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JP2008169374A - アゾ化合物、インク組成物、記録方法及び着色体 - Google Patents

アゾ化合物、インク組成物、記録方法及び着色体 Download PDF

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JP2008169374A JP2007276121A JP2007276121A JP2008169374A JP 2008169374 A JP2008169374 A JP 2008169374A JP 2007276121 A JP2007276121 A JP 2007276121A JP 2007276121 A JP2007276121 A JP 2007276121A JP 2008169374 A JP2008169374 A JP 2008169374A
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Abstract

【課題】水を主要成分とする媒体に対する溶解性が高く、高濃度水溶液及びインクを長期間保存した場合でも安定であり、印字された画像の濃度が非常に高く、印字された画像の堅牢性、特に耐光性と耐オゾンガス性が共に優れた黒色の記録画像を与え、また、合成が容易でありかつ安価である黒色インク用色素化合物とそのインク組成物の提供。
【解決手段】例えば下式で表されるアゾ化合物またはその塩を含む組成物が例示される。
Figure 2008169374

【選択図】なし

Description

本発明は、新規なアゾ化合物又はその塩、これらを含有するインク組成物およびそれによる着色体に関する。
各種のカラー記録法の中でも代表的方法の一つであるインクジェットプリンタによる記録方法は、インクの小滴を発生させこれを種々の被記録材料(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うものである。この方法は、記録ヘッドと被記録材料とが直接接触しないため音の発生が少なく静かであり、また小型化、高速化が容易という特長の為近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。従来、万年筆、フェルトペン等用のインク及びインクジェット記録用インクとしては、水溶性染料を水性媒体中に溶解した水性インクが使用されており、これらの水性インクにおいてはペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく一般に水溶性有機溶剤が添加されている。そしてこれらのインクにおいては、十分な濃度の記録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾燥性がよいこと、滲みが少ないこと、保存安定性に優れること等が要求される。また使用される水溶性染料には特に水への溶解度が高いこと、インクに添加される水溶性有機溶剤への溶解度が高いことが要求される。更に、形成される画像には耐水性、耐光性、耐ガス性、耐湿性等の画像堅牢性が求められている。
これらのうちで、耐ガス性とは、空気中に存在する酸化作用を持つオゾンガスなどが記録紙中で染料に作用し、印刷された画像を変退色させるという現象に対する耐性のことである。オゾンガスの他にも、この種の作用を持つ酸化性ガスとしては、NOx、SOx等が挙げられるが、これらの酸化性ガスの中でもオゾンガスがインクジェット記録画像の変退色現象をより促進させる主原因物質とされており、特に耐オゾンガス性とも呼ばれる。写真画質インクジェット専用紙の表面に設けられるインク受容層には、インクの乾燥を早めまた高画質でのにじみを少なくする為に、多孔性白色無機物等の素材を用いているものが多く、このような記録紙上でオゾンガス等による変退色が顕著に見られる。この酸化性ガスによる変退色現象はインクジェット画像に特徴的なものであるため、耐ガス性の向上はインクジェット記録方法における最も重要な課題の1つとなっている。
今後、インクを用いた印刷方法の使用分野を拡大すべく、インクジェット記録用に用いられるインク組成物及びそれによって着色された着色体には、耐光性、耐ガス性、耐湿性、耐水性の更なる向上が強く求められている。
種々の色相のインクが種々の染料から調製されているが、それらのうち黒色インクはモノカラーおよびフルカラー画像の両方に使用される重要なインクである。これら黒色インク用の染料として今日まで多くのものが提案されているが、市場の要求を充分に満足する製品を提供するには至っていない。提案されている色素の多くはアゾ色素であり、そのうちC.I.Food Black2等のジスアゾ色素については、耐水性や耐湿性が不良である、耐光性および耐ガス性が十分でない、メタメリズムが不良である等の問題がある。共役系を延ばしたポリアゾ色素については、一般に水溶性が低く記録画像が部分的に金属光沢を有するブロンジング現象が発生しやすい、耐光性および耐ガス性が十分でない等の問題がある。また、同様に数多く提案されているアゾ含金色素の場合、耐光性が良好なものもあるが、金属イオンを含むため生物への安全性や環境問題に対し好ましくない、耐オゾンガス性が極めて弱い等の問題がある。
近年最も重要な課題となっている耐オゾンガス性について改良されたインクジェット用黒色インク用化合物(色素)としては、例えば特許文献1および2に記載の化合物が挙げられる。これらの化合物は耐オゾンガス性が市場要求を十分に満たすものではなく、耐光性に関しても十分ではない。また、本発明の黒色インク用色素化合物の特徴であるベンズイミダゾロピリドン骨格を有するアゾ化合物としては、特許文献3〜6等に記載がある。特許文献4及び5にはトリスアゾ化合物は開示されているが、本発明の非対称型テトラキスアゾ化合物に類似するものは開示されていない。また、水溶性の化合物は少なく、インクジェットインク用黒色化合物としての使用例はない。
特開2003−183545号 特開2003−201412号 国際公開特許2004−050768号 ドイツ国公開特許2004488号 ドイツ国公開特許2023295号 特開平05−134435号
本発明は、水を主要成分とする媒体に対する溶解性が高く、高濃度水溶液及びインクを長期間保存した場合でも安定であり、印字された画像の濃度が非常に高く、印字された画像の堅牢性、特に耐光性と耐オゾンガス性が共に優れた黒色の記録画像を与え、また、合成が容易でありかつ安価である黒色インク用色素化合物とそのインク組成物を提供する事を目的とする。
本発明者らは前記したような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のアゾ化合物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明に至ったものである。即ち本発明は、
(1)
下記式(1)で表されるアゾ化合物またはその塩
Figure 2008169374
(式(1)中、R1は(C1〜C4)アルキル基(カルボキシル基で置換されていても良い)、フェニル基(スルホ基で置換されていても良い)、またはカルボキシル基を表す。
2はシアノ基、カルバモイル基またはカルボキシル基を表す。
3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、塩素原子またはスルホ基をそれぞれ表す。
5およびR6はそれぞれ独立して水素原子、カルボキシル基、スルホ基、アセチルアミノ基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)を表す。
7およびR8は、どちらか一方が(C1〜C4)アルキルチオ基(ヒドロキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)を表し、他方が水素原子、カルボキシル基、スルホ基、アセチルアミノ基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)を表す。
9およびR10はそれぞれ独立して水素原子、カルボキシル基、スルホ基、アセチルアミノ基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)、(C1〜C4)アルキルチオ基(ヒドロキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)を表す。
11からR13はそれぞれ独立して水素原子、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基、アセチルアミノ基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)、(C1〜C4)アルキルスルホニル基(ヒドロキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)を表す。)
(2)
11からR13の少なくともひとつがスルホ基またはカルボキシル基であり、R5からR10の少なくともひとつがスルホ基またはスルホプロポキシ基または4−スルホブトキシ基である上記(1)に記載のアゾ化合物
