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JP2005508970A - 抗糖尿病性の2−置換−5’−o−(1−ボラノトリホスフェート)アデノシン誘導体 - Google Patents

抗糖尿病性の2−置換−5’−o−(1−ボラノトリホスフェート)アデノシン誘導体 Download PDF

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JP2005508970A JP2003537547A JP2003537547A JP2005508970A JP 2005508970 A JP2005508970 A JP 2005508970A JP 2003537547 A JP2003537547 A JP 2003537547A JP 2003537547 A JP2003537547 A JP 2003537547A JP 2005508970 A JP2005508970 A JP 2005508970A
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ピエレ ペティット
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ユニバーシティー オブ モントペリア アイ
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Abstract

位置2に、H、ハロゲン、O-ヒドロカルビル、S-ヒドロカルビル、NR3R4、及び任意にハロゲン、CN、SCN、NO2、OR3、SR3、またはNR3R4により置換されたヒドロカルビルからなる群から選択される基R1を有し、ここでR3及びR4はそれぞれ独立してHまたはヒドロカルビルであるか、またはR3及びR4は結合する窒素原子と共に、任意に更に酸素、窒素、及び硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む、飽和または不飽和の複素環を形成する、2-置換-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)アデノシン誘導体、及び薬学的に許容される塩、またはそのジアステレオ異性体もしくはジアステレオ異性体の混合物は、2型糖尿病の治療に有用である。

Description

発明の技術分野及び背景
本発明は新しい抗糖尿病性化合物、および特に、強力で選択的なインスリン分泌促進物質である、新規の2-置換-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)アデノシン誘導体に関する。
糖尿病の病態生理学
糖尿病は、欧米において最も一般的な慢性疾患の一つであり、人口の5%までが影響を受けている。糖尿病は、脂質及びタンパク質の代謝異常を伴った慢性高血糖により特徴付けられる、種々の疾患の一群である。高血糖はインスリンの分泌異常、インスリン作用の異常、またはその両方の組み合わせにより引き起こされるものである。慢性的代謝異常に加えて、糖尿病は種々の器官、特に目、神経、血管、心臓及び腎臓を伴う長期の合併症と関連しており、失明、切断、心臓血管病、及び最終段階の腎臓病をもたらすこともある。糖尿病の主な型は1型と2型に分類される。以前はインスリン非依存型糖尿病(NIDDM)と名づけられていた2型糖尿病が、糖尿病患者の約95%に影響を及ぼす最も一般的な糖尿病の型である。
2型糖尿病
糖尿病の合併症の進行は、血糖の慢性的上昇に関係していると見られている。糖尿病の治療法は現在ないが、効果的な血糖のコントロールにより糖尿病の合併症の発生を低下させ、合併症の深刻度を弱めることができる。
2型糖尿病は、インスリン抵抗及び相対的なインスリンの欠乏がともに起きる複合多遺伝子性系疾患とみられる。従って、インスリン分泌の改善は主な治療上の目標となる。インスリン放出の欠乏は、グルコースに対する第一段階のインスリン反応の欠如をもたらすのみでなく、全体として正常分泌容量の10〜20%までインスリン放出量の減少をももたらす(Cerasi、1992)。
2型糖尿病における高血糖の治療
2型糖尿病の患者はさまざまな経口抗糖尿病剤、インスリン注射、またはその組み合わせによって治療されている。現在利用できる経口抗糖尿病薬は、抹消のインスリン抵抗を減らすか、膵臓のβ細胞からのインスリンの分泌を増加させるか、腸からの炭水化物の吸収を遅くすることを目標としている。
2型糖尿病の患者のおよそ半数は、経口薬剤によって治療されており、そのうちのかなりの割合の患者がインスリン分泌を刺激する薬剤によって治療されている。インスリン分泌促進剤の選択肢はスルホニル尿素及び関連化合物(「グリニド(glinides」)に限られており、それらは膜ATP-感受性カリウムチャネルの調節サブユニットに結合し、その閉鎖を誘導することにより、インスリン分泌を引き出すものである(Lebovitz、1994)。抹消のインスリン抵抗を和らげるために使用される二種類の薬剤はビグアニドメトホルミン及びチアゾリジンジオン類似体である(Edelman、1998)。α-グルコシダーゼ阻害剤、偽テトラサッカライド・アカルボースは、炭水化物の腸での吸収を遅くするための用いられる。
スルホニル尿素は、それらの特定の標的である膵臓のβ細胞に対して、長期にわたる有害作用を起こす可能性に加えて、いくつかの望ましくない作用を有する。これらの副作用には、低グルコース濃度におけるインスリン分泌の刺激による低血糖の危険性、かなりの数の患者において正常な血糖値を達成することの困難性、年間5〜10%になる適切な血糖コントロールの二次的な失敗率、及び、心臓血管系に起こりうる有害な作用が含まれる(Lebovitz、1994; LeibowitzおよびCerasi、1996; BradyおよびTerzic、1998)。
P2-受容体
