JP2017034093A - 局所電極製造方法、局所電極製造装置、および太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザー加工装置を使用せずに、絶縁性膜を貫通する電極を簡単に形成する。【解決手段】裏面パッシベーション膜(25)上に、裏面電極(26)の材料となるアルミホイル(26’)を配置し、プローブ(13)−アルミホイル(26’)間で放電を生じさせることで、アルミホイル(26’)に裏面パッシベーション膜(25)を貫通させる。これにより、アルミ合金p+層(29)が局所電極として形成される。【選択図】図5
Description
本発明は、絶縁性膜が堆積された半導体基板に対する局所電極の作製技術に関し、例えば、裏面パッシベーション型太陽電池の裏面電極の作製技術に関する。
光電変換素子の一種である太陽電池は、光励起により発生した+電荷の正孔が集まるp型半導体層と、−電荷の電子が集まるn型半導体層とが接合したpn接合を、基本構成として有している。pn接合は、例えば、p型シリコン基板の表面に、n型不純物拡散層(以下では、n+層と呼ぶ)を堆積することによって形成される。
(従来のアルミBSF型太陽電池900)
従来、太陽電池の一種として、アルミBSF(Back Surface Field)型太陽電池が知られている。アルミBSF型太陽電池は、後で説明するアルミニウム合金で形成されたp型不純物拡散層(p+層)を、受光面とは反対側の面である裏面側に備えた太陽電池である。アルミBSF型太陽電池は、製造が比較的簡単であるため、量産に適している。
従来、太陽電池の一種として、アルミBSF(Back Surface Field)型太陽電池が知られている。アルミBSF型太陽電池は、後で説明するアルミニウム合金で形成されたp型不純物拡散層(p+層)を、受光面とは反対側の面である裏面側に備えた太陽電池である。アルミBSF型太陽電池は、製造が比較的簡単であるため、量産に適している。
図10に、従来のアルミBSF型太陽電池900(以下、単に太陽電池900と呼ぶ)の模式図を示す。図10に示すように、太陽電池900の受光面側および裏面側には、それぞれ、主面電極927および裏面電極928が設けられている。裏面電極928は、p型シリコン基板920(以下、シリコン基板920と呼ぶ)の裏面側に形成されたp+層929の上に設けられている。なお、裏面電極928とp+層929とを合わせて、裏面電極は二層構造として構成されているともいえる。
太陽電池900では、シリコン基板920とp+層929との界面(以下では、p/p+界面と表す)に、シリコン基板920とp+層929との間のポテンシャル差に由来する電界が形成される。この電界は、主として、シリコン基板920内で発生した電子および正孔が、拡散現象によりp/p+界面まで移動してきたとき、電子をシリコン基板920内部に反射する一方、正孔を選択的にp+層929内へ通過させる。言い換えれば、p/p+界面に生じる電界は、太陽電池900の裏面近傍における正孔の密度分布と電子の密度分布とを、空間的に引き離す。
これにより、太陽電池900の裏面近傍において、正孔と電子とが再結合する確率が減少する。したがって、p/p+界面の電界は、電子を排斥し、正孔および電子が再結合することによって生じるキャリア損失を低減する効果を奏することになる。この効果は、フィールドパッシベーション効果と呼ばれている。
(アルミBSF型太陽電池900の問題点)
前記のように、太陽電池900は、p/p+界面に生じる電界によって、比較的高い変換効率を得ることができる。しかしながら、太陽電池900は、発電効率の更なる高効率化という観点から見た場合、以下に説明する問題点を有している。
前記のように、太陽電池900は、p/p+界面に生じる電界によって、比較的高い変換効率を得ることができる。しかしながら、太陽電池900は、発電効率の更なる高効率化という観点から見た場合、以下に説明する問題点を有している。
太陽電池900では、大部分の電子は、p/p+界面の電界によってシリコン基板920内部に反射されるが、シリコン基板920とp+層929との間のポテンシャル差より高い運動エネルギーを有する少数の電子は、p/p+界面を乗り越えて、p+層929内へと侵入する。ところが、p+層929内では、高濃度にドーピングされたアルミニウムが再結合中心を形成しているため、再結合中心の存在密度が高くなっている。言い換えれば、p+層929は、半導体としての品質が悪い層となっている。そのため、p+層929内へ侵入した電子は、p+層929内において、高い確率で再結合を起こして消滅する。
一方、p+層929内で消滅しなかった電子は、p+層929と裏面電極928との界面(以下では、p+/裏面電極界面と表す)に到達する。ところが、p+/裏面電極界面には、正孔および電子が再結合する速度を減らすためのパッシベーション処理が何らなされていない。そのため、電子は、p+/裏面電極界面において、高い確率で、再結合により消滅する。以上のようにして生じる電子の消滅は、太陽電池900の電気的出力を損失させる原因となる。
さらに、太陽電池900では、p+層929の光吸収率が高い。そのため、太陽電池900の光入射面側で光電変換されずに裏面側、すなわちシリコン基板920を通過してp+層929まで到達した光の大部分は、p+層929で吸収される。また、光がp+層929で吸収される際に生じた電子正孔対は、再結合によってただちに消滅する。従って、p+層929に吸収された光は、太陽電池900の電気的出力には寄与しない。
また、一般に、p+/裏面電極界面は滑らかではなく、その物理的形状は凹凸が激しくなっている。そのため、p+/裏面電極界面の光反射率は低い。また、太陽電池900の裏面に存在するアルミペースト自体の光反射率も、アルミ蒸着膜またはアルミホイルに比べると低い。
太陽電池900の受光面から入射して裏面に到達した一部の光は、裏面において反射されることにより、再び太陽電池900の内部に戻り、発電に寄与することが望ましい。しかし、アルミBSF型太陽電池900では、上記のように、p+層929の光吸収率が高いことと、p+/裏面電極界面の光反射率が低いこととによって、p+/裏面電極界面に到達した光を発電に有効に利用することができないという問題を有している。
(太陽電池900の裏面電極構造)
裏面電極928の材料は金属であり、例えば、アルミニウムが材料として用いられる。裏面電極928およびp+層929を形成するためには、アルミニウム膜をシリコン基板920の裏面に堆積させた後、アルミニウム膜およびシリコン基板920を700℃以上の温度で焼成する。これにより、シリコン基板920中にアルミニウムが拡散した拡散領域が形成され、この拡散領域ではアルミニウムとシリコンの合金が生成される。アルミニウムは、正孔を供給するドーパントとして働くので、上記拡散領域には、p+層929が形成される。p+層929は、アルミニウムとシリコンとからなるアルミニウム合金の層(以下では、アルミ合金p+層と表す)である。このように、シリコン基板920上に堆積されたアルミニウム膜の一部は、p+層929の形成に寄与する。残りのアルミニウム膜は、p+層929上で、裏面電極928を形成する。このように、アルミニウム膜を用いれば、上記裏面電極構造を極めて合理的に作製することができる。
裏面電極928の材料は金属であり、例えば、アルミニウムが材料として用いられる。裏面電極928およびp+層929を形成するためには、アルミニウム膜をシリコン基板920の裏面に堆積させた後、アルミニウム膜およびシリコン基板920を700℃以上の温度で焼成する。これにより、シリコン基板920中にアルミニウムが拡散した拡散領域が形成され、この拡散領域ではアルミニウムとシリコンの合金が生成される。アルミニウムは、正孔を供給するドーパントとして働くので、上記拡散領域には、p+層929が形成される。p+層929は、アルミニウムとシリコンとからなるアルミニウム合金の層(以下では、アルミ合金p+層と表す)である。このように、シリコン基板920上に堆積されたアルミニウム膜の一部は、p+層929の形成に寄与する。残りのアルミニウム膜は、p+層929上で、裏面電極928を形成する。このように、アルミニウム膜を用いれば、上記裏面電極構造を極めて合理的に作製することができる。