(3)
下記式(2)で表される上記(1)に記載のアゾ化合物
Figure 2008169374
(式(2)中、R1は(C1〜C4)アルキル基(カルボキシル基で置換されていても良い)、フェニル基(スルホ基で置換されていても良い)、またはカルボキシル基を表す。
2はシアノ基、カルバモイル基またはカルボキシル基を表す。
3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、塩素原子またはスルホ基をそれぞれ表す。
5がスルホ基またはスルホエトキシ基またはスルホプロポキシ基またはスルホブトキシ基であり、
7およびR8は、どちらか一方が(C1〜C4)アルキルチオ基(ヒドロキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)を表し、他方が水素原子、カルボキシル基、スルホ基、アセチルアミノ基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)であり、
9がスルホエトキシ基またはスルホプロポキシ基またはスルホブトキシ基であり、R6およびR10がそれぞれ独立に水素原子、アセチルアミノ基、メチル基、エチル基、メトキシ基またはエトキシ基から選択される基を表す。)
(4)
1がメチル基、R2がシアノ基またはカルバモイル基、R3が水素原子、R4がスルホ基である上記(1)に記載のアゾ化合物
(5)
1がメチル基、R2がシアノ基またはカルバモイル基、R3が水素原子、R4がスルホ基、R5がスルホ基またはスルホプロポキシ基、R7がスルホプロピルチオ基、R9がスルホプロポキシ基、R6、R8およびR10が水素原子またはメチル基であり、R11からR13が水素原子、スルホ基、カルボキシル基、スルホプロピルスルホニル基またはアセチルアミノ基である上記(1)または(3)に記載のアゾ化合物
(6)
1がメチル基、R2がシアノ基またはカルバモイル基、R3が水素原子、R4がスルホ基、R5がスルホ基またはスルホプロポキシ基、R7がスルホプロピルチオ基、R9がスルホプロポキシ基、R6およびR10が水素原子またはメチル基であり、R8がメトキシ基であり、R11からR13が水素原子、スルホ基、カルボキシル基、スルホプロピルスルホニル基またはアセチルアミノ基である上記(1)または(3)に記載のアゾ化合物
(7)
1がメチル基またはn−プロピル基であり、R2がシアノ基またはカルバモイル基であり、R3が水素原子であり、R4がスルホ基であり、R5がスルホ基または3−スルホプロポキシ基であり、R6が水素原子またはメチル基であり、R7が3−スルホプロピルチオ基または2−カルボキシエチルチオ基であり、R8およびR10がメチル基であり、R9が3−スルホプロポキシ基または4−スルホブトキシ基であり、R11〜R13は、R11〜R13が置換するベンゼン環のアゾ基の置換位置を1位とした場合に、R11が2位または3位に置換したスルホ基、カルボキシル基または水素原子であり、R12が4位に置換したスルホ基、アセチルアミノ基、スルホプロピルスルホニル基または水素原子であり、R13が5位または6位に置換したスルホ基、カルボキシル基または水素原子である上記(3)に記載のアゾ化合物
(8)
1がメチル基またはn−プロピル基であり、R2がシアノ基またはカルバモイル基であり、R3が水素原子であり、R4がスルホ基であり、R5がスルホ基または3−スルホプロポキシ基であり、R6が水素原子またはメチル基であり、R7が3−スルホプロピルチオ基または2−カルボキシエチルチオ基であり、R8がメトキシ基であり、R10がメチル基であり、R9が3−スルホプロポキシ基または4−スルホブトキシ基であり、R11〜R13は、R11〜R13が置換するベンゼン環のアゾ基の置換位置を1位とした場合に、R11が2位または3位に置換したスルホ基、カルボキシル基または水素原子であり、R12が4位に置換したスルホ基、アセチルアミノ基、スルホプロピルスルホニル基または水素原子であり、R13が5位または6位に置換したスルホ基、カルボキシル基または水素原子である上記(3)に記載のアゾ化合物
(9)
1がメチル基、R2がシアノ基、R3が水素原子、R4がスルホ基、R5がスルホ基、R6が水素原子であり、R7が3−スルホプロピルチオ基、R9が3−スルホプロポキシ基、R8およびR10がメチル基、R12がスルホ基でその置換位置がアゾ基に対してパラ位、R11およびR13が水素原子である上記(3)または(7)に記載のアゾ化合物
(10)
1がメチル基、R2がシアノ基、R3が水素原子、R4がスルホ基、R5がスルホ基、R6が水素原子であり、R7が3−スルホプロピルチオ基、R9が3−スルホプロポキシ基、R8がメトキシ基、R10がメチル基、R12がスルホ基でその置換位置がアゾ基に対してパラ位、R11が水素原子、R13が水素原子である上記(3)、(6)または(8)のいずれか一項に記載のアゾ化合物
(11)
1がメチル基、R2がシアノ基、R3が水素原子、R4がスルホ基、R5がスルホ基、R6が水素原子であり、R7が3−スルホプロピルチオ基、R9が3−スルホプロポキシ基、R8およびR10がメチル基、R11がスルホ基でその置換位置がアゾ基に対してオルト位、R12がスルホ基でその置換位置がアゾ基に対してパラ位およびR13が水素原子である上記(3)または(7)に記載のアゾ化合物
(12)
上記(1)から(11)のいずれか一項に記載のアゾ化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするインク組成物
(13)
上記(12)に記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェットプリント記録方法
(14)
インクジェットプリント記録方法における被記録材が情報伝達用シートである上記(13)に記載のインクジェットプリント記録方法
(15)
情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するものである上記(14)に記載のインクジェットプリント記録方法
(16)
上記(15)に記載のインク組成物を含む容器を装填したインクジェットプリンタ
(17)
上記(1)から(11)のいずれか一項に記載のアゾ化合物によって着色された着色体、
に関する。
本発明のアゾ化合物およびその互変異性体、またはそれらの塩(以下これらを纏めて単にアゾ化合物という)は水溶解性に優れるので、インク組成物製造過程でのメンブランフィルターによるろ過性が良好であり、記録液の保存時の安定性や吐出安定性にも優れている。又、このアゾ化合物を含有する本発明のインク組成物は長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。又、本発明のアゾ化合物を含有するインク組成物は、インクジェット記録用、筆記用具用として好適に用いられ、普通紙及びインクジェット専用紙に記録した場合の記録画像の印字濃度が非常に高く、さらに各種堅牢性、特に耐光性と耐オゾンガス性が共に優れている。マゼンタ、シアン及びイエロー染料を用いたインク組成物と共に用いることで各種堅牢性に優れ、保存性の優れたフルカラーのインクジェット記録が可能である。このように本発明のインク組成物はインクジェット記録用ブラックインクとして極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
式(1)で表されるアゾ化合物の互変異性体としては、式(1)の化合物以外に下記式(3)および(4)が考えられ、これらの化合物も本発明に含まれる。
Figure 2008169374
(式(3)中、R1〜R13は式(1)におけるものと同じ意味を有する。)
Figure 2008169374
(式(4)中、R1〜R13は式(1)におけるものと同じ意味を有する。)
式(1)におけるR1およびR5〜R13において、(C1〜C4)アルキル基の例としては例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル等が挙げられる。
式(1)におけるR1において、カルボキシル基で置換されていても良い(C1〜C4)アルキル基の例としては例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル等が挙げられる。
式(1)におけるR1およびR5〜R13において、ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシル基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い(C1〜C4)アルコキシ基の例としては例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、n−プロポキシエトキシ、イソプロポキシエトキシ、n−ブトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシプロポキシ、n−プロポキシプロポキシ、イソプロポキシブトキシ、n−プロポキシブトキシ、2−ヒドロキシエトキシエトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ等が挙げられる。