P2-受容体(P2-RS)は、ADP、ATP、またはいくつかのサブタイプではUTPと結合すると、抑制性または興奮性効果を導く膜タンパク質である(BhagwatおよびWilliams、1997; Kingら、1998)。P2-RS を二つの大きいクラス、すなわちP2Y及びP2Xにそれぞれ分けるための基準として、G-タンパク質結合受容体とリガンド依存性イオンチャネル受容体を区別する(AbbracchioおよびBurnstock、1994)。P2-RSはさまざまな病態生理学的状態のための新規の薬の開発にとって重要な標的である(Chanら、1998; BoarderおよびHourani、1998; Barnardら、1997; Inoue、1998; Abbracchio、1996)。さらに、異なる組織ごとでのP2-Rサブタイプの大きな異種性は、選択的な器官または組織特異的なP2-Rを標的にした薬の開発の可能性を開く。
膵臓のβ細胞におけるP2YサブタイプのP2-RSの存在はよく報告されている(Loubatieres-Marianiら、1979; ChapalおよびLoubatieres-Mariani、1981; Bertrandら、1987; Bertrandら、1991)。細胞外ATP及びその構造的類似体による膵臓のP2-RSの活性化はインスリン分泌を刺激する。後者の類似体の構造活性相関はこれまで研究されている(Chapalら、1997)。インスリン分泌細胞のP2受容体の薬理学的性質と生理学的重要性はほかで総説としてまとめられている(Petitら、1996; Loubatieres-Marianiら、1997; Petitら、2001)。最近の報告では、P2Y-Rに加えて、機能的P2X-RSも膵臓のβ細胞に存在することが示唆されている。しかし、P2X-RSがインスリン分泌を、非刺激性の低いグルコース濃度において促進するのに対し、P2Y-Rはインスリン分泌を、刺激性のグルコース濃度において増幅し、スルホニル尿素とは対照的に原形質膜のカリウム伝導には影響を与えない(Petitら、1998)。P2Y-R作働薬がグルコース誘導インスリン分泌を促進するメカニズムは、環状AMP/タンパク質キナーゼAシグナル経路に関連している可能性があり(Petitら、2000)、この経路はグルコースのK+ ATPチャネル非依存性作用の効果を増すことが報告されている。このβ細胞P2Y受容体の共役メカニズムは、P2Y-R選択的リガンドにより誘導されるグルコース依存性インスリン反応により支持される。
潜在的な抗糖尿病薬としてのP2Y-Rリガンド
さまざまなP2-R選択的リガンドが、インビボでインスリン分泌を増加させ血糖を減少させることが示されている(Ribesら、1988; Hillaire-Buysら、1993)。2-メチルチオ-ATPがイヌにおいてインスリン放出を刺激し、わずかに血糖を低下させることが見出されている。しかし、アデノシンへの急速な分解を避けるために、このATP類似体は直接膵臓-十二指腸動脈に注射された(Ribesら、1988)。アデノシン5'-O-(2-チオ)ジホスフェート[ADP-β-S]は酵素による加水分解に安定で、静脈内または経口でラット及びイヌに投与された(Hillaire-Buysら、1993)。給餌されたラットにおいて、ADP-β-Sは血糖の減少とともに持続したインスリン反応を引き起こした。意識のあるイヌにおいて行われたインビボ実験では、この物質が、経口投与の後に効果を示し、一時的にインスリンを増加させ、血糖を減少させた (Hillaire-Buysら、1993)。P2Y-Rの活性化が糖尿病の動物の膵臓に機能的に効果があることも見出された(Hillaire-Buysら、1992; Tangら、1996)。さらにP2Y-Rの活性化が、単離したヒト膵臓の島で、グルコースにより誘導されたインスリン放出を増幅することが最近報告された(Fernandez-Alvarezら、2001)。
まとめると、上記に要約されたデータは、P2Y-R作働薬が2型糖尿病の治療薬として潜在的な興味のある新規のインスリン放出化合物であるかもしれないという考えを支持している。
強力、安定、かつサブタイプ選択的なP2Y-Rリガンドの同定
現在のほとんどすべての合成P2-受容体作働薬は、ATPまたはUTPファルマコフォアを修飾したものである。プリン(ピチミジン)環系、リボース部分、またはトリホスフェート鎖が、一つまたは複数の位置で修飾されている(Fischer、1999)。以前、本発明者らは強力なサブタイプ選択的P2-R作働薬を報告した(Fischerら、1993; Burnstockら、1994; Boyerら、1995; Boyerら、1996; Fischerら、1999)。これらの類似体の一組は長いチオエーテル置換をC-2位置に持つATP誘導体である(Fischerら、1993; Burnstockら、1994; Boyerら、1995; Fischerら、1999)。この置換は酵素の加水分解に対して分子を安定化させるようである(Zimmetら、1993)。さらに、この修飾はP2Y-Rリガンドとしての分子の効力をATPと比較して2〜5桁増大させるする(Fischerら、1993; Burnstockら、1994; Boyerら、1995; Boyerら、1996)。
潜在的なインスリン分泌促進薬としての2-チオエーテル-5'-O-(1-チオトリホスフェート)アデノシン誘導体
これまでの研究において、本発明者らは、可能性あるインスリン分泌促進薬として、新規なP2Y-Rリガンド、2-チオエーテル-5'-O-(1-チオトリホスフェート)アデノシン、2-RS-ATP-α-S、誘導体を合成した(Fischerら、1999)。その新規な類似体のインスリン分泌及び膵臓の流速に対する影響は、単離され、灌流されたラットの膵臓において評価された。グルコース誘導インスリン分泌において、500%までの高い増加が、nM濃度範囲の2-ヘキシルチオ-ATP-α-Sの添加によってもたらされ、それはATPと比較して100倍の効力の増加を表わしている。さらに、これらの化合物はシチメンチョウの赤血球において非常に強力なP2Y1-Rリガンドであり、膵臓のI型ATP分解酵素に対し比較的安定性を示す(Fischerら、1999)。さらに、これらの化合物は生理学的状態下、および胃液の酸性をシミュレートした状態の下でさえも、化学的に非常に安定である(Hillaire-Buysら、2001)。しかし、インスリン分泌濃度において血管に作用を引き起こすことからも示されるように、インスリン分泌細胞に対するこれらの選択性の低さにより、血管系の事象が糖尿病の主な病態生理学的合併症であることから、これらの誘導体は潜在的な抗糖尿病薬としての薬の開発に先験的に適さない。
