[第1実施形態]
第1実施形態による半導体装置及びその製造方法を図1乃至図17を用いて説明する。
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態による半導体装置を示す断面図である。
本実施形態による半導体装置は、メモリセルの構造がプレーナ型になっているものである。
図1に示すように、半導体基板10には、素子領域を画定する素子分離領域12が形成されている。半導体基板10としては、例えばN型又はP型のシリコン基板が用いられている。素子分離領域12が形成された半導体基板10内には、例えばP型のウェル14が形成されている。
ウェル14が形成された半導体基板10上には、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極(ワード線)18が形成されている。ゲート電極18の側壁部分には、サイドウォール絶縁膜20が形成されている。
サイドウォール絶縁膜20が形成されたゲート電極18の両側には、ソース/ドレイン拡散層22が形成されている。
ゲート電極18の上部及びソース/ドレイン拡散層22上には、それぞれシリサイド層24a、24bが形成されている。ソース/ドレイン拡散層22上のシリサイド層24bは、ソース/ドレイン電極として機能する。
こうして、ゲート電極18とソース/ドレイン拡散層22とを有するトランジスタ26が形成されている。
トランジスタ26が形成された半導体基板10上には、絶縁膜(酸化防止絶縁膜)28が形成されている。絶縁膜28の膜厚は、例えば200nmとする。絶縁膜28としては、例えばシリコン窒化酸化膜(SiON膜)が用いられている。
絶縁膜28が形成された半導体基板10上には、層間絶縁膜30が形成されている。半導体基板10の表面から層間絶縁膜30の表面までの厚さは、例えば785nmとする。層間絶縁膜30としては、例えばシリコン酸化膜が用いられている。層間絶縁膜30の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜30及び絶縁膜28には、ソース/ドレイン電極24bに達するコンタクトホール32が形成されている。
コンタクトホール32内には、密着膜34が形成されている。密着膜34としては、例えばTi膜とTiN膜とが順次積層された積層膜が用いられている。Ti膜の膜厚は、例えば30nmとする。TiN膜の膜厚は、例えば膜厚20nmとする。
密着膜34が形成されたコンタクトホール32内には、導体プラグ36が埋め込まれている。導体プラグ36の材料としては、例えばタングステン(W)が用いられている。
導体プラグ36が埋め込まれた層間絶縁膜30上には、例えばシリコン窒化酸化膜38が形成されている。シリコン窒化酸化膜38の膜厚は、例えば100nmとする。
シリコン窒化酸化膜38上には、例えばシリコン酸化膜40が形成されている。シリコン酸化膜40の膜厚は、例えば130nmとする。
シリコン窒化酸化膜38とシリコン酸化膜40とにより層間絶縁膜42が形成されている。層間絶縁膜42は、層間絶縁膜30に導体プラグ36を埋め込んだ後に、導体プラグ36の上面が酸化されるのを防止するためのものである。
なお、ここでは、層間絶縁膜42として、シリコン窒化酸化膜38とシリコン酸化膜40との積層膜を形成する場合を例に説明したが、かかる層間絶縁膜42はシリコン窒化酸化膜38とシリコン酸化膜40との積層膜に限定されるものではない。例えば、層間絶縁膜42として、シリコン窒化膜や酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
層間絶縁膜42上には、密着膜43が形成されている。密着膜43は後述する下部電極48の下地に対する密着性を確保するためのものである。密着膜43としては、例えば酸化アルミニウム(Al2O3)膜が用いられている。密着膜43の膜厚は、例えば20nmとする。
密着膜43上には、導電膜44が形成されている。導電膜44としては、貴金属膜が用いられている。より具体的には、導電膜44として、例えばプラチナ(Pt)膜が用いられている。導電膜44の膜厚は、例えば100〜150nmとする。
なお、ここでは、導電膜44として、プラチナ膜を用いる場合を例に説明したが、導電膜44はプラチナ膜に限定されるものではない。導電膜44として、例えば、イリジウム膜、ルテニウム膜、酸化ルテニウム(RuO2)膜、SrRuO3膜等を用いてもよい。また、これらの積層膜により導電膜44を形成してもよい。
導電膜44上には、導電膜46が形成されている。導電膜46の膜厚は、例えば0.1〜3nmとする。導電膜46としては、例えば貴金属膜等が用いられている。導電膜46に含まれる貴金属と導電膜44に含まれる貴金属とは、同じ元素であることが好ましい。後述するように、導電膜44上に成膜する段階では、非晶質(アモルファス状態)の貴金属酸化物膜45を形成する(図3(c)参照)。非晶質の貴金属酸化物膜45は、後工程における熱処理等により還元され、貴金属膜46となる。貴金属酸化物膜45に含まれる貴金属と導電膜44に含まれる貴金属とが同じ元素である場合には、導電膜46と導電膜44とは区別し得ない場合もある。また、導電膜46は非晶質の貴金属酸化物膜45が還元されたものであるため、導電膜46の結晶粒径が導電膜44の結晶粒径より小さくなっている場合もある。非晶質の貴金属酸化物膜45を形成する際に例えば酸化プラチナ膜(PtOX膜)を形成した場合には、後工程における熱処理等において酸化プラチナ膜が還元されてプラチナ膜となり、プラチナ膜である導電膜46が形成される。
なお、導電膜44として例えばイリジウム膜を用いる場合には、導電膜46として例えばイリジウム膜を用いてもよい。この場合、イリジウムの導電膜46の膜厚は、例えば10〜30nm程度とする。
また、導電膜44として例えばルテニウム膜を用いる場合には、導電膜46として例えばルテニウム膜を用いてもよい。この場合、ルテニウムの導電膜46の膜厚は、例えば10〜30nm程度とする。
また、導電膜44として例えばSrRuO3膜を用いる場合には、導電膜46が形成されていなくてもよい。
また、導電膜44として、プラチナ膜、イリジウム膜、ルテニウム膜を用いる場合には、導電膜46として、SrRuO3膜、LaSrCoO3膜等を用いてもよい。この場合には、SrRuO3又はLaSrCoO3の導電膜46の膜厚は、1〜5nm程度とすることが好ましい。
こうして、導電膜44と導電膜46とによりキャパシタ62の下部電極48が形成されている。
下部電極48上には、強誘電体膜50が形成されている。強誘電体膜50は、例えばスパッタリング法により形成されたものである。強誘電体膜50としては、例えば、Laが添加されたチタン酸ジルコン酸鉛、即ち、Laが添加されたPZT(PbZrXTi1−XO3)膜(0≦X≦1)が用いられている。Laが添加されたPZT膜は、PLZT膜と称される。PZT膜はペロブスカイト構造の強誘電体膜である。Laが添加されたPZT膜もペロブスカイト構造の強誘電体膜である。強誘電体膜50は、後述する熱処理等により結晶化されている。
強誘電体膜50の膜厚が厚すぎる場合には、キャパシタ誘電体膜54において強誘電体膜50の占める割合が相対的に大きくなりすぎてしまい、後述する強誘電体膜52を形成することによるキャパシタ62の電気的特性の向上が十分に図れなくなる。また、強誘電体膜50の膜厚が厚すぎ、キャパシタ誘電体膜54の総膜厚が厚すぎる場合には、低電圧動作が困難となる。一方、強誘電体膜50の膜厚が薄すぎる場合には、良好な電気的特性を有するキャパシタ62が得られない。このため、強誘電体膜50の膜厚は、例えば30nm〜150nm程度とする。より好ましくは、強誘電体膜50の膜厚を、例えば50nm〜120nm程度とする。ここでは、強誘電体膜50の膜厚を、例えば90nmとする。
本実施形態において、強誘電体膜50の材料として、Laが添加されたチタン酸ジルコン酸鉛(PLZT)を用いるのは、以下のような理由によるものである。
即ち、不純物が添加されていないチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のターゲットは、焼結しにくく、ターゲット中に欠陥(空洞)が生じやすい。
一方、不純物が添加されたターゲットは、焼結しやすく、ターゲット中に欠陥が生じにくい。このため、良質なターゲットを用いることにより良質な強誘電体膜50を形成するという観点からは、ターゲットに不純物を添加することが好ましい。
しかしながら、不純物が添加されたターゲットを用いて強誘電体膜を成膜すると、強誘電体膜中に不純物が存在することとなる。強誘電体膜に存在する不純物が比較的多い場合には、キャパシタ62の反転電荷量が著しく小さくなってしまう。この場合には、良好な電気的特性を有するキャパシタ62が得られない。
そこで、本実施形態では、微量のLaが添加されたPZT膜を強誘電体膜50として形成する。Laは、キャパシタのリーク電流の低減に寄与し得る不純物である。具体的には、強誘電体膜50に添加するLaの添加量は、0.1mol%〜4.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜50に添加するLaの添加量を、例えば2.0mol%とする。
強誘電体膜50におけるLaの添加量が比較的小さく設定されているため、反転電荷量の著しい低下を招くことなく、キャパシタのリーク電流を小さくすることが可能となる。
また、ここでは、スパッタリング法により形成された強誘電体膜50を例に説明したが、スパッタリング法により形成された強誘電体膜50に限定されるものではない。例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition、有機金属化学気相成長)法、ゾル・ゲル法、有機金属分解(MOD、Metal-Organic Decomposition)法、化学溶液堆積(CSD、Chemical Solution Deposition)法、CVD法、又は、エピタキシャル成長法等により形成された強誘電体膜50でもよい。
強誘電体膜50上には、強誘電体膜52が形成されている。強誘電体膜52は、例えばスパッタリング法等により形成されたものである。強誘電体膜52の材料としては、LaとCaとSrとが添加されたチタン酸ジルコン酸鉛、即ち、LaとCaとSrとが添加されたPZT(PbZrXTi1−XO3)膜(0≦X≦1)が用いられている。LaとCaとSrとが添加されたPZT膜は、CSPLZT膜と称される。強誘電体膜52は、後述する熱処理等により結晶化されている。
強誘電体膜52の膜厚が厚すぎる場合には、キャパシタ誘電体膜54において強誘電体膜52の占める割合が相対的に大きくなりすぎてしまい、良好な電気的特性を有するキャパシタ62が得られなくなる。また、強誘電体膜52の膜厚が厚すぎ、キャパシタ誘電体膜54の総膜厚が厚すぎる場合には、低電圧動作が困難となる。一方、強誘電体膜52の膜厚が薄すぎる場合には、良好な電気的特性を有するキャパシタ62が得られない。このため、強誘電体膜52の膜厚は、例えば5〜20nm程度とする。
強誘電体膜52に添加されるSrは、インプリントによるヒステリシス特性の劣化を生じにくくするのに寄与する。強誘電体膜52に添加されるCaは、キャパシタ62の抗電界を小さくするのに寄与する。強誘電体膜52に添加されるLaは、キャパシタ62のリーク電流を低減するのに寄与する。また、強誘電体膜52に添加された不純物(La、Sr、Ca)は、強誘電体膜52と上部電極60との界面を良好な状態とし、ひいては、キャパシタ62の疲労特性を向上するのに寄与する。
しかしながら、上述したように、強誘電体膜に存在する不純物が比較的多い場合には、キャパシタ62の反転電荷量が著しく小さくなってしまう。この場合には、良好な電気的特性を有するキャパシタ62が得られない。
そこで、本実施形態では、強誘電体膜52に添加するLa、Sr、Caの量を比較的小さく設定する。
具体的には、強誘電体膜52に添加するLaの添加量は、0.1mol%〜4.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜52に添加するLaの添加量を、例えば2.0mol%とする。
また、強誘電体膜52に添加するSrの添加量は、0.1mol%〜3.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜52に添加するSrの添加量を、例えば2.0mol%とする。
また、強誘電体膜52に添加するCaの添加量は、0.1mol%〜6.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜52に添加するCaの添加量を、例えば5.0mol%とする。
強誘電体膜52に添加する不純物(La、Sr、Ca)の総添加量は、10.0%以下とする。強誘電体膜52に添加する不純物(La、Sr、Ca)の総添加量を10.0%以下とするのは、以下のような理由によるものである。即ち、強誘電体膜52に添加する不純物の総添加量が多すぎる場合には、強誘電体膜52を結晶化する際に、強誘電体膜50の結晶粒と強誘電体膜52の結晶粒とが連続にならない。強誘電体膜50の結晶粒と強誘電体膜52の結晶粒とが連続にならない場合には、強誘電体膜50と強誘電体膜52との界面に界面層が生じた状態となり、良好な電気的特性を有するキャパシタ62が得られない。このような理由により、強誘電体膜52に添加する不純物(La、Sr、Ca)の総添加量は、10.0%以下とする。
また、ここでは、スパッタリング法により形成された強誘電体膜52を用いる場合を例に説明したが、スパッタリング法により形成された強誘電体膜52に限定されるものではない。例えば、MOCVD法、ゾル・ゲル法、有機金属分解(MOD)法、化学溶液堆積(CSD)法、CVD法、エピタキシャル成長法等により形成された強誘電体膜52を用いてもよい。
なお、熱処理を行うことにより強誘電体膜50の結晶粒と強誘電体膜52の結晶粒とが連続的になるように、強誘電体膜50の主たる材料と強誘電体膜52の主たる材料と同じであることが好ましい。ここで、主たる材料とは、強誘電体膜50、52に添加される不純物(La、Sr、Ca)を除く材料のことである。
こうして、強誘電体膜50と強誘電体膜52とによりキャパシタ誘電体膜54が形成されている。
キャパシタ誘電体膜54上には、導電膜56が形成されている。導電膜56は、例えばスパッタリング法により形成されたものである。導電膜56は、成膜の時点において結晶化されていた導電膜56である。導電膜56としては、例えば酸化イリジウム膜が用いられている。導電膜56として用いられている酸化イリジウム膜(IrOX膜)における酸素の組成比Xは、例えば0<X<2とする。導電膜56の膜厚は、例えば10〜70nm程度とすることが好ましい。より好ましくは、導電膜56の膜厚を、20〜50nm程度とする。ここでは、導電膜56の膜厚を例えば50nm程度とする。
導電膜56上には、導電膜58が形成されている。導電膜58は、例えばスパッタリング法により形成されたものである。導電膜58としては、例えば酸化イリジウム膜58が用いられている。導電膜58として形成される酸化イリジウム膜(IrOY膜)における酸素の組成比Yは、例えば0<Y≦2とする。導電膜58として用いられている酸化イリジウム膜(IrOY膜)における酸素の組成比Yは、導電膜56として用いられている酸化イリジウム膜(IrOX膜)における酸素の組成比Xより大きいことが好ましい。即ち、導電膜58として用いられている酸化イリジウム膜における酸化度が、導電膜56として形成される酸化イリジウム膜における酸化度より高いことが好ましい。導電膜58における酸素の組成比Yを導電膜56における酸素の組成比Xより大きく設定するのは、酸素の組成比Yを大きく設定すると、水素バリア機能が高くなるためである。成膜時においてアモルファス状態の導電膜58を形成すれば、酸素の組成比Yが比較的大きい導電膜58を形成することが可能である。導電膜58が水素バリア膜としても十分に機能し得るため、後工程においてキャパシタ誘電体膜54が水素により還元されるのを防止し得る。
導電膜58の膜厚は、例えば100〜300nm程度とすることが好ましい。ここでは、導電膜58の膜厚を、例えば200nm程度とする。導電膜58は、キャパシタ62を形成した後に行われるエッチング等によりキャパシタ誘電体膜54にダメージが加わるのを防止するためのものでもある。
導電膜56と導電膜58とによりキャパシタ62の上部電極60が形成されている。
こうして、下部電極48とキャパシタ誘電体膜54と上部電極60とを有するキャパシタ62が形成されている。
キャパシタ62上には、キャパシタ誘電体膜54と上部電極60を覆うように保護膜(水素拡散防止膜)64が形成されている。保護膜64は、水素や水分等によりキャパシタ誘電体膜54が還元されるのを防止するためのものである。保護膜64としては、例えば酸化アルミニウム膜が用いられている。保護膜64の膜厚は、例えば20〜50nm程度とする。
保護膜64が形成されたキャパシタ62上及び層間絶縁膜42上には、保護膜(水素拡散防止膜)66が形成されている。保護膜66は、保護膜64と相俟って、水素や水分等によりキャパシタ誘電体膜54が還元されるのを防止するためのものである。保護膜66としては、例えば酸化アルミニウム膜が用いられている。保護膜66の膜厚は、例えば20nm程度とする。
保護膜66上には、層間絶縁膜68が形成されている。層間絶縁膜68としては、例えばシリコン酸化膜が用いられている。層間絶縁膜68の膜厚は、例えば1.4μm程度とする。層間絶縁膜68の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜68上には、保護膜(水素拡散防止膜)70が形成されている。保護膜70としては、例えば酸化アルミニウムが用いられている。保護膜70の膜厚は、例えば膜厚20〜50nm程度とする。保護膜70は、保護膜64,66と同様に、水素や水分等によりキャパシタ誘電体膜54が還元されるのを防止するためのものである。平坦化された層間絶縁膜68上に保護膜70を形成するため、保護膜70は平坦に形成されている。
保護膜70上には、層間絶縁膜72が形成されている。層間絶縁膜72としては、例えばシリコン酸化膜が用いられている。層間絶縁膜72の膜厚は、例えば300nm程度とする。
層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜66及び保護膜64には、キャパシタ62の下部電極48に達するコンタクトホール74aが形成されている。
また、層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜66及び保護膜64には、キャパシタ62の上部電極60に達するコンタクトホール74bが形成されている。
