JP2009261493A - 超音波診断方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波探触子で被検体を押圧した前後の受信信号(反射エコー)から、断層像に、生体組織の硬さをカラーで合成して表示する、いわゆる超音波エラストグラフィ法による超音波診断装置において、硬さを正確に診断できるようにする。
【解決手段】関心領域ROI1とは別途に、硬さの基準となる非関心領域ROI2を筋肉などの一定の硬さの領域に設定し、関心領域ROI1内の各画素における押圧の前後の歪み情報と、基準となる非関心領域ROI2での歪み情報との相対比を求め、その相対比に対応したカラー表示を行う。したがって、実際に注視すべき関心領域ROI1に硬さの基準となる生体組織を含めなくてもよく、関心領域ROI1が不必要に大きくならず、少ないデータ量を分析するだけで組織歪み像を得ることができ、さらに相対比であることで、操作者や診断部位等によって関心領域の設定がばらついても、硬さを正確に診断できる。
【選択図】図2
【解決手段】関心領域ROI1とは別途に、硬さの基準となる非関心領域ROI2を筋肉などの一定の硬さの領域に設定し、関心領域ROI1内の各画素における押圧の前後の歪み情報と、基準となる非関心領域ROI2での歪み情報との相対比を求め、その相対比に対応したカラー表示を行う。したがって、実際に注視すべき関心領域ROI1に硬さの基準となる生体組織を含めなくてもよく、関心領域ROI1が不必要に大きくならず、少ないデータ量を分析するだけで組織歪み像を得ることができ、さらに相対比であることで、操作者や診断部位等によって関心領域の設定がばらついても、硬さを正確に診断できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、撮影対象内に超音波を入射し、反射波から前記撮影対象の2次元断層画像を撮影する、いわゆる超音波エコーと称される超音波診断方法および装置に関し、特に被検体を超音波探触子で押圧しつつ超音波を送受信し、組織弾性像を得て生体組織の硬さを定量的に計測する、いわゆる超音波エラストグラフィ法によるものに関する。
超音波診断装置は、体表、或いは経食道、経膣、経鼻、経腸等から生体内の軟組織の断層像を無侵襲に得る医療用画像機器である。この超音波診断装置は、他の医療用画像機器に比べ、小型で安価、X線などの被爆がなく安全性が高い、ドップラー効果を応用して血流イメージングが可能等の特長を有し、心臓、冠動脈等の循環器系、胃腸等の消化器系、肝臓、膵臓、腎臓、脾臓、胆嚢等内科系、前立腺、膀胱等の泌尿器系、および産婦人科系などで広く利用されている。
このような超音波診断装置においては、生体情報の取得に利用する技術として、体内に超音波を放射して音響インピーダンスが異なる組織境界での反射エコーを輝度変調して2次元断層像を得る超音波断層像(Bモード)方式、反射エコー信号の強度を輝度変調して走査位置に応じて表示するAモード方式、時間による反射点の変化を画像として表示するMモード方式、血流の前記ドップラー効果を利用して血流速を計測するドップラー血流計測等がある。
一方、高調波信号を用いたハーモニックイメージング診断は、従来のBモード診断では得られない鮮明な診断像が得られることから、標準的な診断モダリティとなりつつある。超音波が生体内の組織で反射すると、基本周波数の整数倍に相当する高調波成分(ハーモニック成分)が生じることが知られている。そこで、このハーモニック成分だけを抽出して画像化することで(この画像化はハーモニックイメージングと呼ばれる)、基本波に比べてサイドローブレベルが小さいことから、S/Nが良く、コントラストおよび分解能が良くなること、周波数が高くなることによってビーム幅が細くなり、横方向分解能が良くなること、近距離では音圧が小さく、音圧の変動が少ないので、多重反射が起こらないこと、焦点以遠の減衰は基本波並みであり、高調波の周波数を基本波とする超音波に比べて深速度を大きく取れること等の多くの効果を得ることができる。
