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JP2005053969A - 難燃性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

難燃性樹脂組成物及び成形品 Download PDF

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JP2005053969A JP2003206227A JP2003206227A JP2005053969A JP 2005053969 A JP2005053969 A JP 2005053969A JP 2003206227 A JP2003206227 A JP 2003206227A JP 2003206227 A JP2003206227 A JP 2003206227A JP 2005053969 A JP2005053969 A JP 2005053969A
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Abstract

【課題】難燃性、耐衝撃性、耐薬品性、及び成形品表面外観に優れた成形品が得られる難燃性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)スチレン系樹脂5〜94質量%、 (B)オレフィン系樹脂5〜94質量%、(C)少なくとも1個の芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物からなる重合体ブロックからなる重合体において、共役ジエン部分の水素添加率が10%以上である水素添加ブロック共重合体1〜60質量%、上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して、(D)リン酸塩化合物5〜70質量部を含有してなる難燃性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性、耐衝撃性、耐薬品性、及び成形品表面外観に優れた難燃性樹脂組成物、更に難燃性樹脂組成物からなる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ABS樹脂等のゴム強化スチレン系樹脂の成形品は、耐衝撃性、成形性、機械的強度、成形品表面外観、二次加工性等に優れることから電気・電子分野、OA・家電分野、車両分野、サニタリー分野等に幅広く使用されている。これらは、用途により難燃化された材料が要求され、ハロゲン系難燃剤を配合し高度に難燃化された材料が使用されている。但し、ハロゲン系難燃剤は、燃焼時に有害なガスを発生させる場合いがあること、更に難燃剤からくるハロゲン化合物が加工機器等を腐食する等の問題があった。又スチレン系樹脂の難燃材料は、使用用途により、更なる耐薬品性を向上させることが要求されている。
一方、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の成形品は、耐薬品性、耐熱性、流動性等に優れているため、上記スチレン系樹脂同様に、電気・電子分野、OA・家電分野、車両分野、サニタリー分野等に広く使用されているが成形品表面外観、耐衝撃性が劣る等の問題があった。これらのオレフィン系樹脂も使用用途により難燃化された材料が要求される。オレフィン系樹脂を難燃化する方法は難しく、例えば、上記スチレン系樹脂等で使用されるハロゲン系難燃剤を用いる場合、スチレン系樹脂に使用されるハロゲン系難燃剤と比較して、多量の配合が必要であり、機械強度等が大きく低下するものであった。
特許文献1には、ポリオレフィンに水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を配合し難燃化する際、金属水酸化物配合量を多く必要とすることから機械的強度が脆いためその欠点改良として高密度ポリエチレンを配合することが提案されている。特許文献2では、上記ポリオレフィンに金属水酸化物を配合する際、ポリブテンとポリプロピレンを特定割合でアロイ化したポリマーを配合し機械的強度を向上させることが提案されているが、何れの方法でも機械的強度の改良は十分では無かった。又特許文献3では、金属水和物の配合量を減らす目的から、赤燐、酸化チタン、カーボンブラックを特定量配合することが提案されているが、相当量の金属水和物は必要であること、赤燐、カーボンブラックを用いることから着色に問題が生じる場合があった。又赤燐は、有害なガスを発生させる場合がある。
上記したように、ABS樹脂等のゴム変性スチレン系樹脂の問題点である、耐薬品性を改良する目的から、又オレフィン系樹脂の耐衝撃性、成形品表面外観を改良する目的から、ゴム変性スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂をアロイ化する方法が考えられたが、両材料は、相溶性が悪く、単に溶融混合しただけでは非常に脆い材料しか得られなかった。
本発明者等は、ABS樹脂等のスチレン系樹脂とPP等のポリオレフィン系樹脂の相溶化方法について既に特許出願している(特許文献4,5)が、これらのアロイ材料を非ハロゲン難燃剤で、十分な物性バランスを保ちながら難燃化する方法は無かった。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−301996号公報
【特許文献2】
特開平10−279736号公報
【特許文献3】
特開平10−251466号公報
【特許文献4】
特願2002−379817号
【特許文献5】
特願2003−106263号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、難燃性、耐衝撃性、耐薬品性、及び成形品表面外観に優れた難燃性樹脂組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、上記成形品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記目的を達成すべく鋭意検討して結果、(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなる組成物にリン酸塩化合物を配合することにより、難燃性、耐衝撃性、耐薬品性、及び成形品表面外観に優れた成形品が得られる難燃性樹脂組成物を見い出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、下記の難燃樹脂組成物とそれを用いた成形品が提供される。
(1) (A)スチレン系樹脂5〜94質量%、(B)オレフィン系樹脂5〜94質量%、(C)少なくとも1個の芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物からなる重合体ブロックからなる重合体において、共役ジエン部分の水素添加率が10%以上である水素添加ブロック共重合体1〜60質量%、
上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して
(D)リン酸塩化合物5〜70質量部を含有してなることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
(2) (A)成分が、ゴム質重合体存在下に芳香族ビニル化合物と、ビニルシアン化合物及び/又は(メタ)アクリル酸エステル化合物をグラフト共重合して得られるゴム強化スチレン系樹脂を含有してなることを特徴とする上記(1)記載の難燃性樹脂組成物。
(3) (C)成分の共役ジエン部分の水素添加率が、10%〜80%の範囲にあることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の難燃性樹脂組成物。
