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JP2013038089A - 太陽電池モジュール用積層体 - Google Patents

太陽電池モジュール用積層体 Download PDF

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JP2013038089A JP2010177359A JP2010177359A JP2013038089A JP 2013038089 A JP2013038089 A JP 2013038089A JP 2010177359 A JP2010177359 A JP 2010177359A JP 2010177359 A JP2010177359 A JP 2010177359A JP 2013038089 A JP2013038089 A JP 2013038089A
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Abstract

【課題】絶縁性及び水蒸気バリア性に優れ、かつ太陽電池素子の封止材との密着性が良好で、製造時に作業性の良好な太陽電池モジュール用積層体を提供すること。
【解決手段】太陽電池モジュール用積層体、太陽電池素子、第一の封止材層、及び表面ガラスを順次備える太陽電池モジュールに用いられる、基材樹脂フィルムと、基材樹脂フィルムの一の表面上に配設される、水添ジエン系重合体を含む封止材料からなる第二の封止材層と、を備えた太陽電池モジュール用積層体である。
【選択図】なし

Description

本発明は太陽電池モジュール用積層体に関し、更に詳しくは、絶縁性及び水蒸気バリア性に優れ、かつ太陽電池素子の封止材との密着性が良好で、製造時に作業性の良好な太陽電池モジュール用積層体に関する。
近年、太陽電池は二酸化炭素等の温室効果ガスを排出しないクリーンなエネルギー源として注目されており、一般の住宅用にも利用されるようになってきた。しかしながら、太陽電池自体のコストが高いため、いまだ十分な普及には至っていない。太陽電池自体のコストが高い理由として、発電効率が十分ではなく、必要な電力を得るためにモジュールを大きくする必要がある点や、モジュールの生産性が低い点がある。
また、太陽電池モジュールは、屋外で使用されるため、使用される材料及びモジュール全体に十分な耐久性、耐候性が要求される。特に、太陽電池素子の裏面を保護するバックシートは、耐候性に加えて水蒸気透過率の低さ(水蒸気バリア性)が要求される。バックシートの水蒸気透過率が高いと水分の透過により、太陽電池素子を封止する封止材が剥離して配線の腐蝕を起こし、モジュールの出力そのものに悪影響を及ぼすからである。更に、前記バックシートは反射率と変換効率を増加させるために白色であることも必要である。
従来の絶縁性及び水蒸気バリア性に優れるバックシートとしては、太陽電池用裏面保護シートであって、基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムと、電気絶縁性を有するポリエステルフィルムとを積層して一体化された太陽電池用裏面保護シート(例えば、特許文献1参照)や、基材層の片面に少なくとも、無機酸化物の蒸着薄膜層が積層されてなるガスバリア性積層フィルム層の蒸着薄膜層面又は両面に、誘電率3.5以下の高分子フィルムからなる外側フィルム層を積層した積層体からなる太陽電池用裏面保護シートが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−253264号公報 特開2007−276225号公報
しかしながら、特許文献1,2で開示された発明においては、絶縁性と水蒸気バリア性を共に改善するためには絶縁性フィルムと水蒸気バリア性を有するフィルムとを積層して形成する必要があった。また、太陽電池素子を保護するために、太陽電池用裏面保護シートと太陽電池の間に封止材層を備える必要があった。そのため、製造工程における作業性が劣る場合があった。また、絶縁性の向上において、改善の余地が残されている。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、絶縁性及び水蒸気バリア性に優れ、かつ太陽電池素子との密着性が良好で、製造時に作業性の良好なバックシート(本明細書では「太陽電池モジュール用積層体」と記す。)を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、基材樹脂フィルムの一の表面上に、特定の成分を含む封止材料からなる封止材層を配設した太陽電池モジュール用積層体によって、上記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す太陽電池モジュール用積層体が提供される。
[1]太陽電池モジュール用積層体、太陽電池素子、第一の封止材層、及び表面ガラスを順次備える太陽電池モジュールに用いられる、基材樹脂フィルムと、前記基材樹脂フィルムの一の表面上に配設される、水添ジエン系重合体を含む封止材料からなる第二の封止材層と、を備える太陽電池モジュール用積層体。
[2]前記封止材料が、オレフィン系熱可塑性樹脂及び官能基含有重合体を更に含み、前記官能基含有重合体が、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基、イソシアネート基、及びオキサゾリン基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を有する前記[1]に記載の太陽電池モジュール用積層体。
[3]前記水添ジエン系重合体が、重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(B)を含むブロック共重合体の水素添加物であり、前記重合体ブロック(A)が、芳香族ビニル単位を50質量%以上含有する重合体ブロックであり、前記重合体ブロック(B)が、共役ジエン単位を50質量%以上含有する重合体ブロックである前記[1]又は[2]に記載の太陽電池モジュール用積層体。
[4]前記重合体ブロック(B)に含有される全ての共役ジエン単位に対し、1,2−ビニル結合された共役ジエン単位及び3,4−ビニル結合された共役ジエン単位が占める割合が、30〜90%である前記[3]に記載の太陽電池モジュール用積層体。
[5]前記基材樹脂フィルムが、ポリエステル系樹脂フィルムである前記[1]〜[4]のいずれかに記載の太陽電池モジュール用積層体。
[6]前記基材樹脂フィルムが、フッ素系樹脂フィルムである前記[1]〜[4]のいずれかに記載の太陽電池モジュール用積層体。