また、層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜66及び層間絶縁膜42には、導体プラグ36に達するコンタクトホール76が形成されている。
コンタクトホール74a、74b、76内には、密着膜78が形成されている。密着膜78としては、例えばTiN膜が用いられている。密着膜78の膜厚は、例えば50〜150nm程度とする。
密着膜78が形成されたコンタクトホール74a、74b、76内には、導体プラグ80a〜80cが埋め込まれている。導体プラグ80a〜80cの材料としては、例えばタングステンが用いられている。
導体プラグ80a〜80cが埋め込まれた層間絶縁膜72上には、配線90が形成されている。配線90は、例えば、TiN膜82と、AlCu合金膜84と、Ti膜86と、TiN膜88とを順次積層することにより形成されている。TiN膜82の膜厚は、例えば50nmとする。AlCu合金膜84の膜厚は、例えば膜厚550nmとする。Ti膜86の膜厚は、例えば5nmとする。TiN膜88の膜厚は、例えば膜厚50nmとする。
配線90が形成された層間絶縁膜72上には、更に、層間絶縁膜(図示せず)、導体プラグ(図示せず)、配線(図示せず)等が複数層に亘って形成されている。
こうして、本実施形態による半導体装置が形成されている。
このように、本実施形態では、PLZTの強誘電体膜50とCSPLZTの強誘電体膜52とによりキャパシタ誘電体膜54が形成されている。本実施形態によれば、強誘電体膜50としてPLZTが用いられており、しかも、PLZTの強誘電体膜50が比較的厚く形成されているため、キャパシタ62のリーク電流を十分に抑制することができる。しかも、本実施形態によれば、強誘電体膜52としてCSPLZTが用いられているため、インプリントによるヒステリシス特性の劣化が小さく、抗電界が小さく、疲労特性の良好なキャパシタ62を得ることができる。従って、本実施形態によれば、特性の良好なキャパシタ62を有する半導体装置を提供することができる。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図2乃至図10を用いて説明する。図2乃至図10は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図2(a)に示すように、半導体基板10に、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により、素子領域を画定する素子分離領域12を形成する。半導体基板10としては、例えばN型又はP型のシリコン基板を用いる。なお、素子分離領域12の形成方法はSTI法に限定されるものではない。例えばLOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)法により素子分離領域12を形成してもよい。
次に、イオン注入法により、ドーパント不純物を導入することにより、ウェル14を形成する。ドーパント不純物としては、例えばP型のドーパント不純物を用いる。P型のドーパント不純物としては、例えばボロン(B)を用いる。ドーパント不純物としてP型のドーパント不純物を用いた場合には、P型のウェル14が形成される。
次に、例えば熱酸化法により、素子領域上にゲート絶縁膜16を形成する。ゲート絶縁膜16の膜厚は、例えば6〜7nm程度とする。
次に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition、化学気相堆積)法により、ポリシリコン膜18を形成する。ポリシリコン膜18の膜厚は、例えば200nm程度とする。ポリシリコン膜18は、ゲート電極(ワード線)となるものである。
なお、ここでは、ゲート電極となる膜としてポリシリコン膜18を形成する場合を例に説明したが、ゲート電極となる膜は、ポリシリコン膜に限定されるものではない。例えば、ゲート電極となる膜として、アモルファスシリコン膜とタングステンシリサイド膜との積層膜等を形成してもよい。アモルファスシリコン膜とタングステンシリサイド膜との積層膜等を形成する場合には、アモルファスシリコン膜の膜厚は例えば50nm程度とし、タングステンシリサイド膜の膜厚は例えば150nm程度とする。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ポリシリコン膜18をパターニングする。こうして、ポリシリコン膜によりゲート電極(ワード線)18が形成される。
次に、ゲート電極18をマスクとし、例えばイオン注入法により、ゲート電極18の両側の半導体基板10内にドーパント不純物を導入する。ドーパント不純物としては、例えばN型のドーパント不純物を用いる。N型のドーパント不純物としては、例えばリン(P)を用いる。これにより、エクステンションソース/ドレインの浅い領域を構成するエクステンション領域(図示せず)が形成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、絶縁膜を形成する。絶縁膜としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。絶縁膜の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、絶縁膜を異方性エッチングする。こうして、ゲート電極18の側壁部分に、絶縁膜によりサイドウォール絶縁膜20が形成される。
次に、サイドウォール絶縁膜20が形成されたゲート電極18をマスクとし、例えばイオン注入法により、ゲート電極18の両側の半導体基板10内にドーパント不純物を導入する。ドーパント不純物としては、例えばN型のドーパント不純物を用いる。N型のドーパント不純物としては、例えば砒素(As)を用いる。これにより、エクステンションソース/ドレインの深い領域を構成する不純物拡散層(図示せず)が形成される。エクステンション領域と深い不純物拡散層とによりソース/ドレイン拡散層22が形成される。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、高融点金属膜(図示せず)を形成する。高融点金属膜としては、例えばコバルト膜を形成する。
次に、熱処理を行うことにより、半導体基板10の表層部と高融点金属膜とを反応させるとともに、ゲート電極18の上部と高融点金属膜とを反応させる。
次に、例えばウエットエッチングにより、未反応の高融点金属膜をエッチング除去する。
こうして、ソース/ドレイン拡散層22上に、例えばコバルトシリサイドのソース/ドレイン電極24bが形成される。また、ゲート電極18の上部に、例えばコバルトシリサイドのシリサイド層24aが形成される。
こうして、ゲート電極18とソース/ドレイン拡散層22とを有するトランジスタ26が形成される。
次に、全面に、例えばプラズマCVD法により、絶縁膜(酸化防止膜)28を形成する。絶縁膜28としては、例えばシリコン窒化酸化膜を形成する。絶縁膜28の膜厚は、例えば200nmとする。
次に、全面に、層間絶縁膜30を形成する。層間絶縁膜30は、例えば、TEOS(Tetra Ethoxy Silane)ガスを用いたプラズマCVD法、即ち、プラズマTEOSCVD法により形成する。層間絶縁膜30としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。層間絶縁膜30の膜厚は、例えば1μmとする。
次に、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研磨)法により、層間絶縁膜30の表面を平坦化する。こうして、半導体基板10の表面から層間絶縁膜30の表面までの高さは、例えば785nm程度となる(図2(b)参照)。
次に、図2(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、ソース/ドレイン電極24bに達するコンタクトホール32を形成する。コンタクトホール32の径は、例えば0.25μmとする。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、Ti膜を形成する。Ti膜の膜厚は、例えば30nm程度とする。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、TiN膜を形成する。TiN膜の膜厚は、例えば膜厚20nm程度とする。
こうして、Ti膜とTiN膜とにより密着膜34が形成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、導電膜36を形成する。導電膜36としては、例えばタングステン膜を形成する。導電膜36の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜30の表面が露出するまで導電膜36及び密着膜34を研磨する。こうして、コンタクトホール32内に、例えばタングステンの導体プラグ36が埋め込まれる(図3(a)参照)。
次に、図3(b)に示すように、全面に、例えばプラズマCVD法により、シリコン窒化酸化膜38を形成する。シリコン窒化酸化膜38の膜厚は、例えば100nmとする。
次に、全面に、例えばプラズマTEOSCVD法により、シリコン酸化膜40を形成する。シリコン酸化膜40の膜厚は、例えば130nmとする。
シリコン窒化酸化膜38とシリコン酸化膜40とにより層間絶縁膜42が形成される。層間絶縁膜42は、層間絶縁膜30に導体プラグ36を埋め込んだ後に、導体プラグ36の上面が酸化されるのを防止するためのものである。
なお、ここでは、層間絶縁膜42として、シリコン窒化酸化膜38とシリコン酸化膜40との積層膜を形成する場合を例に説明したが、かかる層間絶縁膜42はシリコン窒化酸化膜38とシリコン酸化膜40との積層膜に限定されるものではない。例えば、酸化防止膜42として、シリコン窒化膜や酸化アルミニウム膜を形成してもよい。
次に、例えば窒素雰囲気中にて、熱処理を行う。かかる熱処理は、層間絶縁膜42中に含まれているガスを層間絶縁膜42中から放出するためのものである(脱ガス)。熱処理を行う際の基板温度は、例えば650℃とする。熱処理時間は、例えば30分とする。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により密着膜43を形成する。密着膜43は、後述する下部電極48の下地に対する密着性を確保するためのものである。密着膜43としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。密着膜43の膜厚は、例えば20nmとする。
次に、例えばRTA(Rapid Thermal Annealing)法により、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。熱処理温度は、例えば650℃とする。熱処理時間は、例えば60秒とする。
次に、図3(c)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、貴金属膜(導電膜)44を形成する。導電膜44は、キャパシタ62の下部電極48の一部となるものである。導電膜44としては、例えばプラチナ膜を形成する。導電膜44の膜厚は、例えば100nm〜150nm程度とする。導電膜44を形成する際の成膜条件は、例えば以下の通りとする。基板温度は、例えば350℃とする。成膜室内に導入するガスとしては、例えばArガスを用いる。成膜室内の圧力は、例えば1Paとする。印加電力は、例えば0.3kWとする。
なお、ここでは、導電膜44として、プラチナ膜を形成する場合を例に説明したが、導電膜44はプラチナ膜に限定されるものではない。導電膜44として、イリジウム膜、ルテニウム膜、酸化ルテニウム(RuO2)膜、SrRuO3膜等を形成してもよい。また、これらの積層膜により導電膜44を形成してもよい。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、非晶質(アモルファス状態)の貴金属酸化物膜45を形成する。貴金属酸化物膜45に含まれる貴金属と導電膜44に含まれる貴金属とは、同じ元素とすることが好ましい。貴金属酸化物膜45は、後工程において還元され、例えば貴金属膜46となるものである。貴金属酸化物膜45が還元されることにより形成される貴金属膜46は、キャパシタ62の下部電極48の一部となる。非晶質の貴金属酸化物膜45としては、例えば酸化プラチナ膜(PtOX膜)を形成する。
なお、非晶質の貴金属酸化物膜45として、例えば酸化イリジウム膜を形成してもよい。この場合、酸化イリジウムの貴金属酸化物膜45は、後工程において還元され、イリジウム膜となる。
また、金属酸化物膜45として、SrRuO3膜やLaSrCoO3膜等を形成してもよい。金属酸化物膜45として、SrRuO3膜やLaSrCoO3膜を形成した場合には、SrRuO3やLaSrCoO3の金属酸化物膜45は後工程における熱処理において還元されない。
本実施形態において、非晶質の貴金属酸化物膜45を形成するのは、以下のような理由によるものである。
まず、結晶性が十分に均一でない貴金属膜44上に強誘電体膜50を直接形成した場合には、強誘電体膜50の結晶性が不均一になってしまう場合がある。これに対し、貴金属膜44上に非晶質の貴金属酸化物膜45を形成し、かかる非晶質の貴金属酸化物膜45上に強誘電体膜50を形成すれば、貴金属膜44の結晶性が十分に均一でない場合であっても、均一な結晶性を有する強誘電体膜50を得ることが可能となる。
また、結晶質の貴金属酸化物膜は比較的還元されにくいのに対し、非晶質の貴金属酸化物膜45は比較的還元されやすい。このため、非晶質の貴金属酸化物膜45を形成すれば、後工程における熱処理等において、貴金属酸化物膜45を貴金属膜46に変化させることが可能である。下部電極48の全体が貴金属により形成されているキャパシタ62は、下部電極48の一部に貴金属酸化物が存在しているキャパシタと比較して電気的特性が良好である。
また、強誘電体膜50を形成した段階では、強誘電体膜50中に酸素の欠損が生じている場合がある。強誘電体膜50の下に貴金属酸化物膜45が形成されていれば、強誘電体膜50を結晶化する熱処理等の際に、貴金属酸化物膜45中から酸素が放出され、貴金属酸化物膜45から放出された酸素が強誘電体膜50の下面側から供給される。貴金属酸化物膜45から放出される酸素は、強誘電体膜50における酸素欠損を補償する。このため、本実施形態によれば、結晶性の良好な強誘電体膜50を得ることが可能となる。
また、非晶質の貴金属酸化物膜45は、強誘電体膜50を結晶化する熱処理の際に、強誘電体膜50中の酸素が下部電極48中に拡散するのを抑制し得る。このため、非晶質の貴金属酸化物膜45を形成すれば、結晶性の良好な強誘電体膜50を得ることが可能となる。
このような理由により、本実施形態では、非晶質の貴金属酸化物膜45を形成する。
貴金属酸化物膜45の膜厚は、0.1nm以上、3nm以下とすることが好ましい。貴金属酸化物膜45の膜厚を0.1nm以上、3nm以下とするのは以下のような理由によるものである。
即ち、貴金属酸化物膜45の膜厚が0.1nmより薄い場合には、強誘電体膜50を結晶化する熱処理等の際に貴金属酸化物膜45中から放出される酸素の量が比較的少なく、強誘電体膜50における酸素欠損を十分に補償し得ない。このため、貴金属酸化物膜45の膜厚は、0.1nm以上とすることが好ましい。
一方、貴金属酸化物膜45の膜厚が3nmより厚い場合には、貴金属膜44の結晶性が強誘電体膜50に十分に影響せず、良好な結晶性を有する強誘電体膜50を得られない場合があり得る。また、後工程における熱処理等において、貴金属酸化物膜45の全部を貴金属膜46に変化させることができず、下部電極48の一部に貴金属酸化物膜45が残存してしまう場合があり得る。下部電極48の一部に貴金属酸化物膜45が残存した場合には、電気的特性の良好なキャパシタ62が得られない場合があり得る。このため、貴金属酸化物膜45の膜厚は3nm以下とすることが好ましい。
このような理由により、本実施形態では、貴金属酸化物膜45の膜厚を0.1nm以上、3nm以下としている。
貴金属酸化物膜45の成膜温度は、例えば100〜400℃とする。貴金属酸化物膜45の成膜温度を100〜400℃とするのは、以下のような理由によるものである。
即ち、100℃より低い温度で成膜された貴金属酸化物膜45は、導電性が極めて低く、電気的には絶縁体に近いものとなる。このため、貴金属酸化物膜45を100℃より低い温度で成膜した場合には、電気的に良好なキャパシタ62を得ることが困難な場合がある。従って、貴金属酸化物膜45を形成する際の成膜温度は、100℃以上とすることが好ましい。
一方、400℃より高い温度で貴金属酸化物膜45を形成しようとした場合には、貴金属酸化物膜45を成膜している際に酸素が解離してしまい、貴金属酸化物膜45ではなく貴金属膜が形成されてしまう。
このような理由により、貴金属酸化物膜45の成膜温度は、100〜400℃程度とすることが好ましい。ここでは、貴金属酸化物膜45の成膜温度を、例えば350℃とする。
貴金属酸化物膜45を形成する際の印加電力は、例えば0.1〜0.3W程度とする。印加電力を比較的低く設定した場合には、放電が生じにくくなるため、ウェハ面内において貴金属酸化物膜45の膜厚等が不均一となる。一方、印加電力を比較的高く設定した場合には、貴金属酸化物膜45の膜厚を制御することが困難となる。このような理由により、貴金属酸化物膜45を形成する際の印加電力は、例えば0.1〜0.3W程度とすることが好ましい。
貴金属酸化物膜45を形成する際に成膜室内に導入するガスは、例えばArガスとO2ガスとの混合ガスとする。ArガスとO2ガスとの混合ガス中におけるO2ガスの割合は、80%程度とすることが好ましい。混合ガスにおけるO2ガスの濃度を比較的大きく設定した場合には、貴金属酸化物膜45の膜厚が不均一となる場合があるためである。
貴金属酸化物膜45を形成する際の成膜室内の圧力は、例えば1Pa程度とする。
なお、ここでは、非晶質の貴金属酸化物膜45として酸化プラチナ膜を形成する場合を例に説明したが、非晶質の貴金属酸化物膜45は酸化プラチナ膜に限定されるものではない。例えば、非晶質の貴金属酸化物膜45として、非晶質の酸化イリジウム(IrOX)膜、非晶質の酸化ルテニウム(RuOX)膜、非晶質の酸化パラジウム(PdOX)膜、非晶質のSrRuO3膜、非晶質のLaSrCoO3膜等を形成してもよい。
