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JP2006036995A - 土壌改良剤及びその使用方法 - Google Patents

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JP2006036995A JP2004221206A JP2004221206A JP2006036995A JP 2006036995 A JP2006036995 A JP 2006036995A JP 2004221206 A JP2004221206 A JP 2004221206A JP 2004221206 A JP2004221206 A JP 2004221206A JP 2006036995 A JP2006036995 A JP 2006036995A
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Toshio Yotsumoto
利夫 四元
Hiroaki Kurosawa
浩章 黒澤
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Nihon Kaisui Co Ltd
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Nihon Kaisui Co Ltd
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Abstract

【課題】 本発明は、自ら溶出せずに、土壌中の有害原因物質を、水で洗浄してその排水中に溶出させて取り出す必要なく、pHに影響され難くて不溶化し、その排出を殆ど阻止し得る土壌改良剤及びその使用方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 ランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物と水酸化ランタン0.5〜10質量%とを含有してなる混合希土類元素化合物が2次凝集粒子の平均径0.2〜25μmであることを特徴とする粉粒状土壌改良剤およびそれを土壌に混入して使用する方法。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、土壌中に存在する砒素、ホウ素、フッ素、リン、アンチモン、モリブデン等の有害物質を水に不溶化する土壌改良剤及びその使用方法に関する。
最近は社会的要請から土壌有害汚染物質例えば砒素、ホウ素、フッ素、リン、アンチモン、モリブデン等の有害物質に対する排水処理基準が厳しくなっている。半導体製造工程からの排水、ゴミ焼却場等で生じる廃水、火力発電所プラントから排出される灰汚水、床洗浄排水やゴミ焼却処理工場等から大量排出される洗煙排水等の排水には多くの場合、ホウ素、砒素、有害物質、等の土壌有害汚染物質が含まれている。
土壌汚染の原因物質のうち、砒素は、風雨や地下水の浸透などによって溶出し、二次的環境水質汚染を引き起こすことが心配される。特に、地中の砒素は、5価のヒ酸イオンや3価の亜ヒ酸イオンとなって溶出しやすく、環境庁の報告資料「平成14年度地下水質測定結果について」(環境省環境管理局水環境部土壌環境課地下水・地盤環境室平成15年11月27日)によると、調査の対象となった5,269本の井戸のうち1.5%の井戸で砒素濃度が地下水質基準(0.01mg/l)を越えており、その超越率は他の汚染物質よりも飛び抜けて高い。砒素は、発ガン性を有し、長期飲用すれば慢性中毒を引き起こす。自然界で砒素は温泉水、鉱山流出水中に検出される場合や、地下水、湧水中に恒常的に水質基準値以上検出される場合がある。その砒素の水質基準値は、カナダ保険福祉局が0.025mg/l以下、米国環境保護機関は0.050mg/l以下を0.01mg/l以下にする予定で、WHO世界保健機関の飲料水基準や国内水道法における水質基準値では砒素濃度は、0.01mg/l以下とされており、水中の砒素濃度がこれを越える場合は、水中より砒素を除去する必要がある。
