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JP2018191565A - 大腸菌のペリプラズムを利用した、蛍光タンパク質または化合物のスクリーニング方法、並びにこれらの方法に用いることができる大腸菌およびベクター - Google Patents

大腸菌のペリプラズムを利用した、蛍光タンパク質または化合物のスクリーニング方法、並びにこれらの方法に用いることができる大腸菌およびベクター Download PDF

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JP2018191565A
JP2018191565A JP2017097847A JP2017097847A JP2018191565A JP 2018191565 A JP2018191565 A JP 2018191565A JP 2017097847 A JP2017097847 A JP 2017097847A JP 2017097847 A JP2017097847 A JP 2017097847A JP 2018191565 A JP2018191565 A JP 2018191565A
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御子柴 克彦
Katsuhiko Mikoshiba
克彦 御子柴
章歳 宮本
Akitoshi Miyamoto
章歳 宮本
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Abstract

【課題】本発明は、大腸菌のペリプラズムを利用した、蛍光タンパク質または化合物のスクリーニング方法、並びにこれらの方法に用いることができる大腸菌およびベクターを提供する。【解決手段】大腸菌のペリプラズムに蛍光タンパク質を発現させることが可能であること、およびペリプラズムで化合物と蛍光タンパク質とを接触させ、蛍光強度を測定する。好ましくは、固形培地上でペリプラズムに蛍光タンパク質を発現させた大腸菌にコロニーを形成させ、および、より好ましくは、大腸菌コロニーを蛍光顕微鏡で観察して蛍光強度を測定する。【選択図】なし

Description

本発明は、大腸菌のペリプラズムを利用した、蛍光タンパク質または化合物のスクリーニング方法、並びにこれらの方法に用いることができる大腸菌およびベクターに関する。
蛍光分子は、生体の反応や物質の存在を可視化する重要なツールである。従って、蛍光分子の開発は、生体の反応や物質の存在を可視化する新しいツールの開発として重要である。従来から、蛍光分子の改変と有用な蛍光分子のスクリーニングにより実施されてきた。
TorAタグを付加したタンパク質は、大腸菌においてTat経路によりペリプラズムに移行することが知られている(非特許文献1)。そして、ペリプラズムを利用して、蛍光タンパク質を有するインジケーターが開発されている(非特許文献2)。
C.M. Barrett, N. Ray, J.D. Thomas, C. Robinson, A. Bolhuis, Biochem Biophys Res Commun, 304 (2003) 279-284. Y. Zhao, S. Araki, J. Wu, T. Teramoto, Y.F. Chang, M. Nakano, A.S. Abdelfattah, M. Fujiwara, T. Ishihara, T. Nagai, R.E. Campbell, Science, 333 (2011) 1888-1891
本発明者らは、より効率のよいスクリーニング手法があれば開発速度を大きく前進させると考えた。
本発明は、大腸菌のペリプラズムを利用した、蛍光インジケーターまたは化合物のスクリーニング方法、並びにこれらの方法に用いることができる大腸菌およびベクターを提供する。
本発明者らは、大腸菌のペリプラズムに蛍光インジケーターを効率的かつ安定して発現させることが可能であれば、大腸菌を利用した最適な蛍光インジケーターを簡便に探索できることを着想した。また同様に、開発された蛍光インジケーターを大腸菌のペリプラズムに効率的かつ安定して発現させることが可能になれば、大腸菌のペリプラズム内での蛍光インジケーターと候補物質を接触させて、当該インジケーターと強く結合する化合物を探索することが可能になることを見出した。
その一例として、本発明者らは特に、ペリプラズムでイノシトール1,4,5−三リン酸(IP3)と蛍光インジケーターとを接触させることができ、IP3応答性蛍光インジケーターの開発(特に、スクリーニング)に有利であることを見出した。
本発明者らはまた、固形培地上でペリプラズムに蛍光インジケーターを発現させた大腸菌にコロニーを形成させ、大腸菌を観察するのに共焦点顕微鏡が特に適していることを見出した。本発明者らはまた、大腸菌株Top10は、Long-TorAシグナル配列を有するタンパク質を極めて効率良くペリプラズムに移行させることができ、大腸菌株JM109株は、Short-TorAシグナル配列を有するタンパク質を極めて効率良くペリプラズムに移行させることができることを見出した。本発明者らはまた、変異型LPS大腸菌株HO141ではLong-TorAシグナル配列を有するタンパク質を極めて効率良くペリプラズムに移行させることができることを見出した。本発明者らはさらに、大腸菌のペリプラズム内で蛍光インジケーターと疎水性化合物を接触させる場合には、Long-TorAシグナル配列を有するタンパク質を変異型LPS大腸菌に導入することで、当該タンパク質と疎水性化合物の接触の評価に最適であることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき、創作された発明である。
すなわち、本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターのスクリーニング方法であって、
(A)蛍光インジケーターまたはその改変体にペリプラズム移行シグナル配列(具体的にはTorAシグナル配列)を連結させたタンパク質を発現可能に含むタンパク質発現ベクターを大腸菌に形質転換することと、
(B)蛍光インジケーターまたはその改変体がペリプラズムに発現した大腸菌と前記化合物とを接触させることと、
(C)化合物依存的に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターまたはその改変体を発現する大腸菌を選択することと
を含む、方法。
(2)上記(1)に記載の方法であって、
前記(B)が、固形培地上で大腸菌コロニーと化合物とを接触させることにより実施される、方法。
(3)上記(2)に記載の方法であって、
前記(C)が、固形培地上の大腸菌コロニーが発する蛍光を共焦点顕微鏡で観察することにより行われる、方法。
(4)上記(3)に記載の方法であって、
(D)ピックアップされた大腸菌コロニーに含まれるタンパク質発現ベクターを精製し、蛍光インジケーターをコードする遺伝子の配列を決定することをさらに含む、方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法であって、前記(A)の前に、
(Z)化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターのアミノ酸を改変すること
を実施し、
(A)では、蛍光インジケーターとして、(Z)において改変された蛍光インジケーターを用いる、方法。
(6)化合物が、イノシトール1,4,5−三リン酸またはカルシウムイオンである、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターが、イオンインジケーターまたはその改変体である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(8)大腸菌が変異型LPSを有する大腸菌である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)蛍光インジケーターの蛍光強度を増強する化合物のスクリーニング方法であって、
(α)蛍光インジケーターにペリプラズム移行シグナル配列(具体的にはTorAシグナル配列)を連結させたタンパク質を発現可能に含むタンパク質発現ベクターを大腸菌に形質転換することと、
(β)前記タンパク質をペリプラズムに発現した大腸菌と被験化合物とを接触させることと、
(γ)蛍光インジケーターの蛍光強度を変化させる被験化合物を選択することと
を含む、方法。
(10)蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)または生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)を利用して、2つのタンパク質の相互作用を変化させる化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)相互作用によりFRETまたはBRETを生じる2つのタンパク質それぞれにペリプラズム移行シグナル配列(具体的にはTorAシグナル配列)を付加することと、
(b)2つのタンパク質をペリプラズムに発現する大腸菌を得ることと、
(c)大腸菌と被験化合物とを接触させることと、
を含み、
接触により、FRETまたはBRETのアクセプタータンパク質の蛍光強度に変化が生じた場合には、被験化合物は、2つのタンパク質の相互作用を変化させるものであることが示される、方法。
(11)蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を利用して、タンパク質のコンフォメーションを変化させる化合物をスクリーニングする方法であって、