発明の概要
本発明によって、本明細書において2-R-ATP-α-Bと記される、ある種の2-置換-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)アデノシン誘導体が、膵臓のβ細胞の膜に存在するP2Y(ATP)受容体を通して、高い有効性と効力を持つインスリン分泌促進薬として働き、インスリン分泌をnM濃度範囲において、わずかに刺激性のグルコース濃度の下で、900%まで高めることが見出されている。
このように、本発明は下記式の新規な化合物に関する。
Figure 2005508970
式中、R1はH、ハロゲン、O-ヒドロカルビル、S-ヒドロカルビル、NR3R4、及び任意にハロゲン、CN、SCN、NO2、OR3、SR3、またはNR3R4により置換されたヒドロカルビルからなる群から選択され、R3及びR4はそれぞれ独立してHまたはヒドロカルビルであるか、またはR3及びR4は結合する窒素原子と共に、任意に更に酸素、窒素、及び硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む飽和または不飽和の複素環を形成し、
R2はHまたはヒドロカルビルであり、
M+は薬学的に許容される塩の陽イオン、またはそのジアステレオ異性体もしくはジアステレオ異性体の混合物をあらわす。
上記化合物は、インスリン分泌の促進、および2型糖尿病の治療に有用である。
別の態様としては、本発明は、少なくとも一つの本発明の2-置換-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)アデノシン誘導体を、薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む、特に2型糖尿病の治療のための薬学的組成物に関するものである。
さらに別の態様として、本発明は、少なくとも一つの本発明の2-置換-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)アデノシン誘導体の有効量を、それを必要とする個体に投与する段階を含む、インスリン分泌の促進および2型糖尿病の治療のための方法に関する。
発明の詳細な説明
本発明は、前に示された式の、新しい2-置換-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)アデノシン誘導体を提供する。
本明細書において用いられる「ハロ」という語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを含み、好ましくはクロロまたはブロモ、もっとも好ましくはクロロである。
R1-R4の異なる基の定義における「ヒドロカルビル」という単語は、これらに限られないが、例えばC1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、C3-C10シクロアルキル、アリール、及びC1-C8アラルキルのような、炭素と水素を含む、芳香族、直鎖、分枝、または、多環式を含む環式を含む、飽和または不飽和の基を含む。
「C1-C8アルキル」という語は、一般的には1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素基を意味し、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどを含む。好ましくはC1-C6アルキル基であり、もっとも好ましくはメチルである。「C2-C8アルケニル」及び「C2-C8アルキニル」という語は、一般的には2〜8個の炭素原子、及びそれぞれ一つの二重結合または三重結合を有する直鎖または分枝の炭化水素基を意味し、エテニル、3-ブテン-1-イル、2-エテニルブチル、3-オクテン-1-イルなど、及びプロピニル、2-ブチン-1-イル、3-ペンチン-1-イルなどを含む。C2-C6アルケニル基が好ましい。「C3-C10シクロアルキル」という語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルなどのような、単環式または二環式炭化水素基を意味する。「アリール」という語は、フェニル及びナフチルのような芳香族炭素環の基を示し、「C1-C8アラルキル」は、ベンジル及びフェネチルのようなアリールアルキル基を示す。
基R1がO-ヒドロカルビルまたはS-ヒドロカルビル基であるか、またはO-ヒドロカルビルまたはS-ヒドロカルビル基で置換されたヒドロカルビルである場合には、ヒドロカルビルは、好ましくはC1-C6アルキル基であり、もっとも好ましくはメチルまたはアリール基であり、もっとも好ましくはフェニルまたはアラルキル基であり、もっとも好ましくはベンジル基である。もっとも好ましい態様は、R1はSCH3である。
基NR3R4において、R3及びR4はそれぞれ水素または上記で定義されたヒドロカルビルであるか、または結合する窒素原子と共に、飽和または不飽和の、好ましくは5-または6-原子からなる複素環を形成し、それらは任意に更に窒素、酸素、及び硫黄から選択される1または2個のヘテロ原子を含む。そのような環は、例えば一つまたは二つのC1-C6アルキル基で置換されていてもよい。基NR3R4の例は、これらに限られないが、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ、フェニルメチルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、テトラヒドロピリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チアゾリノなどを含む。