また、ここでは、スパッタリング法により貴金属酸化物膜45を形成する場合を例に説明したが、貴金属酸化物膜45の成膜方法は、スパッタリング法に限定されるものではない。例えば、貴金属膜44を形成した後、熱処理を行い、この後、大気中に例えば6時間以上放置することにより、貴金属膜44の表面を自然酸化させ、これにより貴金属膜44の表面に貴金属酸化物膜45を形成してもよい。また、貴金属膜44を形成した後、酸素雰囲気のボックス内に半導体基板10を放置することにより、貴金属膜44の表面を自然酸化させ、これにより貴金属膜44の表面に貴金属酸化物膜45を形成してもよい。かかるボックス内の温度は、例えば100℃以下、より具体的には常温とする。このようにして自然酸化により貴金属酸化物膜45を形成すると、貴金属酸化物膜45の膜厚は極めて薄くなる。具体的には、貴金属酸化物膜45の膜厚は、例えば0.1〜0.5nm程度となる。
また、ここでは、貴金属酸化物膜45の膜厚を0.1nm以上、3nm以下とする場合を例に説明したが、貴金属酸化物膜45の膜厚はこれに限定されるものではない。
例えば、貴金属酸化物膜45としてSrRuO3膜やLaSrCoO3膜を用いる場合には、貴金属酸化物膜45の膜厚を若干厚めに設定してもよい。具体的には、貴金属酸化物膜45として用いられるSrRuO3膜やLaSrCoO3膜の膜厚は、例えば1〜10nm程度とする。より好ましくは、貴金属酸化物膜45として用いられるSrRuO3膜やLaSrCoO3膜の膜厚を、例えば3〜5nm程度とする。
また、貴金属酸化物膜45としてIrOX膜やRuOX膜を用いる場合には、強誘電体膜50をMOCVD法により形成することが好ましい。強誘電体膜50をMOCVD法により形成する場合には、貴金属酸化物膜45の膜厚は10nm〜30nm程度とすることが好ましい。強誘電体膜50をMOCVD法により形成する場合において、貴金属酸化物膜45の膜厚が比較的薄いと、強誘電体膜50中から下部電極48への酸素の拡散を十分に防止し得ないためである。また、強誘電体膜50をMOCVD法により形成する場合において、貴金属酸化物膜45の膜厚が過度に厚いと、結晶性の良好な強誘電体膜50が得られないためである。
次に、図4(a)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、強誘電体膜(第1の強誘電体膜)50を形成する。より具体的には、高周波スパッタリング法により、強誘電体膜50を形成する。強誘電体膜50は、キャパシタ62のキャパシタ誘電体膜54の一部となるものである。
強誘電体膜50としては、Laが添加されたチタン酸ジルコン酸鉛、即ち、Laが添加されたPZT膜(PbZrXTi1−XO3膜)(0≦X≦1)を用いる。Laが添加されたPZT膜は、PLZT膜と称される。
強誘電体膜50をスパッタリング法により形成する際のターゲットとしては、PLZTのターゲットを用いる。
強誘電体膜50の膜厚が厚すぎる場合には、キャパシタ誘電体膜54において強誘電体膜50の占める割合が相対的に大きくなりすぎてしまい、強誘電体膜52を形成することによるキャパシタ62の電気的特性の向上が十分に図れなくなる。また、強誘電体膜50の膜厚が厚すぎ、キャパシタ誘電体膜54の総膜厚が厚すぎる場合には、低電圧動作が困難となる。一方、強誘電体膜50の膜厚が薄すぎる場合には、良好な電気的特性を有するキャパシタ62が得られない。このため、強誘電体膜50強誘電体膜50の膜厚は、例えば30nm〜150nm程度とする。より好ましくは、強誘電体膜50の膜厚を、例えば50nm〜120nm程度とする。ここでは、強誘電体膜50の膜厚を、例えば90nmとする。
本実施形態において、強誘電体膜50をスパッタリング法により形成するのは、貴金属酸化物膜45の表面に異常酸化が生じるのを回避し、ひいては結晶性の良好なキャパシタ誘電体膜54を得るためである。
強誘電体膜50の成膜温度は、例えば30℃以上、100℃以下とすることが好ましい。強誘電体膜50の成膜温度を30℃〜100℃とするのは、以下のような理由によるものである。
即ち、強誘電体膜50の成膜温度を30℃より低く設定した場合には、ウェハ面内において膜厚が不均一となってしまう場合がある。また、強誘電体膜50の成膜温度を30℃より低く設定した場合には、(100)配向のばらつきが大きくなり、結晶性が不均一になってしまう場合がある。
一方、強誘電体膜50の成膜温度を100℃より高く設定した場合には、強誘電体膜50において、(101)配向及び(100)配向が多くなり、(111)配向が少なくなるため、良好な電気的特性のキャパシタ62を得ることが困難となる場合がある。
このような理由により、本実施形態では、強誘電体膜50の成膜温度を30℃以上、100℃以下としている。ここでは、強誘電体膜50の成膜温度を、例えば50℃とする。
本実施形態において、強誘電体膜50として、Laが添加されたチタン酸ジルコン酸鉛(PLZT)を用いるのは、以下のような理由によるものである。
即ち、不純物が添加されていないチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のターゲットは、焼結しにくく、ターゲット中に欠陥(空洞)が生じやすい。
一方、不純物が添加されたターゲットは、焼結しやすく、ターゲット中に欠陥が生じにくい。このため、良質なターゲットを用いることにより良質な強誘電体膜50を形成するという観点からは、ターゲットに不純物を添加することが好ましい。
しかしながら、不純物が添加されたターゲットを用いて強誘電体膜を成膜すると、強誘電体膜中に不純物が存在することとなる。強誘電体膜に存在する不純物が比較的多い場合には、キャパシタ62の反転電荷量が著しく小さくなってしまう。この場合には、良好な電気的特性を有するキャパシタ62が得られない。
そこで、本実施形態では、微量のLaが添加されたPZT膜を強誘電体膜50として形成する。具体的には、強誘電体膜50に添加するLaの添加量は、0.1mol%〜4.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜50に添加するLaの添加量を、例えば2.0mol%とする。
強誘電体膜50におけるLaの添加量が比較的小さく設定されているため、反転電荷量の著しい低下を招くことなく、リーク電流を小さくすることが可能となる。
また、ここでは、スパッタリング法により強誘電体膜50を形成する場合を例に説明したが、強誘電体膜50の成膜方法はスパッタリング法に限定されるものではない。例えば、MOCVD法、ゾル・ゲル法、有機金属分解(MOD、Metal-Organic Decomposition)法、化学溶液堆積(CSD、Chemical Solution Deposition)法、CVD法、エピタキシャル成長法等により、強誘電体膜50を形成してもよい。
なお、スパッタリング法により強誘電体膜50を成膜した段階においては、強誘電体膜50は結晶化しておらず、非晶質の状態となっている。
次に、例えばRTA法により、酸素を含む雰囲気中にて、強誘電体膜50を結晶化する。より具体的には、不活性ガスと酸素ガスとを含む混合ガスの雰囲気中にて、強誘電体膜50を熱処理する。不活性ガスとしては、例えばアルゴンガスを用いる。
熱処理条件は以下の通りとする。熱処理時間は、例えば90秒とする。
ウェハ面内における強誘電体膜50の結晶性を均一化すべく、熱処理を行う際におけるアルゴンガスの流量は、1500sccm以上とすることが好ましい。ここでは、アルゴンガスの流量を、例えば1960sccmとする。
熱処理を行う際における酸素ガスの流量の設定は、極めて重要である。酸素ガスの流量が多すぎる場合には、強誘電体膜50の(100)配向が多くなり、(111)配向が少なくなるため、良好な電気的特性のキャパシタ62を得ることが困難となる場合がある。酸素ガス流量が少なすぎる場合には、強誘電体膜50において酸素欠損が生じ、ランダム配向が多くなり、良好な結晶性を有する強誘電体膜50が得られない場合がある。このため、酸素ガスの流量は、10sccm〜100sccmとすることが好ましい。強誘電体膜50の膜厚が薄い場合には、酸素流量を若干少なめに設定することにより、強誘電体膜50の結晶性が向上する。例えば、強誘電体膜50の膜厚が120〜150nmの場合には、酸素ガス流量を30〜70sccmとすることが好ましい。また、PLZTの強誘電体膜50の膜厚が50〜120nmの場合には、酸素ガス流量を20〜50sccmとすることが好ましい。ここでは、酸素ガスの流量を、例えば25sccmとする。
強誘電体膜50の材料としてPLZTが用いられている場合には、熱処理温度(基板温度)は、例えば550℃〜650℃とする。熱処理温度は、強誘電体膜50の結晶性に影響を及ぼし、ひいては、キャパシタ62の電気的特性に影響を及ぼす。PLZTの強誘電体膜50の結晶化温度は550℃程度であるため、熱処理温度は550℃以上とすることが好ましい。一方、熱処理温度が高すぎる場合には、強誘電体膜50中のPLZTの結晶が大きくなり過ぎてしまい、反転電荷量QSWの低下や、リーク電流の増加を招いてしまう。このため、PLZTの強誘電体膜50の熱処理温度は、650℃以下とすることが好ましい。ここでは、強誘電体膜50を結晶化する際の熱処理温度を、例えば620℃とする。
なお、強誘電体膜50をMOCVD法により成膜した場合には、強誘電体膜50を成膜した段階で強誘電体膜50が結晶化されているため、強誘電体膜50を結晶化するための熱処理は不要である。
しかし、強誘電体膜50をMOCVD法により成膜した場合には、強誘電体膜50の表面に炭素や有機物が存在する場合がある。従って、このような炭素や有機物等を強誘電体膜50の表面から十分に除去ための熱処理を行うことが好ましい。熱処理温度は、スパッタリング法により強誘電体膜50を形成した場合の熱処理温度と同様に、例えば、550℃〜650℃とする。熱処理を行う際の雰囲気は、スパッタリング法により強誘電体膜50を形成した場合の熱処理の雰囲気と同様に、酸素を含む雰囲気とする。より具体的には、酸素とアルゴンガスとの混合ガスの雰囲気とする。
非晶質の貴金属酸化物膜45上に強誘電体膜50を形成し、かかる強誘電体膜50を熱処理により結晶化するため、貴金属膜44の結晶性が十分に均一でない場合であっても、均一な結晶性を有する強誘電体膜50が得られる。また、この熱処理により非晶質の貴金属酸化物膜45が還元され、貴金属膜46となる(図4(b)参照)。また、この熱処理の際には、貴金属酸化物膜45中から酸素が放出される。貴金属酸化物膜45から放出される酸素は、強誘電体膜50における酸素欠損を補償する。このため、結晶性の良好な強誘電体膜50が得られる。貴金属酸化物膜45を形成する段階で酸化プラチナ膜を形成した場合には、プラチナ膜である貴金属膜(導電膜)46が形成される。
なお、ここでは、貴金属酸化物膜45を形成する段階で酸化プラチナ膜を形成し、プラチナ膜により導電膜46が形成される場合を例に説明したが、導電膜46はプラチナ膜に限定されるものではない。例えば、貴金属酸化物膜45を形成する際に非晶質の酸化イリジウム(IrOX)膜を形成した場合には、熱処理により酸化イリジウム膜が還元されてイリジウム膜となり、イリジウム膜である導電膜46が形成される。また、貴金属酸化物膜45を形成する際に非晶質の酸化ルテニウム(RuOX)膜を形成した場合には、熱処理により酸化ルテニウム膜が還元されてルテニウム膜となり、ルテニウム膜である導電膜46が形成される。また、貴金属酸化物膜45を形成する際に非晶質の酸化パラジウム(PdOX)膜を形成した場合には、熱処理により酸化パラジウム膜が還元されてパラジウム膜となり、パラジウム膜である導電膜46が形成される。また、貴金属酸化物膜45を形成する際に非晶質のSrRuO3膜を形成した場合には、熱処理によりSrRuO3膜が結晶化され、ペロブスカイト構造のSrRuO3膜である導電膜46が形成される。また、貴金属酸化物膜45を形成する際に非晶質のLaSrCoO3膜を形成した場合には、熱処理等によりLaSrCoO3膜が結晶化され、ペロブスカイト構造のLaSrCoO3膜である導電膜46が形成される。
次に、図4(c)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、強誘電体膜(第2の強誘電体膜)52を形成する。より具体的には、高周波スパッタリング法により、強誘電体膜52を形成する。強誘電体膜52は、キャパシタ62のキャパシタ誘電体膜54の一部となるものである。強誘電体膜52の材料は、LaとCaとSrとが添加されたチタン酸ジルコン酸鉛、即ち、LaとCaとSrとが添加されたPZT膜を用いる。LaとCaとSrとが添加されたPZT膜は、CSPLZT膜と称される。
強誘電体膜52の膜厚が厚すぎる場合には、キャパシタ誘電体膜54において強誘電体膜52の占める割合が相対的に大きくなりすぎてしまい、良好な電気的特性を有するキャパシタ62が得られなくなる。また、強誘電体膜52の膜厚が厚すぎ、キャパシタ誘電体膜54の総膜厚が厚すぎる場合には、低電圧動作が困難となる。一方、強誘電体膜52の膜厚が薄すぎる場合には、良好な電気的特性を有するキャパシタ62が得られない。このため、強誘電体膜52の膜厚は、例えば5〜20nm程度とする。
強誘電体膜52に添加されるSrは、インプリントによるヒステリシス特性の劣化を生じにくくするのに寄与する。強誘電体膜52に添加されるCaは、キャパシタ62の抗電界を小さくするのに寄与する。強誘電体膜52に添加されるLaは、キャパシタ62のリーク電流を低減するのに寄与する。また、強誘電体膜52に添加された不純物(La、Sr、Ca)は、強誘電体膜52と上部電極60との界面を良好な状態とし、ひいては、キャパシタ62の疲労特性を向上するのに寄与する。
しかしながら、上述したように、強誘電体膜に存在する不純物が比較的多い場合には、キャパシタ62の反転電荷量が著しく小さくなってしまう。この場合には、良好な電気的特性を有するキャパシタ62が得られない。
そこで、本実施形態では、強誘電体膜52に添加するLa、Sr、Caの量を比較的小さく設定する。
具体的には、強誘電体膜52に添加するLaの添加量は、0.1mol%〜4.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜52に添加するLaの添加量を、例えば2.0mol%とする。
また、強誘電体膜52に添加するSrの添加量は、0.1mol%〜3.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜52に添加するSrの添加量を、例えば2.0mol%とする。
また、強誘電体膜52に添加するCaの添加量は、0.1mol%〜6.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜52に添加するCaの添加量を、例えば5.0mol%とする。
強誘電体膜52に添加する不純物(La、Sr、Ca)の総添加量は、10.0%以下とする。強誘電体膜52に添加する不純物の総添加量が多すぎる場合には、後工程における熱処理において強誘電体膜52を結晶化する際に、強誘電体膜50の結晶粒と強誘電体膜52の結晶粒とが連続にならない。強誘電体膜50の結晶粒と強誘電体膜52の結晶粒とが連続にならない場合には、強誘電体膜50と強誘電体膜52との界面に界面層が生じた状態となり、良好な電気的特性を有するキャパシタ62が得られない。
また、ここでは、スパッタリング法により強誘電体膜52を形成する場合を例に説明したが、強誘電体膜52の形成方法はスパッタリング法に限定されるものではない。例えば、MOCVD法、ゾル・ゲル法、有機金属分解(MOD)法、化学溶液堆積(CSD)法、CVD法、エピタキシャル成長法等により、強誘電体膜52を形成してもよい。
なお、後工程における熱処理により強誘電体膜50の結晶粒と強誘電体膜52の結晶粒とが連続的になるように、強誘電体膜50の主たる材料と強誘電体膜52の主たる材料と同じであることが好ましい。ここで、主たる材料とは、強誘電体膜50、52に添加される不純物(La、Sr、Ca)を除く材料のことである。
こうして、強誘電体膜50と強誘電体膜52とによりキャパシタ誘電体膜54が形成される。
次に、図5(a)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、成膜した時点で結晶化されている導電膜(導電性酸化物膜)56を形成する。ターゲットとしては、イリジウムのターゲットを用いる。成膜装置としては、反応性スパッタリング装置を用いる。導電膜56は、キャパシタ62の上部電極60の一部となるものである。導電膜56としては、酸化イリジウム膜(IrOX膜)を形成する。後工程における熱処理において、導電膜56を介して強誘電体膜52に十分に酸素が供給されるよう、導電膜56の膜厚は比較的薄く設定することが好ましい。具体的には、導電膜56の膜厚を、10〜70nm程度とすることが好ましい。より好ましくは、導電膜56の膜厚を、20〜50nm程度とする。ここでは、導電膜56の膜厚を例えば50nm程度とする。
導電膜56の成膜条件は、例えば以下の通りとする。基板温度は、例えば200〜350℃とする。基板温度を350℃以下に設定するのは、350℃より高い基板温度で成膜すると、異常成長が生じやすくなり、上部電極60とキャパシタ誘電体膜54との界面において欠陥が生じ、良好な電気的特性のキャパシタ62を得るのが困難となるためである。また、基板温度を200℃以上に設定するのは、200℃より低い基板温度で成膜すると、膜厚の面内分布が不均一となり、良好な結晶状態が得られず、良好な電気的特性のキャパシタ62が得られないためである。ここでは、基板温度を300℃とする。成膜時間は、例えば8秒とする。成膜室内の圧力は、例えば2.0Pa程度とする。成膜室内に導入するガスは、例えばアルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスとする。アルゴンガスの流量は、例えば140sccm程度とする。酸素ガスの流量は、60sccm程度とする。スパッタパワーは、例えば1kW程度とする。
このようにして、比較的高温で導電膜56を形成した場合には、成膜した時点で結晶化されている導電膜(導電性酸化物膜)56が形成される。
なお、以下のような条件で酸化イリジウムの導電膜56を形成することにより、成膜した時点で非晶質の導電膜(導電性酸化物膜)56を形成するようにしてもよい。
即ち、全面に、例えばスパッタリング法により、導電膜56を形成する。ターゲットとしては、イリジウムのターゲットを用いる。成膜装置としては、反応性スパッタリング装置を用いる。導電膜56として形成される酸化イリジウム膜(IrOX膜)における酸素の組成比Xは、例えば0<X<2とする。導電膜56の膜厚は、例えば20〜75nm程度とする。ここでは、導電膜56の膜厚を50nm程度とする。基板温度は、例えば10℃〜60℃程度とする。より好ましくは、基板温度は、例えば10℃〜50℃とする。ここでは、基板温度を20℃とする。スパッタパワーは、例えば2kWとする。成膜時間は、例えば9秒間とする。成膜室内に導入するガスは、例えばアルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスとする。アルゴンガスの流量は、例えば100sccmとする。酸素ガスの流量は、例えば54sccmとする。