(a’)分子内でFRETを生じる蛍光インジケーターにペリプラズム移行シグナル配列(具体的にはTorAシグナル配列)が連結されたタンパク質を発現可能に含むタンパク質発現ベクターを大腸菌に形質転換することと、
(b’)得られたタンパク質をペリプラズムに発現する大腸菌と被験化合物とを接触させることと、
を含み、
接触により、FRET効率に変化が生じた場合には、被験化合物は、タンパク質のコンフォメーションを変化させるものであることが示される、方法。
(12)上記(9)〜(11)のいずれかに記載の方法であって、
前記大腸菌と被験化合物とを接触させることが、固形培地上で大腸菌コロニーと化合物とを接触させることにより実施される、方法。
(13)上記(12)に記載の方法であって、
前記大腸菌コロニーが、共焦点顕微鏡で観察される、方法。
(14)、上記(13)に記載の方法であって、大腸菌が変異型LPSを有する大腸菌である、方法。
(15)化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターをペリプラズムに発現する、組換え大腸菌。
(16)蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)または生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)を生じる2つのタンパク質をペリプラズムに発現する、組換え大腸菌。
(17)蛍光強度を変化させる化合物を検出またはスクリーニングすることに用いるための、上記(15)に記載の組換え大腸菌を含む、組成物。
(18)FRET効率を変化させる化合物を検出またはスクリーニングすることに用いるための、上記(16)に記載の組換え大腸菌を含む、組成物。
(19)大腸菌のペリプラズムに蛍光インジケーターを発現させ、蛍光強度を変化させる化合物を検出またはスクリーニングすることに用いるための組成物であって、ペリプラズム移行シグナル配列(具体的にはTorAシグナル配列)と蛍光インジケーターとの連結タンパク質をコードする核酸を発現可能に含むタンパク質発現ベクターを含む、組成物。
図1は、大腸菌の外膜および内膜の構造を示す。図1はまた、ペリプラズム移行シグナル配列(具体的にはTorAシグナル配列)を有する蛍光インジケーターと外膜を透過する低分子量化合物がペリプラズムで接触することを示す。 図2Aは、大腸菌株、発現ベクター、およびTorAシグナルの種類の組合せとペリプラズムでのタンパク質の発現量との関係を示す。図2A中、「C」はカルシウムイオン存在下条件であることを示し、「E」はEGTA存在下条件であることを示す。図2A中、「Short」は、Short-TorAシグナルを付加することを示し、「Long」は、Long-TorAシグナルを付加することを示す。図2A中、「Top10」は大腸菌Top10株を示し、「JM109」は、大腸菌株JM109(DE3)を示し、「BL21」は大腸菌株BL21(CD3)を示し、「Codon」は、大腸菌株BL21コドンプラスを示す。図2A中、pBADおよびpRSETは、用いたベクターの種類を示す。 図2Bは、HO141株における,発現ベクター、およびTorAシグナルの種類の組合せとペリプラズムでのタンパク質の発現量との関係を示す。図2A中、「C」はカルシウムイオン存在下条件であることを示し、「E」はEGTA存在下条件であることを示す。図2A中、「Short」は、Short-TorAシグナルを付加することを示し、「Long」は、Long-TorAシグナルを付加することを示す。図2A中、pBADおよびpRSETは、用いたベクターの種類を示す。 図3Aは、寒天培地上での大腸菌コロニーの観察スキームを示す。図3Aはカルシウムイオンインジケーターを観察する場合の図であり、カルシウムイオンの添加とEGTAの添加により、カルシウムイオン依存的な蛍光を観察する系を示す。 図3Bは、観察装置の違いによる検出感度の違いを示す。図中、LASおよびSZXはそれぞれ実施例で用いた観察システムである、蛍光イメージ解析装置LAS3000および蛍光ステレオ顕微鏡SZX16をそれぞれ示す。 図3Cは、図3Aのスキームにおいてカルシウム添加後の蛍光強度とEGTA添加後の蛍光強度の比を示す。 図4は、IP3が外膜を透過してペリプラズムに到達することを示す。図4のパネルAは、IP3が外膜を透過してペリプラズムに到達し、ペリプラズムでIP3結合体であるmCherry−m49と結合することを示す。図4のパネルBは、IP3が外膜を透過してペリプラズムに到達し、ペリプラズムでIRISと結合することを示す。図4のパネルCは、IP3がペリプラズムでIRISと結合し、IRISの蛍光スペクトルを変化させることを示す。 図5は、蛍光インジケーターをコードする遺伝子に変異を導入して改変体を作製し、これをスクリーニングするシステムの概要を示す。蛍光遺伝子にランダムな変異を導入する。次いで、TorAシグナルを付加するベクターに導入して、大腸菌へ形質転換する。さらに寒天培地上で大腸菌にコロニーを形成させて、観察し(化合物依存性の蛍光インジケーターの場合は化合物を添加してもよい)、有用なコロニーを取得して導入された遺伝子を解析する。 図6Aは、大腸菌のペリプラズムにおいて、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を用いたタンパク質の相互作用を増強する化合物または遮断する化合物を同定する方法の概略を示す図である。 図6Bは、大腸菌のペリプラズムにおいて、XとYとが相互作用すると蛍光を発する分子を用いて、タンパク質の相互作用を増強する化合物または遮断する化合物を同定する方法の概略を示す図である。 図7は、共焦点顕微鏡とそれ以外の観察システムとの相違を示す図である。 図8は、pRSET発現ベクターに図6Aで用いる2つのタンパク質を組込んだベクターの一例を示す。
発明の具体的な説明
本明細書では、「大腸菌」とは、学名Escherichia coliE. coli)を有するグラム陰性細菌である。大腸菌は、遺伝子を組込んでタンパク質の発現に用いられる他、遺伝子を大腸菌内で複製可能なプラスミドに組込んで増幅させることや、クローニングすることに用いられている。
本明細書では、「ペリプラズム」とは、グラム陰性細菌において細胞膜と細胞外膜との間に囲まれた領域を言う。本明細書では、細胞外膜を単に外膜と呼ぶ。本明細書では、細胞膜を内膜と呼ぶことがある。大腸菌の外膜は、低分子量化合物に対して透過性を有し、特に分子量600ダルトン以下の化合物に対する透過性に優れている。
本明細書では、「コンピテントセル」とは、DNAに対する膜透過性を向上させた大腸菌を意味する。コンピテントセルは、例えば、対数増殖期の大腸菌を二価イオン(例えばカルシウムイオン)の存在下で冷却することにより作成することができる。コンピテントセルは、DNA導入時にヒートショックを与えてDNAの取込み効率をさらに向上させることがある。
本明細書では、「TorA」とは、E. coliのTorAタンパク質(すなわち、トリメチルアミン−N−オキシドレダクターゼ)を意味する。本明細書では、「TorAシグナル配列」とは、表1の配列番号1若しくは2またはその一部に代表される、連結したタンパク質をペリプラズムに移行させるTorAのシグナル配列またはTorA由来のシグナル配列を意味する。TorA由来のシグナル配列は、TorAのシグナル配列と80%以上若しくは90%以上の配列同一性を有し、ペリプラズム移行シグナルとして機能する配列、または改変されたTorAのシグナル配列である。
本明細書では、「蛍光共鳴エネルギー移動」(FRET)とは、第一の蛍光タンパク質の蛍光の波長と第二の蛍光タンパク質の励起光の波長のスペクトルが重なり合う場合に、前記2つの蛍光タンパク質が近接すると、第一の蛍光タンパク質を励起したときに、第一の蛍光タンパク質が吸収したエネルギーが、第二の蛍光タンパク質の励起のためのエネルギーとして用いられ、第二の蛍光タンパク質の蛍光が発するという現象である。このとき第一の蛍光タンパク質をドナータンパク質(供与体)といい、第二の蛍光タンパク質をアクセプタータンパク質(受容体)という。ドナータンパク質とアクセプタータンパク質との距離が10nm以下程度になったときにFRET効率が顕著に向上すると考えられている。
FRETは、タンパク質間相互作用の変化の解析手法として当業者に周知である。具体的には、FRETでは、タンパク質Aにドナータンパク質を連結し、タンパク質Bにアクセプタータンパク質を連結して、タンパク質AとBとの相互作用を検出することができる。FRETは、分子内のドメイン間の相対的位置関係の変化の解析手法としても用いられている。例えば、ドメインAにドナータンパク質を連結し、ドメインBにアクセプタータンパク質を連結して、タンパク質のコンフォメーションが変化すると、ドナータンパク質とアクセプタータンパク質との距離が変動し、FRET効率に変化を生じさせることができることが知られている。
本明細書では、「生物発光共鳴エネルギー移動」(BRET)とは、FRETにおいて供与体として第1の蛍光タンパク質の代わりに生物発光タンパク質を用いて、ドナータンパク質とアクセプタータンパク質とが近接すると、ドナータンパク質が生物発光しようとするときにそのエネルギーがアクセプタータンパク質の励起のためのエネルギーとして用いられ、ドナーの代わりにアクセプタータンパク質の蛍光が発するという現象である。生物発光タンパク質としては、ルシフェラーゼが挙げられる。
本明細書では、「遮断」または「遮断する」とは、タンパク質の相互作用に関して用いられる場合、相互作用を阻害する、弱める、減少させる、または消失させることを意味する。
本明細書では、「コンフォメーション」とは、タンパク質が取り得る立体形状を意味する。コンフォメーション変化とは、タンパク質の立体形状の変化、すなわち構造変化を意味する。
