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JP2008266306A - 血中コレステロール上昇剤 - Google Patents

血中コレステロール上昇剤 Download PDF

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JP2008266306A
JP2008266306A JP2008068179A JP2008068179A JP2008266306A JP 2008266306 A JP2008266306 A JP 2008266306A JP 2008068179 A JP2008068179 A JP 2008068179A JP 2008068179 A JP2008068179 A JP 2008068179A JP 2008266306 A JP2008266306 A JP 2008266306A
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直樹 山中
Hikaru Yamanaka
ひかる 山中
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Abstract

【課題】低コレステロール血症の患者の体内の血中総コレステロールを効果的に上昇させることが可能な血中コレステロール上昇剤を提供する。
【解決手段】低コレステロール血症の患者に対して、スクアレンを主成分とする血中コレステロール上昇剤を、一日当たりのスクアレンの摂取量が100〜2,000mgとなるように4週間に亘って経口投与した。その結果、LDL−コレステロール、中性脂肪の各数値の上昇を伴うことなく、血中総コレステロールおよびHDL−コレステロールの各数値が上昇することが分かった。
【選択図】図1

Description

本発明は、血中総コレステロールを上昇させるための薬剤に関するものである。
従来、血中総コレステロールの値が高いほど(約240mg/dl以上)動脈硬化症による心血管性疾患(心筋梗塞等)を発症するリスクが高くなると考えられており、専ら、血中総コレステロールを低下させる薬が開発されていた(特許文献1)。
ところが、1997〜2002年までの6年間にかけて、我が国で約5万人の高脂血症患者を対象にした初めての大規模臨床試験であるJ−LIT(Japan Lipid Intervention Trial)が行われ、その結果、
・血中総コレステロールの適正値である200〜220mg/dlの範囲では、冠動脈疾患発症率の相対危険度が最も低く、200mg/dlより低い低コレステロール症の患者においては、相対危険度が上昇する
・血中総コレステロールが200mg/dl以下になると、冠動脈死や脳梗塞死等による総死亡率が増加する
という従来のコレステロールに対する認識とは逆の事実が判明した。
また、血中のコレステロールの低下が自殺、暴力行為、登校拒否等を引き起こす精神的疾患に関与しているという報告もある。それゆえ、30才以上の成人の25%以上を占めると言われている低コレステロール血症の患者の血中総コレステロールを上昇させる必要があるという考え方が広まってきており、血中総コレステロールを上昇させるための方法が模索されている。
特開2005−97167号公報
低コレステロール血症を引き起こす要因としては、高齢化や、ダイエット、誤った認識に基づく食生活による異化栄養症等を挙げることができる。また、体内においては、主に、肝臓内で、アセチルCoAが、HMG−CoA還元酵素によってメバロン酸となり、ファルネシルピロリン酸等の中間物質を経てスクアレンとなり、コレステロールが合成されると考えられているが、HMG−CoA還元酵素の活性が低い等の肝臓の機能障害によって低コレステロール血症になる場合もある。
低コレステロール血症の改善方法として、食品からのコレステロールの摂取も考えられるが、通常の食物から摂取可能なコレステロールの量は、必要量の1/3程度までであり、大量に食べても、血中総コレステロールの値を一定値以上に増加させることができない。また、むやみにコレステロールを多く含む食品を摂取すると、所謂、悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロールの値の増加を招いてしまう。すなわち、これまでは、低コレステロール血症の患者の血中総コレステロールを効果的に上昇させるための方法は存在しなかったのである。
本発明の目的は、上記問題点を解消し、低コレステロール血症の患者の体内の血中総コレステロールを効果的に上昇させることが可能な血中コレステロール上昇剤を提供することにある。
