明細書を参照)。
本明細書において「抗体又は抗体フラグメント」は、ADAM8タンパク質に結合し、ADAM8活性を阻害するものであれば、ヒト由来抗体、マウス由来抗体、ラット由来抗体、ウサギ由来抗体及びヤギ由来抗体などのいずれの抗体でもよく、さらにそれらのポリクローナル若しくはモノクローナル抗体、完全型若しくは短縮型(例えば、F(ab’)2、Fab’、FabまたはFvフラグメント)抗体、キメラ化抗体、ヒト化抗体又は完全ヒト型抗体のいずれのものでもよい。本明細書において「抗体フラグメント」は、F(ab’)2、Fab’、Fab又はscFv抗体フラグメントのことであり、抗体をプロテアーゼ酵素により処理し、場合により還元することによって得ることができる。
本発明に用いることができる抗体又は抗体フラグメントは、ADAM8タンパク質又はその一部を抗原として、公知の抗体又は抗血清の製造法に従って製造することができる。ADAM8タンパク質又はその一部は、公知のタンパク質発現法及び精製法によって調製することができる。ADAM8タンパク質としては、例えば配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるヒトADAM8などが挙げられるが、これに限定されるものではない。種々の生物由来のADAM8タンパク質を免疫原として好適に用いることができる。これらのアミノ酸配列は公知のデータベース(Protein Data Bankなど)から容易に取得することができる。また、本発明に用いることができる抗体又は抗体フラグメントは、ファージ・ディスプレー法(例えば、FEBS Letter,1998年,第441巻,p.20−24を参照)を介して作製することもできる。
(ADAM8遺伝子の発現阻害剤)
本明細書において「ADAM8遺伝子の発現阻害剤」は、直接的及び/又は間接的にADAM8遺伝子の発現を阻害する、又は有意に抑制する生物学的効果を有する天然の、又は合成された化合物を意味する。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、RNAi誘導性核酸、マイクロRNA(miRNA)、リボザイム、ゲノム編集核酸及びそれらの発現ベクター、有機低分子、アプタマー、抗体、抗体フラグメント、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、siRNA、shRNA又はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
本明細書において「ADAM8遺伝子の発現阻害剤」は、直接的及び/又は間接的にADAM8遺伝子の発現を阻害する、又は有意に抑制する生物学的効果を有する天然の、又は合成された化合物を意味する。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、RNAi誘導性核酸、マイクロRNA(miRNA)、リボザイム、ゲノム編集核酸及びそれらの発現ベクター、有機低分子、アプタマー、抗体、抗体フラグメント、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、siRNA、shRNA又はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
本明細書において「アンチセンスオリゴヌクレオチド」とは、メッセンジャーRNA(mRNA)など、ある機能を持つRNA(センスRNA)と相補的な塩基配列(例えば5〜100個の塩基配列)を持ち、センスRNAと2本鎖を形成することで、そのセンスRNAが担うべきタンパク質の合成を阻害する機能を有するDNA又はRNAである。本発明において、アンチセンスRNA又はDNA分子を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ADAM8のmRNAに結合することによってタンパク質に翻訳されることを阻害する。それにより、ADAM8タンパク質の発現量を低下させることができる。またアンチセンスオリゴヌクレオチドは、機能に支障がない限り修飾されたものであってもよい。アンチセンスオリゴヌクレオチドを合成する方法は、当該技術分野で周知であり、例えば、市販のDNA合成装置によって容易に合成することができる。標的となるmRNAの配列は、例えば配列番号1に示されるヒトADAM8由来のmRNAの塩基配列であるが、これに限定されるものではない。種々の生物のADAM8由来のmRNAの塩基配列は、公知のデータベース(GenBank等)から容易に取得することができる。
本明細書において「RNAi誘導性核酸」は、細胞内に導入されることにより、RNA干渉(RNAi)を誘導し得るポリヌクレオチドをいい、通常、19〜30ヌクレオチド、好ましくは19〜25ヌクレオチド、より好ましくは19〜23ヌクレオチドを含むRNA、DNA、又はRNAとDNAのキメラ分子であってよく、任意の修飾が施されていてもよい。RNAiは、mRNAに対して生じてもよいし、プロセッシング前の転写直後のRNA、すなわちエキソン、イントロン、3’非翻訳領域、及び5’非翻訳領域を含むヌクレオチド配列のRNAであってもよい。本発明で使用可能なRNAi法は、(1)短い二重鎖RNA(siRNA)を細胞内に直接導入するか、(2)低分子ヘアピンRNA(shRNA)を各種発現ベクターに組み込み、そのベクターを細胞内に導入するか、或いは(3)対立方向に並ぶ2個のプロモーターを持つベクターに、siRNAに対応する短い二重鎖DNAをプロモーター間に挿入してsiRNAを発現させるベクターを作製し、細胞内に導入する、などの手法によりRNAiを誘導させてもよい。RNAi誘導性核酸は、ADAM8のmRNAの切断又はその機能抑制を可能にするsiRNA、shRNA又はmiRNAを含んでもよく、これらのRNAi誘導性核酸は、リポソームなどを用いて直接導入されてもよいし、これらのRNAi核酸を誘導する発現ベクターを用いて導入されてもよい。標的となるRNAの配列は、例えば配列番号1に示されるヒトADAM8由来のmRNAの塩基配列であるが、これに限定されるものではない。種々の生物のADAM8由来のmRNAの塩基配列は、公知のデータベース(GenBank等)から容易に取得することができる。
本発明で用いられるADAM8に対するRNAi誘導性核酸は、RNAi誘導性核酸の標的となるADAM8のRNA配列に基づいて、周知の化学合成技術を用いて合成することができる。例えば、固相ホスホアミダイト法などのDNA合成技術を利用したDNA(/RNA)自動合成装置を使用して化学的に合成するか、或いは、siRNA関連の受託合成会社(例えばLife Technologies社など)に委託して合成することも可能である。本発明の実施形態によれば、本発明に用いられるsiRNAは、その前駆体であるshort−hairpin型二本鎖RNA(shRNA)から、細胞内RNaseであるダイサー(Dicer)によるプロセシングを介して誘導されてもよい。本発明において使用されるRNAi誘導性核酸は、例えば配列番号45〜47のshRNAである。
本明細書において「マイクロRNA(miRNA)」は、21〜25塩基長の1本鎖RNA分子であり、真核生物において遺伝子の転写後発現調節に関与する。miRNAは、一般にmRNAの3’UTRを認識して、標的mRNAの翻訳を抑制し、タンパク質産生を抑制する。従って、ADAM8遺伝子の発現量を直接的及び/又は間接的に低減させることができるmiRNAも、本発明の範囲に含まれる。
本明細書において「リボザイム」は、RNAの特異的切断を触媒することができる酵素的RNA分子の総称である。リボザイムには種々の活性を有するものが存在するが、中でもRNAを切断する酵素としてのリボザイムに焦点を当てた研究により、RNAを部位特異的に切断するリボザイムの設計が可能となった。リボザイムには、グループIイントロン型やRNase Pに含まれるM1 RNAのように400ヌクレオチド以上の大きさのものもあるが、ハンマーヘッド型やヘアピン型と呼ばれる40ヌクレオチド程度の活性ドメインを有するものもある。リボザイムを用いてADAM8遺伝子の転写産物を特異的に切断することで、ADAM8遺伝子の発現を阻害することができる。
本明細書において「ゲノム編集核酸」とは、遺伝子ターゲッティングに用いられるヌクレアーゼを利用したシステムにおいて、所望の遺伝子を編集するために用いられる核酸のことである。遺伝子ターゲッティングに用いられるヌクレアーゼは、公知のヌクレアーゼの他、今後遺伝子ターゲッティングのために使用される新たなヌクレアーゼも包含される。例えば、公知のヌクレアーゼとしては、CRISPR/Cas9(Ran,F.A.,et al.,Cell,2013,154,1380−1389)、TALEN(Mahfouz,M.,et al.,PNAS,2011,108,2623−2628)、ZFN(Urnov,F.,et al.,Nature,2005,435,646−651)などが挙げられる。