そのような1枚1枚の断層画像の画質向上に加え、心臓や血管等の循環器系およびその他の動きのある臓器の場合、当該臓器を構成する生体組織の動きを断層像にして観察し、当該臓器の機能をリアルタイムに診断することが行われている。これは、X線装置の場合には、長時間の観察は放射線の被爆量が増大するので、経時的にも非侵襲な超音波診断装置の大きなメリットである。
そのような動きの観察において、組織形状だけではなく、組織の硬さ情報、すなわち弾性特性を画像化して診断に利用する分野がある。これは、組織の弾性特性が病理状態と深く関係しており、たとえば乳癌や甲状腺癌などの硬化性癌、ならびに肝硬変や動脈硬化症などは、正常組織よりも病変部分が硬くなることが知られており、医療従事者による触診のみではなく、定量的に硬さ情報を得ることで、診断の精度を向上させることができるからである。
前記の弾性特性の計測方法としては、体表から静的な圧力を加えて組織をわずかに圧縮変形させ(超音波探触子を体表から1〜2mm沈み込ませる程度)、その圧力を加えた前後の断層画像における対応点の移動(ずれ)量から組織内部の歪みを計測し、歪みから弾性特性を評価する超音波エラストグラフィと呼ばれる手法が用いられている。すなわち、同じ圧力を加えても、硬い組織では生じる歪みが小さく、軟らかい組織では歪みが大きいことを利用している。このような超音波エラストグラフィ法は、生体疾患の良悪性診断においては、簡便かつ極めて有用であるが、現時点ではその画像取得に手技依存があり、個人差のない評価の標準化が求められている。
具体的には、現在臨床にて使用されているエラストグラフィは、相対的歪み分布であり、設定したROI(Region of Interest:関心領域)の中での歪みの平均を緑、それよりも硬いものを青、柔らかいものを赤と表示したものである。したがって、ROIを病変部をぎりぎりに囲むように設定すると、実際には硬い組織であっても、そのROI内での歪みの平均である緑に表示の可能性が高まる。これに対して、病変部と、その周囲との硬さの差を正確に検出するためには、ROIを充分広くして、該ROIにその周囲の正常組織を含めておく必要がある。しかしながら、それでは病変組織を標的にして絞り込み、観察診断するには、診断視野の制約が発生するので、非常に不便であった。
ここで、特許文献1には、一旦設定したROI中の組織歪み像の中心座標または重心座標に、ROIの中心座標または重心座標が一致するように、ROIを適宜拡大または縮小させながら移動させてゆくことで、ROIを生体の動きに追従させるという方法が提案されている。
特開2007−125152号公報
特許文献1の手法では、ROIは適切な大きさに維持されているが、硬さのレベルとしては、従来と同様にそのROIの中での相対比較であり、正確な診断に達することが困難である。また、特許文献1の手法では、全画面を分析してROIを決定しているので、得られた多量のデータを分析するために時間がかかるという問題もある。
本発明の目的は、分析すべきデータ量が不必要に大きくならずに、関心領域(ROI)中の組織の硬さのレベルを正確に診断することができる超音波診断方法および装置を提供することである。
本発明の超音波診断方法は、被検体を押圧し、その押圧の前後で超音波を送受信し、その受信信号(反射エコー)に基づいて断層像を再構成するとともに、前記押圧の前後の受信信号から、前記被検体に関する歪み情報を取得し、その歪み情報を前記断層像に付加した画像を作成する超音波診断方法において、前記超音波の受信範囲内で、注視すべき関心領域および前記関心領域に重ならない比較参照用の非関心領域を設定する工程と、設定された前記関心領域および非関心領域において、前記歪み情報を取得する工程と、取得された前記非関心領域における歪み情報に予め定める演算を行って基準値を求める工程と、前記関心領域における歪み情報を前記基準値で除した値等の前記関心領域における歪み情報と前記基準値との間で予め定める演算を行った結果を前記断層像に付加する工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