本発明による好ましい化合物は、R2はHであり、R1はClであり、さらに好ましくはR1は2-メチルチオである化合物である。
本発明は、例えば、これらに限られないが、M+がNa+、K+、NH4 +、またはアミン、特に三級アミンの陽イオン、例えばN(R)3H+であり、ここでRは好ましくはアルキルである化合物のような、薬学的に許容される塩とともに、その化合物それ自体、そのジアステレオ異性体、またはジアステレオ異性体の混合物を含む。
本発明の化合物は、例えば、下記スキームAに示され、本明細書の実施例に例示された合成法により調製される。異なる置換基を持つ他の化合物は、適切な化合物から出発する同様の方法により、または当技術分野において周知の標準的な方法による合成中に求める基を導入することにより、得られる。
本発明の化合物は、準分取用逆相(semipreparative reverse-phase)Lichro CART250-10カラムと流出速度6mL/分での定組成溶離[100mMトリエチルアンモニウムアセテート(TEAA)、pH7(A):MeOH(B)、84:16]を用いて分離することができる、ジアステレオ異性体として得られる。同じ異性体を含む(同様の保持時間)画分は凍結乾燥される。より短い保持時間の異性体を、本明細書において異性体Aと呼び、もう一方の異性体をBと呼ぶ。化合物の異性体A、及び特に本明細書において2-SMe-ATPαBと識別された化合物の異性体Aは、本発明の好ましい態様を構成する。
ひとつの好ましい態様では、この発明は、本発明の化合物のジアステレオ異性体Aに関し、このジアステレオ異性体Aは、準分取用逆相Lichro CART 250-10カラムと流出速度6mL/分での定組成溶離[100mMトリエチルアンモニウムアセテート(TEAA)、pH7(A):MeOH(B)、84:16]を用いてジアステレオ異性体の混合物から分離する時の、より短い保持時間(Rt)を有する異性体であることを特徴とする。
本発明の2-置換-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)アデノシン誘導体は、β細胞のP2Y-受容体を標的とし、わずかに刺激性のグルコース濃度の条件下で、nM濃度範囲においてインスリンの分泌を900%まで促進する、強力なインスリン分泌促進薬である。これらの濃度において、本発明の化合物は、以前本発明者らにより記載され (Fischerら、1999)、強力なインスリン分泌促進薬であるが、インスリン分泌濃度において血管作用を引き起こすことに示されるように、インスリン分泌細胞に対する低い選択性により、血管の事象が主な病態生理学的合併症であることから、糖尿病薬として先験的に薬の開発に適さない、先行技術の最も近い化合物であるP2Y-Rリガンド、2-チオエーテル-5'-O-(1-チオトリホスフェート)アデノシン誘導体とは逆に、血管の副作用が全くないか、またはごく穏やかなな作用を有する。
本発明の化合物は、インスリン分泌に対してグルコース依存性の増幅効果と共に強力なインスリン放出作用を持つP2Y受容体リガンドであり、これらは低血糖の危険性を制限し、また血管への副作用も限られており、それゆえに2型糖尿病の治療に適している。このように、本発明は、その範囲内において、有効成分として、少なくとも一つの本発明の2-置換-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)アデノシン誘導体の有効量、またはその薬学的に許容される塩、またはジアステレオ異性体またはそのジアステレオ異性体の混合物を、薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む、薬学的組成物を含む。
本発明の化合物を含む薬学的組成物は、例えば、レミントン、「The Science and Practice of Pharmacy」、第19版、1995に記載されているような、従来の技術により調製できる。その組成物は、例えば、カプセル、錠剤、溶液、懸濁液のような従来の形状で存在しうる。
投与の経路は、活性化合物を適切または望ましい作用部位に効果的に運ぶ、任意の経路であってよく、経口経路が望ましい。固体の担体が経口投与に用いられる場合は、その調製は錠剤にされるか、粉または粒状で硬いゼラチンカプセルの中に置かれるか、またはトローチ剤の形で行われうる。液体の担体が用いられる場合には、調製はシロップ、乳濁液、ソフトゼラチンカプセルの形になりうる。タルク及び/または炭水化物の担体、または結合剤などを有する錠剤、糖衣錠、またはカプセルは、特に経口投与に適している。錠剤、糖衣錠、またはカプセルのための好ましい担体は、ラクトース、コーンスターチ、及び/またはジャガイモデンプンを含む。
本発明は、さらに2型糖尿病患者を治療する方法、特に、前記患者のインスリン分泌を促進する治療方法を提供するものであり、その方法は本発明の2-置換-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)アデノシン誘導体の有効量を投与することを含む。投与される服用量は、1日あたり0.5〜25mgの範囲であり、好ましくは1〜20mg、もっとも好ましくは1〜10mgの範囲である。
本発明は、これに制限されない下記の実施例により説明される。
実施例
1. 化学
1.1一般的実験データ
すべての空気及び水分に不安定な反応は、炎光乾燥され、窒素を流入させた、ゴム隔壁で封入した二首フラスコ中で行われ、反応試薬はシリンジで導入された。反応の進行は、プレコーティングされたメルクシリカゲル板(60F-254)上のTLCでモニターされた。カラムクロマトグラフィーは、メルクシリカゲル60(230-400メッシュ)を用いて行われた。化合物は、ブルッカーDPX-300、DMX-600、またはAC-200分光器を用いた核磁気共鳴(NMR)により特徴づけされた。1HNMRスペクトルはD2O中で測定され、ケミカルシフトは内部標準としたHOD(4.78ppm)と比較しppm単位で報告された。ヌクレオチドは、85%H3PO4を外部標準として用いたD2O中の31pNMRによっても特徴づけされた。すべての最終生成物は、化学的イオン化によるAutoSpec-E FISION VG高分解能マススペクトルメーターにおいて特徴づけされた。ヌクレオチドは、低分解能及び高分解能におけるFAB(高速原子衝撃)条件下で、グリセロールマトリックスから脱着された。ヌクレオチドの最初の精製は、1日冷所で 1M NaHCO3中で膨張させた、Sephadex DEAE-A25カラムを用いたLC(Isco UA-6)システムにおいて行われた。ヌクレオチドの最終精製及びジアステレオ異性体のペアの分離は、準分取用逆相(LiChrospher 60、RP-セレクト-B)カラムを用いたHPLC(メルク-日立)システムにおいて行われた。LC及びHPLC分離の条件は下に示す。
