非ヒト動物の生殖細胞系列の改変によりコードされる、少なくとも1つのヒスチジン残基を含む免疫グロブリン可変ドメインを作製する遺伝子改変動物を作製するための組成物および方法であって、生殖細胞系列における改変が、重鎖Vセグメント、重鎖Dセグメント、または重鎖Jセグメントへのヒスチジンコドンの挿入、軽鎖Vセグメントまたは軽鎖Jセグメントへのヒスチジンコドンの挿入、再構成された軽鎖VJ遺伝子へのヒスチジンコドンの挿入、重鎖Vセグメント、重鎖Dセグメント、または重鎖Jセグメントにおける非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換、軽鎖Vセグメントまたは軽鎖Jセグメントにおける非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換、再構成された軽鎖VJ配列における非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換のうちの少なくとも1つを含む組成物および方法が提供される。
非ヒト動物の生殖細胞系列の免疫グロブリン配列にヒスチジンコドンのクラスターを導入するための組成物および方法もまた提供される。
免疫グロブリン遺伝子のN末端コード領域に、免疫グロブリン遺伝子のループ4コード領域に、免疫グロブリン遺伝子のCDRコード領域(例えば、再構成されたV(D)J配列、またはV遺伝子セグメント、(D)遺伝子セグメント、J遺伝子セグメント)に、ヒスチジンの挿入、または非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を導入するための組成物および方法もまた提供される。
免疫グロブリン重鎖遺伝子座および免疫グロブリン軽鎖遺伝子座の両方に、ヒスチジンコドンの挿入および/または非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む非ヒト動物の子孫を作製するための組成物および方法である。
一態様では、免疫グロブリン可変遺伝子座に、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換または挿入を含む、免疫グロブリン遺伝子座をその生殖細胞系列に含む、遺伝子改変された非ヒト動物である。一実施形態では、可変遺伝子座(例えば、再構成されていないV(D)Jセグメント遺伝子座)は、ヒト可変(V(D)Jセグメント)遺伝子座の少なくとも一部分を含む。
一実施形態では、遺伝子改変された非ヒト動物は、第一の可変遺伝子座(例えば、再構成されていない免疫グロブリン重鎖(V(D)Jセグメント遺伝子座)および第二の可変遺伝子座(例えば、再構成されていない免疫グロブリン軽鎖(Vセグメント遺伝子座、Jセグメント遺伝子座;または再構成された免疫グロブリン軽鎖VJ配列)をその生殖細胞系列に含む。
一実施形態では、非ヒト動物は、第一の可変遺伝子座および第二の可変遺伝子座を含み、少なくとも第一の可変遺伝子座または第二の可変遺伝子座は、少なくとも1つのヒスチジンコドンの挿入または少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む。
一実施形態では、第一の可変遺伝子座および第二の可変遺伝子座の両方が各々、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換または挿入を含む。
一実施形態では、第一の可変遺伝子座は、再構成されていない重鎖可変遺伝子座(再構成されていないVセグメント、Dセグメント、Jセグメント)の少なくとも機能性部分を含む。
一実施形態では、再構成されていない重鎖可変遺伝子座は、ヒト遺伝子座(再構成されていないVセグメント、Dセグメント、Jセグメント)の少なくとも一部分を含む。
一実施形態では、再構成されていない重鎖遺伝子座は、再構成されていないVセグメント、リンカーを含む合成Dセグメント、およびヒトJセグメントを含むヒト遺伝子座である。一実施形態では、合成Dセグメントは、少なくとも1つのヒスチジンコドンを含む。
一実施形態では、第二の可変遺伝子座は、再構成されていない軽鎖遺伝子座(再構成されていないVセグメント、Jセグメント)の少なくとも1つの機能性部分を含む。
一実施形態では、第二の可変遺伝子座は、再構成された免疫グロブリン軽鎖可変遺伝子配列(再構成されたVJ配列)を含む。
一実施形態では、非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換および/またはヒスチジンコドンの挿入は、可変ドメインをコードする核酸配列内においてであり、ヒスチジンは、免疫グロブリン鎖のN末端領域、免疫グロブリン鎖のループ4領域、重鎖のCDR1、重鎖のCDR2、重鎖のCDR3、軽鎖のCDR1、軽鎖のCDR2、軽鎖のCDR3、およびこれらの組合せから選択される領域にある。
一実施形態では、第一の可変遺伝子座または第二の可変遺伝子座の少なくとも1つは、内因性非ヒト免疫グロブリン遺伝子座において、内因性非ヒト定常領域の核酸配列に作動可能に連結されている。
一実施形態では、第一の可変遺伝子座(再構成されていないヒトVセグメント、ヒトDセグメント、ヒトJセグメント)は、内因性非ヒト免疫グロブリン重鎖定常領域の核酸配列に作動可能に連結されている。
一実施形態では、第一の可変遺伝子座(再構成されていないヒトVセグメント、ヒトDセグメント、ヒトJセグメント)は、内因性非ヒト免疫グロブリン遺伝子座において、内因性非ヒト免疫グロブリン重鎖定常領域の核酸配列に作動可能に連結されている。
一実施形態では、第二の可変遺伝子座(再構成されていないVセグメント、Jセグメント)は、内因性非ヒト免疫グロブリン軽鎖定常領域配列に作動可能に連結されている。
一実施形態では、内因性非ヒト免疫グロブリン軽鎖定常領域配列は、内因性非ヒト免疫グロブリン遺伝子座にある。
一実施形態では、可変領域配列は、非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換および/またはヒスチジンコドンの挿入である、2つ、3つ、4つ、または5つのヒスチジンによるクラスターを含む。
一実施形態では、再構成されていない重鎖遺伝子座は、重鎖遺伝子座の配向の方向に対して反転されたD遺伝子セグメントを含む。一実施形態では、反転されたDセグメントは、親水性のリーディングフレームにある。
一態様では、定常領域遺伝子配列に作動可能に連結された再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域の核酸配列(再構成されていないVセグメント、Dセグメント、Jセグメント)の少なくとも一部分であって、V遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJ遺伝子セグメントのうちの1つまたは複数が、少なくとも1カ所の非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換、または少なくとも1カ所のヒスチジンコドンの挿入を含む、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域の核酸配列の少なくとも一部分と;定常領域遺伝子配列に作動可能に連結された再構成されていないヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域の核酸配列(再構成されていないVセグメント、Jセグメント)の少なくとも一部分であって、V遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメントのうちの1つまたは複数が、少なくとも1カ所の非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換、または少なくとも1カ所のヒスチジンコドンの挿入を含む、再構成されていないヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域の核酸配列の少なくとも一部分とを含み、マウスの生殖細胞系列におけるヒスチジン置換またはヒスチジン挿入に由来するヒスチジンを含む、免疫グロブリン重鎖可変ドメインおよび/または免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを発現する、遺伝子改変された非ヒト動物が提供される。
一実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物である。一実施形態では、哺乳動物は、齧歯動物である。一実施形態では、齧歯動物は、マウス、ラット、およびハムスターからなる群から選択される。
一実施形態では、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域の核酸配列は、非ヒト定常領域配列に作動可能に連結されている。
一実施形態では、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域の核酸配列に作動可能に連結された非ヒト定常領域核酸配列は、非ヒト動物の生殖細胞系列における内因性非ヒト免疫グロブリン遺伝子座にある。
一実施形態では、再構成されていないヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域の核酸配列に作動可能に連結された非ヒト定常領域核酸配列は、非ヒト動物の生殖細胞系列における内因性非ヒト免疫グロブリン遺伝子座にある。
一態様では、定常領域遺伝子配列に作動可能に連結された再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域の核酸配列(再構成されていないVセグメント、Dセグメント、Jセグメント)の少なくとも一部分であって、再構成されていないV遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJ遺伝子セグメントのうちの1つまたは複数が、少なくとも1カ所の非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換、または少なくとも1カ所のヒスチジンコドンの挿入を含む、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域の核酸配列の少なくとも一部分と;軽鎖定常領域遺伝子配列に作動可能に連結された再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域の核酸配列(再構成されたVJ配列)の少なくとも一部分であって、再構成されたVJ配列が、少なくとも1カ所の非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換、または少なくとも1カ所のヒスチジンコドンの挿入を含む、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域の核酸配列の少なくとも一部分とを含み、マウスの生殖細胞系列におけるヒスチジン置換またはヒスチジン挿入に由来するヒスチジンを含む、免疫グロブリン重鎖可変ドメインおよび/または免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを発現する、遺伝子改変された非ヒト動物が提供される。
一実施形態では、遺伝子改変された非ヒト動物は、哺乳動物である。一実施形態では、哺乳動物は、齧歯動物である。一実施形態では、齧歯動物は、マウス、ラット、およびハムスターからなる群から選択される。
一実施形態では、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域の核酸配列は、非ヒト定常領域配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域の核酸配列に作動可能に連結された非ヒト定常領域配列は、非ヒト動物の生殖細胞系列における内因性非ヒト免疫グロブリン遺伝子座にある。一実施形態では、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域の核酸配列に作動可能に連結された非ヒト定常領域配列は、非ヒト動物の生殖細胞系列における内因性非ヒト免疫グロブリン遺伝子座にある。
一態様では、遺伝子改変された非ヒト動物であって、野生型の非ヒト動物と比較した、B細胞集団の免疫グロブリン重鎖におけるおよび免疫グロブリン軽鎖におけるヒスチジン残基の存在の増強を特徴とするB細胞集団を含む、遺伝子改変された非ヒト動物が提供される。一実施形態では、増強は、約2〜4倍である。一実施形態では、増強は、約2〜10倍である。
一態様では、非ヒト動物の生殖細胞系列の免疫グロブリン配列における置換および/または挿入によりコードされるヒスチジンを含む免疫グロブリン軽鎖および免疫グロブリン重鎖を発現する、遺伝子改変された非ヒト動物が提供される。
一態様では、生殖細胞系列のヒスチジンコドンによりコードされるヒスチジンを有する抗体可変ドメインを作製する非ヒト動物を作製するための方法であって、非ヒト動物をその生殖細胞系列内で、少なくとも1カ所のヒスチジンコドンによる非ヒスチジンコドンの置換またはヒスチジンコドンの挿入を、再構成されていない免疫グロブリン重鎖可変(再構成されていないVセグメント、Dセグメント、Jセグメント)遺伝子座に含むように改変するステップと;非ヒト動物をその生殖細胞系列において、少なくとも1カ所のヒスチジンコドンによる非ヒスチジンコドンの置換またはヒスチジンコドンの挿入を、再構成されていない免疫グロブリン軽鎖可変(再構成されていないVセグメント、Jセグメント)遺伝子座に含むように改変するステップとを含む方法が提供される。
一実施形態では、方法は、マウスの生殖細胞系列を、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変(Vセグメント、Dセグメント、Jセグメント)遺伝子座の少なくとも一部分を含むように遺伝子改変するステップと、ヒスチジン置換またはヒスチジン挿入を、再構成されていない免疫グロブリン重鎖可変(再構成されていないVセグメント、Dセグメント、Jセグメント)ヒト遺伝子座に施すステップとを含む。
一実施形態では、方法は、マウスの生殖細胞系列を、再構成されていないヒト免疫グロブリン軽鎖(再構成されていないVセグメント、Jセグメント)遺伝子座の少なくとも一部分を含むように遺伝子改変するステップと、ヒスチジン置換またはヒスチジン挿入を、再構成されていないヒト免疫グロブリン軽鎖遺伝子座に施すステップとを含む。
方法の一実施形態では、非ヒト動物は、齧歯動物である。一実施形態では、齧歯動物は、マウス、ラット、およびハムスターから選択される。
一態様では、生殖細胞系列のヒスチジンコドンによりコードされるヒスチジンを有する抗体可変ドメインを作製する非ヒト動物を作製するための方法であって、非ヒト動物を、少なくとも1カ所のヒスチジンコドンによる非ヒスチジンコドンの置換またはヒスチジンコドンの挿入を、再構成されていない免疫グロブリン重鎖可変(再構成されていないVセグメント、Dセグメント、Jセグメント)遺伝子座に含むように改変するステップと;非ヒト動物を、生殖細胞系列における再構成された免疫グロブリン軽鎖可変配列(再構成されたVJ配列)に、少なくとも1カ所のヒスチジンコドンによる非ヒスチジンコドンの置換またはヒスチジンコドンの挿入を含むように改変するステップとを含む方法が提供される。
方法の一実施形態では、非ヒト動物は、齧歯動物である。一実施形態では、齧歯動物は、マウス、ラット、およびハムスターから選択される。
様々な態様および実施形態では、多能性細胞または全能性細胞(例えば、胚性幹(ES)細胞)を遺伝子改変し、遺伝子改変細胞をドナー細胞として、宿主胚と共に、代理母体内で使用して、遺伝子改変ドナー細胞に由来する動物を懐胎させることにより、非ヒト動物を遺伝子改変する。様々な態様および実施形態では、当技術分野で公知の他の任意の方法により、非ヒト動物を遺伝子改変する。
pH依存性の抗原結合を示す抗体可変ドメインを作製するための方法および組成物が提供される。低(例えば、エンドソームの)pHでは、標的抗原に低い親和性で結合し、高(例えば、細胞外の)または中性pHでは、同じ標的抗原に高い親和性で結合する、改変された抗原結合タンパク質、ならびにそれらを作製するための組成物および方法が提供される。
一態様では、pH依存性結合を示す抗体を作製するための方法であって、抗体の可変ドメインの配列を、ヒスチジン残基を付加するか、もしくは既存の残基をヒスチジン残基で置換するか、ヒスチジン改変された可変ドメインを形成するように改変するステップを含む方法が提供される。一実施形態では、置換は、抗原への結合(例えば、中性pHまたは細胞外pHにおける)にそれほど重要でない残基の置換である。
一実施形態では、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ以上の残基を、ヒスチジンへと置換する。一実施形態では、ヒスチジンへと置換された2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ以上の残基はクラスターをなす。一実施形態では、クラスターは、2カ所以上の連続のヒスチジン置換を含む。一実施形態では、クラスターは、1つまたは複数の非ヒスチジン残基で隔てられた2カ所以上のヒスチジン置換を含む。一実施形態では、クラスターは、2、3、4、5、6、7、8、9、または10残基の長さであり、抗原への結合(例えば、中性pHまたは細胞外pHにおける)にそれほど重要でない全ての残基を、ヒスチジンへと改変する。
一実施形態では、可変ドメインは、軽鎖可変ドメイン(例えば、κまたはλ)である。一実施形態では、可変ドメインは、重鎖可変ドメインにある。一実施形態では、軽鎖可変ドメインおよび重鎖可変ドメインの配列を改変する。
一実施形態では、可変ドメインの配列は、CDR配列である。一実施形態では、CDR配列は、重鎖のCDR配列である。一実施形態では、CDR配列は、軽鎖のCDR配列である。一実施形態では、CDR配列は、重鎖のCDR配列および軽鎖のCDR配列である。
一実施形態では、CDR配列は、CDR3配列である。一実施形態では、CDR配列は、CDR2配列である。一実施形態では、CDR配列は、CDR3配列である。
一実施形態では、CDR配列は、軽鎖のCDR1、CDR2、および/またはCDR3配列である。一実施形態では、CDR配列は、重鎖のCDR1、CDR2、および/またはCDR3配列である。
一実施形態では、抗体の可変ドメインの配列は、ループ4配列である。一実施形態では、ループ4配列は、重鎖のループ4配列である。一実施形態では、ループ4配列は、軽鎖のループ4配列である。
一実施形態では、抗体の可変ドメインの配列は、N末端配列である。一実施形態では、N末端配列は、重鎖のN末端配列である。一実施形態では、N末端配列は、軽鎖のN末端配列である。
一実施形態では、抗体の可変ドメインの配列は、重鎖のCDR配列、軽鎖のCDR配列、重鎖のループ4配列、軽鎖のループ4配列、重鎖のN末端配列、軽鎖のN末端配列、およびこれらの組合せから選択される。
一実施形態では、可変ドメインは、重鎖からの可変ドメインであり、可変ドメインの配列は、第一のCDR配列、ならびにN末端配列、ループ4配列、第二のCDR配列、第三のCDR配列、およびこれらの組合せから選択される配列を含む。具体的な実施形態では、第一のCDR配列は、CDR3であり、可変ドメインの配列は、N末端配列、ループ4配列、CDR2配列、CDR1配列、およびこれらの組合せから選択される配列をさらに含む。
一実施形態では、ヒスチジン改変された可変ドメインは、重鎖からの可変ドメインであり、ヒスチジン改変は、ループ4配列に、ならびにCDR1またはCDR2またはCDR3、N末端配列、およびこれらの組合せから選択される配列にある。具体的な実施形態では、ヒスチジン改変は、ループ4配列におよびCDR3配列にある。具体的な実施形態では、ヒスチジン改変は、ループ4配列におよびCDR3配列におよびN末端配列にある。具体的な実施形態では、ヒスチジン改変は、ループ4配列におよびN末端配列にある。
一態様では、本明細書で記載される、hisで改変した免疫グロブリン可変ドメインであって、目的の抗原に結合しないか、または6未満のpHでは、目的の抗原に第一の親和性で結合し、約7以上のpHでは、同じ目的の抗原に第二の親和性で結合する、hisで改変した免疫グロブリン可変ドメインが提供される。一実施形態では、第一のpHは、5.5未満または5未満である。一実施形態では、第一のpHは、5.75である。一実施形態では、第二のpHは、約7以上である。一実施形態では、第二のpHは、ヒト細胞の外のpHである。一実施形態では、第二のpHは、7.2〜7.4である。具体的な実施形態では、第二のpHは、7.2である。
一実施形態では、hisで改変した可変ドメインは、1、2、3、4、5、または6カ所以上のヒスチジン置換を、CDR、N末端、ループ4、およびこれらの組合せから選択される配列に含む。具体的な実施形態では、hisで改変した可変ドメインはCDR3における改変を含む。一実施形態では、hisで改変した可変ドメインは、重鎖におけるCDR3の改変、軽鎖におけるCDR3の改変、およびこれらの組合せから選択される改変を含む。一実施形態では、hisで改変した可変ドメインは、少なくとも1カ所の置換をCDR(例えば、CDR3)に含み、少なくとも1カ所の置換を、N末端、ループ4、およびこれらの組合せから選択される配列に含む。
一実施形態では、CDRは、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
一実施形態では、少なくとも1つのCDRは、軽鎖CDR3を含む。一実施形態では、少なくとも1つのCDRは、軽鎖CDR3および重鎖CDR3を含む。
一実施形態では、hisで改変した免疫グロブリン可変ドメインは、目的の抗原に、中性pHまたは塩基性pH(例えば、pH7〜7.4)では、約10−6以下(例えば、10−7、10−8、10−9、10−10、10−11、10−12)のKDで結合し、hisで改変した免疫グロブリン可変ドメインは、非抗原結合性のアミノ酸残基の全てがヒスチジンで置換されているCDR1を含むか、またはヒスチジン置換のクラスターを含むCDR1を含む。一実施形態では、可変ドメインは、酸性pH(例えば、pH5〜6、一実施形態では、pH6)では、目的の抗原に結合しないか、または目的の抗原に、102〜106倍弱く結合する。
一実施形態では、hisで改変した免疫グロブリン可変ドメインは、目的の抗原に、中性pHまたは塩基性pH(例えば、pH7〜7.4)では、約10−6以下(例えば、10−7、10−8、10−9、10−10、10−11、10−12)のKDで結合し、hisで改変した免疫グロブリン可変ドメインは、非抗原結合性のアミノ酸残基の全てがヒスチジンで置換されているCDR2を含むか、またはヒスチジン置換のクラスターを含むCDR2を含む。一実施形態では、可変ドメインは、酸性pH(例えば、pH5〜6、一実施形態では、pH6)では、目的の抗原に結合しないか、または目的の抗原に、102〜106倍弱く結合する。
一実施形態では、hisで改変した免疫グロブリン可変ドメインは、目的の抗原に、中性pHまたは塩基性pH(例えば、pH7〜7.4)では、約10−6以下(例えば、10−7、10−8、10−9、10−10、10−11、10−12)のKDで結合し、hisで改変した免疫グロブリン可変ドメインは、非抗原結合性のアミノ酸残基の全てがヒスチジンで置換されているCDR3を含むか、またはヒスチジン置換のクラスターを含むCDR3を含む。一実施形態では、可変ドメインは、酸性pH(例えば、pH5〜6、一実施形態では、pH6)では、目的の抗原に結合しないか、または目的の抗原に、102〜106倍弱く結合する。
一態様では、hisで改変したドメインを含むヒト抗原結合ポリペプチドを作製するための方法であって、本明細書で記載される免疫グロブリン可変ドメインヌクレオチド配列を、1つまたは複数のヒスチジンをコードするように改変して、hisで改変したドメインをコードする核酸配列を形成するステップと、hisで改変したドメインをコードする核酸配列をヒト免疫グロブリン配列へと融合させる(直接またはリンカーにより)ステップとを含む方法が提供される。
一実施形態では、ヒト免疫グロブリン配列は、免疫グロブリン定常ドメイン配列である。具体的な実施形態では、ヒト免疫グロブリン定常ドメイン配列は、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードする。
一態様では、本明細書で記載される通りに改変される、hisで改変した可変ドメインを発現する細胞が提供される。一実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞である。一実施形態では、細胞は、HeLa細胞、DU145細胞、Lncap細胞、MCF−7細胞、MDA−MB−438細胞、PC3細胞、T47D細胞、THP−1細胞、U87細胞、SHSY5Y(ヒト神経芽細胞腫)細胞、Saos−2細胞、Vero細胞、CHO細胞、GH3細胞、PC12細胞、ヒト網膜細胞(例えば、PERC.6(商標)細胞)、およびMC3T3細胞から選択される。具体的な実施形態では、細胞は、CHO細胞である。
一態様では、本明細書で記載される、hisで改変した免疫グロブリン可変ドメインであって、5〜6(例えば、5.75)のpHでは、目的の抗原に結合しないか、または目的の抗原に第一の親和性で結合し、7〜7.4(例えば、7.2)のpHでは、同じ目的の抗原に第二の親和性で結合し、少なくとも1つのCDRが2カ所以上のヒスチジン置換を含み、少なくとも1つの非CDR配列が1カ所または複数カ所のヒスチジン置換を含み、少なくとも1つの非CDR配列がN末端配列、ループ4配列、およびこれらの組合せから選択されるhisで改変した免疫グロブリン可変ドメインが提供される。
一実施形態では、第一の親和性は、結合しないこと、または10−6以上(例えば、10−3)のKDを特徴とし、第二の親和性は、第一の親和性の少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも102倍、少なくとも103倍、少なくとも104倍、少なくとも105倍、または少なくとも106倍の強さであることとして特徴付けられる。
一実施形態では、非CDR配列は、少なくとも1つのCDR配列と同じポリペプチド上にある。一実施形態では、非CDR配列は、少なくとも1つのCDR配列と異なるポリペプチド上にある。
一実施形態では、少なくとも1つのCDRは、重鎖および/または軽鎖のCDR3であり、CDR3は、非抗原結合アミノ酸残基の少なくとも半分のヒスチジンへの置換を含む。具体的な実施形態では、CDR3の非抗原結合アミノ酸残基のうちの全てを、ヒスチジンへと置換する。
一実施形態では、少なくとも1つのCDRは重鎖および/または軽鎖のCDR3であり、CDR3は3つ以上の非抗原結合アミノ酸残基のヒスチジンへの置換を含む。一実施形態では、非抗原結合アミノ酸残基のうちの4つ以上をヒスチジンへと置換する。
一実施形態では、少なくとも1つのCDRは重鎖および/または軽鎖のCDR3であり、CDR3は2つ以上の連続的な非抗原結合アミノ酸残基のヒスチジンへの置換を含む。一実施形態では、CDR3は3つ以上の連続的な非抗原結合アミノ酸残基のヒスチジンへの置換を含む。
一実施形態では、少なくとも1つのCDRは、軽鎖および/または重鎖のCDR3であり、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、およびこれらの組合せから選択されるCDRをさらに含む。
一実施形態では、少なくとも1つのCDRは、軽鎖および/または重鎖のCDR3であり、重鎖CDR1、重鎖CDR2、およびこれらの組合せから選択されるCDRをさらに含む。
一実施形態では、CDRは、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
一実施形態では、少なくとも1つのCDRは軽鎖CDR3を含む。一実施形態では、少なくとも1つのCDRは軽鎖CDR3および重鎖CDR3を含む。
一実施形態では、少なくとも1つのCDRは軽鎖および/または重鎖のCDR3であり、少なくとも1つの非CDR配列はループ4配列であり、ループ4配列は1カ所または複数カ所のヒスチジン置換を含む。
一実施形態では、少なくとも1つのCDRは軽鎖および/または重鎖のCDR3であり、少なくとも1つの非CDR配列はN末端配列であり、N末端配列は1カ所または複数カ所のヒスチジン置換を含む。
一実施形態では、少なくとも1つのCDRは軽鎖のCDR3であり、少なくとも1つの非CDR配列は、1カ所または複数カ所のヒスチジン置換を有するN末端配列、および1カ所または複数カ所のヒスチジン置換を有するループ4配列を含む。
一実施形態では、少なくとも1つのCDRは重鎖のCDR3であり、少なくとも1つの非CDR配列は、1カ所または複数カ所のヒスチジン置換を有するN末端配列、および1カ所または複数カ所のヒスチジン置換を有するループ4配列を含む。
一実施形態では、hisで改変した免疫グロブリン可変ドメインは、目的の抗原に、pH7〜7.4(例えば、pH7.2)では、約10−7以下(例えば、10−8、10−9、10−10、10−11、10−12)のKDで結合し、hisで改変した免疫グロブリン可変ドメインは、非抗原結合性のアミノ酸残基の全てがヒスチジンで置換されているCDR1を含む。
一実施形態では、hisで改変した免疫グロブリン可変ドメインは、目的の抗原に、pH7〜7.4(例えば、pH7.2)では、約10−7以下(例えば、10−8、10−9、10−10、10−11、10−12)のKDで結合し、hisで改変した免疫グロブリン可変ドメインは、非抗原結合性のアミノ酸残基の全てがヒスチジンで置換されているCDR2を含む。
一実施形態では、hisで改変した免疫グロブリン可変ドメインは、目的の抗原に、pH7〜7.4(例えば、pH7.2)では、約10−7以下(例えば、10−8、10−9、10−10、10−11、10−12)のKDで結合し、hisで改変した免疫グロブリン可変ドメインは、非抗原結合性のアミノ酸残基の全てがヒスチジンで置換されているCDR3を含む。
一態様では、本明細書で記載される方法の、ヒト疾患または障害を処置するための医薬の製造における使用が提供される。一実施形態では、医薬は、抗体である。具体的な実施形態では、抗体は、ヒト抗体である。
一態様では、本明細書で記載される、hisで改変した可変ドメインの、ヒト疾患または障害を処置するための医薬の製造における使用が提供される。一実施形態では、医薬は、抗体である。具体的な実施形態では、抗体は、ヒト抗体である。
一態様では、本明細書で記載される方法またはhisで改変した可変ドメインの、ヒト疾患または障害を処置するための医薬の製造における使用であって、医薬が、抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、scFv、二重特異性scFv、ダイアボディー、トリアボディー、テトラボディー、V−NAR、VHH、VL、F(ab)、F(ab)2、DVD(すなわち、二重可変ドメイン抗原結合タンパク質)、SVD(すなわち、単一可変ドメイン抗原結合タンパク質)、または二重特異性T細胞エンゲージャー(すなわち、BiTE)から選択される抗原結合タンパク質を含む使用が提供される。
一態様では、本明細書で記載される方法であって、重鎖および/または軽鎖のhisで改変した可変領域配列をヒト重鎖定常領域配列およびヒト軽鎖定常領域配列へと融合させ(直接またはリンカーを介して)て、融合配列を形成するステップと、融合配列を細胞内で発現させるステップと、融合配列を含む発現させた抗原結合タンパク質を回収するステップとをさらに含む方法を使用して、ヒト抗原結合タンパク質を作製するための重鎖可変領域配列およびκ軽鎖可変領域配列またはλ軽鎖可変領域配列を生成する。様々な実施形態では、ヒト重鎖定常領域は、IgM、IgD、IgA、IgE、およびIgGから選択される。様々な具体的な実施形態では、IgGは、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4から選択される。様々な実施形態では、ヒト重鎖定常領域は、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、CH4、およびこれらの組合せを含む配列から選択される。具体的な実施形態では、組合せは、CH1、ヒンジ、CH2、およびCH3である。具体的な実施形態では、組合せは、CH1、CH2、およびCH3である。具体的な実施形態では、組合せは、ヒンジ、CH2、およびCH3である。具体的な実施形態では、組合せは、ヒンジ、CH2、およびCH3である。
一態様では、中性pHでは、標的抗原に結合するが、酸性pH(例えば、pH5.0〜6.0)では、同じ抗原の結合の低減を示す抗体または抗体可変ドメインを生成するための生物学的系が提供される。生物学的系は、1つまたは複数のヒスチジン改変を含む、再構成された軽鎖配列(例えば、再構成されたV−J)を有する非ヒト動物、例えば、齧歯動物(例えば、マウスまたはラット)を含む。様々な態様では、1つまたは複数のヒスチジン改変は、軽鎖CDR3コドンにおいてである。様々な態様では、非ヒト動物は、ヒト重鎖免疫グロブリン遺伝子座またはヒト化重鎖免疫グロブリン遺伝子座を含む。様々な態様では、非ヒト動物は、内因性非ヒト重鎖可変遺伝子セグメントの、1つまたは複数のヒト重鎖VHセグメント、ヒト重鎖DHセグメント、およびヒト重鎖JHセグメントによる置きかえを含み、ここで、ヒトセグメントは、非ヒト免疫グロブリン定常領域に作動可能に連結されている。様々な態様では、非ヒスチジン残基のヒスチジン残基による置換を有する軽鎖可変ドメインを含む、ユニバーサル軽鎖を有する非ヒト動物が提供される。様々な態様では、これらのヒスチジン改変ユニバーサル軽鎖非ヒト動物(例えば、齧歯動物、例えば、マウス)を、ヒスチジン−ユニバーサル軽鎖マウス、ヒスチジン−ULCマウス、またはHULCマウスと称する。