具体的には、シリコン基板920の裏面全面に、アルミニウムを含む導電性ペーストをベタ塗り焼成すれば、上記裏面電極構造を完成させることができる。
(従来の裏面パッシベーション型太陽電池800)
裏面パッシベーション型太陽電池は、上述したアルミBSF型太陽電池の問題点を克服し、アルミBSF型太陽電池に置き換わることを目指して実用化されている。裏面パッシベーション型太陽電池は、太陽電池の裏面近傍に存在する再結合中心の密度を極限まで低減することにより、キャリアが再結合する頻度を低減させようとする技術思想に基づいて設計されている。
裏面パッシベーション型太陽電池は、上述したアルミBSF型太陽電池の問題点を克服し、アルミBSF型太陽電池に置き換わることを目指して実用化されている。裏面パッシベーション型太陽電池は、太陽電池の裏面近傍に存在する再結合中心の密度を極限まで低減することにより、キャリアが再結合する頻度を低減させようとする技術思想に基づいて設計されている。
図11に、従来の裏面パッシベーション型太陽電池800(以下、単に太陽電池800と呼ぶ)の模式図を示す。図11に示すように、太陽電池800は、太陽電池900とは異なり、シリコン基板820の裏面の大部分が、絶縁性の裏面パッシベーション膜825で覆われている。
裏面パッシベーション膜825は絶縁体であるため、裏面パッシベーション膜825に覆われた部分から、太陽電池の電力を取り出すことは不可能である。このために、パッシベーション膜825の一部が開孔されており、その局所的な開孔内には、p型ドーパントの拡散プロセスによって、p+層829が形成されている。p+層829は、一般的に、シリコン基板820の裏面の全面積のうち、10%またはそれ以下の面積を占めるように設計される。
p型のシリコン基板820と裏面パッシベーション膜825との界面(以下、p/裏面パッシベーション膜界面と表す)に本来的に存在し、電子と正孔とが再結合する原因となる未結合手は、裏面パッシベーション膜825中の元素によって終端される。その結果、未結合手は、再結合中心ではなくなる。そのため、正孔および電子が、p/裏面パッシベーション膜界面において未結合手に捕捉される可能性が低減される。従って、p/裏面パッシベーション膜界面に到達した正孔および電子の多くは、該界面で反射して、シリコン基板820側に戻っていく。本効果は、アルミBSF型太陽電池900裏面のフィールドパッシベーションに対して、ケミカルパッシベーション効果と呼ばれる。
太陽電池800では、裏面パッシベーション膜825において上記ケミカルパッシベーション性能を十分に高くし、従来型アルミBSF型太陽電池900裏面のp/p+界面で得られているフィールドパッシベーション性能を上回らせることができた場合、より高い変換効率が期待できる。また、従来型アルミBSF型太陽電池900に比べ、p+層829が裏面に占める面積割合が大幅に減るので、p+層829に起因した光の吸収量も減少する。これにより、より多くの光およびキャリアを、電気的出力として有効に利用することができるので、太陽電池800の発電効率を向上させることができる。
さらに、太陽電池800のp/裏面パッシベーション膜界面は、太陽電池900のp+/裏面電極界面と比較して、より滑らかな形状に形成することができるので、裏面側から入射面側へ、光を効率よく反射することができる。これにより、太陽電池800の裏面側から受光面側に戻る光量が増加するので、光電変換される光量も増加する。以上説明した電気的及び光学的特性の改善の結果、太陽電池800の変換効率を向上させることができる。
裏面パッシベーション膜825は、例えば、酸化アルミニウム膜(Al2O3膜)と窒化シリコン膜(SiNx膜)とがこの順でシリコン基板820の裏面上に堆積された複合層構造(トポロジー)を有している。この複合層構造は、世界的に主流になっている。上記複合層構造を構成する各層の厚みはどの程度であることが望ましいかなどの細かい点には、様々な議論があるものの、裏面パッシベーション膜825は、上記トポロジーを有することが望ましいという大きな点には、議論の余地がない。
上記トポロジーを有する裏面パッシベーション膜825では、Al2O3膜が、p/裏面パッシベーション膜界面に負の固定電荷を与えるので、シリコン基板820中の正孔が上記界面に引き寄せられる。その結果、p+層829内と、上記界面の近傍との両者において、高密度となるキャリアはどちらも正孔となる。これにより、p+層829の近傍において、電子と正孔との再結合が起こりにくくなる。逆に、上記界面に正の固定電荷を与えるSiNx膜を、裏面パッシベーション膜825として使用した場合、シリコン基板820中の電子が上記界面に引き寄せられ、p+層829の近傍において、当該電子とp+層内の正孔との間で大きな再結合が生じる。この現象はパラサイティックシャンティングと呼ばれ避けるべきとされている。裏面パッシベーション膜825の第一層目として、Al2O3膜を使用することは、この問題を解決する。裏面パッシベーション膜825の第二層目として、Al2O3膜の上にSiNx膜を積層する理由については後述する。
(太陽電池800の裏面電極構造)
次に、太陽電池800の裏面電極構造について説明する。前述のように、p型のシリコン基板820を用いた太陽電池800において、シリコン基板820の裏面の大部分は、裏面パッシベーション膜825という絶縁膜で覆われた構造になっているものの、裏面の一部を占める開孔部分においては、「p型シリコン基板820/アルミ合金p+層829/裏面電極826」で構成されるアルミBSF構造(裏面電極構造)になる必要がある。
次に、太陽電池800の裏面電極構造について説明する。前述のように、p型のシリコン基板820を用いた太陽電池800において、シリコン基板820の裏面の大部分は、裏面パッシベーション膜825という絶縁膜で覆われた構造になっているものの、裏面の一部を占める開孔部分においては、「p型シリコン基板820/アルミ合金p+層829/裏面電極826」で構成されるアルミBSF構造(裏面電極構造)になる必要がある。
この裏面電極構造の形成について説明する。電極形成に先立って、まず、上記裏面電極およびアルミ合金p+層を作りたい部分の裏面パッシベーション膜825を除去することにより、シリコン基板820の裏面を露出させる。その後、裏面パッシベーション膜825の全面に、裏面電極826の材料であるアルミペーストを塗布して、高温(例えば、700℃〜900℃)で焼成する。すると、裏面パッシベーション膜825が除去された部分では、シリコン基板820中にアルミニウムが拡散して、シリコン基板820中には、アルミ合金p+層829が形成される。また、シリコン基板820の裏面上において、裏面パッシベーション膜825が除去されていない領域では、塗布されたアルミペーストの導電性が増加した裏面電極826が形成される。また、裏面電極826と孤立したアルミ合金p+層829とが、電気的に接続される。以上のようにして、上記裏面電極構造を合理的に作製することができる。
ここで、Al2O3膜は、高温(例えば、700℃〜900℃)で焼成された場合、ブリスタリングと呼ばれるミクロな膜剥がれ現象が発生しやすいことが知られている。また、Al2O3膜の上に、アルミペーストを載せて高温で焼成した場合、Al2O3膜はダメージを受けて侵食貫通され、裏面パッシベーション膜825のパッシベーション効果を消失させてしまうことがわかっている。上記裏面パッシベーション膜825において、Al2O3膜の上にSiNx膜を積層した複合層構造とする理由は、ブリスタリングまたはアルミペーストによるAl2O3膜のダメージを防止する保護膜としてSiNx膜が必要だからである。
