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JP2009011913A - 膜分離方法及び膜分離装置 - Google Patents

膜分離方法及び膜分離装置 Download PDF

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JP2009011913A
JP2009011913A JP2007175358A JP2007175358A JP2009011913A JP 2009011913 A JP2009011913 A JP 2009011913A JP 2007175358 A JP2007175358 A JP 2007175358A JP 2007175358 A JP2007175358 A JP 2007175358A JP 2009011913 A JP2009011913 A JP 2009011913A
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Takahisa Konishi
貴久 小西
Naoki Kurata
直記 倉田
Koji Maruyama
幸治 丸山
Yasuhiro Uda
康弘 宇田
Yuji Yamashiro
祐司 山代
Chiaki Harada
千秋 原田
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

【課題】生物由来の汚染による膜性能の低下を防止できる上、安全性が高い膜分離方法及び膜分離装置を提供する。
【解決手段】逆浸透膜を用いる膜分離方法において、供給液に式(1)
Figure 2009011913

(但し、R及びRは、炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐の同一又は異なるアルキレン基、R及びRは、水素原子、同一若しくは異なるハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基、Rは、炭素数2〜12の直鎖又は分岐のアルキレン基、Rは、炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はOSO基(Rは、低級アルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基))で表されるビス型第4級アンモニウム塩化合物を添加することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、逆浸透膜を用いて供給液を透過液と濃縮液とに分離する膜分離方法及び膜分離装置に関する。
膜による分離技術は、海水及びかん水の淡水化、医療用・工業用の純水・超純水の製造、工業廃水処理、食品工業など、幅広い分野に利用されている。これらの膜分離において、微生物による分離装置や分離膜自体の汚染は、得られる透過水の水質悪化に加え、膜面上での微生物の増殖、あるいは微生物及びその代謝物の膜面への付着などによって、膜の透過性や分離性能等の膜性能の低下をもたらす。このような重大な問題を回避するため、膜分離装置の抗菌方法や、洗浄方法が種々提案されている。一般的には、塩素系抗菌剤による抗菌方法(例えば、特許文献1)や、酸(例えば、特許文献2)、アルカリ等による洗浄方法、あるいは熱水による処理等が行われている。なかでも、価格、操作面で有利な塩素系抗菌剤を0.1〜50ppmの濃度になるように、常時、あるいは間欠的に供給液に添加する方法が最も一般的である。また、微生物由来の付着物や汚染物については、酸やアルカリにより洗浄することも行なわれている。
しかしながら、ポリアミドをスキン層として使用する複合逆浸透膜では、塩素系抗菌剤で処理すると、塩素系抗菌剤によりポリアミドが分解されるため、膜性能が低下するおそれがある。また、塩素系抗菌剤の場合、発がん性物質などの副生成物が生成するおそれがあるので、飲料水を生産する工程にそのまま適用するには多くの問題点を抱えている。
また、酸による洗浄については、配管等の腐食の原因となりうるため望ましくなく、アルカリによる洗浄についても、スキン層の加水分解による膜性能の低下や、環境への負荷が大きい上、スケール(無機塩系の堆積物)が発生し易くなる。さらに、酸やアルカリによる洗浄については、洗浄中に造水することができず、またこれらの洗浄剤の循環運転手段や、廃棄する際の中和を行なう洗浄設備が造水設備とは別途必要になるため、設備面やコストの観点からも望ましくない。