CRISPR/Cas9システムは、DNAの任意の部位に二本鎖切断を導入することを可能とする。CRISPR/Cas9システムを用いるためには、少なくとも、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM配列)、ガイドRNA(gRNA)、Casタンパク質(Cas,Cas9)の3つの要素を必要とする。
PAM配列(5’−NGG)に隣接する標的部位に相補的な配列を形成するようにgRNAを設計し、所望の細胞にCasタンパク質と共に導入する。導入されたgRNAとCasタンパク質は複合体を形成する。gRNAがゲノム上の標的配列に結合し、Casタンパク質がそのヌクレアーゼ活性によって標的のゲノムDNAの二重鎖を切断する。
その後、ヌクレアーゼによる二本鎖切断を受けた細胞では、相同組換え型修復(Homology Directed Repair(HDR))、又は非相同性末端結合修復(non−homologous end joining(NHEJ))が生じる。当該細胞内に適切なDNA断片(例えば、HDR修復用鋳型)が存在する場合には、相同組換えが生じ、任意のゲノムにおいて欠失、挿入、破壊などの改変を行うことができる。HDR修復用鋳型が存在しない場合は、NHEJの過程で数塩基の欠失又は追加が生じる場合がある。これにより、タンパク質をコードする領域においてフレームシフトが生じ、タンパク質の読み取り枠が崩壊したり、未成熟な終止コドンが導入され、結果として、所望のタンパク質をノックアウトすることが可能となる。
本発明で用いられるゲノム編集核酸は、ADAM8遺伝子をターゲティングするgRNAであってもよく、該gRNAを発現するベクターであってもよい。他の実施態様において、ゲノム編集核酸は、さらに、遺伝子ターゲッティングに用いられるヌクレアーゼを発現する核酸を含んでもよい。gRNAと遺伝子ターゲッティングに用いられるヌクレアーゼ(好ましくは、Casタンパク質)は、同一のベクターにコードされたものであってもよく、別々にコードされたベクターを用いてもよい。他の実施態様において、ゲノム編集核酸は、さらに、HDR修復用鋳型核酸を含んでも良い。ゲノム編集核酸は、プラスミドベクターであってもよく、ウイルスベクターであってもよい。ゲノム編集核酸によって、任意の細胞に導入する方法については、公知の方法を用いることができ、特に限定されない。
ADAM8遺伝子の発現阻害剤は、上述のアンチセンスオリゴヌクレオチド、RNAi誘導性核酸、マイクロRNA(miRNA)、リボザイム又はゲノム編集核酸が任意のベクターにコードされた発現ベクターとして提供されてもよい。本発明において、ADAM8遺伝子の発現阻害剤を発現させるために使用されるベクターは特に限定されず、公知のものを適宜選択可能である。例えば、プラスミドベクター、コスミドベクター、フォスミドベクター、ウイルスベクター、人工染色体ベクターなどが挙げられる。ADAM8発現の阻害剤をベクターに導入する方法は、公知の遺伝子組換え技術を用いて導入することが可能であり、特に限定されない。
(製剤化)
本発明のTKI耐性の低減用組成物は、ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤を有効成分とし、薬学的に許容される担体または添加剤を適宜配合して製剤化することができる。具体的には錠剤、被覆錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳剤等の経口剤;注射剤、輸液、坐剤、軟膏、パッチ剤等の非経口剤とすることができる。担体または添加剤の配合割合については、医薬品分野において通常採用されている範囲に基づいて適宜設定すればよい。配合できる担体または添加剤は特に制限されないが、例えば、水、生理食塩水、その他の水性溶媒、水性または油性基剤等の各種担体;賦形剤、結合剤、pH調整剤、崩壊剤、吸収促進剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、香料等の各種添加剤が挙げられる。
本発明のTKI耐性の低減用組成物は、ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤を有効成分とし、薬学的に許容される担体または添加剤を適宜配合して製剤化することができる。具体的には錠剤、被覆錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳剤等の経口剤;注射剤、輸液、坐剤、軟膏、パッチ剤等の非経口剤とすることができる。担体または添加剤の配合割合については、医薬品分野において通常採用されている範囲に基づいて適宜設定すればよい。配合できる担体または添加剤は特に制限されないが、例えば、水、生理食塩水、その他の水性溶媒、水性または油性基剤等の各種担体;賦形剤、結合剤、pH調整剤、崩壊剤、吸収促進剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、香料等の各種添加剤が挙げられる。
(投与対象)
本発明のTKI耐性の低減用組成物の投与対象は、ヒト又は非ヒト哺乳動物である。非ヒト哺乳動物としては具体的には、サル、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シカなどが挙げられる。好ましくは、投与対象はヒトであり、より好ましくはCMLを患うヒト患者であって、より好ましくはTKI耐性のCML細胞を有するヒト患者である。また、本発明のTKI耐性の低減用組成物は、イン・ビトロでヒト又は非ヒト哺乳動物の細胞に対して使用することもできる。
本発明のTKI耐性の低減用組成物の投与対象は、ヒト又は非ヒト哺乳動物である。非ヒト哺乳動物としては具体的には、サル、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シカなどが挙げられる。好ましくは、投与対象はヒトであり、より好ましくはCMLを患うヒト患者であって、より好ましくはTKI耐性のCML細胞を有するヒト患者である。また、本発明のTKI耐性の低減用組成物は、イン・ビトロでヒト又は非ヒト哺乳動物の細胞に対して使用することもできる。
(投与経路及び投与量)
本発明のTKI耐性の低減用組成物の投与経路は、経口及び非経口投与のいずれでもよい。非経口投与としては具体的には、注射投与、経鼻投与、経肺投与、経皮投与などが挙げられる。注射投与としては、例えば、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などが挙げられる。例えば注射投与によって当該組成物を全身または局部的に投与できる。また、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。投与量としては、例えば、一回の投与につき体重1kgあたり0.0001mg〜1,000mgの範囲で、有効成分であるADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤の投与量が選択できる。あるいは、例えば、患者あたり0.001mg/body〜100,000mg/bodyの範囲で上記有効成分の投与量が選択され得る。しかしながら、本発明のTKI耐性の低減用組成物の投与量は、これらに制限されるものではない。
本発明のTKI耐性の低減用組成物の投与経路は、経口及び非経口投与のいずれでもよい。非経口投与としては具体的には、注射投与、経鼻投与、経肺投与、経皮投与などが挙げられる。注射投与としては、例えば、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などが挙げられる。例えば注射投与によって当該組成物を全身または局部的に投与できる。また、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。投与量としては、例えば、一回の投与につき体重1kgあたり0.0001mg〜1,000mgの範囲で、有効成分であるADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤の投与量が選択できる。あるいは、例えば、患者あたり0.001mg/body〜100,000mg/bodyの範囲で上記有効成分の投与量が選択され得る。しかしながら、本発明のTKI耐性の低減用組成物の投与量は、これらに制限されるものではない。
<CMLの治療用組成物>
第五の態様において、本発明は、慢性骨髄性白血病を治療するための組成物であって、チロシンキナーゼ阻害剤を含み、ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤と組み合わせて対象に投与される、組成物に関する。以下で「本発明のCMLの治療用組成物」とも呼ぶ。