(4) (D)成分のリン酸塩化合物が、ポリリン酸塩化合物及び/又はピロリン酸塩化合物である上記(1)〜(3)の何れか記載の難燃性樹脂組成物。
(5)(1)〜(4)の何れか記載の難燃性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形品。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明に関わるスチレン系樹脂は、ゴム質重合体(a)の存在下、または非存在下に芳香族ビニル化合物、または芳香族ビニル化合物と芳香族ビニル化合物と共重合可能な他の単量体を含むビニル系単量体(b)を(共)重合して得れれる重合体であり、耐衝撃性から好ましくはゴム質重合体存在下に、上記ビニル系単量体(b)グラフト共重合して得られるたゴム強化スチレン系樹脂を少なくとも1種含むものであり、好ましくは、上記ゴム質重合体(a)の含有量が3〜80質量%、更に好ましくは5〜70質量%、特に好ましく10〜60質量%である。
上記ゴム質重合体(a)としては特に限定されないが、ポリブタジエン、ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、ブタジエン・アクリル酸エステル共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、イソブチレン・イソプレン共重合体等のジエン系(共)重合体、エチレン・プロピレン・(非共役ジエン)共重合体、エチレン・ブテンー1・(非共役ジエン)共重合体、ポリウレタンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、シリコーン・アクリル系IPNゴム等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組合わせて用いることができる。
また、これらのうち、ポリブタジエン、ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、エチレン・プロピレン・(非共役ジエン)共重合体、アクリルゴム、シリコーンゴム及びジエン系(共)重合体の水素添加物等が好ましい。
【0007】
上記ゴム質重合体(a)のゲル含率は、通常、98質量%以下であり、好ましくは40〜98質量%、更に好ましくは50〜95質量%、特に好ましくは60〜90質量%である。ゲル含率がこの範囲にあれば、難燃性、耐衝撃性、表面外観に優れた成形品を与える難燃性樹脂組成物を得ることができる。
尚、上記ゲル含率は、以下に示す方法により求めることができる。即ち、ゴム質重合体1gをトルエン100mlに投入し、室温で48時間静置した後、100メッシュの金網(質量をW1グラムとする)で濾過したトルエン不溶分と金網を80℃で6時間真空乾燥して秤量(質量をW2グラムとする。)する。
ゲル含率(%)=[{W2(g)―W1(g)}/1(g)]×100
ゲル含率は、ゴム質重合体の製造時に、分子量調整剤の種類及び量、重合時間、重合温度、重合転化率等を適宜設定することにより調整される。
【0008】
上記ビニル系単量体(b)を構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α―メチルスチレン、o―メチルスチレン、p―メチルスチレン、ビニルトルエン、メチルーα―メチルスチレン、臭素化スチレン、ヒドロキシスチレン等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、スチレン、α―メチルスチレンが好ましい。
芳香族ビニル化合物と共重合可能な、他の単量体としては、シアン化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、マレイミド化合物、不飽和酸、エポキシ基含有不飽和化合物、ヒドロキシル基含有不飽和化合物、オキサゾリン基含有不飽和化合物、酸無水物基含有不飽和化合物、アミノ基・置換アミノ基含有不飽和化合物等が挙げられ、これらは、それぞれ、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0009】
シアン化ビニル化合物としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
マレイミド化合物としては、マレイミド、N―メチルマレイミド、N―ブチルマレイミド、N―フェニルマレイミド、N―シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、マレイミド単位を導入するために、無水マレイン酸を(共)重合させ、後イミド化する方法でもよい。
不飽和酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ヒドロキシル基含有不飽和化合物としては、3−ヒドロキシー1−プロペン、4−ヒドロキシー1−ブテン、シスー4−ヒドロキシー2−ブテン、トランスー4−ヒドロキシー2−ブテン、3−ヒドロキシー2−メチルー1−プロペン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N― (4−ヒドロキシフェニル)マレイミド等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0010】
オキサゾリン基含有不飽和化合物としては、ビニルオキサゾリン等が挙げられる、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸無水物基含有不飽和化合物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アミノ基・置換アミノ基含有不飽和化合物としてはこれらは、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、N―ビニルジエチルアミン、N―アセチルビニルアミン、アクリルアミン、メタクリルアミン、N―メチルアクリルアミン、アクリルアミド、N―メチルアクリルアミド、p―アミノスチレン等があり、これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0011】
上記芳香族ビニル化合物と共重合可能な他の単量体の使用量は、ビニル系単量体(b)の合計100質量%とした場合、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、特に好ましくは40質量%以下である。
好ましい単量体の組み合わせは、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/メタクリル酸メチル、スチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸メチル、スチレン/アクリロニトリル/グリシジルメタクリレート、スチレン/アクリロニトリル/2―ヒドロキシエチルメタクリレート、スチレン/アクリロニトリル/(メタ)アクリル酸である。
上記(A)スチレン系樹脂は、公知の重合法、例えば、乳化重合、塊状重合、溶液重合、懸濁重合及びこれらを組み合わせた重合法で製造することができる。これらのうち、乳化重合及び溶液重合が特に好ましい。
【0012】
乳化重合で製造する場合、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤等が用いられるが、これらは公知のものが使用できる。