現在、量産ラインにおいて提案されている裏面パッシベーション膜825の除去法の一つは、レーザー加熱法である。この方法では、レーザー光で裏面パッシベーション膜825を部分的に加熱することにより、裏面パッシベーション膜825を部分的に除去し、裏面パッシベーション膜825に孔を開ける。しかし、レーザー加工装置は、複雑な光学系と精密な位置制御を含んでいるので、コストが高いという問題を有している。
また、半導体素子に開孔パターンを作製する工程に用いられてきた伝統的方法として、フォトリソグラフィ法が知られている。フォトリソグラフィ法も、裏面パッシベーション膜825を部分的に除去するために使用できるが、フォトリソグラフィ法は、レーザー加熱法よりもさらにコストと手間がかかるという問題がある。このように、レーザー加熱法またはフォトリソグラフィ法などの従来の方法は、工数が多く、かつ、高価な装置と設備とを必要とするため、太陽電池800のコストを押し上げる原因となる。
そこで、裏面パッシベーション膜に部分的開孔を形成する工程の簡略化を目指して、アルミニウムを含む導電性ペーストに、裏面パッシベーション膜をファイヤースルーさせる技術が探索されている。
例えば、下掲の特許文献1には、アルミペースト中に、銀などの金属を混入させることにより生成される導電性ペーストが、SiNx膜に対するファイヤースルー性能を得ることが記載されている。
また、下掲の特許文献2には、アルミニウム粉末を含有するペーストに、アニオン性部位を有する分散剤等を混入することで生成されるペースト組成物に、SiNx膜およびAl2O3膜に対するファイヤースルー性能が出現すると記載されている。
ファイヤースルー法を用いた従来の太陽電池の製造方法を説明する。まず、裏面パッシベーション膜に対するファイヤースルー性能を有する導電性ペーストを、裏面パッシベーション膜上の電極を作りたい一部領域のみに印刷または塗布する。次に、導電性ペーストおよび裏面パッシベーション膜を焼成する。これにより、上記一部領域では、導電性ペーストが、裏面パッシベーション膜をファイヤースルーすることによって、裏面パッシベーション膜に孔を開けると同時に、開孔内にアルミ合金p+層を形成する。その後、ファイヤースルー性能を有しない一般的なアルミペーストを、開孔内および裏面パッシベーション膜上に印刷し、アルミペーストおよび裏面パッシベーション膜を焼成する。これにより、孤立したアルミ合金p+層とアルミニウム層とが電気的に接続される。このように、ファイヤースルー法によれば、レーザー加熱法などを用いた場合と同様な裏面電極構造を、レーザー加工装置を用いずに作製することができる。
以上のように、レーザー加熱法またはファイヤースルー法を用いた従来の裏面電極構造の製造方法によれば、発電効率等の性能が高いという裏面パッシベーション型太陽電池のメリットを保持したまま、見た目にはシリコン基板の裏面全体にアルミニウム層が堆積された状態となり、従来型のアルミBSF型太陽電池と変わらない状態となる。このため、アルミBSF型太陽電池から裏面パッシベーション型太陽電池への移行に際し、例えばモジュール工程を大幅に変更するなどの大きな問題は生じない点にメリットがある。
J. F. Nekarda, F. Lottspeich, A. Wolf, R. Prau "Silicon solar cells using aluminum foil as rear side metallization reaching 21.0 % efficiency" Proceedings of the 25th European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition, 2010, Valencia, Spain.
しかしながら、レーザー加熱法またはファイヤースルー法を用いた従来の裏面電極構造の製造方法には、以下の問題点がある。第一に、アルミペーストの焼成によって形成したアルミニウム層は、蒸着によって形成したアルミニウム膜、またはホイル状のアルミニウム膜に比べて光反射率が低いので、そのアルミニウム層からシリコン基板内部へ戻る反射光による出力向上が望めない。第二に、Al2O3膜に高温で焼成を行うことにより界面特性が低下する。Al2O3膜とシリコン基板の界面において、最良の再結合速度が実現されるアニール温度は600℃以下である。これに対し、アルミペーストを用いてアルミ合金p+層を作製するには700℃以上の高温が必要である。上記工程では、必然的にAl2O3膜に対し700℃以上の高温で焼成が行われる。このため、Al2O3膜とシリコン基板との間の界面における再結合速度は最適な状態に保たれなくなる。
上記二つの問題を解決するためには、第一に、アルミペースト以外の材料を用いて裏面電極を作製すること、第二に、アルミ合金p+層を形成したい部分のみを局所的に加熱して裏面電極を作製することが有効である。
例えば、パッシベーション膜を堆積した裏面に、アルミニウムを含む蒸着膜や箔状の金属を裏面に密着させたあと、アルミ合金p+層を作製したい部分のみをレーザー加工装置などで局所加熱する。これにより、局所加熱した部分のみにおいてパッシベーション膜を開孔できると同時に、アルミ合金p+層および電極を形成することができる。また、非電極部に高温が及ばないので、非電極部のAl2O3膜とシリコン基板との界面において最良の界面再結合速度を保つことができる。
上掲の非特許文献1には、裏面にアルミホイルを密着させた後、レーザーを用いた局所加熱により裏面電極を作製する方法が提案されている。確かにこの方法を用いれば、上記の問題をすべて回避した裏面電極構造を作ることができる。しかし、レーザー装置が高価であることは、大きな弱点となる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、レーザー加工装置を使用せずに、絶縁性膜を局所的に貫通する電極を簡単に作製することができる製造技術を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る製造方法は、絶縁性膜が堆積された半導体基板の上に、該絶縁性膜を貫通した電極を形成する局所電極製造方法であって、前記絶縁性膜の上に導電性シートを配置する第一工程と、前記導電性シートにプローブ状電極を近づけ、前記導電性シートと前記プローブ状電極との間で放電を生じさせることによって、前記導電性シートに前記絶縁性膜を局所的に貫通させ、前記導電性シートと前記半導体基板との電気的な接続を得る第二工程とを含んでいる。
本発明の一態様によれば、レーザー加工装置を使用せずに、絶縁性膜を局所的に貫通する電極を簡単に作製することができる。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図9を用いて、詳細に説明する。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図9を用いて、詳細に説明する。
(局所電極製造装置1)
図1は、本実施形態に係る裏面パッシベーション型太陽電池100(図5参照)の製造方法において使用される局所電極製造装置1の構成を示す図である。局所電極製造装置1は、大気中でアーク放電を発生させることにより、対象物を局所的に加熱することができる。
図1は、本実施形態に係る裏面パッシベーション型太陽電池100(図5参照)の製造方法において使用される局所電極製造装置1の構成を示す図である。局所電極製造装置1は、大気中でアーク放電を発生させることにより、対象物を局所的に加熱することができる。