第五の態様において、本発明は、慢性骨髄性白血病を治療するための組成物であって、チロシンキナーゼ阻害剤を含み、ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤と組み合わせて対象に投与される、組成物に関する。以下で「本発明のCMLの治療用組成物」とも呼ぶ。
ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤を、慢性骨髄性白血病を患う対象に投与することによって、チロシンキナーゼ阻害剤に対する耐性が低減される。その結果、チロシンキナーゼ阻害剤をより有効に対象に作用させることができる。また、チロシンキナーゼ阻害剤の効果を増強することができる。
本発明のCMLの治療用組成物において、「組み合わせて対象に投与」とは、対象へのADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤の投与前に、当該阻害剤の投与後に、あるいは当該阻害剤の投与と同時に、本発明のCMLの治療用組成物を投与することを意味する。好ましくは、対象へのADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤の投与後に、本発明のCMLの治療用組成物を投与する。
本発明のCMLの治療用組成物と組み合わせて投与される「ADAM8遺伝子の発現阻害剤」及び「ADAM8の活性阻害剤」、ならびに本発明のCMLの治療用組成物の「製剤化」及び「投与経路」は、第四の態様で記載したものと同様である。
本発明のCMLの治療用組成物における投与対象は、ヒト又は非ヒト哺乳動物である。非ヒト哺乳動物としては具体的には、サル、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シカなどが挙げられる。好ましくは、投与対象はヒトであり、より好ましくはCMLを患うヒト患者であって、より好ましくはTKI耐性のCML細胞を有するヒト患者である。
本発明のCMLの治療用組成物の投与量としては、例えば、一回の投与につき体重1kgあたり0.0001mg〜1,000mgの範囲で、有効成分であるチロシンキナーゼ阻害剤の投与量が選択できる。あるいは、例えば、患者あたり0.001mg/body〜100,000mg/bodyの範囲で有効成分であるチロシンキナーゼ阻害剤の投与量が選択され得る。しかしながら、本発明のCMLの治療用組成物の投与量は、これらに制限されるものではない。
<スクリーニング方法>
第六の態様において、本発明は、ADAM8遺伝子の発現阻害又はADAM8の活性阻害を指標とする、慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性の低減剤のスクリーニング方法に関する。以下で「本発明のスクリーング方法」とも呼ぶ。
第六の態様において、本発明は、ADAM8遺伝子の発現阻害又はADAM8の活性阻害を指標とする、慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性の低減剤のスクリーニング方法に関する。以下で「本発明のスクリーング方法」とも呼ぶ。
(ADAM8遺伝子発現細胞を用いる方法)
本発明のスクリーング方法は、
ADAM8遺伝子発現細胞を被験物質と接触させる工程と、
前記細胞におけるADAM8遺伝子の発現量又はADAM8の活性を測定する工程と、
前記工程で測定されたADAM8遺伝子の発現量又はADAM8の活性を、対照の発現量又は対照の活性と比較する工程であって、前記対照の発現量は、被験物質と接触させていないADAM8遺伝子発現細胞におけるADAM8遺伝子の発現量であり、前記対照の活性は、被験物質と接触させていないADAM8遺伝子発現細胞におけるADAM8の活性である、工程と、
前記対照の発現量又は対照の活性と比較して、ADAM8遺伝子の発現量又はADAM8の活性を低下させる被験物質を選択する工程と
を含む、方法によって行われてもよい。
本発明のスクリーング方法は、
ADAM8遺伝子発現細胞を被験物質と接触させる工程と、
前記細胞におけるADAM8遺伝子の発現量又はADAM8の活性を測定する工程と、
前記工程で測定されたADAM8遺伝子の発現量又はADAM8の活性を、対照の発現量又は対照の活性と比較する工程であって、前記対照の発現量は、被験物質と接触させていないADAM8遺伝子発現細胞におけるADAM8遺伝子の発現量であり、前記対照の活性は、被験物質と接触させていないADAM8遺伝子発現細胞におけるADAM8の活性である、工程と、
前記対照の発現量又は対照の活性と比較して、ADAM8遺伝子の発現量又はADAM8の活性を低下させる被験物質を選択する工程と
を含む、方法によって行われてもよい。
上記方法において使用されるADAM8遺伝子発現細胞は、本発明のスクリーニングに使用できる限り特に限定されないが、例えば、第二の態様で単離されるTKI耐性CML細胞であってもよい。また、以下の実施例1で調製されるTKI耐性CML細胞モデルであってもよい。
上記の方法におけるADAM8遺伝子発現細胞と被験物質との接触時間及び接触温度は、特に限定されず、適宜選択すればよい。
また、上記の方法におけるADAM8遺伝子の発現量は、第一の態様に記載された方法に従って測定することができる。
上記の方法におけるADAM8の活性の評価は、特に限定されないが、例えばADAM8タンパク質のメタロプロテアーゼ活性を評価することによって行うことができる。ADAM8タンパク質が、メタロプロテアーゼ活性によりCD23タンパク質を分解することが知られている。例えば、ADAM8遺伝子発現細胞にCD23タンパク質を同時に発現させ、分解されたCD23タンパク質の量を測定することで、ADAM8タンパク質の活性を測定できる。(例えば、U. Schlomann et al, “ADAM8 as a drug target in pancreatic cancer”, Nature communications, 6, 6175 (2015)を参照)。
被験物質と接触させたADAM8遺伝子発現細胞におけるADAM8遺伝子の発現量と対照の発現量を比較して、対照よりも発現量が低下する場合(例えば、統計的に有意に低下する場合)、被験物質が慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性の低減剤であると判定して、これを選択すればよい。好ましくは、被験物質と接触させたADAM8遺伝子発現細胞におけるADAM8遺伝子の発現量が、対照の発現量の90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、又は50%以下である場合に、当該被験物質が慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性の低減剤であると判定して、これを選択する。
あるいは、被験物質と接触させたADAM8遺伝子発現細胞におけるADAM8の活性と対照の活性を比較して、対照よりも活性が低下する場合(例えば、統計的に有意に低下する場合)、被験物質が慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性の低減剤であると判定して、これを選択すればよい。好ましくは、被験物質と接触させたADAM8遺伝子発現細胞におけるADAM8の活性が、対照の活性の90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、又は50%以下である場合に、当該被験物質が慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性の低減剤であると判定して、これを選択する。
(ADAM8タンパク質を用いる方法)
また本発明のスクリーング方法は、
ADAM8を被験物質と接触させる工程と、
前記ADAM8の活性を測定する工程と、
前記工程で測定されたADAM8の活性を、対照の活性と比較する工程であって、前記対照の活性は、被験物質と接触させていないADAM8の活性である、工程と、
前記対照の活性と比較して、ADAM8の活性を低下させる被験物質を選択する工程と
を含む、方法によって行われても良い。
また本発明のスクリーング方法は、
ADAM8を被験物質と接触させる工程と、
前記ADAM8の活性を測定する工程と、
前記工程で測定されたADAM8の活性を、対照の活性と比較する工程であって、前記対照の活性は、被験物質と接触させていないADAM8の活性である、工程と、
前記対照の活性と比較して、ADAM8の活性を低下させる被験物質を選択する工程と