他方、細菌等に抗菌活性を発揮する第4級アンモニウム塩化合物は、古くから知られており、配管の腐食等の問題が生じないため、現在も抗菌剤として広く実用化されている。例えば、特許文献3には、抗菌活性を発揮する第4級アンモニウム塩について記載されている。しかしながら、このような化合物は、通常、生分解生成物の残留毒性が高い。また、通常の逆浸透膜では、第4級アンモニウム塩を少量でも含む供給液を通液すると、著しく透過液量が低下するため、実際の使用に関しては、その適用範囲に制限があった。
特開2006−204996号公報 国際公開WO 02/080671 A1 特開平6−321902号公報
本発明は、生物由来の汚染による膜性能の低下を防止できる上、安全性が高い膜分離方法及び膜分離装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、安全性が高い上、従来の第4級アンモニウム塩化合物より優れた抗菌効果を発現するビス型第4級アンモニウム塩化合物を抗菌剤として用いることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の膜分離方法は、逆浸透膜を用いて供給液を透過液と濃縮液とに分離する膜分離方法において、前記供給液に下記一般式(1)
Figure 2009011913
(但し、R及びRは、炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐の同一又は異なるアルキレン基であり、R及びRは、水素原子、同一若しくは異なるハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基であり、Rは、炭素数2〜12の直鎖又は分岐のアルキレン基であり、Rは、炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はOSO基(Rは、低級アルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基である)である)で表されるビス型第4級アンモニウム塩化合物を添加することを特徴とする。
本発明の膜分離方法では、優れた抗菌効果を発現する上記一般式(1)のビス型第4級アンモニウム塩化合物を用いるため、生物由来の汚染による膜性能の低下を防止できる。また、上記ビス型第4級アンモニウム塩化合物は、化合物自体の安全性が高い上、通常の第4級アンモニウム塩化合物よりも高い抗菌活性を有するため、使用量を低減できる。よって、安全性を向上させることができる。
本発明の膜分離方法において、生物由来の汚染をより確実に防止するには、上記一般式(1)において、R及びRが、ピリジン環の3位又は4位に結合しているメチレン基であり、R及びRが、水素原子であり、Rが、テトラメチレン基であり、Rが、オクチル基、デシル基又はドデシル基であり、Zが、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はOSO基(Rが、低級アルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基である)であることが好ましい。
本発明の膜分離方法では、前記逆浸透膜が、薄膜と、これを支持する多孔性支持膜とを含み、前記薄膜が、高分子膜と、この高分子膜の表面を修飾する3級アミン化合物とを含むものであってもよい。3級アミン化合物で表面修飾された高分子膜を用いることにより、上述したビス型第4級アンモニウム塩化合物を抗菌剤として使用しても、透過液量の低下を抑制できるからである。この場合、前記高分子膜は、ポリアミド膜であることが好ましい。膜性能を向上させることができるからである。
前記薄膜は、前記高分子膜の表面と、分子中に1個以上の反応性基を有する前記3級アミン化合物との反応により得られる膜であってもよい。高分子膜の表面と3級アミン化合物とが強固に結合されるため、耐久性を向上させることができるからである。この場合、前記3級アミン化合物の前記反応性基がアミノ基であり、前記薄膜が、前記高分子膜の表面と前記アミノ基との反応により得られる膜であることが好ましい。高分子膜の表面と3級アミン化合物とが、より強固に結合されるため、耐久性をより向上させることができるからである。なお、3級アミン化合物による修飾反応は、高分子膜の形成と同時に行われてもよいし、高分子膜の形成後に行われてもよい。
前記高分子膜は、分子中に2個以上の反応性基を有する親水性化合物と、親油性多官能化合物との反応により得られる膜であってもよい。前記親水性化合物と前記親油性多官能化合物とを界面重縮合させることにより、前記高分子膜を容易に形成できるからである。この場合、前記親水性化合物の前記反応性基がアミノ基であり、前記親油性多官能化合物が酸ハロゲン化物であることが好ましい。これらを界面重縮合させることにより、ポリアミド膜を容易に形成できるからである。
前記高分子膜は、架橋性高分子膜であることが好ましい。機械的強度が向上する上、水不溶性の膜となるため耐久性が向上するからである。