1.2中間体
2-メチルチオアデノシンは、2-SH-アデノシンから以前記載されたように(Methods in Enzymology、1992、215:137-142)合成された。2-SH-アデノシンは、以前に報告された方法(J.Med.Chem. 1973、16:1381-1388; Chem.Pharm.Bull. 1977、25:1959-1969)によってアデノシンから三段階で得られた。
2-クロロアデノシンは、グアノシンから2,6-Cl-9β-(2',3',5'-トリ-O-アセチル)-D-リボフラノシルプリンを経由して(Can.J.Chem.1981、59;2601-2606)、後者を密封されたアンプル中100℃で24時間EtOH中でNH3で処理することにより、四段階で調製された(Synthesis 1982、670-672)。
1.3 2',3'-O-メトキシメチリデンアデノシン誘導体(スキームAにおける化合物2)の調製のための典型的方法
p-TsOH(2mmol、2当量)を、窒素下で、二首フラスコ中の乾燥アデノシン誘導体(1mmol、1当量)(化合物1)に加え、次に乾燥DMF(4mL)を加えた。その後、トリメチルオルトギ酸エステル(50当量)を加え、得られた溶液を室温で一日攪拌した。その混合物を0℃まで冷やし、Dowex MWA-1(弱塩基性陰イオン交換樹脂、6当量)を加えた。さらに3時間室温で攪拌を続けた。Dowex樹脂を真空中でろ過し、取り除いた。ろ液は減圧下濃縮され、残留DMFを取り除くためにMeOHとともに数回蒸発させた。残渣をCHCl3に溶かし、飽和NaHCO3で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させ、純粋なアデノシン誘導体2を得た。
この方法によって、下記の化合物が調製された。
1.3.a)
2',3'-O-メトキシメチリデンアデノシン(RがHである化合物2)が、アデノシン及びトリメチルオルトギ酸エステルから収率80%で得られた。
Figure 2005508970
1.3.b)
2-メチルチオ-(2',3'-O-メトキシメチリデン)アデノシン(RがSCH3である化合物2)が、2-メチルチオアデノシン及びトリメチルオルトギ酸エステルから収率75%で得られた。
Figure 2005508970
1.3.c)
2-クロロ-(2',3'-O-メトキシメチリデン)アデノシン(RがClである化合物2)が、2-クロロアデノシン及びトリメチルオルトギ酸エステルから収率81%で得られた。
Figure 2005508970
実施例1.アデノシン-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)誘導体の調製のための一般的方法(スキームAによる)
保護されたヌクレオチド2(0.5mmol)を窒素下、炎光乾燥させた二首フラスコ中で乾燥CHCl3(7mL)に溶かした。(iPr)2NEt(0.11mL、1.3当量)を室温で加え、溶液を30分攪拌した。混合物を0℃まで冷やし、[(iPr)2N]2PCl(148mg、1.1当量)をCHCl3(2mL)に溶かしてゆっくりとシリンジで加え(段階a)、誘導体3を得た。誘導体3の得られた溶液を0℃で2時間攪拌し、ついで1MのH2P2O7 -2(+HNBu3)2のDMF(0.75mL、1.5当量)溶液を加えて(段階b)、化合物4を得た。この溶液を室温にさらに4時間おき、その後0℃に冷やした。2MのBH3-SMe2複合体のTHF(2.52mL、10当量)溶液を加えた(段階c)。室温で15分攪拌した後、脱イオン水(8mL)を加え、得られた混合物を1時間攪拌し(段階d)、その後凍結乾燥させた。半固体で得られた化合物6を水に溶かし、CHCl3で抽出した。水相を凍結乾燥させ、得られた残渣を活性化Sephadex DEAE-A25カラム(0-0.7M NH4HCO3、総容量>2000mL)にかけた。関連する画分を回収し、凍結乾燥させた。脱イオン水で凍結乾燥を繰り返し、過剰のNH4HCO3を除去し、化合物6をトリスアンモニウム塩として得た。メトキシメチリデン保護基を酸加水分解(10%HCL溶液をpH2.3になるまで加えた)によって除去した。室温で3時間置いた後、NH4OH溶液(pH 11)を加えて、pHを急速に9まで上げ、その溶液を室温に40分間置いた(段階e)。ここで「ATPαB誘導体」と呼ぶ、求めるアデノシン-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)誘導体(化合物7)が溶液の凍結乾燥後に得られた。7のジアステレオ異性体の最終精製と分離を準分取HPLCカラムで行った。純粋なジアステレオ異性体をSephadex-CM C-25カラムに通すことにより、トリエチルアンモニウム対イオンがNa+に交換された。
実施例2.アデノシン-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)の調製
本明細書においてATPαB[VK39]として識別される表記の化合物は、テトラベンゾイルアデノシン8から出発して、実施例1の方法によって、収率19%で得られた。
実施例3.2-メチルチオアデノシン-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)の調製
