[go: up one dir, main page]

JP2018179785A - 目的物質検出チップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法 - Google Patents

目的物質検出チップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018179785A
JP2018179785A JP2017080284A JP2017080284A JP2018179785A JP 2018179785 A JP2018179785 A JP 2018179785A JP 2017080284 A JP2017080284 A JP 2017080284A JP 2017080284 A JP2017080284 A JP 2017080284A JP 2018179785 A JP2018179785 A JP 2018179785A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target substance
light
substance detection
electric field
detection chip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017080284A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6936987B2 (ja
Inventor
藤巻 真
Makoto Fujimaki
真 藤巻
裕樹 芦葉
Hiroki Ashiba
裕樹 芦葉
雅人 安浦
Masato YASUURA
雅人 安浦
伸吾 丸山
Shingo Maruyama
伸吾 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Toppan Inc
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST, Toppan Printing Co Ltd filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2017080284A priority Critical patent/JP6936987B2/ja
Publication of JP2018179785A publication Critical patent/JP2018179785A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6936987B2 publication Critical patent/JP6936987B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

【課題】小型で低コストに製造可能なマルチチャンネル型の目的物物質検出チップ及びこれを用いた目的物質検出装置、目的物質検出方法を提供すること。【解決手段】本発明の目的物質検出チップは、光透過性基板2と、光透過性基板2上に形成され、一の面から全反射条件で光が照射されたときに表面プラズモン共鳴及び導波モードが励起可能とされる電場増強層3と、光透過性基板2の電場増強層3が形成される面及び電場増強層3の他の面のいずれかの面上に複数形成され、前記他の面上から視たときに電場増強層3を取り囲む閉鎖図形で描画される形状の閉鎖撥水部4と、が配されることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、表面プラズモン共鳴及び導波モードを利用した光学観察において、複数の液体試料を同時に保持し、独立した観察が可能な目的物質検出チップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法に関する。
昨今、健康診断、製薬、疾患や伝染病の早期発見、環境汚染検出、テロ対策などのさまざまな分野で、持ち運びか可能で、操作が簡単でかつ高感度な検出器が必要とされている。携行が可能な程度に小さく、液体中に含まれる様々な物質の測定が可能なセンサとして、表面プラズモン共鳴(SPR;Surface Plasmon Resonance)を用いるSPRセンサや導波モードを用いる導波センサが知られている(例えば、非特許文献1〜19及び特許文献1〜7参照)。これらのセンサは、疾患に起因する様々なバイオマーカーやウイルスの検出、たんぱく質などの様々なバイオ物質の選択的な検出、環境中の汚染の評価、テロに用いられる毒物や違法薬物、爆薬の検出に用いられてきている。
SPRセンサとして、クレッチマン配置型SPRセンサが広く用いられている。
前記クレッチマン配置型SPRセンサでは、透明基板上に金や銀、アルミニウムなどの金属を蒸着して金属薄膜層を形成し、前記透明基板の前記金属薄膜層を形成した面と反対側の面に光学プリズムを密着させた構造からなり、光源から照射されるレーザ光を偏光板にて偏光し、前記光学プリズムを介して前記透明基板に照射する。入射光は、全反射となる条件で入射する。前記入射光の前記金属薄膜層の表面側に染み出すエバネセント波によって、特定の入射角度で表面プラズモン共鳴が発現する。前記表面プラズモン共鳴が起こると、前記エバネセント波は表面プラズモンによって吸収されるので、この入射角付近では反射光の強度が著しく減少する。前記表面プラズモン共鳴が発現する条件は、前記金属薄膜層表面近傍の誘電率によって変化することから、前記金属薄膜層の表面において物質の吸着や接近、離脱、変質が生じると、反射光の強度に変化が現れる。よって、前記金属薄膜層の表面上に目的物質が結合したり吸着して誘電率に変化が生じると、前記入射光の反射特性に変化が生じるため、前記金属薄膜層から反射される反射光の強度変化を光検出器によりモニターすることによって、前記目的物質を検出することができる。
前記導波モードセンサは、前記SPRセンサとよく似た構造を持ち、検出面における物質の吸着や誘電率の変化を検出するセンサである。この導波モードセンサは、前記SPRセンサで用いることができる全ての光学系と同等の光学系を使用することが可能であることが知られている。
クレッチマン配置と類似の配置を用いた導波モードセンサでは、透明基板と、その上に被覆した金属層又は半導体層で構成される薄膜層と、更にこの薄膜層上に形成される誘電体層とからなる検出板を用いる。前記検出板の前記誘電体層が形成されている面とは反対側の面に屈折率調節オイルを介して光学プリズムが密着される。光源から照射され、偏光板にて偏光された入射光は、前記光学プリズムを介して前記検出板に照射される。前記入射光は、前記検出板に対して全反射となる条件で入射する。特定の入射角度において、前記入射光が前記誘電体層内を伝搬する導波モード(漏洩モード、又はリーキーモードとも呼ばれる)と結合すると、前記導波モードが励起され、この入射角近傍で光の反射光強度が大きく変化する。このような導波モードの励起条件は、前記誘電体層の表面近傍における誘電率によって変化することから、前記誘電体層の表面において目的物質の吸着や接近、離脱、変質が生じると、反射光の強度に変化が現れる。この変化を光検出器により観測することにより、前記目的物質の吸着や接近、離脱、変質といった現象を検出することができる。
