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JP2013253065A - 慢性骨髄性白血病治療剤及びそのスクリーニング方法 - Google Patents

慢性骨髄性白血病治療剤及びそのスクリーニング方法 Download PDF

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JP2013253065A JP2012131328A JP2012131328A JP2013253065A JP 2013253065 A JP2013253065 A JP 2013253065A JP 2012131328 A JP2012131328 A JP 2012131328A JP 2012131328 A JP2012131328 A JP 2012131328A JP 2013253065 A JP2013253065 A JP 2013253065A
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Abstract

【課題】慢性骨髄性白血病幹細胞の維持に関与する新規シグナル伝達経路を明らかにし、当該シグナルを選択的に阻害することにより、TGF-β阻害薬よりも安全かつ有効なCML幹細胞除去薬、TKI抵抗性抑制薬ならびにマルチキナーゼ阻害薬抵抗性抑制薬を提供すること。これによって、再発CML及びPh+ALLの治療薬とCML及びPh+ALLの再発予防薬を提供すること。
【解決手段】TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬を含有してなる、慢性骨髄性白血病治療剤。チロシンキナーゼ阻害薬またはマルチキナーゼ阻害薬と組み合わせてなる、上記治療剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、慢性骨髄性白血病(以下、「CML」ともいう)治療剤及びそのスクリーニング方法に関する。より詳細には、本発明は、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬を含有してなるCML治療剤、特にCML幹細胞除去剤、チロシンキナーゼ阻害薬抵抗性抑制剤およびマルチキナーゼ阻害薬抵抗性抑制剤;TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬をチロシンキナーゼ阻害薬またはマルチキナーゼ阻害薬と組み合わせてなるCML治療剤;特に、再発CML治療剤、CMLとフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(以下、「Ph+ALL」ともいう)の再発予防剤並びにTGF-β-Smadシグナルの阻害活性又はSmad2/3/4の発現阻害活性を指標とした、CML治療薬、特にCML幹細胞除去薬、チロシンキナーゼ阻害薬およびマルチキナーゼ阻害薬抵抗性抑制薬のスクリーニング方法に関する。
慢性骨髄性白血病(CML)は、造血幹細胞を発症起源とする骨髄増殖性疾患であり、数年の慢性期の後、移行期を経て重篤な病態を呈する急性転化期へと進行する。CMLの治療においては、慢性期に徹底した治療を行って急性転化期への移行を防ぐことが重要となる。CML患者ではフィラデルフィア染色体とよばれる染色体転座t(9;22)(q34;q22)がみられ、この転座により、恒常的に活性化されたチロシンキナーゼBCR-ABL融合蛋白質を発現することが、CMLの発症の原因として知られている。BCR-ABLチロシンキナーゼは細胞内基質や自己をリン酸化し、細胞増殖、形質転換、アポトーシス抑制に関わる様々な細胞内シグナル伝達を活性化することにより、CML発症に深く関与する。
CMLの治療薬としてABLに対するチロシンキナーゼ阻害薬(以下、「TKI」ともいう)メシル酸イマチニブ(以下、「イマチニブ」ともいう)が開発され、CML患者の治療成績を著しく改善した。イマチニブは、チロシンキナーゼのATP結合部位に競合的に結合し、基質リン酸化に続くシグナル伝達を阻害することにより、細胞増殖を抑制し、アポトーシスを誘導してCML細胞を選択的に傷害する。このイマチニブや、さらに治療効果の高い、第二世代TKIのニロチニブ、ダサチニブがCML患者の治療に用いられている。
しかし、イマチニブなどのTKI治療後のCML患者において、TKIが効かなくなったCMLやフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)の発症を伴う治療抵抗性の再発が臨床上の重大な問題となっている。近年、この再発のメカニズムとして、TKI治療後もこれらの白血病細胞の増殖源となるCML幹細胞が残存し、CMLやPh+ALLの再発を引き起こすことが明らかとなった。さらに、この残存したCML幹細胞では、TKIで治療することができないT315I(イマチニブ結合部位である315番目のスレオニン残基がイソロイシンに置換されている)に代表されるBCR-ABLの点突然変異体が発生し、TKIによるCML患者の治療をいっそう困難としている。したがって、CMLを根治するためには、CML幹細胞を根絶する治療方法の開発が必要とされている。
ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬やヘッジホッグシグナル阻害薬がCML幹細胞を抑制できることが報告され、TKIとの併用によるCML治療が提案されている(特許文献1、2)。
本発明者らは、以前、フォークヘッド転写因子FOXOがCML幹細胞の維持やTKI抵抗性に必須な役割を担っていることを発見した(特許文献3)。即ち、分化したCML細胞では、ABLチロシンキナーゼによりPI3K-Aktシグナルが活性化され、活性化したAktはFOXOをリン酸化して細胞核から細胞質へ排出し、FOXOの転写活性を抑制している。これに対し、CML幹細胞では、BCR-ABLが発現しているにもかかわらず、がん微小環境(ニッチ細胞)由来のTGF-βシグナルによりAktが抑制されるため、FOXOは活性化されて多くが細胞核に局在する。FOXOが細胞核に存在するCML幹細胞は細胞増殖能が低く、細胞周期がG0期に維持されている。FOXOノックアウトマウス由来のCML幹細胞は、野生型マウス由来のCML幹細胞と比較してCML幹細胞の長期間の維持とTKI抵抗性が低下しており、FOXOがCML幹細胞の自己複製能の維持とTKI抵抗性に重要な役割を担っていることが証明された。
本発明者らは、CMLを発症したマウスにTGF-β阻害薬を投与することにより、FOXOを抑制しイマチニブ抵抗性のCML幹細胞を抑制できることを世界にさきがけて報告した(特許文献3)。さらに、慢性期のCML患者由来のCML幹細胞でも、TGF-β阻害薬によるイマチニブ抵抗性のCML幹細胞の抑制効果が確認されている(非特許文献1)。従って、TGF-β-FOXOシグナルは、CML幹細胞を根絶する新しい治療薬のターゲットとして期待される。
しかしながら、非選択的なTGF-β阻害薬の使用は、FOXOシグナル以外のTGF-βシグナリングの下流を不要に阻害して副作用の要因となるおそれがある。また、FOXOシグナル以外のTGF-βシグナリングがCML幹細胞の維持に関与しているとの報告はない。
特開2004-43390号公報 特表2010-536775号公報 特開2010-281656号公報
Moller, G.M. et al., FEBS Lett., 581:1329-1334 (2007)