比較的低温で酸化イリジウムの導電膜56を形成する場合には、導電膜56の抵抗率は355μΩcm〜418μΩcmの範囲内とすることが好ましい。導電膜56の抵抗率が比較的低い場合には、導電膜56中の酸素空位が多くなっているため、後工程における熱処理において、キャパシタ誘電体膜54中のPbが大量に導電膜56中へ拡散し、キャパシタ誘電体膜54においてPbの欠陥が多く生じてしまう。この場合には、キャパシタ62の反転電荷量が低下し、リーク電流が大きくなってしまう。一方、導電膜56の抵抗率が比較的高い場合には、後工程における熱処理において、導電膜56中のIrが大量にキャパシタ誘電体膜54中へ拡散し、キャパシタ62のリーク電流が大きくなってしまう。従って、導電膜56の抵抗率は355μΩcm〜418μΩcmの範囲内とすることが好ましい。導電膜56を成膜する際の基板温度を10〜50℃程度とすれば、このような抵抗率の導電膜56を形成し得る。このようにして導電膜56を形成すると、ウェハ面内における導電膜56の膜厚の分布も均一となる。
このようにして、比較的低温で導電膜56を形成することにより、成膜した時点で非晶質の導電膜56を形成するようにしてもよい。
次に、例えばRTA法により、酸素を含む雰囲気中で熱処理を行う。かかる熱処理は、非晶質の強誘電体膜52を結晶化するとともに、強誘電体膜50の結晶性を更に向上させるためのものである。導電膜56が形成されている状態で行われるため、酸化イリジウムの導電膜56中のIrがキャパシタ誘電体膜54中へ拡散する。このため、強誘電体膜50及び強誘電体膜52には、Irが含まれることとなる。このようなIrの拡散に伴い、キャパシタ誘電体膜54と上部電極60との界面が平坦化され、キャパシタ62の電気的特性が向上する。具体的には、キャパシタ62の低電圧動作が可能となり、キャパシタ62の反転電荷量が増加する。強誘電体膜50中及び強誘電体膜52中に含まれるIrの濃度は、それぞれ0.01mol%〜3.0mol%程度である。導電膜56の膜厚が比較的薄く設定されているため、導電膜56を介して強誘電体膜52に酸素が供給され、強誘電体膜52における酸素欠損が補償される。また、この熱処理は、導電膜56と強誘電体膜52との密着性を向上させるためのものである。この熱処理により、上部電極60の剥がれ等が抑制され、ひいては歩留まりの向上を実現させることができる。
熱処理条件は、例えば以下の通りとする。熱処理温度が低すぎる場合には、強誘電体膜52と上部電極60との界面の状態がウェハ面内において不均一となり、キャパシタ62のリーク電流のばらつきが大きくなり、キャパシタ62の反転電荷量のばらつきも大きくなる。このため、熱処理を行う際における基板温度は、例えば700〜740℃程度とすることが好ましい。ここでは、基板温度を、例えば725℃程度とする。熱処理時間は、例えば120秒とする。チャンバ内の雰囲気は、例えば不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスの雰囲気とする。不活性ガスとしては、例えばアルゴンガスを用いる。アルゴンガスの流量は、例えば1500〜3000sccmとする。アルゴンガスの流量を1500sccm以上とするのは、キャパシタ誘電体膜54をウェハ面内において均一に結晶化するためである。酸素ガスの流量が大きすぎると、導電膜56の表面に酸化イリジウムが異常成長してしまう。一方、酸素ガスの流量が小さすぎると、強誘電体膜52において酸素の不足が生じ、欠陥が生じてしまう。このため、酸素ガスの流量は、10sccm〜100sccm程度とする。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、導電膜58を形成する。導電膜58は、キャパシタ62の上部電極60の一部となるものである。導電膜58としては、例えば酸化イリジウム膜を形成する。導電膜58として形成される酸化イリジウム膜(IrOY膜)における酸素の組成比Yは、例えば0<Y≦2とする。導電膜58として形成される酸化イリジウム膜(IrOY膜)における酸素の組成比Yは、導電膜56として形成される酸化イリジウム膜(IrOX膜)における酸素の組成比Xより大きいことが好ましい。導電膜58における酸素の組成比を導電膜56における酸素の組成比より大きく設定するのは、酸素の組成比を大きく設定すると、水素の拡散を防止する機能が大きくなるためである。導電膜58が水素バリア膜としても十分に機能し得るため、後工程においてキャパシタ誘電体膜54が水素により還元されるのを防止し得る。導電膜58の膜厚は、例えば100〜300nm程度とすることが好ましい。ここでは、導電膜58の膜厚を、例えば200nm程度とする。導電膜58は、導電膜56と相俟って、十分な厚さの上部電極60を形成するためのものである。これにより、十分な厚さの上部電極60が形成されるため、エッチング等の際にキャパシタ誘電体膜54に大きなダメージが加わるのを防止することが可能となる。
導電膜58を成膜する際の成膜条件は、例えば以下の通りとする。成膜室内に導入するガスは、例えばアルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスとする。アルゴンガスの流量は、例えば100sccmとする。酸素ガスの流量は、例えば100sccmとする。成膜室内の圧力は、例えば0.8Paとする。スパッタパワーは、例えば1.0kWとする。成膜時間は、例えば79秒間程度とする。このような成膜条件で導電膜58を成膜すると、導電膜58の膜厚は、例えば200nm程度となる。
導電膜58として用いる酸化イリジウム膜の組成は、化学量論的組成であるIrO2とすることが好ましい。化学量論的組成の酸化イリジウム膜は、水素に対して触媒作用を奏することがなく、キャパシタ誘電体膜54が水素により還元されるのを防止し得るためである。
次に、半導体基板10の下面(裏面)を洗浄する(背面洗浄)。この背面洗浄は、一般のウェハ洗浄とは異なるものであり、ウェハの裏面に付着したキャパシタ誘電体膜54を除去するためのものである。
次に、全面に、スパッタリング法により、保護膜92を形成する。保護膜92としては、例えばTiN膜を形成する。保護膜92の膜厚は、例えば34nm程度とする。保護膜92を形成する際には、例えばTiのターゲットを用いる。保護膜92を形成する際の基板温度は、例えば200℃とする。成膜室内における雰囲気は、例えばArガスとN2ガスとの混合ガスの雰囲気とする。Arガスの流量は、例えば50sccmとする。N2ガスの流量は、例えば90sccmとする。保護膜92は、還元性物質をバリアする機能を有するものである。保護膜92により還元性物質がバリアされるため、キャパシタ誘電体膜54が還元されるのを防止することができ、キャパシタ62の電気的特性の向上を図ることが可能となる。また、保護膜92は、上部電極60をパターニングする際のハードマスクとして機能する。
ここでは、保護膜92としてTiN膜を形成する場合を例に説明したが、保護膜92はTiN膜に限定されるものではない。保護膜92として、例えば、TaN膜、TiON膜、TiOX膜、TaOX膜、TaON膜、TiAlOX膜、TaAlOX膜、TiAlON膜、TaAlON膜、TiSiON膜、TaSiON膜、TiSiOX膜、TaSiOX膜、AlOX膜、ZrOX膜等を形成してもよい。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜94を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜94を上部電極60の平面形状にパターニングする。
次に、フォトレジスト膜94をマスクとして、保護膜92及び導電膜58、及び導電膜56をエッチングする。これにより、導電膜56と導電膜58とにより上部電極60が形成される。導電膜58及び導電膜56をエッチングする際、保護膜92はハードマスクとして機能する(図5(b)参照)。
この後、フォトレジスト膜94を剥離する。この後、例えばドライエッチングにより保護膜92を除去する。
次に、酸素を含む雰囲気中で熱処理を行う。この熱処理は、キャパシタ誘電体膜54に加わったダメージを回復するためのものである(回復アニール)。熱処理温度は、例えば600〜700℃とする。ここでは、熱処理温度は、650℃とする。熱処理時間は、例えば40分とする。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜96を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜96をキャパシタ誘電体膜54の平面形状にパターニングする。
次に、フォトレジスト膜96をマスクとして、キャパシタ誘電体膜54をエッチングする(図6(a)参照)。
この後、フォトレジスト膜96を剥離する。
次に、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。熱処理条件は、例えば300〜650℃とする。熱処理時間は、例えば30分〜120分とする。
次に、図6(b)に示すように、例えばスパッタリング法又はCVD法により、保護膜64を形成する。保護膜64としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。保護膜64の膜厚は、例えば20〜50nm程度とする。
次に、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。熱処理条件は、例えば400〜600℃とする。熱処理時間は、例えば30分〜120分とする。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜98を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜98を下部電極48の平面形状にパターニングする。
次に、フォトレジスト膜98をマスクとして、保護膜64、導電膜46、導電膜44及び密着膜43をエッチングする(図7(a)参照)。導電膜44と導電膜46とにより下部電極48が形成される。こうして、下部電極48とキャパシタ誘電体膜54と上部電極60とを有するキャパシタ62が形成される。保護膜64は、上部電極60及びキャパシタ誘電体膜54を覆うように残存する。
この後、フォトレジスト膜98を剥離する。
次に、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。熱処理温度は、例えば300〜400℃とする。熱処理時間は、例えば30〜120分間とする。
次に、図7(b)に示すように、例えばスパッタリング法又はCVD法により、保護膜66を形成する。保護膜66としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。保護膜66の膜厚は、例えば20nm程度とする。
次に、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。この熱処理は、キャパシタ誘電体膜54に酸素を供給し、キャパシタ62の電気的特性を向上するためのものである。熱処理条件は、例えば500〜700℃とする。熱処理時間は、例えば30分〜120分とする。
次に、例えばプラズマTEOSCVD法により、層間絶縁膜68を形成する。層間絶縁膜68としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。層間絶縁膜68の膜厚は、例えば1.4μm程度とする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜68の表面を平坦化する。
次に、N2Oガス又はN2ガスを用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。この熱処理は、層間絶縁膜68中の水分を除去するとともに、層間絶縁膜68の膜質を変化させ、層間絶縁膜68中に水分を入りにくくさせるためのものである。熱処理温度は、例えば350℃とする。熱処理時間は、例えば2分間とする。この熱処理の際に層間絶縁膜68の表面が窒化され、層間絶縁膜68の表面にはシリコン窒化酸化膜(図示せず)が形成される。
次に、図8(b)に示すように、例えばスパッタリング法又はCVD法により、保護膜70を形成する。保護膜70としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。保護膜70の膜厚は、例えば20〜50nm程度とする。
次に、例えばプラズマTEOSCVD法により、層間絶縁膜72を形成する。層間絶縁膜72としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。層間絶縁膜72の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、図9(a)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜66及び保護膜64をエッチングする。これにより、下部電極48に達するコンタクトホール74aと、上部電極60に達するコンタクトホール76bとが形成される。
次に、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。この熱処理は、キャパシタ誘電体膜54に酸素を供給し、キャパシタ62の電気的特性を向上させるためのものである。熱処理条件は、例えば400〜600℃とする。熱処理時間は、例えば30分〜120分とする。
なお、ここでは、酸素雰囲気中にて熱処理を行う場合を例に説明したが、オゾン雰囲気中にて熱処理を行ってもよい。オゾン雰囲気中にて熱処理を行った場合にも、キャパシタ誘電体膜54に酸素が供給され、キャパシタ62の電気的特性を向上させることができる。
次に、図9(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜66及び層間絶縁膜42をエッチングする。これにより、導体プラグ36に達するコンタクトホール76が形成される。
次に、不活性ガス雰囲気中又は真空中にて熱処理を行う。この熱処理は、層間絶縁膜72,68,42中からガスを放出するためのものである(脱ガス)。
次に、高周波エッチングにより、コンタクトホール74a、74b、76の内壁面に対して表面処理を行う。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、密着膜78を形成する。密着膜78としては、例えばTiN膜を形成する。密着膜78の膜厚は、例えば50〜150nm程度とする。密着膜78としてTiN膜を形成する場合には、ターゲットの材料としてTiを用いる。成膜室内の雰囲気は、ArガスとN2ガスとの混合雰囲気とする。Arガスの流量は50sccmとする。N2ガスの流量は例えば90sccmとする。成膜温度は、例えば200℃とする。
次に、全面に、例えばCVD法により、導電膜を形成する。導電膜としては、例えばタングステン膜を形成する。導電膜の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜72の表面が露出するまで、導電膜及び密着膜78を研磨する。こうして、導電膜により導体プラグ80a〜80cが形成される(図10(a)参照)。
次に、プラズマ洗浄を行う。プラズマ洗浄を行う際に用いるガスは、例えばArガスとする。これにより、導体プラグ80a〜80cの表面に存在する自然酸化膜等が除去される。
次に、例えばスパッタリング法により、例えばTiN膜82と、AlCu合金膜84と、Ti膜86と、TiN膜88とを順次積層することにより、積層膜を形成する。TiN膜82の膜厚は、例えば50nmとする。AlCu合金膜84の膜厚は、例えば膜厚550nmとする。Ti膜86の膜厚は、例えば5nmとする。TiN膜88の膜厚は、例えば膜厚50nmとする。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、積層膜をエッチングする。こうして、積層膜により配線90が形成される(図10(b)参照)。
この後、更に、層間絶縁膜(図示せず)、導体プラグ(図示せず)、配線(図示せず)等を複数層に亘って形成する。配線層(金属配線層)は、5層に亘って形成される。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
(評価結果)
次に、本実施形態による半導体装置及びその製造方法の評価結果を図11乃至図17を用いて説明する。
図11乃至17において、実施例1は、本実施形態の場合、即ち、強誘電体膜50として、Laが添加されたPZT膜(PLZT膜)を用い、強誘電体膜52として、LaとSrとCaとが添加されたPZT膜(CSPLZT膜)を用いた場合を示している。
比較例1は、強誘電体膜50としてCSPLZT膜を用い、強誘電体膜52としてCSPLZT膜を用いた場合を示している。
比較例2は、強誘電体膜50としてPLZT膜を用い、強誘電体膜52としてPLZT膜を用いた場合を示している。
実施例1、比較例1及び比較例2のいずれの場合においても、導電膜44を形成した後には、RTA法により、Arガス雰囲気中で、650℃、60秒の熱処理を行った。この後、実施例1、比較例1及び比較例2のいずれの場合においても、酸素雰囲気中で6時間放置することにより、導電膜44上に0.3〜0.5nmのプラチナ酸化の導電膜46を形成した。また、実施例1、比較例1及び比較例2のいずれの場合においても、強誘電体膜50、52をスパッタリング法により形成した。実施例1、比較例1及び比較例2のいずれの場合にも、強誘電体膜50の膜厚を90nmとし、強誘電体膜52の膜厚を15nmとした。
実施例1では、PLZTの強誘電体膜50におけるLaの添加量を、2.0%とした。また、実施例1では、CSPLZTの強誘電体膜52におけるLaの添加量を2.0%とし、Srの添加量を2.0%とし、Caの添加量を5.0%とした。
比較例1では、CSPLZTの強誘電体膜50、52におけるLaの添加量を2.0%とし、Srの添加量を2.0%とし、Caの添加量を5.0%とした。
比較例2では、PLZTの強誘電体膜50、52におけるLaの添加量を2.0%とした。
実施例1、比較例1及び比較例2のいずれの場合においても、強誘電体膜50を形成した直後における熱処理の条件は、それぞれの材料に対して最適な条件とした。