を含む、方法によって行われても良い。
上記のADAM8タンパク質を用いる方法におけるADAM8タンパク質と被験物質との接触時間及び接触温度は、特に限定されず、適宜選択すればよい。
上記のADAM8タンパク質を用いる方法におけるADAM8タンパク質の活性の評価は、特に限定されないが、例えばADAM8タンパク質のメタロプロテアーゼ活性を評価することによって行うことができる。例えば、ADAM8タンパク質とCD23タンパク質を混在させて至適条件とした後、分解されたCD23タンパク質の量を測定することでADAM8タンパク質の活性を測定できる。また例えば、ADAM8タンパク質のディスインテグリン活性を評価することによってADAM8タンパク質の活性の評価を行うことができる(例えば、Fourie, A. M. et al., “Catalytic activity of ADAM8, ADAM15, and MDC-L (ADAM28) on synthetic peptide substrates and in ectodomain cleavage of CD23”, J. Biol. Chem. 278, 30469-30477 (2003)を参照)。
被験物質と接触させたADAM8の活性を対照の活性と比較して、対照よりも発現量が低下する場合(例えば統計的に有意に低下する場合)、被験物質が慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性の低減剤であると判定して、これを選択すればよい。好ましくは、被験物質と接触させたADAM8の活性が、対照の活性の90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、又は50%以下である場合に、当該被験物質が慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性の低減剤であると判定して、これを選択する。
本発明のスクリーング方法は、TKI耐性CML細胞を、選択された被験物質で処理した後、チロシンキナーゼ阻害剤で処理し、耐性が低減されるか否かを確認する工程をさらに含んでも良い。当該工程で使用されるTKI耐性CML細胞は、例えば本発明の第二の態様の方法に従って単離される細胞であってもよいし、以下の実施例1で調製されるTKI耐性CML細胞モデルであってもよい。耐性の低減の確認方法は特に限定されないが、例えば、TKI耐性CML細胞を、選択された被験物質で処理した後、チロシンキナーゼ阻害剤で処理した場合の細胞生存率と、対照の細胞生存率とを比較し、対照と比較して細胞生存率が低い場合(例えば統計的に有意に低い場合)、好ましくは、細胞生存率が対照の90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、又は50%以下である場合に、選択された被験物質が慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性の低減剤であると確認できる。ここで対照の細胞生存率は、TKI耐性CML細胞を、選択された被験物質で処理せずに、チロシンキナーゼ阻害剤で処理した場合の細胞生存率である。
本明細書において言及される全ての文献はその全体が引用により本明細書に取り込まれる。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。本発明の趣旨を逸脱しないことを条件として、本発明の変更、例えば、本発明の構成要件の追加、削除及び置換を行うことができる。
以下に示す実施例を参照して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
患者試料
本実施例で使用した全ての患者の骨髄由来の一次試料 (primary sample)は、インフォームドコンセントの後に得られた。ヒト細胞を用いる全ての実施例は、東京大学の施設審査委員会(IRB)により審査され、そして承認された。G−バンド染色体分析に基づいてt(9;22)(q34;q11)染色体転座のみを決定する、CML−CP患者の試料が選択された。単核細胞(MNC)を、Ficoll勾配遠心分離により単離した。各実施例で使用した患者試料の詳細を以下に示す。
本実施例で使用した全ての患者の骨髄由来の一次試料 (primary sample)は、インフォームドコンセントの後に得られた。ヒト細胞を用いる全ての実施例は、東京大学の施設審査委員会(IRB)により審査され、そして承認された。G−バンド染色体分析に基づいてt(9;22)(q34;q11)染色体転座のみを決定する、CML−CP患者の試料が選択された。単核細胞(MNC)を、Ficoll勾配遠心分離により単離した。各実施例で使用した患者試料の詳細を以下に示す。
RNA抽出、RT−PCR、リアルタイム定量PCR、1ステップ定量RT−PCR分析
RNAeasy試薬(QIAGEN)による全RNAの抽出の後、逆転写をReverTra Ace qPCR RT Master Mix (TOYOBO社)により行った。PCRのために使用したプライマー配列を以下に示す。リアルタイム定量PCRを、THUNDERBIRD SYBR qPCR Mixを備えたABI−7000配列検出システムにおいて、製造業者の説明書(TOYOBO社)に従って実施した。各アッセイは三回反復して行われた。内在性コントロールとして18S rRNA及びβ−アクチンを使用した。
RNAeasy試薬(QIAGEN)による全RNAの抽出の後、逆転写をReverTra Ace qPCR RT Master Mix (TOYOBO社)により行った。PCRのために使用したプライマー配列を以下に示す。リアルタイム定量PCRを、THUNDERBIRD SYBR qPCR Mixを備えたABI−7000配列検出システムにおいて、製造業者の説明書(TOYOBO社)に従って実施した。各アッセイは三回反復して行われた。内在性コントロールとして18S rRNA及びβ−アクチンを使用した。
フローサイトメトリー(FCM)
iPSC由来の造血細胞及び白血病患者由来の一次サンプルからの各細胞画分の単離は、FACSAria II及びFACSAria IIIセルソーター(BD Biosciences社)を用いて実施された。FlowJo(TreeStar,Ashland,OR,USA)を用いてデータ分析した。抗体として以下のものを使用した。
iPSC由来の造血細胞及び白血病患者由来の一次サンプルからの各細胞画分の単離は、FACSAria II及びFACSAria IIIセルソーター(BD Biosciences社)を用いて実施された。FlowJo(TreeStar,Ashland,OR,USA)を用いてデータ分析した。抗体として以下のものを使用した。
実施例で用いた各種試薬は、特に記載の無い限り市販品を使用した。
実施例1
TKI耐性CML細胞のモデルの調製
CML−CP患者の一次サンプルは、TKI耐性を有するCML幹細胞を分析するために最も効果的なモデルの1つである。しかし、一次サンプルから得られるCML幹細胞の量は少量かつ不均一であるため、新規マーカーの効率的探索が困難である。この問題を解消するために、CML−CP患者の骨髄から得られた細胞をリプログラミングして、遺伝子挿入のないiPSCを調製した。その後当該iPSCの造血系分化を誘導し、TKI耐性CML細胞のモデルの調製を行った。
TKI耐性CML細胞のモデルの調製
CML−CP患者の一次サンプルは、TKI耐性を有するCML幹細胞を分析するために最も効果的なモデルの1つである。しかし、一次サンプルから得られるCML幹細胞の量は少量かつ不均一であるため、新規マーカーの効率的探索が困難である。この問題を解消するために、CML−CP患者の骨髄から得られた細胞をリプログラミングして、遺伝子挿入のないiPSCを調製した。その後当該iPSCの造血系分化を誘導し、TKI耐性CML細胞のモデルの調製を行った。
(1)CML−CP患者のCD34+細胞からのiPSC(誘導多能性幹細胞)細胞の調製