本発明の目的は、CML幹細胞の維持に関与する新規シグナル伝達経路を明らかにし、当該シグナルを選択的に阻害することにより、TGF-β阻害薬よりも安全かつ有効なCML幹細胞除去薬、TKI抵抗性抑制薬を提供することである。また、TKIとの併用により、分化したCML細胞とCML幹細胞とを同時に排除し得る、寛解後の再発やTKI抵抗性獲得のリスクの低減されたCMLの治療手段を提供することである。また、T315Iに代表されるTKIが効かなくなった変異型BCR-ABLを発現するCML患者に対して、第三世代マルチキナーゼ阻害薬とCML幹細胞除去薬を併用することで、CML及びPh+ALLの再発予防並びに治療手段を提供することである。さらに本発明の別の目的は、CML幹細胞の維持に関与する新規シグナル伝達経路の阻害活性を指標とする、新規CML治療薬のスクリーニング方法を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、細胞増殖、発生、分化、幹細胞制御などの多様な生命現象を司るサイトカインシグナルであるTGF-β-Smadシグナルに着目した。TGF-βが結合するとTGF-βI型及びII型受容体がヘテロ4量体を形成し、セリン・スレオニンキナーゼが活性化される。Smad2/3は活性化されたTGF-β受容体によってリン酸化され、Smad4とともに核内に移行して様々な標的遺伝子の転写調節を行う。多くの上皮系の早期癌においてTGF-βシグナルはがん抑制に関わっており、TGF-βシグナルに関係する遺伝子の変異は発がんの原因となることが知られている。同様に白血病においてもTGF-βシグナルはがん抑制に関わることが報告されており、TGF-βシグナルを制御する遺伝子の変異や発現低下はさまざまな白血病の発症原因となる。例えば、8番染色体と22番染色体の転座を伴う急性骨髄性白血病(AML)細胞では、この転座により生じるAML1/ETO融合蛋白質がSmad3と結合し、Smad3のDNA結合及び転写活性を抑制する。同様に、急性前骨髄性白血病(APL)の原因遺伝子であるPML-RARαは、TGF-β受容体・SARA・Smad2/3複合体と結合してSmad2/3のリン酸化を阻害する。さらに、急性転化期のCMLでは付加的な染色体転座によるAML1/EVI1融合蛋白質やEvi-1が過剰発現し、Smad3と結合してSmad3のDNA結合及び転写活性を抑制する。このように、多くの白血病において、TGF-β-Smadシグナルの阻害がその発症に関与している。
そこで、本発明者らは、純化したマウスCML幹細胞に野生型Smad3又はリン酸化部位のセリン残基をアラニンで置換した非リン酸化型(不活性型)Smad3を導入し、それらをそれぞれ放射線照射したマウスに移植したところ、意外にも、非リン酸化型Smad3を発現するCML幹細胞の数が、野生型Smad3を発現するCML幹細胞の数と比較して顕著に低下していることを見出した。この結果は、Smad3のリン酸化を阻害することにより、CML幹細胞を排除し得る可能性を示唆するものであった。
次に、本発明者らは、マウスCML幹細胞に対するSmad3の選択的阻害の効果を調べるため、Smad3の選択的阻害薬(以下、「SIS3」ともいう)の存在下で、マウスCML幹細胞をフィーダー細胞と共培養した(この共培養は、インビボでのがん微小環境を模倣する)。その結果、SIS3は濃度依存的にマウスCML幹細胞の増殖を抑制した。
さらに、既存のチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)とSIS3の併用効果を調べたところ、イマチニブ、ダサチニブのいずれのTKIについても、SIS3との併用は、単独投与と比較してマウスCML幹細胞のインビトロでの増殖を顕著に抑制した。
CML患者から採取したヒトCML幹細胞についても、同様の方法で、SIS3の単独投与及びイマチニブとの併用投与の効果を調べたところ、同様に、Smad3の選択的阻害は、インビトロでのヒトCML幹細胞の増殖を顕著に抑制した。
しかも、イマチニブ抵抗性のマウスCML幹細胞に対するSIS3の効果を、非選択的なTGF-β阻害薬のそれと比較したところ、単独投与、イマチニブとの併用のいずれの場合においても、SIS3の方がより優れたCML幹細胞増殖抑制効果を示した。
さらに、ダサチニブ抵抗性のマウスCML幹細胞を移植したマウスを用いた実験から、SIS3は、インビボでダサチニブ抵抗性のCML幹細胞に対して優れた抑制効果を有することが示された。
さらに重要なことに、イマチニブだけでなく、第2世代のTKIとして現在承認されているダサチニブやニロチニブも無効なBCR-ABLのT315Iの点突然変異を有するマウスCML幹細胞に対しても、SIS3は顕著な増殖抑制効果を示し、T315I変異BCR-ABL発現CMLに対する有効性が示された。さらに、現在臨床試験中の第3世代マルチキナーゼ阻害薬KW2449及びポナチニブと併用した場合、SIS3はより優れたCML幹細胞増殖抑制効果を示した。
本発明者らは、以上の知見より、TGF-β-Smadシグナルを阻害して、Smad2/3とSmad4との複合体による種々のSmad応答性遺伝子の転写を抑制することにより、効率よくCML幹細胞を排除し、TKI抵抗性のCML幹細胞を抑制し得ること、さらにTKIと併用することにより、極めて優れたCML治療効果を奏すること、特に従来治療が極めて困難であったT315IなどのTKIが効かない変異BCR-ABL発現CMLに対しても第3世代マルチキナーゼ阻害薬と併用することで顕著な治療効果を奏することを見出すとともに、TGF-β-Smadシグナルの阻害活性、あるいはSmad2/3/4の発現阻害活性を指標とすることにより、新規なCML治療薬をスクリーニングし得ることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
〔1〕TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬を含有してなる、慢性骨髄性白血病治療剤。
〔2〕阻害薬がSmad3及び/又はSmad2のリン酸化、Smad3及び/又はSmad2とSmad4との複合体形成、あるいは該複合体の標的DNA配列への結合を阻害するものである、上記〔1〕記載の剤。
〔3〕阻害薬がSmad3、Smad2又はSmad4の発現を阻害するものである、上記〔1〕記載の剤。
〔4〕阻害薬が6,7-ジメトキシ-2-[(2E)-3-(1-メチル-2-フェニル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル-プロプ-2-エノイル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン又はその塩である、上記〔1〕記載の剤。
〔5〕慢性骨髄性白血病幹細胞の除去剤である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の剤。
〔6〕チロシンキナーゼ阻害薬に対して抵抗性の慢性骨髄性白血病幹細胞の抑制剤である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の剤。
〔7〕チロシンキナーゼ阻害薬に対する抵抗性がBCR-ABLのATPリン酸結合ループ中の変異に基づくものである、上記〔6〕記載の剤。
〔8〕チロシンキナーゼ阻害薬に対する抵抗性がBCR-ABLのT315I変異に基づくものである、上記〔6〕記載の剤。
〔9〕チロシンキナーゼ阻害薬又はマルチキナーゼ阻害薬と組み合わせてなる、上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の剤。
〔10〕チロシンキナーゼ阻害薬がイマチニブ、ダサチニブもしくはニロチニブであり、マルチキナーゼ阻害薬がKW2449もしくはポナチニブである、上記〔9〕記載の剤。
〔11〕以下の工程を含む、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬のスクリーニング方法。
(1)被験物質を、TGF-β受容体、並びにSmad3及び/又はSmad2を発現する哺乳動物細胞と接触させる工程、
(2)Smad3及び/又はSmad2のリン酸化の程度を測定する工程、
(3)上記(2)のリン酸化の程度を、被験物質を接触させなかった細胞におけるSmad3及び/又はSmad2のリン酸化の程度と比較する工程、並びに
(4)Smad3及び/又はSmad2のリン酸化の程度を低下させた被験物質を、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬の候補として選択する工程
〔12〕以下の工程を含む、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬のスクリーニング方法。
(1)被験物質を、TGF-β受容体、Smad3及び/又はSmad2、並びにSmad4を発現する哺乳動物細胞と接触させる工程、
(2)Smad3及び/又はSmad2とSmad4との結合の程度を測定する工程、
(3)上記(2)の結合の程度を、被験物質を接触させなかった細胞におけるSmad3及び/又はSmad2とSmad4との結合の程度と比較する工程、並びに
(4)Smad3及び/又はSmad2とSmad4との結合の程度を低下させた被験物質を、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬の候補として選択する工程
〔13〕以下の工程を含む、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬のスクリーニング方法。
(1)被験物質を、TGF-β受容体、Smad3及び/又はSmad2、Smad4、並びにSmad結合配列を含むプロモーターの制御下にあるレポーター遺伝子を発現する哺乳動物細胞と接触させる工程、
(2)レポーター遺伝子の発現量を測定する工程、
(3)上記(2)の発現量を、被験物質を接触させなかった細胞におけるレポーター遺伝子の発現量と比較する工程、並びに
(4)レポーター遺伝子の発現量を低下させた被験物質を、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬の候補として選択する工程
〔14〕以下の工程を含む、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬のスクリーニング方法。
(1)TGF-β受容体、Smad3及び/又はSmad2、並びにSmad4を発現する哺乳動物細胞から核画分を調製する工程、
(2)被験物質の存在下で、該核画分とSmad結合配列を含むDNAとを接触させる工程、
(3)Smad3及び/又はSmad2とSmad4との複合体と、該DNAとの結合の程度を測定する工程、
(4)上記(3)の結合の程度を、被験物質の非存在下で、該核画分とSmad結合配列を含むDNAとを接触させた場合の結合の程度と比較する工程、並びに
(5)結合の程度を低下させた被験物質を、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬の候補として選択する工程
本発明により、TKI治療によれば根絶を免れる可能性のあるCML幹細胞、とりわけ従来のいずれのTKIにも抵抗性を示すCML幹細胞を、効率よく排除することができる。また、TKIあるいはマルチキナーゼ阻害薬との併用により、より治療奏功性を高めることができる。さらに、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬と、TKIあるいはマルチキナーゼ阻害薬とを併用することによりCML及びPh+ALLの再発を予防し、TKIあるいはマルチキナーゼ阻害薬の投与量を低減することができ、副作用を軽減させることができる。また、これまで有効な治療が開発されていない再発CML患者に対して新たな治療方法を供する。
本発明のスクリーニング方法によれば、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬を得ることができるので、新規なCML治療薬の選択方法として有用である。
インビボでのマウスCML幹細胞の維持におけるSmad3導入の効果を示す図である。 インビトロでのマウスCML幹細胞に対するSIS3の抑制効果を示す図である。 インビトロでのマウスCML幹細胞に対するSIS3とLy364947の抑制効果の比較を示す図である。 インビトロでマウスCML幹細胞に対するSIS3とTKIの併用効果を示す図である。 インビトロでの、イマチニブ抵抗性のマウスCML幹細胞に対するSIS3とLy364947のTKIの併用効果の比較を示す図である。 インビトロでの、CML患者由来のヒトCML幹細胞に対するSIS3の抑制効果を示す図である。 インビトロでの、CML患者由来のヒトCML幹細胞に対するSIS3とTKIの併用効果を示す図である。 CML幹細胞を移植したマウスに対するSIS3とダサチニブの併用効果を示す図である。 T315I変異を有するBCR-ABL遺伝子を導入したマウスCML幹細胞のイマチニブ抵抗性とSIS3の抑制効果を示す図である。 T315I変異を有するBCR-ABL遺伝子を導入したマウスCML幹細胞に対するSIS3と第三世代マルチキナーゼ阻害剤との併用効果を示す図である。
本発明は、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬を含有してなる、慢性骨髄性白血病(CML)治療剤を提供する。
ここで「CML治療剤」とは、慢性期のCMLの治療のみならず、急性転化期や移行期のCMLの治療、急性転化の予防、CMLとPh+ALLの再発予防、再発CMLとPh+ALLの治療をも目的とする意味で用いられる。
また、ここで「TGF-β-Smadシグナル」とは、TGF-βから、TGF-β受容体(I型及びII型のヘテロ4量体)及びSARAを介して、Smad3及び/又はSmad2のC末端の「Ser-Xaa-Ser(SxS)」モチーフのセリン残基がリン酸化され、リン酸化されたSmad2とSmad3のホモ又はヘテロ2量体(Smad2/2、Smad2/3、Smad3/3)がSmad4と複合体を形成して核内に移行し、種々の下流遺伝子のプロモーター領域に存在するSmad結合配列(「CAGAボックス」とも呼ばれる)に結合して該遺伝子の転写を活性化する、という一連のシグナル伝達経路を意味する。
したがって、「TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬」とは、上記シグナル伝達経路のいずれかの段階を阻害するか、あるいは該シグナル伝達経路に動員される分子の発現自体を阻害することで、結果的に該シグナル伝達経路を阻害する薬剤であって、なおかつ他のTGF-βからの下流シグナル(例えば、Ras経路、PI3K-Akt経路、ROCK経路等)を阻害しない薬剤を意味する。例えば、特開2010-281656号公報に記載されるTGF-β阻害薬Ly364947、SD208等は、TGF-βI型受容体キナーゼの非選択的阻害剤であり、Smadのリン酸化のみを阻害するものではないので、「TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬」には該当しない。
TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬としては、例えば、上記シグナル伝達経路のいずれかの段階を阻害する薬剤として、Smad3及び/又はSmad2のリン酸化を阻害する物質、Smad3及び/又はSmad2とSmad4との複合体形成を阻害する物質、あるいは該複合体の標的DNA配列への結合を阻害する物質等が挙げられるが、これらに限定されない。阻害薬はSmad3もしくはSmad2のいずれかに特異的であってもよいし、Smad3とSmad2の両方を阻害してもよい。好ましくは、少なくともSmad3を阻害する薬剤であり、より好ましくはSmad3特異的な阻害薬(SIS3)である。
Smad3特異的な阻害薬(SIS3)としては、好ましくは、後述の実施例で使用される、6,7-ジメトキシ-2-[(2E)-3-(1-メチル-2-フェニル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル-プロプ-2-エノイル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン又はその塩(Mol. Pharmacol., 69: 597-607 (2006))が挙げられる。塩としては、医薬上許容される塩であれば特に制限はないが、好ましくは、塩酸塩などの酸付加塩が挙げられる。該化合物は、Smad3のリン酸化及びSmad3とSmad4との複合体形成を阻害する。別のSIS3としては、例えば、ナリンゲニン(5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-4-オン)等が挙げられる。
その他、Smad3及び/又はSmad2のリン酸化を阻害する物質としては、抑制型SmadであるSmad6、Smad7、遊離のSARA、Smad3又はSmad2を模倣するTGF-β受容体の基質ペプチド、Smad3又はSmad2のリン酸化を立体的に妨害する抗体やアプタマー等が挙げられる。Smad3及び/又はSmad2とSmad4との複合体形成を阻害する物質としては、Smad2、Smad3、Smad4に対する抗体やアプタマー等が挙げられる。該複合体の標的DNA配列(Smad結合配列)への結合を阻害する物質としては、Smad2、Smad3、Smad4に対する抗体やアプタマー等や、該標的DNA配列を含むデコイ核酸等を挙げることができる。これらの阻害薬は、公知のSmad2、Smad3、Smad4蛋白質やそのフラグメントを用いて、自体公知の方法により適宜調製することができる。デコイ核酸も公知のSmad結合配列に基づいて、DNA/RNA自動合成機を用いて化学的に合成できる。
Smad3、Smad2又はSmad4の発現を阻害する、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬としては、Smad3、Smad2又はSmad4に対するアンチセンス核酸、siRNA(shRNA)、リボザイムなどが挙げられる。Smad3、Smad2又はSmad4に対するアンチセンス核酸、siRNA(shRNA)、リボザイムなどは、自体公知のSmad3、Smad2又はSmad4遺伝子の塩基配列に基づいて、公知の設計ソフトを用いて適宜設計し、DNA/RNA自動合成機を用いて容易に合成することができる。
TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬を医薬品として用いるにあたり、そのままもしくは公知の薬学的に許容される担体(賦形剤、希釈剤、増量剤、結合剤、滑沢剤、流動助剤、崩壊剤、界面活性剤等などが含まれる)や慣用の添加剤などと混合して医薬組成物として調製することができる。当該医薬組成物は、調製する形態(錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤、乳剤、懸濁液などの経口投与剤;注射剤、点滴剤、外用剤、坐剤などの非経口投与剤)等に応じて、全身的にまたは局所的に、経口投与または非経口投与することができる。非経口投与する場合には、静脈投与、皮内投与、皮下投与、直腸投与、経皮投与すること等が可能である。
前記の適当な投与剤型は許容される通常の担体、賦型剤、結合剤、安定剤、希釈剤等に有効成分を配合することにより製造することができる。また注射剤型で用いる場合には、許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもできる。
また投与量は、有効成分の種類、投与経路、投与対象または患者の年齢、体重、症状などによって異なり一概に規定できないが、通常、経口の場合には成人で1日あたり有効成分量として、数mg〜2g程度、好ましくは5mg〜数十mg程度を、1日1〜数回にわけて投与することができる。注射の場合には成人で有効成分量として約0.1mg〜約500mgを投与すればよく、1日の投与量を1回または数回に分けて投与することができる。
TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬の投与対象となる慢性骨髄性白血病(CML)患者は、特に限定されないが、望ましくは、急性転化期や移行期へと経過する前の慢性期のCML患者である。TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬はCML幹細胞の除去に特に有用であるので、該阻害薬を含有する本発明のCML治療剤は、特にイマチニブ等のTKIに対して抵抗性となったり、初期不応のCML患者、TKI治療後にCML幹細胞が残存した再発患者等に対して有効である。本明細書においては、特にことわらない限り、「TKIに対して抵抗性である」とは、治療中にTKIに対して抵抗性となった場合だけでなく、初期不応性の場合をも含む意味で用いることとする。
イマチニブ抵抗性はBCR-ABL依存性と非依存性の機序が考えられている、前者としてはBCR-ABL遺伝子の増幅、点突然変異(例、キナーゼドメイン中のリン酸結合ループ(p-ループ)(例、G250E、Q252H、Y253F、Y253H、E255K、E255V等)、イマチニブ結合部位(例、T315I、T315A、F317L、F317V等)、活性化ループ、触媒ループ)が挙げられ、一方、後者としては、BCR-ABLシグナル下流の活性亢進、BCR-ABLに関与しないシグナル伝達経路の活性亢進、多剤耐性(MRD)タンパク質によるイマチニブの排出亢進、イマチニブ結合タンパク質(α1-酸性糖タンパク質)の増加等が挙げられる。これらのうち、キナーゼドメインの点突然変異によるものが主であると報告されているが(Cancer Cell, 2: 117-125 (2002))、SIS3は、CML幹細胞を抑制できるため、変異BCR-ABL発現CMLだけでなく、いかなる機序による治療抵抗性CMLに対しても有効であり得る。
BCR-ABLの点突然変異のうち、キナーゼドメインのN末端側であるp-ループにおける変異は、急性転化期や移行期の患者に多く見られ、予後を悪化させるとの報告があるので(Blood, 102(1): 276-283 (2003))、本発明のCML治療剤は、p-ループ中に変異を有するBCR-ABL発現CMLに対する治療剤、急性転化阻止剤、予後改善剤等として、特に有用である。
ABLに対する親和性がイマチニブより向上したマルチキナーゼ阻害剤であるニロチニブ、イマチニブの約260倍のABLチロシンキナーゼ阻害作用を有するダサチニブといった第2世代TKIは、多くBCR-ABL点突然変異発現細胞の増殖を抑制し得るが、イマチニブ結合部位である315番目のスレオニン残基がイソロイシンに置換されたT315I変異BCR-ABL発現細胞に対しては無効である。KW2449(Blood, 114: 1607-1617 (2009))やポナチニブ(Cancer Cell, 16: 401-412 (2009))といった第三世代マルチキナーゼ阻害薬は、T315I変異BCR-ABL発現細胞に対しても有効であることが第I相試験で示されているが、細胞遺伝学的な完全寛解に至る症例は限定的であり、T315I変異BCR-ABL発現CML細胞に対するより強力な治療薬、KW2449やポナチニブの治療効果を補完し得る併用薬の開発が望まれる。SIS3は、T315I変異BCR-ABLを発現するイマチニブ抵抗性CML幹細胞に対して、単独で顕著な増殖抑制効果を示し、かつKW2449やポナチニブと併用することにより、それらマルチキナーゼ阻害剤を単独投与した場合よりも、さらにCML幹細胞の増殖を抑制し得るので、従来極めて難治性であったT315I変異BCR-ABL発現CMLに対して、SIS3は特に有効な治療薬となり得る。
また、SIS3は、がん微小環境を模倣した培養条件下で、単独投与及びTKIやマルチキナーゼ阻害剤との併用投与のいずれにおいても優れたCML幹細胞の増殖抑制効果を奏する。がん微小環境(ニッチ細胞)から産生されるTGF-βは、CML幹細胞の長期維持に必須な役割を担うFOXOシグナルを活性化することにより、CML幹細胞の生存及びイマチニブ抵抗性の獲得に寄与していると考えられるので、SIS3はCML幹細胞でのBCR-ABLに関与しないシグナル伝達経路(例、FOXOシグナル)の活性亢進に基づくイマチニブ抵抗性CMLに対しても、特に有効な治療薬となり得る。
従って、本発明はまた、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬とチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)又はマルチキナーゼ阻害薬とを組み合わせてなる、CML治療剤(併用剤)を提供する。現在承認されているチロシンキナーゼ阻害薬としてはイマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブがあり、また、現在臨床試験中の第2世代TKIとしてボスチニブ、バフェチニブ等がある。一方、マルチキナーゼ阻害薬としては、現在臨床試験中のKW2449やポナチニブや、前臨床研究で有効性が報告されたAT9283等があるが、BCR-ABLに対する分子標的薬として作用するTKIとマルチキナーゼ阻害薬であれば、いかなるものであっても使用できる。
本発明の併用剤において用いられるTKIやマルチキナーゼ阻害薬の剤形、投与経路および投与量などは、それを適用するCML患者に対して通常使用されるものであればよい。例えば、イマチニブの場合、慢性期CML患者に対しては400-600 mg/日、移行期又は急性転化期の患者に対しては600-800 mg/日を、1回もしくは2回に分けて経口投与することができる。ニロチニブの場合、慢性期又は移行期のCML患者に対し、1回あたり400 mgを1日2回経口投与することができる。ダサチニブの場合、慢性期のCML患者に対しては1日1回100-140 mg、移行期又は急性転化期の患者に対しては1回あたり70-90 mgを1日2回、経口投与することができる。KW2449の場合、1日あたり50-500 mgを1回もしくは2回に分けて経口投与することができる。ポナチニブの場合、1日1回45 mgを経口投与することができる。
本発明の併用剤は、TKIやマルチキナーゼ阻害薬の単独投与と比較して顕著な併用効果を奏するので、併用剤において用いられるTKIやマルチキナーゼ阻害薬の投与量は、単独投与において通常使用されている量よりも減量することができる。イマチニブやダサチニブでは血液毒性(血小板、好中球、白血球の減少等)が高頻度に発現する他、皮膚症状(皮疹等)、消化器症状(悪心、下痢等)、体液貯留(胸水貯留、眼瞼浮腫等)、肝障害、急性膵炎等の副作用が報告されており、TKIの減量によりこれらの副作用の軽減が期待される。また、マルチキナーゼ阻害薬は、BCR-ABLだけでなくAuroraキナーゼやFLT3など他のキナーゼによるシグナル伝達をも阻害するので、潜在的に副作用のリスクが高い可能性がある。実際、ポナチニブの大規模第II相試験でも、血小板減少、好中球減少等の血液毒性やそれに関連する膵炎等の副作用が報告されている。そのため、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬との併用により、マルチキナーゼ阻害薬の投与量を減量できれば、副作用が低減された、より安全なCML治療剤を提供することができる。
本発明のTGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬とTKI又はマルチキナーゼ阻害薬とは、合剤として、別個に同時に、もしくは経時的に投与されてよい。
本発明はまた、上記CML治療剤の有効成分として使用され得る、新規なTGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬のスクリーニング方法を提供する。
第一の態様においては、Smad3及び/又はSmad2のリン酸化の程度を指標にしてTGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬を選択する。当該工程は、具体的には以下の工程を含む。
(1)被験物質を、TGF-β受容体、並びにSmad3及び/又はSmad2を発現する哺乳動物細胞と接触させる工程
(2)Smad3及び/又はSmad2のリン酸化の程度を測定する工程
(3)上記(2)のリン酸化の程度を、被験物質を接触させなかった細胞におけるSmad3及び/又はSmad2のリン酸化の程度と比較する工程
(4)Smad3及び/又はSmad2のリン酸化の程度を低下させた被験物質を、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬の候補として選択する工程
工程(1)に用いられる哺乳動物細胞は特に制限されない。CML幹細胞を用いてもよいが、通常よく用いられる細胞株であってもよい。例えば、後の測定を容易にするため、恒常的活性化型のTGF-β受容体遺伝子を組み込んだ細胞を用いることもできる。
本発明のスクリーニング方法において用いられる被験物質に特に限定は無く、蛋白質、ペプチド、核酸、無機化合物、天然もしくは合成化学的に調製された有機化合物等が挙げられる。被験物質として、具体的には、アミノ酸3〜50残基、好ましくは5〜20残基のペプチドライブラリーや、当業者に公知のコンビナトリアルケミストリーの技術を用いて調製された分子量100〜2000、好ましくは200〜800の低分子有機化合物ライブラリーを挙げることができる。
細胞と接触させる被験物質の濃度としては、特に限定は無く、通常約0.1μM〜約100μMであればよく、好ましくは1μM〜50μMであればよい。細胞と被験物質とを接触させる時間は、特に限定されるものでなく適時設定するものであるが、例えば5分間〜30分間程度あり、好ましくは10分間〜20分間程度である。被験物質は適宜、水、リン酸バッファーもしくはトリスバッファー等のバッファー、エタノール、アセトン、ジメチルスルホキシドもしくはこれらの混合物などの溶媒に溶解または懸濁して用いることができる。
工程(2)におけるリン酸化の程度は、例えば、リン酸化されたSmad2又はSmad3に特異的な抗体を用いて、被験物質との接触前後で(あるいは対照細胞との比較で)のリン酸化Smad2及び/又はSmad3の量をウェスタンブロット法やプルダウンアッセイ、その他の免疫学的手法により測定することができる。好ましい実施態様として、例えば、蛍光免疫染色による共焦点レーザー顕微鏡を用いた解析や、蛍光抗体を用いたフローサイトメトリーなどを挙げることができる。
被験物質を添加した細胞におけるSmad3及び/又はSmad2のリン酸化の程度が、被験物質を添加しない対照細胞でのリン酸化の程度と比較して統計学的に有意に低下していれば、該被験物質はTGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬として選択することができる。
第二の態様においては、Smad3及び/又はSmad2とSmad4との結合の程度を指標にしてTGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬を選択する。当該工程は、具体的には以下の工程を含む。
(1)被験物質を、TGF-β受容体、Smad3及び/又はSmad2、並びにSmad4を発現する哺乳動物細胞と接触させる工程
(2)Smad3及び/又はSmad2とSmad4との結合の程度を測定する工程
(3)上記(2)の結合の程度を、被験物質を接触させなかった細胞におけるSmad3及び/又はSmad2とSmad4との結合の程度と比較する工程
(4)Smad3及び/又はSmad2とSmad4との結合の程度を低下させた被験物質を、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬の候補として選択する工程
本方法においては、Smad3及び/又はSmad2とSmad4との結合の程度は、例えばプルダウンアッセイや、サンドイッチELISAなどにより測定することができる。その他については、上記第一の態様に準じて行えばよい。
第三の態様においては、Smad結合配列を含むプロモーターの制御下にあるレポーター遺伝子の発現量を指標にしてTGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬を選択する。当該工程は、具体的には以下の工程を含む。
(1)被験物質を、TGF-β受容体、Smad3及び/又はSmad2、Smad4、並びにSmad結合配列を含むプロモーターの制御下にあるレポーター遺伝子を発現する哺乳動物細胞と接触させる工程
(2)レポーター遺伝子の発現量を測定する工程
(3)上記(2)の発現量を、被験物質を接触させなかった細胞におけるレポーター遺伝子の発現量と比較する工程
(4)レポーター遺伝子の発現量を低下させた被験物質を、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬の候補として選択する工程
工程(1)におけるSmad結合配列を含むプロモーターとしては、PAI-1プロモーター、α2(I)コラーゲンプロモーター、ジャームラインIgα定常領域プロモーター等が挙げられる。また、CAGプロモーターやEF-1αプロモーターのような構成的なプロモーターにコンセンサスなSmad結合配列(CAGAボックス)を遺伝子工学的に挿入したキメラプロモーターを用いてもよい。
レポーター遺伝子としては、グルクロニダーゼ(GUS)、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールトランスアセチラーゼ(CAT)、β-ガラクトシダーゼおよび緑色蛍光タンパク質(GFP)等が挙げられる。レポーター遺伝子の発現量は、常法により該遺伝子にコードされるレポータータンパク質のシグナルを検出することにより測定される。
調製したSmad結合配列を含むプロモーターに機能的に連結されてなるレポーター遺伝子を、通常の遺伝子工学的手法を用いて、当該レポーター遺伝子を導入する細胞において使用可能なベクターに挿入し、プラスミドを作製し、適当な宿主細胞へ導入することができる。レポーター遺伝子に応じた選抜条件の培地で培養することにより、形質転換細胞を得ることができる。
第四の態様においては、Smad3及び/又はSmad2とSmad4との複合体と、該DNAとの結合の程度を指標にしてTGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬を選択する。当該工程は、具体的には以下の工程を含む。
(1)TGF-β受容体、Smad3及び/又はSmad2、並びにSmad4を発現する哺乳動物細胞から核画分を調製する工程
(2)被験物質の存在下で、該核画分とSmad結合配列を含むDNAとを接触させる工程
(3)Smad3及び/又はSmad2とSmad4との複合体と、該DNAとの結合の程度を測定する工程
(4)上記(3)の結合の程度を、被験物質の非存在下で、該核画分とSmad結合配列を含むDNAとを接触させた場合の結合の程度と比較する工程
(5)結合の程度を低下させた被験物質を、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬の候補として選択する工程
核画分の調製は常法を用いて行うことができる。Smad結合配列を含むDNAとしては、上記したSmad応答性遺伝子のプロモーターに含まれるコンセンサスなSmad結合配列情報に基づいて、自動DNA/RNA合成機を用いて調製することができる。該DNAは適当な標識剤(酵素、蛍光、RIなど)により標識することができる。
Smad3及び/又はSmad2とSmad4との複合体と、該DNAとの結合の程度は、ゲルシフトアッセイなどにより測定することができる。
上記いずれかのスクリーニング方法で見出された物質は、上記のTGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬と同様に製剤化され、本発明のCML治療剤として用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
セルソーターを用いた慢性骨髄性白血病(CML)幹細胞の純化
1)BCRABL-GFP遺伝子導入によるマウスCMLモデルの樹立
マウス (C57BL/6) (白血球表面抗原CD45.1) から骨髄単核細胞を取得し、抗CD4 (L3T4)、抗CD8 (53-6.7)、抗B220 (RA3-6B2)、抗TER119 (Ly-76)、抗Gr-1 (RB6-8C5)、抗Mac1 (M1/70)、抗Sca-1 (E13-161.7)、並びに抗c-Kit (2B8)抗体を用いて染色を行った。このマウス骨髄単核細胞から、セルソーター (FACS Aria III, BD社製) を用いて、マウスの正常造血幹細胞を含む分化マーカー(CD4, CD8, B220, TER119, Gr-1, Mac1)陰性・c-Kit陽性・Sca-1陽性細胞集団 (以下、「KLS細胞」と称する) を純化した。この細胞集団を100 ng/ml ヒトTPO (Thrombopoietin; PeproTech社製)、並びに100 ng/ml マウスSCF (Stem cell factor; 和光純薬社製) を含有(以下、「サイトカイン含有」と称する)する無血清培地S-Clone(SF-O3三光純薬社製)で1日間培養した。このKLS細胞に、レトロウイルスベクターを用いてBCRABL-GFP遺伝子を導入した(BCR-ABL遺伝子は、染色体9番のABL遺伝子と染色体22番のBCR遺伝子の融合によって生じるヒトCMLの原因遺伝子である。GFPは遺伝子導入細胞を蛍光タンパク質GFPによって選択するためのマーカー遺伝子である。)。1日間サイトカイン含有S-Clone培地で培養後、別途取得したマウス (C57BL/6) (白血球表面抗原CD45.2) の骨髄単核細胞(レシピエントマウス一匹当たり5x105細胞)と共に、放射線照射 (9.0Gy) したレシピエントマウス (C57BL/6) (白血球表面抗原CD45.2) に移植(尾静脈より注射)した (一次移植)。放射線照射は日立メディコ社製MBR-1520R-3を用い、0.5 mmアルミニウム・0.5 mm銅板で放射線にfilterをかけ、0.45から0.55 Gy/分で照射を行った。12〜14日後に、移植したマウスの骨髄並びに脾臓から、Lymphoprep溶液 (Axis-Shield社製) を用いて、密度勾配法により白血病細胞を取得した。
2)BCRABL-GFP陽性CML幹細胞の純化
上述のBCRABL-GFP遺伝子の導入によって得た白血病細胞を、抗CD4 (L3T4)、抗CD8 (53-6.7)、抗B220 (RA3-6B2)、抗TER119 (Ly-76)、抗Gr-1 (RB6-8C5)、抗Mac1 (M1/70)、抗Sca-1 (E13-161.7)、並びに抗c-Kit (2B8) 抗体を用いて染色を行った。また、さらに未分化なCMLの幹細胞を純化する場合、これらの抗体に加え、抗CD150/SLAM (TC15-12F12.2)、抗CD135/Flk2 (A2F10) 抗体を用いて染色を行った。これらの染色を行ったマウス白血病細胞から、セルソーター (FACS Aria III BD社製) を用いて、BCRABL-GFP遺伝子を発現するGFP陽性細胞中の、1) 分化マーカー(CD4, CD8, B220, TER119, Gr-1, Mac1)陰性・c-Kit陽性・Sca-1陰性細胞(KLS細胞)、並びに2) さらに未分化なCD150陽性・CD135陰性KLS細胞集団を単離した。
in vivoでのマウスCML幹細胞維持におけるSmad3変異体発現の効果
1)GFP非発現BCR-ABL遺伝子導入によるマウスCMLモデルの樹立
マウス (C57BL/6) (白血球表面抗原CD45.1) から骨髄単核細胞を取得し、マウスの正常造血幹細胞を含むKLS細胞を純化し、この細胞集団をサイトカイン含有無血清培地S-Clone (SF-O3三光純薬社製) で1日間培養した。このKLS細胞に、レトロウイルスベクターを用いてBCR-ABL(GFPを発現しない)遺伝子を導入した。1日間サイトカイン含有S-Clone培地で培養後、上述のごとく、別途取得したマウス(C57BL/6) (白血球表面抗原CD45.2) の骨髄単核細胞(レシピエントマウス一匹当たり5x105細胞)と共に、放射線照射 (9.0Gy) したレシピエントマウス(C57BL/6)(白血球表面抗原CD45.2)に移植(尾静脈より注射)した。放射線照射は日立メディコ社製MBR-1520R-3を用い、0.5 mmアルミニウム、0.5 mm銅板で放射線にfilterをかけ、0.45から0.55 Gy/分で照射を行った。12〜14日後に、移植したマウスの骨髄並びに脾臓から、Lymphprep溶液 (Axis-Shield社製) を用いて、密度勾配法により白血病細胞を取得した。
2)GFP非発現BCR-ABL遺伝子CMLモデルのCML幹細胞の純化
上記のBCR-ABL (GFP非発現) 導入白血病細胞を、抗CD4 (L3T4)、抗CD8 (53-6.7)、抗B220 (RA3-6B2)、抗TER119 (Ly-76)、抗Gr-1 (RB6-8C5)、抗Mac1 (M1/70)、抗Sca-1 (E13-161.7)、並びに抗c-Kit (2B8) 抗体、並びにドナー由来の白血病細胞とレシピントの血液細胞を区別するため、抗CD45.2 (104) 抗体を用いて染色を行った。このマウス白血病細胞から、セルソーター (FACS Aria III BD社製) を用いて、CD45.2陰性・KLS細胞集団(ドナー由来CML幹細胞)を単離した。
3)CD45.2陰性のドナー由来CML幹細胞によるCML発症能力の確認
CD45.2陰性・KLS細胞を、別途取得したマウス(C57BL/6) (白血球表面抗原CD45.2) の骨髄単核細胞(レシピエントマウス一匹当たり5x105細胞)と共に放射線照射(9.0Gy)したレシピエントマウス(C57BL/6) (白血球表面抗原CD45.2) に移植(尾静脈より注射)した(二次移植)。移植から14日以降、これらのマウスにおける末梢血液中の白血球数の増加、脾腫、並びにマウスの死亡によりCML幹細胞のCML発症能力を確認した。
4)レトロウイルスベクターを用いたCML幹細胞へのSmad3遺伝子の導入
上記2)で純化したCD45.2陰性・KLS細胞に1) GFP遺伝子を発現するレトロウイルスベクター、2) GFP遺伝子とヒトSmad3(野生型)遺伝子を発現するレトロウイルスベクター、3) GFP遺伝子とヒトSmad3(非リン酸化型)遺伝子を発現するレトロウイルスベクターを導入した。非リン酸化型Smad3として、422、423、425番目のセリン残基を、リン酸化を受けないアラニン残基に置換した変異体を用いた。
5)in vivoにおけるCML幹細胞の自己複製能力の維持の解析
上記4)の遺伝子導入CML幹細胞を1日間サイトカイン含有S-Clone培地で培養後、別途取得したマウス (C57BL/6) (白血球表面抗原CD45.2) の骨髄単核細胞(一匹当たり5x105細胞)と共に、放射線照射 (9.0 Gy) したレシピエントマウス (C57BL/6) (白血球表面抗原CD45.2) に移植(尾静脈より注射)した(二次移植)。移植から30日後、マウスの脾臓における白血病細胞を取得し、GFP遺伝子を発現する遺伝子導入KLS細胞の絶対数を測定して、CML幹細胞の自己複製能力の維持における野生型Smad3、並びにSmad3非リン酸化型変異体の発現効果を解析した。
その結果、Smad3(非リン酸化型)を発現するCML幹細胞の細胞数は、Smad3(野生型)、並びにGFP遺伝子単独発現CML幹細胞の細胞数と比較して、低下していることが明らかになった(図1)。則ち、Smad3(非リン酸化型)は、in vivoにおいてCML幹細胞の維持能力を低下させたと考えられる。従って、Smad3のリン酸化阻害はCML幹細胞に対する治療標的となる可能性がある。
in vitroでのマウスCML幹細胞に対するSIS3並びにTGF-β阻害剤の効果
in vitroにおいて、生体内でCML幹細胞を支持する微小環境を模倣して、SIS3の抑制効果、SIS3とチロシンキナーゼ阻害薬との併用効果、並びにSIS3とTGF-βシグナル阻害薬との抑制効果の比較を行うため、マウス間葉系細胞株OP-9細胞との共培養実験によりマウスCML幹細胞の維持に及ぼす影響を解析した。
まず、マウス間葉系細胞株OP-9細胞100,000細胞を24ウェルプレートで1日間単層培養した。この細胞上に上記のマウスCML幹細胞1,000細胞を加えた。さらに、この培養液に6,7-ジメトキシ-2-[(2E)-3-(1-メチル-2-フェニル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル-プロプ-2-エノイル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン塩酸塩 (以下、実施例において「SIS3」と略記する)(Merck社製、最終濃度2, 5, 10 μM)、または、TGF-β阻害剤Ly364947 (Calbiochem社製、最終濃度5 μM) を添加し、5日間、5%酸素濃度条件下、37℃で培養を行った。
Ly364947はTGF-βI型受容体タンパク質のセリン・スレオニンキナーゼ活性を抑制して、TGF-βに依存するシグナル伝達機構を阻害する。SIS3は、TGF-βシグナルの活性化に依存したSmad3タンパク質のリン酸化を阻害することが報告されている化合物である(Jinnin et al., Molecular Pharmacology, 69: 597-607 (2006))。
細胞を回収し、リン酸緩衝液を用いて残存する阻害剤を洗浄後、メチルセルロース半固形培地(GFM3434; Stem cell technology社製)中で、5%酸素濃度条件下、37℃で一週間培養して、コロニー形成能を評価した。
その結果、SIS3の濃度依存的にマウスCML幹細胞に対する抑制効果が認められた(図2)。また、SIS3はLy364947 と比較して、CML幹細胞に対する抑制効果がより強いことが明らかとなった(図3)。
in vitroでのマウスCML幹細胞に対するSIS3並びにTGF-β阻害剤の、チロシンキナーゼ阻害薬メシル酸イマチ二ブ、ダサチニブとの併用効果
チロシンキナーゼ阻害薬抵抗性のマウスCML幹細胞に対するSIS3の治療効果、並びにSIS3とTGF-βシグナル阻害薬との抑制効果の比較を行うため、マウス間葉系細胞株OP-9細胞上でマウスCML幹細胞の共培養を実施した。
まず、マウス間葉系細胞株OP-9細胞100,000細胞を24ウェルプレートで1日間単層培養した。この細胞上にマウスCML幹細胞1,000細胞(チロシンキナーゼ阻害薬を処理しないウェル)、または3,000細胞(チロシンキナーゼ阻害薬を処理するウェル)を加えた。この培養液に最終濃度5 μMでSIS3 (Merck社製)、または最終濃度5 μMでLy364947 (Calbiochem) を添加し、1日間5%酸素濃度条件下、37℃で培養した。さらに、この培養液に最終濃度1 μMでメシル酸イマチニブ (LC laboratories社製)、または最終濃度1 μMでダサチニブ (LC laboratories社製) を添加し、2日間、5%酸素濃度条件下、37℃で培養した。細胞を回収し、リン酸緩衝液を用いて残存する阻害剤を洗浄後、メチルセルロース半固形培地(GFM3434; Stem cell technology社製)中で、5%酸素濃度条件下、37℃で一週間培養して、コロニー形成能を評価した。
その結果、メシル酸イマチニブ、またはダサチニブとSIS3との併用は、メシル酸イマチニブ、ダサチニブの単独投与に比べてコロニー形成能を抑制した(図4)。則ち、SIS3はチロシンキナーゼ抵抗性CML幹細胞に対して抑制効果を有していると考えられる。また、SIS3はLy364947と比較して、イマチニブ抵抗性のCML幹細胞に対する抑制効果がより強いことが明らかとなった(図5)。
ヒトCML患者由来CML幹細胞の純化
ヒトCML患者の骨髄由来単核細胞(Allcells社、並びにCureline社より購入)を抗ヒトCD34 (8G12)、抗ヒトCD38 (HIT2)、抗ヒトCD3 (SK7)、抗ヒトCD14 (MφP9)、抗ヒトCD16 (3G8)、抗ヒトCD19 (SJ25C1)、抗ヒトCD20 (L27)、抗ヒトCD56 (NCAM16.2) 抗体を用いて染色し、セルソーター (FACS Aria III, BD社製) を用いて、分化マーカー(CD3, CD14, CD16, CD19, CD20, CD56)陰性・CD38陰性・CD34陽性細胞を純化した。
in vitroでのヒトCML幹細胞に対するSIS3の効果
ヒトCML患者のCML幹細胞6,000細胞をOP-9細胞上に加え、この培養液にSIS3 (Merck社製、最終濃度5 μM) を添加して、5日間37℃で培養した。細胞を回収し、リン酸緩衝液を用いて残存する阻害剤を洗浄後、メチルセルロース半固形培地(GF+H4435; Stem cell technology社製)中、5%酸素濃度条件下、37℃で一週間培養してコロニー形成能を評価した。
その結果、SIS3は、別々のヒトCML患者のヒトCML幹細胞に対して抑制効果を示した(図6)。
in vitroでのヒトCML患者のCML幹細胞に対するSIS3とメシル酸イマチニブの併用効果
ヒトCML患者のチロシンキナーゼ阻害薬抵抗性のCML幹細胞に対するSIS3の治療効果を評価するため、マウス間葉系細胞株OP-9細胞上で上記のヒトCML幹細胞の共培養を実施した。
まず、マウス間葉系細胞株OP-9細胞100,000細胞を24ウェルプレートで1日間単層培養した。この細胞上にヒトCML幹細胞6,000細胞(イマチニブを処理しないウェル)または100,000細胞(イマチニブを処理するウェル)を加えた。この培養液に最終濃度5 μMでSIS3 (Merck社製) を添加し、1日間5%酸素濃度条件下、37℃で培養した。この培養液に最終濃度1 μMでメシル酸イマチニブ (LC laboratories社製)、を添加し、4日間5%酸素濃度条件下、37℃で培養した。細胞を回収し、リン酸緩衝液を用いて残存する阻害剤を洗浄後、メチルセルロース半固形培地(GF+H 4435; Stem cell technology社製)中で、5%酸素濃度条件下、37℃で一週間培養して、コロニー形成能を評価した。
その結果、メシル酸イマチニブとSIS3との併用は、メシル酸イマチニブの単独投与に比べてコロニー形成能を抑制した(図7)。則ち、SIS3はチロシンキナーゼ抵抗性のヒトCML幹細胞に対して抑制効果を有していると考えられる。従って、SIS3はヒトCML患者のヒトCML幹細胞に対する治療薬となる可能性がある。
in vivoでのダサチニブ抵抗性のマウスCML幹細胞に対するSIS3の効果
マウス生体内で、チロシンキナーゼ阻害薬抵抗性のCML幹細胞に対するSIS3の治療効果を解析するため、マウスCML幹細胞を移植してCMLを発症したマウスに対して、ダサチニブの単独投与、並びにSIS3とダサチニブの併用投与を行って、マウスの生存期間、及びCMLの再発の評価を行った。
上述のBCRABL-GFP遺伝子を導入してCMLを発症したマウスの骨髄、及び脾臓よりBCRABL-GFP陽性・KLS細胞を単離し、CML幹細胞を純化した。このBCRABL-GFP陽性・KLS細胞30,000細胞を、別途取得したマウス骨髄単核細胞(レシピエントマウス一匹当たり5x105細胞)と共に、放射線照射 (9.0Gy) したレシピエントマウス (C57BL/6) に移植(尾静脈より注射)した(二次移植)。放射線照射は日立メディコ社製MBR-1520R-3を用い、0.5 mmアルミニウム、0.5 mm銅板で放射線にfilterをかけ、0.45から0.55 Gy/分で照射を行った。
CML幹細胞を移植して8日後から60日後まで、CMLを発症したマウスにダサチニブ(20 mg/kg/day, スプリセル(R) ブリストルマイヤーズ社製)の経口投与を行った。このダサチニブ投与マウスを2群に分け、1群にはSIS3の1 mg/ml DMSO溶液を0.9% NaCl生理食塩水に加え、最終濃度5 mg/kg/dayで、移植後8日目から30日まで、腹腔内注射により投与を行った。もう1群には、SIS3投与時と同量のDMSOを添加した0.9% NaCl生理食塩水を腹腔内注射により投与した。これらマウスの生存期間、及びダサチニブ抵抗性のCMLの再発を、移植後120日まで解析した。この解析により、ダサチニブ抵抗性のCML幹細胞の維持におけるSIS3投与の効果を検討した。
その結果、併用投与群ではダサチニブ単独投与群に比べてCMLの再発を改善した(図8)。従って、SIS3はin vivoにおいてダサチニブ抵抗性のCML幹細胞に対する抑制効果を有していると考えられる。
T315I変異BCR-ABL発現マウスCML幹細胞に対するSIS3の単独投与及び第三世代マルチキナーゼ阻害薬との併用投与の効果
イマチニブだけでなく現在承認されているいずれのチロシンキナーゼ阻害薬に対しても抵抗性を示すT315I変異BCR-ABL発現CMLに対するSIS3の治療効果を評価するため、マウス間葉系細胞株OP-9細胞上で、T315I変異BCR-ABL遺伝子を導入したマウスCML幹細胞の共培養を実施した。
野生型BCRABL-GFP遺伝子の代わりにT315I変異BCR-ABL-GFP遺伝子をKLS細胞に導入する以外は、実施例1と同様にして、T315I変異BCR-ABL発現マウスCML幹細胞を純化した。このマウスCML幹細胞を、24ウェルプレートで1日間単層培養したマウス間葉系細胞株OP-9細胞 (100,000細胞) 上に、1,000細胞(KW2449またはポナチニブを処理しないウェル)、または3,000細胞(KW2449またはポナチニブを処理するウェル)を加えた。この培養液に最終濃度5 μMでSIS3 (Merck社製) を添加し、1日間5%酸素濃度条件下、37℃で培養した。さらに、この培養液に、それぞれ最終濃度1 μMで、メシル酸イマチニブ (LC laboratories社製)、KW2449 (Selleckchem社製)、またはポナチニブ (AP24534ともいう、Selleckchem社製) を添加し、3日間、5%酸素濃度条件下、37℃で培養した。細胞を回収し、リン酸緩衝液を用いて残存する阻害薬を洗浄後、メチルセルロース半固形培地(GFM3434; Stem cell technology社製)中で、5%酸素濃度条件下、37℃で一週間培養して、コロニー形成能を評価した。
その結果、想定通り、イマチニブ処理はT315I変異BCR-ABL発現CML幹細胞のコロニー数を抑制しないが、SIS3はT315I変異BCR-ABL発現CML幹細胞のコロニー数を有意に低下させた(図9)。また、KW2449またはポナチニブとSIS3とを併用すると、KW2449またはポナチニブの単独投与に比べて、T315I変異BCR-ABL発現CML幹細胞のコロニー形成能をさらに抑制した(図10)。これらの結果は、SIS3がT315I変異BCR-ABLを発現する第三世代マルチキナーゼ阻害剤抵抗性CMLに対しても治療効果を有することを示すものである。
TKI治療によれば根絶を免れる可能性のあるCML幹細胞(特にT315I変異BCR-ABL発現CML幹細胞を含むTKI抵抗性CML幹細胞)を、効率よく排除することができる。またTKIやマルチキナーゼ阻害薬との併用により、より治療奏功性を高めることができ、CMLとPh+ALLの再発の予防効果をもたらすとともに、TKIやマルチキナーゼ阻害薬の投与量を低減することができ、副作用を軽減させる点で有用。さらに、これまで有効な治療方法の確立されていない再発CML患者に対する新たな治療方法となる。

Claims (14)

  1. TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬を含有してなる、慢性骨髄性白血病治療剤。
  2. 阻害薬がSmad3及び/又はSmad2のリン酸化、Smad3及び/又はSmad2とSmad4との複合体形成、あるいは該複合体の標的DNA配列への結合を阻害するものである、請求項1記載の剤。
  3. 阻害薬がSmad3、Smad2又はSmad4の発現を阻害するものである、請求項1記載の剤。
  4. 阻害薬が6,7-ジメトキシ-2-[(2E)-3-(1-メチル-2-フェニル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル-プロプ-2-エノイル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン又はその塩である、請求項1記載の剤。
  5. 慢性骨髄性白血病幹細胞の除去剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の剤。
  6. チロシンキナーゼ阻害薬に対して抵抗性の慢性骨髄性白血病幹細胞の抑制剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の剤。
  7. チロシンキナーゼ阻害薬に対する抵抗性がBCR-ABLのATPリン酸結合ループ中の変異に基づくものである、請求項6記載の剤。
  8. チロシンキナーゼ阻害薬に対する抵抗性がBCR-ABLのT315I変異に基づくものである、請求項6記載の剤。
  9. チロシンキナーゼ阻害薬又はマルチキナーゼ阻害薬と組み合わせてなる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の剤。
  10. チロシンキナーゼ阻害薬がイマチニブ、ダサチニブもしくはニロチニブであり、マルチキナーゼ阻害薬がKW2449もしくはポナチニブである、請求項9記載の剤。
  11. 以下の工程を含む、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬のスクリーニング方法。
    (1)被験物質を、TGF-β受容体、並びにSmad3及び/又はSmad2を発現する哺乳動物細胞と接触させる工程、
    (2)Smad3及び/又はSmad2のリン酸化の程度を測定する工程、
    (3)上記(2)のリン酸化の程度を、被験物質を接触させなかった細胞におけるSmad3及び/又はSmad2のリン酸化の程度と比較する工程、並びに
    (4)Smad3及び/又はSmad2のリン酸化の程度を低下させた被験物質を、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬の候補として選択する工程
  12. 以下の工程を含む、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬のスクリーニング方法。
    (1)被験物質を、TGF-β受容体、Smad3及び/又はSmad2、並びにSmad4を発現する哺乳動物細胞と接触させる工程、
    (2)Smad3及び/又はSmad2とSmad4との結合の程度を測定する工程、
    (3)上記(2)の結合の程度を、被験物質を接触させなかった細胞におけるSmad3及び/又はSmad2とSmad4との結合の程度と比較する工程、並びに
    (4)Smad3及び/又はSmad2とSmad4との結合の程度を低下させた被験物質を、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬の候補として選択する工程
  13. 以下の工程を含む、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬のスクリーニング方法。
    (1)被験物質を、TGF-β受容体、Smad3及び/又はSmad2、Smad4、並びにSmad結合配列を含むプロモーターの制御下にあるレポーター遺伝子を発現する哺乳動物細胞と接触させる工程、
    (2)レポーター遺伝子の発現量を測定する工程、
    (3)上記(2)の発現量を、被験物質を接触させなかった細胞におけるレポーター遺伝子の発現量と比較する工程、並びに
    (4)レポーター遺伝子の発現量を低下させた被験物質を、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬の候補として選択する工程
  14. 以下の工程を含む、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬のスクリーニング方法。
    (1)TGF-β受容体、Smad3及び/又はSmad2、並びにSmad4を発現する哺乳動物細胞から核画分を調製する工程、
    (2)被験物質の存在下で、該核画分とSmad結合配列を含むDNAとを接触させる工程、
    (3)Smad3及び/又はSmad2とSmad4との複合体と、該DNAとの結合の程度を測定する工程、
    (4)上記(3)の結合の程度を、被験物質の非存在下で、該核画分とSmad結合配列を含むDNAとを接触させた場合の結合の程度と比較する工程、並びに
    (5)結合の程度を低下させた被験物質を、TGF-β-Smadシグナルの選択的阻害薬の候補として選択する工程
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