実施例1、比較例1及び比較例2のいずれの場合においても、導電膜56の成膜温度は300℃とした。導電膜56を形成する際におけるアルゴンガスの流量は140sccmとし、酸素ガスの流量は60sccmとした。実施例1、比較例1及び比較例2のいずれの場合においても、導電膜56の膜厚は25nmとした。
実施例1、比較例1及び比較例2のいずれの場合においても、導電膜56を形成した後における熱処理条件は、725℃、120秒とした。実施例1、比較例1及び比較例2のいずれの場合においても、導電膜56を形成した後の熱処理におけるアルゴンガスの流量は、1990sccmとし、酸素ガスの流量は10sccmとした。
実施例1、比較例1及び比較例2のいずれの場合においても、金属配線層を5層に亘って形成し、このようにして形成された半導体装置のキャパシタ62の電気的特性を測定した。
図11は、キャパシタの反転電荷量の測定結果を示すグラフ(その1)である。図11の場合には、反転電荷量を測定する際の印加電圧を3Vとし、反転電荷量を測定する際の温度を室温とした。測定対象となるキャパシタのサイズは、50μm×50μmとした。
図11から分かるように、比較例1の場合には、キャパシタの反転電荷量(QSW)が比較的小さい。
これに対し、実施例1、即ち、本実施形態の場合には、比較的大きい反転電荷量が得られる。
図12は、キャパシタの反転電荷量の測定結果を示すグラフ(その2)である。図12の場合には、反転電荷量を測定する際の印加電圧を1.8Vとし、反転電荷量を測定する際の温度を室温とした。測定対象となるキャパシタのサイズは、1.0μm×1.4μmとした。
図12から分かるように、比較例1,2の場合には、キャパシタの反転電荷量が比較的小さい。
これに対し、実施例1、即ち、本実施形態の場合には、比較的大きい反転電荷量が得られる。
図13は、キャパシタの反転電荷量の測定結果を示すグラフ(その3)である。図13の場合には、反転電荷量を測定する際の印加電圧を3.0Vとし、反転電荷量を測定する際の温度を室温とした。測定対象となるキャパシタのサイズは、1.0μm×1.4μmとした。
図13から分かるように、比較例1の場合には、反転電荷量が比較的小さい。
これに対し、実施例1、即ち、本実施形態の場合には、比較的大きい反転電荷量が得られる。
図11乃至図13から分かるように、本実施形態によれば、比較的大きい反転電荷量QSWを有するキャパシタ62を得ることができる。
図14は、キャパシタのリーク電流の測定結果を示すグラフである。図14の場合には、リーク電流を測定する際の印加電圧を5Vとし、リーク電流を測定する際の温度を室温とした。キャパシタのサイズは、50μm×50μmとした。
図14から分かるように、比較例1の場合には、リーク電流が比較的大きい。
比較例1の場合において、リーク電流が大きくなるのは、以下のような理由によるものであると考えられる。即ち、La、Sr及びCaが添加されたPZTであるCSPLZTにより強誘電体膜50,52を形成した場合には、強誘電体膜50,52を結晶化するための熱処理において、強誘電体膜50,52の結晶粒間に空洞が生じやすい。このような強誘電体膜50,52を用いたキャパシタ誘電体膜54上に酸化イリジウムの導電膜56を形成し、この後、熱処理を行った場合には、導電膜56から拡散したIrが強誘電体膜50,52の結晶粒間の空洞に集中し、強誘電体膜50,52中にリークパスが生じる。このため、比較例1においては、キャパシタ62のリーク電流が比較的大きくなってしまうこととなる。
これに対し、実施例1、即ち、本実施形態の場合には、リーク電流が比較的小さい。但し、実施例1は、比較例2よりはリーク電流が大きい。
比較例2の場合において、リーク電流が比較的小さくなるのは、以下のような理由によるものと考えられる。即ち、Laが添加されたPZTであるPLZTにより強誘電体膜50,52を形成した場合には、強誘電体膜50,52を結晶化するための熱処理において、強誘電体膜50,52の結晶粒間に空洞が生じにくい。このため、比較例2においては、強誘電体膜50,52中にリークパスが生じにくく、キャパシタ62のリーク電流が比較的小さくなると考えられる。
実施例1、即ち、本実施形態では、強誘電体膜52としてCSPLZTが用いられているため、強誘電体膜52においてはリークパスが生じるが、強誘電体膜50としてはPLZTが用いられているため、強誘電体膜50においてはリークパスが生じにくい。このため、実施例1のリーク電流は、比較例1のリーク電流より小さく、比較例2の場合のリーク電流より大きくなると考えられる。
このように、本実施形態によれば、リーク電流の比較的小さいキャパシタ62を得ることができる。
図15は、キャパシタの疲労特性の測定結果を示すグラフである。図15における●印のプロットは、実施例1、即ち、本実施形態の半導体装置の場合を示している。図15における■印のプロットは、比較例1の場合を示している。図15における◇印のプロットは、比較例2の場合を示している。図15の横軸は、キャパシタにストレスを加えるためのパルス電圧の印加回数を示している。図15の縦軸は、キャパシタの反転電荷量を示している。
図15に示す疲労特性を測定する際には、キャパシタに7Vのパルス電圧を繰り返し印加した。キャパシタ62に印加するパルスの周波数は、1MHzとした。キャパシタ62の反転電荷量を測定する際には、キャパシタに印加する電圧は3Vとした。そして、キャパシタにパルス電圧を印加する前の反転電荷量、1×106回のパルス電圧をキャパシタに印加した後の反転電荷量、及び、1×107回のパルス電圧をキャパシタに印加した後の反転電荷量をそれぞれ測定した。
比較例1の場合には、1×107回のパルス電圧を印加したことによるキャパシタの反転電荷量の減少率は4.7%であった。
比較例2の場合には、1×107回のパルス電圧を印加したことによるキャパシタの反転電荷量の減少率は10.1%であった。
実施例1の場合には、1×107回のパルス電圧を印加したことによるキャパシタの反転電荷量の減少率は7.7%であった。
このことから、キャパシタ62の反転電荷量の減少率に関しては、比較例1が最も小さいことが分かる。比較例1において、キャパシタの反転電荷量の減少率が小さくなるのは、キャパシタ誘電体膜54の材料としてCSPLZTが用いられているため、キャパシタ誘電体膜54と上部電極60との界面の状態が良好になるためと考えられる。
比較例2において、キャパシタ62の反転電荷量の減少率が比較的大きくなるのは、キャパシタ誘電体膜54の材料としてPLZTが用いられているため、キャパシタ誘電体膜54と上部電極60との界面の状態が必ずしも良好にならないためと考えられる。
実施例1、即ち、本実施形態の場合には、強誘電体膜52の材料としてCSPLZTが用いられているため、キャパシタ誘電体膜54と上部電極60との界面の状態が比較的良好となり、キャパシタの反転電荷量の減少が抑制される。ただし、実施例1では、強誘電体膜52の膜厚が比較的薄いため、キャパシタ誘電体膜54と上部電極60との界面の状態は、比較例1ほどには良好にはならない。このため、実施例1では、キャパシタ62の反転電荷量の減少率が比較例1より大きくなると考えられる。
しかしながら、比較例1の場合には、パルス電圧の印加に伴う反転電荷量の減少については抑制されるものの、キャパシタ62の反転電荷量自体が比較的小さい。
これに対し、実施例1、即ち、本実施形態の場合には、キャパシタ62の反転電荷量自体が比較的大きい。実施例1では、キャパシタ62の反転電荷量自体が比較的大きく、しかも、パルス電圧の印加に伴う反転電荷量の減少が比較的小さいため、良好なキャパシタを得ることが可能となる。
図16は、キャパシタのQTV特性、即ち、印加電圧と反転電荷量との関係を示すグラフである。図16の横軸は、キャパシタに印加する電圧を示している。図16の縦軸は、反転電荷量を示している。
図16から分かるように、実施例1の場合には、比較例1,2と比較して、キャパシタのQTV特性が良好となる。即ち、実施例1の場合には、比較例1,2と比較して、反転電荷量が大きく、また、QTV特性のグラフの立ち上がりも早い。実施例1において、このような良好なQTV特性が得られるのは、強誘電体膜52の材料としてCSPLZTが用いられているためと考えられる。
このように、本実施形態によれば、良好な電気的特性のキャパシタを得ることが可能であることが分かる。
図17は、キャパシタのリーク電流特性を示すグラフである。図17の横軸は、キャパシタに印加する電圧を示している。図17の縦軸は、リーク電流を示している。
図17から分かるように、比較例1の場合には、リーク電流が比較的大きい。
これに対し、実施例1の場合には、リーク電流が比較的小さい。
実施例1が比較例1と比較してリーク電流が十分に小さいのは、強誘電体膜50の材料としてPLZTが用いられているためと考えられる。
このように、本実施形態によれば、リーク電流の小さいキャパシタが得られることが分かる。
このように、本実施形態では、PLZTの強誘電体膜50とCSPLZTの強誘電体膜52とによりキャパシタ誘電体膜54が形成されている。本実施形態によれば、強誘電体膜50としてPLZTが用いられており、しかも、PLZTの強誘電体膜50が比較的厚く形成されているため、キャパシタ62のリーク電流を十分に抑制することができる。しかも、本実施形態によれば、強誘電体膜52としてCSPLZTが用いられているため、インプリントによるヒステリシス特性の劣化が小さく、抗電界が小さく、疲労特性の良好なキャパシタ62を得ることができる。従って、本実施形態によれば、特性の良好なキャパシタ62を有する半導体装置を提供することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態による半導体装置の製造方法を図18乃至図27を用いて説明する。図1乃至図17に示す第1実施形態による半導体装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
(半導体装置)
本実施形態による半導体装置の製造方法について図18を用いて説明する。図18は、本実施形態による半導体装置を示す断面図である。
本実施形態による半導体装置は、メモリセルの構造がスタック型になっているものである。
図18に示すように、半導体基板10には、素子領域を画定する素子分離領域12が形成されている。半導体基板10としては、例えばN型又はP型のシリコン基板が用いられている。素子分離領域12が形成された半導体基板10内には、例えばP型のウェル14が形成されている。
ウェル14が形成された半導体基板10上には、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極(ワード線)18が形成されている。ゲート電極18の側壁部分には、サイドウォール絶縁膜20が形成されている。
サイドウォール絶縁膜20が形成されたゲート電極18の両側には、ソース/ドレイン拡散層22が形成されている。
ゲート電極18の上部及びソース/ドレイン拡散層22上には、それぞれシリサイド層24a、24bが形成されている。ソース/ドレイン拡散層22上のシリサイド層24bは、ソース/ドレイン電極として機能する。
こうして、ゲート電極18とソース/ドレイン拡散層22とを有するトランジスタ26が形成されている。
トランジスタ26が形成された半導体基板10上には、絶縁膜(酸化防止絶縁膜)28が形成されている。絶縁膜28の膜厚は、例えば200nmとする。絶縁膜28としては、例えばシリコン窒化酸化膜が用いられている。
絶縁膜28が形成された半導体基板10上には、層間絶縁膜30が形成されている。半導体基板10の表面から層間絶縁膜30の表面までの厚さは、例えば700nmとする。層間絶縁膜30としては、例えばシリコン酸化膜が用いられている。層間絶縁膜30の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜30及び絶縁膜28には、ソース/ドレイン電極24bに達するコンタクトホール32が形成されている。
コンタクトホール32内には、密着膜34が形成されている。密着膜34としては、例えばTi膜とTiN膜とが順次積層された積層膜が用いられている。Ti膜の膜厚は、例えば30nmとする。TiN膜の膜厚は、例えば膜厚20nmとする。
密着膜34が形成されたコンタクトホール32内には、導体プラグ36が埋め込まれている。導体プラグ36の材料としては、例えばタングステンが用いられている。
導体プラグ36が埋め込まれた層間絶縁膜30上には、例えば酸化防止膜100が形成されている。酸化防止膜100の膜厚は、例えば130nmとする。酸化防止膜100としては、例えばシリコン窒化酸化膜が用いられている。酸化防止膜100は、層間絶縁膜36に導体プラグ36を埋め込んだ後に、導体プラグ36の上面が酸化されるのを防止するためのものである。
なお、ここでは酸化防止膜100として、シリコン窒化酸化膜を用いる場合を例に説明したが、かかる酸化防止膜100はシリコン窒化酸化膜に限定されるものではない。例えば、酸化防止膜100として、シリコン窒化膜や酸化アルミニウム膜を形成してもよい。
酸化防止膜100上には、例えばシリコン酸化膜102が形成されている。シリコン酸化膜102の膜厚は、例えば300nmとする。
酸化防止膜100とシリコン酸化膜102とにより層間絶縁膜104が形成されている。
層間絶縁膜104には、導体プラグ36に達するコンタクトホール106が形成されている。
コンタクトホール42内には、密着膜108が形成されている。密着膜108としては、例えばTi膜とTiN膜とが順次積層された積層膜が用いられている。Ti膜の膜厚は、例えば30nmとする。TiN膜の膜厚は、例えば20nmとする。
密着膜108が形成されたコンタクトホール106内には、導体プラグ110が形成されている。導体プラグ110の材料としては、例えばタングステンが用いられている。導体プラグ110は、CMP法により層間絶縁膜40に埋め込まれたものである。このため、導体プラグ110をCMP法により埋め込む場合には、導体プラグ110の上部が過度に研磨され、導体プラグ110の上面の高さが層間絶縁膜104の上面の高さより低くなる場合がある。かかる場合には、導体プラグ110が埋め込まれた箇所に凹部112が形成されることとなる。かかる凹部112の深さは、例えば20〜50nm程度である。このような凹部112が形成された導体プラグ110上及び層間絶縁膜104上に後述する密着膜116を形成すると、かかる凹部112を反映して密着膜116の表面にも凹部が形成される。そして、このような密着膜116上に酸化防止膜118を形成すると、かかる凹部を反映して酸化防止膜118の表面にも凹部が形成される。このような凹部が形成された酸化防止膜118上には、配向性の良好な下部電極48、キャパシタ誘電体膜54及び上部電極60を形成することは困難である。本実施形態では、図18に示すように、導体プラグ110及び層間絶縁膜104上に凹部112を埋め込むように下地膜114が形成されている。かかる下地膜114の表面は、CMP法により平坦化されている。下地膜114の膜厚は、例えば50〜100nm程度とする。ここでは、下地膜114の膜厚を50nmとする。
下地膜114上には、密着膜116が形成されている。かかる密着膜116は、後述する酸素バリア膜118の結晶性を向上させるとともに、かかる酸素バリア膜118と層間絶縁膜104との密着性を向上させるためのものである。平坦な下地膜(平坦化層)114上に密着膜116が形成されているため、密着膜116の表面は平坦となっている。密着膜116としては、例えばTiN膜が形成されている。密着膜116の膜厚は、例えば20nm程度とする。
なお、ここでは、密着膜116としてTiN膜を形成する場合を例に説明したが、密着膜116はTiN膜に限定されるものではない。酸素バリア膜118の結晶性を向上させるとともに、かかる酸素バリア膜118と下地膜114との密着性を向上させ得る材料を、密着膜116の材料として適宜用いることができる。例えば、Ir、Pt等を密着膜116の材料として用いてもよい。
密着膜116上には、導電性の酸素バリア膜(酸素拡散防止膜)118が形成されている。酸素バリア膜118の膜厚は、例えば100nmとする。酸素バリア膜118としては、例えばTiAlN膜が用いられている。かかる酸素バリア膜118は、層間絶縁膜104に導体プラグ110を埋め込んだ後に、導体プラグ110の上面が酸化されるのを防止するためのものである。
なお、ここでは、酸素バリア膜118の材料としてTiAlNを用いる場合を例に説明したが、酸素バリア膜118の材料はTiAlNに限定されるものではない。TiAlON、TaAlN又はTaAlON等を酸素バリア膜118の材料として適宜用いてもよい。
酸素バリア118膜上には、導電膜44aが形成されている。導電膜44aとしては、貴金属膜が用いられている。より具体的には、導電膜44aとして、例えばイリジウム(Ir)膜が用いられている。導電膜44aの膜厚は、例えば100nmとする。
なお、ここでは、導電膜44aとして、イリジウム膜を用いる場合を例に説明したが、導電膜44aはイリジウム膜に限定されるものではない。導電膜44aとして、例えば、ルテニウム膜等を用いてもよい。また、導電膜44aは単層の膜に限定されるものではなく、積層膜により導電膜44aを形成してもよい。
導電膜44a上には、導電膜46aが形成されている。導電膜46aは、貴金属膜である。導電膜46aに含まれる貴金属と導電膜44aに含まれる貴金属とは、同じ元素であることが好ましい。後述するように、導電膜44a上に成膜する段階では、非晶質の貴金属酸化物膜45aを形成する(図23(a)参照)。非晶質の貴金属酸化物膜45aは、後工程における熱処理等により還元され、貴金属膜46aとなる。貴金属酸化物膜45aに含まれる貴金属と導電膜44aに含まれる貴金属とが同じ元素である場合には、導電膜46aと導電膜44aとは区別し得ない場合もある。また、導電膜46aは非晶質の貴金属酸化物膜45aが還元されたものであるため、導電膜46aの結晶粒径が導電膜44aの結晶粒径より小さくなっている場合もある。非晶質の貴金属酸化物膜45aを形成する際に例えば酸化イリジウム膜(IrOX膜)を形成した場合には、後工程における熱処理等において酸化イリジウム膜が還元されてイリジウム膜となり、イリジウム膜である導電膜46aが形成される。導電膜46aの膜厚は、例えば25nm程度とする。
こうして、導電膜44aと導電膜46aとによりキャパシタ62の下部電極48aが形成されている。
下部電極48a上には、強誘電体膜50aが形成されている。強誘電体膜50aは、例えばMOCVD法により形成されたものである。強誘電体膜50aとしては、例えばLaが添加されたPZTであるPLZT膜が用いられている。MOCVD法により強誘電体膜50aを成膜する場合には、結晶化された状態で強誘電体膜50aが成膜される。