Kumano, K. et al., Blood 119, 6234-42 (2012) に記載された方法に従ってCML−CP患者由来の細胞からiPSCを調製した。CML−CPであると新たに診断された2人の患者の骨髄試料から精製されたCD34+細胞を、文献に記載された通りに、20%ウシ胎児血清(FCS)、幹細胞因子(SCF)、Fms様チロシンキナーゼ3リガンド(Flt3L)、インターロイキン(IL)−3、IL−6及びトロンボポエチン(TPO)を補足したα−MEM培地中で2日間増殖させた。pCXLE−hOCT3/4−shp53−F、pCXLE−hSK、pCXLE−hUL及びpCXWB−EBNA1を含むプラスミド混合物を、文献に記載の通りに、2×105個のCD34+細胞中にエレクトロポレーションした。その後、当該CD34+細胞をマウス胚線維芽細胞と共に20〜30日間培養することで、CML−CP患者由来の胚性幹細胞(ES)様コロニーを得た。幹細胞遺伝子及びBCR−ABLの発現がRT−PCRにより確認された(図1)。例外として、一人の患者由来のiPSC(CML Pt2 iPSCs No.3)は、BCR−ABLを発現せず、正常なiPSCであった。CML−CP患者由来であって、BCR−ABLを発現しているiPSC(図1のCML Pt1 iPSCs No.3及び5、並びにCML Pt2 iPSCs No.4)を以下で「CML−iPSC]」と呼ぶ。なお、上記と同様の方法を用いて、健常者由来の細胞をリプログラミングしてiPSCを調製した。得られたiPSCを以下で「正常iPSC (normal iPSC)」とも呼ぶ。本実験のスキームを図2に示す。
Kumano, K. et al., Blood 119, 6234-42 (2012) に記載された方法に従ってCML−CP患者由来の細胞からiPSCを調製した。CML−CPであると新たに診断された2人の患者の骨髄試料から精製されたCD34+細胞を、文献に記載された通りに、20%ウシ胎児血清(FCS)、幹細胞因子(SCF)、Fms様チロシンキナーゼ3リガンド(Flt3L)、インターロイキン(IL)−3、IL−6及びトロンボポエチン(TPO)を補足したα−MEM培地中で2日間増殖させた。pCXLE−hOCT3/4−shp53−F、pCXLE−hSK、pCXLE−hUL及びpCXWB−EBNA1を含むプラスミド混合物を、文献に記載の通りに、2×105個のCD34+細胞中にエレクトロポレーションした。その後、当該CD34+細胞をマウス胚線維芽細胞と共に20〜30日間培養することで、CML−CP患者由来の胚性幹細胞(ES)様コロニーを得た。幹細胞遺伝子及びBCR−ABLの発現がRT−PCRにより確認された(図1)。例外として、一人の患者由来のiPSC(CML Pt2 iPSCs No.3)は、BCR−ABLを発現せず、正常なiPSCであった。CML−CP患者由来であって、BCR−ABLを発現しているiPSC(図1のCML Pt1 iPSCs No.3及び5、並びにCML Pt2 iPSCs No.4)を以下で「CML−iPSC]」と呼ぶ。なお、上記と同様の方法を用いて、健常者由来の細胞をリプログラミングしてiPSCを調製した。得られたiPSCを以下で「正常iPSC (normal iPSC)」とも呼ぶ。本実験のスキームを図2に示す。
(2)iPSCの造血系分化
CML−iPSCの造血系分化 (hematopoietic differentiation)を、Takayama, N. et al., J. Exp. Med. 207, 2817-30 (2010)に従って行った。iPSCのクラスターを、マイトマイシンCで処理されたC3H10T1/2細胞上に移し、20ng/mlのヒト血管内皮成長因子(VEGF)の存在下にて造血系分化用培地中で共培養した。当該培地は、10mg/mlのヒトインスリン、5.5mg/mlのヒトトランスフェリン、5ng/mlの亜セレン酸ナトリウム、2mmol/LのL−グルタミン、0.45mmol/Lのモノチオグリセロール、50mg/mlのアスコルビン酸、及び15%の高度にろ過されたウシ胎児血清(FBS)のカクテルを含むイスコブ変法ダルベッコ培地から成る。培養開始4、7、10、12、14及び16日目に培地を交換した。17〜18日間の培養後、ピペット端で押しつぶされたiPSC嚢を、セルストレーナーでろ過した。CD43+造血細胞(HC)から、CD34+/CD45−であるプレ造血前駆体細胞(pre-hematopietic progenitor cells)(以下で「CML−プレ−HPC」とも呼ぶ)及びCD34−/CD45+である分化細胞 (differentiated cells)(以下で「CML−DC」とも呼ぶ)を、フローサイトメトリーにより単離した。同様にして、正常iPSCを分化誘導して、プレ−HPC及びDCを調製した(それぞれ以下で「正常−プレ−HPC」及び「正常−DC」と呼ぶ)。
CML−iPSCの造血系分化 (hematopoietic differentiation)を、Takayama, N. et al., J. Exp. Med. 207, 2817-30 (2010)に従って行った。iPSCのクラスターを、マイトマイシンCで処理されたC3H10T1/2細胞上に移し、20ng/mlのヒト血管内皮成長因子(VEGF)の存在下にて造血系分化用培地中で共培養した。当該培地は、10mg/mlのヒトインスリン、5.5mg/mlのヒトトランスフェリン、5ng/mlの亜セレン酸ナトリウム、2mmol/LのL−グルタミン、0.45mmol/Lのモノチオグリセロール、50mg/mlのアスコルビン酸、及び15%の高度にろ過されたウシ胎児血清(FBS)のカクテルを含むイスコブ変法ダルベッコ培地から成る。培養開始4、7、10、12、14及び16日目に培地を交換した。17〜18日間の培養後、ピペット端で押しつぶされたiPSC嚢を、セルストレーナーでろ過した。CD43+造血細胞(HC)から、CD34+/CD45−であるプレ造血前駆体細胞(pre-hematopietic progenitor cells)(以下で「CML−プレ−HPC」とも呼ぶ)及びCD34−/CD45+である分化細胞 (differentiated cells)(以下で「CML−DC」とも呼ぶ)を、フローサイトメトリーにより単離した。同様にして、正常iPSCを分化誘導して、プレ−HPC及びDCを調製した(それぞれ以下で「正常−プレ−HPC」及び「正常−DC」と呼ぶ)。
(3)細胞増殖アッセイ
Kumano, K. et al., Blood 119, 6234-42 (2012)に記載の方法に従って細胞増殖アッセイを行った。iPSC由来の5000個のプレ−HPC及びDCを、チロシンキナーゼ阻害剤であるイマチニブ(2.5M)の存在又は非存在下で、100ng/mlのSCF、10ng/mlのTPO、100ng/mlのFlt3L、10ng/mlのIL3及び100ng/mlのIL6で補足された20%FCSを含むα−MEM中で培養した。各アッセイを2回反復して行った。イマチニブ非存在下及び存在下での結果をそれぞれ図3及び4に示す。
Kumano, K. et al., Blood 119, 6234-42 (2012)に記載の方法に従って細胞増殖アッセイを行った。iPSC由来の5000個のプレ−HPC及びDCを、チロシンキナーゼ阻害剤であるイマチニブ(2.5M)の存在又は非存在下で、100ng/mlのSCF、10ng/mlのTPO、100ng/mlのFlt3L、10ng/mlのIL3及び100ng/mlのIL6で補足された20%FCSを含むα−MEM中で培養した。各アッセイを2回反復して行った。イマチニブ非存在下及び存在下での結果をそれぞれ図3及び4に示す。
CML−プレ−HPCは、正常−プレ−HPCと比較して、高い細胞増殖を示した(図3)。また、イマチニブ存在下であってもCML−プレ−HPCは増殖を続けた。一方、イマチニブ存在下ではCML−DCの細胞数は減少した(図4)。
(4)アポトーシスアッセイ
上記(2)の造血系分化工程において、工程開始16日目に、5μMのイマチニブを含む又は含まない培地に培地交換することで、アポトーシスアッセイを行った。培地交換後、48時間経過後の結果を図5に示す。CML−プレ−HPCはイマチニブを添加されてもアポトーシスを誘発されなかった。(3)及び(4)の結果は、CML−プレ−HPCがCML疾患の表現型を再現するのみならず、CML幹細胞の主要な特徴である、イマチニブに対する耐性を有することを示唆している。
上記(2)の造血系分化工程において、工程開始16日目に、5μMのイマチニブを含む又は含まない培地に培地交換することで、アポトーシスアッセイを行った。培地交換後、48時間経過後の結果を図5に示す。CML−プレ−HPCはイマチニブを添加されてもアポトーシスを誘発されなかった。(3)及び(4)の結果は、CML−プレ−HPCがCML疾患の表現型を再現するのみならず、CML幹細胞の主要な特徴である、イマチニブに対する耐性を有することを示唆している。
(5)マイクロアレイ分析
遺伝子発現分析を、SurePrint G3 Human GE 8x60K v2 Microarray (Agilent社)を用いて実施した。また、Gene Expression Omnibus (GEO) データベース(GEO GSE40721)からのヒト試料にに基づく、公開された遺伝子発現マイクロアレイデータを分析した。生データの標準化及びクラスタリング分析を、CLC Genomics Workbenchを用いて実施した。プレ−HPC及びDCの発現プロファイルを比較するために、精選された遺伝子セットを用いる遺伝子セットエンリッチメント解析(GSEA)に関して、標準化されたデータを試験した。CML−DCと比較してCML−プレ−HPCにおいて高い発現レベルを有する遺伝子をスクリーニングするために、個々の遺伝子の発現を、グループ間で比較した。独立スチューデントt検定 (unpaired Student’s t-test)(P<0.05)により、CML−DCと比較して、CML−プレ−HPCにおいて発現が増大した遺伝子を選択した。