一方ホウ素については、最近、排水などに係わる公共用水域および地下水の水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準項目として、ホウ素が追加された。ホウ素は、植物の成育にとって必須の元素であるが、過剰に存在すると植物の成長に悪影響を及ぼすことがわかってきている。さらに、人体に対しても、必ずしも明確でないが、低濃度でさえも継続摂取した場合に生殖機能の低下等の健康障害を引き起こす可能性が指摘されており、このため既に国内でもWHO世界保健機構の条例により0.5〜2mg/l以下という排水中許容濃度を制定しているところもある。我国でも平成14年5月29日に「土壌汚染対策法」が公布され、平成15年2月15日より施行された。この対策法の対象となる物質にホウ素が揚げられ、その第5条に土壌含有基準は土壌1kgにつき400mg以下であること、土壌溶出量基準は検液1lにつき1mg以下であること、土壌環境基準は検液1lにつき1mg以下であるという厳しい基準が定められた。ホウ素の環境基準として1mg/l以下が告示、施行されたため、これらのホウ素を含む工場排水、ごみ焼却場洗煙排水、地熱発電排水等の排水中のホウ素除去処理が必要となってきている。
また、フッ素について言えば、半導体製造工程からの排水、ゴミ焼却場等で生じる廃水、火力発電所プラントから排出される灰汚水、床洗浄排水やゴミ焼却処理工場等から排出される洗煙排水等の排水には多くの場合、フッ素及びその他有害汚染物質が含まれている。フッ素の排出基準は現在8ppmであるが、最も厳しい自治体の規制値に0.8ppmがあるなど、更に規制が強化されつつある。
当然、これら土壌中に存在する砒素、ホウ素、フッ素、リン、アンチモン、モリブデン等、土壌汚染の原因と考えられる物質は無害化する必要があるが、通常は土壌中からこれら有害物質を溶解してイオン化して排水として取り出し、廃水中のイオン化化合物の分離除去することが考えられる。これらの方法には、カルシウム化合物を添加し難溶性化合物にして中和凝集・沈殿させる方法や鉄化合物を用いた凝集沈殿法、あるいは塩基性陰イオン交換樹脂を用いる方法やアルミニウム塩型キレート樹脂を用いるイオン交換樹脂方法「特許文献1」(特開昭57−107287)あるいはジルコニウム担持型陽イオン交換樹脂を用いるイオン交換樹脂方法「非特許文献1」(日本化学会誌、379号、1981)、活性アルミナ難溶性物質に吸着させ分離する方法「特許文献2」(特開2002−86160)、希土類元素の水和酸化物を用いる方法「特許文献3」(特開昭61−187931)や希土類金属担持樹脂を用いる方法「特許文献4」(特開昭61−192340)等の吸着分離処理等の吸着法など、いくつかの分離処理方法が提案され実施されている。
しかし、これら有害物質を溶解してイオン化して排水として取り出し、その排水を処理するには膨大なイオン化剤と膨大な溶解水を必要とし、そして有害物質排除して浄化済みの水を戻すなどの煩雑な操作を強いられる欠点がある。
例えば、このスラッジ脱水ケーキを低減する方法に水酸化マグネシウムを使う方法も「特許文献5」特開2003−47972号公報に記載されているが、さらに操作の複雑さが増す欠点があった。
例えば、砒素の除去処理方法として、一般に用いられている凝集沈殿法(共沈法)は、被処理水の濁質量に応じてアルミニウム塩や鉄塩等の無機凝集剤を添加するため、濁質量が多い場合には、多量の凝集剤の投与を必要とする。さらに、砒素を取り込んだ凝集フロックが沈殿池や沈殿槽内で沈降沈殿するまでに除去時間に長時間を要する欠点があり、また凝集能に応じると沈殿池や沈殿槽の設置面積が大きい設備を操作する複雑さの欠点がある。その沈降を促進させる目的で別に用意した高分子凝集剤等を添加する場合もあるが、無機凝集剤、高分子凝集剤の調整添加により、被処理水の濁質量以上に砒素を含む、嵩張ったスラッジ量が発生し、その処理にさらに煩雑な作業が必要となる欠点がある。