式(1)におけるR11〜R13において、ヒドロキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い(C1〜C4)アルキルスルホニル基の例としては例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、2−ヒドロキシエチルスルホニル、2−ヒドロキシプロピルスルホニル、2−スルホエチルスルホニル、3−スルホプロピルスルホニル、2−カルボキシエチルスルホニル、3−カルボキシプロピルスルホニル等が挙げられる。
式(1)におけるR1において、スルホ基で置換されていても良いフェニル基の例としては例えば、フェニル、3−スルホフェニル、4−スルホフェニル、2,4−ジスルホフェニル、3,5−ジスルホフェニル等が挙げられる。
式(1)におけるR7〜R10において、ヒドロキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い(C1〜C4)アルキルチオ基の例としては例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、t−ブチルチオ、2−ヒドロキシエチルチオ、2−ヒドロキシプロピルチオ、3−ヒドロキシプロピルチオ、2−スルホエチルチオ、3−スルホプロピルチオ、2−カルボキシエチルチオ、3−カルボキシプロピルチオ、4−カルボキシブチルチオ等が挙げられる。
式(1)における好ましいR11〜R13としては、それぞれ独立に水素原子、シアノ、カルボキシル、スルホ、スルファモイル、メチルスルホニル、2−ヒドロキシエチルスルホニル、3−スルホプロピルスルホニル、アセチルアミノ、ニトロ、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ等であり、より好ましくは、水素原子、シアノ、カルボキシル、スルホ、スルファモイル、メチルスルホニル、2−ヒドロキシエチルスルホニル、3−スルホプロピルスルホニル、ニトロであり、さらに好ましくは、水素原子、カルボキシル、スルホである。R11〜R13の好ましい組み合わせとしては、R11が水素原子、スルホまたはカルボキシルであり、R12が水素原子、スルホ、アセチルアミノまたは3−スルホプロピルスルホニル、R13が水素原子またはスルホまたはカルボキシルであり、特に好ましい組合せはR11が水素原子、スルホまたはカルボキシル、R12が水素原子またはスルホ、R13が水素原子またはスルホまたはカルボキシルである。
式(1)における好ましいR5〜R6としては、それぞれ独立に水素原子、カルボキシル、スルホ、アセチルアミノ、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ等であり、より好ましくは、スルホ、メチル、メトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、カルボキシメトキシであり、さらに好ましくは、水素原子、スルホ、メチル、メトキシ、3−スルホプロポキシである。R5とR6の好ましい組み合わせとしては、R5がスルホでR6が水素原子、またはR5が3−スルホプロポキシまたは4−スルホブトキシでR6がメチルである。
式(1)における好ましいR7およびR8としては、どちらか一方が(C1〜C4)アルキルチオ基(ヒドロキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)であり、そのうち好ましいものは、n−プロピルチオ、n−ブチルチオ、2−ヒドロキシエチルチオ、2−ヒドロキシプロピルチオ、3−ヒドロキシプロピルチオ、2−スルホエチルチオ、3−スルホプロピルチオ、2−カルボキシエチルチオ、3−カルボキシプロピルチオであり、より好ましくは、2−ヒドロキシエチルチオ、2−スルホエチルチオ、3−スルホプロピルチオ、2−カルボキシエチルチオであり、更に好ましくは3−スルホプロピルチオである。
他方の好ましいものは、水素原子、カルボキシル、スルホ、アセチルアミノ、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ等であり、より好ましくは、水素原子、スルホ、メチル、メトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、カルボキシメトキシであり、さらに好ましくは、メチル、3−スルホプロポキシである。R7とR8の好ましい組み合わせとしては、R7が3−スルホプロピルチオでR8がメチルである。
式(1)における好ましいR9およびR10としては、それぞれ独立に水素原子、カルボキシル、スルホ、アセチルアミノ、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、2−ヒドロキシエチルチオ、2−スルホエチルチオ、3−スルホプロピルチオ、2−カルボキシエチルチオ等であり、より好ましくは、水素原子、スルホ、メチル、メトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、カルボキシメトキシであり、さらに好ましくは、メチル、メトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシである。R9とR10の好ましい組み合わせとしては、R9が3−スルホプロポキシまたは4−スルホブトキシでR10がメチルである。
式(1)における好ましいR1は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、カルボキシメチル、フェニル、4−スルホフェニル、カルボキシルであり、より好ましくは、メチル、n−プロピル、カルボキシメチル、4−スルホフェニルであり、さらに好ましくは、メチルである。
式(1)における好ましいR1とR2はの組み合わせは、R1がメチルでR2がシアノ、またはR1がメチルでR2がカルバモイルである。
式(1)におけるより好ましいR3およびR4は、水素原子、メチル、スルホであり、好ましいR3とR4の組み合わせはR3が水素原子でR4がスルホ、またはR3がスルホでR4が水素原子である。
上記式(1)のより好ましい化合物は下記式(2)で表される化合物である。
Figure 2008169374
上記式(2)において、R1〜R10は上記式(1)と同じ意味を表し、好ましい基および好ましい基の組み合わせも上記式(1)の場合と同じであるが、上記のR5〜R10が、式(2)の位置に置換したものがより好ましい。
上記式(2)におけるR11〜R13は、上記式(1)におけるR11〜R13と同じ意味を表し、好ましい基および好ましい基の組合せも上記式(1)の場合と同じである。
式(2)において、より好ましいR11〜R13はその置換位置などを特定することができる。
すなわち、R11〜R13が置換するベンゼン環において、アゾ基の置換位置を1位とした場合に、R11が2位または3位に、R12が4位に、およびR13が5位または6位に置換したものが好ましい。
さらにR11が2位または3位に置換したスルホ基、カルボキシル基または水素原子であり、R12が4位に置換したスルホ基、アセチルアミノ基、スルホプロピルスルホニル基または水素原子であり、R13が5位または6位に置換したスルホ基、カルボキシル基または水素原子である組合せが特に好ましい。
式(2)において特に好ましいものは、R5〜R13の置換位置が上記のように特定されたものであり、置換基の種類については上記式(1)におけるのと同じでよい。
前記式(1)で示されるアゾ化合物の塩は、無機又は有機の陽イオンの塩である。そのうち無機塩の具体例としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩が挙げられ、好ましい無機塩は、リチウム、ナトリウム、カリウムの塩およびアンモニウム塩であり、又、有機の陽イオンの塩としては例えば下記式(5)で示される化合物の塩があげられるがこれらに限定されるものではない。また遊離酸、その互変異性体、およびそれらの各種の塩が混合物であってもよく、例えばナトリウム塩とアンモニウム塩の混合物、遊離酸とナトリウム塩の混合物、リチウム塩、ナトリウム塩およびアンモニウム塩の混合物など、いずれの組み合わせを用いても良い。塩の種類によって溶解性などの物性値が異なる場合も有り、必要に応じて適宜塩の種類を選択したり、複数の塩などを含む場合にはその比率を変化させることにより目的に適う物性を有する混合物を得ることもできる。
Figure 2008169374
式(5)においてZ1、Z2、Z3、Z4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基およびヒドロキシアルコキシアルキル基よりなる群から選択される基を表す。