重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、過硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t―ブチルパーオキシラウレート、t―ブチルパーオキシモノカーボネート等が挙げられる。また、重合開始助剤として、各種還元剤、含糖ピロリン酸・鉄処方、スルホキシレート処方等のレドックス系を用いることができる。
連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n―ドデシルメルカプタン、t―ドデシルメルカプタン、n―ヘキシルメルカプタン、テトラエチルチウラムスルフィド、アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコール、ターピノーレン類等が挙げられる。
乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族スルホン酸塩、高級脂肪族カルボン酸塩、ロジン酸塩、リン酸塩等のアニオン系界面活性剤、さらに、公知のノニオン系界面活性剤を用いることができる。
【0013】
乳化重合において、ゴム質重合体(a)及びビニル系単量体(b)の使用方法は、ゴム質重合体(a)全量の存在下に、ビニル系単量体(b)を一括添加して重合してもよく、分割もしくは連続添加して重合してもよい。また、ゴム質重合体(a)一部の存在下に、ビニル系単量体 (b)を一括添加して重合し、重合途中でゴム質重合体(a)の残部を添加して重合してもよいし、ビニル系単量体(b)を分割もしくは連続添加して重合し、重合途中でゴム質重合体(a)の残部を添加して重合してもよい。
乳化重合の後、得られたラテックスは、通常、凝固剤により凝固させ、水洗、乾燥することによって、本発明の(A)スチレン系樹脂粉末を得る。この際、乳化重合で得た2種以上の(A)スチレン系樹脂のラテックスを凝固前に適宜ブレンドした後凝固してもよい。ここで使用される凝固剤としては、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等の無機塩、あるいは硫酸、塩酸、酢酸、クエン酸等の酸を用いることができる。
尚、乳化重合により、ゴム質重合体(a)の存在下、ビニル系単量体(b)を重合して得られる(A)スチレン系樹脂には、通常、上記ビニル系単量体(b)がゴム質重合体(a)にグラフトした共重合体と上記ビニル系単量体(b)がゴム質重合体(a)にグラフトしていない未グラフト成分(上記ビニル系単量体(b)の(共)重合体)が含まれる。
【0014】
溶液重合により(A)スチレン系樹脂を製造する場合、用いることのできる溶剤は、通常のラジカル重合で使用される不活性重合溶媒であり、例えば、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、ジクロロメチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N―メチルピロリドン等が挙げられる。重合温度は、好ましくは80〜140℃、更に好ましくは85〜130℃、特に好ましくは90〜120℃の各範囲である。
重合に際し、重合開始剤を用いてもよいし、重合開始剤を使用せずに、熱重合で重合してもよい。重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が好ましく用いられる。
連鎖移動剤を用いる場合、例えば、メルカプタン類、α―メチルスチレンダイマー、ターピノレン類等を用いることができる。
【0015】
塊状重合、懸濁重合で製造する場合、溶液重合において説明した重合開始剤、連鎖移動剤等を用いることができる。
【0016】
上記各重合方法によって得た、(A)スチレン系樹脂中に残量する単量体量は、好ましくは10,000ppm以下、更に好ましくは5,000ppm以下である。
上記(A)スチレン系樹脂のグラフト率は、好ましくは20〜200質量%、更に好ましくは30〜150質量%、特に好ましくは40〜120質量%である。
グラフト率(質量%)は、次式により求められる。
グラフト率(質量%)={(T−S)/S}×100
上記式中、Tは(A)スチレン系樹脂1gをアセトン20mlに投入し、振とう機により2時間振とうした後、遠心分離機(回転数;23,000rpm)で60分遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分の質量(g)であり、Sは(A)スチレン系樹脂1gに含まれるゴム質重合体の質量(g)である。
【0017】
本発明の(A)スチレン系樹脂のアセトン可溶分の極限粘度〔η〕 (溶媒としてメチルエチルケトンを使用し、30℃で測定)は、好ましくは0.2〜1.2dl/g、更に好ましくは0.2〜1dl/g、特に好ましくは0.3〜0.8dl/gである。
本発明の(A)スチレン系樹脂中に分散する(A)成分中に分散しているゴム質重合体成分の平均粒径は、好ましくは、500〜3,000Å、更に好ましくは1,000〜20,000Å、特に好ましくは1,500〜8,000Åの範囲である。(A)成分中に分散しているゴム質重合体成分平均粒径は、電子顕微鏡法による公知の方法で測定できる。
【0018】
本発明の難燃性樹脂組成物を構成する(A)、(B)及び(C)の合計を100質量%とした場合、(A)スチレン系樹脂の含有量は5〜94質量%であり、好ましくは5〜80質量%、更に好ましくは10〜60質量%、特に好ましくは10〜50質量%であり、その使用量が5質量%未満では、耐衝撃性が劣り、94質量%を超えると難燃性及び耐薬品性が劣る。
【0019】
本発明の(B)オレフィン系樹脂は、炭素数2〜10のα―オレフィンの少なくとも1種からなる単量体の重合体である。このオレフィン系樹脂としては、X線回折により室温で結晶化度を示すものが好ましく、より好ましくは結晶化度が20%以上であり、40℃以上の融点を有するものである。また、このオレフィン系樹脂は、常温において成形用樹脂として十分な分子量が必要である。例えば、プロピレンが主成分である場合、JIS K−6758に準拠して測定したメルトフローレートが、好ましくは0.01〜500g/10分、より好ましくは0.05〜100g/10分に相当する分子量のものである。
上記(B)オレフィン系樹脂の単量体であるα―オレフィンの例としては、エチレン、プロピレン、ブテンー1、ペンテンー1、ヘキセンー1、3−メチルブテンー1、4−メチルペンテンー1、3,3―ジメチルペンテンー1、3−メチルヘキセンー1、4−メチルヘキセンー1、4,4―ジメチルヘキセンー1、5−メチルヘキセンー1、ビニルシクロヘキサン、2−ビニルシクロ(2.2.1)ヘプタン、ヘプテンー1、オクテンー1等が挙げられる。これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記α―オレフィンで好ましいものは、エチレン、プロピレン、ブテンー1、ペンテンー1、ヘキセンー1、3−メチルブテンー1、4−メチルペンテンー1、3−メチルヘキセンー1等である。特に好ましくはエチレン、プロピレン、ブテンー1、3−メチルブテンー1、4―メチルペンテンー1である。
また他に、4−メチルー1、4−ヘキサジエン、5−メチルー1、4−ヘキサジエン、7−メチルー1、6−オクタジエン、1,9−デカジエン等の非共役ジエンを重合体成分の一部として使用することができる。
【0020】
本発明の(B)オレフィン系樹脂として、エポキシ基、アミノ・置換アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基等で変性されたものを用いてもよい。官能基で変性された(B)オレフィン系樹脂成分を(B)オレフィン系樹脂中に1〜30質量%の範囲で配合することで、難燃性がより向上する。
【0021】