本明細書において2-SMe-ATPαB[VK38]として識別される表記の化合物は、2-チオメチル-(2',3'-O-メトキシメチリデン)アデノシンから出発して、実施例1の方法によって、収率38%で得られた。
実施例4.2-クロロアデノシン-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)の調製
本明細書において2-Cl-ATPαB[VK44]として識別される表記の化合物は、2-クロロ-(2',3'-O-メトキシメチリデン)アデノシンから出発して、実施例1の方法によって、収率43%で得られた。
実施例5.アデノシン-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)誘導体のジアステレオ異性体の逆相HPLC分離
ジアステレオ異性体の分離を、準分取用逆相Lichro CART 250-10カラムおよび流速6mL/分での定組成溶離[100mMトリエチルアンモニウムアセテート(TEAA)、pH7(A):MeOH(B)、84:16]を用いて行った。同じ異性体を含む画分(類似の保持時間)は凍結乾燥された。過剰な緩衝液を脱イオン水を用いて凍結乾燥を繰り返して取り除いた。より短い保持時間(Rt)の異性体、本明細書において異性体Aと呼び、他方は異性体Bと呼ぶ。
ATPαB、異性体A[VK39A](Rt10.4分)、pH6.5:
Figure 2005508970
2-SMe-ATPαB、異性体A[VK38A](Rt13.4分)(Na+型、pH7.5):
Figure 2005508970
2-クロロ-ATPαB、異性体A[VK44A](Rt10.2分)(Na+型、pH7.5):
Figure 2005508970
2.薬理学
本発明の合成リガンドにより引き起こされるインスリン反応のプロファイル、効力、及び有効性は、ラットの単離した膵臓モデルにおいて、インビトロで評価された。膵臓の血管抵抗への化合物の効果も同時に記録された。
2.1方法
ラットの、単離され灌流された膵臓におけるインスリン分泌及び血管抵抗への化合物の効果は、わずかに刺激性のグルコース濃度において(8.3mmol/L)評価された。
実験は、随意に給餌され、体重300〜350gのオスのウィスターアルビノラットの、単離され灌流された膵臓において、インビトロで行われた。膵臓は以前に報告された技法(Loubatieresら、Diabetologia、1969、5、1-10)によって、完全に単離され、8.3mmol/Lのグルコース、及び2g/Lのウシ血清アルブミンを含むクレブス-リンガー二炭酸塩緩衝液を用い、それ自身の動脈系を通して灌流された。O2(95%)及びCO2(5%)の混合物を、大気圧でこの媒体中に泡立てて通した。溶液のpHは7.35であった。調製物は37.5℃で維持した。それぞれの臓器は、実験の開始時において2.5ml/分の流速になるように選択された、一定の圧力(40〜50cm水)で灌流された。これらの条件では、流速のいかなる変化も血管抵抗の変化を反映する(Hillaire-Buysら、Eur.J.Pharmacol.、1991、199、309-314)。最初の試料をインスリンアッセイのために取り出す前に30分の適応期間が許容された。さらに15分後、すなわち45分で試料が取り出された。その後、ATP類似体の注入を30分間行った。膵臓の流速を測定し、流出した画分のインスリンを測定した。
インスリンは、精製されたラットのインスリン (Linco Reserch、St. Charles、MO、USA)および抗インスリン血清(ICN Biochemicals、Miles、Puteaux、France)を標準として用いて、Herbertら(J.Clin.Endocrinol. Metab.、1965、25、1375-1384)の放射免疫法によってアッセイされた。アッセイの感度は0.1ng/mlであった。灌流された膵臓からのインスリンの産出量はng/分で表され、流出する画分におけるホルモン濃度を、その流速にかけることにより決定される。
結果は平均値±平均値の標準誤差(SEM)として表される。インスリン分泌及び血管の流速の速度論的結果は、45分における値を100%とし、それに相対する変化として表される。濃度-反応の関係を決定するため、インスリン産出量の平均値は次のように計算された。すなわち薬の注入期間の曲線の下の面積を、分で割った(AUC/30)。
2.2結果
下記の結果は、両方のジアステレオ異性体が薬理学的に活性であるが、対応する異性体Bより、異性体Aの方がより強力で選択的であることを示している。
実施例6. 2-メチルチオ-ATPαB(異性体A及びB)の効果
VK38Aとして識別されたATPαB誘導体2-メチルチオ-ATPαB、異性体Aの投与は、図1に示されたように、速やかかつ濃度依存性の、0.0015〜5.0μmol/Lの範囲のインスリン反応を引き起こした。グルコース誘導性のインスリン放出の増加は、最初にピークを形成し、薬物が230%の一時的な単相のインスリン反応を引き起こした最も少ない濃度(1.5nmol/L)を除いて、持続した分泌の第2相が続く(2相パターン)。最大の効果は、0.5〜5.0μmol/Lで得られ、15〜50 nmol/L のEC50で約900%(分あたりの%での30分間のAUC)に到達する。血管の作用については、150nmol/Lまで、特記すべき副作用は観察されなかった。膵臓の流速において、わずかな一時的な減少(血管抵抗の増加)が0.5、1.5、及び5.0μmol/Lで観察され、それぞれ-6±3%、-10±3%、及び-8±6%に到達した(図2)。
VK38Bとして識別された2-メチルチオ-ATPαBの異性体Bの投与は、異性体Aに引き起こされたよりも効力が少ないが、類似のパターンのインスリン反応を引き起こした(図3)。さらに、異性体Aとは逆に、VK38Bは、濃度15nmol/Lから、膵臓の流速において、明確かつ一時的な-27.5±5%の減少(血管抵抗における増加)を引き起こした(図4)。
実施例7. 2-クロロ-ATPαB(異性体A)の効果