発明者は、コレステロールの合成過程におけるコレステロールの前駆物質を投与すれば、血中総コレステロールの量を効果的に上昇させることができるのではないかと考え、前駆物質の一つであるスクアレンの投与による体内の血中総コレステロールの量の変化について鋭意検討した。その結果、他の高コレステロール含有食品と異なり、スクアレンの投与によって体内の血中総コレステロールの量を効果的に上昇させ得ることを見い出し、本発明を案出するに至った。
かかる本発明の内、請求項1に記載された発明は、スクアレンを主成分とすることを特徴とする血中コレステロール上昇剤である。なお、血中総コレステロールとは、HDLコレステロールとLDLコレステロール等に主として含まれる血中コレステロールのことである。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の発明において、スクアレンの1日当たりの摂取量が100〜2,000mgとなるように製剤化したことを特徴とするものである。スクアレンの一日当たりの摂取量は、100〜1,000mgとなるように調整されているのが好ましく、100〜800mgであるとより好ましい。また、血中総コレステロールの値を、総死亡率が最も低いとされる200〜259mg/dlの範囲とするには、スクアレンの一日当たりの摂取量が135mg〜600mgとなるように製剤化するのが好ましい。
請求項3に記載された発明は、請求項1、または請求項2に記載の発明において、HDLコレステロール(所謂、善玉コレステロール)をLDLコレステロール(所謂、悪玉コレステロール)に比べて優先的に上昇させることを特徴とするものである。なお、HDLコレステロールをLDLコレステロールに比べて優先的に上昇させるとは、血中コレステロール上昇剤の投与によるHDLコレステロールの値の上昇が統計学的な有意性を示すのに対し、LDLコレステロールの値の上昇が統計学的な有意性を示さないことを意味する。
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、中性脂肪を実質的に上昇させないことを特徴とするものである。なお、中性脂肪を実質的に上昇させないとは、血中コレステロール上昇剤の投与前の中性脂肪の値と血中コレステロール上昇剤の投与後の中性脂肪の値との間に統計学的な有意差がないことを意味する。
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、スクアレン1重量部に対してコエンザイムQ10(以下、CoQ10と表記する)を0.01〜0.3質量部添加したことを特徴とするものである。
請求項1の血中コレステロール上昇剤は、健常者においては言うまでもなく、肝機能障害等の各種の疾患の患者やスタチン系薬剤(コレステロール合成阻害剤)投与患者においても、効果的に血中総コレステロールの値を上昇させることができる。したがって、請求項1の血中コレステロール上昇剤は、患者の疾患の症状の安定化や改善に寄与し得る。
また、請求項1の血中コレステロール上昇剤は、皮膚表皮における角質細胞間脂質成分であるコレステロールおよびコレステロールエステル、硫酸コレステロールの合成を補うように機能するとともに、脂腺から分泌される皮脂成分の役割を担う皮膚保湿成分としても機能し、素肌の美しさを増強する効果をも奏する。
請求項2の血中コレステロール上昇剤によれば、低コレステロール血症の患者等に対して非常に容易に適量のスクアレンを投与することが可能となる。
請求項3の血中コレステロール上昇剤は、HDLコレステロールをLDLコレステロールに比べて優先的に上昇させるものであるため、投与によりLDLコレステロールが上昇することによって別の疾患を誘発するという事態が生じない。
請求項4の血中コレステロール上昇剤は、動脈硬化促進作用を有する中性脂肪を上昇させないものであるため、高中性脂肪血症の患者にも投与することができる。
請求項5の血中コレステロール上昇剤は、CoQ10を含んだものであるため、低コレステロール血症等の患者で不足しがちなCoQ10を効果的に補充することができる。なお、CoQ10は、低コレステロール血症、加齢、スタチン系薬剤(コレステロール合成阻害剤)の投与によって低減するが、コレステロール合成過程のスクアレンが合成される前のファルネシルピロリン酸からのバイパスから生成されるために、スクアレンを投与しても生成が促進されない。それゆえ、低コレステロール血症等の患者に対しては、請求項5の血中コレステロール上昇剤を用いることによって、CoQ10を効率的に補給するのが好ましい。また、請求項5の血中コレステロール上昇剤によれば、CoQ10が酸化防止剤として不飽和状態のスクアレンの酸化を防止するとともに、ビタミンE等の他の抗酸化物質を活性化するため、スクアレンによる血中総コレステロールの上昇機能がより安定したものとなる。さらに、請求項5の血中コレステロール上昇剤によれば、CoQ10が皮膚脂質成分のスクアレン、コレステロールエステル、その他の不飽和脂質成分の過酸化を防止するとともに、紫外線による皮膚の刺激や障害を抑制するため、低コレステロールに伴う皮膚障害の病状を改善することができる。