本発明の難燃性樹脂組成物を構成する(A)、(B)及び(C)の合計を100質量%とした場合、(B)オレフィン系樹脂の含有量は5〜94質量%であり、好ましくは17〜94質量%、更に好ましくは35〜90質量%、特に好ましくは40〜90質量%であり、その使用量が5質量%未満では、難燃性及び耐薬品性が劣り、94質量%を超えると耐衝撃性が劣る。
【0022】
本発明の(C)水素添加ブロック共重合体は、少なくとも1個の芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物からなる重合体ブロックからなる重合体において、共役ジエン部分の水素添加率が10%以上である水素添加ブロック共重合体であり、具体的には、下記の構造式で表されるブロック共重合体の水素添加物でることが好ましい。
(S−B)m 一般式(1)
(S−B)m―Y 一般式(2)
S−(B−S)n 一般式(3)
(構造式1〜3中、Sは芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックで、実質的に芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックであれば一部共役ジエン化合物が含まれていてもよい。好ましくは、芳香族ビニル化合物を90質量%以上、好ましくは95質量%以上、特に好ましくは99質量%以上含有する重合体ブロックであり、Bは、共役ジエン化合物の単独重合体または芳香族ビニル化合物等の他の単量体を20質量%以下と共役ジエン化合物との共重合体である。Yはカップリング剤の残基であり、mは1〜5の整数、nは1〜5の整数をそれぞれ表す。)
更には、上記重合体ブロック以外の、例えば、重合体ブロック(B)の共役ジエン化合物に由来するビニル結合含有量の異なる重合体ブロック、芳香族ビニル化合物が漸増するテーパードブロック等の他の重合体ブロックが、重合体末端あるいは重合体鎖中に、1個または2個以上共重合されていてもよい。
【0023】
上記ブロック共重合体の芳香族ビニル化合物の割合は(結合芳香族ビニル化合物含有量)は、10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%、特に好ましくは30〜70質量%である。
上記ブロック共重合体の共役ジエン化合物に由来する二重結合の水素添加率は、10%以上であることが必要であり、好ましくは、20%以上、更に好ましくは30%以上、特に好ましくは50%以上である。
本発明の難燃性樹脂組成物の低温衝撃性から水素添加率は、50〜80%の範囲のものが、(C)水素添加ブロック共重合体全体の50質量%以上の割合で配合されたものが好ましい。水素添加率が10%未満では、難燃性、耐衝撃性、耐薬品性、及び成形品表面外観が劣る。
また、上記ブロック共重合体の共役ジエン化合物に由来するビニル結合(1,2−及び3,4−結合)含有量は、好ましくは5〜80%の範囲である。
本発明の(C)水素添加ブロック共重合体の数平均分子量は、好ましくは5,000〜1,000,000、更に好ましくは10,000〜300,000、特に好ましくは20,000〜200,000である。
【0024】
(C)水素添加ブロック共重合体で使用される芳香族ビニル化合物としては、前記例示したものが全て使用できる。即ち、スチレン、α―メチルスチレン、p―メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等があり、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。これらのうち、特にスチレンが好ましい。また、ここで使用される共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、メチルペンタジエン、フェニルブタジエン、3,4−ジメチルー1,3―ヘキサジエン、4,5−ジエチルー1,3―オクタジエン等があり、これらは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。好ましいものは、ブタジエン及びイソプレンであり、特に好ましくはブタジエンである。
【0025】
本発明の(C)水素添加ブロック共重合体の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用できる。例えば、特公昭36−19286号公報に記載されている有機リチウム触媒を用いたリビングアニオン重合の技術を用いて不活性溶媒中で芳香族ビニル化合物、共役ジエン化合物を重合することで製造することができる。有機リチウム化合物としては、n―ブチルリチウム、sec―ブチルリチウム、tert―ブチルリチウム等のモノリチウム化合物等がある。共役ジエン化合物のビニル結合量の調節は、N、N、N′、N′―テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジアゾビシクロ(2,2,2)オクタン等のアミン類、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。
【0026】
上記方法で重合体を得た後、カップリング剤を使用して重合体分子鎖がカップリング剤残基を介して延長または分岐された重合体であってもよい。この際用いられるカップリング剤としては、例えばアジピン酸ジエチル、ジビニルベンゼン、メチルジクロロシラン、四塩化珪素、ブチルトリクロロ珪素、テトラクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、ジメチルクロロ珪素、テトラクロロゲルマニウム、1,2−ジブロモエタン、1,4−クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、1,2,4−ベンゼントリイソシアネート等が挙げられる。
上記で得た重合体を公知の方法で水素添加反応することにより、また、公知の方法で水素添加率を調整することにより、目的の重合体を得ることができる。具体的な方法としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公昭63−5401号公報、特開平2−133406号公報、特開平1−297413号公報に開示されている方法がある。
【0027】
また、本発明の(C)成分は、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、酸無水物基、エポキシ基等の官能基を導入して、変性重合体として用いる用いることもできるし、又(C)成分存在下にビニル系単量体をグラフト重合し、変性した重合体を用いることもできる。かかる変性重合体としては、例えば下記の重合体が挙げられる。
(a)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた重合体の活性点に、エポキシ化合物またはケトン化合物を反応させた重合体とし、その後、該重合体を水素添加した重合体。
(b)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、該重合体を水素添加した重合体に(メタ)アクリロイル基含有化合物、エポキシ基含有化合物または無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種を溶液中または押出機等の混練機中で反応して得られる重合体。
(c)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物を有機アルカリ金属化合物存在下で重合し、カップリング剤として、エポキシ化1,2―ポリブタジエン、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、ベンゼンー1,2,4−トリイソシアナート、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、テレフタル酸ジエチル、ピロメリット酸ジシアンヒドリド等を用いることにより、分子鎖の中央にOH基、NHCO基、NH基等の官能基を導入した重合体。