図1に示すように、上記対象物は、裏面パッシベーション膜を堆積し、さらにアルミホイルで覆ったシリコン基板である。局所電極製造装置1は、コンデンサ11(静電容量:C)、電源12、プローブ13(プローブ状電極または針状導体)、充電スイッチ14、および抵抗15を備えている。プローブ13、コンデンサ11、充電スイッチ14、および抵抗15は、作製する裏面電極構造の数と同じ数だけ備えられている。これは、一つの裏面電極構造を作製するためには、独立した一回の放電が必要だからである。より具体的には、コンデンサ11に対して、充電スイッチ14および抵抗15が直列に接続され、プローブ13の針先と反対側の一端は、コンデンサと充電スイッチ14との接続点に接続されている。なお、並列に接続した複数のコンデンサ11の全体をコンデンサーバンクと呼ぶことがある。
局所電極製造装置1において、まず、プローブ13を開放した状態(すなわち、放電が生じない状態)で、充電スイッチ14を導通させることにより、コンデンサ11に電荷を充電(蓄積)させる。そして、コンデンサ11を充電させながら、コンデンサ11の両端の電圧Vをモニターし、この電圧Vが目的値に達したときに、充電スイッチ14を開放する。この操作を複数のコンデンサ11に対してまとめて行うこともできる。このとき、コンデンサ11に蓄えられるエネルギーEcは、以下の式で表される。
局所電極製造装置1において、まず、プローブ13を開放した状態(すなわち、放電が生じない状態)で、充電スイッチ14を導通させることにより、コンデンサ11に電荷を充電(蓄積)させる。そして、コンデンサ11を充電させながら、コンデンサ11の両端の電圧Vをモニターし、この電圧Vが目的値に達したときに、充電スイッチ14を開放する。この操作を複数のコンデンサ11に対してまとめて行うこともできる。このとき、コンデンサ11に蓄えられるエネルギーEcは、以下の式で表される。
Ec=CV2(Ec:エネルギー、C:静電容量、V:コンデンサの両端の電圧)
上記電圧Vの目的値を制御することにより、コンデンサ11に蓄えられるエネルギーEcを制御することができる。また、コンデンサ11の静電容量Cを変化させることによって、エネルギーEcを制御することもできる。
上記電圧Vの目的値を制御することにより、コンデンサ11に蓄えられるエネルギーEcを制御することができる。また、コンデンサ11の静電容量Cを変化させることによって、エネルギーEcを制御することもできる。
図1に示すように、コンデンサ11の一方の端子はプローブ13に接続され、他方の端子は前記アルミホイルに接続されている。プローブ13をアルミホイルに近接させ、プローブ13とアルミホイルとの間で放電を起こさせる。放電によって発生する熱により、アルミホイルの直下に存在する裏面パッシベーション膜を貫通する開孔がなされる。同時に、シリコン基板中において、アルミニウムとシリコンとが合金化することによって、アルミ合金p+層が形成される。アルミホイルは、孤立した複数のアルミ合金p+層同士を短絡させる役割を担うとともに、受光面側から裏面側に進行する光をシリコン基板側に向けて反射する役割を担う。これにより、裏面電極構造が完成する。以下では、このように局所電極製造装置1を用いる裏面電極構造の作製方法を、局所放電方式と呼ぶ。
上記局所放電方式に用いる局所電極製造装置1は、単純で安価な電気回路のみから成り、レーザー加工装置のような複雑で高価な技術を含んでいない。そのため、局所放電方式は、単純な仕組みによりレーザー加工と同等の効果を有する裏面電極構造を作製することができるという大きなメリットを生む。
(開孔の口径の制御)
静電容量Cおよび電圧Vを変えることにより放電の大きさを変えることができ、その結果として開孔の口径を変えることができる。このことを確認するために、静電容量Cを変えながら、放電を実行する実験を複数回行い、実験ごとに、形成される開孔の口径をそれぞれ測定した。ここで、シリコン基板上に堆積したAl2O3膜を覆うアルミホイルの厚さを約15μmとした。Al2O3膜を堆積しアルミホイルで覆ったシリコン基板のことを、以下ではサンプル基板と呼ぶ。
図2の(a)〜(c)は、それぞれ、コンデンサに充電される電荷量Q(=C×V)が5.5mC、25mC、118mCである場合に、サンプル基板の放電箇所(放電を受けた箇所)の様子を示す図である。アルミホイルを剥がして放電箇所を観察した。図2の(a)〜(c)に示す放電箇所では、全て、アルミホイルがAl2O3膜を貫通していることがわかる。さらに放電箇所では、放電によってアルミホイルがシリコンに溶着し、両者がより容易に剥離できない状態になっている。本事実は、シリコンとアルミニウムとが合金化し、アルミ合金p+層が存在している傍証と考えられる。
静電容量Cおよび電圧Vを変えることにより放電の大きさを変えることができ、その結果として開孔の口径を変えることができる。このことを確認するために、静電容量Cを変えながら、放電を実行する実験を複数回行い、実験ごとに、形成される開孔の口径をそれぞれ測定した。ここで、シリコン基板上に堆積したAl2O3膜を覆うアルミホイルの厚さを約15μmとした。Al2O3膜を堆積しアルミホイルで覆ったシリコン基板のことを、以下ではサンプル基板と呼ぶ。
図2の(a)〜(c)は、それぞれ、コンデンサに充電される電荷量Q(=C×V)が5.5mC、25mC、118mCである場合に、サンプル基板の放電箇所(放電を受けた箇所)の様子を示す図である。アルミホイルを剥がして放電箇所を観察した。図2の(a)〜(c)に示す放電箇所では、全て、アルミホイルがAl2O3膜を貫通していることがわかる。さらに放電箇所では、放電によってアルミホイルがシリコンに溶着し、両者がより容易に剥離できない状態になっている。本事実は、シリコンとアルミニウムとが合金化し、アルミ合金p+層が存在している傍証と考えられる。
電荷量Qが5.5mCであるとき(図2の(a))、上記口径は138μmであった。電荷量Qが118mCであるとき(図2の(c))、上記口径は402μmであった。また、電荷量Qが25mCであるとき(図2の(b))、上記口径は138μmと402μmとの間の大きさであった。したがって、電荷量Qが増大するに従って、口径、つまり電極径が大きくなっていくことがわかる。
なお、条件によっては、一回の放電では、アルミホイルが溶けるに留まり、孔がAl2O3膜を貫通しなかったり、シリコン基板内に良好なアルミ合金p+層が形成されなかったりすることもある。この場合、同じ放電箇所に対して再度放電を行ってもよい。すなわち、同じ放電箇所に対して放電を複数回繰り返してもよい。これにより、シリコンとアルミニウムとがよく溶け混ざり合うので、良好なアルミ合金p+層が形成される。工業的には、一回の放電で、アルミ合金p+層を形成できることが望ましい。
なお、上記局所放電方式の原理に基づく電極作製法は、Al2O3膜だけではなく、SiNx膜、酸化シリコン膜、アモルファスシリコン膜、炭化シリコン膜にも適用可能である。また、上記電極作製方法は、裏面電極が単層膜である場合だけでなく、裏面電極が複合膜、例えば、Al2O3膜およびSiNx膜、酸化シリコン膜およびSiNx膜、または、アモルファスシリコン膜およびSiNx膜からなる複合膜である場合にも適用可能である。
ただし、裏面パッシベーション型太陽電池の裏面Al2O3膜に上記電極作製法を適用する場合には、裏面電極の材料としてアルミペーストが使用されず、かつ、Al2O3膜が高温に晒されることもないので、SiNx膜を保護膜として組み合わせた複合膜にする必要はない。
(局所電極製造装置1を使用する太陽電池の製造方法)