したがって、一態様では、ヒトVLセグメント配列およびヒトJLセグメント配列を含む、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域遺伝子配列を含む、免疫グロブリン軽鎖遺伝子座をその生殖細胞系列内に含む、遺伝子改変された非ヒト動物であって、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域配列が、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む、遺伝子改変された非ヒト動物が本明細書において提供される。一実施形態では、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン可変領域配列を、免疫グロブリン軽鎖定常領域遺伝子配列に作動可能に連結する。一実施形態では、免疫グロブリン軽鎖定常領域遺伝子配列は、非ヒト免疫グロブリン軽鎖定常領域遺伝子配列である。一実施形態では、非ヒト免疫グロブリン軽鎖定常領域遺伝子配列は、内因性免疫グロブリン軽鎖定常領域遺伝子配列である。一実施形態では、非ヒト動物は、機能的な、再構成されていない免疫グロブリン軽鎖可変領域を欠く。一実施形態では、免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、内因性非ヒト免疫グロブリン軽鎖遺伝子座にある。
一実施形態では、動物は、免疫グロブリン重鎖定常領域遺伝子配列に作動可能に連結された、ヒトVHセグメント、ヒトDHセグメント、およびヒトJHセグメントを含む、再構成されていない免疫グロブリン重鎖可変領域遺伝子配列を含む、免疫グロブリン重鎖遺伝子座を、その生殖細胞系列内にさらに含む。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域遺伝子配列は、非ヒト重鎖定常領域遺伝子配列である。一実施形態では、非ヒト重鎖定常領域遺伝子配列は、内因性免疫グロブリン重鎖定常領域遺伝子配列である。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖遺伝子座は、内因性免疫グロブリン重鎖遺伝子座にある。
一実施形態では、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換が、相補性決定領域(CDR)をコードするヌクレオチド配列内にある。一実施形態では、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換が、CDR3をコードするヌクレオチド配列内にある。一実施形態では、置換は、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ超のCDR3コドンの置換である。一態様では、免疫グロブリン軽鎖遺伝子座に含まれる、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域配列は、ヒトVκ1−39遺伝子セグメントまたはVκ3−20遺伝子セグメントに由来する。一実施形態では、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域は、再構成されたVκ1−39/Jκ5遺伝子配列またはVκ3−20/Jκ1遺伝子配列に由来する。一実施形態では、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域は、再構成されたVκ1−39/Jκ5遺伝子配列に由来し、Vκ1−39/Jκ5遺伝子配列は、105、106、108、111位、およびこれらの組合せから選択される位置においてヒスチジンを発現するようにデザインされた、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置きかえを含む。別の実施形態では、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域は、再構成されたVκ3−20/Jκ1遺伝子配列に由来し、Vκ3−20/Jκ1遺伝子配列は、105、106、107、109位、およびこれらの組合せから選択される位置においてヒスチジンを発現するようにデザインされた、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置きかえを含む。
一態様では、本明細書に記載されている非ヒト動物は、目的の抗原に応答するB細胞集団であって、中性pHと比較して、酸性pHにおける解離半減期(t1/2)が少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、または少なくとも約30倍の短縮を示す抗体が富化されたB細胞集団を含む。一実施形態では、中性pHと比較して、酸性pHにおけるt1/2の短縮は、約30倍以上である。
一実施形態では、動物は、免疫グロブリン軽鎖可変領域遺伝子配列内で置換された少なくとも1つのコドンによりコードされるアミノ酸位置において、少なくとも1つの非ヒスチジン残基のヒスチジン残基による置換を有する、ヒト免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含む抗体を発現する。一実施形態では、動物は、体細胞超変異にもかかわらず、発現するヒト免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン内に、少なくとも1つの非ヒスチジン残基のヒスチジン残基による置換を保持する抗体を発現する。
一実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物である。一実施形態では、哺乳動物は、齧歯動物、例えば、ラットまたはマウスである。一実施形態では、非ヒト動物は、マウスである。したがって、一態様では、ヒトVLセグメント配列およびヒトJLセグメント配列を含む、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域遺伝子配列を含む、免疫グロブリン軽鎖遺伝子座をその生殖細胞系列内に含む遺伝子改変マウスであって、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域配列が、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンによる置換を含む遺伝子改変マウスもまた本明細書において提供される。一実施形態では、マウスは、機能的な、再構成されていない免疫グロブリン軽鎖可変領域を欠く。
一実施形態では、マウスの生殖細胞系列内の、単一の、再構成された免疫グロブリン軽鎖可変領域遺伝子配列を、免疫グロブリン軽鎖定常領域遺伝子配列に作動可能に連結する。一実施形態では、免疫グロブリン軽鎖定常領域遺伝子配列は、ラットまたはマウスの免疫グロブリン軽鎖定常領域遺伝子配列から選択される。一実施形態では、免疫グロブリン軽鎖定常領域遺伝子配列は、マウス配列である。一実施形態では、免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、内因性マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座にある。
さらなる実施形態では、マウスはまた、免疫グロブリン重鎖定常領域遺伝子配列に作動可能に連結された、ヒトVHセグメント、ヒトDHセグメント、およびヒトJHセグメントを含む、再構成されていない免疫グロブリン重鎖可変領域配列を含む、免疫グロブリン重鎖遺伝子座もその生殖細胞系列内に含む。一態様では、免疫グロブリン重鎖定常領域遺伝子配列は、ラットまたはマウスの重鎖定常領域遺伝子配列である。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖定常領域遺伝子配列は、マウス配列である。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖遺伝子座は、内因性マウス免疫グロブリン重鎖遺伝子座にある。
一態様では、マウスは、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含み、ここで、置換は、CDRをコードするヌクレオチド配列内にある。一実施形態では、置換は、CDR3コドン、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ超のCDR3コドンにある。一実施形態では、マウスの免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、ヒトVκ1−39遺伝子セグメントまたはヒトVκ3−20遺伝子セグメントに由来する、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域配列を含み、例えば、単一の、再構成された免疫グロブリン軽鎖可変領域配列は、再構成されたVκ1−39/Jκ5遺伝子配列またはVκ3−20/Jκ1遺伝子配列に由来する。一実施形態では、単一の、再構成された免疫グロブリン軽鎖可変領域配列は、再構成されたVκ1−39/Jκ5遺伝子配列に由来し、Vκ1−39/Jκ5配列は、105、106、108、111位、およびこれらの組合せから選択される位置においてヒスチジンを発現するようにデザインされた、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置きかえを含む。一実施形態では、このような置きかえを、105、106、108、および111位においてヒスチジンで置きかえるようにデザインする。別の実施形態では、このような置きかえを、106、108、および111位においてヒスチジンで置きかえるようにデザインする。
別の実施形態では、単一の、再構成された免疫グロブリン軽鎖可変領域配列は、再構成されたVκ3−20/Jκ1遺伝子配列に由来し、Vκ3−20/Jκ1配列は、105、106、107、109位、およびこれらの組合せから選択される位置においてヒスチジンを発現するようにデザインされた、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置きかえを含む。一実施形態では、このような置きかえを、105、106、107、および109位においてヒスチジンで置きかえるようにデザインする。別の実施形態では、このような置きかえを、105、106、および109位においてヒスチジンで置きかえるようにデザインする。
一実施形態では、本明細書に記載されているマウスは、目的の抗原に応答するB細胞集団であって中性pHと比較して、酸性pHでの解離半減期(t1/2)が少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、または少なくとも約30分倍の短縮を示す抗体が富化されたB細胞集団を含む。一実施形態では、中性pHと比較して、酸性pHにおけるt1/2の短縮は約30倍以上である。
一実施形態では、本明細書に記載されているマウスは、目的の抗原に応答する抗原特異的抗体の集団を発現し、ここで、全ての抗体は、(a)少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む、同じ、単一の、再構成されたヒト軽鎖可変領域遺伝子配列に由来する免疫グロブリン軽鎖可変ドメインと、(b)ヒト重鎖Vセグメント、ヒト重鎖Dセグメント、およびヒト重鎖Jセグメントのレパートリーに由来する重鎖可変ドメインを含む免疫グロブリン重鎖とを含む。
本明細書では、ヒトVLセグメント配列およびヒトJLセグメント配列を含む、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域遺伝子配列を含む非ヒト遺伝子座、例えば、マウス遺伝子座であって、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域遺伝子配列が、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む非ヒト遺伝子座もまた提供される。一実施形態では、遺伝子座は、非ヒト動物の生殖細胞系列内に含まれる。一実施形態では、遺伝子座は、ヒトVκ1−39遺伝子セグメントまたはヒトVκ3−20遺伝子セグメントに由来する、例えば、再構成されたVκ1−39/Jκ5遺伝子配列またはVκ3−20/Jκ1遺伝子配列に由来する、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域遺伝子配列を含む。遺伝子座内に存在する、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域遺伝子配列が、再構成されたVκ1−39/Jκ5配列に由来する一実施形態では、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を、105、106、108、111位、およびこれらの組合せから選択される位置においてヒスチジンを発現するようにデザインする。遺伝子座内に存在する、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域遺伝子配列が、再構成されたVκ3−20/Jκ1配列に由来する別の実施形態では、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を、105、106、107、109位、およびこれらの組合せから選択される位置においてヒスチジンを発現するようにデザインする。様々な実施形態では、本明細書に記載されている非ヒト遺伝子座は、遺伝子改変された非ヒト動物を作製するための、下記で記載される方法を用いて生成することができる。
さらに別の態様では、遺伝子改変された免疫グロブリン軽鎖遺伝子座をその生殖細胞系列内に含む非ヒト動物を作製するための方法であって、非ヒト動物のゲノムを改変して、免疫グロブリン軽鎖遺伝子座内の、内因性免疫グロブリンの軽鎖Vセグメントおよび軽鎖Jセグメントを欠失させるか、または非機能的にするステップと、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む、単一の、再構成されたヒト軽鎖可変領域遺伝子配列をゲノムに配置するステップとを含む方法が本明細書において提供される。一実施形態では、このような方法は、目的の抗原へのpH依存性結合を示す抗体が富化されたB細胞集団を含む、遺伝子改変された非ヒト動物を結果としてもたらす。一実施形態では、ゲノムに配置される、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域配列は、ヒトVκ1−39またはヒトVκ3−20、例えば、再構成されたVκ1−39/Jκ5遺伝子配列またはVκ3−20/Jκ1遺伝子配列に由来する。したがって、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域配列が、再構成されたVκ1−39/Jκ5に由来する実施形態では、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を、105、106、108、111位、およびこれらの組合せから選択される位置においてヒスチジンを発現するようにデザインする。単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域配列が、再構成されたVκ3−20/Jκ1に由来する実施形態では、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換が、105、106、107、109位、およびこれらの組合せから選択される位置においてヒスチジンを発現するようにデザインする。
別の態様では、目的の抗原へのpH依存性結合を示す抗体を生成する方法であって、(a)本明細書に記載されているマウス(例えば、ヒトVLセグメント配列およびヒトJLセグメント配列を含む、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域配列を含み、その再構成された軽鎖可変領域配列内に、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む、免疫グロブリン軽鎖遺伝子座をその生殖細胞系列内に含むマウス)を生成するステップと、(b)マウスを目的の抗原で免疫するステップと、(c)中性pHでは、目的の抗原に所望の親和性で結合するが、酸性pHでは、抗原への結合の低減を提示する抗体を選択するステップとを含む方法が本明細書において提供される。一実施形態では、方法は、酸性pHおよび37℃で、約2分間以下のt1/2を示す抗体の生成を結果としてもたらす。一実施形態では、方法は、中性pHと比較して、酸性pHにおける解離半減期(t1/2)が少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、または少なくとも約30倍の短縮を提示する抗体の生成を結果としてもたらす。
他の態様では、目的の抗原へのpH依存性結合を示す抗体を生成するさらなる方法が本明細書において提供される。1つのこのような方法は、(a)目的の抗原に所望の親和性で結合する第一の抗体を選択するステップと、(b)第一の抗体の免疫グロブリン軽鎖ヌクレオチド配列を、少なくとも1つの非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含むように改変するステップと、(c)第一の抗体の免疫グロブリン重鎖および改変された免疫グロブリン軽鎖を細胞内で発現させるステップと、(d)細胞内で発現した第二の抗体であって、中性pHでは、目的の抗原に対する所望の親和性を保持し、酸性pHでは、目的の抗原への結合の低減を提示する第二の抗体を選択するステップとを含む。一実施形態では、第一の抗体の免疫グロブリン軽鎖ヌクレオチド配列は、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域配列を含む。一実施形態では、第一の抗体を、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域配列に由来する免疫グロブリン軽鎖配列を含む非ヒト動物、例えば、マウスにおいて生成し、免疫グロブリン軽鎖の改変を、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン可変領域配列内に施す。一実施形態では、第一の抗体を、ヒトVHセグメント、ヒトDHセグメント、およびヒトJHセグメントのレパートリーに由来する免疫グロブリン重鎖配列をさらに含む非ヒト動物、例えば、マウスにおいて生成する。一実施形態では、単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域配列は、Vκ1−39/Jκ5遺伝子配列およびVκ3−20/Jκ1遺伝子配列から選択される。単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域配列が、Vκ1−39/Jκ5である実施形態では、第一の抗体の免疫グロブリン軽鎖ヌクレオチド配列内の改変を、105、106、108、111位、およびこれらの組合せから選択される位置でCDR3コドンにおいて施す。単一の、再構成されたヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域配列が、Vκ3−20/Jκ1である実施形態では、第一の抗体の免疫グロブリン軽鎖ヌクレオチド配列内の改変を、105、106、107、109位、およびこれらの組合せから選択される位置でCDR3コドンにおいて施す。
一実施形態では、本明細書に記載されている、目的の抗原へのpH依存性結合を示す抗体を生成する方法は、中性pHと比較して、酸性pHにおける解離半減期(t1/2)が少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、または少なくとも約30倍の短縮を提示する抗体を結果としてもたらす。一実施形態では、抗体を生成する方法は、酸性pHおよび37℃で、約2分間以下のt1/2を示す抗体を結果としてもたらす。
非ヒト動物の生殖細胞系列ゲノムにおける、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座であって、遺伝子改変された、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列(例えば、1つまたは複数の遺伝子改変されたヒトVH遺伝子セグメント、ヒトD遺伝子セグメント、および/またはヒトJH遺伝子セグメント)を含み、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、少なくとも1つのヒスチジンコドンの付加または少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む免疫グロブリン重鎖遺伝子座が提供される。様々な実施形態では、遺伝子改変された、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、免疫グロブリン重鎖可変ドメインをコードする少なくとも1つのリーディングフレームに少なくとも1つのヒスチジンコドンを含む。様々な実施形態では、少なくとも1つのヒスチジンコドンを含む、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列(例えば、IgM、IgD、IgA、IgE、およびIgGから選択される免疫グロブリンアイソタイプをコードする、重鎖定常領域のヌクレオチド配列)に作動可能に連結されている。
免疫グロブリン重鎖のゲノム遺伝子座を、それらの生殖細胞系列ゲノムに含有するように遺伝子操作された非ヒト動物(哺乳動物、例えば、マウス、ラット、またはハムスターなどの齧歯動物)であって、ゲノム遺伝子座が、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列(例えば、1つまたは複数の遺伝子改変されたヒトVH遺伝子セグメント、ヒトD遺伝子セグメント、および/またはヒトJH遺伝子セグメント)を含み、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、少なくとも1つのヒスチジンコドンの付加または少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む非ヒト動物が提供される。様々な実施形態では、非ヒト動物のゲノムは、(i)内因性免疫グロブリンのVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、および/またはJH遺伝子セグメントの全てまたは実質的に全てを欠失させるか、または非機能性にする(例えば、免疫グロブリン遺伝子座内にヌクレオチド配列、例えば、外因性ヌクレオチド配列の挿入を介して、または内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、および/もしくはJH遺伝子セグメントの非機能性の再構成もしくは反転を介して)改変;ならびに(ii)再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列(例えば、遺伝子改変されたヒトVH遺伝子セグメント、ヒトD遺伝子セグメント、またはヒトJH遺伝子セグメント)を導入する改変であって、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、少なくとも1つのヒスチジンコドンの付加または少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む改変を含む。様々な実施形態では、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、内因性遺伝子座に存在する(すなわち、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリンの重鎖遺伝子座と異なる遺伝子座に)存在するか、またはその内因性の遺伝子座内に存在する(例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。様々な実施形態では、免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列(例えば、IgM、IgD、IgA、IgE、およびIgGから選択される免疫グロブリンアイソタイプをコードする、重鎖定常領域のヌクレオチド配列)に作動可能に連結されている。
1つまたは複数のヒスチジンを含む、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖可変ドメインを発現させることが可能な、遺伝子改変された非ヒト動物であって、1つまたは複数のヒスチジンが、対応する野生型非ヒト動物の生殖細胞系列遺伝子セグメントによりコードされない非ヒト動物が提供される。
対応する野生型非ヒト動物の生殖細胞系列遺伝子セグメントによりコードされない、1つまたは複数のヒスチジンを有する免疫グロブリン重鎖可変ドメインをコードする、再構成された免疫グロブリン重鎖可変遺伝子を特徴とするB細胞集団を含む、遺伝子改変された非ヒト動物が提供される。
重鎖可変ドメインをコードする少なくとも1つのリーディングフレームに1つまたは複数のヒスチジンコドンを含有する、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含む、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖可変遺伝子座を含む非ヒト動物を作製するための方法および組成物が提供される。
抗原のpH依存性結合を示す、抗原結合タンパク質を作製する非ヒト動物のための方法および組成物が提供される。pH依存性の抗原結合タンパク質、例えば、特に、重鎖可変ドメインおよび/またはこれらの抗原結合断片が富化された(対応する野生型動物と比較して)、B細胞集団または抗体集団を有する非ヒト動物を作製するための方法および組成物が提供される。
一態様では、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含む、非ヒト動物の生殖細胞系列ゲノムにおける遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座であって、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、少なくとも1つのヒスチジンコドンの付加または少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む免疫グロブリン遺伝子座が提供される。
一実施形態では、非ヒト動物は、齧歯動物、例えば、マウス、ラット、またはハムスターを含む哺乳動物である。
一実施形態では、付加または置換されたヒスチジンコドンは、ヒトVH遺伝子セグメント、ヒトD遺伝子セグメント、ヒトJH遺伝子セグメント、およびこれらの組合せから選択される、免疫グロブリン重鎖遺伝子セグメントに存在する。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖遺伝子セグメントは、ヒト生殖細胞系列VH遺伝子セグメント、ヒト生殖細胞系列D遺伝子セグメント、ヒト生殖細胞系列JH遺伝子セグメント、およびこれらの組合せから選択される。
一実施形態では、ヒトV遺伝子セグメント(VH)は、VH1−2、VH1−3、VH1−8、VH1−18、VH1−24、VH1−45、VH1−46、VH1−58、VH1−69、VH2−5、VH2−26、VH2−70、VH3−7、VH3−9、VH3−11、VH3−13、VH3−15、VH3−16、VH3−20、VH3−21、VH3−23、VH3−30、VH3−30−3、VH3−30−5、VH3−33、VH3−35、VH3−38、VH3−43、VH3−48、VH3−49、VH3−53、VH3−64、VH3−66、VH3−72、VH3−73、VH3−74、VH4−4、VH4−28、VH4−30−1、VH4−30−2、VH4−30−4、VH4−31、VH4−34、VH4−39、VH4−59、VH4−61、VH5−51、VH6−1、VH7−4−1、VH7−81、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントは、D1−1、D1−7、D1−14、D1−20、D1−26、D2−2、D2−8、D2−15、D2−21、D3−3、D3−9、D3−10、D3−16、D3−22、D4−4、D4−11、D4−17、D4−23、D5−12、D5−5、D5−18、D5−24、D6−6、D6−13、D6−19、D6−25、D7−27、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
一実施形態では、ヒトJ遺伝子セグメントは、JH1、JH2、JH3、JH4、JH5、JH6、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
一実施形態では、付加または置換されたヒスチジンコドンは、N末端領域、ループ4領域、CDR1、CDR2、CDR3、またはこれらの組合せをコードする、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列に存在する。
一実施形態では、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上、21以上、22以上、23以上、24以上、または25以上、26以上、27以上、28以上、29以上、30以上、31以上、32以上、33以上、34以上、35以上、36以上、37以上、38以上、39以上、40以上、41以上、42以上、43以上、44以上、45以上、46以上、47以上、48以上、49以上、50以上、51以上、52以上、53以上、54以上、55以上、56以上、57以上、58以上、59以上、60以上、または61以上のヒスチジンコドンを含む。
一実施形態では、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、IgM、IgD、IgG、IgE、およびIgAから選択される免疫グロブリンアイソタイプをコードする、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。