「特許文献6」特開平8−206663号公報には、凝集剤添加による共沈法で生じる金属水酸化物と砒素 から成る凝集フロックを限外濾過膜、もしくは精密濾過膜で分離する処理方法が記載されている。この方法は、スラッジを限外濾過膜、もしくは精密濾過膜で濾過するため、頻繁な濾過膜の洗浄を要するという欠点がある。また、砒素を含む多量のスラッジの処理にさらに煩雑な作業が必要となる欠点もある。さらに、この特開公報記載の発明の砒素除去処理方法は、多量に凝集剤を使用するため凝集フロックpHが酸性側に移行し、凝集フロックが一部加水分解を生じてせっかくの除去砒素を放出し、限外濾過膜、或いは精密濾過膜を容易に通過し濾過水の砒素濃度を低減できなくなるという欠点もある。
例えば、土壌汚染の原因物質の有害物質含有排水を処理する方法としては、硫酸アルミニウムや消石灰等を除去剤として該排水に添加することにより不溶性沈殿として除去する方法、有害物質選択性キレート樹脂特殊樹脂土壌改良剤その代表的特殊樹脂にはN−メチルグルカミン基を有する有害物質選択吸着樹脂からなる吸着材がある。また希土類水酸化物含有物等の土壌改良剤により吸着させる方法、逆浸透膜により処理する方法等が知られているが、その操作などの欠点は前記土壌汚染の原因物質除去方法の欠点をそのまま有する。
また、土壌中の有害原因物質のホウ素をホウ素選択性イオン交換樹脂の弱塩基性交換基を遊離塩基形に調製しかつ強塩基性交換基を塩形に調製して用いることを特徴とするホウ素を除去した純水又は超純水の製造方法(特開平8−238478号公報)が提案されているがしかし、樹脂が溶解するからこその煩雑さは未だ残り、かつ上記アニオン交換樹脂やN−グルカミン基がポリスチレン高分子樹脂にキレート結合しているキレート系樹脂はホウ素水中濃度が5ppm以下の場合にはホウ素選択性や吸着性が時間と共に充分でなくなる欠点の他、イオン化したホウ素含有排水を取り出してからホウ素を除去しなければならない欠点は他の有害物質と同様の欠点が残り、また樹脂の耐熱性が高温で使用できない欠点が残されている。
そこで考えられる方法が、土壌中の有害原因物質を排水として取り出して浄化するのではなく土壌中の有害原因物質を排水から取り出せなくするすなわち有害原因物質例えば砒素やホウ素を溶出させない方法である。
そこで考えられるのが、前述のカルシウム化合物を多量に添加して原因物質と反応させて土壌水中で不溶化合物を作ることであるが、殆どの場合、自然界では考慮しなければならない水素イオン濃度やpHにより、酸またはアルカリにより加水分解し易く一度不溶化した有害物質(砒素、ホウ素等)もpHの変化により再度溶出してしまう欠点がある。
吸着法は、有害物質である砒素(As)やホウ素(B)、フッ素(F)、リン(P)、アンチモン(Sb)、モリブデン(Mo)などを含む被処理水と吸着材を接触させ、これらを吸着させることにより有害物質を排水から除去する方法が一般に用いられている。吸着材には、天然土壌や、活性炭、活性アルミナ、二酸化マンガン、チタン酸、ジルコニウム水和物、希土類元素ランタン(La)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)等の遷移金属化合物類が用いられている。従来用いられている土壌改良剤のうち、特に、活性アルミナは、排水中の残留砒素が通水倍量にほぼ比例して増加する性質を有する吸着材であって砒素のリークが吸着処理開始後比較的早く始まり吸着材の交換または再生メンテナンス頻度が煩雑である欠点があった。
吸着量が高いとされているランタンの希土類系土壌改良剤は、その有害物質例えば砒素やホウ素の化合物吸着量が水中の砒素やホウ素濃度の影響を受け、砒素濃度1.0mg/l以下の低濃度領域になると急激に砒素平衡吸着量が低下するという欠点があったし、水中では溶解し易くランタンが排水中に溶出して2次的排水基準問題を起こす欠点があった。また、活性アルミナや活性炭では、ランタン等の希土類系土壌改良剤に比べて平衡吸着量がかなり低い欠点があった。
更にまた、「特許文献7」の特開2001−200236には、セリウム(Ce)、ランタン(La)等の希土類金属の水和酸化物を主剤とすることを特徴とする砒素汚染物の砒素不溶化処理剤が土壌改良剤として提案されているが、砒素吸着を満足させてはいるもののランタンの溶出問題は解決されていなかった。