本発明におけるスクアレンとは、不飽和結合を持つC3050の非環式トリテルペン炭化水素(分子量=410.73)のことであり、サメ由来のもの(特に、アイザメ由来のもの)であると好ましいが、オリーブオイルやヤシ油等から抽出される植物由来のものでも良く、その由来は特に限定されない。
また、本発明のスクアレンを主成分とする血中コレステロール上昇剤は、錠剤やカプセとして経口投与するものであるが、その形状は特に限定されず、コーティング錠、糖衣錠、硬ゼラチンカプセル剤、軟ゼラチンカプセル剤、液剤、粉粒状剤、乳剤または懸濁剤等のいかなる形状にも製剤化することができる。また、主成分のスクアレンは、スクアレン1質量%に対して約0.5〜100質量%比で、薬学的な賦形剤と組み合わせることができ、当該賦形剤としては、通常の薬剤に使用される適切な担体、溶媒、ゲル形成成分、分散形成成分、酸化防止剤、着色剤、甘味料、湿潤化合物、放出制御成分等の各種の成分を使用することができる。たとえば、経口投与可能なカプセル剤や錠剤とする場合には、ラクトース、コーンスターチ、ステアリン酸マグネシウム、リン酸カルシウムやタルク等を含有させることが可能である。また、経時的に主成分が溶け出すような放出制御タイプの薬剤とする場合には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸またはそれらの混合物等の親水性ゲル形成ポリマー、硬化大豆油、硬化ひまし油、ひまし実油等の植物性固形油、綿実油またはそれらの混合物を含む植物性脂肪および油脂等を含めることが可能である。
また、本発明の血中コレステロール上昇剤は、スクアレンの酸化防止の目的の抗酸化剤、各種の機能補助剤やビタミン等のスクアレン以外の他の成分を含んだものでも良い。特に、CoQ10、ビタミンA、ビタミンEを一緒に本発明の血中コレステロール上昇剤に含有させると、低コレステロール血症の患者において不足している物質が効率的に補充されるとともに、それらの物質が抗酸化剤として不飽和結合の多いスクアレンの安定性に貢献し、血中総コレステロールの上昇効果が安定したものとなるので好ましい。また、上記の如くCoQ10、ビタミンA、ビタミンEを一緒に血中コレステロール上昇剤に含有させる場合には、CoQ10、ビタミンA、ビタミンEの含有量を、それぞれ、スクアレン100重量部に対して、1〜30重量部、0.02〜0.5重量部、0.3〜7.5重量部とするのが好ましい。加えて、ポリフェノールを血中コレステロール上昇剤に含有させると、ポリフェノールが優れた抗酸化物質としてスクアレンの酸化を効果的に抑制するため、血中総コレステロールの上昇効果が非常に安定したものとなるので好ましい。
本発明の血中コレステロール上昇剤は、医薬品として用いるばかりではなく、栄養補助食品(サプリメント)、健康食品、機能性食品、健康補助食品、特定保健用食品として用いることも可能である。また、主成分のスクアレンが分解・変性しない態様であれば、ミルク、育児粉乳、離乳食、幼児食、妊娠中の母親用食、老人食、病人食、チーズ、バター等の乳製品、マーガリン等の油脂加工品、醤油、味噌、ドレッシング、焼き肉等のタレ、マヨネーズ、トマト加工品、酢等の調味料、せんべい、スナック、麺、パン、和・洋菓子等の米・小麦製品、澱粉加工製品等の一般の加工食品等の各種食品として用いることも可能である。加えて、ジュース、サイダー、コーラ等の飲料、酒類等の各種飲料に添加して用いることも可能である。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。
[実施例1]
<血中コレステロール上昇剤の製造>
マルハ株式会社製の精製したスクアレン(純度99.8%)を用いて、1カプセル当たり135mgを含む軟ゼラチンからなるカプセル剤を製造し、当該カプセル剤を実施例1の血中コレステロール上昇剤として使用した。
<被験者>
血中総コレステロールの値が200mg/dl以下である各種の疾患の患者(男性18名、女性14名の合計32名)を被験者とした。なお、冠動脈疾患患者については除外した。被験者の内訳を表1に示す。被験者の年齢は29才〜85才であり、平均年齢は63才であった。