本発明の膜分離方法において、安全性をより向上させるには、前記供給液に前記ビス型第4級アンモニウム塩化合物を添加する際、その濃度が常時又は間欠的に500ppm以下となるように添加することが好ましい。
また、本発明の膜分離装置は、逆浸透膜を用いて供給液を透過液と濃縮液とに分離する膜分離装置において、抗菌剤を前記供給液に添加する手段を備え、前記抗菌剤は、下記一般式(1)
Figure 2009011913
(但し、R及びRは、炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐の同一又は異なるアルキレン基であり、R及びRは、水素原子、同一若しくは異なるハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基であり、Rは、炭素数2〜12の直鎖又は分岐のアルキレン基であり、Rは、炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はOSO基(Rは、低級アルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基である)である)で表されるビス型第4級アンモニウム塩化合物であることを特徴とする。
本発明の膜分離装置では、優れた抗菌効果を発現する上記一般式(1)のビス型第4級アンモニウム塩化合物を用いるため、生物由来の汚染による膜性能の低下を防止できる。また、上記ビス型第4級アンモニウム塩化合物は、化合物自体の安全性が高い上、通常の第4級アンモニウム塩化合物よりも高い抗菌活性を有するため、使用する抗菌剤の量を低減できる。よって、安全性を向上させることができる。
本発明の膜分離装置において、前記逆浸透膜や前記ビス型第4級アンモニウム塩化合物の好ましい例については、上述した本発明の膜分離方法の場合と同様である。
本発明の膜分離方法で使用される抗菌剤としてのビス型第4級アンモニウム塩化合物は、上記一般式(1)を満たす限り特に限定されるものではないが、生物由来の汚染をより確実に防止するには、上記一般式(1)において、R及びRが、ピリジン環の3位又は4位に結合しているメチレン基であり、R及びRが、水素原子であり、Rが、テトラメチレン基であり、Rが、オクチル基、デシル基又はドデシル基であり、Zが、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はOSO基(Rが、低級アルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基である)であることが好ましい。より具体的な例や、その製造方法については、特開2006−22013号公報等に記載されている。なかでも、好適な例としては、タマ化学工業株式会社製のハイジェニアが挙げられる。上記一般式(1)を満たすビス型第4級アンモニウム塩化合物は、化合物自体の安全性が高い上、通常の第4級アンモニウム塩化合物よりも高い抗菌活性を有するため、使用する抗菌剤の量を低減できる。よって、安全性を向上させることができる。また、広いpH領域、広い温度領域、及び種々の有機化合物の共存下においても抗菌活性が低下しないため、様々な用途に使用できる。
本発明の膜分離方法で使用される逆浸透膜としては、特に限定されず、従来公知のものが使用できる。その素材についても特に限定されず、例えば酢酸セルロース、ポリアミド等の各種高分子素材が使用できる。
前記逆浸透膜は、薄膜と、これを支持する多孔性支持膜とを含み、前記薄膜が、高分子膜と、この高分子膜の表面を修飾する3級アミン化合物とを含むものであってもよい。3級アミン化合物で表面修飾された高分子膜を用いることにより、上述したビス型第4級アンモニウム塩化合物を抗菌剤として使用しても、透過液量の低下を抑制できるからである。この場合、前記高分子膜は、ポリアミド膜であることが好ましい。膜性能を向上させることができるからである。なお、従来のポリアミド膜をスキン層とした場合に、第4級アンモニウム塩化合物を抗菌剤として使用すると、透過液量の低下を抑制するのが困難であったが、3級アミン化合物で表面修飾されたポリアミド膜の場合は、透過液量の低下を効果的に抑制できる。
前記薄膜は、実質的に分離性能を有する活性層である。その厚みは、透過液量の確保と機械的強度の維持を両立させる観点から、1nm〜10μmが好ましく、10nm〜1μmがより好ましい。
前記薄膜は、前記高分子膜の表面と、分子中に1個以上の反応性基を有する前記3級アミン化合物との反応により得られる膜であってもよい。高分子膜の表面と3級アミン化合物とが強固に結合されるため、耐久性を向上させることができるからである。
前記3級アミン化合物の反応性基としては特に限定されず、例えば1級又は2級の脂肪族アミン基や、1級又は2級の芳香族アミン基等が挙げられるが、アミノ基が好ましい。前記高分子膜の表面と3級アミン化合物とが、より強固に結合されるため、耐久性をより向上させることができるからである。