[7]前記基材樹脂フィルムが、スチレン系樹脂フィルムである前記[1]〜[4]のいずれかに記載の太陽電池モジュール用積層体。
[8]前記基材樹脂フィルムの他の表面上に配設される、紫外線カット層を更に備える前記[1]〜[7]のいずれかに記載の太陽電池モジュール用積層体。
本発明の太陽電池モジュール用積層体は、絶縁性及び水蒸気バリア性に優れ、かつ太陽電池素子の封止材との密着性が良好で、製造時に作業性が良好であるという効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。なお、本明細書においては、「共役ジエン化合物由来の構造単位」を「共役ジエン単位」、「芳香族ビニル化合物由来の構造単位」を「芳香族ビニル単位」と記す場合がある。
[1]太陽電池モジュール用積層体:
本発明の太陽電池モジュール用積層体は、太陽電池モジュール用積層体、太陽電池素子、第一の封止材層、及び表面ガラスを順次備える太陽電池モジュールに用いられるものであり、基材樹脂フィルムと、前記基材樹脂フィルムの一の表面上に配設される、水添ジエン系重合体を含む封止材料からなる第二の封止材層と、を備えるものである。特定の封止材料からなる第二の封止材層が絶縁性及び水蒸気バリア性を有するため、本発明の太陽電池モジュール用積層体は、別途絶縁層や水蒸気バリア層を積層しなくても、絶縁性及び水蒸気バリア性を有する。また、従来の太陽電池モジュールでは、太陽電池素子と太陽電池モジュール用積層体の間を封止材層で保護する必要があったが、本発明の太陽電池モジュール用積層体は、第二の封止材層を備えているため、別途、太陽電池素子と太陽電池モジュール用積層体の間を封止材層で保護する必要がなく、資源削減や、工程数の減少に伴う作業性の向上が可能である。
[1−1]基材樹脂フィルム:
基材樹脂フィルムとしては、特に限定されるものではなく、例えば、耐候性と難燃性を有する従来公知のフィルムを使用することができる。このようなフィルムとして、具体的には、ポリフッ化ビニル(PVF)又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素系樹脂フィルム、ポリアクリル酸系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂フィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂等)、ポリアミドイミド系樹脂フィルム、スチレン系樹脂フィルム、その他各種樹脂フィルムを使用することができる。
これらのフィルムの中でも、フッ素系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、スチレン系樹脂フィルムであることが好ましい。ポリエステル系樹脂フィルムとしては白色PETフィルム、フッ素系樹脂フィルムとしてはPVF又はPVDFフィルム、スチレン系樹脂フィルムとしてはAS樹脂フィルム、AES樹脂フィルム、ABS樹脂フィルムが好ましい。前記基材樹脂フィルムとしては、単層フィルムの他、前記各フィルムが積層された積層フィルムを用いることができる。後述するUVカット層、水蒸気バリア層又は電気絶縁層が予め積層された積層フィルムを用いても良い。
なお、基材樹脂フィルムは市販品を用いてもよい。このような市販品としては、例えば、PVFフィルムとして、商品名「テドラー」(デュポン社製)、白色PETフィルムとして、商品名「ルミラーE20」(東レ社製)がある。フィルムの膜厚は特に限定されないが、20〜100μmとすることが好ましい。
[1−2]第二の封止材層:
第二の封止材層は、基材樹脂フィルムの一の表面上に配設される、水添ジエン系重合体を含む封止材料からなる層である。
第二の封止材層の厚さは50〜1000μmであることが好ましく、100〜800μmであることが更に好ましく、200〜500μmであることが特に好ましい。50μm以上とすることにより、本発明の効果である水蒸気バリア性と絶縁性を十分に発揮させることができる。一方、1000μm以下とすることにより、積層時の基材樹脂フィルムや太陽電池素子との密着性、作業性、及びコストパフォーマンスを向上させることができる。
[1−2−1]水添ジエン系重合体:
封止材料は、水添ジエン系重合体を含むものである。封止材料が水添ジエン系重合体を含むことで、柔軟性が向上し、基材樹脂フィルムや太陽電池素子との密着性、太陽電池素子の封止性に優れた第二の封止材層を形成することができる。水添ジエン系重合体は、共役ジエン化合物を含む重合体の水素添加物であれば特に制限されるものではなく、例えば、共役ジエン単位と芳香族ビニル単位を含むジエン系共重合体の水素添加物がある。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン及びビニルピリジン等がある。これらの中でも、原料となる単量体の入手容易性、重合性の観点から、スチレン又はtert−ブチルスチレンを用いることが好ましい。
共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセン及びクロロプレン等がある。これらの中でも、原料となる単量体の入手容易性、重合性の観点から、1,3−ブタジエン又はイソプレンを用いることが好ましい。
芳香族ビニル単位と共役ジエン単位との質量比(芳香族ビニル単位:共役ジエン単位)は3:97〜60:40であることが好ましい。質量比が60:40超であると、水添ジエン系重合体のガラス転移点が高くなりすぎ、硬くなることで基材樹脂フィルムや太陽電池素子の封止材との密着性、太陽電池素子の封止性に劣る傾向にある。
水添ジエン系重合体は、共役ジエン単位と芳香族ビニル単位を含むジエン系重合体の中でも、芳香族ビニル単位を50質量%以上含有する重合体ブロック(A)及び共役ジエン単位を50質量%以上含有する重合体ブロック(B)を含むブロック共重合体の水素添加物であることが好ましい。重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(B)を含むブロック共重合体としては、例えば、(A)−(B)、[(A)−(B)]−Y、(A)−(B)−(A)、[(A)−(B)−(A)]−Y、(A)−(B)−(A)−(B)、(B)−(A)−(B)−(A)、[(A)−(B)−(A)−(B)]−Y、(A)−(B)−(A)−(B)−(A)、及び[(A)−(B)−(A)−(B)−(A)]−Y、[(B)−(A)]−Y等の構造を有するものがある(但し、(A):重合体ブロック(A)、(B):重合体ブロック(B)、x:2以上の整数、Y:カップリング剤残基、を示す)。