また、前記SPRセンサや前記導波モードセンサには、前記検出面に光励起発光が可能な蛍光物質(例えば蛍光色素など)を付着又は近接させると、前記蛍光物質の発光を増強する効果もある。即ち、前記検出板の一の面に対して全反射条件で光を照射すると他の面上に増強電場が形成され、前記増強電場を励起光として前記蛍光物質を強く発光させることができるため、バックグラウンド光が少ない蛍光観察を行うことができる(例えば、特許文献8参照)。
前記SPRセンサや前記導波モードセンサには、前記検出面に光散乱物質(例えばポリスチレンビーズや金ナノ粒子などの散乱体で構成されたナノ粒子)を付着又は近接させると、前記光散乱物質の散乱光を増強する効果もある。即ち、前記検出板の一の面に対して全反射条件で光を照射すると他の面上に増強電場が形成され、前記増強電場によって前記光散乱物質から強い散乱光を生じさせることができるため、輝度の高い散乱光観察を行うことができる(例えば、非特許文献20参照)。
光の全反射によって電場増強を生じさせ、増強電場を得る方法としては、様々な方法が提案され、本発明者は、シリカガラス基板上にシリコン層とSiO層をこの順で積層した検出板をシリカガラス製の台形プリズム上に設置して、プリズムを介して検出板表面における全反射条件で光を照射し、増強電場を得る方法を提案している(非特許文献21参照)。
ところで、本発明者は、前記SPRセンサや前記導波モードセンサを用いる場合の操作負担を軽減するとともに効率的な観察を行うことを目的として、複数の液体試料を同時に保持し、それぞれ独立した観察を行うことができるマルチチャンネル型の検出プレートを提案している(特許文献9参照)。
しかしながら、このマルチチャンネル型の検出プレートの提案では、前記検出チップの表面近傍に液体試料を導入するため、前記検出チップを収容する凹状の収容部や前記液体試料を前記検出チップに送液する流路などの前記増強電場の形成に直接関与しない構造を作製する必要がある。
そのため、現在では、部品点数を減らして、より小型で低コストに製造可能な新たな検出チップの開発が求められている状況にある。
特許第4581135号公報 特許第4595072号公報 特開2007−271596号公報 特開2008−46093号公報 特開2009−85714号公報 国際公開第2010/87088号 特開2010−145408号公報 国際公開2015/194663号公報 特許第5923811号公報
W.Knoll, MRS Bulletin 16, pp.29-39 (1991) W.Knoll, Annu.Rev.Phys.Chem.49, pp.569-638 (1998) H.Kano et al. ,Appl.Opt.33, pp.5166-5170 (1994) C.Nylander et al. Sensor.Actuat.3, pp.79-88 (1982/83) K.Kambhampatiet al. Langmuir 17, pp.1169-1175 (2001) O.R.Bolduc et al. Talanta 77, pp.1680-1687 (2009) I.Stammler et al. Sensor.Actuat.B54, pp98-105 (1999) M.Osterfeld et al. Appl.Phys.Lett.62, pp.2310-2312 (1993) E.F.Aust et al. J.Appl.Phys.73, p.2705 (1993) M.Fujimaki et al. Microelectronic Engineering 84, pp.1685-1689 (2007) K.Awazu et al. Optics Express 15, pp.2592-2597 (2007) K.H.A.Lau et al. J.Phys.Chem.B108, pp.10812 (2004) M.Fujimaki et al. Optics Express 16, pp.6408-6416 (2008) M.Fujimaki et al. Nanotechnology 19, pp.095503-1-095503-7 (2008) M.Fujimaki et al. J.Microscopy 229, pp.320-326 (2008) M.Fujimaki et al. Optics Express 18, pp.15732-15740 (2010) R.P.Podgorsek et al. Sensor.Actuat.B51 pp.146-151 (1998) J.J.Saarinen et al. Opt.Express 13, pp.3754-3764 (2005) G.Rong et al. Biosens.Bioelectron.23, pp.1572-1576 (2008) M.Yasuura and M.Fujimaki, Sci. Rep. Vol. 6, pp. 39241-1-39241-7 (2016) M.Fujimaki et al. Optics Express, Vol. 23 (2015) pp.10925-10937
本発明は、従来技術における前記諸問題を解決し、小型で低コストに製造可能なマルチチャンネル型の目的物物質検出チップ及びこれを用いた目的物質検出装置、目的物質検出方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 光透過性基板と、前記光透過性基板上に形成され、一の面から全反射条件で光が照射されたときに表面プラズモン共鳴及び導波モードが励起可能とされる電場増強層と、前記光透過性基板の前記電場増強層が形成される面及び前記電場増強層の他の面のいずれかの面上に複数形成され、前記他の面上から視たときに前記電場増強層を取り囲む閉鎖図形で描画される形状の閉鎖撥水部と、が配されることを特徴とする目的物質検出チップ。
<2> 閉鎖図形が多角形状であり、隣接する閉鎖撥水部同士が前記多角形状の一辺を共有するように形成される前記<1>に記載の目的物質検出チップ。
<3> 閉鎖図形が正三角形、二等辺三角形、直角三角形、菱形、平行四辺形、長方形、正四角形、正六角形及び正八角形のいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載の目的物質検出チップ。
<4> 複数の電場増強層が前記光透過性基板上に点在して形成されるとともに、閉鎖撥水部が前記光透過性基板の前記電場増強層が形成される面上に形成され、かつ、前記閉鎖撥水部の閉鎖図形内に1つの前記電場増強層が前記閉鎖図形の描線と離間して形成される前記<1>から<3>のいずれかに記載の目的物質検出チップ。
<5> 閉鎖図形の最大径が大きくとも5mmである前記<1>から<4>のいずれかに記載の目的物質検出チップ。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の目的物質検出チップと、前記目的物質検出チップの閉鎖撥水部が形成される側の面を表面として裏面側から電場増強層の一の面に全反射条件で光を照射可能とされる光照射部と、前記目的物質検出チップの前記裏面側に配され、前記電場増強層から反射される反射光を検出可能とされる反射光検出部と、が配されることを特徴とする目的物質検出装置。
<7> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の目的物質検出チップと、前記目的物質検出チップの閉鎖撥水部が形成される側の面を表面として裏面側から電場増強層の一の面に全反射条件で光を照射可能とされる光照射部と、前記目的物質検出チップの前記表面側に配され、前記光の照射に基づき前記閉鎖撥水部内に保持される液体試料に含まれる目的物質又は前記目的物質に結合した標識物質から発せられる蛍光又は散乱光を検出可能とされる光検出部と、が配されることを特徴とする目的物質検出装置。
