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JP2018188507A - 活性光線硬化型インクジェットインク及びその製造方法、並びに画像形成方法 - Google Patents

活性光線硬化型インクジェットインク及びその製造方法、並びに画像形成方法 Download PDF

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JP2018188507A
JP2018188507A JP2017089950A JP2017089950A JP2018188507A JP 2018188507 A JP2018188507 A JP 2018188507A JP 2017089950 A JP2017089950 A JP 2017089950A JP 2017089950 A JP2017089950 A JP 2017089950A JP 2018188507 A JP2018188507 A JP 2018188507A
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acid
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靖彦 村松
Yasuhiko Muramatsu
靖彦 村松
克典 五井
Katsunori Goi
克典 五井
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Abstract

【課題】顔料によるゲル化剤の結晶化の阻害を抑制し、表面光沢が抑制された画像を形成可能な活性光線硬化型インクジェットインク及びその製造方法、並びにそれを用いた画像形成方法を提供すること。【解決手段】顔料、高分子分散剤、光重合性化合物、光重合開始剤、及びゲル化剤を含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、前記高分子分散剤の酸価は、30mgKOH/g以上120mgKOH/g以下であり、前記光重合性化合物は、LogP値が2.1以上3.5以下である光重合性化合物を含む、活性光線硬化型インクジェットインク。【選択図】なし

Description

本発明は、活性光線硬化型インクジェットインク及びその製造方法、並びに画像形成方法に関する。
インクジェット記録方式は、簡易且つ安価に画像を形成できることから、各種印刷分野で用いられている。インクジェット記録方式の一つとして、活性光線硬化型インクの液滴を記録媒体に着弾させた後、活性光線を照射して硬化させて画像を形成する活性光線硬化型インクジェット方式がある。活性光線硬化型インクジェット方式では、インク吸収性のない記録媒体においても、高い耐擦過性と密着性を有する画像を形成できることから、近年注目されつつある。
活性光線硬化型インクジェット方式に用いられる活性光線硬化型インクジェットインクのピニング性を高める方法として、ゲル化剤を添加することが検討されている。即ち、高温で液体状態のインク液滴を吐出し、記録媒体に着弾させると同時にインク液滴を冷却してゲル化させることで、ドットの合一を抑制することが検討されている。
そのような活性光線硬化型インクジェットインクとして、例えば特許文献1には、顔料、光重合性化合物、光重合開始剤、光酸発生剤、及びオイルゲル化剤を含む活性光線硬化型インクジェット用インクが開示されている。光重合性化合物として、実施例では、脂環式エポキシ化合物やオキセタン等の光カチオン重合性化合物が用いられている。
特許文献2では、表面処理されていない顔料、アミン吸着基を有する高分子分散剤、光重合性化合物、光重合開始剤、及びゲル化剤を含む活性光線硬化型インクジェットインクが開示されている。
特許第4556414号公報 特開2015−52082号公報
ところで、本発明者らは、ゲル化剤を含む活性光線硬化型インクジェットインクに関する検討の中で、顔料とゲル化剤とが相互作用しやすいこと、それにより、結晶化できるゲル化剤の量が少なくなり、得られる画像の光沢が過剰になる場合があることを見出した。
特許文献2では、表面処理が施されていない顔料を用いることで、ゲル化剤のアルキル基が顔料に引き寄せられることを防止でき、結晶化できるゲル化剤量が少なくなるのを抑制できるとされている。そして、表面処理が施されていない顔料の分散安定性は、アミン吸着基を有する高分子分散剤を用いることで高めうるとされている。しかしながら、顔料によって、結晶化できるゲル化剤量が少なくなるのを一層抑制できることが望まれている。特許文献1でも、同様に、顔料によって、結晶化できるゲル化剤量が少なくなるのを一層抑制できることが望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、顔料によって、結晶化できるゲル化剤量が少なくなるのを抑制し、表面光沢が抑制された画像を形成可能な活性光線硬化型インクジェットインク及びその製造方法、並びにそれを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
[1] 顔料、高分子分散剤、光重合性化合物、及びゲル化剤を含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、前記高分子分散剤の酸価は、30mgKOH/g以上120mgKOH/g以下であり、前記光重合性化合物は、LogP値が2.1以上3.5以下である光重合性化合物を含む、活性光線硬化型インクジェットインク。
[2] 前記顔料は、酸性基を有する、[1]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[3] 前記ゲル化剤は、炭素数9以上25以下の炭化水素基を有する、脂肪族ケトン、脂肪族エステル、高級脂肪酸及び高級アルコールからなる群より選ばれる一以上である、[1]又は[2]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[4] 顔料と、酸価が30mgKOH/g以上120mgKOH/g以下である高分子分散剤とを、LogP値が2.1以上3.5以下である光重合性化合物を含む光重合性化合物中で分散させて顔料分散液を得る工程と、前記顔料分散液と、ゲル化剤と、光重合性化合物とを混合して、活性光線硬化型インクジェットインクを得る工程とを含む、活性光線硬化型インクジェットインクの製造方法。
[5] 前記高分子分散剤の含有量は、前記顔料に対して30質量%以上60質量%以下である、[4]に記載の活性光線硬化型インクジェットインクの製造方法。
[6] [1]〜[3]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインクをインクジェットヘッドのノズルから射出して記録媒体に着弾させる工程と、前記記録媒体に着弾した前記インクに活性光線を照射して前記インクを硬化させる工程とを含む、画像形成方法。
本発明によれば、顔料によるゲル化剤の結晶化の阻害を抑制し、表面光沢が抑制された画像を形成可能な活性光線硬化型インクジェットインク及びその製造方法、並びにそれを用いた画像形成方法を提供することができる。
本発明者らは、ゲル化剤の結晶化が阻害される主な原因が、顔料とゲル化剤との相互作用にあることを見出した。これに対し、酸価が30mgKOH/g以上120mgKOH/g以下である高分子分散剤と、LogP値が2.1以上3.5以下である光重合性化合物とを併用することで、顔料とゲル化剤との相互作用を効果的に抑制でき、結晶化できるゲル化剤量が少なくなるのを抑制できること(ゲル化剤を十分に機能させうること)を見出した。