なお、上記のような2種以上の重合体ブロックを含むブロック共重合体は、芳香族ビニル単位又は共役ジエン単位の含有率が重合体ブロック中で連続的に変化するテーパー型、又はランダム型であってもよい。また、重合体ブロックをカップリングさせるカップリング剤としては、例えば、メチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、テトラクロロシラン、ジブロモエタン、テトラクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、テトラクロロゲルマニウム、ビス(トリクロロシリル)エタン等のハロゲン化合物;エポキシ化大豆油等のエポキシ化合物;アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、ジメチルテレフタル酸、ジエチルテレフタル酸等のカルボニル化合物;ジビニルベンゼン等のポリビニル化合物;ポリイソシアネート等がある。
重合体ブロック(B)に含有される全ての共役ジエン単位に対し、1,2−ビニル結合された共役ジエン単位及び3,4−ビニル結合された共役ジエン単位が占める割合は、30〜90%であることが好ましい。30%以上とすることにより、封止材料の柔軟性を向上させることができる。一方、90%以下とすることにより、封止材料の成形性を向上させることができる。
水添ジエン系重合体は、重合体を構成する共役ジエン単位の二重結合の少なくとも80%が水素添加された重合体である。水素添加率の上限については特に制限はないが、耐候性や耐熱性に優れた材料を得るという観点から、二重結合の90%以上が水素添加された重合体であることが好ましく、95%以上が水素添加された重合体であることが更に好ましい。
水添ジエン系重合体は、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基及びオキサゾリン基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基が導入された官能基導入重合体であってもよい。このような官能基が導入されることで、基材樹脂フィルムや太陽電池素子との密着性、太陽電池素子の封止性が向上する傾向にある。
官能基の導入割合は、平均で0.01〜100(個/1ポリマー)であることが好ましく、平均で0.1〜10(個/1ポリマー)であることが更に好ましい。官能基の導入割合を平均で0.01(個/1ポリマー)以上とすることにより、基材樹脂フィルムや太陽電池素子との密着性、太陽電池素子の封止性を向上させることができる。一方、官能基の導入割合を平均で100(個/1ポリマー)以下とすることにより、成形加工性及び作業性を向上させることができる。なお、「官能基の導入割合」とは、ポリマー1分子鎖あたりに導入された官能基の個数を意味するものとする。
官能基の導入割合については、赤外分光法(IR)、核磁気共鳴分光法(NMR)、熱分解ガスクロマトグラフィー(熱分解GC)又は滴定法等の従来公知の分析方法を用いて定量することができる。例えば、アミノ基については、Analy.Chem.564(1952)記載のアミン滴定法に準拠して定量することができる。
水添ジエン系重合体の分子量については特に制限されるものではないが、重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう)で、3万〜200万であることが好ましく、4万〜100万であることが更に好ましく、5万〜50万であることが特に好ましい。Mwを3万以上とすると、第二の封止材層の強度や寸法安定性を向上させることができる。一方、200万以下とすると、水添ジエン系重合体の溶融粘度を適切な範囲に保つことができ、成形加工性及び作業性を向上させることができる。なお、ここでいう「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量をいう。
水添ジエン系重合体の製造方法としては、重合開始剤の存在下、共役ジエン化合物を単独で重合し、或いは、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物をブロック共重合し、得られた(共)重合体を水素添加して得る方法がある。重合方法は特に限定されるものではなく、従来公知のリビングアニオン重合等により行うことができる。
水添ジエン系重合体が、官能基が導入された官能基導入重合体である場合、水添ジエン系重合体に官能基を導入する方法は特に限定されるものではない。例えば、重合開始剤に、アミノ基を有する有機アルカリ金属化合物を用いたり、芳香族ビニル化合物としてアミノ基を有する不飽和単量体を用いたりすることで、アミノ基が導入された水添ジエン系重合体を得ることができる。
また、重合反応終了直後の重合活性末端に、アルコキシシラン化合物、エポキシ化合物、ケトン化合物、含窒素化合物を反応させることでも、対応する官能基が導入された水添ジエン系重合体を得ることができる。
更には、重合反応及び水素添加により得られた水添ジエン系重合体に、(メタ)アクリロイル基含有化合物、エポキシ基含有化合物及び無水マレイン酸からなる群から選択される少なくとも1種を、溶液中ないしは押し出し機等の混練機中で反応させても対応する官能基を導入することができる。
[1−2−2]オレフィン系熱可塑性樹脂:
封止材料は、オレフィン系熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。封止材料がオレフィン系熱可塑性樹脂を含むことで、耐熱性、水蒸気バリア性、及び絶縁性が向上することに加え、成形加工性が向上するので、作業性に優れるようになる。
オレフィン系熱可塑性樹脂としては、特に制限されるものではないが、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等が好ましく、耐熱性の観点からポリプロピレンを構成成分として含有するものが更に好ましい。ポリプロピレンを構成成分として含有するものであることが好ましい。ポリプロピレンとしては、例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、プロピレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン共重合体等がある。
オレフィン系熱可塑性樹脂を構成する重合体の分子量や分子量分布について特に制限はない。従って、実質的に成形加工が可能な範囲で適宜選択すればよい。そのような観点からは、重量平均分子量は、1万以上であることが好ましく、4万以上であることが更に好ましく、8万以上であることが特に好ましい。なお、ここでいう「重量平均分子量」とは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロピルアルコールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリメタクリル酸メチル換算の重量平均分子量をいう。
