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JP2010500998A - Atp利用酵素阻害活性を示す2−アミド−4−イソオキサゾリルチアゾール化合物および組成物、ならびにその使用 - Google Patents

Atp利用酵素阻害活性を示す2−アミド−4−イソオキサゾリルチアゾール化合物および組成物、ならびにその使用 Download PDF

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JP2010500998A JP2009524744A JP2009524744A JP2010500998A JP 2010500998 A JP2010500998 A JP 2010500998A JP 2009524744 A JP2009524744 A JP 2009524744A JP 2009524744 A JP2009524744 A JP 2009524744A JP 2010500998 A JP2010500998 A JP 2010500998A
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Abstract

プロテインキナーゼなどのATP利用酵素は、ヒト疾患の処置に適した薬理学的標的として広く注目されている。したがって、ATP利用酵素の機能を選択的に阻害する化合物の同定および開発は、大きな注目を集めている。本発明は、全般的には抗癌活性を持つ化合物に関し、より詳細にはAKTおよびPIMなどのプロテインキナーゼ活性を阻害する化合物に関する。ATP利用酵素阻害活性を示す2−アミド−4−イソオキサゾリルチアゾール化合物と、ATP利用酵素阻害活性を示す化合物の使用方法と、ATP利用酵素阻害活性を示す化合物を含む組成物とが開示される。

Description

この非仮特許出願は、2006年8月16日に出願された米国仮特許出願第60/838,243号の優先権の利益を主張し、米国仮特許出願第60/838,243号はその全体が参考として援用される。
(技術分野)
本発明は、全般的には抗癌活性を持つ化合物に関し、より詳細にはAKTおよびPIMなどのプロテインキナーゼ活性を阻害する化合物に関する。さらに、本発明は、インビトロ、インサイツおよびインビボでの哺乳動物細胞もしくはそれに関連する病態の診断用または処置用の化合物の使用方法にも関する
(発明の背景)
ATP利用酵素は、リン酸基がアデノシン三リン酸(ATP:adenosine triphosphate)分子からタンパク質または炭水化物などの生体分子(biomolecule)へ移行するのを触媒する。ATP利用酵素の例として、シンテターゼ、リガーゼおよびキナーゼが挙げられるが、これに限定されるものではない。
プロテインキナーゼは、シグナル伝達、代謝、転写、細胞周期の進行、細胞骨格の再編成および細胞運動、アポトーシスおよび分化など様々な細胞プロセスの制御に関わっており、機能的および構造的に関連する酵素の大きなファミリーを形成している。一般に、プロテインキナーゼは、サイクリックAMP(cAMP:cyclic adenosine monophosphate)、アデノシン二リン酸(ADP:adenosine diphosphate)およびATPなど、リン酸含有分子の負に帯電したリン酸基を他のタンパク質に付加することを触媒することでタンパク質活性を制御する。一方、タンパク質はリン酸化されると、標的タンパク質の機能を調整または調節することができる。タンパク質のリン酸化は、発生の過程において、生理反応およびホメオスタシスにおいて、さらには神経系および免疫系の機能において細胞間情報伝達に関与していることが知られている。
タンパク質の無秩序なリン酸化は、アルツハイマー病、脳卒中、糖尿病、肥満症、炎症、癌および関節リウマチなど主要な疾患の原因であるか、その病因と関係があることが知られている。プロテインキナーゼ活性の調節異常およびプロテインキナーゼの過剰発現は、ヒトの多くの重大な障害の病態生理に関係していると考えられてきた。さらに、プロテインキナーゼの遺伝的突然変異も、多くの障害に関係していることが知られており、細胞内タンパク質のリン酸化を変化させることで影響を及ぼしているトキシンおよび病原体も多い。
故に、プロテインキナーゼなどのATP利用酵素は、ヒト疾患の処置に適した薬理学的標的として広く注目されている。したがって、ATP利用酵素の機能を選択的に阻害する化合物の同定および開発は、大きな注目を集めている。
AKT/プロテインキナーゼB(PKB:AKT/protein kinase B)は、細胞生存およびアポトーシス、すなわちプログラムされた細胞死を調節するホスファチジルイノシトール3’−OHキナーゼ(PI3K)/AKT経路における中心的なキナーゼである(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。PI3K/AKT経路は、血小板由来増殖因子およびインスリン様成長因子−1といった増殖因子など、多数の因子により活性化されるが、この経路が活性化されると、PI3Kの活性が誘導され、その産物ホスファチジルイノシトール(3,4,5)−三リン酸(PIP3)のレベルが上昇した後、AKTはそのプレクストリン相同(PH:plekstrin homology)ドメインを介してPIP3に富んだ膜にリクルートされる(Hemmings Science,277:534(1997)。その後、AKTは、リン酸化により活性化されるが、その調節部位は、Thr308とSer473の2つである。腫瘍抑制因子であるPTEN(phosphatase and tensin homolog deleted on chromosome ten)はタンパク質脂質ホスファターゼで、PIP3の3’リン酸を脱リン酸化してPI3K/AKT経路を負に調節する。AKTには、AKT1(PKBα)、AKT2(PKBβ)およびAKT3(PKBγ)という3種のアイソフォームが存在する。
多くの証拠から、PI3K/AKT経路とヒト疾患、特に癌との関連性が指摘されている(Vivanco and Sawyers,Nature Rev.Cancer 2:489−501(2002);Luo et al.,Cancer Cell 4:257−262(2003);Vivanco and Sawyer,2002 Nature Rev.Drug Disc.2,489−501;Bellacosa et al.,Cane.Biol.Therapy,3,268−275(2004))。AKTは、多くのヒト腫瘍で差次的に過剰発現し(Sun et al.,Am.J.Pathol.159:431−437(2001);Yuan et al.,Oncogene 19:2324−2330(2000);Nakatani et al.,J.Biol.Chem.274:21528−21532(1999))、AKT1およびAKT2は、いくつかの種類の癌で増殖することが明らかにされている(Staal,Proc.Natl.Acad.Sci USA 84:5034−5037(1987);Nicholsen and Anderson,Cell.Signaling 14,381−395(2002))。さらに、ヒト癌でのAKTの活性化は、腫瘍抑制因子PTENの突然変異など他の手段でも生じることが証明されている(Di Cristofano and Pandolfi,Cell 100:387−390(2000);Sun et al.,Proc.Natl.Acad.Sci USA 96:6199−6204(1999))。PTENが欠損すると、AKTが過剰活性化し、BADタンパク質、FOXOタンパク質およびGSK3など、AKTの下流の基質がリン酸化される。AKT1の欠失は、PTENのないマウス胚性幹細胞の悪性の成長表現型を消失させることが明らかになっている(Stiles et al.,Mol.Cell.Biol.22:3842−3851(2002)PTEN遺伝子の機能喪失突然変異は散発性グリオブラストーマ、メラノーマ、前立腺癌および子宮内膜癌において非常によく見られ、乳腺腫瘍、肺癌およびリンパ腫の大部分でPTEN突然変異が認められる(Cantley and Neel,(1999)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96:4240−4245;Luo et al.(2003)Cancer Cell,4:257−262)。クラス1AのPI3Kの触媒サブユニットp110αをコードするPIK3CAが突然変異すると、PI3Kに突然変異が起こる(Samuels et al.,Cancer Cell 7:561−573(2005))。PIK3CAは、最も高度に変異したオンコジーンの1つのようで、結腸直腸腫瘍、胃(gastric)腫瘍、乳腺腫瘍およびある種の脳腫瘍では体細胞突然変異が見られる(Samuels et al.,Cancer Cell 7,561−573(2005)およびその中の参考文献)。以上のデータを総合すると、AKTが腫瘍生物学において重要な役割を担っており、3種のAKTアイソフォームが異なる機能を果たしていることが示され、したがって、1種または複数種のAKTアイソザイムの選択的阻害は、癌療法のアプローチとして成果を収める可能性がある。
PI3K/AKT経路を遮断すれば、腫瘍細胞の増殖を阻害し、腫瘍細胞のアポトーシス感受性を高めることができる。癌処置の成功を妨げる主な要因は、従来の化学療法に対して多くの種類の癌で抵抗性があることであり、化学療法に対する抵抗性を克服するための戦略として、阻害を目的にPI3K/AKT経路を標的とすることが研究されている(非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7)。したがって、従来の標的療法および細胞障害性増殖抑制療法および標的抗血管新生療法は、AKT阻害剤のアポトーシス誘導機序を補完するものと考えられる。
以下に限定されるものではないが、グリオブラストーマ、卵巣癌(carcinoma)、乳房癌(carcinoma)、子宮内膜癌(carcinoma)、肝細胞癌、メラノーマ、消化管癌、肺癌(carcinoma)、腎細胞癌、甲状腺癌、リンパ系癌、前立腺癌および膵臓癌など、多くの癌は、PI3K/AKT経路の活性化と関係がある(Vivanco and Sawyer,Nature Rev.Drug Disc,2,489−501(2002);Graff,Expert Opin.Ther.Targets,6,103−113(2002);Bondar et al.,Mol.Cane.Therapies 1,989−997(2002))。
また、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)/AKT経路の異常な活性化は、糖尿病および自己免疫などの疾患の発症にも関係している。
さらに、PI3K/AKT経路は、正常組織の成長および生存においても機能し、生理状態において調節されて細胞および組織機能をコントロールしている可能性がある。したがって、正常な細胞および組織の好ましからぬ増殖および生存が起こると、長期的な増加(expansion)を伴う免疫細胞の障害、および免疫反応の長期化またはアップレギュレーションをもたらす細胞集団の生存など、多くの障害を引き起こされる可能性がある。たとえば、同族の抗原またはIl−2などの増殖因子に対するTおよびBリンパ球の反応は、PI3K/AKT経路を活性化し、免疫反応において抗原特異的リンパ球クローンの生存の維持に関与している。リンパ球および他の免疫細胞が異常な自己抗原または外来抗原に反応している条件下、あるいは、その他の異常により活性化が長期化した条件下では、PI3K/AKT経路は、活性化した細胞集団のアポトーシスを介して免疫反応を停止させる正常なメカニズムを妨げる重要な生存シグナルに関係している。多発性硬化症および関節炎などの自己免疫性の症候では、自己抗原に反応するリンパ球集団の増加(expansion)を示す非常に多くの証拠がある。外来抗原に対して異常反応するリンパ球集団の増加(expansion)は、アレルギー反応および喘息など、他の一連の症候の特徴である。
PI3K/AKT経路が関わっている正常細胞の異常な増加(expansion)、成長、増殖、過形成および生存の他の例として、アテローム性動脈硬化症、心筋症および糸球体腎炎があるが、これに限定されるものではない。
PI3K/AKT経路は、細胞の成長および生存における役割だけでなく、インスリンによるグルコース代謝の制御においても機能している。そのため、PI3K/AKT活性のモジュレーターについては、糖尿病、代謝疾患および肥満症などのグルコース代謝機能およびエネルギー貯蔵機能に障害がある疾患においても有用性が期待できるかもしれない。
AKTは、ウイルスオンコジーンとして最初に同定された(Bellacosa et al.1991 Science 254:274−277)。多数の研究から、多くのウイルスの生活環におけるPI3K/AKT経路の役割が明らかにされている。ウイルスタンパク質の中には、PI3K/AKT経路を活性化することが分かっているものもあるため、ウイルス複製に都合がよい環境が整っている。こうしたタンパク質として、HIVのTatタンパク質(Borgatti et al.1997,Eur.J.Immunol.27:2805−2811)、B型肝炎ウイルスのプロテインX(Lee et al.2001 J.Biol.Chem.276:16969−16977)、C型肝炎ウイルスのNS5A(He et al.2002 J.Virol.76:9207−9217)、ヒトサイトメガロウイルス(Johnson et al.2001 J.Virol.75:6022−6032)およびエプスタイン・バーウイルス(Moody et al.2005 J.Virol.79:5499−5506)が挙げられる。
故に、プロテインキナーゼなどのATP利用酵素は、ヒト疾患の処置に適した薬理学的標的として広く注目されている。したがって、ATP利用酵素の機能を選択的に阻害する化合物の同定および開発は、大きな注目を集めている。
特許文献1には2−アミド−チアゾール化合物が記載されており、AKT1結合活性など、ATP利用酵素の阻害活性が示されている。
米国特許出願第2006/0052416号明細書
Kauffmann−Zeh et al.,Nature 385:544−548(1997) Hemmings,Science,275:628−630(1997) Dudek et al.,Science 275:661−665(1997) McCormick,Nature,428,267−269(2004) Bellacosa et al.,Cane.Biol.Therapy,3,268−275(2004) West et al.,Drug Resistance Update 5,234−248(2002) Bianco et al.,Oncogene 22,2812−2822(2003)
(発明の要旨)
式Iの化合物から選択される少なくとも1種の化学物質:
Figure 2010500998
ならびにその薬学的に許容される塩、キレート、非共有結合複合体および混合物を提供し、式中
は、5員〜7員シクロヘテロアルキル環であり、環内に任意にさらにO、SおよびNから選択される1または2個のヘテロ原子を含み、環は基Rでさらに置換されており;
は、フェニルおよび置換フェニルから選択され;
Qは、チエニルおよび置換チエニルから選択され;
Aは、1,3−プロピレンおよび1,4−ブチレンから選択され;
は、−C(O)NRであり、RおよびRは独立に、水素、ヒドロキシ、ヒドロキシエチル、低級アルキルおよび低級アルコキシから選択される。
さらに、少なくとも1種の薬学的に許容されるビヒクルおよび治療有効量の本開示の少なくとも1種の化学物質を含む医薬組成物も提供する。
さらに、少なくとも1種の薬学的に許容されるビヒクルおよび治療有効量の本開示の少なくとも1種の化学物質を含む医薬組成物;および哺乳動物を処置する組成物の使用説明書を含む包装された医薬製剤も提供する。
さらに、処置を必要としている患者の少なくとも1つの疾患を処置する方法であって、本開示の少なくとも1種の化学物質を治療有効量で患者に投与することを含む、方法も提供する。
本発明のさらなる実施形態については、以下の説明に記載されているか、本発明の実施により知ることができる。
(例示的な実施形態の詳細な説明)
次に本発明のある実施形態について詳細に言及するが、その各例に関しては、付随する構造および式で示してある。本発明の説明は列挙した実施形態との関連でなされるが、当然のことながら、本発明は、そうした実施形態に限定されるものではない。一方、本発明は、特許請求の範囲が規定する本発明の範囲内に含めることができる代替例、変形例および等価物をすべて含むものである。当業者であれば、本発明の実施に際して使用可能であり、本明細書に記載したものと類似または同等の多くの方法および材料を認識するであろう。本発明は、記載の方法および材料にまったく限定されない。援用した文献、特許および以下に限定されるものではないが、定義済みの用語、用語の使用法、記載の技法または同種ものなど、類似の材料の1つまたは複数が本出願と異なるかまたは矛盾する場合、本出願が優先する。
定義
他に記載がない限り、いずれの場合も、本明細書および特許請求の範囲に用いる成分の量、反応条件などを表す数字についてはすべて、「約(about)」という語で修飾されているものとして理解すべきである。したがって、異なる記載がない限り、以下の本明細書および添付の特許請求の範囲に記載する数値パラメータは近似値であり、そのそれぞれの試験測定値の標準偏差によって異なる場合がある。少なくとも特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しないように、特許請求の範囲に記載する各数値パラメータについては、少なくとも既報告の有効桁数に照らして通常の丸めの技法を適用して解釈すべきものである。