明の超音波診断装置は、被検体を押圧し、その押圧の前後で超音波の送受信を行う超音波探触子と、前記超音波探触子の受信信号(反射エコー)に基づいて断層像を再構成するとともに、前記押圧の前後の受信信号から、前記被検体に関する歪み情報を取得し、その歪み情報を前記断層像に付加した画像を作成する画像処理部と、前記画像処理部による作成画像を表示する表示部とを備える超音波診断装置において、前記表示部の表示画像上で、前記超音波探触子による超音波の受信範囲内で注視すべき関心領域および前記関心領域に重ならない比較参照用の非関心領域を設定する設定部とを備え、前記画像処理部は、前記設定部で設定された前記関心領域および非関心領域において、前記歪み情報を取得し、さらに、取得された前記非関心領域における歪み情報に予め定める演算を行って基準値を求める基準値設定部と、前記関心領域における歪み情報と前記基準値との間で予め定める演算を行った結果を前記断層像に付加する演算処理部とを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、超音波探触子で被検体を押圧し、その押圧の前後で前記超音波探触子から超音波を送受信し、その受信信号(反射エコー)に基づいて画像処理部が断層像を再構成するとともに、前記押圧の前後の受信信号から、前記被検体に関する歪み情報を取得し、その歪み情報を前記断層像に付加した画像を作成し、表示部に表示させる、いわゆる超音波エラストグラフィ法による超音波診断方法および装置において、前記表示部の表示画像上で、設定部が、前記超音波探触子の有効撮像領域内で、病変部分を含むと予想され、注視すべき関心領域および前記関心領域に重ならず、病変部分を含まないと予想され、比較参照用の非関心領域を設定し、前記画像処理部は、前記設定部で設定された前記関心領域および非関心領域において前記歪み情報を取得し、基準値設定部が、取得された前記非関心領域における歪み情報に、平均値を求めたり、相互に比較して最小値よりわずかに大きな値を求めたりする等の予め定める演算を行って基準値を求め、演算処理部が、前記基準値を前記関心領域における歪み情報で除した値等の前記関心領域における歪み情報と前記基準値との間で予め定める演算を行った結果を前記断層像に付加する。
したがって、関心領域(ROI)が不必要に大きくならず、このため少ないデータ量を分析するだけで、関心領域中の組織歪み像を得ることができるとともに、その得られた組織歪み像は、該関心領域中での歪み量の相対比較で得られるのではなく、比較の対象が該関心領域と離間した非関心領域における筋肉などの組織の歪み量との比較で得られるので、操作者や診断部位等によって該関心領域の設定にばらつきがあっても、硬さのレベルを正確に診断することができる。
さらにまた、本発明の超音波診断方法では、前記非関心領域は、筋肉の領域であることを特徴とする。
上記の構成によれば、本願発明者の経験的に、筋肉は、老若男女を問わず、硬さが一定しており、しかも骨のように硬すぎて基準とならなかったりするようなことはなく、柔らかい脂肪と、硬い腫瘍との間の硬さを有する。また、筋肉には、一般的に腫瘍が出来難い。
したがって、基準値としては好適である。
また、本発明の超音波診断方法では、前記基準値は、前記非関心領域における歪み情報を相互に比較することで得られる最小値よりわずかに大きな値であることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記のように筋肉の硬さは比較的一定しているけれども、最小値である骨を除外するために、その最小値よりわずかに大きな値を用いることで、前記非関心領域に含まれてしまった骨などを除外して基準値を設定することができる。
さらにまた、本発明の超音波診断装置では、前記設定部は、前記超音波探触子による超音波の受信範囲内で、前記関心領域に重ならない領域を、予め定める範囲毎に走査し、前記歪みの最も小さい領域よりわずかに大きな領域を前記非関心領域に設定することを特徴とする。