オレフィン系熱可塑性樹脂の融点についても特に制限はないが、120℃以上であることが好ましく、140℃以上であることが更に好ましい。なお、本明細書において、オレフィン系熱可塑性樹脂の融点を示す際には、示差走査熱量計(DSC)により測定した値をいう。
オレフィン系熱可塑性樹脂は、従来公知のオレフィン系熱可塑性樹脂製造法により製造することができる。具体的には、ラジカル重合、触媒重合法を挙げることができる。また、市販品を用いてもよい。ポリプロピレンの市販品としては、例えば、商品名「WSX02」、「BC6C」(以上、日本ポリプロ社製)がある。
オレフィン系熱可塑性樹脂の含有量は、オレフィン系熱可塑性樹脂及び水添ジエン系重合体の合計量100質量部に対し、0質量部超、60質量部以下であることが好ましく、5〜60質量部であることが更に好ましい。オレフィン系熱可塑性樹脂を含有させることにより、耐熱性や成形加工性に加えて、水蒸気バリア性及び絶縁性を向上させることができる。また、基材樹脂フィルムや太陽電池素子の封止材との密着性を向上させることができる。一方、60質量部以下とすることで、基材樹脂フィルムや太陽電池素子の封止材との密着性、太陽電池素子の封止性を向上させることができる。
[1−2−3]官能基含有重合体:
封止材料は、官能基含有重合体を含有することが好ましい。官能基含有重合体を含むことで、基材樹脂フィルムや太陽電池素子との密着性、太陽電池素子の封止性に優れた第二の封止材層を形成することができる。
本明細書において、「官能基含有重合体」とは、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基及びオキサゾリン基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を有する重合体であって、[1−2−1]の項で説明した水添ジエン系重合体以外の重合体をいう。即ち、基本骨格となる重合体(以下、「ベースポリマー」ともいう)に官能基が導入された重合体である。このような官能基を導入した官能基含有重合体を含有することによって、基材樹脂フィルムや太陽電池素子との密着性が優れるものとなる。
官能基含有重合体として、具体的には、官能基含有オレフィン系重合体を使用することができる。なお、本明細書中において、「官能基含有オレフィン系重合体」とは、オレフィン系重合体をベースポリマーとし、このベースポリマーに官能基が導入された重合体をいう。
官能基含有オレフィン系重合体のベースポリマーとなるオレフィン系重合体は、オレフィン化合物(即ち、エチレン及びα−オレフィンの少なくともいずれか)由来の繰り返し単位を含む重合体である。具体的には、1種又は2種以上のオレフィン化合物を重合して得られる重合体を挙げることができる。その重合法について特に制限はなく、例えば、従来公知の重合法(例えば、高圧法、低圧法等)等による重合法がある。但し、官能基含有オレフィン系重合体のベースポリマーは、オレフィン化合物以外の化合物に由来する繰り返し単位を含む重合体であってもよい。
α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン等の炭素数3〜12のα−オレフィン等がある。
オレフィン系重合体としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等があり、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのポリオレフィンの中では、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。
ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・オクテン共重合体等がある。ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、プロピレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン共重合体等がある。
官能基含有重合体は、ベースポリマーであるオレフィン系重合体に官能基が導入された重合体である。官能基を導入する方法としては、例えば、オレフィン化合物とその官能基を有する単量体とを共重合させる方法や、グラフト重合等により導入する方法がある。共重合させる方法として、具体的には、エチレンと(メタ)アクリル酸とを共重合させることにより、カルボキシル基が導入された重合体を、エチレンと無水マレイン酸とを共重合させることにより、酸無水物基が導入された重合体を、エチレンと一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基含有化合物とを共重合させることにより、(メタ)アクリロイル基が導入された重合体を、エチレンと一般式(2)で表されるエポキシ基含有化合物とを共重合させることにより、エポキシ基が導入された重合体を得ることができる。
Figure 2013038089
一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、単結合又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Xは、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、−NH3−qで示される基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基又はオキサゾリン基を示し、qは、Xが−NH3−qで示される基の場合は1〜3の整数を示し、Xがその他の官能基の場合は1を示す。
Figure 2013038089
一般式(2)中、Rは、炭素数2〜18のアルケニル基を示し、Rは、カルボニルオキシ基、メチレンオキシ基又はフェニレンオキシ基を示す。
官能基含有重合体の具体例としては、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体をNa、Zn、Mg等の金属イオンによってカルボキシル基の一部を中和させたアイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体のけん化物、エチレン・(メタ)アクリロイル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル・無水マレイン酸共重合体、エチレン・ビニルイソシアネート共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体、エポキシ変性エチレン・プロピレン共重合体、ヒドロキシル変性ポリエチレン、ヒドロキシル変性エチレン・プロピレン共重合体等を挙げることができる。