<8> 前記<1>から<5>に記載の目的物質検出チップを用いて目的物質を検出する目的物質検出方法であって、目的物質検出チップの閉鎖撥水部内に液体試料を導入する液体試料導入工程と、前記目的物質検出チップの裏面側から電場増強層の一の面に全反射条件で光を照射する光照射工程と、前記電場増強層から反射される反射光を検出する反射光検出工程と、を含むことを特徴とする目的物質検出方法。
<9> 前記<1>から<5>に記載の目的物質検出チップを用いて目的物質を検出する目的物質検出方法であって、目的物質検出チップの閉鎖撥水部内に液体試料を導入する液体試料導入工程と、前記目的物質検出チップの裏面側から電場増強層の一の面に全反射条件で光を照射する光照射工程と、前記光の照射に基づき前記液体試料に含まれる目的物質又は前記目的物質に結合した標識物質から発せられる蛍光又は散乱光を検出する光検出工程と、を含むことを特徴とする目的物質検出方法。
本発明によれば、従来技術における前記諸問題を解決することができ、小型で低コストに製造可能なマルチチャンネル型の目的物物質検出チップ及びこれを用いた目的物質検出装置、目的物質検出方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る目的物質検出チップの概略構成を示す断面図である。 図1に示す目的物質検出チップの一部を電場増強層の他の面上から拡大して視たときの様子を示す説明図である。 1つの閉鎖撥水部4に対応する構造を拡大して示す断面図である。 第1実施形態の概略構成を示す説明図である。 第2実施形態の概略構成を示す説明図である。 第3実施形態の概略構成を示す説明図である。
(目的物質検出チップ)
本発明の目的物質検出チップは、光透過性基板と電場増強層と閉鎖撥水部とが配されて構成される。
<光透過性基板>
前記光透過性基板は、前記電場増強層を支持するとともに前記電場増強層に照射される光を透過させる部材である。
前記光透過性基板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基板やプラスチック基板等の公知の光透過性基板を用いることができる。
なお、本明細書において、「光透過性」とは、可視光透過率が0.5%以上であることを示す。
<電場増強層>
前記電場増強層は、一の面から全反射条件で光が照射されたときに表面プラズモン共鳴及び導波モードのいずれかが励起可能とされる層である。
前記電場増強層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の表面プラズモン励起層及び導波モード励起層を適用することができる。
前記表面プラズモン励起層としては、例えば、金、銀、プラチナ及びアルミニウムの少なくともいずれかを含む金属層が挙げられる。
前記金属層では、前記一の面に照射される前記光によって前記他の面上に表面プラズモン共鳴が励起され、前記他の面上に前記増強電場が得られる。
前記金属層の厚みとしては、構成材料及び照射する光の波長によって最適値が決定されるが、この値は、フレネルの式を用いた計算から算出可能であることが知られている。一般に、近紫外から近赤外域で前記表面プラズモン共鳴を励起させる場合、前記金属層の厚みは、数nm〜数十nmとなる。
前記金属層の形成方法としては、特に制限はなく、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、PVD法、スピンコート法等の公知の形成方法が挙げられるが、前記光透過性基板の形成材料がプラスチック材料やガラス材料である場合、前記金属層を直接、前記光透過性部材上に形成すると、密着性が低くなり、簡単にはがれてしまうことがある。
そのため、密着性を向上させる観点から、前記光透過性基板の面上にニッケルやクロムを形成材料とする接着層を形成し、この接着層上に前記金属層を形成することが好ましい。
目的物質又は前記目的物質を標識化する蛍光物質からの発光を観察する場合、前記目的物質及び前記蛍光物質が前記金属層に近接すると、前記目的物質又は前記蛍光物質が励起光から得たエネルギーが金属層に移行し、発光効率が低下するクエンチングと呼ばれる現象が生ずる場合がある。
この場合、前記目的物質及び前記蛍光物質を前記金属層の表面から離間させる目的で、前記金属層の表面上に被覆層を形成すると、前記クエンチングが抑制され、発光効率の低下を抑制することができる。
前記被覆層としては、特に制限はなく、シリカガラス等のガラス材料、有機高分子材料等で形成される厚みが数nm〜数十nmの透明な層により形成することができる。
前記導波モード励起層としては、特に制限はなく、金属材料又は半導体材料で形成される薄膜層と、光透過性誘電材料で形成される誘電体層との積層体が挙げられる。
前記導波モード励起層では、前記一の面に照射される前記光によって前記誘電体層内に前記導波モードが励起され、前記他の面上に前記増強電場が得られる。
なお、前記導波モード励起層では、前記薄膜層が前記一の面側の層を構成し、前記誘電体層が前記他の面側を構成する。
前記金属材料としては、特に制限はなく、例えば、金、銀、銅、プラチナ、アルミニウム等が挙げられる。
また、前記半導体材料としては、特に制限はなく、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の半導体材料又は既知の化合物半導体材料が挙げられるが、中でも、安価で加工が容易なシリコンが好ましい。
前記薄膜層の厚みとしては、前記表面プラズモン励起層と同様で、構成材料及び照射する光の波長によって最適値が決定されるとともに、この値は、フレネルの式を用いた計算から算出可能であることが知られている。一般に、近紫外から近赤外域の波長帯の光を使用する場合、前記薄膜層の厚みは、数nm〜数百nmとなる。
前記光透過性誘電材料としては、特に制限はなく、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、アクリル樹脂等の樹脂材料、酸化チタン等の金属酸化物、窒化アルミニウム等の金属窒化物が挙げられるが、作製が容易で、化学的安定性が高い酸化シリコンが好ましい。この場合、前記薄膜層を前記シリコンで形成すれば、前記シリコンの層の表面側を酸化させることで、簡便に形成することができる。
なお、前記薄膜層及び前記誘電体層の形成方法としては、材料に応じて公知の形成方法から適宜選択することができる。
<閉鎖撥水部>
前記閉鎖撥水部は、前記光透過性基板の前記電場増強層が形成される面及び前記電場増強層の前記他の面のいずれかの面上に複数形成され、前記他の面上から視たときに前記電場増強層を取り囲む閉鎖図形で描画される形状とされる。
前記閉鎖撥水部としては、先の通り、前記光透過性基板の前記電場増強層が形成される面に形成されてもよいし、前記電場増強層の前記他の面に形成されてもよい。
前者の場合、前記光透過性基板上に前記閉鎖撥水部を形成し、前記閉鎖撥水部の前記閉鎖図形内に前記電場増強層を形成することで構成することができる。形成する順番としては特に制限はなく、前記閉鎖撥水部を形成した後に前記電場増強層を形成してもよいし、前記電場増強層を形成した後に前記閉鎖撥水部を形成してもよい。
また、後者の場合、前記光透過性基板上に前記電場増強層を形成した後に前記電場増強層上に閉鎖撥水部を形成することで構成することができる。