上記の構成によれば、演算量は増えるが、前記非関心領域を自動設定することができる。
本発明の超音波診断方法および装置は、以上のように、超音波探触子で被検体を押圧し、その押圧の前後で前記超音波探触子から超音波を送受信し、その受信信号(反射エコー)に基づいて画像処理部が断層像を再構成するとともに、前記押圧の前後の受信信号から、前記被検体に関する歪み情報を取得し、その歪み情報を前記断層像に付加した画像を作成し、表示部に表示させる、いわゆる超音波エラストグラフィ法による超音波診断方法および装置において、前記表示部の表示画像上で、設定部が、前記超音波探触子の有効撮像領域内で、病変部分を含むと予想され、注視すべき関心領域および前記関心領域に重ならず、病変部分を含まないと予想され、比較参照用の非関心領域を設定し、前記画像処理部は、前記設定部で設定された前記関心領域および非関心領域において前記歪み情報を取得し、基準値設定部が、取得された前記非関心領域における歪み情報に予め定める演算を行って基準値を求め、演算処理部が、前記関心領域における歪み情報と前記基準値との間で予め定める演算を行った結果を前記断層像に付加する。
それゆえ、関心領域(ROI)が不必要に大きくならず、このため少ないデータ量を分析するだけで、関心領域中の組織歪み像を得ることができるとともに、その得られた組織歪み像は、該関心領域中での歪み量の相対比較で得られるのではなく、比較の対象が該関心領域と離間した非関心領域における筋肉などの組織の歪み量との比較で得られるので、操作者や診断部位等によって該関心領域の設定にばらつきがあっても、硬さのレベルを正確に診断することができる。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の一形態に係る超音波診断装置1の電気的構成を示すブロック図である。この超音波診断装置1は、超音波探触子2、超音波送受信部(T/R)3、アナログ/デジタル変換部(ADC)4、画像処理部(DSP)5、中央演算処理部(CPU)6、入力操作部7、画像走査部(VDP)8、画像表示部(TV)9などを備えて構成される。この超音波診断装置1は、大略的に、被検体の生体組織を超音波探触子2で押圧し、その押圧前後で前記超音波探触子2から超音波を送受信し、その受信信号(反射エコー)に基づいて画像処理部5が断層像を再構成するとともに、前記押圧の前後の受信信号から、前記被検体に関する歪み情報を取得し、その歪み情報に基づく弾性像を前記断層像に付加した画像を作成し、表示部9に表示させる、いわゆる超音波エラストグラフィ法による超音波診断装置である。
図1は、本発明の実施の一形態に係る超音波診断装置1の電気的構成を示すブロック図である。この超音波診断装置1は、超音波探触子2、超音波送受信部(T/R)3、アナログ/デジタル変換部(ADC)4、画像処理部(DSP)5、中央演算処理部(CPU)6、入力操作部7、画像走査部(VDP)8、画像表示部(TV)9などを備えて構成される。この超音波診断装置1は、大略的に、被検体の生体組織を超音波探触子2で押圧し、その押圧前後で前記超音波探触子2から超音波を送受信し、その受信信号(反射エコー)に基づいて画像処理部5が断層像を再構成するとともに、前記押圧の前後の受信信号から、前記被検体に関する歪み情報を取得し、その歪み情報に基づく弾性像を前記断層像に付加した画像を作成し、表示部9に表示させる、いわゆる超音波エラストグラフィ法による超音波診断装置である。
前記歪み情報は、生体組織の硬さを示す情報(弾性値)であり、超音波探触子2で被検体の生体組織を少々押圧し(生体内方向を距離方向と定義し、この方向に1〜2mm程度)、押圧前後の生体組織内部の点の変位分布を空間微分して得られる変位(変形)量を、その生体組織の大きさで除した情報である。すなわち、押圧前後の画像の対応点を探索し、得られた対応点の変位(移動)量を前記対応点の大きさで除した値であり、生体組織が軟らかいと、測定される歪み量が大きく、該歪み情報は大きくなり、生体組織が硬いと、測定される歪み量が小さく、該歪み情報は小さくなる。