本明細書では、「大腸菌コロニー」とは、大腸菌を適切な希釈倍率で希釈した溶液を塗布した固形培地上で形成される集団を意味する。コロニーは、単一クローンからなる。適切な希釈倍率が不明な場合には、当業者であれば希釈系列、例えば10倍の希釈系列を作製して適切な希釈倍率を決定することができる。
本明細書では、「固形培地」とは、液体培地に対する意味で用いられ、固化させた培地をいう。固形培地は、通常、液体培地に寒天を加えて固化させて調製することができる。大腸菌の培地は、当業者であれば適宜調製することができる。大腸菌の培地は、例えば、ペプトン、牛肉エキスまたは酵母エキス、塩、およびグルコースなどの成分を含み得る。培地は、必要に応じて、抗生物質を含み得、耐性遺伝子を有するプラスミドを含む大腸菌の選択のために用いられ得る。
本明細書では、「改変」は、遺伝的にタンパク質を改変することを意味する。改変は、アミノ酸配列の変更により行われ得る。アミノ酸配列の変更は、アミノ酸の置換、付加、削除、若しくは挿入またはその組合せでなされ得る。例えば、アミノ酸の改変は、1〜数アミノ酸の置換、付加、削除、若しくは挿入またはその組合せでなされ得る。アミノ酸の改変は、タンパク質の一定のストレッチ(例えば、タンパク質ドメイン)の移植または交換により行ってもよい。
本明細書では、「蛍光タンパク質」とは、特定の波長を有する光で励起することにより、蛍光を発するタンパク質を意味する。通常は、蛍光は励起光よりも長い波長を有する。励起光と蛍光を区別するためにダイクロイックミラーが用いられる。ダイクロイックミラーは、特定波長の光を反射するが、それ以外の波長の光を透過する性質を有する。
本明細書では、「発現」または「発現する」とは、タンパク質をコードする遺伝子からタンパク質が産生されることを意味する。
本明細書では、「ベクター」とは、遺伝子組換えに用いられる核酸分子を言う。本明細書では、大腸菌に遺伝子導入することが念頭に置かれるため、ベクターは、大腸菌で自己複製可能な複製起点を有し、形質転換した大腸菌を選択するための耐性遺伝子を有し、外来遺伝子を導入するための挿入部位(例えば、マルチクローニングサイト)を有する。
本明細書では、「タンパク質発現ベクター」とは、大腸菌内でタンパク質を発現させることに用いるベクターを意味する。タンパク質発現ベクターは、通常、大腸菌においてタンパク質を発現させるためのプロモーターおよびポリA付加配列を有する。タンパク質発現ベクターとしては、プラスミドがよく用いられている。タンパク質発現ベクターで2つのタンパク質を発現させるときには、2つのタンパク質を2つのmRNAにモノシストロニックに発現させてもよいし、2つのタンパク質を1つのmRNAにポリシストロニックに発現させてもよい。ポリシストロニックに発現させる場合には、2つのタンパク質をコードする領域の間にリボソームエントリーサイト(IRES)を導入することができる。
本明細書では、「蛍光インジケーター」とは、蛍光タンパク質であり、FRETまたはBRET(生物発光共鳴エネルギー移動)の効果を有する二つのタンパク質ドメインの間に、特定の化合物またはタンパク質との結合することでコンフォメーション変化を起こすタンパク質またはその機能的断片を有する融合タンパク質を意味する。蛍光インジケーターは、特定の化合物またはタンパク質との接触により、FRETまたはBRETの効果によって蛍光強度の変化を示す。この変化の有無から、蛍光インジケーター中のタンパク質が、特定の化合物またはタンパク質との接触によってコンフォメーション変化を起こすか否かを評価するツールとして利用できる。このような評価は、物質の有無を評価するセンサー、研究試薬の探索、疾患の治療薬の探索などに応用され得る。
本発明者らは、タンパク質発現ベクターを用いて蛍光インジケーターをペリプラズムで発現させると、外膜外からペリプラズムに透過できる分子との相互作用を利用して、分子のスクリーニングや、蛍光インジケーターのスクリーニングが可能となることを見出した。
本発明者らはまた、ペリプラズム移行シグナル(具体的にはTorAシグナル配列)を付加した蛍光インジケーターを発現する大腸菌コロニーの観察に共焦点顕微鏡が適していることを見出した。
本発明者らはこれらの知見から、化合物依存的に蛍光を発する蛍光インジケーターの開発を促進することができる以下の発明を考案した。具体的には、蛍光インジケーターを改変し、複数の蛍光インジケーターの改変体を得、それぞれにペリプラズム移行シグナル(具体的にはTorAシグナル配列)を付加して、タンパク質発現ベクターに発現可能に導入し、大腸菌に形質転換することができる。形質転換された大腸菌は、通常、1つの大腸菌に1つのプラスミドしか導入されないので、これを固形培地に塗布してコロニーを形成させると、コロニーは1つのプラスミドだけをプラスミドとして有する大腸菌からなる。化合物と大腸菌とを接触させると、化合物はペリプラズムに到達し、ペリプラズムに到達した化合物は、蛍光インジケーター改変体とペリプラズム中で反応し、蛍光インジケーター改変体の蛍光強度を変化させる。化合物依存的な蛍光強度の最も好ましい変化を示す改変体を含むコロニー(上述の通り、単一の改変体しか含まない)を増殖させて、改変体の核酸配列やアミノ酸配列を決定することが可能となる。
ここで、大腸菌コロニーは、例えば、アルコール滅菌や加熱滅菌した白金耳や楊子等でつついて、液体培地に懸濁することができ、その後培養することで、単一クローンからなる大腸菌をさらに増殖させることができる。例えば、好ましい性質を示す大腸菌コロニーを増殖させて、その後、その好ましい性質の原因となっているタンパク質をコードするDNAをクローニングしたり、配列を決定したりすることができる。あるいは、コロニーはアルコール滅菌や加熱滅菌した白金耳や楊子等でつついて、これをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)反応の反応液に直接懸濁して、その好ましい性質の原因となっているタンパク質をコードするDNAを増幅し、配列決定することもできる。
このように、コロニーを直接観察する手法は、その後の解析が簡便であるが故に有利である。固形培地上の大腸菌コロニーの観察に共焦点顕微鏡が特に適しているから、これを用い、好ましい蛍光特性を有するコロニーを特定し、コロニーが有するベクター中の蛍光インジケーターの配列を解析することが容易にできる。
この発明は、FRETを利用した2分子間の相互作用の変化の検出の系にも適用できると考え、さらに2分子間の相互作用を変化させる化合物のスクリーニング方法を考案した。この発明はまた、2分子間の相互作用の変化を分割した蛍光タンパク質を用いて検出する系にも適用できると考え、2分子間の相互作用を変化させる化合物のスクリーニング方法を考案した。
本発明の一側面によれば、化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターのスクリーニング方法であって、
(A)蛍光インジケーターまたはその改変体にペリプラズム移行シグナル配列を連結させたタンパク質を発現可能に含むタンパク質発現ベクターを大腸菌に形質転換することと、
(B)蛍光インジケーターまたはその改変体がペリプラズムに発現した大腸菌と前記化合物とを接触させることと、
(C)化合物依存的に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターまたはその改変体を発現する大腸菌を選択することと、{ここで好ましくは、蛍光インジケーターからの蛍光は共焦点顕微鏡を用いて観察する}
を含む、方法が提供される。
以下では、上記(A)〜(C)について説明する。
(A)について
化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターとは、特定の化合物との結合および解離に応じて蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターであり、いわゆるケミカルセンサーやイオンセンサーとして用いられる蛍光インジケーターを含む。本明細書では、「蛍光強度を変化させる」には、蛍光波長スペクトルを変化させること(例えば、蛍光波長が変化すること)が含まれる。
化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターは、様々なものが開発されており、例えば、カメレオン(cameleon)、ペリカム(pericam)、ジーカンプ(GCaMP)、CaTM、Case12、Fluo−4、Rhod−3、およびゲッコー(GECO)などのカルシウムイオン依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターが挙げられる。
化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターとしては、鉄イオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、pH、および膜電位に応答性の蛍光インジケーターなどのイオン依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターが膨大に開発されており、用いることができる。イオン依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターは、当該イオン存在下での蛍光強度と非存在下での蛍光強度を比較して同定することができる。イオン非存在下の環境は、例えば、イオン添加前の環境としてもよいし、キレート剤存在下の環境としてもよい。ある一態様では、イオン存在下で蛍光強度を測定し、キレート剤を添加して蛍光強度を測定して蛍光強度を両者間で比較してもよい。