図3は、レーザー加熱法を用いる従来の太陽電池の製造方法と、本発明に係る太陽電池の製造方法とを比較して示す図である。図3に示すように、本発明に係る局所電極製造方法(本方法)によれば、機構がシンプルで価格が安い局所電極製造装置1のみを用いて、裏面電極を作製することができる(第一の効果)。すなわち、本方法は、従来の局所電極製造方法で必要な、レーザー加工装置、アルミ印刷装置および焼成炉をいずれも必要としない。さらに、本方法では、従来の製造方法のように、裏面パッシベーション膜の裏面をアルミペーストで覆わなくてよいので、Al2O3膜の保護膜としてのSiNx膜を、Al2O3膜上に堆積する必要がない(第二の効果)。そして、本方法では、室温での放電加工により裏面電極構造を形成できるので、非電極部のAl2O3膜を高温に晒すことがない。このため、裏面パッシベーション膜としてのAl2O3膜が劣化しないので、太陽電池の性能を高く保てる可能性がある(第三の効果)。
図3は、レーザー加熱法を用いる従来の太陽電池の製造方法と、本発明に係る太陽電池の製造方法とを比較して示す図である。図3に示すように、本発明に係る局所電極製造方法(本方法)によれば、機構がシンプルで価格が安い局所電極製造装置1のみを用いて、裏面電極を作製することができる(第一の効果)。すなわち、本方法は、従来の局所電極製造方法で必要な、レーザー加工装置、アルミ印刷装置および焼成炉をいずれも必要としない。さらに、本方法では、従来の製造方法のように、裏面パッシベーション膜の裏面をアルミペーストで覆わなくてよいので、Al2O3膜の保護膜としてのSiNx膜を、Al2O3膜上に堆積する必要がない(第二の効果)。そして、本方法では、室温での放電加工により裏面電極構造を形成できるので、非電極部のAl2O3膜を高温に晒すことがない。このため、裏面パッシベーション膜としてのAl2O3膜が劣化しないので、太陽電池の性能を高く保てる可能性がある(第三の効果)。
(裏面パッシベーション型太陽電池100の製造方法)
図4および図5を用いて、局所電極製造装置1(図1参照)を用いた裏面パッシベーション型太陽電池100の具体的な製造方法を説明する。図4および図5は、裏面パッシベーション型太陽電池100の製造方法の流れを示す図である。
図4および図5を用いて、局所電極製造装置1(図1参照)を用いた裏面パッシベーション型太陽電池100の具体的な製造方法を説明する。図4および図5は、裏面パッシベーション型太陽電池100の製造方法の流れを示す図である。
図4に示すシリコン基板20(半導体基板)として、p型単結晶シリコン(抵抗率:1.5Ωcm)を使用した。シリコン基板20の縦横サイズは50mm×50mm、厚さは200μmである。なお、上記p型単結晶シリコンに代えて、縦横サイズおよび厚さが上記と同じで抵抗率が例えば1Ωcmのp型多結晶シリコン(p−Si)を用いてもよい。さらに、化合物半導体系のp型半導体基板を用いてもよい。ここで、シリコン基板20の材料となるp型単結晶シリコンは、例えば、単結晶シリコン基板に、ホウ素、アルミニウム、またはガリウムなどの3価元素を微量に加えることによって得られる。
始めに、シリコン基板20をRCA社が開発したRCA洗浄法を用いて洗浄しておく。太陽電池100の製造方法では、図4に示すように、第一に、NaOH水溶液とイソプロピルアルコールとの混合液を用いて、液温約90℃の条件下で、シリコン基板20に対しテクスチャエッチングを行う(S1)。これにより、図4に示すように、シリコン基板20の表面に、高さ数μmの微小ピラミッド構造21(微細凸凹構造)が形成される。なお、テクスチャエッチングを行うために用いる方法は、例えば反応性イオンエッチング法であってもよい。
第二に、POCl3(塩化ホスホリル)を含む高温気体が充填された拡散炉中に、シリコン基板20を置くことにより、熱拡散現象により、シリコン基板20内にリンを拡散させる(気相拡散法)(S2)。S2では、例えば、シリコン基板20の表面および裏面に、厚さ1.0μm、不純物濃度1.2×1020cm−3のn型シリコン層22および23を形成する。拡散処理の間、シリコン基板20の温度および拡散炉の温度は、例えば、850℃に設定する。また、リンの拡散時間は、例えば、10分に設定する。
なお、シリコン基板20の表面および裏面にリンを拡散させる方法は、上述したPOCl3を用いた気相拡散法以外に、P2O5を用いた塗布拡散法、または、シリコン基板にリンイオンを直接的に拡散させるイオン打ち込み法であってもよい。
第三に、汎用の平行平板型プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、シリコン基板20の光入射面に反射防止膜24を堆積する(S3)。反射防止膜24は、例えばSiNxを材料に構成される。堆積される反射防止膜24の厚みは、例えば80nmであってよい。また、反射防止膜24の堆積条件は、例えば、ガス流量:SiH4/NH3/N2=25SCCM/50SCCM/300SCCM(Standard Cubic Centimeter per Minutes)、圧力:100Pa、RF(Radio Frequency)電力密度:0.086W/cm2、基板温度:450℃であってよい。
なお、反射防止膜24は、上述したSiNxの代わりに、例えば、Al2O3、酸化シリコン、または酸化チタンで構成されてもよい。反射防止膜24は、これらのいずれの材料で構成された場合であっても、反射防止機能に加えて、パッシベーション効果を奏する不活性化膜の機能を兼ね備えている。
ただし、シリコン基板20が多結晶シリコンで構成されている場合、太陽電池100の変換効率を向上させる観点から、反射防止膜24は、水素を含んだSiNx膜を用いて構成されることが好ましい。
また、シリコン基板20上に反射防止膜24を堆積するために、上述したプラズマCVD法の代わりに、例えば、触媒CVD法、常圧熱CVD法、減圧熱CVD法、または光CVD法等を用いてもよい。あるいは、真空蒸着法またはスパッタリング法などのPVD(Physical Vapor Deposition;物理気相堆積)法を用いてもよい。なお、反射防止膜24の材料がSiNxである場合、反射防止膜24の膜厚の制御し易さの観点から、プラズマCVD法を用いることが好ましい。
第四に、シリコン基板20の光入射面(図4では下面)に保護テープを貼付した後、シリコン基板20を硝酸およびフッ酸の溶液(例えば、硝酸:フッ酸=3:1の溶液)に所定時間(例えば、4分間)浸漬する(S4)。その結果、シリコン基板20の光入射面のn型シリコン層(すなわち、n+層23)は残る一方、裏面(図4では上面)のn型シリコン層は除去されて、p型シリコン基板20の裏面が露出する。その後、シリコン基板20の光入射面から保護テープを剥がし、シリコン基板20をRCA法で洗浄したあと、シリコン基板20をフッ酸に浸漬して、RCA法でシリコン基板20の裏面に堆積した酸化膜を除去する。
図5に示すように、第五に、ALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて、シリコン基板20の裏面に、裏面パッシベーション膜25(絶縁性膜)としてのAl2O3膜を堆積する。原料ガスには、トリメチルアルミニウム(TMA)を使用することができ、酸化ガスには、オゾンを使用することができる。堆積するAl2O3膜の膜厚は、例えば30nmであってよい。また、堆積中のシリコン基板20の温度は、例えば、175℃であってよい(S5)。なお、本方法では、アルミペーストを使用しないので、Al2O3膜へのアルミペーストによるダメージがないだけでなく、Al2O3膜の全体が高温に晒されないので、Al2O3膜をSiNx膜のような保護膜で覆わなくて済み、裏面パッシベーション膜25を単層構造とすることができる。この点も本方法がもたらすメリットであり、従来技術に比べて、さらなる工程の簡素化とコストダウンとを実現することができる。
次に、前述した局所電極製造装置1を用いて、裏面電極26(局所電極)を作製する(S6からS7)。より詳細には、まず、裏面電極26の材料であるアルミホイル26’(導電性シート)(例えば、厚さ:15μm)を、裏面パッシベーション膜25上に配置する(第一工程)。