強誘電体膜50aにおけるLaの添加量は、0.1mol%〜4.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜50aにおけるLaの添加量を、例えば2.0mol%とする。
強誘電体膜50aの膜厚は、例えば30nm〜150nm程度とする。より好ましくは、強誘電体膜50aの膜厚を、例えば50nm〜120nm程度とする。ここでは、強誘電体膜50aの膜厚を、例えば90nmとする。
なお、ここでは、MOCVD法により形成された強誘電体膜50aを用いる場合を例に説明したが、MOCVD法により形成された強誘電体膜50aに限定されるものではない。例えば、スパッタリング法により形成された強誘電体膜50aを用いてもよい。
強誘電体膜50a上には、強誘電体膜52が形成されている。強誘電体膜52は、例えばスパッタリング法等により形成されたものである。強誘電体膜52としては、LaとSrとCaとが添加されたPZT、即ち、CSPLZTが用いられている。強誘電体膜52の膜厚は、例えば5〜30nmとする。ここでは、強誘電体膜52の膜厚を15nm程度とする。強誘電体膜52は、後述する熱処理等により結晶化されている。
強誘電体膜52におけるLaの添加量は、0.1mol%〜4.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜52におけるLaの添加量を、例えば2.0mol%とする。
また、強誘電体膜52におけるSrの添加量は、0.1mol%〜3.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜52におけるSrの添加量を、例えば2.0mol%とする。
また、強誘電体膜52におけるCaの添加量は、0.1mol%〜6.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜52におけるCaの添加量を、例えば5.0mol%とする。
また、強誘電体膜52における不純物(La、Sr、Ca)の総添加量は、10.0%以下とする。
こうして、強誘電体膜50aと強誘電体膜52とによりキャパシタ誘電体膜54aが形成されている。
キャパシタ誘電体膜54a上には、導電膜56が形成されている。導電膜56は、成膜の時点において結晶化されていた導電膜56である。導電膜56としては、例えば酸化イリジウム膜が用いられている。導電膜56として用いられている酸化イリジウム膜(IrOX膜)における酸素の組成比Xは、例えば0<X<2とする。導電膜56の膜厚は、例えば10〜70nm程度とすることが好ましい。より好ましくは、導電膜56の膜厚を、20〜50nm程度とする。ここでは、導電膜56の膜厚を例えば50nm程度とする。
導電膜56上には、導電膜58が形成されている。導電膜58は、例えばスパッタリング法により形成されたものである。導電膜58としては、例えば酸化イリジウム膜58が用いられている。導電膜58として形成される酸化イリジウム膜(IrOY膜)における酸素の組成比Yは、例えば0<Y≦2とする。導電膜58として形成される酸化イリジウム膜(IrOY膜)における酸素の組成比Yは、導電膜56として形成される酸化イリジウム膜(IrOX膜)における酸素の組成比Xより大きいことが好ましい。導電膜58の膜厚は、例えば100〜300nm程度とすることが好ましい。ここでは、導電膜58の膜厚を、例えば200nm程度とする。
導電膜58上には、水素バリア膜120が形成されている。水素バリア膜120としては、例えばイリジウム膜が用いられている。水素バリア膜120は、キャパシタ誘電体膜54aが水素により還元されるのを防止するためのものである。
なお、ここでは、水素バリア膜120としてイリジウム膜を用いる場合を例に説明したが、水素バリア膜120はイリジウム膜に限定されるものではない。例えば、Pt膜、SrRuO3膜等を水素バリア膜120として用いてもよい。
導電膜56と導電膜58と水素バリア膜120とにより上部電極60aが形成されている。
こうして、下部電極48aとキャパシタ誘電体膜54aと上部電極60aとを有するキャパシタ62aが形成されている。
キャパシタ62aが形成された層間絶縁膜104上には、キャパシタ62aを覆うように保護膜122が形成されている。保護膜122の膜厚は、例えば20nm程度とする。保護膜122としては、例えば酸化アルミニウム膜が用いられている。かかる保護膜122は、水素によりキャパシタ誘電体膜54aが還元されるのを防止するためのものである。
保護膜122上には、保護膜124が更に形成されている。保護膜124の膜厚は、例えば38nm程度とする。保護膜124としては、保護膜122と同様に、例えば酸化アルミニウム膜が用いられている。かかる保護膜124は、保護膜122と相俟って、水素によりキャパシタ誘電体膜54aが還元されるのを防止するためのものである。
保護膜124上には、層間絶縁膜68が形成されている。層間絶縁膜68の膜厚は、例えば1500nmとする。層間絶縁膜68としては、例えばシリコン酸化膜が用いられている。層間絶縁膜68の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜68上には、保護膜70が形成されている。保護膜70の膜厚は、例えば膜厚20〜100nmとする。保護膜70の材料としては、保護膜122,124と同様に、例えば酸化アルミニウムが用いられている。かかる保護膜70は、保護膜122,124と同様に、水素によりキャパシタ誘電体膜54aが還元されるのを防止するためのものである。平坦化された層間絶縁膜68上に保護膜70を形成するため、保護膜70は平坦に形成されている。
保護膜70上には、層間絶縁膜72が形成されている。層間絶縁膜72の膜厚は、例えば800〜1000nm程度とする。層間絶縁膜72としては、例えばシリコン酸化膜が形成されている。層間絶縁膜72の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜124、保護膜122及び層間絶縁膜104には、導体プラグ36に達するコンタクトホール126aが形成されている。
層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜124及び保護膜122には、上部電極60aに達するコンタクトホール126bが形成されている。
コンタクトホール126a、126b内には、密着膜128が形成されている。密着膜128は、例えばTi膜とTiN膜との積層膜により形成されている。Ti膜の膜厚は、例えば30nmとする。TiN膜の膜厚は、例えば膜厚20nmとする。
密着膜128が形成されたコンタクトホール126a、126b内には、導体プラグ130a、130bが形成されている。導体プラグ130a、130bの材料としては、例えばタングステンが用いられている。
導体プラグ130a、130bが埋め込まれた層間絶縁膜72上には、配線90が形成されている。配線90は、例えば、TiN膜82と、AlCu合金膜84と、Ti膜86と、TiN膜88とを順次積層することにより形成されている。
配線90が形成された層間絶縁膜72上には、更に、層間絶縁膜(図示せず)、導体プラグ(図示せず)、配線(図示せず)等が複数層に亘って形成されている。
こうして、本実施形態による半導体装置が形成されている。
本実施形態のように、メモリセルの構造がスタック型であってもよい。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図19乃至図27を用いて説明する。図19乃至図27は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図19(a)に示すように、半導体基板10に、例えばSTI法により、素子領域を画定する素子分離領域12を形成する。半導体基板10としては、例えばN型又はP型のシリコン基板を用いる。
次に、イオン注入法により、ドーパント不純物を導入することにより、ウェル14を形成する。ドーパント不純物としては、例えばP型のドーパント不純物を用いる。P型のドーパント不純物としては、例えばボロンを用いる。ドーパント不純物としてP型のドーパント不純物を用いた場合には、P型のウェル14が形成される。
次に、例えば熱酸化法により、素子領域上にゲート絶縁膜16を形成する。ゲート絶縁膜16の膜厚は、例えば6〜7nm程度とする。
次に、例えばCVD法により、ポリシリコン膜18を形成する。ポリシリコン膜18の膜厚は、例えば200nm程度とする。ポリシリコン膜18は、ゲート電極(ワード線)となるものである。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ポリシリコン膜18をパターニングする。こうして、ポリシリコン膜によりゲート電極(ワード線)18が形成される。
次に、ゲート電極18をマスクとし、例えばイオン注入法により、ゲート電極18の両側の半導体基板10内にドーパント不純物を導入する。ドーパント不純物としては、例えばN型のドーパント不純物を用いる。N型のドーパント不純物としては、例えばリンを用いる。これにより、エクステンションソース/ドレインの浅い領域を構成するエクステンション領域(図示せず)が形成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、絶縁膜を形成する。絶縁膜としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。絶縁膜の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、絶縁膜を異方性エッチングする。こうして、ゲート電極18の側壁部分に、絶縁膜によりサイドウォール絶縁膜20が形成される。
次に、サイドウォール絶縁膜20が形成されたゲート電極18をマスクとし、例えばイオン注入法により、ゲート電極18の両側の半導体基板10内にドーパント不純物を導入する。ドーパント不純物としては、例えばN型のドーパント不純物を用いる。N型のドーパント不純物としては、例えば砒素を用いる。これにより、エクステンションソース/ドレインの深い領域を構成する不純物拡散層(図示せず)が形成される。エクステンション領域と深い不純物拡散層とによりソース/ドレイン拡散層22が形成される。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、高融点金属膜(図示せず)を形成する。高融点金属膜としては、例えばコバルト膜を形成する。
次に、熱処理を行うことにより、半導体基板10の表層部と高融点金属膜とを反応させるとともに、ゲート電極18の上部と高融点金属膜とを反応させる。
次に、例えばウエットエッチングにより、未反応の高融点金属膜をエッチング除去する。
こうして、ソース/ドレイン拡散層22上に、例えばコバルトシリサイドのソース/ドレイン電極24bが形成される。また、ゲート電極18の上部に、例えばコバルトシリサイドのシリサイド層24aが形成される。
こうして、ゲート電極18とソース/ドレイン拡散層22とを有するトランジスタ26が形成される。
次に、全面に、例えばプラズマCVD法により、絶縁膜(酸化防止膜)28を形成する。絶縁膜28としては、例えばシリコン窒化酸化膜を形成する。絶縁膜28の膜厚は、例えば200nmとする。
次に、全面に、例えばプラズマTEOSCVD法により、層間絶縁膜30を形成する。層間絶縁膜30としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。層間絶縁膜30の膜厚は、例えば1μmとする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜30の表面を平坦化する。こうして、半導体基板10の表面から層間絶縁膜30の表面までの高さは、例えば700nm程度となる(図19(b)参照)。
次に、図19(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、ソース/ドレイン電極24bに達するコンタクトホール32を形成する。コンタクトホール32の径は、例えば0.25μmとする。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、Ti膜を形成する。Ti膜の膜厚は、例えば30nm程度とする。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、TiN膜を形成する。TiN膜の膜厚は、例えば膜厚20nm程度とする。
こうして、Ti膜とTiN膜とにより密着膜34が形成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、導電膜36を形成する。導電膜36としては、例えばタングステン膜を形成する。導電膜36の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜30の表面が露出するまで導電膜36及び密着膜34を研磨する。こうして、コンタクトホール32内に、例えばタングステンの導体プラグ36が埋め込まれる(図20(a)参照)。
次に、図20(b)に示すように、全面に、例えばプラズマCVD法により、シリコン窒化酸化膜100を形成する。シリコン窒化酸化膜100の膜厚は、例えば130nmとする。
なお、ここではシリコン窒化酸化膜100を形成したが、シリコン窒化酸化膜100の代わりに、シリコン窒化膜や酸化アルミニウム膜等を形成してもよい。
次に、図20(c)に示すように、全面に、例えばプラズマTEOSCVD法により、シリコン酸化膜102を形成する。シリコン酸化膜102の膜厚は、例えば300nmとする。
シリコン窒化酸化膜100とシリコン酸化膜102とにより層間絶縁膜104が形成される。
次に、図21(a)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜104に導体プラグ36に達するコンタクトホール106を形成する。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、Ti膜を形成する。Ti膜の膜厚は、例えば30nm程度とする。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、TiN膜を形成する。TiN膜の膜厚は、例えば膜厚20nm程度とする。
こうして、Ti膜とTiN膜とにより密着膜108が形成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、導電膜110を形成する。導電膜110としては、例えばタングステン膜を形成する。導電膜110の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜104の表面が露出するまで導電膜110及び密着膜108を研磨する。導電膜110及び密着膜108を研磨する際には、例えば、層間絶縁膜104に対する研磨レートより導電膜110及び密着膜108に対する研磨レートが速くなるような研磨剤が用いられる。このような研磨剤としては、例えばキャボット・マイクロエレクトロニクス社製の研磨剤(製品名:SSW2000)を用いる。このような研磨剤を用いて導電膜110及び密着膜108を研磨すると、導電膜110及び密着膜108が過度に研磨され、図21(b)に示すように、導体プラグ110の上面の高さが層間絶縁膜104の上面の高さより低くなる場合がある。かかる場合には、導体プラグ110が埋め込まれた箇所に凹部112が形成されることとなる。かかる凹部112の深さは、例えば20〜50nm程度である。こうして、コンタクトホール106内に、例えばタングステンの導体プラグ110が埋め込まれる。
次に、例えばNH3ガスを用いて発生させたプラズマ雰囲気に層間絶縁膜104の表面を暴露することにより、層間絶縁膜104の表面を処理する(プラズマ処理)。本実施形態において、NH3ガスを用いて発生させたプラズマ雰囲気に層間絶縁膜104の表面を曝露するのは、層間絶縁膜104の表面の酸素原子をNH基に結合させることにより、後工程で層間絶縁膜104上にTi膜113を形成する際に、Ti原子が層間絶縁膜104の表面の酸素原子により捕捉されるのを防止するためである。
プラズマ処理の条件は以下の通りとする。プラズマ処理装置としては、平行平板型のプラズマ処理装置を用いる。対向電極の位置は、例えば半導体基板10から約9mm(350mils)離間した位置とする。プラズマ処理を行う際におけるチャンバ内の圧力は、例えば266Pa(2Torr)程度とする。基板温度は、例えば400℃とする。チャンバ内に導入するNH3ガスの流量は、例えば350sccmとする。半導体基板10に印加する高周波電力は、例えば13.56MHz、100Wとする。対向電極に印加する高周波電力は、例えば350kHz、55Wとする。高周波電力の印加時間は、例えば60秒とする。
次に、図21(c)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、Ti膜113を形成する。Ti膜113の膜厚は、例えば100〜300nm程度とする。ここでは、Ti膜113の膜厚を100nm程度とする。層間絶縁膜104の表面が上記のように処理されているため、層間絶縁膜104上に堆積されたTi原子は酸素原子により捕捉されることなく、層間絶縁膜104の表面を自在に移動することができる。このため、(002)の方向に自己配向された良質なTi膜113が層間絶縁膜104上に形成される。
Ti膜113を形成する際の条件は、例えば以下の通りとする。即ち、半導体基板10とターゲットとの間の距離は、例えば60mmとする。成膜室内の圧力は、0.15Paとする。成膜室以内の雰囲気は、例えばAr雰囲気とする。基板温度は、例えば20℃とする。供給するDCパワーは、例えば2.6kWとする。DCパワーを供給する時間は、例えば5秒間とする。
次に、例えばRTA法により、窒素雰囲気中にて熱処理を行う。熱処理温度は、例えば650℃とする。熱処理時間は、例えば60秒とする。この熱処理により、上述したTi膜113がTiN膜114となる(図22(a)参照)。こうして、(111)配向のTiN膜である下地膜114が得られる。
なお、ここでは、下地膜114としてTiN膜を用いる場合を例に説明したが、かかる下地膜114はTiN膜に限定されるものではない。例えば、タングステン膜、シリコン膜、銅膜等により下地膜114を形成してもよい。