前記閉鎖撥水部の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ素系、シリコーン系、アクリル系の公知の撥水化合物の線状膜を、蒸着法、スパッタリング法、塗布法、印刷法等の公知の形成方法で形成することが挙げられる。また、公知のフッ素系撥水ガスをプラズマ照射する公知のフッ素コート法が挙げられる。
一例として前記印刷法により前記閉鎖撥水部を形成する場合、特に制限はないが、バインダ樹脂、溶剤、反応性希釈剤等とともにシリコーン系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤を含む公知の撥水性インクを用いることができる。
前記撥水性インク中の前記各界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、0.5質量%〜20質量%程度である。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、公知のものから適宜選択して用いることができ、例えば、ジメチルシロキサン骨格を持つシリコーンオイル、シリコーン樹脂、及びこれらのメチル基の一部がアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシル基等により置換されている変性シリコーンオイル、変性シリコーン樹脂等が挙げられる。
また、前記フッ素系界面活性剤としても、特に制限はなく、公知のものから適宜選択して用いることができ、例えば、パーフルオロアルキル基を持つモノマーと、各種反応性基を持つモノマーを反応させた、パーフルオロアルキル基を側鎖に持つポリマー、オリゴマーが挙げられる。
前記バインダ樹脂としては、特に制限はなく、前記シリコーン系界面活性剤又は前記フッ素系界面活性剤との相溶性があり、乾燥後に固体状になる高分子化合物から任意に選択することができる。
前記高分子化合物としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アセタール樹脂、フェノール樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース等のセルロース系樹脂、塩素化ゴム、石油樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等が挙げられる。
前記撥水性インクを用いた描画(パターニング)方法としては、任意の印刷方式を採用することができるが、パターン精度が5μm〜20μm幅程度の場合は、凸版反転印刷方法が好ましく、前記パターン精度が20μmを超える場合は、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法等が好ましい。
例えば、前記撥水性インクの粘度を、1Pa・s〜20Pa・s程度に調製し、前記グラビア印刷方式を採用すると、前記パターン精度が20μm±5μm、膜厚が1.5μm〜2.5μm程度のパターン化された層を得ることができる。
前記閉鎖図形は、線の始端と終端とが一度も重ならずに結ばれた開放端のない平面図形であり、例えば、多角形状、円形状、楕円状等の任意の平面図形から選択することができる。これらの中でも、前記多角形状が好ましい。
前記閉鎖図形が前記多角形状であると、隣接する前記閉鎖撥水部同士が前記多角形状の一辺を共有するように形成され、限られた領域に多くの前記閉鎖撥水部を形成することができ、必要なチャンネル数を確保しつつ、小型化を図ることができる。
更に、前記多角形状が正三角形、二等辺三角形、直角三角形、菱形、平行四辺形、長方形、正四角形、正六角形及び正八角形のいずれかであると、限られた領域に複数の前記閉鎖撥水部を密に並べて配することができ、より一層多くの前記閉鎖撥水部を形成することができる。
なお、前記多角形状とは、最も大きな内角が180°未満であり、かつ、短くとも長さ1μmの直線を結んで描画される形状を意味する。
前記閉鎖撥水部の大きさとしては、特に制限はなく、前記電場増強層の前記一の面に照射される光のスポット径等にもよるが、小さい程、限られた領域に多数の前記閉鎖撥水部を形成することができ、前記閉鎖図形の最大径が大きくとも5mmであることが好ましい。
以下では、前記目的物質検出チップの実施形態の例を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る前記目的物質検出チップの概略構成を示す断面図である。また、図2は、図1に示す前記目的物質検出チップの一部を前記電場増強層3の前記他の面上から拡大して視たときの様子を示す説明図である。
図1,2に示すように、目的物質検出チップ1は、光透過性基板2と複数の電場増強層3と複数の閉鎖撥水部4とが配されて構成される。
また、目的物質検出チップ1では、複数の電場増強層3が光透過性基板2上に点在して形成されるとともに、閉鎖撥水部4が光透過性基板2の電場増強層3が形成される面上に形成され、かつ、閉鎖撥水部4の前記閉鎖図形内に1つの電場増強層3が前記閉鎖図形の描線と離間して形成される。
また、閉鎖撥水部4としては、前記閉鎖図形が正六角形状とされ、正六角形を構成する全ての辺において隣接する2つの閉鎖撥水部4同士が前記正六角形の一辺を共有するように形成される。
したがって、目的物質検出チップ1では、限られた領域に複数の閉鎖撥水部4を密に並べて配することで、多くの閉鎖撥水部4が形成される。
閉鎖撥水部4の前記閉鎖図形における最大径Lとしては、小さい程、限られた領域に多数の閉鎖撥水部4を形成することができ、大きくとも5mmであることが好ましい。
また、閉鎖撥水部4の前記閉鎖図形内に1つの電場増強層3が前記閉鎖図形の描線と離間して形成されるように、電場増強層3としては、前記閉鎖図形の中心位置に配され、かつ、最大径LがL未満となるように形成されることが好ましい。
目的物質検出チップ1に液体試料を導入した様子を図3に示す。なお、図3は、1つの閉鎖撥水部4に対応する構造を拡大して示す断面図である。
目的物質検出チップ1の閉鎖撥水部4内に液体試料5を滴下して導入すると、図3に示すように、閉鎖撥水部4の撥水性により液体試料5が閉鎖撥水部4内に保持される。
したがって、目的物質検出チップ1は、複数の閉鎖撥水部4により種類の異なる液体試料5を同時に保持し、それぞれの液体試料5を独立して観察可能なマルチチャンネル型の検出チップとされる。
このように構成される目的物質検出チップ1では、従来技術における前記凹状収容部や前記流路などの前記増強電場の形成に直接関与しない構造を作製する必要がなく、部品点数を減らして、より小型で低コストに製造することができる。
(目的物質検出装置)
本発明の前記目的物質検出チップとしては、前記電場増強層からの反射光を検出する目的物質検出装置及び前記目的物質検出チップ上に保持される前記液体試料に含まれる目的物質又は前記目的物質に結合した標識物質からの蛍光又は散乱光を検出する目的物質検出装置のいずれに対しても適用することができる。
本発明の第1の目的物質検出装置は、前者の態様として、本発明の前記目的物質検出チップと光照射部と反射光検出部とが配されて構成される。
本発明の第2の目的物質検出装置は、後者の態様として、本発明の前記目的物質検出チップと光照射部と光検出部とが配されて構成される。
先ず、本発明の第1の目的物質検出装置について説明する。
<光照射部>
前記光照射部は、前記目的物質検出チップの前記閉鎖撥水部が形成される側の面を前記表面として前記裏面側から前記電場増強層の一の面に全反射条件で光を照射可能とされる。
前記光照射部の光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のランプ、LED、レーザ等が挙げられる。