吸着剤としてランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物は、それ自体は水に溶出することはないが、水酸化ランタンに比べ砒素、ホウ素の吸着力とその速度は劣っていて低濃度の砒素、ホウ素の吸着には難点があった。一方水酸化ランタンは、低濃度の砒素、ホウ素の吸着能は、ランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物よりも優れてはいるけれども、自ら水溶性が高いために排水中に溶け出て排水基準値を超え易い大きな欠点があり相反する両特性を生かすにはこれらの欠点を解決しなければならない問題があった。
特開昭57−107287号公報 特開2002−86160号公報 特開昭61−187931号公報 特開昭61−192340号公報 特開2003−47972号公報 特開平8−206663号公報 特開2001−200236号公報 日本化学会誌、379号、1981
本発明は、土壌改良材であって、自ら溶出せずに、土壌中の有害原因物質を不溶化するので、土壌を水洗して有害物質を排水中に溶出させて、これを取り出す必要なく、その不溶化物はpHによる影響が少なく溶出されることなく安定であり、土壌を水洗処理してもその際に有害物が排水中に排出することを殆ど阻止し得る土壌改良剤及びその使用方法を提供することを目的とする。
本発明者は、ランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物は水酸化ランタンに比べ砒素、ホウ素の吸着力とその速度は劣っていて低濃度の砒素、ホウ素の吸着には難点があったし、一方水酸化ランタンは、低濃度の砒素、ホウ素の吸着能は、ランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物より優れてはいるが、自ら水溶性が高いために排水中に溶け出る欠点があり相反する問題があった従来技術の欠点及び前記課題を解決するため鋭意研究した結果、特定粒子径形状のランタン以外の希土類水酸化物および/または含水酸化物に水酸化ランタンを特定量複合させることにより驚くべきことに、従来技術の欠点課題を全て解決し得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は下記1)〜6)の発明である。
1) ランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物および/または含水酸化物と、これに対して水酸化ランタン0.01〜10質量%とを含有してなる混合希土類元素化合物からなり、その2次凝集粒子の平均径が0.2〜25μmであることを特徴とする粉粒状土壌改良剤。
2) 該混合希土類元素化合物が、樹脂との混合粉粒状体であることを特徴とする前記1)の粉粒状土壌改良剤。
3) 該樹脂との混合粉粒状体が、通水可能な空隙を有し、粒子の内部の空隙表面にランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物と水酸化ランタンの混合希土類元素化合物を露出させたことを特徴とする前記2)の粉粒状土壌改良剤。
4) 該希土類元素水酸化物および/または含水酸化物と水酸化ランタンが、その各々平均1次粒子径が0.01〜0.1μmであることを特徴とする前記1)〜3)の粉粒状土壌改良剤。
5) 前記1)〜4)記載の粉粒状土壌改良剤を、有害物質を少なくとも1種以上をイオン状態で含有する土壌に対して0.5〜15質量%均一に加えて該イオンを吸着不溶化することを特徴とする前記粉粒状土壌改良剤の使用方法。
6) 該有害物質が、砒素、ホウ素、フッ素、リン、アンチモン、モリブデンであることを特徴とする前記5)の使用方法。
本発明の土壌改良材は、自ら溶出せずに、土壌中の有害原因物質を不溶化するので、土壌を水洗してこれらを排水中に溶出させ、取り出す必要なく、またその不溶化物はpHによる影響が少なく溶出せずに安定であるため、土壌を土壌改良剤ともに水洗処理してもその不溶化物が排水中に溶出することを殆ど阻止することができる。そのため、本発明の土壌改良剤はこれを直接汚染土壌に散布して浄化することができ、また汚染土壌とともに水洗して処理してもよい。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明の有害物質とは、砒素、ホウ素、フッ素、リン、アンチモン、モリブデン等の有害物質を言う。