一方、前記弾性像とは、前記歪み情報の大きさを色調に変調して得られるものであり、前記断層像に硬さに応じた色が付加されたものである。たとえば、歪み量が大きい(軟らかい)組織を「赤」に変換し、歪み量が小さくなるにつれて、赤から橙、黄、黄緑、緑、青に変換し、最も歪み量が小さい(硬い)組織を「濃青」に変換する。
中央演算処理部6は、入力操作部7から入力された指示に従い、信号の制御や演算を行う。入力操作部7は、操作者が後述するROIの領域設定、数値の入力、歪み率の解析実行などの操作を行うものであり、キーボード、各種スイッチ、トラックボール、マウス等で構成される。また、中央演算処理部6は、演算等を行う工程で利用する記憶部(ROM、RAM、HDD等)や、超音波送受信部3が取得した画像情報を登録する記憶部(データベース)等も備えている。
上述のように構成される超音波診断装置1において、注目すべきは、本実施の形態では、前記入力操作部7から、画像走査部8を介して、医師や検査技師などの操作者によって、前記表示部9に表示される画像上で、図2で示す超音波探触子2の有効撮像領域9a内で、病変部分を含むと予想され、注視すべき関心領域ROI1と、前記関心領域ROI1に重ならず、病変部分を含まないと予想される比較参照用の非関心領域ROI2との2つの領域ROI1,ROI2が入力されることである。
前記有効撮像領域9aとしては、たとえば2cmの幅のリニア7MHzの超音波探触子2が使用される場合、この図2で示すように、たとえば前記距離方向(深さ方向)に9cm、方位方向(走査方向)に12cmの両方位共に充分な領域を有する。その中で、前記関心領域ROI1としては、たとえば乳癌の場合、4〜5mmが癌であるかどうかを詳しく検査すべき基準であるので、最小で0.5〜1cm、最大で成長した腫瘍の3cm程度に設定される。一方、前記非関心領域ROI2としては、後述するように筋肉と思われる部分を広く取込むために、0.5〜2cm程度に設定される。これらの領域ROI1,ROI2の形状等は、操作者が任意に指定することができる。
これに対応して、前記画像処理部5には、超音波送受信部3から送られる超音波信号を整相して、その受信信号強度を輝度に変換して前記断層像(Bモード像)を作成する断層画像作成部5a、前記超音波送受信部3から送られる超音波信号から、前記のようにして歪み情報を得る歪み演算部5b、および算出された歪み情報を色調変調した前記弾性像を作成し、前記断層画像に合成する色調変換部5cなどの前記超音波エラストグラフィ法による通常の超音波診断装置に設けられる構成とともに、設定部5d、基準値設定部5e、および演算処理部5fが設けられる。
前記設定部5dは、前記合成画像上にポインタ等を画像化するとともに、前記領域ROI1,ROI2を合成画像上に設定する。前記基準値設定部5eは、その設定された前記非関心領域ROI2内の各画素について、前記歪み演算部5bから歪み情報を取得し、取得した歪み情報に、平均値を求めたり、相互に比較して最小値よりわずかに大きな値を求めたりする等の予め定める演算を行って、前記生体組織の硬さの基準とすべき基準値THを求める。前記演算処理部5fは、前記基準値THを、前記関心領域ROI1における各画素の歪み情報Aで除した値等の前記関心領域ROI1における歪み情報Aと前記基準値THとの間で予め定める演算を行った結果Bを求める。たとえば、前記基準値THが筋肉の0.02とすれば、悪性腫瘍の場合で歪み情報Aは0.002となり、演算結果Bは10となる。
ここで、前記超音波エラストグラフィ法による通常の超音波診断装置では、前記歪み演算部5bで得られた前記歪み情報が色調変換部5cに入力されるが、それに代えて、本実施の形態で注目すべきは、前記演算処理部5fでの演算結果Bが入力されて前記弾性像が作成され、断層像に付加されることである。なお、断層像への弾性像の合成は、この画像処理部5内で行われてもよく、画像走査部8で行われてもよい。以上のような本実施の形態による超音波エラストグラフィ法による合成画像の作成手順を、図4で示す。