これらの中でも、基材樹脂フィルムや太陽電池素子との密着性に優れる酸無水物基を有する重合体や、水添ジエン系重合体との相溶性により、酸無水物基を有するポリプロピレン又はエチレン・グリシジルメタクリレート共重合体が好ましい。なお、官能基含有重合体として、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体として、商品名「ボンドファースト」(住友化学社製)、エチレン−メタクリル酸共重合体として、商品名「ニュクレル N1525」(三井・デュポンポリケミカル社製)、無水マレイン酸変性ポリプロピレンとして、商品名「ユーメックス1010」(三洋化成工業社製)がある。
官能基含有重合体は、得られる第二の封止材層の機械的特性と成形加工性のバランスが良くなる範囲内で、官能基を導入した重合体を用いればよい。具体的には、官能基の導入割合を平均で0.01〜1,000(個/1ポリマー)とすることが好ましく、平均で0.1〜500(個/1ポリマー)とすることが更に好ましい。官能基の導入割合を平均で0.01(個/1ポリマー)以上とすることにより、良好な基材樹脂フィルムを得ることができ、太陽電池素子との密着性も向上させることができる。一方、平均で1,000(個/1ポリマー)以下とすることにより封止材料の流動性が良好になり、成形性及び作業性を向上させることができる。
官能基含有重合体の分子量については特に制限はないが、重量平均分子量が0.1万〜200万であることが好ましく、0.5万〜150万であることが更に好ましく、0.5万〜100万であることが特に好ましい。重量平均分子量を0.1万以上とすることにより、第二の封止材層の強度を向上させることができる。一方、重量平均分子量を200万以下とすることにより、封止材料の流動性が良好になり、成形加工性及び作業性を向上させることができる。なお、ここでいう「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量をいう。
官能基含有重合体の含有量は、オレフィン系熱可塑性樹脂及び水添ジエン系重合体の合計量100質量部に対し、0.1〜40質量部とすることが好ましく、0.5〜30質量部とすることが更に好ましい。0.1質量部以上とすることにより、基材樹脂フィルムや太陽電池素子との密着性を向上させることができる。一方、40質量部以下とすることにより、過剰の官能基含有重合体に起因する成形加工性や作業性の低下を回避することができる。
[1−2−4]その他の添加物:
封止材料には、その物性を損なわない限りにおいて、オレフィン系熱可塑性樹脂、水添ジエン系重合体、及び官能基含有重合体以外のその他の添加物を加えることができる。その他の添加物としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、各種充填材、滑剤、可塑剤、着色防止剤、着色剤、抗菌剤、核形成剤、帯電防止剤等がある。
酸化防止剤としては、例えば、リン系安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、エポキシ系安定剤、イオウ系安定剤等がある。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系等がある。シランカップリング剤としては、例えば、ビニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、のような不飽和基、アミノ基、エポキシ基等とともに、アルコキシ基のような加水分解可能な基を有する化合物等がある。各種充填材としては、例えば、シリカ、マイカ等がある。滑剤としては、例えば、脂肪酸アミド等がある。
[1−3]紫外線カット層:
本発明の太陽電池モジュール用積層体は、基材樹脂フィルムの他の表面上に配設される紫外線カット層(以下、「UVカット層」と記す。)を更に備えるものであることが好ましい。UVカット層を更に備えることで、耐候性を向上させることができ、本発明の太陽電池モジュール積層体の第二の封止材層を構成する封止材料に含まれる重合体の劣化を抑制することができる。このようなUVカット層の構成は特に限定されるものではなく、例えば、基材樹脂フィルムの他の表面上に、従来公知の紫外線吸収効果を有する物質をコーティングして形成した層がある。
従来公知の紫外線吸収効果を有する物質としては、例えば、オルガノシラン化合物、加水分解物、及び縮合物からなる群より選択される少なくとも一種のシラン化合物に紫外線吸収剤等を配合したものがある。シラン化合物として、より具体的には、国際公開第2008/035669号の段落0025〜0120に記載されているものを挙げることができる。
紫外線吸収剤として、具体的には、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジターシャルブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、フェニルサリチラート、p−オクチルフェニルサリチラート、p−ターシャルブチルフェニルサリチラート等の有機系紫外線吸収剤、酸化セシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機系紫外線吸収剤を用いることができる。これらの中でも、紫外線吸収効率が高いベンゾフェノン系化合物が好適に用いられる。
UVカット層の厚さは5〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることが更に好ましく、10〜15μmであることが特に好ましい。5μm以上とすることにより、耐候性を十分に向上させることができる。一方、100μm以下とすることにより、本発明の太陽電池モジュール用積層体が厚くなり過ぎず、適切な厚さに構成することができる。
[1−4]電気絶縁層:
本発明の太陽電池モジュール用積層体は電気絶縁層を更に備えるものであることが好ましい。電気絶縁層を更に備えることで絶縁性を更に向上させることができる。電気絶縁層の構成は特に限定されず、従来公知の絶縁性物質を用いて形成した層であればよい。例えば、PETフィルム等を好適に用いることができる。
[1−5]水蒸気バリア層:
本発明の太陽電池モジュール用積層体は水蒸気バリア層を更に備えるものであることが好ましい。水蒸気バリア層を更に備えることで水蒸気の透過率を更に低減させることができる。水蒸気バリア層の構成は特に限定されないが、無機酸化物の蒸着層やAl箔等が好ましい。蒸着させる無機酸化物としては酸化アルミニウム、酸化珪素等を好適に用いることができる。
[2]太陽電池モジュール用積層体の製造方法:
太陽電池モジュール用積層体の製造方法は特に限定されるものではなく、従来公知の積層方法で、基材樹脂フィルムと、第二の封止材層と、必要に応じて、UVカット層、電気絶縁層、水蒸気バリア層と、を積層することで製造することができる。従来公知の積層方法としては、例えば、熱ラミネーション法、ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、押し出しコート法、カレンダーコート法等がある。
熱ラミネーション法は、予めフィルム状に製膜された2枚以上の層、この場合、基材樹脂フィルムと、第二の封止材層のフィルム等と、を重ねて加熱ロール等で加熱加圧して熱接着させる方法である。
また、ドライラミネーション法は、例えば予めフィルム状に製膜された2枚のフィルム(即ち、基材樹脂フィルムと、第二の封止材層のフィルム)のうち一方のフィルム(例えば基材樹脂フィルム)の表面に2液硬化型のポリウレタン系接着剤等を塗布し、熱風乾燥等により溶剤成分を除去し、硬化前のタック(粘着性)のある状態で、その上にもう一方のフィルム(第二の封止材層のフィルム)を重ねて圧着し、ロール状に巻き上げ、常温又は比較的低い温度で加熱保存して、経時的に接着剤を硬化させて貼り合わせる方法である。
更に、押し出しラミネーション法は、予めフィルム状に製膜された2枚のフィルム、即ち、フロントカバーフィルム又はバックカバーフィルムと、第二の封止材層のフィルムとを、両者の間に熱接着性樹脂を、Tダイ等で膜状に溶融押し出しして圧着し、冷却して積層する方法である。
押し出しコート法は、予め製膜されたフィルム、この場合、基材樹脂フィルムの積層面に、必要に応じてアンカーコート(プライマーコートの一種)を施し、その上に第二の封止材層を構成する封止材料を、Tダイ等で膜状に溶融押し出しコートしながら、チルロールで冷却、圧着して積層する方法である。
また、カレンダーコート法は、例えば第二の封止材層を構成する封止材料を、カレンダーで加熱して膜状に成形すると同時に、これを基材樹脂フィルムの積層面に重ねて被覆し、圧着、冷却して積層する方法である。この場合も基材樹脂フィルムの積層面には、必要に応じてアンカーコートを施すことができる。
[2]で説明したような製造方法を採ることにより、広幅長尺の基材樹脂フィルムに、連続的に第二の封止材層を積層することができるので、太陽電池モジュール用積層体を生産性よく製造することができる。
前記積層方法において、基材樹脂フィルムは市販の樹脂フィルムを利用することができ、素材樹脂をキャスト成形、押し出し成形等により成形したフィルムを用いることもできる。また、第二の封止材層のフィルムは[1−2]の項で説明した水添ジエン系重合体に、必要に応じてオレフィン系熱可塑性樹脂、官能基含有重合体、その他の添加剤を加え、これらを溶融、混合し、シート成形することで、極めて容易に製造することができる。混合、成形の方法は特に限定されないが、押出機やバンバリーミキサーでの混合、押出Tダイ成形やカレンダー成形でシート成形することが工業的に有利であり好ましい。この際の溶融、混合、成形の温度は、150〜250℃の範囲内とすることが好ましい。
[3]太陽電池モジュール:
太陽電池モジュールは、前述の太陽電池モジュール用積層体は、太陽電池素子、第一の封止材層、及び表面ガラスを順次備える太陽電池モジュール用のバックシートとして好適に用いることができる。本発明に係る太陽電池モジュール用積層体を備えた太陽電池モジュールは、水蒸気バリア性及び絶縁性に優れており、長期間に亘って使用することができる。また、従来の太陽電池モジュールのように、太陽電池モジュール用積層体と太陽電池素子の間に、別途、封止材層(以下、「第三の封止材層」と記す場合がある。)を備える必要がないため、資源削減や、工程数の低下に伴う作業性の向上が可能である。
太陽電池素子及び表面ガラスの構成は特に限定されるものではなく、従来の太陽電池モジュールに使用されているものを用いることができる。
第一の封止材層を構成する封止材料は、特に限定されるものではなく、従来の太陽電池モジュールに使用されるエチレン・酢酸ビニル(EVA)共重合体、あるいは柔軟性、透明性の観点からポリビニルブチラール、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマー、エチレン・α−オレフィン共重合体、「[1−2]第二の封止材層」の項に記載した封止材料と同様のもの等が使用できる。これらの中でも「[1−2]第二の封止材層」の項に記載した封止材料と同様の材料が、第二の封止材層との接着性に優れることから好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[全ての共役ジエン単位に対し、1,2−ビニル結合された共役ジエン単位及び3,4−ビニル結合された共役ジエン単位が占める割合(%)]
赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。
[結合スチレン含量(%)]
四塩化炭素を溶媒として用い、270MHz、H−NMRスペクトルから算出した。
[重量平均分子量(Mw)]
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、商品名:HLC−8120、東ソー社製)を用いてポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。
[MFR(メルトフローレート)]
JIS K7210に記載の方法に準拠して、230℃、21.2N荷重の条件で測定した。
[官能基の導入割合(個/ポリマー)]
Analy.Chem.564(1952)記載のアミン滴定法に準拠して定量した。即ち、得られた水添ジエン系重合体を精製した後、有機溶剤に溶解し、指示薬としてメチルバイオレットを用い、溶液の色が紫から水色に変化するまでHClO/CHCOOHを滴下し、その滴下量から官能基含量を算出した。
[共役ジエン重合体の水素添加率(%)]
四塩化炭素を溶媒として用い、270MHz、H−NMRスペクトルから算出した。
[密着性]
太陽電池モジュール用積層体と表面ガラスを両手で引っ張り、その剥がれ具合を観察し、密着力が強い場合を「良」と評価し、密着力が低い場合は「不良」と評価した。
[作業性]