本発明の粉粒子状土壌改良剤は、ランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物と水酸化ランタンとの粉粒子状混合組成物である。該粉粒子状混合組成物のLa水酸化物は、ランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物に対して0.01〜10質量%含有している。好ましくは、0.05〜5質量%である。
本発明の土壌改良剤を使用する汚染された土壌の浄化方法は、この土壌を水と接触させて、有害物質を溶出させ、その溶出物を土壌改良剤により吸着させて不溶化するものである。したがって、汚染土壌を処理するには、これを水と接触させて有害物質を溶出させ、本発明の土壌改良剤によりこれを吸着させるか、あるいは、直接汚染土壌に本発明の土壌改良剤を散布、混合して、土壌から水を介して溶出する有害物質を吸着させてもよい。
粉粒状土壌改良剤は、図4に示すような、1次粒子が凝集した2次凝集粒子の平均径0.2〜25μmの粉粒状物集合体である。好ましくは、1〜6μmである。図4の通り、該2次凝集粒子の平均径は、平均径0.01〜0.1μmの1次粒子の凝集体の径であり、該2次凝集粒子の平均径が0.2μm以下では有害物質含有水との接触で溶出し易くなる恐れがあり、25μm以上では吸着速度が遅くなる恐れがある。なお、粒径はSEM(走査型電子顕微鏡)により測定したものである。
図4で確認できるように、この粉粒子状混合組成物の2次凝集粒子の形状は、球状でなくて不定形であり、その表面には多少丸みのある多数の1次粒子ないし小粒子を有して凹凸の激しい表面を有することが特徴である。ISO9277:1995により測定したBET表面積は、110m2/g以上であると好ましい。
本発明のランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物とは、1991年元素の周期表による3(3A)族の希土類元素であって、スカンジウムSc、イットリウムY、ランタノイド元素のセリウムCe、プラセオジムPr、ネオジウムNd、プロメチウムPm、サマリウムSm、ユウロピウムEu、カドリニウムGd、テルビウムTb、ジスプロシウムDy、ホルミウムHo、エルビウムEr、ツリウムTm、イッテルビウムYb、ルテチウムLuの水酸化物である。なかでも本発明の目的課題の合致して好ましい元素はCeであり、4価のCeが好ましい。Ce水酸化物とプラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)等の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物の混合体も有用である。
この本発明のランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物例えば水酸化セリウムは、水酸化ランタンに比べ砒素、ホウ素、フッ素、リン、アンチモン、モリブデン等の吸着力とその速度はやや劣っていて低濃度の砒素、ホウ素の吸着には難点があった。一方水酸化ランタンは、低濃度の砒素、ホウ素等の吸着能は、ランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物より優れてはいるが、自ら水溶性が高いために排水中に溶け出る欠点があり相反する問題があった。
ところが、ランタン以外の希土類水酸化物および/または含水酸化物に水酸化ランタンを特定量複合させることにより、驚くべきことに、これら両者の問題点を解決し得ることが分かった。すなわち、ランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物は自ら溶出するという問題は無いが、水酸化ランタンに比べ砒素、ホウ素等の吸着力とその速度は劣っていて、低濃度の砒素、ホウ素の吸着には難点があり、また、水酸化ランタンは、これらの有害成分対する吸着能は優れているが自らは水溶性が高く排水中に溶け出やすいため使用し難いという問題があった。しかし、このランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物に水酸化ランタンを特定量混合することによりこれらの問題つまり自ら溶出せずに吸着能を向上させるという問題を解決できることが分かった。