このように硬さの基準値THを、関心領域ROI1とは別の非関心領域ROI2から求め、該関心領域ROI1内に前記基準値THを求めるための生体組織を含めないようにすることで、該関心領域ROI1が不必要に大きくならず、このため少ないデータ量を分析するだけで、該関心領域ROI1中の組織歪み像を得ることができる。たとえば、関心領域ROIが1つで、その中での硬さの相対比が求められている従来の超音波診断装置では、前記有効撮像領域9aが15×15cmに対して、ROIは、乳癌検診で5×5cm、甲状腺癌検診で7×7cmの大面積である(ただし、前記の寸法は、有効撮像領域9aでの寸法であり、実際の表示部9の表示画面のサイズが、12インチであるのか、14インチであるのか等によって、実際に表示されるROIの大きさは異なる)。
また、本発明の超音波診断方法では、前記基準値THに、前記非関心領域ROI2における歪み情報を相互に比較することで得られる最小値よりわずかに大きな値を用いることで、前記非関心領域ROI2に含まれてしまった骨などを除外して基準値THを設定することができる。
さらにまた、本実施の形態では、得られた組織歪み像は、該関心領域ROI1中での歪み量の相対比較で得られるのではなく、比較の対象が該関心領域ROI1と離間した非関心領域ROI2における筋肉などの組織の歪み量との比較で得られるので、操作者や診断部位等によって該関心領域ROI1の設定にばらつきがあっても、硬さのレベルを正確に診断することができる。また、不適切な圧迫量や圧迫速度は、偽陰性の原因となり、診断の精度を低下させてしまうのに対して、本実施の形態のように2つの領域ROI1,ROI2の相対比較で硬さを求めることで、使用者はそのような不適切な操作を容易に認識することができ、適切な操作を行わせることができる。
一方、図3は、押圧力と各生体組織の歪みとの関係を示すグラフである。このグラフの生体組織の中では、水や粘液の入った嚢胞が最も柔らかく、脂肪細胞、筋肉、良性の腫瘍、各種悪性の腫瘍1,2の順で硬く、骨は硬すぎて、殆ど変形無しとなっている。ここで、前記超音波探触子2による前記のような広い探索範囲(=前記有効撮像領域9a)には、多くの場合、骨、筋肉、脂肪細胞等が映り込んでくる。たとえば、乳房の場合、肋骨、大胸筋、脂肪などである。
そこで、本願発明者は、これらの生体組織の内、疲労等で若干硬さが変ることもあるが、検診等の一定の条件下では、老若男女の差によってもあまり硬さが変化しないことが経験上得られており、しかも病変ができにくい筋肉に着目し、病変部分を含まないと予想される比較参照用の前記非関心領域ROI2を筋肉の領域、たとえば乳房の場合には変形が小さい大胸筋に設定し、上述のようにして求められる硬さの基準値THをこの筋肉の硬さに設定する。これによって、骨のように硬すぎて基準とならなかったりするようなことはなく、柔らかい脂肪と、硬い腫瘍との区別が可能になり、基準値THとしては好適である。
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の他の形態に係る超音波診断装置における機能を説明するための図である。本実施の形態には、上述の超音波診断装置1の構成を用いることができ、前記画像処理部5における設定部5dの機能が異なるだけである。すなわち、上述の実施形態では、前記非関心領域ROI2は操作者によって設定されたけれども(具体的には、断層像中でグレーのベタ領域を捜す)、本実施の形態では、該設定部5dが前記有効撮像領域9a上を掃引し、自動設定することである。具体的には、設定部5dは、前記有効撮像領域9aを、たとえば1×1cmの前記非関心領域ROI2に対応した大きさの領域に分割し、その内、前記関心領域ROI1に係らない部分で前記歪み演算部5bから歪み情報を取得し、図6で示すように、得られたデータを相互に比較し、骨の0.00を除く最小値の次位の値を、前記基準値設定部5eに基準値THとして設定させるとともに、その領域を非関心領域ROI2に設定する。前記1×1cmの所定の分割領域内での歪み情報は、該領域内の各画素の平均値から求められてもよく、最大値や最小値、或いは最も頻度が高い値が用いられてもよい。