式(5)におけるZ1、Z2、Z3、Z4のアルキル基の具体例としてはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチルなどが挙げられ、ヒドロキシアルキル基の具体例としてはヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等のヒドロキシ−(C1〜C4)アルキル基が挙げられ、ヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、2−ヒドロキシエトキシプロピル、4−ヒドロキシエトキシブチル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチル等ヒドロキシ(C1〜C4)アルコキシ−(C1〜C4)アルキル基が挙げられ、これらのうちヒドロキシエトキシ−(C1〜C4)アルキル基が好ましい。特に好ましいものとしては水素原子;メチル;ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等のヒドロキシ−(C1〜C4)アルキル基;ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、2−ヒドロキシエトキシプロピル、4−ヒドロキシエトキシブチル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチル等のヒドロキシエトキシ−(C1〜C4)アルキル基が挙げられる。
式(5)のZ1、Z2、Z3、Z4の具体例を表1に示す。
Figure 2008169374
式(1)で示される本発明のトリスアゾ化合物は、例えば次のような方法で合成することができる。また、各工程における化合物の構造式は遊離酸の形で表すものとする。
なお下記式(6)〜(13)において、R1〜R13は上記式(1)におけるのと同じ意味を表す。
下記式(6)で表される化合物を常法によりジアゾ化し、得られたジアゾ化合物と下記式(7)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ、下記式(8)で表される化合物を得る。
Figure 2008169374
Figure 2008169374
Figure 2008169374
得られた上記式(8)の化合物を常法によりジアゾ化した後、得られたジアゾ化合物と下記式(9)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ、下記式(10)で表される化合物を得る。
Figure 2008169374
Figure 2008169374
得られた上記式(10)の化合物を常法によりジアゾ化した後、得られたジアゾ化合物と下記式(11)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ、下記式(12)で表される化合物を得る。
Figure 2008169374
Figure 2008169374
得られた上記式(12)の化合物を常法によりジアゾ化した後、得られたジアゾ化合物と下記式(13)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させる事により、上記式(1)で表される本発明のアゾ化合物を得ることができる。また、式(13)で表される化合物は、特許文献4に記載の方法に準じて合成することができる。
Figure 2008169374
式(6)の化合物のジアゾ化はそれ自体公知の方法で実施され、たとえば無機酸媒質中、例えば−5〜30℃、好ましくは0〜15℃の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウムのごとき亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(6)の化合物のジアゾ化物と式(7)の化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜30℃、好ましくは0〜25℃の温度ならびに酸性から中性のpH値、たとえばpH1〜6で行うことが有利である。ジアゾ化反応液が酸性であるため、またカップリング反応の進行により反応系内は更に酸性化してしまうため、反応液の好ましいpH条件へのpH値の調整を塩基の添加によって行う。塩基としては、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムのごときアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのごときアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウムのごとき酢酸塩、アンモニア又は有機アミンなどが使用できる。式(6)の化合物と式(7)の化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
式(8)の化合物のジアゾ化はそれ自体公知の方法で実施され、たとえば無機酸媒質中、例えば−5〜40℃、好ましくは5〜30℃の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウムのごとき亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(8)の化合物のジアゾ化物と式(9)の化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜40℃、好ましくは10〜30℃の温度ならびに酸性から中性のpH値、たとえばpH2〜7で行うことが有利である。ジアゾ化反応液が酸性であるため、またカップリング反応の進行により反応系内は更に酸性化してしまうため、反応液の好ましいpH条件へのpH値の調整を塩基の添加によって行う。塩基としては上記と同じものが使用できる。式(8)の化合物と式(9)の化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
式(10)の化合物のジアゾ化はそれ自体公知の方法で実施され、たとえば無機酸媒質中、例えば−5〜50℃、好ましくは5〜40℃の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウムのごとき亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(10)の化合物のジアゾ化物と式(11)の化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜50℃、好ましくは10〜40℃の温度ならびに酸性から中性のpH値、たとえばpH2〜7で行うことが有利である。ジアゾ化反応液が酸性であるため、またカップリング反応の進行により反応系内は更に酸性化してしまうため、反応液の好ましいpH条件へのpH値の調整を塩基の添加によって行う。塩基としては上記と同じものが使用できる。式(10)の化合物と式(11)の化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
式(12)の化合物のジアゾ化もそれ自体公知の方法で実施され、たとえば無機酸媒質中例えば−5〜50℃、好ましくは10〜40℃の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウムのごとき亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(12)の化合物のジアゾ化物と式(13)の化合物のカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜50℃、好ましくは10〜40℃の温度ならびに弱酸性からアルカリ性のpH値で行うことが有利である。好ましくは弱酸性から弱アルカリ性のpH値、たとえばpH5〜10で実施され、pH値の調整は塩基の添加によって実施される。塩基としては上記と同じものが使用できる。式(12)と(13)の化合物は、ほぼ化学量論量で用いる。
式(1)に示した本発明の化合物の好適な具体例として、特に限定されるものではないが、下記表2、3及び6に示される化合物が挙げられる。各表においてスルホ基及びカルボキシル基などの酸性官能基は遊離酸の形で表記するものとする。
Figure 2008169374
Figure 2008169374
Figure 2008169374
本発明の式(1)で示されるアゾ化合物を所望の塩とするには、カップリング反応後、所望の無機塩または有機の陽イオンの塩を反応液に添加することにより塩析するか、或いは鉱酸の添加により遊離酸の形で単離し、これを水、酸性化した水および水性有機媒体などを必要に応じ用いて洗浄することにより無機塩を除去後、水性の媒体中で所望の無機又は有機の塩基により中和することで対応する塩の溶液とすることが出来る。ここで酸性の水とは、例えば硫酸、塩酸などの鉱酸や酢酸などの有機酸を水に溶解し、酸性にしたものをいう。また水性有機媒体とは、水を含有する水と混和可能な有機物質および水と混和可能ないわゆる有機溶剤などをいい、具体例としては後述する水溶性有機溶剤などが挙げられるが、通常溶剤として分類されない有機物質であっても水と混和可能なものであれば必要に応じて使用することが可能である。無機塩の例としては塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等アルカリ金属塩、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム等のアンモニウム塩が挙げられ、有機の陽イオンの塩の例としては、前記した式(5)で表される有機アミンのハロゲン塩等が挙げられる。無機の塩基の例としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられ、有機の塩基の例としては、有機アミン、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの前記した式(5)で表されるアミン類等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明のインク組成物について説明する。本発明の前記式(1)で表されるアゾ化合物を含む水性組成物の代表的な使用法としては、液体の媒体に溶解してなるインク組成物が挙げられる。