このメカニズムは明らかではないものの、以下のように推測される。高分子分散剤(好ましくは低極性部位を含む高分子分散剤)は、顔料との親和性が高いため、顔料を取り囲むように存在しやすい。顔料を取り囲む高分子分散剤は、酸価が上記範囲内となるような量の酸性基を有するので、(親水性を示す)酸性基を有する高分子分散剤で取り囲まれた顔料は、疎水性を示すゲル化と相互作用を生じにくい。また、LogP値が所定の範囲内にある光重合性化合物は顔料との親和性が高いため、顔料の表面近傍に存在しやすい。それにより、顔料の表面近傍の疎水性が高まりやすい。それにより、当該疎水性の光重合性化合物との親和性が高い高分子分散剤の酸性基以外の部位(低極性部位)が、顔料の表面近傍に引きつけられやすくなり、その結果、高分子分散剤の酸性基が外側(顔料表面とは反対側)を向きやすくなる。それにより、顔料とゲル化剤との相互作用を生じにくくしうる。これらの結果、顔料とゲル化剤との相互作用を効果的に抑制できると考えられる。
特に、顔料が、酸性基を付与する表面処理が施されたものであると、ゲル化剤との相互作用が一層生じにくくなるため、ゲル化剤を一層効率よく機能させることができる。これは、顔料表面の酸性基との反発から、高分子分散剤の酸性基が外側(顔料表面とは反対側)を向きやすくなることにより、顔料とゲル化剤との相互作用を生じにくくなると考えられる。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
1.活性光線硬化型インクジェットインク
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、顔料、高分子分散剤、光重合性化合物、光重合開始剤及びゲル化剤を含む。
1−1.顔料
顔料の例には、以下のものが含まれる。
C.I.Pigment Yellow 1,2,3,12,13,14,16,17,73,74,75,81,83,87,93,95,97,98,109,114,120,128,129,138,150,151,154,155,180,185,213
C.I.Pigment Red 5,7,12,22,38,48:1,48:2,48:4,49:1,53:1,57:1,63:1,101,112,122,123,144,146,168,184,185,202
C.I.Pigment Violet 19,23,37
C.I.Pigment Violet 19/PR202
C.I.Pigment Blue 1,2,3,15:1,15:2,15:3,15:4,18,22,27,29,60
C.I.Pigment Green 7,36
C.I.Pigment Orange 36,43,64,71
C.I.Pigment White 6,18,21
C.I.Pigment Black 7
顔料は、酸性基を付与する表面処理(酸性処理)が施されたものであってもよいし、そのような表面処理が施されていないものであってもよい。顔料とゲル化剤との相互作用を抑制しやすくする観点では、顔料は、表面処理(酸性処理)が施されたものであることが好ましい。即ち、顔料は、酸性基を有することが好ましい。
表面処理が施された顔料が有しうる酸性基の例には、スルホン酸基、カルボキシル基、ロジンに含まれる有機酸残基等が含まれる。
表面処理が施された顔料中の酸性基の含有量は、表面処理が施された顔料1モルに対して0.05モル以上0.2モル以下でありうる。酸性基の含有量が0.05モル以上であると、顔料の親水性が高まるので、疎水性基を有するゲル化剤との相互作用を少なくしうる。それにより、ゲル化剤の機能が阻害されにくい。一方、酸性基の含有量が0.2モル以下であると、高分子分散剤との親和性や発色性が損なわれにくい。
表面処理が施された顔料中の酸性基の含有量は、インクに含まれる有機酸の含有量を測定し;顔料のモル数に対する有機酸のモル数を算出して求めることができる。インクに含まれる有機酸の含有量は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により測定することができる。HPLCの測定条件は、以下の通りとしうる。
(測定条件)
測定装置:HPLC(日立ハイテクノロジー製 L2130、L2490)
カラム:ODSカラム(内径5mmid×長さ25cm、固定相:シリカゲル)
溶離液:アセトニトリル/水混合液(80/20質量比)
サンプル濃度:500ppm
流量:50μL/s
温度:40℃
検出器:UV
検出波長:210nm
有機酸の定量は、予め作成した検量線と測定値とを照合して行うことができる。
酸性基の含有量は、例えば表面処理を行う際に、顔料を含む水性スラリーに添加する有機酸のアルカリ塩溶液の量等によって調整することができる。
顔料粒子の平均粒子径は、インクジェットヘッドからの吐出性をより高める観点からは、0.08μm以上0.5μm以下であることが好ましく、顔料粒子の最大粒子径は、0.3μm以上10μm以下であることが好ましい。顔料粒子の平均粒子径とは、データサイザーナノZSP、Malvern社製を使用して動的光散乱法によって求めた値を意味する。なお、顔料を含むインクは濃度が高く、この測定機器では光が透過しないので、インクを200倍で希釈してから測定する。測定温度は常温(25℃)とする。
有機酸による表面処理方法は、特に制限されないが、例えば原料である顔料を水に分散させた水性スラリーに、有機酸のアルカリ塩溶液を加えた後、アルカリ土類塩や酸等で有機酸を不溶化し、顔料表面に析出させる方法でありうる。
用いられる有機酸の例には、スルホン酸、カルボン酸、ロジンに含まれる有機酸等が含まれる。中でも、ロジンに含まれる有機酸が好ましい。ロジンは、天然の生松脂からテルペン等の揮発性成分を取り除いた有機酸であり、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ビマール酸、及びデヒドロアビエチン酸からなる群より選ばれる一以上を含む。ロジンに含まれる有機酸の中でも、共役二重結合をもつアビエチン酸、ネオビチエン酸、パラストリン酸が好ましく、アビエチン酸がより好ましく、アビエチン酸を80質量%以上含むものがさらに好ましい。ロジンの市販品として、ハリマ化成社製ハリマック、及び荒川化学工業社製AA−L等が挙げられる。
顔料の含有量は、インクの全質量に対して1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以上5.5質量%以下であることがより好ましい。
1−2.高分子分散剤
高分子分散剤は、カルボキシル基やスルホン酸基等の酸性基を有する樹脂であり、具体的には、酸価が30mgKOH/g以上120mgKOH/g以下の樹脂である。高分子分散剤の酸価が30mgKOH/g以上であると、顔料が、適度な親水性を示す高分子分散剤で取り囲まれるので、顔料とゲル化剤との相互作用を生じにくくし、画像の光沢を抑制しうる。高分子分散剤の酸価が120mgKOH/g以下であると、高分子分散剤と顔料との親和性が損なわれにくいので、顔料が、適度な親水性を示す高分子分散剤で取り囲まれやすい。それにより、顔料とゲル化剤との相互作用を生じにくくし、画像の光沢を抑制しうる。また、得られる画像の耐水性も損なわれにくい。高分子分散剤の酸価は、30mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることがより好ましい。
酸価は、JIS K 0070に準じて測定することができる。具体的には、高分子分散剤の酸価は、フーリエ変換赤外分光光法(FT−IR)により、高分子分散剤の分子構造(例えば、画像形成に用いた高分子分散剤の製品名等)を特定し、同一の高分子分散剤の酸価をJIS K 0070に準じて測定すればよい。また、HNMRやガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC/MS)によって高分子分散剤の分子構造を特定してもよい。
高分子分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及びステアリルアミンアセテートが含まれる。
中でも、高分子分散剤は、親水性モノマーと疎水性モノマーとの共重合体又はその塩であることが好ましい。