次に、CMP法により、下地膜114の表面を研磨する。研磨剤としては、例えばキャボット・マイクロエレクトロニクス社製の研磨剤(製品名:SSW2000)を用いる。こうして、表面が平坦化された平坦化層114が形成される(図22(b)参照)。本実施形態において、下地膜114の表面を平坦化するのは、平坦化された下地膜114上には、配向性の良好な下部電極48a、キャパシタ誘電体膜54a及び上部電極60aを形成することが可能なためである。研磨後における下地膜114の膜厚は、例えば50〜100nm程度とする。ここでは、研磨後における下地膜114の膜厚を50nm程度とする。
次に、例えばNH3ガスを用いて発生させたプラズマ雰囲気に下地膜(平坦化層)114の表面を暴露することにより、下地膜114の表面を処理する(プラズマ処理)。
本実施形態において、下地膜114に対してプラズマ処理を行うのは、以下のような理由によるものである。即ち、下地膜114をCMP法により平坦化した段階では、下地膜114の表層部の結晶が研磨によって歪んだ状態となっている。表層部の結晶が歪んでいる下地膜114の上方には、結晶性の良好な下部電極48aを形成することはできず、ひいては、結晶性の良好なキャパシタ誘電体膜54aを形成することはできない。これに対し、下地膜114に対してプラズマ処理を行えば、下地膜114の表層部の結晶の歪が、上層の膜に影響を与えなくなる。そうすると、下地膜114上に、結晶性の良好な下部電極48a及びキャパシタ誘電体膜54aを形成することが可能となる。このような理由により、本実施形態では、下地膜114に対してプラズマ処理を行う。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、Ti膜を形成する。Ti膜の膜厚は、例えば20nm程度とする。プラズマ処理が行われた下地膜114上にTi膜を形成するため、良質なTi膜が形成される。
次に、例えばRTA法により、窒素雰囲気中にて熱処理を行う。熱処理温度は、例えば650℃とする。熱処理時間は、例えば60秒とする。この熱処理により、上述したTi膜がTiN膜となる。こうして、(111)配向のTiN膜により密着膜116が形成される(図22(c)参照)。かかる密着膜116は、後工程で形成される酸素バリア膜118の結晶性を向上させるとともに、かかる酸素バリア膜118と下地膜114との密着性を向上させるためのものである。
なお、ここでは、TiN膜より成る密着膜116を形成する場合を例に説明したが、かかる密着膜116はTiN膜に限定されるものではない。酸素バリア膜118の結晶性を向上させるとともに、かかる酸素バリア膜118と下地膜114との密着性を向上させ得る材料を、密着膜116の材料として適宜用いることができる。例えば、Ir膜、Pt膜等により密着膜116を形成してもよい。
次に、全面に、例えば反応性スパッタリング法により、酸素バリア膜(酸素拡散防止膜)118を形成する。酸素バリア膜118の膜厚は、例えば100nm程度とする。酸素バリア膜118としては、例えばTiAlN膜を形成する。かかる酸素バリア膜118は、層間絶縁膜104に導体プラグ110を埋め込んだ後に、導体プラグ110の上面が酸化されるのを防止するためのものである。
酸素バリア膜118を形成する際の条件は、例えば以下の通りとする。即ち、ターゲットとしては、TiAl合金により形成されたターゲットを用いる。チャンバ内の雰囲気は、Arガスと窒素ガスとの混合ガスより成る雰囲気とする。Arガスの流量は、例えば40sccmとする。窒素ガスの流量は、例えば10sccmとする。チャンバ内の圧力は、例えば253.3Paとする。基板温度は、例えば400℃とする。スパッタパワーは、例えば1kWとする。
なお、ここでは、酸素バリア膜118の材料としてTiAlNを用いる場合を例に説明したが、酸素バリア膜118の材料はTiAlNに限定されるものではない。酸素の拡散を防止し得る導電体を酸素バリア膜118の材料として適宜用いることができる。例えば、TiAlON、TaAlN又はTaAlON等を酸素バリア膜118の材料として用いてもよい。
次に、図23(a)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、貴金属膜(導電膜)44aを形成する。導電膜44aは、キャパシタ62aの下部電極48aの一部となるものである。導電膜44aとしては、例えばイリジウム膜を形成する。導電膜44aの膜厚は、例えば100nm程度とする。導電膜44を形成する際の成膜条件は、例えば以下の通りとする。基板温度は、例えば450℃とする。成膜室内に導入するガスとしては、例えばArガスを用いる。成膜室内の圧力は、例えば0.11Paとする。スパッタパワーは、例えば0.3kWとする。
次に、例えばRTA法により、アルゴン雰囲気中にて熱処理を行う。熱処理温度は、例えば650℃とする。熱処理時間は、例えば60秒とする。この熱処理は、貴金属膜44a中の結晶粒を成長させるとともに、貴金属膜44a中の結晶粒のサイズを均一化するためのものである。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、非晶質(アモルファス状態)の貴金属酸化物膜45aを形成する。貴金属酸化物膜45aに含まれる貴金属と導電膜44aに含まれる貴金属とは、同じ元素とすることが好ましい。貴金属酸化物膜45aは、後工程において還元され、貴金属膜46aとなるものである。貴金属酸化物膜45aが還元されることにより形成される貴金属膜46aは、キャパシタ62aの下部電極48aの一部となる。非晶質の貴金属酸化物膜45aとしては、例えば酸化イリジウム膜(IrOX膜)を形成する。
貴金属酸化物膜45aの膜厚は、25nm程度とする。
即ち、後工程において強誘電体膜50aをMOCVD法により形成する際には、貴金属酸化物膜45aが還元性の比較的強い雰囲気に曝されることとなる。このため、貴金属酸化物膜45aの膜厚を比較的薄く設定した場合には、強誘電体膜50aの成膜が完了する前に貴金属酸化物膜45aが還元されてしまうこととなる。この場合には、均一な結晶性を有する良質な強誘電体膜50aを得ることができない場合がある。貴金属酸化物膜45aの膜厚を25nm以上に設定すれば、貴金属酸化物膜45aが貴金属膜44a上にある程度存在している状態で強誘電体膜50aが形成される。このため、貴金属酸化物膜45aの膜厚を25nm以上に設定すれば、均一な結晶性を有する良質な強誘電体膜50aを形成することが可能となる。このような理由により、本実施形態では、貴金属酸化物膜45cの膜厚を25nm程度とする。
貴金属酸化物膜45cの成膜温度は、例えば60℃とする。貴金属酸化物膜45を形成する際に成膜室内に導入するガスは、例えばArガスとO2ガスとの混合ガスとする。Arガスの流量は、例えば186sccmとする。O2ガスの流量は、例えば14sccmとする。
次に、図23(b)に示すように、全面に、例えばMOCVD法により、強誘電体膜(第1の強誘電体膜)50aを形成する。強誘電体膜50aとしては、例えばLaが添加されたPZT膜であるPLZT膜を形成する。強誘電体膜50aの膜厚は、例えば30nm〜150nm程度とする。より好ましくは、強誘電体膜50aの膜厚を、例えば50nm〜120nm程度とする。ここでは、強誘電体膜50aの膜厚を、例えば90nmとする。
強誘電体膜50aにおけるLaの添加量は、0.1mol%〜4.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜50aにおけるLaの添加量を、例えば2.0mol%とする。
PLZTの強誘電体膜50aをMOCVD法により形成する際には、Pb、Zr、Ti、Laの各液体原料を気化することにより原料ガスを生成し、かかる原料ガスを用いてPZT膜を形成する。
Pb、Zr、Ti、Laの各液体原料は以下のようにして形成される。Pbの液体原料は、例えばPb(DPM)2を溶媒中に溶解することにより形成される。溶媒としては、例えばTHF(テトラヒドロフラン)が用いられる。Pbの液体原料におけるPb(DPM)2の濃度は、例えば0.3mol/l程度とする。Zrの液体原料は、例えばZr(dmhd)4を溶媒中に溶解することにより形成される。溶媒としては、例えばTHFが用いられる。Zrの液体原料におけるZr(dmhd)4の濃度は、例えば0.3mol/l程度とする。Tiの液体原料は、例えば[Ti(O−iOr)2(DPM)2]を溶媒中に溶解することにより形成される。溶媒としては、例えばTHFが用いられる。Tiの液体原料における[Ti(O−iOr)2(DPM)2]の濃度は、例えば0.3mol/l程度とする。Laの液体原料は、例えばLa(DPM)3を溶媒中に溶解することにより形成される。溶媒としては、例えばTHFが用いられる。Laの液体原料におけるLa(DPM)3の濃度は、例えば0.3mol/l程度とする。
PLZTの原料ガスは、Pbの液体原料、Zrの液体原料、Tiの液体原料及びLaの液体原料を、溶媒とともに気化器に導入し、かかる液体原料を気化器により気化させることにより生成される。溶媒としては、例えばTHFが用いられる。溶媒の供給量は、例えば0.474ml/分とする。Pbの液体原料の供給量は、例えば0.326ml/分とする。Zrの液体原料の供給量は、例えば0.200ml/分とする。Tiの液体原料の供給量は、例えば0.200ml/分とする。Laの液体原料の供給量は、例えば0.020ml/分とする。
強誘電体膜50aをMOCVD法により形成する際の条件は、以下の通りとする。即ち、成膜室内の圧力は、例えば665Pa(5Torr)とする。基板温度は、例えば620℃とする。成膜時間は、例えば620秒とする。
このような条件で形成すると、膜厚90nm程度のPLZT膜である強誘電体膜50aが形成される。
強誘電体膜50aをMOCVD法により形成する場合には、結晶化された強誘電体膜50aが成膜時に形成される。非晶質の貴金属酸化物膜45c上に強誘電体膜50aを形成するため、貴金属膜44aの結晶性が十分に均一でない場合であっても、均一な結晶性を有する強誘電体膜50aが得られる。また、強誘電体膜50aをMOCVD法により形成する際には、還元性の比較的強い雰囲気に非晶質の貴金属酸化物膜45aが曝されるため、非晶質の貴金属酸化物膜45aが還元され、貴金属膜46cとなる。また、強誘電体膜50aをMOCVD法により形成する際には、貴金属酸化物膜45a中から酸素が放出される。貴金属酸化物膜45aから放出される酸素は、強誘電体膜50aにおける酸素欠損を補償する。このため、結晶性の良好な強誘電体膜50aが得られる。貴金属酸化物膜45aを形成する段階で酸化イリジウム膜を形成した場合には、イリジウム膜である貴金属膜(導電膜)46aが形成される。
また、ここでは、強誘電体膜50aをMOCVD法により形成する場合を例に説明したが、強誘電体膜50aの成膜方法はMOCVD法に限定されるものではない。例えば、スパッタリング法により強誘電体膜50aを形成してもよい。
スパッタリング法により強誘電体膜50aを形成する場合には、図3(c)乃至図4(b)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、下部電極及び強誘電体膜を形成すればよい。
次に、図23(c)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、強誘電体膜(第2の強誘電体膜)52を形成する。より具体的には、高周波スパッタリング法により、強誘電体膜52を形成する。強誘電体膜52は、キャパシタ62のキャパシタ誘電体膜54の一部となるものである。強誘電体膜52の材料は、LaとCaとSrとが添加されたチタン酸ジルコン酸鉛、即ち、LaとCaとSrとが添加されたPZT膜を用いる。LaとCaとSrとが添加されたPZT膜は、CSPLZT膜と称される。強誘電体膜52の膜厚は、例えば5〜20nm程度とする。ここでは、強誘電体膜52の膜厚を、例えば15nm程度とする。
強誘電体膜52に添加するLaの添加量は、0.1mol%〜4.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜52に添加するLaの添加量を、例えば2.0mol%とする。
また、強誘電体膜52に添加するSrの添加量は、0.1mol%〜3.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜52に添加するSrの添加量を、例えば2.0mol%とする。
また、強誘電体膜52に添加するCaの添加量は、0.1mol%〜6.0mol%とする。ここでは、強誘電体膜52に添加するCaの添加量を、例えば5.0mol%とする。
強誘電体膜52に添加する不純物(La、Sr、Ca)の総添加量は、10.0%以下とする。
こうして、強誘電体膜50aと強誘電体膜52とによりキャパシタ誘電体膜54aが形成される。
次に、図24(a)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、成膜した時点で結晶化されている導電膜56を形成する。導電膜56は、キャパシタ62aの上部電極60aの一部となるものである。導電膜56としては、酸化イリジウム膜(IrOX膜)を形成する。後工程における熱処理において、導電膜56を介して強誘電体膜52に十分に酸素が供給されるよう、導電膜56の膜厚は比較的薄く設定することが好ましい。導電膜56の膜厚は、例えば25nm程度とする。
導電膜56の成膜条件は、例えば以下の通りとする。基板温度は、例えば300℃程度とする。成膜室内に導入するガスは、例えばArガスとO2ガスとする。Arガスの流量は例えば140sccm程度とする。O2ガスの流量は、例えば60sccm程度とする。スパッタパワーは、例えば1kW程度とする。
次に、例えばRTA法により、酸素を含む雰囲気中で熱処理を行う。これにより、強誘電体膜50a、52の結晶性が向上する。また、導電膜56を介してキャパシタ誘電体膜54aに酸素が供給され、キャパシタ誘電体膜54aにおける酸素欠損が補償される。また、この熱処理は、導電膜56に生じたプラズマダメージを回復するためのものである。また、この熱処理は、導電膜56と強誘電体膜52との密着性を向上させるためのものである。この熱処理により、上部電極60aの剥がれ等が抑制され、ひいては歩留まりの向上を実現させることができる。
熱処理条件は、例えば以下の通りとする。基板温度は、例えば720℃程度とする。熱処理時間は、例えば60秒とする。チャンバ内の雰囲気は、例えばArガスとO2ガスとの混合ガスの雰囲気とする。Arガスの流量は、例えば2000sccmとする。O2ガスの流量は、例えば20sccmとする。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、導電膜58を形成する。導電膜58は、キャパシタ62aの上部電極60aの一部となるものである。導電膜58としては、例えば酸化イリジウム(IrOY)膜(0<Y≦2)を形成する。導電膜58として形成される酸化イリジウム膜(IrOY膜)における酸素の組成比Yは、導電膜56として形成される酸化イリジウム膜(IrOX膜)における酸素の組成比Xより大きいことが好ましい。導電膜58の膜厚は、例えば100nm〜300nm程度とする。ここでは、導電膜58の膜厚を200nm程度とする。
導電膜58は、導電膜56と相俟って、十分な厚さの上部電極60aを形成するためのものである。これにより、十分な厚さの上部電極60aが形成されるため、エッチング等の際にキャパシタ誘電体膜54aに大きなダメージが加わるのを防止することが可能となる。
導電膜58として用いる酸化イリジウム膜の組成は、化学量論的組成であるIrO2とすることが好ましい。化学量論的組成の酸化イリジウム膜は、水素に対して触媒作用を奏することがなく、キャパシタ誘電体膜54aが水素により還元されるのを防止し得るためである。
次に、例えばスパッタリング法により、水素バリア膜120を形成する。水素バリア膜120は、上部電極60aの一部となるものである。水素バリア膜120の膜厚は、例えば50nm程度とする。水素バリア膜120としては、例えばイリジウム膜を形成する。水素バリア膜120は、キャパシタ誘電体膜54aが水素により還元されるのを防止するためのものである。水素バリア膜120の成膜条件は、例えば以下の通りとする。成膜室内に導入するガスは、例えばArガスとする。成膜室内の圧力は、例えば1Pa程度とする。スパッタパターは、例えば1.0W程度とする。
なお、ここでは、水素バリア膜120としてイリジウム膜を用いる場合を例に説明したが、水素バリア膜120はイリジウム膜に限定されるものではない。例えば、Pt膜、SrRuO3膜等を水素バリア膜120として用いてもよい。
次に、半導体基板10の下面(裏面)を洗浄する(背面洗浄)。
次に、図24(b)に示すように、全面に、スパッタリング法により、保護膜138を形成する。保護膜138は、ハードマスクの一部として機能するものである。保護膜138としては、例えばTiN膜を形成する。
ここでは、保護膜138としてTiN膜を形成する場合を例に説明したが、保護膜138はTiN膜に限定されるものではない。保護膜138として、例えば、TiAlN膜、TaAlN膜、TaN膜等を用いてもよい。また、これらの積層膜により保護膜138を形成してもよい。
次に、全面に、例えばプラズマTEOSCVD法により、保護膜140を形成する。保護膜140は、保護膜138と相俟ってハードマスクとして機能するものである。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜をキャパシタ62aの平面形状にパターニングする。
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、保護膜140をエッチングする。
次に、エッチングされた保護膜140をマスクとして、保護膜138をエッチングする。
こうして、エッチングされた保護膜138,140によりハードマスクが形成される(図示せず)。
次に、ハードマスクをマスクとして、例えばプラズマエッチングにより、水素バリア膜120、導電膜58、導電膜56、強誘電体膜52、強誘電体膜50a、導電膜46c、導電膜44aをエッチングする。エッチングガスとしては、例えばHBrガスとO2ガスとArガスとC4F8ガスとの混合ガスを用いる。
こうして、導電膜44aと導電膜46cとにより下部電極48aが形成される。また、強誘電体膜50aと強誘電体膜52とによりキャパシタ誘電体膜54aが形成される。また、導電膜56と導電膜58と水素バリア膜120とにより上部電極60aが形成される。下部電極48aと強誘電体膜54aと上部電極60aとによりキャパシタ62aが形成される。
次に、例えばドライエッチング又はウエットエッチングにより、保護膜140を除去する(図25(a)参照)。