モジュール一個あたりの組み立て時間により評価した。具体的には、比較例2の方法に要する時間及び労力を基準として、それよりも少ない時間及び労力で擬似太陽電池モジュールが組みあがれば「良」と評価し、同等以上の時間及び労力で擬似太陽電池モジュールが組みあがれば「不良」と評価した。
[水蒸気透過率(g/m・day)]
JIS Z0208に準拠し測定を行なった。
[絶縁破壊電圧(kV/mm)]
JIS C2110に準拠し測定を行った。ヤマヨ試験器社製の絶縁破壊試験装置(商品名:「YST−243−100RHO」)を用いて測定した。
(調製例1:水添ジエン系重合体の調製)
窒素置換された内容積50Lの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、2,2,5,5−テトラメチル−1−(3−リチオプロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン(14.5g)、テトラヒドロフラン(750g)、及びスチレン(500g)を加え、50℃からの断熱重合を行った。
反応完結後、温度を20℃として1,3−ブタジエン(4,250g)を添加し、更に断熱重合を行った。30分後、スチレン(250g)を添加し、更に重合を行った。重合が完結した後、水素ガスを0.4MPa−Gaugeの圧力で供給し、20分間撹拌し、リビングアニオンの活性ポリマー末端のリチウムと反応させ、水素化リチウムとした。
反応溶液を90℃にし、チタノセンジクロリドを主体とする触媒を使用して水素添加反応を行った。水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒をスチームストリッピングにより除去することによって、「[1−2−1]水添ジエン系重合体」の項で例示した(A)−(B)−(A)型構造の水添ジエン系重合体(1)を得た。
得られた水添ジエン系重合体の分子特性を測定したところ、ポリブタジエンブロック(重合体ブロック(B))に含有される全ての共役ジエン単位に対し、1,2−ビニル結合された共役ジエン単位及び3,4−ビニル結合された共役ジエン単位が占める割合が78%であり、水素添加前の共役ジエン系重合体の結合スチレン含量は15%であり、Mwは13万であり、MFRは22g/10分であり、官能基の導入割合は0.98個/ポリマーであり、水素添加率は97%であった。
(作製例1:封止材層(1)の作製)
前記水添ジエン系重合体(1)70部、オレフィン系熱可塑性樹脂としてメタロセン系ポリプロピレン(日本ポリプロ社製、商品名「WSX02」)30部、及び官能基含有重合体としてエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学社製、商品名「ボンドファースト CG5001」)5部を、各々真空乾燥機により十分に水分率を減少させた後混合し、更にシランカップリング剤としてビニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名「KBM−1003」)2部を添加し、40mmφ(直径)押出機を用いて200℃で混練してペレット化した。得られたペレットをTダイ押出成形機を用いて製膜し、0.4mm厚みの封止材層(1)を得た。
(作製例2:封止材層(2)の作製)
官能基含有重合体として、エチレン−メタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、商品名「ニュクレル N1525」)に変更したことを除いて、作製例1と同様にして封止材層(2)を得た。
(作製例3:封止材層(3)の作製)
粘着性、流動性を付与するための添加剤として、水素化石油樹脂(荒川化学工業社製、商品名「アルコン P125」)10部を追加したことを除いて、作製例1と同様にして封止材層(3)を得た。
以下の実施例においては、太陽電池素子を用いることなく、太陽電池モジュール用積層体、第1の封止材層、表面ガラスを積層して接合して疑似太陽電池モジュールを作製し、この疑似太陽電池モジュールを用いて太陽電池モジュール用積層体の特性を評価した。本来的には、太陽電池モジュール用積層体と第一の封止材層の間に太陽電池素子を配置して封止する。
(実施例1:太陽電池モジュール用積層体)
前記封止材層(1)と、基材樹脂フィルム(1)(PVFフィルム:デュポン社製、商品名「テドラー」、膜厚38μm)と、をドライラミネーション法にて接着させた太陽電池モジュール用積層体上に、前記封止材層(1)、表面ガラス(1)(AGCファブリテック社製、片面エンボス加工)を順に重ねて、熱ラミネーション法にて擬似太陽電池モジュールを製造した。製造した擬似太陽電池モジュールの密着性は「良」であり、作業性は「良」であり、水蒸気透過性は4.1g/m・dayであり、絶縁破壊特性は70kV/mmであった。
(実施例2:太陽電池モジュール用積層体)
前記封止材層(1)、電気絶縁層(1)(白色PETフィルム:東レ社製、商品名「ルミラーE20」、膜厚50μm)、前記基材樹脂フィルム(1)を順にドライラミネーション法にて接着させた太陽電池モジュール用積層体上に、前記封止材層(1)、前記表面ガラス(1)を順に重ねて、熱ラミネーション法にて擬似太陽電池モジュールを製造した。製造した擬似太陽電池モジュールの各種物性値を表1に記す。
(実施例3:太陽電池モジュール用積層体)
前記封止材層(1)、水蒸気バリア層(1)(蒸着PETフィルム:尾池パックマテリアル社製、商品名「MOS T−SB」、膜厚75μm)、前記基材樹脂フィルム(1)を順にドライラミネーション法にて接着させた太陽電池モジュール用積層体上に、前記封止材層(1)、前記表面ガラス(1)を順に重ねて、熱ラミネーション法にて擬似太陽電池モジュールを製造した。製造した擬似太陽電池モジュールの各種物性値を表1に記す。
(実施例4:太陽電池モジュール用積層体)
前記封止材層(1)と基材樹脂フィルム(2)(白色PETフィルム:東レ社製、ルミラーE20、膜厚75μm)とをドライラミネーション法にて接着させた太陽電池モジュール用積層体上に、前記封止材層(1)、前記表面ガラス(1)を順に重ねて、熱ラミネーション法にて擬似太陽電池モジュールを製造した。製造した擬似太陽電池モジュールの各種物性値を表1に記す。
(実施例5:太陽電池モジュール用積層体)
前記封止材層(1)、前記水蒸気バリア層(1)、前記基材樹脂フィルム(2)を順にドライラミネーション法にて接着させた太陽電池モジュール用積層体上に、前記封止材層(1)、前記表面ガラス(1)を順に重ねて、熱ラミネーション法にて擬似太陽電池モジュールを製造した。製造した擬似太陽電池モジュールの各種物性値を表1に記す。
(実施例6:太陽電池モジュール用積層体)