他に記載がない限り、本明細書で使用する場合、以下の用語および語句は、以下の意味を持つものである。
「アシル」とは、ラジカル−C(O)Rをいい、Rは、本明細書に定義するように、水素、アルキル、置換アルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリールまたは置換ヘテロアリール基である。代表的な例として、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、ベンジルカルボニルおよび同種のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
「アルカニル」とは、親アルカンの単一の炭素原子から水素原子1個を除いて得られる分枝、直鎖または環状の飽和アルキル基をいう。典型的なアルカニル基として、メタニル;エタニル;プロパン−1−イル、プロパン−2−イル(イソプロピル)、シクロプロパン−1−イルなどのプロパニル;ブタン−1−イル、ブタン−2−イル(sec−ブチル)、2−メチル−プロパン−1−イル(イソブチル)、2−メチル−プロパン−2−イル(t−ブチル)、シクロブタン−1−イルなどのブタニル;および同種のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
「アルケニル」とは、親アルケンの単一の炭素原子から水素原子1個を除いて得られる少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を持つ分枝、直鎖または環状の不飽和アルキル基をいう。この基は、二重結合(単数または複数)のシス配座でもトランス配座でもよい。典型的なアルケニル基として、エテニル;プロプ−1−エン−1−イル、プロプ−1−エン−2−イル、プロプ−2−エン−1−イル(アリル)、プロプ−2−エン−2−イル、シクロプロパ−1−エン−1−イルなどのプロペニル;シクロプロパ−2−エン−1−イル;ブト1−エン−1−イル、ブト1−エン−2−イル、2−メチル−プロプ−1−エン−1−イル、ブト2−エン−1−イル、ブト2−エン−1−イル、ブト2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブタ−1−エン−1−イル、シクロブタ−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イルなどのブテニル;および同種のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。ある実施形態では、アルケニル基の炭素原子は2〜20個であり、他の実施形態では、炭素原子は2〜6個である。
「アルコキシ」とは、ラジカル−ORをいい、Rは、本明細書に定義するように、アルキル基、置換アルキル基、置換シクロアルキル基、置換ヘテロシクロアルキル基、置換アリール基または置換ヘテロアリール基を示す。代表的な例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシおよび同種のものがあるが、これに限定されるものではない。
「アルコキシカルボニル」とは、ラジカル−C(O)−アルコキシをいい、アルコキシは、本明細書に定義するとおりである。
「アルキル」とは、親アルカン、アルケンまたはアルキンの単一の炭素原子から水素原子1個を除いて得られる飽和分枝、直鎖もしくは環状一価炭化水素基または不飽和分枝、直鎖もしくは環状一価炭化水素基をいう。典型的なアルキル基として、メチル;エタニル、エテニル、エチニルなどのエチル;プロパン−1−イル、プロパン−2−イル、シクロプロパン−1−イル、プロプ−1−エン−1−イル、プロプ−1−エン−2−イル、プロプ−2−エン−1−イル(アリル)、シクロプロパ−1−エン−1−イルなどのプロピル;シクロプロパ−2−エン−1−イル、プロプ−1−イン−1−イル、プロプ−2−イン−1−イル;ブタン−1−イル、ブタン−2−イル、2−メチル−プロパン−1−イル、2−メチル−プロパン−2−イル、シクロブタン−1−イル、ブト1−エン−1−イル、ブト1−エン−2−イル、2−メチル−プロプ−1−エン−1−イル、ブト2−エン−1−イル、ブト2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブタ−1−エン−1−イル、シクロブタ−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブト1−イン−1−イル、ブト1−イン−3−イル、ブト3−イン−1−イルなどのブチル;および同種のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
「アルキル」という語は、具体的には、任意の飽和度または飽和レベルを持つ基、すなわち、炭素−炭素単結合のみを持つ基、1つまたは複数の炭素−炭素二重結合を持つ基、1つまたは複数の炭素−炭素三重結を持つ基ならびに炭素−炭素の単結合、二重結合および三重結合が混在した基を含むものである。特定の飽和レベルを想定する場合、「アルカニル」、「アルケニル」および「アルキニル」の各表現を用いる。ある実施形態では、アルキル基は、炭素原子1〜20個を含む。他の実施形態では、アルキル基は、炭素原子1〜6個を含み、低級アルキル基と呼ばれる。
「置換アミノ」という語は、−NHR基または−NR基をいい、Rは各々独立に、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アシル、置換アシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルコキシカルボニルおよびスルホニルから選択される。代表的な例として、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジ−(1−メチルエチル)アミノ、(シクロヘキシル)(メチル)アミノ、(シクロヘキシル)(エチル)アミノ、(シクロヘキシル)(プロピル)アミノおよび同種のものがあるが、これに限定されるものではない。
「スルホニル」とは、ラジカル−S(O)Rをいい、Rは、本明細書に定義するように、アルキル基、置換アルキル基、置換シクロアルキル基、置換ヘテロシクロアルキル基、置換アリール基または置換ヘテロアリール基である。代表的な例として、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニルおよび同種のものがあるが、これに限定されるものではない。
「スルフィニル」とは、ラジカル−S(O)Rをいい、Rは、本明細書に定義するように、アルキル基、置換アルキル基、置換シクロアルキル基、置換ヘテロシクロアルキル基、置換アリール基または置換ヘテロアリール基である。代表的な例として、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニルおよび同種のものがあるが、これに限定されるものではない。
「スルファニル」とは、ラジカル−SRをいい、Rは、本明細書に定義するように、アルキル基、置換アルキル基、置換シクロアルキル基、置換ヘテロシクロアルキル基、置換アリール基または置換ヘテロアリール基である。代表的な例として、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオおよび同種のものがあるが、これに限定されるものではない。
「アルキニル」とは、親アルキンの単一の炭素原子から水素原子1個を除いて得られる少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を持つ分枝、直鎖または環状の不飽和アルキル基をいう。典型的なアルキニル基として、エチニル;プロプ−1−イン−1−イル、プロプ−2−イン−1−イルなどのプロピニル;ブト1−イン−1−イル、ブト1−イン−3−イル、ブト3−イン−1−イルなどのブチニル;および同種のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。ある実施形態では、アルキニル基の炭素原子は2〜20個であり、他の実施形態では、炭素原子は3〜6個である。
「アミノ」とは、ラジカル−NHをいう。
「アミノカルボニル」とは、−C(O)NRR’基をいい、RおよびR’は独立に、本明細書に定義するように、水素、アルキル、置換アルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリールまたは置換ヘテロアリール基から選択されるか、または任意にR’およびR’’は、RおよびR’が結合している窒素原子と一緒になって1つまたは複数の複素環または置換複素環を形成する。
「アリール」は、たとえば、ベンゼンなどの5員および6員炭素環式芳香族環;少なくとも1つの環が炭素環式芳香族である、たとえば、ナフタレン、インダンおよびテトラリンなどの二環式環系;少なくとも1つの環が炭素環式芳香族である、たとえば、フルオレンなどの三環式環系を包含する。たとえば、アリールは、N、OおよびSから選択される1個または複数個のヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロシクロアルキル環に縮合した5員および6員炭素環式芳香族環を含む。複数の環のうち1つのみが炭素環式芳香族環である、こうした縮合二環式環系の場合、結合点は、炭素環式芳香族環にあってもヘテロシクロアルキル環にあってもよい。置換ベンゼン誘導体から形成され、かつ、環原子に自由原子価を持つ二価ラジカルは、置換フェニレンラジカルと呼ばれる。自由原子価を持つ炭素原子から水素原子1個が取り除かれてその名称が「−イル」で終わり、一価多環式炭化水素ラジカルから得られる二価ラジカルは、対応する一価ラジカルの名称に、「−イデン」を加えて命名される。たとえば、2つの結合点を持つナフチル基は、ナフチリデンという。ただし、アリールは、いかなる意味でも、以下に別途定義するヘテロアリールを包含したり、それと重複したりしない。それ故、1つまたは複数の炭素環式芳香族環がヘテロシクロアルキル芳香族環と縮合する場合、その結果得られる環系は、本明細書に定義するアリールではなく、ヘテロアリールである。
「アリールアルキル」または「アラルキル」とは、炭素原子、一般には末端またはsp炭素原子に結合した水素原子の1個がアリール基で置換されている非環式アルキル基をいう。典型的なアリールアルキル基として、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、2−フェニルエテン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、2−ナフチルエテン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イルおよび同種のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。特定のアルキル部分を想定する場合、アリールアルカリル、アリールアルケニルおよび/またはアリールアルキニルといった名称を用いる。ある実施形態では、アリールアルキル基は、(C6〜30)アリールアルキルであってもよく、たとえば、アリールアルキル基のアルカニル部分、アルケニル部分またはアルキニル部分は、(C1〜10)であってもよく、アリール部分は、(C6〜20)であってもよい。
「アリールオキシカルボニル」とは、ラジカル−C(O)−O−Rをいい、Rは、本明細書に定義するアリールおよび置換アリールから選択される。
「カルボニル」とは、ラジカル−C(O)をいう。
「カルボキシ」とは、ラジカル−C(O)OHをいう。
「切断」とは、化学結合の破損をいい、明記しない限り、化学もしくは酵素反応または化学もしくは酵素機構に限定されない。
化学構造と化学名が矛盾する場合、化学構造によりその化合物の種類を決定する。本開示の化学物質は、1つまたは複数のキラル中心および/または二重結合を含んでもよく、したがって、二重結合異性体(すなわち、幾何異性体)、鏡像異性体またはジアステレオマーなどの立体異性体として存在してもよい。したがって、相対配置で全部または一部を示した、本明細書の範囲内の任意の化学構造は、立体異性体の純粋な形(幾何的に純粋、鏡像異性的に純粋またはジアステレオマー的に純粋など)ならびに鏡像異性体混合物および立体異性体混合物など、図示した化合物のあらゆる可能な鏡像異性体および立体異性体を包含する。鏡像異性体混合物および立体異性体混合物については、当業者に公知の分離技法またはキラル合成技法を用いて構成成分である鏡像異性体または立体異性体に分離することができる。
式Iの化合物は、式Iの化合物の光学異性体、ラセミ化合物およびその他の混合物を含むが、これに限定されるものではない。そうした状況では、単一の鏡像異性体またはジアステレオマー、すなわち、光学活性体は、不斉合成またはラセミ化合物の分離により得ることができる。たとえば、分割剤の存在下での結晶化または、たとえば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC:high−pressure liquid chromatography)カラムを用いたクロマトグラフィーなど従来の方法により、ラセミ化合物の分離を行うことができる。さらに、式Iの化合物は、二重結合を持つ化合物のZ体およびE体(またはシス体およびトランス体)を含む。式Iの化合物が種々の互変異性体で存在する場合、本開示の化学物質は、化合物の互変異性体すべてを含む。
本開示の化学物質は、式1の化合物およびその薬学的に許容されるすべての形を含むが、これに限定されるものではない。本明細書に引用する化合物の薬学的に許容される形は、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、結晶形(多形体および包接化合物など)、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグおよび混合物を含む。ある実施形態では、本明細書に記載の化合物は、薬学的に許容される塩の形をとる。したがって、「化学物質(単数および複数)」という語は、薬学的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグおよび混合物も包含する。
「キレート」という語は、2つ(またはそれ以上)の点で金属イオンに化合物が配位して形成された化学物質をいう。
「非共有結合複合体」という語は、化合物と他の分子の相互作用により形成されるが、その化合物と分子の間で共有結合が形成されない化学物質をいう。たとえば、複合体形成は、ファンデルワールス相互作用、水素結合および静電相互作用(イオン結合とも呼ばれる)により起こる場合がある。
上述のように、たとえば、式Iの化合物のエステルまたはアミド誘導体などのプロドラッグも、化学物質の範囲内に含まれる。「プロドラッグ」という語は、患者に投与した場合、たとえば、プロドラッグの代謝過程で式Iの化合物になる任意の化合物を含む。プロドラッグの例として、式Iの化合物の酢酸誘導体、ギ酸誘導体、安息香酸誘導体および各官能基(アルコール基またはアミン基など)の同種の誘導体が挙げられるが、これに限定されるものではない。
「溶媒和物」という語は、たとえば、水またはアルコールなどの溶媒と化合物の相互作用により形成される化合物をいう。好適な溶媒和物として、一水和物およびヘミ水和物といった水和物などの薬学的に許容される溶媒和物がある。
「結合」とは、2個の原子間の共有結合をいう。
「シアノ」とは、ラジカル−CNをいう。
「シクロアルキル」とは、飽和または不飽和(ただし、芳香族ではない)環状アルキル基をいう。特定の飽和レベルを想定する場合、「シクロアルカニル」または「シクロアルケニル」という名称を用いる。典型的なシクロアルキル基として、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンおよび同種のもの由来の基が挙げられるが、これに限定されるものではない。ある実施形態では、シクロアルキル基は、たとえば、C3〜6シクロアルキルなど、C3〜10シクロアルキルであってもよい。
「疾患」とは、任意の疾患、障害、症候、症状または徴候をいう。
「酵素」とは、全部または大部分がタンパク質からなり、程度の差はあるが特異的に1つまたは複数の生化学反応を触媒する任意の天然または合成高分子物質をいう。酵素が作用する物質を「基質」といい、酵素は、基質に対する特異的な結合部位、すなわち、「活性部位」または「触媒ドメイン」を持っている。酵素は、筋線維などの巨大分子構造にも作用する場合がある。
「徐放性放出」とは、本開示の化学物質の放出の速度を遅くして遅延させ、一定期間にわたり連続、断続または持続放出を与える剤形をいう。
「ハロゲン」または「ハロ」とは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基またはヨード基をいう。