(d)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物からなる共役ジエン部分の水素添加率10%以上のブロック共重合体存在下に、ビニル系単量体をグラフト重合した重合体。ここで使用するビニル系単量体は、(A)成分で述べたビニル系単量体(b)が全て使用でき、好ましくは、前記芳香族ビニル化合物と前記シアン化ビニル化合物及び(メタ)アクリル酸エステルから選ばれた1種以上であり、当該グラフト体中の上記水素添化ブロック共重合体量の好ましい範囲は、10〜60質量%である。これらの好ましい製造方法は、前記溶液重合である。
【0028】
本発明の難燃性樹脂組成物を構成する(A)、(B)及び(C)の合計を100質量%とした場合、成分(C)の含有量は1〜60質量%であり、好ましくは3〜50質量%、更に好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは10〜40質量%であり、その使用量が1質量%未満では、難燃性、耐衝撃性、耐薬品性及び成形品表面外観が劣り、60質量%を超えると難燃性、耐薬品性及び成形品表面外観が劣る。
【0029】
本発明の(D)成分は、下記一般式(4)で表されるリン酸塩化合物、または下記一般式(6)と下記一般式(7)でそれぞれ表されるリン酸塩化合物の組み合わせである。
【0030】
【化1】
Figure 2005053969
【化2】
Figure 2005053969
【化3】
Figure 2005053969
【化4】
Figure 2005053969
【0031】
上記一般式(4)で表されるリン酸塩化合物において、式中R、R、R及びRで表されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチルが挙げられる。
本発明で用いられる上記一般式(4)で表されるリン酸塩化合物としては、ジアミンとトリアジン誘導体及び(ポリ又はピロ)リン酸から得られるリン酸アミン塩であり、該リン酸アミン塩は、例えば次ぎの方法によって得ることができる。すなわち、反応容器に、不活性溶剤を添加もしくは溶剤を添加することなしに、所定のリン酸もしくは縮合度約2〜100の縮合リン酸を仕込む。次いで、〔RN(CH)mNR〕で表されるジアミン(ここでR、R、R及びRはそれぞれH もしくは炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、R、 R、R及びRは同一の基であっても異なってもよい。また、mは1 〜10の整数である。)、ピペラジンもしくはピペラジン環を含むジアミンである化合物(以下これらを総称してジアミン類という。)を直接あるいは水等に溶解または溶剤で希釈して添加し、―10〜100℃で反応させる。反応は中和反応であり、速やかに進行する。次にここで生成した反応物を単離し、もしくは単離することなく、アンモニアもしくは上記一般式(5)で表されるトリアジン誘導体を水等の溶媒で希釈あるいは希釈することなしに添加、加熱反応させることによりリン酸アミン塩が得られる。反応に関与するジアミン類、アンモニア及びトリアジン誘導体の量は、使用するリン酸もしくは縮合リン酸のリン濃度によって変化する。即ち、ジアミン類は、リン酸もしくは縮合リン酸中に含まれる水酸基の数の2分の1よりも少ないモル数、好ましくはリン酸もしくは縮合リン酸とほぼ等モル量を添加し、反応させ、中間生成物を得る。次いで該中間生成物に残留している水酸基に相当する量のアンモニアもしくはトリアジン誘導体を添加し、反応させる。
上記ジアミン類の具体的な例としては、N、N、N′、N′―テトラメチルジアミノメタン、エチレンジアミン、N、N′―ジメチルエチレンジアミン、N、N′―ジエチルエチレンジアミン、N、N―ジメチルエチレンジアミン、N、N―ジエチルエチレンジアミン、
N、N、N′、N′―テトラメチルエチレンジアミン、N、N、N′、N′―ジエチルエチレンジアミン、1,2―プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、ピペラジン、trans―2,5−ジメチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、1,4―ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン等が挙げられる。
【0032】
また、上記トリアジン誘導体の具体的な例としては、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、アクリルグアナミン、2,4―ジアミノー6−ノニルー1,3,5―トリアジン、2,4−ジアミノー6―ハシドロキノンー1,3,5−トリアジン、2−アミノー4,6―ジハイドロキシー1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノー6−メトキシー1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノー6−エトキシー1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノー6−プロポキシー1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノー6−イソプロポキシー1,3,5―トリアジン、2,4−ジアミノー6−メルカプトー1,3,5−トリアジン、2−アミノー4,6−ジメルカプトー1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0033】
上記一般式(6)で表されるリン酸塩化合物は、(ポリ又はピロ)リン酸とジアミンの塩であり、任意の反応比率で反応させて得ることができる。例えばピロリン酸ピペラジン塩の場合は、ピペラジン塩酸塩とピロリン酸ナトリウムとを水溶液中で反応させて、水難性沈殿として容易に得られる。本発明で使用される好ましいリン酸・ジアミン塩としては、リン酸ピペラジン塩が挙げられ、具体的にはオルトリン酸ピペラジン塩、ピロリン酸ピペラジン塩、ポリリン酸ピペラジン塩等が挙げられる。
【0034】
上記一般式(7)で表されるリン酸塩化合物はリン酸・トリアジン誘導体塩であり、次の方法によって得ることができる。例えばリン酸メラミン塩の場合は、リン酸とメラミンを任意の反応比率で反応させて得られる。本発明で好ましく使用されるリン酸メラミン塩の具体的な例としては、例えばオルトリン酸メラミン塩、ピロリン酸メラミン塩、ポリリン酸メラミン塩等が挙げられる。
【0035】
上記一般式(6)で表されるリン酸塩化合物と上記一般式(7)で表されるリン酸塩化合物との組み合わせ割合(前者/後者)は、好ましくは5〜95/95〜5(質量%)、更に好ましくは10〜90/90〜10(質量%)、特に好ましくは30〜70/70〜30(質量%)である。この範囲にあると優れた難燃性効果が得られる。
【0036】
本発明で使用する(D)成分のリン酸塩化合物は、平均粒子径40μm以下、更に好ましくは10μm以下のものが好適である。リン酸塩化合物の平均粒径が40μmより大きい場合には、本発明の樹脂組成物への分散性が悪くなり、難燃性、耐衝撃性、及び成形品表面外観が劣る場合がある。
【0037】
本発明の難燃性樹脂組成物を構成する(A)、(B)及び(C)の合計を100質量部とした場合、成分(D)の含有量は5〜70質量部であり、好ましくは5〜50質量部、更に好ましくは10〜50質量部、特に好ましくは10〜40質量部であり、その使用量が5質量部未満では、難燃性が劣り、70質量を超えると耐衝撃性、及び成形品表面外観が劣る。