一実施形態では、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、およびこれらの組合せから選択される、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、およびCH3(CH1−ヒンジ−CH2−CH3)を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、内因性遺伝子座に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在する(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在する、またはその内因性の遺伝子座内に、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH2におけるまたはCH3における改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、250位における改変(例えば、EまたはQ);250および428位における改変(例えば、LまたはF);252位における改変(例えば、L/Y/F/WまたはT)、254位における改変(例えば、SまたはT)、および256位における改変(例えば、S/R/Q/E/DまたはT);または428および/もしくは433位における改変(例えば、L/R/S/P/QまたはK)、および/もしくは434位における改変(例えば、H/FまたはY);または250および/もしくは428位における改変;または307もしくは308位における改変(例えば、308F、V308F)、ならびに434位における改変を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。一実施形態では、改変は、428L(例えば、M428L)および434S(例えば、N434S)の改変;428L、259I(例えば、V259I)、および308F(例えば、V308F)の改変;433K(例えば、H433K)および434位(例えば、434Y)の改変;252、254、および256位(例えば、252Y、254T、および256E)における改変;250Qおよび428Lの改変(例えば、T250QおよびM428L);ならびに307および/または308位における改変(例えば、308Fまたは308P)であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、252位のアミノ酸残基と257位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、307位のアミノ酸残基と311位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、433位のアミノ酸残基と436位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH3のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH3のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、N434S、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、V259I、V308F、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、N434A変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M252Y、S254T、T256E、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、T250Q、M248L、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、H433K、N434Y、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、(1)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第一のCH3のアミノ酸配列をコードする第一の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている、第一の対立遺伝子;ならびに(2)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第二のCH3のアミノ酸配列をコードする第二の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されており、第二のCH3のアミノ酸配列が、第二のCH3のアミノ酸配列のプロテインAへの結合を低減するか、または消失させる改変(例えば、US2010/0331527A1を参照されたい)を含む、第二の対立遺伝子を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)を含む。一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、Y96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)をさらに含む。別の実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)およびY96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)の両方を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG1からのアミノ酸配列であり、D16E、L18M、N44S、K52N、V57M、およびV82I(IMGT;EUによるD356E、L38M、N384S、K392N、V397M、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG2からのアミノ酸配列であり、N44S、K52N、およびV82I(IMGT:EUによるN384S、K392N、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG4からのアミノ酸配列であり、Q15R、N44S、K52N、V57M、R69K、E79Q、およびV82I(IMGT:EUによるQ355R、N384S、K392N、V397M、R409K、E419Q、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、重鎖定常領域アミノ酸配列は、非ヒト定常領域のアミノ酸配列であり、重鎖定常領域アミノ酸配列は、上記の種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、ヒト重鎖定常領域のアミノ酸配列であり、ヒト重鎖定常領域のアミノ酸配列は、上記で記載した種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、全てまたは実質的に全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを、免疫グロブリン重鎖遺伝子座から欠失させるか、または非機能性にする(例えば、免疫グロブリン遺伝子座内にヌクレオチド配列(例えば、外因性ヌクレオチド配列)の挿入を介して、または内因性のVHセグメント、Dセグメント、JHセグメントの非機能性の再構成または反転を介して)。一実施形態では、例えば、全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJH遺伝子セグメントのうちの約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、または約99%以上を欠失させるか、または非機能性にする。一実施形態では、例えば、内因性の機能性V遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJ遺伝子セグメントのうちの少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%を欠失させるか、または非機能性にする。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座は、全てまたは実質的に全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを欠失させるか、または非機能性にする改変を含み、遺伝子改変された遺伝子座は、1つまたは複数のヒスチジンコドンを有する、1つまたは複数のヒトVH遺伝子セグメント、ヒトD遺伝子セグメント、および/またはヒトJH遺伝子セグメントを含む、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含み、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、内因性位置に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在し(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在するか、またはその内因性の遺伝子座内、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、内因性Adam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含み、遺伝子改変は、内因性のAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方の発現および/または機能に影響を及ぼさない。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、異所性に存在するAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含む。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、非ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、非ヒトAdam6b遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、ヒトAdam6b遺伝子である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列をさらに含む。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列およびκ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列から選択される、免疫グロブリン軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖可変ドメインをコードする少なくとも1つのリーディングフレームに少なくとも1つのヒスチジンコドンを導入する少なくとも1つの改変を含有する、再構成されていない軽鎖可変遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖CDRに1つ、2つ、3つ、または4つのヒスチジンコドンを含む、再構成された(例えば、再構成されたλまたはκのV/J配列)配列を含む。一実施形態では、CDRは、CDR1、CDR2、CDR3、およびこれらの組合せから選択される。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成された軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列である。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、内因性のマウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスκ遺伝子座である。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスλ遺伝子座である。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、マウスの免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、VELOCIMMUNE(登録商標)マウスにおけるヒト化免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性の環境で(例えば、約5.5〜約6.0のpHで)、遺伝子改変なしの、対応する野生型の重鎖可変ドメインより弱い抗原結合を示す。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、解離半減期(t1/2)を、中性pH(例えば、約7.0〜約7.4のpH)における抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)と比較して、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、または少なくとも約30倍短縮する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、目的の抗原で刺激されると、抗原結合タンパク質、例えば、1つまたは複数のヒスチジン残基を有する重鎖可変ドメインを含む抗体を産生することが可能なB細胞集団を含む。本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、被験体へと投与されると、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質を凌駕する血清半減期の延長を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質の少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍の血清半減期の延長を示す。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、本明細書に記載されている遺伝子改変なしの、野生型の抗原結合タンパク質と比較して、pH依存性リサイクル性の改善、血清半減期の延長、またはこれらの両方を特徴とする。
一態様では、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含む、非ヒト動物の生殖細胞系列ゲノムにおける遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座であって、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む免疫グロブリン遺伝子座が提供される。
一実施形態では、非ヒト動物は、齧歯動物、例えば、マウス、ラット、またはハムスターを含む哺乳動物である。
一実施形態では、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上、21以上、22以上、23以上、24以上、25以上、26以上、27以上、28以上、29以上、30以上、31以上、32以上、33以上、34以上、35以上、36以上、37以上、38以上、39以上、40以上、41以上、42以上、43以上、44以上、45以上、46以上、47以上、48以上、49以上、50以上、51以上、52以上、53以上、54以上、55以上、56以上、57以上、58以上、59以上、60以上、または61以上の内因性の非ヒスチジンコドンを、ヒスチジンコドンで置きかえる。
一実施形態では、内因性の非ヒスチジン(histone)コドンは、Y、N、D、Q、S、W、およびRから選択されるアミノ酸をコードする。
一実施形態では、ヒスチジンコドンによって置換された内因性の非ヒスチジンコドンは、N末端領域、ループ4領域、CDR1、CDR2、CDR3、これらの組合せから選択される免疫グロブリン可変ドメインをコードする、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列に存在する。
一実施形態では、置換されたヒスチジンコドンは、CDR1、CDR2、CDR3、およびこれらの組合せから選択される相補性決定領域(CDR)をコードする、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列に存在する。
一実施形態では、置換されたヒスチジンコドンは、FR1、FR2、FR3、FR4、およびこれらの組合せから選択されるフレーム領域(FR)をコードする、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列に存在する。
一実施形態では、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、ヒトVH遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームにおける1つまたは複数の内因性非ヒスチジンコドンが、ヒスチジンコドンで置きかえられた、遺伝子改変されたヒトVH遺伝子セグメントを含む。
一実施形態では、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、ヒトVH遺伝子セグメントの少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変であって、ヒトVH遺伝子セグメントが、VH1−2、VH1−3、VH1−8、VH1−18、VH1−24、VH1−45、VH1−46、VH1−58、VH1−69、VH2−5、VH2−26、VH2−70、VH3−7、VH3−9、VH3−11、VH3−13、VH3−15、VH3−16、VH3−20、VH3−21、VH3−23、VH3−30、VH3−30−3、VH3−30−5、VH3−33、VH3−35、VH3−38、VH3−43、VH3−48、VH3−49、VH3−53、VH3−64、VH3−66、VH3−72、VH3−73、VH3−74、VH4−4、VH4−28、VH4−30−1、VH4−30−2、VH4−30−4、VH4−31、VH4−34、VH4−39、VH4−59、VH4−61、VH5−51、VH6−1、VH7−4−1、VH7−81、およびこれらの組合せからなる群から選択される改変を含む。
一実施形態では、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、遺伝子改変されたヒトJH遺伝子セグメントであって、ヒトJH遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームにおける1つまたは複数の内因性非ヒスチジンコドンが、ヒスチジンコドンで置きかえられた遺伝子改変されたヒトJH遺伝子セグメントを含む。
一実施形態では、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、ヒトJHセグメントの少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変であって、ヒトJH遺伝子セグメントが、JH1、JH2、JH3、JH4、JH5、JH6、およびこれらの組合せからなる群から選択される改変を含む。
一実施形態では、置換されたヒスチジンコドンは、CDR3の一部をコードする重鎖可変領域のヌクレオチド配列に存在する。一実施形態では、CDR3の一部は、リーディングフレームにおける少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変を含む、遺伝子改変されたヒトD遺伝子セグメントのリーディングフレームに由来するアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ヒスチジンコドンで置換される内因性非ヒスチジンコドンは、Y、N、D、Q、S、W、およびRから選択されるアミノ酸をコードする。
一実施形態では、置換されるヒスチジンコドンは、VELOCIMMUNE(登録商標)ヒト化免疫グロブリンマウス内で最も高頻度に観察されるヒトD遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームに存在する。
一実施形態では、CDR3の一部をコードする、遺伝子改変されたヒトD遺伝子セグメントのリーディングフレームは、疎水性フレーム、終止フレーム、および親水性フレームから選択される。
一実施形態では、リーディングフレームは、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームである。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D1−1(GTTGT;配列番号88)、D1−7(GITGT;配列番号89)、D1−20(GITGT;配列番号89)、およびD1−26(GIVGAT;配列番号90)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D2−2(DIVVVPAAI;配列番号92)、D2−8(DIVLMVYAI;配列番号94)、D2−15(DIVVVVAAT;配列番号95)、およびD2−21(HIVVVTAI;配列番号97)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D3−3(ITIFGVVII;配列番号98)、D3−9(ITIF*LVII;配列番号99、配列番号100)、D3−10(ITMVRGVII;配列番号101)、D3−16(IMITFGGVIVI;配列番号102)、およびD3−22(ITMIVVVIT;配列番号103)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D4−4(TTVT;配列番号105)、D4−11(TTVT;配列番号105)、D4−17(TTVT;配列番号105)、D4−23(TTVVT;配列番号106)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D5−5(VDTAMV;配列番号107)、D5−12(VDIVATI;配列番号108)、D5−18(VDTAMV;配列番号107)、およびD5−24(VEMATI;配列番号109)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D6−6(SIAAR;配列番号111)、D6−13(GIAAAG;配列番号113)、およびD6−19(GIAVAG;配列番号115)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、疎水性フレームは、ヒトD7−27(LTG)をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、リーディングフレームは、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームである。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D1−1(VQLER;配列番号8)、D1−7(V*LEL)、D1−20(V*LER)、D1−26(V*WELL;配列番号12)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D2−2(RIL**YQLLY;配列番号14)、D2−8(RILY*WCMLY;配列番号16および配列番号17)、D2−15(RIL*WW*LLL)、およびD2−21(SILWW*LLF;配列番号19)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D3−3(VLRFLEWLLY;配列番号21)、D3−9(VLRYFDWLL*;配列番号23)、D3−10(VLLWFGELL*;配列番号25)、D3−16(VL*LRLGELSLY;配列番号27)、およびD3−22(VLL***WLLL;配列番号29)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D4−4(*LQ*L)、D4−11(*LQ*L)、D4−17(*LR*L)、およびD4−23(*LRW*L)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D5−5(WIQLWL;配列番号35);D5−12(WI*WLRL;配列番号37)、D5−18(WIQLWL;配列番号35)、およびD5−24(*RWLQL;配列番号39)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D6−6(V*QLV)、D6−13(V*QQLV;配列番号41)、およびD6−19(V*QWLV;配列番号43)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D7−27(*LG)をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列におけるヒトD遺伝子セグメントの少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、リーディングフレームは、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームである。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D1−1(YNWND;配列番号45)、D1−7(YNWNY;配列番号47)、D1−20(YNWND;配列番号45)、およびD1−26(YSGSYY;配列番号49)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号46、配列番号48、配列番号50、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D2−2(GYCSSTSCYT;配列番号51)、D2−8(GYCTNGVCYT;配列番号53)、D2−15(GYCSGGSCYS;配列番号55)、およびD2−21(AYCGGDCYS;配列番号57)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D3−3(YYDFWSGYYT;配列番号59)、D3−9(YYDILTGYYN;配列番号61)、D3−10(YYYGSGSYYN;配列番号63)、D3−16(YYDYVWGSYRYT;配列番号65)、およびD3−22(YYYDSSGYYY;配列番号67)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D4−4(DYSNY;配列番号69)、D4−11(DYSNY;配列番号69)、D4−17(DYGDY;配列番号71)、およびD4−23(DYGGNS;配列番号73)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変を含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号70、配列番号72、配列番号74、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D5−5(GYSYGY;配列番号75)、D5−12(GYSGYDY;配列番号77)、D5−18(GYSYGY;配列番号75)、およびD5−24(RDGYNY;配列番号79)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号76、配列番号78、配列番号80、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D6−6(EYSSSS;配列番号81)、D6−13(GYSSSWY;配列番号83)、およびD6−19(GYSSGWY;配列番号85)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号76、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D7−27(NWG)をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、およびこれらの組合せから選択される、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、およびCH3(CH1−ヒンジ−CH2−CH3)を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、内因性遺伝子座に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在する(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在するか、またはその内因性の遺伝子座内に、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH2におけるまたはCH3における改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、250位における改変(例えば、EまたはQ);250および428位における改変(例えば、LまたはF);252位における改変(例えば、L/Y/F/WまたはT)、254位における改変(例えば、SまたはT)、および256位における改変(例えば、S/R/Q/E/DまたはT);または428および/もしくは433位における改変(例えば、L/R/S/P/QまたはK)、および/もしくは434位における改変(例えば、H/FまたはY);または250および/もしくは428位における改変;または307もしくは308位における改変(例えば、308F、V308F)、ならびに434位における改変を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。一実施形態では、改変は、428L(例えば、M428L)および434S(例えば、N434S)の改変;428L、259I(例えば、V259I)、および308F(例えば、V308F)の改変;433K(例えば、H433K)および434位(例えば、434Y)の改変;252、254、および256位(例えば、252Y、254T、および256E)における改変;250Qおよび428Lの改変(例えば、T250QおよびM428L);ならびに307および/または308位における改変(例えば、308Fまたは308P)であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、252位のアミノ酸残基と257位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、307位のアミノ酸残基と311位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、433位のアミノ酸残基と436位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH3のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH3のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、N434S、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、V259I、V308F、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、N434A変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M252Y、S254T、T256E、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、T250Q、M248L、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、H433K、N434Y、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、(1)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第一のCH3のアミノ酸配列をコードする第一の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている、第一の対立遺伝子;ならびに(2)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第二のCH3のアミノ酸配列をコードする第二の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されており、第二のCH3のアミノ酸配列が、第二のCH3のアミノ酸配列の、プロテインAへの結合を低減するか、または消失させる改変(例えば、US2010/0331527A1を参照されたい)を含む、第二の対立遺伝子を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)を含む。一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、Y96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)をさらに含む。別の実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)およびY96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)の両方を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG1からのアミノ酸配列であり、D16E、L18M、N44S、K52N、V57M、およびV82I(IMGT;EUによるD356E、L38M、N384S、K392N、V397M、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG2からのアミノ酸配列であり、N44S、K52N、およびV82I(IMGT:EUによるN384S、K392N、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG4からのアミノ酸配列であり、Q15R、N44S、K52N、V57M、R69K、E79Q、およびV82I(IMGT:EUによるQ355R、N384S、K392N、V397M、R409K、E419Q、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、重鎖定常領域アミノ酸配列は、非ヒト定常領域のアミノ酸配列であり、重鎖定常領域アミノ酸配列は、上記の種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、ヒト重鎖定常領域アミノ酸配列であり、ヒト重鎖定常領域アミノ酸配列は、上記の種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、全てまたは実質的に全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを、免疫グロブリン重鎖遺伝子座から欠失させるか、または非機能性にする(例えば、免疫グロブリン遺伝子座にヌクレオチド配列(例えば、外因性ヌクレオチド配列)の挿入を介して、または内因性のVHセグメント、Dセグメント、JHセグメントの非機能性の再構成または反転を介して)。一実施形態では、例えば、全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJH遺伝子セグメントのうちの約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、または約99%以上を欠失させるか、または非機能性にする。一実施形態では、例えば、内因性の機能性V遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJ遺伝子セグメントのうちの少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%を欠失させるか、または非機能性にする。