また、化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターとしては、一酸化炭素や活性酸素種応答性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターも多数知られており、用いることができる。化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターとしては、イノシトール1,4,5−三リン酸(IP3)依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーター、例えば、IRISおよびLIBRAが挙げられ、本発明で用いられ得る。
上記(A)では、化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターを新規に設計して蛍光インジケーターの候補を作製し、これを蛍光インジケーターとしてペリプラズム移行シグナル配列(具体的にはTorAシグナル配列、pelBシグナル配列、malEシグナル配列)と連結させて用いることができるし、あるいは、既存の化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターを改変することにより、改変体を作製して、これを用いてもよい。
TorAシグナル配列と蛍光インジケーターとの連結は、コドンのフレームがずれないようにこれらをコードする核酸を連結(インフレームで連結)することにより可能となる。TorAシグナル配列と蛍光インジケーターとの連結は、FLAGタグやHisタグなどのタグをタンパク質に付加するのと同様に行うことができ、当業者に周知である。
上記(A)では、連結タンパク質を発現可能に含むタンパク質発現ベクターは、連結タンパク質をプロモーターに作動可能に連結して作製することができる。プロモーターは、大腸菌においてタンパク質を発現できるプロモーターとすることができ、例えば、lacプロモーターなどのイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)で誘導可能なプロモーター、casAなどのコールドショックで誘導可能なプロモーター、araBADなどのアラビノースで誘導可能なプロモーター、およびT7プロモーターなどのウイルスのプロモーターが挙げられ、本発明で用いることができる。
発現ベクターの大腸菌への形質転換は、当業者に周知の方法で実施することができる。例えば、コンピテントセルと発現ベクターとを混合して行うことができる。混合時には、40〜42℃程度のヒートショックを加えてもよい。
大腸菌は、特に限定されないが、タンパク質発現に大腸菌を用いることができる。例えば、大腸菌としては、BL21株、JM109株、Top10株、およびJE1011株が挙げられる。
大腸菌としてはまた、これらの染色体DNAにλDE3遺伝子が組込まれたBL21(DE3)、JM109(DE3)、Top10(DE3)、およびJE1011(DE3)などのλDE3遺伝子を有する大腸菌株が挙げられる。λDE3遺伝子上には、lacUV5プロモーターの制御下にT7RNAポリメラーゼ遺伝子が配置されており、IPTGによりT7 RNAポリメラーゼを誘導することができる。従ってこの系では目的遺伝子をT7プロモーターの制御下に作動可能に連結しておくと、IPTGにより目的遺伝子を発現させることができる。
大腸菌としてはまた、リポ多糖(LPS)に変異を有する大腸菌を用いることができる。LPSの変異としてはLPS構造の一部が欠落したものであって疎水性化合物への感受性が高くなった大腸菌が好ましく、例えば、JE1011株由来で樹立されたHO141(Osada and Beppu, Agric. Biol. Chem., 1985)が挙げられる。
大腸菌としてはさらに、λDE3遺伝子を有する大腸菌株にはさらにT7リゾチーム遺伝子を有するプラスミドpLysSを導入した大腸菌、例えば、BL21(DE3)pLysS、JM109(DE3)pLysS、Top10(DE3pLysS)、およびJE1011(DE3)pLysSを用いることができる。T7リゾチームは、T7RNAポリメラーゼに結合して転写を抑制するため、非誘導時に目的タンパク質の発現レベルを低下させることができる。
(A)において、大腸菌株Top10とLong-TorAシグナル配列との組合せ、大腸菌株JM109株とShort-TorAシグナル配列との組合せ、および大腸菌株HO141株とLong-TorAシグナル配列との組合せが、有利に用いられ得る。{本発明では、大腸菌株Top10とLong-TorAシグナル配列との組合せ、大腸菌株JM109株とShort-TorAシグナル配列との組合せ、および大腸菌株HO141株とLong-TorAシグナル配列との組合せからなる群から選択される組合せの、上記方法を実施するための使用が提供される。}
(B)について
(B)では、液体培地または固形培地で培養した大腸菌を用いることができる。これらの大腸菌では、TorAシグナル配列によりtat経路が機能し、蛍光インジケーターまたはその改変体は、大腸菌のペリプラズムに蓄積する。蛍光インジケーターが依存する化合物を接触させると、蛍光インジケーターと当該化合物は、ペリプラズムにおいて反応する。
化合物は、低分子量(例えば、600ダルトン以下、500ダルトン以下、または400ダルトン以下)であると外膜を透過して外部からペリプラズムに浸透しやすい。従って、化合物は、低分子量であることが好ましい。
化合物は、蛍光インジケーターにおいてその蛍光強度を変化させる化合物とすることができる。好ましい態様では、(B)において、蛍光は共焦点顕微鏡で観察することができる。
固形培地で培養した大腸菌を共焦点顕微鏡で観察する場合には、固形培地は、共焦点顕微鏡の対物レンズの作動距離(WD)が培地の厚みよりも大きいもの(例えば、3mm以上、4mm以上、または5mm以上)を用い、固形培地は、薄く(例えば、1〜3mm)して用いることができる。
大腸菌を固形培地で培養すると、大腸菌は培地上でコロニーを形成する。コロニーは単一のクローンからなる。大腸菌コロニーは、アルコール滅菌や加熱滅菌した白金耳や楊子等でつついて、液体培地に懸濁することができ、このようにすることで単一クローンからなる大腸菌をさらに増殖させることができる。例えば、好ましい性質を示す大腸菌コロニーを増殖させて、その後、その好ましい性質の原因となっているタンパク質をコードするDNAをクローニングしたり、配列を決定したりすることができる。
ある好ましい態様では、例えば、(A)において、化合物依存性に蛍光強度を変化させる様々な蛍光インジケーター候補が導入されたタンパク質発現ベクターのプールを得て、これを大腸菌に形質転換して固形培地上で培養すると、コロニー毎に異なる蛍光インジケーター候補を発現し得る。
例えば、大腸菌を液体培地で培養する場合には、1つの培地で1種の大腸菌を培養することができる。
ある好ましい態様では、例えば、(A)と(B)の間で、第一の発現ベクターで形質転換した大腸菌を固形培地の一領域に播種し、別の第二の発現ベクターで形質転換した大腸菌を固形培地の別の一領域に播種することを含んでいてもよい。
(C)について
(C)では、(B)で化合物と化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーター候補分子や化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターの改変体とを接触させた場合に、蛍光強度が変化する大腸菌を選択する。
例えば、(A)において、化合物依存性に蛍光強度を変化させる様々な蛍光インジケーター候補が導入されたタンパク質発現ベクターのプールを得て、これを大腸菌に形質転換して固形培地上で培養すると、蛍光強度が化合物依存的に大きく変化するコロニーから変化しないコロニーまで様々なコロニーが得られる。所望のコロニー(例えば、蛍光強度が化合物依存的に大きく変化するコロニー)を選択することができる。コロニーは、共焦点顕微鏡を用いて観察することができる。
大腸菌コロニーは、例えば、アルコール滅菌や加熱滅菌した白金耳や楊子等でつついて、液体培地に懸濁することができ、その後培養することで、単一クローンからなる大腸菌をさらに増殖させることができる。例えば、好ましい性質を示す大腸コロニーを増殖させて、その後、その好ましい性質の原因となっているタンパク質をコードするDNAをクローニングしたり、配列を決定したりすることができる。
例えば、(B)において大腸菌を液体培地で培養する場合は、蛍光強度が化合物依存的に大きく変化する大腸菌を含む培地から変化しない大腸菌を含む培地までの様々な培養物が得られる。好ましい性質を示す大腸菌を含む培養物を十分に増殖させて、その好ましい性質の原因となっているタンパク質をコードするDNAをクローニングしたり、配列を決定したりすることができる。
このようにすることで、化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターをスクリーニングすることができる。また、必要に応じて、その蛍光インジケーターのアミノ酸配列またはそれをコードする核酸配列を得ることができる。
本発明のある態様では、(A)において、大腸菌株Top10とLong-TorAシグナル配列との組合せ、および大腸菌株JM109株とShort-TorAシグナル配列との組合せが、有利に用いられ、(B)において、固形培地に形成させた大腸菌コロニーを共焦点顕微鏡を用いて観察することができる。
本発明の別の側面では、蛍光インジケーターの蛍光強度を増強する化合物のスクリーニング方法であって、
(α)蛍光インジケーターにペリプラズム移行シグナル配列(具体的にはTorAシグナル配列)を連結させたタンパク質を発現可能に含むタンパク質発現ベクターを大腸菌に形質転換することと、