前記3級アミンとしては、ジメチルアミノ基やジエチルアミノ基などの直鎖又は分岐状のアルキル基が窒素原子上に結合したものが好ましく、これらの条件を満たす具体的な化合物としては、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジメチルアミノペンチルアミン、N,N−ジメチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジメチルアミノヘプチルアミン、N,N−ジエチルアミノメチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノヘプチルアミン、N,N−ジメチルアミノ−フェニルアミン、N,N−ジエチルアミノ−フェニルアミン、ポリアリルジメチルアリルアミン、ジメチルアミノスチレン等があげられるが、入手の容易さや安定性、取扱性の観点からN,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン等が好ましい。
前記高分子膜は、分子中に2個以上の反応性基を有する親水性化合物と、親油性多官能化合物との反応により得られる膜であってもよい。前記親水性化合物と前記親油性多官能化合物とを界面重縮合させることにより、前記高分子膜を容易に形成できるからである。
前記親水性化合物は、分子中に2個以上の反応性基を有し、実質的に水に可溶な化合物であり、かつ前記親油性多官能化合物と反応する化合物である。例えば、脂肪族、芳香族、あるいは複素環の化合物であればよく、前記親油性多官能化合物と反応して水不溶性の架橋性高分子膜を形成するものが好ましい。反応性基としてはアミノ基、水酸基などが挙げられ、2個以上の反応性基が同一でも異なっていてもよい。具体的には、例えばm−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族アミン類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジメチルエチレンジアミン、ピペラジン、アミノメチルピペリジンなどの脂肪族アミン類、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールなどの脂肪族アルコール類、ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼンなどの芳香族アルコール類が用いられる。
また、前記親油性多官能化合物は、水に対して非混和性の溶媒に実質的に可溶な(即ち、親油性の)化合物であり、かつ前記親水性化合物と反応する多官能化合物である。例えば、多官能の酸ハロゲン化物、多官能のイソシアネート化合物などを用いることができる。多官能の酸ハロゲン化物の例としては、トリメシン酸ハライド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸ハライド、トリメリット酸ハライド、ピロメリット酸ハライド、イソフタル酸ハライド、テレフタル酸ハライド、ナフタレンジカルボン酸ハライド、ジフェニルジカルボン酸ハライド、ピリジンジカルボン酸ハライド、ベンゼンジスルホン酸ハライド、クロロスルホニルイソフタル酸ハライドなどの芳香族系多官能酸ハロゲン化物が挙げられる。また、多官能のイソシアネート化合物としては、トルエンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート化合物が挙げられる。
上記列挙した化合物のなかでも、反応性基としてアミノ基を有する親水性化合物と、酸ハロゲン化物(親油性多官能化合物)との組み合わせが好ましい。これらを界面重縮合させることにより、膜性能が高いポリアミド膜を容易に形成できるからである。反応性及び得られる膜の性能の観点から、芳香族アミン類と芳香族酸クロライドとの組み合わせがより好ましい。芳香族アミン類としては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、及びこれらの混合物が好ましい。また、芳香族酸クロライドとしては、イソフタル酸クロライド、テレフタル酸クロライド、トリメシン酸クロライド、トリメリット酸クロライド及びこれらの混合物が好ましい。
本発明で使用する逆浸透膜の製造方法は、特に限定されないが、例えば、多孔性支持膜表面に前記親水性化合物の水溶液を被覆し、その上を前記親油性多官能化合物の溶液で被覆し、さらにその上を前記3級アミン化合物の溶液で被覆した後、50〜150℃の温度雰囲気下で30秒〜15分間乾燥して製膜する方法が例示できる。なお、3級アミン化合物の溶液で被覆する前に乾燥工程を設けてもよい。