一実施形態では、遺伝子改変された遺伝子座は、全てまたは実質的に全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを欠失させるか、または非機能性にする改変を含み、ゲノム遺伝子座は、少なくとも1つのリーディングフレームに少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む、遺伝子改変された、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、遺伝子改変された、再構成されていない免疫グロブリン重鎖可変遺伝子配列は、内因性位置に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在する(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在するか、またはその内因性の遺伝子座内に、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、遺伝子改変された遺伝子座は、内因性Adam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含み、遺伝子改変は、内因性のAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方の発現および/または機能に影響を及ぼさない。
一実施形態では、遺伝子改変された遺伝子座は、異所性に存在するAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含む。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、非ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、マウスAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、非ヒトAdam6b遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、マウスAdam6b遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、ヒトAdam6b遺伝子である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列をさらに含む。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列およびκ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列から選択される、免疫グロブリン軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖可変ドメインをコードする少なくとも1つのリーディングフレームに少なくとも1つのヒスチジンコドンを導入する少なくとも1つの改変を含有する、再構成されていない軽鎖可変遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖CDRに1つ、2つ、3つ、または4つのヒスチジンコドンを含む、再構成された(例えば、再構成されたλまたはκのV/J配列)配列を含む。一実施形態では、CDRは、CDR1、CDR2、CDR3、およびこれらの組合せから選択される。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成された軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列である。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、内因性のマウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスκ遺伝子座である。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスλ遺伝子座である。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、マウスの免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、VELOCIMMUNE(登録商標)マウスにおけるヒト化免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性の環境で(例えば、約5.5〜約6.0のpHで)、本明細書に記載されている遺伝子改変なしの、対応する野生型の重鎖可変ドメインより弱い抗原結合を示す。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、解離半減期(t1/2)を、中性pH(例えば、約7.0〜約7.4のpH)における抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)と比較して、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、または少なくとも約30倍短縮する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、遺伝子改変なしの野生型の抗原結合タンパク質と比較して、pH依存性リサイクル性の改善、血清半減期の延長、またはこれらの両方を特徴とする。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、目的の抗原で刺激されると、1つまたは複数のヒスチジン残基を含む重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質、例えば、抗体を産生することが可能なB細胞集団を含む。本明細書に記載されている、抗原結合タンパク質は、被験体へと投与されると、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質を凌駕する血清半減期の延長を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質の少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍の血清半減期の延長を示す。
一態様では、ヒトVH遺伝子セグメント、ヒトD遺伝子セグメント、およびヒトJH遺伝子セグメントを含む、非ヒト動物の遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座であって、ヒトD遺伝子セグメントの少なくとも1つを、5’側から3’側にかけて、対応する野生型配列に対して反転させており、反転させたヒトD遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームが、ヒスチジンコドンを含む遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座が提供される。
一実施形態では、非ヒト動物は、齧歯動物、例えば、マウス、ラット、またはハムスターを含む哺乳動物である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、生殖細胞系列ゲノムに存在する。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、1つまたは複数、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上、21以上、22以上、23以上、24以上、25以上、26以上、27以上、28以上、29以上、30以上、31以上、32以上、33以上、または34以上のヒスチジン残基を含む免疫グロブリン重鎖可変ドメインをコードする。
一実施形態では、機能性ヒトD遺伝子セグメントのうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または全てもしくは実質的に全ては、対応する野生型配列に対して逆配向である。
一実施形態では、内因性免疫グロブリンのVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、JH遺伝子セグメントの全てまたは実質的に全てを、免疫グロブリン重鎖遺伝子座から欠失させるか、または非機能性にする(例えば、免疫グロブリン遺伝子座にヌクレオチド配列、例えば、外因性ヌクレオチド配列の挿入を介して、または内因性の免疫グロブリンVHセグメント、Dセグメント、JHセグメントの全てもしくは実質的に全ての非機能性の再構成もしくは反転を介して)が、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、ヒトVH遺伝子セグメント、ヒトD遺伝子セグメント、およびヒトJH遺伝子セグメントを含み、ヒトD遺伝子セグメントの少なくとも1つは、対応する野生型配列に対して逆配向で存在し、反転させたヒトD遺伝子セグメントにおける少なくとも1つのリーディングフレームは、少なくとも1つのヒスチジンコドンを含む。
一実施形態では、反転させたヒトD遺伝子セグメントは、ヒトVH遺伝子セグメントおよび/またはヒトJH遺伝子セグメントに作動可能に連結されている。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D1−1、D1−7、D1−20、D1−26、D2−2、D2−8、D2−15、D2−21、D3−3、D3−9、D3−10、D3−16、D3−22、D4−4、D4−11、D4−17、D4−23、D5−5、D5−12、D5−18、D5−24、D6−6、D6−13、D6−19、D7−27、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D1−1、D1−7、D1−20、D1−26、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD1遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D2−2、D2−8、D2−15、D2−21、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD2遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D3−3、D3−9、D3−10、D3−16、D3−22、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD3遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D4−4、D4−11、D4−17、D4−23、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD4遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D5−5、D5−12、D5−18、D5−24、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD5遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D6−6、D6−13、D6−19、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD6遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D7−27である。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントのリーディングフレームは、終止リーディングフレーム、親水性リーディングフレーム、および疎水性リーディングフレームから選択され、反転させたヒトD遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームは、ヒスチジンコドンを含む。
一実施形態では、反転させたヒトD遺伝子セグメントを含む、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、IgM、IgD、IgG、IgE、およびIgAから選択される免疫グロブリンアイソタイプをコードする、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。
一実施形態では、反転させたヒトD遺伝子セグメントを含む、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、IgM、IgD、IgG、IgE、およびIgAから選択される免疫グロブリンアイソタイプをコードする、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。
一実施形態では、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、およびこれらの組合せから選択される、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、およびCH3(すなわち、CH1−ヒンジ−CH2−CH3)を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、内因性遺伝子座に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在する(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在するか、またはその内因性の遺伝子座内に、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH2におけるまたはCH3における改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、250位における改変(例えば、EまたはQ);250および428位における改変(例えば、LまたはF);252位における改変(例えば、L/Y/F/WまたはT)、254位における改変(例えば、SまたはT)、および256位における改変(例えば、S/R/Q/E/DまたはT);または428および/もしくは433位における改変(例えば、L/R/S/P/QまたはK)、および/もしくは434位における改変(例えば、H/FまたはY);または250および/もしくは428位における改変;または307もしくは308位における改変(例えば、308F、V308F)、ならびに434位における改変を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。一実施形態では、改変は、428L(例えば、M428L)および434S(例えば、N434S)の改変;428L、259I(例えば、V259I)、および308F(例えば、V308F)の改変;433K(例えば、H433K)および434位(例えば、434Y)の改変;252、254、および256位(例えば、252Y、254T、および256E)における改変;250Qおよび428Lの改変(例えば、T250QおよびM428L);ならびに307および/または308位における改変(例えば、308Fまたは308P)であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、252位のアミノ酸残基と257位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、307位のアミノ酸残基と311位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、433位のアミノ酸残基と436位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH3のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH3のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、N434S、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、V259I、V308F、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、N434A変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M252Y、S254T、T256E、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、T250Q、M248L、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、H433K、N434Y、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、(1)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第一のCH3のアミノ酸配列をコードする第一の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている、第一の対立遺伝子;ならびに(2)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第二のCH3のアミノ酸配列をコードする第二の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されており、第二のCH3のアミノ酸配列が、第二のCH3のアミノ酸配列の、プロテインAへの結合を低減するか、または消失させる改変(例えば、US2010/0331527A1を参照されたい)を含む、第二の対立遺伝子を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)を含む。一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、Y96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)をさらに含む。別の実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)およびY96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)の両方を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG1からのアミノ酸配列であり、D16E、L18M、N44S、K52N、V57M、およびV82I(IMGT;EUによるD356E、L38M、N384S、K392N、V397M、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG2からのアミノ酸配列であり、N44S、K52N、およびV82I(IMGT:EUによるN384S、K392N、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG4からのアミノ酸配列であり、Q15R、N44S、K52N、V57M、R69K、E79Q、およびV82I(IMGT:EUによるQ355R、N384S、K392N、V397M、R409K、E419Q、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、重鎖定常領域アミノ酸配列は、非ヒト定常領域のアミノ酸配列であり、重鎖定常領域アミノ酸配列は、上記の種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、ヒト重鎖定常領域アミノ酸配列であり、ヒト重鎖定常領域アミノ酸配列は、上記の種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、全てまたは実質的に全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを、免疫グロブリン重鎖遺伝子座から欠失させるか、または非機能性にする(例えば、免疫グロブリン遺伝子座におけるヌクレオチド配列(例えば、外因性ヌクレオチド配列)の挿入を介して、または内因性のVHセグメント、Dセグメント、JHセグメントの非機能性の再構成または反転を介して)。一実施形態では、例えば、全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJH遺伝子セグメントのうちの約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、または約99%以上を欠失させるか、または非機能性にする。一実施形態では、例えば、内因性の機能性V遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJ遺伝子セグメントのうちの少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%を欠失させるか、または非機能性にする。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座は、全てまたは実質的に全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを欠失させるか、または非機能性にする改変を含み、遺伝子改変された遺伝子座は、本明細書に記載されている、少なくとも1つの反転させたヒトD遺伝子セグメントを含む、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含み、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、内因性位置に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在する(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在する、またはその内因性の遺伝子座内に、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、内因性Adam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含み、遺伝子改変は、内因性のAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方の発現および/または機能に影響を及ぼさない。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、異所性に存在するAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含む。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、非ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、マウスAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、非ヒトAdam6b遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、マウスAdam6b遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、ヒトAdam6b遺伝子である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列をさらに含む。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列およびκ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列から選択される、免疫グロブリン軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖可変ドメインをコードする少なくとも1つのリーディングフレームに少なくとも1つのヒスチジンコドンを導入する少なくとも1つの改変を含有する、再構成されていない軽鎖可変遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖CDRに1つ、2つ、3つ、または4つのヒスチジンコドンを含む、再構成された(例えば、再構成されたλまたはκのV/J配列)配列を含む。一実施形態では、CDRは、CDR1、CDR2、CDR3、およびこれらの組合せから選択される。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成された軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列である。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、内因性のマウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスκ遺伝子座である。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスλ遺伝子座である。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、マウスの免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、VELOCIMMUNE(登録商標)マウスにおけるヒト化免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性の環境で(例えば、約5.5〜約6.0のpHで)、遺伝子改変なしの、対応する野生型の重鎖可変ドメインより弱い抗原結合を示す。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、解離半減期(t1/2)を、中性pH(例えば、約7.0〜約7.4のpH)における抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)と比較して、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、または少なくとも約30倍短縮する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、遺伝子改変なしの野生型の抗原結合タンパク質と比較して、pH依存性リサイクル性の改善、血清半減期の延長、またはこれらの両方を特徴とする。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、目的の抗原で刺激されると、1つまたは複数のヒスチジン残基を含む重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質、例えば、抗体を産生することが可能なB細胞集団を含む。本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、被験体へと投与されると、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質を凌駕する血清半減期の延長を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質の少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍の血清半減期の延長を示す。
一態様では、その生殖細胞系列ゲノムに、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含む、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座を含む非ヒト動物であって、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、少なくとも1つのヒスチジンコドンの付加または少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む非ヒト動物が提供される。
一実施形態では、非ヒト動物は、齧歯動物、例えば、マウス、ラット、またはハムスターを含む哺乳動物である。
一実施形態では、付加または置換されたヒスチジンコドンは、ヒトVH遺伝子セグメント、ヒトD遺伝子セグメント、ヒトJH遺伝子セグメント、およびこれらの組合せから選択される、免疫グロブリン重鎖遺伝子セグメントに存在する。一実施形態では、免疫グロブリン重鎖遺伝子セグメントは、ヒト生殖細胞系列VH遺伝子セグメント、ヒト生殖細胞系列D遺伝子セグメント、ヒト生殖細胞系列JH遺伝子セグメント、およびこれらの組合せから選択される。
一実施形態では、ヒトVH遺伝子セグメントは、VH1−2、VH1−3、VH1−8、VH1−18、VH1−24、VH1−45、VH1−46、VH1−58、VH1−69、VH2−5、VH2−26、VH2−70、VH3−7、VH3−9、VH3−11、VH3−13、VH3−15、VH3−16、VH3−20、VH3−21、VH3−23、VH3−30、VH3−30−3、VH3−30−5、VH3−33、VH3−35、VH3−38、VH3−43、VH3−48、VH3−49、VH3−53、VH3−64、VH3−66、VH3−72、VH3−73、VH3−74、VH4−4、VH4−28、VH4−30−1、VH4−30−2、VH4−30−4、VH4−31、VH4−34、VH4−39、VH4−59、VH4−61、VH5−51、VH6−1、VH7−4−1、VH7−81、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントは、D1−1、D1−7、D1−14、D1−20、D1−26、D2−2、D2−8、D2−15、D2−21、D3−3、D3−9、D3−10、D3−16、D3−22、D4−4、D4−11、D4−17、D4−23、D5−12、D5−5、D5−18、D5−24、D6−6、D6−13、D6−19、D6−25、D7−27、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
一実施形態では、ヒトJH遺伝子セグメントは、JH1、JH2、JH3、JH4、JH5、JH6、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
一実施形態では、付加または置換されたヒスチジンコドンは、N末端領域、ループ4領域、CDR1、CDR2、CDR3、またはこれらの組合せをコードする、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列に存在する。
一実施形態では、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上、21以上、22以上、23以上、24以上、または25以上、26以上、27以上、28以上、29以上、30以上、31以上、32以上、33以上、34以上、35以上、36以上、37以上、38以上、39以上、40以上、41以上、42以上、43以上、44以上、45以上、46以上、47以上、48以上、49以上、50以上、51以上、52以上、53以上、54以上、55以上、56以上、57以上、58以上、59以上、60以上、または61以上のヒスチジンコドンを含む。
一実施形態では、反転させたヒトD遺伝子セグメントを含む、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、IgM、IgD、IgG、IgE、およびIgAから選択される免疫グロブリンアイソタイプをコードする、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。