【0038】
本発明の難燃性樹脂組成物の難燃性を向上させる目的から、ドリッピング防止剤、多価水酸基含有化合物、金属・半金属酸化物、遷移金属酸化物、シリコーン化合物、有機酸の金属塩、及び金属水酸化物等を配合することができ、これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで使用されるドリッピング防止剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素系樹脂、パーフルオロメタンスルホン酸、パープルオローn―ブタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロー2−エチルヘキサンスルホン酸等のパーフルオロアルカンスルホン酸のナトリウム、カリウム、カルシウム塩等のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、リン酸化合物、スルホン酸化合物のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩等が挙げられ、これらは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることが出来る。これらのドリッピング防止剤は、本発明の難燃性樹脂組成物100質量部に対して0.01〜3質量部の範囲で用いることが好ましい。
【0039】
多価水酸基含有化合物としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアネート、ポリエチレングリコール、グリセリン、デンプン、ブドウ糖、セルロース、ソルビトール等がある。これらの多価水酸基含有化合物のうち多価アルコール化合物は樹脂との馴染みがよく、低水溶性及び低吸湿性の点で好ましく、とりわけジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール(縮合度≧4)は、水溶性、吸湿性が特に低いため本発明に適している。これらの多価水酸基含有化合物は、本発明の難燃性樹脂組成物100質量部に対して1〜15質量部の範囲で使用することが好ましい。
【0040】
金属・半金属酸化物は、典型金属元素及び半金属元素の酸化物であり、酸化アルミニウム、酸化リチウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化燐、酸化ビスマス等があり、これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、遷移金属酸化物は、遷移金属元素の酸化物であり、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等があり、これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。上記金属酸化物は、本発明の難燃性樹脂組成物100質量部に対して20質量部以下で使用することが、耐衝撃性から好ましい。
【0041】
上記シリコーン化合物としては、任意の割合でM単位、D単位、T単位、Q単位を含むポリオルガノシロキサンが好ましく、液状、粉体、ゴム状のものの何れも使用可能であるが、M単位、D単位、及びT単位からなり、置換アルキル基がメチル基とフェニル基からなるポリメチル・フェニルシロキサンが特に好ましい。またこれらのポリオルガノシロキサンには、アルコキシ基、ビニル基等、水酸基、水素基等が付加されていても良い。シリコーン化合物は、本発明の難燃性樹脂組成物100質量部に対して0.5〜20質量部の範囲で使用することが好ましい。
【0042】
有機酸の金属塩としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の有機酸のアルカリ金属塩、及びアルカリ土類金属塩等があり、これらは本発明の難燃性樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で使用することが好ましい。
【0043】
本発明の難燃性樹脂組成物には、公知の無機充填材を配合することができる。ここで使用される無機充填材としては、ガラス繊維、ミルドガラス、ガラスビーズ、ガラスフレーク、中空ガラス、炭素繊維、炭素繊維のミルドファイバー、タルク、炭酸カルシウムウイスカー、ワラストナイト、マイカ、カオリン、モンモリロナイト、ヘクトライト、酸化亜鉛ウイスカー、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、板状アルミナ、及び有機酸処理されたスメクタイト等があり、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができ。又、上記無機充填材の分散性を向上させる目的から、公知のカップリング剤で表面処理したものを用いることもできる。公知のカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等がある。上記無機充填材は、本発明の難燃性樹脂組成物100質量部に対して、1〜100質量部の範囲で通常使用される。
【0044】
本発明の難燃性樹脂組成物には、公知の耐候(光)剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤、染料、結晶造核剤、抗菌剤、防黴剤、発泡剤等を配合することができる。更に、本発明の難燃性樹脂組成物には、他の公知の熱可塑性重合体である、ポリアミド樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリエステル樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、LCP、熱可塑性ポリウレタン等を適宜配合できる。
【0045】
本発明の難燃性樹脂組成物は、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、連続ニーダー等により、各成分を混練することにより調製することができる。好ましい製造法は、押出機(好ましくは二軸押出機)またはバンバリーミキサーを用いる方法である。
更に、各々の成分を混練するに際して、それらの成分を一括して混練してもよく、押出機、バンバリーミキサー等を用いて、多段、分割配合し混練してもよい。尚、バンバリーミキサー、ニーダー等で混練したあと、押出機により更に分割添加、混練、脱気等を行いペレット化することもできる。
このようにして調製された本発明の難燃性樹脂組成物は、射出成形、プレス成形、シート押出成形、真空成形、異形押出成形、発泡成形等の公知の成形法により、成形品を得ることができる。これらの成形法で得られた成形品としては、下記のものが例示される。
【0046】