また、この粉粒子状土壌改良剤は、ランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物とこれに対して水酸化ランタンを0.01〜10質量%とを含有してなる混合希土類元素化合物に樹脂を混合して粒子状にしたものでも使用できる。樹脂混合の粒子の粒子体表面には高濃度の薄い該高分子樹脂層があると土壌改良剤として土壌に散布する場合粉塵が舞い上がることを抑えて散布し易い。
本発明の土壌改良剤は、有害物質の少なくとも1種以上をイオン状態で含有する土壌に対して0.5〜15質量%均一に加えることにより該イオンを吸着不溶化する作用を有する。
その樹脂混合物粒子体の場合は、ランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物と水酸化ランタンとの粉粒子状混合組成物である混合希土類元素水酸化物および/または含水酸化物を高分子樹脂100質量部当たり600質量部以上の割合で含有していることが好ましい。より好ましくは800質量部以上である。この樹脂混合物粒子体の形状は粒子状で水が通過出来る形の成型体でも良い。これら混合物を通水に支障なくカラムなどに充填して用いることができる構造形状であればよい。網状成型体でも目的課題に合えば良い。また、ほぼ均一な丸い粒状体であれば、平均粒径0.2mm〜5.0mmが好ましく用いられる。粒径0.2mm以下では充填密度が高くしっかりと有害物質を空隙内部表面に吸着し難く、5.0mm以上では、土壌中の水溶液と樹脂混合粒状体の単位時間当たりの接触面積が少なくなり易く結果として粒状体内部空隙部に吸着が遅くなり易い。
また、本発明粉粒状土壌改良剤の1つである樹脂混合粒子体の好ましい内部断面構造は、粒子表面に近い部分に高分子樹脂が内部より極めて濃度の高い層がある構造であり、中心部には空洞空隙部があり、その空洞部から表面方向に放射状の細い空隙があり、その粒子の内部の空隙表面にランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物と水酸化ランタンとの混合希土類元素化合物を露出させた構造である。空隙部は、粒子の内部の空隙表面にランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物と水酸化ランタンとの混合希土類元素化合物を露出させた構造が好ましい。
該樹脂濃度の高い表面層の内部近傍には、細かい空隙孔が内部よりも密に多数存在している断面構造が好ましい。理由は定かでないがこの構造が有害物質の吸着強化に極めて良好にしていることと推定される。
本発明の高分子樹脂とは、アニオン交換樹脂やキレート系樹脂よりも耐熱性があって水に溶出しない耐水性を持つ有機高分子重合体樹脂またはこれら樹脂の誘導体である。その数平均分子量は500以上好ましくは2000以上あれば良い。分子量が低すぎては水溶性親水性樹脂では溶出する点で好ましくなく、高温度では溶出が更に大きくなり耐熱性も少ない。
好ましい樹脂として、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、アセタール化ポリビニルアルコール系樹脂等の有機高分子や天然高分子及びこれらの誘導体を挙げることができる。例えばポリフッ化ビニリデン樹脂、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共重合樹脂は、希土類元素水酸化物および/または含水酸化物を高濃度に含有させ易く、耐水性、耐薬品性に優れ好ましい樹脂といえる。またポリテトラフルオロエチレン樹脂やその重合体も同様である。その他、耐水性に優れた有機高分子や天然高分子及びその誘導体も、本発明の目的に合った有用な樹脂といえる。