ランプ、LED等の放射光源を用いる場合には、放射される光のうち前記目的物質検出チップの前記裏面側に照射される全ての方位における光が全反射条件を満たすように、照射光の照射方向を特定の方位に規制するコリメートレンズ等の案内部を用いてもよい。
ここで、前記目的物質検出チップの前記表面と前記裏面とが平行な板である場合、前記裏面側から照射された光は、前記表面上に液体が存在すると全反射されない。よって、このような場合には、前記目的物質検出チップの前記裏面部分に回折格子を形成することにより、前記回折格子に特定の角度で光を照射したときに、光が前記回折格子で回折されて前記目的物質検出チップ内に導入されるとともに、前記目的物質検出チップ内に導入された光が全反射条件で表面に照射されて前記表面上に前記増強電場が形成されるように、前記目的物質検出チップを構成してもよい。または、前記表面と前記裏面とが平行にならないように形成してもよい。或いは、前記光源から照射される光を公知のプリズムを介して前記目的物質検出チップの前記裏面に照射することとしてもよい。前記プリズムとしては、前記目的物質検出チップの前記裏面に屈折率調整オイル又は光学用接着剤等により光学的に貼り合せて用いることができる。また、前記プリズムの形成材料として、前記光透過性基板の形成材料と同じ形成材料が選択される場合には、前記光透過性基板と前記プリズムとが一体成型されたものを用いることもできる。
<反射光検出部>
前記反射光検出部は、前記目的物質検出チップの前記裏面側に配され、前記電場増強層から反射される反射光を検出可能とされる。
前記反射光検出部としては、特に制限はなく、サーモパイルセンサ、ダイオードセンサ、CMOSセンサ、CCDセンサ等の公知の光検出装置を用いて構成することができ、CMOSセンサ、CCDセンサ等のイメージセンサを用いると、複数の閉鎖撥水部4を同時に観測することができ、好ましい。
前記第1の目的物質検出装置において、前記電場増強層が前記表面プラズモン励起層で形成される場合、前記電場増強層の前記一の面に全反射条件で光を照射すると、前記光透過性基板から前記電場増強層に向けてエバネセント光が染み出し、前記目的物質検出装置の前記表面近傍に前記表面プラズモンが励起される。
ここで、前記光照射部からの光入射角を調整すると、特定の入射角度θにおいて前記エバネセント光が前記表面プラズモンに吸収される表面プラズモン共鳴が発現し、前記電場増強層からの反射光強度が著しく減少する。前記反射光強度は、前記反射光検出部により入射角ごとに検出される。
この入射角度θは、前記表面近傍における誘電率の変化に応じてシフト変化するため、入射角度θのシフト変化を通じて、前記表面上に保持される前記液体試料中の前記目的物質を検出することができる。
また、入射角度θを表面プラズモン共鳴が発現する角度付近に固定した状態で、前記反射光強度を前記反射光検出部にて観測すると、前記表面近傍における誘電率の変化に応じて前記反射光強度に変化が生じ、明暗の変化が観測される。よって、この明暗の変化を通じて、前記表面上に保持される前記液体試料中の前記目的物質を検出することもできる。
前記第1の目的物質検出装置において、前記電場増強層が前記導波モード励起層で形成される場合は、前記全反射条件を満たしつつ特定の入射角度θで光を入射させると、前記薄膜層及び前記誘電体層内を伝搬光が伝搬する導波モードが励起される。この入射角度θ付近では、他の入射角と前記反射光強度が大きく異なる状態となる。また、前記導波モードの励起条件は、前記目的物質検出チップの表面における誘電率の変化に敏感であり、前記目的物質物質の吸着等によって誘電率に変化が生ずると、入射角度θ付近における前記反射光の反射特性の変動となって現れる。
このとき、前記目的物質の吸着等を、単色光入射時の特定の入射角度θにおける急激な前記反射光強度の減少等を前記反射光検出部で捉えることで、前記表面上に保持される前記液体試料中の前記目的物質を検出することができる。
また、入射角度θを導波モードが励起される角度付近に固定した状態で、前記反射光強度を前記反射光検出部にて観測すると、前記表面近傍における誘電率の変化に応じて前記反射光強度に変化が生じ、明暗の変化が観測される。よって、この明暗の変化を通じて、前記表面上に保持される前記液体試料中の前記目的物質を検出することもできる。
次に、前記第2の目的物質検出装置について説明する。前記光照射部としては、前記第1の目的物質検出装置について説明した事項から適宜選択して構成することができる。
<光検出部>
前記光検出部は、前記目的物質検出チップの前記表面側に配され、前記光の照射に基づき前記閉鎖撥水部内に保持される前記液体試料に含まれる目的物質又は前記目的物質に結合した標識物質から発せられる蛍光又は散乱光を検出可能とされる。
前記光検出部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のフォトダイオード、光電子増倍管等の光検出器を用いることができる。
光信号の情報を2次元画像情報として取得することができると、複数の閉鎖撥水部4を同時に観測することができ、さらに光点として現れる2次元画像情報における光信号の位置情報や、2次元上で観察されるサイズ情報、光点における光信号強度の増減情報を時系列で観察することができる。このような2次元画像情報の取得を可能とするには、前記光検出部として撮像デバイスを選択すればよい。
前記撮像デバイスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等のイメージセンサを用いることができる。
前記標識物質は、前記目的物質が蛍光や散乱光を生じにくい物質である場合に前記目的物質を標識化させるために用いられる。
前記標識物質としては、特に制限はなく、前記目的物質と特異的に吸着ないし結合して前記目的物質を標識化する蛍光標識物質や光散乱物質が挙げられる。
前記蛍光標識物質としては、例えば、蛍光色素、量子ドット、蛍光染色剤等の公知の蛍光物質を用いることができる。
また、前記光散乱物質としては、例えば、ナノ粒子、例えばポリスチレンビーズや金ナノ粒子などの公知の光散乱物質を用いることができる。
なお、前記目的物質と前記標識物質との結合方法としては、特に制限はなく、物理吸着、抗原−抗体反応、DNAハイブリダイゼーション、ビオチン−アビジン結合、キレート結合、アミノ結合などの公知の結合方法を適用することができる。
前記第2の目的物質検出装置では、前記表面プラズモン共鳴及び前記導波モードのいずれかの励起に基づき前記電場増強層の前記他の面(前記目的物質検出チップの前記表面)近傍に形成された前記増強電場を励起光として、前記目的物質又は前記目的物質を標識化させる蛍光物質を発光させ、或いは、記目的物質又は前記目的物質を標識化させる光散乱物質から散乱光を発生させ、その光信号を前記光検出部で検出する。
前記第2の目的物質検出装置では、前記光検出部によって、前記目的物質検出チップの前記表面側から、前記液体試料の観測を行う。この時、前記液体試料は、図3に示すように、表面張力によって上凸の形状を示すことから、レンズ効果が働き、前記光検出部に前記撮像デバイスを用いた場合、前記目的物質検出チップ表面観測時にフォーカスずれが生じてしまい、画像の取得が困難になってしまう。よって、前記液体試料の上にカバーガラスを配して、液体表面を平らにすることが好ましい。
ところで、前記第2の目的物質検出装置では、前記目的物質検出チップの前記表面近傍に形成された前記増強電場を検出に用いるため、前記閉鎖撥水部に前記液体試料を導入後、前記液体試料中を浮遊する前記目的物質が前記目的物質検出チップの前記表面近傍に重力沈降するのを待つ必要がある。