各種ギア、各種ケース、センサー、LEPランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ部品、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶FDDキャリッジ、FDDシャーシー、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品等に代表される電気・電子部品。VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーデイオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声器部品、照明部品、冷蔵庫部品などに代表される家庭・事務電気製品部品。オフィスコンピューター関連部品、電話機器関連部品、ファクシミリー関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具関連部品。便座、タンクカバー、ケーシング、台所回りの部品、洗面台関連部品、浴室関連パーツ等のサニタリー関連部品。窓枠、家具、床材、壁材等の住宅・住設関連部品。顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機器関連部品。オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種バルブ。エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウオーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、ディストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイパーハーネス、ウインドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁弁用コイルボビン、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローラー、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース。パソコン、プリンター、ディスプレイ、CRTディスプレイ、ノートパソコン、携帯電話、PHS、DVDドライブ、PDドライブ、フレキシブルディスクドライブ等の記憶装置のハウジング、シャーシー、リレー、スイッチ、ケース部材、トランス部材、コイルボビン等の電気・電子機器部品。バンパー、フェンダー等の車両用外装部材、その他各種用途。
【0047】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。尚、実施例中において部及び%は、特に断らない限り質量基準である。また、実施例、比較例中の各種測定は、下記の方法に拠った。
【0048】
1)評価方法
(1)ゴム質重合体のゲル含率:前記したため省略する。
(2)(A)成分中に分散しているゴム質重合体成分の平均粒子径: (A)成分の形成に用いるゴム質重合体ラテックスの平均粒子径は、光散乱法で測定した。測定機は、大塚電子社製LPA―3100型を使用し、70回積算でミュムラント法を用いた。尚、(A)成分中に分散しているゴム質重合体成分の平均粒子径は、ゴム質重合体ラテックスの平均粒子径とほぼ同じであることを電子顕微鏡で確認した。
(3)(A)成分のグラフト率:前記したため省略する。
(4)(A)成分のアセトン可溶分の極限粘度〔η〕:前記したため省略する。
(5)(C)成分の(水素添加)ジエン系重合体の結合スチレン量、数平均分子量、ビニル結合量及び水素添加率等の測定方法について
(5−1)結合スチレン量;水素添加前の重合体で測定した。699cm―1のフェニル基の吸収に基づいた赤外法による検量線から求めた。
(5−2)数平均分子量;水素添加前の重合体で測定した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から求めた。
(5−3)ビニル結合量;水素添加前の重合体で測定した。赤外法(モレロ法)によって求めた。
(5−4)水素添加率;水素添加後の重合体で測定した。四塩化エチレンを溶媒として用い、15%濃度で測定した100MHzのH―NM Rスペクトルの不飽和二重結合部のスペクトル減少から算出した。
(6)難燃性;UL94規格に準拠して、1.6mm肉厚試験片のV試験を行った。V試験の規格外のものはNRと記載した。
(7)耐衝撃性;ISO試験法179に準して、ノッチ付きシャルピー衝撃強さ(KJ/m)を測定した。
(8)耐薬品性;肉厚3.2mm×巾12.7mm×長さ127mmの試験片に1%の歪みをかけ、エチルアルコールを塗布したあと、23℃で24時間放置したあとの、成形品の状態を下記評価基準に基づき目視評価した。
○;変化無し
×;クラック発生または破断
(9)成形品表面外観;肉厚2.0mm×巾50mm×長さ70mmの平板を成形し、下記評価基準で、目視評価した。
○;成形品表面が滑らかであり、ヒケも無い。
×;成形品表面が滑らかで無い、及び/または成形品表面にヒケがある。
【0049】
2)難燃性樹脂組成物の成分
(1)(A)成分;
(1−1)製造例A1;ABS樹脂
撹拌機を備えた内容積7Lのガラス製フラスコに窒素気流中で、イオン交換水75部、ロジン酸カリウム0.5部、t―ドデシルメルカプタン0.1部、ポリブタジエンラテックス(平均粒子径;3500Å、ゲル含率;85%)40部(固形分)、スチレン15部、アクリロニトリル5部を加え、撹拌しながら昇温した。内温が45℃に達した時点で、ピロリン酸ナトリウム0.2部、硫酸第一鉄7水和物0.01部及びブドウ糖0.2部をイオン交換水20部に溶解した溶液を加えた。その後、クメンハイドロパーオキサイド0.07部を加えて重合を開始した。1時間重合させた後、更にイオン交換水50部、ロジン酸カリウム0.7部、スチレン30部、アクリロニトリル10部、t―ドデシルメルカプタン0.05部及びクメンハイドロパーオキサイド0.01部を3時間かけて連続的に添加し、更に1時間重合を継続させた後、2、2′―メチレンービス(4−エチルー6−t―ブチルフェノール)0.2部を添加し重合を完結させた。反応生成物のラテックスを硫酸水溶液で凝固、水洗した後、乾燥してスチレン系樹脂A1を得た。この共重合樹脂A1のグラフト率は68%、アセトン可溶部の極限粘度〔η〕は、0.45dl/gであった。
【0050】
(1−2)製造例A2;AS樹脂
内容積30Lにリボン翼を備えたジャケット付き重合反応容器を2基連結し、窒素置換したあと、1基目の反応容器にスチレン76部、アクリロニトリル24部、トルエン20部を連続的に添加した。分子量調節剤とてt―ドデシルメルカプタン0.12部及びトルエン5部の溶液、及び重合開始剤として、1,1′―アゾビス(シクロヘキサンー1−カーボニトリル)0.1部及びトルエン5部の溶液を連続的に供給した。1基目の重合温度は、110℃にコントロールし平均滞留時間2.0時間、重合転化率57%であった。得られた重合体溶液は、1基目の反応容器の外部に設けられたポンプにより、スチレン、アクリロニトリル、トルエン、分子量調節剤、及び重合開始剤の供給量と同量を連続的に取り出し2基目の反応容器に供給した。2基目の反応容器の重合温度は、130℃、平均滞留時間2.0時間、重合転化率75%であった。2基目の反応容器で得られた共重合体溶液は、2軸3段ベント付き押出機を用いて、直接未反応単量体と溶剤を脱揮し、極限粘度〔η〕0.48のスチレン系樹脂A2を得た。
【0051】
(2)(C)成分;
(2−1)製造例C1;スチレンーブタジエンブロック共重合体の部分水添物
撹拌機及びジャケット付きの内容積50Lのオートクレーブを乾燥、窒素置換し、スチレン30部を含むシクロヘキサン溶液を投入した。ついで、n―ブチルリチウムを添加し、70℃で1時間重合した後、ブタジエン40部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間、更にスチレン30部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間重合した。得られたブロック共重合体溶液の一部をサンプリングし、2,6−ジーtert―ブチルカテコールをブロック共重合体100部に対して0.3部添加し、その後、溶媒を加熱除去した。このものの、スチレン含量は60%、ポリブタジエン部分の1,2―ビニル結合量は35%、数平均分子量は56000であった。残りのブロック共重合体溶液にチタノセンジクロライドとトリエチルアルミニウムをシクロヘキサン中で反応させた溶液を加え、50℃、50kgf/cmに水素圧下、40分水素化反応を 行った。