前記親水性化合物の水溶液の濃度は、反応性及び得られる膜の性能の観点から、0.1〜20重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。前記水溶液には必要に応じて他の親水性化合物を混合してもよい。
前記親油性多官能化合物を溶解する溶媒は、水と非混和性であり、かつ多孔性支持膜を破壊しないで界面重縮合により高分子膜を形成し得るものであればいずれであっても良い。好ましい例としては、炭化水素化合物、シクロヘキサン、1,1,2-トリクロロ-1,2,2トリフルオロエタンなどが挙げられるが、反応速度及び溶媒の揮発性の観点から、好ましくはn−ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、1,1,2-トリクロロ-1,2,2トリフルオロエタンなどである。前記親油性多官能化合物の溶液の濃度は、反応性及び得られる膜の性能の観点から、0.01〜5重量%が好ましく、0.05〜1重量%がより好ましい。
前記3級アミン化合物を溶解する溶媒は、水と非混和性であり、かつ多孔性支持膜を破壊しない溶媒であればいずれであっても良い。3級アミン化合物を溶媒に溶解させる際の濃度は、3級アミン化合物の所望の修飾率に応じて適宜調整すればよい。なお、乾燥工程を経る前に3級アミン化合物の溶液を塗工する場合は、均一な塗工を実現するために、前記親油性多官能化合物を溶解する溶媒と同一の溶媒を用いることが好ましい。
前記高分子膜は、架橋性高分子膜であることが好ましい。機械的強度が向上する上、水不溶性の膜となるため耐久性が向上するからである。架橋性高分子膜とするには、例えば前記親油性多官能化合物として分子中に3個以上の反応性基を有する化合物(例えば、トリメシン酸クロライド、トリメリット酸クロライド等)を使用して、前記親水性化合物と界面重縮合させればよい。
前記多孔性支持膜は、実質的に分離性能を有さない層であり、実質的に分離性能を有する前記薄膜を支持するために用いられるものである。前記多孔性支持膜としては、均一で微細な孔をもつ対称構造であってもよく、一方の面から他方の面にかけて孔径が漸増する非対称構造であってもよい。非対称構造の場合、支持機能の観点から、微細孔の大きさが、前記一方の面(より微細な孔を有する面)において100nm以下であることが好ましい。また、多孔性支持膜の厚みは、通常1μm〜数mm程度であり、膜強度の観点から10μm以上が好ましく、扱いやすさ、モジュール加工のしやすさの観点から数100μm以下が好ましい。上記の多孔性支持膜としては、例えばミリポア社製のミリポアフィルターVSWP(商品名)や、東洋ろ紙社製のウルトラフィルターUK10(商品名)のような各種市販材料から選択することもできるが、通常は、“オフィス・オブ・セイリーン・ウォーター・リサーチ・アンド・ディベロップメント・プログレス・レポート”No.359(1968)に記載された方法に従って製造できる。
前記多孔性支持膜の素材には、ポリスルホン、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン等のホモポリマー又はコポリマーを単独で、あるいはこれらのポリマーをブレンドして使用することができる。これらの素材の中では化学的、機械的、熱的に安定性が高く、成型が容易であることからポリスルホンが一般的に使用される。例えば、ポリスルホンのジメチルホルムアミド(DMF)溶液を、密に織ったポリエステル布あるいは不織布の上に一定の厚さに注型し、それをドデシル硫酸ソーダ0.5重量%及びDMF2重量%を含む水溶液中で湿式凝固させることによって、表面の大部分が直径数10nm以下の微細な孔を有した多孔性支持膜が得られる。
本発明の膜分離方法においては、供給液に前記ビス型第4級アンモニウム塩化合物を連続的に注入しても、間欠的に注入してもよい。その供給液中の濃度についても、供給液の液質に適合するように任意に設定できるが、安全性をより向上させるには、常時注入の場合、500ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましい。また、間欠注入の場合は、12時間の運転中に500ppm以下となる注入処理を毎時行うことが好ましく、24時間の運転中に100ppm以下となる注入処理を毎時行うことがより好ましい。特に、生物由来の汚染を確実に防止した上で、安全性をより向上させるには、供給液中の濃度が常時1〜10ppmの範囲であることが好ましい。