本発明のランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物と水酸化ランタンとの混合希土類元素化合物は従来不可能と思われていた高分子樹脂100質量部当たり600質量部という従来水準(樹脂100質量部当たり400質量部)を遙かに超えて該混合希土類元素水酸化物および/または含水酸化物を高含量で含有することができるが、このような場合においても、溶出し易いと思われていた水酸化ランタンは自ら溶出することがなく、かつ、有害物質吸着能も従来技術の2〜4倍の驚くべき吸着能を得る事ができるだけでなく、低濃度の砒素やホウ素等の有害物質を一度吸着するとpH変化では再度水中に溶出することがない驚くべき効果を示す。
本発明の土壌改良剤は、従来技術で達し得なかった飽和吸着量を示す。恐らく例えばランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物である水酸化セリウム粒子が水酸化ランタン粒子をしっかりと保持していて、このことが、土壌改良剤として土壌中に混合された場合に水酸化ランタンが溶出しないだけでなく、相乗効果として水酸化ランタンの砒素、ホウ素等の吸着能力を高度に発揮させて、かつ、土壌中のpHが変化しても溶出有害物質砒素、ホウ素を排水中に溶出させ難い好ましい原因だろうと思われる。
該混合希土類元素水酸化物および/または含水酸化物の2次粒子を樹脂で固着された空隙を有する粒子の内部の空隙表面に希土類元素化合物を露出させた粒子状土壌改良剤は、該希土類元素化合物が、水酸化物であることが好ましく、該粉粒子が、平均粒径が0.2〜5.0mmであり、その表面に樹脂濃度の高い層を厚さ1〜100μm、好ましくは厚さ5〜50μmであることが望ましい。
本発明の粉粒状土壌改良剤の使用方法としては、前記有害物質の少なくとも1種以上をイオン状態で含有する土壌に0.5〜15質量%均一に加えて該イオンを吸着不溶化する方法が好ましい。
土壌改良剤の形態としては、希土類元素水酸化物および/または含水酸化物をそのまま用いてもよいし、粒状に粒径を調整したものでも更に好ましくて良い。或いは、希土類元素水酸化物および/または含水酸化物を高分子樹脂に担持させたものでも良い。
本発明土壌改良剤は、前記有害物質で汚染された土壌に使用できる粒状土壌改良剤である。例えば、前記有害物質が砒素、及びホウ素である場合、砒素0.01mg以上、ホウ素1mg以上を含有する土壌に適用される。有害物質を含む土壌での土壌改良剤の使用方法は、この土壌と水を接触させたとき、有害物質が廃液基準値を越える砒素は0.01〜5.0mg、ホウ素は1.0〜7.0mg以上を含有する土壌に、土壌改良剤を均一に散布するのが本発明効果を発揮して好ましくて良い。
尚本発明の有害物質土壌改良剤は、土壌を他の回分式、固定床式、流動床式、移動床式、浸透圧式、逆浸透圧式、共沈式方法と併用しても吸着能を活性化し維持させ好ましい。
実施例1
以下に本発明の試験例等を示す。
〔土壌改良剤溶出試験〕
1.擬似土壌サンプル作製
残土置場等から土壌を数種採取し、各々篩にて、粒径0.5〜4.0mmの土壌粒子を分取した。この土壌粒子を風乾後、環境庁告示13号の方法に準じて溶出試験を行い、試験後の液pHを確認した。この液pHを、便宜上、各土壌のpHと定義した。
その後、各土壌に対し、下記有害物質元素を下記の割合で混合し、再び風乾した。
砒素:As(V)100ppm水溶液を土壌1kgに対し、100ml添加
した。その土壌中砒素濃度は、0.01g−As/kg−soil(土壌)である。
ホウ素:ホウ酸(H3BO3)を土壌1kgに対し、5.7g添加した。その土壌中ホウ素濃度は、1g−B/kg−soil(土壌)である。ホウ酸を5.7g添加するとホウ素元素としては1gを添加したことになる。
フッ素:フッ化ナトリウム(NaF)を土壌1kgに対し、2.2g添加した。その土壌中フッ素濃度は、1g−F/kg−soil(土壌)である。フッ化ナトリウムを2.2g添加するとフッ素元素としては1gを添加したことになる。
2.溶出試験(環境庁告示13号に準じる)
(試験1)1000mlポリ瓶に、上記擬似土壌サンプル50gと2次凝集粒子の平均径1.0μmである、水酸化ランタンを0.2質量%含む水酸化セリウム(Ce(OH)4)粉末とを加えて混合して混合希土類元素化合物を用意した。該土壌サンプル中に混合希土類元素化合物が、均一に混ざるよう、振り混ぜておいた。そして、純水に塩酸または水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH5.8〜6.3に調整した液500mlを前記の振り混ぜておいたポリ瓶に添加した。