一実施形態では、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、およびこれらの組合せから選択される、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、およびCH3(CH1−ヒンジ−CH2−CH3)を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、内因性遺伝子座に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在する(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在するか、またはその内因性の遺伝子座内に、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH2におけるまたはCH3における改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、250位における改変(例えば、EまたはQ);250および428位における改変(例えば、LまたはF);252位における改変(例えば、L/Y/F/WまたはT)、254位における改変(例えば、SまたはT)、および256位における改変(例えば、S/R/Q/E/DまたはT);または428および/もしくは433位における改変(例えば、L/R/S/P/QまたはK)、および/もしくは434位における改変(例えば、H/FまたはY);または250および/もしくは428位における改変;または307もしくは308位における改変(例えば、308F、V308F)、ならびに434位における改変を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。一実施形態では、改変は、428L(例えば、M428L)および434S(例えば、N434S)の改変;428L、259I(例えば、V259I)、および308F(例えば、V308F)の改変;433K(例えば、H433K)および434位(例えば、434Y)の改変;252、254、および256位(例えば、252Y、254T、および256E)における改変;250Qおよび428Lの改変(例えば、T250QおよびM428L);ならびに307および/または308位における改変(例えば、308Fまたは308P)であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、252位のアミノ酸残基と257位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、307位のアミノ酸残基と311位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、433位のアミノ酸残基と436位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH3のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH3のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、N434S、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、V259I、V308F、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、N434A変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M252Y、S254T、T256E、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、T250Q、M248L、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、H433K、N434Y、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、(1)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第一のCH3のアミノ酸配列をコードする第一の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている、第一の対立遺伝子;ならびに(2)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第二のCH3のアミノ酸配列をコードする第二の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されており、第二のCH3のアミノ酸配列が、第二のCH3のアミノ酸配列の、プロテインAへの結合を低減するか、または消失させる改変(例えば、US2010/0331527A1を参照されたい)を含む、第二の対立遺伝子を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)を含む。一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、Y96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)をさらに含む。別の実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)およびY96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)の両方を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG1からのアミノ酸配列であり、D16E、L18M、N44S、K52N、V57M、およびV82I(IMGT;EUによるD356E、L38M、N384S、K392N、V397M、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG2からのアミノ酸配列であり、N44S、K52N、およびV82I(IMGT:EUによるN384S、K392N、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG4からのアミノ酸配列であり、Q15R、N44S、K52N、V57M、R69K、E79Q、およびV82I(IMGT:EUによるQ355R、N384S、K392N、V397M、R409K、E419Q、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、重鎖定常領域アミノ酸配列は、非ヒト定常領域のアミノ酸配列であり、重鎖定常領域アミノ酸配列は、上記の種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、ヒト重鎖定常領域アミノ酸配列であり、ヒト重鎖定常領域アミノ酸配列は、上記の種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、全てまたは実質的に全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを、免疫グロブリン重鎖遺伝子座から欠失させるか、または非機能性にする(例えば、免疫グロブリン遺伝子座内にヌクレオチド配列(例えば、外因性ヌクレオチド配列)の挿入を介して、または内因性のVHセグメント、Dセグメント、JHセグメントの非機能性の再構成または反転を介して)。一実施形態では、例えば、全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJH遺伝子セグメントのうちの約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、または約99%以上を欠失させるか、または非機能性にする。一実施形態では、例えば、内因性の機能性V遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJ遺伝子セグメントのうちの少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%を欠失させるか、または非機能性にする。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座は、全てまたは実質的に全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを欠失させるか、または非機能性にする改変を含み、遺伝子改変された遺伝子座は、1つまたは複数のヒスチジンコドンを有する、1つまたは複数のヒトVH遺伝子セグメント、ヒトD遺伝子セグメント、および/またはヒトJH遺伝子セグメントを含む、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含み、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、内因性位置に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在する(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在する、またはその内因性の遺伝子座内に、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、内因性Adam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含み、遺伝子改変は、内因性のAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方の発現および/または機能に影響を及ぼさない。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、異所性に存在するAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含む。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、非ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、非ヒトAdam6b遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、ヒトAdam6b遺伝子である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列をさらに含む。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列およびκ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列から選択される、免疫グロブリン軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖可変ドメインをコードする少なくとも1つのリーディングフレームに少なくとも1つのヒスチジンコドンを導入する少なくとも1つの改変を含有する、再構成されていない軽鎖可変遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖CDRに1つ、2つ、3つ、または4つのヒスチジンコドンを含む、再構成された(例えば、再構成されたλまたはκのV/J配列)配列を含む。一実施形態では、CDRは、CDR1、CDR2、CDR3、およびこれらの組合せから選択される。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成された軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列である。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、内因性のマウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスκ遺伝子座である。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスλ遺伝子座である。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、マウスの免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、VELOCIMMUNE(登録商標)マウスにおけるヒト化免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。
一実施形態では、非ヒト動物は、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座についてヘテロ接合性であり、非ヒト動物は、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座に主に由来する、少なくとも1つのヒスチジン残基を含むヒト免疫グロブリン重鎖可変ドメインを発現させることが可能である。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性の環境で(例えば、約5.5〜約6.0のpHで)、遺伝子改変なしの、対応する野生型の重鎖可変ドメインより弱い抗原結合を示す。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、解離半減期(t1/2)を、中性pH(例えば、約7.0〜約7.4のpH)における抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)と比較して、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、または少なくとも約30倍短縮する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、遺伝子改変なしの野生型の抗原結合タンパク質と比較して、pH依存性リサイクル性の改善、血清半減期の延長、またはこれらの両方を特徴とする。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、目的の抗原で刺激されると、1つまたは複数のヒスチジン残基を含む重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質、例えば、抗体を産生することが可能なB細胞集団を含む。本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、被験体へと投与されると、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質を凌駕する血清半減期の延長を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質の少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍の血清半減期の延長を示す。
一態様では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座を含む非ヒト動物であって、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座が、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含み、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む非ヒト動物が提供される。
一実施形態では、非ヒト動物は、齧歯動物、例えば、マウス、ラット、またはハムスターを含む哺乳動物である。
一実施形態では、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上、21以上、22以上、23以上、24以上、25以上、26以上、27以上、28以上、29以上、30以上、31以上、32以上、33以上、34以上、35以上、36以上、37以上、38以上、39以上、40以上、41以上、42以上、43以上、44以上、45以上、46以上、47以上、48以上、49以上、50以上、51以上、52以上、53以上、54以上、55以上、56以上、57以上、58以上、59以上、60以上、または61以上の内因性の非ヒスチジンコドンを、ヒスチジンコドンで置きかえる。
一実施形態では、内因性の非ヒスチジンコドンは、Y、N、D、Q、S、W、およびRから選択されるアミノ酸をコードする。
一実施形態では、置換されたヒスチジンコドンは、N末端領域、ループ4領域、CDR1、CDR2、CDR3、これらの組合せから選択される免疫グロブリン可変ドメインをコードする、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列に存在する。
一実施形態では、置換されたヒスチジンコドンは、CDR1、CDR2、CDR3、およびこれらの組合せから選択される相補性決定領域(CDR)をコードする、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列に存在する。
一実施形態では、置換されたヒスチジンコドンは、FR1、FR2、FR3、FR4、およびこれらの組合せから選択されるフレーム領域(FR)をコードする、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列に存在する。
一実施形態では、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、ヒトVH遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームにおける1つまたは複数の内因性非ヒスチジンコドンが、ヒスチジンコドンで置きかえられた、遺伝子改変されたヒトVH遺伝子セグメントを含む。
一実施形態では、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、ヒトVH遺伝子セグメントの少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変であって、ヒトVH遺伝子セグメントが、VH1−2、VH1−3、VH1−8、VH1−18、VH1−24、VH1−45、VH1−46、VH1−58、VH1−69、VH2−5、VH2−26、VH2−70、VH3−7、VH3−9、VH3−11、VH3−13、VH3−15、VH3−16、VH3−20、VH3−21、VH3−23、VH3−30、VH3−30−3、VH3−30−5、VH3−33、VH3−35、VH3−38、VH3−43、VH3−48、VH3−49、VH3−53、VH3−64、VH3−66、VH3−72、VH3−73、VH3−74、VH4−4、VH4−28、VH4−30−1、VH4−30−2、VH4−30−4、VH4−31、VH4−34、VH4−39、VH4−59、VH4−61、VH5−51、VH6−1、VH7−4−1、VH7−81、およびこれらの組合せからなる群から選択される改変を含む。
一実施形態では、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、遺伝子改変されたヒトJH遺伝子セグメントであって、ヒトJH遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームにおける1つまたは複数の内因性非ヒスチジンコドンが、ヒスチジンコドンで置きかえられた遺伝子改変されたヒトJH遺伝子セグメントを含む。
一実施形態では、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、ヒトJHセグメントの少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変であって、ヒトJH遺伝子セグメントが、JH1、JH2、JH3、JH4、JH5、JH6、およびこれらの組合せからなる群から選択される改変を含む。
一実施形態では、置換されたヒスチジンコドンは、CDR3の一部をコードする重鎖可変領域のヌクレオチド配列に存在する。一実施形態では、CDR3の一部は、リーディングフレームにおける少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変を含む、遺伝子改変されたヒトD遺伝子セグメントのリーディングフレームに由来するアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ヒスチジンコドンで置換される内因性非ヒスチジンコドンは、Y、N、D、Q、S、W、およびRから選択されるアミノ酸をコードする。
一実施形態では、置換されるヒスチジンコドンは、VELOCIMMUNE(登録商標)ヒト化免疫グロブリンマウス内で最も高頻度に観察されるヒトD遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームに存在する。
一実施形態では、CDR3の一部をコードする、遺伝子改変されたヒトD遺伝子セグメントのリーディングフレームは、疎水性フレーム、終止フレーム、および親水性フレームから選択される。
一実施形態では、リーディングフレームは、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームである。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D1−1(GTTGT;配列番号88)、D1−7(GITGT;配列番号89)、D1−20(GITGT;配列番号89)、およびD1−26(GIVGAT;配列番号90)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D2−2(DIVVVPAAI;配列番号92)、D2−8(DIVLMVYAI;配列番号94)、D2−15(DIVVVVAAT;配列番号95)、およびD2−21(HIVVVTAI;配列番号97)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D3−3(ITIFGVVII;配列番号98)、D3−9(ITIF*LVII;配列番号99、配列番号100)、D3−10(ITMVRGVII;配列番号101)、D3−16(IMITFGGVIVI;配列番号102)、およびD3−22(ITMIVVVIT;配列番号103)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D4−4(TTVT;配列番号105)、D4−11(TTVT;配列番号105)、D4−17(TTVT;配列番号105)、D4−23(TTVVT;配列番号106)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D5−5(VDTAMV;配列番号107)、D5−12(VDIVATI;配列番号108)、D5−18(VDTAMV;配列番号107)、およびD5−24(VEMATI;配列番号109)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D6−6(SIAAR;配列番号111)、D6−13(GIAAAG;配列番号113)、およびD6−19(GIAVAG;配列番号115)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、疎水性フレームは、ヒトD7−27(LTG)をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、リーディングフレームは、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームである。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D1−1(VQLER;配列番号8)、D1−7(V*LEL)、D1−20(V*LER)、D1−26(V*WELL;配列番号12)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D2−2(RIL**YQLLY;配列番号14)、D2−8(RILY*WCMLY;配列番号16および配列番号17)、D2−15(RIL*WW*LLL)、およびD2−21(SILWW*LLF;配列番号19)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D3−3(VLRFLEWLLY;配列番号21)、D3−9(VLRYFDWLL*;配列番号23)、D3−10(VLLWFGELL*;配列番号25)、D3−16(VL*LRLGELSLY;配列番号27)、およびD3−22(VLL***WLLL;配列番号29)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D4−4(*LQ*L)、D4−11(*LQ*L)、D4−17(*LR*L)、およびD4−23(*LRW*L)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D5−5(WIQLWL;配列番号35);D5−12(WI*WLRL;配列番号37)、D5−18(WIQLWL;配列番号35)、およびD5−24(*RWLQL;配列番号39)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D6−6(V*QLV)、D6−13(V*QQLV;配列番号41)、およびD6−19(V*QWLV;配列番号43)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D7−27(*LG)をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列におけるヒトD遺伝子セグメントの少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、リーディングフレームは、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームである。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D1−1(YNWND;配列番号45)、D1−7(YNWNY;配列番号47)、D1−20(YNWND;配列番号45)、およびD1−26(YSGSYY;配列番号49)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号46、配列番号48、配列番号50、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D2−2(GYCSSTSCYT;配列番号51)、D2−8(GYCTNGVCYT;配列番号53)、D2−15(GYCSGGSCYS;配列番号55)、およびD2−21(AYCGGDCYS;配列番号57)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D3−3(YYDFWSGYYT;配列番号59)、D3−9(YYDILTGYYN;配列番号61)、D3−10(YYYGSGSYYN;配列番号63)、D3−16(YYDYVWGSYRYT;配列番号65)、およびD3−22(YYYDSSGYYY;配列番号67)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D4−4(DYSNY;配列番号69)、D4−11(DYSNY;配列番号69)、D4−17(DYGDY;配列番号71)、およびD4−23(DYGGNS;配列番号73)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変を含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号70、配列番号72、配列番号74、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D5−5(GYSYGY;配列番号75)、D5−12(GYSGYDY;配列番号77)、D5−18(GYSYGY;配列番号75)、およびD5−24(RDGYNY;配列番号79)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号76、配列番号78、配列番号80、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D6−6(EYSSSS;配列番号81)、D6−13(GYSSSWY;配列番号83)、およびD6−19(GYSSGWY;配列番号85)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号76、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D7−27(NWG)をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、反転させたヒトD遺伝子セグメントを含む、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、IgM、IgD、IgG、IgE、およびIgAから選択される免疫グロブリンアイソタイプをコードする、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。
一実施形態では、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、およびこれらの組合せから選択される、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、およびCH3(CH1−ヒンジ−CH2−CH3)を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、内因性遺伝子座に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在する(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在する、またはその内因性の遺伝子座内に、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH2におけるまたはCH3における改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、250位における改変(例えば、EまたはQ);250および428位における改変(例えば、LまたはF);252位における改変(例えば、L/Y/F/WまたはT)、254位における改変(例えば、SまたはT)、および256位における改変(例えば、S/R/Q/E/DまたはT);または428および/もしくは433位における改変(例えば、L/R/S/P/QまたはK)、および/もしくは434位における改変(例えば、H/FまたはY);または250および/もしくは428位における改変;または307もしくは308位における改変(例えば、308F、V308F)、ならびに434位における改変を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。一実施形態では、改変は、428L(例えば、M428L)および434S(例えば、N434S)の改変;428L、259I(例えば、V259I)、および308F(例えば、V308F)の改変;433K(例えば、H433K)および434位(例えば、434Y)の改変;252、254、および256位(例えば、252Y、254T、および256E)における改変;250Qおよび428Lの改変(例えば、T250QおよびM428L);ならびに307および/または308位における改変(例えば、308Fまたは308P)であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、252位のアミノ酸残基と257位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、307位のアミノ酸残基と311位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、433位のアミノ酸残基と436位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH3のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH3のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、N434S、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、V259I、V308F、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、N434A変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M252Y、S254T、T256E、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、T250Q、M248L、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、H433K、N434Y、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、(1)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第一のCH3のアミノ酸配列をコードする第一の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている、第一の対立遺伝子;ならびに(2)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第二のCH3のアミノ酸配列をコードする第二の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されており、第二のCH3のアミノ酸配列が、第二のCH3のアミノ酸配列の、プロテインAへの結合を低減するか、または消失させる改変(例えば、US2010/0331527A1を参照されたい)を含む、第二の対立遺伝子を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)を含む。一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、Y96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)をさらに含む。別の実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)およびY96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)の両方を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG1からのアミノ酸配列であり、D16E、L18M、N44S、K52N、V57M、およびV82I(IMGT;EUによるD356E、L38M、N384S、K392N、V397M、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG2からのアミノ酸配列であり、N44S、K52N、およびV82I(IMGT:EUによるN384S、K392N、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG4からのアミノ酸配列であり、Q15R、N44S、K52N、V57M、R69K、E79Q、およびV82I(IMGT:EUによるQ355R、N384S、K392N、V397M、R409K、E419Q、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、重鎖定常領域アミノ酸配列は、非ヒト定常領域のアミノ酸配列であり、重鎖定常領域アミノ酸配列は、上記の種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、ヒト重鎖定常領域アミノ酸配列であり、ヒト重鎖定常領域アミノ酸配列は、上記の種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、全てまたは実質的に全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを、免疫グロブリン重鎖遺伝子座から欠失させるか、または非機能性にする(例えば、免疫グロブリン遺伝子座内にヌクレオチド配列(例えば、外因性ヌクレオチド配列)の挿入を介して、または内因性のVHセグメント、Dセグメント、JHセグメントの非機能性の再構成または反転を介して)。一実施形態では、例えば、全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJH遺伝子セグメントのうちの約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、または約99%以上を欠失させるか、または非機能性にする。一実施形態では、例えば、内因性の機能性V遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJ遺伝子セグメントのうちの少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%を欠失させるか、または非機能性にする。