前記式(1)で示される本発明のアゾ化合物を含む反応液、例えば後述する実施例1(6)における反応液などは、インク組成物の製造に直接使用する事が出来る。しかし、まずこれを乾燥、例えばスプレー乾燥させて単離するか、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム等の無機塩類によって塩析するか、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸によって酸析するか、あるいは前記した塩析と酸析を組み合わせた酸塩析することによって本発明のアゾ化合物を取り出し、次にこれを用いてインク組成物を調製することもできる。
本発明のインク組成物は、本発明の式(1)で示されるアゾ化合物を通常0.1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%含有する、水を主要な媒体とする組成物である。本発明のインク組成物には、インクの粘度を調整する為、インクの乾燥性を調整する為、印刷後の記録媒体や記録媒体表面のインク受容層への浸透性を調整する為などの目的で、さらに水溶性有機溶剤を例えば0〜30質量%、インク調製剤を例えば0〜5質量%含有していても良い。なお、インク組成物のpHとしては、保存安定性を向上させる点で、pH5〜11が好ましく、pH7〜10がより好ましい。また、インク組成物の表面張力としては、25〜70mN/mが好ましく、25〜60mN/mがより好ましい。さらに、インク組成物の粘度としては、30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましい。本発明のインク組成物のpH、表面張力は後記するようなpH調整剤、界面活性剤で適宜調整することが可能である。
本発明のインク組成物は、前記の式(1)で示されるアゾ化合物を水又は水溶性有機溶剤(水と混和可能な有機溶剤)に溶解し、必要に応じインク調製剤を添加したものである。このインク組成物をインクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合、本発明のアゾ化合物としては、金属陽イオンの塩化物、硫酸塩等の無機物の含有量が少ないものを用いるのが好ましく、その含有量の目安は例えば1質量%以下(対色素原体)程度である。無機物の少ない本発明のアゾ化合物を製造するには、例えば逆浸透膜による通常の方法又は本発明のアゾ化合物の乾燥品あるいはウェットケーキをメタノール等のアルコール及び水の混合溶媒中で撹拌し、濾過分取、乾燥するなどの方法で脱塩処理すればよい。
前記インク組成物の調製において用いうる水溶性有機溶剤の具体例としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等の(C1〜C4)アルカノール;N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム;1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール等の(C2〜C6)アルキレン単位を有するモノ−、オリゴ−又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(トリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル又はエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールモノエチルエーテル又はトリエチレングリコールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4)アルキルエーテル;γ−ブチロラクトン又はジメチルスルホキシド等があげられる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
なお、上記の水溶性有機溶剤にはトリメチロールプロパン等のように、常温で固体の物質も含まれているが、これらは固体であっても水溶性を示し、水に溶解させた場合には水溶性有機溶剤と同じ目的で使用することができるため、便宜上、本明細書においては水溶性有機溶剤の範疇に記載するものとする。
前記インク組成物の調製において用いられるインク調製剤は、例えば防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤、酸化防止剤、界面活性剤などがあげられる。以下にこれらの薬剤について説明する。
防黴剤の具体例としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらはインク組成物中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
防腐剤の例としては、例えば有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。
有機ハロゲン系化合物の具体例としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。
ピリジンオキシド系化合物の具体例としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられる。
イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。
その他の防腐防黴剤の具体例として、ソルビン酸ソーダ、安息香酸ナトリウム、無水酢酸ソーダ等があげられる。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに、インクのpHを例えば5〜11の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。その具体例としては、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンなどのアルカノールアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム(アンモニア水)、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、酢酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム等の無機塩基などが挙げられる。
キレート試薬の具体例としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウムなどがあげられる。
防錆剤の具体例としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグルコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどがあげられる。
水溶性紫外線吸収剤の例としては、例えばスルホン化したベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ−ル系化合物、サリチル酸系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物が挙げられる。
水溶性高分子化合物の具体例としては、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等があげられる。
染料溶解剤の具体例としては、例えばε−カプロラクタム、エチレンカーボネート、尿素などが挙げられる。
酸化防止剤の例としては、例えば、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤の例としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、複素環類、等が挙げられる。
界面活性剤の例としては、例えばアニオン系、カチオン系、ノニオン系などの公知の界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤の例としてはアルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸、ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。
両性界面活性剤の具体例としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などがある。
ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどのアセチレングリコール(アルコール)系(例えば、日信化学社製、商品名サーフィノール104、105、82、465、オルフィンSTGなど)、ポリグリコールエーテル系(例えばSIGMA−ALDRICH社製のTergitol 15−S−7など)などが挙げられる。これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。
本発明のインク組成物は前記各成分を任意の順序で混合、撹拌することによって得られる。得られたインク組成物は、所望により、狭雑物を除く為にメンブランフィルター等で濾過を行ってもよい。また、インク組成物としての黒の色味を調整するため、本発明の式(1)で示されるアゾ化合物以外に、種々の色相を有する他の色素を混合してもよい。その場合は、他の色相を有する黒色や、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、その他レッドおよびブルーなどの色の色素を混合して用いることができる。
本発明のインク組成物は、各種分野において使用することができるが、筆記用水性インク、水性印刷インク、情報記録インク等に好適であり、インクジェット用インクとして用いることが、特に好ましく、後述する本発明のインクジェット記録方法において好適に使用される。
次に、本発明のインクジェット記録方法について説明する。本発明のインクジェット記録方法は、前記本発明のインク組成物を用いて記録を行うことを特徴とする。本発明のインクジェット記録方法においては、前記インク組成物を含有してなるインクジェット用インクを用いて受像材料に記録を行うが、その際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の方法、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等を採用することができる。なお、前記インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
本発明の化合物は、セルロースからなる材料を染色することが可能である。また、その他カルボンアミド結合を有する材料にも染色が可能で、皮革、織物、紙などの染色に幅広く用いることができる。
本発明の着色体は前記の本発明の化合物又はこれを含有するインク組成物で着色されたものであり、より好ましくは本発明のインク組成物を用いてインクジェットプリンタによって着色されたものである。着色されうるものとしては、例えば紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等が挙げられる。このうち情報伝達用シートとしては、表面処理されたもの、具体的には紙、合成紙、フィルム等の基材にインク受容層を設けたものが好ましい。インク受容層には、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工することにより、また多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックスなどのインク中の色素を吸収し得る多孔性白色無機物をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工することにより設けられる。このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙(フィルム)、光沢紙(フィルム)等と呼ばれ、例えばプロフェッショナルフォトペーパー、スーパーフォトペーパー、マットフォトペーパー(いずれもキヤノン(株)製)、写真用紙(光沢)、PMマット紙、クリスピア(いずれもセイコーエプソン(株)製)、アドバンスフォトペーパー、プレミアムプラスフォト用紙、プレミアム光沢フィルム、フォト用紙(いずれも日本ヒューレット・パッカード(株)製)等として市販品が入手可能である。なお、普通紙も利用できることはもちろんである。
これらのうち、特に多孔性白色無機物を表面に塗工した情報伝達用シートに記録した画像がオゾンガスによって変退色が大きくなることが知られているが、本発明のインク組成物は耐オゾンガス性が優れているため、このような被記録材への記録の際に特に効果を発揮する。
本発明のインクジェット記録方法で、情報伝達用シート等の被記録材に記録するには、例えば上記のインク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、通常の方法で、被記録材に記録すればよい。本発明のインクジェット記録方法では、黒色の本発明のインク組成物、公知のマゼンタインク組成物、シアンインク組成物、イエローインク組成物、必要に応じて、グリーンインク組成物、ブルー(又はバイオレット)インク組成物及びレッド(又はオレンジ)インク組成物と併用されうる。各色のインク組成物は、それぞれの容器に注入され、その容器を、本発明のインクジェット記録用水性ブラックインク組成物を含有する容器と同様に、インクジェットプリンタの所定位置に装填されて使用される。
本発明のアゾ化合物は水溶解性に優れ、このアゾ化合物を含有する本発明のインク組成物は長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。又、本発明のアゾ化合物を含有する記録用ブラックインク組成物は、インクジェット記録用、筆記具用として用いられ、普通紙及びインクジェット専用紙に記録した場合、その記録画像は印字濃度の高い黒色を呈し、さらにその耐ガス性、耐光性およびブロンジング性が優れている。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り質量基準である。又、下記の各式において、スルホン基は遊離酸の形で表記するものとする。
実施例1
(1)4−クロロ−3−ニトロトルエン17.1部、3−メルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム22.0部及びジメチルスルホキシド60部の混合物を撹拌しながら60℃に加熱し、ここに炭酸ナトリウム11.2部を添加した。添加後120〜130℃に加熱し、同温度で6時間撹拌した。室温まで冷却し、反応液を2−プロパノール330部中に撹拌しながら添加した。析出した結晶を濾過分離し、ロート上2−プロパノール100部で結晶を洗浄した。得られた結晶を水300部に添加後、35%塩酸にてpH値を7.0〜7.5とし、塩化ナトリウムの添加により塩析し、析出物を濾過分離して式(14)の化合物を含むウェットケーキを得た。
Figure 2008169374
(2)鉄粉16.6部、水120部および35%塩酸3.1部を撹拌しながら90℃に加熱した。40分撹拌後、この溶液に上記式(14)の化合物を含むウェットケーキを水60部に懸濁させた溶液を約15分かけて滴下した。滴下後、85〜90℃で2時間撹拌し、室温まで冷却した。不溶物をろ過して除去した後、35%塩酸を添加し酸析し、析出物を濾過分離し、乾燥して、式(15)の化合物16.7部を得た。
Figure 2008169374
(3)式(16)の化合物(C.I.Acid Yellow 9)10.8部を水80部に懸濁し水酸化ナトリウムの添加によりpH値を4.0〜5.0とし溶解した。この溶液に35%塩酸12.0部の添加後、15〜25℃で40%亜硝酸ナトリウム水溶液5.8部を添加し、ジアゾ化した。
Figure 2008169374
このジアゾ懸濁液を、上述(2)で得られた上記式(15)の化合物7.8部を水60部に、水酸化ナトリウムの添加によりpH4.0〜5.0として溶解した溶液に、15〜25℃で約30分かけ滴下した。滴下中は炭酸ナトリウムの添加により溶液のpH値を3.0〜4.0に保持した。その後3時間攪拌し、35%塩酸および塩化ナトリウムの添加により酸塩析し、析出物を濾過分離して、式(17)のジスアゾ化合物を含むウェットケーキを得た。
Figure 2008169374
(4)(3)で得られた式(17)のジスアゾ化合物を含むウェットケーキを水130部に溶解し、35%塩酸4.0部の添加後、20〜35℃で40%亜硝酸ナトリウム水溶液2.4部を添加し、ジアゾ化した。このジアゾ懸濁液を、特開2004−083492に記載の方法で得られる下記式(18)の化合物2.9部を水25部に、水酸化ナトリウムの添加によりpH4.5〜5.5として溶解した溶液に、15〜25℃で約30分かけ滴下した。滴下中は炭酸ナトリウムの添加により溶液のpH値を4.5〜5.0に保持した。その後2時間攪拌し、塩化ナトリウムの添加により塩析し、析出物を濾過分離して、式(19)のトリスアゾ化合物を含むウェットケーキを得た。
Figure 2008169374
Figure 2008169374
(5)2−(シアノメチル)ベンズイミダゾールとアセト酢酸エチルをエタノール中、ナトリウムメトキシドの存在下に加熱反応させ、希塩酸の添加により酸析して得られる式(20)の化合物8.9部を6%発煙硫酸64部中に15〜25℃でゆっくり添加した。添加後、同温度で2時間撹拌した後、190部の氷水中に約10分で滴下した。析出した結晶を濾過分離し、得られた結晶を希塩酸に塩化ナトリウムを溶解させた溶液で洗浄し、乾燥して、式(21)の化合物10.7部を得た。