図5は、本発明の実施の他の形態に係る超音波診断装置における機能を説明するための図である。本実施の形態には、上述の超音波診断装置1の構成を用いることができ、前記画像処理部5における設定部5dの機能が異なるだけである。すなわち、上述の実施形態では、前記非関心領域ROI2は操作者によって設定されたけれども(具体的には、断層像中でグレーのベタ領域を捜す)、本実施の形態では、該設定部5dが前記有効撮像領域9a上を掃引し、自動設定することである。具体的には、設定部5dは、前記有効撮像領域9aを、たとえば1×1cmの前記非関心領域ROI2に対応した大きさの領域に分割し、その内、前記関心領域ROI1に係らない部分で前記歪み演算部5bから歪み情報を取得し、図6で示すように、得られたデータを相互に比較し、骨の0.00を除く最小値の次位の値を、前記基準値設定部5eに基準値THとして設定させるとともに、その領域を非関心領域ROI2に設定する。前記1×1cmの所定の分割領域内での歪み情報は、該領域内の各画素の平均値から求められてもよく、最大値や最小値、或いは最も頻度が高い値が用いられてもよい。
図6では、各分割領域に、ROI−2の#1,#2,・・・#n,#(n+1),・・・,#Nというようなコード番号が指定され、前記歪み演算部5bから、各分割領域における歪み情報が順次読出され、前記コード番号に対応付けて記憶される。この処理が最後の分割領域#Nまで一巡すると、前記骨の0.00に、最小値の0.01が除外され、次の値0.02が前記基準値THに設定され、またその値の分割領域#(n+1)が非関心領域ROI2に設定される。なお、歪み情報が同じ値の分割領域が複数存在する場合には、その同じ値の分割領域が最も多く集合している部分の中央の領域を前記非関心領域ROI2に設定することが好ましい。
このように構成することで、設定部5dでの演算量は増加するが、前記非関心領域ROI2に、歪みの再現性の良い部位を自動的に判別して設定することができる。また、前記基準値THに、最小値よりわずかに大きな値を用いることで、骨などを除外して該基準値THを設定することができる。
また、設定部5dが非関心領域ROI2を完全に自動設定してしまうのではなく、たとえば図6の例で、前記歪み情報が0.02の値の分割領域#(n+1)が、前記基準値THとして、カラー表示の枠(たとえば、黄色)で表示され、その画面を見て、操作者が、骨などが入り交じっている領域などで好ましくないと判断して却下(N判断)すると、次の該当領域がカラー枠表示され、確定(Y判断)されるまで順次繰返すというような、半自動で設定するようにしてもよい。
このように構成することで、操作者は、前記基準値THとして各自が納得できる値を設定して得られた硬さ情報に関する弾性像を得ることができ、柔軟性のある診断が可能になる。これは、生体組織の硬さにおいて、癌は正常組織と比べると硬いと言われるが、硬ければ硬い程、癌であるわけでもなく、石灰化は硬いが良性であることもあるので、一概に硬い程悪性とはならず、上記のように基準値THおよび非関心領域ROI2の設定に自由度を持たせることは好適である。また、病変組織の形状が、ぎざぎざした不定形であるのか等の他の情報も診断には有用で、前記関心領域ROI1中の形状認識および前記の硬さ情報に組合わせて診断を行うことで、診断の精度を一層向上することができる。
1 超音波診断装置
2 超音波探触子
3 超音波送受信部(T/R)
4 アナログ/デジタル変換部(ADC)
5 画像処理部(DSP)
5a 断層画像作成部
5b 歪み演算部
5c 色調変換部
5d 設定部
5e 基準値設定部
5f 演算処理部
6 中央演算処理部(CPU)
7 入力操作部
8 画像走査部(VDP)
9 画像表示部(TV)
9a 有効撮像領域
ROI1 関心領域
ROI2 非関心領域
2 超音波探触子
3 超音波送受信部(T/R)
4 アナログ/デジタル変換部(ADC)