一実施形態では、遺伝子改変された遺伝子座は、全てまたは実質的に全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを欠失させるか、または非機能性にする改変を含み、ゲノム遺伝子座は、少なくとも1つのリーディングフレームに少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む、遺伝子改変された、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、遺伝子改変された、再構成されていない免疫グロブリン重鎖可変遺伝子配列は、内因性位置に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在する(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在するか、またはその内因性の遺伝子座内に、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、遺伝子改変された遺伝子座は、内因性Adam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含み、遺伝子改変は、内因性のAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方の発現および/または機能に影響を及ぼさない。
一実施形態では、遺伝子改変された遺伝子座は、異所性に存在するAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含む。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、非ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、マウスAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、非ヒトAdam6b遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、マウスAdam6b遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、ヒトAdam6b遺伝子である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列をさらに含む。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列およびκ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列から選択される、免疫グロブリン軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖可変ドメインをコードする少なくとも1つのリーディングフレームに少なくとも1つのヒスチジンコドンを導入する少なくとも1つの改変を含有する、再構成されていない軽鎖可変遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖CDRに1つ、2つ、3つ、または4つのヒスチジンコドンを含む、再構成された(例えば、再構成されたλまたはκのV/J配列)配列を含む。一実施形態では、CDRは、CDR1、CDR2、CDR3、およびこれらの組合せから選択される。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成された軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列である。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、内因性のマウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスκ遺伝子座である。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスλ遺伝子座である。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、マウスの免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、VELOCIMMUNE(登録商標)マウスにおけるヒト化免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性の環境で(例えば、約5.5〜約6.0のpHで)、遺伝子改変なしの、対応する野生型の重鎖可変ドメインより弱い抗原結合を示す。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、解離半減期(t1/2)を、中性pH(例えば、約7.0〜約7.4のpH)における抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)と比較して、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、または少なくとも約30倍短縮する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、遺伝子改変なしの野生型の抗原結合タンパク質と比較して、pH依存性リサイクル性の改善、血清半減期の延長、またはこれらの両方を特徴とする。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、目的の抗原で刺激されると、1つまたは複数のヒスチジン残基を含む重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質、例えば、抗体を産生することが可能なB細胞集団を含む。本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、被験体へと投与されると、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質を凌駕する血清半減期の延長を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質の少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍の血清半減期の延長を示す。
一実施形態では、非ヒト動物は、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座についてヘテロ接合性であり、非ヒト動物は、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座に主に由来する、少なくとも1つのヒスチジン残基を含むヒト免疫グロブリン重鎖可変ドメインを発現させることが可能である。
一態様では、ヒトVH遺伝子セグメント、ヒトD遺伝子セグメント、およびヒトJH遺伝子セグメントを含む、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座を含む非ヒト動物であって、ヒトD遺伝子セグメントのうちの少なくとも1つを、5’側から3’側にかけて、対応する野生型配列に対して反転させており、反転させたヒトD遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームが、ヒスチジンコドンを含む非ヒト動物が提供される。
一実施形態では、非ヒト動物は、齧歯動物、例えば、マウス、ラット、またはハムスターを含む哺乳動物である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、生殖細胞系列ゲノムに存在する。
一実施形態では、反転させたヒトD遺伝子セグメントのリーディングフレームは、1つまたは複数、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上、21以上、22以上、23以上、24以上、25以上、26以上、27以上、28以上、29以上、30以上、31以上、32以上、33以上、または34以上のヒスチジンコドンを含む。
一実施形態では、機能性ヒトD遺伝子セグメントのうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または全てもしくは実質的に全ては、対応する野生型配列に対して逆配向である。
一実施形態では、内因性免疫グロブリンのVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、JH遺伝子セグメントの全てまたは実質的に全てを、免疫グロブリン重鎖遺伝子座から欠失させるか、または非機能性にする(例えば、免疫グロブリン遺伝子座にヌクレオチド配列、例えば、外因性ヌクレオチド配列の挿入を介して、または内因性の免疫グロブリンVHセグメント、Dセグメント、JHセグメントの全てもしくは実質的に全ての非機能性の再構成もしくは反転を介して)が、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、ヒトVH遺伝子セグメント、ヒトD遺伝子セグメント、およびヒトJH遺伝子セグメントを含み、ヒトD遺伝子セグメントのうちの少なくとも1つは対応する野生型配列に対して逆配向で存在し、反転させたヒトD遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームは、少なくとも1つのヒスチジンコドンを含む。
一実施形態では、反転させたヒトD遺伝子セグメントは、ヒトVH遺伝子セグメントおよび/またはヒトJH遺伝子セグメントに作動可能に連結されている。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D1−1、D1−7、D1−20、D1−26、D2−2、D2−8、D2−15、D2−21、D3−3、D3−9、D3−10、D3−16、D3−22、D4−4、D4−11、D4−17、D4−23、D5−5、D5−12、D5−18、D5−24、D6−6、D6−13、D6−19、D7−27、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D1−1、D1−7、D1−20、D1−26、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD1遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D2−2、D2−8、D2−15、D2−21、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD2遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D3−3、D3−9、D3−10、D3−16、D3−22、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD3遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D4−4、D4−11、D4−17、D4−23、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD4遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D5−5、D5−12、D5−18、D5−24、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD5遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D6−6、D6−13、D6−19、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD6遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D7−27である。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントのリーディングフレームは、終止リーディングフレーム、親水性リーディングフレーム、疎水性リーディングフレーム、およびこれらの組合せから選択され、反転させたヒトD遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームは、ヒスチジンコドンを含む。
一実施形態では、反転させたヒトD遺伝子セグメントを含む、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、IgM、IgD、IgG、IgE、およびIgAから選択される免疫グロブリンアイソタイプをコードする、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。
一実施形態では、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、およびこれらの組合せから選択される、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、およびCH3(すなわち、CH1−ヒンジ−CH2−CH3)を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、内因性遺伝子座に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在する(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在する、またはその内因性の遺伝子座内に、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH2におけるまたはCH3における改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、250位における改変(例えば、EまたはQ);250および428位における改変(例えば、LまたはF);252位における改変(例えば、L/Y/F/WまたはT)、254位における改変(例えば、SまたはT)、および256位における改変(例えば、S/R/Q/E/DまたはT);または428および/もしくは433位における改変(例えば、L/R/S/P/QまたはK)、および/もしくは434位における改変(例えば、H/FまたはY);または250および/もしくは428位における改変;または307もしくは308位における改変(例えば、308F、V308F)、ならびに434位における改変を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。一実施形態では、改変は、428L(例えば、M428L)および434S(例えば、N434S)の改変;428L、259I(例えば、V259I)、および308F(例えば、V308F)の改変;433K(例えば、H433K)および434位(例えば、434Y)の改変;252、254、および256位(例えば、252Y、254T、および256E)における改変;250Qおよび428Lの改変(例えば、T250QおよびM428L);ならびに307および/または308位における改変(例えば、308Fまたは308P)であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、252位のアミノ酸残基と257位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、307位のアミノ酸残基と311位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、433位のアミノ酸残基と436位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH3のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH3のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、N434S、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、V259I、V308F、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、N434A変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M252Y、S254T、T256E、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、T250Q、M248L、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、H433K、N434Y、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、(1)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第一のCH3のアミノ酸配列をコードする第一の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている、第一の対立遺伝子;ならびに(2)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第二のCH3のアミノ酸配列をコードする第二の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されており、第二のCH3のアミノ酸配列が、第二のCH3のアミノ酸配列の、プロテインAへの結合を低減するか、または消失させる改変(例えば、US2010/0331527A1を参照されたい)を含む、第二の対立遺伝子を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)を含む。一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、Y96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)をさらに含む。別の実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)およびY96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)の両方を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG1からのアミノ酸配列であり、D16E、L18M、N44S、K52N、V57M、およびV82I(IMGT;EUによるD356E、L38M、N384S、K392N、V397M、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG2からのアミノ酸配列であり、N44S、K52N、およびV82I(IMGT:EUによるN384S、K392N、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG4からのアミノ酸配列であり、Q15R、N44S、K52N、V57M、R69K、E79Q、およびV82I(IMGT:EUによるQ355R、N384S、K392N、V397M、R409K、E419Q、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、重鎖定常領域アミノ酸配列は、非ヒト定常領域のアミノ酸配列であり、重鎖定常領域アミノ酸配列は、上記の種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、ヒト重鎖定常領域アミノ酸配列であり、ヒト重鎖定常領域アミノ酸配列は、上記の種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、全てまたは実質的に全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを、免疫グロブリン重鎖遺伝子座から欠失させるか、または非機能性にする(例えば、免疫グロブリン遺伝子座内にヌクレオチド配列(例えば、外因性ヌクレオチド配列)の挿入を介して、または内因性のVHセグメント、Dセグメント、JHセグメントの非機能性の再構成または反転を介して)。一実施形態では、例えば、全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJH遺伝子セグメントのうちの約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、または約99%以上を欠失させるか、または非機能性にする。一実施形態では、例えば、内因性の機能性V遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJ遺伝子セグメントのうちの少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%を欠失させるか、または非機能性にする。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座は、全てまたは実質的に全ての、内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを欠失させるか、または非機能性にする改変を含み、遺伝子改変された遺伝子座は、本明細書に記載されている、少なくとも1つの反転させたヒトD遺伝子セグメントを含む、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含み、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、内因性位置に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在する(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在する、またはその内因性の遺伝子座内に、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、内因性Adam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含み、遺伝子改変は、内因性のAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方の発現および/または機能に影響を及ぼさない。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、異所性に存在するAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含む。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、非ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、マウスAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、非ヒトAdam6b遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、マウスAdam6b遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、ヒトAdam6b遺伝子である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列をさらに含む。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列およびκ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列から選択される、免疫グロブリン軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖可変ドメインをコードする少なくとも1つのリーディングフレームに少なくとも1つのヒスチジンコドンを導入する少なくとも1つの改変を含有する、再構成されていない軽鎖可変遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖CDRに1つ、2つ、3つ、または4つのヒスチジンコドンを含む、再構成された(例えば、再構成されたλまたはκのV/J配列)配列を含む。一実施形態では、CDRは、CDR1、CDR2、CDR3、およびこれらの組合せから選択される。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成された軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列である。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、内因性のマウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスκ遺伝子座である。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスλ遺伝子座である。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、マウスの免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、VELOCIMMUNE(登録商標)マウスにおけるヒト化免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。
一実施形態では、非ヒト動物は、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座についてヘテロ接合性であり、非ヒト動物は、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座に主に由来する、少なくとも1つのヒスチジン残基を含むヒト免疫グロブリン重鎖可変ドメインを発現させることが可能である。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性の環境で(例えば、約5.5〜約6.0のpHで)、遺伝子改変なしの、対応する野生型の重鎖可変ドメインより弱い抗原結合を示す。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、解離半減期(t1/2)を、中性pH(例えば、約7.0〜約7.4のpH)における抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)と比較して、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、または少なくとも約30倍短縮する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、遺伝子改変なしの野生型の抗原結合タンパク質と比較して、pH依存性リサイクル性の改善、血清半減期の延長、またはこれらの両方を特徴とする。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、目的の抗原で刺激されると、1つまたは複数のヒスチジン残基を含む重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質、例えば、抗体を産生することが可能なB細胞集団を含む。本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、被験体へと投与されると、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質を凌駕する血清半減期の延長を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質の少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍の血清半減期の延長を示す。
一態様では、pH依存性リサイクル性が増強され、かつ/または血清半減期が延長した抗原結合タンパク質を発現することが可能な非ヒト動物であって、その生殖細胞系列ゲノムに、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含み、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、本明細書に記載されている、少なくとも1つのヒスチジンコドンの付加または少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む非ヒト動物が提供される。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性の環境で(例えば、約5.5〜約6.0のpHで)、遺伝子改変なしの、対応する野生型の重鎖可変ドメインより弱い抗原結合を示す。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、解離半減期(t1/2)を、中性pH(例えば、約7.0〜約7.4のpH)における抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)と比較して、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、または少なくとも約30倍短縮する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、遺伝子改変なしの野生型の抗原結合タンパク質と比較して、pH依存性リサイクル性の改善、血清半減期の延長、またはこれらの両方を特徴とする。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、目的の抗原で刺激されると、1つまたは複数のヒスチジン残基を含む重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質、例えば、抗体を産生することが可能なB細胞集団を含む。本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、被験体へと投与されると、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質を凌駕する血清半減期の延長を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質の少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍の血清半減期の延長を示す。