Figure 2008266306
<血中コレステロール上昇剤の投与方法>
総勢32名の被験者を、A,B,C,D,Eの5つのグループに分け(Aグループ=6名、Bグループ=8名、Cグループ=9名、Dグループ=1名、Eグループ=8名)、A〜Eの各グループの被験者に、それぞれ、上記した実施例1の血中コレステロール上昇剤(カプセル剤)を、1日当たりのスクアレンの摂取量が135mg,270mg,675mg,810mgとなるように4週間に亘って経口投与した。また、比較のために、Eグループの被験者に、スクアレンを含有していないカプセル剤を4週間に亘って経口投与した。なお、経口投与後においては、どの被験者にも副作用は認められなかった。
<コレステロールの値等の測定>
血中コレステロール上昇剤の投与開始前および投与期間終了後に、各被験者の血液検査を行い、血中総コレステロール(TCH)の値、HDLコレステロール(HDL−C)の値、LDLコレステロール(LDL−C)の値を、それぞれmg/dl単位で測定した。また、コレステロールの値の測定と同時に、コリンエステラーゼ(CHE)の値をIU/l単位で測定し、中性脂肪(トリグリセリド:TG)の値をmg/dl単位で測定した。そして、下式1によって、HDLコレステロール、LDLコレステロール、コリンエステラーゼ、中性脂肪の各数値の上昇率を算出した。
(投与期間終了後の数値−投与開始前の数値)/投与開始前の数値 ・・式1
被験者の各数値の上昇率を表2に示す。なお、表2および後述する表6におけるTCHは、血中総コレステロールを示し、HDL−Cは、HDLコレステロールを示し、LDL−Cは、LDLコレステロールを示し、CHEは、コリンエステラーゼを示し、TGは、中性脂肪を示す。また、統計的な有意性を検定するために、解析ソフト(Stat View 5.0 software, Abacus Inc., USA)を用いてKrusal-Walis testを行った。その結果も表2に示す。なお、P<0.05の場合には、統計的な有意性があるものと考えられる。さらに、一日当たりのスクアレンの投与量に対する血中総コレステロールの値の上昇率の変化を調べた。その結果を図1に示す。
Figure 2008266306
<血中コレステロール上昇剤による効果>
図1から、一日当たりのスクアレンの摂取量に拘わらず、実施例1の血中コレステロール上昇剤の投与によって、血中総コレステロールの値が上昇し、その上昇率は、一日当たりのスクアレンの摂取量の増加に伴って増加することが分かる(P<0.0001)。すなわち、血中コレステロール上昇剤を投与する際に、一日当たりのスクアレンの摂取量を調整することによって血中総コレステロールの上昇率をコントロールし得ることが示された。
一方、表2から、一日当たりのスクアレンの摂取量に拘わらず、実施例1の血中コレステロール上昇剤の投与によって、HDLコレステロール(所謂、善玉コレステロール)の値が有意性をもって上昇することが分かる(P<0.0065)。それに対して、LDLコレステロールの値(所謂、悪玉コレステロール)の値は、有意性を持った上昇はせず(P<0.1744)、血中コレステロール上昇剤の投与によって大きく変動しないことが分かる。同様に、中性脂肪(トリグリセリド:TG)の値も、有意性を持った上昇はせず(P<0.9916)、血中コレステロール上昇剤の投与によって大きく変動しないことが分かる。また、血中コレステロール上昇剤の投与によって、コリンエステラーゼ(CHE)も、有意性をもってはいないが(P<0.2111)増加する傾向を示しており、血中コレステロール上昇剤の投与によって、血中総コレステロールが増加するだけでなく、投与後の脂質の代謝経路が活性化され、コレステロールの一方的な蓄積が防止され得ることが示された。
[スタチン系薬剤の服用者に対する効果]
表3は、スタチン系薬剤を服用している被験者のみの血中総コレステロールの値の上昇率を示したものである。表3から、血中コレステロール上昇剤の投与によって、スタチン系薬剤を服用している被験者においても、血中総コレステロールの値が上昇することが分かる。すなわち、血中コレステロール上昇剤の投与が、コレステロール合成経路に障害を持つ患者にとっても、血中総コレステロールの上昇に効果的に寄与することが示された。
Figure 2008266306