本発明の膜分離方法を水処理工程に適用する場合、前記ビス型第4級アンモニウム塩化合物(抗菌剤)を注入する水処理流路上の位置に関して、以下に説明する。通常の水処理工程では、逆浸透膜処理の前工程として、砂ろ過処理や精密ろ過膜(MF膜)処理、あるいは限外ろ過膜(UF膜)処理等のポリアミド系の膜を使用しない前処理工程がある。これらの前処理工程においては、通常、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系抗菌剤による抗菌がなされているが、これらの前処理工程を経た後には、塩素系抗菌剤を還元する還元剤を流路内に注入している。還元剤により塩素の抗菌効果が消失した後の流路は、本質的には無菌状態を維持しているが、抗菌効果が消失した後の流路の配管等に残存した菌や、逆浸透膜を交換する際に混入した菌などが増殖して、いわゆる生物由来の汚染が発生する場合がある。従って、逆浸透膜処理の前工程において、塩素系抗菌剤を還元し抗菌効果が消失した直後に、前記ビス型第4級アンモニウム塩化合物を流路内(即ち抗菌効果が消失した直後の流路を流れる原水)に注入することが好ましい。
次に、本発明の膜分離装置の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の膜分離装置の一例を示す水処理装置の概略図である。なお、本発明の膜分離装置で使用する逆浸透膜や抗菌剤(ビス型第4級アンモニウム塩化合物)の好ましい例については、上述した本発明の膜分離方法の場合と同様であるため、その説明を省略する。
図1に示すように、水処理装置10は、供給液(原水)を取水する取水装置1と、取水装置1で取水された原水をMF膜やUF膜等で処理する前処理装置2と、前処理装置2で処理された原水を透過液と濃縮液とに分離する逆浸透膜モジュール3と、取水装置1と前処理装置2との間に配設された送液ポンプ4と、前処理装置2と逆浸透膜モジュール3との間に配設された昇圧ポンプ5とを備える。また、水処理装置10は、前処理装置2と昇圧ポンプ5との間の流路に還元剤を注入する還元剤注入装置6と、前記還元剤が注入された直後の流路に抗菌剤を注入する抗菌剤注入装置7とをさらに備える。
取水装置1としては、一般的な水処理装置で使用されているものであればよく、例えば、取水ポンプと、塩素系抗菌剤を流路に注入するための注入装置とを含むものが使用できる。
前処理装置2、送液ポンプ4及び昇圧ポンプ5についても、一般的な水処理装置で使用されているものであればよい。逆浸透膜モジュール3については、スパイラル型、中空糸型、チューブラー型、フレームアンドプレート型等の任意のものが用いられるが、なかでも逆浸透膜、供給側流路材及び透過側流路材が有孔の中心管の周りに巻きつけられているスパイラル型分離膜エレメントを用いることが好ましい。また、逆浸透膜モジュール3は、単数又は複数の膜エレメントを備えるものが使用できる。
還元剤注入装置6としては、前処理装置2により前処理工程を経た後の流路内に、塩素系抗菌剤を還元する還元剤を注入できる限り特に限定されず、一般的な水処理装置で使用されている還元剤注入装置が使用できる。なお、上記還元剤は、特に限定されず、一般的な水処理装置で使用されている還元剤が使用でき、例えば重亜硫酸ナトリウム(SBS)等が使用できる。
抗菌剤注入装置7は、塩素系抗菌剤が還元されて抗菌効果が消失した原水に、抗菌剤として上記一般式(1)で表されるビス型第4級アンモニウム塩化合物を注入できる装置であればよいが、注入量を制御できる制御装置を有するものが好ましい。例えば、抗菌剤の濃縮液を貯蔵するタンクと、このタンクから流路へ一定量の上記濃縮液を注入する流量制御装置とを備えた抗菌剤注入装置が使用できる。なお、抗菌剤注入装置7は、使用する環境や水質に応じ適宜選択される。また、抗菌剤の注入量についても、使用する環境や水質に応じて適宜決定される。
本実施形態では、塩素系抗菌剤による抗菌効果が消失した直後の流路に、前記ビス型第4級アンモニウム塩化合物を注入するための抗菌剤注入装置7が設けられているため、抗菌効果が消失した後の流路の配管等に残存した菌や、逆浸透膜を交換する際に混入した菌などによる汚染を防止できる。
以上、本発明の膜分離装置の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前処理装置2と昇圧ポンプ5との間の還元剤注入後の流路において、原水中の固形不純物を除去するフィルターを設けてもよい。また、塩素系抗菌剤の代わりにビス型第4級アンモニウム塩化合物を使用してもよい。その場合、還元剤注入装置6は不要である。
以上のような本発明の膜分離方法および膜分離装置は、かん水、海水等の脱塩による淡水化や、超純水の製造等、あるいは廃液処理、汚水処理、その他の水処理等に好適に使用できる。その際、生物由来の汚染を防止することができるため、逆浸透膜の長寿命化が可能となる。よって、例えば造水コストの低減が可能となる。また、使用するビス型第4級アンモニウム塩化合物は、化合物自体の安全性が高い上、通常の第4級アンモニウム塩化合物よりも高い抗菌活性を有するため、使用量を低減できる。よって、安全性を向上させることができる。