遺伝子発現分析を、SurePrint G3 Human GE 8x60K v2 Microarray (Agilent社)を用いて実施した。また、Gene Expression Omnibus (GEO) データベース(GEO GSE40721)からのヒト試料にに基づく、公開された遺伝子発現マイクロアレイデータを分析した。生データの標準化及びクラスタリング分析を、CLC Genomics Workbenchを用いて実施した。プレ−HPC及びDCの発現プロファイルを比較するために、精選された遺伝子セットを用いる遺伝子セットエンリッチメント解析(GSEA)に関して、標準化されたデータを試験した。CML−DCと比較してCML−プレ−HPCにおいて高い発現レベルを有する遺伝子をスクリーニングするために、個々の遺伝子の発現を、グループ間で比較した。独立スチューデントt検定 (unpaired Student’s t-test)(P<0.05)により、CML−DCと比較して、CML−プレ−HPCにおいて発現が増大した遺伝子を選択した。
イマチニブが存在しない条件下での、CML−DCと比較されるCML−プレ−HPCに関するGSEAによって、3267個の精選された遺伝子セットから以下の23個の遺伝子セットが濃縮された(偽発見率 q値<0.05)。これらは、p53の不活性化によって上方制御される遺伝子及びNUP98−HOXA9の標的遺伝子を含む。いずれの遺伝子も、CMLのTKI耐性に関与することが知られている。
(6)CML−プレ−HPCのTKI抵抗性の評価
イマチニブ耐性に関与する遺伝子の候補として、イマチニブ処理によりCML−プレ−HPC中で発現レベルが増大した166個の遺伝子を選択した。当該166個のうち、イマチニブ抵抗性に関与する遺伝子として報告されているIK1RL1が最も高い発現レベルを示した。IK1RL1と、NUP98−HOXA9の標的であるMEIS1の両方の発現量をリアルタイム定量RT−PCRによって評価した。結果を図6に示す。この結果は、CML−プレ−HPCがTKI抵抗性のCML幹細胞のモデルとして利用できることを示している。
イマチニブ耐性に関与する遺伝子の候補として、イマチニブ処理によりCML−プレ−HPC中で発現レベルが増大した166個の遺伝子を選択した。当該166個のうち、イマチニブ抵抗性に関与する遺伝子として報告されているIK1RL1が最も高い発現レベルを示した。IK1RL1と、NUP98−HOXA9の標的であるMEIS1の両方の発現量をリアルタイム定量RT−PCRによって評価した。結果を図6に示す。この結果は、CML−プレ−HPCがTKI抵抗性のCML幹細胞のモデルとして利用できることを示している。
実施例2
TKI耐性CML細胞に対するマーカーとしてのADAM8の同定
CML患者の公開されたアレイデータ(GSE40721)中のCML幹細胞に関する分析に基づいて、上記の166個の候補遺伝子から6個の遺伝子(CYTH4、PTMA、OLFM2、ADAM8、POGK、PCKDK)を選択した。当該6個の遺伝子は、TKI感受性CML前駆体細胞画分(CD34+/CD38+)よりも、TKI抵抗性CML幹細胞画分(CD34+/CD38−)において発現レベルが向上した遺伝子である。リアルタイム定量RT−PCRによって当該6個の遺伝子の発現量を確認した。当該6個の遺伝子の1つであるADAM8のRNA発現量の評価結果を図7に示す。細胞生存性アッセイの結果、ADAM8陽性のCML−プレ−HPC細胞は、ADAM8陰性のCML−プレ−HPC細胞と比較してTKI抵抗性を示した(図8)。この結果は、ADAM8がTKI耐性CML細胞の優れたバイオマーカーであることを示している。
TKI耐性CML細胞に対するマーカーとしてのADAM8の同定
CML患者の公開されたアレイデータ(GSE40721)中のCML幹細胞に関する分析に基づいて、上記の166個の候補遺伝子から6個の遺伝子(CYTH4、PTMA、OLFM2、ADAM8、POGK、PCKDK)を選択した。当該6個の遺伝子は、TKI感受性CML前駆体細胞画分(CD34+/CD38+)よりも、TKI抵抗性CML幹細胞画分(CD34+/CD38−)において発現レベルが向上した遺伝子である。リアルタイム定量RT−PCRによって当該6個の遺伝子の発現量を確認した。当該6個の遺伝子の1つであるADAM8のRNA発現量の評価結果を図7に示す。細胞生存性アッセイの結果、ADAM8陽性のCML−プレ−HPC細胞は、ADAM8陰性のCML−プレ−HPC細胞と比較してTKI抵抗性を示した(図8)。この結果は、ADAM8がTKI耐性CML細胞の優れたバイオマーカーであることを示している。
実施例3
CML−CPであると新たに診断された患者の一次試料を用いた試験
(1)CD34+ADAM8+細胞画分の評価
CML−CP患者においてADAM8がTKI耐性CML細胞のマーカーとして機能することを確認するために、CML−CPであると新たに診断された患者の一次試料の蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)によって精製されたCD34+ADAM8+細胞画分を評価した(図9)。
CML−CPであると新たに診断された患者の一次試料を用いた試験
(1)CD34+ADAM8+細胞画分の評価
CML−CP患者においてADAM8がTKI耐性CML細胞のマーカーとして機能することを確認するために、CML−CPであると新たに診断された患者の一次試料の蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)によって精製されたCD34+ADAM8+細胞画分を評価した(図9)。
CML−CP患者の骨髄試料中におけるCD34+幹細胞/前駆体細胞画分は、NHL(正常対照)患者由来の試料中のCD34+幹細胞/前駆体細胞画分及び他の悪性血液疾患患者由来の試料中のCD34+幹細胞/前駆体細胞画と比較して、ADAM8+細胞が豊富に存在することがFCM分析により示された(図10)。
(2)CD34+ADAM8+細胞画分及びCD34+ADAM8−細胞画分の細胞生存性アッセイ及びアポトーシスアッセイ
細胞生存性アッセイ及びアポトーシスアッセイを、Ma, L. et al., Sci. Transl. Med. 6, 252ral21(2014)に記載された方法に従って行った。精製されたCML−CP試料を、イマチニブの存在又は非存在下で、100ng/mlのSCF、100ng/mlの顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、20ng/mlのFL3L、20ng/mlのIL3、及び20ng/mlのIL6で補足された20%FCSを含むα−MEM中で培養した。イマチニブの曝露から48時間後、製造業者のプロトコルに従って、アネキシン−V及び4,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール用抗体によって細胞を染色した。得られた結果を図11及び12に示す。
細胞生存性アッセイ及びアポトーシスアッセイを、Ma, L. et al., Sci. Transl. Med. 6, 252ral21(2014)に記載された方法に従って行った。精製されたCML−CP試料を、イマチニブの存在又は非存在下で、100ng/mlのSCF、100ng/mlの顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、20ng/mlのFL3L、20ng/mlのIL3、及び20ng/mlのIL6で補足された20%FCSを含むα−MEM中で培養した。イマチニブの曝露から48時間後、製造業者のプロトコルに従って、アネキシン−V及び4,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール用抗体によって細胞を染色した。得られた結果を図11及び12に示す。
CML−CP患者におけるADAM8+CML細胞は、ADAM8−CML細胞と比較してイマチニブ耐性を示した(図11)。また、イマチニブによって誘導されるアポトーシスは、ADAM8−CML細胞と比較してADAM8+CML細胞において抑制された(図12)。