Figure 2008169374
Figure 2008169374
(6)(4)で得られた式(19)のトリスアゾ化合物を含むウェットケーキを水150部に水酸化ナトリウムの添加によりpH値を6.0〜7.0として溶解し、ここに40%亜硝酸ナトリウム水溶液2.1部を添加後、この溶液を35%塩酸4.7部と水40部の混合液中に20〜35℃で滴下しジアゾ化した。このジアゾ懸濁液を、(5)で得られた式(21)の化合物3.0部を水50部に水酸化ナトリウムの添加によりpH値を8.0〜9.0として溶解した溶液に、20〜35℃で滴下した。滴下中は炭酸ナトリウムの添加によりpH値を7.0〜8.0に保持した。滴下後、同温度で4時間撹拌し、塩化ナトリウムの添加により塩析し、析出物を濾過分離した。得られたウェットケーキを水150部に溶解後、メタノール120部の添加により晶析し、析出物を濾過分離した。得られたウェットケーキを更に水150部に溶解後、メタノール220部の添加により晶析し、析出物を濾過分離し、乾燥して本発明の式(22)のアゾ化合物(表2におけるNo.1の化合物)9.6部をナトリウム塩として得た。この化合物のpH7〜8の水溶液中での最大吸収波長(λmax)は586nmであり、溶解度は100g/L以上であった。
Figure 2008169374
実施例2
(A)インクの調製
下記する各成分を混合することにより黒色の本発明のインク組成物を得、0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により夾雑物を除いた。
また水はイオン交換水を使用した。インク調製時において、インクのpHは水酸化ナトリウムにてpH7〜9に調整し、その後イオン交換水を加えることにより総量100部とした。
表4
上記実施例1で得られた化合物 4.0部
グリセリン 5.0部
尿素 5.0部
N−メチル−2−ピロリドン 4.0部
イソプロピルアルコール 3.0部
ブチルカルビトール 2.0部
界面活性剤 0.1部
(商品名サーフィノール104 日信化学社製)
水+水酸化ナトリウム 76.9部
計 100.0部
表4において、上記実施例1で得られた化合物(22)を用いた試験を、実施例3とする。この水性インクは、貯蔵中、沈殿分離が生ぜず、また長期間保存後においても物性の変化は生じなかった。
実施例4
実施例1(1)における4−クロロ−3−ニトロトルエン17.1部を4−クロロ−3−ニトロアニソール18.7部に変更する以外は実施例1と同様にして、本発明の下記式(25)のアゾ化合物(上記表6におけるNo.12の化合物)10.0部をナトリウム塩として得た。この化合物のpH7〜8の水溶液中での最大吸収波長(λmax)は605nmであり、溶解度は100g/L以上であった。
Figure 2008169374
実施例5
(1)水40部に亜硫酸水素ナトリウム11.4部を溶解し、60〜70℃に過熱した。水溶液に35%ホルマリン9.4部、次いでアニリン9.3部を加え、同温度で1時間撹拌し、アニリンのメチル−ω−スルホン酸誘導体を含む水溶液を得た。一方、アニリン−2,4−ジスルホン酸27.8部を水80部に溶解し、35%塩酸22.9部、次いで反応温度15〜20℃で40%亜硝酸ナトリウム水溶液19.8部を約5分間で滴下することによりジアゾ化を行い、ジアゾ液を得た。得られたジアゾ液に、先に得られたアニリンのメチル−ω−スルホン酸誘導体を含む水溶液を加え、反応温度15〜30℃で3時間撹拌した。この間、反応系内に炭酸ナトリウムを加えてpH値を6.0〜7.0に保持した。反応液を水酸化ナトリウムでpH11とした後、同pHを維持しながら90〜95℃で6時間撹拌した。
反応液を20〜30℃まで冷却した後に、35%塩酸を加えてpH1.0〜1.5に調整した。析出固体を濾取し、乾燥して、下記式(26)のモノアゾ化合物15.1部を得た。
Figure 2008169374
(2)上記(1)で得られた式(26)のモノアゾ化合物15.1部を30%発煙硫酸13.6部中に0〜10℃でゆっくりと添加した。添加後、65〜70℃で2時間撹拌した後、40部の氷水中に約10分間で滴下し、析出した固体を濾取することにより下記式(27)のモノアゾ化合物を含むウェットケーキを得た。
Figure 2008169374
(3)実施例1(3)における式(16)の化合物10.8部を上記実施例5(2)で得られた式(27)のモノアゾ化合物を含むウェットケーキに変更する以外は実施例1と同様にして、本発明の下記式(28)のアゾ化合物(表6におけるNo.14の化合物)10.1部をナトリウム塩として得た。この化合物のpH7〜8の水溶液中での最大吸収波長(λmax)は573nmであり、溶解度は100g/L以上であった。
Figure 2008169374
上記の実施例4及び5で得られた化合物をそれぞれ用い、実施例2と同様にして、それぞれ実施例6及び7のインクを調製した。この水性インクは、貯蔵中、沈殿分離が生ぜず、また長期間保存後においても物性の変化は生じなかった。
比較例1
比較対象は水溶性インクジェット用色素として、特許文献1の表1−1の1の色素(下記式(23))を用いて実施例2と同様にして、比較例1のインクを調製した。
Figure 2008169374
比較例2
同様に、比較対象には水溶性インクジェット用色素として、特許文献3の実施例1で説明される色素AN−250(下記式(24))を用いて実施例2と同様にして、比較例2のインクを調製した。
Figure 2008169374
(B)インクジェットプリント
上記で得られたインクを使用し、インクジェットプリンタ(商品名 PIXUS iP4100 Canon社製 )により、専用光沢紙1(キヤノン社製プロフェッショナルフォトペーパー PR−101)、専用光沢紙2(EPSON社製 写真用紙<光沢> KA420PSK)の2種の紙にインクジェット記録を行った。
印刷の際は、反射濃度が数段階の階調で得られるように画像パターンを作り、黒色の印字物を得た。
耐光性試験、耐オゾンガス性試験の評価は測色機(SpectroEye GRETAG−MACBETH社製)を用い、試験前の印刷物の反射濃度D値が1.0に最も近い階調部分を用いて行った。
(C)記録画像の評価
本発明の水性インクによる記録画像において、耐光性試験後および耐オゾンガス性試験後の濃度変化について評価を行った。尚、試験は専用光沢紙1、2について行った。その結果を表5及び7に示した。具体的な試験方法は下記に示した。
1)耐光性試験
キセノンウェザオメーター(Ci4000 ATLAS社製)を用い、0.36W/平方メートル照度、湿度60%RH、温度24℃の条件で50時間照射した。試験終了後、上記の測色機を用いて測色し、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で求め以下の基準で評価を行った。
○ 残存率:90%以上
△ 残存率:90%未満で80%以上
× 残存率:80%未満
結果を表5及び7に示す。
2)耐オゾンガス性試験
オゾンウェザオメーター(スガ試験機社製)を用いてオゾン濃度を12ppm、湿度60%RH、温度24℃で印刷サンプルを4時間放置した。試験終了後、上記の測色機を用いて測色し、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で求め以下の基準で評価を行った。
○ 残存率:70%以上
△ 残存率:60%以上70%未満
× 残存率:60%未満
結果を表5及び7に示す。
表5
耐光性 耐オゾンガス性
実施例3 (式(22))
専用光沢紙1 ○ ○
専用光沢紙2 ○ ○
比較例1 (式(23))
専用光沢紙1 × ×
専用光沢紙2 △ ○
比較例2 (式(24))
専用光沢紙1 × ×
専用光沢紙2 △ ○
表7
耐光性 耐オゾンガス性
実施例6 (式(25))
専用光沢紙1 ○ ○
専用光沢紙2 ○ ○
実施例7 (式(28))
専用光沢紙1 ○ ○
専用光沢紙2 ○ ○
比較例1 (式(23))
専用光沢紙1 × ×
専用光沢紙2 △ ○
比較例2 (式(24))
専用光沢紙1 × ×
専用光沢紙2 △ ○
表5の結果より明らかなように、本発明のアゾ化合物を含有するインク組成物により記録された画像は、従来の黒色染料(比較例)の画像と比較して耐オゾンガス性では同等かそれ以上の堅牢性を示し、いずれの専用光沢紙においても良好な結果が得られた。すなわち比較例1及び2は専用光沢紙1を用いた場合に色素残存率が60%未満であるのに対して本発明の実施例3はいずれの専用光沢紙を用いた場合にも70%以上の色素残存率を示した。また耐光性においてはより明確に差が現れ、本発明のアゾ化合物を含有するインク組成物である実施例3はいずれの専用光沢紙を用いた場合においても色素残存率が90%以上を示したが、比較例1および2は専用光沢紙2を用いた場合にはいずれも90%未満80%以上、さらに専用光沢紙1を用いた場合にはいずれも80%未満の色素残存率であり、これらの結果に比べて本発明の実施例3は著しく良好な結果が得られた。これにより本発明のアゾ化合物により記録された画像の堅牢度は極めて優れていることがわかる。