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(抗菌性テスト)
後述する実施例1〜3で使用する抗菌剤である1,4-ビス(3,3'-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ)ブタンジブロマイド(タマ化学社製 ハイジェニア)の抗菌性テストをJIS Z2801(2006年)に基づいて行った。その結果、大腸菌に対して抗菌性が発現する最小濃度は、0.35ppmであり、黄色ブドウ球菌に対して抗菌性が発現する最小濃度は、0.1ppmであることがわかった。また、従来の抗菌剤である塩化ベンザルコニウムの抗菌性テストを同じくJIS Z2801(2006年)に基づいて行った。その結果、大腸菌に対して抗菌性が発現する最小濃度は、10ppmであり、黄色ブドウ球菌に対して抗菌性が発現する最小濃度は、5ppmであることがわかった。
(実施例1)
m−フェニレンジアミン3.0重量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.15重量%、トリエチルアミン3.0重量%、カンファースルホン酸6.0重量%、イソプロピルアルコール10重量%を含有した水溶液(溶液A)を調製し、これを微多孔性ポリスルホン支持膜(薄膜形成側孔径1.5〜20nm、非対称構造)に接触させて、余分な溶液Aを除去して支持膜上に上記溶液Aの層を形成した。次いで、この溶液Aの層の表面にトリメシン酸クロライド0.20重量%を含むヘキサン溶液を接触させ、その上にN,N−ジメチルアミノプロピルアミン1重量%を含むヘキサン溶液を塗布した後、120℃の熱風乾燥機の中で3分間保持して支持膜上に重合体薄膜(N,N−ジメチルアミノプロピルアミンで修飾されたポリアミドスキン層、厚み200nm)を形成し、複合逆浸透膜を得た。
上記複合逆浸透膜に、1.5MPaの加圧条件下で塩化ナトリウム1500ppmを含有するpH6.5の水溶液(温度25℃)を通水したところ、塩化ナトリウムの阻止率は98.9%であった。また、その際の透過水量は1.1m3/m2/dであった。
次に、上記ビス型第4級アンモニウム塩化合物(タマ化学社製 ハイジェニア)を5ppmから100ppmに順次濃度を変えて上記と同様の塩化ナトリウム水溶液に加え、上記と同様の条件で通水し、透過水量を測定した。その結果、透過水量保持率は、濃度が100ppmの場合でも90%以上であることがわかった。なお、透過水量保持率は、各ハイジェニア濃度での透過水量をハイジェニア未添加の場合における透過水量で除した値に100を乗じて算出した。
(実施例2)
実施例1において、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンをN,N−ジメチルアミノエチルアミンに変更したこと以外は同様に複合逆浸透膜を作製し、1.5MPaの加圧条件下で塩化ナトリウム1500ppmを含有するpH6.5の水溶液(温度25℃)を通水したところ、塩化ナトリウムの阻止率は98.5%であった。また、その際の透過水量は1.0m3/m2/dであった。また、上記ビス型第4級アンモニウム塩化合物(タマ化学社製 ハイジェニア)を5ppmから100ppmに順次濃度を変えて上記と同様の塩化ナトリウム水溶液に加え、上記と同様の条件で通水し、透過水量を測定した。その結果、透過水量保持率は、濃度が100ppmの場合でも95%以上であることがわかった。
(実施例3)
実施例1において、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンをN,N−ジメチルアミノメチルアミンに変更したこと以外は同様に複合逆浸透膜を作製し、1.5MPaの加圧条件下で塩化ナトリウム1500ppmを含有するpH6.5の水溶液(温度25℃)を通水したところ、塩化ナトリウムの阻止率は98.3%であった。また、その際の透過水量は1.0m3/m2/dであった。また、上記ビス型第4級アンモニウム塩化合物(タマ化学社製 ハイジェニア)を5ppmから100ppmに順次濃度を変えて上記と同様の塩化ナトリウム水溶液に加え、上記と同様の条件で通水し、透過水量を測定した。その結果、透過水量保持率は、濃度が100ppmの場合でも95%以上であることがわかった。
本発明の膜分離装置の一例を示す水処理装置の概略図である。
符号の説明
1 取水装置
2 前処理装置
3 逆浸透膜モジュール
4 送液ポンプ
5 昇圧ポンプ
6 還元剤注入装置
7 抗菌剤注入装置
10 水処理装置

Claims (15)

  1. 逆浸透膜を用いて供給液を透過液と濃縮液とに分離する膜分離方法において、
    前記供給液に下記一般式(1)
    Figure 2009011913