(3)CD34+CD38+ADAM8+細胞画分及びCD34+CD38−ADAM8+細胞画分の評価
CD34+CD38+細胞画分(前駆体画分)及びCD34+CD38−細胞画分(幹細胞画分)中のADAM8+細胞の頻度を測定した。結果を図13に示す。CD34+CD38+前駆体画分においては、ADAM8+細胞の頻度は、NHL患者(n=3)及び他の血液悪性腫瘍患者(AML;n=1、ALL:n=1、MDS:n=1、CMML:n=3)よりも、CML−CP患者(n=18)において、有意に高かった。
CD34+CD38+細胞画分(前駆体画分)及びCD34+CD38−細胞画分(幹細胞画分)中のADAM8+細胞の頻度を測定した。結果を図13に示す。CD34+CD38+前駆体画分においては、ADAM8+細胞の頻度は、NHL患者(n=3)及び他の血液悪性腫瘍患者(AML;n=1、ALL:n=1、MDS:n=1、CMML:n=3)よりも、CML−CP患者(n=18)において、有意に高かった。
(4)CD34+CD38+ADAM8+細胞画分及びCD34+CD38+ADAM8−細胞画分の細胞生存性アッセイ
CD34+CD38+細胞画分(前駆体細胞画分)から、FACSによりADAM8+細胞画分とADAM8−細胞画分を分離した(図14)。上記(2)と同様にして、CD34+CD38+ADAM8+細胞画分及びCD34+CD38+ADAM8−細胞画分を用いて細胞生存性アッセイ及びアポトーシスアッセイを実施した。結果を図15に及び16に示す。
CD34+CD38+細胞画分(前駆体細胞画分)から、FACSによりADAM8+細胞画分とADAM8−細胞画分を分離した(図14)。上記(2)と同様にして、CD34+CD38+ADAM8+細胞画分及びCD34+CD38+ADAM8−細胞画分を用いて細胞生存性アッセイ及びアポトーシスアッセイを実施した。結果を図15に及び16に示す。
TKI感受性として知られているCD34+/CD38+前駆体細胞においてでさえ、ADAM8+細胞は、ADAM8−細胞と比較してTKI耐性を示した。このことはまた、ADAM8がTKI耐性CML細胞の有用なバイオマーカーであることを示している。
実施例4
TKI治療によってMMR及びMULとなった患者の試料を用いた試験
TKI治療によってMMR(major molecular response)(n=2)及びMUL(molecular undetectable leukemia)(n=1)を達成した患者から得られた試料を限界希釈アッセイによって評価した。
TKI治療によってMMR及びMULとなった患者の試料を用いた試験
TKI治療によってMMR(major molecular response)(n=2)及びMUL(molecular undetectable leukemia)(n=1)を達成した患者から得られた試料を限界希釈アッセイによって評価した。
FACSにより分離したCD34+CD38+ADAM8+細胞画分から、96ウェルプレート上に300細胞/ウェル、100細胞/ウェル、33細胞/ウェル及び11細胞/ウェルとなるように希釈系列を8つ作成した。また、CD34+CD38+ADAM8−細胞画分から、96ウェルプレート上に900細胞/ウェル、300細胞/ウェル、100細胞/ウェル及び33細胞/ウェルとなるように希釈系列を8つ作成した。その後各ウェルにおいて、BCR−ABLに関して1ステップRT−PCRをChu, S. et al., Blood. 2011 Nov 17; 118(20):5565-72に記載された方法に従って行い、BCR−ABL発現細胞の絶対頻度をHu, Y et al., J Immunol Methods. 347, 70-8 (2009)に従って計算した。結果を図17に示す。
MMRのCML患者において、BCR−ABL+細胞の細胞頻度は、CD34+/CD38+/ADAM8−細胞画分と比較してCD34+/CD38+/ADAM8+細胞画分において高かった。BCR−ABL+細胞の細胞頻度は、CD34+/CD38+/ADAM8+細胞画分とCD34+/CD38−細胞画分とでは同程度であった。MULの患者において、ADAM8+細胞画分ではBCR−ABL+細胞が検出された。一方、CD34+/CD38+/ADAM8−細胞画分ではBCR−ABL+細胞は検出されなかった。これらの知見は、TKIに対して良好な応答を示すCML−CP患者中に存在する、TKI耐性である残存CML細胞のバイオマーカーとしてADAM8が使用できることを示している。
実施例5
ADAM8遺伝子の発現阻害の効果
(1)shRNAによる、ADAM8遺伝子の発現阻害の評価
HL60AML細胞株をADAM8_shRNA_1(配列番号45)、ADAM8_shRNA_2(配列番号46)及びADAM8_shRNA_3(配列番号47)で処理した場合における、細胞中のADAM8遺伝子から転写されたmRNAの量を測定した。なお、ADAM8_shRNA_1、ADAM8_shRNA_2及びADAM8_shRNA_3の標的配列は、それぞれ配列番号49、50及び51である。具体的には、HEK293細胞株に、shRNAをコードするDNAを組み込んだpLKO.1−puro−CMV−tGFP(Sigma Aldrich Japan)を、pMISSION GAG POL (Sigma Aldrich Japan)及びpMISSION VSV-G (Sigma Aldrich Japan)と共に導入し、shRNAを発現するレンチウイルスを得た。得られたレンチウイルスをHL60に感染させ、1μg/mlのピューロマイシンを用いて72時間選択し、選択された細胞のADAM8遺伝子の発現を解析した。結果を図18に示す。なお、ADAM8ではない遺伝子を標的とするnon−target_shRNA(配列番号48、標的配列は配列番号52)を使用した場合(図中の「non−target」)のADAM8遺伝子の発現量を1とした。ADAM8_shRNA_1〜3は、ADAM8をノックダウンできることが確認された。
ADAM8遺伝子の発現阻害の効果
(1)shRNAによる、ADAM8遺伝子の発現阻害の評価
HL60AML細胞株をADAM8_shRNA_1(配列番号45)、ADAM8_shRNA_2(配列番号46)及びADAM8_shRNA_3(配列番号47)で処理した場合における、細胞中のADAM8遺伝子から転写されたmRNAの量を測定した。なお、ADAM8_shRNA_1、ADAM8_shRNA_2及びADAM8_shRNA_3の標的配列は、それぞれ配列番号49、50及び51である。具体的には、HEK293細胞株に、shRNAをコードするDNAを組み込んだpLKO.1−puro−CMV−tGFP(Sigma Aldrich Japan)を、pMISSION GAG POL (Sigma Aldrich Japan)及びpMISSION VSV-G (Sigma Aldrich Japan)と共に導入し、shRNAを発現するレンチウイルスを得た。得られたレンチウイルスをHL60に感染させ、1μg/mlのピューロマイシンを用いて72時間選択し、選択された細胞のADAM8遺伝子の発現を解析した。結果を図18に示す。なお、ADAM8ではない遺伝子を標的とするnon−target_shRNA(配列番号48、標的配列は配列番号52)を使用した場合(図中の「non−target」)のADAM8遺伝子の発現量を1とした。ADAM8_shRNA_1〜3は、ADAM8をノックダウンできることが確認された。
(2)CD34+ADAM8+細胞を用いた細胞生存性アッセイ
上記(1)で得られたshRNAを発現するレンチウイルスを、CML−CP23由来のCD34+ADAM8+細胞に感染させた。2.5μg/mlのピューロマイシンで60時間処理してピューロマイシン耐性細胞を選択した。得られた細胞に対して、イマチニブ非存在下および1.0μMイマチニブ存在下にて、細胞生存性アッセイを実施例3(2)と同様の方法で行った。結果を図19に示す。ADAM8遺伝子の発現を阻害することにより、TKI耐性が低減されることが示された。
上記(1)で得られたshRNAを発現するレンチウイルスを、CML−CP23由来のCD34+ADAM8+細胞に感染させた。2.5μg/mlのピューロマイシンで60時間処理してピューロマイシン耐性細胞を選択した。得られた細胞に対して、イマチニブ非存在下および1.0μMイマチニブ存在下にて、細胞生存性アッセイを実施例3(2)と同様の方法で行った。結果を図19に示す。ADAM8遺伝子の発現を阻害することにより、TKI耐性が低減されることが示された。
実施例6
ADAM8の活性阻害の効果
(1)ADAM8の活性阻害剤がCD34+ADAM8+細胞及びCD34+ADAM8−細胞に与える影響の評価