また本発明のアゾ化合物は溶解度が高く安定なので、高濃度のインクが設計できる。
表7においても、表5と同じ結果が得られ、本発明のアゾ化合物の有用性が確認された。
本発明のアゾ化合物を含有するインク組成物はインクジェット記録用、筆記用具用ブラックインク液として好適に用いられる。

Claims (17)

  1. 下記式(1)で表されるアゾ化合物またはその塩
    Figure 2008169374
    (式(1)中、R1は(C1〜C4)アルキル基(カルボキシル基で置換されていても良い)、フェニル基(スルホ基で置換されていても良い)、またはカルボキシル基を表す。
    2はシアノ基、カルバモイル基またはカルボキシル基を表す。
    3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、塩素原子またはスルホ基をそれぞれ表す。
    5およびR6はそれぞれ独立して水素原子、カルボキシル基、スルホ基、アセチルアミノ基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)を表す。
    7およびR8は、どちらか一方が(C1〜C4)アルキルチオ基(ヒドロキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)を表し、他方が水素原子、カルボキシル基、スルホ基、アセチルアミノ基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)を表す。
    9およびR10はそれぞれ独立して水素原子、カルボキシル基、スルホ基、アセチルアミノ基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)、(C1〜C4)アルキルチオ基(ヒドロキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)を表す。
    11からR13はそれぞれ独立して水素原子、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基、アセチルアミノ基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)、(C1〜C4)アルキルスルホニル基(ヒドロキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)を表す。)
  2. 11からR13の少なくともひとつがスルホ基またはカルボキシル基であり、R5からR10の少なくともひとつがスルホ基またはスルホプロポキシ基または4−スルホブトキシ基である請求項1に記載のアゾ化合物
  3. 下記式(2)で表される請求項1に記載のアゾ化合物
    Figure 2008169374
    (式(2)中、R1は(C1〜C4)アルキル基(カルボキシル基で置換されていても良い)、フェニル基(スルホ基で置換されていても良い)、またはカルボキシル基を表す。
    2はシアノ基、カルバモイル基またはカルボキシル基を表す。
    3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、塩素原子またはスルホ基をそれぞれ表す。
    5がスルホ基またはスルホエトキシ基またはスルホプロポキシ基またはスルホブトキシ基であり、
    7およびR8は、どちらか一方が(C1〜C4)アルキルチオ基(ヒドロキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)を表し、他方が水素原子、カルボキシル基、スルホ基、アセチルアミノ基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い)であり、
    9がスルホエトキシ基またはスルホプロポキシ基またはスルホブトキシ基であり、R6およびR10がそれぞれ独立に水素原子、アセチルアミノ基、メチル基、エチル基、メトキシ基またはエトキシ基から選択される基を表す。)
  4. 1がメチル基、R2がシアノ基またはカルバモイル基、R3が水素原子、R4がスルホ基である請求項1に記載のアゾ化合物
  5. 1がメチル基、R2がシアノ基またはカルバモイル基、R3が水素原子、R4がスルホ基、R5がスルホ基またはスルホプロポキシ基、R7がスルホプロピルチオ基、R9がスルホプロポキシ基、R6、R8およびR10が水素原子またはメチル基であり、R11からR13が水素原子、スルホ基、カルボキシル基、スルホプロピルスルホニル基またはアセチルアミノ基である請求項1または3に記載のアゾ化合物
  6. 1がメチル基、R2がシアノ基またはカルバモイル基、R3が水素原子、R4がスルホ基、R5がスルホ基またはスルホプロポキシ基、R7がスルホプロピルチオ基、R9がスルホプロポキシ基、R6およびR10が水素原子またはメチル基であり、R8がメトキシ基であり、R11からR13が水素原子、スルホ基、カルボキシル基、スルホプロピルスルホニル基またはアセチルアミノ基である請求項1または3に記載のアゾ化合物
  7. 1がメチル基またはn−プロピル基であり、R2がシアノ基またはカルバモイル基であり、R3が水素原子であり、R4がスルホ基であり、R5がスルホ基または3−スルホプロポキシ基であり、R6が水素原子またはメチル基であり、R7が3−スルホプロピルチオ基または2−カルボキシエチルチオ基であり、R8およびR10がメチル基であり、R9が3−スルホプロポキシ基または4−スルホブトキシ基であり、R11〜R13は、R11〜R13が置換するベンゼン環のアゾ基の置換位置を1位とした場合に、R11が2位または3位に置換したスルホ基、カルボキシル基または水素原子であり、R12が4位に置換したスルホ基、アセチルアミノ基、スルホプロピルスルホニル基または水素原子であり、R13が5位または6位に置換したスルホ基、カルボキシル基または水素原子である請求項3に記載のアゾ化合物
  8. 1がメチル基またはn−プロピル基であり、R2がシアノ基またはカルバモイル基であり、R3が水素原子であり、R4がスルホ基であり、R5がスルホ基または3−スルホプロポキシ基であり、R6が水素原子またはメチル基であり、R7が3−スルホプロピルチオ基または2−カルボキシエチルチオ基であり、R8がメトキシ基であり、R10がメチル基であり、R9が3−スルホプロポキシ基または4−スルホブトキシ基であり、R11〜R13は、R11〜R13が置換するベンゼン環のアゾ基の置換位置を1位とした場合に、R11が2位または3位に置換したスルホ基、カルボキシル基または水素原子であり、R12が4位に置換したスルホ基、アセチルアミノ基、スルホプロピルスルホニル基または水素原子であり、R13が5位または6位に置換したスルホ基、カルボキシル基または水素原子である請求項3に記載のアゾ化合物
  9. 1がメチル基、R2がシアノ基、R3が水素原子、R4がスルホ基、R5がスルホ基、R6が水素原子であり、R7が3−スルホプロピルチオ基、R9が3−スルホプロポキシ基、R8およびR10がメチル基、R12がスルホ基でその置換位置がアゾ基に対してパラ位、R11およびR13が水素原子である請求項3または7に記載のアゾ化合物
  10. 1がメチル基、R2がシアノ基、R3が水素原子、R4がスルホ基、R5がスルホ基、R6が水素原子であり、R7が3−スルホプロピルチオ基、R9が3−スルホプロポキシ基、R8がメトキシ基、R10がメチル基、R12がスルホ基でその置換位置がアゾ基に対してパラ位、R11が水素原子、R13が水素原子である請求項3、6または8のいずれか一項に記載のアゾ化合物
  11. 1がメチル基、R2がシアノ基、R3が水素原子、R4がスルホ基、R5がスルホ基、R6が水素原子であり、R7が3−スルホプロピルチオ基、R9が3−スルホプロポキシ基、R8およびR10がメチル基、R11がスルホ基でその置換位置がアゾ基に対してオルト位、R12がスルホ基でその置換位置がアゾ基に対してパラ位およびR13が水素原子である請求項3または7に記載のアゾ化合物
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載のアゾ化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするインク組成物
  13. 請求項12に記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェットプリント記録方法
  14. インクジェットプリント記録方法における被記録材が情報伝達用シートである請求項13に記載のインクジェットプリント記録方法
  15. 情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するものである請求項14に記載のインクジェットプリント記録方法
  16. 請求項15に記載のインク組成物を含む容器を装填したインクジェットプリンタ
  17. 請求項1から11のいずれか一項に記載のアゾ化合物によって着色された着色体
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