5 画像処理部(DSP)
5a 断層画像作成部
5b 歪み演算部
5c 色調変換部
5d 設定部
5e 基準値設定部
5f 演算処理部
6 中央演算処理部(CPU)
7 入力操作部
8 画像走査部(VDP)
9 画像表示部(TV)
9a 有効撮像領域
ROI1 関心領域
ROI2 非関心領域
Claims (5)
- 被検体を押圧し、その押圧の前後で超音波を送受信し、その受信信号に基づいて断層像を再構成するとともに、前記押圧の前後の受信信号から、前記被検体に関する歪み情報を取得し、その歪み情報を前記断層像に付加した画像を作成する超音波診断方法において、
前記超音波の受信範囲内で、注視すべき関心領域および前記関心領域に重ならない比較参照用の非関心領域を設定する工程と、
設定された前記関心領域および非関心領域において、前記歪み情報を取得する工程と、
取得された前記非関心領域における歪み情報に予め定める演算を行って基準値を求める工程と、
前記関心領域における歪み情報と前記基準値との間で予め定める演算を行った結果を前記断層像に付加する工程とを含むことを特徴とする超音波診断方法。 - 前記非関心領域は、筋肉の領域であることを特徴とする請求項1記載の超音波診断方法。
- 前記基準値は、前記非関心領域における歪み情報を相互に比較することで得られる最小値よりわずかに大きな値であることを特徴とする請求項1記載の超音波診断方法。
- 被検体を押圧し、その押圧の前後で超音波の送受信を行う超音波探触子と、
前記超音波探触子の受信信号に基づいて断層像を再構成するとともに、前記押圧の前後の受信信号から、前記被検体に関する歪み情報を取得し、その歪み情報を前記断層像に付加した画像を作成する画像処理部と、
前記画像処理部による作成画像を表示する表示部と、
前記表示部の表示画像上で、前記超音波探触子による超音波の受信範囲内で、注視すべき関心領域および前記関心領域に重ならない比較参照用の非関心領域を設定する設定部とを備え、
前記画像処理部は、前記設定部で設定された前記関心領域および非関心領域において、前記歪み情報を取得し、さらに、取得された前記非関心領域における歪み情報に予め定める演算を行って基準値を求める基準値設定部と、前記関心領域における歪み情報と前記基準値との間で予め定める演算を行った結果を前記断層像に付加する演算処理部とを含むことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記設定部は、前記超音波探触子による超音波の受信範囲内で、前記関心領域に重ならない領域を、予め定める範囲毎に走査し、前記歪みの最も小さい領域よりわずかに大きな領域を前記非関心領域に設定することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008112254A JP2009261493A (ja) | 2008-04-23 | 2008-04-23 | 超音波診断方法および装置 |
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| Publication Number | Publication Date |
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| JP2009261493A true JP2009261493A (ja) | 2009-11-12 |
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|---|---|
| JP (1) | JP2009261493A (ja) |
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- 2008-04-23 JP JP2008112254A patent/JP2009261493A/ja active Pending
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