「ヘテロアリール」は、たとえば、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子1〜4個、またはある実施形態では1〜3個など、1個または複数個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である5〜7員芳香族単環式環;および、たとえば、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子1〜4個、またはある実施形態では1〜3個など、1個または複数個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素であり、かつ、少なくとも1個のヘテロ原子が芳香族環内にある二環式ヘテロシクロアルキル環を包含する。たとえば、ヘテロアリールは、5〜7員シクロアルキル環に縮合した5〜7員ヘテロシクロアルキル芳香族環を含む。複数の環のうち1つのみが1個または複数個のヘテロ原子を含む、こうした縮合二環式ヘテロアリール環系の場合、結合点は、複素環式芳香族化合物環にあってもシクロアルキル環にあってもよい。ヘテロアリール基内のS原子とO原子の総数が1を超える場合、そうしたヘテロ原子は、互いに隣接していない。ある実施形態では、ヘテロアリール基内のS原子とO原子の総数は、2以下である。ある実施形態では、芳香族複素環内のS原子とO原子の総数は、1以下である。ヘテロアリール基の例として(優先順位1を付与した結合位置から番号を付ける)、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2,3−ピラジニル、3,4−ピラジニル、2,4−ピリミジニル、3,5−ピリミジニル、2,3−ピラゾリニル、2,4−イミダゾリニル、イソオキサゾリニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、チアジアゾリニル、テトラゾリル、チエニル、ベンゾチオフェニル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリニル、インドリニル、ピリジジニル、トリアゾリル、キノリニル、ピラゾリルおよび5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリンが挙げられるが、これに限定されるものではない。自由原子価を持つ原子から水素原子1個が取り除かれてその名称が「−イル」で終わり、一価ヘテロアリールラジカルから得られる二価ラジカルは、対応する一価ラジカルの名称に「−イデン」を加えて命名される。たとえば、2つの結合点を持つピリジル基は、ピリジリデンである。ヘテロアリールは、上述のアリールを包含したり、それと重複したりしない。ある実施形態では、ヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾール、ピラジン、ベンゾチアゾール、イソオキサゾール、チアジアキソールおよびチアゾールから得られるヘテロアリール基であってもよい。
「ヘテロアリールアルキル」または「ヘテロアラルキル」とは、炭素原子、一般に末端またはsp炭素原子に結合した水素原子の1個がヘテロアリール基で置換されている非環式アルキル基をいう。特定のアルキル部分を想定する場合、ヘテロアリールアルカニル、ヘテロアリールアルケニルおよび/またはヘテロアリールアルキニルといった名称を用いる。ある実施形態では、ヘテロアリールアルキル基は、6〜30員ヘテロアリールアルキルであってもよく、たとえば、ヘテロアリールアルキルのアルカニル部分、アルケニル部分またはアルキニル部分は1〜10員であってもよく、ヘテロアリール部分は、5〜20員ヘテロアリールであってもよい。
「ヘテロシクロアルキル」とは、ほとんどの場合、3〜7個の環原子を持つ単一の脂肪族環であって、少なくとも2個の炭素原子の他に酸素、硫黄および窒素から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子ならびに前述のヘテロ原子少なくとも1個を含む組み合わせを含む、脂肪族環をいう。好適なヘテロシクロアルキル基として、たとえば(優先順位1を付与した結合位置から番号を付ける)、2−ピロリニル、2,4−イミダゾリジニル、2,3−ピラゾリジニル、2−ピペリジル,3−ピペリジル、4−ピペリジルおよび2,5−ピペラジニルが挙げられる。2−モルホリニルおよび3−モルホリニル(酸素に優先順位1を付与して番号付けを行った)などのモルホリニル基も考慮している。また、置換ヘテロシクロアルキルは、ピペリジニルN−オキシド、モルホリニル−N−オキシド、1−オキソ−1−チオモルホリニルおよび1,1−ジオキソ−1−チオモルホリニルなど、1つまたは複数のオキソ(=0)置換基またはオキシド(−O)置換基で置換されている環系も含む。
「脱離基」とは、求核試薬で置換することができる原子または基をいい、クロロ、ブロモ、フルオロおよびヨードなどのハロゲン、アルコキシカルボニル(アセトキシなど)、アリールオキシカルボニル、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、アリールオキシ(2,4−ジニトロフェノキシなど)、メトキシ、N,O−ジメチルヒドロキシルアミノおよび同種のものが挙げられる。
「任意の(optional)」または「任意に(optionally)」とは、その後に記載した事象または状況が起こることもあるが、起こらなくてもよく、そう記載することで、その事象または状況が起こる場合と、その事象が起こらない場合が含まれることを意味する。
「薬学的に許容される」とは、動物、より具体的にはヒトに使用できるように連邦または州政府の規制当局により承認されたまたは承認可能であるか、米国薬局方または他の一般に認められた薬局方に記載されていることをいう。
「薬学的に許容される塩」とは、薬学的に許容され、かつ、親化合物の所望の薬理活性を有する化合物の塩をいう。そうした塩として、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸および同種のものなどの無機酸;または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、A−トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸および同種のものなどの有機酸で形成される酸付加塩;または(2)親化合物に存在する酸性プロトンが、たとえば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンまたはアルミニウムイオンなどの金属イオンに置換されるか、あるいは、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミンおよび同種のものなどの有機塩基と配位したときに形成される塩が挙げられる。
「薬学的に許容される賦形剤、キャリアまたはアジュバント」とは、本開示の少なくとも1種の化学物質と一緒に被検体に投与することができ、かつ、化合物を治療量で送達するのに十分な用量で投与した際に、その薬理活性を破壊せず、無毒性である賦形剤、キャリアまたはアジュバントをいう。
「薬学的に許容されるビヒクル」とは、本開示の少なくとも1種の化学物質と一緒に投与する希釈液、アジュバント、賦形剤またはキャリアをいう。
「プロドラッグ」とは、治療上有効な化合物を生成するために体内で変換される必要がある、治療上有効な化合物の誘導体をいう。プロドラッグは、親化合物に変換されるまで、薬理学的に不活性であってもよい。
「プロモエティー」とは、薬剤分子内の官能基をマスクするのに用いた場合、その薬剤をプロドラッグに変換する一種の保護基をいう。たとえば、プロモエティーは、インビボで酵素的または非酵素的手段により切断される結合(単数または複数)を介して薬剤に結合することができる。
「保護基」とは、分子内の反応基に結合した際に、その反応性を遮蔽、抑制または防止する一群の原子をいう。保護基の例は、Greenら、「Protective Groups in Organic Chemistry,」(Wiley、2nd ed.1991)およびHarrisonら,「Compendium of Synthetic Organic Methods,」Vols.1−8(John Wiley and Sons,1971−1996)で確認することができる。代表的なアミノ保護基として、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(「CBZ:benzyloxycarbonyl」)、tert−ブトキシカルボニル(「Boc:tert−butoxycarbonyl」)、トリメチルシリル(「TMS:trimethylsilyl」)、2−トリメチルシリル−エタンスルホニル(「SES:2−trimethylsilyl−ethanesulfonyl」)、トリチルおよび置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(「FMOC:9−fluorenylmethyloxycarbonyl」)、ニトロ−ベラトリルオキシカルボニル(「NVOC:nitro−veratryloxycarbonyl」)および同種のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。代表的なヒドロキシ保護基として、ベンジルエーテルおよびトリチルエーテルならびにアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテルおよびアリルエーテルなど、ヒドロキシ基がアシル化あるいはアルキル化されたものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
「プロテインキナーゼ」、「キナーゼ」および「ヒトプロテインキナーゼ」とは、タンパク質の1つまたは複数のヒドロキシル基またはフェノール基をリン酸化する任意の酵素をいい、ATPは、ホスホリル基の供与体である。
「立体異性体」とは、空間において構成原子の配置が異なる異性体をいう。互いに鏡像であり、任意に活性である立体異性体は、「鏡像異性体」と呼ばれ、互いに鏡像ではない立体異性体は、「ジアステレオ異性体」と呼ばれる。
「被検体」は、ヒトなどの哺乳動物を含む。本明細書では、「ヒト」および「被検体」という語を同義に用いる。
「置換」とは、1個または複数個の水素原子が各々独立に、同じまたは異なる置換基(単数または複数)で置換されている基をいう。典型的な置換基として、以下に限定されるものではないが、−X、−R33、−O、=O、−OR33、−SR33、−S、=S、−NR3334、=NR33、−CX、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)33、−OS(O)O、−OS(O)33、−P(O)(O )、−P(O)(OR33)(O)、−OP(O)(OR33)(OR34)、−C(O)R33、−C(S)R33、−C(O)OR33、−C(O)NR3334、−C(O)O、−C(S)OR33、−NR35C(O)NR3334、−NR35C(S)NR3334、−NR35C(NR33)NR3334、−C(NR33)NR3334、−S(O)NR3334、−NR35S(O)33、−NR35C(O)R33および−S(O)R33があり、式中、Xは各々独立に、ハロゲンであり、R33およびR34は各々独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、−NR3536、−C(O)R35もしくは−S(O)35であるか、あるいは、任意にR33およびR34は、R33およびR34が結合している原子と一緒になって1つまたは複数のシクロヘテロアルキル環、置換シクロヘテロアルキル環、ヘテロアリール環または置換ヘテロアリール環を形成し、R35およびR36は独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり、あるいは、任意にR35およびR36は、R35およびR36が結合している窒素原子と一緒になって1つまたは複数のシクロヘテロアルキル環、置換シクロヘテロアルキル環、ヘテロアリール環または置換ヘテロアリール環を形成する。ある実施形態では、三級アミンまたは芳香族窒素は、1個または複数個の酸素原子で置換されて対応する窒素酸化物を形成していてもよい。
ある実施形態では、置換アリールおよび置換ヘテロアリールは、本明細書に定義するように、F、Cl、Br、C1〜3アルキル、置換アルキル、C1〜3アルコキシ、−S(O)NR3334、−NR3334、−CF、−OCF、−CN、−NR35S(O)33、−NR35C(O)R33、C5〜10アリール、置換C5〜10アリール、C5〜10ヘテロアリール、置換C5〜10ヘテロアリール、−C(O)OR33、−NO、−C(O)R33、−C(O)NR3334、−OCHF、C1〜3アシル、−SR33、−S(O)OH、−S(O)33、−S(O)R33、−C(S)R33、−C(O)O、−C(S)OR33、−NR35C(O)NR3334、−NR35C(S)NR3334および−C(NR35)NR3334、C3〜8シクロアルキルおよび置換C3〜8シクロアルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキルおよび置換C3〜8ヘテロシクロアルキルなどの置換基の1つまたは複数を含む。
ある実施形態では、置換アリールアルキルおよび置換ヘテロアリールアルキルは、本明細書に定義するように、F、Cl、Br、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、−S(O)NR3334、−NR3334、−CF、−OCF、CN、−NR35S(O)33、−NR35C(O)R33、C5〜10アリール、置換アルキル、置換C5〜10アリール、C5〜10ヘテロアリール、置換C5〜10ヘテロアリール、−C(O)OR33、−NO、−C(O)R33、−C(O)NR3334、−OCHF、C1〜3アシル、−SR33、−S(O)OH、−S(O)33、−S(O)R33、−C(S)R33、−C(O)O、−C(S)OR33、−NR35C(O)NR3334、−NR35C(S)NR3334および−C(NR35)NR3334、C3〜8シクロアルキルおよび置換C3〜8シクロアルキルなどの置換基(substitute group)の1つまたは複数を含む。
ある実施形態では、置換アルキルは、本明細書に定義するように、C1〜3アルコキシ、−NR3334、置換C5〜10ヘテロアリール、−SR33、C1〜3アルコキシ、−S(O)NR3334、CN、F、Cl、−CF、−OCF、−NR35S(O)33、−NR35C(O)R33、C5〜10アリール、置換C5〜10アリール、C5〜10ヘテロアリール、置換C5〜10ヘテロアリール、−C(O)OR33、−NO、−C(O)R33、−C(O)NR3334、−OCHF、C1〜3アシル、−S(O)OH、−S(O)33、−S(O)R33、−C(S)R、−C(O)O、−C(S)OR33、−NR35C(O)NR3334、−NR35C(S)NR3334および−C(NR35)NR3334、C3〜8シクロアルキルおよび置換C3〜8シクロアルキルなどの置換基(substitute group)の1つまたは複数を含む。
ある実施形態では、置換アルケニルは、本明細書に定義するように、C1〜8アルキル、置換C1〜8アルキル、C5〜10アリール、置換C5〜10アリール、C5〜10ヘテロアリール、置換C5〜10ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキル、置換C3〜8シクロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキルおよび置換シクロヘテロアルキルアルキルなどの置換基(substitute group)の1つまたは複数を含む。
「治療有効量」とは、疾患、あるいは、疾患または障害の臨床症状の少なくとも1つを処置するために被検体に投与する際に、かかる疾患、障害または症状の処置に作用し、治療効果を発揮するのに十分な化合物の量をいう。「治療有効量」は、化合物、疾患、障害および/または疾患もしく障害の症状、疾患、障害および/または疾患もしくは障害の症状の重症度、処置する被検体の年齢および/または処置する被検体の体重によって異なる場合がある。適切な量については、どのような場合も、当業者に容易に明らかになり得るか、通常の実験で決定することができる。治療有効量が投与されれば、腫瘍の大きさが縮小し、相補体が活性化し、アポトーシス活性が生じ、すなわち、細胞死、好ましくは良性または悪性腫瘍細胞、特に癌細胞の死を誘導することができる。有効性については、処置対象の症候に応じて従来のやり方で判断することができる。癌治療の場合、たとえば、疾患の進行の時間、生存率、腫瘍の大きさの評価または奏効率の判定により有効性を判断できる。
任意の疾患または障害を「処置する」またはその「処置」とは、疾患、障害または疾患もしくは障害の臨床症状の少なくとも1つを抑止または軽減したり、疾患、障害または疾患もしくは障害の臨床症状の少なくとも1つに罹患する危険性を低下させたり、疾患、障害または疾患もしくは障害の臨床症状の少なくとも1つの発症を減少させたり、疾患または障害あるいは疾患または障害の臨床症状の少なくとも1つの発症する危険性を低下させたりすることをいう。「処置する」または「処置」とは、疾患または障害を物理的に(識別できる症状の安定化など)、または生理学的に(物理的パラメータの安定化)またはその両方で阻害し、被検体には識別でない場合がある少なくとも1つの物理的パラメータを阻害することもいう。さらに、「処置する」または「処置」とは、被検体が疾患または障害の症状を経験するか示したことがなくても、その疾患または障害に感染するか、感染しやすい可能性がある被検体の疾患もしくは障害または少なくともその症状の発症を遅延させることもいう。
本明細書および添付の特許請求の範囲にあっては、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、複数の言及を含む。
2−アミド−4−イソオキサゾリルチアゾール化合物
次に本開示の実施形態について詳細に言及する。本開示のある実施形態について記載するが、本開示の実施形態は、かかる記載の実施形態に限定されるものではないことが理解されるであろう。一方、本開示の実施形態の言及には、添付の特許請求の範囲が規定する本開示の実施形態の精神および範囲に含めることができる代替例、変形例および等価物が包含されるものとする。
式Iの化合物については、以下に記載の要領で(たとえば、ChemDraw8.0を用いて)命名および番号付けを行うことができる。たとえば、化合物101:
Figure 2010500998
すなわち、Qは、チエン−2−イルであり;Aは、1,3−プロピレンであり、Rは、2−カルバモイルピペリジン−1−イルであり、Rは、フェニルである、式Iによる化合物は、(S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)ピペリジン−2−カルボキサミドと命名することができる。