親水性モノマーの例には、カルボキシル基又は酸無水物基含有モノマー(アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリル酸;マレイン酸等の不飽和多価カルボン酸;無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物等)や、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリル酸エステルモノマー(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリル酸アルキルエステル等)が含まれる。
疎水性モノマーの例には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマー;エチレン、プロピレン、1−ブテン等のα−オレフィン系モノマー;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル系モノマー等が含まれる。
高分子分散剤が共重合体である場合、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、又はくし型共重合体(又はくし型グラフト共重合体)のいずれであってもよい。くし型共重合体は、くし型ブロック共重合体であることが好ましい。
くし型ブロック共重合体とは、主鎖を形成する直鎖状のポリマーと、主鎖を構成するモノマー由来の構成単位に対してグラフト重合した別の種類のポリマーとを含むコポリマーをいう。くし型ブロック共重合体の好ましい例には、主鎖が(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を含み、且つ側鎖がポリオキシアルキル基(EO−PO共重合基等の長鎖ポリオキシアルキル基)を含むくし型ブロック共重合体が含まれる。くし型ブロックコポリマーは、グラフト重合した側鎖が立体障害を生じるため、顔料の凝集をより抑制しやすいだけでなく、酸性基が外側を向きやすく、ゲル化剤との相互作用もより生じにくいと考えられる。
中でも、顔料との親和性をより高めつつ、ゲル化剤との相互作用をより生じにくくする観点では、親水性部位と疎水性部位(低極性部位)とが分かれているブロック共重合体が好ましく、くし型ブロック共重合体がより好ましい。
高分子分散剤は、酸性基を有しつつも、全体として低極性であることが好ましい。そのような高分子分散剤は、顔料と良好な親和性を有するので、顔料表面に吸着しやすく、顔料の分散性を一層高めやすい。高分子分散剤の極性は、SP値や分子量によって調整されうる。高分子分散剤を低極性にするためには、例えばSP値を一定以下としたり、分子量を一定以上としたりすることが好ましい。
高分子分散剤の重量平均分子量は、1000以上50000以下であることが好ましく、5000以上30000以下であることがより好ましい。高分子分散剤の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法)によりポリスチレン換算にて求めることができる。
市販の高分子分散剤の例には、Solsperse 3000、39000(いずれもLubrizol社製);DISPERBYK−9076(ビックケミー社製、「DISPERBYK」は同社の登録商標);Efka−6230(BASF社製、「Efka」は同社の登録商標);及びフローレンG−700(共栄社化学社製)等が含まれる。
高分子分散剤の含有量は、顔料の全質量に対して30質量%以上60質量%以下であることが好ましい。高分子分散剤の含有量が、顔料の全質量に対して30質量%以上であると、顔料の凝集をより生じにくくしうるだけでなく、顔料とゲル化剤との相互作用を効果的に抑制し、得られる画像の光沢をより抑制しうる。高分子分散剤の含有量を、顔料の全質量に対して60質量%以下とすることで、インクの粘度の過剰な上昇を抑制しうる。高分子分散剤の含有量は、顔料の全質量に対して35質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
1−3.光重合性化合物
光重合性化合物は、活性光線を照射されることにより架橋又は重合する化合物である。活性光線の例には、紫外線、電子線、α線、γ線及びX線が含まれる。安全性の観点及びより低いエネルギー量でも重合及び架橋を発生させることができるという観点から、紫外線又は電子線が好ましい。
光重合性化合物は、ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物でありうる。重合及び架橋を発生させやすく、且つ形成する画像に応じて多様な化合物から選択できるという観点からは、ラジカル重合性化合物が好ましい。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物である。ラジカル重合性化合物は、モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマーあるいはこれらの混合物のいずれであってもよい。ラジカル重合性化合物は、インク中に一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等が含まれる。
中でも、ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタアクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基又はメタアクリロイル基を意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
光重合性化合物は、LogP値が2.1以上3.5以下である光重合性化合物を含む。LogP値が2.1以上3.5以下である光重合性化合物は、インク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。LogP値が2.1以上3.5以下である光重合性化合物は、低極性部位又は非極性部位を有する高分子分散剤及び顔料と適度な親和性を有するので、高分子分散剤の酸性基が外側(顔料表面とは反対側)を向きやすくし、ゲル化剤との相互作用を生じにくくしうる。それにより、顔料によって、結晶化できるゲル化剤量が少なくなるのを抑制できる。
「LogP値」とは、水と1−オクタノールに対する有機化合物の親和性を示す係数である。1−オクタノール/水分配係数Pは、1−オクタノールと水の二液相の溶媒に微量の化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数logPで示す。即ち、「LogP値」とは、1−オクタノール/水の分配係数の対数値であり、分子の親疎水性を表す重要なパラメータとして知られている。
LogP値は、計算により求めた値である。具体的には、LogP値は、フラグメント法や、原子アプローチ法等により算出されうる。LogP値を算出するには、文献(C.Hansch及びA.Leo、“Substituent Constants for Correlation Analysis in Chemistry and Biology”(John Wiley & Sons, New York, 1969))に記載のフラグメント法又は下記市販のソフトウェアパッケージ1又は2を用いればよい。
ソフトウェアパッケージ1:MedChem Software (Release 3.54,1991年8月、Medicinal Chemistry Project, Pomona College,Claremont,CA)
ソフトウェアパッケージ2:Chem Draw Ultra ver.8.0.(2003年4月、CambridgeSoft Corporation,USA)
本願明細書に記載したLogP値の数値は、ソフトウェアパッケージ2を用いて計算した「LogP値」である。