さらに、スタチン系薬剤(コレステロール合成阻害剤)を服用している被験者に対して、上記の如く、血中コレステロール上昇剤(カプセル剤)を4週間に亘って経口投与した後に、同じ血中コレステロール上昇剤(カプセル剤)を、1日当たりのスクアレンの摂取量が1,620mgとなるように4週間に亘って経口投与した。そして、投与期間終了後に各被験者の血中総コレステロールの値を測定し、上式1によって、投与開始前からの上昇率を算出した。結果を表4に示す。表4から、スタチン系薬剤を服用している被験者であっても、実施例1の血中コレステロール上昇剤を大量に投与することにより、血中総コレステロールの値を上昇させ得ることが分かる。この現象は、スタチン系薬剤の投与によって生体内におけるコレステロールの合成が阻害された条件の下では、スクアレンの濃度が急速に上昇しても、内因性コレステロール合成系の機能の抑制が起こらないことに起因していると考えられる。
Figure 2008266306
[実施例2]
<血中コレステロール上昇剤の製造>
上記したマルハ株式会社製のスクアレン135mgおよびCoQ1030mgを含む軟ゼラチンカプセル剤と、同様のスクアレン300mgおよびCoQ1015mgを含む軟ゼラチンカプセル剤とを、それぞれ製造した。なお、それぞれのカプセル剤には、CoQ10と同様に低コレステロール血症の患者で不足すると予想されるビタミンA、ビタミンD、ビタミンEを含有させた。そして、それらのカプセル剤を実施例2の血中コレステロール上昇剤として使用した。
<被験者>
血中総コレステロールの値が200mg/dl以下である各種の疾患の患者(男性17名、女性7名の合計24名)を被験者とした。なお、冠動脈疾患患者については除外した。被験者の内訳を表5に示す。被験者の年齢は29才〜82才であり、平均年齢は61才であった。
Figure 2008266306
<血中コレステロール上昇剤の投与方法>
総勢24名の被験者を、F,G,H,Iの4つのグループに分け(Fグループ=7名、Gグループ=4名、Hグループ=2名、Iグループ=11名)、G〜Iの各グループの被験者に、それぞれ、上記した実施例2の血中コレステロール上昇剤(カプセル剤)を、1日当たりのスクアレンの摂取量が135mg,300mg,600mgとなるように4週間(一部の被験者に対しては8週間)に亘って経口投与し、Fグループの被験者に、スクアレンを含有していないカプセル剤を4週間に亘って経口投与した(以下、前処理投与という)。
そして、上記の如く前処理投与した後に、F〜Hの各グループの被験者、およびIグループの被験者の内の8名に、引き続き、実施例2の血中コレステロール上昇剤(カプセル剤)を4週間に亘って経口投与し、Iグループの残りの3名については、スクアレンを含有していないカプセル剤を4週間に亘って経口投与した(以下、本処理投与という)。なお、本処理投与における血中コレステロール上昇剤の投与量は、Fグループの7名については、1日当たりのスクアレンの摂取量を0mgから600mgに増加させ(+600mg)、Gグループの内の1名については、1日当たりのスクアレンの摂取量を135mgから300mgに増加させ(+165mg)、Gグループの残りの3名については、1日当たりのスクアレンの摂取量を135mgから600mgに増加させ(+465mg)、Hグループの2名については、1日当たりのスクアレンの摂取量を300mgから600mgに増加させ(+300mg)、Iグループの内の1名については、1日当たりのスクアレンの摂取量を600mgから135mgに減少させ(−465mg)、Iグループの内の3名については、1日当たりのスクアレンの摂取量を600mgから300mgに減少させ(−300mg)、Iグループの内の4名については、1日当たりのスクアレンの摂取量を600mgのままで保持させた(±0mg)。また、実施例2の血中コレステロール上昇剤の経口投与後においては、どの被験者にも副作用は認められなかった。
<コレステロールの値等の測定>
投与開始前、前処理投与期間終了後、および本処理投与期間終了後に、各被験者の血液検査を行い、血中総コレステロールの値、HDLコレステロールの値、LDLコレステロールの値を、それぞれmg/dl単位で測定した。また、コレステロールの値の測定と同時に、コリンエステラーゼ(CHE)の値をIU/l単位で測定し、中性脂肪(トリグリセリド)の値をmg/dl単位で測定した。そして、上式1によって、HDLコレステロール、LDLコレステロール、コリンエステラーゼ、中性脂肪の各数値の上昇率を算出した。そして、一日当たりのスクアレンの摂取量の変化に対する血中総コレステロールの値の上昇率の変化を調べた。その結果を図2に示す(なお、図2の横軸の下側の数字は、前処理投与時における一日当たりのスクアレンの摂取量と本処理投与時における一日当たりのスクアレンの摂取量との差を示している)。
<血中コレステロール上昇剤による効果>