(β)前記タンパク質をペリプラズムに発現した大腸菌と被験化合物とを接触させることと、
(γ)蛍光インジケーターの蛍光強度を変化させる被験化合物を選択することと{ここで好ましくは、蛍光インジケーターからの蛍光は共焦点顕微鏡を用いて観察する}
を含む、方法が提供される。
(α)では、(A)で説明したのと同じ、蛍光インジケーター、タンパク質発現ベクターおよび大腸菌を用いることができる。
(β)では、(B)で説明した化合物を被験化合物として用いることができる。通常は、液体培地で培養および接触が行われるが、固形培地上で形成させたコロニーと被験化合物とを接触させることにより行ってもよい。コロニーは、共焦点顕微鏡を用いて観察することができる。
(γ)では、蛍光インジケーターの蛍光強度を変化させる被験化合物を選択することができる。
本発明のある態様では、(α)において、大腸菌株Top10とLong-TorAシグナル配列との組合せ、および大腸菌株JM109株とShort-TorAシグナル配列との組合せが、有利に用いられ、(β)において、固形培地に形成させた大腸菌コロニーを共焦点顕微鏡を用いて観察することができる。
本発明の別の側面では、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)または生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)を利用して、2つのタンパク質の相互作用を変化させる化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)相互作用する任意の二つのタンパク質それぞれにFRETまたはBRETのドナータンパク質およびアクセプタータンパク質を連結させたタンパク質に対し、それぞれにペリプラズム移行シグナル配列(具体的にはTorAシグナル配列)をさらに付加して融合タンパク質を得ることと、
(b)2つの融合タンパク質をペリプラズムに発現する大腸菌を得ることと、
(c)大腸菌と被験化合物とを接触させることと{ここで好ましくは、蛍光タンパク質からの蛍光は共焦点顕微鏡を用いて観察する}、
を含み、
接触により、FRETまたはBRETのドナータンパク質およびアクセプタータンパク質の蛍光強度に変化が生じた場合には、被験化合物は、2つのタンパク質の相互作用を変化させるものであることが示される、方法が提供される。
蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を利用して、2つのタンパク質の相互作用を評価することが広く一般的に行われている。FRETでは、タンパク質Aにドナータンパク質を連結し、タンパク質Bにアクセプタータンパク質を連結して、ドナータンパク質を励起し、アクセプタータンパク質の蛍光を測定することにより、タンパク質AとBとの相互作用の有無および程度を評価することができる。
(a)について
本発明では、タンパク質Aにドナータンパク質を連結し、タンパク質Bにアクセプタータンパク質を連結して、ドナータンパク質を励起し(FRET)、またはドナータンパク質を発光させ(BRET)、アクセプタータンパク質の蛍光を測定することにより、タンパク質AとBとの相互作用を評価することができる。
それぞれの連結タンパク質に、TorAシグナル配列を付加して、(A)と同じように発現ベクターに発現可能に組込み、得られたベクターを大腸菌に形質転換することができる。2つの連結タンパク質は、同一の大腸菌細胞内に発現するように形質転換することができればよい。2つの連結タンパク質は、1つのタンパク質発現ベクターにポリシストロニックに組込まれていてもよいし、モノシストロニックに組込まれていてもよい。2つの連結タンパク質は、2つのタンパク質発現ベクターにそれぞれ別々に発現可能に組込まれていてもよい。ある態様では、2つの連結タンパク質は、1つのタンパク質発現ベクターにポリシストロニックに組込まれ得る。例えば、図8に示されるように、TorAシグナル−ドナータンパク質−タンパク質AとTorAシグナル−アクセプタータンパク質−タンパク質Bとを一つのベクターに組込むことができる。
FRETを生じる蛍光タンパク質の組合せとしては、特に限定されないが例えば、シアン蛍光タンパク質と黄色又は赤色蛍光タンパク質との組合せ、または、緑色又は黄色蛍光タンパク質(YFP)と赤色蛍光タンパク質の組合せ(例えばCloverとmRuby2との組合せ)が用いられ得る。上記組合せにおいて、YFPの代わりに、VenusおよびYpetなどのYFP改変体を用いることもできる。
BRETを生じる生物発光タンパク質と蛍光タンパク質の組合せとしては、特に限定されないが例えば、ルシフェラーゼと緑色、赤色、青色若しくは黄色蛍光タンパク質またはこれらの機能的改変体との組合せが挙げられる。
(a)では、大腸菌株Top10とLong-TorAシグナル配列との組合せ、大腸菌株JM109株とShort-TorAシグナル配列との組合せ、および大腸菌株HO141株とLong-TorAシグナル配列との組合せが、有利に用いられ得る。{本発明では、大腸菌株Top10とLong-TorAシグナル配列との組合せ、大腸菌株JM109株とShort-TorAシグナル配列との組合せ、および大腸菌株HO141株とLong-TorAシグナル配列との組合せからなる群から選択される組合せの、上記方法を実施するための使用が提供される。}
(b)について
2つの連結タンパク質がペリプラズムに発現することは、顕微鏡で蛍光を観察することにより確認しうる。
(c)について
(c)では、(B)で説明した化合物を被験化合物として用いることができる。通常は、液体培地で培養および接触が行われるが、固形培地上で形成させたコロニーと被験化合物とを接触させることにより行ってもよい。コロニーは、共焦点顕微鏡を用いて観察することができる。
FRETまたはBRETの検出は、当業者に周知の方法により行うことができる。FRETは、ドナータンパク質を励起して得られる蛍光スペクトルを被験化合物の添加前後で比較することにより検出することができる。BRETは、ドナータンパク質に対する基質を添加して得られる蛍光スペクトルを被験化合物の添加前後で比較することにより検出することができる。FRETまたはBRETはまた、ドナータンパク質を励起またはその基質を添加して得られる蛍光の強度を被験化合物の添加前後で比較することにより検出することができる。
2つの連結タンパク質が、化合物非存在下で相互作用するものである場合には、その相互作用をさらに強化する被験化合物(FRET効率またはBRET効率が増大する)、またはその相互作用を遮断する(FRET効率またはBRET効率が減少する)被験化合物を得ることができる。
2つの連結タンパク質が、化合物非存在下では相互作用しないものである場合は、相互作用を発生させる被験化合物(FRET効率またはBRET効率が増大する)を得ることができる。
本発明のある態様では、(a)において、大腸菌株Top10とLong-TorAシグナル配列との組合せ、大腸菌株JM109株とShort-TorAシグナル配列との組合せ、および大腸菌株HO141株とLong-TorAシグナル配列との組合せが、有利に用いられ、(b)において、固形培地に形成させた大腸菌コロニーを共焦点顕微鏡を用いて観察することができる。
本発明の別の側面では、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)または生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)を利用して、タンパク質のコンフォメーションを変化させる化合物をスクリーニングする方法であって、
(a’)分子内でFRETまたはBRETを生じる蛍光インジケーターにペリプラズム移行シグナル配列(具体的にはTorAシグナル配列)が連結されたタンパク質を発現可能に含むタンパク質発現ベクターを大腸菌に形質転換することと、
(b’)得られたタンパク質をペリプラズムに発現する大腸菌と被験化合物とを接触させることと、
を含み、
接触により、FRET効率またはBRET効率に変化が生じた場合には、被験化合物は、タンパク質のコンフォメーションを変化させるものであることが示される、方法{ここで好ましくは、蛍光インジケーターからの蛍光は共焦点顕微鏡を用いて観察する}が提供される。
(a’)について
分子内でFRETまたはBRETを生じる蛍光インジケーターはそれぞれ、1分子型FRETバイオセンサーまたは1分子型BRETバイオセンサーと呼ばれている。1分子型FRETバイオセンサーは、ドナー蛍光タンパク質と、アクセプター蛍光タンパク質と、センサータンパク質と、リガンドタンパク質、およびセンサータンパク質とリガンドタンパク質とを連結するリンカーとが連結した融合タンパク質であり得る。1分子型BRETバイオセンサーは、ドナー発光タンパク質と、アクセプター蛍光タンパク質と、センサータンパク質と、リガンドタンパク質、およびセンサータンパク質とリガンドタンパク質とを連結するリンカーとが連結した融合タンパク質であり得る。
センサータンパク質は、リガンドタンパク質と相互作用することが知られているタンパク質であるか、あるいは、何らかの条件下でリガンドタンパク質と相互作用することが知られているタンパク質であり得る。
1分子型FRETバイオセンサーでは、センサータンパク質部分とリガンドタンパク質部分とが相互作用すると、相互作用依存的にドナー蛍光タンパク質と、アクセプター蛍光タンパク質とが近接し、FRETを生じる構成となっている。
1分子型FRETは、上記(a)において、タンパク質Aとドナータンパク質との連結タンパク質と、タンパク質Bとアクセプタータンパク質との連結タンパク質とを、リンカーで連結することにより得ることができる。