式Iの化合物から選択される少なくとも1種の化学物質:
Figure 2010500998
ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグおよび混合物を提供し、式中
は、5〜7員シクロヘテロアルキル環であり、任意に環内にO、SおよびNから選択される1または2個のヘテロ原子をさらに含み、その環は、基Rでさらに置換されており;
は、フェニルおよび置換フェニルから選択され;
Qは、チエニルおよび置換チエニルから選択され;
Aは、1,3−プロピレンおよび1,4−ブチレンから選択され;
は、−C(O)NRであり、RおよびRは独立に、水素、ヒドロキシ、ヒドロキシエチル、低級アルキルおよび低級アルコキシから選択される。
式I化合物は、以下の構造を含む:
Figure 2010500998
ある実施形態では、Rは、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、ピペラジンおよびモルホリンから選択され、その各々は、基Rでさらに置換されている。
ある実施形態では、Rは、基Rでさらに置換されるピペリジンから選択されている。
ある実施形態では、Rは、水素である。
ある実施形態では、Rは、水素、ヒドロキシ、ヒドロキシエチルおよび低級アルキルから選択される。
ある実施形態では、Rは、水素、ヒドロキシ、ヒドロキシエチルおよびメチルから選択される。
ある実施形態では、Rは、フェニルである。
ある実施形態では、Qは、チエニルである。
ある実施形態では、Aは、1,3−プロピレンである。
ある実施形態では、式Iの化合物は、
(S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)ピペリジン−2−カルボキサミド;
(S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)−N−ヒドロキシピペリジン−2−カルボキサミド;
1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)ピペリジン−2−カルボキサミド;
(S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)−N−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−2−カルボキサミド;
(S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)−N−メチルピペリジン−2−カルボキサミド;
(S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)ピロリジン−2−カルボキサミド;
(S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)−N,N−ジメチルピペリジン−2−カルボキサミド;
1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)ピロリジン−2−カルボキサミド;
(S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)−N−メチルピロリジン−2−カルボキサミド;および
(S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)−N−tert−ブトキシピペリジン−2−カルボキサミド
から選択される。
式Iのある種の化合物は、AKT1の強力な阻害剤であり、PIMも1阻害する。さらに、R基(すなわち、式−C(O)NRの基)が存在すると、式Iの化合物の極性が高まる。したがって、式Iの化合物は、溶解性などの物理化学的性質の改善を示し、低極性化合物よりも製剤化しやすい場合があり、ヒトなどの患者に投与する際、薬物動態特性の改善を示す可能性がある。
本発明の化合物に構造的に関連しているある種の2−アミド−チアゾール化合物は、米国特許出願第2006/0052416号に記載されており、AKT1結合活性などのATP利用酵素阻害活性を持つことが明らかになっている。
プロテインキナーゼは、最大で最も多様な機能を持っている遺伝子ファミリーである。500種を超えるヒトプロテインキナーゼの大部分は、触媒ドメインの配列および構造が関連している酵素の単一スーパーファミリーに属する。ほとんどのヒトプロテインキナーゼは、7つの主な群に分類することができ、デオキシリボ核酸(DNA)配列相同性に基づき、CAMK(カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ)、AGC(PKA(プロテインキナーゼA)、PKG(プロテインキナーゼG)、PKC(プロテインキナーゼC)キナーゼなど)、CK1(カゼインキナーゼ)、CMGC(CDK(サイクリン依存性)、MAPK(マイトジェン活性化)、GSK3(グリコーゲンシンターゼ)およびCLK(CDC2様)キナーゼなど)、STE(酵母Sterile 7、Sterile 11およびSterile 20キナーゼのホモログ)、TK(チロシンキナーゼ)およびTKL(チロシン−キナーゼ様)が確認されている。
AGCプロテインキナーゼファミリーには、AKT1、AKT2、AKT3、AURORA−A、MSK1、MSK2、P70S6K、PAK1、PKAおよびSGK1プロテインキナーゼが含まれる。CMGCプロテインキナーゼファミリーには、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、DYRK2、GSK3−α、GSK3−β、P38−α、P38−β、P38−δおよびP38−γならびにMAPK1プロテインキナーゼが含まれる。CAMKプロテインキナーゼファミリーには、DAPK1、MAPKAPK2、CHEK1、CHEK2、PRAKおよびc−TAK1プロテインキナーゼが含まれる。TKプロテインキナーゼファミリーには、ABL1、CSK、FLT3、FYN、HCK、INSR、KIT、LCK、PDGFR−α、LYNA、SYKおよびSRCプロテインキナーゼが含まれる。STEプロテインキナーゼファミリーには、PAK2プロテインキナーゼが含まれる。
本開示のある種の化学物質は、1つまたは複数のプロテインキナーゼに対して選択性(選択性については、本明細書に定義するとおり)を示した。本開示のある種の化学物質は、AKT1およびPIM1キナーゼのうち少なくとも1つのプロテインキナーゼに対して選択的活性を示した。本開示のある種の化学物質は、AKT1に対して選択的活性を示した。
本開示の化学物質については、以下の一般的な方法および手順を用いて、容易に入手できる出発材料から米国特許出願第2006/0052416号などの当該技術分野において周知の方法で調製することができる。当然のことながら、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など、典型的または好ましいプロセス条件を適用する場合、他に記載がない限り、他のプロセス条件を用いても構わない。反応条件は使用する反応物または溶媒によって異なる場合があるが、そうして条件については、通常の最適化手順により当業者が判定すればよい。
さらに、当業者には明らかになるであろうが、ある種の官能基が好ましくない反応を起こさないように通常の保護基が必要になることもある。種々の官能基に好適な保護基および個々の官能基の保護および脱保護に好適な条件については、当該技術分野において周知である。たとえば、多数の保護基については、T.W.Greene and G.M.Wuts,Protecting Groups in Organic Synthesis、3rd Edition、John Wiley & Sons,(1999)およびその中の参考文献に記載されている。
さらに、本開示の化学物質は、1つまたは複数のキラル中心を含んでもよい。したがって、必要に応じて、そうした化合物を、純粋な立体異性体、すなわち、それぞれの鏡像異性体もしくはジアステレオマーとして、または立体異性体が濃縮された混合物として調製または単離してもよい。そうした立体異性体およびその濃縮混合物はすべて、他に記載がない限り、本開示の範囲内に含まれる。純粋な立体異性体およびその濃縮混合物については、たとえば、当該技術分野において公知の光学活性な出発材料または立体選択性試薬を用いて調製することができる。あるいは、そうした化合物のラセミ混合物を、たとえば、キラルカラムクロマトグラフィー、キラル分割剤および同種のものを用いて分離することもできる。
本開示の化学物質の調製に使用する全般的な合成スキームと具体的な反応プロトコルを、本明細書に記載の反応スキームおよび実施例に示す。
本開示の化学物質は、スキーム1に示すように調製することができる。α−ハロケトン1(たとえば、X=BrまたはCl)と適切な官能基を持つチオ尿素2との反応により、2−アミノ−4−イソオキサゾリルチアゾール3を得ることができる。式Iの化合物については、好ましくは適切な酸ハロゲン化物を用いた従来の方法によるアシル化により得ることができる。必要なα−ハロケトン1については、いくつかの方法でイソオキサゾールアシル誘導体4から調製することができる。Y=Meである場合、ハロゲン化(Brによる臭素化など)により直接化合物1を得てもよい。Y=OHである場合、カルボン酸を酸塩化物または混酸無水物などのアシル化剤に変換し、ジアゾメタンと反応させてジアゾケトン中間体を得てもよく、これを適切な鉱酸(HBrなど)で処理して、化合物1を得ることもできる。様々な置換パターンのイソオキサゾール酸または誘導体(メチルケトンなど)については市販品を入手することができるし、当該技術分野において公知である。たとえば、置換および非置換4−フェニルイソオキサゾール−3−カルボキシラートについては米国特許第5011849号に示してあるように調製することができ;置換および非置換3−フェニルイソオキサゾール−4−カルボキシラートについては、米国特許第6365591号およびその中に引用されている参考文献に示してあるように調製することができ;置換および非置換4−フェニルイソオキサゾール−5−カルボキシラートについては、国際公開第97/27187号に示してあるように調製することができ;置換および非置換3−フェニルイソオキサゾール−5−カルボキシラートについては、米国特許第5338857号およびTet.Lett.(1983)24:2193に示してあるように調製することができ;置換および非置換5−フェニルイソオキサゾール−3−カルボキシラートについては、米国特許第3752819号および米国特許第6884821号に示してあるように調製することができ;置換および非置換5−フェニルイソオキサゾール−4−カルボキシラートについては、Tetrahedron(2002)58:8581および米国特許第4243406号に示してあるように調製することができる。さらに、置換および非置換1−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)エタノン(4、Y=Me)についても、欧州特許第399645号に示してあるように調製することができる。チオ尿素2については、既知の手順により適切な一級アミン6から調製することができ、たとえば、チオホスゲンと反応させ、続いて得られたクロリドをアンモニアで処理し、FMOC−イソチオシアナートと反応させてからピペリジンで脱保護してTMS−イソシアナートと反応させ、その後脱保護しローソン試薬でチオ化するか、またはベンゾイルイソチオシアナートと反応させた後、酸加水分解する。アミン6については、RHを適切な官能基を持つ出発材料5でアルキル化することで調製することができ、Xは、Cl、Br、IまたはOMsなどの脱離基であり、Pは、BOC、CBZまたはフタロイルなどのアミン保護基であり、その後、脱保護する。出発材料5は、市販されているか、当業者が調製することができる。
スキーム1
Figure 2010500998
本発明の化合物は、スキーム2に図示したようにR基を後で合成配列に導入する手順でも調製することができる。上記の手順で7および11などの官能基を持つアミンをそれぞれ2−アミノ−4−イソオキサゾリルチアゾール8および12に変換する。化合物9(X=Cl、BrまたはOMsなどの脱離基)については、当業者に公知の方法でスルホニル化して、あるいは、スルホニル化してからハロゲン置換をして、アルコール8から調製することができる。10を得るアシル化に続いてRHアミンをアルキル化して、表題化合物Iを得ることができる。8から10への変換を、最初にアシル化してからOH官能基を脱離基に変換することで行ってもよい。同様に、12を加水分解してからアシル化する、あるいは、アシル化してから加水分解を行い、アルデヒド13を得てもよく、アルデヒド13は還元アルキル化条件下で式Iの化合物を与えることができる。
スキーム2
Figure 2010500998
あるいは、スキーム3に示すように、イソオキサゾール部分を後で合成配列に構築する経路でも式Iの化合物を調製することができる。出発アミノチアゾールエステル14については、上述の手順で適切な出発材料から合成することができる。エステル基を還元してアルデヒド15を得るには、DIBALなどの還元剤にて低温(−78℃〜0℃など)で処理して直接得てもよいし、最初に第一級アルコールに完全に還元してから酸化して得てもよい。ヒドロキシルアミンとの反応によりオキシム16を得ることができ、これを適切なアルキンと次亜塩素酸ナトリウムで処理するか、上で参照したのと類似の手順で処理して、イソオキサゾリルチアゾール17を得てもよい。次いで、脱保護後にアシル化することで、式Iaの化合物を得ることができ、イソオキサゾリル基はイソオキサゾリルの3位でチアゾリルの4位に結合しており、言い換えれば、炭素は窒素と結合している。アセチレン酸チアゾール18への15の変換については、当業者に公知の方法またはLarock、R.C.Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations,2nd ed.;Wiley & Sons:New York,(1999),pp 581−583およびその中に引用された参考文献に記載の方法により行うことができる。イソオキサゾリルチアゾール19の合成については、適切なRアルデヒドとヒドロキシルアミンとを反応させて中間体オキシムを生成し、続いて次亜塩素酸ナトリウムなどを用いる環化条件下で、あるいは、上述と類似の手順により18と反応させて行うことができる。次に、脱保護後にアシル化することで式Ibの化合物を得ることができ、イソオキサゾリル基はイソオキサゾリルの2位でチアゾリルの4位に結合しており、言い換えれば、炭素は酸素に結合している。異性体IaおよびIbは、式Iに含まれる本発明の化合物である。
スキーム3
Figure 2010500998
ある実施形態によれば、本開示の化学物質は、ATP利用酵素阻害活性を示す。そのため、本開示の化学物質の重要な用途の1つとして、本開示の少なくとも1種の化学物質をヒトなどの被検体に投与することが挙げられる。この投与は、プロテインキナーゼなどのATP利用酵素により調節される疾患または症候の臨床症状のまたは少なくとも1つを抑止したり、軽減したり、それに罹患する危険性を低下させたり、あるいは、その臨床症状のまたは少なくとも1つが発症する危険性を低下させたりするのに役立つ。
たとえば、細胞機能の異常が原因の疾患の多くには、制御不能または不必要に高度なプロテインキナーゼ活性が関係していると考えられている。制御不能または不必要に高度なプロテインキナーゼ活性は、たとえば、酵素の突然変異、過剰発現または異常な活性化;またはプロテインキナーゼの上流または下流シグナルの伝達にも関与しているサイトカインもしくは増殖因子の過剰産生または産生不足に関連して、たとえば、プロテインキナーゼの本来の制御機構の破綻によって直接間接に生じることがある。こうした例のすべてにおいて、プロテインキナーゼ作用の選択的な阻害は、有用な作用を発揮すると期待することができる。
ある実施形態によれば、本開示は、被検体において少なくとも1種のATP利用酵素により調節される疾患を処置する方法に関する。ATP利用酵素に調節される疾患として、たとえば、ATP利用酵素がシグナル伝達、媒介、調整、制御に関与している疾患、あるいは疾患の発現に影響する生化学的プロセスに関係している疾患が挙げられる。ある実施形態では、この方法は、プロテインキナーゼ酵素に調節される疾患の処置に有用である。プロテインキナーゼに調節される疾患として、たとえば、癌、自己免疫、代謝、炎症、感染症、中枢神経系の疾患、神経変性疾患、アレルギー/喘息、血管形成、血管新生、脈管形成、心血管および同種のものなどの一般的な疾患クラスが挙げられる。理論に拘泥するわけではないが、プロテインキナーゼ酵素に調節されることが知られているか、そう考えられている疾患の具体的な例として、移植拒絶反応、変形性関節症、関節リウマチ、多発性硬化症、糖尿病、糖尿病性網膜症、喘息、クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、腎臓病悪液質、敗血症性ショック、ループス、糖尿病(diabetes mellitus)、重症筋無力症、乾癬、皮膚炎、湿疹、脂漏、アルツハイマー病、パーキンソン病、化学療法中の幹細胞保護作用、自家または同種骨髄移植のためのエキソビボでの選択またはエキソビボでのパージング、白血病(以下に限定されるものではないが、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病および急性リンパ性白血病)、癌(以下に限定されるものではないが、乳房癌、肺癌、結腸直腸癌、卵巣癌、前立腺癌、腎癌、扁平上皮癌、グリオブラストーマ、メラノーマ、膵臓癌およびカポジ肉腫)、眼疾患、角膜疾患、緑内障、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、心疾患、脳卒中、肥満症、子宮内膜症、アテローム性動脈硬化症、静脈グラフト狭窄、人工血管吻合部周囲の狭窄、前立腺肥大症、慢性閉塞性肺疾患、組織修復による神経障害の抑制、瘢痕組織形成、創傷治癒、肺疾患、新生物、黄斑変性が挙げられる。
本開示の化学物質は、以下に限定されるものではないが、グリオブラストーマ、卵巣癌、乳房癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、メラノーマ、結腸直腸癌、結腸癌、消化管癌、肺癌、腎細胞癌、甲状腺癌、リンパ系癌、前立腺癌および膵臓癌、進行性腫瘍、毛様細胞性白血病、メラノーマ、慢性骨髄性白血病、進行頭頸部癌、扁平上皮癌、転移性腎細胞癌、非ホジキンリンパ腫、転移性乳癌、乳腺癌、進行メラノーマ、膵癌、胃癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、腎細胞癌、種々の充実性腫瘍、多発性骨髄腫、転移性前立腺癌、悪性神経膠腫、腎癌、リンパ腫、難治性の転移性疾患、難治性の多発性骨髄腫、子宮頸癌、カポジ肉腫、再発性未分化神経膠腫および転移性結腸癌などの癌の処置に特に有用である。
本開示の化学物質により処置することができる癌として、より詳細には、心臓関連:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、奇形腫;肺関連:気管支原性癌(扁平上皮、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;胃腸関連:食道(扁平上皮癌(carcinoma)、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、カルポシ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);泌尿生殖器関連:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍(Wilm’s tumor)[腎芽腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(uretha)(扁平上皮癌(carcinoma)、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫);肝臓関係:ヘパトーマ(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;骨関係:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫(histocytoma)、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫症)、良性軟骨種(chrodroma)、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液性線維腫、類骨骨腫および巨細胞腫;神経系関連:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形神経膠芽腫、乏突起膠腫、シュワン腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄、神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科関連:子宮(子宮内膜癌)、頸部(子宮頸癌(carcinoma)、前腫瘍子宮頸部異形成)、卵巣(卵巣癌(carcinoma)[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞性癌]、顆粒膜−莢膜細胞(granulose−thecal cell)腫、セルトリ−ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌(carcinoma)、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、メラノーマ)膣(明細胞癌、扁平上皮癌(carcinoma)、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管癌);血液関係:血液(骨髄性白血病(急性および慢性]、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキン(non−Hodgkins’s)リンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚関係:悪性メラノーマ、基底細胞癌、扁平上皮癌(carcinoma)、カルポシ肉腫、黒子型異形成母斑、脂肪腫、アンギオーマ、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;および副腎関係:神経芽細胞腫があるが、これに限定されるものではない。
さらに、本開示の化学物質は、結節性硬化症複合体の処置にも有用である。
また、本開示の化学物質は、以下に限定されるものではないが、関節リウマチ、変形性関節症、子宮内膜症、アテローム性動脈硬化症、静脈グラフト狭窄、人工血管吻合部周囲の狭窄、前立腺肥大症、慢性閉塞性肺疾患、乾癬、組織修復による神経障害の抑制、瘢痕組織形成、創傷治癒、多発性硬化症、炎症性腸疾患、感染症(特に、細菌感染症、ウイルス感染症、レトロウイルス感染症または寄生虫感染症(アポトーシスの増加による))、肺疾患、新生物、パーキンソン病、移植拒絶反応(免疫抑制薬として)、黄斑変性および敗血症性ショックなど、他の症候(炎症性疾患など)の処置にも有用な場合がある。
さらに、本開示の化学物質は、以下に限定されるものではないが、AKTプロテインキナーゼ、チロシンキナーゼ、さらにセリン/トレオニンキナーゼおよび/または二重特異性キナーゼの調整または制御が関与する疾患の処置にも有用である。
ある実施形態では、医薬組成物は、本開示の少なくとも1種の化学物質および併用療法を行うのに適切な少なくとも1種の他の治療薬を含んでもよい。さらに、本開示の化学物質は、既知の治療薬および抗癌剤との併用にも有用である。当業者であれば、薬剤の個々の特性および対象となる癌に基づき、どの薬の併用が有用であるか見分けることができるであろう。現在、多くの化学療法薬が当該技術分野において公知である。そうした抗癌剤として、エストロゲン受容体調節因子、細胞分裂阻害剤/細胞傷害性薬物、抗増殖剤、細胞周期チェックポイント阻害剤、血管形成阻害剤、モノクローナル抗体の標的治療薬、チロシンキナーゼ阻害剤、セリン−トレオニンキナーゼ阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、熱ショックタンパク阻害剤およびファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤があるが、これに限定されるものではない。さらに、本開示の化学物質は、放射線療法との併用にも有用である。
細胞分裂阻害剤/細胞傷害性薬物、抗増殖剤および細胞周期チェックポイント阻害剤の例として、セルテネフ、カケクチン、イホスファミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、プレドニムスチン、ジブロモズルシトール、ラニムスチン、ホテムスチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロミド、ヘプタプラチン、エストラムスチン、トシル酸インプロスルファン、トロホスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デキシホスフアミド、シス−アミンジクロロ(2−メチルピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルホスフアミド、GPXlOO、(トランス,トランス,トランス)−ビス−mu−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−mu[ジ−アミン−白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロリド、ジアリジジニルスペルミン、三酸化ヒ素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾクビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3’−デアミノ−3’−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシ−カルミノマイシン、アンナマイシン、ガラルビシン、エリオアフィド、MENI0755および4−デメトボキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニル−ダウノルビシンがあるが、これに限定されるものではない
低酸素で活性化する化合物の例として、チラパザミンがある。
プロテオソーム阻害剤の例として、ラクタシスチンおよびMLN−341(ベルケイド)があるが、これに限定されるものではない。
微小管重合阻害剤/微小管安定化剤の例として、パクリタキセル、硫酸ビンデシン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−8’−ノルビンカロイコブラスチン、ドセタキソール、リゾキシン、ドラスタチン、ミボブリンイセチオナート、アウリスタチン、セマドチン、RPRI09881、BMS184476、ビンフルニンおよびBMS188797が挙げられる。
トポイソメラーゼ阻害剤の一部の例として、トポテカン、ビカプタミン、イリノテカン、ロビテカン、6−エトキシプロピオニル−3’,4’−O−exo−ベンジリデン−カルトロイシンが挙げられる。
細胞分裂進行に関与する「キナーゼの阻害剤」として、オーロラキナーゼ阻害剤、ポロ様キナーゼ阻害剤(PLK(Polo−like kinase);特にPLK−1阻害剤)、bub−1阻害剤およびbub−R1阻害があるが、これに限定されるものではない。
「抗増殖剤」として、G3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231およびINX3001などのアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドおよびアンチセンスDNAオリゴヌクレオチドと、エノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン。トリメトレキサート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクホスファート、ホステアビンナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド、エミテフール、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビンなどの代謝拮抗剤とが挙げられる。
モノクローナル抗体の標的治療薬の例として、癌細胞特異的または標的細胞特異的なモノクローナル抗体に結合した細胞傷害性薬物または放射性同位元素を含む治療薬がある。そうした例は、多くの参考文献で確認することができ(Krause and Van Etten,2005 New Eng.J.Med.353,172184)、以下に限定されるものではないが、ベキサール(Bexxar)、トラスツズマブ(ハーセプチン(HERCEPTIN、登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(アービタックス、登録商標))、ABX−EGF、2C4、ベバシズマブ(AVASTIN(アバスチン、登録商標))、ボルテゾミブ(ベルケイド(VELCADE、登録商標))、リツキシマブ(リツキサン(RITUXAN、登録商標))が挙げられる。
チロシン阻害剤の具体的な例の一部は、多くの参考文献で確認することができ(Krause and Van Etten,2005 New Eng.J.Med.353,172184;Brown and Small 2004 Eur.J.Cancer 40,707−721;Fabian et al.2005 Nat.Biotech.23,329−336)、イマチニブ(グリベック(GLEEVEC、登録商標)、STI571)、ゲフィトニブ(イレッサ(IRESSA、登録商標))、BMS−354825、PKC412、PD0173074、SU5402、MLN−518、CEP−701、SU5416、エルロチニブ(タルセバ(TARCEVA、登録商標))、CI−1033、CT2923、スニチニブ(スーテント(SUTENT、登録商標)、SU11248)、GW−2016、EKB−569、ZD−6474、バタラニブ(PTK−787)、AMN107、ZD6474、CHIR−258、OSI−930、AZD0530、AEE788がある。
セリン/トレオニンキナーゼ阻害剤の具体的な例の一部は、多くの参考文献で確認することができ(Jackman et al.2004 Drug Disc Today:Ther.Strategies 1,445−454;Fabian et al.2005 Nat.Biotech.23,329−336;Pearson and Fabbro 2004,Expert Rev.Anticancer Ther.4,1113−1124)、LY−333531、ソラフェニブ(BAY−43−9006)、ロスコビチン(CYC202)、CI−1040、ZM447439、CCI−779、RAD0001、UNC01、VX680、AP23573があるが、これに限定されるものではない。
熱ショックタンパク阻害剤の例として、17−AAGおよび17−DMAGがあるが、これに限定されるものではない。
ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の例として、MS−275、AN−9、アピシジン誘導体、Baceca、CBHA、CHAP、クラミドシン、CS−00028、CS−055、EHT−0205、FK−228、FR−135313、G2M−777、HDAC−42、LBH−589、MGCD−0103、NSC−3852、PXD−101、ピロキサミド、SAHA誘導体、スベルアニロヒドロキサム酸、タセジナリン、VX−563およびゼブラリンがあるが、これに限定されるものではない。
ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤の例として、ロナファーニブがあるが、これに限定されるものではない。
本開示のある実施形態は、被検体の疾患を処置する方法であって、そうした処置を必要としている被検体に本開示の少なくとも1種の化学物質を治療有効量で投与するステップを含む、方法を対象とする。いくつかの実施形態では、プロテインキナーゼなどの少なくとも1種のATP利用酵素により疾患を調節することができる。ある種の疾患については、1種または複数種のATP利用酵素により調節することもできる。そのような場合、疾患または障害の処置は、1種または複数種のATP利用酵素の活性を阻害する本開示の少なくとも1種の化学物質、または各々が少なくとも1種類のATP利用酵素を阻害する、本開示の複数の化合物を治療有効量で投与することを含んでもよい。
本開示の他の実施形態は、たとえば、プロテインキナーゼなど、少なくとも1種のATP利用酵素を阻害する方法に関する。ある実施形態では、本開示の少なくとも1種の化学物質または本開示の少なくとも1種の化学物質を含む組成物を被検体に投与する方法によりATP利用酵素を阻害することができる。
ある実施形態では、本開示は、AKT−1キナーゼアッセイ(実施例6)のように、少なくとも1種のATP利用酵素と本開示の少なくとも1種の化学物質とを接触させることでATP利用酵素の活性を阻害する方法に関する。ATP利用酵素には、ATP基質からリン酸基を転移させることで生体分子のリン酸化を触媒するホスホトランスフェラーゼ酵素がある。ATP利用酵素として、たとえば、シンテターゼ、リガーゼおよびキナーゼが挙げられる。本開示のある種の方法は、たとえば、プロテインキナーゼ酵素のAKT1およびPIM1キナーゼなど、プロテインキナーゼ酵素の阻害に有用である。本開示のある種の方法は、AKT1の阻害に有用である。
本開示のいくつかの方法を用いて、哺乳動物などの生体に存在するATP利用酵素;細胞、細胞培養液またはその抽出物、哺乳動物から採取した生検材料またはその抽出物および血液、唾液、糞便、精液、涙液もしくは他の体液またはこれらの抽出物などの生物学的サンプルに含まれるATP利用酵素;試薬内に含まれるか、物理的支持体に結合したATP利用酵素を阻害することができる。ある実施形態では、ATP利用酵素は、疾患または障害を調節することができるが、他の実施形態では、ATP利用酵素は、疾患または障害を調節できない。
本開示の方法によれば、少なくとも1種のATP利用酵素を、本開示の少なくとも1種の化学物質と接触させることで阻害することができる。インビボでは、本開示の少なくとも1種の化学物質を含む組成物を用いて各経路から投与することでATP利用酵素を阻害することができる。インビトロ系では、ATP利用酵素と本開示の少なくとも1種の化学物質との接触には、たとえば、複数の液体試薬またはある試薬と、固体支持体に結合したATP利用酵素および/または本開示化合物とを組み合わせることを含めてもよい。ATP利用酵素および本開示の化合物を、アフィニティークロマトグラフィーカラム、マイクロアレイ、マイクロ流体デバイス、アッセイプレートなどの任意の適切な装置、または生化学的解析、アッセイ、スクリーニングおよび実施例6などの同種のものの実施に用いる他の適切な化学機器もしくはバイテクノロジー機器において接触させても構わない。
ある実施形態では、本開示の医薬組成物を、経口、非経口、噴霧吸入、局所、直腸内、経鼻、口腔内、経膣、埋め込まれたリザーバーまたは任意の他の適切な経路により投与することができる。本開示の医薬組成物は、1種または複数種の薬学的に許容されるビヒクルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、製剤のpHを薬学的に許容される酸、塩基または緩衝剤で調整して、製剤化された化合物または送達形態の安定性を高めてもよい。本明細書で使用する場合、非経口という語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、皮内、動脈内、滑膜内(interasynovial)、胸骨内、髄膜内(interathecal)、病巣内および頭蓋内注射または注入技法を含む。
ある実施形態では、本明細書に開示する化合物を経口送達してもよい。経口投与に好適な投与量範囲は、化合物の効力により異なっても構わないが、通常、体重1キログラム当たり化合物0.1mg〜20mgになることが多い。適切な投与量は、25〜500mg/日の範囲であってもよく、投与する化合物の用量を、被検体の血漿中で化合物が等モル量になるように調整してもよい。投与量範囲は、当業者に公知の方法で容易に判定することができる。
組成物の投与量については、単回投与、反復投与、持続放出もしくは持続的な制御放出または任意の他の適切な放出間隔および/または放出速度で送達することができる。
哺乳動物の治療に使用する前に、所望の治療活性または予防活性について本開示の化学物質をインビトロおよびインビボでアッセイしてもよい。たとえば、インビトロアッセイを用いて、本開示の個々の化合物またはそうした化合物の組み合わせが、ある種のATP利用酵素の活性阻害または少なくとも1つの疾患の処置に有効であるかどうかを判定することができる。また、動物モデル系を用いて本開示の化学物質が有効かつ安全であることを示してもよい。ある実施形態では、本開示の少なくとも1種の化学物質は、治療有効用量で大きな毒性を引き起こすことなく治療効果を発揮することができる。本開示の化学物質の毒性については、当業者であれば標準的な製剤手順を用いて判定が可能であり、容易に確認することができる。毒性作用と治療効果の用量比が治療係数である。本開示の化学物質は、疾患および障害を処置する際に高い治療係数を示すことができる。本開示の化合物の投与量については、循環血中濃度が有効用量を含む範囲内にあれば、ほとんどあるいはまったく毒性がない可能性がある。
本開示の化学物質を医薬品として用いる場合、医薬組成物の形態で投与してもよい。そうした組成物については、医薬品技術分野でよく知られたやり方で調製して、本開示の少なくとも1種の化学物質を含ませることができる。
本開示の医薬組成物は、本開示の少なくとも1種の化学物質および少なくとも1種の薬学的に許容されるビヒクルを治療有効量で含んでもよい。本開示の医薬組成物は、1種または複数種の本開示の化学物質の治療の効力を高める少なくとも追加の化合物をさらに含んでもよい。たとえば、そうした化合物は、化合物の血漿中濃度を効果的に上昇させることで本開示の化学物質の治療の効力を高めることができる。理論に拘泥するわけではないが、ある種の化合物は、投与前または血漿への輸送過程または血漿中の輸送過程で本開示の化学物質の分解を抑制することができる。ある種の化合物は、胃腸管における化合物の吸収を増加させることで血漿中濃度を上昇させることができる。また、本開示の医薬組成物は、疾患または障害の処置に一般に投与される治療薬をさらに含んでもよい。
ある実施形態では、医薬組成物は、本開示の少なくとも1種の化学物質および併用療法の実施に適切な少なくとも1種の他の治療薬を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、本開示の化学物質および組成物を経口経路で投与してもよい。組成物については、医薬品技術分野でよく知られたやり方で調製して、本開示の少なくとも1種の化学物質を含ませることができる。いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、治療有効量の本開示の少なくとも1種の化学物質に加えて治療有効量の少なくとも1種の他の治療薬および好適な量の少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含み、被検体への投与に適切な形態になるよう精製された形をとってもよい
本開示の一部の実施形態は、薬学的に許容される賦形剤を添加した1種または複数種の本開示の化学物質を活性成分として含む組成物を対象とする。本開示のある種の組成物を製造する場合、活性成分を賦形剤と混合したり、賦形剤で希釈したり、カプセル、サッシェ、ペーパーまたは他の容器の形をとることがあるキャリアに封入したりしても構わない。賦形剤が希釈薬として機能する場合、賦形剤は、活性成分のビヒクル、キャリアまたは媒体として働くのであれば、固形材料、半固体材料または液体材料であってもよい。したがって、たとえば、組成物は、たとえば、軟および硬ゼラチンカプセルを用いて、1重量%〜90重量%の少なくとも1種の本開示の化学物質を含む錠剤、ピル、粉末、ロゼンジ、サッシェ、カシェ、エリキシル剤、懸濁液、エマルジョン、溶液およびシロップなどの形をとってもよい。
組成物を調製する際、適切な粒度を得るため他の成分と組み合わせる前に活性化合物の粉砕が必要な場合もある。活性化合物が不溶性である場合、活性構成成分を通常、粒度200メッシュ未満まで粉砕することが多い。活性化合物が水溶性である場合、粉砕して製剤が一様に分布するように粒度を、たとえば、40メッシュなどに調製してもよい。
好適な賦形剤の例として、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、ゴムアカシア、リン酸カルシウム、アルギナート、トラガント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、修飾シクロデキストリン、セルロース、水、シロップおよびメチルセルロースがあるが、これに限定されるものではない。組成物によっては、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱油などの潤滑剤、湿潤剤、乳化および懸濁化剤、安息香酸メチルおよびプロピルヒドロキシベンゾアートなどの保存薬、甘味剤ならびに着香剤をさらに含んでもよい。当該技術分野において公知の手順を用いて、被検体への投与後に活性成分が迅速放出、持続放出または遅延放出されるように本開示の組成物を製剤化することもできる。
本開示の組成物の一部を、各剤形が、たとえば、活性成分を0.1mg〜2g含む単位剤形に製剤化してもよい。本明細書で使用する場合、「単位剤形」とは、単位投与量としてヒト被験者および他の哺乳動物に好適な物理的に分離した単位をいい、各単位は、好適な医薬品賦形剤、希釈液、キャリアおよび/またはアジュバントとともに所望の治療効果を発揮するように計算された所定の量で活性材料を含む。ある実施形態では、本開示の組成物を複数の剤形で製剤化してもよい。他の材料および治療薬と組み合わせて単一の剤形で本開示の組成物を製造してもよい本開示の化学物質の量は、投与対象および投与の個々のモードによって異なる。
疾患の処置の際は、本開示の化学物質を治療有効量で投与することができる。しかしながら、投与する化合物の量については、処置する症候、選択された投与経路、投与する実際の化合物、個々の被検体の年齢、体重および反応、被検体症状の重症度および同種のものなど、関連する状況に照らして医師が決定することになることは言うまでもない。
錠剤など固形組成物の調製の場合、主要活性成分を医薬品賦形剤と混合して本開示の化合物の均一な混合物を含む固形の予備処方組成物を生成してもよい。こうした予備処方組成物を均一という場合、均一とは活性成分が組成物全体に一様に分散しているため、組成物を錠剤、ピルおよびカプセルなど、効果が均一な単位剤形に容易に分割することができる。その後、固形予備処方を、たとえば、治療上有効な本開示の化合物0.1mg〜2gを含む上述のタイプの単位剤形に分割してもよい。
本開示のある種の組成物を含む錠剤またはピルについては、コーティングまたは他の方法で配合して作用の長期化という利点を与える剤形を得てもよい。たとえば、錠剤またはピルは、内側投与量成分と外側投与量成分(後者は前者を覆うエンベロープの形をとる)を含んでもよい。この2つの成分を、胃での崩壊から守り、内側成分を無傷で十二指腸に到達させるか、放出を遅延させる働きをする腸溶層で分離してもよい。かかる腸溶層またはコーティングには種々の材料を用いることができ、そうした材料として、多くのポリマー酸と、セラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースなどの材料とポリマー酸との混合物とが挙げられる。
経口投与または注射のために本開示の組成物を加えてもよい液体形態として、水溶液好適な風味を付けたシロップ、水性または油懸濁液、および綿実油、ゴマ油、ヤシ油またはピーナッツ油などの食用油で風味付けしたエマルジョン、さらにはエリキシル剤および類似の薬学的ビヒクルが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される誘導体またはプロドラッグ」とは、被投与者への投与時に、本開示の化合物または阻害活性代謝産物もしくはその残留物を直接あるいは間接に与えることができる、本開示の化合物の任意の薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩または他の誘導体をいう。そうした誘導体またはプロドラッグの例として、かかる化合物を哺乳動物に投与した際に、たとえば、親種と比べて、経口投与した化合物を血液に吸収しやすくして本開示の化学物質のバイオアベイラビリティを高めるか、あるいは、たとえば、脳またはリンパ系などの生体コンパートメントへの親化合物の送達を促進させる誘導体またはプロドラッグが挙げられる。
ある実施形態では、許容される製剤材料は、使用する投与量および濃度で被投与者に対して無毒性であってもよい。
ある実施形態では、本開示の医薬組成物は、たとえば、組成物のpH、重量オスモル濃度、粘度、透明度、色、等張性、匂い、無菌性、安定性、溶解もしくは放出速度、吸収性または浸透性を変更、維持または保存するための製剤材料を含んでもよい。ある実施形態では、好適な製剤材料には、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリジンなどのアミノ酸;抗菌物質;アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素ナトリウムなどの酸化防止剤;ホウ酸、炭酸水素塩、トリス−HCl、シトラート、ホスファートまたは他の有機酸などの緩衝剤;マンニトールまたはグリシンなどの充填剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA:ethylenediamine tetraacetic acid)などのキレート化剤;カフェイン、ポリビニルピロリドン、βシクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンまたはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンなどの錯化剤;増量剤;単糖類;二糖類;およびグルコース、マンノースまたはデキストリンなどの他の炭水化物;血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンなどのタンパク質;着色剤、矯味矯臭剤および希釈剤;乳化剤;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;低分子量ポリペプチド;ナトリウムなどの塩形成対イオン;塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸または過酸化水素などの保存剤;グリセリン、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどの溶媒;マンニトールまたはソルビトールなどの糖アルコール;懸濁化剤;プルロニック、PEG(polyethylene glycol)、ソルビタンエステル、ポリソルベート(ポリソルベート20、ポリソルベート80など)、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサパールなどの界面活性物質または湿潤剤;スクロースまたはソルビトールなどの安定性向上剤;アルカリ金属ハリド(塩化ナトリウムまたは塩化カリウム)、マンニトール、ソルビトールなどの張度改良剤;送達ビヒクル;希釈薬;賦形剤および/または薬学的アジュバント(Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,A.R.Gennaro,ed.,Mack Publishing Company(1990))があるが、これに限定されるものではない。
ある実施形態では、最適な医薬組成物を、たとえば、予定の投与経路、送達形式、望ましい投与量に応じて当業者が判定してもよい。たとえば、上掲のRemington’s Pharmaceutical Sciencesを参照されたい。ある実施形態では、そうした組成物は、本開示の抗体の物理的状態、安定性、インビボでの放出速度およびインビボでのクリアランス速度に影響を与える場合がある。
ある実施形態では、医薬組成物の主要なビヒクルまたはキャリアの性質は、水系でも、非水系でもよい。たとえば、ある実施形態では、好適なビヒクルまたはキャリアは、注射用蒸留水、生理食塩水溶液または人工脳脊髄液であってもよく、非経口投与用の組成物に多く用いられる他の材料を補充する場合もある。ある実施形態では、さらなる例示的なビヒクルとして、中性の緩衝生理食塩水または血清アルブミンと混合した生理食塩水が挙げられる。ある実施形態では、医薬組成物は、トリス緩衝液(pH7〜8.5)または酢酸緩衝液(pH4〜5.5)を含み、これら緩衝液は、ソルビトールまたはその好適な代替物をさらに含んでも構わない。ある実施形態では、緩衝剤を用いて組成物を生理的pHまたはやや低めの低級pHに維持し、一般にはpH5〜8の範囲とする。
ある実施形態では、本開示の医薬組成物を非経口送達用に選択してもよい。他の実施形態では、組成物を吸入用または経口など消化管を介した送達用に選択してもよい。そうした薬学的に許容される組成物の調製については、当該技術分野の技術の範囲内である。
ある実施形態では、組成物成分は、投与部位に許容可能な濃度で存在すればよい。ある実施形態では、非経口投与を企図する場合、治療用組成物は、薬学的に許容されるビヒクルにおいて追加の治療薬を使用してあるいは使用せずに、本開示の少なくとも1種の化学物質を含む、パイロジェンフリーで非経口投与してもよい水溶液の形をとってもよい。他の実施形態では、非経口注射用のビヒクルは、少なくとも1種の他の治療薬を使用してあるいは使用せずに、本開示の少なくとも1種の化学物質を無菌等張液として製剤化する、適切に保存された無菌の蒸留水であってもよい。なお他の実施形態では、医薬組成物については、本開示の化合物を制御放出または持続放出することができ、その後デポー注射により送達してもよい注射用ミクロスフェア、生体内分解性粒子、高分子化合物(ポリ酢酸またはポリグリコール酸)、ビーズまたはリポソームなどの薬と本開示の少なくとも1種の化学物質をカプセル化してもよい。ある実施形態では、埋め込み型の薬物送達装置を用いて本開示の化合物を標的器官内の被検体の血漿または被検体の体内の特定部位に導入してもよい。
ある実施形態では、医薬組成物を吸入用に製剤化してもよい。ある実施形態では、少なくとも1種の他の治療薬を使用してあるいは使用せずに、本開示の化合物を吸入用の乾燥粉末として製剤化してもよい。ある実施形態では、少なくとも1種の他の治療薬を使用してあるいは使用せずに、本開示の化合物を含む吸入溶液をエアロゾル送達用の噴射剤と一緒に製剤化してもよい。他の実施形態では、溶液を噴霧してもよい。なお他の実施形態では、本開示の化学物質の溶液、粉末または乾燥膜を経肺送達用にエアロゾル化しても気化しても構わない。
ある実施形態では、製剤を経口投与できることを意図している。ある実施形態では、経口投与することができる少なくとも1種の他の治療薬を使用してあるいは使用せずに、本開示の化合物を、錠剤およびカプセルなどの固形剤形の調製に通例使用されるキャリアを場合によっては使用して製剤化してもよい。他の実施形態では、カプセルを、バイオアベイラビリティが最大になり、体循環前の分解が最小限にとどまる胃腸管の領域に製剤の活性部分を放出するように設計してもよい。なお他の実施形態では、少なくとも1種の追加薬を製剤に含めて、本開示の化合物および/または任意の追加の治療薬の体循環への吸収を促進することができる。ある実施形態では、希釈薬、矯味矯臭剤、低融点ワックス、植物油、潤滑剤、懸濁化剤、錠剤崩壊剤および結合剤を用いてもよい。
ある実施形態では、本開示の医薬組成物は、錠剤の製造に好適な少なくとも1種の薬学的に許容されるビヒクルとの混合物において少なくとも1種の他の治療薬を使用してあるいは使用せずに本開示の化学物質を有効量で含んでもよい。ある実施形態では、錠剤を滅菌水または他の適切なビヒクルに溶解して、溶液を単位用量形態で調製することができる。ある実施形態では、好適な賦形剤として、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムもしくは炭酸水素ナトリウム、ラクトースまたはリン酸カルシウムなどの不活性希釈剤;またはデンプン、ゼラチンまたはアカシアなどの結合剤;およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの潤滑剤が挙げられる。
ある実施形態では、投薬頻度には、使用する医薬組成物における本開示の化学物質および/または任意の追加治療薬の薬物動態パラメータを考慮に入れる。ある実施形態では、臨床医は、所望の効果を達成する投与量に到達するまで組成物を投与してもよい。組成物については、単回投与または反復投与(治療作用のある化合物タイムを同じ量で含むこともあれば、そうでない場合もある)で、あるいは、埋め込み装置またはカテーテルによる連続注入で投与してもよい。当業者であれば、投与量の適切性を日常的にさらに向上させることができる。たとえば、適切な用量反応データを用いて治療有効量およびレジメンを決定してもよい。
ある実施形態では、医薬組成物の投与経路は、たとえば、経口、注射(静脈内、腹腔内、脳内(実質内)、脳室内、筋肉内、眼内、動脈内、門脈内または病巣内経路による);持続放出系または埋め込み装置などの既知の方法のとおりであってもよい。ある実施形態では、組成物を、ボーラス注射または連続注入または埋め込み装置で投与してもよい。
ある実施形態では、本開示の所望の化合物を吸収あるいは封入した膜、スポンジまたは他の適切な材料を移植して組成物を局所投与してもよい。ある実施形態では、埋め込み装置を用いる場合、装置を任意の好適な組織または器官に埋め込み、拡散、徐放性ボーラスまたは連続投与により所望の分子を送達してもよい。
ある実施形態では、少なくとも1種の他の治療薬を使用してあるいは使用せずに、エキソビボで本開示の化合物を含む医薬組成物を用いることが望ましい場合がある。たとえば、被検体から採取した細胞、組織および/または器官を、少なくとも1種の他の治療薬を使用してあるいは使用せずに本開示の化合物を含む医薬組成物に曝露し、その後、細胞、組織および/または器官を被検体に再移植する。
本開示による医薬組成物は、経口、口腔内、非経口、経鼻、局所または直腸による投与に好適な形をとってもよいし、吸入または吹送による投与に好適な形をとってもよい。
本開示の組成物については、必要に応じて、活性成分を含有する1種または複数種の単位剤形を含ませることができるパックまたはディスペンサー装置で提供してもよい。パックまたはディスペンサー装置には、投与説明書を添付してもよい。
個々の症候の処置に必要な本開示の化合物の量は、化合物および処置する被検体の症候によって異なる場合がある。一般に、1日の投与量は、経口または口腔内投与では、たとえば、0.01mg/kg〜40mg/kg体重など、100ng/kg〜100mg/kg;非経口投与では、たとえば、0.001mg/kg〜20mg/kg体重など、10ng/kg〜50mg/kg体重;および鼻腔内投与または吸入または吹送による投与では0.05mg〜1,000mgにわたる場合がある。
本開示のある種の化学物質および/または本開示の組成物を持続放出系として投与してもよい。ある実施形態では、本開示の化学物質を経口による持続放出投与で送達してもよい。この実施形態では、本開示の化学物質を、たとえば、1日2回および1日1回投与すればよい。
本開示の化学物質については、多くの異なる剤形で実施することができ、経口投与時に化合物を持続および/または徐放性放出するように剤形を適合しても構わない。持続および/または徐放性放出の剤形の例として、溶解または拡散放出の組成物および/または構造を含むビーズ、経口持続放出ポンプ、腸溶性調製物、化合物放出性脂質マトリックス、化合物放出性ワックス、浸透圧性送達系、生分解性ポリマーマトリックス、拡散性ポリマーマトリックス、複数の徐放性ペレットおよび浸透圧性剤形があるが、これに限定されるものではない。
使用する経口持続放出剤形の個々の形態にかかわらず、長時間にわたりその剤形から本開示の化合物および組成物を放出してもよい。ある実施形態では、経口持続放出剤形は、少なくとも数時間にわたり本開示の化合物を治療有効量で与えることができる。ある実施形態では、徐放性放出剤形は、被検体血漿における本開示の化合物の治療有効濃度を少なくとも数時間など長時間にわたり一定にすることができる。他の実施形態では、経口持続放出剤形は、被検体血漿における本開示の化合物の治療有効量の濃度を制御し一定にすることができる。
本開示の組成物および化学物質を含む剤形については、たとえば、1日2回または1日1回など、一定の間隔で投与することができる。
経口投与の例示的な投与量範囲は、本開示の化合物の効力にもよるが、体重1キログラム当たり化合物0.1mg〜20mgの幅があってもよい。投与量範囲は、当業者に公知の方法で容易に判定することができる。
また、包装された医薬製剤も提供する。こうした包装された製剤は、本開示の少なくとも1種の化学物質を含む医薬組成物および哺乳動物(一般にヒト患者)を処置する組成物の使用説明書を含む。いくつかの実施形態では、説明書は、ヒトプロテインキナーゼ、たとえば、AKT1およびPIM1キナーゼなど阻害少なくとも1種のATP利用酵素に反応する疾患の患者を処置する医薬組成物の使用に関する説明書である。さらに、たとえば、患者または医療提供者に対して、あるいは、包装された医薬製剤のラベルとして処方情報も提供する。処方情報は、たとえば、医薬製剤に関する有効性、投与量および投与、禁忌および有害作用の情報を含んでもよい。
本開示の化学物質については、被験者に用いる前にインビトロおよびインビボでアッセイして、治療活性または予防活性の判定および最適化を行ってもよい。たとえば、インビトロアッセイを用いて、本開示の個々の化合物またはその化合物の組み合わせの投与が治療効力を示すかどうか判定することができる。また、本開示の化学物質の有効性および安全性を、動物モデル系を用いて証明することもできる。
本開示の化合物は、治療有効用量で大きな毒性を引き起こすことなく治療効果を発揮することができることが望ましい。本開示の化学物質の毒性については、当業者であれば標準的な製剤手順を用いて判定が可能であり、容易に確認することができる。毒性作用と治療効果の用量比が治療係数である。ある実施形態では、本開示の化学物質は、疾患および障害を処置する際に特に高い治療係数を示すことができる。ある実施形態では、本開示の化合物の投与量については、循環血中濃度が治療効力を示す範囲内にあれば、毒性が限られているか、まったく毒性がない可能性がある。
実施例
本開示の実施形態については、以下の実施例を参照すればさらに明らかになるであろう。実施例には、本開示の化学物質の調製および本開示の化学物質を用いるアッセイが詳細に記載してある。本開示の範囲から逸脱することなく材料に対しても方法に対しても多くの変形例を実施することができることが当業者には明らかになるであろう。略語は、定義していない場合、一般に受け入れられている意味を持つ。
(実施例1)
(S)−N,N−ジメチルピペリジン−2−カルボキサミドヒドロクロリド
Figure 2010500998
アセトニトリル(50mL)に溶かした(S)−(−)−1−Boc−2−ピペリジンカルボン酸(750mg、3.2mmol)と、BOP試薬(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート)(2.16g、4.9mmol)と、ジメチルアミンヒドロクロリド(399mg、4.9mmol)との撹拌した懸濁液にトリエチルアミン(0.9mL、6.5mmol)を加えた この反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで真空中で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル(150mL)に溶解し、飽和硫酸水素カリウム(150mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(150mL)およびブライン(150mL)で洗浄した。この有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過してから真空中で濃縮した。得られた残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(2:1)で溶出するシリカゲル(10g)を用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製して(S)−tert−ブチル−2−(ジメトキシカルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(700mg)を透明な粘性の油として得た。
(S)−tert−ブチル−2−(ジメトキシカルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(700mg、2.73mmol)を酢酸エチル(10mL)に溶かした溶液に、ジエチルエーテル(10mL)に溶かした2ΝのHClを加えた。この反応混合物を室温で12時間撹拌させ、その後、この反応混合物から表題化合物をガムとして沈殿させた。上清をデカントし、その残渣をジエチルエーテルで粉砕(2×50mL)して表題化合物を白色の固体として得た。これと、同様に調製して得られた他のアミンヒドロクロリドとを後続の反応で直接使用した。
(実施例2)
(S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)ピペリジン−2−カルボキサミドヒドロクロリド 101
Figure 2010500998
乾燥クロロホルム(200mL)に溶かした1−アミノ−3,3−ジエトキシプロパン(13.1g、88.8mmol)と9−フルオレニルメトキシカルボニルイソチオシアナート(25.0g、88.8mmol)との混合物を室温で2時間撹拌し、その後、TLC(thin−layer chromatography)解析(4:1ヘキサン/酢酸エチル)を行ったところ反応が完了していることが示された。この反応物を真空中で濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル(400mL)に懸濁してからピペリジン(13.2mL、133.0mmol)を加えた。室温で15時間撹拌した後、この反応物を真空中で濃縮した。得られた残渣を、シリカゲル(800mL)を用いたクロマトグラフィーに供し、ヘキサン/酢酸エチル(3:1〜0:100)を移動相とする濃度勾配で溶出した。所望の生成物を含む画分をすべて合わせて真空中で濃縮し、1−(3,3−ジエトキシプロピル)チオ尿素(17.6g)を粘性のオレンジ油(放置するとゆっくりと結晶化した)として得た。
Figure 2010500998
Figure 2010500998
1−(3,3−ジエトキシプロピル)チオ尿素(15.5g、75.1mmol)とジイソプロピルエチルアミン(26.2mL、150.5mmol)の混合物を、2−ブロモ−1−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)エタノン(20.0g、75.1mmol)を加えたジオキサン(500mL)で調製した。この反応混合物を80℃で1時間撹拌し、その後、TLC解析(1:1ヘキサンs/酢酸エチル)を行ったところ反応が完了していることが示された。この溶媒を真空中で除去し、残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解して飽和水性炭酸水素ナトリウム(100mL)および飽和水性塩化ナトリウム(100mL)で洗浄した。この有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過してから真空中で濃縮して茶−黄褐色の固体を得た。この残渣を熱いアセトニトリル(150mL)に溶解し、所望の生成物を淡褐色の固体として結晶化した。この結晶を冷やしたアセトニトリルで洗浄し、N−(3,3−ジエトキシプロピル)−4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−アミン(14.1g)を淡褐色の結晶性固体(mp:melting point 92〜3℃)として得た。
Figure 2010500998
Figure 2010500998
Figure 2010500998
20mLのガラス製マイクロ波反応チューブにN−(3,3−ジエトキシプロピル)−4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−アミン(2.0g、5.3mmol)、クロロホルム(7mL)、ジイソプロピルエチルアミン(5.0mL)およびチオフェン−2−カルボニルクロリド(2.0mL、18.7mmol)を充填した。この反応物を140℃で1600秒間加熱した。同じ反応を合計7回行い、全体で出発アミン14gを処理した。合わせた粗反応混合物を飽和水性硫酸水素カリウム(200mL)、飽和水性炭酸水素ナトリウム(200mL)および飽和水性塩化ナトリウム(200mL)で洗浄した。この有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過してから真空中で濃縮して粗生成物を褐色油として得た。その残渣を、シリカゲル(600mL)を用いたクロマトグラフィーに供し、ヘキサン/酢酸エチル(5:95〜20:80)を移動相とする濃度勾配で溶出して粘着性の黄色の半固体を得た。得られた材料をジエチルエーテル(200mL)で粉砕してN−(3,3−ジエトキシプロピル)−N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド(15g)をクリーム色の固体(mp100〜1℃)として得た。
Figure 2010500998
Figure 2010500998
0℃でジオキサン(70mL)に溶かしたN−(3,3−ジエトキシプロピル)−N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド(8.0g)の混合物を、ジエチルエーテル(2M、70mL)に溶かしたHClで処置した。室温で1.5時間撹拌した後、得られた懸濁液を飽和水性炭酸水素ナトリウム(300mL)で慎重にクエンチし、生成物をジエチルエーテルで抽出(2×150mL)した。合わせた有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過してから真空中で濃縮した。得られた固体をジエチルエーテル(100mL)で粉砕してN−(3−オキソプロピル)−N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド(12.6g)をクリーム色の固体として得た。
Figure 2010500998
Figure 2010500998
1,2−ジクロロエタン(ジクロルエタン)(90mL)に溶かしたN−(3−オキソプロピル)−N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド(6.0g、14.6mmol)と氷酢酸(30mL)の混合物を室温で撹拌した。すぐに反応槽に、1,2−ジクロロエタン(ジクロルエタン)(90mL)に溶かした(S)−ピペリジン−2−カルボキサミド(1.8g、15.8mmol)および氷酢酸(30mL)を充填した。10分撹拌してから、このアミン溶液にナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(4.6g、22.0mmol)を加えた。次いでこのアミン溶液を、アルデヒド基質を含むフラスコに直接加えて、室温で10分間撹拌した。この反応混合物を水(100mL)でクエンチし、飽和水性硫酸水素カリウム(150mL)、飽和水性炭酸水素ナトリウム(150mL)で洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過してから真空中で濃縮して淡黄色の残渣を得た。この粗材料を、ジクロロメタン(100%)、酢酸エチル(100%)、最後にメタノール/酢酸エチル(5:95)を移動相とする濃度勾配で溶出する、シリカゲル(600mL)を用いたクロマトグラフィーで精製した。所望の生成物を含む画分をすべて合わせて、真空中で濃縮し白色の固体を得た。この遊離アミンを、ジエチルエーテル(2M、40mL)に溶かしたHClを加えたジクロロメタン(30mL)に溶解すると、直ちに沈殿物が形成された。30分後、上清を得られた固体からデカントし、その残渣をジエチルエーテル(200mL)で粉砕した。この固体を集めて一晩真空乾燥させた。得られた固体をアセトニトリル/水(50mL、1:1v/v)の混合物に溶解し、凍結乾燥すると(S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)ピペリジン−2−カルボキサミドヒドロクロリド101(5.8g)が凍結乾燥物として得られた。
Figure 2010500998
Figure 2010500998
(実施例3)
1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)ピロリジン−2−カルボキサミド 102
Figure 2010500998
クロロホルム(100mL)に溶かした3−アミノ−1−プロパノール(1.67mL、22mmol)溶液を4Åのモレキュラーシーブ(3g)で72時間処理し、濾過して、濾液にFMOC−イソチオシアナート(6.18g、22mmol)を加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。得られた残渣をEtOAc(100mL)に溶解し、ピペリジン(3.27mL、33mmol)を加えた。この反応混合物を周囲温度で30分間維持してから、形成された沈殿物を濾過し、EtOAcで洗浄してから真空乾燥させて1−(3−ヒドロキシプロピル)チオ尿素(2.42g)を白色の固体として得た。
Figure 2010500998
2−ブロモ−1−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)エタン−1−オン(795mg、2.99mmol)と上記で調製したチオ尿素の混合物(400mg、2.99mmol)を乾燥ジオキサン(8mL)に溶解した。この反応混合物を80℃で2時間加熱し、室温まで冷却してから真空中で濃縮した。形成された沈殿物を濾過し、ジオキサンで洗浄してクロロホルム(50mL)に溶解した。この混合物を5%水性NaCOおよびブラインで洗浄し、MGSO上で乾燥させ、真空蒸発させた。得られた残渣をエーテル/ヘキサン(1:5)の混合物から結晶化して3−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イルアミノ)プロパン−1−オール(681mg)をオフホワイトの固体として得た。
Figure 2010500998
上記で調製したアミノチアゾール(671mg、2.23mmol)とN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(1.1mL、4.46mmol)の混合物を乾燥クロロホルム(30mL)に溶解した。この混合物を圧力容器で80℃にて30分間加熱し、室温まで冷却した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.55mL、8.92mmol)を加え、続いて2−チオフェンカルボニルクロリド(572μL、5.36mmol)を加えた。この反応混合物に電子レンジで30分間照射(最大出力250W、120℃)し、周囲温度まで冷却した。得られた溶液を水で洗浄(30mL×2)し、真空中で濃縮した。得られた残渣をDMSO(2mL)に溶解して、HPLCによる精製(YMC−Pack ODS−A C−18カラム(30mm×100mm);流量=45mL/分;注入量=2mL;移動相A:100%水、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA:trifluoroacetic acid);移動相B:100%アセトニトリル、0.1%TFA;B0%からB90%までの90分グラジエント溶出)に供しN−(3−ヒドロキシプロピル)−N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド(565mg)をオフホワイトの固体として得た。
Figure 2010500998
上記で調製したアルコール(230mg、0.56mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(293μL、1.68mmol)の混合物をジクロロメタン(25mL)に溶解し、0℃まで冷却してから、メタンスルホニルクロリド(130μL、1.68mmol)を加えた。反応混合物の温度を周囲温度まで昇温し、撹拌をさらに2時間継続した。この反応混合物を水で洗浄(30mL×2)し、トルエンで蒸発(20mL×2)させた。得られた油を追加精製せずに粗製で次のステップで用いた。
窒素気流下のグローブボックス内でD,L−プロリンアミドヒドロクロリド(3mg、0.02mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(7μL、0.04mmol)の混合物をΝMP(200μL)に溶解し、続いて上記調製の粗メシラートを溶かしたΝMP(100μL)の溶液(10mg、0.2mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩維持し、得られた溶液をHPLC(フェノメックス(Phenomenex)社製Synergi 4μm Max−RPカラム(10mm×50mm);流量=6mL/分;注入量=100μL;移動相A:100%水、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA);移動相B:100%アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA);B5%からB100%までの6分グラジエント溶出)で精製して1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)ピロリジン−2−カルボキサミド 102(0.4mg)を薄膜として得た。LC/MS(ESI)m/z 508.3[M+H]。HPLC保持時間(方法B)=2.80分。
(実施例4)
化合物のキャラクタリゼーション
以下の分析用HPLCおよびMS(mass spectrometry)条件を用いて本開示の化学物質のキャラクタリゼーションを行った。アジレント(Agilent)社製HP1100 HPLCシステムに連結した大気圧化学イオン化単一四重極質量分析計(パーキンエルマーサイエックス(Perkin−Elmer Sciex)社製API−150MCA)を用いてMSイオンを検出した。
方法A:Symmetry C8(2)分析カラム(4.6mm×100mm);流量=2.0mL/分;注入量=30μL;移動相A:100%水、0.1%TFA;移動相B:100%アセトニトリル、0.1%TFA;B5%からB95%まで10.0分間のグラジエント溶出を行いB95%で4.3分間維持してから0.01分間でB5%に戻し、その後1.67分間B5%で平衡化した。
方法B:フェノメックス社製Chromolith SpeedRod RP−18e C18分析カラム(4.6mm×50mm);流量=1.5mL/分;注入量=15〜20μL;移動相A:100%水、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA);移動相B:100%アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA);B5%からB100%までの4.2分間のグラジエント溶出を行い、B100%で1分間維持してから、0.8分間B5%に平衡化した。
(実施例5)
表1および表2に示す化合物を、適切な出発材料を用いて実施例に例示した一般的な手順で調製した。
Figure 2010500998
Figure 2010500998
Figure 2010500998
Figure 2010500998
(実施例6)
AKT−1キナーゼアッセイ
本発明に記載する化合物の活性を以下のキナーゼアッセイで判定してもよい。このアッセイは、市販されているIMAPキットを用いて蛍光偏光から、全長ヒト組換え活性AKT−1による蛍光標識ペプチドのリン酸化を測定する。
アッセイ材料を、モレキュラーデバイス(Molecular Devices,サニーベール,カリフォルニア州)社製IMAP AKTアッセイバルクキット(IMAP AKT Assay Bulk Kit、製品#R8059)から入手する。このキット材料は、IMAP反応緩衝液(Reaction Buffer)(5倍)を含んでいる。1倍希釈したIMAP反応緩衝液には、10mMのトリス−HCl(pH7.2)、10mMのMgCl2、0.1%BSA、0.05%NaNを含ませる。一般に、使用直前に最終濃度1mMにDTT(dithiothreitol)を加える。さらに、キット材料にはIMAP結合緩衝液(Binding Buffer)(5倍)およびIMAP結合試薬(Binding Reagent)も含まれている。結合溶液を、IMAP結合試薬を1倍IMAP結合緩衝液で1:400に希釈して調製する。
フルオレセイン標識AKT基質(Crosstide)は、配列(Fl)−GRPRTSSFAEGを持っている。原液20μMを1倍IMAP反応緩衝液で調製する。
各プレートにはCostar3657(ポリプロピン製で白いv底の382ウェル)があり、これを用いて化合物の希釈および化合物とATPの混合物の調製を行う。このアッセイプレートは、Packard ProxyPlate(商標)−384Fである。
PDK1およびMAPキナーゼ2で活性化されている全長ヒト組換えAKT−1からAKT−1を調製する。
アッセイを行うため、DMSOで化合物の原液を10mMに調製する。この原液および対照化合物をDMSO(10μLの化合物+10μLのDMSO)で1:2に9回連続希釈して所望の用量範囲の50倍希釈液シリーズを得る。次に、DMSOに溶かした化合物のアリコート2.1μLを、1mMのDTTを含む1倍IMAP反応緩衝液に溶かした50μLの10.4μM ATPを含むCostar3657プレートに移す。よく混合した後、2.5μLのアリコートをProxyPlate(商標)−384Fプレートに移す。
200nMの蛍光標識ペプチド基質および4nMのAKT−1を含む溶液のアリコート2.5μLを添加してアッセイを開始する。プレートを1000gで1分間遠心し、周囲温度で60分間インキュベートする。次いでこの反応物を、15μLの結合溶液を加えてクエンチし、再び遠心して、周囲温度でさらに30分間インキュベートしてから、蛍光偏光を測定するように構成されたVictor1420 Multilabel HTS Counterで読み取る。
本明細書に開示する本開示の明細書および実施を検討すれば、当業者には本開示の他の実施形態が明らかになるであろう。本明細書および例は例示にとどまるものと見なし、本開示の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示されるものとする。

Claims (30)

  1. 以下の式Iの化合物であって:
    Figure 2010500998
    式中
    は、任意に5〜7員シクロヘテロアルキル環にO、SおよびNから選択される1または2個のヘテロ原子をさらに含む前記環であり、前記環は、基Rでさらに置換され;
    は、フェニルおよび置換フェニルから選択され;
    Qは、チエニルおよび置換チエニルから選択され;
    Aは、1,3−プロピレンおよび1,4−ブチレンから選択され;
    は、−C(O)NRであり、RおよびRは独立に、水素、ヒドロキシ、ヒドロキシエチル、低級アルキルおよび低級アルコキシから選択される、
    化合物
    ならびにその薬学的に許容される塩、キレート、非共有結合複合体および混合物。
  2. 以下の構造を持つ、請求項1に記載の化合物:
    Figure 2010500998
  3. 以下の構造を持つ、請求項1に記載の化合物:
    Figure 2010500998
  4. は、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、ピペラジンおよびモルホリンから選択され、その各々が基Rでさらに置換されている、請求項1に記載の化合物。
  5. は、基Rでさらに置換されているピペリジンから選択される、請求項4に記載の化合物。
  6. は、水素である、請求項1に記載の化合物。
  7. は、水素、ヒドロキシ、ヒドロキシエチルおよび低級アルキルから選択される、請求項1に記載の化合物。
  8. は、水素、ヒドロキシ、ヒドロキシエチルおよびメチルから選択される、請求項7に記載の化合物。
  9. は、フェニルである、請求項1に記載の化合物。
  10. Qは、チエニルである、請求項1に記載の化合物。
  11. Aは、1,3−プロピレンである、請求項1に記載の化合物。
  12. 前記化合物は、少なくとも1種のATP利用酵素の阻害剤である、請求項1に記載の化合物。
  13. 前記少なくとも1種のATP利用酵素は、ヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項12に記載の化合物。
  14. 前記ヒトプロテインキナーゼは、AKT1およびPIM1キナーゼから選択される、請求項13に記載の化合物。
  15. 前記ヒトプロテインキナーゼは、AKT1である、請求項13に記載の化合物。
  16. 式Iの前記化合物は、
    (S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)ピペリジン−2−カルボキサミド;
    (S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)−N−ヒドロキシピペリジン−2−カルボキサミド;
    1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)ピペリジン−2−カルボキサミド;
    (S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)−N−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−2−カルボキサミド;
    (S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)−N−メチルピペリジン−2−カルボキサミド;
    (S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)ピロリジン−2−カルボキサミド;
    (S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)−N,N−ジメチルピペリジン−2−カルボキサミド;
    1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)ピロリジン−2−カルボキサミド;
    (S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)−N−メチルピロリジン−2−カルボキサミド;および
    (S)−1−(3−(N−(4−(3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)チアゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミド)プロピル)−N−tert−ブトキシピペリジン−2−カルボキサミド
    から選択される、請求項1に記載の少なくとも1種の化学物質。
  17. 少なくとも1種の薬学的に許容されるビヒクルおよび治療有効量の請求項1に記載の少なくとも1種の化合物を含む、医薬組成物。
  18. 併用療法を行うのに適切な少なくとも1種の他の治療薬をさらに含む、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. 併用療法を行うのに適切な前記少なくとも1種の他の治療薬は、エストロゲン受容体調節因子、細胞分裂阻害剤/細胞傷害性薬物、抗増殖剤、細胞周期チェックポイント阻害剤、血管形成阻害剤、モノクローナル抗体の標的治療薬、チロシンキナーゼ阻害剤、セリン−トレオニンキナーゼ阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、熱ショックタンパク阻害剤およびファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤から選択される、請求項18に記載の医薬組成物。
  20. 処置を必要としている患者の癌を処置する方法であって、請求項1に記載の少なくとも1種の化合物を前記患者に治療有効量で投与することを含み、前記癌は、グリオブラストーマ、卵巣癌、乳房癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、メラノーマ、結腸直腸癌、結腸癌、消化管癌、肺癌、甲状腺癌、リンパ系癌、前立腺癌、進行性腫瘍、毛様細胞性白血病、メラノーマ、慢性骨髄性白血病、進行頭頸部癌、扁平上皮癌、転移性腎細胞癌、非ホジキンリンパ腫、転移性乳癌、乳腺癌、進行メラノーマ、膵癌、胃癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、腎細胞癌、多発性骨髄腫、転移性前立腺癌、悪性神経膠腫、腎癌、リンパ腫難治性の転移性疾患、難治性の多発性骨髄腫、子宮頸癌、カポジ肉腫、再発性未分化神経膠腫または転移性結腸癌である、方法。
  21. 併用療法を行うのに適切な少なくとも1種の他の治療薬を投与することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  22. 併用療法を行うのに適切な前記少なくとも1種の他の治療薬は、エストロゲン受容体調節因子、細胞分裂阻害剤/細胞傷害性薬物、抗増殖剤、細胞周期チェックポイント阻害剤、血管形成阻害剤、モノクローナル抗体の標的治療薬、チロシンキナーゼ阻害剤、セリン−トレオニンキナーゼ阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、熱ショックタンパク阻害剤およびファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤から選択される、請求項21に記載の方法。
  23. 被検体において少なくとも1種のATP利用酵素を阻害する方法であって、請求項1に記載の少なくとも1種の化合物を前記被検体に投与することを含む、方法。
  24. 前記少なくとも1種のATP利用酵素は、ヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記ヒトプロテインキナーゼは、AKT1およびPIM1キナーゼから選択される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ヒトプロテインキナーゼは、AKT1である、請求項24に記載の方法。
  27. 請求項17に記載の医薬組成物および哺乳動物を処置する前記組成物の使用説明書を含む、包装された医薬製剤。
  28. 前記説明書は、少なくとも1種のATP利用酵素の阻害に反応する疾患の患者を処置する前記医薬組成物の使用説明書である、請求項27に記載の包装された医薬製剤。
  29. 癌を処置する薬物の製造における請求項1に記載の少なくとも1種の化合物の使用。
  30. 癌は、グリオブラストーマ、卵巣癌、乳房癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、メラノーマ、結腸直腸癌、結腸癌、消化管癌、肺癌、甲状腺癌、リンパ系癌、前立腺癌、進行性腫瘍、毛様細胞性白血病、メラノーマ、慢性骨髄性白血病、進行頭頸部癌、扁平上皮癌、転移性腎細胞癌、非ホジキンリンパ腫、転移性乳癌、乳腺癌、進行メラノーマ、膵癌、胃癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、腎細胞癌、多発性骨髄腫、転移性前立腺癌、悪性神経膠腫、腎癌、リンパ腫難治性の転移性疾患、難治性の多発性骨髄腫、子宮頸癌、カポジ肉腫、再発性未分化神経膠腫または転移性結腸癌である、請求項29に記載の使用。
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