CD34+ADAM8+細胞及びCD34+ADAM8−細胞を用いて、GM6001(Merck Millipore社)の非存在下および特定の濃度(2.5μM、5μM、20μM)のGM6001存在下で、細胞生存性アッセイを行った。細胞生存性アッセイは、イマチニブの代わりにGM6001を使用すること以外は実施例3(2)と同様の方法で行った。結果を図20に示す。GM6001は、CD34+ADAM8+細胞及びCD34+ADAM8−細胞のいずれの細胞生存性にも2.5μMの濃度では影響を及ぼさないことが確認された。
ADAM8の活性阻害の効果
(1)ADAM8の活性阻害剤がCD34+ADAM8+細胞及びCD34+ADAM8−細胞に与える影響の評価
CD34+ADAM8+細胞及びCD34+ADAM8−細胞を用いて、GM6001(Merck Millipore社)の非存在下および特定の濃度(2.5μM、5μM、20μM)のGM6001存在下で、細胞生存性アッセイを行った。細胞生存性アッセイは、イマチニブの代わりにGM6001を使用すること以外は実施例3(2)と同様の方法で行った。結果を図20に示す。GM6001は、CD34+ADAM8+細胞及びCD34+ADAM8−細胞のいずれの細胞生存性にも2.5μMの濃度では影響を及ぼさないことが確認された。
CD34+ADAM8+細胞及びCD34+ADAM8−細胞を用いて、イマチニブ及びGM6001の非存在下、1.0μMイマチニブ存在下、あるいは、1.0μMイマチニブ及び2.5μMのGM6001存在下で、細胞生存性アッセイを行った。イマチニブ及びGM6001の非存在下、並びに1.0μMイマチニブ存在下での細胞生存性アッセイは、実施例3(2)と同様の方法で行った。1.0μMイマチニブ及び2.5μMのGM6001存在下での細胞生存性アッセイは、イマチニブに加えてGM6001を使用すること以外は実施例3(2)と同様の方法で行った。結果を図21及び22に示す。ADAM8の活性を阻害することにより、TKI耐性が低減されることが示された。
本発明は、チロシンキナーゼ阻害剤耐性の慢性骨髄性白血病細胞を高感度に検出し、かつ単離するために好適に利用することができる。また本発明によって、慢性骨髄性白血病の診断、慢性骨髄性白血病のモニタリング、慢性骨髄性白血病の治療を必要とする患者群の分類、慢性骨髄性白血病の再発予測などを効率的に行うことが可能である。また本発明によって、CMLにおけるTKI耐性を低減することが可能である。
Claims (21)
- 慢性骨髄性白血病の検査方法であって、対象から得られた試料中の血液細胞におけるADAM8遺伝子の発現を検出する工程を含む、方法。
- 前記対象は、チロシンキナーゼ阻害剤を用いた治療を受けている対象である、請求項1に記載の方法。
- 前記対象は、チロシンキナーゼ阻害剤を用いた治療によってMMR (major molecular response)又はMUL (molecular undetectable leukemia) を達成した対象である、請求項1又は2に記載の方法。
- 慢性骨髄性白血病に対する治療を必要とする患者の分類を補助する方法である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 慢性骨髄性白血病の再発の予測を補助する方法である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- チロシンキナーゼ阻害剤が、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、アファチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ラパチニブ、ニンテダニブ、ニロチニブ、イブルチニブ及びポナチニブから成る群から選択される、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記試料は末梢血又は骨髄液である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記血液細胞はCD34陽性細胞である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- ADAM8遺伝子の発現の検出は、ADAM8遺伝子を発現する細胞の数を測定することを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- ADAM8遺伝子の発現の検出は、ADAM8遺伝子から転写されたmRNAの量を測定することを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- ADAM8遺伝子の発現の検出は、ADAM8遺伝子によってコードされるタンパク質の量を測定することを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 対象から得られた試料中の血液細胞から、チロシンキナーゼ阻害剤に対して耐性を有する慢性骨髄性白血病細胞を単離する方法であって、
(1)試料中の血液細胞におけるADAM8遺伝子の発現を検出する工程、及び
(2)工程(1)の検出結果に基づいて、チロシンキナーゼ阻害剤に対して耐性を有する慢性骨髄性白血病細胞を単離する工程
を含む、方法。 - ADAM8遺伝子から転写されたmRNA又はADAM8遺伝子によってコードされるタンパク質の検出薬を含む、慢性骨髄性白血病の検査用キット。
- ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤を含む、慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性を低減するための組成物。
- ADAM8遺伝子の発現阻害剤が、アンチセンスオリゴヌクレオチド、RNAi誘導性核酸、マイクロRNA(miRNA)、リボザイム、ゲノム編集核酸及びそれらの発現ベクター、有機低分子、アプタマー、抗体、抗体フラグメント、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14に記載の組成物。
- ADAM8の活性阻害剤が、有機低分子、アプタマー、抗体、抗体フラグメント及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14に記載の組成物。
- 慢性骨髄性白血病を治療するための組成物であって、
チロシンキナーゼ阻害剤を含み、
ADAM8遺伝子の発現阻害剤又はADAM8の活性阻害剤と組み合わせて対象に投与される、
組成物。 - ADAM8遺伝子の発現阻害又はADAM8の活性阻害を指標とする、
慢性骨髄性白血病におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性の低減剤のスクリーニング方法。 - ADAM8遺伝子発現細胞を被験物質と接触させる工程と、
前記細胞におけるADAM8遺伝子の発現量を測定する工程と、
前記工程で測定されたADAM8遺伝子の発現量を、対照の発現量と比較する工程であって、前記対照の発現量は、被験物質と接触させていないADAM8遺伝子発現細胞におけるADAM8遺伝子の発現量である、工程と、
前記対照の発現量と比較して、ADAM8遺伝子の発現量を低下させる被験物質を選択する工程と
を含む、請求項18に記載の方法。 - ADAM8遺伝子発現細胞を被験物質と接触させる工程と、
前記細胞におけるADAM8の活性を測定する工程と、
前記工程で測定されたADAM8の活性を、対照の活性と比較する工程であって、前記対照の活性は、被験物質と接触させていないADAM8遺伝子発現細胞におけるADAM8の活性である、工程と、
前記対照の活性と比較して、ADAM8遺伝子の活性を低下させる被験物質を選択する工程と
を含む、請求項18に記載の方法。 - ADAM8を被験物質と接触させる工程と、
前記ADAM8の活性を測定する工程と、
前記工程で測定されたADAM8の活性を、対照の活性と比較する工程であって、前記対照の活性は、被験物質と接触させていないADAM8の活性である、工程と、
前記対照の活性と比較して、ADAM8の活性を低下させる被験物質を選択する工程と
を含む、請求項18に記載の方法。
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| JP2025509203A (ja) * | 2022-03-03 | 2025-04-11 | ソウル ナショナル ユニヴァーシティ アール アンド ディービー ファウンデーション | Fam167aを含むbcr-abl非依存性チロシンキナーゼ阻害剤耐性を診断するためのバイオマーカーおよびfam167aをターゲットとする慢性骨髄性白血病の予防または治療用組成物 |
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