そのため、短時間での測定を行う場合、前記液体試料に前記目的物質と結合する磁性粒子を加えて結合体を形成させ、前記液体試料中を浮遊する前記結合体を前記目的物質検出チップの前記表面に引き寄せる磁場を印加することが有効となる。
したがって、前記第2の目的物質検出装置としては、更に、このような磁場を印加可能な磁場印加部が配されることが好ましい。具体的には、前記目的物質検出チップの前記裏面側に前記結合体を前記目的物質検出チップの前記表面に引き寄せる磁場を印加可能な磁場印加部が配されることが好ましい。
また、前記第2の目的物質検出装置では、前記目的物質検出チップの前記表面近傍における光信号を検出するため、前記光信号に前記目的物質検出チップ表面における汚れや傷による散乱光、前記目的物質検出チップの構成部材から生じる自家蛍光、前記液体試料中に含まれる夾雑物からの発光等に基づくノイズ信号が含まれると、検出精度が低下する。
こうしたことから前記光検出部を用いて、前記目的物質に前記磁性粒子を結合させた結合体の様子を磁場印加部による磁場の印加前後で比較観察することで、前記磁場印加前における光信号に含まれるノイズ信号を排除した観察を行うことが有効となる。
即ち、前記結合体が前記磁場の印加により移動するのに対し、前記目的物質検出チップ表面のキズ等を原因とする前記ノイズ信号は、前記磁場の印加により移動しないことから、前記磁場の印加により移動する光信号に着目した検出を行うことで、前記ノイズ信号を排除することができる。
したがって、前記第2の目的物質検出装置としては、更に、このような磁場を印加可能な磁場印加部が配されることが好ましい。具体的には、前記目的物質検出チップの前記表面上に保持される前記液体試料に含まれる前記結合体を前記表面に平行な方向又は前記表面から遠ざける方向に移動させる第1磁場を印加可能とされる第1磁場印加部及び前記目的物質検出チップの前記裏面側に配されるとともに前記表面上に保持される前記液体試料中の前記結合体を前記表面上に引き寄せる第2磁場を印加可能とされるとともに前記第2磁場を印加させた状態で前記磁性粒子を前記表面の面内方向と平行な方向のベクトル成分を持つ方向に移動可能とされる第2磁場印加部のいずれかの磁場印加部が配されることが好ましい。中でも、短時間での測定を目的とした前記引き寄せ磁場を印加可能であることから、前記第2磁場印加部を配することが特に好ましい。
なお、前記前記磁場印加部の構成部材としては、特に制限はなく、公知の永久磁石、電磁石等を挙げることができる。また、前記第2磁場印加部としては、前記電磁石又は前記永久磁石を保持した前記スライド部材を、前記目的物質検出チップの前記裏面側における前記光照射部からの前記光が照射される領域(検出領域)の近傍に前記電磁石又は前記永久磁石を位置させる初期状態と、前記目的物質検出チップの前記表面の面内方向と平行な方向のベクトル成分を持つ方向に向けて前記電磁石又は前記永久磁石を移動させた状態との間で移動制御させることで構成することができる。なお、前記電磁石を用いる場合、前記移動制御中、連続的或いは断続的に励磁させた状態とする。また、前記移動制御中に励磁の強度を変化させてもよい。
また、前記磁性粒子としては、特に制限はなく、公知の磁気ビーズ等を用いることができる。
(目的物質検出方法)
本発明の前記目的物質検出チップとしては、前記電場増強層からの反射光を検出する目的物質検出方法及び前記目的物質検出チップ上に保持される前記液体試料に含まれる目的物質又は前記目的物質に結合した標識物質からの蛍光又は散乱光を検出する目的物質検出方法のいずれに対しても適用することができる。
本発明の第1の目的物質検出方法は、前者の態様として、本発明の前記目的物質検出チップの前記閉鎖撥水部内に前記液体試料を導入する液体試料導入工程と、前記目的物質検出チップの前記裏面側から前記増強電場層に対し全反射条件で光を照射する光照射工程と、前記電場増強層から反射される反射光検出工程とを含む。
本発明の第2の目的物質検出方法は、後者の態様として、本発明の前記目的物質検出チップの前記閉鎖撥水部内に前記液体試料を導入する液体試料導入工程と、前記目的物質検出チップの前記裏面側から前記増強電場層に対し全反射条件で光を照射する光照射工程と、前記光の照射に基づき前記液体試料に含まれる目的物質又は前記目的物質に結合した標識物質から発せられる蛍光又は散乱光を検出する光検出工程とを含む。
前記第1の目的物質検出方法としては、前記第1の目的物質検出装置について説明した事項により実施することができる。
また、前記第2の目的物質検出方法としては、前記第2の目的物質検出装置について説明した事項により実施することができる。
次に、本発明の前記目的物質検出装置及び前記目的物質検出方法の第1実施形態について図4を参照しつつ説明する。なお、図4は、第1実施形態の概略構成を示す説明図である。
図4に示すように目的物質検出装置10は、目的物質検出チップ1(図1,2参照)と光照射部11と光学プリズム12と反射光検出部13とで構成される。
光照射部11は、目的物質検出チップ1の閉鎖撥水部4が形成される側の面を表面として裏面側から前記電場増強層の一の面に全反射条件で光を照射可能とされる。
反射光検出部13は、目的物質検出チップ1の前記裏面側に配され、前記電場増強層から反射される反射光を検出可能とされる。
目的物質検出装置10では、先ず、光照射部11から前記電場増強層に対し全反射条件で光Lを照射しつつ、その入射角を調整し、反射光検出部13において反射特性が変化する特定の入射角度θに設定する。この特定の入射角度θが既知である場合には、予めこの入射角度θで光が照射されるように目的物質検出装置10を設定しておく。
次に、目的物質の検証を行う液体試料を閉鎖撥水部4に導入する。この際、複数の閉鎖撥水部4に対して、種類の異なる前記液体試料を導入し、保持させることで、マルチチャンネル化された前記目的物質の検出を行うことができる。光照射部11からの光が、複数の閉鎖撥水部4に同時に照射されるように光Lを照射し、イメージセンサなどの撮像デバイスによって、前記複数の閉鎖撥水部4からの反射光画像を取得して明暗を観測することで、それぞれの閉鎖撥水部4における前記目的物質の検出と、その量の判定を一度に行うことができる。
予め前記目的物質が存在しない場合には反射光が強く、前記目的物質が存在し前記目的物質が前記電場増強層表面に吸着すると反射光強度が弱くなるように設定した場合、反射光強度の減衰具合によって前記目的物質の検出と、その量の判定を行うことができる。
反対に、予め前記目的物質が存在しない場合には反射光が弱く、前記目的物質が存在し前記目的物質が前記電場増強層表面に吸着すると反射光強度が強くなるように設定した場合、反射光強度の増加具合によって前記目的物質の検出と、その量の判定を行うことができる。
次に、本発明の前記目的物質検出装置及び前記目的物質検出方法の第2実施形態について図5を参照しつつ説明する。なお、図5は、第2実施形態の概略構成を示す説明図である。
図5に示すように目的物質検出装置20は、目的物質検出チップ1(図1,2参照)と光照射部21と光学プリズム22と光検出部23とで構成される。
光照射部21は、光照射部11に準じて構成される。
光検出部23は、目的物質検出チップ1の前記表面側に配され、光Lの照射に基づき閉鎖撥水部4内に保持される液体試料に含まれる目的物質又は前記目的物質に結合した標識物質から発せられる蛍光又は散乱光を検出可能とされ、撮像デバイス等で構成される。