そして、充電を終えたコンデンサ11の一方の端子をアルミホイル26’に接続する。また、充電を終えたコンデンサ11の他方の端子をプローブ13に接続する(S6)。その後、プローブ13とアルミホイル26’とを接触させると、プローブ13とアルミホイル26’との間で放電が発生する。これにより、放電箇所ではアルミホイル26’が裏面パッシベーション膜25を貫通する開孔が形成される。また、開孔内では、アルミホイル26’中のアルミニウムと、シリコン基板20中のp型単結晶シリコンとが合金化することによって、アルミ合金p+層29が形成される。これにより、アルミホイル26’とシリコン基板20とが、開孔内に形成されたアルミ合金p+層29を介して電気的に接続され、また物理的にも溶着される(S7;第二工程)。S6およびS7において、コンデンサ11の静電容量Cを22μF、コンデンサ11への充電電圧Vを130Vとした。
なお、図5のS6およびS7では、1本のプローブ13のみを図示しているが、実際には、複数本のプローブ13が、シリコン基板20の裏面の全体に対して等間隔に配置される。複数の裏面電極を等間隔に形成するためである。プローブ13の間の距離は、例えば、1mmであってよい。
続いて、光入射面側の反射防止膜24上に、導電性ペーストを櫛状に印刷して、印刷した導電性ペーストを焼成する。導電性ペーストの焼成温度は、例えば、575℃である。導電性ペーストは、焼成されることによって、反射防止膜24をファイヤースルーして、n型シリコン層23(n+層23)に到達する。導電性ペーストは、硬化することによって、n+層23と電気的に接続し、光入射面電極27となる(S8;第三工程)。
ここで、光入射面側の反射防止膜24上に印刷した導電性ペーストの焼成は、裏面電極26の形成後になされるので、裏面パッシベーション膜25、すなわちAl2O3膜のアニールを兼ねている。このときの焼成温度は、光入射面電極のファイヤースルーの実現と、裏面パッシベーション膜25としてのAl2O3膜の性能を最大限に引き出すこととを同時に両立させる温度である。また、導電性ペーストの材料組成は、導電性ペーストを焼成する際の焼成温度が、裏面パッシベーション膜25としてのAl2O3膜をアニールするための最適な温度範囲(例えば、550℃〜600℃)に含まれている材料から選択されている。
なお、光入射面電極27の材料は特に限定されないが、例えば、アルミニウム、銀、チタン、パラジウム、または金などであってよい。これらの材料は、従来、太陽電池の技術分野で用いられている。しかし、反射防止膜24をファイヤースルーする性能の高さの観点から、光入射面電極27の材料は、銀とガラスフリットとの混合物であることが最も好ましい。なぜならば、銀とガラスフリットとの混合物の焼成温度は、Al2O3膜をアニールするための温度範囲に含まれるからである。
また、光入射面電極27を形成する際に用いる方法も、ファイヤースルー技術を用いる方法には限定されず、例えば、スクリーン印刷法、または真空蒸着法などであってもよい。なお、太陽電池の生産性の向上の観点、および製造コストの削減の観点からは、光入射面電極27は、スクリーン印刷法を用いて形成されることが好ましい。
以上で、太陽電池100が完成する。本実施例では、p型シリコン基板を用いた太陽電池の裏面に対する電極作製法として本方法を適用したため、シリコンと融合してp+層を形成できる電極材料としてアルミニウム箔を用いた。しかし本方法に適用できる電極材料はこれに限るものではない。例えばアルミニウム以外の金属として、銀箔または銅箔などの導電性の高い金属箔を用いることも可能である。この場合、金属箔直下のパッシベーション膜は貫通されて金属とシリコン間の接触は確保されるが、両者の間にp+層は形成されない。
なお、放電による裏面電極を作製する本方法は、絶縁膜に覆われたシリコン基板と、絶縁膜上に配置された金属箔との間の接触を提供する。そのため、本方法は、太陽電池100以外のデバイス(例えば、半導体素子)の作製に適用されてもよい。
裏面電極26をアルミホイル26’で形成することは必須ではない。裏面の導電シートをアルミニウムの蒸着膜とすることもできる。これにより、裏面電極26は太陽電池100の素子と一体化するため、モジュール工程において、裏面電極26が太陽電池100から分離してしまうおそれが無くなる。なお、実施例2における裏面の導電シート以外の部分については、実施例1と同様である。
裏面電極26をアルミホイル26’で形成することは必須ではない。裏面の導電シートをアルミペースト(主成分;アルミニウム、ガラスフリット)とすることもできる。ただし、アルミペーストの場合には、裏面の光反射率が低下することが問題となる可能性があり、かつシリコン基板20の裏面に平行な方向に十分な導電率が得られていることが必要となる。これにより、裏面電極26は太陽電池100の素子と一体化するため、モジュール工程において、裏面電極26が太陽電池100から分離してしまうおそれが無くなる。なお、実施例3における裏面の導電シート以外の部分については、実施例1と同様である。
裏面パッシベーション膜25をAl2O3膜で形成することは必須ではなく、他の誘電体膜を使用することもできる。例えばプラズマCVD法にて形成するSiO膜が使用できる。なお、実施例4における裏面パッシベーション膜25以外の部分については、実施例1と同様である。
(参考例)
後で、本発明に係る太陽電池の製造方法によって製造した太陽電池のサンプルの性能を、参考例としての製造方法によって製造した太陽電池のサンプルの性能と比較する実験を行う。そこで、ここでは、参考例の製造方法を図6を参照して簡単に説明しておく。
後で、本発明に係る太陽電池の製造方法によって製造した太陽電池のサンプルの性能を、参考例としての製造方法によって製造した太陽電池のサンプルの性能と比較する実験を行う。そこで、ここでは、参考例の製造方法を図6を参照して簡単に説明しておく。
図6は、本発明の参考に係る裏面パッシベーション型太陽電池800(以下では、太陽電池800と略称する)の製造方法の流れを示す図である。太陽電池800の製造方法は、現在量産されている裏面パッシベーション型太陽電池の製造方法をできるだけ模擬化している。
図6に示す太陽電池800の製造方法は、図4に示す前半の製造工程において太陽電池100の製造方法と同じである。しかし、図6に示す後半の製造工程は、図5に示す太陽電池100の製造方法と比較して、以下の第一の相違点(S105)、第二の相違点(S106、S107)、および第三の相違点(S108、S109)において相違している。S110の工程はS8の工程と同じである。以下では、相違している製造工程について説明する。
第一の相違点;太陽電池800の製造方法では、現在量産されている裏面パッシベーション型太陽電池の製造方法をできるだけ模擬するため、裏面パッシベーション膜825の第一層として、太陽電池100と同じAl2O3膜をシリコン基板20(820)上に堆積し、その上に第二層として、SiNx膜(屈折率:2.0)を堆積する(S105)。これにより、裏面パッシベーション膜825は、「Al2O3膜/SiNx膜」の複合層構造を有する。ここで、上記第二層であるSiNx膜の堆積工程は、汎用の平行平板型プラズマCVD法を用いて行われる。堆積時の条件は、以下のとおりである。ガス流量:SiH4/NH3/N2=25SCCM/50SCCM/300SCCM、圧力:100Pa、RF電力密度:0.086W/cm2、基板温度:450℃、膜厚:100nm。
第二の相違点;フォトリソグラフィ法を用いて、裏面パッシベーション膜825に複数の開孔825aを設ける(S106)。その後、各開孔825a内に、アルミペースト828を塗布する(S107)。
S106のように、フォトリソグラフィ法を用いて裏面パッシベーション膜に開孔825aを設ける工程は、実験室において裏面パッシベーション型太陽電池を作製しようとする場合、最も従来的かつ常套的に実施される。しかしながら、この工程は、工数が多く、かつ、高価な装置と設備とを必要とするため、太陽電池を量産する際に実施することは非現実的である。
第三の相違点;S107までの工程によって作製されたセルの全体を高温(810℃)で焼成する(S108)。これにより、開孔825a内において、アルミペースト828中のアルミニウムと、シリコン基板820中のシリコンとが合金を形成し、開孔825a内にはアルミ合金p+層829が形成される。その後、裏面パッシベーション膜825およびアルミペースト828の上に、アルミニウム膜826を蒸着する(S109)。これにより、複数のp+層829同士が短絡する。
なお、太陽電池800のサンプルを作製する際、実験の都合により、アルミペーストの代わりにアルミニウム蒸着膜を使用した。アルミニウム蒸着膜を用いた場合、アルミペーストに比べて裏面光反射率が高くなるので、シリコン基板820内部での光の吸収量が増大し、短絡電流が増加する。したがって、太陽電池800の本サンプルは、量産される裏面パッシベーション型太陽電池の模擬というものの、実際には裏面光反射率が高い分だけ量産される上記太陽電池に比べて良い特性が得られている可能性がある。この意味において、本参考例は、量産される裏面パッシベーション型太陽電池の特性の上限を示すものと考えてよい。
(実施例と参考例との比較)
(1.製造方法の比較)
図7は、実施例に係る太陽電池100の製造方法と参考例に係る太陽電池800の製造方法(フォトリソグラフィ法)とを比較したテーブルを示す図である。また、図7には、従来技術の例として、量産型太陽電池の製造方法(レーザー加熱法)も示している。図7に示すように、量産型太陽電池の製造方法(量産方法)には、裏面パッシベーション膜をレーザー加工する工程(レーザー工程)、裏面パッシベーション膜上にアルミペーストを印刷する工程(裏面全面AL電極印刷工程)、およびアルミペーストを焼成する工程(810℃焼成工程)が含まれている。一方、実施例に係る太陽電池100の製造方法では、これらの工程が1つに集約されていることがわかる。また、参考例に係る太陽電池800の製造方法には、量産方法と比較して、裏面電極および裏面パッシベーション膜上にアルミニウムを蒸着する工程が余分に含まれている。この理由と妥当性については前述のとおりである。
(1.製造方法の比較)
図7は、実施例に係る太陽電池100の製造方法と参考例に係る太陽電池800の製造方法(フォトリソグラフィ法)とを比較したテーブルを示す図である。また、図7には、従来技術の例として、量産型太陽電池の製造方法(レーザー加熱法)も示している。図7に示すように、量産型太陽電池の製造方法(量産方法)には、裏面パッシベーション膜をレーザー加工する工程(レーザー工程)、裏面パッシベーション膜上にアルミペーストを印刷する工程(裏面全面AL電極印刷工程)、およびアルミペーストを焼成する工程(810℃焼成工程)が含まれている。一方、実施例に係る太陽電池100の製造方法では、これらの工程が1つに集約されていることがわかる。また、参考例に係る太陽電池800の製造方法には、量産方法と比較して、裏面電極および裏面パッシベーション膜上にアルミニウムを蒸着する工程が余分に含まれている。この理由と妥当性については前述のとおりである。
図7からわかるように、本実施例に係る太陽電池100の製造方法の工程数は、量産方法の工程数より3工程分少なく、太陽電池800の製造方法の工程数よりも4工程分少ない。
(2.性能の比較)
次に、図8および図9を用いて、実施例の太陽電池100の性能と、参考例の太陽電池800の性能とを比較する。
次に、図8および図9を用いて、実施例の太陽電池100の性能と、参考例の太陽電池800の性能とを比較する。
まず、図8を参照して、太陽電池100および太陽電池800の性能として、内部量子効率を比較する。図8は、700nmから1100nm付近の波長帯域における太陽電池100および太陽電池800の内部量子効率を示すグラフである。
図8に示すように、太陽電池100の内部量子効率は、太陽電池800の内部量子効率に比べて、長波長帯域(約800nmより大)における内部量子効率が、約1%〜7%程度、改善していることがわかる。太陽電池100の製造方法では、Al2O3膜を高温で加熱しないので、太陽電池800よりも、Al2O3膜は裏面パッシベーション膜としての性能が向上していると考えられる。
次に、図9を参照して、太陽電池100および太陽電池800の性能として、短絡電流Jsc、開放電圧Voc、フィルファクターFF(Fill Factor)および変換効率Effを比較する。図9は、太陽電池100および太陽電池800の短絡電流Jsc、開放電圧Voc、フィルファクターFFおよび変換効率Effを示すグラフである。図9に示すグラフにおいて、菱形の点は実測値を示す。また、四角の点は実測値の平均値を示す。
図9に示すように、太陽電池100の短絡電流Jscの平均値は、太陽電池800の短絡電流Jscの平均値よりも0.4mA/cm程度大きくなっている。しかし、太陽電池100の開放電圧Vocは、太陽電池800の開放電圧Vocよりも4mV程度低下している。なお、フィルファクターFFについては、太陽電池100と太陽電池800との間に有意な差異は認められない。これらの結果から、変換効率Effは両者でほぼ同じとなった。
以上の結果を考察すると、内部量子効率の比較結果より、太陽電池100の裏面でのキャリアの再結合速度が太陽電池800のそれに比べて低減したことが示唆される。つまり、裏面パッシベーション膜25中の元素によって、シリコン基板20と裏面パッシベーション膜25との界面における未結合手がより効率的に終端され、キャリアの再結合速度が低下したと考えられる。その結果、短絡電流Jscが増加したことは納得できる。本来ならば開放電圧Vocも増加しなければならないが、そうはなっていない。原因は不明である。
前述したように、太陽電池800の性能が、量産型太陽電池の性能の上限値を示していると考えた場合、図8および図9に示す実験結果は、太陽電池100の性能が太陽電池800の性能よりも改善されるか、少なくとも劣ることはないことを示唆している。また、太陽電池100の製造方法は、太陽電池800の製造方法と比較して、工程数が少なく、しかもレーザー加工を使わない安価な放電加工プロセスを用いている。
それゆえ、太陽電池100の製造方法によれば、シンプルかつ安価な投資で、従来の太陽電池の性能と同等以上の性能を有する裏面パッシベーション型太陽電池を生産することができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る製造方法は、絶縁性膜(裏面パッシベーション膜25)が堆積された半導体基板(p型シリコン基板20)の上に、該絶縁性膜を貫通した電極(裏面電極26)を形成する局所電極製造方法であって、前記絶縁性膜の上に導電性シート(アルミホイル26’)を配置する第一工程と、前記導電性シートにプローブ状電極(プローブ13)を近づけ、前記導電性シートと前記プローブ状電極との間で放電を生じさせることによって、前記導電性シートに前記絶縁性膜を局所的に貫通させ、前記導電性シートと前記半導体基板との電気的な接続を得る第二工程とを含むことを特徴とする。
本発明の態様1に係る製造方法は、絶縁性膜(裏面パッシベーション膜25)が堆積された半導体基板(p型シリコン基板20)の上に、該絶縁性膜を貫通した電極(裏面電極26)を形成する局所電極製造方法であって、前記絶縁性膜の上に導電性シート(アルミホイル26’)を配置する第一工程と、前記導電性シートにプローブ状電極(プローブ13)を近づけ、前記導電性シートと前記プローブ状電極との間で放電を生じさせることによって、前記導電性シートに前記絶縁性膜を局所的に貫通させ、前記導電性シートと前記半導体基板との電気的な接続を得る第二工程とを含むことを特徴とする。
上記の方法において、プローブ状電極と導電性シートとの間で引き起こされる放電に起因する局所的な熱エネルギーによって、絶縁性膜が貫通する。さらに、絶縁性膜に開いた孔の内部では導電性シートを形成する金属材料と半導体とが合金化する。この結果、導電性シートと半導体基板との電気的な接続が得られる。これを裏面パッシベーション型太陽電池の裏面電極作製手段に使用した場合、複雑で高価なレーザー加工技術を使用せずに、導電性シートの配置と放電という簡単な工程によって、容易に局所電極を作製することができる。なお、半導体基板は、p型半導体基板(例えば、p型単結晶シリコン基板)であってもよいし、n型半導体基板であってもよい。
本発明の態様2に係る局所電極製造方法は、前記態様1に記載の製造方法において、前記第一工程の前に、前記絶縁性膜を単一材料の単層構造として前記半導体基板の上に堆積することを特徴とする。
上記の方法によれば、絶縁性膜は局所的に熱エネルギを加えられるだけであり、絶縁性膜の全体が高温に晒されることがない。このため、絶縁性膜のパッシベーション性能が高温に起因して劣化することを回避できるので、絶縁性膜をさらに保護膜で被覆しておく工程を上記第一工程の前に設ける必要がない。したがって、電極作製のためにデバイス全体を高温加熱せねばならない従来技術に比べて、さらなる工程の簡素化とコストダウンとを実現することができる。
本発明の態様3に係る局所電極製造装置は、上記態様1または2に記載の製造方法において使用される局所電極製造装置であって、前記プローブ状電極と、前記導電性シートと前記プローブ状電極との間で放電を生じさせる電荷を蓄積するコンデンサとを備えていてもよい。
上記の構成によれば、絶縁性膜が堆積された半導体基板の上に、該絶縁性膜を貫通した局所電極を簡単に形成できる低コストの製造装置を提供することができる。
本発明の態様4に係る太陽電池は、上記態様1または2に記載の局所電極製造方法により製造された局所電極を光入射面側とは反対側の裏面側に備えていてもよい。
上記の構成によれば、上記態様1から3のいずれかに記載の局所電極製造方法によって製造された局所電極が形成された絶縁性膜を上記裏面側に備えた太陽電池を得ることができる。その絶縁性膜は、局所電極の形成時に局所的な熱エネルギを与えられるだけであり、絶縁性膜の全体が高温に晒されることがない。したがって、絶縁性膜の特性が熱によって劣化しない太陽電池を容易に得ることができる。
本発明の態様5に係る局所電極製造方法は、以下の特徴を有していてもよい。前記態様1または2に記載の製造方法において、前記半導体基板の光入射面側に形成した反射防止膜に対して、光入射面側電極(光入射面電極27)を形成する領域に導電性ペーストを配置して焼成し、該導電性ペーストに該反射防止膜をファイヤースルーさせる光入射面側電極形成工程をさらに有しているとき、前記導電性ペーストの材料は、前記導電性ペーストを焼成するための温度が、前記絶縁性膜をアニールするための温度範囲に含まれている材料から選択されていてもよい。
上記の構成によれば、半導体基板の光入射面側に局所電極を形成するためのファイヤースルーの実現と、裏面パッシベーション膜としての絶縁性膜の性能を向上させるアニールの実現とを同時に達成することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 局所電極製造装置
11 コンデンサ
13 プローブ(プローブ状電極)
20 p型シリコン基板(半導体基板)
24 反射防止膜
25 裏面パッシベーション膜(絶縁性膜)
26 裏面電極(電極)
26’ アルミホイル(導電性シート)
100 裏面パッシベーション型太陽電池(太陽電池)
11 コンデンサ
13 プローブ(プローブ状電極)
20 p型シリコン基板(半導体基板)
24 反射防止膜
25 裏面パッシベーション膜(絶縁性膜)
26 裏面電極(電極)
26’ アルミホイル(導電性シート)
100 裏面パッシベーション型太陽電池(太陽電池)
Claims (4)
- 絶縁性膜が堆積された半導体基板の上に、該絶縁性膜を貫通した電極を形成する局所電極製造方法であって、
前記絶縁性膜の上に導電性シートを配置する第一工程と、
前記導電性シートにプローブ状電極を近づけ、前記導電性シートと前記プローブ状電極との間で放電を生じさせることによって、前記導電性シートに前記絶縁性膜を局所的に貫通させ、前記導電性シートと前記半導体基板との電気的な接続を得る第二工程とを含む
ことを特徴とする局所電極製造方法。 - 前記第一工程の前に、前記絶縁性膜を単一材料の単層構造として前記半導体基板の上に堆積する
ことを特徴とする請求項1に記載の局所電極製造方法。 - 請求項1または2に記載の局所電極製造方法において使用される局所電極製造装置であって、
前記プローブ状電極と、
前記導電性シートと前記プローブ状電極との間で放電を生じさせる電荷を蓄積するコンデンサとを備えた
ことを特徴とする局所電極製造装置。 - 請求項1または2に記載の局所電極製造方法により製造された局所電極を光入射面側とは反対側の裏面側に備えた
ことを特徴とする太陽電池。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015152865A JP2017034093A (ja) | 2015-07-31 | 2015-07-31 | 局所電極製造方法、局所電極製造装置、および太陽電池 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015152865A JP2017034093A (ja) | 2015-07-31 | 2015-07-31 | 局所電極製造方法、局所電極製造装置、および太陽電池 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017034093A true JP2017034093A (ja) | 2017-02-09 |
Family
ID=57987340
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2015152865A Pending JP2017034093A (ja) | 2015-07-31 | 2015-07-31 | 局所電極製造方法、局所電極製造装置、および太陽電池 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2017034093A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3474335A1 (fr) * | 2017-10-23 | 2019-04-24 | Commissariat à l'Énergie Atomique et aux Énergies Alternatives | Procede de fabrication d'une cellule photovoltaïque |
| CN111095571A (zh) * | 2017-10-04 | 2020-05-01 | 株式会社钟化 | 太阳能电池的制造方法、太阳能电池以及太阳能电池模块 |
Citations (4)
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| JPH0441120A (ja) * | 1990-06-06 | 1992-02-12 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 微細放電加工方法 |
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-
2015
- 2015-07-31 JP JP2015152865A patent/JP2017034093A/ja active Pending
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