リンカーは、可動能の高いペプチドで構成され得、例えば、グリシンとセリンとアラニンとからなる群から選択される少なくとも1つ、2つまたは3つを含む、ペプチドとするとよいことが知られている。
1分子型FRETバイオセンサーの例としては、特に限定されないが、IRIS、Raichu−Ras、Prin−c−Raf、カメレオン、TN−XLなどのバイオセンサーが挙げられる。
本発明のある態様では、(a’)において、大腸菌株Top10とLong-TorAシグナル配列との組合せ、大腸菌株JM109株とShort-TorAシグナル配列、およびおよび大腸菌株HO141株とLong-TorAシグナル配列との組合せとの組合せが、有利に用いられ得る。{本発明では、大腸菌株Top10とLong-TorAシグナル配列との組合せ、大腸菌株JM109株とShort-TorAシグナル配列との組合せ、および大腸菌株HO141株とLong-TorAシグナル配列との組合せからなる群から選択される組合せの、上記方法を実施するための使用が提供される。}
(b’)について
(B)で説明した化合物を被験化合物として用いることができる。通常は、液体培地で培養および接触が行われるが、固形培地上で形成させたコロニーと被験化合物とを接触させることにより行ってもよい。コロニーは、共焦点顕微鏡を用いて観察することができる。
本発明の別の側面では、化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターをペリプラズムに発現する、組換え大腸菌が提供される。このような大腸菌は、上記(A)に説明されるように、蛍光インジケーターにTorAシグナル配列を連結させたタンパク質を発現可能に含むタンパク質発現ベクターを大腸菌に形質転換することにより得ることができる。
本発明の別の側面では、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を生じる2つのタンパク質をペリプラズムに発現する、組換え大腸菌が提供される。このような大腸菌は、上記(a)および(b)に説明されるように、タンパク質Aにドナータンパク質を連結したタンパク質と、タンパク質Aと相互作用するタンパク質Bにアクセプタータンパク質を連結したタンパク質をコードする核酸をそれぞれ調製し、TorAシグナル配列を付加して、(A)と同じように発現ベクターに発現可能に組込み、得られたベクターを大腸菌に形質転換することができる。
このような大腸菌は、蛍光強度を変化させる化合物を検出またはスクリーニングすることに用いることができる。従って、本発明では、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を生じる2つのタンパク質をペリプラズムに発現する、組換え大腸菌を含む組成物であって、蛍光強度を変化させる化合物を検出またはスクリーニングすることに用いるための組成物が提供される。
2つの連結タンパク質は、同一の大腸菌細胞内に発現するように形質転換することができればよい。2つの連結タンパク質は、1つのタンパク質発現ベクターにポリシストロニックに組込まれていてもよいし、モノシストロニックに組込まれていてもよい。2つの連結タンパク質は、2つのタンパク質発現ベクターにそれぞれ別々に発現可能に組込まれていてもよい。ある態様では、2つの連結タンパク質は、1つのタンパク質発現ベクターにポリシストロニックに組込まれ得る。
このような大腸菌は、FRET効率またはBRET効率を変化させる化合物を検出またはスクリーニングすることに用いることができる。従って、本発明では、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)または生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)を生じる2つのタンパク質をペリプラズムに発現する、組換え大腸菌を含む組成物であって、FRET効率またはBRETを変化させる化合物を検出またはスクリーニングすることに用いるための組成物が提供される。
本発明のある態様では、(a’)において、大腸菌株Top10とLong-TorAシグナル配列との組合せ、大腸菌株JM109株とShort-TorAシグナル配列との組合せ、および大腸菌株HO141株とLong-TorAシグナル配列との組合せが、有利に用いられ、(b’)において、固形培地に形成させた大腸菌コロニーを共焦点顕微鏡を用いて観察することができる。
本発明の別の側面では、大腸菌のペリプラズムに蛍光インジケーターを発現させ、蛍光強度を変化させる化合物を検出またはスクリーニングすることに用いるための組成物であって、ペリプラズム移行シグナル配列(具体的にはTorAシグナル配列)と蛍光インジケーターとの連結タンパク質をコードする核酸を発現可能に含むタンパク質発現ベクターを含む、組成物が提供される。
ペリプラズム移行シグナル配列(具体的にはTorAシグナル配列)と蛍光インジケーターとの連結タンパク質をコードする核酸を発現可能に含むタンパク質発現ベクターは、上記(A)または(a)に記載されるように作製することができる。
下記実施例に示されるように大腸菌株Top10は、Long-TorAシグナル配列を有するタンパク質を極めて効率良くペリプラズムに移行させることができた。また、大腸菌株JM109株は、Short-TorAシグナル配列を有するタンパク質を極めて効率良くペリプラズムに移行させることができた。従って、上記全ての発明において、特に限定されないが、大腸菌株Top10とLong-TorAシグナル配列との組合せ、大腸菌株JM109株とShort-TorAシグナル配列との組合せ、および大腸菌株HO141株とLong-TorAシグナル配列との組合せが、有利に用いられ得る。{本発明では、大腸菌株Top10とLong-TorAシグナル配列との組合せ、大腸菌株JM109株とShort-TorAシグナル配列との組合せ、および大腸菌株HO141株とLong-TorAシグナル配列との組合せからなる群から選択される組合せの、上記方法を実施するための使用が提供される。}
本発明のある態様では、図6Bに示されるように、相互作用する2つのタンパク質XおよびYに対してそれぞれ、蛍光タンパク質の一部を連結させ、XとYとが結合すると、蛍光タンパク質が再構成されて蛍光を発する系を用いることもできる。この態様は、FRET(図6A)においてドナータンパク質とアクセプタータンパク質を、再構成されると蛍光タンパク質になる蛍光タンパク質の一部に置き換えた態様であると言える。この態様では、例えば、GFPを用いることができる。GFPのアミノ酸番号1〜193(GFP1−9)と、GFPのアミノ酸番号194−212(GFP10)と、GFPのアミノ酸番号213−233)とを断片に分け、GFP10とGFP11にそれぞれXとYとを連結させると、GFP1−9の存在下で、GFP10−XとGFP11−Yとが会合してGFPを再構成し、蛍光を発するようになる(Cabantous et al., Scientific Reports 3, article number :2854, 2013)。
また、下記実施例に示されるように、大腸菌のペリプラズムは、共焦点顕微鏡を用いて観察したときに顕著に良好に蛍光を検出することができる。従って、上記全ての発明において、特に限定されないが、大腸菌のペリプラズムに発現した蛍光インジケーターの蛍光は共焦点顕微鏡を用いて、有利に検出されうる。
共焦点顕微鏡を用いる場合、固形培地上を複数の領域に区画し、それぞれの区画において異なる大腸菌コロニーを観察することができる。これにより、1つの固形培地上で複数の大腸菌の観察が可能となり、スクリーニングが高速化される。
実施例1:大腸菌ペリプラズムにおける蛍光インジケーターの発現モデル
本実施例では、大腸菌のペリプラズムに蛍光インジケーターを発現させたモデルを作製した。
大腸菌としては、Top10株、JM109(DE3)株、BL21(DE3)株、およびBL21コドンプラス株を用いた。
(1)蛍光インジケーター発現ベクターの調製
蛍光インジケーターをペリプラズムに移行させるシグナルとしては、表1に示されるTorAシグナル配列(Short TorAまたはLong TorA)を用いた。
表中、下線は、Short-TorAとLong-TorAとの配列の相違箇所に付されている。
表1のTorAシグナル配列(Short TorA)は、大腸菌株DH5αのゲノムDNAを鋳型として下記プライマーを用いてPCR法で増幅して得た。
プライマーセット1
Fw: 5'-ATCCCATGGGTATGGCGAATAACGATCTCTTTCAG-3'(配列番号3)
Rv: 5'-ATCGCTAGCCATACCATGATGATGATGATGATGAGACGCCGCTTGCGCCGCAGTCGC-3'(配列番号4)
プライマーセット2
Fw: 5'-GGAATTAACATATGGGTATGGCGAATAACGATC-3'(配列番号5)
Rv: 5'-ATCGCTAGCCATACCATGATGATGATGATGATGAGACGCCGCTTGCGCCGCAGTCGC-3'(配列番号6)
プライマーセット1によるPCR産物を制限酵素NcoIとNheIとで切断し、断片をpBAD/His-Aベクター(Invitrogen, USA)のNcoI-NheI切断部位に挿入した。得られたベクターをpBAD-Short-TorAと命名した。
次に、プライマーセット2によるPCR産物を制限酵素NcoIとNheIとで切断し、断片をpRSETAベクター(Invitrogen, USA)のNcoI-NheI切断部位に挿入した。得られたベクターをpRSET-Short-TorAと命名した。
Long-TorAは、pBAD-TorAを鋳型としてプライマーセット3を用いたPCRによって得た。
プライマーセット3