図2から、前処理投与として一日当たりのスクアレンの摂取量が135mgあるいは300mgとなるように血中コレステロール上昇剤を投与した被験者のグループ(G,Hグループ)および前処理投与としてスクアレンを投与していない被験者のグループ(Fグループ)は、本処理投与時に一日当たりのスクアレンの摂取量を増加させると、血中総コレステロールの値が増加し、一日当たりのスクアレンの摂取量の増加量に応じて血中総コレステロールの値の増加量が大きくなることが分かる。
また、前処理投与として一日当たりのスクアレンの摂取量が600mgとなるように血中コレステロール上昇剤を投与した被験者のグループ(Iグループ)は、本処理投与時に一日当たりのスクアレンの摂取量を減少させると、血中総コレステロールの値が減少し、一日当たりのスクアレンの摂取量の減少に応じて血中総コレステロールの値の減少量が大きくなることが分かる。すなわち、血中コレステロール上昇剤を継続的に投与する際に、一日当たりのスクアレンの投与量を増減することによって、血中総コレステロールの上昇率のみならず、血中総コレステロールの下降率をもコントロールし得ることが示唆された。かかる結果は、血中コレステロール上昇剤の主成分であるスクアレンの吸収率の高さと体内残存期間の短さという特徴を示しており、患者の体調に合わせて一日当たりのスクアレンの摂取量を増減させることにより血中総コレステロールの値を容易に増減し得ることを示している。
さらに、前処理投与として一日当たりのスクアレンの摂取量が600mgとなるように血中コレステロール上昇剤を投与した被験者のグループ(Iグループ)は、本処理投与時に一日当たりのスクアレンの摂取量を変化させなくても、血中総コレステロールの値が増大することが分かる。すなわち、一日当たりのスクアレンの摂取量のみならず、投与期間も、血中総コレステロールの値の上昇に関係しており、一日当たりのスクアレンの摂取量を135〜600mgとすれば、4週間程度の血中コレステロール上昇剤の投与によって血中総コレステロールを十分に上昇させ得ることが分かる。また、実施例2の血中コレステロール上昇剤の経口投与後においては、どの被験者にも副作用は認められず、血中コレステロール上昇剤へのCoQ10の添加(スクアレン1重量部に対してCoQ100.01〜0.3質量部)によって、弊害を生ずることなく体内へCoQ10を補充できることが分かった。
また、表6は、実施例1の血中コレステロール上昇剤を投与した被験者、および実施例2の血中コレステロール上昇剤を投与した被験者から、ガン、精神不安、異栄養症、肝障害、低コレステロール血症の被験者を抽出し、それらの被験者の血中総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、コリンエステラーゼの各数値の上昇率を示したものである。表6から、スクアレンを主成分とする血中コレステロール上昇剤の投与は、上記した疾患の患者に対しても有効に機能し、血中総コレステロールの上昇をもたらすことが分かる。また、上記した疾患の患者においても、LDLコレステロールに対してHDLコレステロールを優先的に上昇させることが分かる。加えて、上記した疾患の患者においても、スクアレンを主成分とする血中コレステロール上昇剤の投与により、コリンエステラーゼが上昇する傾向にあることが分かる。
Figure 2008266306
[実施例3]
<血中コレステロール上昇剤の製造>
上記したマルハ株式会社製のスクアレン270mgを含む軟ゼラチンカプセル剤Aと、同様のスクアレン270mgおよびCoQ1015mgを含む軟ゼラチンカプセル剤Bとを製造し、それらのカプセル剤A,Bを実施例3の血中コレステロール上昇剤として使用した。
<被験者>
血中総コレステロールの値が200mg/dl以下である各種の疾患の患者(男性24名、女性18名)を被験者とした。なお、冠動脈疾患患者については除外した。男性被験者の年齢は38才〜82才であり、平均年齢は66才であった。また、女性被験者の年齢は29才〜82才であり、平均年齢は60才であった。
<血中コレステロール上昇剤の投与方法>
各被験者に、上記したカプセル剤A(スクアレン単独)を、1日当たりのスクアレンの摂取量が540mgとなるように7週間に亘って経口投与した(一次投与)。そして、その後、8週間に亘って投与を中止し、しかる後、各被験者に、上記したカプセル剤B(スクアレン+CoQ10)を、1日当たりのスクアレン、CoQ10の摂取量がそれぞれ540mg,30mgとなるように7週間に亘って経口投与した(二次投与)。
<コレステロールの値等の測定>
血中コレステロール上昇剤(カプセル剤A,B)の投与開始前、一次投与期間終了後、二次投与期間終了後に、各被験者の血液検査を行い、血中総コレステロールの値をmg/dl単位で測定した。そして、下式2によって、上昇率比を算出した。
(二次投与期間終了後の数値−投与開始前の数値)/(一次投与期間終了後の数値−投与開始前の数値) ・・式2
各被験者の上昇率比を、各被験者の疾患、年齢等の内訳とともに、性別毎に表7,8に示す。また、実施例1と同様に、統計的な有意性を検定する目的でKrusal-Walis testを行った。その結果も表7,8に示す。
Figure 2008266306
Figure 2008266306
<血中コレステロール上昇剤による効果>
表7から、被験者が男性である場合には、スクアレンのみを主成分とする血中コレステロール上昇剤の投与によって、血中総コレステロールの値が平均で12.3%上昇していることが分かる。なお、その後の長期間の投与中止によって、血中総コレステロールの値が投与前と略同じレベルまで低下した。さらに、スクアレンおよびCoQ10を主成分とする血中コレステロール上昇剤の投与によって、血中総コレステロールの値が平均で14.3%上昇していることが分かる(有意差P<0.0001)。
また、表8から、被験者が女性である場合には、スクアレンのみを主成分とする血中コレステロール上昇剤の投与によって、血中総コレステロールの値が平均で11.6%上昇していることが分かる。なお、その後の長期間の投与中止によって、血中総コレステロールの値が投与前と略同じレベルまで低下した。さらに、スクアレンおよびCoQ10を主成分とする血中コレステロール上昇剤の投与によって、血中総コレステロールの値が平均で13.1%上昇していることが分かる(有意差P<0.0004)。
すなわち、表7,8から、性別に拘わらず、スクアレンとCoQ10とを同時に投与することにより、スクアレンの単独投与より血中総コレステロールの値を大きく上昇させ得ることが示された。この理由は明らかではないが、スクワレンとCoQ10とを組み合わせることによって、生体内でのコレステロール合成経路において、ファルネシルピロリン酸からのバイパス経路でCoQ10が合成される必要性が低下したことにより、スクアレンの合成が安定化したことによるものと考えられる。
[皮膚障害の改善効果の確認]
上記の如く一次投与(スクアレン単独投与)、二次投与(スクアレン+CoQ10投与)を行った被験者の一部(乾皮症、老人性乾皮症、皮膚掻痒症、フケ症、アレルギー性皮膚炎を発症している者)について、一次投与期間終了後および二次投与期間終了後に、それぞれ、被験者の皮膚の状態を診察し、病状を下記の4段階で評価した。診察結果を表9に示す。なお、表9において、矢印前の数値は、一次投与期間終了後の観察結果を示し、矢印後の数値は、二次投与期間終了後の観察結果を示す。
0・・症状なし
1・・軽度
2・・中等度
3・・重度
Figure 2008266306
<血中コレステロール上昇剤による効果>
表9から、スクアレンのみを主成分とする血中コレステロール上昇剤を投与した後に、スクアレンおよびCoQ10を主成分とする血中コレステロール上昇剤を投与することにより、乾皮症、老人性乾皮症、皮膚掻痒症(老人性、精神性)、フケ症、アレルギー性皮膚炎を発症している被験者について、顔面、身体のいずれにおいても、病状の改善傾向があることが分かる。
一日当たりのスクアレンの摂取量の増加に伴う血中総コレステロールの上昇率の変化を示すグラフである。 一日当たりのスクアレンの摂取量の変化と血中総コレステロールの上昇率との関係を示すグラフである。

Claims (5)

  1. スクアレンを主成分とする血中コレステロール上昇剤。
  2. スクアレンの1日当たりの摂取量が100〜2,000mgとなるように製剤化したことを特徴とする請求項1に記載の血中コレステロール上昇剤。
  3. HDLコレステロールをLDLコレステロールに比べて優先的に上昇させることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の血中コレステロール上昇剤。
  4. 中性脂肪を実質的に上昇させないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の血中コレステロール上昇剤。
  5. スクアレン1重量部に対してコエンザイムQ10を0.01〜0.3重量部添加したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の血中コレステロール上昇剤。
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