一態様では、非ヒト動物のゲノムD領域またはゲノムV領域およびゲノムJ領域と相同な5’側および3’側のターゲッティングアームを含むターゲッティング構築物であって、少なくとも1つのVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJH遺伝子セグメントが、本明細書に記載されている改変、例えば、少なくとも1つのヒスチジンコドンの付加、少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンへの置換、および/または少なくとも1つの機能性D遺伝子セグメントの、対応する野生型配列に対する反転のうちのいずれかを含むターゲッティング構築物が提供される。
一態様では、本明細書に記載されている任意の非ヒト動物の細胞に由来するハイブリドーマまたはクァドローマが提供される。一実施形態では、非ヒト動物は、齧歯動物、例えば、マウス、ラット、またはハムスターである。
一態様では、記載される本発明の様々なゲノムの改変を含む非ヒト動物に由来する多能性幹細胞、人工多能性幹細胞、または全能性幹細胞が提供される。具体的な実施形態では、多能性幹細胞、人工多能性幹細胞、または全能性幹細胞は、マウスまたはラットの胚性幹(ES)細胞である。一実施形態では、多能性幹細胞、人工多能性幹細胞、または全能性幹細胞は、XX核型またはXY核型を有する。一実施形態では、多能性幹細胞または人工多能性幹細胞は、造血幹細胞である。
一態様では、本明細書に記載されている遺伝子改変、例えば、前核注射により細胞へと導入された改変を含有する核を含む細胞もまた提供される。一実施形態では、多能性幹細胞、人工多能性幹細胞、または全能性幹細胞は、遺伝子改変された免疫グロブリンのゲノム遺伝子座であって、5’側から3’側にかけて、(1)FRT組換え部位、(2)ヒトVH遺伝子セグメント、(3)マウスadam6遺伝子、(4)loxP組換え部位、(5)ヒスチジンで置換したヒトD遺伝子セグメント、(6)ヒトJH遺伝子セグメントに続いて、(7)マウスEi(イントロンエンハンサー)、および(8)マウスIgM定常領域のヌクレオチド配列を含むゲノム遺伝子座を含む。
一態様では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された非ヒト動物から単離されたリンパ球が提供される。一実施形態では、リンパ球は、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含む免疫グロブリンのゲノム遺伝子座を含み、再構成されていない重鎖可変遺伝子配列が、少なくとも1つのヒスチジンコドンの付加または少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含むB細胞である。
一態様では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された非ヒト動物から単離されたリンパ球が提供される。一実施形態では、リンパ球は、ヒトV遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJ遺伝子セグメントを含む免疫グロブリン遺伝子座を含み、ヒトD遺伝子セグメントのうちの少なくとも1つを、5’側から3’側にかけて、野生型配列に対して反転させており、反転させたヒトD遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームが、少なくとも1つのヒスチジン残基をコードするB細胞である。一実施形態では、B細胞は、本明細書に記載されている、遺伝子改変された重鎖可変ドメインを含む、抗原結合タンパク質を産生することが可能である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された重鎖可変ドメインは、重鎖定常領域アミノ酸配列に作動可能に連結されている。
一態様では、抗原結合タンパク質を発現することが可能なB細胞集団が提供され、ここで、この抗原結合タンパク質は、重鎖可変ドメインに少なくとも1つのヒスチジン残基を含み、このB細胞集団は、本明細書に記載されている任意の遺伝子改変を含む。一実施形態では、少なくとも1つのヒスチジン残基は、重鎖CDRに存在する。一実施形態では、CDRは、CDR1、CDR2、CDR3、およびこれらの組合せから選択される。一実施形態では、少なくとも1つのヒスチジン残基は、CDR3に存在する。
一態様では、血清半減期が延長し、かつ/またはpH依存性リサイクル性が増強した抗原結合タンパク質を発現することが可能なB細胞集団であって、本明細書に記載されている任意の遺伝子改変を含むB細胞集団が提供される。
一態様では、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖可変遺伝子座を含む非ヒト動物を作製するための方法であって、
(a)非ヒト動物のゲノムを改変して、内因性免疫グロブリン重鎖のV遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJ遺伝子セグメントを欠失させるか、または非機能性にする(例えば、免疫グロブリン遺伝子座にヌクレオチド配列、例えば、外因性ヌクレオチド配列の挿入を介して、または内因性のVHセグメント、Dセグメント、JHセグメントの非機能性の再構成もしくは反転を介して)ステップと、
(b)ゲノムに、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列を配置するステップであって、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、本明細書に記載されている、少なくとも1つのヒスチジンコドンの付加または少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含むステップと
を含む方法が提供される。
一実施形態では、非ヒト動物は、齧歯動物、例えば、マウス、ラット、またはハムスターを含む哺乳動物である。
一実施形態では、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上、21以上、22以上、23以上、24以上、25以上、26以上、27以上、28以上、29以上、30以上、31以上、32以上、33以上、34以上、35以上、36以上、37以上、38以上、39以上、40以上、41以上、42以上、43以上、44以上、45以上、46以上、47以上、48以上、49以上、50以上、51以上、52以上、53以上、54以上、55以上、56以上、57以上、58以上、59以上、60以上、または61以上の内因性の非ヒスチジンコドンを、ヒスチジンコドンで置きかえる。
一実施形態では、内因性の非ヒスチジンコドンは、Y、N、D、Q、S、W、およびRから選択されるアミノ酸をコードする。
一実施形態では、付加または置換されたヒスチジンコドンは、N末端領域、ループ4領域、CDR1、CDR2、CDR3、これらの組合せから選択される免疫グロブリン可変ドメインをコードする、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列に存在する。
一実施形態では、付加、置換されたヒスチジンコドンヒスチジンコドンは、CDR1、CDR2、CDR3、およびこれらの組合せから選択される相補性決定領域(CDR)をコードする、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列に存在する。
一実施形態では、付加または置換されたヒスチジンコドンは、FR1、FR2、FR3、FR4、およびこれらの組合せから選択されるフレーム領域(FR)をコードする、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列に存在する。
一実施形態では、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、ヒトVH遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームにおける1つまたは複数の内因性非ヒスチジンコドンが、ヒスチジンコドンで置きかえられた、遺伝子改変されたヒトVH遺伝子セグメントを含む。
一実施形態では、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、ヒトVH遺伝子セグメントの少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変であって、ヒトVH遺伝子セグメントが、VH1−2、VH1−3、VH1−8、VH1−18、VH1−24、VH1−45、VH1−46、VH1−58、VH1−69、VH2−5、VH2−26、VH2−70、VH3−7、VH3−9、VH3−11、VH3−13、VH3−15、VH3−16、VH3−20、VH3−21、VH3−23、VH3−30、VH3−30−3、VH3−30−5、VH3−33、VH3−35、VH3−38、VH3−43、VH3−48、VH3−49、VH3−53、VH3−64、VH3−66、VH3−72、VH3−73、VH3−74、VH4−4、VH4−28、VH4−30−1、VH4−30−2、VH4−30−4、VH4−31、VH4−34、VH4−39、VH4−59、VH4−61、VH5−51、VH6−1、VH7−4−1、VH7−81、およびこれらの組合せからなる群から選択される改変を含む。
一実施形態では、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、遺伝子改変されたヒトJH遺伝子セグメントであって、ヒトJH遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームにおける1つまたは複数の内因性非ヒスチジンコドンが、ヒスチジンコドンで置きかえられた遺伝子改変されたヒトJH遺伝子セグメントを含む。
一実施形態では、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、ヒトJHセグメントの少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変であって、ヒトJH遺伝子セグメントが、JH1、JH2、JH3、JH4、JH5、JH6、およびこれらの組合せからなる群から選択される改変を含む。
一実施形態では、付加または置換されたヒスチジンコドンは、CDR3の一部をコードする重鎖可変領域のヌクレオチド配列に存在する。一実施形態では、CDR3の一部は、リーディングフレームにおける少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変を含む、遺伝子改変されたヒトD遺伝子セグメントのリーディングフレームに由来するアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ヒスチジンコドンで置換される内因性非ヒスチジンコドンは、Y、N、D、Q、S、W、およびRから選択されるアミノ酸をコードする。
一実施形態では、付加または置換されるヒスチジンコドンは、VELOCIMMUNE(登録商標)ヒト化免疫グロブリンマウス内で最も高頻度に観察されるヒトD遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームに存在する。
一実施形態では、CDR3の一部をコードする、遺伝子改変されたヒトD遺伝子セグメントのリーディングフレームは、疎水性フレーム、終止フレーム、および親水性フレームから選択される。
一実施形態では、リーディングフレームは、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームである。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D1−1(GTTGT;配列番号88)、D1−7(GITGT;配列番号89)、D1−20(GITGT;配列番号89)、およびD1−26(GIVGAT;配列番号90)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D2−2(DIVVVPAAI;配列番号92)、D2−8(DIVLMVYAI;配列番号94)、D2−15(DIVVVVAAT;配列番号95)、およびD2−21(HIVVVTAI;配列番号97)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D3−3(ITIFGVVII;配列番号98)、D3−9(ITIF*LVII;配列番号99、配列番号100)、D3−10(ITMVRGVII;配列番号101)、D3−16(IMITFGGVIVI;配列番号102)、およびD3−22(ITMIVVVIT;配列番号103)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D4−4(TTVT;配列番号105)、D4−11(TTVT;配列番号105)、D4−17(TTVT;配列番号105)、D4−23(TTVVT;配列番号106)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D5−5(VDTAMV;配列番号107)、D5−12(VDIVATI;配列番号108)、D5−18(VDTAMV;配列番号107)、およびD5−24(VEMATI;配列番号109)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの疎水性フレームは、D6−6(SIAAR;配列番号111)、D6−13(GIAAAG;配列番号113)、およびD6−19(GIAVAG;配列番号115)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、疎水性フレームは、ヒトD7−27(LTG)をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、リーディングフレームは、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームである。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D1−1(VQLER;配列番号8)、D1−7(V*LEL)、D1−20(V*LER)、D1−26(V*WELL;配列番号12)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D2−2(RIL**YQLLY;配列番号14)、D2−8(RILY*WCMLY;配列番号16および配列番号17)、D2−15(RIL*WW*LLL)、およびD2−21(SILWW*LLF;配列番号19)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D3−3(VLRFLEWLLY;配列番号21)、D3−9(VLRYFDWLL*;配列番号23)、D3−10(VLLWFGELL*;配列番号25)、D3−16(VL*LRLGELSLY;配列番号27)、およびD3−22(VLL***WLLL;配列番号29)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D4−4(*LQ*L)、D4−11(*LQ*L)、D4−17(*LR*L)、およびD4−23(*LRW*L)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D5−5(WIQLWL;配列番号35);D5−12(WI*WLRL;配列番号37)、D5−18(WIQLWL;配列番号35)、およびD5−24(*RWLQL;配列番号39)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D6−6(V*QLV)、D6−13(V*QQLV;配列番号41)、およびD6−19(V*QWLV;配列番号43)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの終止リーディングフレームは、D7−27(*LG)をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列におけるヒトD遺伝子セグメントの少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、リーディングフレームは、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームである。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D1−1(YNWND;配列番号45)、D1−7(YNWNY;配列番号47)、D1−20(YNWND;配列番号45)、およびD1−26(YSGSYY;配列番号49)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号46、配列番号48、配列番号50、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D2−2(GYCSSTSCYT;配列番号51)、D2−8(GYCTNGVCYT;配列番号53)、D2−15(GYCSGGSCYS;配列番号55)、およびD2−21(AYCGGDCYS;配列番号57)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D3−3(YYDFWSGYYT;配列番号59)、D3−9(YYDILTGYYN;配列番号61)、D3−10(YYYGSGSYYN;配列番号63)、D3−16(YYDYVWGSYRYT;配列番号65)、およびD3−22(YYYDSSGYYY;配列番号67)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D4−4(DYSNY;配列番号69)、D4−11(DYSNY;配列番号69)、D4−17(DYGDY;配列番号71)、およびD4−23(DYGGNS;配列番号73)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変を含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号70、配列番号72、配列番号74、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D5−5(GYSYGY;配列番号75)、D5−12(GYSGYDY;配列番号77)、D5−18(GYSYGY;配列番号75)、およびD5−24(RDGYNY;配列番号79)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号76、配列番号78、配列番号80、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D6−6(EYSSSS;配列番号81)、D6−13(GYSSSWY;配列番号83)、およびD6−19(GYSSGWY;配列番号85)からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。一実施形態では、親水性フレームは、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号76、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、D7−27(NWG)をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒトD遺伝子セグメントは、ヌクレオチド配列における少なくとも1つの内因性コドンをヒスチジンコドンで置きかえる改変をさらに含む。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントの親水性フレームは、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、およびこれらの組合せからなる群から選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、反転させたヒトD遺伝子セグメントを含む、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、IgM、IgD、IgG、IgE、およびIgAから選択される免疫グロブリンアイソタイプをコードする、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。
一実施形態では、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、およびこれらの組合せから選択される、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、およびCH3(CH1−ヒンジ−CH2−CH3)を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、内因性遺伝子座に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在する(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在する、またはその内因性の遺伝子座内に、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH2におけるまたはCH3における改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、250位における改変(例えば、EまたはQ);250および428位における改変(例えば、LまたはF);252位における改変(例えば、L/Y/F/WまたはT)、254位における改変(例えば、SまたはT)、および256位における改変(例えば、S/R/Q/E/DまたはT);または428および/もしくは433位における改変(例えば、L/R/S/P/QまたはK)、および/もしくは434位における改変(例えば、H/FまたはY);または250および/もしくは428位における改変;または307もしくは308位における改変(例えば、308F、V308F)、ならびに434位における改変を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。一実施形態では、改変は、428L(例えば、M428L)および434S(例えば、N434S)の改変;428L、259I(例えば、V259I)、および308F(例えば、V308F)の改変;433K(例えば、H433K)および434位(例えば、434Y)の改変;252、254、および256位(例えば、252Y、254T、および256E)における改変;250Qおよび428Lの改変(例えば、T250QおよびM428L);ならびに307および/または308位における改変(例えば、308Fまたは308P)であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、252位のアミノ酸残基と257位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、307位のアミノ酸残基と311位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、433位のアミノ酸残基と436位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH3のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH3のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、N434S、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、V259I、V308F、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、N434A変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M252Y、S254T、T256E、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、T250Q、M248L、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、H433K、N434Y、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、(1)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第一のCH3のアミノ酸配列をコードする第一の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている、第一の対立遺伝子;ならびに(2)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第二のCH3のアミノ酸配列をコードする第二の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されており、第二のCH3のアミノ酸配列が、第二のCH3のアミノ酸配列の、プロテインAへの結合を低減するか、または消失させる改変(例えば、US2010/0331527A1を参照されたい)を含む、第二の対立遺伝子を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)を含む。一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、Y96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)をさらに含む。別の実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)およびY96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)の両方を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG1からのアミノ酸配列であり、D16E、L18M、N44S、K52N、V57M、およびV82I(IMGT;EUによるD356E、L38M、N384S、K392N、V397M、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG2からのアミノ酸配列であり、N44S、K52N、およびV82I(IMGT:EUによるN384S、K392N、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG4からのアミノ酸配列であり、Q15R、N44S、K52N、V57M、R69K、E79Q、およびV82I(IMGT:EUによるQ355R、N384S、K392N、V397M、R409K、E419Q、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、重鎖定常領域アミノ酸配列は、非ヒト定常領域のアミノ酸配列であり、重鎖定常領域アミノ酸配列は、上記の種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、ヒト重鎖定常領域アミノ酸配列であり、ヒト重鎖定常領域アミノ酸配列は、上記の種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、全てまたは実質的に全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを、免疫グロブリン重鎖遺伝子座から欠失させるか、または非機能性にする(例えば、免疫グロブリン遺伝子座内にヌクレオチド配列(例えば、外因性ヌクレオチド配列)の挿入を介して、または内因性のVHセグメント、Dセグメント、JHセグメントの非機能性の再構成または反転を介して)。一実施形態では、例えば、全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJH遺伝子セグメントのうちの約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、または約99%以上を欠失させるか、または非機能性にする。一実施形態では、例えば、内因性の機能性V遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJ遺伝子セグメントのうちの少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%を欠失させるか、または非機能性にする。
一実施形態では、遺伝子改変された遺伝子座は、全てまたは実質的に全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを欠失させるか、または非機能性にする改変を含み、ゲノム遺伝子座は、少なくとも1つのリーディングフレームに少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む、遺伝子改変された、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、遺伝子改変された、再構成されていない免疫グロブリン重鎖可変遺伝子配列は、内因性位置に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在する(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在するか、またはその内因性の遺伝子座内に、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、遺伝子改変された遺伝子座は、内因性Adam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含み、遺伝子改変は、内因性のAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方の発現および/または機能に影響を及ぼさない。