Fw: 5'-GCGATGCCATGGGTTTAAAGAGGAGAAAGGTCATGAACAATAACGATCTCTTTCAGGCATC-3'(配列番号7)
Rv: 5'-CTACCATCGGCGCTACGGCG-3'(配列番号8)
得られたPCR産物をNcoIとEcoRIで切断し、断片をpBAD/His-AベクターのNcoI-EcoRI切断部位に挿入した。得られたベクターをpBAD-Long-TorAと命名した。
次に、pBAD-Long-TorAを鋳型として、プライマーセット4を用いたPCRによって得られた産物をNheIとEcoRIとで切断し、pRSETAベクターのNheI-EcoRI切断部位に導入して、pRSET-Long-TorAを得た。
プライマーセット4
Fw: 5'-GGAATTAACATATGGTTTAAAGAGGAGAAAGGTC-3'(配列番号9)
Rv: 5'-CTACCATCGGCGCTACGGCG-3'(配列番号10)
上記で得られたpBAD-Long-TorA、pBAD-Short-TorA、pRSET-Long-TorAおよびpRSET-Short-TorAそれぞれに、GCaMP6sを導入した。GCaMP6sは、pGP-CMV-GCaMP6s(Addgene, USA)を鋳型とし、プライマーセット5を用いたPCRによる産物として得た。
プライマーセット5
Fw: 5'-CACCAAAATCAACGGGACTTTCC-3'
Rv: 5'-ATCGAATTCTCACTTCGCTGTCATCATTTG-3'
得られたPCR産物をNheIとEcoRIとで切断し、pBAD-Long-TorA、pBAD-Short-TorA、pRSET-Long-TorAおよびpRSET-Short-TorAのNheI-EcoRI切断部位に導入して、TorAシグナル配列が付加されたGCaMP6s発現ベクターをそれぞれ得た。得られた発現ベクターをそれぞれLong-TorA GCaMP6s/pBAD、Short-TorA GCaMP6s/pBAD、Long-TorA GCaMP6s/pRSET、Short-TorA GCaMP6s/pRSETと命名した。
(2)蛍光インジケーターの発現
Top10株、JM109(DE3)株、BL21(DE3)株、およびBL21コドンプラス株に得られた発現ベクターそれぞれを形質転換した。pRSETベースの発現ベクターを形質転換した大腸菌は、発現誘導剤を用いずにアンピシリンを含むLBプレート上で培養し、Long-TorA GCaMP6sとShort-TorA GCaMP6sを発現させた。pBADベースのベクターを形質転換した大腸菌は、L−アラビノース(0.04%)存在下でアンピシリンを含むLBプレート上で培養し、Long-TorA GCaMP6sとShort-TorA GCaMP6sを発現させた。
プレートから大腸菌コロニーを選択し、2mM塩化カルシウム水溶液または2mMエチレングリコール四酢酸(EGTA)水溶液に懸濁し、その後、大腸菌一つ一つについてGCaMP6sからの蛍光を100×油浸対物レンズ(UPlanSAPO NA1.42)、473nmレーザーダイオードレーザー、ダイクロイックミラー(405/473)、冷却GaAsp−増光管(PMT)を装着した共焦点顕微鏡FV1200(Olympus, Japan)を用いて観察した。
すなわち、実施例1では、大腸菌株4種×プラスミド2種×カルシウム添加またはEGTA添加の全ての組合せ(16通り)を実施した。
結果は、図2に示される通りであった。図2に示されるように、いずれのTorAシグナルを付加した場合でも、蛍光が観察され、また、“C”(カルシウム添加)における蛍光強度が“E”(EGTA添加)における蛍光強度よりも高いことから、ペリプラズムでGCaMP6s蛍光インジケーターが発現し、蛍光を発したことが明らかとなった。なお、TorAシグナルを付加しないGCaMP6s蛍光インジケーターによる蛍光は、本測定系では検出限界以下であった。
図2Aに示されるように、大腸菌株Top10にLong-TorAシグナルを付加したタンパク質を発現した場合に蛍光強度が特に高く、カルシウム水溶液中で蛍光強度が991.8 ± 251.8 (n = 13)であり、EGTA水溶液中で蛍光強度が201.5 ± 19.9 (n = 10)であり、蛍光強度比は、4.9であった。また、大腸菌株JM109(DE3)株にShort-TorAシグナルを付加したタンパク質を発現した場合に蛍光強度が特に高く、カルシウム水溶液中で蛍光強度が1305.5 ± 226.8 (n = 12)であり、EGTA水溶液中で蛍光強度192.3 ± 42.6 (n = 12)であり、蛍光強度比は、6.8であった。
その他の組合せでは、検出が困難である場合はあったものの、いずれの場合でもペリプラズムへのGCaMP6sの移行が確認された。
次に、疎水性化合物への感受性が高い変異型LPS大腸菌株HO141(Osada and Beppu, Agric. Biol. Chem., 1985)を用いて、上述と同様の実験を行い、蛍光強度を測定した。その結果、大腸菌株HO141では、Long-TorAシグナルを付加したタンパク質を発現した場合に蛍光強度が高く、特にpBADを骨格とするベクターで発現させたときに非常に高い蛍光強度を示すことが確認された(図2B)。
実施例2:測定方法の比較と検証
本実施例では、3つの測定系の検出力の比較を行った。
10cmディッシュに6mLの寒天培地を加え、3mm以下の厚みを有する固形寒天培地を調製した。実施例1に記載の通りに大腸菌株JM109(DE3)にShort-TorAシグナルを付加したGCaMP6sを導入し、得られた大腸菌を作成した固形寒天培地に播種した。コロニーが得られたら、コロニーを蛍光イメージ解析装置LAS3000(FUJIFILM, Japan)、蛍光ステレオ顕微鏡SZX16(Olympus, Japan)および共焦点顕微鏡FV1200(Olympus, Japan)を用いて観察し、得られた像を比較した。
観察は、図3Aに示されるスキームに従って行った。まず、コロニーを未処理状態で蛍光観察し(処理前)、次いでカルシウムイオンを添加してGCaMP6sの蛍光を活性化させて蛍光を観察し(Ca2+添加)、さらにEGTAを添加してGCaMP6sの蛍光を不活性化させて蛍光を観察した(EGTA添加)。いずれの場合も、蛍光の観察は、カルシウムイオンまたはEGTA水溶液の添加から1分後に行った。
LAS3000は、青色LED(460nm)、エミッションフィルター(Y515Di)およびスーパーCCDを備え、露光時間は2秒とし、イメージリーダーLAS3000ソフトウェアで画像を取得した。
SZX16は、0.5×対物レンズ(SDF PLAPO 0.5XPF, WD 70.5 mm, NA0.075)、0.7. GFPHQフィルターユニット(Ex:BP460-480, Em:BA495-540)、冷却CCDカメラORCA-R2(HAMAMATSU, Japan)およびキセノンランプを備えた。露光時間は2秒とし、cellSens Dimension software(Olympus, Japan)を用いて画像を取得した。
FV1200は、1.25×対物レンズ(PLAPON NA0.04, WD = 5 mm, FN26.5)、473nmレーザーダイオードレーザー、ダイクロイックミラー(405/473)、冷却GaAsp−増光管を備えた。ピンホールサイズは80μmとした。アガープレート上の大腸菌コロニーを観察するため、Olympusによるカスタムメイドのアダプターを顕微鏡に装着して観察した。スキャンスピードは、4μs/ピクセルとした。蛍光シグナルは、標準的なPMT(Ex: 473 nm, step width = 2 nm, range = 495〜575 nm)を用いて検出した。画像は、FLUOVIEW software (Olympus, Japan)を用いて取得した。
画像解析は、MetaMorph (Molecular devices, USA), ImageJ, Igor Pro (WaveMetrics)等を用いて行った。
結果は、図3Bに示される通りであった。図3Bに示されるように、LAS3000およびSZX16で観察したイメージはぼやけて見えた。これに対して、共焦点顕微鏡像によれば、明確なイメージが観察された(図3B)。
蛍光比(Ca2+/EGTA)を求めたところ、図3Cに示されるように、共焦点顕微鏡を用いた場合に蛍光比が非常に良好であり、シグナルノイズ比(S/N比)は3.81±0.51(n=16)であった。
実施例3:低分子量化合物のペリプラズムでの検出
本実施例では、大腸菌の外膜(outer membrane)からペリプラズムに低分子量化合物が透過するかを確認した。具体的には、本実施例では、420ダルトンのイノシトール三リン酸(IP3)が外膜を透過してペリプラズムに到達することを確認した。
大腸菌株JM109(DE3)にmCherry-m49/pRSET-TorAまたはmCherry-m30/pRSET-TorAを形質転換し、LB培地で18℃で5〜6日培養し、mCherry-m49またはmCherry-m30をペリプラズムに発現させた。mCherry-m49は、IP3に対するKd値が0.092nMであり、IP3に極めて高い親和性を有する。mCherry-m30は、陰性対照である。
[H3]−IP3(PerkinElmer Life Sciences, USA)を最終濃度4.8nMとなるように上記大腸菌を含む培養液に添加し、4℃で10分間インキュベートしてから培養液を遠心分離して大腸菌を回収した。細胞をPBSで洗浄し、大腸菌に取り込まれなかったIP3を除去した。その後、大腸菌を懸濁緩衝液(50 mM Tris-HCl (pH8.0), 10 mM EDTA and 100 μg/ml RNaseA)と溶解緩衝液(200 mM NaOH and 1% SDS)とで溶解して分析した。IP3の検出は、トリチウムのカウントにより行った。