前記封止材層(1)と、前記基材樹脂フィルム(2)と、をドライラミネーション法にて接着させ、前記基材樹脂フィルム(2)の前記封止材層(1)が接着されていない面をUVカット層(1)でコーティングした太陽電池モジュール用積層体上に、前記封止材層(1)、前記表面ガラス(1)を順に重ねて、熱ラミネーション法にて擬似太陽電池モジュールを製造した。製造した擬似太陽電池モジュールの各種物性値を表1に記す。
(実施例7:太陽電池モジュール用積層体)
前記封止材層(1)、前記水蒸気バリア層(1)、前記UVカット層(1)を配した前記基材樹脂フィルム(2)を順にドライラミネーション法にて接着させた太陽電池モジュール用積層体上に、前記封止材層(1)、前記表面ガラス(1)を順に重ねて、熱ラミネーション法にて擬似太陽電池モジュールを製造した。製造した擬似太陽電池モジュールの各種物性値を表1に記す。
(実施例8:太陽電池モジュール用積層体)
前記封止材層(2)を用いたことを除いて、実施例1と同様にして擬似太陽電池モジュールを製造した。製造した擬似太陽電池モジュールの各種物性値を表1に記す。
(実施例9:太陽電池モジュール用積層体)
前記封止材層(3)を用いたことを除いて、実施例1と同様にして擬似太陽電池モジュールを製造した。製造した擬似太陽電池モジュールの各種物性値を表1に記す。
Figure 2013038089
表1からわかるように、本発明の太陽電池モジュール用積層体を用いれば、基材樹脂フィルムとの密着性が良好であり、作業性も良好で、かつ水蒸気バリア性及び絶縁性に優れた擬似太陽電池モジュールを製造可能である。また、水蒸気バリア性や絶縁性の更なる向上を図るために、水蒸気バリア層や電気絶縁層を備えることが好ましいこともわかる(実施例2,3,5,7)。更に、太陽電池モジュール用積層体が第二の封止材層を備えているため、後述する比較例1〜3のように、太陽電池モジュール用積層体と太陽電池素子の間に、別途、封止材層を備える必要がなく、作業性に優れている。
以下の比較例においては、太陽電池素子を用いることなく、太陽電池モジュール用積層体、第三の封止材層、第一の封止材層、表面ガラスを積層して接合して疑似太陽電池モジュールを作製し、この疑似太陽電池モジュールを用いて太陽電池モジュール用積層体の特性を評価した。本来的には、第三の封止材層と第一の封止材層の間に太陽電池素子を配置して封止する。
(比較例1:太陽電池モジュール用積層体)
前記基材樹脂フィルム(1)上に前記封止材層(1)のシートを二枚、前記表面ガラス(1)を順に重ねて、熱ラミネーション法にて擬似太陽電池モジュールを製造した。製造した擬似太陽電池モジュールの各種物性値を表2に記す。
(比較例2:太陽電池モジュール用積層体)
前記基材樹脂フィルム(2)、前記水蒸気バリア層(1)、前記電気絶縁層(1)を順にドライラミネーション法にて接着させた太陽電池モジュール用積層体上に、前記封止材層(1)のシートを二枚、前記表面ガラス(1)を順に重ねて、熱ラミネーション法にて擬似太陽電池モジュールを製造した。製造した擬似太陽電池モジュールの各種物性値を表2に記す。
(比較例3:太陽電池モジュール用積層体)
比較例2の太陽電池モジュール用積層体上に、封止材層(3)(EVAシート:サンビック株式会社製、商品名「スタンダードキュア」、400μm)を二枚、前記表面ガラス(1)を順に重ねて、熱ラミネーション法にて擬似太陽電池モジュールを製造した。製造した擬似太陽電池モジュールの各種物性値を表2に記す。
Figure 2013038089
表2からわかるように、従来の太陽電池モジュール用積層体では、基材樹脂フィルムとの密着性は良好である。しかしながら、太陽電池素子を保護するために、太陽電池モジュール用積層体と太陽電池素子との間に、第一の封止材層に加えて、第三の封止材層を備える必要があるため、作業性に劣っている。
本発明の太陽電池モジュール用積層体は、近年、クリーンなエネルギーを生産するものとして注目されている太陽電池モジュールに好適に利用することができる。

Claims (8)

  1. 太陽電池モジュール用積層体、太陽電池素子、第一の封止材層、及び表面ガラスを順次備える太陽電池モジュールに用いられる、
    基材樹脂フィルムと、
    前記基材樹脂フィルムの一の表面上に配設される、水添ジエン系重合体を含む封止材料からなる第二の封止材層と、を備えた太陽電池モジュール用積層体。
  2. 前記封止材料が、オレフィン系熱可塑性樹脂及び官能基含有重合体を更に含み、
    前記官能基含有重合体が、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基、イソシアネート基、及びオキサゾリン基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を有する請求項1に記載の太陽電池モジュール用積層体。
  3. 前記水添ジエン系重合体が、重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(B)を含むブロック共重合体の水素添加物であり、
    前記重合体ブロック(A)が、芳香族ビニル単位を50質量%以上含有する重合体ブロックであり、
    前記重合体ブロック(B)が、共役ジエン単位を50質量%以上含有する重合体ブロックである請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール用積層体。
  4. 前記重合体ブロック(B)に含有される全ての共役ジエン単位に対し、1,2−ビニル結合された共役ジエン単位及び3,4−ビニル結合された共役ジエン単位が占める割合が、30〜90%である請求項3に記載の太陽電池モジュール用積層体。
  5. 前記基材樹脂フィルムが、ポリエステル系樹脂フィルムである請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用積層体。
  6. 前記基材樹脂フィルムが、フッ素系樹脂フィルムである請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用積層体。
  7. 前記基材樹脂フィルムが、スチレン系樹脂フィルムである請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用積層体。
  8. 前記基材樹脂フィルムの他の表面上に配設される、紫外線カット層を更に備えた請求項1〜7のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用積層体。
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