一実施形態では、遺伝子改変された遺伝子座は、異所性に存在するAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含む。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、非ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、マウスAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、非ヒトAdam6b遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、マウスAdam6b遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、ヒトAdam6b遺伝子である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列をさらに含む。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列およびκ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列から選択される、免疫グロブリン軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖可変ドメインをコードする少なくとも1つのリーディングフレームに少なくとも1つのヒスチジンコドンを導入する少なくとも1つの改変を含有する、再構成されていない軽鎖可変遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖CDRに1つ、2つ、3つ、または4つのヒスチジンコドンを含む、再構成された(例えば、再構成されたλまたはκのV/J配列)配列を含む。一実施形態では、CDRは、CDR1、CDR2、CDR3、およびこれらの組合せから選択される。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成された軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列である。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、内因性のマウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスκ遺伝子座である。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスλ遺伝子座である。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、マウスの免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、VELOCIMMUNE(登録商標)マウスにおけるヒト化免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性の環境で(例えば、約5.5〜約6.0のpHで)、遺伝子改変なしの、対応する野生型の重鎖可変ドメインより弱い抗原結合を示す。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、解離半減期(t1/2)を、中性pH(例えば、約7.0〜約7.4のpH)における抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)と比較して、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、または少なくとも約30倍短縮する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、遺伝子改変なしの野生型の抗原結合タンパク質と比較して、pH依存性リサイクル性の改善、血清半減期の延長、またはこれらの両方を特徴とする。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、目的の抗原で刺激されると、1つまたは複数のヒスチジン残基を含む重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質、例えば、抗体を産生することが可能なB細胞集団を含む。本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、被験体へと投与されると、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質を凌駕する血清半減期の延長を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質の少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍の血清半減期の延長を示す。
一態様では、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖可変遺伝子座を含む非ヒト動物を作製するための方法であって、
(a)非ヒト動物のゲノムを改変して、内因性免疫グロブリン重鎖のV遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJ遺伝子セグメントを欠失させるか、または非機能性にする(例えば、免疫グロブリン遺伝子座内にヌクレオチド配列(例えば、外因性ヌクレオチド配列)の挿入を介して、または内因性のVHセグメント、Dセグメント、JHセグメントの非機能性の再構成もしくは反転を介して)ステップと、
(b)ゲノムに、ヒトVH遺伝子セグメント、ヒトD遺伝子セグメント、およびヒトJH遺伝子セグメントを配置するステップであって、ヒトD遺伝子セグメントのうちの少なくとも1つを、5’側から3’側にかけて、対応する野生型配列に対して反転させており、反転させたヒトD遺伝子セグメントの少なくとも1つのリーディングフレームが、ヒスチジンコドンを含むステップと
を含む方法が提供される。
一実施形態では、非ヒト動物は、齧歯動物、例えば、マウス、ラット、またはハムスターを含む哺乳動物である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、生殖細胞系列ゲノムに存在する。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、1つまたは複数、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上、21以上、22以上、23以上、24以上、25以上、26以上、27以上、28以上、29以上、30以上、31以上、32以上、33以上、または34以上のヒスチジン残基を含む免疫グロブリン重鎖可変ドメインをコードする。
一実施形態では、機能性ヒトD遺伝子セグメントのうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または全てもしくは実質的に全ては、対応する野生型配列に対して逆配向である。
一実施形態では、内因性免疫グロブリンのVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、JH遺伝子セグメントの全てまたは実質的に全てを、免疫グロブリン重鎖遺伝子座から欠失させるか、または非機能性にする(例えば、免疫グロブリン遺伝子座にヌクレオチド配列、例えば、外因性ヌクレオチド配列の挿入を介して、または内因性の免疫グロブリンVHセグメント、Dセグメント、JHセグメントの全てもしくは実質的に全ての非機能性の再構成もしくは反転を介して)が、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、ヒトVH遺伝子セグメント、ヒトD遺伝子セグメント、およびヒトJH遺伝子セグメントを含み、ヒトD遺伝子セグメントのうちの少なくとも1つは、対応する野生型配列に対して逆配向で存在し、反転させたヒトD遺伝子セグメントにおける少なくとも1つのリーディングフレームは、少なくとも1つのヒスチジンコドンを含む。
一実施形態では、反転させたヒトD遺伝子セグメントは、ヒトVH遺伝子セグメントおよび/またはヒトJH遺伝子セグメントに作動可能に連結されている。
一実施形態では、野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D1−1、D1−7、D1−20、D1−26、D2−2、D2−8、D2−15、D2−21、D3−3、D3−9、D3−10、D3−16、D3−22、D4−4、D4−11、D4−17、D4−23、D5−5、D5−12、D5−18、D5−24、D6−6、D6−13、D6−19、D7−27、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D1−1、D1−7、D1−20、D1−26、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD1遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D2−2、D2−8、D2−15、D2−21、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD2遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D3−3、D3−9、D3−10、D3−16、D3−22、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD3遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D4−4、D4−11、D4−17、D4−23、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD4遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D5−5、D5−12、D5−18、D5−24、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD5遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D6−6、D6−13、D6−19、およびこれらの組合せからなる群から選択されるD6遺伝子セグメントである。
一実施形態では、対応する野生型配列と比べて逆配向で存在するヒトD遺伝子セグメントは、D7−27である。
一実施形態では、ヒトD遺伝子セグメントのリーディングフレームは、終止リーディングフレーム、親水性リーディングフレーム、疎水性リーディングフレーム、およびこれらの組合せから選択される。
一実施形態では、反転させたヒトD遺伝子セグメントを含む、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、IgM、IgD、IgG、IgE、およびIgAから選択される免疫グロブリンアイソタイプをコードする、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。
一実施形態では、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、およびこれらの組合せから選択される、ヒトまたは非ヒトの重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH1、ヒンジ、CH2、およびCH3(CH1−ヒンジ−CH2−CH3)を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、内因性遺伝子座に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在する(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在する、またはその内因性の遺伝子座内に、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、CH2におけるまたはCH3における改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、250位における改変(例えば、EまたはQ);250および428位における改変(例えば、LまたはF);252位における改変(例えば、L/Y/F/WまたはT)、254位における改変(例えば、SまたはT)、および256位における改変(例えば、S/R/Q/E/DまたはT);または428および/もしくは433位における改変(例えば、L/R/S/P/QまたはK)、および/もしくは434位における改変(例えば、H/FまたはY);または250および/もしくは428位における改変;または307もしくは308位における改変(例えば、308F、V308F)、ならびに434位における改変を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。一実施形態では、改変は、428L(例えば、M428L)および434S(例えば、N434S)の改変;428L、259I(例えば、V259I)、および308F(例えば、V308F)の改変;433K(例えば、H433K)および434位(例えば、434Y)の改変;252、254、および256位(例えば、252Y、254T、および256E)における改変;250Qおよび428Lの改変(例えば、T250QおよびM428L);ならびに307および/または308位における改変(例えば、308Fまたは308P)であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)重鎖定常領域アミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、252位のアミノ酸残基と257位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、307位のアミノ酸残基と311位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH2のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH2のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、433位のアミノ酸残基と436位のアミノ酸残基との間に、少なくとも1つの改変であって、酸性の環境で(例えば、pHが、約5.5〜約6.0の範囲であるエンドソーム内で)ヒトCH3のアミノ酸配列のFcRnへの親和性を増大させる改変を含む、ヒトCH3のアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、N434S、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M428L、V259I、V308F、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、N434A変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、M252Y、S254T、T256E、およびこれらの組合せからなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、T250Q、M248L、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、H433K、N434Y、またはこれらの両方からなる群から選択される変異を含むヒト重鎖定常領域アミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、(1)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第一のCH3のアミノ酸配列をコードする第一の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている、第一の対立遺伝子;ならびに(2)本明細書に記載されている、再構成されていないヒト免疫グロブリン重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、IgG1、IgG2、IgG4、およびこれらの組合せから選択されるヒトIgGの第二のCH3のアミノ酸配列をコードする第二の重鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されており、第二のCH3のアミノ酸配列が、第二のCH3のアミノ酸配列の、プロテインAへの結合を低減するか、または消失させる改変(例えば、US2010/0331527A1を参照されたい)を含む、第二の対立遺伝子を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)を含む。一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、Y96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)をさらに含む。別の実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、H95Rの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EU番号付けによるH435R)およびY96Fの改変(IMGTエクソン番号付けによる;EUによるH436F)の両方を含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG1からのアミノ酸配列であり、D16E、L18M、N44S、K52N、V57M、およびV82I(IMGT;EUによるD356E、L38M、N384S、K392N、V397M、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG2からのアミノ酸配列であり、N44S、K52N、およびV82I(IMGT:EUによるN384S、K392N、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、第二のCH3のアミノ酸配列は、改変ヒトIgG4からのアミノ酸配列であり、Q15R、N44S、K52N、V57M、R69K、E79Q、およびV82I(IMGT:EUによるQ355R、N384S、K392N、V397M、R409K、E419Q、およびV422I)からなる群から選択される変異をさらに含む。
一実施形態では、重鎖定常領域アミノ酸配列は、非ヒト定常領域のアミノ酸配列であり、重鎖定常領域アミノ酸配列は、上記の種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、重鎖定常領域のヌクレオチド配列は、ヒト重鎖定常領域アミノ酸配列であり、ヒト重鎖定常領域アミノ酸配列は、上記の種類の改変のうちのいずれかのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、全てまたは実質的に全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを、免疫グロブリン重鎖遺伝子座から欠失させるか、または非機能性にする(例えば、免疫グロブリン遺伝子座内にヌクレオチド配列(例えば、外因性ヌクレオチド配列)の挿入を介して、または内因性のVHセグメント、Dセグメント、JHセグメントの非機能性の再構成または反転を介して)。一実施形態では、例えば、全ての内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJH遺伝子セグメントのうちの約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、または約99%以上を欠失させるか、または非機能性にする。一実施形態では、例えば、内因性の機能性V遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、またはJ遺伝子セグメントのうちの少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%を欠失させるか、または非機能性にする。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座は、全てまたは実質的に全ての、内因性のVH遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJH遺伝子セグメントを欠失させるか、または非機能性にする改変を含み、遺伝子改変された遺伝子座は、本明細書に記載されている、少なくとも1つの反転させたヒトD遺伝子セグメントを含む、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含み、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列は、内因性位置に存在する(すなわち、ヌクレオチド配列が野生型の非ヒト動物にある場合)か、または異所性に存在する(例えば、そのゲノムにおける内因性免疫グロブリン鎖の遺伝子座と異なる遺伝子座に存在する、またはその内因性の遺伝子座内に、例えば、免疫グロブリン可変遺伝子座内に存在し、ここで、該内因性の遺伝子座は、ゲノムにおける異なる位置に配置されるか、またはゲノムにおける異なる位置へと移動している)。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、内因性Adam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含み、遺伝子改変は、内因性のAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方の発現および/または機能に影響を及ぼさない。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、異所性に存在するAdam6a遺伝子、Adam6b遺伝子、またはこれらの両方を含む。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、非ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、マウスAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6a遺伝子は、ヒトAdam6a遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、非ヒトAdam6b遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、マウスAdam6b遺伝子である。一実施形態では、Adam6b遺伝子は、ヒトAdam6b遺伝子である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列をさらに含む。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変遺伝子配列および/またはκ軽鎖可変遺伝子配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列およびκ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列から選択される、免疫グロブリン軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないλ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、λ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。一実施形態では、ヒト化された、再構成されていないκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列に作動可能に連結されている。一実施形態では、κ軽鎖定常領域のヌクレオチド配列は、マウス配列、ラット配列、またはヒト配列である。
一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖可変ドメインをコードする少なくとも1つのリーディングフレームに少なくとも1つのヒスチジンコドンを導入する少なくとも1つの改変を含有する、再構成されていない軽鎖可変遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、軽鎖CDRに1つ、2つ、3つ、または4つのヒスチジンコドンを含む、再構成された(例えば、再構成されたλまたはκのV/J配列)配列を含む。一実施形態では、CDRは、CDR1、CDR2、CDR3、およびこれらの組合せから選択される。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成された軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列である。一実施形態では、再構成されていないかまたは再構成されたヒトλ軽鎖可変領域またはヒトκ軽鎖可変領域のヌクレオチド配列は、内因性のマウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスκ遺伝子座である。一実施形態では、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウス免疫グロブリン軽鎖遺伝子座は、マウスλ遺伝子座である。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、マウスの免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。一実施形態では、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、VELOCIMMUNE(登録商標)マウスにおけるヒト化免疫グロブリン重鎖遺伝子座に存在する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性の環境で(例えば、約5.5〜約6.0のpHで)、遺伝子改変なしの、対応する野生型の重鎖可変ドメインより弱い抗原結合を示す。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、解離半減期(t1/2)を、中性pH(例えば、約7.0〜約7.4のpH)における抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)と比較して、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、または少なくとも約30倍短縮する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、遺伝子改変なしの野生型の抗原結合タンパク質と比較して、pH依存性リサイクル性の改善、血清半減期の延長、またはこれらの両方を特徴とする。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、目的の抗原で刺激されると、1つまたは複数のヒスチジン残基を含む重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質、例えば、抗体を産生することが可能な、富化されたB細胞集団を含む。本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、被験体へと投与されると、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質を凌駕する血清半減期の延長を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質の少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍の血清半減期の延長を示す。
一態様では、血清半減期が延長し、かつ/またはpH依存性リサイクル性が増強された免疫グロブリン重鎖可変ドメインを産生することが可能な非ヒト動物を作製するための方法であって、
(a)非ヒト動物のゲノムを改変して、内因性免疫グロブリン重鎖のV遺伝子セグメント、D遺伝子セグメント、およびJ遺伝子セグメントを欠失させるか、または非機能性にする(例えば、免疫グロブリン遺伝子座内にヌクレオチド配列(例えば、外因性ヌクレオチド配列)の挿入を介して、または内因性のVHセグメント、Dセグメント、JHセグメントの非機能性の再構成もしくは反転を介して)ステップと、
(b)ゲノムに、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列を配置するステップであって、再構成されていない重鎖可変領域のヌクレオチド配列が、少なくとも1つのヒスチジンコドンの付加または少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含み、非ヒト動物により産生される免疫グロブリン重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質が、野生型の免疫グロブリン重鎖ドメインと比較して、血清半減期の延長および/またはpH依存性リサイクル性の増強を示すステップと
を含む方法が提供される。
一実施形態では、非ヒト動物は、抗原と接触させると、血清半減期が延長し、かつ/またはpH依存性リサイクル性が増強した抗原結合タンパク質を発現する、富化されたB細胞レパートリーの集団であって、本明細書に記載されている任意の遺伝子改変を含む、富化されたB細胞集団を産生しうる。
一実施形態では、遺伝子改変された非ヒト動物により産生される抗原結合タンパク質は、中性pH(例えば、約7.0〜約7.4のpH)における、目的の抗原への十分な親和性、および中性pH未満のpHにおける(例えば、エンドソームのpH、例えば、約5.5〜6.0のpHにおける)、抗原−抗原結合タンパク質複合体からの抗体の解離の増強を特徴とする。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、2分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、25℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)は、37℃、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、1分間未満である。一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、酸性pH(例えば、約5.5〜約6.0のpH)で、解離半減期(t1/2)を、中性pH(例えば、約7.0〜約7.4のpH)における抗原結合タンパク質の解離半減期(t1/2)と比較して、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、または少なくとも約30倍短縮する。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座によって発現する重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質は、遺伝子改変なしの野生型の抗原結合タンパク質と比較して、pH依存性リサイクル性の改善、血清半減期の延長、またはこれらの両方を特徴とする。
一実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、目的の抗原で刺激されると、1つまたは複数のヒスチジン残基を含む重鎖可変ドメインを含む抗原結合タンパク質、例えば、抗体を産生することが可能な、富化されたB細胞集団を含む。本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、被験体へと投与されると、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質を凌駕する血清半減期の延長を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている抗原結合タンパク質は、重鎖可変ドメインをコードするが、重鎖可変ドメインにヒスチジン残基を含まない、類似するか、または十分に類似するアミノ酸配列を保有する、対応する野生型の抗原結合タンパク質の少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍の血清半減期の延長を示す。
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、中性pH(約7.0〜約7.4のpH)において、目的の抗原に、10−6未満、10−7未満、10−8未満、10−9未満、10−10未満、10−11未満、および10−12未満の親和性(KD)で、特異的に結合することが可能な免疫グロブリン重鎖可変ドメインを含む。
一態様では、リサイクル性が増強され、かつ/または血清半減期が改善された抗原結合タンパク質を得るための方法であって、
(a)本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座を有する非ヒト動物を免疫するステップであって、非ヒト動物が、少なくとも1つのヒスチジンコドンの付加または少なくとも1つの内因性非ヒスチジンコドンのヒスチジンコドンによる置換を含む、再構成されていないヒト重鎖可変領域のヌクレオチド配列を含むステップと、
(b)非ヒト動物に免疫応答を開始させるステップと、
(c)リンパ球(例えば、B細胞)を、免疫した非ヒト動物から採取するステップと、
(d)リンパ球を、骨髄腫細胞と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成するステップと、
(e)ハイブリドーマ細胞により産生される抗原結合タンパク質を得るステップであって、抗原結合タンパク質が、リサイクル性の増強および/または血清中の安定性を示すステップと
を含む方法が提供される。
一態様では、本明細書に記載されている方法のうちのいずれかにより得ることができる、遺伝子改変された免疫グロブリン重鎖遺伝子座が提供される。
一態様では、本明細書に記載されている方法のうちのいずれかにより得ることができる、遺伝子改変された非ヒト動物が提供される。
様々な実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物である。一実施形態では、哺乳動物は、齧歯動物、例えば、マウス、ラット、またはハムスターである。
様々な実施形態では、本明細書に記載されている、遺伝子改変された免疫グロブリン遺伝子座は、非ヒト動物、例えば、哺乳動物、例えば、齧歯動物、例えば、マウス、ラット、またはハムスターの生殖細胞系列ゲノムに存在する。