LogP値が2.1以上3.5以下である光重合性化合物の例には、トリプロピレングリコールジアクリレート(LogP値=2.2)、ポリエステルアクリレートオリゴマー(LogP値=3.1)、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート(LogP値=3.4)、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(LogP値=2.3)等の、エチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基を3個以上5個以下有する光重合性化合物;ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート(LogP値=3.4)等のシクロアルコキシ基を含む(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する光重合性化合物;ベンジルアクリレート(LogP値=2.4)、フェノール4EO変性アクリレート(LogP値=2.5)等の芳香族環を有する光重合性化合物が含まれる。LogP値が2.1以上3.5以下である光重合性化合物は、分子内に単官能であってもよいし、2官能以上であってもよい。
LogP値が2.1以上3.5以下である光重合性化合物の含有量は、光重合性化合物の全質量に対して5質量%以上100質量%以下であることが好ましい。LogP値が1.5以上3.5以下である光重合性化合物の含有量が5質量%以上であると、高分子分散剤との適度な親和性が得られやすいので、顔料の分散性を高めつつ、顔料とゲル化剤の相互作用を十分に抑制しうる。LogP値が2.1以上3.5以下である光重合性化合物の含有量は、光重合性化合物の全質量に対して10質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
光重合性化合物は、LogP値が2.1以上3.5以下である光重合性化合物以外の他の光重合性化合物をさらに含んでもよい。他の光重合性化合物は、単官能の(メタ)アクリレート又は2官能以上の(メタ)アクリレートでありうる。
単官能の(メタ)アクリレートの例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、及び2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸が含まれる。
2官能の(メタ)アクリレートの例には、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート及び2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレートが含まれる。
3官能以上の(メタ)アクリレートの例には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレートが含まれる。
(メタ)アクリレートは、変性物であってもよい。変性物の例には、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物;プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート等のプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物等が含まれる。
中でも、他の光重合性化合物は、LogP値が3.5超の光重合性化合物であることが好ましい。
光重合性化合物の含有量は、活性光線を照射されたインクが十分に硬化する範囲であればよく、インクの全質量に対して1質量%以上97質量%以下であることが好ましく、30質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
1−4.ゲル化剤
ゲル化剤は、記録媒体に着弾したインクの液滴をゲル状態にして仮固定(ピニング)する機能を有する。ゲル化剤を含むインクは、ゲル状態でピニングされると、インクの濡れ広がりが抑えられて隣り合うドットが同一しにくくなるため、より高精細な画像を形成することができる。
ゲル化剤は、インクのゲル化温度以下の温度で結晶化することが好ましい。ゲル化温度とは、加熱によりゾル化又は液体化したインクを冷却したときに、ゲル化剤がゾルからゲルに相転移し、インクの粘度が急変する温度をいう。具体的には、ゾル化又は液体化したインクを、粘弾性測定装置(例えば、MCR300、アントンパール社製)で粘度を測定しながら冷却していき、粘度が急激に上昇した温度を、そのインクのゲル化温度とすることができる。
ゲル化剤がインク中で結晶化すると、板状に結晶化したゲル化剤によって形成された三次元空間に光重合性化合物が内包される構造が形成されることがある(このような構造を、以下「カードハウス構造」という)。カードハウス構造が形成されると、液体の光重合性化合物が前記空間内に保持されるため、インク液滴がより濡れ広がりにくくなり、インクのピニング性がより高まる。インクのピニング性が高まると、記録媒体に着弾したインク液滴同士が合一しにくくなり、より高精細な画像を形成することができる。
カードハウス構造を形成するには、インク中で溶解している光重合性化合物とゲル化剤とが相溶していることが好ましい。
カードハウス構造の形成に適したゲル化剤の例には、脂肪族ケトン、脂肪族エステル、石油系ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、硬化ヒマシ油、変性ワックス、高級脂肪酸、高級アルコール、ヒドロキシステアリン酸、N−置換脂肪酸アミド及び特殊脂肪酸アミドを含む脂肪酸アミド、高級アミン、ショ糖脂肪酸のエステル、合成ワックス、ジベンジリデンソルビトール、ダイマー酸並びにダイマージオールが含まれる。中でも、ピニング性をより高める観点から、炭素数9以上25以下の炭化水素基を有する、脂肪族ケトン、脂肪族エステル、高級脂肪酸、及び高級アルコールが好ましい。ゲル化剤は、インク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
脂肪族ケトンの例には、ジリグノセリルケトン、ジベヘニルケトン、ジステアリルケトン、ジエイコシルケトン、ジパルミチルケトン、ジラウリルケトン、ジミリスチルケトン、ミリスチルパルミチルケトン及びパルミチルステアリルケトンが含まれる。
脂肪族エステルの例には、ベヘニン酸ベヘニル、イコサン酸イコシル、パルミチン酸オレイル等のモノアルコールの脂肪酸エステル;グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の多価アルコールの脂肪酸エステルが含まれる。上記脂肪族エステルの市販品の例には、EMALEXシリーズ、日本エマルジョン社製(「EMALEX」は同社の登録商標)、リケマールシリーズ及びポエムシリーズ、理研ビタミン社製(「リケマール」及び「ポエム」はいずれも同社の登録商標)が含まれる。
高級脂肪酸の例には、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、及びエルカ酸が含まれる。
高級アルコールの例には、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールが含まれる。
中でも、下記一般式(G1)で表される脂肪族ケトン及び下記一般式(G2)で表される脂肪族エステルが特に好ましい。
一般式(G1):R1−CO−R2
一般式(G1)において、R1及びR2は、いずれも炭素数が9以上25以下である直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基である。
一般式(G2):R3−COO−R4
一般式(G2)において、R3及びR4は、いずれも炭素数が9以上25以下である直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基である。
一般式(G1)及び(G2)において、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基の炭素数が9以上であるため、一般式(G1)で表される脂肪族ケトンや一般式(G2)で表される脂肪族エステルの結晶性がより高まり、且つ上記カードハウス構造においてより十分な空間が生じる。そのため、光重合性化合物が上記空間内に十分に内包されやすくなり、インクのピニング性がより高くなる。直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基の炭素原子数が25以下であるため、一般式(G1)で表される脂肪族ケトンや一般式(G2)で表される脂肪族エステルの融点が過度に高まらず、インクを出射するときにインクを過度に加熱する必要がない。
インクのゲル化温度を高くして、着弾後により急速にインクをゲル化させ、且つ特定の低分子量化合物との相溶性を高める観点からは、R1とR2の少なくとも一方又はR3とR4の少なくとも一方が、炭素原子数14以上23未満の飽和炭化水素基であることが好ましく;R1とR2の両方又はR3とR4の両方が、炭素原子数14以上23未満の飽和炭化水素基であることがより好ましい。
一般式(G1)で表される脂肪族ケトンの例には、ジリグノセリルケトン(炭素数:23−24)、ジベヘニルケトン(炭素数:21−22)、ジステアリルケトン(炭素数:17−18)、ジエイコシルケトン(炭素数:19−20)、ジパルミチルケトン(炭素数:15−16)、ジミリスチルケトン(炭素数:13−14)、ジラウリルケトン(炭素数:11−12)、ラウリルミリスチルケトン(炭素数:11−14)、ラウリルパルミチルケトン(11−16)、ミリスチルパルミチルケトン(13−16)、ミリスチルステアリルケトン(13−18)、ミリスチルベヘニルケトン(13−22)、パルミチルステアリルケトン(15−18)、バルミチルベヘニルケトン(15−22)及びステアリルベヘニルケトン(17−22)が含まれる。括弧内の炭素数は、カルボニル基で分断される2つの炭化水素基それぞれの炭素数を表す。一般式(G1)で表される脂肪族ケトンの市販品の例には、18−Pentatriacontanon、Alfa Aeser社製、Hentriacontan−16−on、Alfa Aeser社製及びカオーワックスT−1、花王社製が含まれる。
一般式(G2)で表される脂肪族エステルの例には、ベヘニン酸ベヘニル(炭素数:21−22)、イコサン酸イコシル(炭素数:19−20)、ステアリン酸ステアリル(炭素数:17−18)、ステアリン酸パルミチル(炭素数:17−16)、ステアリン酸ラウリル(炭素数:17−12)、パルミチン酸セチル(炭素数:15−16)、パルミチン酸ステアリル(炭素数:15−18)、ミリスチン酸ミリスチル(炭素数:13−14)、ミリスチン酸セチル(炭素数:13−16)、ミリスチン酸オクチルドデシル(炭素数:13−20)、オレイン酸ステアリル(炭素数:17−18)、エルカ酸ステアリル(炭素数:21−18)、リノール酸ステアリル(炭素数:17−18)、オレイン酸ベヘニル(炭素数:18−22)及びリノール酸アラキジル(炭素数:17−20)が含まれる。括弧内の炭素数は、エステル基で分断される2つの炭化水素基それぞれの炭素数を表す。一般式(G2)で表される脂肪族エステルの市販品の例には、ユニスターM−2222SL及びスパームアセチ、日油社製(「ユニスター」は同社の登録商標)、エキセパールSS及びエキセパールMY−M、花王社製(「エキセパール」は同社の登録商標)、EMALEX CC−18及びEMALEX CC−10、日本エマルジョン社製(「EMALEX」は同社の登録商標)並びにアムレプスPC、高級アルコール工業社製(「アムレプス」は同社の登録商標)が含まれる。
ゲル化剤の含有量は、インクの全質量に対して1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。ゲル化剤の含有量を1.0質量%以上とすることで、インクのピニング性を十分に高め、より高精細な画像を形成することができる。また、インクのピニング性を高めることで、特に吸水性の記録媒体に画像を形成したときに、インクが記録媒体の内部に入り込むことによる発色不足を抑制しうる。ゲル化剤の含有量を10.0質量%以下とすることで、形成した画像の表面からのゲル化剤の析出を抑制でき、且つインクジェットヘッドからのインクの吐出性を損ないにくい。ゲル化剤の含有量は、インクの全質量に対して1.0質量%以上5.0質量%以下であることがより好ましく、2.5質量%以上5.0質量%以下であることが更に好ましく、2.5質量%以上4.0質量%以下であることが最も好ましい。
1−5.その他の成分
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、本発明の効果が得られる範囲において、光重合開始剤や顔料誘導体、光重合開始剤助剤、重合禁止剤、界面活性剤等の他の成分をさらに含んでいてもよい。これらの成分は、インク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい
1−5−1.光重合開始剤
光重合開始剤は、光重合性化合物がラジカル重合性化合物であるときは光ラジカル開始剤であり、光重合性化合物がカチオン重合性化合物であるときは光酸発生剤である。光重合開始剤は、インク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。光重合開始剤は、光ラジカル開始剤と光酸発生剤の両方の組み合わせであってもよい。
光ラジカル開始剤は、開裂型ラジカル開始剤又は水素引き抜き型ラジカル開始剤でありうる。
開裂型ラジカル開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノンを含むアセトフェノン系の開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルを含むベンゾイン系の開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドを含むアシルホスフィンオキシド系の開始剤、ベンジル並びにメチルフェニルグリオキシエステルが含まれる。
水素引き抜き型ラジカル開始剤の例には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン及び3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンを含むベンゾフェノン系の開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン及び2,4−ジクロロチオキサントンを含むチオキサントン系の開始剤、ミヒラーケトン及び4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンを含むアミノベンゾフェノン系の開始剤、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン並びにカンファーキノンが含まれる。
光酸発生剤の例には、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページに記載の化合物が含まれる。
光重合開始剤の含有量は、光重合性化合物を十分に硬化させうる範囲であればよく、例えばインクの全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下とすることができる。
1−5−2.顔料誘導体
スルホン酸基又はカルボキシル基を有する顔料誘導体は、顔料に、スルホン酸基又はカルボキシル基を導入したものである。
顔料誘導体は、前述の酸性基を有する顔料(表面処理された顔料)とは異なるものである。具体的には、顔料誘導体中の酸性基の含有量は、顔料誘導体の顔料骨格1モルに対して0.5モル以上、好ましくは1モル以上である。
顔料誘導体が有する基本構造は、特に制限されないが、併用される顔料が有する基本構造と同じでありうる。
スルホン酸基又はカルボキシル基を有する顔料誘導体は、公知の方法で合成できる。顔料を、濃硫酸等の薬剤で表面改質してスルホン酸基又はカルボキシル基を導入してもよいし、スルホン酸基又はカルボキシル基を有する原料を出発原料として合成してもよい。
顔料誘導体の含有量は、顔料の全質量に対して2質量%以上10質量%以下としうる。顔料誘導体の含有量が2質量%以上であると、顔料が十分に分散するため、吐出安定性が高まりやすい。顔料誘導体の含有量が10質量%以下であると、顔料誘導体の凝集が抑制され、吐出安定性が損なわれにくい。また、結晶化できるゲル化剤量が少なくなるのを抑制しやすく、ピニング効果が得られやすい。顔料誘導体の含有量は、顔料の全質量に対して2質量%以上4質量%以下であることが好ましい。
顔料誘導体は、その顔料と共通する構造が、顔料とπ−π結合を形成しやすく;スルホン酸基又はカルボキシル基が、高分子分散剤が有する酸性基と酸塩基結合を形成しやすい。従って、顔料誘導体をさらに添加することで、顔料粒子の表面に、顔料誘導体を介して間接的に高分子分散剤を吸着させることができるので、顔料粒子の分散性を一層高めることができる。
1−5−3.光重合開始剤助剤
光重合開始剤助剤の例には、芳香族第3級アミン化合物を含む第3級アミン化合物が含まれる。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミン及びN,N−ジメチルヘキシルアミンが含まれる。
1−5−4.重合禁止剤
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−t−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシムおよびシクロヘキサノンオキシムが含まれる。
1−5−5.界面活性剤
界面活性剤の例には、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類および脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類およびポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、及び第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤、並びにシリコーン系やフッ素系の界面活性剤が含まれる。
シリコーン系の界面活性剤の例には、ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物、具体的には、KF−351A、KF−352A、KF−642およびX−22−4272、信越化学工業製、BYK307、BYK345、BYK347及びBYK348、ビッグケミー製(「BYK」は同社の登録商標)、並びにTSF4452、東芝シリコーン社製が含まれる。
フッ素系の界面活性剤は、通常の界面活性剤の疎水性基の炭素に結合した水素の代わりに、その一部又は全部をフッ素で置換したものを意味する。フッ素系の界面活性剤の例には、Megafac F、DIC社製(「Megafac」は同社の登録商標)、Surflon、AGCセイケミカル社製(「Surflon」は同社の登録商標)、Fluorad FC、3M社製(「Fluorad」は同社の登録商標)、Monflor、インペリアル・ケミカル・インダストリー社製、Zonyls、イー・アイ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社製、Licowet VPF、ルベベルケ・ヘキスト社製、およびFTERGENT、ネオス社製(「FTERGENT」は同社の登録商標)が含まれる。
界面活性剤の量は、本発明の効果が得られる範囲において、任意に設定することができる。界面活性剤の量は、インクの全質量に対して、例えば0.001質量%以上1.0質量%未満とすることができる。
1−6.活性光線硬化型インクジェットインクの物性
インクジェットヘッドからの吐出性をより高める観点から、インクの60℃における粘度は、3mPa・s以上20mPa・s以下であることが好ましく、7mPa・s以上9mPa・s以下であることがより好ましい。また、着弾して常温に降温した際に、インクを十分にゲル化させる観点からは、インクの25℃における粘度は、1000mPa・s以上であることが好ましい。
インクのゲル化温度は、40℃以上50℃以下であることが好ましい。インクのゲル化温度が40℃以上であると、記録媒体に着弾後、インクが速やかにゲル化するため、ピニング性がより高くなる。インクのゲル化温度が50℃以下であると、インク温度が、通常60℃程度であるインクジェットヘッドからのインクの吐出時にインクがゲル化しにくいため、より安定してインクを吐出することができる。
インクの60℃における粘度、25℃における粘度、及びゲル化温度は、レオメータにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定して求めることができる。具体的には、粘度及びゲル化温度は、以下の方法で測定されうる。インクを100℃に加熱し、コーンプレート型レオメーター(アントンパール社製MCR300)によって粘度を測定しながら、剪断速度1000(1/s)、降温速度0.1℃/sの条件で20℃までインクを冷却して、粘度の温度変化曲線を得る。60℃における粘度及び25℃における粘度は、粘度の温度変化曲線において60℃、25℃における粘度をそれぞれ読み取ることにより求める。ゲル化温度は、粘度の温度変化曲線において、粘度が200mPa・sとなる温度として求める。
2.活性光線硬化型インクジェットインクの調製
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、例えば前述の各成分を、加熱下で混合して得ることができる。得られた混合液を、所定のフィルターでさらに濾過することが好ましい。
具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクは、1)前述の顔料と、酸価が上記範囲内である高分子分散剤とを、LogP値が上記範囲内である光重合性化合物を含む光重合性化合物中で分散させて顔料分散液を得る工程と、2)得られた顔料分散液と、ゲル化剤と、光重合性化合物とを混合して、活性光線硬化型インクジェットインクを得る工程とを経て製造されることが好ましい。このように、1)の工程において、LogP値が上記範囲内である光重合性化合物中で、顔料と酸価が上記範囲内である高分子分散剤とを分散させた顔料分散液を得ることで、顔料を良好に分散させやすくすると共に、2)の工程においてゲル化剤と混合しても、顔料とゲル化剤との相互作用が生じるのを抑制し、結晶化できるゲル化剤量が少なくなるのを抑制できる。
1)の工程で添加する高分子分散剤の量は、前述の通り、顔料に対して30質量%以上60質量%以下であることが好ましく、35質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
2)の工程で添加する光重合性化合物は、1)で添加する光重合性化合物と同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、2)で添加する光重合性化合物は、LogP値が上記範囲内である光重合性化合物を含んでいてもよい。2)で添加する光重合性化合物は、得られる画像の膜強度や柔軟性を改善する観点では、前述のLogP値が2.1以上3.5以下の光重合性化合物以外の他の光重合性化合物、例えばLogP値が3.5を超える光重合性化合物を含むことが好ましい。また、2)で添加する光重合性化合物として、そのような光重合性化合物を用いる場合に、1)で添加する光重合性化合物が前述のLogP値が2.1以上3.5以下である光重合性化合物を含むことが特に有効である。