その後、脱触媒処理を行い、2,6―ジーtert―ブチルカテコールを加えて減圧乾燥を行った。得られた重合体C1の水素添加率は69%であった。
(2−2)製造例C2;スチレンーブタジエンブロック共重合体の部分水添物
製造例C1において、水素化反応時間を短くして、水素添加率5%の重合体C2を得た。
(2−3)製造例C3;スチレンーブタジエンブロック共重合体の水素化物
撹拌機及びジャケット付きの内容積50Lのオートクレーブを乾燥、窒素置換し、シクロヘキサンとブタジエン20部溶液を投入した。ついで、n―ブチルリチウム0.025部を加えて、50℃の等温重合を行った。添加率100%になった時点で、テトラヒドロフラン0.75部、ブタジエン65部を添加し、50℃から80℃に昇温重合を行った。転化率が100%になった時点でスチレン15部を加え、更に重合反応を行い、水素添加前S―B1―B2トリブロック共重合体を得た。製造例C1同様にサンプリングし分析した結果、スチレンブロック15% (Sブロック)、1,2―ビニル含量35%のブタジエンブロック(B1ブロック)、1,2―ビニル含量10%のブタジエンブロック(B2ブロック)からなる数平均分子量20万の重合体であった。
別の容器でチタノセンジクロライド1部をシクロヘキサンに分散させ、室温でトリエチルアルミニウム0.5部と反応させた。得られた均一溶液を上記ポリマー溶液に加え、50℃で、50kgf/cmの水素圧 力下、2時間水素化反応を行い、C1同様に重合体を回収した。本重合体C3の水素添加率は99%であった。
【0052】
(2−4)(C4);変性スチレンーブタジエンブロック共重合体水素化物
リボン型撹拌翼を備えた内容積10Lのステンレス製オートクレーブを窒素置換した後、窒素気流中で予めトルエンを溶媒として均一溶液にした上記(2−3)で得た重合体C3を30部(固形分)、スチレン52.5部、アクリロニトリル17.5部、トルエン120部及びtert―ドデシルメルカプタン0.1部を仕込み、撹拌しながら昇温し、50℃にてベンゾイルパーオキサイド0.5部、ジクミルパーオキサイド0.1部を添加し、更に昇温し、80℃に達した後は、80℃一定で制御しながら重合反応を行わせた。反応開始後6時間目から1時間を要して120℃まで昇温し、更に2時間反応を行って終了した。重合転化率は、97%であった。
100℃まで冷却後、2,2−メチレンビスー4−メチルー6−tert―ブチルフェノール0.2部を添加した後、反応混合物をオートクレーブより抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物と溶媒を留去し、粉砕したのちベント付き押出機(220℃、700mmHg真空)にて実質的に揮発分を留去するとともに、重合体をペレット化し、重合体C4を得た。このもののグラフト率は、45%、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は、0.45dl/gであった。
【0053】
(3)(B)成分;
(3−1)B1;プロピレン樹脂
日本ポリケム社製ブロックタイプポリプロピレン“ノバテックBC6C”を用いた。
(3−2)B2;プロピレン樹脂
日本ポリケム社製ブロックタイプポリプロピレン“ノバテックBC06C”を用いた。
【0054】
(4)(D)成分
(3−1)D1;ピロリン酸メラミン塩
メラミン2モルとピロリン酸1モルを反応させて得たものを用いた。
(3−2)D2;ピロリン酸ピペラジン塩
ピペラジン1モルとピロリン酸1モルを反応させて得たものを用いた。
(3−3)D3;ピロリン酸メラミンピペラジン塩
メラミン1モル、ピペラジン1モルとピロリン酸1モルを反応させて得たものを用いた。
【0055】
(5)(E)その他の成分
(5−1)E1;ポリテトラフルオロエチレン
住友スリーエム社製“ホスタフロンTF1620”を用いた。
(5−2)E2;ジペンタエリスリトール
和光純薬工業社製試薬を用いた。
【0056】
3)実施例1〜9 、比較例1〜7
表1記載の配合割合で、ヘンシエルミキサーにより混合した後、二軸押出機(シリンダー設定温度200℃)を用いて溶融混練し、ペレット化した。
得られたペレットを十分に乾燥したのち、射出成形機(シリンダー設定温度200℃)により評価用試験片を作製した。
この試験片を用い、前記の方法で、難燃性、耐衝撃性、耐薬品性及び成形品表面外観を評価した。評価結果を表1に示した。
【0057】
【表1】
Figure 2005053969
【0058】
表1から、比較例1は、本発明の(A)成分の使用量が発明の範囲外で少なく、(B)成分の使用量が発明の範囲外で多い例であり、耐衝撃性が劣る。比較例2は、本発明の(A)成分の使用量が発明の範囲外で多く、(B)成分の使用量が発明の範囲外で少ない例であり、難燃性及び耐薬品性が劣る。比較例3は、本発明の(C)成分の使用量が発明の範囲外で多い例であり、難燃性、耐薬品性及び成形品表面外観が劣る。比較例4は、本発明の(C)成分の使用量が発明の範囲外で少ない例であり、難燃性、耐衝撃性、耐薬品性、及び成形品表面外観が劣る。比較例5は、本発明の(C)成分の共役ジエン部分の水素添加率が発明の範囲外で少ない例であり、難燃性、耐衝撃性、耐薬品性、及び成形品表面外観が劣る。
比較例6は、本発明の(D)成分の使用量が、発明の範囲外で少ない例であり、難燃性が劣る。比較例7は、本発明の(D)成分の使用量が、発明の範囲外で多い例であり、耐衝撃性及び成形品表面外観が劣る。
【0059】
【発明の効果】
本発明の難燃性樹脂組成物は、(A)スチレン系樹脂、(B)オレフィン系樹脂、(C)共役ジエン系重合体の水素添加物、(D)リン酸塩化合物のそれぞれを特定範囲含有しているため、特に難燃性、耐衝撃性、耐薬品性、及び成形品表面外観に優れた成形品を得ることができる。

Claims (5)

  1. (A)スチレン系樹脂5〜94質量%、
    (B)オレフィン系樹脂5〜94質量%、
    (C)少なくとも1個の芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物からなる重合体ブロックからなる重合体において、共役ジエン部分の水素添加率が10%以上である水素添加ブロック共重合体1〜60質量%、
    上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して
    (D)リン酸塩化合物5〜70質量部を含有してなることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. (A)成分が、ゴム質重合体存在下に芳香族ビニル化合物と、ビニルシアン化合物及び/又は(メタ)アクリル酸エステル化合物をグラフト共重合して得られるゴム強化スチレン系樹脂を含有してなることを特徴とする請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. (C)成分の共役ジエン部分の水素添加率が、10%〜80%の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載の難燃性樹脂組成物。
  4. (D)成分のリン酸塩化合物が、ポリリン酸塩化合物及び/又はピロリン酸塩化合物である請求項1〜3の何れか1項記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか1項記載の難燃性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形品。
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