次に、この添加されたポリ瓶を振とう機(タイテック製TS−4N)で6時間振とうした。次に、振とうが終わった該土壌サンプルを各サンプル50〜100ml取り出して、5C濾紙で自然濾過させた。次に、その濾液について、pH及びイオン濃度を測定した。砒素イオン濃度は、誘導結合プラズマ発光分析法(ICPという)または水素化砒素発生発光分光分析法(HYDという)で分析した。ホウ素イオン濃度及び、混合希土類元素水酸化物および/または含水酸化物由来のランタンイオン濃度は、ICP法で分析した。フッ素イオン濃度とpHは、堀場製作所製F−23型pH/イオンメーターで測定した。
土壌pHと有害元素(砒素、ホウ素、フッ素)溶出量の関係図を図1〜3に示す。混合希土類元素化合物の添加量は、イグニッションロス(Ig・loss)を含む。
上記実施例は、土壌改良剤自ら溶出する事無く、また、土壌中の有害原因物質を、排水中に溶出させることにより土壌から取り出すことなく、図から判明するごとく迅速にpHに影響され難くてかつ加水分解溶出させることなく不溶化してその排出を殆ど阻止し得ることを示している。フッ素に関しては、土壌pHが約5以下の場合に上記の効果を有することが分かった。
(試験2)試験1の混合希土類元素化合物833重量部とポリビニルブチラール樹脂100重量部とを溶媒N−メチル−2−ピロリドン700重量部に分散させて分散液を得た。次いでこの分散液を造粒機に投入し、樹脂100重量部に対して水酸化セリウム700重量部の割合になる丸みのある平均粒径0.70mmの粒子を得た。この粒子を粉粒状土壌改良材として用いる他は試験1と同様に操作した。結果は、試験1と殆ど同等であった。
(比較試験3)水酸化ランタンを20質量%含有する水酸化セリウム粉末を使用する他は試験1と同様に操作した。
結果として、有害物質の吸着は試験1とほぼ同等であった。ランタンイオン濃度を試験1と比較した結果は、表1の通りであり、ランタンのかなりの溶出が見られた。
Figure 2006036995
本発明の土壌改良剤及びその使用方法は、半導体製造工程からの排水、ゴミ焼却場等で生じる廃水、火力発電所プラントから排出される灰汚水、床洗浄排水やゴミ焼却処理工場等から大量排出される洗煙排水等の排水により砒素、ホウ素等の有害汚染物質で汚染された土壌の浄化改良の分野で好適に利用できる。
土壌溶出試験による本発明の砒素溶出量と土壌pHとの関係図。 土壌溶出試験による本発明のホウ素溶出量と土壌pHとの関係図。 土壌溶出試験による本発明のフッ素溶出量と土壌pHとの関係図。 本発明の混合希土類元素化合物からなる吸着剤の電子顕微鏡写真図。

Claims (6)

  1. ランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物と、これに対して水酸化ランタン0.01〜10質量%とを含有してなる混合希土類元素化合物からなり、その2次凝集粒子の平均径が0.2〜25μmであることを特徴とする粉粒状土壌改良剤。
  2. 該混合希土類元素化合物が、樹脂との混合粉粒状体であることを特徴とする請求項1の粉粒状土壌改良剤。
  3. 該樹脂との混合粉粒状体が、通水可能な空隙を有し、粒子の内部の空隙表面にランタン以外の希土類元素水酸化物および/または含水酸化物と水酸化ランタンの混合希土類元素化合物を露出させたことを特徴とする請求項2の粉粒状土壌改良剤。
  4. 該希土類元素水酸化物および/または含水酸化物と水酸化ランタンが、その各々平均1次粒子径が0.01〜0.1μmであることを特徴とする請求項1〜3の粉粒状土壌改良剤。
  5. 請求項1〜4記載の粉粒状土壌改良剤を、有害物質を少なくとも1種以上をイオン状態で含有する土壌に対して0.5〜15質量%均一に加えて該イオンを吸着不溶化することを特徴とする前記粉粒状土壌改良剤の使用方法。
  6. 該有害物質が、砒素、ホウ素、フッ素、リン、アンチモン、モリブデンであることを特徴とする請求項5の使用方法。

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