次に、例えばドライエッチングにより、酸化防止膜118、密着膜116及び下地膜114をエッチングする。この際、保護膜138もエッチング除去される(図25(b)参照)。エッチングを行う際には、例えばダウンフロー型のプラズマエッチング装置を用いる。チャンバ内に導入するガスは、例えばCF4ガスとO2ガスとの混合ガスとする。CF4ガスの流量比は例えば5%程度とする。O2ガスの流量比は、例えば95%とする。チャンバ内の上部電極に印加する高周波電力は、例えば2.45GHz、1400Wとする。基板温度は、例えば200℃とする。
次に、図26(a)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法により、保護膜122を形成する。保護膜122は、水素や水分等によりキャパシタ誘電体膜54aが還元されるのを防止するためのものである。保護膜122としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。保護膜122の膜厚は、例えば20nm程度とする。
なお、ここでは、スパッタリング法により保護膜122を形成する場合を例に説明したが、保護膜122の成膜方法はスパッタリング法に限定されるものではない。例えば、MOCVD法により保護膜122を形成してもよい。この場合、保護膜122の膜厚は例えば2〜5nm程度とする。
次に、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。この熱処理は、キャパシタ誘電体膜54aに酸素を供給し、キャパシタ62aの電気的特性を向上するためのものである。熱処理条件は、例えば500〜700℃とする。キャパシタ誘電体膜54aがPZT膜の場合には、基板温度を例えば600℃とし、熱処理時間を例えば60分とする。
次に、全面に、例えばCVD法により、保護膜124を形成する。保護膜124は、水素や水分等によりキャパシタ誘電体膜54aが還元されるのを防止するためのものである。保護膜124の膜厚は、例えば38nm程度とする。保護膜124としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。
なお、保護膜124の剥離を防止すべく、保護膜124を形成する前に熱処理を行ってもよい。熱処理条件は、例えば以下の通りとする。基板温度は、例えば350℃程度とする。熱処理時間は、例えば1時間程度とする。
また、ここでは、保護膜124として酸化アルミニウム膜を形成する場合を例に説明したが、保護膜124は酸化アルミニウム膜に限定されるものではない。保護膜124として、例えば、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ジルコニウム酸化膜、アルミニウム窒化膜、タンタル窒化膜又はアルミニウム酸窒化膜等を形成してもよい。
次に、図26(b)に示すように、例えばプラズマTEOSCVD法により、層間絶縁膜68を形成する。層間絶縁膜68としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。層間絶縁膜68の膜厚は、例えば1.5μm程度とする。原料ガスとしては、例えばTEOSガスと酸素ガスとヘリウムガスとの混合ガスを用いる。
なお、ここでは、層間絶縁膜68としてシリコン酸化膜を形成する場合を例に説明したが、層間絶縁膜68はシリコン酸化膜に限定されるものではない。例えば、絶縁性を有する無機膜等を適宜用いることが可能である。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜68の表面を平坦化する。
次に、例えばN2Oガス又はN2ガスを用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。この熱処理は、層間絶縁膜68中の水分を除去するとともに、層間絶縁膜68の膜質を変化させ、層間絶縁膜68中に水分を入りにくくさせるためのものである。熱処理温度は、例えば350℃とする。熱処理時間は、例えば2分間とする。この熱処理の際に層間絶縁膜68の表面が窒化され、層間絶縁膜68の表面にはシリコン窒化酸化膜(図示せず)が形成される。
次に、図26(b)に示すように、例えばスパッタリング法又はCVD法により、保護膜70を形成する。保護膜70としては、例えば酸化アルミニウム膜を形成する。保護膜70の膜厚は、例えば20〜100nm程度とする。保護膜70は、水素や水分等によりキャパシタ誘電体膜54aが還元されるのを防止するためのものである。表面が平坦な層間絶縁膜68上に保護膜70が形成されるため、保護膜70は平坦となる。
次に、例えばプラズマTEOSCVD法により、層間絶縁膜72を形成する。層間絶縁膜72としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。層間絶縁膜72の膜厚は、例えば800nm〜1μm程度とする。
なお、ここでは、層間絶縁膜72としてシリコン酸化膜を形成する場合を例に説明したが、層間絶縁膜72はシリコン酸化膜に限定されるものではない。例えば、シリコン窒化酸化膜又はシリコン窒化膜を層間絶縁膜72として用いてもよい。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜72の表面を平坦化する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜124、保護膜122及び層間絶縁膜104をエッチングすることにより、導体プラグ36に達するコンタクトホール126aを形成する。また、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜72、保護膜70、層間絶縁膜68、保護膜124及び保護膜122をエッチングすることにより、上部電極60aに達するコンタクトホール126aを形成する。
次に、酸素雰囲気中にて熱処理を行う。この熱処理は、キャパシタ誘電体膜54aに酸素を供給し、キャパシタ誘電体膜54aにおける酸素欠損を補償し、キャパシタ62aの電気的特性を回復するためのものである。熱処理を行う際の基板温度は、例えば450℃とする。
次に、不活性ガス雰囲気中又は真空中にて熱処理を行う。この熱処理は、層間絶縁膜72,68,104中からガスを放出するためのものである(脱ガス)。
次に、高周波エッチングにより、コンタクトホール126a、126bの内壁面に対して表面処理を行う。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、密着膜128を形成する。密着膜128としては、例えばTiN膜を形成する。密着膜128の膜厚は、例えば125nm程度とする。密着膜128としてTiN膜を形成する場合には、ターゲットの材料としてTiを用いる。成膜室内の雰囲気は、ArガスとN2ガスとの混合雰囲気とする。Arガスの流量は50sccmとする。N2ガスの流量は例えば90sccmとする。成膜温度は、例えば200℃とする。
次に、全面に、例えばCVD法により、導電膜を形成する。導電膜としては、例えばタングステン膜を形成する。導電膜の膜厚は、例えば300nm程度とする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜72の表面が露出するまで、導電膜及び密着膜78を研磨する。こうして、導電膜により導体プラグ130a、130bが形成される(図27(a)参照)。
次に、プラズマ洗浄を行う。プラズマ洗浄を行う際に用いるガスは、例えばArガスとする。これにより、導体プラグ130a、130bの表面に存在する自然酸化膜等が除去される。
次に、例えばスパッタリング法により、例えばTiN膜82と、AlCu合金膜84と、Ti膜86と、TiN膜88とを順次積層することにより、積層膜を形成する。TiN膜82の膜厚は、例えば50nmとする。AlCu合金膜84の膜厚は、例えば膜厚550nmとする。Ti膜86の膜厚は、例えば5nmとする。TiN膜88の膜厚は、例えば膜厚50nmとする。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、積層膜をエッチングする。こうして、積層膜により配線90が形成される(図27(b)参照)。
この後、更に、層間絶縁膜(図示せず)、導体プラグ(図示せず)、配線(図示せず)等を複数層に亘って形成する。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
本実施形態のように、スタック型のメモリセルを形成するようにしてもよい。
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、強誘電体膜50、50aとしてLaが添加されたPZT膜を形成する場合を例に説明したが、強誘電体膜50、50aはLaが添加されたPZT膜に限定されるものではない。例えば、ペロブスカイト構造を有する他の強誘電体材料にLaを添加したものを、強誘電体膜50、50aの材料として用いてもよい。また、強誘電体膜50、50aとして、Laが添加されたビスマス層状構造の強誘電体膜を用いてもよい。Laが添加されたビスマス層状構造の強誘電体膜50、50aとしては、Laが添加された(Bi1−XRX)Ti3O12膜(Rは希土類元素、0<X<1)、Laが添加されたSrBi2Ta2O9膜(SBT膜)、Laが添加されたSrBi4Ti4O15膜等を用いることができる。また、Laが添加されたビスマス層状構造の強誘電体膜50、50aとして、Laが添加されたBiFeO3膜、Laが添加されたBiTiO3膜等を用いることもできる。なお、Laが添加されたSrBi4Ti4O15膜やLaが添加されたBiTiO3膜の結晶化温度は、PLZT膜の結晶化温度より高い。このため、強誘電体膜50、50aとして、Laが添加されたSrBi4Ti4O15膜や、Laが添加されたBiTiO3膜等を用いる場合には、熱処理温度を例えば600℃〜650℃程度とすることが好ましい。
また、上記実施形態では、強誘電体膜52としてLa、Sr及びCaが添加されたPZT膜を形成する場合を例に説明したが、強誘電体膜52はLa、Sr及びCaが添加されたPZT膜に限定されるものではない。例えば、ペロブスカイト構造を有する他の強誘電体材料にLa、Sr及びCaを添加したものを、強誘電体膜52の材料として用いてもよい。また、例えば、ビスマス層状構造の強誘電体膜を用いてもよい。かかる強誘電体膜52としては、例えば、La、Sr及びCaが添加された(Bi1−XRX)Ti3O12膜(Rは希土類元素、0<X<1)、La、Sr及びCaが添加されたSrBi2Ta2O9膜(SBT膜)等を用いることができる。また、強誘電体膜52として、La、Sr及びCaが添加されたSrBi4Ti4O15膜、La、Sr及びCaが添加されたBiFeO3膜、La、Sr及びCaが添加されたBiTiO3膜等を用いることもできる。
また、上記実施形態では、密着膜78、128としてTiN膜を用いる場合を例に説明したが、密着膜78、128はTiN膜に限定されるものではない。例えば、密着膜78、128として、TaN膜、CrN膜、HfN膜、ZrN膜、TiAlN膜、TaAlN膜、TiSiN膜、TaSiN膜、CrAlN膜、HfAlN膜、ZrAlN膜、TiON膜、TaON膜、CrON膜、HfON膜等を用いてもよい。また、密着膜78、128として、ZrON膜、TiAlON膜、TaAlON膜、CrAlON膜、HfAlON膜、ZrAlON膜、TiSiON膜、TaSiON膜、Ir膜、Ru膜、IrOX膜、RuOX膜等を用いてもよい。また、Ti膜とTiN膜とを順次積層することにより形成された積層膜を、密着膜78、128として用いてもよい。また、Ti膜とTaN膜とを順次積層することにより形成された積層膜を、密着膜78、128として用いてもよい。また、Ta膜とTiN膜とを順次積層することにより形成された積層膜を、密着膜78、128として用いてもよい。また、Ta膜とTaN膜とを順次積層することにより形成された積層膜を、密着膜78、128として用いてもよい。
また、上記実施形態では、導電膜56として酸化イリジウム膜を用いる場合を例に説明したが、導電膜56は酸化イリジウム膜に限定されるものではない。例えば、Ru、Rh、Re、Os又はPdの酸化物である導電性酸化物膜を、導電膜56の材料として用いてもよい。また、SrRuO3等の導電性酸化物膜を導電膜56の材料として用いてもよい。また、これらの積層膜を、導電膜56として用いてもよい。また、これら導電性酸化物膜と貴金属膜との積層膜を、導電膜56として用いてもよい。
また、上記実施形態では、導電膜58として酸化イリジウム膜を用いる場合を例に説明したが、導電膜58は酸化イリジウム膜に限定されるものではない。例えば、Ru、Rh、Re、Os又はPdの酸化物である導電性酸化物膜を、導電膜58の材料として用いてもよい。また、SrRuO3等の導電性酸化物膜を導電膜58の材料として用いてもよい。また、これらの積層膜を、導電膜58として用いてもよい。また、これら導電性酸化物膜と貴金属膜との積層膜を、導電膜58として用いてもよい。
また、上記実施形態では、導体プラグ80a〜80cの材料としてタングステンを用いる場合を例に説明したが、導体プラグ80a〜80cの材料はタングステンに限定されるものではない。例えば、導体プラグ80a〜80cの材料として、銅(Cu)等を用いてもよい。また、タングステン膜と銅膜との積層膜により導体プラグ80a〜80cを形成してもよい。また、タングステン膜とポリシリコン膜との積層膜により導体プラグ80a〜80cを形成してもよい。
上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
半導体基板の上方に形成された下部電極と;前記下部電極上に直接形成され、Laが添加されたチタン酸ジルコン酸鉛の第1の強誘電体膜と、前記第1の強誘電体膜上に直接形成され、前記第1の強誘電体膜より膜厚が薄く、LaとCaとSrとが添加されたチタン酸ジルコン酸鉛の第2の強誘電体膜とを有するキャパシタ誘電体膜と;前記キャパシタ誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタ
を有することを特徴とする半導体装置。
(付記2)
付記1記載の半導体装置において、
前記第1の強誘電体膜におけるLaの含有量は、0.1mol%〜4.0mol%である
ことを特徴とする半導体装置。
(付記3)
付記1又は2記載の半導体装置において、
前記第2の強誘電体膜におけるLaの含有量は、0.1mol%〜4.0mol%であり、
前記第2の強誘電体膜におけるCaの含有量は、0.1mol%〜6.0mol%であり、
前記第2の強誘電体膜におけるSrの含有量は、0.1mol%〜3.0mol%である
ことを特徴とする半導体装置。
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第1の強誘電体膜の膜厚は、30nm〜150nmであり、
前記第2の強誘電体膜の膜厚は、5nm〜20nmである
ことを特徴とする半導体装置。
(付記5)
半導体基板の上方に下部電極を形成する工程と、
Laが添加されたチタン酸ジルコン酸鉛の第1の強誘電体膜を、前記下部電極上に直接形成する工程と、
前記第1の強誘電体膜より膜厚が薄く、LaとCaとSrとが添加されたチタン酸ジルコン酸鉛の第2の強誘電体膜を、前記第1の強誘電体膜上に直接形成する工程と、
前記第2の強誘電体膜上に上部電極を形成する工程と、
前記上部電極、前記第2の強誘電体膜、前記第1の強誘電体膜及び前記下部電極をパターニングし、前記下部電極と、前記第1の強誘電体膜と前記第2の強誘電体膜とを有するキャパシタ誘電体膜と、前記上部電極とを有するキャパシタを形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。(5、図2〜図10)
(付記6)
付記5記載の半導体装置の製造方法において、
前記上部電極を形成する工程は、成膜の時点で結晶化している第1の導電性酸化物膜を前記キャパシタ誘電体膜上に直接形成する工程を有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記7)
付記6記載の半導体装置の製造方法において、
前記上部電極を形成する工程は、酸素の組成比が前記第1の導電性酸化物膜より高い非晶質の第2の導電性酸化物膜を前記第1の導電性酸化物膜上に形成する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記8)
付記6又は7記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の導電性酸化物膜は、酸化イリジウム膜であり、
前記第2の導電性酸化物膜は、他の酸化イリジウム膜である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記9)
付記6乃至8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の強誘電体膜を形成する工程では、スパッタリング法により前記第1の強誘電体膜を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記10)
付記6乃至9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の強誘電体膜を形成する工程では、スパッタリング法により前記第2の強誘電体膜を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記11)
付記6乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の強誘電体膜におけるLaの含有量は、0.1mol%〜4.0mol%である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記12)
付記6乃至11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の強誘電体膜におけるLaの含有量は、0.1mol%〜4.0mol%であり、
前記第2の強誘電体膜におけるCaの含有量は、0.1mol%〜6.0mol%であり、
前記第2の強誘電体膜におけるSrの含有量は、0.1mol%〜3.0mol%である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記13)
付記6乃至12のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の強誘電体膜の膜厚は、30nm〜150nmであり、
前記第2の強誘電体膜の膜厚は、5nm〜20nmである
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。