目的物質検出装置20では、先ず、目的物質の検証を行う液体試料を閉鎖撥水部4に導入する。この際、複数の閉鎖撥水部4に対して、種類の異なる前記液体試料を導入し、保持させることで、マルチチャンネル化された前記目的物質の検出を行うことができる。
次に、光照射部21から複数の閉鎖撥水部4における前記電場増強層に対し全反射条件で光Lを照射し、目的物質検出チップ1の前記表面近傍に前記増強電場を形成させる。
次に、前記増強電場により強められた光を励起光として、前記目的物質又は前記目的物質に結合して標識化する蛍光物質や光散乱物質などの標識物質から発せされる光の光信号Sを光検出部22で検出して、前記目的物質を検出する。
次に、本発明の前記目的物質検出装置及び前記目的物質検出方法の第3実施形態について図6を参照しつつ説明する。なお、図6は、第3実施形態の概略構成を示す説明図である。
図6に示すように目的物質検出装置30は、目的物質検出チップ1(図1,2参照)と光照射部31と光学プリズム32と光検出部33と磁場印加部34とで構成される。
目的物質検出装置30では、磁場印加部34が配される点で目的物質検出装置20と異なり、光照射部31、光学プリズム32及び光検出部33は、目的物質検出装置20における光照射部21、光学プリズム22及び光検出部23と同様に構成することができる。以下では、磁場印加部34に着目した説明を行う。
磁場印加部34は、永久磁石等を保持したスライド部材で構成され、目的物質検出チップ1の前記裏面側に配されるとともに目的物質検出チップ1の前記表面の面内方向と平行な方向のベクトル成分を持つ方向(図中のX及びX)にスライド移動可能とされる。
閉鎖撥水部4に保持される前記液体試料は、前記目的物質と結合体を構成する前記磁性粒子が添加されて調製される。
このような磁場印加部34が配される目的物質検出装置30では、前記液体試料中を浮遊する前記結合体の重力沈降を待つことなく、磁場印加部34による磁場の印加によって前記結合体を目的物質検出チップ1の前記表面に引き寄せることができ、短時間での測定が可能とされる。
また、磁場印加部34の前記スライド移動に伴う前記結合体の移動の様子を前記スライド移動の前後で比較観察することで、前記磁場印加前における光信号に含まれるノイズ信号を排除した観察を行うことができる。
即ち、前記結合体が前記スライド移動により移動するのに対し、前記目的物質検出チップ表面のキズ等を原因とする前記ノイズ信号は、前記スライド移動により移動しないことから、前記スライド移動に伴って移動する光信号に着目した検出を行うことで、前記ノイズ信号を排除することができる。
1 目的物質検出チップ
2 光透過性基板
3 電場増強層
4 閉鎖撥水部
5 液体試料
10,20,30 目的物質検出装置
11,21,31 光照射部
12,22,32 光学プリズム
13 反射光検出部
23,33 光検出部
34 磁場印加部

Claims (9)

  1. 光透過性基板と、
    前記光透過性基板上に形成され、一の面から全反射条件で光が照射されたときに表面プラズモン共鳴及び導波モードが励起可能とされる電場増強層と、
    前記光透過性基板の前記電場増強層が形成される面及び前記電場増強層の他の面のいずれかの面上に複数形成され、前記他の面上から視たときに前記電場増強層を取り囲む閉鎖図形で描画される形状の閉鎖撥水部と、
    が配されることを特徴とする目的物質検出チップ。
  2. 閉鎖図形が多角形状であり、隣接する閉鎖撥水部同士が前記多角形状の一辺を共有するように形成される請求項1に記載の目的物質検出チップ。
  3. 閉鎖図形が正三角形、二等辺三角形、直角三角形、菱形、平行四辺形、長方形、正四角形、正六角形及び正八角形のいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の目的物質検出チップ。
  4. 複数の電場増強層が前記光透過性基板上に点在して形成されるとともに、閉鎖撥水部が前記光透過性基板の前記電場増強層が形成される面上に形成され、かつ、前記閉鎖撥水部の閉鎖図形内に1つの前記電場増強層が前記閉鎖図形の描線と離間して形成される請求項1から3のいずれかに記載の目的物質検出チップ。
  5. 閉鎖図形の最大径が大きくとも5mmである請求項1から4のいずれかに記載の目的物質検出チップ。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の目的物質検出チップと、
    前記目的物質検出チップの閉鎖撥水部が形成される側の面を表面として裏面側から電場増強層の一の面に全反射条件で光を照射可能とされる光照射部と、
    前記目的物質検出チップの前記裏面側に配され、前記電場増強層から反射される反射光を検出可能とされる反射光検出部と、
    が配されることを特徴とする目的物質検出装置。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の目的物質検出チップと、
    前記目的物質検出チップの閉鎖撥水部が形成される側の面を表面として裏面側から電場増強層の一の面に全反射条件で光を照射可能とされる光照射部と、
    前記目的物質検出チップの前記表面側に配され、前記光の照射に基づき前記閉鎖撥水部内に保持される液体試料に含まれる目的物質又は前記目的物質に結合した標識物質から発せられる蛍光又は散乱光を検出可能とされる光検出部と、
    が配されることを特徴とする目的物質検出装置。
  8. 請求項1から5に記載の目的物質検出チップを用いて目的物質を検出する目的物質検出方法であって、
    目的物質検出チップの閉鎖撥水部内に液体試料を導入する液体試料導入工程と、
    前記目的物質検出チップの裏面側から電場増強層の一の面に全反射条件で光を照射する光照射工程と、
    前記電場増強層から反射される反射光を検出する反射光検出工程と、
    を含むことを特徴とする目的物質検出方法。
  9. 請求項1から5に記載の目的物質検出チップを用いて目的物質を検出する目的物質検出方法であって、
    目的物質検出チップの閉鎖撥水部内に液体試料を導入する液体試料導入工程と、
    前記目的物質検出チップの裏面側から電場増強層の一の面に全反射条件で光を照射する光照射工程と、
    前記光の照射に基づき前記液体試料に含まれる目的物質又は前記目的物質に結合した標識物質から発せられる蛍光又は散乱光を検出する光検出工程と、
    を含むことを特徴とする目的物質検出方法。

JP2017080284A 2017-04-14 2017-04-14 目的物質検出チップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法 Expired - Fee Related JP6936987B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017080284A JP6936987B2 (ja) 2017-04-14 2017-04-14 目的物質検出チップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017080284A JP6936987B2 (ja) 2017-04-14 2017-04-14 目的物質検出チップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018179785A true JP2018179785A (ja) 2018-11-15
JP6936987B2 JP6936987B2 (ja) 2021-09-22