顔料と高分子分散剤の分散は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、又はペイントシェーカーにより行うことができる。
3.画像形成方法
本発明の画像形成方法は、1)本発明の活性光線硬化型インクジェットインクをインクジェットヘッドのノズルから吐出して記録媒体に着弾させる工程と、2)記録媒体に着弾したインクに活性光線を照射してインクを硬化させる工程とを含む。
3−1.1)の工程
1)の工程では、インクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体の、形成すべき画像に応じた位置に着弾させる。
インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式とコンティニュアス方式のいずれでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドは、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型及びシェアードウォール型等の電気−機械変換方式、並びにサーマルインクジェット型及びバブルジェット(バブルジェットはキヤノン社の登録商標)型等の電気−熱変換方式等のいずれでもよい。
インクの液滴を、加熱した状態でインクジェットヘッドから吐出することで、吐出安定性を高めることができる。吐出される際のインクの温度は、35℃以上100℃以下であることが好ましく、吐出安定性をより高めるためには、35℃以上80℃以下であることがより好ましい。特には、インクの粘度が7mPa・s以上15mPa・s以下、より好ましくは8mPa・s以上13mPa・s以下となるようなインク温度において出射を行うことが好ましい。
ゾルゲル相転移型のインクは、インクジェットヘッドからのインクの吐出性を高めるために、インクジェットヘッドに充填されたときのインクの温度が、当該インクの(ゲル化温度+10)℃〜(ゲル化温度+30)℃に設定されることが好ましい。インクジェットヘッド内のインクの温度が、(ゲル化温度+10)℃未満であると、インクジェットヘッド内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インクの吐出性が低下しやすい。一方、インクジェットヘッド内のインクの温度が(ゲル化温度+30)℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化することがある。
インクの加熱方法は、特に制限されない。例えば、ヘッドキャリッジを構成するインクタンク、供給パイプ及びヘッド直前の前室インクタンク等のインク供給系、フィルター付き配管並びにピエゾヘッド等の少なくともいずれかをパネルヒーター、リボンヒーター又は保温水等によって加熱することができる。
吐出される際のインクの液滴量は、記録速度及び画質の面から、2pL以上20pL以下であることが好ましい。
記録媒体は、特に制限されないが、例えばポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート及びポリブタジエンテレフタレート等のプラスチックで構成される非吸収性の記録媒体(プラスチック基材)、金属類及びガラス等の非吸収性の無機記録媒体、並びに吸収性の紙類(例えば印刷用コート紙及び印刷用コート紙B)とすることができる。
3−2.2)の工程
2)の工程では、1)の工程で記録媒体に着弾させたインクに活性光線を照射して、該インクが硬化してなる画像を形成する。
活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、及びエックス線等から選択することができるが、好ましくは紫外線である。紫外線の照射は、例えばPhoseon Technology社製の水冷LEDを用いて、波長395nmの条件下で行うことができる。LEDを光源とすることで、光源の輻射熱によってインクが溶けることによるインクの硬化不良を抑制することができる。
紫外線の照射は、370nm以上410nm以下の波長を有する紫外線の画像表面におけるピーク照度が、好ましくは0.5W/cm以上10W/cm以下、より好ましくは1W/cm以上5W/cm以下となるように行う。輻射熱がインクに照射されることを抑制する観点からは、画像に照射される光量は350mJ/cm未満であることが好ましい。
活性光線の照射は、インク着弾後0.001秒以上1.0秒以下の間に行うことが好ましく、高精細な画像を形成するためには、0.001秒以上0.5秒以下の間に行うことがより好ましい。
活性光線の照射は、2段階に分けて行ってもよい。まず、インクが着弾した後0.001秒以上2.0秒以下の間に活性光線を照射してインクを仮硬化させ、全印字終了後、さらに活性光線を照射してインクを本硬化させてもよい。活性光線の照射を2段階に分けることで、インク硬化の際に起こる記録材料の収縮がより生じにくくなる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.インク材料
1−1.顔料
<表面処理されていない顔料>
(シアン顔料)
PB15:3:C.I.Pigment Blue 15:3(DIC社製、TGR)、表面処理なし
(マゼンタ顔料)
PV19/PR202:C.I.Pigment Violet 19/PR202(クラリアント社製、E7B)、表面処理なし
(イエロー顔料)
PY185:C.I.Pigment Yellow 185(BASF社製、
D1155)、表面処理なし
(ブラック顔料)
PB7:C.I.Pigment Black 7(三菱化学社製、MA7)、表面処理なし
(オレンジ顔料)
PO43:C.I.Pigment Orange 43(クラリアント社製、
GRL)、表面処理なし
(グリーン顔料)
PG7:C.I.Pigment Green 7(DIC社製、Green S)、表面処理なし
(バイオレット顔料)
PV23:C.I.Pigment Violet 23(クラリアント社製、RL)、表面処理なし
<表面処理された顔料>
(シアン顔料)
(製造例1)
原料となるPB15:3を、硫酸に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーに、アビエチン酸を80質量%含むロジンのアルカリ水溶液を加えた後、取り出し水でロジンを不溶化し、顔料表面に析出させた。それにより、ロジンで表面処理された顔料を得た。
この取り出し方法では、硫酸に分散していた有機顔料は、取り出し水と接触することにより溶解度が急激に低下し、不溶物として微粒子状に析出する。一方、樹脂酸塩(ロジン)は、硫酸と接触することにより、樹脂酸塩の状態から樹脂酸に戻されると共に、不溶物として析出した微粒子状の有機顔料の表面に選択的かつ優先的に堆積し、有機顔料微粒子表面を被覆すると考えられる。
(グリーン顔料)
(製造例2)
原料としてPG7を用いた以外は製造例1と同様にしてロジンで表面処理された顔料を得た。
<アビエチン酸残基の含有量の測定>
(1)検量線の作成
濃度が既知のアビエチン酸の試薬を幾つか準備し、それらの試薬を秤量し、標準サンプルとした。得られた標準サンプル中のアビエチン酸の含有量を、下記測定条件にてHPLCにより測定し、検量線を作成した。
(測定条件)
測定装置:HPLC(日立ハイテクノロジー製 L2130、L2490)
カラム:ODSカラム(内径:5mmid×長さ25cm、固定相:シリカゲル)
溶離液:アセトニトリル/水混合液(80/20質量比)
サンプル濃度:500ppm
流量:50μL/s
温度:40℃
検出器:UV
検出波長:210nm
(2)アビエチン酸残基の含有量の測定
製造例1及び2で得られた、ロジンで表面処理された顔料を秤量し、硫酸に溶解して測定サンプルを得た。得られた測定サンプル中のアビエチン酸の含有量をHPLCにより測定した。
その結果、製造例1で得られた顔料のアビエチン酸残基の含有量は、表面処理された顔料1モルに対して0.08モルであり;製造例2で得られた顔料のアビエチン酸残基の含有量は、表面処理された顔料1モルに対して0.1モルであった。
1−2.高分子分散剤
表1に示される高分子分散剤を用いた。酸価は、JIS K 0070に準じて測定した値である。アミン価は、JIS K 7237に準じて測定した値である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法)によりポリスチレン換算にて求めた値である。表中、「−」は、未測定であることを示す。
Figure 2018188507
1−3.光重合性化合物
表2に示される光重合性化合物を用いた。LogP値は、ソフトウェアパッケージ:Chem Draw Ultra ver.8.0.(2003年4月、CambridgeSoft Corporation,USA)を用いて計算により特定される値を示した。
Figure 2018188507
1−4.光重合開始剤
IRGACURE 819(BASF社製、アシルフォスフィンオキサイド)
1−5.ゲル化剤
カオ−ワックス T1(花王社製)
1−6.その他成分
1−6−1.重合禁止剤
Irgastab UV−10(BASF社製)
1−6−2.界面活性剤
KF−352(信越シリコーン社製)
2.インクの調製と評価
<インク1の調製>
(顔料分散液の調製)
以下の成分を、合計で100質量部となるように調合した。これを、0.5mmφのジルコニアビーズ120gと共に、200ccの蓋付ポリエチレン容器に入れた後、蓋を閉め、ペイントコンディショナーで3時間分散させた。その後、上記ビーズを分離して、顔料分散液を得た。
C.I.Pigment Blue 15:3(DIC社製、TGR/表面処理なし):20.0質量部
トリプロピレングリコールジアクリレート(LogP値2.2の光重合性化合物):71.9質量部
Solsperse 3000(Lubrizol社製、高分子分散剤):8.0質量部
Irgastab UV−10(BASF社製、重合禁止剤):0.1質量部
(インクの調製)
得られた顔料分散液を60℃に加熱しながら、以下の成分を以下の割合となるように加えて、インク1を調製した。
顔料分散液:20.0質量%
PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート(LogP値3.4の光重合性化合物):34.8質量%
ポリエチレングリコール#400ジアクリレート(LogP値0.5の光重合性化合物):20.0質量%
4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(LogP値2.3の光重合性化合物):20.0質量%
Irgacure819(BASF社製、光重合開始剤):3.0質量%
Irgastab UV−10(BASF社製、光重合禁止剤):0.1質量%
KF−352(信越シリコーン社製、界面活性剤):0.1質量%
カオーワックスT−1(ゲル化剤、花王社製):2.0質量%
<インク2〜19の調製>
顔料分散液の組成を表3又は4に示されるように変更した以外はインク1と同様にしてインク2〜19を調製した。
得られたインクの粘度、及び当該インクを用いて画像を形成したときの光沢値を、以下の方法でそれぞれ評価した。
<粘度>
得られたインクを、コーンプレート型レオメーター(アントンパール社製MCR300)を用いて、60℃、1000(1/s)の条件で5分間回転させた後のインクの粘度を測定した。インク粘度が基準値(9mPa・s)よりも1以上高い場合は、粘度が高いと判断した。
<光沢値>
得られたインクで、ライン型のインクジェット記録装置(コニカミノルタ(株)製、HA512)10を用いて単色画像を形成した。インクジェット記録装置10のインク吐出用記録ヘッド14の温度は80℃に設定した。インク液滴8pL.電圧値16Vで動作させながら100%ベタ印字を幅100mm×長さ300mmに渡って、解像度720dpi×720dpiで印字した。その後、LEDランプ(京セラ製)で250mJのエネルギーの紫外線を照射させてインク表面を硬化させた。印字した基材は、OKトップコート紙を使用した。
得られた画像の光沢値を、光沢計を使用して60°入射角で測定した。光沢値が標準光沢値(40)よりも10以上高い場合は、光沢抑制ができていないと判定した。
得られたインク1〜10の評価結果を表3に示し;得られたインク11〜19の評価結果を表4に示す。表3及び4において、顔料分散液の組成及びインクの組成における数値の単位は、いずれも「質量部」である。
Figure 2018188507
Figure 2018188507
表3に示されるように、酸価が30mgKOH/g以上120mgKOH/g以下の高分子分散剤と、LogP値が2.1以上3.5以下の光重合性化合物とを併用したインク1〜10(実施例)は、いずれも60℃でのインク粘度が低く、且つ画像の光沢が抑制されることがわかる。
特に、顔料として、表面処理された顔料(酸性基を有する顔料)を用いることで、インク粘度をより低くし、且つ光沢値もより低くしうることがわかる(インクNo.1と6との対比、又はインクNo.11と12との対比)。
また、高分子分散剤の含有量が、顔料に対して30〜60質量%であると、インク粘度をより低くし、且つ光沢値もより低くしうることがわかる(インクNo.13〜15の対比)。
これに対して、表4に示されるように、酸価が30mgKOH/g未満又は120mgKOH/g超の高分子分散剤を用いたインク16及び17や、LogP値が2.1以上3.5以下の光重合性化合物を含まないインク18及び19(いずれも比較例)は、いずれも顔料とゲル化剤との相互作用を抑制できず、画像の光沢が十分には抑制できないことがわかる。
本発明によれば、顔料によって、結晶化できるゲル化剤量が少なくなるのを抑制し、表面光沢が抑制された画像を形成可能な活性光線硬化型インクジェットインク及びその製造方法、並びにそれを用いた画像形成方法を提供することができる。

Claims (6)

  1. 顔料、高分子分散剤、光重合性化合物、及びゲル化剤を含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、
    前記高分子分散剤の酸価は、30mgKOH/g以上120mgKOH/g以下であり、
    前記光重合性化合物は、LogP値が2.1以上3.5以下である光重合性化合物を含む、活性光線硬化型インクジェットインク。
  2. 前記顔料は、酸性基を有する、請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  3. 前記ゲル化剤は、炭素数9以上25以下の炭化水素基を有する、脂肪族ケトン、脂肪族エステル、高級脂肪酸及び高級アルコールからなる群より選ばれる一以上である、請求項1又は2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  4. 顔料と、酸価が30mgKOH/g以上120mgKOH/g以下である高分子分散剤とを、LogP値が2.1以上3.5以下である光重合性化合物を含む光重合性化合物中で分散させて顔料分散液を得る工程と、
    前記顔料分散液と、ゲル化剤と、光重合性化合物とを混合して、活性光線硬化型インクジェットインクを得る工程と
    を含む、活性光線硬化型インクジェットインクの製造方法。
  5. 前記高分子分散剤の含有量は、前記顔料に対して30質量%以上60質量%以下である、請求項4に記載の活性光線硬化型インクジェットインクの製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクをインクジェットヘッドのノズルから射出して記録媒体に着弾させる工程と、
    前記記録媒体に着弾した前記インクに活性光線を照射して前記インクを硬化させる工程とを含む、画像形成方法。

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