結果は図4に示される通りであった。図4のパネルAに示されるように、mCherry-m49を発現させた大腸菌では、IP3が大腸菌の溶解液から検出された(126.0 ± 47.8 dpm, n = 3)。また、mCherry-m30を発現させた大腸菌では、IP3が大腸菌の溶解液から検出されなかった。この結果は、ペリプラズムでmCherry-m49がIP3を捕捉し、IP3を大腸菌内に留めたことを示す。すなわち、IP3は大腸菌の外膜を透過してペリプラズムに到達し得ることが明らかである。
実施例5:ペリプラズムでのFRETの検出
本実施例では、IP3と結合すると蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を示すIRIS蛍光プローブを用いてペリプラズムで低分子量化合物の存在をFRETで検出するモデル系を構築した。
IRISは、2つの蛍光タンパク質VenusおよびECFPとがI型IP3受容体で連結された蛍光タンパク質であり、IP3非存在下では、ECFPを励起するとFRETが生じてVenusの525nmの蛍光を生じるが、IP3存在下では、FRETが起こらずVenusからの蛍光が弱くなる性質を有しており、IP3の検出や濃度測定に用い得る。
本実施例では、T. Matu-ura et al., J Cell Biol., 173: 755-765, 2006に記載されたIRIS−1とそのドミナントネガティブ変異体(IRIS−Dmut)を用いてペリプラズムでのIP3の検出を試みた。
TorAシグナル付加IRIS−1を大腸菌株JM109(DE3)に形質転換し、上記の通りにFV1200共焦点顕微鏡を用いて観察した。次いで、10μMのIP3またはIP4処理をして、1分後に蛍光を測定した。IRISの蛍光は、440nmレーザーダイオードレーザー、ダイクロイックミラー(DM405−440を用いて観察された。
共焦点顕微鏡には、2つのPMTを設置して、1つの検出波長を480〜511nmとし、もう1つの検出波長を511〜611nmとした。スキャンスピードは、4μs/ピクセルとした。蛍光スペクトルの測定をする際には、標準的PMT(Ex: 440 nm, step width = 2 nm, range = 475〜546 nm)を用いた。画像は、FLUOVIEW software (Olympus, Japan)を用いて取得した。ECFPの蛍光シグナルとVenusの蛍光シグナルの比を、IP3の添加の前後で比較した。
結果は、図4のパネルBに示される通りであった。図4のパネルBに示されるように、IP3の添加により、ECFPの蛍光シグナルとVenusの蛍光シグナルの比が、増大することが分かった。すなわち、IRISがペリプラズムにおいてIP3と結合し、FRETが減少したことが示された。一方で、Dmutでは、変化は見られなかった。
また、蛍光スペクトルを解析したところ、図4のパネルCに示されるように、IP3の添加により、Venusの蛍光が大きく減少することが示された。
実施例3および4からは、蛍光インジケーターを改良して、所望の性質を有するIP3のセンサーを開発することにこのシステムが活用できることが示唆された。

Claims (19)

  1. 化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターのスクリーニング方法であって、
    (A)蛍光インジケーターまたはその改変体にペリプラズム移行シグナル配列を連結させたタンパク質を発現可能に含むタンパク質発現ベクターを大腸菌に形質転換することと、
    (B)蛍光インジケーターまたはその改変体がペリプラズムに発現した大腸菌と前記化合物とを接触させることと、
    (C)化合物依存的に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターまたはその改変体を発現する大腸菌を選択することと
    を含む、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    前記(B)が、固形培地上で大腸菌コロニーと化合物とを接触させることにより実施される、方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、
    前記(C)が、固形培地上の大腸菌コロニーが発する蛍光を共焦点顕微鏡で観察することにより行われる、方法。
  4. 請求項3に記載の方法であって、
    (D)ピックアップされた大腸菌コロニーに含まれるタンパク質発現ベクターを精製し、蛍光インジケーターをコードする遺伝子の配列を決定することをさらに含む、方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法であって、前記(A)の前に、
    (Z)化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターのアミノ酸を改変すること
    を実施し、
    (A)では、蛍光インジケーターとして、(Z)において改変された蛍光インジケーターを用いる、方法。
  6. 化合物が、イノシトール三リン酸またはカルシウムイオンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターが、イオンインジケーターまたはその改変体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 大腸菌が変異型LPSを有する大腸菌である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 蛍光インジケーターの蛍光強度を増強する化合物のスクリーニング方法であって、
    (α)蛍光インジケーターにペリプラズム移行シグナル配列を連結させたタンパク質を発現可能に含むタンパク質発現ベクターを大腸菌に形質転換することと、
    (β)前記タンパク質をペリプラズムに発現した大腸菌と被験化合物とを接触させることと、
    (γ)蛍光インジケーターの蛍光強度を変化させる被験化合物を選択することと
    を含む、方法。
  10. 蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)または生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)を利用して、2つのタンパク質の相互作用を変化させる化合物をスクリーニングする方法であって、
    (a)相互作用によりFRETまたはBRETを生じる2つのタンパク質それぞれにペリプラズム移行シグナル配列を付加することと、
    (b)2つのタンパク質をペリプラズムに発現する大腸菌を得ることと、
    (c)大腸菌と被験化合物とを接触させることと、
    を含み、
    接触により、FRETまたはBRETのアクセプタータンパク質の蛍光強度に変化が生じた場合には、被験化合物は、2つのタンパク質の相互作用を変化させるものであることが示される、方法。
  11. 蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を利用して、タンパク質のコンフォメーションを変化させる化合物をスクリーニングする方法であって、
    (a’)分子内でFRETを生じる蛍光インジケーターにペリプラズム移行シグナル配列が連結されたタンパク質を発現可能に含むタンパク質発現ベクターを大腸菌に形質転換することと、
    (b’)得られたタンパク質をペリプラズムに発現する大腸菌と被験化合物とを接触させることと、
    を含み、
    接触により、FRET効率に変化が生じた場合には、被験化合物は、タンパク質のコンフォメーションを変化させるものであることが示される、方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記大腸菌と被験化合物とを接触させることが、固形培地上で大腸菌コロニーと化合物とを接触させることにより実施される、方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、前記大腸菌コロニーが、共焦点顕微鏡で観察される、方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、大腸菌が変異型LPSを有する大腸菌である、方法。
  15. 化合物依存性に蛍光強度を変化させる蛍光インジケーターをペリプラズムに発現する、組換え大腸菌。
  16. 蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)または生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)を生じる2つのタンパク質をペリプラズムに発現する、組換え大腸菌。
  17. 蛍光強度を変化させる化合物を検出またはスクリーニングすることに用いるための、請求項15に記載の組換え大腸菌を含む、組成物。
  18. FRET効率を変化させる化合物を検出またはスクリーニングすることに用いるための、請求項16に記載の組換え大腸菌を含む、組成物。
  19. 大腸菌のペリプラズムに蛍光インジケーターを発現させ、蛍光強度を変化させる化合物を検出またはスクリーニングすることに用いるための組成物であって、ペリプラズム移行シグナル配列と蛍光インジケーターとの連結タンパク質をコードする核酸を発現可能に含むタンパク質発現ベクターを含む、組成物。
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