Family

ID=64276063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017080284A Expired - Fee Related JP6936987B2 (ja) 2017-04-14 2017-04-14 目的物質検出チップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6936987B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1164213A (ja) * 1997-06-09 1999-03-05 Fuji Photo Film Co Ltd サンプルプレート
WO2007029414A1 (ja) * 2005-09-06 2007-03-15 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 光導波モードセンサー
CN104155266A (zh) * 2014-08-29 2014-11-19 西安交通大学 一种多通道并行检测表面等离子体共振生物传感器及其制备和检测方法
JP2014531595A (ja) * 2011-09-30 2014-11-27 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 試料配列の自己対照型検出及び撮像のためのシステム及び方法
WO2015194663A1 (ja) * 2014-06-20 2015-12-23 コニカミノルタ株式会社 表面プラズモン共鳴励起増強蛍光分光(spfs)用センサーチップ、spfs測定法、およびspfs用キット
US20170038380A1 (en) * 2015-07-08 2017-02-09 Arizona Board Of Regents On Behalf Of Arizona State University Integrated microarray printing and detection system for molecular binding analysis

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1164213A (ja) * 1997-06-09 1999-03-05 Fuji Photo Film Co Ltd サンプルプレート
WO2007029414A1 (ja) * 2005-09-06 2007-03-15 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 光導波モードセンサー
JP2014531595A (ja) * 2011-09-30 2014-11-27 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 試料配列の自己対照型検出及び撮像のためのシステム及び方法
WO2015194663A1 (ja) * 2014-06-20 2015-12-23 コニカミノルタ株式会社 表面プラズモン共鳴励起増強蛍光分光(spfs)用センサーチップ、spfs測定法、およびspfs用キット
CN104155266A (zh) * 2014-08-29 2014-11-19 西安交通大学 一种多通道并行检测表面等离子体共振生物传感器及其制备和检测方法
US20170038380A1 (en) * 2015-07-08 2017-02-09 Arizona Board Of Regents On Behalf Of Arizona State University Integrated microarray printing and detection system for molecular binding analysis

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
飛弾 祐平 ら: "代謝異常症マーカー物質のマルチ計測を目的とした2次元SPR酵素センサの開発", CHEMICAL SENSORS, vol. 30, JPN6020048448, 2014, pages 70 - 72, ISSN: 0004410044 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP6936987B2 (ja) 2021-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7008334B2 (ja) 光学的検出方法及び光学的検出装置
JP6205041B2 (ja) マイクロエレクトロニクスセンサデバイス、読み取り装置及び検出方法
US20100252751A1 (en) Microelectronic opiacal evanescent field sensor
US11112359B2 (en) Target substance detection chip, target substance detection device, and target substance detection method
US10018563B2 (en) Sample plate and analyzing method
JP6738070B2 (ja) 光学的検出装置及び光学的検出方法
JP5920692B2 (ja) 目的物質検出チップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法
EP2060904A1 (en) Plasmon grating biosensor
JP6664741B2 (ja) 光学的測定方法及び測定装置
CN103946690A (zh) 化学传感器、化学传感器模块、化学物检测装置和化学物检测方法
CN111788473A (zh) 用于检测结合亲和力的装置
EP2112500A1 (en) Plasmonic biosensor
JP6913966B2 (ja) センサチップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法
JP6936987B2 (ja) 目的物質検出チップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法
TW200837345A (en) Planar surface plasma resonance sensor
JP6928930B2 (ja) 目的物質検出チップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法
JP7029121B2 (ja) 目的物質検出チップ、目的物質検出装置及び目的物質検出方法
JP2008275526A (ja) 表面プラズモン共鳴測定用センサチップ、表面プラズモン共鳴測定装置、並びにその測定方法
JP6703729B2 (ja) 近接場増強チップ及び標的物質検出装置
JP6991504B2 (ja) 目的物質検出装置及び目的物質検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210727

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6936987

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees