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JP2016048628A - シリコン材料−炭素層−カチオン性ポリマー層複合体 - Google Patents

シリコン材料−炭素層−カチオン性ポリマー層複合体 Download PDF

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JP2016048628A JP2014172921A JP2014172921A JP2016048628A JP 2016048628 A JP2016048628 A JP 2016048628A JP 2014172921 A JP2014172921 A JP 2014172921A JP 2014172921 A JP2014172921 A JP 2014172921A JP 2016048628 A JP2016048628 A JP 2016048628A
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睦 ▲高▼橋
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剛司 近藤
佑介 杉山
Yusuke Sugiyama
佑介 杉山
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Nobuhiro Aida
信弘 合田
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Abstract

【課題】優れた性能を有する新たなシリコン材料を提供すること。
【解決手段】シリコン材料と、該シリコン材料を覆う炭素層と、該炭素層を覆うカチオン性ポリマーを有するカチオン性ポリマー層と、を具備する複合体。前記複合体を負極活物質として具備する二次電池。前記カチオン性ポリマーが、1級アミン、2級アミン、3級アミン又は4級アンモニウムカチオンを有するポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリアニリン、ポリピロール又はポリビニルピリジンから選択されるポリマーである。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリコン材料−炭素層−カチオン性ポリマー層複合体に関するものである。
シリコン材料は半導体、太陽電池、二次電池などの構成要素として用いられることが知られており、それゆえに、シリコン材料に関する研究が活発に行われている。
例えば、特許文献1には、熱CVDにより酸化珪素を炭素で被覆したシリコン複合体が記載されており、当該シリコン複合体を負極活物質として具備するリチウムイオン二次電池が記載されている。
また、本発明者らは、特許文献2にて、CaSiと酸とを反応させてCaを除去したポリシランを主成分とする層状シリコン化合物を合成し、当該層状シリコン化合物を300℃以上で加熱して水素を離脱させたシリコン材料を製造したこと、及び、当該シリコン材料を活物質として具備するリチウムイオン二次電池を報告している。
さらに、本発明者らは、特許文献3にて、CaSiと酸とを反応させてCaを除去したポリシランを主成分とする層状シリコン化合物を合成し、当該層状シリコン化合物を300℃以上で加熱して水素を離脱させたシリコン材料を製造し、さらに、当該シリコン材料を炭素で被覆した炭素−シリコン複合体を製造したこと、及び、当該複合体を活物質として具備するリチウムイオン二次電池を報告している。
特許第3952180号公報 国際公開第2014/080608号 特願2014−037833号
上述したように、種々のシリコン材料が精力的に研究されている。そして、産業界からは、さらに優れた性能を有する新たなシリコン材料が求められている。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、優れた性能を有する新たなシリコン材料を提供することを目的とする。
本発明者は、負極活物質として、シリコン材料を炭素で被覆した炭素−シリコン複合体(以下、炭素被覆シリコン材料ということがある。)を採用した二次電池について、熟慮を重ねた。通常、二次電池は、充放電を繰り返すと、その容量が徐々に低下する。容量低下の原因の一つとして、二次電池の負極活物質及び電解液の劣化が挙げられる。一般に、負極活物質及び電解液が直接接触することにより、負極活物質表面に電解液の分解物が堆積した固体電解質界面被膜(Solid Electrolyte Interface、以下「SEI」という。)が形成されることが知られている。そして、SEIは、二次電池の充放電に伴うシリコン材料の膨張及び収縮により生じる負極活物質のクラック部分と、電解液とが新たに接触する箇所にも形成される。そうすると、SEI形成が進むに従い、電解液は分解され、同時に、負極は劣化するため、二次電池の容量は徐々に低下する。
そこで、本発明者は、負極活物質のクラック部分の発生を抑制するための被覆層、また、クラック部分が発生したとしても、電解液との直接接触を抑制するための被覆層を負極活物質に付与することを想起した。ここで、本発明者が炭素被覆シリコン材料の水中でのゼータ電位をpH毎に測定したところ、弱酸性〜アルカリ性の広い範囲でマイナスを示すことが判明した。
これらの知見を総合して、本発明者は本発明を完成させた。
すなわち、本発明の複合体は、シリコン材料と、該シリコン材料を覆う炭素層と、該炭素層を覆うカチオン性ポリマーを有するカチオン性ポリマー層と、を具備することを特徴とする。
本発明の複合体は、優れた性能を有する。
実施例1の炭素被覆シリコン材料についてのpH毎のゼータ電位のグラフである。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
本発明の複合体は、シリコン材料と、該シリコン材料を覆う炭素層と、該炭素層を覆うカチオン性ポリマーを有するカチオン性ポリマー層と、を具備することを特徴とする。
シリコン材料としては、シリコン結晶子、アモルファスシリコン、SiOx(0.5≦x≦1.5)を含むものがよい。シリコン結晶子のサイズとしては、ナノサイズのものが好ましい。具体的には、シリコン結晶子サイズは、0.5nm〜300nmの範囲内が好ましく、1nm〜100nmの範囲内がより好ましく、1nm〜50nmの範囲内がさらに好ましく、1nm〜10nmの範囲内が特に好ましい。なお、シリコン結晶子サイズは、シリコン材料に対してX線回折測定(XRD測定)を行い、得られたXRDチャートのSi(111)面の回折ピークの半値幅を用いたシェラーの式から算出される。
シリコン材料は、CaSiからCaを離脱させた層状シリコン化合物を300℃以上で加熱して得られるものが好ましい。当該シリコン材料は、上記特許文献2に記載の製造方法で得ることができる。詳細には、上記シリコン材料は、層状シリコン化合物製造工程、及び、シリコン材料製造工程を経て製造される。
まず、層状シリコン化合物製造工程について説明する。層状シリコン化合物製造工程は、CaSiを酸と反応させてCaを離脱させ、層状シリコン化合物とする工程である。
CaSiは、一般にCa層とSi層が積層した構造からなる。
酸としては、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、蟻酸、酢酸、メタンスルホン酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロヒ素酸、フルオロアンチモン酸、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロゲルマン酸、ヘキサフルオロスズ(IV)酸、トリフルオロ酢酸、ヘキサフルオロチタン酸、ヘキサフルオロジルコニウム酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロスルホン酸が例示される。これらの酸を単独又は併用して使用すれば良い。
特に、酸としては、フッ素アニオンを生じ得る酸を採用するのが好ましい。当該酸を採用することにより、層状シリコン化合物に生じ得るSi−O結合やSiと他の酸のアニオンとの結合(例えば、塩酸の場合にはSi−Cl結合)を減少することができる。なお、層状シリコン化合物にSi−O結合やSi−Cl結合が存在すると、次工程のシリコン材料製造工程を経ても、シリコン材料にSi−O結合やSi−Cl結合が存在する場合がある。そして、Si−O結合やSi−Cl結合を有するシリコン材料を負極活物質として採用したリチウムイオン二次電池においては、Si−O結合やSi−Cl結合がリチウムイオンの移動を阻害すると推定される。
層状シリコン化合物製造工程にて用いる酸は、モル比にてCaSiよりも多く用いるのが好ましい。同工程は無溶媒で行ってもよいが、目的物の分離やCaClなどの副生物の除去の観点から溶媒として水を採用するのが好ましい。同工程の反応条件は、真空などの減圧条件又は不活性ガス雰囲気下とすることが好ましく、また、氷浴などの室温以下の温度条件とするのが好ましい。同工程の反応時間は適宜設定すれば良い。
酸として塩酸を用いた場合の層状シリコン化合物製造工程を理想的な反応式で示すと以下のとおりとなる。
3CaSi+6HCl→Si+3CaCl
上記反応式において、Siが理想的な層状シリコン化合物に該当する。この反応は、層状のCaSiのCaが2Hで置換されつつ、Si−H結合を形成すると考えることもできる。層状シリコン化合物は、原料のCaSiにおけるSi層の基本骨格が維持されているため、層状をなす。
層状シリコン化合物製造工程は、水存在下で行われるのが好ましい。ここで、Siは水と反応し得るため、通常は、層状シリコン化合物がSiなる化合物で得られることはほとんどなく、SiOH(Xは酸のアニオン由来の元素若しくは基、x+y+z=6、0<x<6、0<y<6、0<z<6)で表される化合物として得られる。なお、ここでは、層状シリコン化合物に残存し得るCaなどの不可避不純物については、考慮していない。
次に、シリコン材料製造工程について説明する。同工程は、前記層状シリコン化合物を300℃以上で加熱し、水素や水などを離脱させ、シリコン材料を得る工程である。
シリコン材料製造工程を理想的な反応式で示すと以下のとおりとなる。
Si→6Si+3H
ただし、シリコン材料製造工程に実際に用いられる層状シリコン化合物はSiOH(Xは酸のアニオン由来の元素若しくは基、x+y+z=6、0<x<6、0<y<6、0<z<6)で表される化合物であり、さらに不可避不純物も含有するため、実際に得られるシリコン材料は、SiH(Xは酸のアニオン由来の元素若しくは基、0<u+v+w<1、0≦u<1、0≦v<1、0≦w<1)で表され、さらに不可避不純物も含有するものとなる。上記シリコン材料の式において、uは0≦u<0.5の範囲内が好ましく、0≦u<0.3の範囲内がより好ましく、0≦u<0.1の範囲内がさらに好ましく、u=0が最も好ましい。上記シリコン材料の式において、vは0≦v<0.7の範囲内が好ましく、0≦v<0.5の範囲内がより好ましく、0≦v<0.3の範囲内がさらに好ましく、0≦v≦0.2の範囲内が特に好ましい。上記シリコン材料の式において、wは0≦w<0.7の範囲内が好ましく、0≦w<0.5の範囲内がより好ましく、0≦w<0.3の範囲内がさらに好ましく、0≦w≦0.2の範囲内が特に好ましい。
シリコン材料製造工程は、通常の大気下よりも酸素含有量の少ない非酸化性雰囲気下で行われるのが好ましい。非酸化性雰囲気としては、真空を含む減圧雰囲気、不活性ガス雰囲気を例示できる。加熱温度は、350℃〜1200℃の範囲内が好ましく、400℃〜1200℃の範囲内がより好ましい。加熱温度が低すぎると水素の離脱が十分でない場合があり、他方、加熱温度が高すぎるとエネルギーの無駄になる。加熱時間は加熱温度に応じて適宜設定すれば良く、また、反応系外に抜けていく水素などの量を測定しながら加熱時間を決定するのも好ましい。加熱温度及び加熱時間を適宜選択することにより、製造されるシリコン材料に含まれるアモルファスシリコン及びシリコン結晶子の割合、並びに、シリコン結晶子の大きさを調製することもでき、さらには、製造されるシリコン材料に含まれる、アモルファスシリコン及びシリコン結晶子を含むナノ水準の厚みの層の形状や大きさを調製することもできる。
上述の繰り返しになるが、上記シリコン結晶子サイズは、0.5nm〜300nmの範囲内が好ましく、1nm〜100nmの範囲内がより好ましく、1nm〜50nmの範囲内がさらに好ましく、1nm〜10nmの範囲内が特に好ましい。なお、シリコン結晶子サイズは、シリコン材料に対してX線回折測定(XRD測定)を行い、得られたXRDチャートのSi(111)面の回折ピークの半値幅を用いたシェラーの式から算出される。
上記シリコン材料製造工程により、複数枚の板状シリコン体が厚さ方向に積層されてなる構造を有するシリコン材料を得ることができる。この構造は、走査型電子顕微鏡などによる観察で確認できる。後述する炭素被覆シリコン材料をリチウムイオン二次電池の活物質として使用することを考慮すると、リチウムイオンの効率的な挿入及び脱離反応のためには、板状シリコン体は厚さが10nm〜100nmの範囲内のものが好ましく、20nm〜50nmの範囲内のものがより好ましい。また、板状シリコン体の長軸方向の長さは、0.1μm〜50μmの範囲内のものが好ましい。また、板状シリコン体は、(長軸方向の長さ)/(厚さ)が2〜1000の範囲内であるのが好ましい。
炭素層は非晶質及び/又は結晶質の炭素の層である。炭素層はシリコン材料の少なくとも一部を覆っていればよい。本発明の複合体を負極活物質として用いることを考慮すると、内部のシリコン材料に導電性を付与するため、及び、シリコン材料と電解液との直接接触を避けるために、炭素層は、シリコン材料の表面すべてを覆う状態にあるのが好ましい。炭素層の厚みは、1nm〜100nmの範囲内が好ましく、10〜50nmの範囲内がより好ましい。
炭素層の形成方法、すなわち、シリコン材料を炭素で被覆して、炭素−シリコン複合体としての炭素被覆シリコン材料とする第1被覆工程について説明する。同工程は、具体的には、非酸化性雰囲気下及び加熱条件下にて、シリコン材料を有機物と接触させて、シリコン材料の表面に有機物が炭素化してなる炭素層を形成させる工程である。
有機物としては、固体、液体、気体のものがある。特に、気体状態の有機物を用いることで、シリコン材料の外表面に均一な炭素層を形成できるだけでなく、シリコン材料の内部の粒子表面にも炭素層を形成させることができる。気体状態の有機物を用いて炭素膜を生成させる方法は、一般に熱CVD法と呼ばれている方法を応用したものである。熱CVD法を応用して被覆工程を行う場合には、ホットウォール型、コールドウォール型、横型、縦型などの型式の、流動層反応炉、回転炉、トンネル炉、バッチ式焼成炉、ロータリーキルンなどの公知のCVD装置を用いればよい。
有機物としては、非酸化性雰囲気下での加熱によって熱分解して炭化し得るものが用いられ、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素、エチレン、プロピレン、アセチレンなどの不飽和脂肪族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、ジフェニルメタン、ナフタレン、フェノール、クレゾール、安息香酸、サリチル酸、ニトロベンゼン、クロルベンゼン、インデン、ベンゾフラン、ピリジン、アントラセン、フェナントレンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル類、脂肪酸類などから選択される一種又は混合物が挙げられる。
第1被覆工程における処理温度は、有機物の種類によって異なるが、有機物が熱分解する温度より50℃以上高い温度とすることが望ましい。しかし、加熱温度が過度に高すぎると、系内に遊離炭素(煤)が発生する場合があるので、遊離炭素(煤)が発生しない条件を選択することが好ましい。形成される炭素層の厚さは、処理時間によって制御することができる。
第1被覆工程は、シリコン材料を流動状態にして行うことが望ましい。このようにすることで、シリコン材料の全表面を有機物と接触させることができ、より均一な炭素層を形成することができる。シリコン材料を流動状態にするには、流動床を用いるなど各種方法があるが、シリコン材料を撹拌しながら有機物と接触させるのが好ましい。例えば、内部に邪魔板をもつ回転炉を用いれば、邪魔板に留まったシリコン材料が回転炉の回転に伴って所定高さから落下することで撹拌され、その際に有機物と接触して炭素層が形成されるので、シリコン材料の全体にいっそう均一な炭素層を形成することができる。
炭素被覆シリコン材料は、粉砕や分級を経て、一定の粒度分布の粒子としてもよい。炭素被覆シリコン材料の好ましい粒度分布としては、一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置で測定した場合に、D50が1〜30μmの範囲内を例示できる。
炭素被覆シリコン材料に対する炭素層の質量%は、1〜30質量%の範囲内が好ましい。
カチオン性ポリマー層は上記炭素層の少なくとも一部を覆うカチオン性ポリマーを有する層である。本発明の複合体を負極活物質として用いることを考慮すると、内部のシリコン材料の膨張及び収縮の程度を十分に緩和するため、若しくは、前記膨張及び収縮に因る負極活物質の崩壊を抑制するため、並びに、前記膨張及び収縮に因り生じるクラックで表出するシリコン材料と電解液との直接接触を避けるために、カチオン性ポリマー層は、炭素被覆シリコン材料の表面すべてを覆う状態にあるのが好ましい。すなわち、好ましい本発明の複合体は、最外層すべてにカチオン性ポリマー層を有し、その内部に炭素層を有し、そして、中心部にシリコン材料を有する。
本発明の複合体に対するカチオン性ポリマーの質量%は、0.1〜5質量%の範囲内が好ましく、0.5〜3質量%の範囲内がより好ましい。
カチオン性ポリマーとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウムカチオン(以下、1級アミン、2級アミン、3級アミン及び4級アンモニウムカチオンを纏めて「アミン誘導体基」という。)のいずれかを有するポリマーが好ましい。後述する評価例で述べるように、炭素被覆シリコン材料は、弱酸性〜アルカリ性の液中でマイナスのゼータ電位を示す。なお、炭素被覆シリコン材料が、弱酸性〜アルカリ性の液中でマイナスのゼータ電位を示すのは、炭素層の表面に水酸基若しくは炭酸基が存在していることに起因すると考えられる。そして、アミン誘導体基のいずれかを有するポリマーの溶解液は、一般に、弱酸性〜アルカリ性を示し、さらに、当該ポリマーのアミン誘導体基は溶解液中でカチオン性を示す。そうすると、カチオン性ポリマー溶液中において、マイナスに帯電する炭素被覆シリコン材料とカチオン性のアミン誘導体基とが電気的に引き合い、イオン結合を形成しつつ、炭素被覆シリコン材料の炭素層の表層にカチオン性ポリマーが化学的に吸着すると考えられる。
具体的なカチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリビニルピリジンなどを挙げることができる。カチオン性ポリマーとしては、上記のものを単独又は複数で採用すれば良い。 カチオン性ポリマーの分子量としては、数平均分子量又は重量平均分子量で200〜200万が好ましく、1000〜50万がより好ましく、3000〜10万がさらに好ましい。
カチオン性ポリマー層の形成方法、すなわち、炭素被覆シリコン材料をカチオン性ポリマーで被覆して、本発明の複合体とする第2被覆工程について説明する。
第2被覆工程は、カチオン性ポリマー溶液を準備する工程、及び、炭素被覆シリコン材料を前記カチオン性ポリマー溶液に接触させる工程を含む。
まず、カチオン性ポリマー溶液を準備する工程について説明する。
カチオン性ポリマー溶液の溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができ、これらの溶媒を単独で又は複数で用いれば良い。
カチオン性ポリマー溶液を準備するには、上記のカチオン性ポリマーと溶媒を混合し、カチオン性ポリマーを溶解させればよい。カチオン性ポリマー溶液のカチオン性ポリマー濃度に特に限定は無いが、0.01質量%〜10質量%の範囲内が好ましく、0.05質量%〜5質量%の範囲内がより好ましく、0.1質量%〜3質量%の範囲内がさらに好ましく、0.5質量%〜2質量%の範囲内が特に好ましい。
炭素被覆シリコン材料をカチオン性ポリマー溶液に接触させる工程について説明する。
炭素被覆シリコン材料をカチオン性ポリマー溶液に接触させるには、例えば、炭素被覆シリコン材料をカチオン性ポリマー溶液に浸ける方法、カチオン性ポリマー溶液を炭素被覆シリコン材料に塗布する方法、カチオン性ポリマー溶液をスプレー状態で炭素被覆シリコン材料に塗布する方法を挙げることができる。作業の簡便性及びイオン結合を効果的に発生させる観点から、炭素被覆シリコン材料をカチオン性ポリマー溶液に浸ける方法が好ましい。該方法は、撹拌条件下や超音波処理条件下で実施してもよいし、常圧下、加圧下もしくは減圧下で実施してもよく、また、常温下、加熱条件下で実施してもよい。炭素被覆シリコン材料をカチオン性ポリマー溶液に浸ける時間は、カチオン性ポリマー溶液の種類や濃度に因り、適宜選択すればよい。該時間として、好ましくは10秒〜120分、より好ましくは1〜70分を例示することができる。
炭素被覆シリコン材料をカチオン性ポリマー溶液に接触させた工程の後に、カチオン性ポリマー溶液の溶媒を除去するための乾燥工程を実施するのが好ましい。乾燥温度は200℃未満が好ましく、150℃以下がより好ましく、70〜140℃の範囲内がさらに好ましい。乾燥工程は減圧下で行うのが好ましい。乾燥時間は、カチオン性ポリマー溶液の溶媒を除去するのに十分な時間を適宜設定すればよい。乾燥時間として、1〜24時間を例示できる。必要ならば、炭素被覆シリコン材料をカチオン性ポリマー溶液に接触させた工程の後に、濾過工程を加えてもよい。
本発明の複合体は、リチウムイオン二次電池などの二次電池の負極活物質として使用することができる。以下、本発明の複合体を負極活物質として具備する二次電池について、その代表としてリチウムイオン二次電池を例にして、説明する。本発明の複合体を負極活物質として具備するリチウムイオン二次電池を、以下、本発明のリチウムイオン二次電池という。具体的には、本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、本発明の複合体を負極活物質として具備する負極、電解液及びセパレータを具備する。
正極は、集電体と、集電体の表面に結着させた正極活物質層を有する。
集電体は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
正極活物質層は正極活物質、並びに必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含む。
正極活物質としては、層状化合物のLiNiCoMn(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、S、Si、Na、K、Al、Zr、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、Laから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3)、LiMnOを挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn等のスピネル、及びスピネルと層状化合物の混合物で構成される固溶体、LiMPO、LiMVO又はLiMSiO(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePOFなどのLiMPOF(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBOなどのLiMBO(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも使用可能である。また、正極活物質として、充放電に寄与するリチウムイオンを含まない正極活物質材料、たとえば、硫黄単体(S)、硫黄と炭素を複合化した化合物、TiSなどの金属硫化物、V、MnOなどの酸化物、ポリアニリン及びアントラキノン並びにこれら芳香族を化学構造に含む化合物、共役二酢酸系有機物などの共役系材料、その他公知の材料を用いることもできる。さらに、ニトロキシド、ニトロニルニトロキシド、ガルビノキシル、フェノキシルなどの安定なラジカルを有する化合物を正極活物質として採用してもよい。リチウムを含まない正極活物質材料を用いる場合には、正極及び/又は負極に、公知の方法により、予めイオンを添加させておく必要がある。ここで、当該イオンを添加するためには、金属または当該イオンを含む化合物を用いればよい。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、電極の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、電極の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。導電助剤としては化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)、および各種金属粒子などが例示される。これらの導電助剤を単独または二種以上組み合わせて活物質層に添加することができる。
活物質層中の導電助剤の配合割合は、質量比で、活物質:導電助剤=1:0.005〜1:0.5であるのが好ましく、1:0.01〜1:0.2であるのがより好ましく、1:0.03〜1:0.1であるのがさらに好ましい。導電助剤が少なすぎると効率のよい導電パスを形成できず、また、導電助剤が多すぎると活物質層の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。
結着剤は、活物質や導電助剤を集電体の表面に繋ぎ止め、電極中の導電ネットワークを維持する役割を果たすものである。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸等のアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロースを例示することができる。これらの結着剤を単独で又は複数で採用すれば良い。
活物質層中の結着剤の配合割合は、質量比で、活物質:結着剤=1:0.001〜1:0.3であるのが好ましく、1:0.005〜1:0.2であるのがより好ましく、1:0.01〜1:0.15であるのがさらに好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
負極は、集電体と、集電体の表面に結着させた負極活物質層を有する。集電体については、正極で説明したものを適宜適切に採用すれば良い。負極活物質層は負極活物質、並びに必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含む。
負極活物質としては、本発明の複合体を含むものであればよく、本発明の複合体のみを採用してもよいし、本発明の複合体と公知の負極活物質を併用してもよい。
負極に用いる導電助剤及び結着剤については、正極で説明したものを同様の配合割合で適宜適切に採用すれば良い。
集電体の表面に活物質層を形成させるには、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に活物質を塗布すればよい。具体的には、活物質、溶剤、並びに必要に応じて結着剤及び/又は導電助剤を混合し、スラリーを調製する。上記溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。該スラリーを集電体の表面に塗布後、乾燥する。電極密度を高めるべく、乾燥後のものを圧縮しても良い。
電解液は、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質とを含んでいる。
非水溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、エーテル類等が使用できる。環状エステル類としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンを例示できる。鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンを例示できる。非水溶媒としては、上記具体的な溶媒の化学構造のうち一部又は全部の水素がフッ素に置換した化合物を採用しても良い。
電解質としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等のリチウム塩を例示できる。
電解液としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水溶媒に、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSOなどのリチウム塩を0.5mol/Lから1.7mol/L程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。
セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としてもよい。
次に、リチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
正極および負極に必要に応じてセパレータを挟装させ電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体および負極の集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、電極に含まれる活物質の種類に適した電圧範囲で充放電を実行されればよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、車両に搭載してもよい。車両は、その動力源の全部あるいは一部にリチウムイオン二次電池による電気エネルギーを使用している車両であればよく、たとえば、電気車両、ハイブリッド車両などであるとよい。車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。リチウムイオン二次電池を搭載する機器としては、車両以外にも、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。さらに、本発明のリチウムイオン二次電池は、風力発電、太陽光発電、水力発電その他電力系統の蓄電装置及び電力平滑化装置、船舶等の動力及び/又は補機類の電力供給源、航空機、宇宙船等の動力及び/又は補機類の電力供給源、電気を動力源に用いない車両の補助用電源、移動式の家庭用ロボットの電源、システムバックアップ用電源、無停電電源装置の電源、電動車両用充電ステーションなどにおいて充電に必要な電力を一時蓄える蓄電装置に用いてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、実施例および比較例などを示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。以下において、特に断らない限り、「部」とは質量部を意味し、「%」とは質量%を意味する。
(実施例1)
以下のとおり、実施例1の複合体及びリチウムイオン二次電池を製造した。
1質量%HF含有濃塩酸溶液23.8質量部を氷浴中で0℃とした。該溶液にアルゴンガス気流にて5質量部のCaSiを加えて1時間撹拌した。反応液に水を加え、さらに5分間撹拌した後、反応液を濾過し、黄色の残渣を得た。当該残渣を蒸留水及びエタノールで洗浄し、減圧乾燥して3.7質量部の層状シリコン化合物を得た。層状シリコン化合物に対し、アルゴンガス雰囲気下、500℃で1時間保持する熱処理を行い、水素を離脱させたシリコン材料を得た。
上記シリコン材料をロータリーキルン型の反応器に入れ、10%プロパン含有アルゴンガス通気下にて750℃、滞留時間60分間の条件で熱CVDを行い、炭素被覆シリコン材料を得た。反応器の炉芯管は水平方向に配設されており、炉芯管の回転速度は1rpmとした。炉心管の内周壁には邪魔板が配設されており、反応器は炉芯管の回転に伴って邪魔板上に堆積した内容物が所定の高さで邪魔板から落下するように構成され、その構成によって内容物が撹拌される。得られた炭素被覆シリコン材料を10倍の重量の水に懸濁させて、1時間超音波処理(38kHz、50℃)をした。この懸濁液をろ過し、得られた粉体を減圧下、120℃で8時間乾燥して、付着水を除去し、実施例1の炭素被覆シリコン材料を得た。
実施例1の炭素被覆シリコン材料の断面を走査型電子顕微鏡で観察すると、シリコン材料の表面に、炭素層が形成されていることがわかる。
数平均分子量10000のポリエチレンイミンを用いて、1質量%ポリエチレンイミン水溶液を準備した。
実施例1の炭素被覆シリコン材料を1質量%ポリエチレンイミン水溶液に投入して、懸濁液とし、該懸濁液に38kHz、50℃の条件で、1時間超音波処理をした。超音波処理後の懸濁液を、減圧下、120℃で8時間乾燥して、水を除去し、実施例1の複合体を得た。なお、実施例1の複合体にポリエチレンイミンは1質量%で含まれている。
負極活物質として実施例1の複合体70質量部、負極活物質として天然黒鉛15質量部、導電助剤としてアセチレンブラック5質量部、バインダーとしてポリアミドイミド10質量部、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンを混合し、スラリーを調製した。上記スラリーを、集電体としての厚さ約20μmの電解銅箔の表面にドクターブレードを用いて塗布し、乾燥して、銅箔上に負極活物質層を形成した。その後、ロールプレス機により、集電体と負極活物質層を強固に密着接合させた。これを200℃で2時間減圧乾燥し、負極活物質層の密度が1.0g/cmの負極を形成した。
上記の手順で作製した負極を評価極として用い、リチウムイオン二次電池(ハーフセル)を作製した。対極は金属リチウム箔(厚さ500μm)とした。
対極をφ14mm、評価極をφ11mmに裁断し、セパレータ(ヘキストセラニーズ社製ガラスフィルター及びCelgard社製「Celgard2400」)を両極の間に介装して電極体とした。この電極体を電池ケース(CR2032型コイン電池用部材、宝泉株式会社製)に収容した。電池ケースに、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを1:1(体積比)で混合した混合溶媒にLiPFを1Mの濃度で溶解した非水電解液を注入し、電池ケースを密閉して、実施例1のリチウムイオン二次電池を得た。
(比較例1)
負極活物質として実施例1の複合体に換えて、実施例1の炭素被覆シリコン材料を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1のリチウムイオン二次電池を得た。
(評価例1)
実施例1の炭素被覆シリコン材料につき、水中でのゼータ電位をpH毎に測定した。その結果を図1に示す。実施例1の炭素被覆シリコン材料は、pH4以上の水溶液中でマイナスのゼータ電位を示した。
(評価例2)
実施例1のリチウムイオン二次電池及び比較例1のリチウムイオン二次電池について、温度25℃、電流0.2mAで評価極の対極に対する電圧が0.01Vになるまで放電を行い、次いで温度25℃、電流0.2mAで評価極の対極に対する電圧が1Vになるまで充電を行った。この時の(充電容量/放電容量)×100を初期効率(%)として算出した。
さらに、各リチウムイオン二次電池について、温度25℃、電流0.2mAで評価極の対極に対する電圧が0.01Vになるまで放電を行い、10分後に温度25℃、電流0.2mAで評価極の対極に対する電圧が1Vになるまで充電を行い、そして、10分休止するというサイクルを、30サイクル繰り返した。そして、100×(30サイクル後の充電容量)/(1サイクル後の充電容量)の値を容量維持率として算出した。なお、評価例2では、評価極にLiを吸蔵させることを放電といい、評価極からLiを放出させることを充電という。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2016048628
実施例1のリチウムイオン二次電池は、比較例1のリチウムイオン二次電池よりも著しく優れた容量維持率を示したことがわかる。本発明の複合体のカチオン性ポリマー層が、内部の炭素被覆シリコン材料の膨張及び収縮を抑制し、新たなクラック部の発生を抑制したこと、及び、内部のシリコン材料と電解液との直接接触を抑制したことが示唆される。

Claims (5)

  1. シリコン材料と、
    該シリコン材料を覆う炭素層と、
    該炭素層を覆うカチオン性ポリマーを有するカチオン性ポリマー層と、
    を具備することを特徴とする複合体。
  2. 前記カチオン性ポリマーが、1級アミン、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウムカチオンのいずれかを有するポリマーである請求項1に記載の複合体。
  3. 前記カチオン性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリビニルピリジンから選択される請求項1又は2に記載の複合体。
  4. 前記シリコン材料が、ナノサイズのシリコン結晶子を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合体。
  5. 前記シリコン材料が、CaSiからCaを離脱させた層状シリコン化合物を300℃以上で加熱して得られるものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合体。
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