    (但し、R及びRは、炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐の同一又は異なるアルキレン基であり、R及びRは、水素原子、同一若しくは異なるハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基であり、Rは、炭素数2〜12の直鎖又は分岐のアルキレン基であり、Rは、炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はOSO基(Rは、低級アルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基である)である)で表されるビス型第4級アンモニウム塩化合物を添加することを特徴とする膜分離方法。
  2. 前記一般式(1)において、R及びRは、ピリジン環の3位又は4位に結合しているメチレン基であり、R及びRは、水素原子であり、Rは、テトラメチレン基であり、Rは、オクチル基、デシル基又はドデシル基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はOSO基(Rは、低級アルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基である)である請求項1に記載の膜分離方法。
  3. 前記逆浸透膜は、薄膜と、これを支持する多孔性支持膜とを含み、
    前記薄膜は、高分子膜と、この高分子膜の表面を修飾する3級アミン化合物とを含む請求項1又は2に記載の膜分離方法。
  4. 前記高分子膜は、ポリアミド膜である請求項3に記載の膜分離方法。
  5. 前記薄膜は、前記高分子膜の表面と、分子中に1個以上の反応性基を有する前記3級アミン化合物との反応により得られる請求項3又は4に記載の膜分離方法。
  6. 前記3級アミン化合物の前記反応性基は、アミノ基であり、
    前記薄膜は、前記高分子膜の表面と前記アミノ基との反応により得られる請求項5に記載の膜分離方法。
  7. 前記高分子膜は、分子中に2個以上の反応性基を有する親水性化合物と、親油性多官能化合物との反応により得られる請求項3〜6のいずれか1項に記載の膜分離方法。
  8. 前記親水性化合物の前記反応性基は、アミノ基であり、
    前記親油性多官能化合物は、酸ハロゲン化物である請求項7に記載の膜分離方法。
  9. 前記高分子膜は、架橋性高分子膜である請求項3〜8のいずれか1項に記載の膜分離方法。
  10. 前記供給液に前記ビス型第4級アンモニウム塩化合物を添加する際、その濃度が常時又は間欠的に500ppm以下となるように添加する請求項1〜9のいずれか1項に記載の膜分離方法。
  11. 逆浸透膜を用いて供給液を透過液と濃縮液とに分離する膜分離装置において、
    抗菌剤を前記供給液に添加する手段を備え、
    前記抗菌剤は、下記一般式(1)
    Figure 2009011913
    (但し、R及びRは、炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐の同一又は異なるアルキレン基であり、R及びRは、水素原子、同一若しくは異なるハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基であり、Rは、炭素数2〜12の直鎖又は分岐のアルキレン基であり、Rは、炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はOSO基(Rは、低級アルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基である)である)で表されるビス型第4級アンモニウム塩化合物であることを特徴とする膜分離装置。
  12. 前記一般式(1)において、R及びRは、ピリジン環の3位又は4位に結合しているメチレン基であり、R及びRは、水素原子であり、Rは、テトラメチレン基であり、Rは、オクチル基、デシル基又はドデシル基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はOSO基(Rは、低級アルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基である)である請求項11に記載の膜分離装置。
  13. 前記逆浸透膜は、薄膜と、これを支持する多孔性支持膜とを含み、
    前記薄膜は、高分子膜と、この高分子膜の表面を修飾する3級アミン化合物とを含む請求項11又は12に記載の膜分離装置。
  14. 前記高分子膜は、ポリアミド膜である請求項13に記載の膜分離装置。
  15. 前記高分子膜は、架橋性高分子膜である請求項13又は14に記載の膜分離装置。
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