VK44Aとして識別された2-クロロ-ATPαBの異性体Aの投与は、VK38Aのインスリン反応と類似のインスリン反応を引き起こした(図5)。しかし、それはまた、膵臓の流速において、わずかな持続性の増加(減少した血管抵抗)を引き起こし、それぞれ、0.015、0.15、及び1.5μmol/Lにおいて +8±3%、+16±5%、及び+12±5%に到達した(図6)。
実施例8.ATPαB(異性体A)の効果
VK39Aとして識別された、親化合物ATPαBの異性体Aの投与は、VK38Aのインスリン反応よりも、明らかに効果の少ない二相のインスリン反応を引き起こした(図7)。それはまた、わずかな持続性の血管反応を引き起こし、膵臓の流速を、0.5及び5.0μmol/Lにおいて、それぞれ+7±3%及び+10±3%まで増加させた(図8)。
実施例9.単離されたラットの膵臓における、VK38Aにより引き起こされたインスリン反応のグルコース依存性
ラットの単離された膵臓は、異なるグルコース濃度を含む生理学的媒体を用い、インビトロで灌流された。VK38Aを20分間、20nmol/Lで加えた。インスリン反応は、VK38Aの投与の間の濃度-時間曲線の下の面積により決定され、平均値±標準semで表される。結果を表1に示す。
Figure 2005508970
実施例10. インビボでの血糖症へのVK38Aの効果
通常の(糖尿病でない)ウィスターラットに、7日間の洗浄期間の交叉実験計画において、糖負荷試験の直前に投与したVK38A(0.2mg/kg)とプラセボ(賦形剤)の単回の経口投与量を投与した。グルコース(2g/kg)を腹膜内注射により投与した。血糖値を測るために、血液試料を、グルコース注入の前、10、20、30、60分後に採取した。血漿グルコース濃度(基準値のパーセント単位で)の曲線の下の面積が計算された。4匹の結果を表2に示す(基準グルコース濃度は、対照及び処理された動物でそれぞれ1.26±0.02及び1.26±0.04g/Lであった)。
Figure 2005508970
Figure 2005508970
a)(iPr)2NEt、[(iPr)2N]PCl、CHCl3、0℃、2時間; b)H2P2O7 -2(HBu3N+)2(DMF中1M)、室温、4時間
c)BH3*SMe2(THF中2M)、室温、15分; d)H2O、室温、45分; e)pH2.3、室温、3時間、その後pH9、室温、40時間
スキームA: アデノシン-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)誘導体の合成
Figure 2005508970
参考文献
Figure 2005508970
Figure 2005508970
Figure 2005508970
Figure 2005508970
Figure 2005508970
Figure 2005508970
8.3mmol/Lのグルコースを含むクレブス二炭酸塩緩衝液で灌流された、単離したラットの膵臓からのインスリン分泌に対して、本明細書において2-メチルチオ-ATPαBとして識別される化合物の異性体A(VK38A)の濃度の増加が及ぼす効果を示す。濃度は、それぞれの条件における独立した実験数(n)と共に挿入して示されている。45分後における平均のインスリン産出量(ng/分)は、それぞれの実験セットによって10.43±3.89と14.37±0.47の範囲にわたっていた。それぞれの点が平均値を表し、SEMは縦線で示されている。 8.3mmol/Lのグルコースを含むクレブス二炭酸塩緩衝液で灌流された、単離したラットの膵臓からの、2.5mL/分の基準流速(45分)におけるすい液の流速に対して、VK38Aの濃度の増加が及ぼす効果を示している。濃度は、それぞれの条件における独立した実験数と共に挿入して示されている。それぞれの点が平均値を表し、SEMは縦線で示されている。 8.3mmol/Lのグルコースを含むクレブス二炭酸塩緩衝液で灌流された、単離したラットの膵臓からのインスリン分泌に対して、2-メチルチオ-ATPαBの異性体B(VK38B)の濃度の増加が及ぼす効果を示している。濃度は、それぞれの条件における独立した実験数と共に挿入して示されている。45分後における平均のインスリン産出量(ng/分)は、それぞれ実験セットによって9.62±3.14と14.18±2.95の範囲にわたっていた。それぞれの点が平均値を表し、SEMは縦線で示されている。 8.3mmol/Lのグルコースを含むクレブス二炭酸塩緩衝液で灌流された、単離したラットの膵臓からの、2.5mL/分の基準流速(45分)におけるすい液の流速に対して、VK38Bの濃度の増加が及ぼす効果を示している。濃度は、それぞれの条件における独立した実験数と共に挿入して示されている。それぞれの点が平均値を表し、SEMは縦線で示されている。 8.3mmol/Lのグルコースを含むクレブス二炭酸塩緩衝液で灌流された、単離したラットの膵臓からのインスリン分泌に対して、本明細書において2-クロロ-ATPαBとして識別される化合物の異性体A(VK44A)の濃度の増加が及ぼす効果を示している。濃度は、それぞれの条件における独立した実験数と共に挿入して示されている。45分後における平均のインスリン産出量(ng/分)は、それぞれ実験セットによって8.75±1.56と9.80±0.45の範囲にわたっていた。それぞれの点が平均値を表し、SEMは縦線で示されている。 8.3mmol/Lのグルコースを含むクレブス二炭酸塩緩衝液で灌流された、単離したラットの膵臓からの、2.5mL/分の基準流速(45分)におけるすい液の流速に対して、VK44Aの濃度の増加が及ぼす効果を示している。濃度は、それぞれの条件における独立した実験数と共に挿入して示されている。それぞれの点が平均値を表し、SEMは縦線で示されている。 8.3mmol/Lのグルコースを含むクレブス二炭酸塩緩衝液で灌流された、単離したラットの膵臓からのインスリン分泌に対して、本明細書においてATPαBとして識別される化合物の異性体A(VK39A)の濃度の増加が及ぼす効果を示している。濃度は、それぞれの条件における独立した実験数と共に挿入して示されている。45分後における平均のインスリン産出量(ng/分)は、それぞれ実験セットによって12.32±2.62と16.27±2.38の範囲にわたっていた。それぞれの点が平均値を表し、SEMは縦線で示されている。 8.3mmol/Lのグルコースを含むクレブス二炭酸塩緩衝液で灌流された、単離したラットの膵臓からの、2.5mL/分の基準流速(45分)におけるすい液の流速に対する、VK39Aの濃度の増加が及ぼす効果を示している。濃度は、それぞれの条件における独立した実験数と共に挿入して示されている。それぞれの点が平均値を表し、SEMは縦線で示されている。

Claims (23)

  1. 以下の式
    Figure 2005508970
    の2-置換-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)アデノシン化合物:
    (式中、R1はH、ハロゲン、O-ヒドロカルビル、S-ヒドロカルビル、NR3R4、及び任意にハロゲン、CN、SCN、NO2、OR3、SR3、またはNR3R4により置換されたヒドロカルビルからなる群から選択され、R3及びR4はそれぞれ独立してHまたはヒドロカルビルであるか、またはR3及びR4は結合する窒素原子と共に、任意に更に酸素、窒素、及び硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む、飽和または不飽和の複素環を形成し、
    R2はHまたはヒドロカルビルであり、
    M+は薬学的に許容される塩の陽イオン、またはそのジアステレオ異性体もしくはジアステレオ異性体の混合物をあらわす。
  2. R1がヒドロカルビル、O-ヒドロカルビル、またはS-ヒドロカルビルであり、前記ヒドロカルビルが、炭素および水素を含む、芳香族、直鎖、分枝、または多環式を含む環式を含む、飽和または不飽和の基から選択される、請求項1記載の化合物。
  3. R1がNR3R4であり、R3及びR4はそれぞれ独立してHまたはヒドロカルビルであるか、またはR3及びR4は結合する窒素原子と共に、任意に更に酸素、窒素、及び硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む、飽和または不飽和の複素環を形成する、請求項1記載の化合物。
  4. ヒドロカルビルが、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、C3-C10シクロアルキル、アリールまたはC1-C8アラルキルから選択される、請求項2または3記載の化合物。
  5. ヒドロカルビルがC1-C6アルキル、フェニル、またはベンジルから選択される、請求項4記載の化合物。
  6. R1がS-C1-C6アルキルである請求項5記載の化合物。
  7. R1がS-CH3である請求項6記載の化合物。
  8. 2-メチルチオアデノシン-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)。
  9. R1がハロゲンである請求項1記載の化合物。
  10. R1がクロロまたはブロモである請求項9記載の化合物。
  11. R1がクロロである請求項10記載の化合物。
  12. 2-クロロアデノシン-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)。
  13. 準分取用逆相Lichro CART 250-10カラムと流速6mL/分での均一濃度溶出[100mMトリエチルアンモニウムアセテート(TEAA)、pH7(A):MeOH(B)、84:16]を用いて、ジアステレオ異性体の混合物から分離したときの、より短い保持時間(Rt)の異性体であることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項記載の化合物のジアステレオ異性体A。
  14. 2-メチルチオアデノシン-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)のジアステレオ異性体A(Rt13.4分)。
  15. 請求項1から14のいずれか一項記載の、少なくとも一つの2-置換-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)アデノシン誘導体、またはその薬学的に許容される塩、またはジアステレオ異性体もしくはそのジアステレオ異性体の混合物を、薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む、薬学的組成物。
  16. 2-メチルチオアデノシン-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)を含む、請求項15記載の薬学的組成物。
  17. 2-置換-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)アデノシン誘導体の、少なくとも一つのジアステレオ異性体を含む、請求項15記載の薬学的組成物。
  18. 2-置換-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)アデノシン誘導体のジアステレオ異性体Aを含む、請求項17記載の薬学的組成物。
  19. 2-メチルチオアデノシン-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)のジアステレオ異性体Aを含む、請求項18記載の薬学的組成物。
  20. インスリン分泌を促進し、2型糖尿病を治療するための、請求項15から19のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  21. 経口投与のための、請求項20記載の薬学的組成物。
  22. 必要とする糖尿病患者に、請求項1記載の化合物の有効量を投与する段階を含む、2型糖尿病の治療のための方法。
  23. 必要とする糖尿病患者に、2-メチルチオアデノシン-5'-O-(1-ボラノトリホスフェート)の有効量を投与する段階を含む、2型糖尿病の治療のための方法。
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